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どれみ「不幸に負けない」律「笑顔の魔法!」 【クロス】


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1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/05(土) 15:39:41.42 ID:vGj/DqQ6O

文化祭二日目の朝、軽音部の面々は部室でお茶を飲んでいた。

律「いよいよ今日が本番だ!これまでの成果、みんなに見せつけてやろうぜ!」

ドラムスティックが握られた右手を天井に突き上げる。

唯「いよ、りっちゃん!」

紬「カッコイイー」

律「あはは、もっと褒めろ褒めろ」

唯「ぶちょー、さいこー!」

紬「おっとこまえー」

律「いやー、愉快じゃ愉快じゃ……ってムギ、私は女だぞー」

梓(成果が出るほど、練習した記憶がない)

澪(文化祭……思い出したくない、あの日の私)

澪・梓「不安だ」





2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/05(土) 15:41:27.18 ID:vGj/DqQ6O

律「おいおい、縁起でもないことを言うなよ」

澪「だって、不安なのは仕方ないし」

梓「同感です」

律「もぉー、朝からしけた顔すんなよ。こっちまで不安になる!」

唯「そうだよ、あずにゃん。今年は不安なことは何一つないよ! 練習の成果を見せたら、成功間違いなし!」

梓「だと良いんですが」

紬「澪ちゃん、がんばろ!」

澪「うん……だけど、不安だな」

律「……じゃあ、そんな澪に私から良い物をあげよう」

澪「良い物?」



3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/05(土) 15:43:22.61 ID:vGj/DqQ6O

律「おう、ちょっと待ってろよ」

立ち上がって鞄を取りに行く。

律「ふんふん♪」

鼻歌混じりに鞄の中を探る。

律「おっ、あったあった」

目当ての物を見つけると、自分の席に戻る。

律「ほい、これ」

席につくなり、目当ての物を澪に渡す。

紬「これって……」

澪「お守りだな」

律「この前の日曜日に、近所の神社で買っておいたのさ」

梓「なんでまた?」



4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/05(土) 15:45:38.25 ID:vGj/DqQ6O

律「ほら、文化祭のライブでハプニング続きじゃん。去年の唯や一昨年の澪みたいな」

唯「あの時はご迷惑をおかけしました」

澪「はぅー」

律「そこで私は考えた。どうしたらハプニングもなく、ライブが行えるのか!」

紬「それがこのお守り?」

律「その通り! これがあれば、あらゆる不幸や災難からあなたの身を守ってくれます!」

梓(なんか怪しい)

律「ちゃーんと、唯やムギや梓の分もあるからな」

三人にお守りを渡す。

唯「りっちゃん、ありがとー!」

紬「これで安心ね」

梓「えぇ、まぁ……」



5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/05(土) 15:47:07.29 ID:vGj/DqQ6O

律「なんだよ梓。不満か?」

梓「あっ、いえ。本当に効くのかな、って」

律「心配すんな。そのお守りにはな、りっちゃん特製の魔法がかけられてるんだぜ!」

唯「魔法!」

紬「りっちゃん、すごーい」

律「いえーい!」

笑顔でVサインをする。

澪(魔法、かぁ……)

梓「はぁー、不幸になる魔法ですか?」

律「んなワケあるか!りっちゃんの魔法はな『笑顔の魔法』って呼ばれてて効果抜群なんだぞ!」

梓「ぷっ、笑顔の魔法。言ってて恥ずかしくないですか……ぷぷっ」



6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/05(土) 15:48:15.19 ID:vGj/DqQ6O

律「梓ぁー!」

唯「なんて魔法をかけたの?」

紬「教えて!」

澪(小さい頃、魔法に憧れたっけ)

律「軽音部のみんなを不幸や災難から守って下さい!」

梓「その台詞、さっき聞いたような」

律「いいの!」

澪(魔法の箒でビューン)

律「そうだよな、みんな」

唯「うーん。もうちょっと、捻りが欲しいかなー」

紬「呪文には『ユリ』を入れるべきよね」

梓「ムギ先輩、それ関係ないです」

澪(呪文はピュアピュア……)



7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/05(土) 15:49:09.35 ID:vGj/DqQ6O

律「あのなー」

澪(魔法は攻撃……いや、魔法はみんなの夢を叶える為に)

律「澪、お前は……」

澪(なんか、いい歌詞が書けそうだ。タイトルは)

律「澪?」

澪「うーん」

律「澪!」

澪「うわっ!」



8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/05(土) 15:50:43.06 ID:vGj/DqQ6O

律「おーい」

唯「澪ちゃん、どうしたの?」

紬「何か考え事してたみたいだけど」

澪「あっ、いや……」

律「で、澪はどうなんだ?」

澪「えっと、あの……わ、私は『魔女っ娘みおちゃん』が良いと思うんだ!」

律「はい?」

部室に沈黙が漂っていた。

澪「あ、あれ?」

四人は澪を哀れむような目で見ていた。

律「澪」

ポン、っと澪の肩に手をやる。

律「文化祭の件以外に悩みがあるなら、相談に乗るぜ」



9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/05(土) 15:52:39.36 ID:vGj/DqQ6O

澪「り、律?」

律「なぁ、みんな」

三人は「うん」と頷いた。

唯「澪ちゃん、一人で悩まないでね」

紬「私達にも何か出来ることはあるかしら?」

梓「な、悩みなら私に任せるです!」

澪(あれ、なんか可哀相な娘になってない?)

唯「なんなら憂や和ちゃんにも!」

梓「純にも!」

紬「さわ子先生もいるわ!」



11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/05(土) 15:54:13.85 ID:vGj/DqQ6O

律「みんなこう言ってるんだし、悩みをぶちまけちゃえよ」

ドラムスティックをクルクル回す。

澪(べ、別に文化祭の件以外の悩みなんかないのにー)

澪「うぅー」

梓「大丈夫で……」

Prrrr♪

そんな時、紬の携帯電話が鳴った。

紬「はい、紬です……」

視線が澪から紬に移行する。

紬「うん、着いたのね……すぐ迎えに行くわ」

梓「誰からですか?」

紬「私のお友達よ。今日の文化祭に招待したの」



12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/05(土) 15:55:16.85 ID:vGj/DqQ6O

唯「へー、どんな人なの?」

紬「琴吹グループの映画部門で製作中の映画があって、その監督をされてる方の娘さんなの」

唯「うわー、凄いねー」

紬「それで今日、美空市から来てくれてるのよ」

梓「美空市とはまた遠いですね。その娘さん、お一人でですか?」

紬「ううん。お友達も連れて来るって言ってたわ。だから、今からお迎えに行くの」

唯「じゃあ、私達もお迎えに行こー」

紬「わー、ありがとー」

唯「ほら、あずにゃん。一緒に……イテッ!」

立ち上がって梓の所へ行こうとするが、テーブルの脚に足の指をぶつける。

梓「何やってるんですかー」

唯「うーん、痛いよー」



13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/05(土) 15:56:23.59 ID:vGj/DqQ6O

律「おいおい、大丈夫か?」

唯「うん。大丈夫だよ」

唯は涙目になっていたが、問題はなさそうだった。

澪(あれ、私のこと忘れられてる?)

梓「しっかりして下さいよ」

唯「ごめんね」

澪(まぁ、逆に好都合か)

紬「唯ちゃんも大丈夫そうだし、カップを片付け……」

紬がカップを手に持とうとすると、カップの持ち手部分が取れた。

紬「!」

律「ありゃ、珍しいこともあるもんだなー」

梓「もしかして」

澪「どうした、梓?」



14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/05(土) 15:57:40.39 ID:vGj/DqQ6O

梓「律先輩の魔法が効いたのでは!」

律「それだったら、不幸や災難になるワケないだろ」

梓「いえ、律先輩の魔法は人を不幸に……」

律「こらー!」

梓「逃げるです!」

梓と律は部室を出て行った。

唯「ムギちゃん、落ち込まないで」

ポンポン、っと軽く背中を叩く。

紬「ありがとー、唯ちゃん」

唯「片付けは後にして、私達も行こっか」

紬「うん」

澪「そ、そうだな」

三人は部室を出た。



16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/05(土) 16:00:05.87 ID:vGj/DqQ6O

―――

桜高の正門前。

どれみ「はづきちゃん、なんて?」

はづき「もうすぐ紬さんが迎えに来るって」

あいこ「なぁ、その紬さんてどんな人なん?」

はづき「琴吹グループの令嬢よ。パパがそこの製作してる映画の監督をやってるの」

あいこ「ふーん。よく仲良ぉーなれたなぁ」

はづき「この前パーティーがあって、その時に知り合ったの」

どれみ「令嬢……つまり、お嬢様ってことは、玉木みたいな感じの人かな?」

あいこ(分かりやすい例えやなぁ)



17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/05(土) 16:01:26.91 ID:vGj/DqQ6O

はづき「ううん。紬さんはどっちかっていうと、おっとり系な感じの人だったわ。玉木さんとは違った感じね」

どれみ「じゃあ、問題ないや」

あいこ(どないな判断基準んやねん)

はづき「それに、放課後ティータイムというバンドでキーボードをやってるそうよ」

あいこ「ほぉー、音楽かいな。そら、凄いな」

どれみ「そうだね」

はづき「あとは……百合が好みとか言ってたわ」

どれみ「百合?」

はづき「そう、百合。意味は分からないけど」

あいこ「百合ゆーたら花のユリしか知らんから、花の栽培が趣味なんとちゃうか?」

どれみ「ユリの花限定で?」

あいこ「そんなん知らん」



18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/05(土) 16:03:07.58 ID:vGj/DqQ6O

紬「はづきちゃーん」

はづき「あっ、紬さんだわ」

どれみ「どの人?」

はづき「校舎から出て来た人よ」

あいこ「五人もおるで」

はづき「金髪の人よ」

どれみ「おおー、眉毛の人だね」

はづき(その言い方は、どうなのかしら?)

どれみ達の所に、軽音部の面々がやって来る。

はづき「紬さん。おはようございます」

紬「おはよー」

はづき「本日は招待していただき、ありがとうございます」

どれみ「ありがとうございます」

はづき「今日は、たくさん楽しみます」



19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/05(土) 16:04:18.88 ID:vGj/DqQ6O

律「へぇー、礼儀正しい娘達じゃないか」

梓「律先輩も見習いましょう」

律「私は堅苦しいのは駄目なんだ!」

澪「威張ることなのか」

紬「えっと、彼女がお友達の藤原はづきちゃん。まだ小学三年生なのー」

はづき「みなさん、藤原はづきです。よろしくお願いします」

梓「遠い所、ありがとね。私は中野梓。放課後ティータイムのギターやってて、唯一の二年生だよ。よろしくね」

はづき「は、はい」



20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/05(土) 16:05:41.47 ID:vGj/DqQ6O

紬「あと、そちらの二人は初対面よね。私は琴吹紬。放課後ティータイムでキーボードやってまーす」

どれみ「ど、どうもです! あ、あたしははづきちゃんの幼なじみの、春風どれみです!」

唯「えへへ、私は平沢唯。放課後ティータイムでギターとボーカルやってます!」

どれみ「よ、よろしくお願いします!」

あいこ「あたしの名前は妹尾あいこ。今年、大阪から美空市に越して来ました。今では二人の大親友です!」

律「関西弁でしか喋っちゃいけないゲーム、やね!」

あいこ「えっ?」

律「あれ、通じなかった?」

澪「それは律が勝手に作ったゲームだから、通じるワケないだろ」

律「ぶーぶー」



22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/05(土) 16:07:07.52 ID:vGj/DqQ6O

あいこ「えっと……」

澪「あっ、ごめん。それで……私は秋山澪。放課後ティータイムのベースとボーカルをやっている。こっちは、幼なじみの……」

律「軽音部の部長で、放課後ティータイムのドラムをやってる……みんなの憧れ、りっちゃんこと田井中律でー……イテッ!」

ドラムスティックをバトンのように、空中に投げてキャッチしようとするも、上手く拾えず頭に直撃する。

あいこ「だ、大丈夫ですか!?」

律「だ、大丈夫……」

澪「自業自得だから、気にすることないよ」

律「みーおー。私のこと、もっと心配してよー」

澪「な、なんで私がそこまでして律のことを心配しなきゃ……」

律「あの日の約束、嘘だったのねー」



23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/05(土) 16:08:10.14 ID:vGj/DqQ6O

澪「な、なんだよそれ」

梓(明らかに澪先輩、困ってる)

紬(これは良い傾向ね!)

律「あれは……そう、あれは!」

あいこ「あのー」

律「?」

あいこ「お二人は即興のコントをやらはるのが趣味なんですか?」

律・澪「なっ!」

あいこ「それか夫婦漫才……」

紬(夫婦漫才、良い響きだわー)

唯「あずにゃん、私達も夫婦漫才しよー」

唯は梓に抱き着く。

梓「にゃー!」

唯「あーずにゃーん」



24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/05(土) 16:09:04.14 ID:vGj/DqQ6O

どれみ(こ、これが女子高なんだ……)

はづき(なんか、圧倒されそうだわ)

あいこ(アカン。私には分からん世界やわ)

紬(いいわー)

律「とまあ、それは置いといて……みんなで文化祭廻ろうぜ!」

梓「こんな大人数でですか?」

律「適当にグループ分けするから」

澪「そうだな。大人数よりかは、少人数グループの方がいいな。ここは律に任せるよ」

律「よーし、任された!」



26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/05(土) 16:10:12.00 ID:vGj/DqQ6O

―――

グループ分けをした結果、はづきは紬と梓と同じグループになった。

紬「そういえば、はづきちゃんはバイオリンをやってるのよね?」

はづき「はい。幼稚園の頃からやってます」

梓「へぇー、バイオリンが好きなんだ」

はづき「元々はマ……母親に言われて仕方なく」

梓「じゃあ、そんなに好きじゃないんだ?」

はづき「最初はそうでしたけど、幼稚園の頃にどれみちゃんと喧嘩して、仲直りした時にバイオリンを弾いて……それでバイオリン好きになりました」

梓「ふふっ、良い思い出だね」

はづき「あ、ありがとうございます」



27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/05(土) 16:11:44.83 ID:vGj/DqQ6O

梓「じゃあ、将来はバイオリニストになるの?」

はづき「えっと、将来まではまだ……」

梓「そうだよね。まだ、将来のことは早いよね」

はづき「はい。じっくり考えます」

紬(まるで、唯ちゃんと和ちゃんみたいね。りっちゃんと澪ちゃんとは違うテイストだわ)

はづき「あっ、そうだ……紬さん」

紬「なーに?」

はづき「前から気になっていたのですが」

紬「ふむふむ」


はづき「百合って、なんですか?」


梓「ぶふぉー!」

はづき「えっ、中野さん?」



28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/05(土) 16:12:46.36 ID:vGj/DqQ6O

紬「まあまあ、覚えててくれたのね」

紬の目は輝いていた。

はづき「えっ、まぁ……」

紬「あのね、百合っていうのは……」

梓「ムギ先輩! 小学生に変な知識を植え付けないで下さい!」

はづき「へ、変な……」

紬「何言ってるの梓ちゃん! これは、とーっても大事なことなのよ! あなたも知識はあるでしょ」

梓「だからって、早過ぎです! こーいうのは、もう少し後でも……」

紬「早いか遅いかなら、早い方がいいでしょ! 善は急げ、よ!」

梓「こ、こんなんじゃダメです!」

はづき「えーっと……」

ますますワケが分からなくなる、はづきだった。



30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/05(土) 16:16:01.93 ID:vGj/DqQ6O

―――

どれみと唯は、憂のクラスの近くに来ていた。

どれみ「高校に入ってからギター始めたんですか?」

唯「そうだよ。それまで、ギターすらやったことなかったもん」

どれみ「よく続けられましたね」

唯「澪ちゃんやあずにゃんに指導してもらったからね。でも、間違えたりしたらあずにゃんに怒られちゃうけどね」

どれみ「あぁー」

唯「そういえば、どれみちゃんは何か楽器とかやってないの?」

どれみ「あ、あたしですか?」

唯「うん」

どれみ「えっと、ピアノを……」

唯「ピアノ、凄いね! 今もやってるの!?」

どれみ「いえ、今は……」



31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/05(土) 16:17:05.58 ID:vGj/DqQ6O

唯「辞めちゃったんだ」

どれみ「はい。ちょっと、あることが原因でピアノが嫌いに……」

唯「理由は聞かないけど……また、ピアノが好きになるといいね!」

どれみ「そ、そうですね」

唯「じゃーあ、暗い話しは終わり。今からここに行くよ!」

どれみ「えっと、ここは?」

唯「あずにゃんのクラスだよ」

ガラッ

純「いらっしゃいませ」

憂「いらっしゃい……お姉ちゃん!」

唯「憂に純ちゃん。遊びに来ました!」



32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/05(土) 16:18:25.40 ID:vGj/DqQ6O

憂「ありがとう、お姉ちゃん」

唯「うぃー!」

純「それで唯先輩、こっちの女の子は?」

唯「おー、忘れてた! ムギちゃんの友達の友達の春風どれみちゃんだよ!」

どれみ「ど、どうもです!」

純「友達の友達……」

憂「つまり、友達だよ!」

唯「さすがは憂!」

憂「えへへー」

純(友達の友達って、赤の他人……まぁ、いっか)

憂「私は妹の平沢憂だよ」

純「私は鈴木純」

どれみ「はじめまして!」



33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/05(土) 16:19:18.49 ID:vGj/DqQ6O

唯「うーいー、何かちょーだい」

憂「うん。ちょっと待っててね」

純(この姉妹は……)

どれみ「仲の良い姉妹ですね。あたしにも妹がいますけど、なんてゆーか生意気で」

純「いや、平沢姉妹と他の姉妹を同列に考えちゃダメだよ」

どれみ「そ、そうなんですか」

純「うん」


憂「はい、お姉ちゃん」

唯「ありがとー」

憂に抱き着く。

憂「もぉー、お姉ちゃんったら」


どれみ「なんとなく、分かります」

純「だよねー」



34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/05(土) 16:21:01.33 ID:vGj/DqQ6O

―――

あいこは律と澪と一緒に、オカルト研の部室に来ていた。

律「ふふふーん」

相変わらずドラムスティックをクルクル回していた。

あいこ「律さんはいつも、スティックを持ち歩いてはるんですか?」

律「そうやで! これがドラマーの嗜みなんやで!」

澪「何やってるんだか」

あいこ「あのー。そんなん無理に関西弁で喋らなくても」

律「へへー、ちょっとやってみたくなっただけだよー」

澪「はいはい」



36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/05(土) 16:22:41.77 ID:vGj/DqQ6O

律「そうだ。あいちゃんは何か音楽とかやってないの?」

あいこ「あたしですか?」

律「そうそう」

あいこ「一応、ハーモニカをやってます」

澪「ハーモニカかぁ」

律「よく吹くのか?」

あいこ「えぇ、まぁ……せやけど、ファの音が出ぇへんのです」

律「だったら新しいの買った方がいいんじゃね」

あいこ「これ……おとーちゃんと、おかーちゃんとの思い出のハーモニカなんです」

律「えっ?」

あいこ「あたしの両親、離婚してるんです」



37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/05(土) 16:24:00.81 ID:vGj/DqQ6O

律「あっ……」

澪「律! ご、ごめんね! 気を悪くしたら……」

あいこ「あぁ大丈夫ですよ。どれみちゃん達も知ってますし、あんまり同情されるんは好きやないですから」

そう言ってあいこは、オカルト研の展示物を一人で見て廻る。

律「……なんか、強いよな」

澪「そうだな」

律「澪だったら『うわぁーん。助けてー、りつぅー』とか言ってそうだしな」

澪「言うわけない」

ポコッ

律「はうっ!」



38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/05(土) 16:25:02.72 ID:vGj/DqQ6O

「あの」

律「ん?」

そこにいたのは、オカルト研の人間だった。

おかっぱ「もしかして、呪いのアイテムをお持ちですね」

律「はぁ?」

眉毛「大丈夫です。私達には分かります」

澪「な、なんなんだ?」

あいこ「?」

おかっぱ「そこのカチューシャの人」

律「わ、私?」

おかっぱ「あなたの右ポケットの中から、呪いのアイテムの気配が」

律「えぇ!」

右ポケットを探った。

律「あっ!」

澪「ど、どうした!?」



39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/05(土) 16:26:01.05 ID:vGj/DqQ6O

律「これ……」

手に持っていたのは、お守りだった。

眉毛「間違いありません」

澪「そ、それだったら私も持ってるし、他の部員も持ってるけど」

おかっぱ「えっ?」

澪「えっ?」

眉毛「とにかく、そのお守りは呪われていますよ」

律「呪われてねーし! むしろ、りっちゃんの笑顔の魔法がかかってるんだぞ!」

あいこ(魔法やて?)

澪「律。その台詞は恥ずかしいぞ」

律「澪だって『魔女っ娘みおちゃん』とか言ってたじゃないか!」

澪「言うな!」



40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/05(土) 16:27:08.52 ID:vGj/DqQ6O

あいこ(なんや、よー分からん展開になってきた)

律「とにかく! これは、軽音部のみんなを不幸や災難から守るものなの!」

フンス、と鼻息を荒くしながら部室を出た。

澪「ま、待ってよー」

あいこ「あぁ、待って下さい!」



おかっぱ「適当に言っただけですが……」

眉毛「問題なしです」

おかっぱ「そうですね。これであの人もオカルトに興味を……」


律「ぎゃー!」


おかっぱ「今のは……」

眉毛「聞かなかったことにしましょう」



41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/05(土) 16:28:17.38 ID:vGj/DqQ6O

―――

あいこ(あちゃー)

澪「これは……」

目の前に律が倒れていてた。

姫子「えっと、大丈夫?」

律は起き上がった。

律「大丈夫だけど、なんだこれ!?」

いちご「トーテムポール。プラスチック製」

律「なんでこんな物が……」

姫子「なんでだろ。なんか、運ばなきゃって」

いちご「うん」

姫子「ごめんね」



42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/05(土) 16:29:46.55 ID:vGj/DqQ6O

律「あぁ、大丈夫だから気をつけ……」

風子「危ない!」

律「うわー!」

分厚い本が律を襲う。

澪「律!」

あいこ「大丈夫ですか!?」

風子「田井中さん、ごめんなさい!」

律「だ、大丈夫だから気をつ……」

エリ「あぁ、水が!」

バシャ、と律の身体がずぶ濡れになる。

アカネ「何やってんのさ!」

エリ「律、大丈夫!?」



43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/05(土) 16:31:18.88 ID:vGj/DqQ6O

風子(本に水が!?)

律「大丈夫……じゃ、ないかも」

澪「し、しっかりしろ!」

律「あぁ……グスッ」

澪(律が、律が泣いちゃう!)

律「なんで……私ばっかり」

澪「律、泣いちゃダメだ。わ、私も濡れたから」

律「な、泣くかよ……グスッ」

澪「律ぅー!」

あいこ(これは、まさか……)


おかっぱ「予想外の展開」

眉毛「私達もびっくり」



44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/05(土) 16:32:09.62 ID:vGj/DqQ6O

―――

その後、律はさわ子が用意した服に着替えた。

そして現在、楽器や機材を講堂に運び終え、舞台袖で休憩していた。

律「あー、最悪だぜー」

和「あら、どうしたの?」

律は和にこれまでのことを話した。

和「それは災難ね」

唯「でもさ、なんでりっちゃんだけ? お守りが原因なら私達も持ってるし、りっちゃんの魔法がかけられてて条件は同じだよ」

澪「だよな。まぁ、オカルト研のはったりだと思うよ」

梓「いえ、唯先輩は足の指をぶつけ、ムギ先輩は自分のティーカップの持ち手が取れましたよね? やっぱり、律先輩の笑顔の魔法とかいうのが原因……」

澪「梓!」

梓「ひっ!」



45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/05(土) 16:33:02.68 ID:vGj/DqQ6O

澪「律は気にしてるんだ。冗談でも、そんなこと言っちゃダメだ!」

唯「そうだよ、あずにゃん。あずにゃんがりっちゃんの立場で同じこと言われたら、あずにゃん嫌な想いするよね」

梓「はい……律先輩、生意気なこと言ってすいませんでした」

律「ははっ、気にするなよ。りっちゃんは、不幸にもめげないぜ!」

紬「うん、その意気よ!」

律「おー! だから梓、後で猫耳つけろよ! 部長命令だからな」

梓「なんでそうなるんですか!?」


唯「りっちゃん、元気出たみたいだね」

澪「そうだな」

澪(律、あんまり無理するなよ)



46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/05(土) 16:34:02.25 ID:vGj/DqQ6O

律「さて、とりあえずドラムを……」

紬「私に任せて!」

ドラムを荷台から下ろそうとした時、ドラムスティックが転げ落ちる。

律「あっ……」

ドラムスティックは壁の方まで転がって行った。

律「くそっ」

頭を掻きつつ、壁の方まで来た時だった。

梓「律先輩、危ない!」

律「あん?」

目の前の壁に立て掛けてあった木の板が、律の方へ倒れかけて来た。

律「やべっ!」

咄嗟にドラムスティックを拾い上げた。

その後、木の板が倒れた。



47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/05(土) 16:35:01.58 ID:vGj/DqQ6O

澪「律!」

和「大丈夫!?」

唯「りっちゃん!?」

梓「律先輩、死んじゃダメです!」

律「死ぬか! ちゃんと回避したわ!」

和「それで律、大丈夫なの!?」

澪「どこか怪我してないか!?」

律「あぁ、りっちゃんは無傷だよ」

唯「よ、良かったー」

紬「りっちゃん、あの……ごめんなさい!」

律「ムギ?」

紬「私がちゃんと下ろさなかったから、その……」



48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/05(土) 16:36:01.55 ID:vGj/DqQ6O

律「ムギのせいじゃないよ。スティックをちゃんと置いておかなかった私のせいだ。だから、ムギは何も気にすることないよ」

紬「りっちゃん……」

律「ほらほら、みんなも元気出して行こうぜ!」

澪「律の言う通り、みんな元気出そ」

唯「そうだね」

梓「はいです。私達に暗い顔は似合いませんから」

律「よーし、準備……の前にトイレ」

一同「あらら」

律「ちょっと、出すもん出して来るわ!」

拾い上げたドラムスティックをギターケースの近くに置いて、外に出て行った。



50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/05(土) 16:37:37.20 ID:vGj/DqQ6O

―――

一方、どれみ達は講堂の外にいた。

そこで、あいこは律のことを話した。

どれみ「それって、バッドアイテムなんじゃ!?」

はづき「多分、可能性は高いわね。でも、なんでオカルト研の人が?」

あいこ「そら分からん。はったりかも知らへんけど……それに、お守りは軽音部全員が持ってるみたいなんや。せやから、誰がバッドアイテム持ってるかは……」

はづき「こんな時、ピュアレーヌパソコンがあれば……」

どれみ「あるよ」

二人「えっ?」

どれみ「じゃじゃーん!」

それは一台のノートパソコンだった。

はづき「ピュアレーヌパソコン!」

どれみ「もしもの為に持って来て正解だったよ」

あいこ「ナイスや、どれみちゃん!」



51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/05(土) 16:40:03.24 ID:vGj/DqQ6O

どれみ「では、早速……オヤジーデ、出番だよ」

パソコンのディスプレイには、奇妙な物体が映し出されていた。

オヤジ「……ん、なんじゃー?」

どれみ「オヤジーデ、バッドカードの気配とかない?」

オヤジ「気配……にしても、お前らはどこにおるんじゃ?」

はづき「桜が丘高校よ。これからライブが……」

オヤジ「ライブ! おんぷちゃんのライブか!?」

あいこ「ちゃうちゃう、放課後ティータイムのライブや」

オヤジ「なんじゃ、期待して損したわい。用がないならワシは寝るぞぉ」



52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/05(土) 16:41:01.66 ID:vGj/DqQ6O

どれみ「用があるから呼んだんだよ!」

オヤジ「なら、さっさと用件を言え」

あいこ「さっきゆーたやんか! バッドカードの気配がないかって」

オヤジ「うーん……おお!」

はづき「どうしたの!?」

オヤジ「感じるぞぉ! 間違いなく、感じるぞぉ!」

どれみ「やっぱり」

あいこ「せやったら、律さんの所に行こか」

はづき「そうね」

オヤジ「この建物の中からじゃ」

はづき「確か機材や楽器を舞台袖の方に運ぶって……」

あいこ「よっしゃ、行くで!」



53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/05(土) 16:42:07.44 ID:vGj/DqQ6O

―――

どれみ達は外から講堂の舞台袖に向かった。

はづき「もうすぐよ」

どれみ「よし、それじゃあ……」

律「よぉー、みんな。どうしたんだ?」

三人「律さん!」

律「そんなに私を見て驚くことなのか?」

どれみ「あっ、いやー……」

律「ははーん。さては、私のサインが欲しいんだな!」

はづき「えっ、えっと……」

あいこ「そ、そうです! 桜高の天才ドラマーの律さんのサインが、めっちゃ欲しいんです! なっ!」

はづき「そ、そうなんです!」

どれみ「天才ドラマーの律さんのサインが貰えたら、友達に自慢しまくっちゃいますよ!」

律「私の名声は美空市にまで! さすがは私だな! わっはっはー」

あいこ(なんとか誤魔化せた)



54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/05(土) 16:43:01.46 ID:vGj/DqQ6O

澪「律……に、みんな」

律「澪、どったの?」

澪「いや、律のことが気になってな。それで、みんなはどうしたの?」

律「澪。彼女達は天才ドラマーである私のサインが欲しくて……」

澪「はいはい。勝手に言ってなさい」

律「ほんとなんだってばー。なぁ、みんな?」

しかし、そこにどれみ達の姿はなかった。

律「あれ、どこ行った?」

澪「もうすぐ午後の部だから、講堂の中に戻ったんじゃないか?」

律「まっ、後でサインやるか」



55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/05(土) 16:44:03.78 ID:vGj/DqQ6O

どれみ達は建物の陰に隠れていた。

はづき「とりあえず、ここから様子を見ましょ」

どれみ「そうだね」



澪「なぁ、律」

律「何?」

澪「オカルト研で言われたこと、まだ気にしてるのか?」

律「……気にしてない、って言えば嘘になるかな。でもさ、私は部長だから、みんなの前で弱気になれないだろ」

澪「私の前だといいのか?」

律「澪は幼なじみだからな」

澪「なんだよ、それ」

律「うぅー、なんでもいいの!」



56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/05(土) 16:45:13.27 ID:vGj/DqQ6O

澪「でも、弱気な律は見たくないかな。私は、元気な律を見てる方が好きだ」

律「そりゃ、私はいつでも元気だからな!」

澪「ふふっ、そうだな」

澪(いつも私は律の……笑顔の魔法を貰ってるからな)

おかっぱ「あのー」

澪「あっ、オカルト研の」

律「なんだ? まだ、何か用なのか?」

眉毛「いえ、先程の……」

律「お守りのことか?」

眉毛「はい。実は……」

おかっぱ「あれは単なる私達の芝居で、お守りが呪いのアイテムだというのは真っ赤な嘘です」

律「なんだとー!」

澪(やっぱり、はったりだったか)



57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/05(土) 16:48:03.39 ID:vGj/DqQ6O

眉毛「オカルトに興味を持っていただく為の、キャンペーンみたいなものです」

おかっぱ「もちろん。昨日も同じことをやりましたが、誰一人も引っ掛かりませんでした」

眉毛「あなたが引っ掛かった人の第一号です」

律「くっそぉー!」

澪「まあまあ、はったりで良かったじゃないか」

律「そういう問題じゃねぇ!」

おかっぱ「それでは私達はこれで」

眉毛「これからもオカルト研をよろしくお願いします」

律「うっせぇー!」



58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/05(土) 16:49:01.80 ID:vGj/DqQ6O

澪「問題が解決して良かったじゃないか」

律「なんか納得いかない!」



あいこ「なんや、はったりやったんか」

はづき「じゃあ、バッドカードはないのかしら?」

どれみ「どうなの、オヤジーデ?」

オヤジ「反応はあるぞー。じゃが、あのカチューシャの女の子からは何も感じんがな」

はづき「だとしたら、別の何かかしら?」

あいこ「それか、残りの三人か……」

どれみ「嘘はついてないよね?」

オヤジ「当たり前じゃ! ワシかて、早く元の姿に戻りたいわい!」

あいこ「あっ、二人が歩き出した」

はづき「それじゃあ、気づかれないように」

どれみ「うん」



60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/05(土) 16:50:02.03 ID:vGj/DqQ6O

―――

桜高の上空。

箒に乗った少女が、どれみ達のことを見下ろしていた。

(正直、わたしの出番はなさそうかもね)

(でも、彼女達のことだから何が起こるか……)

「……」

「何やってるのかしらね。わたしは……」



61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/05(土) 16:51:01.95 ID:vGj/DqQ6O

―――

律と澪は講堂に戻る途中だった。

和「律、澪! 大変よ!」

律「どうした、和」

和「唯と梓ちゃんのギターの弦が全部切れたわ!」

律・澪「なんだってー!」

和「とにかく急いで!」

律「おう!」



どれみ「何かあったのかな?」

はづき「まさか、バッドカード関係?」

あいこ「分からんけど、あたしらも行くで!」



62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/05(土) 16:52:04.65 ID:vGj/DqQ6O

―――

舞台袖に到着すると、唯と梓がギターを抱えて泣いており、紬が二人を慰めていた。

律「唯、梓!」

唯「りっぢゃーん!」

梓「りづぜんばーい!」

唯と梓が律に抱き着く。

澪「弦が切れたって聞いたけど」

紬「うん。ギターケースを開けたら、弦が全部切れてたみたいで」

律「切れてたことに気付かない……わけないよな」

唯「うん……グスッ、ちゃんと運ぶ前に……確認したもん」

梓「わ、私もです」



64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/05(土) 16:53:01.74 ID:vGj/DqQ6O

律「だったら、運んでる最中に……」

澪「エリザベス!」

律「澪?」

澪は自分のギターケースを手に取った。

澪(エリザベス)

ギターケースを開ける。しかし、中にあったのは弦が全て切れたベースだった。

澪「エリ……ザ……ベス」

律「澪、まさか!」

澪「律、エリザベスが……」

律「分かったから、何も言うな」

澪「律ぅー」

律「ムギは? キーボードは無事か?」

紬「うん。私のは大丈夫よ」



65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/05(土) 16:54:31.27 ID:vGj/DqQ6O

律「私のドラムは……」

念入りにドラムを調べる。

律「問題……なさそうだな」

紬「演奏、出来ないのかしら」

律「うーん」

律(中止にする……いや、ダメだ。梓の前だと言いにくいけど、私達にとっては最後のライブた)

律「ムギ。大至急、弦の調達とかは出来ないか?」

紬「えっと、午前中に携帯の電池が切れてて連絡が……」

律「なら、私の携帯を使え!」

紬「でも私、携帯からしか掛けないから番号を覚えてなくて……ごめんなさい!」

律「いや、謝らなくていいよ。ムギは何も悪くない」



66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/05(土) 16:56:05.87 ID:vGj/DqQ6O

律(ムギがダメとなると、完全に手詰まりだ)

律「あぁー、どうしたらいいか分かんない!」

梓「あの、もしかしたら部室に予備があるかもしれません」

律「ほんとか!?」

梓「確証はありませんが」

唯「それなら、部室に行こうよ!」

澪「そうだな! 何もしないよりかは……」

律「よっしゃ! 唯と澪とムギ、三人は部室に行って弦を探してくれ!」

唯「りょーかいです、りっちゃん隊長!」

澪「ま、任せろ!」

紬「よし来た!」



67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/05(土) 16:57:02.23 ID:vGj/DqQ6O

律「梓。私達は楽器屋に行くぞ!」

梓「は、はい!」

澪「律、お金はあるのか!?」

律「小遣い入ったばっかだから、問題なし! 行くぞ、梓!」

梓「やってやるです!」

和「ちょっと、あと三十分であなた達の出番よ! 戻って来れるの!?」

律「戻って来る! だから、信じて待ってろ!」

そう言って、一斉に外へと出て行った。

和「……」

和(ほんとに、騒がしい娘達だわ)

和「信じて待つ、か」



68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/05(土) 16:58:01.49 ID:vGj/DqQ6O

―――

どれみ達は外から中の様子を伺っていた。

あいこ「えらい大事やなぁ」

はづき「そうね。でも、バッドカードを探すなら今がチャンスよね」

どれみ「そうだね」

あいこ「オヤジーデ、バッドカードはどこや?」

オヤジ「んー……おお! あれじゃ、あれ!」

どれみ「どれ!?」

オヤジ「黒髪の女の子の楽器が入っとったケースの近くに置いてある、棒みたいなヤツじゃ!」

はづき「ギターケースの近く……」

あいこ「あっ!」

三人「律さんのドラムスティック!」

オヤジ「それじゃあ、間違いないぞ!」



69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/05(土) 16:59:02.33 ID:vGj/DqQ6O

あいこ「よー考えたら律さんはあたしと廻ってる時、スティックを肌身離さず持ってたわ」

はづき「ギターの弦が切れたのもスティックとの距離が近かったからかしら」

どれみ「ドラムとキーボードは、離れた位置にあったからか無事だったんだ」

あいこ「よっしゃ! 話しは早い。さっさとバッドカードの回収や!」

はづき「今なら、眼鏡の人もいないわ」

どれみ「任して!」

律のドラムスティックを回収するのは容易だった。

どれみ「楽勝!」

あいこ「ほんなら、講堂の屋上でマジカルステージやな」



70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/05(土) 17:00:01.77 ID:vGj/DqQ6O

―――

軽音部の部室では床一面散らかってる状態になりながらも、澪達は必死に弦を探していた。

澪「あったか?」

紬「ないわ」

唯「こっちも」

Prrrr♪

澪「……律からだ。はい」

律『澪……』

澪「律、こっちはダメだ。そっちは?」

律『それが……楽器屋が休みだった』

澪「……そうか」

律『……澪、どうしよう』

澪「とりあえず、梓と一緒に戻って来い。それから考えよう」

律『分かった』

澪「あぁ。車には気をつけろよ」



71 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/05(土) 17:01:01.36 ID:vGj/DqQ6O

唯「りっちゃん、なんて?」

澪「楽器屋が休みなんだって」

紬「そんな!」

澪「こればっかりは仕方ないよ」

唯「なんか……ごめんね……ヒック」

澪「唯、泣くな。弦が切れたのは私も同じだから」

唯「澪ぢゃーん」

澪「律達が帰って来たら、みんなで謝らないとな」

唯「……うん」

紬「わ、私達も一緒だから怖いものなしよ! それに、散らかした後片付けもやらないと」

澪「そうだな。私達は一人じゃないから、怖いものなしだな」

唯「うん!」



72 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/05(土) 17:02:01.59 ID:vGj/DqQ6O

―――

講堂の屋上、魔女見習服に着替えたどれみ達にある問題が発生した。

あいこ「アカン。魔法玉の数が足らへん」

はづき「マジカルステージでバッドカードは抜けそうだけど」

どれみ「弦は直せないね」

あいこ「あぁ、もう! バッドカード抜いて、弦も直して万事解決やったのに!」

はづき「でも、どっちかはやらなきゃいけないわ。バッドカードを抜くか、弦を直すか」

あいこ「せやったら、バッドカード抜いた方がええんちゃう? 弦は軽音部の人らが探しとるみたいやし」

はづき「だけど、弦が見つからない可能性だってあるわ」

あいこ「二つに一つ。両方はアカンのかいな」

はづき「そうね……」



73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/05(土) 17:03:02.06 ID:vGj/DqQ6O

―――

再び上空。

(困ってるわね)

(じゃあ、わたしの魔法で会場の人間の心を操りますか)

「……」

(だけど、あの三人なら何か答えを出してくれそうな気がするわ)

(もう少しだけ、様子見ね)

「ほんと、わたしは何を期待してるんだか」



74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/05(土) 17:04:01.52 ID:vGj/DqQ6O

―――

講堂

和(もう時間がないわよ。仮に時間を引き伸ばせても、限界があるわ)

和「……」

和(だけど、軽音部は何かを起こしてくれる、運みたいなのがあるのかもね)

和(それに、彼女達なら何事もなかったかのように演奏してそう)

和「さぁ、軽音部のみんな。奇跡を起こしてみて」



75 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/05(土) 17:05:11.33 ID:vGj/DqQ6O

―――

屋上では未だに結論が出ないままだった。

あいこ「どーすんねん。はよせな軽音部の人らが帰って来るで」

はづき「分かってるけど……」

どれみ「みんな。バッドカードを回収しよう」

はづき「どれみちゃん!」

どれみ「ごめんね、はづきちゃん。でも、あたしはバッドカードを回収すべきだと思うんだ」

はづき「何か理由があるの?」

どれみ「うん。仮に弦を直しても、演奏中にバッドカードが発動して演奏が台無しになったら……」

母親の厳しい指導に耐えつつもそれがプレッシャーになり、発表会でミスをしてピアノが嫌いになった過去があった。

どれみ「軽音部のみなさん、音楽が嫌いになっちゃうかもしれない。そんなの、絶対にダメだよ」



76 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/05(土) 17:06:12.91 ID:vGj/DqQ6O

あいこ「どれみちゃん……」

どれみ「弦がない可能性もあるから、あんまり答えに自信ない。なんか、ごめん。あたしが勝手に……」

はづき「ううん。よく考えたら、どっちが正しいかなんて分からないわ。それに、わたし達は女王様からバッドカードの回収をお願いされているんですもの」

あいこ「せやな。軽音部のみなさんはま魔女やないから、バッドカードを回収出来るのは、あたしらだけやしな」

どれみ「二人とも」

はづき「それじゃあ、やりましょうか」

あいこ「もうそんなに時間もあらへんからな」

どれみ「……よーし」



77 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/05(土) 17:08:03.77 ID:vGj/DqQ6O

三人はドラムスティックを囲むように立った。

どれみ「いくよ」


どれみ「ピーリカピリララ のびやかに」

はづき「パイパイポーンポイ しなやかに」

あいこ「パメルクラルク たからかに」


三人「マジカルステージ」

  「バッドカードよ、出て来ーい!」


目の前に置かれたドラムスティックから、一枚のカードが出て来る。

どれみ「よし、これで回収完了だね」

あいこ「せやな」

はづき「あとは、軽音部のみなさんが弦を持って帰って来ればいいんだけど……」

あいこ「おっ、来たみたいやで」



78 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/05(土) 17:09:02.30 ID:vGj/DqQ6O

―――

梓「結局、見つかりませんでしたね」

澪「仕方ないよ。単純に運が悪かっただけだ」

律「やっぱり、私の魔法は呪われてるのか?」

澪「私はむしろ、これから良いことが起こりそうな気がするけどな」

唯「ギー太が元通り、なら嬉しいけどね」

紬「でも、魔法なんかないから、なんとも……」

澪「魔法ならあるよ。なぁ、律」

律「……お、おう! りっちゃんの魔法は、効果抜群なんだぜ! だから、戻ったらみんなハッピーに!」

澪「そうなったらいいな」



79 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/05(土) 17:10:02.11 ID:vGj/DqQ6O

―――

あいこ「ちょっ、ほんまに弦見つからへんかったみたいやで!」

どれみ「うわー、予想外だー!」

はづき「わたしは予想してたけど」

どれみ「やっぱり、はづきちゃんを信用すべきだったー」

はづき「で、でも。どれみちゃんは間違ってないわ……多分」

どれみ「多分って、何!?」

あいこ「どないしよー!」

「仕方ないわね」

三人「えっ?」

紫色の見習い服を着た少女が、どれみ達の前に降り立った。

三人「おんぷちゃん!」

おんぷ「どうもー」



80 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/05(土) 17:11:01.91 ID:vGj/DqQ6O

どれみ「なんで、おんぷちゃんが?」

おんぷ「ずっと空から見てたのよ」

あいこ「それやったら、助けてくれてもええのに」

おんぷ「わたしは、あなた達と協力し合う仲でもないと思うんだけど」

あいこ「きっついなー」

おんぷ「でも、今だけは助けるわ」

はづき「今だけ?」

おんぷはクルールポロンを取り出す。

おんぷ「プールルンプルン ファーミファーミファー」

   「切れた弦よ、元に戻れ!」




81 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/05(土) 17:12:20.87 ID:vGj/DqQ6O

―――

律「とりあえず、みんなに謝るか」

澪「そうだな」

紬「私、大勢の前で謝るのが夢だったの」

律「嘘だろ」

澪「ムギなりの気の利かせ方じゃないのか」

律「そうかもな」

唯「あー!」

律「どうした、唯?」

唯「見て!」

満面の笑みを浮かべ、ギー太を見せる。

梓「弦が直ってます!」

紬「ほんとだわ!」



83 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/05(土) 17:14:03.36 ID:vGj/DqQ6O

澪「もしかして、エリザベスも!」

梓「むったん!」

澪と梓も弦を確かめる。

澪「な、直ってる。直ってるよ!」

梓「むったんもです!」

唯「奇跡だよ!」

律「ちょ、ちょーっと待て! えっと、切れた弦が元通りになった……誰かが張替えたのか?」

澪「だとしたら、チューニングが……」

試しに唯が弾いてみる。

唯「……おんなじだ! 切れる前と変わってない!」

そして澪と梓も試しに弾いてみる。

梓「そうです。これが、むったんです!」

澪「私のもこれで合ってる!」

紬「てことは、腕の良い人が張替えたの?」

律「分からん」



84 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/05(土) 18:00:22.04 ID:vGj/DqQ6O

和「そろそろ出番だけどいけるの!?」

唯「和ちゃん! 和ちゃんが弦を張替えてくれたんだね!?」

和「えっ、私は何もしてないけど」

唯「あれ?」

律「和じゃないとすると、さわちゃんか?」

和「さわ子先生なら、観客席にいるわよ」

律「さわちゃんじゃないとすると、幽霊が張替えたのか?」

澪「ひぃっ!」

梓「そんな馬鹿な。幽霊なわけありませんよ」

紬「でも、気になるわね」



85 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/05(土) 18:03:20.29 ID:vGj/DqQ6O

律「うーん」

和「そんなことはどうでもいいから、いけるの? いけないの? それだけ教えなさい」

律「おっと、そりゃもちろん」

一同「問題ありませーん」

和「それなら、さっさと準備しなさい! 五分後には開演よ」

一同「はーい」

律「ムギ、ドラム頼む!」

紬「よし来たぁー!」

律「みんなもそれぞれ準備してくれ!」

唯「合点だよ、りっちゃん!」

梓「やってやるです!」

澪「最高のライブにするぞ」

律「その意気だ!」



86 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/05(土) 18:06:29.56 ID:vGj/DqQ6O

―――

おんぷ「あーあ、魔法玉がなくなっちゃったわ。また、新しく補充しないと……」

どれみ「ありがとう、おんぷちゃん」

おんぷ「別に、あなた達の為にやったわけじゃないから」

あいこ「そんなん照れんでもええやん」

おんぷ「わたしは魔法を使って、人を不幸にさせるようなことはしないわ。むしろ幸せにしてる。ただ、やり方があなた達と違うだけだから」

はづき「そうね」

おんぷ「それと、どれみちゃん」

どれみ「はい」

おんぷ「どれみちゃんがバッドカードを回収したのは、はっきり言って正解よ。これ以上、不幸を蔓延させない為にね」

どれみ「やっぱし!」

おんぷ「だけど、不正解でもあるわ」

あいこ「どっちやねん」



87 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/05(土) 18:09:56.40 ID:vGj/DqQ6O

おんぷ「仮にバッドカードを回収し、弦が直らなかったら……あなた達はどうしてたの?」

どれみ「それは……」

おんぷ「軽音部の人達は、弦の切れたギターやベースで演奏するのかしら?」

あいこ「あっ」

おんぷ「そして演奏出来ずに、みんなの前で謝るのかしら?」

はづき「……」

おんぷ「正直ね。『裏切られた側』よりも『裏切ってしまった側』の方が一番傷つくわ」

どれみ「裏切ってしまった側?」

おんぷ「軽音部のみなさんは、好きで裏切ろうとしたわけじゃないでしょ。だから、別に裏切ったわけじゃない。裏切られた側は、どう見るか知らないけど」

はづき「そうね」



88 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/05(土) 18:15:20.49 ID:vGj/DqQ6O

おんぷ「だから、今回はどっちを取っても正解にはならないわ。まっ、どっちも取らずに不正解になるよりかはマシだけど」

あいこ「あたしの頭では理解不能や」

おんぷ「早い話しが、答案に三角がつくようなものよ」

あいこ「なるほど」

おんぷ「完全な正解は、マジカルステージを使用して、あとは一人ずつ弦を直す魔法をかければ良かったのよ」

どれみ「魔法玉があれば、そうしてたけど」

おんぷ「まっ、わたしはちゃんと正解が貰えるようにするけどね」

あいこ「それやったら、協力せぇへんか?」

どれみ「そうだよ。答えを見つけるなら、人は多い方が……」

おんぷ「だから、あなた達とは違うやり方でやってる以上、協力は無理なの」



89 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/05(土) 18:17:26.77 ID:vGj/DqQ6O

どれみ「そこをなんとか」

はづき「禁断の魔法に触れてるから、いつかしっぺ返しが来るわ」

おんぷ「そっ、忠告ありがとう。じゃあわたしは帰るわ。あとは楽しんで帰って来てね」

箒に跨がり飛び立とうとする。

おんぷ「……そうだ、それと」

どれみ「何?」

おんぷ「自分の大切にしてる物が壊れたら、やっぱり嫌じゃない。わたしもフルート持ってるから分かるし、みんなもなんとなく分かるんじゃない?」

あいこ「それがなんやの?」

おんぷ「わたしもどれみちゃんと同じで、音楽が嫌いになって欲しくないってこと」

そのまま空へ飛び立って行った。



90 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/05(土) 18:18:55.73 ID:vGj/DqQ6O

どれみ「考えは、あたしと同じだったんだ」

あいこ「最初っから、そうゆーたらええのに」

はづき「素直じゃないからかしら?」

あいこ「それも、おんぷちゃんのええ所なんかも知れへんけどな」

どれみ「まっ、でも。これで解決だね」

はづき「そうね」

あいこ「よっしゃ、次は放課後ティータイムのライブや! 楽しむで!」

二人「おー!」



91 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/05(土) 18:22:21.56 ID:vGj/DqQ6O

―――

講堂は既に満員だった。

どれみ「どこか空いてる席は……」

純「あれ、どれみちゃん?」

どれみ「あっ、鈴木さん」

純「純でいいよ。それで、どうしたの?」

どれみ「空いてる席がなくて……」

純「だったら、私の所においでよ」

どれみ「だってさ」

純「そっちは、お友達?」

どれみ「そうですよ」

はづき「あの、藤原はづきです」

あいこ「妹尾あいこです」

純「私はジャズ研のエース、鈴木純なのだ!」

どれみ「そうでしたっけ?」



92 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/05(土) 18:23:58.20 ID:vGj/DqQ6O

純「ちょっと言ってみたかっただけ。それじゃあ、案内するよ」

純に案内されたのは、講堂の真ん中辺りだった。

憂「純ちゃん……どれみちゃんも一緒なんだ」

純「どれみちゃんの友達、はづきちゃんとあいこちゃんもいるよ」

はづき「こんにちは」

あいこ「どうもです」

憂「えっと、私は平沢憂だよ」

あいこ「ってことは、唯さんの妹さん?」

憂「お姉ちゃんのこと知ってるんだ」

はづき「はい。それと、軽音部のみなさんも」

純「なんだ、既に面識済みか」

憂「あっ、お姉ちゃんだ!」

舞台上に軽音部のメンバーが出て来る。

あいこ「ギターやベースは大丈夫そやね」

どれみ「そうだね」



93 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/05(土) 18:27:24.48 ID:vGj/DqQ6O

―――

律(いよいよだな)

澪(緊張するなー。だけど、もう何も起こらないだろう)

唯『えー、みなさん。放課後ティータイムです』

観客席から歓声が起こる。

律(なんだかんだでバタバタしたけど、ライブが出来そうだ。私達には、こういうのが一番合ってるのかもな)

澪「律」

律「どうした……ん?」

他のメンバーは、律から貰ったお守りを掲げていた。

唯『えー、私達が持っているこのお守りは、我が部長りっちゃんの笑顔の魔法がかけられている、ありがたーいお守りです!』

律(み、みんなの前で言うな!)



94 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/05(土) 19:01:11.89 ID:vGj/DqQ6O

澪(律の奴、恥ずかしがってるな)

律(さては唯め、私に恨みが……)

唯『それでは一曲目……』

律(よっしゃ、こっからが本番だ。集中しよ)

うん、と頷いた後でチラッと澪を見たら視線があった。

澪は何も言わず、笑顔で返した。

律(なんだ?)

唯『……どうぞ!』

律(まっ、いっか)

律『ワン、ツー、スリー!!』


放課後ティータイムのライブが開演した。



95 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/05(土) 19:06:03.06 ID:vGj/DqQ6O

―――

ライブは特に大きなハプニングもなく、大盛況の内に幕を閉じた。

休憩を終えた軽音部は、どれみ達を見送る為に正門に来ていた。

律「そうだ。三人にこれをあげよう」

どれみ「これは?」

はづき「色紙みたいだけど……」

あいこ「何かのサインかいな?」

律「おいおい、それは桜高の天才ドラマーである私のサインだぞ!」

あいこ(覚えとったんや)

はづき(真実は話さないほうがいいかもね)

どれみ「あ、ありがとうございます」

律「それを家族や友達に、バンバンと自慢してくれ。わっはっはー」

梓(天才ドラマー?)



96 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/05(土) 19:10:06.47 ID:vGj/DqQ6O

はづき「あ、あはは……」

唯「どれみちゃん。どうだった、私達のライブ」

どれみ「とっても良かったです! いやー、音楽って楽しいですね」

唯「でしょー! だけど、やってる方はもっと楽しいんだよ! だから、どれみちゃんもピアノ、好きになってね」

どれみ「そうですね……時間は掛かるかもしれませけど、また好きになりたいです!」

唯「うん!」

紬「はづきちゃん。今度、みんなに百合の本を送るわ。だから、一緒に見てみんなで勉強して……」

梓「ムギ先輩! さすがにそれはダメです!」

紬「ど、どうしてよ!」

澪「どう考えても、教育上よろしくないだろ!」



97 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/05(土) 19:15:23.76 ID:vGj/DqQ6O

紬「大丈夫! 軽いものにするから!」

梓「重いも軽いも同じです! やめて下さい!」

紬「うぅー!」

はづき(ほんと、百合ってなんなのかしら?)

律「またサインが欲しくなったら、いつでも言ってくれ! 私が美空市まで、直接書きに行ってやるから」

あいこ「そ、それは嬉しい……」

律「有名になるって、気分さいこーだぜ!」

あいこ(やっぱ真実は伏せとこ。適当に言いました、なんてゆーて傷つけるのもアレやしな)

律「わっはっはー」

あいこ(これからは言葉選ばなアカンな)



98 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/05(土) 19:20:12.89 ID:vGj/DqQ6O

―――

どれみ達を見送った後、律と澪は屋上にいた。

律「なーんか、今年もバタバタした文化祭になったな」

澪「そうだな」

律「お守りに魔法かけても無意味だったな」

澪「そうでもないよ。律の魔法、ちゃんと効いてたからな」

律「そうか?」

澪(律の魔法ってのは律の笑顔だから、律自身は気付かなくて当たり前なんだ。だけど、私は律の笑顔が見れれば満足だ)

律「それじゃあ、切れた弦が戻ったのも私の魔法かな?」

澪「それは分からないな」



99 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/05(土) 19:24:29.53 ID:vGj/DqQ6O

律「それか、弦が切れたのは澪達の見間違いとか?」

澪「まだボケちゃいないよ」

律「なんか不気味だなー、やっぱり幽霊なんじゃないか?」

澪「怖いことを言うな!」

ゴツン!

律「イテェー!」

澪「まったく!」

唯「おーい。りっちゃん、澪ちゃん!」

澪「唯。梓とムギも、どうしたんだ?」

唯「大変だよ! さわちゃんが怒ってるよ!」

澪「さわ子先生が? なんで?」

紬「ほら、弦を探した時に部室を散らかしたじゃない。ライブの後、私達がいると思って部室に入ったら、物に躓いて転んじゃったみたいなの」



101 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/05(土) 19:33:35.35 ID:vGj/DqQ6O

梓「まさに鬼の形相でしたよ!」

律「あはは、なんか想像がつく」

澪「律、笑い事じゃないぞ!」

律「大丈夫だって! 私達には……」

ポケットからお守りを出す。

律「これがあるからな!」

梓「もう不幸は嫌ですよ」

律「心配すんな。これがあれば、怖いものはない!」

梓「はぁー」

澪「……そうだな」

梓「澪先輩?」



102 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/05(土) 19:35:51.98 ID:vGj/DqQ6O

澪「それがあれば、怒られることも怖くはないな」

律「やっぱり澪は分かってるぜー」

梓「澪先輩、律先輩を持ち上げ過ぎです」

澪「そうか? まぁ、落とす時は一気に谷底まで落とすけどな」

律「あれま」

唯「あははは」

紬「りっちゃん残念ね」

律「うるさーい!」

澪「ふふっ。それじゃあ、さわ子先生に怒られに行くか」

梓「そうですね。みなさんがいれば、怖くないです」

律「よーしみんな、私に付いて来ーい!」

一同「了解、りっちゃん隊長!」


律「笑顔の魔法があれば、怖いことなんてへっちゃらだ!」


おしまい!



103 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/05(土) 19:39:50.01 ID:vGj/DqQ6O

初めてSS書いて、途中でダレて来たので出来はあんまりですが……だけど、さるくらってた間に夕飯も済ませたので、逆に良かったです。

おジャ魔女どれみは今から12年前の2月に始まったアニメです。現在のプリキュアが放送されている時間帯に放送されていました。

また、おジャ魔女どれみ第一期のOP「おジャ魔女カーニバル!!」とED「きっと明日は」を作詞された大森祥子さんは、

けいおん!シリーズのOP・ED・キャラソン(『レッツゴー』・Come with Me!!は除く)・アルバムⅡの放課後ティータイムの作詞をされています。


ちなみに大森さんは、おジャ魔女と同時期に放送されていたデジモンシリーズの進化の時に流れる挿入歌「brave heart」・「EVO」・「With The Will」も作詞されています。


それではみなさん、ありがとうございました。



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どれみ「不幸に負けない」律「笑顔の魔法!」
[ 2011/02/05 22:31 ] クロス | おジャ魔女どれみ | CM(3)

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タイトル:
NO:818 [ 2011/02/05 23:38 ] [ 編集 ]

プリキュアとけいおんのクロスSSは幾らかあるが
おジャ魔女とのクロスは初めて見たかも。
懐かしいですが、ももこちゃんが出てこなかったのは残念。

タイトル:
NO:1131 [ 2011/02/26 21:36 ] [ 編集 ]

どれみとのクロスっていうのは素晴らしいけど内容が残念

会話が寒いよ(・ω・`)

タイトル:く
NO:3230 [ 2011/07/04 17:15 ] [ 編集 ]

どれみの時系列おかしくないか?
深く考え過ぎたら負けか

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