お知らせ

SS保存場所は移転しました。
現在けいおん!関連の更新はしていません。
今後更新するかは未定です。
SS保存場所






律「呪詛」 【非日常系】


http://hibari.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1302967036/l50




1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 00:17:16.51 ID:/Wk4X/Md0




唯「――あなたは、飛ぶの?」

唯「それとも、私に飛べと言っているの?」

唯「そんなに はね をふるわせて、なにをねがうの?」


唯「いいよ、私は待つよ」

唯「いつまでも、いつまでも」

唯「静かに……」



さあ





2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 00:18:34.02 ID:/Wk4X/Md0

【鬼面に憑かれた 女】


――子守唄の『おころりよ』とは何なのか、実は結構前から気になっている。

私――田井中律は、恥ずかしながらあまり勉学に励むタイプではない。
そして同時に成績も良くない。当然といえば当然なのだが。

故に、そのへんの古語とか古文とか、そんな感じのものにも疎い。

でも、意味はわからずとも、唯の口から発せられるその言葉は、とても心地良くて。
子守唄の本領発揮と言わんばかりに、私を優しく温かい眠りへと導いてくれる。


唯「……おやすみ、りっちゃん。また明日」


……うん、また明日な、唯。



3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 00:22:14.28 ID:/Wk4X/Md0

【ひとりで】


――いったい、『あれ』からどれほどの時間が過ぎたのか。
楽しかった事。悲しかった事。なにもかもが遠い昔の出来事のようで。

今の私には、日時を知る術がない。

……まぁ、それは唯のせいなんだけど。でも私は、特別唯を恨むような事はしなかった。
何故かって? 別に、好きな人を恨むことは私には出来なかっただけ。

唯が何の為にこんな事をしているのか、それはわからない。
けれど、こんなことがいつまでも続くとは思えない。
それは唯もわかっている。

だからこれはきっと、その上で唯が私を求めた結果。
そう思うと、本来なら苦痛に感じるはずのこの状況さえ、
愛しく思える…気がする。

たとえいくら時間が過ぎようと、忘れないモノが私にはある。
大切な仲間と、愛しい人と過ごしたかけがえのない時間が。

だから、私はこれからも、生きていく一分一秒、
どんな時でも大切に、忘れないように積み重ねていこう、と。
そう誓いを掲げたことを、毎日ちゃんと思い出す。

……そして、誰に聞かせるでもなく、叫ぶ。
それは宣誓だ。誰かに誓うのではなく、自分に誓う、宣誓。



4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 00:25:37.99 ID:/Wk4X/Md0

【翅】


――私には『はね』がある、と唯は言う。どこへでも行ける『はね』。

律「…なんだ、私は飛べるのか?」

唯「飛べるよ。飛べるし、走れるし、空よりもっと上にだって行ける」

律「宇宙か?」

唯「うん。でも、私としては行って欲しくない」

律「そうか。じゃあ行かないよ」

唯「ありがと。りっちゃん愛してる」

律「やっすい愛だな」



6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 00:29:12.82 ID:/Wk4X/Md0

……私は、唯に捕らわれた。
そのくせ、唯は『どこへでも行ける』と言う。

もちろん信じてなんていない。
囚われているこの現状が、私の全てだ。

……ぐるりと周囲を見渡してみる。
何度も来た事のあるはずの、唯の部屋。

でも以前とは違い、窓は幾重にも塞がれ、
隙間は全てガムテープで目張りされ、一筋の光さえ入ってこない。

たった一つの出入り口は内にも外にも多数の鍵。
私がここから出られないように、そして誰も入って来れないように。

私以外の全てを拒み、閉じこもってしまった、
まさに今の唯を体現しているかのよう。

……そして、私の首には首輪。そして鎖。
この部屋の中は自由に動き回れるものの、部屋からは出られない。
そんな絶妙な長さの鎖で、私は囚われている。
他ならぬ、唯の手によって。

……今の唯はきっと病んでいる。ヤンデレとかいうヤツなのだろう。
でもさっきも言った通り、私はイヤじゃなかった。
そんな唯でも大好きだし、いつかは終わるこの時間をどうせなら楽しみたい。

……それでも、たまに澪達の顔を見たくなるときがある。
そう唯に伝えると、もちろん唯は嫌がる。でも決して頭ごなしに否定はしない。

――しかしそれでも、私のその願いが通った事は、まだ無い。



7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 00:35:02.82 ID:/Wk4X/Md0

【ある日】


唯「あ」

唯「……りっちゃん?」

唯「まさか……」

唯「…ああ、そうか」

唯「その姿」

唯「そうだったんだ……」


――その日、私はりっちゃんを監禁した。



9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 00:40:19.32 ID:/Wk4X/Md0

【一方 その頃】


律「光なんてなかった」

律「なかったなら、いい。最初からいらなかったんだ」

律「なぁ、唯」

律「助けて…」


そう呟いた時に気づいた。

唯「…大丈夫だよ、りっちゃん。私はここにいるよ」

ずっと隣に、唯はいた。いてくれた。
私は縋った。唯に。愛しい人に。

……きっとこの時、縋ってはいけなかったんだ。
唯は、私を支えられるほど強くなかった。
ずっと脆く、壊れやすい存在だったんだ、唯は。

唯は壊れ、きっと私も壊れた。
だって私の記憶からは、こうなった『キッカケ』が抜け落ちているから。

きっとこの時、私に『はね』が生えたんだ。
いつだったか、唯はそう言っていた。
だとしたら私は『はね』を得るために、何かを失い、壊れてしまったのだろうか。


……でも、同じように壊れている唯には、『はね』なんて見えない。



10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 00:44:34.48 ID:/Wk4X/Md0

【かわいそうに】


唯「んふふ~」

唯「今日は帰ったら何をしよう? りっちゃんも退屈してるよね」

唯「何かCDでも買って帰ってあげようかな」

唯「ずっとリピートできるくらい大量にね」

唯「私だって退屈させたいわけじゃないもんね」

唯「でも、もし私を待ってる時間が充実してたら、
  私が帰っても相手してくれなくなるのかな?」

唯「それはやだなぁ」

唯「どうしよっかなぁ…」


田井中律の一件以来、平沢唯は校内では孤立していた。
いつも一人。

だが、周囲がそれをどう見ているか言及するのは野暮と言うものだ。
彼女は何も気にかけていないのだから。
他人の奇異の視線も、かつての仲間の心配する眼差しも。



11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 00:47:50.29 ID:/Wk4X/Md0

澪「……唯…」

紬「澪ちゃん、そっとしておいてあげましょ?」

澪「…ダメだろう、それじゃ。私達は唯の友達だ」

紬「そうだけど、でも……」

澪「それに、律も。大事な仲間だろう?」

紬「そうだけど……あ、澪ちゃん!」

平沢唯に歩み寄る秋山澪を見て、教室がざわめく。
一部は驚き、一部は呆れ。

このような光景を見るのももう何度目か。
琴吹紬とて、心が痛まないわけではない。

紬(澪ちゃんは諦めてない。私は…諦めた。
  それが唯ちゃんの幸せなんだ、と。……ねぇ、りっちゃん。私が間違ってるの?)

彼女だけではない。周囲の誰もが、決して諦めず、
自分を見失うことのない秋山澪という人間に、心を揺さぶられてはいるのだ。


澪「……律を解放しろ、唯」

唯「…澪ちゃん?」

澪「…もういいだろ? 元に戻ろう? また皆で仲良くやろう?」

唯「ダメだよ。
  みんなじゃ、りっちゃんに何もしてあげられない。
  そんなみんなにりっちゃんは渡せない」



13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 00:50:45.29 ID:/Wk4X/Md0

澪「…どうしてそんな事を言うんだ。根拠なんてないだろ?」

唯「あるよ。澪ちゃんがまだ元通りに戻れると思ってるから。それが根拠」

澪「戻れるよ。戻れないわけがない。みんな大事な仲間だから」

唯「私にとってはりっちゃんだけが大事だから」ガタッ

澪「……どこに行くんだ?」

唯「帰る。みんなと話す事なんて何もないよ」

澪「逃げるのか、唯」

唯「……逃げてるのはそっちでしょ」ボソッ


小声で呟き、平沢唯は教室から出て行ってしまう。
その言葉は、果たして幾程の人に届いたのか。
その心は、誰が理解できたというのか。

答えはどちらも、皆無である。


紬「……澪ちゃん、やっぱり…」

澪「…なんだよ、ムギ」

紬「こんなこと、言いたくないけど…本当に言いたくないけど、
  きっと、もう唯ちゃんは……狂ってる」



14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 00:55:30.29 ID:/Wk4X/Md0

澪「……そうだとして、それが何?」

紬「…もう、誰の声も届かないのよ」

澪「だから諦めろと? 唯も、律も!?」

紬「っ……」

澪「律は大事な幼馴染だ、絶対に助ける。でも唯も大事な友達だ。
  一緒に助ける! 心が壊れていようとも、まだ生きているんだ。
  遅すぎる事なんて絶対に無い!!」

心からの叫びが、他の皆の心を揺らす。

……しかし、ただ一人、最も助けたい少女には、決して届く事はない。


「……嗚呼、かわいそうに」



15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 00:57:00.36 ID:/Wk4X/Md0

【雲の糸】


――最近、唯が登校する事が減っている。

理由を聞いても教えてくれないが、おそらく人間関係で何かあったんだろう。
……たぶん、軽音部の仲間達の誰かと。

しかし、登校拒否したところで家には憂ちゃんがいる。
もっとも憂ちゃんのことだ、正面から唯を責める様なことは言いはしない。
それでも、態度で、視線で、何かを訴えているのだろう。

唯は、この部屋から滅多に出なくなっていった。

正直に言うと、話し相手の唯がいてくれるのは私は嬉しい。
でもこのまま唯が塞ぎこんでいくのを見ていたくはない。

澪でも憂ちゃんでも、誰でもいい。
話し合って、最善な手を打つ機会が欲しかった。

澪達の顔を見たい、というのももちろんある。
けどそれ以上に、やっぱり唯のことが心配だった。



……しかし、唯の部屋に監禁されている私には、何も出来ない。
せいぜい唯の説得を試みるくらいだが、
病み、壊れている唯を説得なんて、出来るはずもなく。



16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 00:59:13.14 ID:/Wk4X/Md0



――でも、ある日、不意に伸ばされる蜘蛛の糸。


その日も唯は学校を休んでいた。
いつも通り部屋に篭り、私と他愛ない話をして。
私の説得には耳を貸さず。私のお願いには悩むも、首を縦には振らず。
何も変わらない一日。そのはずだった。


……不意に鳴り響く呼び鈴。玄関のチャイム。

最初こそ無視していた唯だが、
絶え間なく幾度も鳴らされる音に痺れを切らし、怒った様子で部屋を出る。

唯が怒ったところを見る機会なんてそうそう無いな、
とか、まだその時の私は暢気にしか捉えていなかった。

しかし、少ししてから響く騒音と、唯の怒号にさすがに危機感を覚える。
といっても、監禁されてる私に出来ることなど何もなく、
ただ不安に身を震わせることだけだった。

そして、ほんの数分で音は止み、一つの足音が近づいてくる。

唯の足音じゃない。あいつの足音はわかりやすい。
私に会いたいという気持ちが溢れ出ているから。

この足音は、唯の足音よりしっかりと、落ち着いている。
この足音を、私は知っている。


澪「――助けに来たぞ、律!」



17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 00:59:44.96 ID:/Wk4X/Md0

【黒雨】


――開け放たれる扉。
そこに立つ、しっかり者の幼馴染。
ああ、ホント、こういう時は頼りになるなぁ。

後ろの方では唯がムギと憂ちゃんに拘束されていた。
あまり乱暴にしてやらないでくれ。
病んでるかもしれないが、そいつは私の大事な人なんだ。

唯「………」

唯が私のほうを見るも、何も言わない。表情からも何も感じられない。
わかっているのだろう、もうこんな時間は終わりだと。
幸せな時間は終わりを告げたと。

……でも心配するな、唯。私はお前を見捨てはしない。
唯が正常に戻ったら――いや、戻らなくても、お前は大事な仲間だ。
また一緒に、バンドやろうな。

律「……澪、これを外してくれないか」

私を縛り付ける、その鎖を掲げて見せる。
扉が開いている以上、これさえ外せば私は自由だ。

自由になったなら…あとは、唯を助ける。
みんなと一緒に。私の望みはそれだけだった。



19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 01:06:46.94 ID:/Wk4X/Md0



それだけなのに。

律「………おい、澪?」

澪は、私の顔を見ていなくて。

澪「…律?」

律「……おい、どうしたんだよ…」

澪を怪訝に思ったのか、唯を引き連れてムギと憂ちゃんもやってきて。
そして、澪と同じように、私のことを見ていなくて。

澪「律……律! どこだ、どこにいるんだ!!」

律「……み、澪? なんだ? なんの冗談だ?」

紬「…澪ちゃん、落ち着いて。ちゃんと隅々まで探しましょう?」

律「ムギまで……なんだよ、どうなってるんだよ…!」



20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 01:10:55.94 ID:/Wk4X/Md0

澪「くそっ……律ッ!!」

律「澪! 私はここだ! 見えないのか!?」

認めがたい仮説が、私の中に浮かんでくる。
認めがたい、認めたくない仮説。

憂「…お姉ちゃん、どういうことなの…?
  律さんはいるって言ってたよね?」

唯はその問いには答えない。でも、その目はまっすぐ私を見ている。
唯は。唯だけは。唯だけが、私を見てくれている。

唯「……ホラね。ダメなんだよ、みんなじゃ。
  そこにいるのに、いることを認めてあげてないみんなじゃダメなんだよ」

澪「どういう意味だよ、それ…!」

唯「わからないなら一生会えないよ、りっちゃんには。あははっ」

乾いた笑いを浮かべる唯を、澪は狂人と一蹴し、
部屋をひっくり返すかの勢いで私を探し始める。

……そんなに必死にならなくても、目の前にいるのにな。

認めたくない、と、私が現実を拒めば拒むほど、視界が暗く染まっていく。
そんな視界の隅に、廊下で手招きする唯が映る。
唯を拘束していたはずのムギと憂ちゃんはいなかった。

立ち上がり、唯のほうへ歩く。


……私を捕縛していたはずの鎖は、その意味を成さず、無限に伸びていた。



21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 01:16:01.66 ID:/Wk4X/Md0

【己の意味】


律「――なぁ、唯――」

唯「雨だよ、りっちゃん」

律「……どうでもいいよ。聞きたいことがあるんだ」

唯「答えないよ」

律「そう言うなよ」

唯「絶対答えないよ」

律「答えてくれよ…頼むから」

唯「やだ。ついでに言うと答えない理由も言わない」



23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 01:20:31.78 ID:/Wk4X/Md0

律「……なぁ、お前は本当に狂ってるのか?」

唯「………」

律「私とこうして喋れるお前が狂ってるのなら、私は何なんだ?
  皆は何なんだ?」

唯が狂っているのか。それとも、他の皆が狂っているのか。
そう聞いてみたものの、その質問に唯がどう答えようと、
あるいは答えずとも、肝心な事はわからず仕舞いだ。

律「――なぁ、唯。私は何なんだ?」

唯「…りっちゃんは、りっちゃんだよ。私の大好きなりっちゃん」

律「……唯…」

ハッキリ言ってくれよ。真実を伝えてくれよ。
私の存在が……存在を、肯定か否定かしてくれよ。どっちでもいいから…!

律「……教えてくれよ…ッ!!」

意を決して……私は、唯に平手を喰らわす。

唯「………」

否、喰らわせようとした。
そして、それは叶わなかった。



24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 01:25:20.03 ID:/Wk4X/Md0

唯「…りっちゃん、自分をしっかり持って?」

律「……無理…言うなよ…」

私が振るった平手は、唯をすり抜けた。
心配そうに私を覗き込んでくる唯の手を取ろうとした。でも、その手はすり抜けた。

……ああ、そうか。やっぱり、そうなんだな。

律「……まだまだ、やりたいこと、沢山あったんだけどな…」

軽音部。もっと続けたかった。
ドラムをもっと叩きたかった。
澪をもっとイジって遊びたかった。
ムギのケーキとお茶も、もっと味わいたかった。

――みんなが普通にやってることを、私もしたかった。

心が痛い。
許されぬ願いを、叶わぬ事を願うのは、そんなにいけないことなのか。
心が痛い。否、熱い。
身体の芯から、心から、燃やされていくようで。
きっとこの後の自分は、ただの燃えカスになるのだろうな、とか。
そう思えるくらいの、喪失感。

――唯を、もっと、ずっと見ていたかった。



25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 01:28:15.10 ID:/Wk4X/Md0

律「……もっと、お前とバカやっていたかったよ、唯」

唯「……いいんだよ? りっちゃん、願ってもいいんだよ?」

律「…でも、それは」

唯「いいの。私なら、いつでもいいよ」

唯が私を抱きしめる。抱きしめてくれる。
背中に手を回し、抱きしめ返そうとして……私の手は、腕は、唯をすり抜ける。

これは、気づいてしまった私と、信じている唯の違いなのか。





――だとしたら、あまりにも不公平じゃないか。





唯「――りっちゃん、今日はもう寝よう?」

唯の子守唄が、今日もまた始まる。

でも、気づいてしまった私に、明日はあるのだろうか?



26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 01:32:39.78 ID:/Wk4X/Md0

【最果ての天来に】


抱きしめた腕の中の温もりも。

皆で笑いあった、楽しい日々も。

来るはずだった、明るい未来も。

心から願おうとも――届かない。


そう知ってしまった『私』の心に、たった一つ残る物は――



28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 01:35:26.72 ID:/Wk4X/Md0

【谺】


唯「ねぇ、りっちゃん」

唯「どこかに行くんなら、私も連れて行ってね」

唯「私は」

唯「りっちゃんのいない世界になんて、居たくないから」

唯「もし、もしも明日」

唯「目が覚めた世界に、りっちゃんがいなかったら」

唯「そんな世界に、私だけが残されるくらいなら」

唯「私は願うよ」

唯「どうか、私が――」



30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 01:38:21.53 ID:/Wk4X/Md0

律「きっと私に、明日はない」

律「でも、みんなにはある。私のことが見えない皆にも、見える唯にも」

律「不公平じゃないか。私と皆の違いも、皆と唯の違いも」

律「……ズルい。卑怯だ。……妬ましい」

律「なあ、唯。お前の言った事が、私に対する想いが本当ならさ」

律「そばに、一緒にいてくれよ。一緒にいてやるから。ずっと、ずっと、さ」

律「だから、願うよ」

律「どうか、お前が――」



31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 01:38:50.02 ID:/Wk4X/Md0






「「明日 目が覚めませんように」」





32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 01:39:33.36 ID:/Wk4X/Md0

おわり

ごめんなさい




33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 01:41:04.28 ID:zO0vnq3Q0

おつー



34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 01:43:20.55 ID:OkPBFWYIO


律がどうしてこうなったのかと
唯とのこの関係の始まりが見たい





関連記事

ランダム記事(試用版)




律「呪詛」
[ 2011/04/18 00:18 ] 非日常系 | | CM(2)

コメント(アンカー機能)
●>>1と半角で書き込むと>>1と記事へのアンカーが生成される。
●*1と半角で書き込むと1とコメントへのアンカーが生成される。
上記の2つのアンカーが有効なのは該当記事のみ。

タイトル:
NO:1647 [ 2011/04/18 01:09 ] [ 編集 ]

ここ最近唯律は遣る瀬無い内容が多い気がする、
ただこのSSは救いが無いものの二人が別れないだけまだましなのか?

タイトル:
NO:1654 [ 2011/04/18 13:52 ] [ 編集 ]

律ははたしてどこに行ってしまったのかな

コメントの投稿












管理者にだけ表示を許可する

サイト関連
メール ツイッター 最新記事一覧(30件)
ユーザータグ 検索

U:
P:
色々変更
好みのカラーコードをどうぞ

記事の背景色変更


本体の背景色変更


名前の色変更
IE8:重
火狐4.01:軽
chrome:軽


広告4
広告5
広告6