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唯「タイムトラベル」紬「Look for」梓「memoriesです!」#第一部 【SF】


http://hibari.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1307963667/l50

唯「タイムトラベル」紬「Look for」梓「memoriesです!」#第一部
唯「タイムトラベル」紬「Look for」梓「memoriesです!」#第二部
唯「タイムトラベル」紬「Look for」梓「memoriesです!」#第三部




1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/13(月) 20:14:27.12 ID:lalHAzVRO

澪「あれ……どこに行ったんだろうな」

唯「? どうしたの澪ちゃん」

澪「ん? あぁ、何でもないよ。気にしないで」

唯「ん~?」

澪「……」ポケー

梓「(澪先輩どうしたんでしょうね」

紬「(今日は一日中上の空……心配ね」

唯「(りっちゃんが風邪でおやすみだからかな?」

梓「(他にも理由がありそうですけど……」


澪「どこ行ったんだろうな……」





4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/13(月) 20:21:48.01 ID:lalHAzVRO

紬「(さっきからどこ行ったんだろうって呟いてるわね」

梓「(何か落とし物したんでしょうか?」

唯「(それとなく聞いてみよう!」


唯「澪ちゃん何か落とし物でもしたの?」

澪「えっ?」

梓「全然それとなくないじゃないですか……」

澪「うん……まあ、そうなんだけど。今更どうにかなるものじゃないし」

紬「いつ落としたの?」

澪「……小学四年生ぐらいかな」

梓「それは……確かにどうにもなりませんね」

澪「うん。だから、いいんだ。心配かけてごめんな」

唯「澪ちゃん……」

澪「ただ……何となくこの時期になると思い出すんだ。どこに行ったのかなって……」



5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/13(月) 20:33:36.84 ID:lalHAzVRO

────

澪「じゃあ、私はこっちだから」

唯「うん。またね~澪ちゃん」

澪「……」トボトボ


梓「元気なかったですね、澪先輩」

紬「りっちゃんのお見舞いにみんなで行けばちょっとは気が紛れると思ったんだけど……」

梓「仕方ないですよ。この時間は点滴らしいですし」

唯「むぅん……」

梓「何唸ってるんですか唯先輩」

唯「澪ちゃんの無くした大事なもの……探してあげられたらいいのにな~って」

梓「そうですね……律先輩がいなくてただでさえ元気がないのに
  無くした物の思い出まで思い出すなんて……でも」

梓「小学四年生……今から8年も前の落とし物を探すなんて無理ですよ」

紬「もし、……無理じゃないとしたら?」

唯梓「!?」



6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/13(月) 20:42:59.73 ID:lalHAzVRO

梓「何か手がかりでもあるんですかムギ先輩!?」

紬「ううん、でも……『その場に居合わせれば』、可能じゃないかしら?」

梓「その場に居合わすって……」

唯「ムギちゃん……まさか!」

紬「琴吹グループは色々なジャンルで仕事をしているの」

梓「車とかロケットとかの開発もしてるとか、ですよね?」

唯「凄いねムギちゃん!」

紬「私は何もしてないんだけどね。お父様が凄いの」

唯「じゃあムギちゃんのお父さん凄いね!」

紬「ふふ、ありがとう」

梓「それでそれがさっきのとどう関係があるんですか?」

紬「うん……その中の1つにね、あるの」

梓「……ま、まさか」

紬「時間逆行制御装置……つまり、タイムマシンよ……」



8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/13(月) 20:51:13.73 ID:lalHAzVRO

唯「じゃあ早速それで澪ちゃんの落とし物を探しに行こう!」

梓「ちょちょちょ、まってください!
  なんでそんなあっさりなんですか唯先輩は! タイムマシンですよタイムマシン!
  あの実現不可能と言われているタイムマシンがあるなんて
  ノートン先生もビックリなことですよ!?」

唯「やだな~あずにゃん。ドラ○もんだと21世紀になったら当たり前にあるって言ってたよ~?
  あずにゃんったら遅れてる~」

梓「アニメと現実を一緒にしないでください!
  この世界じゃ車は空を飛ばないしタイムマシンもないんです!」

紬「タイムマシンはあるわよ~」

唯「ほら~あるんだって!」

梓「ああもうっ」



11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/13(月) 20:57:58.53 ID:lalHAzVRO

紬「梓ちゃんが驚くのは無理もないわ。時間って概念は通常私達人間じゃ越えられないものね」

梓「擬似的に越えることは出来たりするらしいですけど……
  タイムマシンって言うにはちょっと違いますもんね」

紬「梓ちゃん詳しそうね~」

梓「そんなことないですよ。ちょっとSF小説をかじったくらいで」

唯「とにかく今大切なのは澪ちゃんだよ!
  あんな辛そうな澪ちゃん見たくないもん」

紬「そうね……何とかしてあげられるなら何とかしてあげたいわね」

梓「でも……(タイムトラベルには危険も伴う……)
  いや、わかりました。やってやりましょう!
  時間を越えての落とし物探し!
  (所詮は本当に行ったことのない俗説です!
   私が真のタイムトラベラー、アズ・タイターになってやるです!)」



14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/13(月) 21:06:25.53 ID:lalHAzVRO

紬家前──

梓「ムギ先輩遅いですね……」

唯「ねぇあずにゃん。タイムマシンってやっぱり乗るのかな!?」

梓「どうですかね……フィクションの世界でならいくつも登場しますけど」

唯「車がいいな~。こうぎゅあ~ん! どしゃーん! ぎゅんぎゅんっ! ズババババーって!」

梓「バック・トゥ・ザ・フューチャーですか。有名ですもんね。
  でもタイムトラベルの衝撃が物理的な衝撃とも限りませんし……乗り物とは限りませんよ」

唯「なんかよくわかんないけどあずにゃんカッコいい!」

梓「まあ唯先輩よりは知識ありますかね」

唯「じゃあこれからあずにゃんのことあずにゃん先生って呼ぶね!」

梓「いえ、結構です」

唯「えー」

紬「お待たせ二人とも」



15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/13(月) 21:15:09.72 ID:lalHAzVRO

梓「タイムマシンは!? タイムマシンはどこですかムギ先輩!?」キョロキョロ

唯「あずにゃん落ち着きなよ」

紬「これよ~。お父様の書斎からこっそり持って来ちゃった」

梓「これは……」

唯「時計?」

紬「そう。懐中時計」

梓「はは……ははは、あはははは」

唯「あずにゃん?」

紬「どうしたの梓ちゃん?」

梓「どうしたもこうしたもないですよ! タイムマシンですよ!? 時間を越えるんですよ!?
  そんな大質量を産み出さなきゃならないものが懐中時計なんて……あり得ないですよ!」

紬「で、でも……お父様と斉藤がタイムマシンだって……」

梓「聞き間違えたんじゃないんですか?
  『それはこの屋敷の奥にあるタイムマシンを起動させる暗号になっているのだ、ふふふ』
  とかのタイムマシンだけを抜き取って聞いちゃった……とか」

紬「……そうなのかしら」



16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/13(月) 21:22:17.58 ID:lalHAzVRO

唯「でもこの時計の中についてる石……綺麗だね~」

梓「本当ですね……。ダイヤモンド……じゃないですね。
  真っ白……真珠みたいだけど……透き通ってます……ずっと見てたら何だか吸い込まれそうですね」

紬「お父様達が言うには特別な石らしいわ。それがタイムトラベルを可能にしてるんだとか」

梓「この石が……ですか」

唯「とりあえずやってみようよ! タイムトラベル!」

紬「そうね! 百聞は一見に如かずですもの」

梓「……はあ(そんな簡単に時間を越えられるわけないですよ……」



18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/13(月) 21:32:52.80 ID:lalHAzVRO

唯「澪ちゃんが小学4年生の頃だから~」

紬「今から八年前ね。時期は今頃って言ってたから今日にしましょう」

梓「どうやって年月日を決めるんですか?」

紬「この短針を右に進むと未来に、左に戻すと過去に飛べるらしいわ。
  つまり八年前だから左に8、短針を戻すの」

梓「ふむふむ」

紬「長針は月、つまり今は6月だから6に合わせて……」

梓「なるほど……」

紬「後は秒針を行きたい日時に合わせるの。13日だから13ね」

梓「秒針も60ありますけど日は30しかありませんよね?」

紬「1~30はその日の午前、30~60はその日の午後に飛べるらしいの。
  何時かはあまり指定出来ないらしいわ」

梓「ふむふむです。で、出力は……」

唯「早く行こうよぉ~!」



20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/13(月) 21:42:01.49 ID:lalHAzVRO

紬「最後にこの横の時間を合わせるボタンを押せばタイムトラベルよ!」

唯「なんかドキドキするね!」

梓「はいっ! 時間を越えるなんて一生に一回出来るか出来ないか、いや、普通出来ませんよね!」

唯「何かこうポーズとか決めた方がいいかな?」

梓「ポーズ、ですか?」

唯「ターイムトラベルースイッチ! オンッ! みたいな」

梓「何かロボットの合体シーンみたいですよそれ」

唯「うぅ~でもなんかやりたい」

紬「こんなのはどうかしら? 澪ちゃんの思い出を探す時間旅行だから……」

紬「タイムトラベル Look for memories」

梓「思い出を探しに時間旅行ってことですね」

唯「英語わかんなーい」



22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/13(月) 21:49:23.70 ID:lalHAzVRO

────

唯「じゃ、行くよ!」

紬「ええ!」

梓「はい!」


唯「タイムトラベル!」ビシッ

紬「Look for~♪」ホワホワ

梓「memoriesです!」ポチッ


梓「なっ……時計の針が……めちゃくちゃに回って……」

唯「なんだか……ぐにゃぐにゃするよ~?」

紬「何かに掴まってないと……吹き飛ばされそう……!」

梓「皆さんこの懐中時計に掴まって!!! 早く!!!」

ギュワアアアアアアアアアアアア──

────



23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/13(月) 21:57:08.63 ID:lalHAzVRO

4時30分13秒────

唯「ここは……ムギちゃんの家の前?」

紬「ん……あら? 明るいわ」

唯「おはようムギちゃん」

紬「おはよう唯ちゃん。タイムトラベルは成功したのかしら?」

唯「さあ?」
紬「梓ちゃんは?」

唯「あ、そう言えばあずにゃんがいないよ!」
梓「後ろですよ唯先輩」

唯「無事だったかあずにゃんよ!」

梓「はい、なんとか。唯先輩よりちょっと早く目覚めたので……
  手早くタイムトラベルの成否を確認してきました」

唯「どうやって?」

梓「一回はやってみたかったんですよ……これ」バサッ

紬「これは……!」

梓「そう、新聞です。さっきコンビニで買って来ました。日時は……」

梓「2003年の6月13日……間違いないです。私達……タイムトラベルしたんですよ!!!」



24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/13(月) 22:03:16.62 ID:lalHAzVRO

唯「来たんだね……本当に!」

紬「お父様ったらこんなことを隠すなんてずるいわぁ」

梓「どうやって来たかとか、時間軸がどう移動したのとか、
  色々気になることはありますけど……まずはここに来た目標を達成しましょう」

唯「澪ちゃんの落とし物探しだね!」

紬「まずは澪ちゃんの家に行きましょう!」

梓「時間は……この懐中時計4時30分13秒で止まったまま動かないですね。
  さっきコンビニで見たら朝の7時ぐらいでしたから、ちょうど澪先輩が学校へ行く時間です」

唯「急いでつけないと!」

紬「おー!」

梓「時間を飛んでもいつも通りですね……二人とも」



26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/13(月) 22:10:09.75 ID:lalHAzVRO

澪の家────

唯「たしかここだよ!」

梓「そう言えば澪先輩の家って初めて来ますよ」

紬「私も~」

唯「私もりっちゃんに教えてもらっただけで遊びに来たことはないよ~」

梓「案外謎に包まれてましたね、澪先輩」

紬「りっちゃんと澪ちゃんしか知らないことがいっぱいあるのねきっと」

唯「む! 誰かくるよ!」

唯紬梓≡ササッー
◎◎◎≡ササッー


幼澪「行ってきまーす」

幼澪「」トコトコ


唯「み、み、澪ちゃんだよねあれ!」
梓「そ、そうみたいですね!」
紬「」ほわ~

唯紬梓「か、可愛い~」



28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/13(月) 22:18:13.51 ID:lalHAzVRO

梓「はっ! こんなことしてる場合じゃないですよ! 早く後をつけないと!」

唯「持って帰りたい可愛さだよ~」

紬「お菓子あげようかしら~」
梓「もうっ! 二人ともしっかりしてください!」

────

幼澪「」トコトコ

唯紬梓「」じ~

幼澪「」トコトコ
唯紬「」じ~
梓「」じ~

幼澪「?」キョロキョロ

唯紬梓∥「……」

幼澪「」トコトコ

梓「近いですよ二人とも! 危うくバレるとこでしたよ!」
唯「だってランドセル背負ってる澪ちゃん可愛いんだも~ん」
紬「連れて帰りたいわね~」

唯「よ~しこの飴ちゃんで誘惑しちゃおう!」

梓「誘拐するためにタイムトラベルしたんじゃないんですよ!」



29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/13(月) 22:25:04.66 ID:lalHAzVRO

幼澪「うぅ……」ブルブル

唯「ややっ! 何か震えてますよ澪ちゃんが!」

梓「どうしたんでしょうね」

紬「お腹が痛いのかしら?」


犬「グルウウウウウ」

幼澪「うぅ……怖いよぅ」

唯「犬が怖くて通れないのかな?」

梓「か、可愛い~……守ってあげたくなりますね」

唯「あずにゃん?」

梓「はっ! な、なんでもないです!」

紬「よぅし! みんなで助けましょう!」

梓「駄目ですよムギ先輩! 極力接触は避ける、それがタイムトラベルの基本です!
  私達がいなくても何とか出来たんですから、ここは静観しましょう」

紬「タイムトラベルって難しいわね……」



31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/13(月) 22:32:03.58 ID:lalHAzVRO

幼澪「えいっ」ダダッ

唯「おおっ! 澪ちゃん渾身のダッシュ!」

紬「犬通りを抜けたわ♪」

梓「怖がりは今より深刻みたいですね……門に隔てられたロープつきの柴犬に怖がるなんて」

唯「そう言えばこの頃の澪ちゃんってもうりっちゃんと知り合ってるのかな?」

梓「そこら辺は私より付き合いの長い二人の方が知ってるんじゃないんですか?」

紬「う~ん、いつ知り合ったかとかは聞いたことないわね」

唯「幼馴染みだから幼稚園ぐらいかな?
  私と和ちゃんはそれぐらいだったよ」

梓「その話はまた今度あっちでゆっくりしましょうか。それより今は小さい澪先輩を追いましょう」

唯「よしよ~しわんころ~」犬「くぅん」

梓「唯先輩っ!」



33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/13(月) 22:38:58.46 ID:lalHAzVRO

幼澪「はあっ……はあっ……!」

梓「まだ走ってますね」

紬「がんばって~」


幼澪「んはぁっ……はあっ……」ポロ

唯「あ、ランドセルから何か落ちたよ?」

梓「気づいてないみたいですね」

紬「もしかしてあれが澪ちゃんが言ってた大切なものじゃないかしら?」

梓「行ってみましょう!」

────

梓「これは……」

唯「ふでばこ?」

紬「キティちゃんね~可愛いわ~。
  中に入ってる鉛筆やシャーペン何かも可愛いキャラものばっかりね」

梓「まあ人によって思い入れは違いますからね。きっとお母さんからの贈り物か何かなんでしょう」

唯「じゃあこれを持って帰って澪ちゃんに渡せばミッションコンプリートだねっ!」

梓「駄目に決まってるじゃないですか! そんなことしたらタイムパラドックスが起きますよ!」



35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/13(月) 22:48:31.72 ID:lalHAzVRO

梓「タイムパラドックスって言うのはですね、
  本来ないものをそこに持って来ることで生まれる矛盾のことです」

紬「いけないの?」

梓「例えばです、この時間の唯先輩にこれからやるテストの回答全てを写したノートを渡すとしますよね?」

唯「夢のような話だね~」

梓「そうすると唯先輩は当然全テストで100点満点です」

紬「でも唯ちゃんなら名前とか書き忘れちゃいそう」

唯「あ~ムギちゃんひど~い!」プンスカ

紬「うふふ、冗談よ」

梓「真面目に聞いてくださいっ!
  そしたら唯先輩は……もしかしたら桜ヶ丘高校にも来ないかもしれません」

紬「えっ……?」



36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/13(月) 22:53:15.60 ID:lalHAzVRO

唯「やだな~あずにゃん。ちゃんと行くよ~というかもう行ってるよぉ」

紬「もしかして……」

梓「……ムギ先輩は気づきましたね。
  そうです、私達がやってることは歴史さえも変えることが出来ることなんですよ」

紬「歴史を……変える」

唯「どういうこと?」

梓「はあ……唯先輩にもわかりやすく説明しときます。あ、飴ちゃん借りますね」

唯「ああっ~私の非常食がぁ~」

梓「後でちゃんと返しますから」

梓「唯先輩、飴ちゃんがある世界とない世界、どっちを選びますか?」

唯「ある世界とない世界?」

梓「簡単に言えばこの飴ちゃん、ほしいですか? ほしくないですか?」

唯「ほしい!」



38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/13(月) 22:57:18.71 ID:lalHAzVRO

梓「はい、どうぞ」

唯「わ~い。ってこれ元々私の飴ちゃんだよあずにゃん!」

梓「細かいことは置いといてください。つまりこれで唯先輩には飴ちゃんがある世界に分岐したんです」

唯「ほぇ?」

紬「……でもそれだけのことで未来ってそんなに変わるのかしら?」

梓「まあこれぐらいのことじゃ変わることはないと思います。
  でもさっきみたいにテストの回答を写したノート、
  とかなら唯先輩の未来はきっと劇的に変わります……!」

唯「具体的に言うと……!?」

梓「東大だって夢じゃありません……」

唯「おおおおおっ」



41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/13(月) 23:02:20.67 ID:lalHAzVRO

梓「これが俗に言うタイムパラドックスです。
  過去に戻って起こした変化が後の未来に影響、矛盾するってやつです」

紬「つまりその変化の度合いを考えて行動しなきゃならないってことかしら?」

梓「そうなりますね。さすがムギ先輩、ものわかりが早くて助かります。
  それに比べて……」

唯「小さい頃の私にどうやってテストの回答渡そう……」

梓「ゆーいせーんぱぁーい。さっきの話聞いてなかったんですか?」ジトー

唯「やっぱり……駄目?」

梓「駄目に決まってますよ!」

唯「う~あずにゃんのけちんぼ!」



43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/13(月) 23:06:22.90 ID:lalHAzVRO

梓「今を変えるってことはこの先、つまり私達のいる世界を変えるってことになるんです。
  テストの回答を渡して東大に行く未来にすれば、唯先輩と私達は出会わないかもしれないんですよ?
  それでもいいんですか?」

唯「うそ……そんなのやだよ」

紬「唯ちゃん、私達は過去にいるの。私達の行動で未来を変えちゃったりしたら大変でしょう?
  だからそうならないよう慎重に動きましょうって梓ちゃんは言ってるの」

唯「うん……そうだね。私達が出会わない世界なんて……嫌だもんね。
  ごめんねあずにゃん」

梓「わかってくれたらいいんです」



44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/13(月) 23:10:15.95 ID:lalHAzVRO

唯「でもそうすると澪ちゃんのふでばこはどうしたらいいの?」

紬「悔しいけれど……このまま帰った方がいいのかしら」

唯「そんなぁ……明日も澪ちゃんがあんな悲しそうな顔するのやだよ……」

紬「でも……」

梓「大丈夫ですよ。筆箱はちゃんと澪先輩に届けられます」ニヤッ

唯「ほんとに!?」

紬「どうやって!?」

梓「確かに持って帰って直接渡すことは出来ませんけど、
  今拾って誰にもバレないようにこっそり澪先輩のランドセルに戻してあげたらいいんです!」

唯「なるほど!」

紬「でもそれって直接渡すこととどう違うの?」



45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/13(月) 23:16:22.89 ID:lalHAzVRO

梓「時間軸が違います。タイムパラドックスは8年前、
  私達が知り得もしない澪先輩の筆箱を持って来て渡す、と言うところで起こります」

紬「確かにその頃まだ知り合ってもない私達がその筆箱を持ってる時点でおかしいものね」

唯「うんうん」

梓「なので最初から落としてないことにするんです。
  そうすれば誤差はふでばこの有り無しだけに留まります。
  これぐらいならさっきやった飴ちゃんの有り無しと同じぐらいでしょうし問題ない筈です」

唯「さっすがあずにゃん先生!」

紬「凄いわ梓ちゃん!」

梓「えへへ」ドヤ!

梓「じゃあ早速これを小さい澪先輩に届けましょう! バレないように、ですよ?」
唯紬「おっー!」



46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/13(月) 23:22:01.02 ID:lalHAzVRO

学校────

唯「いる?」

梓「ん~このクラスじゃないみたいです。ムギ先輩、移動お願いします」

紬「は~い」

唯「4年生が二階で助かったね~」

梓「はい。肩車でギリギリ覗ける高さです」

紬「梓ちゃん軽いわね~」

梓「そ、そうですか?///」

唯「あずにゃんはちっちゃいからね~」

紬「っこらしょ、ここでいいかしら」

梓「はい。……居ました、澪先輩です」


幼澪「……」

梓「本読んでますね」
唯「りっちゃんは~?」

梓「……それらしい人はいませんね」
紬「まだ知りあってないのかしら」



49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/13(月) 23:28:24.86 ID:lalHAzVRO

「なにやってんの?」

梓「何って監視ですよ。さっき言ったじゃないですか。
  澪先輩を監視してランドセルに筆箱を入れるチャンスを伺うって……」

梓「あれ? さっきのって……」

唯「あずにゃんあずにゃん!」

梓「えっ?」

紬「あらぁ」

幼律「肩車なんてやってなにやってんの? おねえちゃんたち」

唯「りっちゃんだよ!」

梓「なんてこったあああああ」

紬「可愛いわね~お菓子いる?」

幼律「」プイッ

紬「あら?」

幼律「あやしそうな人から物もらっちゃだめだって言われてるからもらわないもん!」

紬「あらあら」



52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/13(月) 23:34:55.10 ID:lalHAzVRO

唯「ど、どうするのあずにゃん!?」オタオタ

梓「し、し、仕方ないです! このまま拉致して記憶を無くさして……!」アタフタ

唯「どうやって記憶を無くさすのあずにゃん!?」


幼律「おねえちゃんたち、学校の人じゃないよね?」

紬「ええ。私達はね、ここの卒業生なの」ニコリ

幼律「へーそうなんだ」

紬「だから学校の前にちょっと見てただけなの。だから怪しくなんてないのよ?」

梓「(ムギ先輩ナイスアドリブですっ!」

唯「(今まであの甘い笑顔に何人も騙されて来たんだよきっと!」



54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/13(月) 23:38:32.45 ID:lalHAzVRO

幼律「じゃあ……」

紬「」ゴクリ……
唯「」ゴクリ……
梓「」ゴクリ……

幼律「お菓子もらってもいいよねーっ!」

紬「ええ。はい、どうぞ」

唯「(やっぱりりっちゃんだーっ!」
梓「(この頃から可愛げなかったんですね……律先輩」

キーンコーンカーンコーン……

幼律「やっばい遅刻っ! じゃあね~変なお姉ちゃん達!」

紬「ばいば~い」

唯「やっぱりりっちゃんはりっちゃんだったね」

梓「まあ……バカっぽいですしすぐ忘れてくれますよ律先輩なら」

唯「あずにゃん酷いね、さりげに」



59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/14(火) 00:00:20.40 ID:ZVr/9DDXO

────

先生「一時間目は図工になります。みんな彫刻刀は持って来ましたか?」

幼律「は~い忘れました~!」

先生「あらあら」

梓「律先輩は相変わらず……ん? 元がこの場合なんて言うんでしょう?」

紬「タイムトラベル専用の用語はないから難しいわね~。
  元々変わってないから元変わらず、かしら?」

梓「なるほど」

唯「ああん私もちっちゃいりっちゃんと澪ちゃん見たいよ~!」

梓「遊びでやってるんじゃないんですから。我慢してください唯先輩」

唯「ぶぅ~」

先生「じゃあ友達に借りてくださいね」

幼律「は~い!」

梓「お、これは面白いことになりましたね」

唯「なになに!? あ~んもうやっぱり見たい~!」



62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/14(火) 00:06:48.82 ID:ZVr/9DDXO

梓「これでこの時間の澪先輩と律先輩の仲良さがわかりますね」

紬「きっとりっちゃんは澪ちゃんに借りに行くわ」

唯「私なら迷わず和ちゃんに借りに行くよ! 違う教室でもね!」フンス!

梓「この時間の和先輩が不憫でなりませんよ……あ、動きました」

幼律「ちょーこくとー貸して!」

友達A「いいよ~」

幼律「ありがとう~」

梓「あれ? 澪先輩じゃありませんね……」

紬「なん……ですって?」

唯「喧嘩してるとか?」

幼澪「……」

幼律「~~~」

梓「そんな感じには見えませんでしたね。何と言うかまだあんまり仲良くないって感じかな」

紬「そうなの……何だか悲しいわね」
唯「ふふ、私と和ちゃんの圧勝だねっ!」



65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/14(火) 00:17:39.51 ID:ZVr/9DDXO

────

梓「それにしても一時間目から移動教室なんてついてますね」

紬「これで筆箱を澪ちゃんのランドセルに入れたら任務完了ね!」

唯「何かゲームみたいで面白いね!」

梓「さっきまでの緊張感はどこに行ったんですか唯先輩……あ、この教室ですよ」

ガラララ──

唯「わぁ~机ちいさ~い」

紬「ほんとね~」

梓「え~と澪先輩のランドセルは……っと」

紬「これじゃない?」

唯「ロッカーの上に秋山みおって書いてるよ!」

紬「字まで可愛いなんて」ぼわわ~ん

梓「この秋山、は漢字でみおが平仮名な辺り小学四年生って感じしますよね」

唯「私は中学上がるまで平以外平仮名だったよ!」



66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/14(火) 00:23:20.08 ID:ZVr/9DDXO

梓「それはどうでもいいです。 じゃあさっさとこれを入れて帰りましょう」

唯「あずにゃん冷たいよ~。暖かい頃のあずにゃんにタイムトラベルしてよ~」

梓「はいはい行きますよ~」

紬「一時間図工、二時間目国語、三時間目道徳、四時間社会……
  ふふ、りっちゃんが寝ちゃいそうな時間割」

唯「せっかくだからここに『放課後ティータイム参上!』ってかいとこっか!」

梓「そんなことしたらタイムパラドックスってレベルじゃなくなりますよっ!
  誰かにバレる前に急いで学校から出ましょう!」

紬「唯ちゃん早く~」

唯「わかったよぉ~」



68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/14(火) 00:27:29.66 ID:ZVr/9DDXO

紬の家前──

梓「戻って来ましたね」

紬「ええ。後は元の時間に合わせて飛べばいいのね」

梓「はい。この時間で起きて反映されたことは、
  『澪先輩が筆箱をなくさなかった』って云うことだけです」

唯「りっちゃんに見られちゃったのは大丈夫なの?」

梓「子供の頃の記憶なんて曖昧にしか覚えてない筈ですから。
  私達を見てあの時の! なんて言う出す確率は低いです。
  それに律先輩ですしね」プッ

唯「りっちゃんだもんね」

紬「りっちゃんですものね」

梓「じゃあ帰りましょう! 私達の時間に!」

紬「ええ」
唯「おぉ~」



70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/14(火) 00:35:59.43 ID:ZVr/9DDXO

紬「じゃあセットするわね」

唯「あ、そうだ」

梓「何やってるんですか唯先輩?」

唯「ここに来た記念に一枚、と思って」

梓「そう言えば携帯電話の時計ってどうなってます?
  その機種新しいですからこの時代だとまだ出来てない筈ですけど」

唯「普通に動いてるよ~?」

梓「日付は……2011ですね。
  あの懐中時計は効果範囲があってその中のものは一緒に時を越えてく……って感じですかね」

唯「??」

梓「まあこの事実を知ってる本人の携帯で撮る写真なら問題ないかな。
  三人の記念、そして他の人には明かされることのない秘密記念に、一枚撮りますか」

唯「やった~! またパラちゃんがどうとかでダメとか言われると思ったよ~」

梓「タイムパラドックスですよ、唯先輩。私だってここに来た証を一つぐらい持って帰りたいですから。
  後で添付して送ってくださいね」



72 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/14(火) 00:45:44.74 ID:ZVr/9DDXO

紬「セット出来たわよ~」

唯「こっちも出来たよ!」

梓「じゃあ行きますよ~?」

紬「??」

唯「ムギちゃん笑って~」

梓「はいっ! 押しましたよ!」スタタタ

紬「? 写真撮るの?」

唯「うんっ! あずにゃん学士から許しが出たからね!」

梓「真ん中はムギ先輩で。一番の功労者なんですから!
  (いつか琴吹グループがタイムマシンを公表した時、
   私達が一番最初のタイムトラベラーだった! なんてことになったら……ふふふ)」

紬「ふふ、わかったわ」

唯「ではタイムトラベルの記念を祝して!」

梓「はいチーズ、です!」

梓紬唯 カシャッ──

────



74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/14(火) 00:52:10.60 ID:ZVr/9DDXO

────

グニャアアアアアアア────

唯「わっ」紬「っと」梓「に゛ゃっ」

唯「この感覚だけはなれないね~」

紬「ちゃんと戻って来れたのかしら?」

梓「ちゃんと夜ですし……多分、戻って来れたと思います。年のために帰りに新聞見ときます」

紬「ありがとう梓ちゃん」

梓「いえ、これぐらいは」

紬「そうじゃないの。今回のこと全部よ。
  梓ちゃんがいなかったらきっと私達とんでもないことを引き起こしてたかもしれないわ」

唯「うんうん。過去に戻るってことがそんなに危ないことなんて思わなかったよ」

梓「そんな……感謝されるようなことしてないですよ」



76 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/14(火) 00:58:37.00 ID:ZVr/9DDXO

紬「それでもありがとう。これで澪ちゃんが明日から少しでも笑顔でいてくれるなら、私も嬉しいから」

梓「ムギ先輩……」

唯「私も嬉しいよ!」

梓「唯先輩……」

梓「(ああ、この人達はなんていい人なんだろう。
   こんな何でも出来る力を目の当たりにしても歪まない……友達の為にだけに使うなんて)」

梓「(私が嫌な子なだけなのかな……だとしても、私の役目は)」

梓「もうこんな危ないことしちゃ駄目ですよ?
  (ここでタイムマシンの誘惑を絶つこと。
   二人がタイムマシンの恐ろしさに気づく前に、自分を見失わないように)」

紬「は~い」
唯「は~い」

こうして一度目のタイムトラベルは無事終わったかに見えました。
けど、それは私達をバラバラに引き裂く始まりだったんです……。



78 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/14(火) 01:01:50.77 ID:ZVr/9DDXO

これで第一部は終わりになります

三部構成の予定ですけど何分あんまり考えてやってないので四部とかになるかもです

伏線はなるべく回収するですが忘れたらすいません

後書きためないんで遅いです

では続き書きます



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唯「タイムトラベル」紬「Look for」梓「memoriesです!」#第一部
[ 2011/06/15 08:36 ] SF | | CM(0)

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