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和「桜高軽音部専属ボーカル 真鍋和です」#後編 【非日常系】


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和「桜高軽音部専属ボーカル 真鍋和です」#前編
和「桜高軽音部専属ボーカル 真鍋和です」#後編
和「桜高軽音部専属ボーカル 真鍋和です~桜高祭 本番まであと三日 編~」#前編
和「桜高軽音部専属ボーカル 真鍋和です~桜高祭 本番まであと三日 編~」#後編
和「桜高軽音部専属ボーカル 真鍋和です~完結編~」#前編
和「桜高軽音部専属ボーカル 真鍋和です~完結編~」#後編





49 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/02/03(木) 22:50:07.06 ID:VqJUrEcl0

ある日の軽音部!!


がらっ

和 「こんにちわ。あれ、澪ひとり?」

澪 「やぁ和。うん、まだ誰も来ていないよ。平沢さんは?」

和 「日直なの。日誌かいて来るから、少し遅れるわ」

澪 「そっか」

和 「・・・・・・あの、澪」

澪 「なに?」

和 「練習、しないの? 私よく分からないんだけど、
   あの・・・セッションとかいうの?合わせて演奏するやつ」

澪 「そうだよね。
   いつもお茶を飲んで時間過ぎちゃって、気がついたら下校時間になってるんだよな。

澪 「・・・私もこのままではまずいと思ってるんだけど」





50 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/02/03(木) 22:51:11.58 ID:VqJUrEcl0

澪 「和は家で自主練とかしてる?」

和 「一応。ボイストレーニングの本を買って声出しをしているわ」

澪 「そうか・・・ 初心者の和もがんばってるってのに。
   軽音部のこの体たらく。このままじゃ部全体がダメになる」

和 「澪?」

澪 「なぁ和。ちょっと相談があるんだけど」

和 「??」


そして30分後!


律 「よーし!全員そろったな!それじゃ~~、ムギ!!」

紬 「はーい、今日のおやつはモンブランよー♪」

律 「やったー!でっかい栗!でっかい栗!
   あ、これ私のー♪じゃあ、さっそくいただきm
澪 「ちょっと待ったー!!」

律 「な、なんだよ。嬉しいおやつ時に水をさすように大声で」

澪 「お茶の前に、みんなに言っておくことがあります!」

唯 「???」

澪 「和」

和 「うん。せーの・・・」

澪・和 「合宿をします!!!」



51 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/02/03(木) 22:53:29.32 ID:VqJUrEcl0

紬 「合宿?」

和 「そう、もうすぐ夏休みだし」

律 「もしかして海? それとも山とか!?」

澪 「遊びに行くんじゃありません!!
   バンドの強化合宿。朝から晩までみっちり練習するの!!」

律 「着ていく服や水着、買いに行かなきゃ!」

澪 「聞けーーーーっ!」

唯 「がっしゅく・・・・」(わくっ)

和 「夏休みが終わったら、すぐに学祭があるでしょ」

律 「学園祭・・・・?」



52 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/02/03(木) 22:55:16.21 ID:VqJUrEcl0

澪 「そう。桜高祭での軽音部のライブといえば、
   昔はけっこう有名だったんだぞ!」

澪 「それなのに。いくら慌てずやっていこうっていったって、
   もう三ヶ月にもなるのに一度も合わせたことが無いなんて」

和 「そろそろ本格的に練習を開始しないといけない時期だと思うわ。
   このままライブをやっても大恥をかくのがオチよ」

紬 「そうね。行きましょう!私、みんなでお泊りするの夢だったの!」

律 「おーし!決まりだな!唯も行けるだろー、合宿!」

唯 「・・・う、うん」

律 「よーし、よしよし!楽しみだな、唯!」

唯 「うん・・・///」

和 「・・・・・」

律 「あ、でも待てよ・・・ なぁ、澪」

澪 「なんだ?」

律 「かかる費用とかどう捻出するんだ?部費だけじゃ結構きつくね?」

澪 「あ・・・それは・・・ あ、あのムギ?」

紬 「はい?」

澪 「別荘とか・・・」

紬 「ありますよ♪」

律・澪・和 「あるんかい!!」



53 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/02/03(木) 22:58:01.60 ID:VqJUrEcl0

和 「唯、帰ろう?帰りに合宿に持っていくいろいろな物、買って行きましょ」

唯 「・・・あ、うん」

和 「楽しみね、合宿」

唯 「・・・・・うんっ」

和 「澪はみっちり練習って言ってたけど、
   練習は練習でがんばって、遊びも目いっぱい楽しみましょうね」

和 「ムギの別荘は海だっていうし、
   夏にしかできない事をたくさんするの。きっと良い想い出になるわ」


唯の心の中に汚泥のように凝り固まり蓄積されている、

忌まわしい悪しき想い出。

それを楽しい、すばらしい想い出で上書きしてやるんだ。

澪は純粋に練習目的で合宿を持ち出したんだろうけれど、

私がその提案に乗った理由は別にある。

それは未だ学校との往復以外は家に篭りがちな唯を、

夏の太陽の下に引っ張り出すため。

やはり人間、内に篭りっぱなしでは心の中も内に内にと萎縮してしまう。

唯は軽音部の皆とのふれあいで笑顔を取り戻しつつある。

そんな皆と家や学校を離れ、外への一歩を踏み出すのだ。

きっと唯は、もっともっと笑顔を見せてくれるようになるだろう。

夏の太陽にも負けない、あのまぶしいくらいの無垢な笑顔を・・・・


和 「澪のことを利用したようでちょっと気がひけるけど・・・
   許してくれるわよね・・・」

唯 「和ちゃん、何か言った?」

和 「あ、ううん。さ、まずは何から買いに行こうか。
   水着?おやつ?どれからでもバッチコイよ!」

唯 「くすっ。変な和ちゃん・・・」



54 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/02/03(木) 23:00:41.31 ID:VqJUrEcl0


・・・
・・・・
・・・・・

唯 「和ちゃん!和ちゃん助けて・・・・っ!」

和 「・・・・唯!」

唯 「っ! やだ、服引っ張らないで!助けてよ、和ちゃん!和ちゃん!!」

和 「ああ、わ、私・・・・ ゆ、唯・・・!」

唯 「きゃあ!やあ!やだ!和ちゃん!和ちゃん!」

和 「・・・・っ」

唯 「の ど か ちゃ - ん !!!!」

・・・・・
・・・・
・・・



和 「唯!!!!」がばっ

和 「はぁはぁ・・・・」

和 「また、あの頃の夢・・・ もうヤダ。もうヤダよ・・・・」

和 「唯・・・ なぜ私を責めないの・・・」



55 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/02/03(木) 23:01:22.70 ID:VqJUrEcl0

最悪の寝覚めで重い体を鞭打ち、

私は強引にベッドから跳ね起きた。

いつまでもこうしていられない。

手早くパジャマを脱ぎ、ベッド脇に用意しておいた服に着替える。

顔を洗って髪を整えたら、きっと気分も切り替わるだろう。

今日は合宿の第一日目。

言いだしっぺの一人である私が、待ち合わせに遅れるわけにはいかない。

行こう、唯が待ってる。



56 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/02/03(木) 23:02:15.50 ID:VqJUrEcl0

平沢家!唯の部屋!!


ちゅんちゅん・・・

唯 「・・・・・」(むくっ)

憂 「お姉ちゃん、朝だよ。そろそろ起き・・・ あ、もう起きてたんだ」

唯 「うん。おはよ、憂」

憂 「おはよう、お姉ちゃん。いよいよ今日から合宿だね」

唯 「うん。 ・・・・楽しみで早く目が覚めちゃった」

憂 (お姉ちゃんがこんなに外のことに心を開くなんて。
   もしかしてお姉ちゃん、もう元に戻りかけて・・・?)

憂 「ね、なんでそんなに楽しみなの?」

唯 「え・・・?だって、
   別荘に泊まるの初めてなんだよ。海に泊りがけで行くのも初めてだし」

唯 「それに和ちゃんも皆も一緒だし、あと、りっ・・・・」

憂 「りっ?」



57 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/02/03(木) 23:04:02.35 ID:VqJUrEcl0

唯 「あ、ううん。なんでもない/// ・・・でも、何でそんなことを聞くの?」

憂 「・・・・・ううん、何となくだよ。じゃあ、目いっぱい楽しんでこなきゃだね!」

唯 「くすくす・・・・ 変な憂・・・」

憂 「えへへ・・・」

憂 (軽音部に入って徐々に明るさを取り戻してきてるお姉ちゃん。
   本当に良いところなんだね、お姉ちゃんの高校の軽音部って)

憂 (本当は泊りがけで出かけるなんてまだまだ不安なんだけど、
   でもこんなに上手くいってるんだもん)

憂 (信じてるからね、和ちゃん。今度こそ本当に)

憂 「さ、朝ごはんできてるよ。早く食べないと、待ち合わせに遅れちゃうよ!」

唯 「・・・・! すぐに着替えて降りるからね・・・!」



58 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/02/03(木) 23:10:00.64 ID:VqJUrEcl0

律 「青い空!」

紬 「白い雲!」

澪 「照りつける太陽!」

和 「心地よい潮風!」

唯 「着いたぁ・・・!」


到着!ムギの別荘!!


律 「でっけーっ!なんだこの別荘!自宅か!?」

紬 「本当はもっと広い所に泊まりたかったんだけど・・・
   いちばん小さい所しか借りられなかったの」

律 「いちばん小さい・・・・? コレで?」

和 「世の中って広いわ。
   まだまだ私の知らない世界が、こんなにも身近にあるものなのね」

澪 「ま、まぁ・・・圧倒されそうだが、
   まずは荷物を置かせてもらって、一息ついたら練習を始めるぞ!」

律 「えー、まずは遊びでしょー。
   せっかく海にきたんだから、泳いでぇスイカ割ってぇ砂でお城作ってぇ~」

澪 「何しに来たんだよ!
   言ったろ、みっちり練習するって!遊ぶなら練習の後だからな!」

和 「それに遊び疲れちゃったら、練習での集中力が続かないでしょ?
   先にやることをやって、後からノンビリ遊べばいいのよ」

律 「相変わらず硬いなぁ、お二人さん。んー、唯は? 唯はどうしたい?」



59 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/02/03(木) 23:16:25.43 ID:VqJUrEcl0

唯 「わ、私は・・・」(ちらっ)

和 「・・・・・・」

唯 「え・・・ぅ・・・ あ、あそ・・・・」

律 「・・・・・・」

唯 「・・・・・あぐ」

紬 「はいはいはーい! 私は遊びたいです!」

澪 「ムギまでっ!!」

律 「おーっっし、多数決!あっそびたい人、手ぇあげてー♪」

紬 「はいっ!」

澪 「む、負けるかぁ!練習に賛成な人、挙手だ!」

和 「はい!」

律 「むむっ!」

澪 「むむむっ!!」

紬 「両者同数!一進一退の膠着状態ね!息詰まる攻防戦!はぁはぁ・・・」

律 「・・・と、いうことは、だ」

和・律・澪・紬 じーーーーーー・・・・

唯 「え!? え・・・あ、あぐっ・・・ 」



60 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/02/03(木) 23:20:22.67 ID:VqJUrEcl0

和 「唯はどうしたいの?」

唯 「わたし・・・は・・・」

和 「いいのよ、唯。言っていいの。
   自分の考えで、自分のしたいことを言ってもいいんだよ?」

唯 「わたし・・・・」


唯 「私は、遊びたい・・・」


和 「・・・・」

律 「いよっしゃー! これで決まりー。
   公平な多数決の結果だからな、澪も文句ないよな?」

澪 「わかったよ。でも、帰ってきたら本当に練習だからな」

律 「分かってるよ。ムギ、行こうぜ! ほら、唯も」

唯 「う・・・うん///」



61 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/02/03(木) 23:22:33.76 ID:VqJUrEcl0

澪 「みんな行っちゃったな。
   ま、仕方がないか。あきらめて流れに従うとしますか。ね、和」

澪 「・・・和?」

和 「え、あ・・・ ゴメン、澪。ちょっと感極まっちゃって」

澪 「どうしたんだ?」

和 「唯がね。あの引っ込み思案になっていた唯が、
   ちゃんと自分の意思を言葉に出してくれた・・・・」

和 「それがね、私にはとても嬉しくって」

澪 「そうなのか・・・ だけど、だったら和」

和 「え?」

澪 「・・・・なんだってそんな、辛そうな顔をしてるんだ?」

和 「・・・・・!」



62 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/02/03(木) 23:25:34.25 ID:VqJUrEcl0

律 「ほらほらー、唯ー! わかめお化けだぞー!」

唯 「きゃーっ」

律 「うははは!お前もわかめ人形にしてやろうか!」

唯 「やだーっ」

紬 「あらあら。平沢さんとりっちゃん、すっかり仲良しね」

律 「はぁはぁ・・・けっこう唯、逃げ足速いのな。
   疲れたぁ・・・ さて、次は何して遊ぶー?」

澪 「スイカ持ってきたけど・・・・ 割る?」

律 「おー!割る割る!かち割ってやる!」

紬 「割ってやるー!」

唯 「あははっ」

和 「・・・・・・」



63 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/02/03(木) 23:28:44.04 ID:VqJUrEcl0

そして楽しい時間はあっという間に過ぎ、時は夕暮れ・・・


律 「いや~。遊んだ遊んだ!余は満足じゃ・・・・」

澪 「まだまだ。せっかく海に来たんだから、
   思う存分遊ばないと!ここまで来た意味が・・・」

澪 「て、ああーーー!練習!」

律 「・・・忘れてたのかよ」

澪 「ま、まったく・・・ 律が遊ぼうなんていうからだゾー・・・」

律 「いちばん楽しそうに遊んでたのは誰だ」

澪 「ツーン」

和 「み、澪・・・」

紬 「まぁまぁまぁまぁまぁまぁ。さぁさ、戻って練習にしましょ」

唯 「・・・六回」

澪 「ほらほら、遊びモードはここまで!
   気分切り替えて練習するからな!さ、早く戻るぞ!」

律 「へいへい。ま、約束だしなー。よっし、唯!戻ろうぜー!」

唯 「う、うん。和ちゃん、行こう?」

和 「ええ」

和 「・・・唯、楽しかった?」

唯 「うんっ・・・!」(にこーー)

和 「そっか。良かったね」

唯 「えへ・・・」



64 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/02/03(木) 23:30:32.33 ID:VqJUrEcl0

じゃじゃっじゃじゃっじゃーーーん♪

律 「・・・・・・」

澪 「・・・・・・」

紬 「・・・・・・」

和 「・・・・・唯」

唯 「え?」

和 「唯、いつの間にこんなに上達してたの!?」

唯 「そ、そうかな?
   い、家に帰った後はとくに何もすることなかったし・・・」

唯 「ギターばっかりいじってたから、だからかなぁ・・・」

和 「それにしたって・・・」



65 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/02/03(木) 23:32:18.22 ID:VqJUrEcl0

思えば唯には、小さい頃からこのようなことが度々あった。

いろんなことに興味を示し意識が散漫になりがちな唯は、

一つの事に集中するのが非常に苦手な子だった。

しかしいったんツボにはまって「やる気」の矛先が一ところに向かった時。

今回のような急成長を成し遂げて、周りを驚かせるのだ。

つまりそれは・・・・


澪 「いや、すごいな平沢さん。正直驚いたよ」


唯が自ら前向きに音楽に取り組もうとしていることの現われであり・・・


紬 「本当ね。私たちも平沢さんに負けないように頑張らないといけないわね」


唯という無色の空気に、人の目を惹く色彩が添えられたことでもあり・・・


律 「唯、頑張ったな」

唯 「・・・・うん!///」


私の元から唯が巣立って行く日が近いことの、何よりの証だった。



66 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/02/03(木) 23:35:52.43 ID:VqJUrEcl0

律 「なぁ、唯ー」

唯 「なぁに?」

律 「唯さ、コーラス。やってみね?」

唯 「え・・・・」

澪 「お、おい律・・・」

律 「前から考えてたんだよ。メインの和に唯のコーラス。
   幼馴染だし、息もぴったり合うだろ?」

律 「唯はギター初心者だし、そこまでやらせるのは酷かなーって思って黙ってたんだけど。
   けど、これだけ上達してるなら、歌いながらだって大丈夫そうじゃん?」

紬 「それはそうかもしれないけど、だけど・・・」

律 「別に無理強いさせようってわけじゃないよ。
   たださ。なぁ、唯。
   一度でかい声でわーってやっちゃえば、けっこう色々と吹っ切れちゃうもんだぞ」

和 「・・・・・!」



67 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/02/03(木) 23:37:08.82 ID:VqJUrEcl0

唯 「田井中さん・・・」

律 「ライブでさ。みんなの前で大口あけてデッカイ声だして。
   クラスの奴等とかビックリするぞ。
   どんな顔するか、ちょっと見てみたくないか?」

唯 「え・・・あの・・・・でも・・・・」

澪 「おい、律!」

唯 「ご、ごめんね。少し考えておく、ね・・・ あの、ちょっとトイレに・・・」

とことこ・・・ばたん。

澪 「はぁ・・・ なぁおい、律」

澪 「今の、ちょっと強引じゃないか?平沢さん、困ってたじゃないか」

律 「はぁ? 何いってるんだ、澪。
   唯のやつ、歌いたそうな顔をしてただろ?」

和 「・・・・律」

澪 「そ、そんなわけ・・・」

律 「・・・はぁ。あのなぁ、澪。あとムギもだ。
   そろそろ言っておこうと思ってたんだけどな」

律 「お前らいつまで唯を腫れ物を触るみたいに、お客様扱いし続けるんだ?」

紬 「え、私たち、そんなつもりじゃ・・・」

律 「だいたいなんだよ、
   いつまで経っても平沢さん平沢さんって。いいかげん名前で呼んでやれよ」

澪 「そ、それは・・・
   平沢さんが名前で呼ばれたいのかどうか分からなかったし・・・」

律 「私と和は名前で呼んでるだろ。嫌に思うもんか。
   そんな変な気遣いをしてるから、いつまで経っても他人行儀な態度で接しちまうんだよ」

律 「澪ならわかってやれるだろう?
   相手から踏み込んできてくれなきゃ、自分から一歩を踏み出せない。
   そこまで心が弱くなっちゃうこともあるって」

澪 「・・・律」 

和 「・・・・・・・」



69 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/02/03(木) 23:40:08.24 ID:VqJUrEcl0

紬 「お茶にしましょう」

律 「え?」

紬 「唯ちゃんにコーラスをやりたいかどうか聞かなきゃならないし。
   やるならどういう風に、どんな風に入れるのか話し合わなきゃならないし」

紬 「休憩も兼ねてお茶にしよ。ね?」

律 「あ、ああ・・・そうだな。と、唯のやつ、遅いな。もしかして、でっかいh
澪 「わー!下品なこと言うなよ、律!」

澪 「その、なんだ・・・ 
   夜風に当たって休んでるのかもしれないだろ。その・・・唯は、さ」

律 「・・・・そうだな! じゃ、呼びにいってみるか!みんなはお茶の準備をしといてくれー」

和 「あ、待って。私も行くわ」

律 「おー、いこいこー!」



70 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/02/03(木) 23:42:00.45 ID:VqJUrEcl0

とことこ・・・・


律 「和はどう思う?唯のコーラス」

和 「私は正直、まだ時期尚早だと思う。
   失敗したらと考えると、せっかく明るさを取り戻しかけた唯が
   またふさぎ込んじゃうんじゃないかって」

和 「・・・それがとても心配」

律 「そっかぁー」

和 「でもね・・・ それは杞憂なのよね。
   きっと上手くいくだろうし、それにもし失敗しても・・・」

和 「居場所を見つけた唯なら、落ち込んでも立ち直れる・・・・ ううん」

和 「落ち込む暇すら与えてもらえないのかもね」

律 「おう♪」

和 「だから、唯が望むのなら私は賛成」



71 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/02/03(木) 23:44:30.55 ID:VqJUrEcl0

律 「やっぱトイレにいなかったな。
   じゃ、澪が言うように、外で風に当たってるのかもな。行ってみようぜ」

和 「ええ」

和 「・・・・ねぇ、律。あなた唯のことに気づいて・・・」

律 「私さ」

和 「・・・・・」

律 「唯みたいなやつって、なんだか放っておけないんだよな。昔の澪を見てるみたいで」

和 「澪?」

律 「そう、澪。
   今でもあいつ、かなりの恥ずかしがりだけど、昔はそれに輪をかけた照れ屋さんでさ」

律 「ていうか、もう対人恐怖症に片足突っ込んじゃってるってくらい、
   人と接するのにオドオドしてたのね」

律 「そうなったのには何かきっかけがあったんだと思う。
   それが何かは澪も言おうとしないし、敢えて私も聞かなかったけどさ」



72 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/02/03(木) 23:46:06.48 ID:VqJUrEcl0

律 「まあとにかく。澪は自分で自分の心に蓋をしてしまって。
   その蓋を開ける鍵は外側にしか付いていなかったんだ」

和 「・・・・・・」

律 「だから誰かがそれを外してやらなきゃならない。
   蓋を開け外の光を入れてやって、見ろよ、外の景色も悪いもんじゃないだろって」

律 「んでさ。私は昔からこんな感じのやつだったからさー。
   ガサツで頭が悪くて単純で・・・」

律 「でも、単純だからこそかな。見えるんだよ。
   あ、こいつはもう一人じゃどうにもできなくなってるんだなってのが・・・わかっちゃうんだ」

和 「考えるんじゃない。感じるんだ・・・って?」

律 「そうそう、それそれ。
   だからお節介といわれてもうるさがられても、放っておけない。
   あの頃の澪と一緒なんだ、唯は」

律 「てことくらいかな、私がわかったのは。
   もちろん唯に何があったか、なんて分かるはずもないし、知る必要もないしなー」

律 「まぁ、本音を言えばウジウジしてるやつを見るとイライラしちゃうから、
   もう言いたいことははっきり言えよ!って、言ってやりたいだけなんだけどな!」

和 「律・・・・」



73 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/02/03(木) 23:49:00.51 ID:VqJUrEcl0

和 「律は澪の心に光を灯すことに成功したってわけね」

律 「そんな大したことじゃないよ。けっきょく澪しだいだったからな。
   本人が変わりたいと思ってくれなきゃ、どうにもならないし」

和 「それでもすごいわ。そして、今回も。唯のことも・・・」

和 「私にはできなかったこと・・・」

律 「おい、和?」

和 「正直に言うとね、律。私はあなたに嫉妬しているの」

律 「はぁ・・・?」

和 「唯は律と出会って、笑顔を取り戻せたの。
   強引なところに戸惑いながらも、律の明るさに引き込まれるように、
   唯も笑っていることが多くなった」

和 「あなたのおかげ」

律 「いや・・・ たしかに唯を笑わそうと色々したけど、
   別に私だけのおかげってわけじゃ・・・」

和 「ううん、やっぱり律がいたからよ。幼馴染の私には分かるの。
   きっと唯は律が好きなんだわ」

律 「はぁー・・!?」



74 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/02/03(木) 23:50:40.00 ID:VqJUrEcl0

和 「私は唯に昔の明るさを取り戻してもらいたくて、色々やってきたつもり。
   そしてここに入部して、やっと唯は笑顔を見せてくれるようになったわ」

和 「でも、その笑顔の先にあるのは律、
   いつもあなただった。ずっと一緒にいた私ではなく・・・・」

和 「だけど、それは当然なのよ。だって私はいちど唯を裏切った身なんだもの・・・・」

律 「なぁ、和」

和 「なのに私・・・勝手に報われない気になっちゃって・・・
   見返りなんて求めてるつもりはなかったのに・・・・」

律 「和」

和 「唯の笑顔が見たい。ただそれだけの筈だったのに・・・・」

律 「和!!」

和 「律ぅ・・・」

律 「唯が・・・・見てる・・・・」

和 「えっ」



75 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/02/03(木) 23:54:01.77 ID:VqJUrEcl0

唯 「の、和ちゃん・・・・」

和 「唯!ど・・どど・・・どこら辺から聞いてたの!?」

唯 「えっと・・・田井中さんが私を秋山さんみたいで、
   放っておけないって言ったくらいから・・・・」

和・律 「ほぼ最初からかい!!」

唯 「だってだって・・・ 出で行きにくい雰囲気だったから、その・・・」

唯 「ごめんなさい・・・・」

和 「う、ううん・・・
   私こそ変なこと言って、聞かせちゃって・・・ ごめんね・・・」

唯 「・・・・・ううん」

和 「・・・・・・・・」

律 「・・・・さて、唯も見つかったし、私は戻るかなっと」

律 「あ、和」

和 「え、なに・・・」

律 「なんか顔が赤いぞ?暑くてのぼせちゃったんじゃないか?
   みんなには言っとくから、すこし外で涼んでから戻って来いよ」

和 「そんなこと、私は別になんとm
律 「あ、それと唯」

律 「ちょっと心配だからさ。
   和に付いてやっててくれ。お前が一緒にいれば安心だ」

唯 「うん」

律 「じゃ、あとよろしくー」とてちて・・・

唯 「行っちゃったね」

和 「いい人だね」

唯 「うん」



76 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/02/03(木) 23:56:45.88 ID:VqJUrEcl0

和 「せっかくだから、少し話してからもどろうか」

唯 「うん」

和 「といっても、何から話したら良いのかな・・・
   ていうか、すでに色々聞かれちゃってるんだよね」

唯 「・・・・あのね、和ちゃん」

和 「・・・・うん」

唯 「ありがとう」

和 「・・・・・!」

唯 「私ね、和ちゃんが言ってたとおり田井中さん・・・ りっちゃんが好き」

和 「・・・・・う」

唯 「和ちゃんが背中を押してくれなきゃ私、
   ずっとどこかの隅で小さくなって怯えてるだけで・・・」

唯 「みんなやりっちゃんと出会えなかったと思う。だからね和ちゃん、ありがとう」

和 「なんで・・・なんで”ありがとう”なんて言えるのよ・・・」

唯 「和ちゃん・・・・?」

和 「責めてよ・・・ せめて一言なり、なんでなじってくれないのよ・・・」



77 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/02/03(木) 23:58:18.02 ID:VqJUrEcl0

唯は小さい頃、よく私をかばってくれたよね。

なのに私は唯が辛い思いをしている時、

見当はずれな助言をしてしまった。

それでよけい苦しい立場に追い込まれた唯を・・・

助けを求めて差し出されていた唯の手を・・・・

あんな最低な奴らに目を付けられるのが怖くて、

掴んであげることができなかった。

そのせいで唯は笑わなくなって、私は良心の呵責に苛まれて・・・

だから、唯の笑顔を取り戻したかった! そうすることが唯のためだって・・・!

だけど・・・ いざ唯が笑顔を取り戻して。

けれどその笑顔が自分に向けられたものではなかったから・・・

悔しくて悲しくて・・・・ 律が妬ましくなって・・・・



78 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/02/04(金) 00:00:32.42 ID:RcacNd0p0

和 「だから違うよ!
   私は唯にお礼を言って貰えることなんか、何もしていないんだ!」

和 「唯がもとの唯に戻ることで、
   私が犯した過ちも無かったことにしたかっただけなのよ!」

和 「そんなんだから・・・
   律に嫉妬してしまうなんてみっともないこと・・・ 私は自分が情けない・・・」

唯 「和ちゃん・・・」

唯 「あのね、和ちゃん。
   正直言うとね、和ちゃんのことちょっと嫌いになってたんだ・・・」

和 「・・・・!」

唯 「私バカだけど、いま和ちゃんが言ったことくらい分かってたよ。だからね・・・・」

唯 「今さらって。調子良いよって。
   ずっとね、少しだけ思ってたの。だからね、ほんのちょっとだけ・・・」

唯 「和ちゃんのこと、嫌いになってた」



79 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/02/04(金) 00:02:38.62 ID:RcacNd0p0

和 「ゆ・・・い・・・」

唯 「あんなにやりたがってた生徒会をあきらめた時も、
   だから私は何も言わなかったの」

唯 「私、嫌なやつだよね。
   私のためにやりたかったこともできなくなって、ちょっといい気味だって・・・・」

和 「・・・・・」

唯 「でもね、和ちゃんはそれくらい私のことを考えてくれてたんだよね。
   だからね、心の別のところでは嬉しいとも思ってたんだ」

唯 「だって昔の友達で、
   私がこうなっちゃってからも変わらず側にいてくれたの、
   和ちゃんだけだったんだもん」

和 「ユイィ・・・・」

唯 「今は感謝してるよ。私を見捨てないでくれて。
   ここに引っ張ってきてくれて。
   さっきのありがとうは、だからこの事の”ありがとう”」

和 「唯・・・・ 唯・・・・」

唯 「それとね、ごめんね。生徒会のことも、嫌っちゃったことも」

和 「唯~~~~・・・・」

唯 「泣かないで。まるで私みたいだよ?」

和 「なに言ってるのよ、バカ・・・」

唯 「えへへ・・・ 和ちゃん、今は昔と同じ」

唯 「大好きだよ」

和 「泣かせるようなこと言っておいて、泣かないでなんて。
   勝手なこと言わないでよーー・・・」

外に出て開放的な気分になって、新しい一歩を踏み出す。

唯のためになればと、そう考えて賛成した合宿だった。

でも・・・・内に篭って考えが凝り固まっていたのは、唯だけではなかった。

私もそうだった。それを自覚することができた。



81 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/02/04(金) 00:05:07.47 ID:RcacNd0p0

だから、踏みとどまっていた4本の足を互いの手で引き合いながら。

一人じゃなく、二人で。お互いの止まっていた時間を取り戻すために。

今、踏み出すんだ。

和 「唯、お願いがあるんだけど」

唯 「なぁに?」

和 「ぎゅってして?昔、私が泣いていたら、いつもしてくれたみたいに」

唯 「えへへ・・・ 和ちゃんのあまえんぼ」ぎゅっ

和 「うん、そうだよ。ずっと昔から・・・」

唯の暖かな抱擁。

それと同じくらい温かな唯の心が肌を通して、私の中に入り込んでくるようで。

ハッキリと分かった。

唯には今までの立ち居地の「和」は、もう必要ないんだ。

そして私にも、今までの「唯」は、もう要らない。

この共依存の日々が、終わる時が来たんだ。

この日を契機に私たちはかつての。

そう、あの忌まわしい出来事が起こる以前の。

本当に意味での親友に戻ることができた。



82 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/02/04(金) 00:06:31.50 ID:RcacNd0p0

そして。夏休みが終わり・・・

桜高祭でのライブは、自分達でも驚くほどの盛況ぶりだった。

学祭直前に顧問になってくれた

山中先生(あんな人だったなんて・・・)作の華やかな衣装は観客の目を惹き。

練習の甲斐もあって演奏のスキルは急上昇。

私の歌声に寄り添うように重なる唯のコーラス。

我ながら抜群のコンビネーションだったと思う。

最後の最後で飛び出した澪の恥ずかしいサプライズもあって、

更に会場の熱気はオーバーヒート。

これ以上ないってくらいの満足感を私たちの胸に残し

(澪には他の思いも残っちゃっただろうけど)、ステージの幕は閉じられた。

そして・・・・



83 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/02/04(金) 00:07:40.72 ID:RcacNd0p0

やがて季節は移り変わり・・・

盛夏を過ぎるととたんに肌寒くなって、季節は秋。

並木が紅葉する様を楽しみながら、軽音部のみんなと登下校した通学路。

やがて紅葉が色あせて舞い落ち、路上に薄茶色の絨毯を敷きつめ始めると、

マフラーに顔を埋めて小さくなりながら歩く子たちの姿が目立ち始める。

あっという間に冬の到来だ。

クリスマス。年越し。お正月。冬は楽しいイベントで盛りだくさん。

みんなで集まってはしゃいで、心の底から笑いあって。

そして気がついたら季節は一巡して春。

私たちが高校生になって・・・ 軽音部のみんなと出会って一年が経った。

私は二年生になって。

そして・・・・

私は軽音部を退部した。



84 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/02/04(金) 00:09:00.84 ID:RcacNd0p0

駅前の喫茶店!!


和 「お待たせ、憂」

憂 「こんにちわ、和さん」

和 「なぁに、憂。
   急にさん付けなんて、他人行儀な呼び方をしちゃって」

憂 「えへへ。だって私も桜校生になって、和ちゃんは先輩だもん。
   きちんとけじめはつけなきゃって思って」

和 「へぇ?その割には今、ちゃん付けで呼んでたけどね?」

憂 「はっ!いけない・・・ ついいっつもの癖で」

和 「ふふ。まぁ、二人の時はいいじゃない。
   私も憂からさん付けで呼ばれるの、
   なんだかくすぐったいって言うか落ち着かないもの」

憂 「そうだよね。じゃ改めて。こんにちわ、和ちゃん」

和 「こんにちわ、憂」



85 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/02/04(金) 00:10:35.83 ID:RcacNd0p0

憂 「和ちゃん、軽音部やめちゃったんだね。どうして?」

憂 「その・・・ 楽しくなかったの?」

和 「ううん、とっても楽しかったわよ。居心地が良くて暖かくて」

憂 「じゃあ、どうして?」

和 「やりたいことがあるの。
   だからね、彼女たちとは今までと違った形で、今まで以上の付き合いをしていくつもり」

和 「それにね。唯も私も・・・
   もうお互いがベッタリじゃなくってもやっていけるんだって。その事に気づいたから」

憂 「・・・・・」

和 「あ、それで。今日はどうしたの?何か用事?」

憂 「うん、和ちゃんに見てもらいたいものがあって」



86 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/02/04(金) 00:14:23.80 ID:RcacNd0p0

憂 「はいこれ。形になったら一番に和ちゃんに見せるって、約束だったから」

和 「これ・・・完成したんだ。ありがとう。さっそく見せてもらって良い?」

憂 「恥ずかしいけど・・・ うん。感想、聞かせてね」

和 「もちろん。どれどれ・・・ あら、これって・・・・」

憂 「どうかな・・・・」

和 「よく描けてるわ。みんなも特徴を捉えて可愛く描けてる。
   それに・・・この雰囲気・・・・」

和 「私たちの軽音部に満ちてる雰囲気そのものね」

憂 「えへへ・・・
   クリスマスや年越しに皆さんが家に来てくれたから、イメージしやすかったんだ」

和 「あと・・・ マンガの中の唯・・・ とっても楽しそう」

憂 「うん。今まで辛い想いをした分も、
   これから楽しい高校生活をおくれますようにって。その願いも込めて」

和 「きっと・・・ううん。絶対そうなるわよ」



87 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/02/04(金) 00:15:18.77 ID:RcacNd0p0

和 「それにしても・・・うふふ」

憂 「なぁに?」

和 「このペンネーム。変なの」

憂 「だって、本名は恥ずかしいんだもん。
   だけど、かっこいいペンネームって難しいね。ぜんぜん思いつかなくって」


憂ことPN「かきふらい」作のこのマンガ。

作者の姉と周りの人々をモデル(もちろんフェイクあり)に描かれた「けいおん!」。

やがてこの作品は雑誌編集者の目に留まり、

連載・アニメ化と順調に人気をはくし、

一大ムーブメントを巻き起こすことになるのであるが・・・・

それはまた別のお話である。


和 「憂、カキフライ好きだったっけ?」

憂 「むしろ苦手・・・」

和 「好き嫌いはダメよ。
   自分のペンネームに恥じないよう、きちんと食べられるようになりなさい」

憂 「はい、努力します・・・」



88 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/02/04(金) 00:18:39.52 ID:RcacNd0p0

軽音部には可愛い後輩が入部したそう。

きっとますます、賑やかで楽しい部になっていくんだろうな。

居場所とかつての明るさを取り戻した唯。

次は律へ気持ちを伝える大仕事が待っているね。

鋭い律もそっちの方面には疎そうだし、苦労する唯が目に浮かぶよう。

でも、今の唯だったら気持ちをきちんと言葉にして、相手に伝えることができるよね。

だから、ひとまず心配はしないことにしておくわ。

憂も夢への第一歩を原稿という形になした。

皆が日々、新しい一歩を踏み出している。

じゃあ、私は?

私は今期の生徒会選挙に立候補するため、その準備に追われる日々を送っている。

ずっとやってみたかった仕事。実現のためには、やることは山盛り。

演説文、ポスター作りにクラス巡り・・・てんやわんや。

だけど必ず実現してみせる。

私には私の新しい居場所を作る、夢を叶えるという義務と権利があるのだから。



89 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/02/04(金) 00:21:24.38 ID:RcacNd0p0



律 「みなさん、こんにちわー!
   今日は私たち軽音部のライブにようこそー!じゃあ、メンバーを紹介します!」

律 「ギター!休みの日はいつもゴロゴロ。甘い物なら私に任せろ!ノンビリ妖精 平沢唯ぃー!」

唯 「じゃらーん!じゃららららら、ぎゅいーーん!」

律 「キーボード!お菓子の目利きはお手の物。シットリノリノリ天然系お嬢様 琴吹紬ぃー!」

紬 「ぽろぽろぽろ、ぽろろろろろろん。えへ♪」

律 「ベース!怖い話と痛い話が超苦手!軽音部のドン、デンジャラスクイーン!秋山澪ぉー!」

澪 「誰がデンジャラスだ!!」

律 「ドラム!!容姿端麗頭脳明晰!さわやか笑顔で幸せはこぶみんなのアイドル!
   田井中りt(ごんっ!)いたぁー!?」

澪 「自分だけ持ち上げすぎだろ!!」

律 「最後にボーカル、バンドの花形の登場だ!
   全てを見通す赤ブチメガネ。しっかり者の軽音部のお母さん!真鍋和ぁー!」

和 「お・・・お母さん。そう見られてたのね、私・・・ 正直へこむわ・・・・」



90 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/02/04(金) 00:23:04.72 ID:RcacNd0p0

律 「てな感じのMCでいってみようと思うんだけど、どーよ」

唯 「私はいいと思うよ、りっちゃん!!」

澪 「えー・・・ もうちょっとまじめにやろうよ・・・
   コミックバンドと間違われちゃうだろ」

唯 「澪ちゃん、面白いしこれで行こうよー。
   それにもうすぐ幕が開いちゃうよ、ねぇムギちゃん?」

紬 「あらあら、そうねぇ。今から考え直している時間はないわねぇー」

澪 「うう・・・」

和 「せ、せめてお母さんってのだけは抜いてくれないかしら・・・・」

律 「分かった分かった。
   さ、時間だ。みんな配置につこうぜ。良いライブにしような!」

おーっ!



91 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/02/04(金) 00:25:46.48 ID:RcacNd0p0

静かにゆっくりと、目の前を覆っていた幕が上がってゆく。

替わりに現われたのは、これから始まるライブに期待の目を向ける顔・顔・顔・・・

体が震える。武者震い。

心地好い緊張感が全身を支配する。悪い気はしない。

マイクスタンドに手を沿えながら、

震えで膝が笑わないように両足に力を込める。

律のワンツーの掛け声と共に始まる演奏。いよいよだ。

私も皆の演奏に負けないように、懸命に歌う。

隣では唯も私を追うように声を重ねてくる。

最高の演奏。最高のコーラス。だから私も最高の歌で応えなきゃ。

緊張は興奮に代わり、

ただ純粋に今の瞬間を楽しんでいる自分がそこにはいた。



この思い出があれば、きっとこの先。失敗したり後悔を感じることがあっても。

きっと私は膝を折ることなく、挫折を知ることもないだろう。

後ろに気を取られていた私に前を向かせてくれた、

かけがえのないみんなとの思い出があれば。

私の軽音部でのライブは終わったけれど、

新しいステージの幕はまだ開いたばかりだ。


おわり!



92 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/02/04(金) 00:26:58.93 ID:RcacNd0p0

淡々と投下して淡々と終了。

お目汚し、失礼致しました。




93 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/02/04(金) 00:28:07.34 ID:ooSZJ8oOo

おつかれさま
なかなかおもしろかったよ
膨らませようと思えばまだまだいけそうだね



95 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/02/04(金) 00:33:23.92 ID:nizMQ7XTP

乙、個人的に満足です
なんか途中ヤンデレがあったような気がしたけどそんな事はなかったぜ



96 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/02/04(金) 00:44:17.63 ID:F0D29KhZo

乙!
最初は唯や律の性格改変に戸惑ったけど、読み進んでいく内に
改変にもきちんと納得がいったよ。
良SSをありがとう。





97 名前::2011/02/04(金) 01:59:31.86 ID:RcacNd0p0

乙どうもです。
また機会があったらよろしく。
ちなみに、読んでくれたら分かったと思うけど、俺は純派です。

ではまた。




98 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/02/04(金) 04:13:37.69 ID:GGOpXbcDO

乙。
楽しかったよ~
さわちゃんのオフレコ部分で吹いたw



99 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/02/04(金) 07:46:13.60 ID:CtwONhyEo

可愛い後輩は実は純ちゃんだったとか…?
閉じた心の鍵を仲間が開けてくれる描写は素敵だ///
とても面白かったです、>>1さんお疲れ様でした!



100 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/02/04(金) 08:47:18.77 ID:RFX7PGNko

乙乙、久しぶりに良いSSに出会えた





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[ 2011/02/05 23:12 ] 非日常系 | | CM(4)

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タイトル:
NO:820 [ 2011/02/06 00:28 ] [ 編集 ]

これの続きが読みたい気もするが、この話ではこれ以降唯と和は友達として互いに別の道を歩んで行くのでこれ以上は描く必要は無いとも思う。
ここ最近のけいおんSSは数は減ったままだが割と良いものが多いと思う、
その中でも素直に良作と呼べるSSではないかな?

タイトル:
NO:821 [ 2011/02/06 01:15 ] [ 編集 ]

個人的に一番大事だろ!と思う場面がナレーションで終わっちゃって不完全燃焼
明るくなっていく唯を見たかった
面白かっただけに、暗い唯しか描写されてなくて残念

タイトル:
NO:822 [ 2011/02/06 01:20 ] [ 編集 ]

素敵でした。ただ、素敵だっただけに、最後かけ足になってしまったのが残念。他のメンバー、そして輪を広げてクラスと仲良くなる過程を、和とともに読者の視点から見守りたかったです。

タイトル:
NO:893 [ 2011/02/10 22:24 ] [ 編集 ]

これいいとか言ってんのかなり唯嫌いなんだな、和が活躍するのは嬉しいよ、だがボーカルが和でギターが唯なら素人じゃダメだろ、唯がいる意味ねーよ

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