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けいおん!の真鍋和ちゃんは梅雨も楽しんじゃう可愛い!#2 【非日常系】


けいおん!の真鍋和ちゃんは梅雨も楽しんじゃう可愛い! より
http://hibari.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1307094770/l50


けいおん!の真鍋和ちゃんは過去スレ可愛い




532 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/05(日) 05:30:48.39 ID:0fZmSTps0

和風未遂を投下してみます。




一定のペースで響き続ける、こつこつという足音。
背後にそれを聞いて、私は少しだけ歩を進める速度を落とす。

それに合わせたかのように、後ろから響く靴音のリズムは少し速くなる。
テンポ自体はあくまで一定で、まるで機械で測っているんじゃないかと思うほどだ。

こつこつこつこつ。

私のそれと比べて随分と速い足音は、どんどんと私に近づいてくる。

もう、そろそろ振り向いてもいいかな。
その場で立ち止り、さも「たったいま今あなたに気がつきましたよ」という風情で振り返って見せる。

そこにいたのは、私の思い描いていた通りの人だった。

「あら、風子」

「ああ、真鍋さん」

お互いに、口元だけで笑いあう。

真鍋さんと一緒に帰ることができる。
それ自体は嬉しいのに、笑顔はどこか表面に張り付いただけのものになってしまう。




533 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/05(日) 05:31:54.17 ID:0fZmSTps0

我ながら白々しいとは思う。
真鍋さんが後ろから来ていることなんて、とうに気がついていたくせに。

だけど、その点に関してはきっと真鍋さんも同罪だ。
彼女だって、この道で私の後姿を見落とすことなんてありえない。

なんでこんなバカバカしい茶番を続けているのだろう。
素直に「真鍋さん、一緒に帰ろう」って言えば済む話なのに。
学校を出る時間だって、本当は真鍋さんのことを意識して決めているのに。

きっと私は、今の関係が崩れてしまうことに怯えているのだろう。
気持ちを口にしてしまえば、何かが壊れてしまうような、そんな気がしているのだ。
私と真鍋さんの間で築いてきたもの全てが崩れ去って、もう戻れなくなってしまう。

私はそれが何よりも怖くて仕方がない。

真鍋さんはすぐ隣にいるのに、手を伸ばして触れることはできない。

だから、こうやって誤魔化しながら、今の距離を保つことに必死になるしかない。



535 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/05(日) 05:33:54.42 ID:0fZmSTps0

― ― ― ― ― ― ―

夕暮れの校門を駆け足で潜り抜ける。
思ったより生徒会の仕事に手間取ってしまった。
もう、風子はだいぶ先に行ってしまっただろうか。

焦る気持ちは次第に募り、いつしか息切れするほどの速度で走りだしていた。
もう追いつけないのでは、という不安がよぎったとき、やっと風子の後ろ姿が視界に入る。

そこで私は一旦立ち止り、息を整えた。
折角追いついたのに、と思わないではないが、わざわざ走ってきたことを勘付かれたくはなかった。
ここからは、いつものペースで歩くことにする。それでも風子より歩くスピードは上だ。

前を歩く風子は、私に気がついたのか歩く速度を少し落とした。
それを見て、私は反対に少し足早になる。

あくまで、それとなく、ペースを乱さないように。

どんどんと距離は縮まっていく。
そろそろ、声をかけようか。

そう思った瞬間、風子は歩みを止め、こちらに振り向いた。
私は先手を取られて動揺しつつも、何事もないかのような声色を作って話しかける。

「あら、風子」

「ああ、真鍋さん」



536 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/05(日) 05:35:40.82 ID:0fZmSTps0

何が「あら」だ。
最初から、風子に会いたくてここまで来た癖に。

そんな思いはひとまず胸に落とし込んで、並んで歩き始める。
といっても、程なくお別れなのだけど。

今回は流石に合流するのが遅かった。
その分、一緒にいられる時間も少なくなってしまう。

あれこれ話をしてみるけど、どこか表層で滑ってしまっているような感覚に襲われる。
焦っても仕方がないのに、この貴重な時間は無為に過ぎていく。

ほら、もうおしまいだ。
いつも分かれている角へとさしかかるとき、そんなことを小声で呟く。

「じゃあ、さよなら」

「ええ、さよなら」

私は、いや、私たちはいつまでこんなことを繰り返すつもりなのだろう。
そう思っても、もう一歩、踏み込む勇気が出ない。

自らの意気地のなさが嫌になる。
失敗が怖くて、失うものの大きさに怯えている。

遠ざかる風子の後ろ姿を目で追いながら、そんなことばかりが頭の中に渦巻いていた。



539 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/05(日) 05:39:46.59 ID:0fZmSTps0

― ― ― ― ―

さよならを言って別れたのに、どうにも何だか物足りない。
いつもより一緒にいる時間が短かったからなのか。

もう少しゆっくり学校を出ればよかったかな。
結果論に過ぎない愚かな後悔だけど、それでもそう思わずにはいられなかった。

どうしても名残惜しくて、ついつい後ろを振り向いてしまう。
もう真鍋さんの姿なんて見えるはずもないのに。

そう、見えるはずなんて、なかったのに。

なんで真鍋さんと、目が合っちゃったんだろう。

頬が熱くなるのが自分でもわかる。
恥ずかしさに耐えきれず、私は思わず家に向かって走り出す。

でも、日頃の運動不足のせいか全力疾走なんて長くは続かない。
途中で立ち止まり、電柱に手をついて激しく脈打つ心臓が鎮まるのを待つ。



540 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/05(日) 05:40:48.14 ID:0fZmSTps0

ああ、もう。

荒い息、まとまらない思考。

その中でも、確実にわかることがあった。
やっぱり、私は、真鍋さんのことが、好きで好きで仕方ないのだ。

曖昧な関係の中をたゆたいながらも、その気持ちは、確実に私の中で育っている。

それを再確認しただけで、こんなにも胸が騒ぐ。

重症だな、まったくもう。

そうひとりごちながらも、頬はどこかゆるんで、自然に笑ってしまっていた。
ころころ変わる自分の気持ちに振り回されながらも、それでもどこか幸せを感じてしまう。

もっと真鍋さんに近づけたら、もっと幸福な気持ちになれるのだろうか。

首を振ってその考えを消そうとするけれど、やっぱり心の底ではそれを望んでいるのだろう。

明日も、一緒に帰りたいな。

とりあえず、今はただそれだけ。



541 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/05(日) 05:41:52.94 ID:0fZmSTps0

以上です。失礼しました。




542 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/05(日) 05:43:53.19 ID:CV8k2nVyO

乙!
なんかこのもどかしさが妙に懐かしくて困る



543 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/05(日) 05:45:16.39 ID:ZHukGfyV0



…ふう



545 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/05(日) 05:48:54.90 ID:e2Tk4YUMP

乙でした!





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[ 2011/06/06 14:39 ] 非日常系 | 和風子 | CM(0)

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