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唯「ういーにーどきっす!」#後編 【非日常系】







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唯「ういーにーどきっす!」#前編




65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/01(火) 18:09:03.27 ID:GsX94ckT0


――――

 翌朝、窓から入ってくる日差しに目を開く。

唯「……ん」

 昨晩眠った時と同じように、私は憂と抱き合っていて、

 くちびるは唾が乾いて貼りついてしまっていた。

 カラカラになった舌が、同様の憂の口の中を擦る。

 さすがに痛くて、舌を引っ込めた。

唯「……」

 まだ眠っている憂の寝顔を見つめ、唾液を出していく。

 舌を濡らしつつ、憂を仰向けに寝かせて覆いかぶさる体勢になる。

 右の頬がペリペリ言った。

 どうやら涎で憂の頬とくっついていたらしい。



66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/01(火) 18:13:15.78 ID:GsX94ckT0


 舌で憂のくちびるをこじ開け、つばを垂らしていく。

 そのままではむせるので、舌を叩いて憂の目を覚まさせる。

憂「んー……?」

唯「おふぁよ、うい……」

憂「……ん、おふぁお、……ちゅ」

 ねぼけた顔でくすりと笑い、憂は小さく喉を鳴らす。

 憂がじわっと温かくなったかと思うと、口の中が湿り気を持ち始める。

 憂は私の舌を押し返すと、乾いたくちびるをぺろりと舐めた。

 貼りついたくちびる同士が剥がされる。

唯「ぁむ、ちゅっちゅ」

 離れた後、いくつかキスをしてからベッドに転がる。

唯「ふへぇ……映画だっけ」

憂「うん。それでアイス屋いってお買いもの」



67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/01(火) 18:17:49.54 ID:GsX94ckT0


 布団を持って起き上がる。

 憂がかぶっていた布団もめくれて、一瞬冷たい風に憂が体を震わせた。

唯「うむ……ぁ」

 時計を見ると、11時を過ぎていた。

 憂とキスして寝ると眠りが深くなりすぎていけない。

 普段は目覚ましをかけておくと憂が気付いて起こしてくれるが、

 休日だといつも10時間以上眠ってしまう。

唯「けっこう寝ちゃったね」

 ベッドから降りて、「のび」をする。

憂「あ、ほんとだ。ちょっと急がないと、買い物やる時間なくなっちゃうかな?」

唯「うーむ……」

 目的の映画館まで行くのが早くて40分。電車の都合が悪いともっとかかる。

 映画は短くて90分。移動時間も考えて、2時間考えておくのがいい。



68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/01(火) 18:21:03.45 ID:GsX94ckT0


 ご飯を食べて、おしゃれもしなきゃいけないから出発までの時間もかかる。

 あまりゆっくり買い物をする余裕はないかもしれない。

憂「早く支度しよっ?」

唯「そだね」

 家に居ようと外へ出ようと憂と一緒にいられるのは同じだけれど、

 せっかく遊びに出るのだからキスだけでなく楽しいことをしたい。

 私は、元わたしの部屋へ向かい、今日の服を選ぶことにして、

 憂にはお昼ご飯を作ってもらうことにした。

――――

 ご飯のあと、シャワーを浴びてさっぱりする。

 ゆっくり洗いっこしている時間は無いので、ひとりずつサッと体を洗う。

 キスをしながら体を洗ってもらうのに慣れているとは言っても、特に寂しくはない。



70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/01(火) 18:25:07.62 ID:GsX94ckT0


 シャワーを浴びて髪を乾かしていると、憂が控えめにドアを叩いてきた。

唯「おー、なにー?」

憂「ねぇお姉ちゃん、これ私が着るの?」

唯「うん、そだよ。変だった?」

 とびきり可愛いのをセレクトしたつもりだったけれど、お気に召さなかっただろうか。

憂「こ、このスカートさぁ……」

 ポーズを変えて確かめているのか、とんとん床が鳴る。

憂「短いし、薄すぎない? ちょっと動いただけでふわふわって上がっちゃうよ」

唯「可愛いでしょ?」

憂「かわいいけど……見えちゃうじゃん」

唯「なにが?」

憂「そんなしょうのないことわざわざ言わせようとしないの」

 ドアの向こうで憂がちょっとむくれた。



71 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/01(火) 18:29:06.21 ID:GsX94ckT0


唯「あは、ごめんごめん。……でもだいじょぶだよ、スカートの中は見えないから」

憂「見えるって、これ」

唯「大丈夫。鉄壁だもん」

憂「……?」

 髪を乾かし終えて、私も畳んでおいた服に着替える。

 ドアノブに手をかけて開ける。

唯「おぉ、可愛い可愛い!」

憂「う……でも、ちょっと寒いかも」

唯「ほんとに?」

 太ももをさすってあげると、廊下に立っていたせいもあってか肌は冷たい。

唯「今の時間で寒いってなると、帰る時には大変だね」

憂「うん……お姉ちゃんのタイツ借りていい?」

唯「しょうがないなぁ……履いてきたらもうすぐ出かけちゃお」



72 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/01(火) 18:33:04.72 ID:GsX94ckT0


 バッグを持ち、玄関で憂が履き替えてくるのを待って、手を繋いでドアノブを持つ。

憂「あっ」

唯「ん?」

 憂が声をあげたので、振り返る。

唯「……ん、ちゅ」

 くちびるが押されて、ひとくち下唇を食べられた。

憂「えへへ。行こっか」

唯「……く、油断した」

 始めたころは、くちびるを合わせるだけのキスを1日に1度するだけだった。

 けれどその数は加速度的に増えていって、すぐに数え切れなくなった。

唯「もう。行くよ」

 だからここでキスされるのは当たり前なんだけれど、

 何故かそれを予想していなかった。

 私はいったい何を慌てているんだろう。



74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/01(火) 18:37:01.67 ID:GsX94ckT0


――――

 電車を乗り継いで、片田舎から大都会へと旅をする。

 駅から出ると、桜ケ丘よりも人はうんと多くて、自然と憂の手を強く握る。

唯「うい、はぐれてない?」

 少し体が離れた気がして振り返る。

憂「ちゃんといるよ、お姉ちゃん」

 憂はにこりと笑って私の腕まで抱きついてくると、体を伸ばして私のくちびるを狙ってきた。

唯「あっ、んむっ」

 また反応できずに唇を奪われてしまう。

 電車の中でも何度か不意打ちでキスをされた。

 今日は憂にキスされてばかりだ。

 しかも、そのどれにもまともに反応できていない。

 映画館で座席にかけたら、存分にキスしてやろうと思う。



75 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/01(火) 18:41:08.03 ID:GsX94ckT0


 もちろん今回の目的は映画を見ることなので、上映が始まったら止めなければいけない。

 そのあたりが悩ましいところだ。

 映画館に辿りついて、映画のポスターとにらめっこする。

唯「うーむ……」

 なるべくキスしたくならない映画。

 ドキュメンタリーとか、動物との感動モノだとか。

 意外と気をつけなきゃいけないのがアニメで、まず洋画はみんなアウト。

憂「あっ、これは?」

 憂が指差したポスターでは、ふくふくの仔犬が笑っていた。

 大文字のタイトルは「ニャアニャア、小鳥さんだよ」。

唯「……うぉ」

 りっちゃんでも白けるレベル。



78 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/01(火) 18:45:05.34 ID:GsX94ckT0


唯「こういうのって……最後に死んでお別れだったりするよね」

憂「うん。でも……今日はそういうのを見れるように頑張るんじゃないかな」

唯「……たしかに」

 私たちが恐れるのはそこだ。

 恐ろしいから、それをごまかすためにキスをしている。ような、フシがある。

 私は何かに怯えてキスをするんじゃなく、

 ただ憂を愛して、それが我慢できなくなることで憂にキスをしたいのだ。

唯「見てみよっか。上映時間はどうかな」

憂「うーんと、意外とすぐ……わ、15分前だよ!」

唯「えっ、急がないと!」

 大慌てでチケットを買い、ポップコーンとコーラも忘れず仕入れる。

 なにもキスが目当てで映画館に来ているわけではないのだ。



79 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/01(火) 18:49:04.98 ID:GsX94ckT0


 上映ホールに駆けこみ、席に着く。

 映画が始まるまでキスをするつもりだったけれど、息が切れてそれどころではない。

 席はほとんど最後列の端っこで、客入りも悪いからキスをするにはもってこいだけれど、

 今はまだ待つべきだ。

 キスなら家に帰ってから100回でも1時間でもやればいい。

 そう自分に言い聞かせる。

憂「ふぅ……」

 先に憂の息が整った。

憂「急ぎ過ぎちゃったね」

唯「えへへ、そだね……はぁ、ふ……」

 映画が始まるまでは、ちょっとの間隔があった。

 やがて私も息が整う。



80 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/01(火) 18:53:01.12 ID:GsX94ckT0


唯「うす暗いね……」

 ホールを見渡して言う。

 夕方の日陰のように暗く、ぼやけている。

憂「うん……」

 憂はぎゅっと私の手を握った。

唯「がんばろね、憂。映画に集中したら大丈夫だから」

憂「……」

 答える余裕もないようで、私の手を固く握っている。

唯「無理だったらちゅーしていいからね。ゆっくり慣れていこ」

憂「う、うん、がんばる……」

 ポップコーンをひとつ摘まみ、憂の口に運んであげようとし、やっぱり自分の口に入れる。

憂「お姉ちゃん?」



81 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/01(火) 18:57:05.00 ID:GsX94ckT0


唯「ぁぐ」

 舌で一回転させて塩味を舐めてから、指でつまんで取り出す。

 そして憂の口もとへ運んだ。

唯「これを食べて頑張るのじゃ」

憂「ぁ……あむっ」

 私の指まで食べる勢いで憂はポップコーンを食べる。

憂「……つめたい」

 憂が呟くと、ホールがさらに暗くなった。

 前の席が見えるか見えないかというほど暗くなり、スクリーンが黒く光る。

唯「……」

 私も手を握り返し、ポップコーンを口に押し込んだ。

 他の映画の宣伝を挟み、やがて本編が始まる。



82 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/01(火) 19:01:05.22 ID:GsX94ckT0


唯「……」

 映画はあらすじをナレーションして始まった。

 そんなこんなで主人公の男の子はお父さんお母さんと一緒にペットショップにやってきた。

 ここでニャンニャン鳴く犬を買って小鳥さんと名付けるのか、

 それとももっと運命的な出会いをするのか。

 暗闇から目をそむけるため、むりやりハラハラしてみる。

 優しくて、強いワンコが飼いたい、と映画の中で男の子はペットショップの店員さんに言う。

 店員さんはそれでしたら、と画面から外れる。

 次に映ったカットには、ポスターでみたような仔犬が2匹じゃれあっていた。

唯「あっ」

憂「ぁ……」

 そこに白い手がにゅっと伸びてきて、片っぽの仔犬をさらう。

 間引かれた。



83 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/01(火) 19:05:04.81 ID:GsX94ckT0


 カメラは一瞬で切り替わったけれど、

 じゃれ合っていた体勢のまま転がっていた仔犬の姿が頭に焼きついていた。

唯「あ、ぁ……」

 まだ映画が始まって1分も経っていないのに。

 予想もしない精神有害なシーンだった。

 これはいけない、この映画は見てはいけない。

 そんな風に思うけれど、とっくに手遅れで、私はすぐさま憂の方を向こうとした。

 しかしそれより早く、スクリーンが見えなくなって、私の前に憂が立ったのが分かる。

憂「お姉ちゃんちゅう、ちゅうしよっ……」

 憂が私の首にすがりつく。

 だめだ、なんて言えたのはどこか遠くにほっぽり出した理性だけで、

 私は即座に頷いていた。

唯「……し、しずかに、うるさいちゅーしちゃだめだよ?」



84 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/01(火) 19:09:06.65 ID:GsX94ckT0


憂「ん……ぁむっ」

 私の言葉が聞こえなかったのかは分からないけれど、憂ががぶりと私の口に噛みついた。

唯「な、んん……」

 抑えきれるはずがない。

 真っ暗な中であんなものを見せられて、私だって胸があんなに締めつけられたのだ。

 憂だったら周りも、私のことさえ考えられないほどに苦しくなって当たり前だ。

 舌が一気に口の奥まで差し込まれ、息苦しくなる。

 ねちっこく舌が絡み、唾液を練る。

唯「ん、ん、ういっ……」

 とにかく、早く癒してあげなければ。

 憂の頭に手を置き、よしよしと撫でてあげる。

憂「はっ、おねえちゃぁあ……」



85 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/01(火) 19:13:04.47 ID:GsX94ckT0


憂「ん、ぶぷっ、ちゅくちゅっちゅちゃ」

唯「はあ……ん、んんー……」

 いくら我を失っていても、長い経験のせいか憂の舌は自然と気持ちのいいキスをしようとしている。

 憂が気持ちいいキスは、私の気持ちいいキスなわけで、

 あまり激しく攻めてこられると意識が飛びそうになる。

唯「んん、んいっ、ぅいっ……」

 思わず憂の名前を叫びそうになるが、なんとか小さな声に押しとどめる。

 声を出したいぶん、ひたすらに憂の頭をかき撫でる。

憂「は、はむっ、ちゅふ」

唯「うい。ぁむ、もぐ、ふ……うい」

 なるべく諭すように、落ちつけるように憂を呼び続ける。

憂「ぺふ……れろ、ちゅぅ……ちゅ」



86 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/01(火) 19:17:07.30 ID:GsX94ckT0


憂「ん……」

唯「……」

 静かにくちびるが、ただ押しつけられる。

 眠る時のキスを強くしたような感じだ。

憂「……ちゅ」

 やがて、くちびるが離れる。

唯「落ちついた?」

憂「うん……ごめんね」

唯「ううん。私も憂にちゅーしてもらって助かっちゃった」

憂「……」

 憂はまだ席に戻ろうとしなかった。

 私も画面に目をやる勇気が出ないで、憂を見つめている。



87 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/01(火) 19:21:19.36 ID:GsX94ckT0


憂「お姉ちゃん……」

 憂が目を閉じた。周りは真っ暗だ。

唯「しーだよ。周りの人に迷惑にならないように」

憂「わかってる……ん」

 私の膝先に腰掛けて、もたれかかるように憂が顔を近づけてきた。

唯「んっ……」

 くちびるが触れあって、ぞくりとする。

 そのまま軽く唇を突き出したりして、柔らかい感触を楽しみ幸福な時間を過ごす。

 耳には憂の鼻息と、映画の音声だけが聞こえていた。

憂「ちゅん、はぁ。おねえちゃん、ん……」

 BGMでの判断だけれど、犬は最後に死んだ。



88 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/01(火) 19:25:09.75 ID:GsX94ckT0


――――

唯「はふー」

 外のベンチで冷めたポップコーンをかじり、コーラを飲む。

憂「結局だめだったね」

唯「なにが?」

憂「なにがって……」

 くすっ、と憂が笑う。

憂「映画がかな」

唯「そだねー……」

 背もたれにそって首を後ろに倒し、再度ポスターを眺めてみる。

唯「次はあのけいおんっていうの見てみる? 姉と妹が……R18だってや」

憂「お姉ちゃんってほんとエッチなやつばっか目がいくよね……」

唯「憂だってエッチなキス教えてくれたくせにー」



89 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/01(火) 19:28:57.16 ID:GsX94ckT0


憂「あ、あれはエッチっていうか……」

 寂しさを紛らわせたかっただけ、なんだろうけど、そう言ってしまうのは抵抗があるらしい。

 私も同じだ。

 憂との恋の始まりが、両親が帰ってこない寂しさを

 埋めあわせるためだけにしてあげたキスだなんて、信じたくない。

憂「……もっとお姉ちゃんが欲しかっただけだもんっ」

唯「あらあら、そうですかー」

 憂はもっともらしい言い訳をつかい、口をポップコーンでいっぱいにした。

 私もポップコーンのバレルに手を伸ばす。

唯「あむ。うん、おいふぃ」

憂「う、うぅ……ふ」

 塩味を噛んでいると、憂がしかめ面をした。



90 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/01(火) 19:33:08.36 ID:GsX94ckT0


唯「あっ」

 そういえば憂は塩味が苦手なのだ。

 普段映画館でポップコーンを買う時も、

 個別でキャラメルポップコーンを買うのに、急いでいたせいで忘れていた。

 塩味のポップコーンを口いっぱいにいれてしまって、憂は少し涙目になっている。

唯「ほいほい憂、出していいよ」

 口を開き、憂のあごの下に顔を持ってくる。

憂「は、もがっ」

 憂が覆いかぶさり、口を開けて舌でポップコーンを押し出した。

 砕けたポップコーンがぼたぼたと落ちてくる。

唯「……ん、は」

 憂の唾でたっぷり湿っているのもあって、胸がドキドキする。

 竹の子を食べさせられるよりよっぽどいい。



92 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/01(火) 19:37:01.45 ID:GsX94ckT0


憂「はぁ、はふぅ……」

 わざわざ歯で舌をそいで、唾液のサービスをくれると憂は急いでコーラの紙コップを手に取った。

 私は姿勢を戻し、憂の口に入ったポップコーンをたっぷり噛む。

唯「んふふ……」

憂「な、なに笑ってるの?」

 ごしごし涙を拭いてストローをちゅーちゅー吸った後、憂が怒ったように言う。

唯「やっふぁね……」

 少し飲みこむ。

唯「おいひいものを憂に食べさへへもらうほ、ふっごくおいふぃなっへ」

憂「う……もう、そういうこと言わないの」

唯「なんれー?」

 憂は答えなかった。

 口移しを教えてくれた、というか思いついたのも憂だ。

 もとはおいしいものをよりおいしく食べさせてくれるという話だったのに、

 いつから嫌いなものをどうにか食べるための方法になってしまったのだろう。



96 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/01(火) 20:00:06.31 ID:GsX94ckT0


憂「ふぺ。まだ口の中痛いなぁ……」

唯「だいじょぶ?」

憂「んー……口直ししようよ。アイス屋さん!」

唯「しかし……まだポップコーンが」

 バレルにはまだ半分ほどポップコーンが残っている。

 確かにこれを今すぐ食べきろうというのも辛いけれど。

憂「お家に持って帰って食べたらいいんじゃない?」

唯「えぇー?」

 しけってしまったポップコーンはあまり美味しくない。

 憂がふやかして食べさせてくれるというなら別だけれど。

唯「……あ、そうか。それでいいのか」

憂「ん?」

唯「なんでも。ポップコーンは持って帰ることにしよ」



98 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/01(火) 20:04:18.70 ID:GsX94ckT0


憂「うんっ、それじゃアイス屋だよね」

 私のたくらみなどつゆ知らず、憂はぱあっと笑顔になった。

 ベンチから立って、ポップコーンに蓋をかけると私の手を取る。

唯「場所は覚えてるんだよねぇ」

憂「えっと、右だったよね」

唯「そそ、あっちあっち」

 おいしいアイスが食べたいのは私も同じなので、憂を引っぱって歩き出す。

唯「……」

 そういえば、まだ私からキスができていない。

 憂を振り返る。

唯「わっぷ!」

 それを予期していたかのように、キスが飛んできて唇を奪われる。



99 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/01(火) 20:08:38.13 ID:GsX94ckT0


憂「へへっ」

唯「うーむむむ……」

 姉として恋人として、このまま受け身にキスされるばかりではいけない。

 妹なんて道の真ん中で押し倒すぐらいでなければ。

唯「行くよっ、憂」

 憂の手を引っぱり、アイス屋へ向かっていく。

 そこでこれまで後れを取って来たぶんをみんな返してやる。

――――

唯「っと、それの大きいのひとつで。はい、ひとつです」

 大きなジェラートアイスを頼み、憂に店の一番奥の席を確保させておく。

 少し値段は張るけれど、二つ頼むよりは安いし、おいしくなる。

唯「お待ちどうっ」

 白いアイスを手に、憂の横へ腰かける。



101 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/01(火) 20:12:09.64 ID:GsX94ckT0


憂「ありがと、お姉ちゃん」

 アイスは憂に持たせる。

 私たちは座席の上で向き合うような形になって、くちびるの間にアイスを持って来させる。

唯「はむっ……」

 まずはてっぺんにかぶりつく。

 その横から憂がぺろぺろと舌を這わす。

唯「んー、おいふぃ♪」

憂「おいしいね~♪」

 憂がアイスを半回転させると、今度は私がペロペロと舐め、憂がかじった。

憂「ん~♪」

 ほっぺたを押さえた憂の表情が幸せそうでちょっと嫉妬するけれど、

 私はあれ以上の顔をさせられるのだ。

 怒る必要なんてない。



102 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/01(火) 20:16:05.48 ID:GsX94ckT0


 憂も反対側からぺろぺろと舐め、溶けたぶんをすする。

 舐める範囲をわざと大きくして、憂と舌をぶつける。

 冷たい感覚は、普段のキスでは得られない。

憂「お姉ちゃん、鼻にアイスついちゃってるよ」

唯「えっ、ホント? とってー」

 憂がちょっと首を伸ばして、私の顔に接近する。

 冷え冷えの舌が、私の鼻をぺろりと舐め、くちびるがちゅっと吸っていった。

唯「ん、ありがと。……あれっ、憂も」

 指にアイスを乗っけて、憂のくちびるに塗りつける。

憂「んっ……」

 憂が持っていたアイスを横によける。

 服が汚れる心配もない。遠慮なくくちびるにしゃぶりつく。

憂「はっん、……っ!」



104 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/01(火) 20:20:05.95 ID:GsX94ckT0


 くちびるを舐められるのも憂は結構好きで、

 憂をえっちな気分にさせたいときはくちびるを舐めてやるといいのだ。

憂「はぁ、ぁむ、ちゅっ」

 案の定、離れようとした唇に憂は吸いついてくる。

唯「どしたの憂? アイスがついてただけだよ?」

憂「ん、う、もうっ……」

 アイスが元の位置に戻ってきて、むくれたまま憂は再度口をつける。

唯「えへへ。ぺろ、ぺろ……」

 アイスはだいぶ量が減って、丸まってきた。

 舌ももう普通に触れあっているけれど、気にせずアイスを舐め続ける。

 憂の舌はいくらか私に激しいキスを求めるような動きをしているが、相手にしない。

憂「んぅー……ぺろ」

 悩ましげに憂はぶー垂れる。



105 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/01(火) 20:24:04.10 ID:GsX94ckT0


 冷たくて、アイスをいっぱいにまとった憂とのキスは普通においしい。

 口の中まで攻め込んで、ほっぺたの裏側なんかの冷たさも味わってみたいけれど、

 それはアイスがもう少し減るまで我慢だ。

憂「ぺろっ、ぺろ……」

唯「んー、じゅっじゅ」

 コーンよりも下までアイスが減っていく。

 口の中がきんきんに冷えている。

 そろそろ、もういいだろう。

唯「……うーいっ」

 甘えた声を出して、憂の頭に手を伸ばし、撫でてあげる。

憂「ん……おねぇちゃん」

 ほとんどコーンだけになったアイスが退けられる。



107 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/01(火) 20:28:09.43 ID:GsX94ckT0


 さっきまで絡め続けていたせいか、憂の舌先から白い唾液が垂れている。

 まずはそれに吸いつき、くちびるを重ねて舌を押し返す。

憂「はっ、んぐ」

 憂の口の中は冷蔵庫みたいにひんやりしていた。

 アイスなんかよりずっと舐めたかったほっぺたの内側に頬をこすりつける。

憂「ん、んむっ」

 かまって、と言いたげに頬のところへ憂の舌がやってくる。

 舌の裏側を舐められて、つい腰が動く。

唯「んい……」

 そんなに構ってほしいなら構ってあげよう。

 ただしお姉ちゃんの遊びには最後まで付き合ってもらいますからね。



108 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/01(火) 20:32:10.93 ID:GsX94ckT0


憂「はぁ、んん……♪」

 ひんやりした舌同士を絡めると、憂は幸せそうな声を漏らす。

 目を薄く開ける。

 一生懸命に舌を絡めているときの憂の顔は本当にかわいくて、何度見ても胸がきゅんとする。

 憂にこの顔をさせられるのも私だけ。

 こんなに可愛い憂の顔を快感に歪ませられるのも私だけだ。

唯「ん、ちゅぅちゅ、れろっ」

憂「はふ、ちゅちゅぅちゅ……ふぁん、ぅ」

 舌をぴちゃぴちゃさせたいのを我慢していたせいか、

 それとも公共の場だからか、舌が冷たいからか、憂がいつもより早く喘ぎを漏らす。

憂「はぁん、んっ……ひょっほ」

唯「れ、じゅうぅじゅちゅ……れぅれろ」

 大きな快感が恥ずかしいのか、憂がちょっと慌てるが無視して舌でじゃれついていく。



109 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/01(火) 20:36:08.90 ID:GsX94ckT0


 裏に忍ばせて持ち上げて落とし、舌先で表を塗りつぶすようにこすり、

 上あごに逃げたり、また襲いかかったり。

 憂の体がぴくぴく震え、時折大きく椅子がガタンと言う。

憂「ら、ぁめっ、待っ……おねえひゃ、いっひゃうから、いふってばぁ!」

唯「んー、うい~……かわいいよぅ」

 何年キスしていると思っているのだろう。

 憂がいっちゃいそうになっていることくらい分かっている。

 おかしな主張をしているから、無視をして攻め続ける。

 口の中はすっかり熱くなってしまっていた。

憂「んん、は、くちゅ……ちゅ、ちゅぅ……!!」

 憂が自らのくちびるを塞ぎこめるように、私の舌に強く吸いついた。

 テーブルの上に、コーンがぼとりと落ちる。



111 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/01(火) 21:00:13.43 ID:GsX94ckT0


憂「っぅ、ぷは……ぇ」

 仰け反るように離れた私と憂の間に、唾液の糸が伝う。

 憂の激しい吐息に揺れて、すぐぷつりと切れてしまった。

唯「ういー、いっちゃったね?」

 コーンを拾い、ひと口かじる。

憂「……はぁ、は……って、らいもん……」

 ろれつが回らないなりに、憂はどうにかそう言う。

唯「うそつき。ほら憂、コーン落としたでしょ?」

憂「……?」

唯「見てごらん、ここ。握りしめた跡が見えでしょ?」

憂「う、うん」

 ようやく姿勢を直して、憂はこくりと頷く。



112 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/01(火) 21:04:08.19 ID:GsX94ckT0


唯「知ってるぅ、憂? 憂ってね、いく時……」

 耳にくちびるをつけ、その続きをささやく。

憂「あ……ぁ」

 離れると、憂は顔を真っ赤にしていた。

 そして慌てて私の手からアイスのコーンを奪い取ると、

 一気に口に押し込んで噛み始めてしまった。

 コーンの中に残っていたアイスが惜しいところだけど、

 憂の照れた顔が見れただけ、その程度のアイスをくれてやる価値はある。

憂「も、もう出るよ!」

唯「ほいほーい♪」

 憂に押し出されて、アイス屋を出る。

 前に立っていたビルの時計で、もう4時を回っていることを知る。



113 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/01(火) 21:08:17.27 ID:GsX94ckT0


唯「……どうする憂?」

憂「へ?」

唯「もう4時だし、今からお買い物してたら帰るころには暗くなっちゃうよ」

憂「あー……」

 憂も時計を見上げる。

唯「欲しいものがあるならいいけど……」

憂「ううん、今日はもう暗いのはやだ」

 映画館での出来事が尾を引いているみたいだ。

 言われて、私もチクリと胸に痛みが走った。

唯「じゃあ、もう帰ろっか」

憂「うん。駅は……」

唯「あっち、あっち」



114 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/01(火) 21:12:05.20 ID:GsX94ckT0


 憂を連れて、駅に向かう。

 暗くなる前に帰らないと、途端に家に向かうのが大変になる。

 私が初めて憂にキスをしたのも、空がうす暗んできた時間だった。

 だからだろうか、私も憂も、暗くなるとキスが欲しくなってしまう。

 いや、欲しがっているのではない。必要になってしまうのだ。

 電車の中から、赤色に染まっていく太陽を見つめる。

 こてん、と憂の頭が肩に乗る。

 疲れたようで、眠ってしまっていた。

 私まで寝ては乗り越して夜になってしまうので、

 明るいほうの空を眺めて、電車が街に帰るのをじっと待っていた。

唯「……ん?」

 憂の髪から、塩の匂いがかすかにした。



115 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/01(火) 21:16:07.87 ID:GsX94ckT0


唯「……」

 ポップコーンはどこへ消えた。

 バッグの中に入れた覚えはない。

 アイス屋に行く時は憂が手に持っていて――

唯「っく……」

 あそこのテーブルに置いてきたのだ。

 晩ご飯のあと、一粒ずつ憂に口移ししてもらう予定だったのに。

 あんなところで最後までちゅーをして、慌てさせるんじゃなかった。

 どうにも今日はままならない一日だった。

 私のペースに持ち込めたと思ったのに、こうしてばちも当たった。

 私がどんな悪いことをしたというのだろう。

 いまだに「憂とのキス依存症」から抜け出せないのがそんなに悪いことだとでもいうのだろうか。



116 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/01(火) 21:20:12.00 ID:GsX94ckT0


唯「はぁ……」

 仕方ない。

 帰ったらたくさん憂とキスをしよう。

 そうすれば心も晴れる。

 私は眠っている憂のあごを持ち上げ、そっとくちびるを近づける。

憂「……ん」

 まだ、アイスの甘い味がした。

唯「……あ」

 キスは今のうちに満足するぐらいしておいたほうがいいかもしれない。

 明日はあずにゃんが部活があるとかなんとか言っていた。

 あまり夜遅くまでキスをしすぎるとすっぽかす可能性がある。

 いや、すっぽかしてもいいかもしれない。



117 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/01(火) 21:24:16.76 ID:GsX94ckT0


 憂のくちびるを吸う。

憂「んー……?」

 もぞもぞと憂が身をよじる。

 そして、ぺろぺろと私のくちびるを舐めてきた。

唯「ぁ、ん……」

憂「んー、あむ、ちゅちゅぅ」

 起きているのかいないのか、寝ぼけた調子で抱き着いてきて、憂がくちびるを吸ってくる。

 幸せな時間がまた始まった。

 はたして明日、きちんと部活へいけるだろうか。

 そもそも今、きちんと桜ケ丘で電車を降りられるだろうか。

 こうして頭をよぎったということは、きっと大丈夫なんだろう。



120 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/01(火) 21:28:06.01 ID:GsX94ckT0


 安心して、憂の頭を撫でて、もうすこしキスを強くしてもらう。

憂「はむ、ちゅ、きゅちゅううぅ」

唯「ふぁ、ん、んぃ……」

 きっと今日は、私が憂に甘える日だったのだ。

 憂がお母さんやお父さんをつとめる日で、だからポップコーンはなくなったのだ。

 上のくちびると下のくちびる。

 二つのくちびるで、優しさを感じる。

 まもなく、桜ケ丘――。

 無機質のアナウンスがした。


  終わり。




124 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/01(火) 21:44:50.11 ID:tKYXHsxH0





125 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/01(火) 21:46:35.61 ID:hZfTjxNr0

おつ



129 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/01(火) 21:56:22.16 ID:yX7CEaq90



それにしても甘過ぎだろjk
この姉妹どんだけ糖分含まれてんだ



130 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/01(火) 22:23:49.06 ID:jEIWjksA0

おつおつ



131 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/01(火) 22:31:38.49 ID:erDy/jRV0


だが胸焼けしそうだww



132 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/01(火) 22:32:58.82 ID:ftkJABaI0


ガンジーでも砂吐くレベル



133 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/01(火) 22:39:26.33 ID:pG9O9Ey00

乙うい





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唯「ういーにーどきっす!」#後編
[ 2011/03/02 00:07 ] 非日常系 | 唯憂 | CM(1)

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タイトル:
NO:1203 [ 2011/03/03 05:02 ] [ 編集 ]

おれは好きだよゆいういの百合もの!

いくら読んでも書き尽くされた感はしないっす!!

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