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唯「糸が視える」#4 【クロス】


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唯「糸が視える」#1
唯「糸が視える」#2
唯「糸が視える」#3




111 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/11(金) 23:44:14.92 ID:xil6j9fPo

♯7
私は夢を見ている。
夢の内容は幼い私とお母さんがお父さんの話をしていた。

お父さんの話は『陸』といった。
お母さんはお父さんを愛している。

真面目で、何よりもお父さんはお母さんの事を一番に考えてくれていた。
お父さんがいなくなった時、お母さんはどうしたら良いか分からなくなった。

それでも私がいるから頑張ってこれた。
お父さんを守れなかったから私を守ると決めてくれた。

最後にお母さんは、「お父さんの力はいずれ使うときが来る。
真実に抗うときに来る。だから中途半端な気持ちで使うな。大切に使え」

目を覚ましてゆっくり起き上がる。薄暗い…何処かの廃ビルのようである。

「起きたか?」

唯「りっちゃん……ここは」

律「私の隠れ家。まあ寝床だけど」

唯「ここまで運んでくれたんだ。ありがとう」





112 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/11(金) 23:44:52.86 ID:xil6j9fPo


律「ほいよ」

律はペットボトルに入った水を唯に投げ渡す。

律「心糸ってのは凄いんだな。二日寝てたぞ」

唯「二日……」

心糸を視た反動。
つまり、心糸を視る事、操る事は精神に凄い負担がかかることである。
おまけにあの時の私は思い出したくもないくらい怖かった。

蓋を開けて水を飲んだ。

律「で、唯はこれからどうするんだー?」

唯「憂と戦うよ。それしか道はないしね」



113 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/11(金) 23:45:28.19 ID:xil6j9fPo


律「私と逃げないか?」

唯「逃げちゃダメだよ。澪ちゃんも帰ってこなきゃ……」

律「まだ信じてるのか?」

唯「えへへ」

律「お前はあいつに二回も裏切られてるのにか!?」

唯「澪ちゃんは大丈夫だよ」

律「…………」

意固地な唯に律は服を脱ぎ始めて唯に差し出す。



114 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/11(金) 23:46:01.84 ID:xil6j9fPo


律「縫ってくれ」

唯「ん」

服を受け取り裁縫道具を取り出して修繕し始める。
服はぼろぼろで澪との戦いの凄さがよく伝わってくる。

律「あいつは…」

律は背中を向けながら外に向かって呟く。もちろん唯には届いている。

                               マリオネット
律「本当に何も感じられなかった。命令を忠実に守る人形みたいだった。

  たぶん、片腕吹っ飛んでも戦いをやめなかっただろうな。
  痛みも感じないんじゃないのか?
  無痛症みたいに……そんな奴を信じられないぜ。
  仮に憂を倒しても人形には変わりない」

唯「そうかな?澪ちゃんは人形じゃないよ。
  普通に笑ったり怒ったり、
  どんな事があっても澪ちゃんは澪ちゃんだよ。
  
  そう信じなきゃ!……ってね」



115 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/11(金) 23:46:28.47 ID:xil6j9fPo


「出来た」と言って服を律に返す。軽く礼を言って律は服を着る。

唯「じゃあ行くよ」

律「なーんか唯って私と似てるな」

唯「でもりっちゃんみたいに復讐じゃないよ」

律「…………勝てよ」

唯「もちろん」

そう言って私は律の寝床を後にして帰路に着いた。



116 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/11(金) 23:46:59.57 ID:xil6j9fPo



澪「おかえりなさいませ、唯様」

家に帰ると澪が出迎えてくれた。
また口調は敬語になっていたので、敬語をやめさせる。

澪「決闘は今夜。放棄は唯の負けで強制連行だ」

澪は唯にメモを渡す。
それをさらっと流し読みした唯はテーブルの上に置いた。

唯「わかったよ。でも迷子になったら迎えに来てね」

澪「了解。後、夕飯を作って置いた……と言ってもコンビニ弁当だけど…」

唯「それより澪ちゃんは何で……」

唯の質問を分かったように手で制して答え始める。



117 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/11(金) 23:47:27.53 ID:xil6j9fPo


澪「それは唯のせいなんだ。
  前話したように私は唯が産まれたから私も作られたんだ。
  
  でも唯が統堂でない時点で私はいらない子になったんだ。
  それを憂様が拾ってくれたんだ」

唯「えっ?でも憂は私の妹でお父さんお母さん離婚しちゃったんじゃ……」

澪「違うんだ。唯のお母さんの操様が出てかれたんだ。
  その時に操様は唯だけ連れてって憂様は本家に残ってたわけ。
  そゆわけで、私は憂様に拾われなかったら死んでたな。唯を恨みながら」

唯「でも、私に仕える事を…」

澪「ああ。それは事実だけど、それだけだ」

唯「それだけ?」

澪「私は所詮人形さ。だから私には唯を愛する資格なんてないのさ」



118 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/11(金) 23:47:55.50 ID:xil6j9fPo


悲しく言い放つ澪。

唯「澪ちゃんは人形なんかじゃないよ!普通の女の子だよ!」

澪「普通の女の子は心を殺さないよ。
  ちなみに心を殺す技は基本的主人と離れたときに使うんだ。
  心を殺せば何されたか分からないからな。
  
  つまり闇宮には必須なんだ。
  分かったか?私を普通の女の子なんて思うな。
  
  唯は全くわかってない。さっさと憂様に負けて惨めに死ね。
  それで少しは私の気が晴れる。
  
  あっでも憂様は唯のこと大好きだから惨めに死なせてくれないか」

唯「本当にそう思っているの?」

澪「計画通り」

全ては憂の計画通り。
後は私が憂に負けて連行される。憂のシナリオ通りに進む。

澪は初めからそれをわかってて私を守ってくれた。
笑ってくれた。憂のために。

澪「そうわかってながら私は何も出来なかった。
  ずっと騙してた。だから唯も私恨んでくれ!罵倒でも何でも……」

それが澪の償いだった。今私が何をしても許してくれる。
彼女は受け入れてくれる。そのために来たのかも知れないから……



119 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/11(金) 23:48:25.72 ID:xil6j9fPo


唯「………馬鹿だよ澪ちゃん」

そう言って唯は手を伸ばして彼女の頭を抱いて引き寄せた。

澪「え……」

唯「私は澪ちゃんを恨んだりしない。
  だからそんな悲しい事言わないでよ」

澪「何でだよ!?私は裏切ったんだぞ!」

唯「えへへ。でも私馬鹿だからさ。澪ちゃんを信じてるよ」

澪ちゃんは人形じゃない。
ちゃんと温もりがある限り人形なんて言わせない。

澪「ヤメロォ!!」

澪が軽く突き飛ばす。
澪にしては本当に軽くだが、それでも吹っ飛び背中を打つ。



120 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/11(金) 23:48:56.48 ID:xil6j9fPo

澪「…唯……私は…………唯に優しくされる資格なんてない!」

唯「澪ちゃん……」

澪「唯は最低だ!どうして私を苦しめる!私を信じる!?」

唯「関係ないよ。
  でも澪ちゃんがそんなくだならない事を気にしてるなら
  まずはどうにかしなくちゃ」

澪「くだらない?主と人形関係をくだらないだと?」

唯「そんなのくだらないよ!
  そんな言葉で闇宮を縛ってるならその呪縛から解き放つ!!」

悪いのは澪じゃない。
澪を人形にしてそれを裏で糸を引いていた統堂である。

澪「憂様を倒すのか?」

唯「もちろん」

澪「そうか。シナリオ通りか」

曇った瞳のまま澪は話しをする。瞳は憂に対する恐れが見えた。



121 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/11(金) 23:49:26.49 ID:xil6j9fPo


澪「憂様は嫌いじゃない。でも……所詮私は憂様の人形じゃない」

唯「じゃあ憂に勝って澪ちゃんを取り戻すよ!
  もう憂の言いなりにならなくて良いんだよ。戻ってこれるんでしょ?」

澪「そういう命令だからな」

唯「命令じゃなくて澪ちゃん自身はどうしたいの!?」

ちょっときつめに言ったら澪は黙って俯いた。
何か言おうとしたがそれを止めて
代わりに「人形は意思はない」と言った。

唯「わかった。
  なんとしても憂に勝たなきゃ
  澪ちゃんのためにならないし、本心も聞けないんだね」

澪「憂様は強い。
  唯より糸遣いとしては劣ってるけど
  それをカバーするくらいの技術を持ってる。
  唯に勝ち目はないよ。ごめん。これ以上教えられない」



122 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/11(金) 23:49:56.92 ID:xil6j9fPo


唯「どんな戦いでも勝つよ」

澪「…………それじゃあ、私は行くから」

そう言って澪は外へ出た。
一瞬止まったが、振り向かず出て行った。

私は澪の買ってきてくれた?
コンビニ弁当を平らげて水を飲もうと流しに行った。
そこで唯はあるものを見た。

唯「……………ふふふ」

服を着替えようとクローゼットをから
昔お母さんが作った服を出して着替える。

やたら隠しポケットなど多いので、
匕首を隠しポケットに収めるとピッタリはまった。

着替え終わったときテーブルの上に
見慣れないノートを見つけたのでぱらぱらめくる。

執筆的に私のではなく
澪が置いてったノートだという事が分かった。

そこで唯は知ってしまった。
澪の本心と思われる事が書かれているページを読んで……

唯「……澪ちゃんは人形じゃない。良いじゃん。ふわふわ時間」

そう呟いて唯は家を後にした。



123 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/11(金) 23:50:23.24 ID:xil6j9fPo



決闘場所は芸術会館だが
全く来た事なかったので予定時間を大きく狂わせた。

結局、試行錯誤してる間に憂の闇宮の和が見つけて案内してくれた。
和は前回の服装とは違ったこれが戦闘服というのを着ていた。
つまり、澪もゴスロリではなく戦闘服なのだろう。

ホールに入ると和が扉を閉める。
真っ暗になるホール。そして妹の声が聞こえた。

憂「待ってたよお姉ちゃん」

唯「ういー。もうちょっ分かり易い地図買いよ~」

憂「あわわ、ごっごめんね、お姉ちゃん」

普通の仲良し姉妹の会話が出来た。
しかし、それもすぐに終わった。

憂「じゃあお姉ちゃん。こっち来て。
  大丈夫、奇襲はしないから。戦い方を教えるだけ」

ステージに立つと唯の元に澪が寄って来た。
しかし、声を掛けても反応しない。

憂「じゃあ説明するね。和ちゃん心を殺して」



124 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/11(金) 23:51:04.73 ID:xil6j9fPo


いつの間にか隣にいた和は心を殺した。証拠に瞳が輝いてない。

憂「操糸術」

憂は和の大糸を指に絡める。

憂「普通は糸操る時、相手は抵抗するからうまく操れないけど、
  心を殺してる場合は抵抗もなく操れるんだ。
  心糸はだめなんだ。心を操っても出来ない事は出来ないんだ。
  
  だからこうやって操るんだよ。
  そうすれば限界を無視できて多少の怪我でも無理やり治したり、
  極糸で心臓や肺を動かせばかなりの損傷でも戦えるんだ。
  
  まさに人形そのものなんだよ」

唯「でも……」

憂「使えない人形は代える。それが闇宮の人形の使い方なんだよ」

唯「おかしいよ!!」

唯は駆け出そうとするが澪がそれを制する。



125 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/11(金) 23:51:39.59 ID:xil6j9fPo


憂「ダメだよ。姉妹で喧嘩しても糸が視えてキリがないよ。
  だからお姉ちゃんは澪さんを使って勝負だよ。
  
  これが糸遣いの戦いなんだ。
  澪さん、心を殺してください」

澪の手がだらんと下がる。目は輝きを失っている。

憂「じゃあ勝負だよ!お姉ちゃん!
  お姉ちゃんは私を狙っていいよ。
  
  私もお姉ちゃんを狙うから……
  
  でも先に澪さんから片付けるよ」

その前に憂を倒す。
そう決めて駆け出そうとした直後に和が澪の前に立つ。

憂「えい!」

和が腕を振り上げる。
慌てて澪の糸を掴んで和の拳を躱す。
躱さなかったら澪の頭が飛んでいた。

憂「上手いよ!流石だね!お姉ちゃん!!」

憂は指をさっきより早くさっきより複雑に動かして和ちゃんを操る。



126 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/11(金) 23:52:11.94 ID:xil6j9fPo


憂「ちなみに、本気で倒すなら頭一発をお勧めするよ。
  押さえ込んでもあらゆる糸を操れば簡単に脱出出来るからね。
  とにかく和ちゃんの体を壊してでも勝たないと……」

唯「………」

憂「まあ和ちゃんは人形だし、主人には逆らえないからね」

唯「ふざけやがって!!憂は澪ちゃん達を何だと思っているの!?」

憂の顔つきが鋭くなる。憂は和を自分の元に戻した。

憂「お姉ちゃんにはどうしても理解できないよね。
  仕方がないか。もうパパッと終わらせるよ」

憂が腕を振り上げると
和が人間では有り得ないくらい高く飛ぶ。

そのまま唯に目掛け落ちる。

憂「お姉ちゃんの間接を外しちゃうよ。
  それで勝負ありかな。嫌なら澪さんを盾にしてね」



127 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/11(金) 23:53:23.40 ID:xil6j9fPo


澪を盾にする。そんな事は唯には出来ない。
唯は澪の糸を解放して、匕首を出し和に迎え撃つ。

憂「お姉ちゃん……」

憂が悲しそうな顔をする。和が静かに唯の前に降り立った。

憂「人形を盾にすれば良いのに……まだ抵抗してるの?」

唯「澪ちゃんは人形じゃないよ!
  憂は澪ちゃんの好きな物とか知ってるの!?」

憂「知らない。
  澪さんは私には全くお願い事はしてこなかったから……」

唯「澪ちゃんはこんな関係のせいで
  人形にしか生きられなかったんだよ!
  
  澪ちゃんだけじゃなくてえっと…名前忘れた!」

憂「和ちゃんだよ。
  まあお姉ちゃんならちゃん付けでも良いけどね。
  でも闇宮は人形しか生きていけないんだよ」



128 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/11(金) 23:53:50.45 ID:xil6j9fPo


唯「そんな事ない!!変わり者はいるよ!
  私だったり澪ちゃんだったり!
  澪ちゃんのノートを読んだ事あるの!!!」

憂「ないかな。
  澪さんがノートに何か書いてたなんて始めて知ったもん。
  
  ……それで?」

唯「澪ちゃんはね!甘いもの食べてるときの顔は可愛いんだよ!
  ノートの詩だってふわふわ時間やふでペンなんとか
  すっごくいい詩なんだよ!!」

憂「う~ん。お姉ちゃんは何が言いたいの?」

唯「澪ちゃん!澪ちゃんは人形じゃないよ!!」

憂「そろそろ。静かにしようよ。お口チャックしようね」

和が唯の腕を掴もうとする。
目で追えない速さで腕が迫る。そこに風が吹いた。

唯「!!」

唯を掴もうとした和の腕を第三の腕が掴んでいた。

憂「そんな…」



129 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/11(金) 23:54:54.66 ID:xil6j9fPo


澪「唯は私が守る!!申し訳ありません憂様」

唯「澪ちゃん…」

憂「澪さん、主人は私だよ!」

澪「私は唯に仕えると決めました」

憂「人形の癖に!」

澪「唯、私は人形か?」

悲しそうに尋ねる澪。唯は首を振り答える。

唯「違うよ」

強く断言した。

澪「じゃあ私は人形じゃないな。
  後な唯、ふわふわ時間(じかん)じゃなくて
  ふわふわ時間(タイム)な」

唯「すみましぇん」



130 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/11(金) 23:55:20.92 ID:xil6j9fPo


憂「……めんどくさい事になったなぁ」

憂は糸を操り澪の体を押す。

澪「ここは任せてくれ!」

唯「わかった」

唯は憂に向かって駆け出す。
憂は糸をすばやく操る。

和の腕が閃く。
もの凄いスピードで拳を繰り出す。

それを澪は諸手で受けた。

憂「なっ!!」

澪「私と唯のラブパワーを舐めるなぁあああ!!!」

澪は懐に入り和を思いっきり投げる。



131 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/11(金) 23:57:05.64 ID:xil6j9fPo


憂「そんな…」

憂は糸を解いて懐から包丁を取り出し構える。

唯「闇宮流葬技――雅一閃!!」

叫びとともに包丁を持つ右手を切りつける。
一瞬憂は面を喰らったが
唯の攻撃が空を切った事によってすぐに体制を立て直す。

憂「冗談勘弁してね」

包丁で切りつけようと腕を振るう。が、包丁は地面に落ちた。

憂「え?」

ついでにもう片腕を切りつける。
慌てて憂は距離を取るが、バランスを取れずに倒れる。

憂「なんで?どういうことなの?」

憂は動かそうともがくが全く動く気配がない。



132 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/11(金) 23:57:37.41 ID:xil6j9fPo


唯「糸を切ったからね」

憂「やっぱりお姉ちゃんが…知ってたの?
  お父さんが闇宮だって事を……」

唯「知らなかったよ。かまければ動揺すると思ったんだ」

憂「そっか。お姉ちゃんの方が優れてるもんね。
  それに全然雅一閃には見えなかったし……。
  
  やっぱりお姉ちゃんには糸が切れるほうが普通か。
  ちなみにその匕首はお父さんの愛用なんだ。
  澪さんに預けたらこうなったんだね」

唯「お父さんのなんだ」

憂「はぁ~あ。残念だな。
  和ちゃんとなら統堂を
  完全に立て直すことができたと思ったんだけどな」

憂はゆっくり立ち上がり和の元に行く。
そして和に呟くと和は瞳に輝きを戻した。

唯「憂…」



133 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/11(金) 23:58:06.46 ID:xil6j9fPo


憂「負けは負けだよ。
  お姉ちゃんは帰っても良いし、
  帰らなくても良い。
  
  好きにしてよ」

唯「憂は?」

憂「さあ?帰る場所がないんだ」

唯「じゃあ私の家来なよ」

憂「お姉ちゃんはこんな酷い私にでも優しくしてくれるなんて嬉しいよ」

唯「じゃあ来なよ!大歓迎だよ!!」

憂「でもゴメンね。お姉ちゃん」

唯「え……」

唯が突然崩れるように倒れる。
それをすぐに澪が抱き支える。

振り向くと和が手刀を放っていた直後だった。



134 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/11(金) 23:58:39.89 ID:xil6j9fPo


澪「何するんだ!?」

憂「安心してください。襲うつもりはありません」

澪「だったら何で」

憂「私は負けたんだよ。負けは死なんだ。
  だからお姉ちゃんには
  何処かに行ったと伝えておいてください」

澪「本当にそれで…」

憂「はい」

澪「……わかりました」

憂「ありがとうございます。
  お姉ちゃんを悲しませないでくださいね」

そうニコッと笑う憂。

澪はゆっくり唯をおぶって
これからこの世界から旅立つ2人の前から姿を消した。



135 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/11(金) 23:59:09.26 ID:xil6j9fPo

♯エピローグ
澪「起きたか?」

ゆっくり目を開けると正面に澪の顔がどアップで映った。
慌てて飛び起きたかったが澪の頭と衝突する。

唯「いたたた。……ここは?」

澪「唯の家近くの公園」

ゆっくり起きて周りを見ると確かに自分の家の近くの公園である。
今気づいたが、ずっと膝枕されてた事に今気づいてちょっと頬を赤くした。

唯「憂は?」

澪「……身を潜めるってさ。また会えるよ」

唯「……そっか」



136 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/11(金) 23:59:39.30 ID:xil6j9fPo


少し休んでから2人で律の寝床に行った。
が、今はいないのか糸が視えなかった。

律「何しに来たんだ?」

柱の影から律が姿を現す。

唯「私は用はないんだけど澪ちゃんが……」

本当はそのまま家に帰る予定だったのだが、
律に用があると澪が言うので連れてきたのだ。

律「なんだ?」

多少警戒態勢の律。だが、澪はすばやく頭を下げた。

澪「ごっごめん!憂様の命令とは言え手を出したから謝るのは当然だ///」

真っ赤な顔した澪が謝る。律はというとくすくす笑い出す。



137 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/12(土) 00:00:26.93 ID:yC17DOMwo


律「いや、私も悪かった。
  まさか澪は闇宮の癖にあんなにファンシーだったとは……」

澪「は?」

律「いやな。
  腹減ったから唯の家に食いもん頂戴しに行ったんだわ」

そう言えば最近やたら食べ物減るスピードが速かったと唯は今頃気づく。

律「唯もすまん。
  で、机の上のノート見たら…くははは。
  ほんとにすまん!!はははやっぱりだめだ」

耐え切れずに声を出してげらげら笑う。
澪はというと顔を真っ赤にしてするのも限界だったららしく……

澪「りぃいいいつぅうう!!!」

ゴチン

律「いだー」

澪の鉄拳が律の頭に直撃する。
何故か律の自動防御反応は作動せず、律は転げまわる。

更に澪は追撃するかのように追いかける。
これは殺し合いじゃなくただのじゃれあいだ。
そう唯は感じ取った。



138 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/12(土) 00:01:22.23 ID:yC17DOMwo


しばらく追い掛け回して澪が満足した頃、
疲れたから下にいると行って席を外した。

唯はこれからの事を聞こうとしたら先に律が答えた。

律「私はもうちょっとここにいるよ」

唯「神の手だっけ?」

律「そ」

唯「何か会ったら言ってよ」

律「そうさせてもらうな」

澪「おーいゆいー」

下から澪が呼んだ。
長居は出来ないとの事。
いや、澪ちゃんがさせないのかも知れない。



139 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/12(土) 00:01:55.14 ID:yC17DOMwo


唯「それじゃあねりっちゃん」

律「おう。また食いもん貰い行くからな」

廃ビルを出ると澪が待っていた。

唯「じゃあお腹減ったしどこかに食べに行こう。ご褒美だよ!」

澪「ありがとう」

律と一緒に食べたファミレスで食事をする。
食べている時澪が口を開いた。

澪「私は唯に仕えて本当に幸せだよ。
  まだ夢で朝起きたら唯がいなくなってるんじゃないかと思うよ」



140 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/12(土) 00:02:27.05 ID:yC17DOMwo


唯「夢じゃないよ」

食事も終わってゆっくり帰ってる時、唯は澪に言った。

唯「そう言えば流しの残飯に
  たくさん食べ物のゴミがあったんだけど」

澪「それは…手料理ってやつ
  唯に食べてもらって戦って欲しかったんだが……」

唯「じゃあ家事でも覚えよっか」

澪「うう…お願いするよ」

アパートに着いてから澪は集合ポストを見に行った。
そして督促状を持ってきた澪を見て現実に引き戻される唯。

でもこれが日常で
お母さんやお父さんがいなくなっても唯には澪がいる。

もうトラブルには律の頼みごと意外起こらないのだ。
起こったとしてもう澪は裏切らない。

ずっと隣にいてくれる。

明日は遅刻しないように
そう思いながら唯はドアを開けて澪と家に入った。

終わり。



141 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/12(土) 00:18:00.20 ID:yC17DOMwo

これで原作だと一巻は終わりです。
省いたり、アレンジしたので変わってますが…
ちょっと原作そのまんまな点は反省します。すみません。
元ネタはラノベの

繰り世界のエトランジェ(2回目)

の設定とストーリーを借りました。

分からない点は言ってください。
失礼しました。




142 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/12(土) 01:08:49.91 ID:hAjGW+SAO



1巻が母親不在が物語の肝だったために、
2巻以降の落ち込みっぷりが凄まじかった作品だったな



143 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/12(土) 01:20:01.40 ID:PD/MgM0qo

おつ

原作知らないけど面白かったよ





144 名前:>>1です。:2011/03/12(土) 18:59:08.91 ID:mZVZkLnDO

もしもしからですみません。
思ったよりスレが余ったので、二巻も書いてみたいと思います。
完成はいつになるか解りませんが、
出来るだけ早めに完成させたいと思っています。

失礼しました。
地震、原発怖い。



145 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/14(月) 22:43:55.53 ID:JAzwrXUlo

>>1です。
すみません。
キャラの設定は出来ていたのですが
忙しくなってきたのでやっぱり二巻以降は諦めます。
もしかしたら期待していた方。すみません。
本当に申し訳ありません。



146 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/14(月) 23:23:45.82 ID:JAzwrXUlo

最後に修正で
>>12
律「私は改造が趣味の最低な奴に改造されたんだ。
  ソイツは私みたいな異能を生み出すんだ。
  
  もちろん、私は恨んでいる。
  この手で[ピーーー]んだ。
  この事件にも絡んでるかもしれないんだ。
  
  だからな人形遣い!
  私じゃなかったらお前は殺されてたかもしれないんだぞ!
  私みたいな奴が異能者だと軽々しく思うな!!
  
  この事件を甘く見てるな!!」×

律「私は改造が趣味の最低な奴に改造されたんだ。
  ソイツは私みたいな異能を生み出すんだ。
  
  もちろん、私は恨んでいる。
  この手で殺すんだ。
  この事件にも絡んでるかもしれないんだ。
  
  だからな人形遣い!
  私じゃなかったらお前は殺されてたかもしれないんだぞ!
  私みたいな奴が異能者だと軽々しく思うな!!
  
  この事件を甘く見てるな!!」○


これで原作も読んでくれたら嬉しいです。
失礼しました。




147 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/15(火) 21:30:35.87 ID:PAvDIi8Mo

乙!
エトラン知らんけど原作読んでみる気になった





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唯「糸が視える」#4

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タイトル:
NO:1423 [ 2011/03/20 19:23 ] [ 編集 ]

聡ですら出番があるのに……

タイトル:
NO:6241 [ 2012/04/09 03:19 ] [ 編集 ]

なんか中学二年生の書いた小説って感じだ

ラノベって月姫とかのパクリが多いよね、まぁ月姫も大概だけどw

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