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唯「糸が視える」#1 【クロス】


SS速報VIP(SS・ノベル・やる夫等々)@VIPServiseより

http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi?bbs=news4ssnip&key=1299848022&ls=50




1 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/11(金) 21:53:42.83 ID:y+IXJuaGo

はじめに

ダブルパロディって奴を書いてみたかったから
けいおん×エトラン(ラノベ)のクロスSS。

キャラ崩壊、バトル、死ねたあり(死ねたは出来る限り避ける予定です)
原作のネタバレ要注意(若干アレンジ等を加えてますがほぼストーリーは同じ)
誤字脱字は上手く変換してください。
憂と和と聡好きさんごめんなさい。

それでも良かったらお付き合いください。





2 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/11(金) 21:54:49.46 ID:y+IXJuaGo

♯プロローグ
私は子供の頃から動物、人から生える糸が視えていた。
その糸は身体のあらゆる部分から伸びて天に伸びていた。

それらは普通は見えないが、目を凝らすと視えるのだ。
いや、視ようと思わなければ視えないのだ。

その糸は私には視えるのだが他人には全く視えない。
糸は触れる事が出来るし、操る事も出来る。

お母さんに何故糸が視えるのか聞いても、
寧ろ私にその答えを見つけるような小難しい話をしていたが、
私には全く付いていけなかった。

興味が無かったの間違いかもしれない。

お母さんはいつも『行ってくる』と
ふらっと仕事?に出掛けてお金を稼いで帰ってくる。

小さい頃の私は見送って、何の仕事か興味すらわかなかったのだが、
この年になったらいくら私でも気になるが、教えてくれなかった。

元々お母さん1人で私を育ててくれたので、お父さんは知らない。
お母さん曰くお父さんは私が生まれる前に死んだからだ。

そして今日もお母さんは仕事に出掛けた。
しかし、帰ってこなかった。

お母さんが出掛けて少し日が進んだ。
元々仕事で家を空けているお母さんと二人暮らしなので
家事も自然と私がやっていた。

そんな私にとって平穏な毎日だったので家事スキルはそこそこある。

そんな私の元に1人の女の子がやって来た。



3 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/11(金) 21:55:31.01 ID:y+IXJuaGo


憂「始めまして平沢憂です」

唯「はぁ」

憂「えっと…唯さん?」

唯「はい」

憂「へぇ~…じゃあ私のお姉ちゃんだね♪」

唯「は?」

そう言って憂は私に抱き付いて来た。
歳は私より下なのか。しかし私より胸がある。
見た目は可愛い系で私より全てにおいて万能な気がした。

それよりもこの平沢憂からは特殊な感じがした。
一般人とは違う私やお母さんに近い匂い。

いきなりやって来て憂は延滞中のアパートの家賃を払ってくれた。
財布をチラッと除くと諭吉がざっと100人くらいいた気がした。
ついでに憂は更にしばらく生活できるお金もくれた。

唯「こんなにいらないよぉ~」

憂「報酬だよ」

唯「報酬?」



4 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/11(金) 21:56:06.41 ID:y+IXJuaGo


憂「お姉ちゃんのお母さんの操お母さんだよ。そのお仕事の。
  まあ私のお母さんでもあるけど、
  実は私が生まれた直後に
  お父さんとお母さん離婚して私はお父さんの元で、
  お姉ちゃんはお母さんと生き別れになっちゃったんだよ」

唯「えっ?お父さん死んじゃったんじゃ……」

憂「あはは。お姉ちゃんをいやな思いにさせたくないからだよ。
  嫌でしょお父さんが飲んだくれだから別れました。こんなお父さん」

唯「う~ん。えっとうい?だっけ?」

憂「そうだよ。お姉ちゃん」

唯「お父さんってどんな人?」

憂「かっこいいよ!それよりもお姉ちゃんはお母さんの仕事知ってる?」

唯「興味なかった」

憂「もうっ。親孝行しないと!」

唯「でも危険なお仕事でしょ?」

昔、お母さんを狙って化け物が現れた事がある。
とっても小さかった頃の私だから化け物と言う感じでしか覚えてない。
それでも今こうして生きているわけだからお母さんが倒してくれたのだろう。



5 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/11(金) 21:56:41.81 ID:y+IXJuaGo


憂「お母さんはここ桜ヶ丘の裏の社会と戦ってたんだよ……
  お姉ちゃん私の糸視える?」

唯「ちょっと待って……おっけー視えたよ」

憂の身体から伸びている糸。
太い糸は四肢で次に間接と凝らしてどんどん細かな糸まで視てみる。

憂「その様子じゃ視えてるね。でね。
  お母さんはその糸を使って化け物と戦ってたんだよ。異能って奴」

唯「異能?」

憂「そう。まあ化け物。お姉ちゃんも化け物だよ」

唯「えっ?がおー」

憂「めっ!」

唯「こほん……さて、どうして私に教えてくれるの?」

と、聞けば要するにお母さんの代わりに仕事をやってくれとの事。
憂は私も忙しいからと言うわけで仕方なく引き受けた。

この仕事は糸が視える私にしか頼めないらしく、
決して代わりに働かないとお金払わないよと言われたからではない。

ちなみに糸が視える異能を糸遣いで糸を使う事を
操糸術とか人形遣いとか初めて知った。



6 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/11(金) 21:57:11.85 ID:y+IXJuaGo


♯1
さて、その仕事と言うのは
連続通り魔事件の犯人を突き止めろと言う事だった。

もちろん警察の仕事でしょって突っ込んだら、
異能が絡んでるから頼んだのって言われた。

それで、現在夜の10時近くの雨が降る中、
傘を差して人通りの多い所まで行く。

唯(そろそろかな)

そう思って目を糸を視る目に切り替える。
ぱっと色んな人から糸が視え、それは天に昇っている。
屋根からも糸が視える。屋根に糸があるのではなく、屋根の下に人がいる。

その糸が屋根という障害物を突き抜けて視える訳である。

唯(人…人…この糸はネコさんだ。あっちは犬だね)

糸の動きや糸の数で動物を見分ける。夜は基本動物が多い。
それにおかしな動きをする糸は見当たらない。

ぐるっと回っておかしい糸を……発見。
その糸は明らかに人間より糸が多い。要するに化け物である。

唯(あそこは公園だ。何してるんだろ?)

半分不安に半分好奇心。また半分恐怖に半分興奮。
四分の一ずつの感情を胸に公園に向かう。
仕事の事はすっかり忘れていた。

公園の入り口から化け物を探す。といっても視認くらいだが、
化け物はスライムや獣人みたいなのではなく制服を着た少女だった。

少女は空を見上げていた。
ただ、服が所々ぼろぼろであり、おまけに知らない制服である。

?「………」

唯「!」



7 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/11(金) 21:57:40.93 ID:y+IXJuaGo


唯の視線に気づいて少女は唯に目を向ける。
1秒で視線を外して空を見上げる。

唯「何してるの?風邪引いちゃうよ」

近づいて声をかける。傘をもう一本持って来れば良かった。
しかし、気にしてないのか「話しかけるな」と一蹴された。
それでも唯は食い下がる。

唯「服も濡れてるよ。化け物でも風邪引かない?」

化け物の言葉に反応したのか
唯に向かってあらゆる感情を込めた目を向ける少女。
わかる事は明らかに敵意を唯に向けている事である。

?「どうしてわかったんだ?」

唯「えっ?糸が普通の人より多いからだよ」

?「糸?…お前人形遣いだな?」

唯「よくわかったね」

?「そりゃあ糸と言われたらそいつらしか浮かばないしな」

少女は敵意を見せなくなったが警戒しているようである。
そんな事をお構いなしに唯は独自のペースに持ち込む。



8 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/11(金) 21:59:08.60 ID:y+IXJuaGo


唯「私は唯。よろしく」

?「苗字は?」

唯「平沢」

?「平沢…あっ私はカタナ。だけど嫌いだから律って呼んでくれ」

唯「りっちゃんだね。よろしくね」

律「ん。ああよろしく」

完璧に律は唯のペースに嵌ってしまった。
糸遣いの唯であるのだが、ホントに糸遣いなのか、逆に思ってしまう点があるのだ。

唯「ねえ。服ぼろぼろだから私が縫い直していい?」

律「いやだめだめ」

唯「いいもん。勝手にやるもん」



9 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/11(金) 21:59:36.36 ID:y+IXJuaGo


唯は律の糸を勝手に操って制服を脱がしにかかる。
当然律は抵抗するが、身体が言う事を利かない。
操糸術を使っているからである。
なんとか制服を脱がす。下は何も身に着けていなかった。

唯「りっちゃんおっぱい小さいね」

律「やかましい!!勝手に脱がしておいて!」

と、怒っているが構わず裁縫セット出して縫う。
……が「片手じゃうまくいかない」と悪戦苦闘している。し
ばらく格闘していると「貸せ。もう自分でやる」と再び抵抗を始める。
それを糸で制してやっと一箇所補強が終わる。

唯「………ごめんなさい」

律「…努力は認めてやるから貸せ」

唯「はい」

結局、律は唯よりも早く縫ってしかも唯の下手な補強も直してしまった。
ただ、制服が動物のワッペンだらけになった。
お気に入りの制服のため落胆した律が一丁出来た。
ワッペンだらけになった理由は唯がうるさいからだった。



10 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/11(金) 22:00:21.52 ID:y+IXJuaGo


律「で、唯は何してたの?」

唯「私は通り魔事件の捜査だよ」

律「てことは唯は通り魔の犯人じゃないんだな?」

唯「そだよー。りっちゃんも犯人捜してるの?」

律「唯とは関係ない個人的に調べてるんだ」

唯「その傷は?」

律「敵と戦ったときの勲章。通り魔じゃないぞ」

唯「へー。でもりっちゃんは化け物だから負けないでしょ?」

律「でも唯の操糸術の方が私より化け物だぞ」

律はそう言い顔を顰める。

化け物扱いに唯はちょっとショックを受けたが、
確かに操糸術はタイマンではほぼ最強の部類に入る。
相手の糸さえ掴めばそれまでなのだ。
相手は足掻く事も出来ずになすままになるからである。

唯「ねえ、さっき言ったカタナって何?」

  アンソロジー
律「作品名『刀姫』だからカタナって略すんだけど
  私の名前は律だから律って呼んでるんだ」





11 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/11(金) 22:00:52.21 ID:y+IXJuaGo


唯「作品…名?」

律「この身体はある男に改造されたんだ。だから私はその男を捜している。
  もちろんこの事件にも絡んでそうだからな。
  もちろん、化け物じゃなかったら
  私は男なんて追わないし、唯にも会わなかったな」

唯「そんな自分の事を化け物なんて……」

律「唯には視えてるだろ?」

確かに律からは普通の人間よりも遥かに多い糸が身体中あちこちから出ている。
唯にはわからない謎の糸が出ている。その一本を適当に手繰った。

ずるぅ。

唯「わっ!?」

律の手から得体の知れない刀が飛び出た。思わず糸を放して距離を取る。

律「そんな驚くなよ。私の身体は百八の名刀の鞘なんだぞ」

唯「そんなに!?」



12 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/11(金) 22:01:20.05 ID:y+IXJuaGo

律「私は改造が趣味の最低な奴に改造されたんだ。
  ソイツは私みたいな異能を生み出すんだ。
  
  もちろん、私は恨んでいる。
  この手で殺すんだ。
  この事件にも絡んでるかもしれないんだ。
  
  だからな人形遣い!
  私じゃなかったらお前は殺されてたかもしれないんだぞ!
  
  私みたいな奴が異能者だと軽々しく思うな!!
  この事件を甘く見てるな!!」



律の怒りは唯を怯ませた。余程異能者を憎んでいる事だ。
異能者に対して敵意を向けていた。もちろんそれは唯も例外ではない。

唯「私だって真剣だよ!!」(生活費だってかかってるし)

律「どうだかねぇ~」

唯「ならさ」

ここで唯は一つ提案を律に言った。

同じ事件を追っているなら一緒にやらないかと…。
が、それは決裂に終わった。

律「残念ながら私はソイツの手がかりを掴む事。唯とはまた違うんだ」

唯「ふん。なら私だって自分で犯人捕まえてやる!!」

律「ほんとか?」

唯を挑発するかのような返事。
唯はそれをまじめに返した。
律はため息をついた。

おそらく半人前の唯が事件の真相を掴もうとするさまに
ため息をついたのかもしれない。



13 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/11(金) 22:01:55.37 ID:y+IXJuaGo

律「ならさ、そこのトイレ行って来いよ。
  女性トイレな。唯には良い手がかりがあるぞ」

唯「罠でしょ?」

律「いやいや」

唯「じゃあちょっと行って来る」

公衆トイレに着いた。糸を視るが誰もいない。

しかし、余り良くないものがあるのは臭いでわかったし、
中に入ると個室が空いていた。
そして個室を中心に血溜まりが出来ていた。

つまり通り魔が既に殺した後であった。
手がかりを掴むために血溜まりを踏まないように個室の正面に向かう。
ハンカチで口と鼻は既に抑えていたが結構きつい。

少し冷静になってから……唯は中を覗いた。

唯「―!!」

ダッシュでトイレから逃げるように出る。
とても直視できるようでなかったからであったのだ。

唯(なっ何なの!?)

テレビでは胸を一突きだったのだが、そんな優しい通り魔ではなかったのだ。
女性トイレには女性の死体が確かにあった。
お腹を大きく切り裂かれ夥しい血が流れていた。
断末魔を上げた口は開いたままで、おそらく生きたまま裂かれたのだろう。

マジシャンでもあんな殺し方は出来ない。
備え付けの水道まで何とか走り着いたとたん吐いた。



14 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/11(金) 22:02:31.11 ID:y+IXJuaGo

律「本当に事件を追っかけてるのか?」

唯「あれはないよぉ~」

律「やっぱり唯みたいな人形遣いは後ろで糸を操ってた方が良いかもな。
  正面に行ったら何も出来ずに唯は死ぬぞ。
  
  唯だけでなく他の人形遣いも同じな。
  唯を守る人形がいるならまだしも」

唯「私を守る人形って?」

律「さーね?」

そう言って律は何処かに歩いて行った。その背中は来るなと言っていた。



15 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/11(金) 22:03:00.86 ID:y+IXJuaGo

♯2
その日は死体と律と言う化け物に会っただけで終わった。

収穫の死体は直視できないのであまり良い収穫ではないが、
テレビより正確だった。
……あっ裁縫道具りっちゃんに取られたままだった。

家に着いて鍵を開けるが、鍵は開いていた。
出掛ける前にはちゃんと閉めたので泥棒が侵入したのか頭をよぎる。
別に取られるものはないが怖い。

扉を開ける。

?「おっおかえりなさいませ///ゆっ唯様///」

メイドがいた。
と言うより、黒のゴスロリ服を着て
レースのカチューシャを付けていた美人な女の子がいた。

ただ、服装が恥ずかしいのか顔は真っ赤だし、お辞儀もぎこちなかった。
別に唯はぎこちなくても構わなかったが、
ただ一点だけ唯がムカついた点は胸だけだった。

唯「……どちら様?」

?「みっ澪って言います///」

唯「えっと最近のメイドさんは自宅訪問まで出来るの?
  でも私頼んでないし、お隣さんの間違いじゃないかな?」

澪「えっえっと……とっとにかく詳しい話をしますから///」

オロオロするゴスロリ少女澪に従って家の中に入る。
テーブルには夕飯があったためそれを頂く事にした。
……夕飯と言う名のアイスを。



16 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/11(金) 22:03:33.71 ID:y+IXJuaGo


唯「えっと……澪ちゃんって何者?」

やっと落ち着いてきた澪にアイスを食べながら問う。
もちろん。落ち着いてきた澪はゆっくり答える。

澪「私は唯様専属の人形です」

唯「あ、ちょっと待った!」

澪「何でしょうか?」

唯「別に私偉くないから澪ちゃんのいつものしゃべり方で良いよ」

澪「しかし……」

唯「しかしって事は素の澪ちゃんがいるんでしょ?
  私専属なら私の前だけは素になる事。同年代でしょ?」(多分だけど)

澪「……わかった」



17 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/11(金) 22:04:02.85 ID:y+IXJuaGo

唯「それで澪ちゃんは何しに来たの?」

澪「私は妹様の命でここに来たんだ。
  唯を唯のお母さんの実家に連れて来るようにな」

スプーンを止めて澪ちゃんを見る。

唯「お母さんの実家の人?」

澪「いや、私は唯専属人形で統堂に仕える者」

唯「お母さんって姓って統堂なんだ」

澪「そう。それで統堂は糸遣いの家系」

質問をどんどん答え更に先の質問まで答えていく澪。
聞いてもないのに無駄な解説も混ざるが、説明は丁寧らしい。
らしいと言うのは私が全く詳しくないからである。

結局、中々理解できない私に痺れを切らした澪が
唯でもわかりやすいように超簡単に説明してくれた。

要するに私が跡継ぎだから帰って来いとの事。
そしてお祖父さんが逢いたがってる事。



18 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/11(金) 22:04:33.08 ID:y+IXJuaGo


唯「でも私はまだやる事あるし」

澪「なら、お祖父さんに会う事は?」

唯「このお仕事が終わったなら良いよ」

澪「……わかった。最悪例外で唯以外が跡継ぎになるしな」

唯「例外って?」

澪「それは秘密だ。唯は統堂じゃないからな」

バッサリ言い捨ててその話は終止符を打った。

まあ私も良くわからない話だったし、
今は素の澪なのでちょっといらいらしてる顔を見たら
早く終わらせたかったのも一つである。

唯「じゃあ澪ちゃんのこの後は?」

澪「私は自分の仕事に戻るよ」



19 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/11(金) 22:05:02.02 ID:y+IXJuaGo


唯「ふ~ん。ばいばい」

澪「えっ?何言ってるんだ?」

唯「えっ?」

澪「私は唯に仕える事が本職なんだ」

唯「でも私統堂じゃないよ」

澪「関係ないね。私は唯のために作られたんだ」

次の日。例の通り魔事件がニュースで報道されていた。
もちろん。お腹から裂けて死んだのではなく、刺殺と綺麗な死に方だった。

学校に出掛けるとゴスロリ少女が送ってくれた。
学校行かないのと聞いたら気にするなと言っていた。
気にしたくなるが、時間も危なかったので1人渋々学校に行く事にした。



20 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/11(金) 22:05:30.51 ID:y+IXJuaGo


?「また通り魔だって。怖いわね。唯も気をつけなさいよ」

と、朝のSHR終了後にクラスメイトの立花姫子が心配そうに話しかける。
それもそのはず、狙われているのは皆女性だからである。

クラスでは天然のレッテルを貼られている唯の事を心配するのは
席が隣同士としては当たり前であるのだ。

唯「私は狙われないよ~。だって早く帰るもん」

姫子「どうだかね……ところで唯はダイエット食品に興味ある?」

唯「私は食べても太らない体質だから」

姫子「じゃあこれはいらないわね」

唯「なにこれ?」

姫子「ダイエット食品」

唯「姫子ちゃん飲んでるの?」

姫子「まあ物は試しで……」

とりあえず、チャイムが鳴ってそのまま姫子と別れる。
結局その日の学校は平穏に終わり帰路に着く。
鍵が開いていたのでそっと開けてみる。



21 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/11(金) 22:05:58.81 ID:y+IXJuaGo


澪「おかえりなさいませ」

黒のゴスロリ少女が出迎えてくれた。

唯「普通にお帰りで良いんだよ!!」

昨日は素に戻っていた澪だが、今日になったらまた元に戻っていた。
ただ、初対面の頃より恥ずかしがってはいなかった。

学校に持って行った鞄は澪が持っていて
足が停止中の唯を後ろから押して中に入れる。

唯「ところで澪ちゃんっていくつ?」

澪「唯と同じだよ」

唯「じゃあ中卒?」

澪「……まあ。ただ、頭脳は進学校のトップ並だぞ。
  いや、学校がそれくらいのところでな」

唯「高校行かなかったの?」

澪「唯に仕えるために高校行かなかったんだ///」



22 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/11(金) 22:06:26.15 ID:y+IXJuaGo


どうやら仕える発言は相変わらず顔を赤くする。
まだ半人前って事らしい。単純に照れているのかも知れないが。
まあ唯はそんな事はちょっとしてからどうでもいいことに気付いた。

唯「あのさ」

澪「ん?」

唯「空き巣が入ったの?」

澪「いや」

唯「じゃあこの部屋の酷さは何?」

澪「ああ。私が家事をした」

唯「………何か言う事ある?」

澪「……申し訳ありませんでした」



23 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/11(金) 22:06:55.47 ID:y+IXJuaGo


とりあえず、再び家事をしていたら結構時間がかかってしまった。
もっとも手伝うと言って余計に悪化させている人物がいるからであるのだが、
一生懸命やっているのを見ていたら、辞めてくれなんて言える訳がない。

一通り終えてから出掛ける準備をする。もちろん事件の調査だ。

澪「出掛けるのか?」

唯「ちょっとね」

澪「ふ~ん」

と、澪は付いて来る。

唯「お見送り?じゃあ行ってくるね」

澪「いってきまーす」

唯「え?」

澪「ああ。唯のボディガード」



24 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/11(金) 22:07:24.59 ID:y+IXJuaGo


唯「いらないよぉ」

澪「まあまあ。早く犯人見つけるなら急がないと」

結局、どんなに言っても言う事を聞かないから
仕方がなく唯はしぶしぶ認め澪は付いて来た。

当然、澪は唯が美人と言うのは本当の事で……
おまけにゴスロリ服が効いてるのか、
私よりも澪の方が注目の的になっていた。

せめて普通の服着てよ澪ちゃん。

そしてもちろん絡まれた。そこらじゃ有名な2人組みに。

「よう姉ちゃん。暇ならお茶しないか?可愛い服着てるね」

「馬鹿だなお前。今時そんな口説き方じゃ寄って来ないぜ」

澪「はぁ?何様のつもりだ。死ねカス共」

澪の普段の顔が消え、皆が鬱陶しい奴に絡まれた顔になった。
台詞が一番怖かったが。

唯「………えっと今忙しいから……」

「ちょっと待てよ」



25 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/11(金) 22:07:54.90 ID:y+IXJuaGo


何故か2人組みは私をスルーして澪ちゃんを囲む。
なんか悲しい。そんなに魅力がないのかな?

「強気な女の子は俺のタイプなんだぜ。へへっ」

1人の男が澪の肩を掴む。

澪「触るな!!」

澪が怒鳴り、男が宙を舞った。
信じられないのが澪は片手で男を宙に舞わせている。
そのまま男は地面にダイブし転げまわる。

澪「貴様等の様なしまむらーが触って良い服じゃねーんだよ!」

二度目の澪の怒鳴りが響く。
澪を怒らせてはいけない事を唯は肝に銘じていた。

「こっこいつがどうなっても良いのか!?」

いつの間にか私は人質になっていた。



26 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/11(金) 22:08:41.16 ID:y+IXJuaGo


澪「最低な屑だな。私のご主人様に手を出すとは……」

「ひっ!」

澪の威圧に逃げ出す男。
人質から解放されていた私はそれをぼーっと眺める。

澪「逃げるな!」

一瞬で澪が追いつき止めを刺す。男は撃沈した。
唯は澪がとても強いことを肝に銘じた。
私なんかよりも…糸遣いよりも…。

澪「大丈夫か唯」

寧ろ澪の方が大丈夫かと声を掛けたかったが
さっきのを見て大丈夫だと実感した。

唯「あっありがとう」



27 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/11(金) 22:09:09.16 ID:y+IXJuaGo


澪「どういたしまして。でもこれが私の仕事だから。
  でも唯は人質にされたときくらいかわしたり出来なかったのか?」

唯「そうなんだけど……この力で昔犬か猫を殺しちゃったんだ」

澪「力を無意識に使って傷つける典型的だな」

一言で片付けないでよ。お母さん泣かしちゃったんだから……。

澪「とりあえず、ここから離れよう。人が来た」

近くのファーストフード店で一息ついて
澪の家の事等に着いてについて詳しく聞いてみる。

唯「なんで澪ちゃんは私を守ってくれるの?」

澪「統堂の人達を守るためだよ」

唯「みんな澪ちゃんみたいに強いの?」



28 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/11(金) 22:09:38.97 ID:y+IXJuaGo


澪「まあな。でも私より強い人なんてたくさんいるし……
  でも強さの9割がセンスなんだよな。後は訓練なんだよ。
  
  統堂の人達は糸が遣えるんだけど弱いだろ。
  唯もそれは自覚してるだろ?だから私達みたいな人がいるわけ」

それは私も自覚している。
実際さっきので澪の強さがわかったし、
体力も筋力も持久戦や他人数だと不利である。

りっちゃんが言っていた人形はこの事だったのだ。
私を守る人形。
弱点を克服するために存在する人間。それが人形。

澪「でも私達は戦う事が好きな馬鹿な家だから
  統堂の下にいなかったら滅んでた異能さ」

唯「澪ちゃんも異能なんだ」

澪「そう。心も殺せる戦闘だけに特化した異能だよ」

唯「だから家事がだめなんだ」

澪「ぐっ…まあ本当だから仕方がない」



29 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/11(金) 22:10:09.05 ID:y+IXJuaGo


それから澪は統堂の家と澪の家の話をした。

澪の家は戦う事を好み
化け物や異能をどんどん殺した殺人一族の事。
その後廃れて行った事。

統堂に負けてから傘下に入って統堂の影を支える人形になった事。
統堂を支える事によって殺人一族から変わった事。

ただ、そんな話はB級映画よりつまらなかった。
寧ろ澪個人はどうなのか。そこだけだった。

唯「澪ちゃんどうなの?」

澪「……ごめん。家の話じゃなくて私について聞きたかったんだよな」

唯「うん。こんな私の面倒みてくれるなんて辛くない?」

いや。そんな事はないぞとはっきり言う澪。

澪「恥ずかしい事なんだが私は唯に会える日を待っていたんだ。
  私は唯が生きているから今があるし、唯が全てだし……///」

多少顔が赤い澪は答えた。が、すぐに俯いて謝罪をした。
そしてこう言った。これが統堂との関係だと…。



30 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/11(金) 22:10:36.70 ID:y+IXJuaGo


澪「統堂の傘下に入ってから私達の一族は姓を捨てたんだ。
  統堂を守る影。だから私達は闇宮と呼ぶようになったんだ」

唯「前の姓は?」

澪「さあな。でも一応闇宮はたくさんだから細かい姓があるんだ。
  要するに私は姓を2つ持ってるんだ。
  闇宮が大まかな姓。コードネームみたいなのが…秋山でな」

家に着いたのは日付は変わっていた。収穫はない。ため息は出た。

澪「疲れたな。唯は大丈夫か?」

唯「まあ。でも歩きつかれたね」

澪「ふぅん。マッサージしてやるよ」

と、言葉とともにマッサージが開始される。
抵抗は出来ない。(力的に)



31 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/11(金) 22:11:08.22 ID:y+IXJuaGo

澪「なあ唯、やっぱり私達には情報量が足りないんだ」

唯「でも、テレビや雑誌は当てにならないよ」

澪「そりゃあマスメディアは第三の勢力だしな。
  適当な情報でも大衆は簡単に洗脳出来る。
  ただ、内部はちゃんとした資料はあるぞ」

唯「内部?コネとかないよ」

澪「拝借してくるよ」

スパイがいた。

唯「そんな!危ないよ」

澪「それくらい簡単だよ。朝飯前だ。
  それに私は唯の人形。唯の為ならなんだってするぞ」

唯「人形ってその言い方辞めて」

澪「で、どうするんだ?」

唯「調査は私の仕事だよ」

澪「唯の仕事は私の仕事でもある。私は唯の……」

唯「それ以上言ったら怒るよ」



32 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/11(金) 22:11:37.49 ID:y+IXJuaGo


澪「ごめん。でもまた犠牲者が増えるぞ。早く事件を解決したいだろ」

唯「…………」

澪「唯」

澪が唯の手を握る。

澪「唯は優しいな。でも私は唯の役に立ちたいんだ。
  それが生きがいなんだよ。
  だから……私の事を考えてくれてるなら……」

真剣な顔で澪は唯に訴える。
本当にいいのかと問うともちろんと答えた。

唯「じゃあお願いできる?通り魔事件の詳しい情報を……」

澪「了解だ。おまけに犯人も見つけてきてやろう。
  ちゃんと連絡もするよ。
  でも連絡がなかったら私をほっといて1人で統堂に帰ってくれ」

唯「えっ?」



33 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/11(金) 22:12:05.45 ID:y+IXJuaGo


澪「連絡がない場合、私は殺されたか、拷問されてると思ってくれ。
  殺されてる方が良いが、拷問は唯の事を漏らす場合もある。
  だから唯は統堂に匿って貰ってくれ」

唯「それは出来ないよ」

澪「なんでだ?」

唯「澪ちゃんが敵に捕まったなら助けるよ」

澪「私なんかに唯は危ない目に遭う必要なんて…」

唯「さっき助けてくれたでしょ。そのお返しだよ」

澪「あれくらいで……
  それにさっきも言った通り唯の役に立つ事が生きがいなんだ。
  もし唯が私のために何かあったら…」

最後は少し嗚咽を含んだ小さい声で呟く。
己の身体を抱きしめて震える身体を抑えている。

唯「あっごめん。澪ちゃんを困らせるわけじゃ…」

澪「こっちこそごめん。ただ、唯は命を軽々粗末にしないでくれ」

唯「じゃあ澪ちゃんも自分の命を捨てないで、帰ってくる事」

澪「命令だな」

唯「命令じゃない!!これは約束。
  だからさっきの情報の拝借も命令じゃない。お願いだよ」

澪「ふふふ。わかったよ。じゃあこれをお守り代わりに……」

そう言って澪はどこからか匕首を取り出し唯に差し出す。

澪「じゃあ言ってくるよ」

唯「絶対死なないでね!!」

澪は笑みを作った。
しかし次の日、澪との連絡が途絶えた。





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唯「糸が視える」#1

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NO:5805 [ 2012/03/08 18:36 ] [ 編集 ]

飛蚊しy…

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