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けいおん!の真鍋和ちゃんは翼折れても飛ぼうとする可愛い///#1 【日常系】


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けいおん!の真鍋和ちゃんは過去スレ可愛い




268 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/05(木) 09:33:10.91 ID:blogGmTZ0

唯和を書いてみたので投下



268 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/05(木) 09:33:10.91 ID:blogGmTZ0




天気予報の通り、ぽつぽつと降り出した雨。
頬杖をつきながら、生徒会室の窓から外を眺める。

「真鍋さん、どうかした?」

「いえ、特には」

特に理由はないけれど、なんだか最近ため息の数ばかりが増えている。
どこか満たされないような、何か物足りないような。

窓の外で薄く広がる暗雲のようなものが、私の心中にも広がっているようだ。

「ここのところ、仕事中もどこか上の空じゃない。
 無理しないで今日は帰ったらどう?」

そんなことはない、と言いかけたけれど、
目の前の生徒会長殿はそんなうわべだけの反論でどうにかなる相手ではない。
顔は笑っているけど、どこか有無を言わせない雰囲気だ。




269 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/05(木) 09:35:31.51 ID:blogGmTZ0

「では、お言葉に甘えてお先に失礼させてもらいます」

抵抗を諦め、大人しく荷物をまとめる。

お邪魔にならないようにさっさと退散することにしよう。

「あなた、傘は持ってる?」

生徒会室のドアノブに手をかけたところで、再び曽我部先輩から声を掛けられた。
いつもならわざわざそんなことを聞く人ではないのだが、どうしたというのか。

「ええ、午後から雨だと予報が出てたので」

「そう、ならよかった」

何をそこまで心配してくれたのかはよく分からなかったけど、
私の答えを聞いた先輩は、いつものように優しく笑顔を見せてくれた。



270 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/05(木) 09:38:08.36 ID:blogGmTZ0

曽我部先輩に多少緩和してもらったとはいえ、
生徒会室を離れても暗欝とした気持ちはあまり変わらない。

どこかに意識を飛ばしたまま靴を履き替え、
ふと玄関に目を向けると、そこには見慣れた後姿があった。

十何年も見続けてきたその姿だけど、
今回は少しの驚きとともに私の目に飛び込んできた。

本来なら、彼女はここにいるはずのない人間だからだ。

「……唯?どうしたの、こんなところで」

「あ、和ちゃん。実は、傘忘れちゃって」

「そうじゃなくって、部活は?」

ついつい、問いただすような強い口調になってしまう。
唯は困ったように頬をかき、視線を泳がせた。

「えーっと……体調不良ってことで!」

嘘が顔に出るのは相変わらずといったところか。
とりあえず、今日の部活をわざわざ抜けてきたのは確かなようだ。

あえてもうこの件については追求はしない。それ以上に気になることがあるからだ。



271 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/05(木) 09:41:30.86 ID:blogGmTZ0

「……それに、あなた、朝は傘を持ってたじゃない」

朝も私と唯は一緒に登校してきた。
目の前で折り畳み傘をくるくると回して見せた唯が、何故わざわざそんな嘘をついたのか。

「それでも、忘れたんだよ」

そう言って唯は笑いながら手をひらひらと振って見せる。
焦る様子がないところを見ると、
さっきの質問と違い、今度の質問は元々予想していたのだろう。
部活を休んで、持っているはずの傘を持ってないと言い張って、なんのつもりなんだか。

「……そう、なら仕方ないわね。濡れて帰りなさい。じゃあね」

「え、えー!?」

唯の真意が見抜けないのがなんだか気に入らなくて、わざと意地の悪いことを言ってみる。
どうやらその反応は予想外だったらしい。明らかな動揺が見て取れた。

「冗談よ。ほら、私の傘に入れてあげるから」

「ありがとー!持つべきものは幼馴染ですなあ」

さっきと表情をころっと変えて無邪気にはしゃぐ唯の意図は読めないけれど、
多分、唯なりに私のことを考えてくれているのだろう。
あれこれ詮索するのはもうやめにして、今はただ、唯と二人で帰途に就けばいい。



272 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/05(木) 09:44:30.08 ID:blogGmTZ0

一つの傘に入って歩き出したものの、会話はどこかぎこちなく、
一度途切れると中々次の話題を見つけらない。
雨粒が傘に叩きつけられる音だけが、私と唯の間を支配していた。

そんな長く続いた沈黙を打ち破るように、ぽつりと唯が呟く。

「ねえ和ちゃん、小学校のとき相合傘したの覚えてる?」

「私と唯と憂の三人で入ったあれ?」

「そうそう。私も憂も傘忘れちゃって……」

「私が大人用の傘を持ってたから、なんとか三人とも入ったのよね」

あの時も確か、学校を出たところで立ち尽くしていた唯と憂に出会ったのだ。
強い雨が降りしきる中、傘を持っていなかった二人は困り果てた様子で、
私はそんな二人を助けたいと思った。

もう十年近く前の話だけど、記憶はしっかりと残っていた。

「この傘って、あの時のやつだよね?」

「よく覚えてるわね」

黒を基調とした、良くいえば落ち着いた、悪く言えば地味な傘。
それまでは人並みに周囲の女の子たちが持っていた色とりどりの傘に憧れたものだったけど、
あの日以来、私はこの傘が好きになっていた。

だって、私の大切な人を雨から守ったのだから。
あの時の私にとって、それは何よりも誇らしいことだった。



273 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/05(木) 09:48:24.03 ID:blogGmTZ0

「あの時は三人とも入れたのに、今じゃ二人で精いっぱいだね」

そう言って笑う唯の肩は、傘で庇い切れずぽつぽつと濡れてしまっている。
その様子を見かねて、私は唯の袖を引いた。

「ほら、もう少しこっちに寄りなさい」

「はーい」

元気な返事とともに、勢いよく腕を絡ませ体を寄せてくる。
確かにこれで当初の目的は達成できたが、
まさかここまで密着してくるとは思わなかった。

この結果を予想できなかったとは、幼馴染として不覚である。
唯の抱きつき癖を甘く見てはいけない、ということか。

「誰も腕にしがみつきなさいとは言ってないわよ」

「だって、久しぶりだもん。思いっきり甘えなきゃ」

唯は離れるどころか腕に一層力を込める。
少し肌寒い雨の日に、腕から伝わる唯の温もりは一層際立つ。

満面の笑みで私に抱きついてくる唯を見て、
最初は呆れたようなことを言っていた私もついつい頬が緩んでしまう。
最近の私に足りなかったものが、何となくわかった気がした。



274 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/05(木) 09:53:42.80 ID:blogGmTZ0

私は弱いから、誰かを守って、大切にして、それで初めて自分のことを好きになれる。
どんなに強がって見せても、結局は誰かの笑顔がないと生きていけない。

小学校のあの日から年月を重ね、あの傘も今では大して大きくは感じない。
でも、根っこのところでは私は変わっていないのだ。

唯が私に甘えているようで、私も唯からたくさんの笑顔をもらってきた。

唯と私は、そうやって持ちつ持たれつやってきたのだ。

そんなこと、今さらといえば今さらで、どこまでもわかりきったことではあった。
私が勝手に見失ってしまうだけで、いつだって唯は傍にいてくれたのだから。

「ねえ、唯。なんで傘を持ってないなんて言ったの?」

似たような質問だけど、さっきとはそこに込められた意味が違う。
問い詰めるだとか、真意を質すだとか、そんなことはもう考えてはいない。

なんとなく答えはわかった上で、それでもあえてもう一度聞いてみたかった。

「うーん……和ちゃんと相合傘したかったから、じゃダメ?」

唯は私の腕にこつんと頭をつけ、幸せそうな顔でそう答えた。
最初から何を言われても受け入れるつもりでいたけれど、
その表情を見ては尚更ダメなんて言えるはずもない。

「そうね、それなら仕方ないわね」

さっきまでは重々しく感じていた雨音も、今では軽やかなリズムのように感じる。

もう少し、通学路が長ければよかったのに。



275 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/05(木) 09:56:02.33 ID:blogGmTZ0

以上です。失礼しました。




276 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/05(木) 10:00:28.68 ID:yFJ8+a+oO

乙です!

朝から感動しました。
http://a2.upup.be/p9IWYXNMqf



277 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/05(木) 10:12:54.55 ID:K+abHN2d0

乙のど!





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けいおん!の真鍋和ちゃんは翼折れても飛ぼうとする可愛い///#1
[ 2011/05/07 13:21 ] 日常系 | 唯和 | CM(2)

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タイトル:
NO:1890 [ 2011/05/08 05:39 ] [ 編集 ]

ここにきてスレタイも一皮剥けたな。何か小さな感動すらあるわ。

しかし和SSはレベル高いは数も多いわで今や一大派閥だな。

今回もこれかなりよかったよ。すげーレベル高いわ。
センスのよさを感じた。
キャラの魅力をよく掴めてるよ。

タイトル:
NO:1892 [ 2011/05/08 10:01 ] [ 編集 ]

毎度ながら和ちゃんスレのSSは素晴らしいな

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