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澪「ハーレムワールド」#後編 【SF】


http://hibari.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1302933222/l50


澪「ハーレムワールド」#前編




140 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/16(土) 22:27:59.92 ID:rVHg69UiO




梓「さ、なんでも頼んでください」

澪「気持ちは嬉しいけど、なんだか申し訳ないから一番安いホットでいいよ」

梓「そんなに遠慮しなくていいのに……」

澪「いいんだよ。後輩におごってもらうってだけでも格好つかないしな」

梓「まあ、それもそうかもしれないですね」





144 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/16(土) 22:34:28.10 ID:rVHg69UiO

梓「そういえば、澪先輩の軽音部はどんな感じなんですか?
  真面目に練習したりしてるんですか?」

澪「いや、全然。ティータイムと雑談で活動時間がつぶれないほうが珍しいくらいだ」

梓「そうなんですか? わたしたちとあまり変わらなさそうですね」

澪「なんだ、そっちの軽音部もなんだ」

梓「あ、でも、ライブの前とかはきちんと練習しますよ」

澪「それは、わたしたちも同じだ」

梓「ちがう世界でも、すごく似てることってあるんですね」

澪「なんだか不思議だな」



146 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/16(土) 22:37:51.40 ID:rVHg69UiO

澪「まあ、でも本当に時々だけど、険悪なムードになったりもするけどな」

梓「時々、なんですか?」

澪「うん、それだって片手で数えられるぐらいだ」

梓「少し羨ましいかも……」

澪「まるで、頻繁に険悪な雰囲気になるみたいな言いかただな」

梓「実際なるんですよ」

澪「どうして?」

梓「澪先輩、あなたのせいでしょう?」

澪「え? わたし?」

梓「あ、すみません。
  こっちの澪先輩です……って、ややこしいなあ」



152 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/16(土) 22:44:09.21 ID:rVHg69UiO

澪「確かに、二人とも同じ名前で同一人物だもんな」

梓「えーと、じゃあ、あなたのことは澪先輩のままで、
  こちらの澪先輩のことはミオ先輩と呼びましょう」

澪「ちがいがわからないんだけど」

梓「わかってください。
  それで、そのミオ先輩をめぐって、
  唯先輩とムギ先輩と律先輩が争いをすることがわりとあるんですよ」

澪「三人が争ってる姿なんて、全然想像できないな」

梓「まあ、決して仲が悪いわけではないんですけど……
  本番直前までやられるとちょっと疲れます」

澪「苦労してるんだな」



153 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/16(土) 22:49:12.88 ID:rVHg69UiO

梓「でも、ミオ先輩には本当に忠実なんで、まだマシですけどね」

澪「忠実って……どんなふうに?」

梓「最近だと、イライラしてたミオ先輩が唯先輩に
  『ケーキをわたしによこせ』と言ったら泣きながら渡してましたよ。
  それに二人の先輩が対抗してまたケンカになったんですけど……」

澪「……わたしたちとは本当にちがうな」

梓「澪先輩のほうの軽音部は、澪先輩に従順ってわけじゃないんですか?」

澪「うん、わたしが練習しようって言っても結局練習しないなんてザラだ」

梓「ミオ先輩が羨ましいですか?」

澪「いや……やっぱり、わたしはわたしの軽音部が一番好きだ」



155 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/16(土) 22:53:20.11 ID:rVHg69UiO

梓「澪先輩は、軽音部が好きなんですか?」

澪「まあ……決して真面目な部活じゃないけど……。
  みんなとは……離れたくないって思ってるし。
  ずっと放課後ティータイムとして演奏できたらなあ、って時々思うんだ」

梓「放課後ティータイム? なんですかそれ?」

澪「え? 軽音部のバンド名だろ?」

梓「わたしたちとは全然ちがいます」

澪「……どんなバンド名なんだ?」

梓「『ミオ☆ミオ』です」




156 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/16(土) 22:54:57.13 ID:+6XwIOlz0

ひでぇwwww



157 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/16(土) 22:55:00.56 ID:qDnc3vp+0

みおみお



158 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/16(土) 22:55:47.61 ID:K4TWrVDJO

かわいい





159 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/16(土) 22:57:24.55 ID:rVHg69UiO

澪「……すごく、イヤだな。
  ていうか、決めたのは誰?」

梓「さわ子先生です」

澪「あれ? わたしたちと同じだ」

梓「唯先輩と律先輩とムギ先輩が、ミオ先輩の名前に絡めたバンド名で言い争いしてて。
  二時間の争いの末、さわ子先生が決めたんです」

澪「二時間って……。
  ていうか、ほとんど名前が決まる過程は同じなのに名前にずいぶん差があるな」

梓「まあ、みなさんミオ先輩信者みたいなものですから」

澪「怖いな」

梓「ええ。いつかミオ先輩に殺されるんじゃないですかね?」

澪「やめて」




161 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/16(土) 23:03:11.91 ID:MiokAthZO

みおみお支援





162 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/16(土) 23:03:47.23 ID:rVHg69UiO

梓「まあ、それに澪先輩とちがって、
  ミオ先輩には全然軽音部に対して思い入れがないみたいですし……」

澪「そうなのか?」

梓「最近は全然、部活に来ないですし。
  来ても楽器は持って来なかったり……」

澪「……そうなのか」

梓「だから最近は作詞は澪先輩以外の四人でやってるんですけど……」

澪「わたしじゃないのか……」

梓「ええ。しかし、これがまたひどくて。
  『Mio&Mio』とか『澪はおかず』とか、もうね……」

澪「…………」



170 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/16(土) 23:09:37.19 ID:rVHg69UiO

梓「そちらは作詞、作曲、誰がやってるんですか?」

澪「作曲はムギが全部やってくれてる。
  作詞は一応わたしだ。あと、時々だけど唯が作曲をやることもある」

梓「いいなあ……」

澪(……やっぱりイロイロとズレがあるな。
  この時期に『ごはんはおかず』とか『U&I』はできてなかったのに……)

梓「とりあえず、あの三人の先輩をどうにかしないと、やっぱりダメなんでしょうかね?」

澪「そうかもな……」

梓「今年は先輩たちとの最後の学園祭ライブなのに……」

澪「梓……」



174 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/16(土) 23:17:10.87 ID:rVHg69UiO

梓「……と、今はそんなこと言ってる場合じゃありませんね。
  がんばりましょう、澪先輩」

澪「あ、うん……ありがとう、梓」

梓「なんだかヘンな気分です、澪先輩にお礼を言われるのは」

澪「話を聞くかぎりそうなんだろうな」


ウダダダーウダダダーウラウララー♪


澪「……電話? わたしのだな」

澪(あれ? なんだ、なんかおかしくないか、このケータイ。
  なんだろ、違和感が……)

梓「澪先輩、でないんですか?」

澪「あ、うん……」



175 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/16(土) 23:21:47.74 ID:rVHg69UiO

澪「……もしもし」

 『…………』

澪「……? も、もしもし?」

 『秋山……澪……』

澪「は、はい。そうですけど……」

 『……今すぐ学校に一番近いアイス屋に来い……』

澪「え? ちょっと……」


……ツーツー



176 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/16(土) 23:24:56.92 ID:rVHg69UiO

梓「誰からだったんですか?」

澪「いや、それが誰だかわからなかったんだ」

梓「イタズラ電話かなにかですか?」

澪「わからない。
  ただ、学校付近のアイス屋に来いって、電話の相手は言ってきた」

梓「……行きますか?」

澪「え? 行くの?」

梓「行かないんですか?」

澪「いや、だって……怖いし……」

梓「もしかして、澪先輩って怖がりなんですか?」

澪「え゛!?」



178 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/16(土) 23:31:25.95 ID:rVHg69UiO

梓「ミオ先輩は全然そんなことないみたいですけど、澪先輩はもしかして……」

澪「ち、ちがう! わ、わたしはただ、もしかしたら危ないかもしれないと思って……!
  そ、それに梓を巻き込むわけにはいかないしな!」

梓「……ふふふ。澪先輩の怖がり」

澪「……もういい」プイッ

梓「……もしかして拗ねちゃいましたか?」

澪「拗ねてない」

梓「じゃあ、アイス屋に行きましょっか」

澪「……ん?」

澪(……あの声ってひょっとして……)

澪「わ、わかった。梓がそこまで言うなら行ってやろうじゃないの」

梓「……無理しなくていいんですよ?」

澪「無理してないっ!」

梓「……澪先輩、泣いてませんか?」

澪「泣いてないっ!」



181 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/16(土) 23:35:19.68 ID:rVHg69UiO




澪(もし、わたしの予想が当たってたら……あの電話の主は……)

梓「ふぅ……しかし、今日も暑いですね。
  ただ歩いてるだけで汗かいちゃいますね」

澪「そうだな……」

梓「せっかくですし、アイスも食べていきません?」

澪「…………」

澪(こっちの梓はよく食べるな……と、そろそろアイス屋だ)



183 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/16(土) 23:39:51.42 ID:rVHg69UiO

梓「さすがに時期が時期なだけに繁盛はしてますけど……」

澪「うん。でも、わたしの予想してる人間がいない」

梓「予想? さっき澪先輩に電話をかけた人の予想ですか?」

澪「そんなところ」

 「あ、澪ちゃんだあ!」

澪「え?」



185 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/16(土) 23:44:14.90 ID:rVHg69UiO

唯「やっほー、澪ちゃーん……と、あれ? あずにゃん?」

梓「こんにちは、唯先輩。どうしたんですか、唯先輩。
  こんなところで」

唯「わたしはこれから澪ちゃんとアイスデートしようと思って来たんだよ。
  あずにゃんはなにしてるの?」

梓「……まあ、簡単に言いますと、澪先輩とデートしてました」

澪「……はい?」

唯「…………」

梓「ね? 澪先輩?」

澪「な、なにを言ってるんだ梓!? わたしと梓は……」

唯「……」

澪(ひいっ! こんな顔した唯を初めて見た……)



186 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/16(土) 23:49:16.61 ID:rVHg69UiO

澪(……って、あれ? おかしい。今、唯はなんて言った?)

澪「唯」

唯「なあに、澪ちゃん?」

澪「唯はわたしとここに来る約束でもしてたのか?」

唯「うん、ついさっきだけどね。
  アイス食べに行こ、って電話したもん」

梓「そうなんですか?」

澪「いや、そんなニュアンスじゃなかった気がするんだけど……」

唯「もう! 細かいことはいいからアイス食べよ!」



187 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/16(土) 23:55:29.03 ID:rVHg69UiO




澪「結局アイス食べて、色んな店回ってたらこんな時間になっちゃったな……」

梓「さすがに疲れましたね……」

澪「唯は異様に元気だったな……」

梓「澪先輩とデートできて嬉しかったんじゃないんですか?」

澪「……デート、か。
  そういえば、唯は梓のことをあずにゃんって呼ぶけど、そのあだ名は誰がつけたんだ?」

梓「あずにゃんってあだ名ですか?」

澪「うん」



190 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 00:01:22.32 ID:L/rfmCtPO

梓「誰だと思いますか?」

澪「ちなみにわたしの世界では、唯が梓にあずにゃんとつけたんだ」

梓「そうなんですか? 唯先輩がわたしに?」

澪「……そのリアクションを見るかぎり、唯ではないから……律とか?」

梓「ハズレ、ちがいます」

澪「……じゃあ、ムギ?」

梓「やっぱりちがいます」

澪「もしかして、こっちの世界のわたし?」

梓「正解です」

澪「……なんだか信じられないな。わたしがあずにゃんなんてあだ名を考えるなんて……」



193 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 00:08:13.58 ID:L/rfmCtPO

梓「そうですか? 澪先輩の作詞のセンス的に普通にありえると思いますけど?」

澪「どういう意味だ?」

梓「……ええと、まあ、察してください」

澪「そういえば、調子が悪いときの歌詞を見せると、みんなの反応もイマイチだな……」

澪(そのときのわたしは調子が悪かったんだな。
  きっと普段のわたしなら、『あずー』とかもっとステキなあだ名をつけてたにちがいない』)

梓「あ、そういえば澪先輩の歌詞で思い出したんですけど。
  昨日、実はミオ先輩、部活に来てたんです」

澪「それがどうかしたのか?」

梓「いえ。それで、少し奇妙なことをしてたから……」

澪「奇妙なこと?」



195 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 00:16:37.05 ID:L/rfmCtPO

澪「ヘンなことって具体的になにをしてたんだ?」

梓「唯先輩とムギ先輩と律先輩のケータイを借りて、なにかいじってました」

澪「ケータイをいじる……」

梓「そんなに時間はかかってませんでしたけど……。
  わたしは、さわ子先生の愚痴に付き合わされていたからなにをしていたのか、
  ハッキリとは知らないんですけど……」

澪「……それだけ聞いてもなあ……」

梓「やっぱりわかりませんよね……」

澪「ケータイをいじる……うん? 待てよ」

澪(あのさっきの電話の主は唯だった。そう唯本人は言った。
  だけど、もしかしたら……)

梓「どうしたんですか? 急にケータイをいじりだして」



199 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 00:22:54.00 ID:L/rfmCtPO

澪(……そうだ、サイフをもってなかったことに気づいた時点で、
  考えるべきだったんだ!)カチカチ

澪「……梓」

梓「はい?」

澪「……梓、少し黙ってて。今から電話するから」

梓「誰にですか?」



澪「ムギに」



201 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 00:29:57.44 ID:L/rfmCtPO

梓「そ、それって、ムギ先輩がなにか今回のことについて関係あるってことですか?」

澪「……」

梓「澪先輩?」

澪「ちょっと待って、梓。頭の中の考えが整理つかないから」

梓「…………」

澪「……いや、考えるより先にムギに電話をかけたほうがいいな」カチカチ


プルルルル


紬「はい、もしもし」

澪「……わたし。誰だかわかる?」

紬「澪ちゃん!? 澪ちゃんなの!?」



203 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 00:37:33.09 ID:L/rfmCtPO

澪「ムギに頼みたいこととがあって、電話したんだ」

紬『いいよ! なんでも言って!
  わたし、澪ちゃんの望みならなんでも聞くから!』

澪「……ムギに頼みたいのは、
  わたしの電話の場所を特定してほしいってことなんだ」

紬『うんうん』

澪「実はわたしは……」


澪(それから10分程度の会話をして、わたしはムギとの電話を切った)

梓「ムギ先輩となんの電話をしてたんですか?」

澪「うん、それについてはこれから話しする」



205 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 00:43:08.92 ID:L/rfmCtPO



梓「……それって本当なんですか?」

澪「うん、予想だけど。たぶん当たってると思う」

梓「それでムギ先輩にお願いしたんですね。
  たしかにムギ先輩の家なら、そういうこともできそうですもんね」

澪「正直、ムギが頼りにならなかったら手詰まりだったけど運がよかった」

梓「しかし、ムギ先輩からの返事遅いですね」

澪「そうだな……まあ、簡単にはできることじゃないのかもしれない」

梓「あ、じゃあせっかくだから待ってる間に小話でもしましょうか?」

澪「どんな話?」



206 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 00:47:14.17 ID:L/rfmCtPO

梓「はい、うちの学校で最近流行りだしたある怪談話です」

澪「い、いい! そういうのは遠慮する!」

梓「そうですか」クスクス

澪「……こっちの世界では桜校に怪談まであるのか……」

梓「澪先輩の学校ではないってことですか?」

澪「うん。そういう話はあまりないな。特に最近なんて……あ、電話だ」

梓「ムギ先輩からですね?」

澪「うん……。
  ……もしもし?」

紬『もしもし、澪ちゃん?』



208 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 00:53:56.06 ID:L/rfmCtPO

澪「……うん、そうか。わかった、ありがとう。それで、その場所はどこなんだ?」

紬『学校の音楽室』

澪「え?」

紬『澪ちゃん、わたし精一杯応援してるから、頑張って!』

澪「あ、うん。じゃあ……バイバイ」

梓「さて、これで目的地もわかりましたね。
  もちろん、わたしもついて行っていいですよね?」

澪「最初はひとりで行くつもりだったんだ。い、いや、でも……」


澪「おねがい! ついて来て、梓」

梓「頭下げられなくてもついていきますよ、澪先輩」



211 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 01:02:43.61 ID:L/rfmCtPO




澪「よ、よ、夜の学校ってちょっと怖いけど
  わたしがいるから、だ、だだだ大丈夫だぞ、梓」

梓「あのー、澪先輩。
  腕を絡めて、ついでに体重をかけられると歩きづらいです」

澪「あ、あ、梓が怖いかなあと思って……
  わ、わたしはべつにそんなにこ、こ、怖くないけどな!」

梓「……はいはい」

澪「……なんだその顔は?」

梓「生まれつきです……。
  着きましたよ、音楽室……もとい、音楽準備室。軽音部部室」

澪「よ、よし。じゃああとは待機だ」



214 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 01:08:18.40 ID:L/rfmCtPO

梓「いや、待機してどうするんですか?
  部室に入らないと」

澪「そ、そうだな……」スーハー

梓「大丈夫ですよ、澪先輩。わたしがついています」ギュッ

澪「……ありがとう、梓」

梓「じゃあ……せーので扉を開けますよ」

澪「……わかった」

梓「せー!」

澪「のっ!」


ガチャリ……


 「だ、誰だ!?」



216 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 01:15:15.96 ID:L/rfmCtPO

梓「…………」

澪「……梓」

梓「……なんですか、澪先輩?」

澪「わたしの予想、当たってただろ?」

梓「……はい、名推理ですね」

 「お前たちは……」

澪「……ひとりは、お前の後輩の中野梓。わたしは……」



澪「お前だよ、秋山澪」



218 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 01:20:17.65 ID:L/rfmCtPO




澪『さて、どうしてムギに電話してたのかって言うのを
  説明しなきゃいけないんだけど……。
  
  どこから説明しような』

梓『澪先輩はいったいなにがわかったんですか?』

澪『今回、わたしがパラレルワールドに来ることになった原因……
  ううん、これは本当かわからないけど。
  ただ、わたしに電話をかけてきた謎の人物についてはわかった』

梓『それは唯先輩じゃなかったんですか?』

澪『ちがう。たしかに唯はわたしに電話をかけたみたいだけど、あれは明らかに唯じゃない』

梓『じゃあ……誰なんですか?』

澪『その前に、梓。今回、わたしがパラレルワールドに来たとすると、だ。
  この世界のわたしはどこにいるって話にならない?』

梓『たしかに……』



225 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 01:26:17.27 ID:L/rfmCtPO

澪『ズバリ、答えを言うと。おそらく、この世界のわたし、『ミオ』はこの世界にいる』

澪『そもそもな、梓。最初から奇妙なことがあったんだよ』

澪『わたしが唯一持っていたのはケータイだけ。
  でも、奇妙だ。ケータイがあるのになぜかサイフをわたしはもっていない』

澪『普通に考えて、普段のわたしだったらケータイをもってるならサイフももってる』

澪『そして、ケータイを見てみた。メールを見てみたらすぐにわかった。
  わたしのケータイじゃないってことが』

澪『さらに梓から聞いた、昨日のわたしが三人のケータイをいじっていたっていう証言』

澪『これはたぶん、三人のケータイに登録されてるわたしのケータイ番号をいじってたんだ』



226 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 01:34:28.67 ID:L/rfmCtPO

澪『わたし……この場合はミオの番号を』

梓『どうしてそんなことを?』

澪『どういう必要性があるのかは全くわからない』

澪『でも、そうすることによる意味はわかる。
  おそらく、ミオは自分のもってる
  もうひとつのケータイの番号に書き換えたんだろう』

梓『ケータイを二つもっていた?』

澪『たぶんな。いや、わたしがムギに電話したとき、
  ムギはすぐにはわたしだとわからなかっただろ?』

澪『あれは本来登録されていたわたしのケータイ番号が書き換えられていたからだ。
  だから、名前が表示されなかった』

澪『そして、唯がわたしにかけたと言っていた番号。
  あれも、ミオのもうひとつのケータイ』
  
澪『本来のケータイは、わたしがもってるものだけど、
  唯のも書き換えられていたから……』

梓『澪先輩のもっているケータイにはかからず、
  ミオ先輩のケータイにかかった……ってこと?』

澪『たぶん』



227 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 01:40:17.94 ID:L/rfmCtPO

澪『今、ムギには、
  
  『ムギのケータイに登録されているわたしのケータイを
   どこかに落としたから、落とした場所を特定して』
  
  と言った』

梓『じゃあ、そこにミオ先輩は……』

澪『うん、たぶんいる』

梓『なんだかすごい話ですね。
  同じ人間が二人もいるなんて……』

澪『まあな……』

梓『でも澪先輩、自分の声と同じ声してる人の声の主が、誰がわからなかったんですか?』

澪『いや、なんとなくわかってたよ。
  けど、案外自分の声ってわからないもんなんだよ』

梓『……なるほど』



231 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 01:47:08.10 ID:L/rfmCtPO




ミオ「まさかな……場所を特定されるなんて……どうしてわかった?」

澪「……梓、とりあえず明かりをつけて」

梓「はい」

ミオ「質問に答えろよ!
   なんでお前ら、わたしの場所が特定できたんだよ!?」

澪「うるさい。そんなことよりわたしの質問に答えて」

澪(よし、明かりが完璧につく……って)

澪「えええええ!? これがわたし!?」

ミオ「……」



235 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 01:53:32.74 ID:L/rfmCtPO

梓「み、ミオ先輩……その髪の毛どうしちゃったんですか……」

ミオ「……文句あるのか? わたしがどんな髪型にしようが、わたしの勝手だろうが」

澪「いや、でも……」

ミオ「……どうやらもうひとりのわたしは髪を染めたことないんだな」

澪「あ、あるわけないだろ?
  ていうか、その口ぶりだと髪をなんかいも染めてるみたいだな」

梓「言い忘れてましたけど、ミオ先輩はけっこうな回数、髪を染めてます」

澪「……いや、でもさすがにショッキングピンク色の髪は……」

ミオ「……完璧に別人にしか見えないだろ?」



236 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 02:01:01.56 ID:L/rfmCtPO

澪「ピンク色に髪を染めてどうするつもりなんだ?」

ミオ「べつに。深くは考えてないな」

梓「でしょうね。これから推薦で受験する、人間のする行動じゃないでしょ。
  ていうか、よくそんな色に染まりましたね」

ミオ「ふふ……なんかいも染めてるからな」

澪「もしかして……そのままどこかへ逃げるつもりだったのか?」

ミオ「そっ。こんなくだらない連中からオサラバしたかったからさ」

澪「だから、わたしをパラレルワールドに呼んだのか?」



238 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 02:08:00.44 ID:L/rfmCtPO

ミオ「いやいや、なんか勘違いしてないか?
   わたしは確かにお前が来ることをわかっていたし、
   実際お前をわたしの代わりにして逃げようとした」

澪「…………」

ミオ「けど、この世界にお前を呼んだのはわたしじゃない」

澪「じゃあ、誰だ?」

ミオ「さあ? そもそも、わたしも昨日までは半信半疑……
  いや、パラレルワールドなんてもの全然信じてなんていなかったんだよ」

澪「じゃあ、誰がお前にわたしのことを教えたんだ?」

ミオ「一週間前。メールがわたしのケータイに届いてたんだよ。
   妙に長い文章でさ。
   パラレルワールドからもうひとりのわたしが、律の家に現れるってメールがな」

澪「……」



240 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 02:14:55.77 ID:L/rfmCtPO

ミオ「差出人は不明だ。だから、わたしもほとんど遊びのつもりで、
   仮にもうひとりのわたしがいたら、
   っていう仮定で前日までイロイロ準備してたんだよ」

澪「……なんで?」

ミオ「……あ?」

澪「どうして、お前はここにいるんだ?
  なんで、お前の代わりのわたしが現れたのに、
  遠くに逃げずにまだこんなとこにいるんだ?」

梓「そうですよ。先輩の言うとおりですよ。なんで、こんなとこにいるんですか?」

ミオ「…………」



242 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 02:19:54.42 ID:L/rfmCtPO

ミオ「べつに深い理由はないし、
   こんなに簡単に見つけられるなんて思わなかったし……」

澪「……それだけ?」

ミオ「そもそも、わたしがお前をわたしの代わりにしようと思ったのも、ただひとつ。
   鬱陶しかったからだ」

澪「……」

ミオ「なんでか知らないけど、周りの連中はみんなわたしに惹かれてく。
   わたしってば、それで色んなヤツの相手をしてやった」

梓「……」

ミオ「ていうかさ、ぶっちゃけると賭けてたんだよ」

澪「賭け……?」



245 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 02:23:58.17 ID:L/rfmCtPO

ミオ「今日中に、お前にわたしが見つけられなければ、わたしはここから去る」

澪「……」

ミオ「今日中にお前に見つけられたら……」

澪「見つけられたら、なんだ?」

ミオ「お前を一生、ここの住人にして、わたしがお前の世界に行ってそこの住人になる」

澪「どういうこと……?」

ミオ「理屈はよく知らないけど、この世界のモノでなんらかの傷を負うと
   パラレルワールドの住人は帰れなくなるらしい。
   なんかメールにそう書いてあった」

澪「……!」



246 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 02:28:42.81 ID:L/rfmCtPO

ミオ「そしてね。傷を負わせた人間が、その傷を負った人間と同一人物だった場合……」


ミオ「その世界に行けるんだよ」


梓「澪先輩、なんだか非常にまずい気がするんですけど気のせいですかね?」

澪「いや、同じ人間として思うけど、あの目つきは危ないと思う……」

ミオ「わたしはいいかげんウンザリなんだよ。こんな女しかいない世界なんかさあ!」

澪「な、な、な、ナイフ!?」

ミオ「嘘じゃないっ!」



247 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 02:32:01.82 ID:L/rfmCtPO

梓「あわわわ!?」

澪「ど、どどどどどうしようあずさああああ!?」

梓「いやいやいやわたしにフラないでくださいよ!」

澪「そ、そ、そんなこと言ったって迫ってくるしいいいい!」

梓「とにかく逃げましょう! 傷つけられるどころか、殺されます!」

ミオ「逃げるなああああああああ!」



248 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 02:37:47.26 ID:L/rfmCtPO




梓「えらいことになりましたね……」

澪「死にたくない死にたくないいやだあああ死にたくないぃ」シクシク

梓「声出さないでくださいよ。かろうじて逃げ出して、隠れたのに。
  見つかったらどうするんですか?」

澪「だってぇ……」

梓「さっきの推理してるときの澪先輩はカッコイイと思ったのに……」


ミオ「どこにいるんだ!? 出てこいよ!!」

梓「ううぅ……確実に足音は近づいてるし……」

澪「終わった わたしの人生が ヒラヒラと」

梓「……ダメだこりゃ」



250 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 02:44:09.58 ID:L/rfmCtPO

ミオ「なあ、頼むから出てきてくれよ?
   今出てくるならそんなにひどい目にあわせないから……」


澪「あ、梓、ああ言ってるよ?」

梓「信用できますか、あのナイフ。妙にゴツいですし」

澪「て、ていうか、あれは本当にわ、わわわわたしなのか……」

梓「まるで別人ですね。でも、わたしの気のせいですかね?
  なんだかミオ先輩、心細そうに見えるんですけど」

澪「え……?」

ミオ「は、はやく出てこいよ。今なら……そうだ、
   安全ピンの針をチョコンと刺すだけで許してやるっ」

澪「……もしかして」



251 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 02:47:43.49 ID:L/rfmCtPO

澪「梓、ひとつ頼みがある」

梓「なにか必勝方でも浮かびましたか!?」

澪「……うん、たぶん。アイツはわたしだから、たぶん上手くいくはずなんだ」

梓「わかりました、とにかく教えてください」

澪「……」ゴニョゴニョ

梓「……そんなことでいいんですか?」

澪「いいんだ。相手はわたしだ。だからきっと上手くいく」

ミオ「は、早く出てこいって言ってんのがわからないのか!?」



255 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 03:00:28.91 ID:L/rfmCtPO

梓「わかりました。この際です、やってみます」

澪「た、頼んだぞ。わたしは耳ふさいでるから、話し終わったら背中を叩いてくれ」

ミオ「どこにいるんだよぉ……早く出てこいよっ!」

梓「ミオ先輩っ!」

ミオ「ひっ……!」ビクッ

ミオ「……って、どこにいるんだ!? 出てこいいぃ!」

梓「出ていってもいいですけど、その前に怖い話をしていいですか?」

ミオ「……へ?」

澪「ミエナイキコエナイミエナイキコエナイミエナイキコエナイミエナイキコエナイミエナイキコエナイ」



257 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 03:05:45.30 ID:L/rfmCtPO

ミオ「ふ、ふざけるなっ! 馬鹿にしやがって……!」

梓「昔、あるところにギターが大好きな茶髪の少女がいました」

ミオ「……!」ビクッ

梓「しかし、その少女はやがてトラックに轢かれて死んでしまいました。
  少女の妹は悲しみました……って」

ミオ「 」

梓「立ったまま気絶してるし……。
  澪先輩、どうやら澪先輩の作成はうまくいったようです」

澪「 」

梓「……こっちは座ったまま気絶してる」



259 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 03:09:30.50 ID:L/rfmCtPO

梓「なんだか、シマらない終わり方だけど、まあいっか……」

ミオ「 」

梓「暗い部屋でひとりでいても平気だったのに……
  ああ、もしかしたら気絶してただけなのかも」

澪「 」

梓「こっちはこっちでこれだし……」

梓「とりあえず、ロープかなにかでミオ先輩を縛ろうっと……」



260 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 03:14:32.91 ID:L/rfmCtPO




ミオ「……んっ」

澪「目が覚めたみたいだな」

ミオ「え? え? なんでわたしがロープで縛られてるんだ!?」

澪「わたしがお前をロープで縛ったからだ」

梓「さりげなく嘘つかないでください。縛ったのはわたしです」

ミオ「……くっ!」

澪「無理だ。ロープをちぎれるわけないだろ」



261 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 03:19:33.63 ID:L/rfmCtPO

澪「もう、諦めろ。いや、諦めて」

ミオ「……ひとつ聞いていいか?」

澪「なに?」

ミオ「お前は自分の世界が好きか? わたしは嫌いだ」

澪「わたしは……
  世界とかはよくわからないけど、わたしの周りのものはみんな好きだ」

ミオ「……」

澪「軽音部だって、ベースだって、学校だって、友達だって……
  みんな好きなんだ」

ミオ「……うらやましい、な……」

澪「え?」

ミオ「べつになんにも。
   はあ……もし、こっちの世界でもいいと言うなら交渉するつもりだったのに」

澪「交渉してもムダ。わたしは、この世界の住人じゃないし」



264 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 03:25:42.83 ID:L/rfmCtPO

ミオ「……そっか」

澪「それで? わたしはどうやったらもとの世界に帰られるんだ?」

ミオ「ほうっとけば勝手に帰られるらしいよ。
   世界のそうであろうとする自律的で巨大な力によって、
   異なる世界の人間はハジかれるらしい」

澪「メールに書いてあったの?」

ミオ「そんな感じの文章がね」

梓「よかったですね、澪先輩!」

澪「その……それは本当なのか? お前がただ嘘をついている可能性も……」

ミオ「……さあ?」

澪「……」



267 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 03:30:54.32 ID:L/rfmCtPO

澪「まあいい。わたしがこの世界から帰られないかぎり、
  梓はお前のロープを外さないからな」

ミオ「あっそ」

梓「まあまあ、澪先輩。せっかくですし、ちょっと学校の中を探索しません?」

澪「コイツを見張ってなくても大丈夫か?」

梓「大丈夫ですよ。ロープで身体を縛られてるんですから」

澪「……まあ、大丈夫か……」

梓「ほらほら、行きましょっ」グイッ

澪「だから、手を引っ張るな!」



269 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 03:36:16.17 ID:L/rfmCtPO




澪「なんだかさ、ハチャメチャなすぎて異様に長く感じた時間だったけど、
  たった一日の出来事でしかないんだよな……」

梓「そうですね……って、澪先輩くっつきすぎです。
  もう、だいぶ明るくなり始めてるのに……」

澪「仕方ないだろ……そういえば、もうひとりのわたしのことだけど……」

梓「なんですか?」

澪「いや、意外とあっさりと引いたなあと思ってさ。
  もっと必死にあがいてくるかと思ったのに……」

梓「意外でしたけど、案外アレで正解なような気がします」

澪「?」



270 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 03:40:37.99 ID:L/rfmCtPO

梓「ほら、澪先輩も言ってたじゃないですか?
  ミオ先輩が唯、律、ムギ先輩、三人のケータイの電話番号をいじった必要性について」

澪「ああ、イマイチ意味のわからない行動だな」

梓「三人のケータイなんていじりさえしなければ、
  今回、ミオ先輩はわたしたちに見つけられることはなかったはずでした」

澪「まあ、確かに……」

梓「ではなんでそんなことをしたのか……」

澪「未練があったから……そう言いたいのか?」

梓「……ただの予想ですよ」



271 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 03:45:29.46 ID:L/rfmCtPO

梓「もしかしたら澪先輩を誘い込むためだけの罠だったのかもしれませんし……」

澪「どうだろうな……」

梓「それとこれは確信がある予想なんですが、
  ミオ先輩はこの世界の住人ではないのかもしれません」

澪「え……?」

梓「ミオ先輩の言動を思い返すと、ね……。
  『女だけしかいない世界』なんてことも言ってましたしね」

澪「ちょ、ちょっと待ってくれ」

梓「なんですか、澪先輩?」



275 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 04:00:08.84 ID:L/rfmCtPO

澪「いやいや、アイツは世界ね自律がどうとか言ってたし、
  普通ならすぐにもとの世界に戻るんだろ?」

梓「そうらしいですね。
  でも、過去にべつの澪先輩にこの世界の傷をつけられたとしたら……?」

澪「……」

梓「ミオ先輩がセックス依存症だとウワサされるほど、性行為をしていたのも……。
  セックス依存症の原因でもある精神的寂しさを紛らわすためだったのかも……」

澪「でも、わたしの世界とこの世界……二つ世界はあるけど……」

梓「二つ世界があるんだったら、三つあってもおかしくありませんよ」

澪「……!」




276 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 04:00:43.17 ID:A+AZyAFnO

これは…



277 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 04:02:59.13 ID:xjmvQW3Z0

その発想はなかった





278 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 04:05:12.80 ID:L/rfmCtPO

澪「もしかしたら、あのわたしも男の人がいる普通の世界から来たのかな……」

梓「まあ、そうかもしれませんね」

澪「……なんだかな。もしそうだったらスゴクかわいそうだな……」

梓「……澪先輩!」グイッ

澪「うわっ、なんだよ?」

梓「いえ、ほら……日の出ですよ!」

澪「……あ、もうこんな時間か……」



279 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 04:10:22.64 ID:L/rfmCtPO

梓「そういえば、澪先輩の世界はもっと時間が早く進んでるんですよね?」

澪「うん、わたしの世界はもう十月だからな……学園祭ライブも、もう終わってるよ」

梓「学園祭ライブは成功しましたか?」

澪「学園祭ライブは…」

梓「……あ、やっぱり聞かないことにします

澪「なんでだ?」

梓「たとえ世界がちがっても、
  わたしたちのバンドが成功しないわけありませんから」

澪「……そうだな」



280 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 04:15:11.32 ID:L/rfmCtPO

澪「……なんだろ? 指先が光ってるような……って、うわあ!
  身体が薄くなってる!?」

梓「落ち着いてください、澪先輩。いよいよ帰るときが来たんですよ」

澪「……そうか、そうだな……って、予想外に早いな……」

梓「そんなものでしょう。世界からすれば人間ひとりなんて本当に小さなものです」

澪「……そうだな」

梓「澪先輩……」



281 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 04:18:45.34 ID:L/rfmCtPO

梓「その、澪先輩とは一日しか過ごしてないけど、スゴク楽しかったです」

澪「わたしも。わたしってかなり人見知りする人間なのに、なぜか梓は平気だったよ」

梓「それはよかったです」

澪「まあ、外見は本当に同じだからな」

梓「ええ……澪先輩」

澪「?」

梓「今度はミオ先輩も入れてきちんと練習して、頑張っていきます。
  そして、必ずバンドを成功させます!」

澪「わたしも……イロイロと頑張るよ」



284 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 04:22:51.36 ID:L/rfmCtPO

澪「じゃあ……そろそろサヨナラだ」

梓「澪先輩と会えて本当によかったです。ありがとうございました」

澪「わたしこそたくさんお世話になった。
  ありがとう、梓」

梓「最後ですから、澪先輩に抱き着いておきます」ダキッ

澪「あ、梓!?」

梓「ご利益があるかもしれませんしね。
  澪先輩もわたしに抱きつかれるなんて、イロイロついてますよ」

澪「……じゃあ、な、梓」

梓「さようなら、澪先輩」


………………
…………
……



288 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 04:29:05.57 ID:L/rfmCtPO




律「でさ、澪ったらわたしと同じ大学に行きたいからって
  推薦取り消したんだよなあ!」

澪「……」

梓「そうなんですか、澪先輩?」

澪「まあ……昨日、今日で進路と同じくらい、
  いや、進路以上に大事なものに気づいたからな」

紬「進路以上に大事なもの?」

唯「友達だね!」

澪「まあ、な……」


澪(散々、進路は迷いに迷って、
  けれどもあの奇妙体験のおかげで、わたしはみんなと同じ大学を志望することにした)



291 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 04:35:00.53 ID:L/rfmCtPO

澪(まあ、友達と同じ大学に行きたいって、どうなんだろうとも思うけど……)

澪(あの世界で、確かに思ったんだ。
  わたしはみんなが好きだって。放課後ティータイムが好きだってこと)

澪「わたしは、まあ、少しでも多くの時間をみんなと共通したい……そう思ったんだ」

律「ほほう、それはどうしてかなあ?」

澪「…………」

唯「澪ちゃん?」

澪「み、み、みんなのことがす、すすすすす好きだからだよ!」


唯紬律梓「……」ポカーン

律「澪が好きって言ったぞ!?」

唯「わたしも聞いたよ、りっちゃん隊員!」

紬「わたしも!」

梓「わ、わたしもです!」



292 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 04:38:55.08 ID:L/rfmCtPO

澪「ああ! もううるさいっ!」

律「ぷぷっ……照れてやんの~
  澪しゃんったらかわいいんだからもー」

澪「う、る、さ、い」ドンッ

律「ぐぬぬぬ……」

梓「律先輩、調子に乗るから……」

唯「いたそー」

紬「りっちゃん、大丈夫?」


澪(まあ……こんな日がいつまでも続いたらいいな……)



293 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 04:42:15.57 ID:L/rfmCtPO

おしまい♪









……と、いきたいところですけど、一番重要なところが抜けてますよね。

そう、今回の裏の主役とも言えるミオ澪先輩にメールを送り、澪先輩を困惑させた首謀者。


まあ、ぶっちゃけちゃうとわたしなんですけどね。



300 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 04:52:15.29 ID:L/rfmCtPO

そう、澪先輩の助手としてミオ先輩の敵に回ったこのわたし、中野梓です。
いやー、しかし、澪先輩にしろミオ先輩にしろイロイロ楽しい人たちでしたね。

まあ、楽しい一日を過ごせたのはいいんですけどね。
ていうか、誰かツッコメよと思ったんですけど。

どう見ても、わたしが澪先輩に惚れてるってわかりますよね?
途中なんかうっかり、

 『人を好きになるってことには、
  なんらかの変化がツキモノだと思いますけどね』

とか、ほとんど告白まがいの台詞を言ってるんですけど。
自分のことで精一杯だったからなのか、ただ単に鈍いだけなのか、
澪先輩、わたしの気持ちにきづいてくれてもよかったのに……!

まあ、わたしの趣味は澪先輩眺めでして。
色んな世界の澪先輩を眺め、仲良くなることを目的にしてたんですけど。

今回は少し、趣向を変えて襲われる澪先輩を眺めようと思ったんですけど……
まあ、結果的にミオ先輩だけやられちゃいました




301 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 04:58:05.76 ID:A+AZyAFnO

梓何者だよ





302 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 05:00:06.89 ID:L/rfmCtPO

最後らへん、澪先輩に対して世界がたくさんあるという仮説を言いましたけど。
あれは仮説じゃなくて単なる事実を述べただけです。

まあ、どういうカラクリでわたしが
並行世界の人間を連れて来るのかはあえて、説明しません。

けれど、ひとつ確かなのはパラレルワールドから人間を連れて来ると、
確実にその人間は、その人間が過ごしていた時間よりも前の時間にしか来れないみたいです。

まあ、高いところから低いとこに飛ぶのは簡単だけど、
低いところから高いとこへ飛ぶのは難しいという理屈と同じ。
そう思っていただいていいと思います。


しかし、まあいいかげん、
不思議な力を使って自分の世界に澪先輩を連れて来るのもしんどいので。
今回からは、自分からパラレルワールドに行くことにしました。


梓「澪先輩」ダキッ

澪「梓……?」



303 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 05:03:01.35 ID:L/rfmCtPO

紬「梓ちゃんが澪ちゃんに抱きついてる……」

律「どうしちゃったんだ、梓」

唯「あ、あずにゃんが浮気してる!!」

梓「たまにはこういうのもいいですよね、澪先輩?」

澪「え? あ、うん……」(なんだかあっちの梓みたいだな……)



305 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 05:07:12.78 ID:L/rfmCtPO




ミオ「……なんだよ、梓?」

梓「み、みみみ澪先輩の髪の毛がピンク色になってる!」

ミオ「……なに今さら言ってんだ?」

梓「ひいっ!」

ミオ「ほら、部活に行くぞ」グイッ

梓(いったいどうなってるのー!?)



     お   わ   り



306 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 05:08:09.67 ID:L/rfmCtPO

スレタイ詐欺でゴメンね


それでも最後まで読んでくれた人ありがとう


おやすみ、寝る




307 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 05:10:26.24 ID:367xA0D80

次はエロエロハーレムで頼む
読みごたえあったよ
おつでした



308 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 05:13:00.69 ID:+d/yJc/80

おつ



309 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 05:13:33.53 ID:A+AZyAFnO

乙!次はもっと黒いのを期待している



310 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 05:36:40.96 ID:lBxRu8kf0





311 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 06:43:56.20 ID:J/uQlOak0

乙彼



313 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 07:03:06.26 ID:8htS7+plO





314 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 07:28:14.58 ID:Tbmfa0w40

激しく乙!
支援して良かった!



315 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 07:55:51.89 ID:hnlh/ZDgO

おもすろかったおつ



316 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 07:55:55.28 ID:Ciw0flAp0



髪色がノーマルなけいおんだから出来た設定だね



317 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 09:08:52.99 ID:dQwGo5770

おちゅ!
おもしろかった!
また機会があれば書いてほしい。



318 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 09:20:05.84 ID:2epI3oqZQ

乙!いいもん見れた
策士な梓ってなんか好き



319 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 09:23:15.16 ID:/Wk4X/Md0

残ってたぜ
超乙なんだぜ



320 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 09:34:10.30 ID:nt7KXu030





321 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 09:57:20.59 ID:qslQdQfk0

おつでござる





312 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 06:44:50.06 ID:ka1sy/cM0

どうしてミオは澪の携帯電話の番号を知っていたの?
ラストの種明かしの後で、澪のいる世界の梓と、
ミオのいる世界の梓は入れ替わったと解釈しているが、それであってるの?





322 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 10:22:21.75 ID:L/rfmCtPO

>>312残ってたから解説

ミオはミオ自身のケータイを澪に持たせて、
自分は二つもってるケータイの片方を使ったという設定
一応澪の推理でも解説させたつもりだけど夜中に書いたから狂ってたかも

梓は入れ替わってしまった、であってる




323 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 10:49:20.69 ID:h/R7Hckk0

途中で寝てしまったが今全部読めた。乙。



324 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 11:20:53.65 ID:4Xt5RYYz0

乙!
面白かったです



325 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 11:23:10.81 ID:AXYdkdIj0

乙かれ。
残ってて良かった。面白かった





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タイトル:
NO:1659 [ 2011/04/19 21:38 ] [ 編集 ]

梓はシュレーディンガーの猫だって言いたいのか

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