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唯「さわちゃん!」爽子「………はい」#2 【日常系】


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唯「さわちゃん!」爽子「………はい」#1




66 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします:2010/11/19(金) 15:03:28.61 ID:UYG/I4U0

唯「む~…」

現在は、授業の間の休み時間中。
唯は、シャーペンを頭に当てながら、悩ましげに唸った。

和「唯。どうしたのよ、そんなに唸って…。」

唯「部活、どこにしようかと悩んでて…」

と、唯が言うか言わないかで、和が迫って来た。

和「まだ提出してなかったの? 提出期限まで、後一週間よ? 」

唯「だ、だって~…」

和「そんなこと言って、選り好みしてたら、ニートまっしぐらよ? 」





67 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします:2010/11/19(金) 15:12:21.66 ID:UYG/I4U0

爽子「どうしたの…?」

騒ぎを聞きつけてか、爽子が心配そうに駆けつけた。

和「それがね…唯が…」

唯「さわちゃんは、部活入るの? 」

爽子「私は、お家の手伝いとかあるので…」

唯「えー? やろうよ!部活~!」

爽子「で、でも、私なんかがはいれる部活は…」

と、爽子は俯いてしまう。

唯が「そんなことないよ~。一緒に探そうよ!」

唯は席から立ち上がり、爽子の両手を握った。

和「もう!他人を巻き込まないで!爽子も迷惑でしょう?」

爽子は、首を物凄い速さで座右に振ると、ほほを染めた。

爽子「わ、私が唯ちゃんの役に立つなら…!」

唯「じゃあ、一緒に探そう!」

唯が「おー」と、拳を上げると、爽子もおずおずとそれに倣った。
和が、その様子にため息をついたとき、授業開始のチャイムが鳴った。



68 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします:2010/11/19(金) 15:20:30.16 ID:UYG/I4U0

~放課後~
唯「これは…!」

唯が一つのポスターの前で立ち止まった。
それは、ギターの絵がかかれた可愛らしいポスターだ。

唯「さわちゃん!さわちゃん!これ、どうかなぁ?」

唯は他のポスターを見ていた爽子を呼ぶと、件のポスターを指差した。

爽子「…良いとおもう!」

爽子は、唯の言うことに従おうと思っていたので、なんの反対もなく、OKを出した。

唯「よーし!じゃあ、ここに決定だね!」

あれだけ悩んでいた唯だったが、爽子のOKもあってか、躊躇も自分の考えもなく、ペンを取り出した。
そして、ボスターの張り出されている掲示板を使って、提出用紙に書き始めた。



69 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします:2010/11/19(金) 15:30:35.20 ID:UYG/I4U0

爽子も慌てて、唯に続いて書き始めたが、そのポスターに書いてある募集事項に気づいた。

爽子「ギタリスト…?」

そこには、ギタリスト募集< と、小さく書かれていたのである。

唯はそれに気づいているのか知らないが、せっせと記入しているようだ。

爽子(唯ちゃん…ギターを弾けるのかな…?)

ふと、湧いた疑問を唯に尋ねようとする。
と、唯は記入し終えたらしく、唯の方から話しかけて来た。

唯「書き終わった? 」

唯に突然声をかけられ、話しかけようとしたことより、記入に意識がいき、続きを書いた。

爽子「書けたよ…。」

唯「私が出してきてあげる!」

唯は爽子の用紙をひったくるように、取るとひったくるように、走って校舎へ入って行った。

爽子「…ゆい…ちゃん…」

爽子は、嫌な予感を覚えながら、唯の名前を呟いた。



70 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします:2010/11/19(金) 15:32:50.77 ID:UYG/I4U0

iPhoneからです。

やりづらいので、途中までです。
すいません。

明日パソコンから、書き込もうと思います。

わずかながら、見てくださってる方、ありがとうございます。




71 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします:2010/11/19(金) 15:34:34.94 ID:cZM08Woo

きてた!
ゆっくりでいいから待ってるよ!
爽ちゃんがけいおん部でどういう立ち位置になるか楽しみだなぁ



73 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします:2010/11/19(金) 20:56:11.92 ID:7b5OFrgo

乙!
これからどんな流れになるか楽しみだ





74 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします:2010/11/21(日) 00:55:19.57 ID:mDp4TYU0

―翌日―

放課後、唯と爽子は音楽準備室の前に佇んでいた。

唯「どうしよう~・・・。」

唯がため息交じりに言う。

爽子「ちゃんと言えば・・・わかってくれるよ・・・。」

爽子は、多分と言いかけてやめた。悩んでいる唯をこれ以上悩ませてはいけない。

唯・爽子「はぁ~~~~~~。」

二人が大きなため息をついた時、ちょうど律が階段を上がってくるところだった。
新入部員が入ると、先生から聞き、上機嫌で鼻歌を歌っている。

律「~♪お!音楽室前に人か・・・げ?!」

律はマイナスオーラを放つ二人、いや、正確には強烈なマイナスオーラを放つ、片方の長い黒髪の生徒に驚いた。



75 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします:2010/11/21(日) 00:56:05.02 ID:mDp4TYU0


律(あ、あれって・・・。噂の・・・!)

律は、思わず階段を上る歩を止めた。すると、それに気付いた爽子が、ゆっくりとこちらを向く。

律(ひ、ひえ~!こないだの雰囲気が全くないな・・・。)

あからさまにひきつった顔をした律を見た爽子は、驚愕の表情を律に見せた。

律「っひ!」

その表情に恐怖した律は、思わず声をあげてしまった。その声で隣にいた唯も振り向く。
爽子ほどではないが、唯もものすごい驚愕の表情で律を見る。
数秒間、その状態が続いた後、律が我に返り、二人に質問を投げかけた。

律「し、新入部員になってくれる・・・お二人?」



76 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします:2010/11/21(日) 01:07:32.57 ID:mDp4TYU0

音楽室内には、異様な空気が漂っていた。

必要以上に緊張、そしてマイナスオーラを放つ唯と爽子。
爽子の圧倒的なマイナスオーラに驚く紬、怯える澪。
そして、律は、この空気をどうしたものかと腕を組んで考えにふけっていた。

紬「と、とりあえず、お茶を出しますね。」

紬はこの空気から逃げ出したいとばかり、そう言うとお茶を淹れるために立ち上がった。

澪は爽子のマイナスの妖気にあてられて、ガタガタ震え始めた。
そんな空気の中、爽子が口を開く。

爽子「あ、あの~・・・。ん゛っ!」

緊張する中、突然話し始めたので、喉が絡んだ爽子は、一度咳払いをする。
その行動に、さらに怯える澪。ついに、椅子から滑り降り、縮こまってしまった。



77 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします:2010/11/21(日) 01:08:24.28 ID:mDp4TYU0

律「ど、どうしたの・・・えっと・・・黒沼さん?」

爽子「どうして私の名前を・・・?」

律「え?あー!えーと・・・せ、先生に名前を聞いてたからさ!」アセアセ

本当のことを言えない・・・。律は、機転を利かせて、しゃべったが、焦りと動揺で冷や汗が出た。

律(なんでこんなことになってるんだ・・・?新入部員が来るって聞いて、うきうきしてたのに・・・。)ハァー

律は、横目で澪を見ながらため息をつきながら思った。



78 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします:2010/11/21(日) 01:14:04.10 ID:mDp4TYU0

爽子が、改めて話そうと口を開いたとき、紬が戻ってきて、二人に紅茶を振る舞う。

紬「ど、どうぞ~。」

話そうとしていた爽子は、突然の紅茶の振る舞いに、話すことをやめてしまった。
律は、紬を引っ張り、二人に背を向け、こそこそと紬を咎めた。

律「こ、こら~!」コソコソ

紬「え?だ、だめだった?」ヒソヒソ

律「今、黒沼さんが、話そうとしてたんだよ!」コソコソ

紬「そ、そうだったの?」ヒソヒソ



79 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします:2010/11/21(日) 01:18:14.38 ID:mDp4TYU0

爽子「す、すいません~・・・。」

ようやく爽子が、話そうとしたその時―。

唯「ごめんなさい!」

唯が突然、目に涙をためながら立ちあがって、頭を下げた。

律・紬「え・・・?」

突然の唯の行動に、目を点にする律と紬。ぽかーんとしていると、衝撃的な言葉が二人をさらに、驚かせた。

唯「わ、私たち、入部をやめに来たんです~!」グスッ



80 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします:2010/11/21(日) 01:28:23.36 ID:mDp4TYU0

律・紬・澪「えぇ~?!」ガタッ

予想だにしない言葉に、怯えていた澪でさえも、立ち上がって驚いた。

律「ちょ、ちょっと待ってくれよ!」

律は机を乗り出して、言う。

律「まだ、体験もしてないのに、辞めるなんて!」

紬「そ、そうですよ!まだ、お茶の一杯も飲んでないでしょう?!」

紬は、紅茶をさらに二人の前に押して、薦める。

澪「わ、私がひ、必要以上に怖がったから?!」

律「それは関係ない・・・多分」



81 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします:2010/11/21(日) 01:29:37.39 ID:mDp4TYU0

唯と爽子は、三人の剣幕に押され、薦められたお茶を一口すする。

と、二人のマイナスオーラは途端に消え、きらきらとしたオーラが二人を包んだ。

唯・爽子「・・・お、おいし~・・・!」

二人は、残りの紅茶を飲み干すと、満足した表情で、感想をそれぞれ口にした。

唯「こんなおいしい紅茶、はじめて!」

爽子「本当・・・!おいしい・・・。」

紬は、いつの間にかケーキを乗せた皿を運んできて、二人の前へ置いた。

紬「ケーキもあるの!こちらもおいしいから、召し上がって!」



82 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします:2010/11/21(日) 01:36:14.29 ID:mDp4TYU0

唯と爽子の二人は、顔を見合わせると、二人同時にフォークを持って、ケーキを口運んだ。
二人の表情は、先ほどよりもほころんで、至福のオーラが二人を包む。

唯・爽子「お、おいひー!」ガタッ

二人は、あまりのおいしさからか、席を立ちあがった。
二人の反応を確認して、律・紬・澪の三人は、顔を見合わせると、大きくうなずいた。

律・紬・澪(これでいける・・・!)

三人の意見は、このケーキ作戦で二人を釣るという考えで一致していたが、唯と爽子の話す理由に、また驚くことになるのだった・・・。



83 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします:2010/11/21(日) 01:42:31.96 ID:mDp4TYU0

律「ひ、弾けないの?!」

律が二人の入部辞退の理由を聞いて驚きの声を上げた。
唯と爽子の二人のマイナスオーラは戻ってしまっていた。

澪「お、音楽経験は・・・?」

その問いに、唯と爽子は、首を振った。
律・紬・澪の三人は言葉を失ったが、部の存続には四人以上が必要であるという条件があることを忘れたわけではなかった。

律「で、でも、入部はしてほしいんだよ!」

澪「四人以上そろわなきゃ、部活活動を認めてもらえないんだ!」

いつの間にか、澪は爽子に気にせず、話しかけていた。



84 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします:2010/11/21(日) 01:49:10.27 ID:mDp4TYU0

唯「で、でも・・・ギターって難しくないですか?」

爽子「・・・わ、私に至っては音楽が苦手で・・・。」

二人とも、難色を示している。唯はいくらかましになった。
が、爽子のオーラは氷点下を超えそうだ。

澪「大丈夫だよ!たいへんなところもあるけど・・・。」

紬「そうだ!」

紬が突然立ち上がり、明るい顔を見せると、律と澪に提案した。

紬「私たちの演奏を聴いてもらいましょう!そうしたら、軽音楽雰囲気とかわかってもらえるんじゃないかしら?」

澪「それ良いな!」

律「そうしよう!」

唯と爽子を残して、三人は立ち上がると、入口付近の黒板前へ向かった。
そこには、ドラムセットとキーボードにベースが用意されている。



85 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします:2010/11/21(日) 01:53:50.55 ID:mDp4TYU0

律「二人とも、そこのベンチへどうぞ!」

三者三様に準備を終えたことを見計らって、律が二人へ呼びかけた。
五人が話をしていた机と椅子の手前、部屋のちょうど中間地点に木製のベンチが据えられている。
律の呼びかけに答え、唯と爽子は、そこに腰掛ける。

律「準備おっけー?」

腕まくりをした律は二人に問いかける。
紬と澪は、それに答えてうなずいた。

律「ワン、ツー!」

律の掛け声とともに、演奏が始まる。



86 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします:2010/11/21(日) 01:59:50.57 ID:mDp4TYU0

三人の奏でる音楽に、聞き入る唯と爽子。
唯は体が自然に反応するのを感じていた。
爽子は、ただただ感動するばかり。

唯(わ~・・・!)

爽子(三人ともすごいな~・・・。)

三人の演奏が進むにつれ、爽子は自分の劣等感に押しつぶされそうになった。

爽子(私には無理だ・・・。みんな楽しそうに演奏してる・・・。)

三人の楽しそうな笑顔。真剣なまなざし。自分にはない、センス。
爽子は、唯の横顔をちらりと見た。その顔は輝き、楽しさに満ちている。



87 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします:2010/11/21(日) 02:08:11.17 ID:mDp4TYU0

唯と同じような顔ができない。

爽子(私には、無理だ。)

爽子は、今度は、しっかりと、自分に言い聞かせるように思い返した。

律「どうだった?!」

額の汗をぬぐうこともせずに、律は二人に感想を求めた。
唯はその問いかけに、即座に立ち上がり、大きな拍手で三人をたたえる。
爽子も、少し遅れたが、それに倣った。

澪「今日は、結構合ってたな!」

紬「うん!良い感じだったわ~!」

澪と紬は、演奏のできを讃えあう。はじめてもらった他人の、唯と爽子の拍手に喜びを隠せない。



88 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします:2010/11/21(日) 02:14:20.70 ID:mDp4TYU0

唯「はいります!!」バッ

唯は、拍手をやめると、右手を振り上げて、言った。

律「ほ、ほんとか~?!」パァァ

律は、スティックをドラムに置いて立ち上がった。その顔は嬉しさに満ちている。

澪「やったな!律!」

紬「あの・・・えっと・・・。黒沼さん?」

紬は、またさっきのようなマイナスオーラを抱えた爽子を見て戸惑っている。
紬の問いかけにはっとした爽子は、顔をあげ、拍手する。

爽子「・・・すごく感動いたしました・・・!」

演奏をした三人は安どの表情を浮かべる。しかし、次の爽子の言葉に、唯も含め、表情は曇ってしまった。

爽子「でも・・・やっぱり、私は入部を辞退したいです・・・。」



89 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします:2010/11/21(日) 02:19:00.61 ID:mDp4TYU0

律「え・・・?」

澪「お、音楽が苦手って言ってたけど、気にすることないy―。」

澪が言い切るのを待たずに、爽子は首を振る。

爽子「・・・そ、そういうことじゃないんです・・・。」

私には合わない。唯ちゃんみたいに楽しそうにできないので。
そう言えば良いのに、言葉にできない。

爽子「ごめんなさい・・・。」

爽子は、そう言うと、来たときのようなマイナスオーラをまといながら、部室を後にしてしまった。



90 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします:2010/11/21(日) 02:23:19.14 ID:mDp4TYU0

呆然とする音楽準備室に残された四人。

唯「さ、さわちゃん!」

唯が慌てて後を追う。その後をほかの三人も追いかけた。
しかし、爽子持ち前の早歩きに、追いつくことができない。
唯が窓の外を見ると、爽子はすでに校門あたりを歩いていた。

唯「さ、さわちゃ~ん。」

唯は届くはずのない声をあげると、その場で肩を落とした。
その姿を見た三人は、たがいに困惑した顔を見合わせた。



91 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします:2010/11/21(日) 02:27:29.15 ID:mDp4TYU0

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

今回はここまでで・・・。
書き込むのが、次の日になってしまいました。すいません。

待っててくださる方には申し訳ないですが、今、展開は正直ノリで書いてます。
なので、誤字脱字も多いと思います、すいません。

明日、また書きたいと思います。おやすみなので・・・。

では、おやすみなさい。
読んでくださっている方、ありがとうございます。




93 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします:2010/11/22(月) 21:02:42.76 ID:k0zH5DYo

むむむ、このネガモードからいかにしてけいおんメンバーが引き上げてくれるのか・・・
楽しみだなァ





94 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします:2010/11/23(火) 00:59:29.52 ID:GlYMIX60

爽子(やっちゃったよ~・・・。)

音楽準備室を出た時のマイナスオーラをまとったままの爽子は、公園のベンチでうなだれていた。

爽子(私の馬鹿!ちゃんと、理由も話さずになんで出てきちゃったんだろ~・・・。)

爽子の目に涙がたまる。
こぼすまいと、顔を上げると、公園の外を同い年くらいの女子高生二人組が歩いているのが目に入った。
二人とも茶髪にカーディガンを来た『今風』の女子高生だ。

「わかってないな~やのちんは!」

「だって、前にちづの紹介できたときは、醤油ラーメンを頼んだじゃん。」

「あそこは、醤油ラーメンがうまいの!」

「あたしはほかのも食べてみたかったんだよ!別にちづのおごりで食べるわけじゃないんだから、良いでしょ?!」



95 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします:2010/11/23(火) 01:01:35.37 ID:GlYMIX60

その二人組は、公園に入ってきた。どうやら、この公園を入るのが二人の自宅への近道らしい。

「ね、ねぇ・・・やのちん・・・。あ、あれ・・・。」

『ちづ』と、呼ばれていた女子高生の一人が、爽子に気付いた。
その顔は、爽子独特のオーラを見て、青ざめている。

「な、なによ。変な顔して・・・。」

指差された方向を『やのちん』と呼ばれた女子高生が振り向く。その顔も同じように青ざめている。

「ひぃ!」ダッ

二人とも同時に悲鳴を上げると、その公園を全速力で出て行った。



96 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします:2010/11/23(火) 01:10:24.44 ID:GlYMIX60

爽子(良いな~・・・。私も唯ちゃんや和ちゃんと・・・。)

もうできないかもな。そんな思いが爽子を支配してしまう。
さっきの二人組を見て、忘れていた涙がまた込み上げてきた。
泣くまいと必死になればなるほど、すごい形相をする爽子には、なぜかカラスが集まっていた。

憂「あ・・・あの人・・・。」

憂は中学校の帰り際、公園のベンチに一人座っている爽子を発見した。
尋常じゃないカラスの集まり方に、少し恐怖を覚えたが、
その中心にいるのは、間違いなく姉である唯がと朝、いつも待ち合わせをしている『さわちゃん』である。

憂(ど、どうしたんだろう・・・。)

なにかあったのだろうか。
姉の唯が一緒にいないことも不思議に思ったので、憂は声をかけようと、公園へ入った。



97 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします:2010/11/23(火) 01:19:12.67 ID:GlYMIX60

憂「あ、あの~・・・。」

憂が声をかけると同時に、爽子は突然立ち上がり、振り返った。
その顔は、世にも恐ろしい眼光でこちらを睨んでいた。

憂「ひ、ひぃ!!」ドサ

腰が抜けて、その場に倒れこんでしまった憂は、今度は恐怖に震えだした。

爽子(誰かに似てる・・・。)

憂の顔に見覚えがあるような気がした爽子は、涙を我慢するのを忘れ、憂の顔をじぃっと観察した。
蛇に睨まれた蛙のように、憂は動かなくなる。
が、憂いはそのほほを伝った涙を見て、はっとした表情を見せた。

憂「どうして、泣いているんですか?」

憂に泣いていることを指摘され、我に返った爽子は、驚いた顔を見せると、その場から立ち去ってしまった。
その行動を憂は、ただ呆然と見ることしかできなかった。



98 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします:2010/11/23(火) 01:25:04.48 ID:GlYMIX60

―平沢家―

夕食時になって、憂は放課後に爽子に会ったことを思い出し、唯に尋ねた。

憂「お姉ちゃん、『さわちゃん』って人が、公園で泣いてたよ?」

唯「えぇ?!い、いつ?!」

唯は、口に入ったご飯を飛ばしながら、言った。

憂「お姉ちゃん、ご飯はちゃんと食べてから話さなきゃ。」

唯「えへへ・・・ごめんね、憂。で、いつ?」

憂「放課後だよ~。あの公園のベンチに座ってたよ?」

唯「そ、そっか~・・・。さわちゃん・・・。」

唯は、そうつぶやくと、暗い顔になり、箸の進める手を止めてしまった。
憂は、二人に何かあったのかと、唯に問いかけたが、
唯は「ううん。」と、首を振って、明るい顔に戻ると、食事を再開した。
 


99 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします:2010/11/23(火) 01:34:22.55 ID:GlYMIX60

―翌日・沢家・玄関門―

唯はめずらしく朝早く目を覚ますと、素早く準備をして、外へ出ていた。
爽子が来るよりも早い時間である。
しばらく待っていると、やってきたのは爽子ではなく、和であった。

唯「和ちゃん・・・。」

和「唯?!爽子はどうしたの?」

唯「まだ来てない・・・というか、今日は来ないかも・・・。」

元気印の唯が、あからさまに元気がないことに気付いていた和は、その原因が爽子であることにも気付いた。

和「どうしたのよ?爽子と何かあった?」

唯「実は・・・かくかくしかじかでさ~・・・。」



100 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします:2010/11/23(火) 01:36:28.71 ID:GlYMIX60

唯から事情を聴くと、和は歩き出そうとした。

唯「さ、さわちゃんを待たないの?」

和「待っても、今日は来ないわよ。きっと、先に行ってるわ。」

唯「あ、あとちょっと待とうよ~!」

和「学校にいるわよ。間違いないわ。」

唯「で、でも~・・・。」

和「今まで、爽子が遅れたことがあった?」

唯「・・・ないね。」



101 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします:2010/11/23(火) 01:39:41.45 ID:GlYMIX60

和「でしょう?だから、学校にいるわよ。」

唯「・・・そうだね。」

唯は少し元気を取り戻したように、歩き出した。

唯「ちゃんと、事情を聞かなきゃ!」フンス

和「きっと、嫌で飛び出したんじゃないはずよ。ちゃんと、理由を聞いてあげなきゃね。」

唯「うん!そして、けいおん部に入ってもらわなきゃ!」フンス

和「・・・え?結局勧誘するの?」



102 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします:2010/11/23(火) 01:42:32.30 ID:GlYMIX60

唯「さわちゃんと一緒に入ろうと思ってたんだもん!」

和「・・・それに関しては無理なんじゃない?」

唯「ど、どうして~?!」

和「唯、あなたを嫌がったわけじゃないのは確実よ。でも、軽音楽部が嫌だったのは確かよ。」

唯「・・・。しょ、しょんな~・・・。」ショボーン

和「だったら、突然飛び出したりしないでしょう?」

唯「う~ん・・・。」



103 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします:2010/11/23(火) 01:54:25.65 ID:GlYMIX60

和「・・・どうしても一緒に部活をやる考えをしてるわね?」

唯「・・・よくわかったね!和ちゃん!」

和「無理やりはよくないわよ?」

唯「でも、一緒に部活やりたいよ!田井中さんと、秋山さんと琴吹さんも、良い人だし、友達になってくれるよ~。」

和「まあ、爽子に友達が増えるのは賛成だけど、爽子の気持ちm―。」

和がしゃべるのを制して、唯が前方を指差した。
その指差す方向には、爽子が一人歩いていた。

唯「まさか、途中で会えるなんて!」ダッ

と、言うが早いか唯は爽子に向かって、走っていた。
和はため息をつくと、幼馴染の後を追った。



104 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします:2010/11/23(火) 01:59:33.60 ID:GlYMIX60

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

今回はここまでで。
読んでいただいている方、ありがとうございます。
次書くのは、また遅れてしまうかもしれません。ご了承ください。

今回強引ですが、あやねちゃんと、ちづちゃんを出してみました。
あやねちゃんって、ピンとふらぐたってません?立ってないか。
こんな感じで、風早とか龍とかジョーとかくるみちゃんとか出してみたいと思います。

では、失礼します。
おやすみなさい。




105 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします:2010/11/23(火) 02:02:05.72 ID:UDd420Uo

ちづとちやのちんはもっと絡んでほしいなあ 乙!



106 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします:2010/11/23(火) 09:04:42.69 ID:.xgnM2SO

乙!
まさか風早を出してくれるなんて…
まさに俺得



107 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします:2010/11/24(水) 15:59:40.91 ID:uiu6sEDO

最近、君に届けが放送開始したから俺得すぎる。



108 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします:2010/11/26(金) 15:39:29.88 ID:n2772IAO

一月から二期も始まるしな



109 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします:2010/11/26(金) 20:37:15.25 ID:H4jlUZ60

ほほう・・・2期も決まってるのかー



110 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします:2010/11/30(火) 17:06:53.83 ID:zGXmeUAO

早く届かないかな(笑)



111 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします:2010/11/30(火) 18:58:21.75 ID:YIozR0E0

ミスチルの364日が君の届けっぽいww



112 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします:2010/11/30(火) 19:30:23.54 ID:kUuinpQo

唯と爽子の相性は抜群だな。





113 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします:2010/12/01(水) 00:39:33.38 ID:Rm0Kni.0

何者かがこちらに向かってくる気配に気づいた爽子は、後ろを振り向いて、驚愕した。

爽子(・・・唯ちゃん!)

昨日、何も言わずに帰ってしまった負い目が、爽子に『逃げる』という選択肢を与える。
脱兎のごとく、爽子は逃げだした。

唯「さ、さわちゃん!待って~!」

唯はさらにスピードを上げようとした瞬間、つまづいた。
野球のヘッドスライディングのように、見事に地面に滑り込む。



114 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします:2010/12/01(水) 00:46:54.85 ID:Rm0Kni.0


和「ゆ、唯!だ、大丈夫?!」

少し後ろを走っていた和が、心配してしゃがみこむ。

唯「だ、大丈夫~・・・。」エヘヘ

後ろの和の声に、気になった爽子は、後ろを振り向く。
そこには、座りこんでしまった唯がいた。
膝をすりむいている。どうやら転んだらしい。
爽子の中で、『逃げる』という選択肢が吹き飛び、唯のもとへ駆け寄った。

爽子「だ、大丈夫?!唯ちゃん!」

唯「さわちゃん!」

和「爽子・・・。」

唯は、駆け寄ってきた爽子の足をつかんで、涙目でにこっと笑った。

唯「さわちゃん、捕まえたよ~。」



115 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします:2010/12/01(水) 00:57:49.17 ID:Rm0Kni.0

爽子は、はっとした表情を見せた後、またマイナスオーラをまとってしまう。

爽子「ご、ごめんなさい!!」

すごい勢いで、爽子は頭を下げた。
その行動に、きょとんとする唯。
そのままの時間が過ぎること数秒。爽子が、頭を下げた姿勢のまましゃべりはじめた。

爽子「き、昨日、勝手に帰っちゃって・・・。」

唯「気にしてないよぉ。」

唯は、笑顔を絶やさずに爽子に語りかける。
しかし、爽子は、その姿勢をやめない。

爽子「わたし・・・わたし・・・!」

唯「うん。」



116 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします:2010/12/01(水) 01:16:01.44 ID:Rm0Kni.0

爽子は、体を震わせている。涙があふれ出し、爽子の革靴を濡らす。
それに気づいた唯は、立ち上がり、爽子の肩を抱きながら、起き上がらせる。

唯「さわちゃん・・・。泣かなくても良いよ。私は嫌いになったりしてないよ。」

唯はまた、微笑む。その笑顔は、爽子の心を救うのに、十分すぎる笑顔だった。
爽子は、和の方を向いた。
和も微笑む。その笑顔は、爽子を安心させる。
爽子は、大粒の涙を流しいた。それに気付いた唯が、爽子を抱き締める。

唯「大丈夫、大丈夫。」ヨシヨシ

爽子(・・・もう、一人はいやだよ・・・!)

大切な友達ができた。

和「私は、爽子を嫌う理由が見つからないわ。」

爽子(唯ちゃん・・・和ちゃん・・・。)

失う怖さを知ってしまった。



117 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします:2010/12/01(水) 01:20:50.22 ID:Rm0Kni.0

チャイムが鳴っているのが聞こえる。遅刻ギリギリのチャイムだ。

和「唯!早くしないと、遅刻になっちゃう!」ダッ

和が先に走り出す。

唯「わわ!早く早く!」

爽子「・・・うん!」

唯も爽子の右手を取って、走り出した。
爽子は、手を引っ張られながらも、左手で涙をぬぐうと、笑顔を取り戻した。
その笑顔は、二人には見えなかったが、自然な笑顔だった。



118 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします:2010/12/01(水) 01:28:15.26 ID:Rm0Kni.0

~放課後・軽音楽部、部室~

爽子「ごめんなさい!」

爽子は、朝登校中、唯に見せたように頭を下げた。
その綺麗さに、唯を除く三人は驚いていた。

爽子「なんか、私やっぱり音楽はだめというか、みなさんの演奏を聴いて痛感したというか・・・!」

律「そ、そんな必死にならなくても大丈夫だよ。」アセアセ

澪「そ、そうだよ!」アセアセ

紬「と、とりあえず、お茶を飲まない?ね、唯ちゃん。」アセアセ

思った以上の爽子の反省ぶりに、唯以外の三人は圧倒されている。

唯「おぉ!そうしよう!」

唯はそう言うと、爽子の手を取って、椅子へと案内する。

爽子(・・・すごいな、唯ちゃん・・・。もう皆さんと仲良くなってる・・・。)



119 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします:2010/12/01(水) 01:33:18.28 ID:Rm0Kni.0

爽子は強引に着席させられ、お茶を振る舞われた。
しかし、そのお茶に手をつけようとしない。

紬「は、ハーブティは嫌いだった?」

なかなかお茶を飲んでくれない爽子を気遣う紬。
その優しさに、爽子の涙腺が刺激されてしまう。

爽子(こ、ここで泣いちゃダメ・・・!)クワッ

爽子は、泣くのを我慢しようと、力を入れる。

澪「っひ!」ガタッ

その恐ろしい形相に、澪が思わず席を立つ。
律はのけぞりはしたものの、声を出すのはこらえた。

律「む、無理するなよ?」

爽子「だ、大丈夫です・・・。」フルフル

爽子の涙腺ダムは決壊寸前だ。



120 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします:2010/12/01(水) 01:38:50.43 ID:Rm0Kni.0

唯「っぷはぁー!おいしい!もう一杯!」ニヤリ

唯が、某有名青汁CMの物まねで、紬におかわりを要求した。
みんなの意識が唯に集中する。

唯「・・・え?」

爽子「・・・・っ。」フルフル

律「ゆ、唯・・・おまえ・・・。っく。」

澪「く、空気、読め!・・・ぷぷ!」

紬「え?え?なんで、皆笑いをこらえてるの?」

紬だけ、CMの元ネタが分からず、困惑している。



121 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします:2010/12/01(水) 01:43:08.19 ID:Rm0Kni.0

爽子「っくっふふふふふ・・・!」

爽子が、耐えきれなくなって、笑いだした。
唯が一目ぼれ(?)した、笑顔があふれる。

律「く、黒沼さん!」

澪「・・・・・・!」

紬「わぁ・・・!」

唯「さわちゃん!」

四人が、その笑顔に、気づき、驚いた。

律・紬・澪(こんな笑顔ができるんだ・・・!)

四人の反応に気付き、爽子は、笑いをとめてしまう。



122 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします:2010/12/01(水) 01:48:40.42 ID:Rm0Kni.0

爽子(ぜ、全員が私に注目している・・・。)

爽子が、全員を見渡す。

爽子(まさか、お昼に食べた海苔のお弁当の海苔が歯に?!)

爽子は、顔を下げて、耳まで真っ赤になってしまった。

唯「さわちゃん?」

律「どうした?黒沼さん。」

爽子は、真っ赤にした顔を上げると、突然ハーブティを口にした。

澪「ど、どうした?」

紬「良かった~。ハーブティ、嫌いじゃなかったのね?」ニコニコ



123 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします:2010/12/01(水) 01:54:08.05 ID:Rm0Kni.0

律「そこかよ・・・。」

律が、すかさず突っ込みを入れた。
爽子は、唯の肩をたたくと、他の三人に顔を見せないように後ろを向く。

爽子「唯ちゃん・・・。」コソコソ

唯「何、さわちゃん?」コソコソ

爽子「歯に何かついてる?」ニッ

爽子は、唯に歯を見せる。
他の三人は顔を見合わせた。

唯「なにも付いてないよ~。」



124 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします:2010/12/01(水) 02:00:14.10 ID:Rm0Kni.0

それを聞いた爽子は、姿勢を整えると、また頭を下げて、「ごめんなさい!」と言った。

律・澪「振り出しに戻るんかい!」

律と澪が幼馴染の息の良さを見せて、二人で突っ込みを入れる。

唯「おぉ~!息がぴったりですな!」

紬「ぴったりですな~。」

唯が、二人を茶化すと、紬も続いて、いつも以上にうれしそうに言った。

律「私たち、気にしてないよ。黒沼さん。」

澪「わ、私こそ、怖がってごめん・・・。」

紬「そうよ~。気にしてないわ。」

三人が、微笑む。



125 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします:2010/12/01(水) 02:05:39.76 ID:Rm0Kni.0

爽子「み、みなさん・・・!ありがとうございます!」

爽子は、また頭を下げた。
律はため息をついて言う。

律「その、敬語もやめ!私たち、同い年だろ?」

澪「うん。普通に話してほしいな。」

爽子が驚いた表情で、顔を上げる。

爽子「い、いいんですか・・・?」

紬「あ!敬語!」

紬が、得意げになって、爽子の敬語を指摘すると、また笑いの渦が生まれた。

律「あははは!何、得意げにしてんだよ~!」

紬「えへへ。」

澪「ふふ。」

唯「あはは。ムギちゃん、かわいい!」



127 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします:2010/12/01(水) 02:10:23.21 ID:Rm0Kni.0

和やかな雰囲気が、部室に生まれた。
その一員でいるということに、爽子は喜びを感じている。

爽子(いいなぁ・・・ここにいたいなぁ・・・。)

爽子が、そう思うと、律が腕を組んで、厳かな雰囲気を出して、口を開いた。

律「部長命令で、黒沼さんを我が部のマスコット、兼マネージャーにする!」

澪「え?」

紬「マスコット?」

唯「りっちゃん!」

爽子「・・・・・・え?」



128 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします:2010/12/01(水) 02:14:03.66 ID:Rm0Kni.0

律「楽器も無理、音楽的知識もないとしたら、このポジションしかないだろ!」

律は、腕を組んで、威張った態度のまま話す。

爽子「あ、あの・・・。」

律「敬語禁止!」ビシッ

律が、しゃべろうとした爽子を指差して、言う。

澪「マスコット、兼マネージャーって・・・。」

紬「運動部じゃないから、マネージャーはいらないんじゃないの?」



129 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします:2010/12/01(水) 02:23:34.14 ID:Rm0Kni.0

律「そ、そりゃ・・・これから考えるとしてだな・・・。皆。唯にお願いされただろ?」

唯は爽子に見られて、舌を出し、えへへと笑っている。

澪「そうだけど・・・黒沼さんの、意志もちゃんと聞け!」ゴチン

律「いたっ!殴ることないだろー!」

澪「しかも、してもらうことも何も考えずに!」

紬「黒沼さん・・・どうかな?」

また皆の視線が、爽子に集中する。
爽子は、全員の顔を見渡す。皆、笑顔で爽子の返事を待っている。

唯「さわちゃん。一緒に部活やろ?」

爽子(私は・・・この場にいたい・・・。でも・・・。)



130 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします:2010/12/01(水) 02:28:15.95 ID:Rm0Kni.0

迷惑がかかってしまうかも・・・。と、爽子が思うより先に、律が言う。

律「迷惑だーとか、考えんなよー?」

澪「そうだよ。そんなこと、全然ないからな?」

紬「一緒に、お茶しましょう?」

三者三様、爽子を引き入れるために爽子へ声をかける。
爽子の心は温かいものでいっぱいになった。

爽子「ありがとうございます・・・!私!」

唯・律・澪・紬「敬語禁止!!」

爽子を除いて、四人全員が同じことを言うと、また笑いが生まれる。
その笑いには、爽子も加わっていた。
純粋に楽しいという思いが、爽子を包み込んでいた。



131 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします:2010/12/01(水) 02:36:32.14 ID:Rm0Kni.0

爽子「こんな私でよければ・・・。よろしくお願いします・・・!」

爽子が、また頭を下げると、唯が手を握る。

唯「ほんと?!やったぁ!」

律「よーし!黒沼さん!下の名前は?」

爽子「さ、さわこ・・・です。」

律「よろしく!爽子!」

澪「よろしくな、爽子。」

紬「爽子ちゃん、よろしくね。」

皆が、爽子に笑いかける。その笑顔一つ一つが、爽子の宝物になっていた。

爽子「・・・・・・・・・はい!」

爽子は最高の笑顔で、受け返した。



132 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします:2010/12/01(水) 02:41:50.31 ID:Rm0Kni.0

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

第二章、完。
ということでした。

あと、一つ二つエピソードが思い浮かべば書いて、最終回にしたいと思います。
だらだらと、続けておりますけども、読んでくださっている方、ありがとうございます。

ミスチルの曲は、『365日』じゃなかったでしょうか?
曲の最後に君に届けってフレーズがあって、それっぽいですね。

さっき、お願いランキングのエンディングかなんかで、
清き場うんたらだったか?が、君に届けって歌ってました。はやってんですかね?

では、後少し書いて、寝たいと思います。
失礼しました。



133 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします:2010/12/01(水) 02:47:27.84 ID:Rm0Kni.0

―番外編・tea time―

~軽音楽部、部室~

爽子「あの~・・・皆さんお名前は・・・?」

まだ敬語が抜けきれない爽子が、お茶会の最中、発言した。

律「あ、そういえば、自己紹介してなかったっけ?」モグモグ

澪「食べながらしゃべるな。」

律「細かいなー!澪は!」モゴモゴ

唯「今、物を口に入れながらしゃべってるのが、田井中律ちゃんで、叱ってるのがしっかり者の秋山澪ちゃん!」

唯が、二人に代わって、紹介を始めた。

律「唯・・・紹介に悪意が感じられるんだが・・・。」



134 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします:2010/12/01(水) 02:57:12.27 ID:Rm0Kni.0

お茶のお代わりを持ってきた紬が、爽子のカップへ、ハーブティを注ぐ。

唯「で、お茶を注いでくれたのが、琴吹紬ちゃん!・・・ありがとー。」

唯の分を注いでくれたので、お礼をしながら、紬の紹介をする。

爽子「田井中さんに、秋山さんに、琴吹さん・・・。」

自分の口で、復讐するように名字をつぶやく。
すると、それに気付いた唯が、言う。

唯「だめだめ!それじゃあ、敬語が抜けないよ~。」

律「そうだな~。下の名前でよいよ。私の苗字、長いしさ。と、いうか、唯と同じように呼んでくれ!」

紬「私は、皆からムギって呼ばれてるから、そう呼んでほしいわ!」

澪「そうそう。名前で呼んでほしいな。」



135 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします:2010/12/01(水) 03:00:07.86 ID:Rm0Kni.0

三人が、また爽子に注目する。名前を呼ばないと、注目を外してくれそうもない。
爽子は、また顔を真っ赤にさせてうつむいてしまったが、しっかりと聞こえるように声を出した。

爽子「り、りっちゃん・・・!」

律「おう!」

爽子「・・・ムギちゃん・・・!」

紬「はい!」

爽子「みおちゃん・・・!」

澪「うん。」

律「よし!乾杯だな!」カチャッ

律は、勢いよく椅子から立ちあがって言った。



136 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします:2010/12/01(水) 03:04:55.07 ID:Rm0Kni.0

澪「ティーカップでか?」

唯「やろうやろう!」カチャ

唯は、澪の疑問を気にせず、ティーカップを持ち上げて、立ち上がる。
紬も目を輝かせて、ティーカップを持って立ち上がった。
そして、澪より先に爽子が立ち上がる。

爽子(友達と乾杯・・・!!)

澪「爽子・・・。」

律「澪だけだぞ~?」ニヤニヤ

仲間はずれは嫌だと言わんばかりに、すぐに澪は立ち上がった。



137 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします:2010/12/01(水) 03:09:51.12 ID:Rm0Kni.0

律「よし!じゃあ、けいおん部、正式結成を記念して・・・!かんぱ~い!!」

唯・爽子・澪・紬「かんぱーい!」

お茶会は部活動の期限ぎりぎりまで続けられた。

~帰り道~

爽子「唯ちゃん、ありがとう。」

唯「どうしたの?さわちゃん。」

部活動後の帰り道、唯と二人きりになった爽子が、突然話し始めた。

爽子「唯ちゃんがいなかったら、こんな素敵な出会いはなかったと思う・・・。」



138 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします:2010/12/01(水) 03:14:08.75 ID:Rm0Kni.0

唯「良いよ~。私こそ、強引に誘ったのに、一緒に部活してくれてありがとうだよぉ。」

爽子「唯ちゃん・・・。」

どうして、こんなに優しいのだろう。本当に出会えてよかった・・・。
唯の家の前まで来ると、唯は爽子に向きあって言った。

唯「これからは、一緒に部活頑張ろうね!さわちゃん!」

唯が、手を差し伸べる。
その手を見て、爽子は、両手で唯の手を包み、にっこりほほ笑んで、うなずいたのだった。



139 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします:2010/12/01(水) 03:21:23.53 ID:Rm0Kni.0

~夜・爽子の家・爽子の部屋~

爽子「そういえば・・・結局仕事内容を教えてもらってない・・・。」

爽子は、自分の机で自習中にその事実に気付いた。

爽子(明日から何をすればよいのかな・・・。)

悩んでも仕方がないと、授業の予習を再開しようとした瞬間、ある考えが生まれる。

爽子(これは・・・私の自主性が試されているんじゃ・・・!)

結局、爽子は、その考えに支配され、予習もそこそこに、寝不足になってしまったのだった。

―番外編・tea time― 完




140 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします:2010/12/01(水) 15:43:08.40 ID:eJugVLko

爽子スマイルええなぁ
輪の中に無事入れたみたいでなによりだ・・・



141 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします:2010/12/01(水) 19:17:42.91 ID:0TuVE4ko

いいよいいよー





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唯「さわちゃん!」爽子「………はい」#2
[ 2011/01/23 18:46 ] 日常系 | 君に届け | CM(0)

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