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澪「忘れたのか? 私にはファンクラブがついてるんだぞ?」#1 【戦争】


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1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/27(日) 15:09:05.73 ID:8fzg0lLZ0

代理





4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/27(日) 15:10:12.87 ID:hVzeTrRP0

ある日。

澪「おい律、そのケーキくれよ」

律「え、なんでだよ。やだよ」

澪「ふーん……私に逆らうんだ」

律「うっ」

澪「いいのかなー……ファンクラブの人たちが黙ってないと思うんだけどなー」

律「ちっ、分かったよ。やるよ、ケーキくらい」

澪「いいのか? ありがとう、ははは」

律「……」





6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/27(日) 15:12:13.43 ID:hVzeTrRP0

別の日。

澪「梓ー、喉乾いたー」

梓「ふうん」

澪「喉乾いたんだってば」

梓「ファンクラブの人たちに、ジュースでも買ってきてもらったらどうです?」

澪「私は梓に買ってきて欲しいんだよ。
  ほら、早く行ってきて」

梓「えー……」

澪「逆らったらどうなるかくらい分かるよな?」

梓「……何がいいんですか?」

澪「梓に任せるよ。
  でももし私の口に合わないものを買ってきた場合、
  ファンクラブの人に愚痴っちゃおうかなー」

梓「くっ……」



8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/27(日) 15:14:13.93 ID:hVzeTrRP0

これまた別の日。

先生「えー……じゃあこの問2の日本語訳を、
   秋山さんにやってもらおうかな」

ジロッ
ギロリ

先生「ひっ、なんだこの突き刺さるような視線は」

「秋山さんを指名するなんて……この鬼教師!」
「秋山さんは照れ屋さんなのに、みんなの前で答えを言わせるなんて」
「澪ファンクラブの名にかけて、秋山さんを困らせる者は……」
「もしもしファンクラブ本部ですか? この教師への攻撃許可を」

先生「ひいいいいいいい!」

澪「すみません先生、私のファンクラブの人たちが……
  でも命が惜しかったら、授業中に私を当てないほうがいいですよ☆」

先生「うう、分かったよ……じゃあ代わりに平沢さん」

唯「わかりません」



12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/27(日) 15:18:04.86 ID:hVzeTrRP0

2年前の秋に発足した秋山澪ファンクラブ。
最初は一部の生徒たちによって構成された
小規模な地下組織であったのだが、
みるみるうちに勢力を拡大していった。
その力で2代目会長・真鍋和を生徒会長に就任させると
生徒会権力を自由に振り回すようになり、
ついに桜が丘高校を完全に支配してしまったのだった。

律「くっそ、澪のヤツ……完全に調子に乗りやがって」

紬「やめたほうがいいわよ、りっちゃん。
  どこでファンクラブの人が聞いてるかわからないんだから」

律「でも黙ってらんねーよ。
  お前も色々やられただろ?」

紬「まあ……消しゴムとか、珍しい色のペン取られたりとか」

梓「小学生ですか」

律「あーあ、ファンクラブなんて無くなっちまえばいいんだ。
  そうすれば澪も元の澪に戻るってのに」

紬「りっちゃん……」

律「私はファンクラブなんかに屈しねー!
  ファンクラブ消えろー!」

「…………」



17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/27(日) 15:21:55.92 ID:hVzeTrRP0

放課後、帰り道。

唯「友達とずっと遊んでーたーい♪」

紬「見た目よさ気な女子が来たとしてもー♪」

律「僕は困らなーい♪」

梓「……」

紬「どーしたの、梓ちゃん?」

梓「いえ……あのトラック、なんかおかしいなって」

唯「え。どれ?」

梓「あそこの……」

トラック「ブロロロロロロロ」

唯「うわっ、こっち突っ込んでくるよぉー!」

紬「いやああああ!」

トラック「ドッカーン」

律「ぎゃああああああああ!」

梓「律せんぱああああああああい!」



19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/27(日) 15:25:46.48 ID:hVzeTrRP0

トラックはそのまま走り去っていった。
律は跳ね飛ばされて血まみれになったが
かろうじて息はあった。

紬「り、りっちゃん、大丈夫!?」

律「う、うぐぐ……」

唯「あわわわ、きゅうきゅうしゃ、きゅうきゅうしゃ……!
  9、9、……あれっ救急車の車って何番!?」

紬「と、とにかく応急処置をしないと……
  梓ちゃんも手伝って」

梓「……」

紬「梓ちゃん、どうしたの?」

梓「さっきトラック運転してた人……
  澪ファンクラブのバッジ付けてました」

紬「ええっ!?」

律「ま、マジかよ……ぐはっ」

梓「許せない……これが澪ファンクラブのやり方……
  ちょっと澪ファンクラブの文句を言ったくらいで……!!
  律先輩の敵は私が取ります……だから律先輩、今は安らかに……!」

律「まだ生きてるよ」



20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/27(日) 15:29:06.18 ID:hVzeTrRP0

数日後。
律は一命をとりとめてしばらく入院することになった。
澪ファンクラブへの復讐を誓った梓ではあったが、
敵はあまりにも強大であり、卑劣である。
自分一人では立ち向かうことさえも難しい。

梓(そういえば、反澪ファンクラブを掲げる
  謎の組織があるって聞いたことがある……
  けど、どうせただのウワサなんだろうな)

そんなことを考えながら
校舎と校舎をつなぐ渡り廊下を歩いていると、
どこからか声が聞こえてきた。



21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/27(日) 15:38:10.65 ID:hVzeTrRP0

「待てー、反体制者め!」
「それをこっちに渡せー!」
「にがすな、追え追えー!」

ああ、またどこかで狩りが行われているのだな、
と梓はうんざりした気持ちになった。
狩りとは澪ファンクラブに逆らう人間を
徹底的に追い立てて逮捕し、粛清をおこなうものだ。

梓(どこの誰だか知らないけど……逃げ切れますように)

見知らぬ人のために祈る梓。
そのとき校舎の影から何者かが現れ、
梓の前に走り寄ってきた。
どう見ても、何かに追われている様子である。



24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/27(日) 15:42:34.34 ID:hVzeTrRP0

梓「ど、どうしたんですか?
  まさかさっき狩りにあってたのって……」

「いいから、これを!」

追われていた人……綺麗な茶髪の3年生は、
膝に手を付き、肩で息をしながら
梓に向かって封筒を突き出した。

梓「え? え?」

「これをもって早く逃げて、早く!!」

梓「は、はい!」

何が何だか分からない。
しかしただごとではない様子だ。
梓はその彼女の手から封筒を受け取り、
踵を返して全速力で突っ走る。

十秒もしないうちに、
先程の彼女の悲鳴と、
澪ファンクラブの人たちらしき声が聞こえた。
おそらく捕まってしまったのだろう。
一瞬脚を止めたが、
梓はすぐにまた走りだした。



27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/27(日) 15:46:25.14 ID:hVzeTrRP0

梓「はあはあ……
  ここまでくればもう大丈夫かなァ……」

梓「それにしても、さっきの人、なんで追われてたんだろ」

梓「それからこの封筒……」

梓「中身何が入ってるのかな」

梓「見ちゃえ」

勝手に封筒を開けた。
中を覗くと紙切れが一枚。

梓「なんだろう、この紙」ぺらり

梓「秋山澪……?」

梓「み、澪先輩の出生証明書!?」

梓「嘘、澪先輩の両親が朝鮮人だなんて……!!」

偶然にも、秋山澪が在日朝鮮人だという秘密を掴んでしまった梓。
これを公開すれば、澪ファンクラブは……
自身が手にした力の大きさに、梓は思わず身震いをしてしまう。
そして梓は改めて、澪ファンクラブと戦う決意をするのだった。

梓「勝てる……これさえあれば!!」

   「アキヤマに告ぐ」 第1話おわり




28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/27(日) 15:47:44.32 ID:iifNvC3t0

まさかのアドルフオチ





37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/27(日) 15:59:24.44 ID:hVzeTrRP0

翌日。
梓は澪の出生証明書を手に入れたものの、
それをどのように使えばいいのか分からずにいた。
とりあえずカバンの奥底に忍ばせて、
いつもどおり学校へとやって来たのだった。

中庭の掲示板の前には人だかりが出来ていた。
澪ファンクラブ会報の号外が貼り出されていたのだ。
そこには昨日、梓に出生証明書を渡した3年生の写真が掲載され、
その上にどでかく「反体制者に粛清を!」と書かれていた。

梓(あの人、立花姫子さんって言うんだ)

澪ファンクラブに捕まった立花姫子……
今ごろどのような目にあっているのだろうか?
梓は想像を巡らせた。
澪ファンクラブに逆らうと粛清される、というのはみな知っているが、
具体的にどうなるのかは明らかにされていなかった。

憂「怖いよねー、こういうの」

いつのまにか梓の隣には憂がいた。

梓「……でも、おとなしくしてれば、何もされないし」

憂「そうだね。でもまあ、何もしてなくっても、
  何かを隠し持ってたりしたら、マズイだろうけどね」

梓「ぎくーっ」



41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/27(日) 16:03:14.58 ID:hVzeTrRP0

憂「どうしたの? 梓ちゃん」

梓「いや、なな、なんでもない……」

そうだ、持っているだけでもマズイのだ。
仮にここで澪ファンクラブの誰かにカバンを取られて
中身を見られでもしたら、その時点で
自分も反体制者として捉えられて粛清されてしまう。

梓「あのね憂、仮に、もしも、イフの話なんだけどさァ。
  そういうファンクラブに目をつけられそうなものを持ってたとして、
  どこに隠しておくべきなのかなぁ」

憂「うーん、難しいね。まず不用意に持ち歩くのは危ないだろうねぇ」

梓「だ、だろうね」

憂「ファンクラブの手が届かないところに置いとくのがいいんじゃないかな?」

梓「そ、そうだよね……」

憂「でも、そんな場所ないだろうけどね」

梓「そ、そうかな……」

憂「梓ちゃん……何か持ってるの?」

梓「持ってない、持ってないよ!」



43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/27(日) 16:05:04.57 ID:hVzeTrRP0

憂「ふーん」

梓「ちょと友達から預かり物があって、
  他の人に見られるとマズイんだよね。
  だからちょっと聞いてみただけ」

憂「そっか。
  いきなりファンクラブに目をつけられそうとか言い出すから、
  焦っちゃったよ」

梓「あははは……ごめんごめん。
  さ、もう教室行こ。HR始まっちゃうし」

憂「そうだねー。梓ちゃん」

梓「何?」

憂「あんまり危ないことはしちゃだめだよ」

梓「へ? うん……?」



46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/27(日) 16:08:55.30 ID:hVzeTrRP0

生徒会室。
そこには澪ファンクラブ会長、真鍋和と
幹部の一人である佐々木曜子の姿があった。

和「来年のファンクラブ活動費はさらに上乗せできそうね」

佐々木「どうせなら今期から上乗せできないの?
    来年、私たちはもう卒業よ」

和「ム・リ・よ。他の部活や行事との兼ね合いもあるし」

佐「このさい要らない部活とか行事は潰しちゃってもいいんじゃない?」

和「またあなたはそんなことを……」

ガラッ
会員「澪のパンツは!」

佐「縞パンツ!」
和「縞パンツ!」  ←会員同士のあいさつ

佐「どうしたの、会員ナンバー0115佐藤さん」

会員「はい、また反体制者を発見しました。
   秋山さんの悪口を言っていたのですが、どうしましょう?」

佐「悪口の内容は?」

会員「秋山さんは権力を傘にきていけすかない、うざい、などと」



48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/27(日) 16:12:47.56 ID:hVzeTrRP0

佐「ふうん……それなら『粛清』をくれてやるまでもないわね。
  上靴水没、ノート破り、体操服切り裂きくらいで許してやりなさい」

「はっ! 明日までにやっておきます!」
ガラッ

和「……」

佐「ふう……最近反体制者が多いわね。
  どう思う? 真鍋さん」

和「あなたはやり過ぎだと思うわ」

佐「バカね、これくらいはやらなきゃ。
  私たちの権力を支えているものが何だか分かる?」

和「一般生徒たちの恐怖……」

佐「そう、恐怖よ。
  私たちは圧倒的な力によって生徒たちに恐怖を植え付け、
  それによって今の権力を築いた。
  今でもまだヌルいくらいだと思ってるわ。
  それこそ反体制者が一人も出ないくらいになるまで締め付けないと」

和「そんなことをしていれば、
  いつか足元を掬われるわよ」

佐「掬われるものですか。この私が」

和「……」



50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/27(日) 16:16:38.71 ID:hVzeTrRP0

佐々木曜子。
澪ファンクラブの勢力拡大に一役買った功労者である。
そのカリスマ性によって次々と会員を増やし、
現在のファンクラブの地盤を築いた。
特筆すべきはその類まれなる演説能力であろう。
刺激的な物言いと完璧に緩急を心得た喋り方で人心を掌握するさまは
初代会長・曽我部恵をして「プロパガンダの天才」と言わしめたほどである。
彼女は澪ファンクラブに逆らう者を反体制者とし、
気に食わない人間を粛清していった。
生徒会権力をファンクラブのものとするために
真鍋和を生徒会長に仕立て上げたのも佐々木の仕業である。
そんなわけで澪ファンクラブの会長は真鍋和であるが、
実質的に権力を握っているのは佐々木の方であった。
和はそんな状況に危機感を募らせていた。

佐「反体制者へのお仕置きについては色々と実験中でね。
  もっと強くするべきか否かをね」

和「……まさか、律がトラックに轢かれたのって」

佐「ふふん」

和「バレー部の豊崎さんが階段から落ちて骨折したのも、
  お笑い芸人研究部の日笠さんが本棚の下敷きになったのも……」

佐「私じゃないわ。一部の会員がちょっとやりすぎたのよ。
  私は実験程度に留めておきなさいといったのにね」

和「あなたねえ……!!」



51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/27(日) 16:20:28.59 ID:hVzeTrRP0

和「流石にそれはやりすぎでしょう?
  下手すれば死人が出るわよ」

佐「もし出れば、さらにこの学校の人たちは
  私たちの恐ろしさを自覚するでしょうね」

和「いいかげんに……」

佐「何? 私に逆らうの?
  私のおかげで生徒会長になれたあなたが?」

和「……」

佐「真鍋さん、あなたは何も心配しなくていいの。
  私に任せてくれさえすれば、澪ファンクラブはもっともっと強くなる。
  あの反体制組織のARCHの連中だって、すぐに屈するはずよ」

和「…………ARCHといえば、
  昨日捕まえた立花さんはどうなったの?」

佐「地下壕で尋問中よ。
  あの書類の在り処はまだ吐かないみたい」

和「そう」

佐「一緒に様子を観に行ってみる?」

和「そうね。見ておこうかしら」



53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/27(日) 16:24:18.22 ID:hVzeTrRP0

地下壕。
戦時中、桜が丘高校の下に掘られた防空壕を改造したものである。
ここに入れるのは澪ファンクラブの中でも限られたメンバーだけだ。

この地下壕に、反澪ファンクラブ組織・ARCHの構成員である立花姫子が囚われていた。

佐「立花さんはこの捕虜収容室で尋問を受けているわ。
  どう、立花さんはなにか吐いた?」

会員「いえ、昨日から尋問を続けているのですが、なかなか」

和「尋問……? これが?」

部屋の中は姫子がひとりだけ。
その姫子はロープで体を縛られ、
頭に大きなヘッドホンを付けていた。

会員「はい、秋山さんの『ときめきシュガー』の朗読テープを、
   あのヘッドホンで聴かせているんです」

『大切なあなたにカラメルソース、メイプル、ハチミツ……』
姫子「ぐあああっ! いやああああ!!」

和「な、なんてむごい……
  これじゃあ尋問じゃなくて拷問でしょう!!」

佐「立花さん、全身が痒くなるでしょう、もう聞きたくないでしょう。
  早く吐いちゃったほうが身のためよ」

姫子「くっ、誰が吐くものですか……」



54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/27(日) 16:28:24.17 ID:hVzeTrRP0

佐「さあ答えるのよ。アナタ以外のARCHのメンバーは誰?
  あの極秘書類をどこへやったの?」

姫子「……」

和「ちょっと、もうやめなさい。
  こんな拷問、人道に反しているわ」

佐「立花さんが吐かないんだから仕方が無いでしょう」

和「だからって……!」

佐「音量を最大にあげなさい」

「はっ!」

『あなたの火加減でおいしくなるの!!』
姫子「ぎゃああああああああああ!!」ガクッ

佐「気絶しちゃったか……まああの恥ずかしい朗読を
  大音量で聞かされればこうもなるわね」

和(佐々木曜子……やはりこの人は危険だわ。
  なんとかできるのは会長である私だけ……
  そのためにも早くあの出生証明書を取り戻さないと、
  佐々木さんよりも先に……
  しかし、一体どこに行ったというのかしら)



58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/27(日) 16:32:14.35 ID:hVzeTrRP0

佐「さすがに口が堅いわね。
  ところで真鍋さん、これからどうする?」

和「……まずは書類を取り戻すのが先決ね、
  なにはなくとも」

佐「でしょうね」

和(ARCHの手に出生証明書が渡ったとなれば
  確実に向こうは打倒ファンクラブの行動を起こす……
  そうなれば私も佐々木さんと共倒れだわ)

佐「問題は、どうやって取り戻すか……ね」

和「難しいわね。間違いなく、どこかに隠しているでしょうし」

佐「そう? 今書類を持っている人は、
  肌身離さず身につけてるんじゃないかしら」

和「それは逆に危ないでしょう」

佐「よく考えてみなさい。ARCHにとって
  私たちと戦うための唯一の切り札、それがあの書類なのよ。
  いつ何があってもすぐに使えるように、
  常に持ち歩いているに決まっているわ」

和「そう……かなぁ」

佐「よし、抜き打ちで持ち物検査をしましょう」



62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/27(日) 16:36:05.74 ID:hVzeTrRP0

和「持ち物検査、ね。
  まあ一応やってみるのも悪くはないわね」

佐「ええ、これで見つからなければ
  学校中を虱潰しに探せばいいわ。
  それでも見つからないなら学校の外も」

和「で、いつやるの?」

佐「明日よ。他の会員たちには私から連絡しておくわ。
  教師たちには生徒会の名で申請しておくから」

和「ええ……
  じゃあ私、これで」

佐「どこいくの?」

和「ちょっと寄るところがあるから」

佐「ふうん……? じゃあまた、明日」

和「ええ、また」



64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/27(日) 16:40:13.93 ID:hVzeTrRP0

和が向かったのは病院だった。
別に病気になったわけではなく、
ここに入院している律に会いに来たのだ。

和の姿を見て、律はあからさまに嫌な顔をした。

律「……何しに来たんだよ」

和「怪我して入院してる友達のお見舞いに来ただけよ」

律「ああん? 何をひとごとみたいに言ってんだ。
  私がこんなことになったのは全部お前の澪ファンクラブのせいだろ」

和「その点については申し訳なかったと思っているわ。
  ごめんなさい。治療費は全額払うから」

律「いらんわ」

和「それから、言い訳がましくなってしまうかも知れないけど。
  ちょっと聞いてくれないかしら」

律「そんな前置きするなら最初から話すんじゃねえよ」

和「聞いてほしいのよ。
  律をトラックで轢くように言ったのは、私じゃない」

律「はあ? 命令したのがお前じゃなくても
  会員がやらかしたことならお前の責任だろうが!」

和「分かってる。落ち着いて聞いてちょうだい」



67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/27(日) 16:44:05.57 ID:hVzeTrRP0

律「言い訳なんて聞きたくないし」

和「そう、じゃあ聞かなくていいわ、勝手に話すから。
  澪ファンクラブの会長は私だけど、
  もう一人、私並みの権力を持っている人がいるのよ」

律「……」

和「それが、佐々木曜子さん。
  彼女はいわゆるカリスマでね。
  会員にも彼女の思想に染まった人が多いわ」

律「……」

和「律を轢いたのも佐々木一派の会員よ。
  それだけじゃなくて、狩りだとか、粛清だとか、
  暴力的なことをやっているのは全部。
  そうやって彼女は澪ファンクラブの絶対的な権力を築こうとしてる」

律「……」

和「そして律も分かっていると思うけど、
  澪もどっちかというと佐々木さん寄りなのよ」

律「……」

和「私だってこんな現状は望んでいない。
  できれば佐々木さんをどうにかしてしまいたいわ」

律「じゃあ早くやれよ」



69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/27(日) 16:47:55.86 ID:hVzeTrRP0

和「それがね、私一人の力じゃどうにも……
  私は確かに会長ではあるけど、完全にお飾りの状態なのよ。
  澪ファンクラブが生徒会を後ろ盾にするためのね。
  だから実質的に、私はファンクラブ内での権力はないに等しい」

律「……」

和「だから律に協力してほしいの」

律「ああん?
  なんで私が巻き込まれなきゃいけねーんだ。
  ファンクラブのことはファンクラブで解決しろよな」

和「だからそれが難しいから頼んでいるの。
  律にはファンクラブに入ってもらって、
  澪を佐々木さん側からこっち側に寄せてほしいのよ」

律「それに何の意味があるんだ?」

和「ファンクラブの最大権力者は私でも佐々木さんでもなく、結局は澪なのよ。
  澪を私の側に付けられれば、佐々木一派に対して断然有利になれるわ。
  今、澪はお姫様のように持ち上げられることに酔いしれて、
  佐々木一派の方に付いている。だからそこから引き剥がすことは難しいけど」

律「澪の親友である私が和側について、澪を説得すればできる、ってか?」

和「そういうことよ」




197 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/27(日) 22:55:41.35 ID:6m7RfWVT0

>>67
>澪ファンクラブの会長は私だけど、
>もう一人、私並みの権力を持っている人がいるのよ

>>69
>私は確かに会長ではあるけど、完全にお飾りの状態なのよ。
>だから実質的に、私はファンクラブ内での権力はないに等しい



199 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/27(日) 22:57:23.12 ID:yvKCaLi80

>>197
和が会長だから権力を持っているって律が思ってたんだからそう説明して問題ないんじゃね



200 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/27(日) 22:58:41.33 ID:8wqzsYpn0

>199
最初から、会長は私だけど権力は無い、権力者はあいつ
って話すだろうな普通



203 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/27(日) 23:05:35.93 ID:yvKCaLi80

>>200
疑ってる奴がいきなり実は私には権力無くて全部アイツがやってる
なんて言ってきても信用し難い…と思う多分





70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/27(日) 16:51:46.69 ID:hVzeTrRP0

律「バーカ、あいつはファンクラブの力をちらつかせて
  私からケーキを取っちゃうような奴だぞ。
  今のあいつが私の話を素直に聞くとは到底思えん」

和「それはファンクラブに入っていないからでしょう?
  ファンクラブに入って澪の仲間になれば、
  あなたが邪険に扱われることもなくなるはずよ」

律「なんか怪しげな勧誘をうけてる気分だ」

和「とにかくまずはあなたの力が必要なのよ」

律「でもそんなことでうまくいくのかよ。
  お前の話聞いてると、澪がお前側についたくらいで
  佐々木一派はびくともしないと思うんだけど」

和「いいえ、大丈夫よ。
  もうひとつ、この状況を覆せるファクターがある」

律「なんだよ、それ」

和「それはまだ言えないけど、私はなんとかして
  佐々木さんより早く手にいれてみせるわ。
  その暁には協力頼んだわよ、律。
  澪ファンクラブ第1隊・エンペラーの座は
  あなたのために空席にしてあるんだから」

律「まだ協力するとは言ってない!
  お前のことも信用してないしな」



72 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/27(日) 16:55:36.39 ID:hVzeTrRP0

和「そう、でもいつか心変わりしてくれると信じてるわ。
  今の澪ファンクラブは、全校生徒からの憎しみの対象だと思ってるから」

律「その澪ファンクラブのトップが言う言葉じゃねえやな」

和「かもしれないわね。じゃあ私は帰るわ」

律「ああ」

和「……ところで律」

律「なんだ?」

和「澪のご両親がどこの生まれか、知ってる?」

律「……」

和「……」

律「……」

和「……」

律「知らんな」

和「そう」

和は短く別れの挨拶を告げると、
律の病室を後にした。



74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/27(日) 16:59:29.42 ID:hVzeTrRP0

その数分後、唯と紬、そして梓が
見舞いにやってきた。

唯「やっほーりっちゃん、お加減いかが?」

紬「フルーツバスケット買ってきたの。良かったら」

律「おー、ありがとう……
  ところでお前ら、会わなかったか?」

梓「え、誰にですか?」

律「いや、会ってないならいいんだ」

梓「?」

唯「いつまで入院?」

律「2ヶ月くらいだってさ」

唯「ふーん、結構長いんだねー」

律「退院しても通院しなきゃいけないからなー。
  やってらんないぜほんと」

紬「許せないわね、澪ファンクラブの人たち」

唯「一発ぶん殴ってやりたいね」

梓「あのー……そのことなんですけど」



77 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/27(日) 17:02:35.63 ID:hVzeTrRP0

唯「ん、何?」

梓「律先輩のかたき……取れるかも知れないです」

紬「どういうこと?」

梓「実は……言おうかどうか迷ったんですが、
  こんなものを偶然手に入れまして」すっ

唯「何この封筒」

梓「中、見て下さい」

唯「? うん……」ぺらり

紬「これ、澪ちゃんの出生証明書?」

唯「え、ええーっ! 澪ちゃんのお母さんって朝鮮人だったの!?」

紬「ということは、澪ちゃんって在日朝鮮人ってやつ?」

唯「えええええ……在日だったなんて……
  薄々そんな気はしてたけど」

紬「在日と一緒に毎日部活やってたなんて……」

律「……」



82 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/27(日) 17:11:38.03 ID:hVzeTrRP0

唯「あずにゃん、どこでこんなものゲットしたの?」

梓「立花姫子さんって知ってますか。
  今日壁新聞に出てた……」

唯「姫子ちゃんならうちのクラスメイトだよ」

梓「あ、そうだったんですか。
  その人から渡されたんです、それ。
  私が受け取って逃げてる途中に、立花さんは
  澪ファンクラブに捕まっちゃって……」

紬「そうだったの……」

梓「そ、それでですね……
  これを大っぴらにしてしまえば、
  澪ファンクラブは転覆するんじゃないか、と」

唯「おー、確かに! すごいよあずにゃん、大手柄じゃん!」

梓「えへへ……」

紬「でも、大っぴらにするって言ってもどうやって?
  掲示板なんかに貼ってもすぐ剥がされるでしょうし」

唯「コピーして大量にばらまく、とか?」

紬「いいわね、それ」

律「オイ」



85 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/27(日) 17:25:02.15 ID:hVzeTrRP0

唯「なに、りっつぁん」

律「……あんまり先走ったことはしないほうがいいんじゃないのか?
  相手は澪ファンクラブだぜ。
  規模もデカイし、手段を選ばない卑劣なヤツらだ。
  小手先のやり方じゃ逆にやられるだけだと思うぞ」

紬「うーん、確かに……
  じっくり作戦を練ってから行動したほうがいいわね。
  これを持った立花さんを澪ファンクラブが追っていたということは、
  生徒の誰かにこれが奪われたことは澪ファンクラブも知ってるだろうし……」

律「ああ、知ってるだろうな」

梓「そうですね、ファンクラブも警戒を強めてるはずですね……」

唯「えー、じゃあどうするの? 黙って見てるだけ?」

梓「そうは言ってません、とにかく安直な行動は避けたほうがいいってことです」

紬「そーね。この出生証明書は唯一の武器だもの……
  使いどころは考えないと」

律「ああ、そうだな」

梓「そうだ、律先輩、これ預かっといてもらえませんか」

律「え、私がか」

梓「はい、私が持ってるより安全でしょうし」



87 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/27(日) 17:28:14.76 ID:hVzeTrRP0

律「……そうだな。
  あいつら、血眼になってこれを探してるはずだ。
  学校には持っていかないほうがいい」

梓「それにここなら、流石の澪ファンクラブも
  暴れられないでしょうしね」

律「おう、預かっとくよ」

梓「お願いします」

紬「ところでどうする? 今後の作戦!」

梓「ムギ先輩、なんかテンション上がってませんか」

唯「はい、ととのいました!
  まずあずにゃんが爆弾を抱えてファンクラブに突っ込みます!
  私たちはそのスキに……」

梓「真面目に考えてください!」

律「つーか病室で騒ぐなよ。個室だからいいけど」

そのあと、4人は遅くまで作戦会議を続けた。
これといった案は出なかったので、
また明日への持ち越し、家に帰って各自考えておくように、
と律が総括して、解散になった。



88 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/27(日) 17:31:22.13 ID:hVzeTrRP0

病室には律ひとり。
消灯後、布団の下から封筒を取り出し、
窓から差し込む月明かりにかざす。

律「今日、和が言っていたのはこれのことか……」

律「澪が在日だってこと……
  ずっと隠せるかと思ったけど、
  こんなとこで明らかになっちゃうなんてな」

律「でも仕方ない。
  今はこれがあの忌々しい澪ファンクラブを
  ぶっ倒すための、ただひとつの武器なんだ」

律「梓たちにはどうにか頑張ってもらって、
  これをなんとか全校生徒に公表してもらわないと」

律「そうすれば澪も、目をさますはずだ」

律「悪いな和、やっぱりお前には協力できない。
  澪ファンクラブ内の派閥がどうなっていようと、
  お前がファンクラブにいる時点で私の敵だ」

律「こっちはこっちでやらせてもらうぜ。
  この出生証明書があるぶん、
  私たちのほうが一枚上手なんだからな……」



90 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/27(日) 17:39:50.76 ID:hVzeTrRP0

翌日。

先生「えー、生徒会の風紀活動の一環ということで、
   抜き打ちの持ち物検査をしまーす」

「持ち物検査ー?やだー」
「うわーゲーム持ってきてるんだよ今日」
「私もゲームキューブ持ってきたー」
「ファッション誌ってアウトかなー」
わいわいがやがや

梓「……」

先生「持ち物検査は生徒会直属機関である
   澪ファンクラブの真鍋会長と佐々木さん他幹部の方たちが
   順々にクラスを回って行われるそうなので、
   みなさんはそれまで待っていてください」

「やべーぼしゅられるー」
「あっアイツに今日CD貸したんだったー」
「まじでーそれ没収されるんじゃねー」
わいわいがやがや

梓(澪ファンクラブが……ということはやっぱり
  あれを探すための持ち物検査か)



91 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/27(日) 17:48:21.65 ID:hVzeTrRP0

持ち物検査終了後。

梓「ふぅーっ」

憂「どうしたの梓ちゃん、すごくホッとしてるみたい。
  なにか危ないもの持ってたの?」

梓「いやー、今は持ってないよ」

憂「今は?」

梓「昨日のうちに律先輩に預けといたんだ。
  それが何かは言えないけど」

憂「そうなんだ」












憂「そうなんだ」



96 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/27(日) 17:54:45.21 ID:hVzeTrRP0

その頃、3年生の教室。

紬「いきなり持ち物検査だなんて」

唯「澪ちゃんの出生証明書、
  りっちゃんに預けといてよかったねー」

紬「しーっ、唯ちゃん声大きい!!」ガッ

唯「む、ぐがぐぐ……」

瀧エリ「……」



97 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/27(日) 17:58:58.38 ID:hVzeTrRP0

生徒会室。

幹部「澪のパンツは!」

佐「縞パンツ! ……で、
  あなたの教室では見つけられたの?」

幹部「いえ、例の封筒や書類は誰も……
   制服のポケットからペンケースの中、
   ノートや教科書の間まで徹底的にさがしましたが」

佐「そう、やはり持ち歩いている人はいないのね……」

幹部「それで、どうするんです?
   今度は学校中を探して回りますか」

佐「それしかないでしょうね。
  真鍋さんもそれでいい?」

和「そんなに結論を急ぐこともないわ。
  今後のことも含めて今日の幹部会議で話し合いましょう。
  学校中を捜索するよりももっと効率のいい方法があるでしょうし」

佐「そうね。じゃあ放課後、緊急幹部会議ってことで
  他の幹部にも伝えておくわ」

和「ええ、お願い」



104 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/27(日) 19:04:48.59 ID:hVzeTrRP0

◆出演者

中野梓
平沢憂
鈴木純

秋山澪
真鍋和
佐々木曜子

平沢唯
田井中律
琴吹紬

瀧エリ
佐藤アカネ
立花姫子
高橋風子



105 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/27(日) 19:06:08.87 ID:hVzeTrRP0

放課後。
今日も律の見舞いにやってきた軽音部の3人。
しかし今日は昨日とは違い、先客がいた。
瀧エリと佐藤アカネである。

エリ「やあ、おじゃましてまーす」

佐藤「どうも」

唯「あれー、エリちゃんにアカネちゃん、どうしたの?」

エリ「ちょっとお見舞いにね」

律「お前らも座れよ」

紬「はーい」

梓「……」

唯「どーしたの、あずにゃん」

梓「この人達、ファンクラブの人じゃないんですか?」

唯「ええっ!?」

梓「まさか、あれがここにあることを探り当てて……!?」

唯「そ、そんなー! 私があのときうっかり口を滑らせたから?」

エリ「あー違う違う」



106 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/27(日) 19:10:05.22 ID:hVzeTrRP0

佐藤「秋山さんの出生証明書がここにある、
   っていうのを平沢さんから聞いてやってきたのは当たりだけどね」

エリ「私たちはあなたたちの味方よ」

唯「え、どういうこと?」

梓「まさか……ARCH?」

エリ「ぴんぽーん、大正解」

ARCHとは澪ファンクラブを打ち倒すために
密かな活動を続けている地下組織だ。
瀧エリはそのリーダー、佐藤アカネが副リーダーであった。
また先日捕まった立花姫子も構成員の一人である。

梓「実在したんだ……」

エリ「いやー、もっと目立った活動が出来ればいいんだけどね……」

佐藤「現状ではファンクラブに叩き潰されるだけだしね。
   メンバーもファンクラブに比べて少ないし……」

律「まー仕方ねーよ。
  今はファンクラブの力が圧倒的だしな」

エリ「そうだね。でもそんな状況を
   覆せてしまうものが、ここにある」

梓「……」



108 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/27(日) 19:13:15.56 ID:hVzeTrRP0

唯「澪ちゃんの出生証明書のこと?」

佐藤「そうよ、それが今のところ、
   澪ファンクラブに対抗できる唯一の手段」

エリ「そこでお願いなんだけど、
   その出生証明書を私たちに渡してほしいの

紬「ええっ!?」

エリ「お願い。このままじゃみんなまで戦いに巻き込むことになっちゃう。
   それだけは避けたいから……」

唯「……」

紬「……」

エリ「だめかな……」

唯「いやいや、むしろ巻き込んで欲しいくらいだよ」

エリ「え?」

紬「うん、私たち、りっちゃんのカタキを取るって決めたもの!」

唯「そうだよ、むしろエリちゃんたちだけで戦うほうがダメだよ。
  私たちにも戦わせて欲しい」

エリ「二人とも……ありがとう!」



110 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/27(日) 19:16:26.26 ID:hVzeTrRP0

唯「あずにゃんも、それでいいよね?」

梓(いやいや絶対よくないし。なんでそんな簡単に信用しちゃってるの。
  この人たち澪ファンクラブの回し者かも知れないのによく笑顔で一緒に戦いたいとか言えますね。
  ARCHだっていう確たる証拠もないし。少しは警戒心ってものがないんですか。
  こんなんじゃこの先マジ不安なんですけど……
  って言っちゃおうかな)

困った梓はちらっと律の表情を見やる。
律は梓の考えを見抜いているようだった。

律「仲間が増えるのは心強いな。
  でもこの出生証明書はエリやアカネには触らせない。
  梓にだけ持たせておく。
  それが、私たちが協力する条件だ」

佐藤「うーん、仕方ないわね。
   信用してもらえないのは覚悟の上だし……」

エリ「うん、それでいいよ。
   それが私たちの武器にできるのは変わりないし」

梓(うーん、まあいいか……
  この人達が本当にARCHなら協力しないのは惜しいし
  もし違ったら出生証明書持って逃げたらいいんだ)

律「ほれ梓、これ」

梓「はい、預かります」



111 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/27(日) 19:23:37.90 ID:hVzeTrRP0

唯「それで、これからどーするの?」

佐藤「私たちとしてはなるべく早く行動を起こしたい。
   姫子を助けたいから」

紬「そうか、捕まっちゃってるのよね」

律「つーか何日も家に帰らなかったら
  流石に親が怪しむんじゃねーのか?
  警察に通報されたりしたら終わりだろ」

佐藤「緊急で部活の泊り込み訓練が
   行われるってことにしてるらしい」

律「無理あるだろ」

唯「そういえば捕まったらどうなるの?
  殺されちゃうの?」

エリ「さすがに殺されはしないよ。
   ウワサによると、不快な音を何日も聞かせ続けて脳細胞を破壊し、
   秋山さんに忠誠を誓うよう洗脳されちゃうらしいよ」

紬「な、なんて恐ろしいの……」

エリ「だから、姫子が洗脳されちゃう前に早く助けたいの」

梓「うーむ、それは急いだほうがいいですね」



112 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/27(日) 19:24:20.96 ID:hVzeTrRP0

佐藤「やっぱりこの出生証明書を
   放送部を通じて公開するのが一番効果あると思う」

エリ「でも放送部は完全に澪ファンクラブに支配されてるよ。
   放送部だけじゃなくて、新聞部とかも」

唯「でも、なんとかスキをつけば」

梓「無理でしょう、向こうだってこっちの動きを読んで
  部活動中は警備を固めてるに決まってます」

紬「じゃあ誰もいないときに放送室に忍び込むってのは?」

エリ「鍵が手に入らないよ」

唯「職員室の先生をちょこっと騙くらかして借りればいいよ」

エリ「危険だよ。今や教師は半分以上が
   澪ファンクラブ会員だって言われてるし、
   放送部員以外が放送室の鍵を借りるなんて
   こっちのやること見抜かれて終わりだよ」

唯「よし、じゃあもう放送室のドアをぶち破って……」

梓「あそこセコムついてるからすぐバレますよ」

唯「えー、じゃあもう八方塞がりじゃん!!」

律「あのー」



113 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/27(日) 19:28:14.22 ID:hVzeTrRP0

エリ「なに、りっちゃん」

律「澪が在日だってのを公表するんじゃなくてさ……
  まずその弱味につけこんで
  澪をこっちに引きこむっていうのはどうだ?」

梓「澪先輩を脅迫するってことですか?」

律「脅迫とか言うと人聞き悪いけど。
  澪をこっちの味方にしたほうが、色々うまくいくだろ?
  ファンクラブの最高権力者ってのは会長の和じゃなくて、
  結局は澪なんだからさ」

佐藤「うん……いいかもしれない。
   秋山さんが一人でいるところを狙って
   出生証明書を突きつけて、
   言うことを聞かなければこれを公表する、と脅す……
   成功すればファンクラブに対してかなりのアドバンテージになるわ」

唯「すごーいりっちゃん、頭いいー。
  和ちゃんみたーい」

梓「でも澪先輩が一人になる時なんてあります?
  いっつもファンクラブの人に囲まれてるじゃないですか」

佐藤「まあ確かに……トイレに入ってるときくらいか」

唯「あ、じゃあ学校中のトイレに張り込んでれば!」

梓「もっと考えて発言してください!」



114 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/27(日) 19:32:39.55 ID:hVzeTrRP0

紬「うーん、じゃあ澪ちゃんの一日の行動を観察して、
  一人になるタイミングを研究するとか……」

エリ「そんな気の長いことやってられないよ、
   姫子を助けなきゃいけないのに」

紬「あ、そっか」

唯「うーん、むずかしーなー……
  澪ちゃんに出生証明書を誰にも邪魔されず、
  確実に見せつける方法か~」

エリ「うーん……」

佐藤「結局のところ、
   秋山さんに出生証明書を突きつければいいのよね」

唯「そーだね」

佐藤「じゃあ、秋山さんを一人で呼び出すのはどうかな?
   大事な話がある、ふたりきりで言いたいから
   誰にもついてこさせずに、一人で来てくれ、とか言ってさ」

梓「いいですね、それが一番手っ取り早いです」

律「本当に澪をひとりにできるかどうかが問題だが」



115 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/27(日) 19:38:11.41 ID:hVzeTrRP0

紬「そっか、逆にファンクラブは澪ちゃんを囮として利用するかも。
  澪ちゃんが一人でやって来たように見せかけて、
  そして集まった私たちを、隠れていたファンクラブの人たちが一網打尽……」

梓「ありえますね」

エリ「それなら東校舎の屋上に呼び出せばいいよ。あそこなら何も隠れる場所がない」

律「よし、じゃあそれで決まりだ」

エリ「秋山さんを呼び出すのは、唯に任せていい?」

唯「え! 私?」

エリ「秋山さんも唯が相手なら、警戒心薄れるだろうし」

唯「うーん、そうかなー。ていうかそれどういう意味?」

佐藤「じゃあ平沢さんが秋山さんをメールで
   大事な話があるって言って東校舎の屋上に呼び出す。
   念のため秋山さんへの呼び出しを掛ける前に
   先に私たちが東校舎の屋上に行っておいて、
   ファンクラブに先回りされないようスタンバイしておく。
   あとは一人でやってきた秋山さんに……」

梓「うん、完璧な計画ですね」

律「任せたぞ、私は病院から応援してるからな」

エリ「おうよ!」




121 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/27(日) 20:04:31.95 ID:Jwmuzt8A0

アドルフに告ぐとか懐かしいわ



122 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/27(日) 20:05:48.63 ID:qXRGS/aoP

お話自体はそんなに悪くないんだから、安易に在日設定を使わないほうがいいと思う



124 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/27(日) 20:07:34.19 ID:IIWcJ43zP

ヒトラーはユダヤ人だった、という話に擬えてるんだから在日設定なんでしょ





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澪「忘れたのか? 私にはファンクラブがついてるんだぞ?」#1
[ 2011/02/28 13:44 ] 戦争 | | CM(2)

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タイトル:
NO:1159 [ 2011/02/28 18:33 ] [ 編集 ]

律「つーか何日も家に帰らなかったら
  流石に親が怪しむんじゃねーのか?
  警察に通報されたりしたら終わりだろ」

それ以前に、お前轢き逃げされてんじゃんw
警察どうした?

タイトル:
NO:1163 [ 2011/03/01 06:46 ] [ 編集 ]

そもそも律澪梓厨くさい話だな
紬と唯いらなくね?

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