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唯「死んだ世界戦線?」#後編 【SF】


ニュー速VIP避難所(クリエイター)より


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唯「死んだ世界戦線?」#前編




80 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/10/27(水) 18:29:27.74 ID:6fjsILc0

~~~~~~~~~~~~~

梓「…それで朝起きたらなぜか食堂に居たんですよ…しかもなんか口とおなかが痛いし…」

唯「そ、そうなんだ…不思議なこともあるもんだね…ハハ……」

あずにゃんはあまりのショックに昨日のことを覚えていないらしい。

律「新しい曲もできたし、そろそろ本格的に練習するか!」

梓「律先輩が練習なんて言い出すの珍しいですね」

律「私だってやるときゃやるんだよ!な!澪!ムギ!」

澪「あぁ…そうだなライブに向けて練習しよう」

紬「えぇ、がんばりましょ!」





81 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/10/27(水) 18:29:59.04 ID:6fjsILc0


唯「…?三人、なにかあったのかな?」

梓「そうですね…何かおかしいです……」

唯「ねーねー!なにがあったのー?」

律「ま、後でな。いまはとりあえず練習だ!」

梓「律先輩が…珍しい」

律「私だってやる時はやるの!」

唯「よーし私もがんばるぞ!」



82 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/10/27(水) 18:32:11.26 ID:6fjsILc0

~~~~~~~~~~~~~

唯「あずにゃーん!今日もかわいいねぇ~」

梓「ちょっ…やめてください!」

律「お前ら相変わらず仲良いなー」

紬「うん…うん……いいわぁ…」

梓「私は嫌です!」

澪「でもホント仲の良い姉妹みたいだよ」

唯「え……?」

姉妹……?



83 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/10/27(水) 18:33:17.44 ID:6fjsILc0


律「その場合どっちがお姉ちゃんなんだ?」

紬「うーん、しっかりものの梓ちゃんがお姉さん?いや逆もあり…」

唯「おねえ…?…ぁ…え……」

お姉さん…?いもうと…?

梓「ちょっと何言って……唯先輩…?」

唯「わたしっ……」

頭が痛い

紬「唯ちゃん大丈夫!?顔色が……」



84 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/10/27(水) 18:33:51.59 ID:6fjsILc0


唯「…あ…あ……」

痛い痛い痛い

梓「大丈夫ですか!?唯先輩!ゆいせんぱ……」

『……ちゃん!お姉ちゃん!!』

唯「う、うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

梓「あぐぅ!」

紬「梓ちゃん!?」

律「唯!!」

澪「唯!どこにっ……」



85 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/10/27(水) 18:34:28.90 ID:6fjsILc0

~~~~~~~~~~~~~

唯「はぁっ…はぁ……」

全部思い出してしまった。
自分の今までの人生から自分が死ぬ瞬間までしっかりと。

唯「ぅ…おぇぇぇ……」

死んだ感覚を知った瞬間、体中から冷や汗が出てその場に倒れそうになり、そのまま吐いてしまいそうだった。

みんなもこうだったのかな……

唯「はぁ…はぁ…ぅ…うぅぅぅぅぅ……」

梓「あ…唯…先輩……」

私を追ってきたのだろう。



86 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/10/27(水) 18:35:22.92 ID:6fjsILc0


唯「ごめ…んね……」

梓「私は…大丈夫です……」

唯「みんなは…?」

梓「唯先輩を探してます……もしかして…思い出したんですか?」

唯「……」

梓「ムギ先輩が言ってました…唯先輩が生きてたころの事、思い出したのかもしれないって」

唯「そう…だよ……」

梓「…その…大丈夫…ですか」

自分の記憶が一気に沸き起こってきて頭がぐちゃぐちゃだ。



87 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/10/27(水) 18:36:56.84 ID:6fjsILc0


唯「……うん…」

梓「唯先輩の…その…記憶は……」

唯「ごめんね…今は…よくわかんない……」

梓「そう…ですよね…私も最初はそうでした」

唯「あずにゃん……」

梓「…唯先輩…私が死んだ理由…聞きたいですか?」

唯「え…?」

梓「その…もしかしたら…それで少しは整理ができるかなって……」

唯「……ありがと」



88 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/10/27(水) 18:38:14.69 ID:6fjsILc0


梓「…私の両親はジャズ奏者で…一人っ子だった私にすごく期待してたんです」

唯「うん……」

梓「でも…ジャズ奏者なんてもう稼げないから父も母も私をバンドで成功させようとしてました…
  …えへへ…私、生きてるころもバンドしてたんですよ」

唯「そうなんだ……」

梓「と、いっても父と母が才能のある生徒を集めてつくった作り物のバンドですけどね…
  でもそのメンバーに私も入れてもらえて…両親に期待されてるんだってすごく嬉しかったんです。
  だから友達とも遊ばないで毎日沢山練習をして絶対に売れてやるって思ってた……」

唯「……」

梓「すごく順調だったんです…優勝すればメジャーデビューができるバンドコンテストだって
  大会前から私達が優勝するのが決まってたくらい」

唯「決まってた…?」

梓「はい。父が何かしたんでしょうね…ただ普通に演奏しきればいい…それだけでメジャーデビューです…でも私はミスをした」

唯「え…?」



89 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/10/27(水) 18:39:29.95 ID:6fjsILc0


梓「ちょっとくらいのミスなら別にいいんです…でも違う…その少しミスの後、私は何も出来なくなった
  …勿論観客はいますから、こんな大きいミスを犯したバンドが優勝するのはおかしいわけです」

唯「……」

梓「気づけば控え室にいてバンドの仲間から罵声を浴びせられました…でもそれより…
  優しかった父も母も…お前みたいなグズはメンバーに入れなければ良かったって…私…わたし……」

唯「あずにゃん……」

梓「それでっ…全部嫌になって……知り合いからクスリをもらって…それから……」

唯「そこから先はもういいよ…あずにゃん」

梓「ごめっ…なさい……」

唯「ありがとう、あずにゃん…私も…自分の人生と向き合ってみるよ」

梓「唯先輩……」

唯「……私はね」



90 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/10/27(水) 18:41:38.88 ID:6fjsILc0

~~~~~~~~~~~~~

「お姉ちゃん!おかえり!」

唯「ただいま。すぐご飯作っちゃうからね」

「うん!今日はなにかな~」

唯「できてからのお楽しみだよ」

「たのしみだな~」

私の家族は両親と妹の四人家族だったんだ。でもお母さんと妹とは血が繋がってなかった。
ホントのお母さんは私が小さい頃に亡くなったから。

でも最初は色々あったけど新しいお母さんとも妹とも仲良くなれた。
特に妹は私をお姉ちゃんお姉ちゃんってすごく慕ってくれて……

お父さんもお母さんも共働きだったから家事は私がしてたんだけど、妹は私の料理を食べておいしいって
すごく嬉しそうに笑ってくれるんだ。だから私は家事だって苦にならなかったしすごく楽しかった。



91 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/10/27(水) 18:44:13.29 ID:6fjsILc0


唯「おまたせ~」

「やった!ハンバーグだ!」

唯「たくさんあるからね」

「いっただきまーす!」

でもお父さんとお母さんは仕事が忙しくてイライラしていたのかな?よく喧嘩するようになってた。

その日も夜、寝ていたら怒鳴り声や泣き声が聞こえてきた。
妹はそのせいで毎晩泣いてた。

私はお姉ちゃんだから妹を悲しませちゃいけない、この状況をなんとかしなきゃいけないって……
だから妹の誕生日会の日にお父さんとお母さんに仲直りをしてもらおうとしたんだ。
その日はお父さんもお母さんも早く帰ってきてもらって、楽しい誕生日会にして、また家族四人で仲良く暮らそうって。

「えへへ、ありがとうお姉ちゃん」

唯「きっとお父さんもお母さんも疲れてるだけなんだよ。今日はみんなでゆっくりして仲直りしてもらおう?」

「うん!」



92 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/10/27(水) 18:44:50.81 ID:6fjsILc0


でもお父さんもお母さんも日が変わるまで帰ってこなかった。
どうしても仕事から抜けられなかったらしいの。

帰ってきたお父さんとお母さんは泣いてる妹を前にまた喧嘩しだして……その日はもう掴み合いの喧嘩になってた。

それを見て私は恐くて何もできなくなって立ち尽くしてた。
でも妹はそれを見て嫌になったんだと思う、仲裁に入って……

それで…妹と一緒に飲もうねって言ってたシャンパンでお父さんが…妹を……

私は気づいたら妹を抱き締めててなんだか体がふわふわして頭が痛かった。

殴られたんだなって思ったときにはもう喋れなくなってて…妹が泣いてて……


そこから先は思い出せないや。




93 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/10/27(水) 18:45:48.11 ID:6fjsILc0

~~~~~~~~~~~~~

唯「…そこで…死んじゃったみたい」

梓「……」

唯「あずにゃんに話してやっと頭の中がまとまったよ。ありがとう」

梓「…いえ」

唯「……あずにゃん…ぎゅってしていい…?」

梓「はい…私も今は……そうしてほしいです」

唯「ありがとうあずにゃん……あずにゃんはあったかいね…もう死んじゃってるけど」

梓「ふふ…唯先輩だって……」

唯「そうだね…あはははは」



94 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/10/27(水) 18:46:41.08 ID:6fjsILc0


紬「…唯ちゃーん!」

唯「あ…ムギちゃん……」

紬「唯ちゃんっ…その……」

唯「…私は大丈夫だよ!うん…大丈夫」

紬「思い出した…のね」

梓「ムギ先輩っその今は……」

紬「…むぎゅぅぅぅぅぅぅ!!!」

唯「わっ……」

ムギちゃんが私とあずにゃんに抱きついてきた。
…ムギちゃんってなんだかすごくあったかい。



95 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/10/27(水) 18:47:43.41 ID:6fjsILc0


梓「ムギ先輩…!?」

唯「えっと…ムギちゃん?」

紬「えっと、前に唯ちゃんが梓ちゃんにしたみたいにこうすればいいのかなって…ダメだったかな……」

あずにゃんに抱きついた時とはまた違うあったかさで、なんだか安心する感じだ。

唯「んーん、すごく安心する…ありがとうムギちゃん」

梓「はい…私も」

紬「よかった…唯ちゃん、梓ちゃん。二人ともすごくつらそうな顔をしていたから」

唯「ムギちゃん……」



96 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/10/27(水) 18:48:09.26 ID:6fjsILc0


紬「二人とも一人で塞ぎこまないでね…私もこの世界に来たとき死んだときの記憶が蘇って本当につらかった。
  けど周りの人が助けてくれたわ。だから二人も……」

唯「うん…もちろんだよ」

梓「はい……」

紬「じゃあ部室に戻りましょうか。りっちゃんと澪ちゃんはとりあえず戻ってると思うわ」

唯「あのねムギちゃん…もうちょっとだけ…えへへ」

梓「あのっ…私も!」

紬「どんとこいで~す♪」



97 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/10/27(水) 18:48:46.43 ID:6fjsILc0

~~~~~~~~~~~~~

律「あ…唯!…その…大丈夫か?」

唯「りっちゃん、澪ちゃんごめんね…思い出したことは良いことばっかりじゃなかったけど
  あずにゃんやムギちゃんのおかげで受け入れられたよ」

澪「梓も大丈夫か?その…目、真っ赤だから……」

梓「はい…私も唯先輩に生きてたころのことを話して整理をつけました。あとはムギ先輩が……」

紬「いいえ、私は何もしてないわ……そうだ!お茶にしましょう?すぐに淹れるわ」

唯「ムギちゃん…ありがとう」

梓「ありがとうございます…ムギ先輩」

律「まぁその…大丈夫ならよかった!」

澪「そうだな…」

唯「えへへ…かたじけない……」

梓「ふふっ…なんですかそれ」

紬「お待たせ。さぁみんな…ティータイムにしましょう?」




98 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/10/27(水) 18:59:41.66 ID:XqYGB3Ao

今日は終わりか 
登場キャラの不幸な理由が携帯小説ぽいな読んだことないけど



99 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/10/27(水) 23:26:26.28 ID:fTXPb2I0

>>98
Angel Beats!の不幸な理由も、そんな感じだろ?

”まるで作り話のように”理不尽な運命の青春を送った人たちが、
それでも新たな人生へ歩みだすために青春をやり直す学園。
あるいは、理不尽な人生を強いた神に復讐するための戦線。の物語だったんだから





100 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/11/02(火) 15:34:23.84 ID:jY/f88I0

~~~~~~~~~~~~~

それから毎日皆とライブの練習やお茶をしつつお互いの生きていたころの話をしあった。

それは楽しかったことであったり辛かったことであったり……
話しているうちにそんな感情をなんだか皆と共有できたような気持ちになった。

唯「…今の、すごくうまくいったね!!」

梓「はい!この調子なら最高のライブにできそうです!!」

澪「最近はちゃんと練習してたからな…うん」

紬「澪ちゃんうれしそうね…よかった」

律「あぁ…そうだな」



101 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/11/02(火) 15:35:13.56 ID:jY/f88I0


澪ちゃんやりっちゃんの生きていた頃の話…もちろん辛かったことも聞いた。
澪ちゃんは虐めで、りっちゃんは虐められていた友達を助けようとしてその虐めにまきこまれてしまったらしい。

だからりっちゃんは澪ちゃんを放っておけなかったし、澪ちゃんはりっちゃんを頼りにしてるんだと思う。

唯「明日のライブ、絶対成功させようね!」

今の私たちなら成功以外はありえない。
きっときっと絶対にすごく楽しいライブになる。

…もしそれが消えてしまうことになっても。

それは良いことなのだろうか?悪いことなのだろうか?



102 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/11/02(火) 15:36:03.26 ID:jY/f88I0

~~~~~~~~~~~~~

唯「……わたし…明日消えちゃうのかな」

誰も居ない教室で一人呟く。

明日のライブは今までのどのライブより楽しみだ。けど、逆にそれがとてつもなく不安だった。

満足してこの世界を去って、また新しい人生を歩むことに恐怖はないけど、明日のライブで自分だけ消えてしまったり
逆に自分一人だけが取り残されてしまったり…それにもし生まれ変わっても、みんなと会うことは永遠に叶わないかもしれない。

それがただただ恐かった。

唯「んーん…大丈夫!だって、まだまだみんなとバンド…したいもん」

どうにも眠れそうにないので眠くなるまでギターの練習をすることにした。

唯「そうだ…必殺技考えよう!」

ギターを弾いているうちに楽しい気持ちになってきた。



103 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/11/02(火) 15:36:58.83 ID:jY/f88I0


唯「ジャーン!っと…うん今のはすごくよかったよ!ね?」

今まで一緒にがんばってきたギターに話しかける。

そういえばこのギターってさわちゃんがくれたんだよね。

名前はなんだっけ?たしか…レ…レなんとか……

唯「んー……うん!君の名前はギー太!ギー太に決定!」

さわちゃんいわくこのギターは最初からこの世界にあったみたいだ。

誰かのものだったのかな?

その人の人生はどうだったのだろう?ちゃんと満足してこの世界を旅立てたのだろうか。

唯「ギー太、覚えてない?」

肩から下ろし、教室の机に立てかけたギー太は月明かりに照らされてキレイだ。

でも表面には細かい傷や汚れがついている。

私たちと違ってどんな傷でも治るわけじゃない…この世界でもやっぱり時間は流れているんだ。



104 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/11/02(火) 15:37:58.83 ID:jY/f88I0


時計を見るとこの教室に来た時からだいぶ時間が経っていた。

唯「うーん…やっぱり眠れないや……緊張してるのかな」

胸がモヤモヤして眠れない。

とりあえず机に突っ伏して目を閉じた。

唯「ギー太~今日はがんばろうね~……」

しばらくするとだんだんと眠くなってきて、意識が曖昧になってきた。

眠りにつく直前、なんとなく見たギー太の姿はなんだか楽しそうだった気がする。



105 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/11/02(火) 15:38:57.52 ID:jY/f88I0

~~~~~~~~~~~~~

「…んぱい!ゆいせんぱい!」

唯「んあ……」

梓「…なんでこんなところにいるんですか!?」

唯「……ん…あずなん……おあよ」

すごく良い夢見てたのにー…

梓「もう始まっちゃいますよ!」

唯「始まる…なにが…?」



106 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/11/02(火) 15:39:51.97 ID:jY/f88I0


梓「はぁ~…ラ・イ・ブです!!」

唯「へ…?…あ…あーっ!!!」

時計を見るともう開始時間直前だった。

梓「…もうホントに……」

唯「えへへ……」

梓「ほら、早く行きますよ!!」


唯「うん……よし、行こっか…ギー太」



107 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/11/02(火) 15:44:29.21 ID:jY/f88I0

~~~~~~~~~~~~~

律「…まぁ……うん……」

澪「……」

梓「はぁ……」

紬「お、お茶いれてくるね……」

唯「……ごめんなざぁぁぁぁぁい!!!」

…ライブは散々な結果に終わった。

理由は寝ぼけた私の演奏ミスに始まり、焦りによって歌をど忘れし、シールドに足を引っかけ
アンプ、りっちゃんのドラムセット、ムギちゃんのキーボードを巻き込んで盛大に転んだからだ。

奇跡的に楽器に損傷がなかったのが不幸中の幸いだろう。



108 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/11/02(火) 15:45:24.87 ID:jY/f88I0


澪「…ふっ…ふふ…ふふふ……」

梓「み…澪先輩…?」

澪「…あはっあははははは!!」

律「澪が壊れた……」

唯「み、みおぢゃん…ごめんなざぃ~……」

怒りを通り越して笑いに達してしまったのかな…こわい……

澪「ち、違うんだ…ごめん…ふふふっ……」

澪ちゃんは目に涙をためて笑っている。

本当に可笑しいらしい。



109 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/11/02(火) 15:46:19.60 ID:jY/f88I0


澪「……私、もしかしたら…消えちゃうんじゃないかって思ってたんだ…このライブで」

唯「え…?」

澪「みんなと演奏してると本当に…本当に楽しいんだ…練習でだって本当に…
  ならライブなんてすれば絶対消えちゃうんじゃないかって」

律「……澪…」

澪「…でも唯があんな……ふふ…あはははは…」

唯「め…めんぼくない……」

澪「…ホントに…ホントに…ふぅ…グスッ…ぅ…うぅぅぅぅ…」

澪ちゃんも私と同じで不安な気持ちになっていたのだろう。
今度は泣き出してしまった。



110 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/11/02(火) 15:47:29.00 ID:jY/f88I0


唯「…ねぇみんな……もうライブするの…やめない?」

律「な!唯~お前ミスしたからって…別に気にすんなよ」

唯「…違うの」

紬「…唯ちゃん……」

唯「…最高のライブを目指してずっと練習するの。ずっと…ずっと」

梓「それって…」

唯「ライブはしない…でもいつかは最高のライブをするため練習する…ずーっと部活を続ける…」

律「目標…というか未練があるから消えないってことか……」

唯「消えるのは恐くないけど…もうみんなとバンドできなくなるのは…嫌だな」



111 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/11/02(火) 15:48:46.86 ID:jY/f88I0


澪「…賛成だ!そうしよう!そうすればずっと一緒に居られるんだ!みんなで!」

紬「…私は反対だわ」

澪「なんで!?なんでだよ!ムギはずっとみんなでバンド続けたくないのか!?」

律「私も…それは嫌だ」

澪「りつ!なんで!なんで……」

律「生きてた頃の記憶を引きずって本当に心から満足できないままこの世界に残り続けることになるんだぞ……」

澪「ぅ……」

唯「そう…だよね」

やっぱりそれは勝手な考え方なんだろう。



112 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/11/02(火) 15:51:07.76 ID:jY/f88I0


梓「…なら…本当に最高のライブを目指せばいいんじゃないですか」

唯「…どういうこと?」

梓「本当に最高のライブをするんです…私たちがみんなこの世界を旅立てるくらいの」

唯「……」

紬「そうね…そのためならいくらでも練習を続けるわ」

律「私も…それなら」

澪「…みんなで消えるのか?」

梓「言い方は悪いけど……そうです」



113 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/11/03(水) 13:05:07.75 ID:xbqGq2Y0


唯「……みんなで…」

魅力的な話に思えたけど、それは同時にみんなと別れることなんだよね……

澪「ぅ…グスッ…いやだよ…みんなと別れたくない……ずっと…ずっと一緒にいたい……」

梓「……澪先輩…」

律「…考える時間が必要だよ…とりあえずこの話はまた…な」

唯「……」

紬「そうね…」

そのあとみんなと別れ、帰った。

次の日から澪ちゃんは練習に来なくなった。



116 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします:2010/11/17(水) 01:28:35.17 ID:peIbCGg0

~~~~~~~~~~~~~

紬「あっ…りっちゃん……今日も…」

律「…あぁ」

何日たっても澪ちゃんは部室には来なかった。
食事の時や校内で私達やりっちゃんが話しかけても悲しそうな顔をするだけだ。

一度りっちゃんが無理やり連れてこようとしたときは澪ちゃんが泣き叫んでしまって大変だった。

唯「私…のせい…だよね……」

梓「唯先輩……」

律「…唯のせいじゃないよ…ただ澪はホントに…ホントにみんなと別れたくないだけなんだと思う」

紬「…やっぱり澪ちゃんがいないとライブはできないわ…もう一度話にいこう?」

唯「…あのね、澪ちゃんと二人で話がしたいんだ…いいかな?」

紬「…その…りっちゃんがいないと…」

律「…いや、頼んだよ唯」

唯「…うん」



117 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします:2010/11/17(水) 01:29:36.98 ID:peIbCGg0

~~~~~~~~~~~~~

澪「……!?…りつ…?」

唯「…ごめんね」

澪「…唯……私は…練習には行かないから…」

唯「…澪ちゃんは…みんなとバンドするの嫌になっちゃった?」

澪「それは違う!けど…練習したら…いつかライブをして…みんな消えちゃうんだろ…」

唯「…そうだよ」

澪「やっぱり私は嫌だ…唯だって嫌なんだろ!?だからあんな提案をしたんじゃないのか!?」

唯「…私も…みんなと…ずっと…ずっとバンドしたい」

澪「や、やっぱり唯もそう思ってたんだな!じゃあ二人で皆に言いにいこう!そうすれば皆もっ…」



118 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします:2010/11/17(水) 01:30:55.85 ID:peIbCGg0


唯「…あのね…澪ちゃん…私、みんなの生きていた頃の話を聞いて…
  ホントに悲しくって、もし新しい人生を始めたとしてもまた悲しいことになっちゃうかもしれない…
  それならこの世界にいた方がいい…ふとそう思ったの」

澪「そ、そうだよ!どうせ生まれ変わったってまた同じ目にあうんだ!それなら消える必要なんてない!」

唯「…でもね…この世界に残っても嫌な記憶や気持ちはずっと残ってるんだよ?
  …そんなの辛すぎるよ…」

澪「でも!みんながいれば!…みんなといるときは嫌なことだって忘れられるんだ…だから…」

唯「この世界はそんな記憶を完全に無くしちゃうくらいの喜びとか満足とかを得るためにあるんじゃないかな…」

澪「でもっ…辛いことを忘れて生まれ変わっても…また辛い目に合うかもしれないじゃないか…」

唯「りっちゃんとムギちゃんに聞いたよ…二人とも生まれ変わっても澪ちゃんを見つけるって約束をしたって」

澪「…そんなの…無理だよ…」



119 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします:2010/11/17(水) 01:32:34.18 ID:peIbCGg0


唯「…こんな世界があるってことは…本当にいるのかもしれない…神様が」

澪「え…?」

唯「…理不尽な人生を終えた人のための世界なら…
  次の世界で、その人の願いを一つくらい叶えてくれたっていいと思わない?…もし神様がいるなら」

澪「…唯……」

唯「…二人の約束…信じてあげてもいいんじゃないかな」

澪「……」

唯「みんなでやらなきゃ卒業できないよ…この世界から」

澪「私…は…」

唯「澪ちゃん」

澪「……?」

唯「私も約束する。きっと澪ちゃんを見つけるよ」



120 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします:2010/11/17(水) 01:34:18.18 ID:peIbCGg0

~~~~~~~~~~~~~

律「…お…唯」

唯「ムギちゃんとあずにゃんは?」

律「ん…先に飯食べにいったよ。ちょっと私も唯と話したくてさ…澪、どうだった?」

唯「うん…きっと大丈夫だよ」

律「そう…か…よかった」

唯「…りっちゃんはホントに澪ちゃんを大切にしてるんだね」

律「んー?まぁな…なんていうか…ほっとけなくてさ…」

唯「…そうなんだ」

律「うん……罪滅ぼしってわけじゃないけど…生きてたころ助けられなかった友達に…」

唯「りっちゃん…」



121 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします:2010/11/17(水) 01:35:13.54 ID:peIbCGg0


律「ま、澪が大丈夫ならよかった……でさ、唯はどうなんだ?」

唯「…?」

律「その…唯があの提案をしたときからずっと思ってたんだ…唯もずっとこの世界にいたいのかなって」

唯「…半分くらいはそうかな」

律「半分?」

唯「私も…生まれ変わって、もうみんなと永遠に会えないならずっとこの世界にいたい…」

律「そうか…」

唯「けど…それじゃ辛い気持ちをずっと引きずったままになっちゃうから…」



122 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします:2010/11/17(水) 01:39:10.50 ID:peIbCGg0


律「…じゃあさ…あの約束…みんなでするか」

唯「みんなで…」

律「あぁ…5人…いや、さわちゃんを入れて6人でさ……6人もいれば見つけるのなんて余裕だよ!」

唯「あはは…りっちゃん前向きだね」

律「おぅ!それだけが取り柄だからな!…だからさ唯も…」

唯「うん…最高のライブ…がんばろ」

律「よし!じゃあ今から澪誘って飯行くか!」

唯「…うん!そうだね」

律「澪が戻ってきたらさすがに練習しないとな!だいぶ鈍ってるよ」

唯「そうだね…だって最高のライブにしないといけないんだから!」




114 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[sage]:2010/11/16(火) 14:53:33.73 ID:3oFR3iAo
飽きたの?





115 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[saga sage]:2010/11/17(水) 01:27:30.93 ID:peIbCGg0
全部書き溜めて一気に投稿しようとおもってました。
一応完結させる気はあります。
遅筆過ぎごめんなさい




123 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします:2010/11/17(水) 08:21:53.10 ID:qFm5y8.o

>>115
いや、書き溜めていっきはいいと思うんだけど
そうなら一言言ってくれないとわからないから

気分悪くさせたら悪い、楽しみにしてる。



124 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします:2010/11/17(水) 08:28:03.53 ID:Vzz0yL6o

今日はここまでとか宣言してくれるとありがたい
酉も無いし、いきなり終わるから結局本人なんだかわかんないしな





125 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします:2010/11/17(水) 11:30:36.04 ID:peIbCGg0

了解です
ありがとうございます



126 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします:2010/12/05(日) 12:43:41.41 ID:D7K0tL.0

~~~~~~~~~~~~~

澪「……ごめん、みんな」

紬「澪ちゃん…おかえりなさい」

梓「そのっ!…私も…約束します!だから…」

澪「梓…ありがとう」

唯「りっちゃん…」

律「うん…なぁ澪…みんな…」

澪「ん…?」

律「生まれ変わって…次の人生が始まっても、お互いが見つけあって
  また友達になれるように…またバンドができるよう約束しよう…みんなでさ」

紬「りっちゃん…うん…」

梓「私も…はい!」

澪「…うん…約束しよう」

唯「澪ちゃん…」



127 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします:2010/12/05(日) 12:44:37.52 ID:D7K0tL.0


澪「約束…破ったら承知しないからな!」

律「…あったりまえだろ!私は部長なんだからなっ!!」

唯「えぇー!?りっちゃんいつの間に!?」

梓「律先輩が部長?あり得ないです」

律「中野ぉ…言うようになったな…」

唯「私が部長だと思ってたよ!」

律「私よりあり得ないよ!」

梓「どっちもどっちです」

澪「ふっ…ふふふっ…」

紬「澪ちゃん…この五人なら…ううん、さわちゃんも入れて六人…きっと約束…守れるわ」

澪「うん…そうだな…」



128 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします:2010/12/05(日) 12:45:39.61 ID:D7K0tL.0


律「…んじゃあ部長はジャンケンな!」

唯「えぇ~アミダにしようよぉ~」

梓「澪先輩かムギ先輩がいいと思います」

紬「みんな~とりあえずお茶にしましょう?」

律「じゃあじゃあジャンケンにするかアミダにするかジャンケンで決めようぜ!」

唯「えぇ~…」

澪「いいかげんに…しろっ!」

律「あだっ!」

梓「澪先輩が律先輩を殴った…!?」

唯「は、初めてじゃない?」

紬「うふふふふ…」



129 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします:2010/12/05(日) 12:46:36.63 ID:D7K0tL.0


律「みおちゅわ~ん…よくもやってくれたなー!こちょこちょ~」

澪「うわっ…やめっ…やめっろ!」

律「ぐへぇ!」

唯「ぷっ…あはははは!りっちゃん、たんこぶ~」

本当に…本当に楽しい。

この空間をこの世界でも、次の人生でも続けていくためにもライブ…必ず成功させなきゃ。



130 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします:2010/12/05(日) 12:47:25.97 ID:D7K0tL.0

~~~~~~~~~~~~~

それからの私たちは授業も、練習もお茶もなんだって全力で楽しんでやった。

本当に毎日が楽しすぎて、何日経ったのかはよくわからない。

けど確実にみんなでライブをしたい、最高のライブをしたいっていう気持ちは演奏をするたび強くなっている気がする。

唯「…はぁはぁ…今の…」

練習なのに胸がすごくドキドキしている…

今の演奏なら……



131 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします:2010/12/05(日) 12:48:11.68 ID:D7K0tL.0


澪「…あぁ…今まで一番…すごかった…」

梓「はい……」

律「そろそろ…ライブ…するか!」

紬「そうね…これなら」

澪「…いやっ…でも、まだ律のドラムは走りぎみだしっ唯はっ…」

律「…澪っ!…わかってるだろ?」

澪「う……」



132 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします:2010/12/05(日) 12:49:56.98 ID:D7K0tL.0


唯「…澪ちゃん」

澪ちゃんを抱きしめると私と同じように澪ちゃんも胸がドキドキしていた。

澪「あ…唯……」

唯「私も澪ちゃんと一緒でドキドキしてるよ?…だって…すごく楽しい演奏だったんだもん」

澪「…うん…私も…楽しかった」

唯「練習でコレならライブなんてすごいよ!きっときっと、すっごく楽しいよ!」

紬「私もっ…ドキドキしてるわ…」

後ろから抱きついてきたムギちゃんの胸もドキドキしている。

梓「わ、私もですっ」

あずにゃんの胸もドキドキ。

律「私も混ぜろーっ!」

りっちゃんも加わって、私を中心にみんなで抱き合っている形になった。

みんなのドキドキが伝わってなんだか不思議な気分だ。



133 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします:2010/12/05(日) 12:51:52.94 ID:D7K0tL.0


唯「えへへ…ライブがんばろっ!!」

律「おぉー!!」

紬「おぉー!」

梓「お、おぉー」

澪「おー…」

唯「ぷっ…どんどん弱くなってるよ~」

律「あはは!私たちらしくていいだろ!」

紬「うふふ…そうね」

澪「…ふふっ…そうか…?」

梓「そうですよ!」

唯「うん!!」



134 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします:2010/12/05(日) 12:53:34.73 ID:D7K0tL.0

今日はここまでで

遅すぎゴメンナサイ…



137 名前:あはっぴぃにゅうにゃぁ2011!:2011/01/03(月) 07:44:57.64 ID:PgVZM5.0

~~~~~~~~~~~~~~

律「明日のライブに備えて今日は麻婆豆腐パーティーだ!!」

唯「いぇ~い!!」

紬「どんどんぱふぱふー!!」

澪「おかしいだろ!明日に影響するよ!」

梓「麻婆豆腐…?なにかあるんですか?」

唯「あ、あずにゃん……」

やっぱり覚えてないんだ……

律「この世界だから大丈夫だ!!」

紬「どんな状態になっても明日には完治してるわよ~」

澪「そ…そうだけど……はぁ~…ホント、最後まで…」

律「み~おっ!最後じゃなくて、これからだって何回でもできるだろっ?…でも~…この世界ならでは、のこともしておかないとな~!」

澪「…ぷっ…あぁ…そうだな…よし!今日はやるぞ!!」

律「澪ちゅわんやるきぃ~!」



138 名前:あはっぴぃにゅうにゃぁ2011!:2011/01/03(月) 07:46:07.47 ID:PgVZM5.0


紬「は~い、麻婆豆腐、特盛五人前で~す♪」

梓「…?普通ですね。これがどうしたんですか?…すごく美味しいとか?」

律「ぶっ…そ、そうなんだよ!めちゃくちゃ上手いんだよ!その麻婆豆腐!まずは梓から食っていいよ」

唯「り、りっちゃん!!」

ひどい!

梓「いえ、そんな…先輩方から…」

うん、そうだよね!あずにゃん!

澪「ふふっ…梓、先に食べていいよ」

紬「お皿にとってあげるね…はい、どうぞ♪」

唯「澪ちゃん!?ムギちゃん!?」

二人まで……

唯「……先に食べていいよ」

ごめんね…あずにゃん……



139 名前:あはっぴぃにゅうにゃぁ2011!:2011/01/03(月) 07:47:24.56 ID:PgVZM5.0


梓「ありがとうございます…では、お先に……あむっ」

唯「ああぁぁあぁ……」

がっつり食べちゃったよぉ……

梓「うん、なかなかおい…し……い……」

咀嚼しながら紅潮してゆくあずにゃんの顔。

梓「あ…あが…が……」

最高に真っ赤っかになった後、急に青ざめました。

梓「あ゛……」

唯「あずっ……」

梓「んに゛ゃああああぁぁぁあ゛ぁあああ!!!!!!!」

唯「にゃぁぁぁぁぁん!!!」

椅子から転げ落ち、のたうち回るあずにゃん。



140 名前:あはっぴぃにゅうにゃぁ2011!:2011/01/03(月) 07:49:28.89 ID:PgVZM5.0


律「だははははははっ!!」

澪「ふっ…あははははは!!」

紬「りっちゃん、澪ちゃんもそれっ!」

唯「あああああ!!」

ムギちゃんが大笑いしているりっちゃんと澪ちゃんの口に麻婆豆腐を放り込んだ。

律「おぶっ」

澪「うぐっ…」

唯「はわわわわわ……」

紬「はい、唯ちゃん♪」

唯「え…?」

紬「唯ちゃんの分♪」

唯「……ゴクリ」

そういえばまだ食べたことないんだよね……



141 名前:あはっぴぃにゅうにゃぁ2011!:2011/01/03(月) 07:50:58.39 ID:PgVZM5.0


律「う、う…うぎゃぁぁぁぁぁぁ!!!」

澪「うぐっ……ぅええええええ!!!」

唯「……」

床をのたうち回るあずにゃんに苦しそうに喉をかきむしるりっちゃん。

澪ちゃんはどこかに駆けていってしまった。

紬「いただきまーす♪…うん、おいしい♪」

唯「……」

この地獄のような光景のなかでニコニコと麻婆豆腐を食べるムギちゃんはとても神々しい。

唯「…い、いただきます……」

そのあと麻婆豆腐はちゃんと食べきった…気がする。


…みんなと一日中騒いで楽しかったな。



142 名前:あはっぴぃにゅうにゃぁ2011!:2011/01/03(月) 07:53:27.75 ID:PgVZM5.0

~~~~~~~~~~~~~~

律「なんか体が軽い」

梓「確かに何だかすっきりした感じです…」

ライブ当日、昨日食べた麻婆豆腐のおかげなのか、体が軽くとても調子が良い。

まさにベストコンディションだ。

澪「……」

紬「澪ちゃん…大丈夫?」

澪「…うん、大丈夫」

紬「今日のライブ、頑張りましょ?」

澪「あぁ……そうだな」



143 名前:あはっぴぃにゅうにゃぁ2011!:2011/01/03(月) 07:56:12.08 ID:PgVZM5.0


律「んじゃ、ライブの前にティータイムといくか!」

梓「えぇ!?練習しましょうよ!」

唯「おやつ♪おやつ♪」

紬「はいは~い♪」

梓「もう~……」

澪「梓…私達らしくていいじゃないか…な?」

梓「…ふふっ…そうですね」

ムギちゃんの用意してくれたお茶やお菓子は特別だったり豪華だったりするものなんかじゃなく
いつもと変わらない普段通りのものだった。

唯「えへへ…おいしいよ~ムギちゃん!」

紬「うふふ…よかった」



144 名前:あはっぴぃにゅうにゃぁ2011!:2011/01/03(月) 07:58:11.03 ID:PgVZM5.0



律「…じゃあ…そろそろ行くか!」

梓「はい!!」

紬「うん!」

唯「…このライブが終わったら……」

澪「……大丈夫…またみんなで…できるさ」

唯「澪ちゃん……うん…そうだね」

律「みんなで約束だ!ここにいないさわちゃんの分もな」

紬「私、ライブも、みんなとのこれからもすごく楽しみ♪」

梓「そうです!それに唯先輩にはまだまだ練習してもらわないと…」

唯「あ、あずにゃ~ん……」

澪「頑張ろう!…ほら」

手を差し出す澪ちゃん。

そこに重ねるように手を差し出すみんな。



145 名前:あはっぴぃにゅうにゃぁ2011!:2011/01/03(月) 07:59:56.68 ID:PgVZM5.0


律「唯」

紬「唯ちゃん」

梓「唯先輩」

澪「…唯」


唯「…うん……よーっし!!やるぞ!!おーーーーっ!!!!!」



146 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2011/01/26(水) 01:19:51.36 ID:iDtLjK0l0

~~~~~~~~~~~~~~

ライブが始まった。

この世界でたくさんの時間を過ごす中で、私達が作った全ての曲を今、全力で演奏している。

りっちゃんのドラムはいつも以上に走りぎみだし、
あずにゃんもいつもの堅実な演奏とは打って変わり、聞いたことのないような激しい演奏をしている。

けどそんなりっちゃんのドラムに合わせて演奏する澪ちゃんはすごく楽しそうだし、
あずにゃんだって好き放題に弾いてるわけじゃなく私の演奏に完璧に合わせてくれる。

ムギちゃんはみんなの演奏を繋ぎ合わせて綺麗にまとめてくれている。



147 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2011/01/26(水) 01:20:40.35 ID:iDtLjK0l0


唯「…次っ!私の恋はホッチキス!!」

さわちゃんが綺麗な声で最後に歌った曲。

さわちゃんがなんで消えてしまったのかはわからなかったけど、今この曲を歌っている私と同じ気持ちだったのかな?

続きを歌う澪ちゃんに目配せすると楽しそうに笑ってくれた。

唯「…次は…ふわふわ時間!!」

私が軽音部に入る前からあった曲。
…最初はパンク調だったけど。

私のギターソロから曲が始まる。
さわちゃんやあずにゃんみたいに上手じゃないけどずっと練習してきた演奏。

こんな世界でも成長してるんだな。

唯「…みんなー!ありがとう!ラスト!『You&I』!!」

私とみんなで作った曲。

作ったきっかけは一人一人曲を作ってくるっていう遊びみたいな理由だったけど
気付けばみんなで一緒になって一生懸命作った曲だ。


すべての演奏を最高の気持ちで終わらせることができた。でも……



148 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2011/01/26(水) 01:21:23.82 ID:iDtLjK0l0


唯「まだ…消えてない……」

律「当たり前だろ…だってさ……」

客席からは今までしてきたどのライブよりも大きなアンコールが起こっていた。

澪「…行こう」

紬「澪ちゃん…」

梓「やってやるです!!」

律「よし…やるか!!」

唯「うん!!」


ホントにホントの最後の曲。


唯「最後の曲!!『Cagayake!GIRLS』!!」



149 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2011/01/26(水) 01:22:35.03 ID:iDtLjK0l0


私のギター、ムギちゃんのキーボード、あずにゃんのギター、澪ちゃんのベース、りっちゃんのドラム。
一人一人が加わって曲が始まる。

この曲は私達の最後の別れの言葉の代わりに作った曲だ。

曲はすすんでいく。

そしてそれぞれのソロ。

もうお別れだね。



150 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2011/01/26(水) 01:24:05.03 ID:iDtLjK0l0


唯「むぎ!!」

ムギちゃんはいつも通りの笑顔で微笑んでいた。

やっぱりムギちゃんは最後までいつものままなんだな。

紬「みお!!」

ムギちゃんは笑顔のまま綺麗な音を残し消えていった。

最後の声をかけられた澪ちゃんは泣いていた。

でも演奏は今までで一番、りっちゃんとぴったり息の合った演奏だ。

私、あずにゃん、りっちゃんと目配せした。

りっちゃんは澪ちゃんに笑顔で返していた。

澪「りつぅっ!!」

澪ちゃんも卒業することができた。

りっちゃんは澪ちゃんが卒業した瞬間に泣き出してしまった。

でもドラムの音は力強いままで、まるで誰かに何かを伝えているようだ。

律「うぉぉぉぉぉあずさぁぁぁ!!!」

力強くドラムにスティックを叩きつけ、大きな笑顔でりっちゃんも卒業した。



151 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2011/01/26(水) 01:25:19.60 ID:iDtLjK0l0



ついに私とあずにゃんの二人だけになってしまった。

もはや客席は完全に静まり返り、私たちの演奏だけが響いている。


目配せをするとあずにゃんは楽しそうに泣いていた。


だいじょうぶです――あずにゃんの顔はそう言っているような気がした。

梓「せーのっ!!」


『『『『ゆい!!!!』』』』


私のソロ。

みんなの姿はもう見えないけど演奏は聞こえてくるよ。

ムギちゃんのキーボード、澪ちゃんのベース、あずにゃんのギター、りっちゃんのドラム。



唯「けいおん!大好き――――」



152 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2011/01/26(水) 01:26:34.07 ID:iDtLjK0l0

…………………
……………
………



新しく…生まれ変われたら…みんなとの約束、絶対に守らなきゃ…


澪ちゃん、りっちゃん、ムギちゃん、あずにゃん、さわちゃん……


それから…もし、また私に妹ができたら…うんと優しくして今度こそ絶対に守ってあげよう……


それから…それから…またギターを始めるんだ…きっと……また…ギー太と……


…それから……それから……


…なんだっけ…………?


もう思い出せないや―――――



153 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2011/01/26(水) 01:27:51.72 ID:iDtLjK0l0

…………………
……………
………



「…わぁ!左利きなんだ!すごーい!」


「ひっ」


「みんなー!すごいよー!左利きだよー!」


「うぅぅ……」


「なにかいてたのー?」


「……」


「…どうしたの?」


「……はずかしい…」


「うーん…じゃあさ、お友達になろうよ!」


「お友達…?」


「うん!お友達どうしならはずかしくないでしょ?へへ」


「……」


「…だめ?」


「ううん…いいよ…」


「やった!じゃあ今から私たち、お友達だね!私の名前は―――」



154 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2011/01/26(水) 01:29:58.05 ID:iDtLjK0l0

…………………
……………
………



「お姉ちゃん!起きて!朝だよ」


「…おはよー……」


「はい、これ今日の用意。ご飯できてるから早く着替えて降りてきてね」


「うぃ~……」


うーん、高校生か……


せっかく高校生になったんだし、なにか新しいこと始めたいな……



…なにか……そう、なにか―――



155 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2011/01/26(水) 01:32:09.79 ID:iDtLjK0l0

…………………
……………
………



「こねー……」


「もういいだろ…私は文芸部に……」


「あのー…」


「きたぁ!!入部希望の人!?」


「えっと…合唱部に……」


「お願い!軽音部、今月中に四人集まらないと廃部になっちゃうんだ!入部して!!」


「こら…無理やり誘うなよ」



156 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2011/01/26(水) 01:33:14.50 ID:iDtLjK0l0


「…なんだよ!あの時の約束は嘘だったのか!!」


「……約束…」


「…捏造…すんなっ!」


「あだっ!!」


「ふふ……」


「あぁ…ごめん……」


「いえ…楽しそうだな、と思って。私でよろしければ是非入部させて下さい」


「ホントに!?やったぁぁ!!」


「ありがとう!…えっと……」


「はい、私の名前は―――」



157 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2011/01/26(水) 01:34:32.04 ID:iDtLjK0l0

…………………
……………
………



なにか新しいことを始めたくて軽音部に入部届を出したけど、怖い人だったら嫌だし、やっぱり辞めさせてもらおう……


「君だよね!?入部してくれるっていう子!」


「ごめんなさい!実は辞めさせて下さいって言いに来たんです!」


「え……」


「本当にごめんなさい……期待させるだけさせておいて……なんて謝ったらいいか……」


「…そっか……じゃあさ、最後に演奏だけでも聞いていってよ」


「演奏、してくれるんですか?」


「うん!……よし、やるか!ワン、ツー!」


どうしてだろう……演奏はバラバラで全然上手じゃないのに…すごく楽しそう……


「ふぅ…どうだった?」


「あの…なんだかうまく言えないんですけど……あんまりうまくないですね!でも…すごく楽しそうで……」


私も……一緒に―――



158 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2011/01/26(水) 01:35:59.23 ID:iDtLjK0l0

…………………
……………
………



「この写真…先生だよね?」


「うっ…なんでわかったの……」


「へーまさか先生にこんな過去があったとは……」


「うぅ…お淑やかなキャラでいこうと思っていたのに……」


「バラされたくなかったら顧問になってください!」


「はぁ…わかったわ」


「やったー!」


「もう…私が顧問になったからにはビシバシいくわよ―――」



159 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2011/01/26(水) 01:37:01.83 ID:iDtLjK0l0

…………………
……………
………



どうして……?


…どのバンドも軽音部より上手くてすごいのに、どうしてあの四人だとすごく良い演奏になるんだろう……


私も…私も……あの中に入れたら……きっと―――



160 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2011/01/26(水) 01:38:56.71 ID:iDtLjK0l0

…………………
……………
………



ねぇ、あたし。あの頃のあたし。


心配しなくていいよ。すぐ見つかるから。


あたしにも出来ることが、夢中になれることが、


大切な、大切な、大切な場所が―――




「けいおん!!だいすきーー!!」





おわり



161 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2011/01/26(水) 01:40:00.38 ID:iDtLjK0l0

おわりです
読んでくださった方がいらっしゃいましたらありがとうございます。




162 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2011/01/26(水) 01:41:23.37 ID:MGTrc9Umo

移転前に終わったかとりあえず完結乙



163 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2011/01/26(水) 08:13:58.01 ID:Ir0SY8jHo

完結乙
とても良かったぞ!!





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タイトル:
NO:691 [ 2011/01/28 22:02 ] [ 編集 ]

オチよめたけど感動した。

タイトル:
NO:1980 [ 2011/05/15 12:02 ] [ 編集 ]

びっくりするほどツマンネ

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