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唯「お母さんには黙ってようね」#4 【シリアス】


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唯「お母さんには黙ってようね」#1
唯「お母さんには黙ってようね」#2
唯「お母さんには黙ってようね」#3




217 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/22(火) 07:32:42.63 ID:zYmZJ1hDO


 昼食の後、午後の授業を受ける。

 授業に集中できないのは変わらなかった。

 雨は先生の声にかかるほど激しくなって、窓際にいる私はまるで雨に包まれているようだった。

 授業が終わって、HRを済まし、放課後になる。

 まだ動き出す気が起きなかったが、りっちゃんに促されて私はギターを背負った。

 階段を降りて、憂の教室に向かう。

 憂が来てくれるとは思えなかったけれど、

 かと言って迎えにいかない訳にもいかない。

 それこそ、憂との全てが終わってしまう気がした。

 階段を降りて、教室のドアを開ける。

 憂は教室の奥にいて、純ちゃんと話をしていた。

 そして、私が入って来たのを見つけるとぱっと目を輝かせた。

憂「お姉ちゃん!」





218 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/22(火) 07:36:32.06 ID:zYmZJ1hDO


唯「わ、わわっ!?」

 あまりに突然のことに、パニックを起こしかけた。

 そんな私のもとに、憂はカバンを置いて駆け寄ってくる。

 夢か幻覚でもみているようだった。

 倒れ込むように憂が私に抱きつく。

 私の身体は、なんとかかつての習慣を取り戻し、飛び込んできた体を抱きとめた。

唯「う、憂?」

憂「ごめんね、びっくりした? お姉ちゃん」

唯「……うん」

 憂が分からない。

 いたずらっぽく笑って私から離れると、

 あきれ顔の純ちゃんからカバンを受け取る。



220 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/22(火) 07:39:11.27 ID:zYmZJ1hDO


純「いやぁ、抱きつき姉妹復活ですねぇ」

 にやにや笑いながら、純ちゃんは私の肩に手を置いた。

純「心配してたんですよ? 二人が別れたんじゃないかって」

 冗談めかして純ちゃんはとんでもないことを言う。

唯「別れるはずないよ。私たち姉妹だもん」

純「まはっ、そうですね」

 とっさに答えてしまったが、私はちゃんと笑っただろうか。

 混乱がおさまらない。

憂「お姉ちゃん、部活いこっ」

 憂がぎゅっと手を握る。

唯「あ……うん、部活くるの?」

憂「うん。良いでしょ? ほら、雨降ってるのに私傘忘れちゃったし」



221 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/22(火) 07:43:07.30 ID:zYmZJ1hDO


唯「そだね。……って、お姉ちゃんも傘忘れちゃったけど」

 戸惑いが消えたわけではない。

 だけど、憂が私に近付いてくれるのを断る理由なんてない。

 私は憂の手を握り返す。

唯「じゃあね、純ちゃん」

憂「またね」

 ちらっと振り返って、教室から出る。

 梓ちゃんは既に部室に向かったみたいだ。

 階段を上がり、部室の前までやってくる。

憂「ねぇ、お姉ちゃん」

唯「ん、なぁに?」

憂「……もう大丈夫だよ」



222 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/22(火) 07:45:18.01 ID:zYmZJ1hDO


 憂はそっと私に寄り添った。

 吹奏楽部が音を出し始めていたが、雨の音ははっきりと聞こえてくる。

 これは軽音部に入ってからムギちゃんに言われたことだけれど、私はすごく耳がいいらしい。

 確かに私は小さな音でもよく聞こえるし、聞き分けられる。

 ただできれば、今は雨の音は聞こえてほしくなかった。

唯「……そっか」

 軽くその頭を撫でる。

唯「いこう憂。遅れちゃったら悪いよ」

憂「うんっ」

 音楽準備室のドアを開ける。

 すでにみんな集まって、ティータイムの準備をしていた。

紬「あれっ、憂ちゃん!」

憂「急にお邪魔しちゃってすみません。私のぶんのお茶はいいですから」



224 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/22(火) 07:48:03.17 ID:zYmZJ1hDO


紬「いいのよ、すぐ用意するわ」

 憂は断ったが、ムギちゃんは手早くティーポットを大きいものに替える。

 軽音部に入ってから知ったことだが、ムギちゃんは意外としたたかだ。

 テーブルを囲むと、たくさんのクッキーが出される。

 みんなでつまみながら紅茶を飲み、世間話をする。

 雨は激しかったけれど、みんなはさほど気に留めていないようだ。

 昨日とは打って変わって和気あいあいとした始まりだった。

 ただ憂のほうを見ると作り笑顔をしてるのは明らかで、

 お茶にもまったく手を付けていなかった。

唯「うい、食べないの?」

憂「お腹いっぱいで」

 そう言って歯をのぞかせるが、笑っているようにはとても見えなかった。



225 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/22(火) 07:51:21.89 ID:zYmZJ1hDO


唯「ほら憂、あーん」

 クッキーを一枚取り、憂の口もとに近づける。

憂「……あ、あーん」

 くちびるを震わせてから、意を決したようにクッキーをかじる。

唯「おいしいでしょ?」

憂「うん、おいしい……」

 さくさくクッキーを噛みながら、憂は顔を伏せた。

唯「憂?」

憂「……んと、ごめんね。ちょっと、トイレ行ってくるよ」

 すっと立ち上がって、逃げるように憂は部室を後にする。

 様子がおかしかったのは、トイレを我慢していたからなのだろうか。



226 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/22(火) 07:54:06.22 ID:zYmZJ1hDO


澪「……なんだか、変だったな」

 澪ちゃんがドアを振り返る。

 やっぱりみんなの目にもおかしく映ったらしい。

唯「どうしたんだろ……」

 不安が胸に重くのしかかり、潰されそうになる。

律「やっぱりトイレじゃないかな……」

 冗談めかして言おうとしたりっちゃんの声が沈む。

 なぜだか、会話に参加していなかった憂が出ていったことで、

 ティータイムは雨音に包まれてしまった。

梓「……あの」

 梓ちゃんが遠慮がちに言った。

梓「憂でしたら、昼からずっとあんな調子でしたよ」



227 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/22(火) 07:56:42.19 ID:zYmZJ1hDO


唯「え……?」

 その一言だけで、なぜか悪寒が走る。

梓「最近は憂と仲良くしてて、お昼も一緒に食べてるんですけど、その時に話したんです」

唯「なにを」

梓「昨日のあの話ですよ。身近にレズがいたらどう思うかって」

澪「梓、あんな話ペラペラ周りにするなよ」

梓「……そうですよね」

律「全部話したのか?」

梓「いえまぁ、皆さんの意見だけですけど」

 途中からもう、梓ちゃんの話なんて聞いていなかった。

唯「……憂?」

 憂の足音は分かる。

 何が特別というわけじゃないけれど、必ず聞き分けられる。



229 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/22(火) 07:59:37.20 ID:zYmZJ1hDO


紬「どうしたの、唯ちゃん?」

 雨がはじける音にまじって、空から聞こえる憂の足音。

 憂はトイレに行ったはずなのに。部室の上には、屋上しかないのに。

唯「……わたしも……トイレ」

 震える脚を無理矢理立たせる。

 急がないといけない。足音はまだ聞こえている。

律「あ、あぁ……平気か?」

 その質問には答えずに、ドアに向かって駆け出す。

 部室を飛び出して、階段の裏にある大きな扉を引く。

 激しい雨音が耳を衝いたが、迷わず屋上へ飛び出す。

 憂の足音は頭上から聞こえた。恐らく給水塔のある屋上まで上っていったのだろう。



230 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/22(火) 08:02:30.81 ID:zYmZJ1hDO


 あっという間に服が雨に浸されていく。

 憂も今頃同じように濡れてしまっているはずだ。

 すぐに暖めてあげないと。

 手すりのさびた階段を駆け上がる。

 雨だまりが撥ねて、上履きの中がずぶぬれになる。

 一段上がるごとに、ぐちゃぐちゃと水が動く。

唯「はぁ、ぁ!」

 口に入ってくる雨を吐き出し、階段を上り切った。

 撥ねる雨のせいで、その後ろ姿は灰色の宙に浮かんでいるように見えた。

 一瞬、間に合わなかったかという思いがよぎったが、

 憂はまだ屋上のふちに立って、地面を見つめているだけだった。

唯「ういいぃ!!」

 風と雨が唸る中、あらんかぎりの大声で叫ぶ。

唯「行っちゃだめええぇぇ!!」



231 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/22(火) 08:05:00.52 ID:zYmZJ1hDO


 憂がゆっくりと振り返る。

 結んだ髪がいつもより低く垂れていた。

唯「……憂っ」

 体が冷えて重たい。

 引きずるように、憂のもとへ歩いていく。

 憂は虚ろな瞳で私を見つめて佇んでいる。

 あと数歩すすんで手を伸ばせば届くぐらいに近付いた。

唯「……」

 そして、それ以上進めなかった。

 雨をかぶった憂の顔は、あまりにみじめに見えた。

 私では救いだせそうにないほどに悲しく沈んでしまっていた。

憂「……何しに来たの、お姉ちゃん」

唯「何しにって……」



233 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/22(火) 08:08:04.04 ID:zYmZJ1hDO


憂「私が何しようとしてるか分かってるよね……どうして掴まえてくれないの?」

唯「……うん」

 走って来たときの呼吸が、まだ落ち着かない。

 泥くさい雨の味が口中を打つ。

憂「……やっぱり、そうなんだね」

 憂が目を伏せる。

憂「お姉ちゃん、私が死んでもいいんだ」

唯「……いいわけないよ、そんなの」

憂「うそつき。同性愛なんてありえないんでしょ? カンベンしてほしいんでしょ?」

唯「憂、それは方便だってば。私たちは……」

憂「女の子同士だから、姉妹だから、お姉ちゃんに傷つけられなきゃいけないの?」

 雨粒にまぎれて、憂の目から涙が零れる。

 伝う涙の軌線は、激しい雨にも溶けずに憂の頬に残り、私の瞳に焼きついた。



235 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/22(火) 08:11:08.03 ID:zYmZJ1hDO


憂「律さんが言ったんだよね。私たちがレズじゃないかって」

唯「……うん」

憂「どうして認めなかったの? 言っちゃえばよかったのに」

唯「だ、だめだよ。気持ちは分かるけど、みんなには言えない」

憂「わたしを傷つけても?」

唯「……そんなこと言ったって。どっちにしたって憂は傷つくよ」

憂「お姉ちゃんと一緒なら、私はいくら傷ついたって平気だよ。……耐えられないのは」

 憂が拳をぎゅっと握る。

 震えているのは、雨に打たれて冷えたせいではないみたいだ。

憂「なにより嫌なのは、お姉ちゃんが私より、軽音部と仲良くなろうとしてることなんだよ」

唯「違うよ、私は……」

憂「……いいよ。いいんだ。私たちはもう愛し合ってないもんね」



237 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/22(火) 08:14:16.18 ID:zYmZJ1hDO


 憂の言うことは、半分当たっていた。

 確かに私は、憂よりも軽音部のみんなに受け入れられることを優先している。

 けれど、そのために憂を傷つけるくらいなら、そんなことは二の次にできる。

唯「……」

 そう、思っていた。

唯「もう、愛し合えないのかな……」

 誰かを傷つけたくないなんて、当たり前のことだ。

 愛している相手ならなおさらのこと。

 だけど、私は私の行動で憂が傷つくことぐらい分かっていたはずだ。

 そうだ。なんのことはない。

 私は憂を傷つけてでも、軽音部のみんなに私を受け入れてもらいたかったんだ。

 私は、普通に、こんな日常に、憧れていたんだ。

 妹を愛してしまうことのない、平穏な毎日に。



239 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/22(火) 08:17:24.75 ID:zYmZJ1hDO


 襟足から首筋に、ぬるい雨が垂れる。

 このまま、憂が雨の中へ消えてしまえば。

 私は憂を愛したことを忘れて、どこにでもいる人間になれる。

 みんなと嘘をつかずに仲良くできる。

唯「うい……」

 私が最後の言葉を考えようとした瞬間、突如大きな手が肩を掴んだ。

 強い力で振り向かされると、すぐ前に澪ちゃんが恐ろしい剣幕で立っていた。

 視界の端をりっちゃんが横切る。

唯「っぶ!?」

 その瞬間、私は横薙ぎに吹っ飛ばされた。

 足が滑って体が宙に浮き、一瞬空いて水たまりに落とされる。

 痛みをこらえて起き上がり、辺りを見回す。

 ――憂を見失った。



240 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/22(火) 08:20:56.42 ID:zYmZJ1hDO


律「澪ぉ、ムギい!」

 切羽詰まった叫びが届く。

 水たまりがはじける音が二人ぶん。揺らぐ視界に、ムギちゃんのブロンドが映る。

憂「嫌だっ、離してください!」

律「離すもんかバカがぁっ!!」

 屋上のへりに、澪ちゃんとムギちゃんの背中が並んでいる。

 りっちゃんの黄色いパンツも見えた。

律「観念しろっ、せえ、のおっ!」

憂「ああっ……」

 まるで釣りあげられた巨大魚みたいに、憂が引き上げられて屋上に落とされた。

唯「うい、ういっ」

 私のほうもそれと大差なく、倒れている憂に這い寄る。

憂「お姉ちゃん……」



244 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/22(火) 08:24:24.97 ID:zYmZJ1hDO


 息を切らしながら、私たちの傍らにりっちゃん達が膝をつく。

律「お前ら……いったい何なんだよ」

唯「……それは」

 もう一つ、階段を上がってくる足音がある。

 雨が傘を打つ音もしていた。

 階段の方を見やると、

 大きな傘を差した梓ちゃんが3本の閉じた傘を腕にかけて現れた。

澪「正直に言おう、唯。……こんなことになって、もう二人だけで抱え切れる問題じゃないだろ?」

紬「話してくれるかしら?」

 みんなには、言わずとも予想がついているのかもしれない。

 けれど、だからといってこれを濁してこの場を去ることはできそうにない。

唯「……わたし、憂と付き合ってるんだ」



247 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/22(火) 08:27:19.88 ID:zYmZJ1hDO


律「……やっぱりか」

 りっちゃんは梓ちゃんから傘を奪い、紐をほどく。

澪「でも、どうしてこんなことに?」

唯「わたしが、軽音部に構いすぎてたから……憂を傷つけちゃったんだ」

 りっちゃん達がばっと傘を開く。

 雨は靴下を濡らすだけになった。

 かわりに雨粒は傘のビニールに当たって、よりうるさく騒ぎ出した。

唯「こんなつもりじゃなかったんだ……将来、憂と二人で生きてけるように変わりたいだけだった」

紬「それで軽音部に……?」

唯「そうだよ。……なのに私バカだよね。みんなに受け入れられたいだなんて思っちゃって」

 澪ちゃんに叩かれたところが痛む。

 叩かれたのは頬だけではないな、と思った。

唯「嘘ついた自分を受け入れてもらったって意味ないのに。……そんなの、私じゃないのに」



250 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/22(火) 08:30:05.65 ID:zYmZJ1hDO


憂「お姉ちゃん……」

 私は、ようやく根本的な間違いに気付けたのかもしれない。

 自分がどういう風に生きたいのか。

 受け入れられたい自分とはどういう人だったのか。

 憂にあんな選択をさせてしまった時点で、気付くのは遅すぎたのかもしれないけれど。

唯「……ごめんね、憂」

 私は、横たわる憂に手を伸ばす。

 しかし指が憂の頬に触れる前に、急に空が暗くなった。

梓「そんなもののために……」

 梓ちゃんが私の顔を覗きこんでいた。

 いや、覗きこむなんて言い方をするには、

 その表情はあまりに憎しみを抱きすぎている。

梓「フザ……ケないでくださいっ」



252 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/22(火) 08:33:04.06 ID:qYY8yQWK0


澪「梓?」

 梓ちゃんが傘を投げ捨てた。

 傘を持っていた両手が私の胸倉を掴む。

梓「そんな身勝手な理由で、私たちの軽音部を壊したっていうんですか……!」

唯「え……」

 まったく予想もしていなかった糾弾だった。

唯「軽音部を壊した……って」

紬「梓ちゃん、何を言ってるの?」

梓「……いけませんかっ?! 好きだったんですよ、4人きりの軽音部が……」

律「あずさ……」

 頬っぺたに、冷たい雨にまじってあたたかい涙が落ちてくる。

 なんだか奇妙に情けない気分がとらえてきた。



254 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/22(火) 08:36:07.62 ID:qYY8yQWK0


梓「最初っから唯先輩が入るのは嫌だったんです! ……でも」

 涙を満タンに浮かべた瞳で見つめられる。

 思わず視線をそらす。

 梓ちゃんの小さなこぶしが、胸をつぶしそうだった。

 ぎゅっと瞑った目から、つぎつぎと涙が落ちてくる。

 涙雨が、心まで濡らしていく。

梓「これから大学まで行って、ずっと一緒にバンドやってく仲間だから、受け入れたかったのに!」

 私は梓ちゃんが求めるような先輩ではなかった。

 むしろそれとは逆の、軽音部という園に群がり、

 巣へと花蜜を持ち去ってゆく末端のはたらき蜂だ。

 瞳の色さえも涙でにじんでしまった目が、ふたたび開かれる。

 悔しそうに奥歯を噛んで、梓ちゃんはわたしを強く睨んだ。

梓「軽音部は……レズなんか受け入れるために生まれたんじゃないです!」



258 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/22(火) 08:39:14.62 ID:qYY8yQWK0


憂「……」

 雨はなお激しい。

 ムギちゃんがそっと、梓ちゃんの上に傘を差した。

紬「梓ちゃん」

梓「……わたし、だって……」

 ゆっくりと力が抜けていくように、胸ぐらが解放される。

 握りしめられていたブラウスには、はっきりとシワがつけられていた。

 梓ちゃんはのそりと立ち上がると、びしょびしょの服で目をこすってから、自分の傘を拾った。

 私も体を起こす。憂が私の肩に掴まりながら起き上がる。

 ざあざあと、雨が街をうるさく包んでいた。

律「……帰るか」

 所在なげにりっちゃんが言った。

 私もみんなも、黙って小さく頷いた。



262 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/22(火) 08:42:03.85 ID:qYY8yQWK0


律「着替えなんかねぇよな……」

 りっちゃんはいつもより数倍増しに気だるそうだった。

紬「さわこ先生のは」

澪「あんなの着て帰ったらママが死んじゃうよ」

梓「澪先輩は平気なんですか……」

澪「そういう意味じゃない」

唯「……あ、りっちゃん」

律「うん?」

唯「下着の上下、揃えないんだね」

律「……なっ!? ちょっと待てい、パンツはいつ見たんだ!」

 それは言葉にしたくない。

律「あー、そうだなぁ……せめてセーターか何か着ないとなぁ」



263 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/22(火) 08:46:08.36 ID:qYY8yQWK0


 結局りっちゃんは、山中先生の作った使途不明な上着を羽織って下着が透けるのを隠した。

 4本の傘を、りっちゃんと澪ちゃん、私と憂、

 ムギちゃん、そして梓ちゃんで1本ずつ差して帰路につく。

 ぐちゃぐちゃ靴を鳴らしながら、びしょ濡れの服装で歩く6人組はさぞ奇妙だったろう。

 気持ち程度、みんないつもの帰りよりも歩調が速かった。

 ふだんの帰り道では梓ちゃんと二人きりになる時間があるのだけれど、

 当然というか、ムギちゃんが梓ちゃんを呼び止めて、一緒に駅の改札をくぐっていった。

唯「ふたりとも、またね」

 そう告げたけれど、応えたのはムギちゃんだけだった。

唯「……行こ、憂」

憂「……うん」

 悲しげに笑った憂と、傘ごと手を繋いで家へと歩いていく。



265 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/22(火) 08:49:06.07 ID:qYY8yQWK0


唯「ねぇ、憂……あのさ」

憂「ん、なあに?」

 水の音がうるさくて、一度立ち止まる。

唯「私のこと……許してくれる?」

憂「許すって?」

唯「だからその……よりを戻すっていうか」

憂「……それは、わかんないよ」

 憂が歩きだしてしまう。

 引っぱられるまま、私も歩き出すしかなかった。

憂「お姉ちゃんのことはね。好きになり直せたかな、って思うけど……思わされたんだけど」

 雨粒が集まって白く光っている電線を見上げて憂は言う。

憂「……そんなの、いいのかなって」

唯「そう……だね」



266 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/22(火) 08:52:06.59 ID:qYY8yQWK0


 私の頭に、梓ちゃんの言葉が蘇る。

 きっと憂も同じことを思っている。

唯「私もさ……憂が大事だってこと思い出させられたよ」

憂「うん。死にたくなった理由を考えたら、やっぱり私はお姉ちゃんが好きなんだなって」

唯「……でも、さ。好きだけじゃいけないことって……あるんだね」

 私が言うと、憂は沈黙してしまった。

唯「言い出しといてだけど、今はまだ考えないでおこっか」

 こくりと憂は頷く。

唯「でも……お互い好きになりなおせてよかったね」

憂「そだね。……けどもう死にかけるのはやだよ」

唯「ご安心を。二度とあんなこと思い立てさせないから」

憂「……えへっ」

 私たちの家は、今日のような雨の日も、白くたたずんでいた。



269 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/22(火) 08:55:03.74 ID:qYY8yQWK0


 傘を閉じ、畳んで立ててから、ドアを開ける。

唯「れっ?」

 鍵を開ける作業を忘れていた。

 けれど、ドアは何かに引っかかることなくすっと枠から引っ張り出された。

 鍵を掛け忘れたか。確かに今朝はぼうっとしてたけど。

 などと思案するうち、やがて答えは向こうからやって来た。

母「あぁ、やっぱり二人ね」

父「おかえり、唯に憂」

唯「……ほぇ」

憂「あ……ただいま」

 そういえば、今日は7月9日。

 前もってお母さんたちが帰ってくると伝えていた日だ。

 鍵よりも何よりも、忘れていたのはこのことだった。



270 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/22(火) 08:57:29.11 ID:qYY8yQWK0


母「って、あなた達ビショビショじゃない!」

唯「あ、うん……傘忘れて」

父「二人揃ってか?」

憂「まぁ仲良しですから」

母「憂、ふざけないの。二人もいるんだから、どっちか一人くらい天気予報を見るものじゃなーい?」

唯「えへへ……ごめんなさい」

 さっきとは違うくだらない叱責に、思わず顔がほころんでしまう。

 かといって、梓ちゃんに言われたことの負担が軽くなった訳ではない。

母「はぁ、まったくきいてない……いいからさっさとシャワー浴びてきなさい、風邪引くわよ」

唯憂「はいはーい」

 靴を脱ぐと、二階へ駆け上がりお風呂場に向かう。

 満遍なく足跡がたっぷりついたが、後で掃除させられるのは足跡がちょっとだろうと同じだ。

 ならば、靴下を脱ぐとか面倒なことは考えなくてもいいのだ。



272 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/22(火) 09:00:25.46 ID:qYY8yQWK0


 憂と一緒に浴室に突撃し、頭をぶつけ合いながらお湯の取り合いをする。

 じかに肌を触れ合せていると、憂の体が本当に冷え切っていることがわかった。

 暖めてあげようと後ろから抱きついたが、私の手も冷たかったらしく憂が小さく悲鳴を上げた。

 まぁ、とにかく二人ながらてんやわんやと体を暖めて、

 軽く汗なども流してから浴室を出る。

 水滴を取り、用意されていた着替えに袖を通すと脱衣所のドアを開ける。

母「ちょっと、家族会議」

 そこには、お母さんがめったに見せない真顔で立っていた。

唯「かぞくかいぎ……」

 言うに堪えない悪寒が背中を駆け上がった。

 せっかく温まった体が、くしゃみを吐きそうなくらい冷え込む。

母「そう。リビングにいらっしゃい」



274 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/22(火) 09:02:58.15 ID:qYY8yQWK0


 お母さんがリビングに消えた後、憂は私の腕にがっしり掴まった。

憂「ど、どうしよお姉ちゃん……ばれちゃったんじゃ」

唯「……いざとなったら、覚悟を決めるしかないよ。憂」

憂「……ん、んっ」

 びくびく震えながら憂は頷く。

 私も深呼吸をしてから、リビングへと向かっていく。

父「……二人とも、とりあえず座りなさい」

 お父さんさえ真面目な顔をしている。

 テーブルの上には、水浸しになった私と憂の夏用セーターが並べて置かれている。

唯「……はい」

 なにか違うような雰囲気が見える。

 けれど、セーターから何か見つかったことも考えられないわけではない。

 私は堅苦しく返事をして、椅子に掛けた。



276 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/22(火) 09:06:20.74 ID:qYY8yQWK0


母「ねぇ、ふたりとも」

 憂が掛けてから、お母さんは気難しげな顔で口を開いた。

母「その……これは、どういうことなの?」

唯「……これって?」

母「このセーターよ。唯のも、憂のも……こんなに汚れて痛んでるじゃない」

唯「へ……あ、えと」

 クリーム色のセーターは、確かにところどころほつれているし、

 泥汚れのような染みがひろがっている。

 心当たりしかない。

 めったに人の入らない屋上の上層、しかも雨天で寝そべったりすれば、

 これぐらい汚れるのは当たり前だ。むしろ綺麗に保たれているほうである。

父「心当たりがない、ってわけないよな」



277 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/22(火) 09:09:14.55 ID:qYY8yQWK0


唯「そのぉ……」

 なぜ汚れたかを説明するのは簡単だ。

 ただ、いったいどうしてこんな泥まみれになるような行動をしたかという説明は、

 私たちの全てを両親に明かさなければできないことだ。

 うまくごまかせる気もしない。

母「それから、ね」

 答えに窮している間に、お母さんがさらに言う。

母「唯のブラウスの襟のとこ、変なふうにシワが付いてたわよ」

唯「あぅ」

 梓ちゃんに胸ぐらを掴まれた時についたシワだ。

 洗濯してからアイロンをかけるつもりでいたが、それでは遅すぎたらしい。

憂「お、お姉ちゃん……」

 心配げに憂は目配せをする。見られても困る。



279 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/22(火) 09:12:20.08 ID:qYY8yQWK0


母「それから……唯、ほっぺた見せてちょうだい」

 なるほど、澪ちゃんにひっぱたかれた時の痕が残ってしまったらしい。

 そしてだんだんと、この家族会議の真意が見えてきた。

 このまま、そういうことにしてしまうのが都合いいかもしれない。

唯「……うん」

 わざと叩かれたほうの頬を差し出した。

 お母さんは親指で私のほっぺたを優しく撫でると、眉根を寄せて悲しい目をした。

母「……やっぱりそうみたい、あなた」

父「そうか……」

 空気がずんと沈み込む。あくまでお父さんとお母さんの間だけで。

 けれど意外だった。

 お母さんたちは、私たちがいじめを受けているものと思っているんだろうけれど、

 仮にそういうことが発覚したら、うちの両親は烈火のごとく怒るものだと思っていた。



281 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/22(火) 09:15:09.88 ID:qYY8yQWK0


 それとも青の炎というやつで、真の怒りはむしろ冷め冷めしく見えるものなのだろうか。

 しかし、あらためて両親の顔を窺い見ると、そこに怒りは無く、

 ただ悲しみに落ち込んでいるばかりにしか思えない。

 私たちは黙ったまま、次の言葉を待つ。

 時計の音を聴き、雨音を聴く。

 そして、お父さんが顔を上げた。

父「……これは、もしかしたら多分、二人はもう知っているかもしれないけれど……」

 暗い顔だった。

 悲しみに暮れて、けれど意志ある目をしているようにも見える。

父「二人がいじめられているのは……父さんたちに原因があるんだ」

憂「……へっ?」

 拍子抜けた声で、憂は首をかしげた。



285 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/22(火) 09:18:07.82 ID:qYY8yQWK0


唯「お父さんたちが……どうかしたの?」

父「どうかしたというわけじゃない。ただ……そうだなぁ」

 お父さんは少し顎を撫でると、こんな風に訊いてきた。

父「唯、憂。母さんの旧姓は知ってるか?」

唯「旧姓? ……えー」

 少し思いだそうとしてみるが、それらしいものはない。

 記憶のパズルからピースが抜け落ちて空白になっている感覚さえない。

憂「分かんない……聞いたことないかも」

母「そうだと思うわ。唯たちには、内緒にしてたから」

唯「……なんで?」

父「知らないほうが良かったからさ。……けど、こうなっては仕方ないよな」

 お父さんは、深くため息をついた。

父「母さんの旧姓は……今と変わらずに、平沢というんだ」



289 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/22(火) 09:21:05.72 ID:qYY8yQWK0


唯「……どういうこと?」

父「もちろん父さんも、生まれてから今までずっと平沢だ」

 お父さんは意味ありげに言う。

 けれど、私は何の事だかまるで見当がつかずにいた。

憂「おんなじ平沢同士で結婚したの?」

母「そうよ。けど、それだけじゃないの」

 軽い沈黙になる。

 私はもう少し考えてみる。同じ名字、けれどそれだけではない。

唯「……ぁ」

 と、すると。

 法律上は認められていることは知っていた。憂と結婚がしたくて、その辺りは色々調べたのだから。

 けれど、まさか、こんなにも身近にその人たちがいるなんて。

唯「お父さんたちって……いとこ同士なの?」




291 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/22(火) 09:22:43.30 ID:PUxirgof0

なん・・・だと・・・





292 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/22(火) 09:24:07.13 ID:qYY8yQWK0


 ゆっくりと深く、お父さんたちは頷いた。

憂「……ほんとに?」

母「嘘ついてどうなるのよ」

憂「……それは、そうだけど」

父「隠していて済まない。……色々気にしてしまうだろうから、墓場まで持っていきたかったんだが」

唯「あ、えっと……」

 頭が冷静さを取り戻してくる。

 いつまでも驚いている場合ではない。

唯「……近親婚、なんだね」

父「ああ。……だから恐らくそのことが学校の生徒に知れたんだと思う」

唯「そう……かな」

父「唯たちがこんな目に遭うとしたら、それぐらいしか原因が無いだろう」

 お父さんは眼鏡を外し、汚れたセーターを指先で撫でる。



297 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/22(火) 09:27:08.95 ID:qYY8yQWK0


父「ほんとうに……父さんたちのせいで……」

 誤解を解くべきか解かないべきかと迷っているうち、

 お父さんの声が震えだす。

 はっとして見ると、お母さんは目からぼろぼろ涙をこぼしていた。

父「すまないっ! ……こんな家庭に産んでしまって」

母「本当にごめんなさい、唯、憂っ……!」

 藪をつついて蛇どころか龍を出してしまった、いかんともしがたいこの状況。

 肩をすくめて泣いている両親からひとまず目を外し、憂を見てみる。

唯「……憂、どうしよう」

憂「どうしようって……とりあえず、えっと。怒ってないよね?」

唯「うんっ、怒る理由がないよ」

 深く頷く。

 イジメの事実なんてないのに、怒ったふりまではさすがにできない。



298 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/22(火) 09:30:08.09 ID:qYY8yQWK0


唯「顔上げてよ、お父さんもお母さんも。私たちぜんぜん気にしてないから」

父「だが、唯も憂も……」

 イジメられていないと言えれば話は早いのだが、

 そうなると制服の汚れた理由を考えなければならない。

 今のところ、そのもっともらしい理由は思いつきそうになかった。

唯「だーいじょぶだよ! 別にひどいことされたんじゃないし」

憂「うん、味方してくれる人だってたくさんいるし!」

母「……ふたりとも、いい子だねっぇ」

 気丈なふりをしても、さらに泣かれるばかりらしい。

 話をそらしたほうがよさそうだ。

唯「そうっ、それよりお母さんたちのなれそめが聞きたいな! 一回も聞いたことないし」

憂「そ、そうそう! 近親婚? って珍しいし、どんなふうだったのか気になるよ!」



300 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/22(火) 09:33:04.03 ID:qYY8yQWK0


 先に顔を上げたのは、お父さんだった。

 涙でぐちゃぐちゃの顔のまま小さく笑い、袖で涙を拭くと眼鏡を直した。

 お母さんもハンカチで目のあたりをトントン叩いていた。

父「なれそめって言うかな……母さんと会ったのはいとこ同士だから、親戚の集まりだったな」

母「お父さんがひとつ上だから、いつもお兄ちゃんお兄ちゃん言ってくっついてたのよ」

唯「へぇー……」

 お兄ちゃんをお姉ちゃんに変えたら、まるきり憂だな、と思う。

憂「どれぐらいから恋を意識し始めたの?」

父「う、む……それは」

母「まぁ、中学生のときくらいからだったかしら?」

唯「なんかごまかしてなーい?」

母「まさか、ねぇ?」



301 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/22(火) 09:36:03.90 ID:qYY8yQWK0


父「まぁー、そんなわけで、付き合うことになったのは高校生のころだったか」

唯「あっ、すっとばした」

父「気にするなって。いずれ分かる日がくるというものだ」

 もう何となく分かったけれど、それは父母の名誉のために分からないふりをしておこう。

憂「付き合うって、どんな風に?」

父「まぁ正直、あまり関係は変わらなかったよ。いや変えられなかった……かな」

唯「変えられなかったって?」

母「あの頃は携帯なんてなかったから、隠れて連絡を取り合うなんてできなかったのよ」

父「行こうと思えば行けない距離じゃないが、あまり頻繁に行っても怪しまれるしな」

唯「……やっぱり隠すこと前提なんだ?」

母「当然よぉ。結婚が認められてても、けしていい顔はされないもの」

憂「……そっかぁ」

 自分たちと重ね合わせて、不安になる。

 だったら二重に結婚が認められていない私たちはどんな顔をされるのだろう。



303 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/22(火) 09:39:05.87 ID:qYY8yQWK0


父「でも、まぁ……障害はあったけれど、やっぱ母さんのことが好きだったからな」

 お父さんはにやけながら頬をかく。

父「ま、コッソリコッソリ愛をはぐくんでいったわけだ」

母「それで、母さんが大学生になってから二人でこっちまで移り住んで、隠れて同棲を始めたの」

唯「そんなのバレなかったの?」

母「1年ずれてたし、同じ大学に通ってたから」

父「そうは言っても、近くにダミーの部屋まで用意して大変だったがな」

憂「やっぱり、まだ親には言えなかった?」

母「そういうのは、私たちが自立できてからって決めてたの」

父「反対されても家飛び出して、自分たちの意志を貫き通せるように、さ」

 私たちと同じだなぁ、とまた思う。

母「それで大学を卒業して、就職して1年か2年ぐらいしたころに、ドバン! とね」

 テーブルを叩き、お母さんはにんまり笑う。

母「婚姻届を叩きつけてやったわ」



305 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/22(火) 09:42:04.02 ID:qYY8yQWK0


唯「親が反対してたんじゃないの?」

父「あぁ、そりゃもうね。親戚一同から非難囂々だった」

 想像に難くない。最近そんなことがあったばかりだ。

父「けど、こんな時のために自分たちだけで生きられる準備はしっかりしていたんだ」

母「誰にも文句言われない場所に住んで、仕事もして稼いで……幸せになる準備とも言えるかしら」

憂「でも大変じゃないの? 誰の力も借りれないって……」

父「大変だったさ。中にはひどいのもいて、私たちがいとこ同士なのを近所に触れまわるんだ」

 胸がしめつけられた。

 もし私たちがそんなことをされたら。

父「まああの爺さんたちももうすっかり丸くなったけどな」

母「あなたが頑張ったからね。そう、今はお父さんたちにもちゃんと認められてるのよ」

唯「そんなアッサリなの?」

父「忙しい日々に身を置いていたら、あっという間だよ。長かったのかもしれない」



307 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/22(火) 09:45:24.34 ID:qYY8yQWK0


母「でも、あの頃は本当に大変だったわ」

父「毎日何が起きてるか分からないくらい忙しくて、それでもがむしゃらに働いてな」

母「あっという間に時間が過ぎて……それくらいのころだったかしらね、唯が来たのは」

唯「来た?」

母「そうそう、コウノトリさんが運んでくれたの」

唯「……妊娠したんだね」

母「性教育の行き届いてること」

 お母さんは不満そうに頬を膨らます。

 私たちの性知識は、きっとお母さんが想像だにしないレベルなんだろうなと想像してにやける。

母「あの時はほんとに嬉しかったわぁ。今まで頑張って来たことが報われた気がしたもの」

父「そうだぞ。唯の名前……ありゃちゃんと願いを込めた由来があるんだぞ」

唯「え、そうなの?」



309 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/22(火) 09:48:03.35 ID:qYY8yQWK0


父「あぁ。唯のあれは、唯一って字だろう?」

唯「うん、そうだけど……」

父「唯は父さんたちがいちばん大変なころに生まれたんだ」

 お父さんは胸をそらして指を立てた。

父「だから唯は、苦しい日々の中で舞い込んだ唯一の幸せっ、てわけだよ」

唯「ふむ」

 至極もっともな疑問が浮かぶ。

唯「幸せって書いてサチ、とかじゃだめだったの?」

母「語呂を似せたかったのよ。憂を産むつもりだったから」

憂「へっ、私?」

母「そう。まぁあなた達はなるべくして姉妹になったってことよ」

唯「そ、そう……なんだ、へへっ」

 お母さんの言葉におもわず嬉しくなって、笑ってしまう。



311 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/22(火) 09:51:00.72 ID:qYY8yQWK0


父「まぁそれからなんだが、唯が生まれてから急に仕事の調子がよくなったんだ」

母「前ほど忙しくもなくなったしね。それで、唯は天使だ天使だなんて本気ではしゃいでたわ」

唯「……あー、あの天使のコスプレさせられた写真」

 昔のアルバムにだいぶ大量に挟まれていた写真はそういう経緯で撮られたのか。

 特段、悪い気はしないけれども。

父「で、稼ぎも増えてローンも組めるくらいになって、ようやくこの家が建ったころだったよな」

憂「私?」

母「うん、憂が来たのよ」

憂「私の名前って、お姉ちゃんとセットなんだよね?」

 憂は身を乗り出して、目を輝かせる。

憂「どういう風に名前付けたの?」

父「憂は……唯とセットだぞ?」

 お父さんはもう一度とばかりに念を押す。



313 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/22(火) 09:55:51.53 ID:zYmZJ1hDO


憂「お姉ちゃんの、唯一の幸せと?」

父「憂は、幸せの中にあっても常に未来を憂う心……だ」

憂「うれう、こころ……?」

 憂は首をかしげる。

 私も不可解だった。

唯「……それじゃあ、憂のぶんの幸せは?」

父「そこだよ」

 お父さんは、まっすぐに私を指差した。

唯「……へ?」

憂「おねえちゃんが?」

母「姉妹になるべくしてなった、って言ったでしょ」

 お母さんは柔らかく笑った。

 私と憂はセット、らしい。



317 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/22(火) 09:59:08.58 ID:zYmZJ1hDO


唯「……私が憂の幸せで」

憂「私が、お姉ちゃんの幸せを憂う、こころ?」

父「惜しいなぁ。それだけじゃないよ」

母「二人とも、どっちかが一つの役割を担い続けるんじゃだめよ」

唯「……役割を代わるの?」

母「あなたたちは、ふたりでひとつなのよ。私たちの子供は『唯と憂』だけよ?」

唯「……あぁ、なるほど」

憂「えっ、分かったのお姉ちゃん?」

 これはまた、無駄にややこしい。

唯「でもさ。お母さんたちもそうだったんだよね?」

母「そうね。私がお父さんの幸せで、常にその行く末を憂いて」

父「父さんが母さんの幸せで、いつも未来を案じていたんだ」

 息ぴったりに言うと、お母さんたちは勝ち誇ったみたいに笑う。



318 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/22(火) 10:02:09.05 ID:zYmZJ1hDO


憂「……なんだ、惜しかったね」

 憂は軽く負け惜しみをいって、苦笑した。

父「『唯と憂』って名前にはね、父さんたちがうまくいった「ためし」を願いにして込めてあるんだ」

母「そうよ、だから……これはちょっと変な言い方になるけどね」

 お母さんはにこにこして、首の後ろに手を回す。

母「もし唯と憂が結婚したら、私とお父さんみたいにうまくいくって思うわ」

唯「……お母さん」

 ちょっと呆れたいぐらいの発言だった。

 だけど、こらえきれずに笑顔がこぼれるのはどうしてだろう。

憂「結婚はわかんないけど、お姉ちゃんとはずっと一緒にいるよ」

 憂は顔を赤らめて、ちょっと危ない発言をしていた。

 でも、もういいか。

唯「わたしも! 憂とずっと一緒にいる!」



319 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/22(火) 10:05:28.41 ID:zYmZJ1hDO


 どうにもならないと思っていた。

 私たちは愛し合って生きていくだけで、誰かに迷惑をかけてしまうのだと沈んでいた。

 それは確かに、間違った話ではないのかもしれない。

 けれど、お母さんは言っていた。

 人生は、がむしゃらにやればなんとかなるから、と。

 言われた時にはむしろ苛立たされた言葉が、

 お母さんたちも苦しんだのだと知ってすぐ、信じられるようになっていた。

唯「……ありがと、お父さん、お母さん」

 私はテーブルの上のセーターを手にして、立ち上がる。

憂「あ、私も行くよ」

 憂もセーターを持って椅子を立った。



320 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/22(火) 10:08:11.56 ID:zYmZJ1hDO


唯「これ洗濯してくるね。……あと、うちの学校にイジメはないから。心配しなくていいよ」

母「あら、そう」

 お母さんはまるでわかっていたみたいにくすくす笑った。

唯「行こう、憂」

憂「うん、お姉ちゃん」

 憂を連れて、脱衣場のドアを開ける。

 洗濯機に汚れたセーターを放り込む。

 わざわざネットに入れるとか面倒なことは考えなくていいのだ。

 洗剤を入れ、柔軟剤を垂らし、スイッチを入れる。

 息を塞がれたような声で洗濯機が呻きだす。

唯「……ねぇ。憂」

憂「……わかってる。お姉ちゃん」



322 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/22(火) 10:11:27.25 ID:zYmZJ1hDO


 憂は洗濯機に左手を置いて、目を閉じる。

唯「っ……あははっ」

 向き合った瞬間、おかしいくらいに顔が熱くなる。

憂「わ、笑わないでよっ」

唯「ごめんごめん。憂の顔がおかしいんじゃなくってさ……いやー、どうしたんだろ」

 頬、額と手を当てて熱を冷ます。

 憂とのキスなんて、今まで何万回としたはずなのに。

 こんなにどきどきするものだっただろうか。

唯「はあぁー、ふぅー……」

 大きく深呼吸をして、鼓動を落ち着ける。

 洗濯機に置かれていた手をすくい上げて、背中に連れて来させた。

 きーん、と高い音を上げて洗濯機が水を吸っていく。

 洗濯槽の回るモーター音が、忙しく床を揺らしている。



325 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/22(火) 10:14:07.35 ID:zYmZJ1hDO


唯「いっ、いくよ、憂」

憂「んっ……」

 憂に抱き寄せられるように進み出、くちびるを重ねた。

 暖かくて柔らかい。

唯「ふぁむ、ん……」

 静かに合わせているだけで、幸せが津波のように押し寄せてくる。

 頭が流されてしまったようで、ちょっとわけのわからない声が飛び出た。

 離れる前に二度、くちびる同士の感触を与えあう。

 小さく、キスが「ちゅ」と言った。

唯「……えへへ。憂とちゅーしちゃった」

憂「私なんて、お姉ちゃんとちゅーしちゃったよ?」

 顔をりんごみたいに赤くしたまま、私たちは冗談みたいなことを本気で口にした。



327 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/22(火) 10:17:26.03 ID:zYmZJ1hDO


 恥ずかしさに顔をうつむけつつ、憂の腕の外へ出る。

 洗濯機はまだうるさく喚いていた。

唯「憂。このこと、お母さんたちに」

父「もう知っちゃったけどね」

 憂の頬に手をそえ、言いかけた半ばに脱衣場に黒い影が射した。

唯「うわぁっ!?」

憂「ひぇっ!」

父「ドア開けっぱなし。気をつけろ」

 お父さんはドアをつついて、あきれ顔をする。

唯「……おとがめなし?」

父「咎められると思ってないからやってたんだろ?」

唯「えへへ。まぁちょっと心配だっただけ」

憂「お父さんたちは……私たちの親だから」



329 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/22(火) 10:20:17.52 ID:zYmZJ1hDO


父「お前たちの親だからこそ、咎められないんだよ」

 困ったような顔でお父さんは言う。

父「唯たちが選んだ道は、父さんたちよりずっと厳しい道だよ。正直、止めたい気持ちもあるんだが」

唯「……止められないんだよね」

父「そうだな。厳しい道だからと言って止めたりするのは、父さんたちの幸せを否定することになる」

 お父さんは私と憂の顔を順々に眺めた。

父「唯と憂が生まれたことを否定することになるんだ」

 ドア枠に寄りかかり、お父さんは道を開ける。

父「……おまえたちは父さんたちの子だ。願われているんだ。幸せになれるってことを、信じていい」

唯「うん、信じてる。でも確信はしないからね?」

憂「わたしが付いてるし」

 お父さんは、微笑した。

 何を見て笑ったのかは分からないけれど、私はまた勇気づけられた気がした。



331 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/22(火) 10:23:20.20 ID:zYmZJ1hDO


 前方にあるリビングルーム。

 そこに、お母さんはいる。

 私たちがすべきことは、ただがむしゃらに、まっすぐ進むこと。

 邪魔されても、怒られても、

 それでも私たちによく似たあの二人の真似をしていれば、きっといつかは辿りつける。

唯「……憂、いい?」

憂「うんっ」

 にこにこ笑顔をあふれさせて、憂は大きく頷いた。

唯「よしっ」

 気合いを入れ直し、右手を握りしめて高く掲げる。

唯「お母さんに報告にいこう!」


  おわり




332 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/22(火) 10:25:30.57 ID:GmGb/Pdn0

近年稀に見る良SS、乙です



333 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/22(火) 10:25:50.26 ID:Z2vXo8OL0

そうか




336 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/22(火) 10:28:39.08 ID:PUxirgof0

唯憂ハッピーエンドなのは喜ばしいがゴキ達とその後と唯達への態度がきになる



337 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/22(火) 10:30:02.50 ID:lGqvMoMD0


雰囲気が暗いからテンションこそ低めだけどムギと澪のレズに対するスタンスはアニメと同じなんだな



338 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/22(火) 10:35:27.09 ID:Ympys/sS0

まあ二人のわだかまりはなくなったからもう軽音部に関わる必要はないわけで
今の唯と憂ならべったりしなくても両親を模倣していけば大丈夫だろうし
澪とムギは引き止めそうだけど

最後に乙



341 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/22(火) 10:44:54.78 ID:uPOUlFr40

ここで終わりかww

乙!



344 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/22(火) 11:00:54.26 ID:/dJprpVw0





345 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/22(火) 11:05:23.61 ID:x1DCE2AjO

久しぶりに共感出来るSSだったよ





346 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/22(火) 11:05:47.63 ID:+0zGxaQ4O

おつ!ちょっと涙でた



347 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/22(火) 11:12:37.65 ID:4xSOMfgI0

乙乙
お幸せに



348 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/22(火) 11:25:24.84 ID:+RRXKOc00

おつー



349 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/22(火) 11:26:26.22 ID:IUK1/hsy0


今までになく深い唯憂だった



350 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/22(火) 11:32:28.48 ID:StQw9Q4b0

素晴らしいssでした。乙



351 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/22(火) 11:35:23.73 ID:D3RtVaibO

おつ



352 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/22(火) 12:28:07.24 ID:dN8xUl7I0


面白かった
でも両親は孫の顔は拝めないのが悲しいな

軽音部のその後は気になるな紬と澪はいいとしても律は嫌ってるようだし
このSSの梓の場合だと学校中に知れ渡っても不思議じゃないしな



353 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/22(火) 12:37:00.15 ID:zlKJCvI7O





354 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/22(火) 13:02:56.09 ID:DeOCE7tc0

このまま話を続けたら間違いなくバッドエンドだなwww



355 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/22(火) 13:06:34.24 ID:hUWTjWFA0

乙乙



356 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/22(火) 13:27:36.20 ID:5BiNgb/QO

グッときた



357 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/22(火) 13:52:58.74 ID:lgXX+eKlO

おつおつ
唯憂でここまで深く掘り下げて書いてるのは珍しいね
バッドエンドかと思ったけどハッピーエンドで良かった
ここ最近で一番だわ



359 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/22(火) 14:38:15.00 ID:LkxIZru10

乙うい



362 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/22(火) 15:18:43.34 ID:MGQBHcwZO





364 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/22(火) 15:59:21.03 ID:+vMoBVlVO

猛烈に乙だな
イロイロと考えさせられるな



365 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/22(火) 16:23:18.77 ID:CsoPAe900

面白かった乙



370 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/22(火) 19:18:11.04 ID:cDoehNQL0

梓の台詞はどういう意味だったの?
澪のこと好きだったのかな



371 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/22(火) 19:44:54.75 ID:Z2vXo8OL0

なんじゃねーの



372 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/22(火) 19:59:48.22 ID:DDZrEaA+O

乙です



373 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/22(火) 20:19:46.78 ID:d5VWWe+/0

お疲れ様でした



376 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/22(火) 21:47:56.92 ID:2uhUBWYZ0


なんで澪はひっぱたいたの?



378 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/22(火) 22:26:54.99 ID:mFoyYbB70

おつ乙
でも実際近親愛同性愛に対する風当たりはこんなもんじゃないだろうな





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タイトル:
NO:1077 [ 2011/02/23 01:49 ] [ 編集 ]

唯憂の苦悩を伴う姉妹百合は良作が多いと思う。
ただ、今後の軽音部との関係、雨の屋上で梓とムギの何かありげなシーン
等今後が気になる要素がちらほら。
姉妹が体だけの関係から互いを必要とし共に歩む決意が固まった時点で
話の命題解決をみているから続ける必要はないと思うが、
母親を始めその想いを外に伝え、関わるか等今後が読みたい作品です。

タイトル:歴史に残る名作だ(泣)
NO:6482 [ 2012/05/11 14:40 ] [ 編集 ]

もうホントに素晴らしかった!!レズ、近親愛とかの問題を取り入れた感じで、重い部分もあったけど、唯憂はきっと永久に愛しあってそれこそ肉体的な繋がりだけではなく、全てにおいて愛し合って、幸せになれる事を切に願ってます!唯憂こそ至高と思ってるんで、もう小説にでもならないかな、ホント。

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