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唯「グリプス戦役!」#第十二話 孤独! 【ガンダム】


ニュー速VIP避難所(クリエイター) より

http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1284974948/l50


唯「グリプス戦役!」#index




251 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/09/25(土) 22:15:13.27 ID:IuCi.mIo

第十二話 孤独!

いきなり青ざめた艦長が主だったメンバーをブリーフィングルームに招集した。

艦長「大変だ!前々から少しずつ移動していたグリプス2の進路がわかった!!
   目標はおそらく、グラナダだ!!
   毒ガス攻撃は、その移動から目をそらせるための時間稼ぎだったらしい!!」

和純姫子「な、なんだってー!!」

和「すぐに行って防がないと!!」

純「こんな事してる場合ですか!!」

姫子「何か策はないんですか?」

艦長「アーガマのクワトロ大尉がアクシズにグリプス2への狙撃を頼んでみるらしいが、
   前回のこともあって、私は奴らを信用していないんだよなあ…」

和「そういえばクワトロ大尉って、シャアだったんですよね。」

純「え、そうなの?なんでジオンのシャアが連邦軍の一派であるエゥーゴに居るんですか?」

姫子「…ていうかあんた知らなかったの?もしかしてダカール演説聞いてないでしょ。」

純「あの時は作戦中だったじゃないですか。」

和「録画したものが資料室のパソコンに入っているわよ。」





252 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/09/25(土) 22:16:03.69 ID:IuCi.mIo

艦長「と…とにかくだ、また交渉の失敗もありうる!
   だから我々も急行して、これの阻止に当たる!いいな!!」

和純姫子「了解!!」

作戦ポイントに集まると、味方の艦艇が多数集結していた。
ほとんどがサラミス改級だったが、アイリッシュ級も見える。
MSも多数集結していた。

艦長「もうすぐ会敵する!アクシズ艦隊も居るが、こいつらには絶対発砲するなよ!!
   交渉は取りあえず成功に終わったらしいから、一応アクシズは味方という扱いだ!」

和「でもギリギリまでコロニーレーザーを攻撃してくれるか
  わからないのって、やっぱり不安じゃないですか?」

艦長「耐えるしかないな。我々はあくまでティターンズを引きつけるだけだ。
   ここで戦力を無駄に消耗するわけにはいかん!アクシズ艦隊を信じよう!!」

和「了解!いいわね、みんな!!」

純姫子「了解!」

戦闘が開始された。
三機のゼータプラスは戦場の光のなかに飛び込んでいった。



253 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/09/25(土) 22:17:15.71 ID:IuCi.mIo

紬は、ガブスレイのコックピット内で考え事をしていた。

紬(一人になっちゃったわね…とうとう…。)

再強化がまだ終わらず、この戦いに唯と梓は参加していない。
父の親衛隊である一個中隊のうち、半分の二個小隊を借りている。
かなりの手練だが、紬はどうにも不安を押えきれずにいた。
不安の原因は、考えないようにしている。

紬「みんな、聞いて!」

親衛隊員の注目が集まるのが、紬には痛いほど感じられた。
温かみのない、命令と服従のやり取りのみがそこにはある。

一瞬、温かかった高校時代のティータイムが思い出された。
考え続けると、自分を保てなくなる。
そう思って、声を上げてその妄想をかき消した。

紬「ここでエゥーゴを排除し、グラナダへコロニーレーザーを打ち込めれば戦いに一段落がつくわ!
  みんなは、今その重要な局面に立っているの!」

無言の、冷たい注目が痛い。
それに負けないよう、がんばれ、と視線を送ってくれる律を想像した。



254 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/09/25(土) 22:17:49.46 ID:IuCi.mIo

紬「みんなの命を、私に預けて!その力で、作戦を成功に導くわよ!」

自分が言っていることをちゃんと聞いてもらえているだろうか、と不安になる。
ムギ、がんばれ
殺したはずの、心を壊したはずのみんなが応援してくれていた。
紬は我ながら勝手な妄想をしているな、と思った。

紬「1、2小隊!前進!!」

6機のバーザムが、紬の号令で前進を開始した。
言うことは、聞いてくれる。しかしそれだけだ、肝心な、何かが足りない。

紬の心はどこまでも孤独だった。



255 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/09/25(土) 22:18:54.46 ID:IuCi.mIo

会敵する。
紬がそう思った瞬間、青白いビーム光が一機のバーザムを撃ちぬいていた。

紬「散開!」

紬が言う前に、五機の配下は紬を置いて散っていた。
紬は軽く舌打ちをして回避機動を取り、敵を見据えた。
三機。グレーのガンダムもどきだった。

紬「うちの強化人間を惑わす敵ね…あの三機に集中攻撃!!」

五機が三機に殺到する。
いや、驚くべきことに手練の五機を相手にしているのは二機だ。一機は紬の方に向かってくる。

紬「うちの親衛隊もなめられたものね…高性能機だからって、そう簡単には行かないわ!」

紬が向かってきた一機にビームを連射する。
ガンダムもどきはそれを次々とかわし、まるで挨拶でもするように一発のビームを発射した。

衝撃と共に、ガブスレイのライフルが吹き飛んでいた。
紬は目を疑った。



256 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/09/25(土) 22:20:05.25 ID:IuCi.mIo

その時、味方の悲鳴がレシーバーから溢れてきた。

「お嬢様、もう駄目です!ぐわっ!!」

「こいつら、エースだ!」

「クソ、後ろに目がついてやがる!当たらない!」

「小隊長がやられた!」

「撤退だ!撤退許可を…!」

「火が…火が…!」

会敵してから1分半。
6機いたバーザムは2機に減らされていた。
敵は、無傷のままだ。

紬「何よ…これは…?…冗談でしょ…!?」

地獄のような光景を見て、紬は反射的に変形レバーを操作していた。
そのまま反転し、加速する。
自分の安全を確保してから、命令した。

紬「一時撤退よ!!」

ガブスレイの足にバーザムは付いてこられない。
二機の配下がどうなったかは、わからなかった。



257 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/09/25(土) 22:20:55.68 ID:IuCi.mIo

とにかく、恐怖に体が支配されていた。
操縦桿を握る手が、がくがくと震えている。

気がつくと、唯と梓の名前を呼んでいた。

紬「唯ちゃん…梓ちゃん…助けて…」

紬の目に、涙が溢れた。
みんなが側にいる、そう考えないと寂しさで気が狂いそうになる。
命令も、服従もない温かい関係。
それが必要だと、分かっていた。…分かっていたのに…。

紬「憂ちゃん…あんなことさせて…ごめんなさい…ごめんなさい…」

紬「澪ちゃん…ごめんなさい…ごめんなさい…ごめんなさい…」

紬「りっちゃん…ごめんなさい…ごめんなさい…私…澪ちゃんを…」

紬「みんな、ごめんなさい…独りになって、ようやく気がついたの…私…みんなに甘えてた…」

紬「ごめんなさい…ごめんなさい…私を…許して…」

敵から逃げているのか、罪悪感から逃げているのか、もう紬にはわからなくなっていた。

艦が、見えてくる。

紬「唯ちゃんと梓ちゃんに…会いたい! 会って…謝りたい!!」

紬の顔は、涙と鼻水でグシャグシャになっていた。

それは、紬がようやく取り戻せた人間の顔であった。



258 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/09/25(土) 22:21:46.10 ID:IuCi.mIo

敵が、態勢を立て直そうと引いていく。

艦長「手はず通りだ!突っ込め!!」

和「了解!行くわよ!」

純姫子「了解!」

ティターンズ艦隊を追撃すると、アクシズ艦隊がエゥーゴの後方についた。
アクシズ艦隊とグリプス2に挟まれる格好である。
和は、ヒヤリとした。
普通なら、やられる、と思うような位置取りだったからである。
快いはずはない。

アクシズ艦隊がビームを斉射する。

和「…!」

純「…!」

姫子「…!」

ビームは、正確にグリプス2へ殺到していた。
爆発が起こる。

艦長「よし、これでコロニーレーザーはグラナダを狙うことは出来なくなったな!
   作戦成功だ!!帰って来い!!」

作戦としては成功したが、どうも腑に落ちない。
全員が、そう思っていた。



259 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/09/25(土) 22:22:55.04 ID:IuCi.mIo

紬は、帰るなり唯の部屋に直行した。
スタンガンのスイッチは、捨てた。

紬「唯ちゃん!!」

唯を、抱きしめる。
薬の臭いが鼻をついた。

紬「ごめんなさい…ごめんなさい…私…」

唯はどうすればいいのかわからないような表情で紬を見据えている。
紬を主と認めるように刷り込みが為されているので、紬に対して手を上げることはない。

紬「ごめんなさい…私…やっぱり唯ちゃん達がいないとダメなの…
  許して欲しいなんて言わない…だけどお願い…ずっと私の側にいて…」

唯は、抑揚なく答えた。

唯「嘘つき和ちゃんを倒して、憂が帰ってきたら、みんなでずっとムギちゃんと一緒だよ…」

紬「そうね、そうよね。みんなで平和を勝ち取りましょう。
  そしたら、みんなで一緒に暮らすの。またお茶して、演奏して…」

紬「梓ちゃんの記憶も戻してあげて…
  今までそうじゃなかった分、みんなで笑いながら楽しく、
  ずうっと仲良く暮らすの、ね、いいでしょ!」



260 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/09/25(土) 22:24:07.45 ID:IuCi.mIo

それは、紬が考えた精一杯の償いの計画であった。
その時、部屋の隅で仮眠をしながら
それを聞いていたニタ研からの出向者がだるそうに起き上がり、口を挟む。

研究者「それはちょっと難しいかな。」

紬「え…どういう事ですか?」

研究者「それ、そんなに長く持ちませんよ。」

紬は言葉を失った。
どこまでも、落ちてゆくような絶望感を感じながら、生気のない目をした唯を見つめる。
研究者が続ける。

研究者「強化するだけさせといて、勝手だよな。
    大体ね、こんだけ薬漬けにされた人間がそんなに長生き出来るはずないでしょ。」

紬「で…でも十年くらいは…」

研究者「甘いですよ、お嬢様。
    それは持ってあと一年ってとこです。早くてあと三ヶ月くらいで限界が見えるかな。」

研究者「激しい戦闘で精神に負担がかかりすぎるとそのままぽっくり逝く事も考えられますしね。」

紬は、口をパクパクさせていた。

研究者「じっくり時間をかけて強化すればそれなりには持ちますがね、それは即席で強化した個体です。
    しかも再強化までしちゃったんだから相当な負担がかかってますよ。」



261 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/09/25(土) 22:25:17.19 ID:IuCi.mIo

研究者「始めから、使い捨ての兵器だったんですよ、それは。
    隣の部屋の、中野とかいうのも似たようなもんです。」

紬「唯ちゃん…ひっく…ひぐっ…」

紬が泣きながら唯に縋りつく。
さらに研究者が続ける。
紬の絶望する様子が面白いようだ。

研究者「今。つらそうな顔してるでしょ。それは痛みに耐えてるんですよ。
    もう神経がボロボロなんでね。体中がジクジク痛んでるんです。
    でも痛み止めは打ちません。感覚が鈍るんですよ、そんなもん打つと。」

紬は、耐え切れずに声を上げて泣き崩れた。

紬「うわあああああああああ…ごめんなさい…ごめんなさあああい…
  ゆいちゃん…あずさちゃああああああん…わああああああああああああああ…」



262 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/09/25(土) 22:26:44.04 ID:IuCi.mIo

研究者は、追い打ちを掛けるように続けた。

研究者「気休めを言っておきますとね、
    それは医学の研究にとても役に立つ資料になります。いいことなんですよ。」

研究者「さ、そろそろまたそれの寿命を縮める仕事に入るかな…
    お嬢様は邪魔なんで出ていってください。」

紬「嫌! 唯ちゃんをこれ以上苦しめないで!! 再強化はもうしなくていいわ!!」

研究者の言葉を無視して唯にしがみついていると、人を呼ばれて引き剥がされた。

紬は、ふらふらと唯の部屋を出た。
梓の部屋にはすでに人が配置されていて近付くことすら出来なかった。

部屋に帰ると、後悔が波のように押し寄せてきた。
ベッドに潜り込むと、なんとか現状と、今の気持ちに折り合いをつけようと、必死にもがき始めた。
しかし、考えても考えても、自分を納得させる事などできなかった。



263 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/09/25(土) 22:27:55.67 ID:IuCi.mIo

第十二話 孤独! おしまい

なんか短かったな。反省。

明後日で終わる。




264 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/09/25(土) 22:39:26.49 ID:mtPWtwso

乙です





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