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梓「ギターとか弾けませんけどなにか?」#後編 【カオス】


http://raicho.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1298381008/l50

梓「ギターとか弾けませんけどなにか?」#前編




109 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/23(水) 18:27:55.76 ID:jQmGsVX3O

数日後


梓「そういえば、純ってどこの部活にも所属してないんだっけ?」

純「まあね。最初はジャズ研に入ろうかと思ったんだけど。
  ストパーかけたりとか、髪の毛のケアでお金がかなりかかるからバイトしてるの」

梓「そこまで純の髪って長くないと思うけど」

純「そりゃあ梓に比べたらね。
  ……っと、もうこんな時間。あたし、バイト行くね」

梓「はいはい、ガンバ。
  私も部活行こうっと」





111 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/23(水) 18:34:40.60 ID:jQmGsVX3O

梓「こんにちわー」

唯「あずにゃーん!」ダキッ

梓「おやおや。唯先輩ったらいきなりそんな熱い抱擁なんて。
  ……ん? そんなにニヤニヤしてどうかなさいましたか?」

唯「えへへ。実は、わたしたちからあずにゃんに素晴らしいプレゼントがあるんだよ」

梓「プレゼント?」

紬「たぶん、見たら喜んでくれると思うよ」

梓「はあ……私が喜ぶものですか」



112 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/23(水) 18:42:21.75 ID:jQmGsVX3O

澪「……梓」

梓「なんですか、澪先輩? 相変わらずベッピンさんですけど」

澪「その……梓がベースを私にくれたおかげで、また練習ができるようになった。
  それで……お礼というわけじゃないんだけど、渡したいものがあるんだ」

梓「はあ、そうですか。私が澪先輩のベースを木っ端みじんにしたのに。なんかすみませんね。
  それで、私に渡したいモノとはなんですか?」

澪「ギターだ」


梓「\(^o^)/」

唯「あずにゃん。よっぽど嬉しいんだね。
  嬉しさのあまりバンザイしちゃうなんて」



114 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/23(水) 18:49:26.56 ID:jQmGsVX3O

澪「誤解のないように言っておくけど、これは私が買ったものじゃない。
  もちろん、ほかのみんなもギターを買ったりはしてない」

律「先週の金曜日にさ、澪が私に提案したんだ。
  もしかしたら部室のどこかにギターがあるかもしれないって。
  それで、実際に土曜日に私と澪と唯とムギとで集まって、部室全体を探してみたんだ」

紬「そしたら本当にギターがあったの」

唯「もともとはさわちゃん先生が親戚の人からもらったものらしいけど。
  あずにゃんのことを話したら、そのギターをあげるって言ってくれたんだよ」

澪「それがそのギターなんだけど。
  保存状態もいいし、たぶん使えるはずなんだ」

梓「…………」

唯「あ、もしかしてあずにゃんったら、嬉しさのあまり泣きそうなのかな?」

梓「ええ。すごく泣きたい気分です」



115 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/23(水) 18:56:18.79 ID:jQmGsVX3O

梓「適当に理由つけて、部活から抜けてきたけどこれからどうしたらいいんだろ。
  ギターをもらってしまった以上はギターを弾かなきゃならないし……本気で困った」


レディナビゲーションユアフレッシュ♪


梓「あ……澪先輩からメールだ」

澪『もしギターに不具合があるなら、楽器屋に見てもらうといいよ
  なんなら私のわかる範囲で見てもいいし
  まあお互いにガンバろ
  ファイティーン!!』

梓「……澪先輩ってわりといい人なのかな。

  ん……楽器店?

  そうだ! その手があった! こうなったら急いで楽器店に行かなきゃ!」




116 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/23(水) 19:02:20.42 ID:eKK35h1MO

所々でB'z出すのやめろww





117 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/23(水) 19:07:14.47 ID:jQmGsVX3O

店員「いらっしゃいませー」

梓「あの、すみません。
  ギターを売りたいんですけど見てもらってもいいですか?」

店員「…………」

梓「な、なんですか?
  そんなにジットリ眺められても、困ることしかできませんよ」

店員「……いえ、失礼しました。どこかで拝見したことあるお顔だったような気がしたもので」

梓「気のせいでしょう。ええ、どう考えても気のせいです。
  それよりギターを見ていただきたいんですが」

店員「……そうですね。
   それではギターを拝見させてもらいます」



120 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/23(水) 19:12:26.95 ID:jQmGsVX3O

次の日


梓「こんにちわー」

澪「よっ、梓。
  昨日は帰ってからギターのほうは試したか?」

梓「…………」

唯「どうしたのあずにゃん?
  なんだかすごく、気まずそうな顔してるけど」

紬「もしかして体調がよくない?
  なんなら保健室にいっしょに行こうか?」

律「ていうか、梓。
  なんでギターをもってないんだ?」

梓「実は……」



121 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/23(水) 19:17:50.59 ID:jQmGsVX3O

唯「ホントに大丈夫、あずにゃん?
  なんだか顔色が悪いよ?」

梓「い、いえ……大丈夫です。それより私の話を聞いてください。
  実はギターなんですが……」

澪「なんだ?
  もしかして、思いのほか使えなかったとか、どこかに不具合があったりしたのか?」

梓「違います。

  ギター、売っちゃったんです」

律「(´Д`)」はあ!?



122 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/23(水) 19:23:43.67 ID:jQmGsVX3O

梓「より、正確に情報をお伝えするなら売られてしまったんです。
  澪先輩が私にくれたギターは」

澪「……どういうことだよ?」

梓「お恥ずかしい話なのですが、実は私の母は生粋のギャンブル狂でして……。
  毎日毎日、ほとんど欠かさずにパチンコや競馬をやるような人間なんです」

唯「パチンコはお金がなくなっちゃうからやっちゃダメなんだよ?」

梓「ええ、唯先輩のおっしゃるとおりです。
  実際、母はかなりの負債を抱えています。
  なのに、それにも構わず借金までしてギャンブル三昧でして……」

律「麻雀とかもやっちゃったりするわけだ」

梓「ええ。雀荘とか行きまくりですよ」



124 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/23(水) 19:31:19.34 ID:jQmGsVX3O

紬「それは大変ね」

澪「つまり、梓のお母さんは自分のギャンブルのために……その、ギターを売ったんだな……」

梓「ええ……。本当にすみませんでした。
  私がもっとしっかりしていればこんなことには……」

唯「あずにゃんはなにも悪くないよ。そういうこともあるよ」

梓「唯先輩……そうですね。
  悪いのは私の母のような人間であり、私の母みたいな人間を生み出してしまう社会ですよね」

澪「そこまでは言ってない」

紬「でも、これからどうしよう……」


梓(どうやら大丈夫みたいですね。なんとかごまかせたみたいです。
  まったく……お人よしな先輩たちです)



126 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/23(水) 19:41:39.85 ID:jQmGsVX3O

昨日・回想


店員「ぁす〃レニゃωσヶ〃ノまωこきもちレヽレヽ。
  すこ〃<UまりヵゞレヽレヽЙё。
  レま〃<もレヽッちゃぅそぅT=〃∋。τレヽぅヵゝこσままぉUッこUτレヽレヽ」

梓「……はあ」

店員「それレニ小±Tょぉッはoレヽはけッこぅ需要ヵゞぁりますヵゝらЙё。
   禾ムも貧乳ヵゞ女子きτ〃Uτ」

梓「あの……専門用語とか出されてもわからないんで、ギターの値段だけ教えてもらっていいですか?」

店員「五十万です」

梓「……はい?」

店員「五十万円になります」

梓「(#^ω^#)」



127 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/23(水) 19:52:10.57 ID:jQmGsVX3O

回想終了


梓(まさか、私がギターを弾かないため口実のために売ったギターが五十万もする代物だったとは……。
  笑いが止まらないとはまさにこのこと。
  もちろん、五十万はきっちり預け入れしてあるし問題ない)

唯「あずにゃん、笑ってるの?」

梓「へ……?
  い、いえ、違いますよ。くしゃみが出そうだったもので」

梓(いけない、いけない。思わずニヤニヤしてしまった)

律「しかし、ギャンブル好きの親っていうのも困ったもんだよな。
  わたしの両親はそんなんじゃなくてよかったよ」

澪「律、そんな言い方はないだろ」

律「ん、ああ……ゴメン、梓」

梓「いいえ、いいんです。気にしないでください」


梓(まあ、私のお母さんがギャンブル狂なんて嘘だけどね)



130 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/23(水) 19:59:41.57 ID:jQmGsVX3O

梓「それで、先輩。
  私からみなさんに提案があるんですが聞いてもらってもいいですか?」

澪「なんだ?」

梓「ギターがない私にできることは、私が思いつくかぎりひとつしかありません。
  
  ボーカルです。私にボーカルをやらせてくれませんか?」

律「まあ、そうなるわな」

唯「わたし、ギターとボーカルだけど。
  仮にあずにゃんがボーカルやったらどうするの?」



133 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/23(水) 20:06:07.10 ID:jQmGsVX3O

梓「ギターだけやってればいいと思うんですけど。
  それに歌いながらギターを弾くのって疲れるでしょうし、私が代わりに歌ってあげますよ」

唯「えー。わたし、ギターもやりたいけどボーカルもやりたいよ」

梓「しかし、唯先輩が歌ってギターやったら私はなにをすればいいんですか?」

澪「……ダンスとか?」

梓「澪先輩は魔法以上にユカイなことを言わないでくれますか?」

律「まあ、せっかくだし梓と唯で歌い比べてみるのはどう?
  ボーカルはバンドの顔だしさ」

梓「なるほど、悪くありせんね。
  そうしましょうか」



136 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/23(水) 20:14:01.72 ID:jQmGsVX3O

澪「とりあえず、唯と梓の歌を聞き比べしてうまいほうをボーカルとして採用するということで。
  これでいいか、二人とも?」

唯「いいよ」

梓「はい。それでいいです」

紬「それから、二人が歌う歌は、唯ちゃんは『ふわふわ時間』で。
  梓ちゃんは……ギリギリ……ちょっぷ、って曲でいいんだよね?」

梓「はい。それでお願いします。
  私は先輩方が作ったオリジナル曲を知りませんからね」

律「んじゃあ、まずは唯からスタート」


唯「すぅ~はぁ~……キミを見てるとハートどきどき……」


梓(以下略)



139 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/23(水) 20:21:57.62 ID:jQmGsVX3O

梓「き〃りき〃り→か〃けぇσぅぇをぃ<ょ→にふらふらUたっτぃぃU〃ゃなぃかょぉ!!」


澪「梓、なかなかハードな動きをするな」

律「あんなにぴょんぴょん動いてるのに、よく歌えるな。
  梓は運動が得意だったりするのか?」


梓「それτ〃もまぇにぃ<Uかなぃωた〃からぁ!!」


紬「動きかたとかすごくカッコイイんだけと……」

唯「うん。たしかにすごくカッコイイんだけと……」


梓「た〃ぃU〃ょぉふ〃ほ〃<σは〃ぁぃゎぁぁあああああ!!!!」


唯澪律紬(滑舌が悪すぎてなに言ってるのかわからない……)



140 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/23(水) 20:29:25.26 ID:jQmGsVX3O

梓「はあはあ……やはりこの曲は疲れますね。
  どうでしたか、みなさん。私のタマシイの歌声(歌声と書いて生き様と読む)は?」

律「ん? ああ、その……」

唯「あんまりうまくないね!」


梓「……今、なんて言いました?」

唯「え? だからあんまりうまくないね、って言ったんだよ。
  実際にわたしのほうがうまいよね?」

澪「まあ、な……」

梓「ちょ、ちょっと待ってください。
  私はこれでもヒトカラーなんですよ。
  こんな性格してるからあんまり友達がいないから、毎日が暇で。
  そんな暇をつぶすために、カラオケに通いまくって歌いまくりのこの私が……下手?」

紬「うん……正直、あまりうまくないと思う……」



141 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/23(水) 20:40:50.42 ID:jQmGsVX3O

梓「……では、ボーカルは唯先輩に決定ということですか?」

律「まあ、今のところはな。悪いけど、唯と比べると梓の歌唱力はちょっと……」

梓「でも、待ってください。
  そしたら私はどうしたらいいんですか?
  私はなんのために軽音部にいるんですか? ていうか、いる意味なんてありませんよね?」

紬「ええと、梓ちゃんはかわいいから客引きになるんじゃ……」

梓「みなさんも十分かわいいですから。
  ていうか、お願いします。私にボーカルをやらせてください」

澪「みんな。私からひとつ案があるんだけど……。
  歌だって練習すればうまくなるから、賭けてみないか?」

唯「なにに?」

澪「梓の歌がうまくなる可能性に、だ」



144 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/23(水) 20:50:04.62 ID:jQmGsVX3O

梓「澪先輩……」

澪「唯だって、最初の頃は歌いながらギターを弾くのは無理だった。
  でも、最終的には練習してできるようになったんだ。
  梓だって、練習すればきっと歌もうまくなると思う」

紬「そうね。澪ちゃんの言うとおりかも」

律「そうだな。唯もいいだろ?」

唯「うんっ! あずにゃん、歌のことならまかせて!」

梓「みなさん……ありがとうございます!」



146 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/23(水) 21:00:19.99 ID:jQmGsVX3O

それから二週間後


律「今日はみんなにいい報せがあるぞ」

梓「なんですか」シーシー

律「とりあえず、爪楊枝をしまえ。
  ていうかなんでそんなに爪楊枝使う率が高いんだよ」

梓「イチゴが歯と歯の間に挟まったみたいです。
  わりとすきっ歯なのかもしれません。
  まあ歳をとると、誰もがすきっ歯になってしまうらしいですけどね」

律「まあ、そんなことはいいや。それより聞いてくれ」

紬「なになに?」

律「部長会議で決まったことなんだけど、今年の夏に備えてクーラーが設置されることになりました」

澪「へえ、今年の夏は快適に練習できるな」

梓「なん……です、と?」

紬「どうかしたの、梓ちゃん?」



147 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/23(水) 21:08:03.29 ID:jQmGsVX3O

梓「クーラーなんてダメです!」

律「……なにを急に言い出すかと思えば。
  なんでクーラーがダメなんだよ。
  ドラマーのわたしとしてはメチャクチャありがたいぞ」

澪「楽器弾いていると、けっこう体温が上がるしな」

唯「わたしはクーラー苦手だからなんとも言えないや。
  ……あ、もしかしてあずにゃんったらわたしの心配してくれたの?」

梓「え? あ、ああ……唯先輩がクーラー苦手なことはもちろん心配でしたよ。
  しかし、問題はそっちじゃありません」

澪「じゃあ、なんだ?」

梓「はあ……。これだから頭の回転が鈍い人は困りますねえ。
  少し考えればわかるでしょう?

  私はボーカリストなんですよ?」



148 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/23(水) 21:14:47.02 ID:jQmGsVX3O

澪「全然わからないんだけど」

梓「あのですね。
  ボーカリストが一番気づかわなければならないものはなにか。
  それは喉です。喉はギターの弦みたいにとり替えも聞きません」

澪「それがどうした?」

梓「これだけ言ってまだわからないなんて……。

  クーラーなんて使ったら私の喉が傷んでしまいます」

澪「いや、B'zのボーカルじゃあるまいし、そこまで気をつかわなくても……」

梓「先輩、やる気あるんですか?
  私たち高校生の青春なんてホントに一瞬ですよ?
  なにごとにも全力で取り組むべきです」



154 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/23(水) 21:48:10.39 ID:jQmGsVX3O

唯「あずにゃんって、ときどきすごくいいこと言うよね」

律「うん、たしかにすごくいいこと言うんだけど。
  言動と行動がイマイチ、マッチしてないんだよなあ」

澪「今だってひとりだけラスク食べてるしな。
  今のうちに発声練習でもすればいいのに」

梓「何度も言わせないでください、澪先輩。
  そして何度も練習、練習と同じことを言わないでください。
  まあ加齢が進むと同じことを何回も繰り返して言ってしまうらしいですけどね」

澪「…………」

梓「何回も言ってると思いますけど、喉――つまり、声帯は大事にしなければいけないんです。
  私のカワイイ声が台なしになったら、バンドまで台なしになってしまいますよ」



156 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/23(水) 21:53:19.44 ID:jQmGsVX3O

澪「……そうだな。
  悪かったよ。でも、あとからきちんと練習しような?」

澪(ここはガマンだ。梓はもともと口が悪いだけで、悪気はないんだ)

梓「はいはい。
  ていうか、また練習って言いましたね」ボリボリッ

澪「……ごめん」

梓「いいですよー」ボリボリッ

紬「梓ちゃん、まだまだたくさんラスクあるから食べてね」

梓「うんうん。どうせ太るならうまいもので太りたいですよねー。
  うみゃー」ボリボリッ

澪(大丈夫……だよな?)



159 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/23(水) 22:03:45.31 ID:jQmGsVX3O

時間は進んで、季節は夏


澪(あんまり練習できてないまま、気づいたら七月になっていた……)


梓「このクソ暑い部室でしゃべるのは、それだけでなかなかの労力ですがそれでも言います」

律「なんだよ?
  ていうか、暑い。暑すぎる。クーラー欲しい」

梓「私の喉に毒ですからダメです。
  ……それで、提案、というかなんというか」

澪「早く言え。前置きが長い」

梓「はい、言います。

  ティーセットは撤去するべきです!」


紬「……はい?」



160 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/23(水) 22:12:42.97 ID:jQmGsVX3O

唯「イヤだよ、あずにゃん!
  わたしたちの軽音部に、ティータイムがなくなったらただの軽音部だよ!」

律「唯、落ち着け。なにが言いたいかはわかるけど、言ってることがメチャクチャだぞ。
  梓もだ。なに意味不明なこと言ってんだよ?」

梓「そうですね。より、きちんとわかりやすく話しましょう。
  ティータイムに代わって新たなタイムを導入しようと思いまして」

紬「ティータイムに代わって……?
  なにをするの?」

梓「鍋タイムを導入しようかと思います」

澪「また意味のわからないことを……」

梓「人の話を最後まで聞かないうちから、意味がわからないと決めつけるのはどうなんでしょうね?
  澪先輩のメルヘン歌詞より、よっぽど論理的な考えのもとで私はこの提案をしているんですけどねえ」

澪「メルヘン歌詞……」



162 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/23(水) 22:22:08.72 ID:jQmGsVX3O

紬「ええと、梓ちゃんはどうして鍋タイムの導入なんてしようと思ったの?」

梓「実はあるアーティストのNHKの特集を見ましてね。
  そのボーカルの人が鍋を食べてたんですよ。
  なんでも声帯を温める効果があるとかうんたん」

澪「だからってティータイムをやめてまで、鍋を食べる必要があるのか?
  いや、そもそも部活で鍋を食べることじたいおかしいだろ」

梓「部室でティータイムしているくせに、なにを今さら」

律「つうか、このただでさえ暑い夏場になんで部室で鍋しなきゃならないんだよ」

梓「いいバンドにはいいボーカリストがいるべきでしょう?
  私が鍋を食べて、それででバンドがよくなるならいいでしょう?」



165 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/23(水) 22:31:42.65 ID:jQmGsVX3O

澪(そして、そんな梓の馬鹿げた提案のもと私たち軽音部は放課後に毎日、鍋を食べるはめになった。
  夏場に汗を大量にかきながら、ひいひい言って鍋を食べる軽音部。
  私の目標としていた軽音部の姿はすでにない)


梓「ふはっー、あちち……やっぱり夏に食べるキムチ鍋はうまいですね」

唯「ふー、ふー……」

律「いつか脱水症状で、全員死ぬかもな……」

紬「梓ちゃん、韓国産のキムチはどう?
  本場のキムチだからそれなりにうまいと思うんだけど……」

梓「あちぃ……全然うまくないですね。ただたんに辛いだけって感じです。
  やっぱりキムチは日本の松前風キムチにかぎりますよ」

澪「……」グスッ



166 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/23(水) 22:41:12.68 ID:jQmGsVX3O

澪(さらに時間は経過して、気づいたら文化祭一週間前。
  私たち軽音部一同はバンドの名前を考えていた)


唯「タンスの角に薬指」

澪「ピュアピュア」

律「なんかどれもパッとしないな……」

紬「大器晩成とかは?」

律「一応、わたしらまだ高校生だから」

梓「そんなんじゃダメですー!!」

澪「……梓にはなにか名前の案でもあるのか?」

梓「はい、当たり前でしょう。
  澪先輩みたいに批判するだけして、意見出さないカボチャ頭とは違いますから」



167 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/23(水) 22:50:36.42 ID:jQmGsVX3O

澪「……で、名前は?」


梓「放課後に鍋ばっかりしてることから、放課後ナベタイムでどうですかね。
  正直、私が考えた提案した名前が一番いいですね」

律「まあ……いいんじゃないか?
  他に案もないみたいだし、これで決定だな」

梓「いやあ、バンド名も決まったし、みなさんの演奏も順調ですし懸案事項はもはやありませんね。
  私たち放課後ナベタイムはやればできる子の集まりですね」

澪「梓、ひとつ忘れてることないか?」

梓「なんですか?」

澪「お前の歌だ」

梓「(´Д`)」



169 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/23(水) 22:59:14.26 ID:jQmGsVX3O

澪「私たち、いまだに梓の歌声を春以来聞いてないんだけど」

梓「じょぶじょぶだいじょうぶですよ」

澪「……ホントにか?
  せっかくだから、今から聞かせてほしいんだけど」

唯「わたしもあずにゃんの歌聞きたいなあ」

律「そうだな。せっかくだから歌ってみろよ、梓。
  わたしらが今から演奏するからさ」

梓「ゲホゲホっ……い、いけませんねえ、どうやら喉の調子が悪いみたいです。
  これで歌ったら本番前に喉を痛めてしまうかもしれません。
  これはしばらく喉を休めたほうがいいですねえ……ゲホっ、ゲホゲホゲホっ!」

澪「……まあ、梓がそこまで言うなら……」


澪(大丈夫だ。梓はやるときはきっとやってくれるはず)



174 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/23(水) 23:06:44.11 ID:jQmGsVX3O

梓(さて、いよいよ本番の前日です。
  私は真鍋先輩に一通のメールを送りました)


梓『先輩、どうしましょう。
  五ヶ月も歌の練習したのに全然歌がうまくなりませんでした』

梓(まあ、こんなメールしてもしかたないんだけど……
  にしても、いつもに比べると返事遅いなあ)


ウルトラソウッ!♪


梓「はい、遅いとか思ってたらメールが来ましたよ……あれ?」



179 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/23(水) 23:15:20.70 ID:jQmGsVX3O

和『私に相談されても困るわね。
  私、かなり歌うまいから、歌が下手な人の気持ちなんてわからないわ』

梓『さらりとヒドイ言いますね。
  ところでセンパイ、いつもとメールの感じがちがいますけど』

和『…………。
  ほら、唯ってば今になって風邪をひいちゃったでしょう?
  だから心配になってメールしたの。そしたら……

  和ちゃんにギャル文字は気持ち悪いよって指摘してきたの』

梓『(笑)』

和『笑わないで。
  たぶん、唯ったら風邪ひいちゃってそのせいで、こころにもないメールしちゃったんだろうけどね
  正直すごく傷ついたわ』

梓『そうですか。で、私の愚痴に対してなにか言うことはありませんか?
  もう明日の文化祭なんてなくなってしまえばいいのに(泣)』

和『文化祭はなくならないだろうけど、あなたたちの発表はなくなる可能性はあるんじゃない?』

梓『??』



180 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/23(水) 23:22:23.68 ID:jQmGsVX3O

和『だから、唯が風邪ひいてるんでしょ?
  だったらそのまま唯が風邪のままだったら学校にも来れないわけで。
  あとは言わなくてもわかるわよね?』

梓『なるほど! センパイって本当に頭いいですね!』

和『よく言われるわ(和)。
  とにかく唯が学校に来ないように祈っておいたら?』

梓『はい! 今から伊勢神宮まで行って神様にお願いしてきます』

和『そんな時間とお金があるの?』

梓『時間は……知らないですけど、お金はたんまりあるんで大丈夫ですよ(藁)
  それじゃ、さよならセンパイ』




181 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/23(水) 23:22:55.16 ID:520/tLWo0

どこから出てきた金だ



183 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/23(水) 23:24:08.79 ID:UOaDuyZA0

50万をここで使うのか・・・



184 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/23(水) 23:28:38.31 ID:U/R5USRq0

>和『よく言われるわ(和)。
和ロスwwwwww





185 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/23(水) 23:28:48.91 ID:jQmGsVX3O

和『えー、もうちょっとメールしましょう』

梓『いやです。ていうか、めんどくさいです(-.-;)』


和『ていうか……ゃっはoり≠〃ャ儿文字か〃ぃぃょ→o(^-^)o』

和『ぁす〃±ちゃωもそぅ思ぅτ〃Uょ? 思ぅ∋Йё(^_-)-☆?』

和『τレヽぅヵゝ禾ムほど〃≠〃ャ儿文字レニぁぅJKレヽナょレヽヵゝらo(^-^o)(o^-^)o』


梓「しね」




186 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/23(水) 23:30:01.76 ID:ROGoSOZK0

だんだん読めるようになってきたぞギャル文字



187 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/23(水) 23:31:11.00 ID:SGD44iyy0

おれも完璧に読めるようになってしまった・・・



188 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/23(水) 23:35:36.65 ID:520/tLWo0

禾ロちゃωσ≠″ャ儿文字はまU″ぅ±″レヽレナー⊂″ξ⊇カゞヵワィィょ





189 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/23(水) 23:36:52.53 ID:jQmGsVX3O

次の日


紬「唯ちゃん、来ないね」

澪「唯は風邪だから、もしかしたら来れないかもしれないってことはわかってたけど……」

律「なんで梓まで来ないんだろうな。
  まさかアイツサボる気か……?」


梓「ところがどっこい、あずにゃんこと中野梓はここにいるんですよね」

澪「いつのまに……いや、まあいい。
  よかったよ、梓が来てくれて」

梓「……」キョロキョロ

紬「どうしたの、梓ちゃん? そんなにキョロキョロしちゃって」



196 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/23(水) 23:44:08.10 ID:jQmGsVX3O

梓「唯先輩がいないか探しているんですよ。
  先輩がいなかったら、放課後ナベタイムは成立しませんからね」

澪「唯は……まだ来てないんだ」

梓「そうですか……ふう、苦労に苦労を重ねたかいがあったみたいですね」

律「は?」

梓「気にしないでください。こちらの話ですから」

澪「ていうか、梓がからだにつけてる紙はなに?
  あと手首にも数珠みたいなのいっぱい巻いてるし……」

梓「だから気にしなきていいって言ってるでしょう。
  澪先輩って人の話を右から左へ聞き流すのが得意なんですか?」

澪「…………」



197 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/23(水) 23:51:57.80 ID:jQmGsVX3O

律「まあまあ、そう梓も怒るなって。唯がいなくて気がたってるのはわかるけどさ。
  今のうちにわたしらだけでも練習しとこうぜ」

紬「そうね。そうしましょう」

梓「……みなさんはクラスのほうのお手伝いとかないんですか?」

律「あー、そうだ。わたしとムギ、あと30分したら当番だよ」

梓「そちらに行ったほうがいいんじゃないんですか?
  割り当てられた仕事はきちんとこなさないと迷惑になりますよ」

澪「でも唯が……」


がちゃ!


唯「やっほー! みんなお待たせー!」

梓「(^ω^)」



199 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/24(木) 00:01:55.04 ID:KJqqcroDO

紬「唯ちゃん……よかった。もう風邪は大丈夫なの?」

唯「うん、きちんと食べて寝てをしてたら、すっかり体調よくなったよ。
  みんな、心配かけてごめんね」

梓「……」

唯「あずにゃんも心配かけてごめんね……って、その格好どうしたの?」

梓「はははは、よかったよかった……はははは、唯先輩が無事に学校に来てよかった……」

唯「久々にあずにゃん分を補給しておかなきゃね」ダキッ

律「唯、梓に抱き着いてる場合じゃないぞ。
  これからクラス当番だぞ」

唯「あ、そうだった!
  あずにゃん、澪ちゃん、またあとでね!」



201 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/24(木) 00:05:55.69 ID:KJqqcroDO

澪「……私もクラスのほう見てくるな。
  ふたりだけじゃ練習もできないしな」

梓「…………」

澪「梓?」

梓「は、はい!?」

澪「どうした? 珍しくぼうっとして」

梓「な、なにもです。大丈夫です。
  わ、私もクラスが心配なんで見てきます!」

澪「そうか。じゃあまた1時にここに集合な」



203 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/24(木) 00:13:50.36 ID:KJqqcroDO

憂「いよいよ、本番だね。
  わたしと純ちゃんも見に行くからがんばってね」

純「講堂って、人が集まって暑いところだから本当はいやだけど、一応見に行くよ。
  はあ……髪ゴワゴワしないか心配だな」

梓「ああ、うん、ふたりともありがとう」

憂「そうそう、聞いて。
  お姉ちゃんったらね、危うくギターを忘れそうになったんだよ。
  わたしが気づいてなかったら危なかったよ」

純「いかにも憂のお姉ちゃんらしいね」


梓「……! それだ! ありがとう、憂! とっておきのアイディアが浮かんだよ!
  こうしちゃいられない、あそこに行かなきゃ! またあとでねっ!」


憂「……どうしたんだろ、梓ちゃん」

純「なんか急に生き生きしだしたね」



204 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/24(木) 00:20:29.34 ID:KJqqcroDO

PM:1:05・音楽室 


梓「すみません……少し遅れました」


唯「ない、ないよ!!」


梓「どうしたんですか、唯先輩?
  もう本番の30分前なのに落ち着いていないと……失敗しちゃいますよ。
  せっかく5人で初めての文化祭での演奏なんですから」

唯「で、でも……それどころじゃないよ!」

梓「どうしたんですか、澪先輩?」


澪「実は……私たちが部室を空けているうちに唯のギターがなくなったんだ」

唯「うわああああああんっギー太ああああ!!」



梓「……」ニヤリ




205 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/24(木) 00:20:56.60 ID:f0qdEpXp0

あずさにゃん・・・



206 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/24(木) 00:21:49.93 ID:9ZlMn83t0

ダメだこいつ屑すぎる



207 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/24(木) 00:25:34.67 ID:QKJnA5RD0

澪のベースを壊し、わざわざくれたギターをも売り、さらにライブを台無しに・・・
全てがバレたら殺されるレベル



208 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/24(木) 00:27:26.04 ID:GqUW6mB+0

やっぱりあずにゃんはウザい方が光るな





210 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/24(木) 00:32:05.18 ID:KJqqcroDO

梓(うししししっ……まったく、初めからこうしていればよかった……。
  どんなに楽器がうまくても楽器がなければ、なにもできないでしょう)

律「まさか本番直前にこんなアクシデントに見舞われるなんて……!」

澪「とにかく時間が許すかぎり、唯のギー太を探すぞ!」

梓「今から探して間に合いますかねえ?
  本番まで残り30分しかありませんよ?」

澪「いいから! 学校中を探すぞ。諦めるな!」


梓(うひひひっ……はたして先輩たちで私が隠した唯先輩のギターを見つけられますか?)



214 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/24(木) 00:41:34.48 ID:KJqqcroDO

澪「時間がない。みんなで手分けして探すしかないな。
  とりあえず、唯と私で……」

梓(意外と澪先輩、頼りになりそうですね。
  意外です。まあ、どうせ30分以内に見つけることなど不可能ですがね)

律「じゃあ、わたしは二階を探してくる。ムギは外を頼む」

紬「わかった」

梓(無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄。
  まあ、努力は認めてあげますけどね。さて、私は高見の見物といきますか……)


がちゃ


憂「お姉ちゃーん、ギー太が校長先生の銅像の前に落ちてたから届けに来たよ」

梓「(^O^)」



218 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/24(木) 00:52:20.41 ID:KJqqcroDO

梓(こうして、私の放課後ナベタイムライブ崩しはあっけなく終わった。
  残ったのは、本番前の地獄のような時間だけである)


律「よし、わたしら放課後ナベタイムの成功を祈ってエンジン組むぞ!」

梓「…………」

澪「梓……結局、一回も練習してこなかったが大丈夫か?
  いや、今さら大丈夫か、なんて聞くのはおかしいな」

唯「そうだよ! ギー太も戻ってきたし、がんばろうよ」

紬「せっかくだし、梓ちゃんがエンジンのかけ声をやったら?」

梓(もうどうにもなれ……!)



219 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/24(木) 00:55:46.26 ID:KJqqcroDO

梓「わかりました。

  ヤッてやるです!」





梓「生一丁っっ!」


唯澪律紬「「「「喜んで!!!!」」」」








220 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/24(木) 00:56:51.45 ID:f0qdEpXp0

ざわ・・・ざわ・・・



221 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/24(木) 00:57:13.72 ID:v4Dnm5Jw0

喜んで!



222 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/24(木) 00:57:21.16 ID:CeE0FA9N0

飲み屋の店員かwww



223 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/24(木) 01:00:13.98 ID:H0aYsNpFO

どんだけB'z好きなんだよwww





225 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/24(木) 01:03:52.97 ID:KJqqcroDO

梓(私はステージに立って思わずメマイがした。
  たかが女子高生のバンド演奏になんでこんなに人がいるんだろう)


キャーヮ-ヮ-ホウカゴナベタイムダアア ナマエダセエ

ミオターンコトシモパンツミセテネエカイチョウヨリ

シャベッタアアアアアアアアアアアアァ


梓「あー、あー、放課後ナベタイムです。
  今から演奏するんで聞いてください」チラッ

律「ワンツースリー!」


…………




226 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/24(木) 01:09:25.95 ID:f0qdEpXp0

ちょwwマクドナルドのCMのあいつがwww



227 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/24(木) 01:11:54.40 ID:/XEVzUWg0

シャベッタアアアアアアアアアアアアァに不意をつかれたわwww





228 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/24(木) 01:13:09.30 ID:KJqqcroDO

梓(結論から言うなら、ライブは大成功だった。
  なにせ私の歌唱力はあがっていたのだから。
  ていうかなんなんだろ、この謎の達成感は……?)

澪「やったな、梓。大成功だ。練習の成果がきちんと出た結果だ。
  正直に白状すると、私は梓のことを疑ってたんだ。
  きちんと練習してないんじゃないかって。部活でも鍋食べてばかりだったし」

梓「……澪先輩」

澪「でも、きちんと練習してたんだな。疑っててごめん。
  そして……歌、すごく上手だったよ」

唯「うん、あずにゃんの歌声は最高だよ!」

紬「ええ、ステキな歌声だったわ」


アンコール! アンコール! アンコール!


律「へへっ、放課後ナベタイムのライブは大成功だったな。
  さて、アンコールいくぞ!」



231 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/24(木) 01:21:02.72 ID:KJqqcroDO

どうもこんにちは。鈴木純です。


いきなりわたしの出番で、わたし自身が焦ってますけど、どうやら放課後ナベタイムのライブは成功してるみたい。
講堂に溢れる割れんばかりの歓声が、なんかスゴイです。

憂「アンコール! アンコール!」

隣の憂も目茶苦茶はしゃいでるし。

純「アンコール!アンコール! 梓、アンコール!」

かくいうわたしも梓の歌声にすっかりやられたみたい。

いや、真面目に梓の歌声はすごいすごい!
ロックの片鱗を垣間見た気がする。


あれ? 梓がなぜか澪先輩を蹴り飛ばしてベースを奪ったけど……なんで?

梓「さあ、みなさんのアンコールに応えて私が真のロックンロールを見せてやります!」

梓がマイクを使って叫んだ。

真のロックンロール?

なにそれ?




232 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/24(木) 01:22:08.47 ID:f0qdEpXp0

!?





239 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/24(木) 01:27:52.90 ID:KJqqcroDO

梓の謎のパフォーマンスによってさらに会場はヒートアップする。

と、そのとき。

梓のもってるベースの先っぽから火花が出ました。
真っ赤な火花です。火花はどんどん大きくなります。

梓はベースを振り回しまくります。正直危ないです。
澪先輩たちはあたふたしています。さらに火花はでかくなります。

そして。


梓「私からのロックンロールを受けとってください!!」


梓がベースを豪快に投げます。
あんな小柄なのに、会場のほとんど一番うしろで眺めていたわたしのとこまでベースは届きました。


そしてベースはわたしの目の前で爆発した。



244 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/24(木) 01:34:58.03 ID:KJqqcroDO

【エピローグ】


なにから話せばいいのか迷うけど、最初に話しておかなければいけないのはやはりあのことだ。


梓は、あのライブのあと警察に捕まった。


わたしをベース爆破によって傷つけたことはこのことにはあまり関係ない。
いや、ベースは関係あるんだけど。


春に梓は澪先輩のベースを今回と同じように、爆破したらしい。
そして同じモデルをプレゼントしたそうだ。


そう、ベース。実はそのベースは楽器店から盗み出したものらしかった。
ちなみに梓が捕まる決定打になったのは楽器屋の店員の証言。

梓が楽器屋にギターを売りに行ったとき、店員は夜にベースを盗んだ犯人と似ていることに気づいたそうだ。




246 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/24(木) 01:40:17.91 ID:f0qdEpXp0

oh...



247 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/24(木) 01:42:03.54 ID:GIIWq/pli

ちゃんとハッピーエンドになるみたいで良かった





249 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/24(木) 01:46:02.74 ID:KJqqcroDO

そしてストパーをかけて真っ直ぐに整えていたわたしの髪は……またもとのモップ状態になった。
あれほど金と時間をかけたわたしの髪はあっけなく台なしになった。

しかし、わたしは梓に感謝している。
わたしはあのライブでわたしの中のロックンロールに気づけた。

もはや、今のわたしはロックの虜だ。

そして、ロックにとりつかれた人間の髪型が普通ではダメだろう。

だから、わたしはこのモップヘアーでもういいのだ。


純「梓、待っててね」

さっきは梓は警察に捕まったって言ったけどもう逃亡してしまったらしい。さすがロックだ。

なんでも今はマニラに逃亡したとか。

そしてロックにとりつかれたわたしは梓を追うのだ。どこまでも。

純「絶対に捕まえるんだから、梓!」


わたしはそう声に出して、大破したベースを背負って、飛行機の搭乗口に足を踏み入れた。




    お わ り




250 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/24(木) 01:48:26.66 ID:0aQmVWrL0

すごいパンクなSSだった、乙



251 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/24(木) 01:48:48.32 ID:v4Dnm5Jw0


楽しかった



252 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/24(木) 01:48:54.68 ID:9ZlMn83t0

激しかったな乙



253 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/24(木) 01:48:59.09 ID:QKJnA5RD0


面白かった
久々に酷いゴキにゃんが見れた



254 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/24(木) 01:49:09.28 ID:f0qdEpXp0


なんかもういろいろとカオスだったが、面白かった



255 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/24(木) 01:52:36.80 ID:x7u5SGttO

ちゃんとハッピーエンドで安心したぜ



256 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/24(木) 02:06:03.32 ID:zp9k54IAP

凄く面白かった



257 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/24(木) 02:09:20.04 ID:a0np3vsq0

感動したわ



258 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/24(木) 02:16:24.51 ID:rP8BtZNz0

最初のベース爆破はシュールで爆笑したわww



259 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/24(木) 04:09:34.31 ID:19jzLV6f0

おつ



260 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/24(木) 04:19:34.70 ID:meQ/09EYI





261 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/24(木) 04:37:59.09 ID:eG5+GmPBO

おつ



262 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/24(木) 04:39:14.20 ID:kn3w/CFvO

現行で見たいと思って見たの久しぶりだ

また書いてくれ





263 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/24(木) 05:10:42.73 ID:k1NdyPwqO

おつ



264 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/24(木) 06:27:10.61 ID:x6qc5iYsO

すごいロックが伝わった、乙



265 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/24(木) 07:00:37.98 ID:Bz7Nyw5WO

なんというかこのスレ自体が一種の暴動だったなww

>>1乙!



266 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/24(木) 09:05:37.97 ID:QprUF5/A0

乙!



267 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/24(木) 09:05:57.62 ID:5+zgAMU2O

これがロック!!



268 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/24(木) 09:14:09.39 ID:IxtpC6H/0

乙うい



269 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/24(木) 09:43:06.16 ID:Mx30nUNS0

お疲れさん!久々に面白いSSを見させてもらったよ





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梓「ギターとか弾けませんけどなにか?」#後編
[ 2011/02/24 16:21 ] カオス | | CM(4)

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タイトル:
NO:1105 [ 2011/02/25 05:06 ] [ 編集 ]

誰か188を解読してくれ

タイトル:
NO:1106 [ 2011/02/25 10:13 ] [ 編集 ]

禾ロちゃωσ≠″ャ儿文字はまU″ぅ±″レヽレナー⊂″ξ⊇カゞヵワィィょ



和ちゃんのギャル文字はまじうざいけどそこがかわいいよ

タイトル:
NO:1107 [ 2011/02/25 11:34 ] [ 編集 ]

※2
解読サンクス

タイトル:
NO:5831 [ 2012/03/11 04:45 ] [ 編集 ]

この梓は袋だたきにしても構わない

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