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唯「だいにじ!」なのは「スーパー!」夕映「ロボット」シャロ「大戦です!」#第二十四話 Dパート 【スーパーロボット大戦】


SS速報VIP(SS・ノベル・やる夫等々)@VIPServiseより


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唯「まじーん、ごー!」#index
唯「だいにじ!」なのは「スーパー!」夕映「ロボット」シャロ「大戦です!」#index




176 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県):2011/06/16(木) 17:28:38.94 ID:fxGJ799C0


 第二十四話 Dパート


 制御室を破壊され、自慢の機動力を失った機動要塞は
 連邦の大規模艦隊を前に攻撃能力の79%を失っていた。

 その上、総督であるドルチェノフは司令部から逃げ出す始末――

ハルヒ「抵抗は許さないわ」

 ファルゲンで乗り込まれては、どうすることも出来ない。
 司令部にいる全員は諸手を挙げて投降せざるを得なかった。

ハルヒ「結構よ。ドルチェノフはどこ?」

 ドルチェノフがいなくなった後の指示に追われていた側近は
 銃口を向けられて泡を吹き出さんばかりであった。

側近「か、閣下は前線指揮を執られる為に――」

ハルヒ「逃げたのね。ま、そんなもんよね」

側近「閣下を侮辱するなど!」

ハルヒ「アイツは薄汚い盗人よ」

 ばっさりと切り捨ててハルヒは銃を掲げなおした。

ハルヒ「ギルトール元帥を暗殺し、ギガノスを掠め取った鼠賊。それだけよ」

 ガシュゥッ――振り返り、数歩距離を確保してからファルゲンは発進する。

ギガノス通信兵「元帥を暗殺……どういうことだ?」

 命拾いをして、冷静になった兵士達が囁きあった。





177 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県):2011/06/16(木) 17:30:07.73 ID:fxGJ799C0


ドルチェノフ「どいつもこいつも馬鹿者めらが! ワシは総督なるぞ!」

 軍靴を響かせてドルチェノフ総督は再召集した親衛隊を前に自らギルガザムネに乗り込んだ。

ドルチェノフ「くそ! くそくそぉ! 百機以上いたギルガザムネが今や二十二機だと!?」

 起動するギルガザムネ。
 ドルチェノフ専用機は藍色のカラーリングが施されている。

ドルチェノフ「えぇい、アサクラはおらんのかぁ!?」

親衛隊「そ、それがまだ戻られていません」

ドルチェノフ「ぬうぅ、役立たずめが……よいか、お前たち!」

 元々は宇宙方面軍の最前線に立つ苛烈な将である。
 例え退路を失ったとしてもその声には迫力が籠もっていた。

ドルチェノフ「ワシはこれから起死回生の作戦を敢行する。キサマらはなんとしてでもワシを守れぃ!」

親衛隊「「「「ははっ!!」」」」

 哀れな彼らはその作戦がジオンへの亡命だとは知るよしもない。

ドルチェノフ「出るぞ、重力を切れい!」

 居丈高な号令で重力装置の電源が切られ、ギルガザムネは宙に浮く。

 自分を含め二十三機が発進体勢に入ったのを確認して、頭上のゲートが開いてゆく。

ドルチェノフ「ゆくぞ、ワシに続けぃ!」

 シュゴォォォ……! 浮上してゆくギルガザムネ。

 円筒形のルートに四基つけられているハンガーに背部をひっかける。
 そこからはハンガーが繋がっているレールに引っ張られて上へ昇っていく。

 ちょうど中間地点を通ったところで、警報が響いた。

ドルチェノフ「何事か!?」

ギガノス通信兵『そ、それが、D兵器の攻撃で上昇装置に異常が出ました!』

ドルチェノフ「何だと!」

 幸い、無重力地帯になっているので慣性に従い上昇は続く。

 ドドォン……! 突如、ギルガザムネの頭上で爆発が起こり、ルートに大穴が開いた!

ドルチェノフ「今度は何だ!?」

ギガノス通信兵『ディ、D兵器です! D兵器の三機が侵入してきました!』



178 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県):2011/06/16(木) 17:31:12.84 ID:fxGJ799C0


 報告に頼るまでのもなく、レーダーがD兵器だと告げている。

ドルチェノフ「ぬうぅぅぅ! このワシに……総督の頭上に立つとは無礼者どもが!!」

 脚部のバーニアで機体を水平にし、ドルチェノフはハンドレールガンを構えた。

シノ「敵機か、仕掛けるぞ!」

アリア・スズ「了解!」

 ガガァッン! 煙の中から砲撃が放たれるが、ギルガザムネの肩当てで弾かれた。

ドルチェノフ「このギルガザムネには効かぬわ!」

 ガガガガガガガガッ!! 照準も合わせずに徹甲弾をばらまく。

 どうせ煙の中にいるのだから、所構わず蜂の巣にする。

ドルチェノフ「どうだ? むっ――」

シノ「はぁぁぁぁっ!」

 ぶわっ――! 煙を突き破り、ルナ・チタニウム合金の楯を構えたドラグナー1型カスタムが突っ込んでくる!

ドルチェノフ「おのれ!」

シノ「カラーが違う、指揮官機か!」

 ドカァッ! 楯を構えたままギルガザムネに体当たりし、右手にはアサルトナイフを握った。

ドルチェノフ「ぬぅぅ!」

 ザシッ! 首を狙った一撃だが、ぎりぎりで逸らされ、肩当てに突き刺さるに終わった。

ドルチェノフ「忌々しいD兵器めが!」

シノ「その声――まさか!」

 交錯の瞬間に流れ込んできた声にD-1の対話型コンピュータ・クララも同じ解を出している。

シノ「ドルチェノフ中佐か!」

ドルチェノフ「中佐ではない、総督だ!」

 ドラグナーで取り付こうとするが身じろぎして振りほどかれてしまう。

ドルチェノフ「ワシに逆らうとどうなるか思い知らせてくれる!」

 ガカカカカカンッ! 至近距離で銃弾を見舞うが、全てシールドで跳ね返されてしまう。

シノ「信頼性の高いガンダムシールドだ! ビーム兵器にさえ耐えられる!」

 基板に超鋼スチール、緩衝材に高分子素材による特殊樹脂を挟んで
 最表層をルナ・チタニウム合金を用いたシールドである。
 その対弾性と衝撃緩和力はガンダムによって証明され、
 ルナ・チタニウムを使用しないドラグーン、ジムにもこのシールドだけが採用されている。
 更に、常に被弾を避ける月村すずかの戦闘データからオートで防御行動を行う為、
 未熟なパイロットでも致命的なダメージを貰わずに済むようになっていた。

親衛隊「総督閣下!」

 爆発の衝撃から体勢を整えた量産型ギルガザムネがD-1へ両刃の実体剣を持って迫り来る。

アリア「それっ!」

 ドォンッ! D-2からの支援砲撃を受けてシノは後退する。



179 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県):2011/06/16(木) 17:33:23.69 ID:fxGJ799C0



ドルチェノフ「えぇい、逃がすな! 奴らを捕らえたものは将軍にしてやるぞ!」

 どうせ捨てる国だ。
 
親衛隊「「「「おぉっ!」」」」

 色めきたった親衛隊の半数がドルチェノフを抜いてドラグナーへ飛び込んでいく。
 しかし、侵入者は背後にもいたことをドルチェノフは忘れていた。

親衛隊「総督! 後ろから――うわぁぁっ!」

 ゴォォォォォッ! 真っ赤な光線が下方に残ったギルガザムネを飲み込んだ。

ドルチェノフ「今度はなんだぁ!?」

唯「マジーン・ゴーッ!」

夕映「マッハウィィィング!」

 ドゴォォンッ……!
 十機のギルガザムネを瞬殺したマジンガーZとゲッタードラゴンが一挙にドルチェノフに迫る。

ドルチェノフ「役立たずどもが!」

 ギルガザムネが手に手榴弾を持った。

ハルナ「ちゃちな爆弾じゃ傷一つつかないわよ」

 ニヤリと笑うハルナだが、ドルチェノフは手榴弾を真上に投げた。

のどか「えっ!?」

 バシューッ! 手榴弾が爆発すると、強烈な光りがメタルアーマーたちを襲った。

シノ「ぐっ!」

親衛隊「センサーが!? 総統閣下ぁ!」

 ドルチェノフが投げたのは閃光と特殊な粒子で視界と通信領域をゼロにする光熱弾だ。
 自機には及ばぬように計算して投げたギルガザムネが混乱するメタルアーマーの中を突っ切っていく。

ドルチェノフ「わはははは! 見事だ! キサマたちはワシの楯となったのだ。
       戦死しても二階級、いや三階級も四階級も昇進させてやるぞ!」

 親衛隊にその声は届くことはない。
 D兵器も追い越してゲートから宇宙に出ると、ドルチェノフは更に非道の策をとった。

ドルチェノフ「ぐふふふ……憎きD兵器もスーパーロボットどもも、まとめて沈めてくれるわ!」

 シュボォォッ……! 赤い肩当てを開き、100連装デュアルミサイルポッドをゲートに向けて発射する!

 ドドッ……ドドォォォォォッ!! 

 ゲートがミサイルと爆煙に覆われて崩壊していく。
 ギガノスの威信をかけて建造したものを自らが逃げるために
 何のためらいもなく破壊しているドルチェノフはやはり国家の事など考えていないのだろう。

キョン「ドル……チェノォォォォォォフ!!」

ドルチェノフ「!?」

 ドスッ! 突然、横合いからゲルフ・マッフがギルガザムネにレーザーソードを突き刺した!

ドルチェノフ「ぬぅっ!」



180 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県):2011/06/16(木) 17:33:50.93 ID:fxGJ799C0


キョン「覚悟しろ、この豚野郎!」

 しかし、レーザーソードが刺したのは脇の装甲だけで、本体にはさしたるダメージはない。

ドルチェノフ「プラートの金魚のフンが、ワシに盾突こうとは愚か者め!」

 ばきっ! 唸りをあげた拳がゲルフの頬げたを叩き、蹴り飛ばす。

キョン「ぐっ――古泉!」

古泉「わかっています……!」

 ドォン!
 取っ組み合っている隙に背後を取った古泉のヤクト・ゲルフが背中の大砲を撃ち、ギルガザムネに当てた。

ドルチェノフ「ぬぅぅ……木っ端どもが!」

 ぶぉんっ! 両刃の直剣を持ってゲルフに斬りかかるが、ヤクト・ゲルフの射撃に邪魔される。

ドルチェノフ「ぐぬぬ……!」

キョン「ドルチェノフ、ぶっ倒す前に聞かせてもらおうか!」

ドルチェノフ「何をだ!?」

キョン「ギルトール元帥暗殺の真犯人だ!」

ドルチェノフ「な、なんのことだ、ワシは知らんぞ!?」

キョン「とぼけるな! さっさと吐け!
    元帥殺しはハルヒ・スズミヤ・プラート大尉ではなく、ドルチェノフ自らやったと!!」

ドルチェノフ「何の根拠があってそんな戯れ言を! 元帥殺しはプラート大尉だ、ワシではないっ!」

古泉「それがどうも、そうでは無さそうなさそうでしてね」

キョン「お前がやったんだろ、ドルチェノフ!」

ドルチェノフ「ワシではないっ! ワシではないぞ! 貴様は死刑だ、死刑にしてやるっ!!」

 ギルガザムネが激しく掴みかかる。
 ヤクト・ゲルフの援護を受けながらキョンは糾弾を続けた。

キョン「ハルヒは銃を持たずに玉座へ行き、お前は銃を所持していた。
    誰が銃を撃つつもりだったか、子どもでもわかることだ!」

ドルチェノフ「貴様は何者だ、ワシはギガノスの総統だぞ!」

キョン「その総統の名が欲しくて元帥を殺したのか!?」

 この時、この場を早く離れることばかりに意識がいっていなければ、
 周囲にレビ・ゲルフがいないことに気付けていただろう。

「うるさいっ! 貴様には関係ない、貴様は死刑だ、死刑だ死刑だ!」

 子供が駄々をこねるようにギルガザムネはめったやたらに剣を振るう。

ドルチェノフ「ワシは統一帝国ギガノスの総統だぞぉっ!
       元帥殺しはワシではない、プラートがやったんだ!
       断じてワシではない、ワシではないぞぉぉぉ……!」

 カキンッ! 剣がレーザーソードを弾き飛ばした!

キョン「うおぉっっ!」

 ドカッ! さらに蹴りが当たり、ヤクト・ゲルフを巻き込んで基地の壁面にぶつかった。

ドルチェノフ「ぐふ、ぐふふふ……そうだ、ワシが総統なのだ。総統に逆らったキサマは死刑なのだ!」

キョン「ぐっ……ならば、死刑になる前に真実を聞かせてくれ……」

ドルチェノフ「フフフ……いかなる死刑囚であろうとも
       最後の望みは叶えてやらねばならんな、聞かせてやろう。
       ハルヒ・スズミヤ・プラートは現場に居ただけだ、ヤツは犯人ではない。
       ただヤツは、一言も弁明せず国家に対する重罪人に自ら成り下がった……」

キョン「や、やはり貴様が……!」


ドルチェノフ「そうだ、元帥を射殺したのは貴様の言うとおり、ズバリこのワシだ!」



181 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県):2011/06/16(木) 17:34:29.66 ID:fxGJ799C0


 まるで宇宙の権力者になったかのような大仰な所作で
 ギルガザムネの腕を広げ、ドルチェノフは高笑いした。

ドルチェノフ「しかしワシは元帥射殺を後悔しとらんぞ……全ては国家のためにやったことだ。
       ギルトール元帥は間違っておった。ヤツは統一帝国ギガノスの長としてふさわしくない男だった。
       地球を壊してはならん! ヤツは口を開くとそればかりホザいておったわ。
       それが甘いというのだ! 戦に勝つためにはあらゆる手段を講じなければならんのだ……!」

古泉「ふ、ふふふ……」

 演説の後、最初に笑ったのは古泉一樹であった。

キョン「は、ははは……あっはははははは!」

 続いて、キョンが馬鹿笑いする。

ドルチェノフ「な、何だ! 何がおかしい!」

キョン「まだわからないのか、ドルチェノフ?」

 たった今まで死体のようだったゲルフの二機がすらりと立ち上がった。
 直後、回線に割り込んできた声にドルチェノフは目を剥くことになる。

『そうだ、元帥を射殺したのは貴様の言うとおり、ズバリこのワシだ!』

ドルチェノフ「!?」

 声と台詞はまぎれもなくつい今しがたドルチェノフが叫んだものだった。

ドルチェノフ「ど、どういうことだ……」

キョン「お前は俺たちだけに回線を開いているつもりだったようだが、
    ここにいるのは俺たちだけじゃなかったのさ」

 ゲルフがギルガザムネの後ろを指す。
 そちらを向くと、モノアイを光らせるレビ・ゲルフがいた。

ドルチェノフ「な、なな……何じゃ、あいつは!?」

キョン「お前も聞いたことがあるだろ、ハルヒの数少ない部下で、友達の……スーパーハッカーを」

長門「録音したデータを複製、ギガノス、連邦、ジオンを含めて全宇宙に伝播した」

ドルチェノフ「な、なな、なななな……」

 言葉にならない総統は強制的に再生する自らの高笑いを聞かされ続ける。

ドルチェノフ「う、ウソじゃ! ワシが今言ったことは全て嘘じゃ!
       ヤツに冥土の土産話を聞かせてやろうとしたことじゃ!
       お、おいそこのキサマたち! こやつらを召し捕れぃ! 階級も褒美も思いのままじゃぞ!」

 歯を鳴らしながら近くを滞宙していたメタルアーマーに命令するが、
 それらはギルガザムネに背を向けるや、投降のコールサインを出して連邦軍へ向かっていく。

ドルチェノフ「何故じゃ! 何故逃げる! ワシの命令が聞けんのか!
       ワシは総統なるぞ! ワシの命令を聞けぬものは全員死刑じゃ!」

 全ての部屋に通じているドルチェノフの声は、ギガノス兵の戦意を無くさせるのにじゅうぶんだったのだ。
 機動要塞も一切の攻撃行動を停止し、投降の構えを見せている。

ドルチェノフ「こらぁ! 勝手に、連邦に……敵前逃亡は死刑じゃぞ! 全員、この場で処刑してくれるわ!」

 ギルガザムネが腹部に装填していた大型巡航ミサイルを機動要塞に向けて射出した
 ――が、それは要塞に当たる直前にへろへろと酒に酔ったようにふらついて、
 やがて全く無関係のほうへ飛んでいってしまった。

ドルチェノフ「な、何じゃ! き、機械にまでワシをバカにしくさりおって!」


『ハダカの王様気分はたっぷり味わえたかしら、ドルチェノフ〝元〟総統閣下?』



182 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県):2011/06/16(木) 17:35:14.80 ID:fxGJ799C0


 割り込み回線で嘲笑した声のほうを見ると、ドルチェノフは顔一杯に脂汗を浮かべた。

ドルチェノフ「き、キサマ! ハルヒ・スズミヤ・プラート!?」

ハルヒ「ドルチェノフ! アンタの所業もこれまでよ!」

 背負ったレドームの回転を止めたファルゲン・カスタム――〝蒼き鷹〟がレーザーソードを抜く。

ハルヒ「亡き元帥に成り代わり、あたしが貴様を討つ!」

ドルチェノフ「ま、待て……早まるなプラート大尉! 全てはギガノスのため、帝国を勝利に導くためだ!」

ハルヒ「問答無用よっ!」

 ギュオォォォーッ! 〝大義〟という名の疾風に代わったメタルアーマーがドルチェノフに襲い掛かる!

ドルチェノフ「くぉ、小娘がぁ!」

 ガキィッ! 後一歩のところでギルガザムネが素早く動き、直剣でレーザーソードを受け止めた!

ハルヒ「アンタをやらなきゃ、全人類が根こそぎ滅亡するのは必至の理!」

ドルチェノフ「黙れぃっ! かくいうギルトールも、劣性なる地球人類を抹殺しようとしていたではないかぁっ!」

ハルヒ「元帥はただ、宇宙世紀にふさわしい人類を求めていただけよ!
    アンタのような醜悪な奴こそ葬ろうとしていた相手なのよ!」

ドルチェノフ「ほざけっ! この機動要塞を貴様の墓場にしてやる! そして醜い屍を晒すがいいっ……!」
 
 ガンッ! ズシャッ! 鷹と武者が得物を振るい合い、鷹の爪が武者の膝を裂く!

 ガシュッ! 武者も負けじと剣を払い、鷹の翼をもぎる!

ハルヒ「くっ!」

 平衡感覚を一つ失ってファルゲンのバランスが崩れ、ぎらりとギルガザムネの目が光る。

ドルチェノフ「終わりだ、プラート!」

シノ「させるものかっ!」

 ズドドォッ! 下方から飛んできたミサイルに足を掬われてギルガザムネがよろめいた。

ドルチェノフ「ど、ドラグナー!? 何故だぁっ!」

シノ「お前のような者がいるから、私は戦争などという余計なことをしなければならなくなった」

 装甲をくすぶらせながら、白いメタルアーマーは二本のレーザーソードを接続した。

シノ「その上で味方さえ巻き込む非道、私も怒りを禁じえん」

ドルチェノフ「それがどうしたぁ! 戦は非情だ! 総統を守るが兵の務めではないか!」


シノ「知らないだろうから教えてやる……今日のドラグナーは、死ぬほど痛いぞ!」



183 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県):2011/06/16(木) 17:36:36.19 ID:fxGJ799C0


 シュゴォォォッ――! D-1が一気に加速してギルガザムネへ接近する!

ハルヒ「待ちなさい! そいつはあたしのエモノよ!」

 争うようにファルゲンもレーザーソードを構えて飛ぶ!

ドルチェノフ「どいつもこいつも愚か者ばかりめ! まとめて打ち砕いてやるわぁ!」

 追い詰められて、ドルチェノフはあがいた。

 下からのD-1は軌道から避け、ファルゲンのソードを弾いた。
 投げつけられたハンドグレネードを叩き落し、左手の自動砲を返してやる。
 鷹がレールキャノンを撃つが、堅牢な装甲を頼りに防御し、ミサイルを撃つ。
 突っ込んでくるD-1を重量差で押し返し、直剣の柄で殴りつけた。

シノ「くっ……!」

ハルヒ「しぶといわね!」

ドルチェノフ「キサマらの首を刎ね、連邦に突きつけてやるわ!」

朝倉「それであなたは満足なのかしら?」

 いきなり降りてきたのは、金色のギルガザムネだった。

ハルヒ「朝倉!?」

ドルチェノフ「キサマぁ! 今さら現れおって!」

朝倉「やぁね、せっかく助けに来てあげたのに」

ドルチェノフ「うるさい! ならばさっさとこやつらを片付けぬか!」

朝倉「そんな乱暴じゃ、助かる命も助からなくなっちゃうよ」

ドルチェノフ「何だと!?」

朝倉「簡単だよ。もう、助かるには連邦に降伏するしかないんだよ」

ドルチェノフ「な、なんだと……!?」

朝倉「残念だけど、ギガノスはもう負けちゃったんだよ。周りはすっかり包囲されちゃってるし」

 その指摘の通り、四機の周囲は
 まずマジンガー、ゲッターを初めとしたスーパーロボット部隊に囲まれていた。

ドルチェノフ「わ、ワシが……連邦に、降るじゃとぉ……!」

朝倉「気持ちはわかるけど、あなたがここを脱出する方法はないわ」

ドルチェノフ「…………いいや、まだあるぞ」



184 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県):2011/06/16(木) 17:37:24.68 ID:fxGJ799C0


 うなだれて、絶望している風だったドルチェノフが哄笑と同時に歯の間からよだれを垂らし、腕を伸ばした。

朝倉「きゃっ!」

 ガシッ! ドルチェノフのギルガザムネが、朝倉のギルガザムネの首に腕を回して捕まえていた。

ハルヒ「何をする気、ドルチェノフ!?」

ドルチェノフ「ぐふふ……こやつを楯に連邦を脱出するのだ……!」

シノ「なんだと……!」

ドルチェノフ「キサマらとて、無為にパイロットを殺すことはできまい! ぐはははははは!」

ハルヒ「こ、コイツ……」

シノ「本物の……」

ハルヒ・シノ「「卑怯者!!」」

 二人の声は重なるが、ドルチェノフは笑って吹き飛ばす。

ドルチェノフ「さぁ、武器を捨てぃ。ワシの道を空けるのじゃ」

シノ「くっ……」

ハルヒ「…………」

 腹が立つ相手でも、やはり無下にできない二人がレーザーソードの電源を切ろうとしたとき――


朝倉「あーぁ、せっかく死なないで済むところだったのに」


 心の底から呆れ、軽蔑しきった声調で朝倉涼子がため息を吐き出した。

ドルチェノフ「こ、こらぁ、キサマは喋るな!」

 制止しようとするが、彼女はもうドルチェノフに一切の興味を抱かない様子で唇を動かした。

朝倉「涼宮さん、天草さん、いいこと教えてあげる」

ハルヒ「いいこと?」

 訝しげに眉をひそめるハルヒにも朝倉は動じない。

朝倉「そ、いいこと。ギルガザムネはセンサーに欠陥があるの」

ドルチェノフ「な、何じゃと!?」

 一番に驚いていたのはドルチェノフであった。

朝倉「ギルガザムネのセンサーは二機以上の機体が重なると、異常が起きて機能が停止するの」

ハルヒ「本当にいいことを聞いたわ」

シノ「同感だ」

 そう言って二人は同時にギルガザムネから距離を取り、武器を構え直す。

ドルチェノフ「き、キサマら! 本当にいいのか!? こやつの命がどうなっても……!」

 うろたえている間に、センサーがラグを出していた。

ドルチェノフ「な、何故じゃ! まだ奴らは――っ!」

 重なっていない――そう言おうとしたドルチェノフの目が深い衝撃に窪んでいく。

 ギルガザムネとD-1を結ぶ直線上に捕まえられている朝倉涼子の機体が
 識別信号を連邦に――敵側のそれに変えていたのだ。



185 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県):2011/06/16(木) 17:37:59.52 ID:fxGJ799C0


朝倉「じゃあね」

 全力で締め上げていたはずが、あっさりと振り解かれてしまい、金色のギルガザムネが離れていった。

ドルチェノフ「ま、待て、待ってくれ!」

 手を伸ばし懇願する間に、既に白と蒼のメタルアーマーが懐に飛び込んできていた。

シノ「また手を組むことになるとはな」

ハルヒ「前より、腕を上げたようね」

 ザシュッ! 棒立ちになっているギルガザムネに、レーザーソードが前後から袈裟切りにする。

ハルヒ「あたしの動きについてこられるかしら!?」

シノ「やってみるさ!」

 立ち位置を後退した二人は振り向きざまにもう一太刀、さらに返す手を逆袈裟に交錯させた!

ドルチェノフ「ぬぅぅ、おのれ小娘ごもが! 許さん、許さんぞぉぉぉッ!!」

 叫んでも機体は動かなかった。
 何度もぶつかってきた二体のメタルアーマーは
 まるでつがいの鳥のように鎧武者の周囲を飛びまわり、刃を浴びせていく。

ドルチェノフ「ぐぅぅっ! やめろ、やめてくれぇぇ!」

シノ<覚醒>「これが引導だ、受け取れ!」

ハルヒ<夢>「帝国の崩壊と共に滅びなさい、ドルチェノフ!」

 斬り伏せられ、ほとんどの関節が焼け爛れたギルガザムネの左右で、
 二人は腰だめにレーザーソードを構え――


シノ・ハルヒ<魂>「「覚悟ぉーっ!!」」


 ザンッ!! ツイン・レーザーソードが胴体と首を直撃した!

 胸部と腕だけになりながら、まだ醜い声は止まない。

ドルチェノフ「ワシは……ワシはまだ死ねん……死んでなるものかぁぁぁぁっ!!」

 僅かに残ったバーニアとミサイルを撒き散らし、ギルガザムネは連邦の包囲を飛び込んでいく。

 政治的意味の失くした敗戦の将に、もはやその価値がないと悟っているのか、誰も捕まえようとはしない。

ドルチェノフ「ワシはまだ死なんぞぉ……
       ワシが居る限り統一帝国は存続するのだ……! そうとも、帝国は永遠に不滅なのだ!」

 腕の生えた棺桶に抱かれたまま、ドルチェノフは地球に向かっていき、見えなくなった。



186 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県):2011/06/16(木) 17:38:28.26 ID:fxGJ799C0


 宇宙世紀0079 12月16日――

 崩壊してゆく地球環境保全のために起ち上がった統一帝国ギガノスは
 切り札であったマスドライバー・キャノンと機動要塞を失い、全面的敗北を喫した。

 ギガノスは、地球連邦軍が機動要塞へ踏み込む直前に、国家解体を宣言する。

 ハルヒ・スズミヤ・プラートは愛機ファルゲンから自らの口で革命の終結を明白にし、
 帝国民を宇宙難民とすることで、捕虜としての非人道的扱いを回避させた。

 それでも、まともな生活は送れないだろうとは予測するが、
 少なくとも隷従させられる事はないだろうと考えての事である。

 ただし、その宣言の後、ハルヒ・スズミヤ・プラートは
 三人の部下と共に戦域を脱出、連邦の追跡から逃れた。

 連邦で最後に彼女と言葉を交わしたのは、天草シノであった。


ハルヒ「……ふぅ」

 演説を終えた彼女にシノは寄り添っていく。

シノ「見事だったよ。あれなら、連邦も乱暴な扱いは出来ないと思う」

ハルヒ「どうかしらね……結局、政治を牛耳っているのはジャブローのモグラたちよ」

シノ「だが、君がいれば――」

ハルヒ「ダメよ、あたしがいたら、それこそ連中の思う壷だわ」

シノ「どうしてだ、君ほどの力があれば……」

ハルヒ「力があるからいけないのよ、今のギガノスは徹底的に弱者にならなくちゃいけないの。
    なまじ影響力があるあたしを連邦はていのいい人形に仕立て上げるでしょうね」

シノ「そうか……」

ハルヒ「そういう訳だから、あたしたちはしばらく姿を隠すわ」

シノ「止める権利はないさ、本音は違うが」

ハルヒ「わかってるわ。あたしだって、今の地球をほうっておくことはできない」

シノ「そうか、それじゃあ……」

ハルヒ「そうね、また、会いましょう」


 宇宙世紀0079――

 突如として地球に襲い掛かった暗い影から、ようやく一本の爪が落とされた。


 第二十四話 決着! 亡国の凱歌  完



187 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県):2011/06/16(木) 17:39:40.45 ID:fxGJ799C0


 今日はここまでです。

 ドラグナーのシナリオはこれで終了です。
 ここからはまたしばらく調整という名の小さな話を2、3本出して、また地上、宇宙に分岐します。

 だいたいは地上=スーパー、宇宙=リアルですが、例外もいくつかあるので書いておきます。

 地上=ダンバイン組、天使霙、氷柱
 宇宙=コンV、ミルキィ、天使海晴、立夏
 離脱=ブライガー


 訃報が続いています。

 川上とも子さんの冥福をお祈りします。

 若輩の私に一番印象に残っているのは、ARIAのアテナ先輩です。

 この人と遠藤正明さんのおかげでオレンジ色を服装に使うのが好きになりました。

 正確には天野こずえさんのセンスだし、
 オレンジというよりはレモンに近かったりしてますが、アリスとの掛け合いが楽しみでした。

 一度手離したコミックを買い直そうと思います。

 それでは。

 やろうと思っていた補講『桑谷夏子特集』は次回に回します。




188 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/06/16(木) 17:50:49.35 ID:L4VstLZfo


ミルキィに一票で今度は地上がいいな

アテナ先輩可愛かったよね・・・



189 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/06/16(木) 20:09:08.46 ID:nE0raYcDO

乙、唯に一票、宇宙は再度6か…



190 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北):2011/06/17(金) 00:25:01.61 ID:kTPMDPsAO





191 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越):2011/06/19(日) 08:14:46.82 ID:bikOSU0AO

ともちゃんありがとう

宇宙に一票
アテナ先輩繋がりでタマちゃんに一票



192 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/06/19(日) 20:21:43.28 ID:ObQvC4OS0

乙、宇宙とスズカに一票です。





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