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律「みーおー? でこぴーーん」 【妄想】


http://hibari.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1303747840/l50




1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/26(火) 01:10:40.41 ID:uxfRL8Xe0

律に出会ったのは、あの夏。焼け付くような陽光が射す夏の午後だった。

律「ういいぃぃぃぃっぐしょぉぉぉん!!」

 野放図なクシャミをする女もいたもんだ。
照りつける盛夏の光の下で、俺は女の子の方を振り返った。

 気付くと俺の足元にその女の子のものらしいカチューシャが落ちている。

 あまりの勢いで飛んだのだろうか。
女の子も気付き、真っ赤な顔でこちらを見ている。

俺「これ、君が落としたんだよ、ね…?」

律「す、すいません、ありがとうございます…」

 状況が状況だけに、恥ずかしさでいっぱいのようだ。
 まともにこちらの目を見られないらしい。
 ふと気付いたが、この女の子、相当かわいい。

 俺が通ってる大学には滅多にいないほど。
 
 何気なく思っていたのが俺が油断していた証拠だ。

律「ふいいぃぃぃっくしょん!!!!」

 ビシャッ

 俺の顔面は彼女の第二波の直撃を受けた。
 驚いた俺は、持っていた缶コーヒーを取り落とし、
 トップスとジーンズには茶色い染みができてしまった。





2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/26(火) 01:17:12.07 ID:uxfRL8Xe0

律「この間はごめんなさい!」

 深々と頭を下げた律。

 律というのは俺にクシャミを浴びせたこの女の子の名前だ。
 
 田井中律。現在高校3年生。
 受験を控える律は、あの日、夏期講習の帰り路だったらしい。

 ジーンズと気に入りのポロシャツをコーヒーで汚してしまった俺に、
 彼女は謝罪とクリーニング代の弁済のためと、メールアドレスの交換を申し出た。

 シャツとジーンズが帰ってきた今日、彼女とこうして待ち合わせしたのだ。

俺「もういいよ。田井中さん? 風邪は治った?」

律「うん、もう全然。それより染み落ちた?」

俺「きれいに落ちたよ。前よりきれいになって戻ってきた」

律「何だ、よかったー。全部弁償することになったらキツかったなー」

 彼女は今日、この間のようにカチューシャ装備ではない。

俺「あれ、今日は髪上げないんだね? 普段はどうしてるの?」

律「んっ…。普段はこうだよ。あの日は暑かったしさ…」

 ぷいっと窓外の景色に視線を移した律。あれ、何か俺、変なこと言ったかな?



4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/26(火) 01:20:52.73 ID:uxfRL8Xe0

唯「ねえねえ、最近りっちゃん変わったと思わない?」

梓「唯先輩もそう思いますか?」

澪「何か1人でぼんやりしてること多くなったよな。そばにいても気付かなかったり」

紬「うん、それに時々ケータイ開いて、ふうっ…ってため息吐いてたりね」


唯「これは…」

梓「もしかして、あれですかね…」

紬「み、みんなもそう思う? 私も私も~」

澪「やっぱりな。夏風邪のせいだ」

唯「?」
梓「…」
紬「!?」

澪「律のやつ、薄着のまま寝落ちしたりしてたから、
  夏休み中にひどい風邪引いてたろ? あれがまだ完治してないんだよ」

唯「えーっと…」

紬「そ、そうかし、ら?」

梓(相変わらず澪先輩、ずれた発想するなぁ…)



6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/26(火) 01:28:20.57 ID:uxfRL8Xe0

 彼女との初デート?と言うべきか、
 2人きりで遊んだのはクリーニング代をもらったときから数週間後。

 会うまでの日々、俺と律はメールで自然と連絡を取り合う仲になってきた。

 彼女は高校の軽音楽部でドラムを担当しているそうだ。

 偶然、俺も大学でバンドを組んだりしてたから、彼女とは馬が合った。


俺「わりー、ごめーん! 電車が脱線してさぁ…」

律「分かりやすい嘘つくなよ。別にいいから早くいこうぜ!」

 見た目とは裏腹にボーイッシュな子だ。

 あっ、見た目と言ったけど、
 彼女はセミロングの髪をサラっと流して極めて女の子らしい印象だ。
 
 残暑がくすぶる今の時期、
 ワンピースにキュロット姿の律はかなり街の風景にマッチしててキュート。

 律はアクティブだ。年上の俺をぐいっと引っ張るように行動的で、
 彼女の勧めるスポットに行っては全力で遊び、そのたびに新しい笑顔に出会えた。



7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/26(火) 01:29:19.75 ID:uxfRL8Xe0

俺「あー、いっぱい遊んだし食ったなぁ。
  今日はありがとな楽しかったよ」

律「久々に遊んだなー。それよりこっちこそいいの?
  おごって貰っちゃったりして」

俺「何言ってんだよ。俺のほうが年上だし女の子におごるの当たり前じゃん」

俺「そ、そうか~ ゴチになりまーす」



「………」



俺「……」

律「……」

 公園のベンチで、といっても駅前の噴水脇だから雑踏の音が近くに聞こえる。
 
 だが、今俺の耳には雑踏の騒々しさが2人の間にシン、
 と耳鳴りするくらいの静けさを演出している気がした。

 急に会話が途切れてしまった。そのままどれくらいたったか…。

 気まずくなりかけてたので、俺は会話の糸口を何とか作らなきゃって焦った。

 遊んでるときはずっと盛り上がってたのに、何だよ急にこの雰囲気はくっそ…。




8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/26(火) 01:29:53.19 ID:uxfRL8Xe0

俺「た、田井中さんは、さっ、明日学校? こんな遅くに大丈夫なの…?」

 何だか「もう帰りたい」って遠まわしに言ってるみたいだ。
 もっと気の利いたこと言えないのかよ俺。


律「ん…。いいよ家近いし。歩きつかれたからもうちょっと休んでく…」

俺「そ、そうか…」

律「それからさ…」

俺「ん、ん…?」


律「田井中じゃなくて、なんかあだ名で呼んでほしい、かも…」

 雑踏の喧騒で隠れそうなほど小さい声だったが、確かにそうつぶやいた。

俺「じゃ、じゃあ、律、だし、りっちゃん、で、どう、かなぁ…」

律「うん、みんなりっちゃんって呼んでくれる。私にはそれが合ってるかなぁ」

 まぶしい笑顔の律。初めて見るように感動的な笑顔だった。

 沈黙がよっぽど長く感じたんだな。



9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/26(火) 01:31:19.53 ID:uxfRL8Xe0

律「ねえ?」
俺「ん?」

律「大学って楽しい?」

俺「何だかなー。どう答えたらいいんだろ。
  まぁ、まだ専門課程じゃないし楽だよ」

律「ふーん、大学ってどんなとこなんだ?」

俺「まぁ、ゴチャゴチャしてる、かな。
  慣れると当たり前になる。それと毎日鉄腕アトムのテーマ聴く」

律「鉄腕アトム? 何それ?」

俺「えーと、あれだ。頭ポマードで塗りつけた少年が空とぶやつ。
  プルートゥとか青騎士とか」

律「?」

俺「む、昔やってたアニメ。大学の最寄り駅でそのテーマが流れてね…」

 妙なことを口走ってしまった。
 焦って説明したが、律は興味なさ気にうなずいているだけだ。

 また、沈黙が訪れた。

 だが、雑踏の喧騒が痛いほどの沈黙に変わる前に、それは早く破られた。



10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/26(火) 01:35:30.40 ID:uxfRL8Xe0

律「あのさ、大学に好きな子とかいるわけ?」

俺「えっ、唐突だなぁ…。いないけどさ…」


律「ふーん。じゃあ今までいたのか?」

俺「えっ、今まではそりゃ…」

 嘘ではないが、全部片思いだ。
 女と触れ合う機会に恵まれなかった新大久保の男子校時代。
 大学でもその後遺症を引きずり、今でもめでたく童貞を死守している。


律「じゃあキスとか経験あるわけ、だよな?」

俺「そりゃ、まぁ、キスくらいはあr…」


 言葉尻は聞き取れないほど小さくなり、喧騒にまぎれてしまった。

 しかし、次の律の言葉は俺をさらに舞い上がらせるのに十分だった。



11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/26(火) 01:36:32.48 ID:uxfRL8Xe0

律「じゃ、あ…。キス、私に教えて欲しいな…」


俺「キスを!?」


 全身が硬直した。
 ロッテの工場のグリーンガム臭に溢れる通学路を通っていた高校時代。
 今も大して変わらぬ真正童貞の俺に、キスなど経験あるはずなかった。

 だが後戻りはできない、よな。
 
 不思議とこういう状況に恵まれても興奮とかしない。ときめきもない。

 ただ、目の前の律の形のいい唇に己の唇を重ねるんだ。そう、機械的に思った。



12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/26(火) 01:37:43.62 ID:uxfRL8Xe0

 初めてしたキスは、柔らかかった。

 それ以外の感想は残念ながら沸いてこなかった。

 律は、俺が離した後も、数瞬目を固く閉じたままだったが、やがて見開いた。

 どれだけの沈黙が流れただろう。彼女は立ち上がり、笑顔で俺に、

律「今日は楽しかった! ありがとな。また遊ぼうぜ!」

 そう言うと、雑踏の中にまぎれてみえなくなった。



14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/26(火) 01:38:15.50 ID:uxfRL8Xe0

梓「あれっ? 律先輩、雰囲気かわりましたね」

唯「気付いてしまったかい、あずにゃん…」

紬「髪も伸ばし始めたみたいだし、メイクも何か前より明るくなってるの~」


梓「これはもう決定でいいですよね」

唯「あずにゃんもやはりそう思うかぁ…」

紬「“恋” よね!」



15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/26(火) 01:39:01.09 ID:uxfRL8Xe0

梓「間違いないですね」

唯「た、田井中どのぉ…」

梓「澪先輩は今度は何て言ってるんですか?」


唯「あー、澪ちゃんはね、何かインフルエンザ脳症だとかそんな」

紬「澪ちゃんも気付いてるわよ。
  でも認めたくないんじゃないかしら。幼馴染だし…」


梓「そうなんでしょうか。分かりますけど」

唯「あずにゃんもかい?」

梓「唯先輩もでしょ? やっぱり寂しいんじゃないでしょうかね…」


紬「りっちゃんの彼氏ってどんな人かしら~~」



17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/26(火) 01:39:37.84 ID:uxfRL8Xe0

 これが俺と律の出会いだ。

 彼女とはその後、恋人として付き合うようになった。
 しばらく何の波乱もなく、日々の生活が楽しくてしょうがなかった。


 そんな日々が過ぎ、秋も終わりかけた冷たい雨の降る日。

 彼女は俺の家にやってきた。


俺「どうしたんだ律? 濡れてるぞ。とりあえず早く入って」

律「…うん…」


 何だか異常な空気を感じた。

 虚脱したように彼女はうつむいたまま、ろくに言葉も返さない。

 部屋を暖め、飲み物を飲んで一息入れた後、
 促されて語りだした事実は俺は愕然とさせるのに十二分だった。



18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/26(火) 01:40:20.95 ID:uxfRL8Xe0

 律は妊娠していた。

 気になったためキットで調べたら擬陽性だったそうだ。

 念のため、ギネにかかったら間違いないと言われたらしい。

 思い悩んで、親友に相談した律は、
 親友の驚愕し興奮した舌鋒で責められ、
 彼女と破綻したまま家を飛び出してきたのだった。

 降りしきる雨が窓を叩く音がどこか遠くで聞こえた気がする。

 彼女は俺の言葉を待っている。

 俺の次の一言で、彼女の運命も俺のこれからも全て決まるんだろうな。

 律、不安にならなくていいぞ。俺がずっとそばについててやるからな…。



20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/26(火) 01:42:12.87 ID:uxfRL8Xe0

 少し昔を思い出していた。俺はあの後大学を中退し、就職した。
 今ではそれなりにマジメに働き、職場からも大事な仕事を任せてもらっている。
 もう、鉄腕アトムのテーマを聞くこともない。

 律は妊娠が親に知れ、家を追い出された。
 今では俺も実家から見放され、家族3人慎ましやかに暮すのが精一杯。

 律は初めての妊娠でも元気な女の子を産んでくれた。
 それだけで十分だ。俺たち3人、幸せに暮している。

 名前? 

 名前は“澪”と名づけた。
 彼女がどうしても、って言うから許したけど、なかなかいい名前だろ?

律「みーおー? でこぴーーん」

澪「きゃっ、きゃっ」

 今もテレビを見てる俺の後ろでじゃれあってる。
 ふう、今日は週末で明日は待望の休日だ。

 今日はたっぷり息抜きして、明日明後日は家族でどこかへ出かけるかな。

 俺はそう思いながら、何気なくザッピングしていた。



22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/26(火) 01:43:02.75 ID:uxfRL8Xe0

堂『はい、続いては今大人気のHTTの4人です。よろしくお願いします』

4人『よろしくお願いしまーす!』

グラサン『痩せた?』


?『あっ、はい! 毎日お仕事させてもらって~、
  疲れて何だか急に甘いもの欲しくなって食べちゃうんです。
  食べて食べて、はっ、やばい!ってなっちゃうんですけど、
  でも私いくら食べて太らn…』


?『唯! いいから、生放送だぞ!』


?『あははっ、ごめん澪ちゃん、ごめんなさい』


 妙な掛け合いだな。さてはまだ新人で垢抜けてないな。

 そう何となく思っていたところ、
 後ろで澪をあやしていた律が、急に俺のそばに来た。

 画面を凝視している。


俺「ん、律? この子たち好きなのか?」

律「え? いや、最近テレビも雑誌も見てなかったから、初めて知った…」

俺「そうなのか?」



23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/26(火) 01:43:42.77 ID:uxfRL8Xe0

グ『HTTってどういう意味なの?』

?『はい、私たちが高校に入って、
  初めて組んだバンド名のアルファベット読みなんです』

 黒髪ロングのりりしい女の子がそう語った。


律「澪…」

俺「ん? “澪”がどうかした?」

 律は、俺の問いかけに、心ここにあらずといった面持ちで画面を見つめている。



24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/26(火) 01:44:38.49 ID:uxfRL8Xe0

グ『高校からこの4人でやってるの? ずっとドラムの子なしで』

?『ドラムは居たんですけど…。ちょっとしたことで喧嘩別れしちゃって…。
  それで音沙汰無しになっちゃったんです。今でも元気でやってるのかな、と…』


グ『あー、そうなの? でも新しいメンバーを迎えないんだ?』

?『はいっ、違う人が入っちゃうと、私たちじゃなくなる気がするんです。
  今でもドラムは空席にして待ってるんですけど、
  これ見てたらぜひ、私たちに知らせて欲しいです』


グ『そっか、じゃあ全国の皆さんと、その子に向けて、一曲お願いします』

4人『はーい!』



堂『それではHTTデビュー2作目のシングルで今週第4位にランクインした、U&Iです!』


ドラムのおっさん『1.2.3----!』



25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/26(火) 01:45:42.30 ID:uxfRL8Xe0

♪~♪~♪!!


 アップテンポの曲が流れ出した。


俺「?」

 ふと律を見ると、久々に取り出したドラムスティックを両手に、
 
 一心不乱にドラムを空演奏している。

 その表情は何か鬼気迫るものを感じるほどに真剣だ。

 律の振るうスティックは空を切る。

 だが、その刻むリズムは紛れも無く、
 
 テレビの中で演奏されているものにシンクロしている。

 まるで律がその場でドラムを叩いているかのように。



28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/26(火) 01:49:50.85 ID:uxfRL8Xe0

?『君がいないと謝れないよ 君の声が聞きたいよ
  君の笑顔がみれればそれだけでいいんだよ』

 
 演奏にシンクロしながら、律から大粒の涙が後から後から流れ出す。

 俺はその様を呆然と眺めていた。

テレビに視線を移すと、なんと、HTTと名乗るバンドのメンバー全員が、
こらえ切れないように涙を溢れさせながら、懸命に演奏を繰り広げている。

 まるで、律の感情が画面を通して、空間全てを席巻しているかのように。

?『晴れの日にも雨の日も 君はそばにいてくれた 目を閉じれば君の笑顔 輝いてる』

 目を腫らしながら、歌いきったボーカルの女の子に、
 他のメンバーが駆け寄り、その画面で番組はCMに切り替わった。



31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/26(火) 01:55:34.71 ID:uxfRL8Xe0

俺「君なのか?」

律「……」

俺「あの歌の“君”って、律のことなんだな?」

 律は涙を拭くことも忘れ、何度も何度もうなずいた。

 あの場で歌われた曲に出てくる“君”の詩。なんと、それは俺の妻だった。

 律の涙を見れば、彼女たちの演奏を聞けば、信じられる。


 澪という名前も、あの黒髪ロングのベースの子の名前だった。

 親友をはじめ、全てを捨てて俺と一緒になった律が、
 唯一あの頃の思い出たちと繋がるための記号だったのか。



35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/26(火) 02:00:20.17 ID:uxfRL8Xe0

俺「カムバックしろよ」

律「…えっ?」

俺「彼女たちの演奏すばらしかったよ。それに律も…。まだやりたいんだろ?」

律「でも、みんなを裏切ったのは私の方だし、ドラムも…」


俺「さっきのはまるで律がドラム叩いてるみたいだったぜ。
  そりゃもう神懸かったみたいにさ。
  完全に一体化してた。彼女たちも律に帰ってきて欲しいはずだよ」


律「…」


俺「律にはさっきの歌が聞こえなかったのか?
  彼女たちの演奏が届かなかったのか?
  そうじゃないだろ。俺にはわかるよ。彼女たちと律は今でも繋がってる」

律「私が、みんな、と…?」


俺「そうだよ。彼女たちは何年たっても君を待ち続けてる。
  さっきの演奏を聴けば俺みたいな鈍ちんでも一発だよ。
  
  それに君も、彼女たちを忘れてない。
  彼女たちとともに過ごした時間が今でも息づいてる。
  だからドラムスティックだって止まらなかった…」


律「みんなとの、時間…」



36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/26(火) 02:00:43.03 ID:uxfRL8Xe0

俺「失ったと思い込んでるのは律だけだよ。
  切れた絆なら結び直せばいい。
  離してしまった手ならもう一度必死につかんで今度こそ離すな!」


俺「お前の輝いてる姿が見たいんだ!
  さっきのお前みたいな、な。もう一度あの姿を見せてくれよ!」


律「いいのかな…。私にもう一度みんなの前に立つ資格なんてあるのかな…」



俺「…」

律「……」



37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/26(火) 02:01:32.60 ID:uxfRL8Xe0

 律の涙は止まらない。

俺「俺とお前の1人娘は、俺と君とを繋いでるだけじゃない」

俺「あの澪って子と同じ名前をつけたってことは、
  まだ君は彼女たちとも繋がっていたかったんだろ。
  
  自分で一方的に絆を断ったりなんかしちゃいないのさ。
  だから何も考えずに彼女たちのところに飛び込んで行けばいい」

俺「心配するな。
  俺が君の両親やうちのお袋に土下座してでも
  “澪”のことは何とかする。君と俺の子だ。
  俺も協力する。一生懸命一人前に育て上げてやるさ!」




38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/26(火) 02:02:05.21 ID:uxfRL8Xe0

 律は黙って聞いていたが、枯れるまで涙を流したあと、
 晴れ晴れとした瞳を俺に向け、こう言った。

律「頼れるようになったな。ありがとな。うれしいよ…。
  どこまでやれるか分かんないけど、私、行って来る…!
   だから、だから…」

俺「心配すんなって言っただろ、バカ…」

 俺は律を抱きしめた。

 “澪”はいつの間にか眠りに落ちている。

 静かな夜の中へ…。




39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/26(火) 02:02:37.23 ID:uxfRL8Xe0

堂『以前はHTTという名前で出て頂いたんですが、
  あの後、5人になられてバンド名も、放課後ティータイムと改められたんですね』

澪『はい、元々今の名前が正式だったんですけど、ドラムの律が抜けていて…。
  それが戻ってきてくれましたので、また原点に戻ろうということになりました…』


グ『放課後ティータイムって、どっから来た名前なの?』


唯『ムギちゃんがですね~、お菓子を毎日持ってきてくれて、
  それを食べてお茶を飲みながら、
  それで、なかなかバンド名が決まらなかったんですけど、
  さわちゃん先生が…、さわちゃん先生っていうのは顧問のs…』


律『いいから、唯!
  えっと、みんなと一緒に過ごす最高の時間が放課後のあの瞬間だったんです。
  それをいつまでも忘れないようにと、そう思ってつけました…』

黒『なるほどね』


堂『それでは放課後ティータイムの皆さん、スタンバイの方よろしくお願いします』

5人『はーーい!』



40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/26(火) 02:03:21.95 ID:uxfRL8Xe0

黒『用意できたみたいですね』

堂『それでは今週のチャートで見事初の1位にランクインした、
  放課後ティータイムで、ふわふわ時間…』



律(いくぞみんな…)

唯(どんと来いりっちゃん!)

紬(イエッサ~)

梓(いつでもいいです!)

澪(律!)



律『1・2・3・4・1・2-!』






おしまい



42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/26(火) 02:06:02.05 ID:0hEaE5KHO

誤字脱字多すぎてスマン
じゃあバイバイ




44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/26(火) 02:30:42.28 ID:41YrhLxW0

普通におもしろかったよ乙!





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律「みーおー? でこぴーーん」
[ 2011/04/26 14:44 ] 妄想 | | CM(0)

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