SS保存場所(けいおん!) TOP  >  カオス >  梓「ギターとか弾けませんけどなにか?」#前編

お知らせ

SS保存場所は移転しました。
現在けいおん!関連の更新はしていません。
今後更新するかは未定です。
SS保存場所






梓「ギターとか弾けませんけどなにか?」#前編 【カオス】


http://raicho.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1298381008/l50





1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/22(火) 22:23:28.34 ID:g0KnSHoV0

代理





4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/22(火) 22:30:26.52 ID:+vMoBVlVO

憂「え? 軽音部に入ってくれるの?」

梓「うん」

憂「でも、またどうして? 最初はジャズ研に興味があったんでしょ?」

梓「ああ……まあ、ね。でも新歓ライブ見て、軽音部からはジャズ研にはない、ろっくんろーるを感じたから」

憂「よくわからないけど、とにかく軽音部に入ってくれるんだね」

梓「まあね」

梓(まあ楽器なんて鍵盤ハーモニカとソプラノリコーダと
アルトリコーダとトロンボーンとユーフォニウムとハーモニカしかできないけど)





5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/22(火) 22:31:32.28 ID:+vMoBVlVO

梓「とりあえず入部しに来ました一年の中野梓です」

律「入部してくれるの!?」

梓「ええ」

唯「これからよろしくね、梓ちゃん!」

梓「こちらこそよろしくお願いします。
  どうでもいいですけど、私の父はジャズをたしなんでいるんです」

紬「まあ、それは素敵」

澪「ということはギターかなにか弾けたりするのか?」

梓「むむ。いきなりビジネスライクな話ですね」

澪「ビジネスライク……?」

梓「失礼。今のは忘れてください」



6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/22(火) 22:34:43.03 ID:+vMoBVlVO

律「それでそれで。なにが弾けるの?」

梓「エレキギターです」

梓(本当はできないけど。しかし、この軽音部の連中はなかなかハイレベルそうだ。
  もしかしたら、楽器が弾けないと言ったらボコボコにされるかもしれない……。
  ならばここは、まずは専門用語の『エレキギター』という単語を出して音楽熟練者に思わせる!)

唯「ほんとう!? わたしもギターやってるんだよ!」

梓「なんと!」

梓(チッ……ギターはもういたのか。これは大きな誤算!
  たしかバンドにギターは二人もいらないはず)

澪「って、いうことはツインギターになるってことか」

梓「?」

梓(な、なんだ? つ、ついんギター? むむ。聞き慣れない言葉だな)

紬「すごい汗かいてるけど大丈夫?」



7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/22(火) 22:37:48.60 ID:+vMoBVlVO

梓「大丈夫です。心配ないです」

紬「そう? ならいいんだけど」

律「ていうか、せっかくなんだしギター弾いてもらうのはどうよ?」

紬「そうね。私も梓ちゃんの弾くギターを聞いてみたいわ」

梓「む、むむっ……!」

梓(な、なんという不測の事態! いったいぜんたいどうすればいいんだ!?)

澪「ん? 今日はギター持ってきてないの?」

梓「え?」

澪「だから、ギター持ってきてないの?」

梓「ハハハッ、持ってるわけないじゃん!」



9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/22(火) 22:42:12.26 ID:+vMoBVlVO

澪「えっ?」

梓「あ゛?」

梓(あ゛……じゃ、ないし! 私はなにを言ってるんだ!?)

梓「あ、あははは、なんて言っちゃったりして~」

澪「……」

律「……」

紬「……」

梓(むむ……視線で死ねそうなくらい白い目!)

唯「あはは~、梓ちゃんは面白いね」



10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/22(火) 22:45:43.00 ID:+vMoBVlVO

梓「そ、そうですか? いえ、実はよく言われるんです。この前も……」

唯「それで。梓ちゃんはギター持ってきてないの? わたし、聞いてみたいなあ」

梓「そ、そんな大したことないですよ?」

梓(話を逸らそうとしたのに、逆に話題がもとに戻ってしまった!)

唯「とにかく聞いてみたい! 下手くそでもわたしが教えてあげるから大丈夫だよ」

律「いやいや、唯も始めてからまだ一年しかたってないからな」

澪「で、結局ギターはあるのか?」

梓「…………」



11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/22(火) 22:48:31.95 ID:+vMoBVlVO

梓「あの、お言葉ですけどひとつ言わせてもらってもいいですか?」

澪「私に言ってるのか?」

梓「はい。あなた以外にいません。ていうか一言申し上げる前にひとつ。お名前は?」

澪「…………秋山澪」

梓「澪……船が通ったあとにできる水の筋のことですね。いい名前です」

澪「そ、そう?」

梓「しかしまあ、そんなことは関係ないんですよ。
  澪先輩。ガツンと一発言わせていただいてもいいですか?」

澪「ガツン……?」



12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/22(火) 22:50:48.47 ID:+vMoBVlVO

梓「そもそも私は大事な大事な新入部員なんじゃないですか?」

澪「そうだよ。私たちの部活は四人しかいないからな。人数が増えれば音楽の幅は広がる」

梓「はあ~、またですか?」

澪「なにが?」

梓「澪先輩ってさっきからビジネスライクなことしか言ってませんよね?」

澪「なんだよ、ビジネスライクって?」

梓「つまり、私自体には全く興味がないんですよね? そうなんですよね?」

唯「わたしはそうでもないよ。梓ちゃん、カワイイし」

梓「ありがとうございます先輩」



13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/22(火) 22:54:17.41 ID:+vMoBVlVO

澪「その……さっきからなにが言いたいのか意図が見えてこないんだけど……」

梓「はあ、ダメですね。私が言いたいことはつまりですね。こういうことです。
  ギターができるとか以前に、まず私という新入部員を歓迎するのが必要最低限の礼儀というものでしょう?」

紬「おおっ……!」

唯「あ、梓ちゃんカッコイイ……!」

澪「……」

律「んー、まあ一理あるかな。
  たしかにせっかく軽音部に来てくれたんだしな。これからよろしくな」

梓「こちらこそ。いやあ、にしても大人の対応ですね」チラッ

澪「…………」

澪(なんかムカつく、この新入部員)



16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/22(火) 22:57:47.00 ID:+vMoBVlVO

唯「うんうん、梓ちゃんの言うとおりだよ!
  せっかく新しい部員さんが来たんだから、今日はお茶にしようよっ」

紬「そうね。そうしましょう」

梓「お、お茶……?」

梓(なにかの音楽用語か? あるいは隠語……?)

紬「梓ちゃん。紅茶は好き?」

梓「こ、紅茶……?」

梓(次は紅茶……? くっ……先輩たちがなにを考えているのか全くわからない!)

澪「『今日は』ていうか、『今日も』だけどな」

梓(今日も? どういうことだ? いや、つまり毎日やっているということか?
  だ、ダメだ! 音楽という名の海は私には深すぎてついていけない!)



17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/22(火) 23:00:05.52 ID:+vMoBVlVO

梓(いや、実はこれは文字通り『お茶』という意味しかないのでは?
  だがここで、もしヘマをしたら私が音楽トウシロだとばれてしまう)

紬「それで、梓ちゃんは紅茶は飲めるの?」

梓「え? あ、ええ! もうドンとこいです!」

律「なんか異様に汗かいてるけど大丈夫か?」

梓「あ、その、発情期なだけなんで大丈夫です! 安心してください!」

律「……え?」

梓「あー、(音楽を)早くヤりたいなあ!」

律「……」

澪「……」

梓「さあさあ、早くお茶しましょう!」



18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/22(火) 23:05:21.17 ID:+vMoBVlVO

紬「はい、紅茶」

梓「いい香り……ていうか普通に紅茶でしたね」

紬「え?」

梓「あ、いえ。こちらのお話です」

紬「そう? あ、そうそう。それからケーキもあるんだけど、なにがいい?」

梓「ケーキ!? ケーキまで出るんですか?」

唯「えへへ。毎日ムギちゃんがお菓子もってきてくれるんだよ」

梓「な、なんと……」

梓(どうやら本当にただのお茶らしい。安心安心)



19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/22(火) 23:07:14.91 ID:+vMoBVlVO

梓「いや~、イッパイ食べちゃいました」ゲポッ

澪「ひとりで三つもケーキ食べるなんて……」

紬「まあまあ。今日は梓ちゃんの歓迎会なんだし、いいじゃない?」

唯「そうだよ、澪ちゃん」

律「しっかし、見てて気持ちいいくらいの食いっぷりだったな」

梓「あ、すいません。つまようじありませんか? 歯にものが挟まっちゃった」シーシー

澪「…………」

澪(本当にこの子で大丈夫なんだろうか?)



22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/22(火) 23:11:34.87 ID:+vMoBVlVO

憂「それで軽音部はどうだった?」

梓「あー、うん。なかなか音楽に対してストイックって言うのかな?
  まあ思ったより硬派な部活だったよ」

憂「へえ」

梓「とりあえず今日から軽音部で頑張ることにするよ」

憂「応援してるね」

純「じゃあわたしも応援しておこ」

梓「ありがとうモップさん」



23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/22(火) 23:14:03.00 ID:+vMoBVlVO

唯「ほーらお食べ。梓ちゃん、あーん」

梓「あーん。んんっ……むむっ……これまた昨日に続き、なんと美味なフルーツタルト!
  生地に始まり、上に乗っかってるフルーツに終わり、まさに至高の味!」

紬「紅茶もあるから一緒に飲んでね」

梓「なんかすいませんね。こんな美味しいものを後輩の私が食べさせていただけるなんてっ」



澪「おい、律」

律「んー、なに?」

澪「部長として言うべきことがあるんじゃないのか?」

律「……なんだっけ?」

澪「練習はどうしたんだよ!?」



26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/22(火) 23:18:45.48 ID:+vMoBVlVO

律「そんなこと言われてもなあ。見てみろよ、あの幸せそうな顔」



梓「(#^ω^#)」ウメー、ナマクリームペロペロ



澪「……」

律「なっ? あんな幸せそうな顔されちゃうと、注意するのはちょっと……」

澪「情けない部長め。私がきちんと注意して練習させるしかないな」

律「今日ぐらいべつにいいじゃん。まだまだ文化祭は先だし……って、聞いてないし」

澪「おい、梓」

梓「(^ω^)」ナマクリームペロペロ

澪「……」イラッ



28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/22(火) 23:22:27.75 ID:+vMoBVlVO

澪「あ! ず! さ!」

梓「(^ω^)」ハイ?

澪「……とりあえずその顔をやめろ」

梓「(^ω^)」

梓「 (¨ω¨)」キリッ

梓「……失礼しました。私ってば美味しいものを食べると、ついついシマリのない顔をしてしまうもので」ペロペロ

澪「あとクリームをなめるのもだ。」

梓「わかりました」


澪「あのな、梓。私たち軽音部はお茶をするのが目的じゃない。
  楽器で演奏することこそが、本来の軽音部の姿なんだ」



30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/22(火) 23:27:53.85 ID:+vMoBVlVO

梓「なんか、すごく当たり前のことを言いますね」

澪「…………。
  たしかにそれは当たり前。でも、その当たり前のことがうちの軽音部はできてない」

梓「肝心の先輩方が私に、それはそれは甘いスイーツをよこしてくれますからね」

唯「このタルト、すごくおいしいのに澪ちゃんは食べないの?」

澪「それはあとで食べる」

梓「食べるんですか」

澪「当たり前だろ。食べ物を粗末にするとバチが当たるからな。
  でも、今はべつだ。とにかく軽音部に入部したからには練習しなきゃな」

梓「澪先輩っていい意味でカタイですね。あ、マジメって言ったほうがいいですか」

澪「これが普通なの」



32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/22(火) 23:30:21.59 ID:+vMoBVlVO

梓「まあ、たしかに私たちは軽音部ですからね。
  練習しなきゃいけませんよねえ」

澪「そういうことだ」

紬「そういえば、梓ちゃんはギターが弾けるのよね?
  せっかくだから演奏してみてほしいなあ」

唯「わたしも梓ちゃんのギター見てみたいなあ」

梓「なかなか良い機会です。せっかくなので、私のギターを披露しましょう」

澪「……私の気のせいかもしれないけど、梓のギターらしきものがどこにもないんだけど」

梓「それは当たり前ですよ。なにせもってきてないんですから、はい、当前のことです」

澪「あははは、なんだもってきてないのか」



33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/22(火) 23:33:04.56 ID:+vMoBVlVO

澪「……って、おい!
  なんでギターをもってこないんだよ!?」

梓「…………」

律「梓? どうした急に黙っちゃって。
  べつにギター忘れたからって怒ったりしないぞ?」

梓「いえ、忘れたわけではありません。わざともってこなかっただけです」

澪「……」

梓「いや、そんな怖い顔しないでくださいよ。一応理由はありますから」

澪「できれば、一応じゃなくてきちんとした理由を聞かせてほしいな」

梓「そこらへんは聞いてから判断してほしいですね。
  実はですね。私のギターは父からもらったものなんです」



34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/22(火) 23:38:54.30 ID:+vMoBVlVO

唯「へえ、カッコイイね。梓ちゃんはどんなギターを使ってるの?」

梓「…………」

唯「梓ちゃん?」

梓「……まあ、それはあとからお話しましょう。
  とにかく今は、私の話を聞いてください」

唯「はーい」

梓「さて、先に述べたように私のギターは父から受けとったものです」
  
澪「それで? 梓がギターをもってこなかったことと、それがどう結びつくんだ?」

梓「……実は、私の父はもうこの世にはいないんです」

紬「……え?」

律「そ、そんな……」



35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/22(火) 23:42:53.70 ID:+vMoBVlVO

梓「父がいない私の家はそれはそれは貧しいもので、食事すらままならないときもありました」

唯「ああ……だから梓ちゃんはそんなにひんそーなカラダをしてるんだね」

梓「唯先輩も人のこと言えないと思いますけどね」

唯「えへへへへ」

梓「うっししし」

唯「いえーい♪」タッチ「いえーい♪」梓

澪「……梓、早く続きを話してほしいんだけど」

梓「失礼しました。それでは話を続けましょう」



36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/22(火) 23:45:57.93 ID:+vMoBVlVO

梓「父が亡くなったのは、今から五年前です。
  そのせいで、母は五年前からジャズ演奏家をやめ、家の近くの某運送会社で働きはじめました。
  私は私で働けないながらも、友達と遊ばないといった感じでお金の無駄遣いをしないようこころがけました」

澪「…………」

梓「ただ、そんな私にもひとつだけ趣味がありました」

律「ギターだな」

梓「はい。私は時間があれば父からもらいうけたギターを常に演奏していました」

澪「もしかして、それだけ大切なギターだから学校にもって行きたくないってこと……?」

梓「いいえ、そんな理由でしたらそもそも軽音部に入りません。
  問題は……最近ギターを弾いてるとナニか出るんですよね」

律「……はい?」



37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/22(火) 23:50:37.90 ID:+vMoBVlVO

梓「より正確に申し上げるなら、ギターを弾いたその日の夜に……出るんですよね」

澪「な、なにが……?」


梓「幽霊が」


澪「な、な、なにを言ってるんだ。幽霊なんて存在するはずがないだろ……」

梓「ええ、私も澪先輩に同感でした、あのときまでは」

唯「もしかしてホントに幽霊に会ったとか?」

梓「おそらく、はい。
  私がその幽霊らしきものに出会ったのは、一ヶ月ぐらい前です。
  その日もいつもと同じように練習して、お風呂に入ってごく普通にベッドで寝ました」

紬「うんうん、それで?」



38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/22(火) 23:53:55.02 ID:+vMoBVlVO

梓「途中まではいつものように眠っていました。
  しかし、なぜだか人の視線のようなものを感じて……目を覚ましました。
  誰かいるのかな、そう思って首だけ動かそうとしたんですが、カラダが動かなかったのです」

澪「あ、アレだろ!? 脳は起きてるけど身体は起きてないっていう……!」

梓「まあ、カラダが動かないだけであればその説も有り得ますが残念ながら私、見ちゃったんですよね」

唯「なにを?」

梓「人の形をした黒い影です。
  まるで、まっくろくろすけが集まって人の形を作っているかのようでした」

澪「も、もういい!
  だいたい花粉が舞うこの爽やかな季節に、なんでそんな怖い話を聞かなきゃならないんだよ!?」

梓「まあまあ、そんなに遠慮しないでくださいよ、澪先輩」

澪「いや! もういい! わかった。私が悪かった!
  梓がギターをもって来ない事情はよくわかった! だからもうなにも話さないで!」

梓「そうですか」

梓(昨日、下校中に唯先輩から澪先輩の弱点を聞いておいてよかった)ニヤリ



39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/22(火) 23:56:25.27 ID:+vMoBVlVO

梓「とにかくそういうわけで、私は自分のギターを弾くのはイヤなのです」

唯「またまたそれは大変だねえ、梓ちゃんも。
  今度わたしの家においで。おいしいお料理をごちそうしてあげるから」

梓「ああ、この世には幽霊もいるみたいですが、どうやら天使もいるみたいですね」

唯「もう、天使だなんて……わたしが天使だったら梓ちゃんはパトラッシュだよ」

梓「うっししし」

唯「えへへへへ」

梓「いえーい♪」タッチ「いえーい♪」唯



40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/22(火) 23:57:38.93 ID:+vMoBVlVO

律「……しかしそうなると、梓はどうやってギターを弾けばいいんだ?」

梓「それでしたら他のギター……つまり、私のギターでなければ弾いても幽霊は出ませんよ」

律「うーん、じゃあ唯。ギターを梓に貸してあげたらどうだ?」

梓「ああ、その必要はないですよ」

紬「どういうこと?」

梓「澪先輩のベースギターを借ります」

澪「は……?」



42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/23(水) 00:00:35.98 ID:jQmGsVX3O

梓「ですから、澪先輩のベースを借ります」

澪「いや、私のはベースであってギターではないんだけど」

梓「弘法は筆を選ばずと言うでしょう?
  私はこれでもギターと一緒に生まれてきたと言われるぐらいには才能があります」

唯「え? 梓ちゃんはギターと一緒に生まれてきたの?」

紬「そうだとしても不思議じゃないぐらい、ギターが上手だって意味じゃないかしら?」

唯「なるほど。梓ちゃんはとにかく、すごくギターが上手いんだ」

律「いやいや。だからって、ギターとベースはべつもんだろ」

梓「試してみますか?
  私の溢れるロックソウルにかかれば、どんな楽器もギターの音しか出ませんよ」



43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/23(水) 00:03:48.70 ID:jQmGsVX3O

澪「ベースは貸しません」

梓「なんでですか?」

澪「言うまでもないだろ。
  ベースではギターの音は出せない。なにより……」

梓「ふと思い出したんですが、私がギターを弾いたときに出る幽霊はそれはそれは恐ろしい霊でして。
 低くくぐもった声で『ギターを弾かせておくれ、梓』と……って澪先輩?」

澪「見えない聞こえない見えない聞こえない見えない聞こえないていうかやめてください」

梓「じゃあ澪先輩の楽器貸してくれますか?」

澪「喜んで」

梓「ありがとうございます」



44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/23(水) 00:08:15.13 ID:jQmGsVX3O

律「なにしてんの?
  なんかネックにつけてるけど」

梓「より良いロックを追求するために少し澪先輩のベースに手を加えさせてもらいます。
  そんなに大したことではありませんので、気にしないでいいですよ」カチャカチャ

唯「より良いロックってなに?」

梓「またまたご冗談を。唯先輩ほどのお方が、ロックについて私に質問なんて」カチャ、カチャ、グギギッ

紬「わたしたちのやってる音楽はどちらかというと、ポップスよりだと思うけど」

梓「そうかもしれません。
  しかし、私のロックスピリットに火をつけたという意味では先輩方が築きあげた音楽はロックですよ」カチャ、カチャカチャ

澪「あの……私のベースになにしてるの?」

梓「そんな見ればわかるようなことを聞いてくるなんて、澪先輩って鬱陶しいですね」

澪「え?」

梓「あ、いい意味で、ですよ?」カチャン



46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/23(水) 00:12:29.72 ID:jQmGsVX3O

梓「よし、こんな感じでいいかな……」

唯「んー、梓ちゃん、澪ちゃんのベースいじってたけどイマイチどこが変わったかわかんないよ」

梓「ふふふ、まあ見ててくださいよ。
  
  スイッチオン!」

唯「アンプにつないですらいないけど、あれで演奏するのかな?」

律「さあ?」


ジジジジジジジジ



47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/23(水) 00:14:23.50 ID:jQmGsVX3O

紬「なにか音がしない?
  梓ちゃんのベースから音が聞こえてるような気がするんだけど」

律「というか、梓はなんでベース弾かずに棒立ちしてるんだ?」

唯「でもでも。立ち姿からしてなんだかホンモノっぽいオーラが出てるよ」


ジジジジジジジジジジ


梓「……っ!
  来た……今、私のロックソウルスピリットをこのベースから放ちます!」

唯「あ、あれは……!」

律「み、澪のベースの先端から……」

紬「火花が出てる……!」

澪「(゜o゜)」



48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/23(水) 00:18:57.33 ID:jQmGsVX3O

次の瞬間。
梓は肩にかけていたベースを勢いよく高々と掲げた。
ちんちくりんな身体で背伸びしているので微笑ましく見えないこともないが、本人は至って真剣である。
ない胸を精一杯張って、梓は高らかに叫んだ。


梓「うおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!」


いったいこの小柄な身体のどこからこのような力強い声を出しているのだろうか。
梓の声は部室に響き渡り、何度も反響して窓ガラスを震わせる。
しかし、ただ梓は叫んでいるだけではなかった。
梓のベースの先端からはまるで花火のように火花が威勢よく噴出していた。
やがてそれはどんどん強くなっていく。
まるで、梓の肉体から滲み出るロックスピリッツがベースを経由して溢れているようだった。

梓「これで終わりです!」

梓が再び咆哮する。


未だに火花を撒き散らすベースを梓は窓に向かって投げ捨てた。



49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/23(水) 00:22:41.58 ID:jQmGsVX3O

ガラスが砕ける音。
梓が放り投げたベースは窓ガラスを突き破り、砕けたガラスをまとって放物線を描く。
相変わらずベースは花火のような火花を撒き散らしたままだ。

澪「え? え? あれれれ?」

澪が目を白黒させる。
状況をきちんと把握できてないらしく、その光景を呆けたように眺めることしかできない。
他の部員も同様だった。


そして火花を撒き散らしていたベースが爆発した。


澪「……はい?」

澪の呆然とした呟きは爆発音によって掻き消される。
澪のベースは見事に空中で爆発してチリと化した。
軽音部一同、なにが起きたかまるでわからなかった。
炎上したベースの火が梓の自慢げな顔を赤く照らし出した。



参考動画↓5:20~
http://m.youtube.com/watch?gl=JP&client=mv-google&hl=ja&v=R-MhNAEYlbU





51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/23(水) 00:28:45.16 ID:jQmGsVX3O

梓「どうです? これが私のロックってやつです。
  弘法は筆を選ばず。先に言ったとおり、私にはどんな楽器だろうと関係ありません。
  どんな楽器だろうとそれが音を鳴らすならロックンロールを奏でてみせますよ」

紬「……ベース弾いてたっけ?
  音が全然聞こえてこなかったんだけど」

梓「なにを言ってるんですか、ムギ先輩。思いっきりしてたじゃないですか。
  大地を震わせるかのような圧倒的な爆発音。
  芸術は爆発だ、とはよく言ったものです。皆さんも聴き入っていたでしょう?」

律「いやいやいやいや。
まさかベースを爆破させるなんて、夢にも思わなかったから呆然としてたんだよ」

梓「そんなに驚くものですかね?
  ジミヘンとかザ・フー、日本だとエックスジャパンとかがパフォーマンスで楽器破壊してるじゃないですか」

唯「梓ちゃんのは破壊というか爆発してたよ」

梓「まあ、しょせん単なる破壊行為はパフォーマンスの域を出ませんからね。
  その点、爆破というものには芸術性とともにロマンを感じます」

律「……だそうだ、澪」

澪「\(^o^)/」バタン



52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/23(水) 00:32:19.03 ID:jQmGsVX3O

唯「あまりのショックに澪ちゃんが気絶しちゃったね」

梓「いささかやりすぎましたかね? 久々に本気を出してみたんですけど。
  ちなみにベースのあの火花や爆発のための装置は、工学部に通ってる友達に頼んで作ってもらったんですが……。
  まったく……今後このようなことがないように注意しておきますね」

律「この一瞬の間にさりげなく責任転嫁しようとしてない?」

梓「まさか。この中野梓にかぎってそんなことがあるわけないでしょう。
  たとえどんな苦難や困難が立ちはだかろうと、私は逃げたりしませんよ」


ガチャ


和「ちょっと失礼していいかしら?
  今しがた、どこかで爆発があったみたいだけど知らない?
  とりあえず犯人を見つけたらソイツをとっ捕まえて謹慎処分に……」


梓「ニッゲロー 三┏( ^o^)┛」



53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/23(水) 00:37:08.81 ID:jQmGsVX3O

数日後


梓「はあ……この前迷惑かけたから行きたくないなあ」

憂「そもそもなんで軽音部分に入ったの?」

梓「新歓ライブを見たら、ミエナイチカラに動かされて……」

純「ていうか、今は自宅謹慎中なんじゃないの?」

梓「ベース爆破と器物破損でね。
  まったく、あのオシャレ眼鏡女が教師にチクらなければこんなことにはならなかったのに」

純「それより聞いて聞いて。ストパーかけたんだよ
  おかげで髪縛らなくてもよくなったんだ」

梓「ふうん」



55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/23(水) 00:42:07.74 ID:jQmGsVX3O

梓「というわけで休日をはさんでのこんにちはになりますね。
  みなさん、こんにちは」

律「……」

紬「……」

澪「……」

唯「……」

梓「おやおや? みなさんどうしたんですか?
  中野梓ですよお。みなさんのカワイイ後輩の中野梓ですよ」

律「……なんで梓が学校に来てんだよ? 今、自宅謹慎中だろ?」

梓「私はロックンローラーですよ。
  たかが校則ごときに縛られたりしません。むしろ積極的にぶち壊しますよ」



56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/23(水) 00:45:04.62 ID:jQmGsVX3O

澪「……なにしにきたんだ?」

梓「お詫びをしにきたんです、澪先輩に」

澪「…………」

梓「正直に申し上げて、少し調子に乗っていました。
  私ったらつい、ハシャぎすぎちゃったみたいです。
  皆さんに自分のギタープレイを披露できるのが嬉しかったんです」

澪「……ああ、うん。百歩譲って梓の申しわけないっていう気持ちは伝わった。
  でもな。謝ったところで梓が壊してしまった私のベースは、帰ってこないんだ」

梓「百も承知です。なので、この休日の時間を利用して手に入れたんです」

澪「……まさか私のために……」

梓「はい」



57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/23(水) 00:48:49.44 ID:jQmGsVX3O

梓「日雇いのバイトをしてお金を稼ぎました」

澪「梓……」

梓「バイトで稼いだお金は大事に貯金しました。
  そして、澪先輩へのお詫びの品は父からもらいうけました」

澪「ていうか、梓のお父さんって亡くなられたんじゃなかったのか?」

梓「……澪先輩。あまり細かいことを気にしてるとハゲますよ?」

澪「…………」

梓「まあ、お互い細かいことは気にしないでおきましょう。
  私もハゲたくはありません、死ね。
  それより、受け取ってください。私の誠意です」

澪「あ、ああ……ありがとう」


梓「スッポンもどきのトンちゃんです。どうぞ」ヒョイ


澪「………………………………………………………………………………………………………………はい?」



59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/23(水) 00:54:37.60 ID:jQmGsVX3O

梓「やっぱり傷心の人のこころを癒すのは動物だと思ったんですよ。
  本来なら犬や猫を差し上げたいところでしたが、そのようなアテはさすがになくてですね。
  まあでも、アレですよ。犬はお世話が大変ですし、猫にしても壁ひっかいたりと色々と厄介ですし」

澪「……どうしてカメなの?」

梓「たまたま父が知り合いからもらったものでして。
  あ、ちなみにカメではありませんよ。先程申しあげたようにスッポンモドキです。
  これは小さいからまだ安いんですけど、それでも一万五千円ぐらいはするらしいです」

唯「すごいカワイイね! 名前はトンちゃんって言うんだっけ?」

梓「ええ。鼻が上に向いていてどことなく豚を彷彿とさせるので、そのような名前にしました」

紬「ところで、トンちゃんが入ってるこれって……」

梓「ああ、それは虫かごですよ。学校にもって行くのに大きな水槽は不便なので」



60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/23(水) 00:57:04.15 ID:jQmGsVX3O

澪「…………と、トンちゃん」

梓「どうです? 気に入ってもらえれば、私としては嬉しいんですけどね。
 個人的な見解なんですけど澪先輩ってカメとか好きそうですよね。
 
 特にカメの頭、とかね」

澪「……?」

梓「まあ、とにかく大事に育ててあげてくださいね。
  ちなみにこのトンちゃんなんですが……」


ガチャ


和「ちょっといいかしら?
  最近、楽器店とかでギターやベースが相次いで盗まれてるって話があってその中に……」

梓「ニッゲロー 三┏( ^o^)┛」



61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/23(水) 01:00:04.55 ID:jQmGsVX3O

一週間後……


唯「梓ちゃん、部活に来てくれないね」

紬「まだ謹慎が続いているのかも。
  自宅謹慎中に学校に来ちゃったのが見つかっちゃったし……」

律「ていうか、結局梓はなにがしたかったんだろうな。
  澪のベースを爆発させたあげく、お詫びにスッポンモドキを渡してくれて……」

澪「最終的にトンちゃんは部室で育てることになったとはいえ。
  ベースは金銭的な問題で買えないしな」

唯「ここ一週間は本当に一回も楽器を触ってないよね。
  なんだか不思議なんだけど、澪ちゃんのベースが壊れてからむしょうに練習したいんだ。
  なんでだろうね?」

澪「知らない。ハア……」

律「最近は楽器店の楽器が盗まれる事件が相次いでいるって理由で、あの楽器店も値引きしてくれなかったしな」

紬「短期のバイトの募集も見つからないしね」



64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/23(水) 01:04:39.69 ID:jQmGsVX3O

唯「まさにはっぽーふさがりだね」

澪「新入部員も梓以外は誰も来なかったしな。
  ……なんでだろ。もう新歓ライブが遠い過去のことに思えてくる(遠い目)」

 「ああ、それはアレですよ。歳をとるにつれて時間の感覚がどんどん早くなる現象ですよ。
  大人になれば会社や社会に拘束される分、自由な時間は減ってしまいますからね。
  かと言って自由な時間のためにニートになっても、今度は周囲の目が気になって、結局は自分の部屋に拘束される。
  つまるところ、人生の豊かさというのは時間をいかに有効に使うか、というところにあるんだと思います」

澪「べつにそんな小難しい話はしていない」

 「そうですね。ちなみに、澪先輩は引きこもりの素質があると思いますよ。
  いい意味で」

澪「いい意味でとつければ、なに言っても許されると思ってないか?」

律「ていうか、この声は……」

梓「やっほー。みなさんの癒し系女子高生のあずにゃんですよ」



65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/23(水) 01:08:39.59 ID:jQmGsVX3O

律「……」

澪「……」

梓「あらら? みなさん、どうかしましたか?
  ああ、もしかして私の存在そのものを忘れられていたとか?
  いやあ、子どものころからけっこう存在を忘れられていたりするんですよね」

澪「少なくとも、私は、あと半世紀は梓のことを忘れられないと思うけどな」

梓「これはこれは。嬉しいことを言ってくれますね。
  いや、でも真面目に私ってばクラスの打ち上げとかに呼ばれたことないんですよね。
  やっぱり、私の名前がいけないんですかね?」

紬「名前?」

梓「中野梓。
   ↓
  N・A
   ↓
  Natural・Air
 
  ほら、最終的に自然に空気ですよ」

澪「すごくどうでもいいな」



66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/23(水) 01:12:29.10 ID:jQmGsVX3O

梓「しかし、軽音部の顧問の……山中さわ子先生でしたっけ?
  あの方が私に素晴らしいあだ名をつけてくれました。
  
  あずにゃんです」

律「……もしかして、さっきから猫耳みたいなものをつけているのは、さわちゃんのせいか?」

梓「ええ。謹慎中に反省文を書かされたんですけど、反省していますしか書かなかったら
  『反省しているなら、反省している証拠として、これをつけて』と猫耳カチューシャを渡されました。
  自分で言うのもアレですけど、すごい似合ってませんか?」

唯「うん、すごい似合ってるよ! ホントの猫さんみたい。
  わたしもあずにゃんって呼んでいい?」

梓「もちろんです。よかったらみなさんも私のことを、あずにゃんって呼んでくださいね」

律「わたしは梓のまんまでいいや」

紬「わたしも、梓ちゃんのままでいいかな」



67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/23(水) 01:17:39.53 ID:jQmGsVX3O

澪「私も遠慮しておく」

梓「は?」

澪「え?」

梓「澪先輩、今なんておっしゃいましたか?」

澪「だから、梓のことはこれからも普通に梓って呼ぶってことだけど……」

梓「ええ!? 私のキモチを無駄にする気ですか!?」

澪「気持ち?」



68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/23(水) 01:24:57.21 ID:jQmGsVX3O

梓「澪先輩のベースを破壊してしまった、そのお詫びに私のことをあずにゃんと呼ばせてあげると言っているのに。
  そんな健気な後輩のキモチを無下にするつもりなんですか?」

澪「とりあえず、私としては壊されたベースをどうにかしてほしいんだけど」

梓「そういうとこはぬかりありませんね、先輩。
  しっかりしてるというか、ちゃっかりしているというか」

澪「あだ名を呼ばせるだけでお詫びを済まそうとしている梓のほうが、ちゃっかりしてると思うけどな」

梓「じゃあ私たち、似たものどうしですね」

澪「…………」

梓「いえーい♪」タッチ「い、いえーい……」澪



69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/23(水) 01:38:20.63 ID:jQmGsVX3O

梓「まあ、お詫びの件ですが、さっきのは冗談で実はきちんとあるんです。
  お詫びの品が」

澪「ふうん」

梓「むむっ、その目は信用していない目ですね。
  まあ澪先輩ってどことなく人間不信っぽいですからね。
  あ、もちろんいい意味で、ですよ?」

澪「何度も同じネタを使い回すな」

梓「なかなかどうして手厳しいですね、先輩は。
  しかし、鬼畜な澪先輩といえどもこれを見たらさすがに納得していただけるでしょう。
 
  じゃーん」

澪「こ、これは……!?」



70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/23(水) 01:41:51.65 ID:jQmGsVX3O

紬「これってベース……よね?」

梓「ええ。まぎれなくモノホンのベースですよ。
  当たり前ですが以前、澪先輩が使用していたモデルのものです」

律「もしかして買ったのか?
  いや、でもたしか澪のベースって七万はしたよな?」

澪「う、うん……もしかして、梓。
  親に頼んで買ってもらったとか?」

梓「そんなわけないでしょう。
  私の父は会社の手となり足となりクビになりましたから
  そのようなお金は一切ありません」

律「ジャズ演奏家じゃなかったのかよ、お前のお父さん。
  ていうか、うまいこと言ってんじゃねえよ」

梓「うひひひ」



71 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/23(水) 01:43:26.73 ID:jQmGsVX3O

唯「あずにゃん。これどこで手にいれたの?」

梓「……」

唯「あずにゃん?」

梓「ヒミツです」

澪「わざわざ隠す必要もないだろ。というか隠すな。
  もし、梓のお父さんやお母さんが私のためにベースを弁償してくれたっていうなら、お礼ぐらいは言いたいし」

梓「父も母もこのことには関与していませんから。気にしなくていいです。
  そもそも、私が澪先輩のベースを破壊したのが原因です。
  澪先輩はなにも悪くありません。悪いのは私で、悪いことをしたのも私ですから」

澪「……」

梓「またそんな白い目で人のことを見て。
  ……なんですか?」

澪「いや、急に梓がまともなことしか言わないから心配になっただけ」



72 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/23(水) 01:44:50.73 ID:jQmGsVX3O

律「なにはともあれ、よかったじゃん。
  澪のベースはもとに戻ったし、これで練習も普通にできるようになったわけだ」

澪「律や唯がきちんと練習してくれればな」

唯「いや~、それを言われるとキツイねえ」

澪「さっき、私のベースが壊れてからはむやみやたらに練習したくなったとか言ってなかったか?」


紬「あの……ひとつ言いたいこと、というか聞きたいことがあるんだけどいいかな、梓ちゃん」

梓「どうしたんですか、ムギ先輩?」

紬「梓ちゃんのギターはいつ聞かせてもらえるのかな、って思って」

 
梓「 (=_=;) 」ギクッ



73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/23(水) 01:50:09.90 ID:jQmGsVX3O

唯「そうだよ。わたしもまだ、あずにゃんの演奏聞いてないよ?
  澪ちゃんのベースがバクハツしちゃう音なら聞いたけど」

梓「……演奏したいのは山々なんですが、大変残念ながら無理です。
  なにせ……いえ、なんにもです」

律「……梓の話ってどこからどこまでが本当の話かわかんないんだけど。
  ギターが弾けない事情でもあるの?」

梓「まあ、ねえ……」

澪「もしかして……梓。
  梓がベースを買えたのは、その、自分のギターを売ったからなんじゃ……」

梓「……そんなわけ、ありませんよ。
  すみません。今日はもう帰ります。
  ここしばらく学校に行ってなかったので、勉強しないといけませんから」

澪「…………」



75 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/23(水) 01:51:51.23 ID:jQmGsVX3O

梓「ふう、困ったなあ。
  思わせぶりな態度とっちゃったけど、そもそもギターじたいをもってないのに売って、お金を工面するとか無理だから。
  ……あ、メールだ。真鍋先輩からだ」

和『ぁす〃さちゃωきょぅは∧〃んきょぅUT=(#^.^#)?』

梓「相変わらず、リアルのイメージとメールの内容が一致しない人だなあ。
  『ええ。今日は授業も集中してとりくみましたよ』っと」

和『このちょぅUでか〃ωは〃りなさぃょ!(^^)!』

梓「ベース爆破の件をチクられた腹いせに、嫌がらせしようとしてメアド聞いたのが間違いだったかも。
  メールボックスが真鍋先輩からのメールで全部埋まってるし……。
  そうだ。あのことを相談してみよう。

  『私、軽音部のみなさんにギター弾けるって嘘ついてるんですけど、どうしたらいいですか?』」

和『そぅレヽぇば ぁす〃±ちゃωッはTょレニけ〃レニけレヽぉん、ζ,〃レニはぃッてるσЙё?? 受レナゑ(藁)』




76 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/23(水) 02:31:30.19 ID:ys0OElyzO

和ちゃんがギャル文字……その発想は無かった。



77 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/23(水) 02:35:40.82 ID:FU+82ABPO

今来たけど>>75でわろた



78 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/23(水) 02:39:57.42 ID:AqmP45fx0

和さん・・・



79 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/23(水) 02:47:06.62 ID:Ykx1KRgJ0

ちぇけらっちょい!



80 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/23(水) 02:48:08.18 ID:JEvmi9l90

これはいったい・・・!!!





108 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/23(水) 18:20:16.31 ID:jQmGsVX3O

梓「『けっこうこっちはマジメに相談してるんですけど。
  生徒会執行部を務める真鍋先輩からなら、なにか助言を頂けるかと思ったんですが(汗)』……送信っと」

 
♪アノコハタイヨーノコマチエンジェエ-ル♪


梓「って、もう返信きた」

和『ナ=〃ッナ=らぁナょナ=がホ〃→ヵ儿ゃれは〃レヽレヽし〃ゃナょぃ(ノ><)ノ』

梓「『だったらあなたがボーカルをやればいいじゃない』。
  
……その発想はありませんでした。さすが、執行部を務めるだけありますね。
  うん、私がボーカルやろ。歌なら私でも歌えるし、そうしようっと」


キタエヌカレルドゥイッドゥイッドゥイッドゥイッヴェーイ!


梓「もういいや、真鍋先輩のメールは無視しよ。
  さて、さっそく土日明けにボーカルの件を伝えなきゃ」



関連記事

ランダム記事(試用版)




梓「ギターとか弾けませんけどなにか?」#前編
[ 2011/02/24 16:20 ] カオス | | CM(1)

コメント(アンカー機能)
●>>1と半角で書き込むと>>1と記事へのアンカーが生成される。
●*1と半角で書き込むと1とコメントへのアンカーが生成される。
上記の2つのアンカーが有効なのは該当記事のみ。

タイトル:
NO:1104 [ 2011/02/25 04:50 ] [ 編集 ]

和ちゃん……

コメントの投稿












管理者にだけ表示を許可する

サイト関連
メール ツイッター 最新記事一覧(30件)
ユーザータグ 検索

U:
P:
色々変更
好みのカラーコードをどうぞ

記事の背景色変更


本体の背景色変更


名前の色変更
IE8:重
火狐4.01:軽
chrome:軽


広告4
広告5
広告6