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唯「CCA!」#第六話 機械の記憶! 【ガンダム】


ニュー速VIP避難所(クリエイター) より

http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1288440551/

唯「CCA!」#index




166 名前::2010/11/04(木) 20:07:07.27 ID:nQ0C.jMo

第六話 機械の記憶!

憂が死んでから、唯は部屋に閉じこもりがちになった。

憂は予備機のジェガンで無断出撃したのだそうだ。
今になって考えても、聡明な妹が何故そんな軽率なことをしたのか、唯には分からなかった。

分かっていることは、
もう妹に触れることも、その声を聞くことも出来ない、という厳然たる事実だけである。
そしてそれは、現実の、唯にとって最も残酷な一面であった。

唯「…」

和「ねえ唯、酷い事言うようだけど、引き篭っていても状況は変わらないわよ。」

唯「…」

和「あなたがそんなふうで憂が喜ぶと思っているの?」

唯「…」

和「…また来るわね。」

和が何度も様子を見に来ているが、唯は一言も口をきかない。
泣いているか、そうでないかくらいの違いしかないのだ。





167 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/11/04(木) 20:07:41.32 ID:nQ0C.jMo

部屋の外には、MS隊のメンバーが暗い表情で待っている。

律「…唯、どうだった?」

和「まだ一言も喋らないわ…もうダメかも知れない…
  念のため、梓ちゃんは鈴木さんと小隊を組んで訓練しておいて。」

梓「そんな…。」

澪「唯、憂ちゃんのこと、すごく大切にしていたからな…私らにはどうにも出来ない…」

紬「でも元気な唯ちゃんがいないと、私達も辛いわ…」

和「私もいろいろ、試してみるわ。 それじゃ。」

和には、唯を再び戦線に復帰させるための策があった。
しかし、唯が幼馴染の親友であること、道徳的な問題があることなどから、それを躊躇していたのだ。



168 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/11/04(木) 20:08:24.86 ID:nQ0C.jMo

一人で悩んでいるうちに、気がついたら艦長室に来ていた。

艦長「真鍋少尉か、何だ?」

和「平沢少尉のことですが…」

艦長「…ああ、ロンデニオンに戻ったら療養所に入院させるか?」

和「…ロンデニオンに戻るのですか…?」

艦長「昨日ラー・カイラムから連絡があってな、
   後でミーティングをやるから詳細はその時話すが、取りあえず一度戻る事になった。」

和「パイロットの補充も?」

艦長「それはちょっとキツイな。
   ウチは損害が軽微な方だし、クラップ級は本来MS6機を運用する母艦だ。
   今でもかなり整備なんかがいっぱいいっぱいなんだぞ。」

和「やっぱり無理をしていたんですね…
  私が考えたMS運用で随分迷惑を掛けたみたいで申し訳ありません。」

艦長「まあ何とかギリギリだったよ。
   搭載機が整備性に優れたジェガンじゃなければとっくに整備兵が過労でくたばっているだろう。」

艦長「しかしおかげでMS部隊も整備も練度は飛躍的に向上しているから、悪い面ばかりじゃないぞ。」



169 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/11/04(木) 20:09:06.24 ID:nQ0C.jMo

和「分かりました。
  それで平沢少尉のことですが、もう一度パイロットとして使えるように働きかけてみようと思います。」

艦長「強化人間にでもする気か?」

和「…似たような方法ですが…」

和の表情が陰ったのを、艦長は見逃さなかった。

艦長「言ってみたまえ。」

和「回収した予備機の戦闘データからシミュレーターを作って、彼女に訓練をさせようと思います。」

それで、艦長には和が何を言いたいのか、分かった。

和「データを閲覧したところ、予備機を撃墜した敵は
  フィフス・ルナ争奪戦時に田井中小隊が交戦したものと同じ特別機です。
  ファンネルの母機と考えられます…」

和が話を引き延ばしているのを見て、艦長は和の迷いを見抜いた。
話の流れをたち切って、言い放つ。

艦長「君がどうしたいのか大体わかった。 結論だけ言って見給え。」

艦長の言葉に和が動揺する。
つらい決断なのだろう、と艦長は思った。



170 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/11/04(木) 20:09:47.81 ID:nQ0C.jMo

和「…平沢少尉の憎しみを煽ってこの特別機にぶつけます。」

艦長は、深くため息を付いてから、言った。

艦長「君に、それが出来るのか?」

和「やります…」

艦長「目が泳いでいるぞ。」

和「…っ!」

艦長「君には、無理だ。」

優しい響きではあるものの、断定的なその言葉に、和が反発する。

和「私は、出来もしないことを提案したりはしません!!」

艦長「私は、君がそんな事をするのを許可しない。」

和「なら、勝手にやります。」

艦長「そう、勝手にやればよかった。 しかし君は勝手にやらずに私に相談した。 なぜだ?」

和「それは…」

艦長「それは、私の仕事だ、ということだ。」



171 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/11/04(木) 20:10:16.11 ID:nQ0C.jMo

和「違います! 私は艦長に仕事を押し付けるようなマネは…」

艦長「真鍋少尉!!」

和「はい!」

艦長「ミーティング後、平沢を引きずってこい!」

和「…はい…」

艦長「…なあ、真鍋少尉。」

和「…」

艦長「君は、自分だけで背負い込まず、もう少し人に頼ることも覚えたほうがいいぞ。」

和が無言で敬礼し、艦長室を後にした。
艦長は、和に敬礼されたのは随分久しぶりだ、と思った。



172 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/11/04(木) 20:10:56.91 ID:nQ0C.jMo

スウィート・ウォーターに向かっているムサカ3番艦内の特別室で、いちごの定期検査が行われていた。
強化が不完全な彼女は、こうして定期的にサイコミュ適応のテストをしているのである。

脳波を検出し、ファンネルの動きをCGで再現する擬似サイコミュシステムでの適応試験だ。

部屋の外では姫子が心配そうに待っている。

研究者2「擬似サイコミュ、起動。」

研究者「ファンネル放出をイメージし給え。」

擬似的な物とは言え、サイコミュの重圧はまた頭痛を誘発する。
いちごは、姫子を泣かせたくないと思い、イメージを躊躇した。
その意志は、サイコミュを通じて研究者たちに筒抜けである。

研究者2「拒否してます。」

研究者「若王子少尉、貴官が言うことを聞かんと
    外で心配そうに待っているパートナーと二度と逢えなくしてやるぞ。 いいのか?」

いちご「…!!」

研究者2「擬似ファンネル、放出確認。」



173 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/11/04(木) 20:11:37.92 ID:nQ0C.jMo

研究者「ターゲットをイメージして攻撃指令。
    外したらパートナーを転属させるからな。 そうしたら、また独りになるなあ。」

いちご「…当たれ!!」

研究者2「…命中。 ターゲット消失。」

研究者「いい成績だ。 十五分間パートナーとの面会を許可する。  十五分後、テストを再開する。」

擬似サイコミュのシステムを操作していた二人目の研究者が、外に出て姫子に語りかける。

研究者2「いい成績です。 彼女をできるだけ褒めてやってください。 十五分後、テストを再開します。」

姫子「…分かりました!」



174 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/11/04(木) 20:12:06.85 ID:nQ0C.jMo

いちごが、部屋の外に出される。
姫子はすぐさまいちごを自分の隣に座らせて、その肩を抱き、体調を気にかけた。

姫子「大丈夫? 苦しくない?」

いちご「平気。」

姫子「成績良かったって! 頑張ったね!!」

いちご「…ん//////」コクリ

姫子をダシに脅されていることは、伝えない。
余計な心配をかけるからだ。



175 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/11/04(木) 20:12:35.60 ID:nQ0C.jMo

いちごは、何度も時計を見ながら落ち着かない様子だ。

姫子「どうしたの? 時間、気になるの?」

いちご「十五分間は、短い…。」

姫子は、そんないちごを可愛いな、と思って、優しく諭した。

姫子「テストが終わったら、今日はずっと一緒にいられるよ。 だからもう少し頑張ろ。」

いちご「…それなら頑張る//////」

いちごは、それならば時間は早く過ぎたほうがいい、と思い直した。
今度は、時間が過ぎるのが遅いとでも言うように、時計を何度も確認する。

姫子「…テスト、早く終わるといいね。」

いちご「…!/////////」

姫子のその言葉で、ようやくきまり悪そうな顔をして、時計を気にするのをやめたのだった。



176 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/11/04(木) 20:13:14.24 ID:nQ0C.jMo

特別室では、研究者2名がいちごのデータを分析している。

研究者「典型的なパートナー依存型だな。」

研究者2「パートナーをダシに脅しをかけた瞬間、言うことを聞くようになりましたからね。」

研究者「しかし不安定なのは変わらんな…
    このパターンは、パートナーを失うと途端にダメになるからな。」

研究者2「ですが考え方を変えると、パートナーがいる間は、戦力になるということですよ。」

研究者「パートナーの使い方次第か…スウィート・ウォーターに帰ったら
    ヤクト・ドーガのサイコミュとの調整もしなくちゃならんから、
    パートナーにも頑張ってもらわんとな。」

研究者2「とにかく今度はパートナー同伴でテストをやってみましょう。」

研究者「そうだな。」



177 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/11/04(木) 20:14:14.80 ID:nQ0C.jMo

研究者が、いちごだけを部屋に入れる。
それと入れ替わって、二人目の研究者が、外に出て姫子の方に話しかけるのが見えた。

いちご「・・・」

研究者「今度はパートナー同伴でテストをやってもらう。
    外したら、パートナーがどうなるか分かっているな? 独りぼっちは嫌だよな?」

いちご「外さない。」

部屋の外では、人当たりのいい二人目がにこやかに姫子に説明している。

研究者2「今度はあなたもテストに同伴してもらいます。」

姫子「あたしが?」

研究者2「ええ、彼女を励ましてあげて下さい。」

姫子「分かりました!」

研究者2「では、こちらへ。」



178 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/11/04(木) 20:14:49.25 ID:nQ0C.jMo

姫子が特別室に入ると、いちごはすでに擬似サイコミュシステムのシートに座らされていた。

姫子「若王子さん! 無理しないでね!」

いちご「…ん。」

姫子「側にいてあげるから、辛かったらいつでも言ってね!」

いちご「…ん//////」

顔を赤らめて微笑むいちごを見て、研究者達が顔を突き合わせる。
愛らしいいちごの表情の変化も、彼らにとっては、単に実験における一つのファクターに過ぎなかった。

研究者2「擬似サイコミュ、起動。」

このテストで、いちごがターゲットを外すことは、無かった。



179 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/11/04(木) 20:15:43.21 ID:nQ0C.jMo

和が艦長室を出ていって数十分後、艦長はブリーフィングルームに主だった士官を招集した。
和が無理矢理連れてきたのか、部屋の隅では唯が俯き加減で座っている。

艦長「ネオ・ジオンが隕石落としを成功させ、一旦引いたため、
   我々も本拠地であるロンデニオンに帰港して一度態勢を立て直す。」

律「また対応が後手後手になる予感がするぜ。」

和「律!! やめなさい!!」

律「キャハ!」

紬(和ちゃん、まだ艦長をかばっている…おかしいわね…あとで聞いてみなきゃ。)

艦長「それとな、この前の戦闘の時、
   戦闘宙域にいた民間シャトル天鹿に、アデナウアー・パラヤが乗船していた。
   彼も特命でロンデニオンに入るらしい。」

律「アデナウアー・パラヤって誰だよ?」

和「地球連邦宇宙軍の参謀次官よ。
  もともと地球にいる彼が宇宙に上がってきたってことは、
  ネオ・ジオン側と何らかの交渉があると見ていいのでしょうか?」

艦長「ブライト司令はそう読んでいる。」



180 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/11/04(木) 20:16:57.41 ID:nQ0C.jMo

律「なんで民間機に乗ってきたんだ? 軍の専用機で来いよ。」

澪「・・・民間機なら攻撃されないと踏んだんじゃないのか?」

梓「…酷い…なんかシャアが隕石落としたくなった気持ち、分かりますね…。」

和「…だからってシャアに同調しちゃダメよ。」

梓「…分かってるです。」

艦長「取りあえずロンデニオンに着いたら上陸の許可を与えるが、
   何が起こるかわからん。 いつでも招集に応じられるようにしておけ。」

純(難しい話は退屈だなあ…今日の晩ご飯なんだっけ…?)

艦長「あと余計な混乱を避けるため、アデナウアーがロンデニオンに入ることは他言無用だぞ。」

和「了解です。」

艦長「解散だ。 平沢少尉はこの場に残れ。」

唯「…」

律「ちょっと待てよ、唯は…」

艦長「外野は黙ってろ! これは命令だ! お前らは出て行け!!」



181 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/11/04(木) 20:17:36.01 ID:nQ0C.jMo

その気迫に、律達はおとなしくブリーフィングルームを出た。
艦長と、唯のふたりだけが残っている。

艦長「貴様、一日中ヒキコモリやって、給料タダ取りしてるんだってな…」

唯「…」

艦長「妹が勝手に予備機ブッ壊してくたばったからって、仕事もやらないでいい身分だよ。
   こっちはその予備機損失の辻褄合わせでヒイヒイ言ってるのにな。」

唯「…」

艦長「お前に、見せたいものがある。 付いて来い。」

艦長は、そのままぐったりとした唯をMS格納庫まで引っ張っていき、
残骸になった憂のジェガンの前に立たせた。

艦長「貴様に見せつけるために、特別に保存しておいたよ。 これが妹の棺桶だ。」



182 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/11/04(木) 20:18:38.96 ID:nQ0C.jMo

憂が使ったジェガンはちょうどコックピットをサーベルが刳るように袈裟懸けに斬りつけられており、
部品取りにでも使われたのか下半身は残っていなかった。
それを見て、今まで無反応だった唯が、かすかな反応を見せた。

唯「…!」

唯の反応を見逃さずに、艦長が続ける。

艦長「ボイスレコーダーも戦闘記録も生きていたからな。
   遺言を聞かせてやる。 貴様のジェガンに乗り込め。」

唯は、動かなかった。

艦長「乗れって言ってんだよ!!」

艦長は、唯をジェガンのコックピットに押し込むと、自身もその中に入っていった。
無理矢理シートに唯を座らせ、ハッチを閉じる。

艦長「映像と音声付きで妹の最期を体験させてやる。 ありがたく思え!!」



183 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/11/04(木) 20:20:45.55 ID:nQ0C.jMo

憂の、戦闘記録が再生される。

憂『ハッチを閉めて…エレベーターはあそこ…』

憂の声と共に、全天周モニターに映し出されたMSデッキの映像が動き出した。
唯のジェガンにコピーされた、憂の操縦記録が、再生されているのである。
映像中のエレベーターが、上昇する。
まるで、自分が操っているようだ。

艦長『おい! そのジェガン! 誰が乗っているんだ!!』

憂『私、お姉ちゃんのところに行きます!!』

艦長『平沢妹か!! やめろ!!』

艦長『カタパルトを使わせるな!!』

唯が、その映像に見入っている。
映像は、宇宙空間に出て行った。
ジェガンの挙動が、危うい。



184 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/11/04(木) 20:21:57.21 ID:nQ0C.jMo

憂『動きが…軽い。』

そのまま、映像は宇宙空間をさまよっている。

憂『ええっと…敵は…? お姉ちゃんは…?』

唯が、たまりかねて口を開いた。
目には、涙が溢れている。

唯「…違うよ…憂…そっちじゃないよ…」

憂『お姉ちゃん…お姉ちゃん…』

艦長が、唯を追い詰めるように、憎まれ口を叩いた。

艦長「こんなに妹に心配させて、貴様はホントにロクでもない姉だったんだなあ。」

唯が、たまりかねて下を向く。

唯「もう見たくありません…消してください。」

艦長「バカタレ、ここからがイイ所なんだぞ!!」



185 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/11/04(木) 20:22:37.35 ID:nQ0C.jMo

憂『うわっ!!』

モニター上、ビームが機体の左を抜けていく。

艦長「戦闘開始だ! 妹を殺した敵を、その目に焼き付けろ!!」

艦長は、唯の顔を無理矢理正面に向けて固定している。
唯は見たくないと思いながらも目をつぶることは出来なかった。

憂『ライフルを…』

ビームライフルが発射される。
それに答えるように、虚空からビームが戻ってきた。
敵の姿は確認できないが、なぜか映像はそのビームをキレイにかわしている。

憂『シミュレーター通りだ…やれる!!』

映像が、流れるような操作で敵のビームをかわしていく。
唯の操縦より、格段に上手かった。



186 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/11/04(木) 20:23:15.42 ID:nQ0C.jMo

憂『そうだよ、お姉ちゃん、私、出来るよ!』

敵の姿が、はっきりと確認できた。
赤い、特別機だった。

憂『私、お姉ちゃんの、自慢の妹だから!!』

近距離からのビームもかわしている。
唯は、これが妹の操縦だと言うことに、驚きを隠しきれない様子だ。
映像中の装備が、ライフルからサーベルに切り替わった。

唯「憂…もうやめて…!」

憂『お姉ちゃん! こいつを倒して、すぐに行くからね!!』

唯「やめてよぉ…嫌だよぉ…」

サーベルが弾けあって、スパークが眩しい。
一旦離れて、サーベルを構えてお互いが最接近する。

唯「う~い…う~い…」

憂『お姉ちゃん!! 行くよ!!』



187 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/11/04(木) 20:24:05.54 ID:nQ0C.jMo

憂が横一文字になぎ払うサーベルの、軌跡。
それをくぐって接近した敵が、サーベルを下段に構えた。
唯が、ビクッ、と体を震わせる。

唯「…!!」

次の瞬間、逆袈裟に切り上げられた。

憂『おねえ』   『死ね。』

そこで映像は途切れた。
最期に割り込んできた言葉を聞いて、唯の眼の色が変わるのを、艦長は見逃していない。
接触回線が拾った、敵パイロットの声である。



188 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/11/04(木) 20:24:52.30 ID:nQ0C.jMo

艦長「こいつが、憎いだろ。」

唯は、無言で頷いた。

艦長「だったら訓練に参加しろ。
   今のお前じゃ、遭遇したら真っ先に妹のところに連れて行かれるぞ。」

また唯が、無言で頷いた。

艦長「しかしな、こいつは強化人間かニュータイプだ。
   必ず数人で当たらんと勝てんぞ。 チームワークで訓練するんだ。
   それが出来なければ、貴様をジェガンから下ろす。」

唯が、艦長を睨んだ。

艦長「どうなんだ、やるのか?」

唯「…やります。」

それを聞いて、艦長はジェガンのコックピットハッチを開け、外に出た。
唯も出てくると思ったが、そのままハッチが閉まり、シミュレーターが起動された。

艦長「あとは、真鍋少尉の仕事だな・・・」

艦長は、そう言ってフラフラと艦長室へ向かった。



189 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/11/04(木) 20:25:42.52 ID:nQ0C.jMo

和は、艦長室でその主を待っていた。
ドアが開く。

和「艦長!」

艦長は、憔悴しきった様子だった。
無理もない。いくら軍人とは言え、
善良な人間が人の殺されるところをその肉親に見せつけ、復讐を煽ったのだから。

艦長「…君にやらせんで正解だったよ。 全く気分が悪い。」

和「…申し訳ありません…。」

艦長「いや、あれの妹を殺したのは私みたいなものだからな。」

和「え…? どういう事でしょうか?」



190 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/11/04(木) 20:26:16.52 ID:nQ0C.jMo

艦長は、ため息を深く付いてから、話しだした。

艦長「実はな、平沢衛生科看護少尉はMSパイロットへの転向を希望していた。
   姉が配属してきてすぐくらいからかな…」

和「そんな事が…」

艦長「始めは気の迷いかと思っていたが、
   先の戦闘の前に、どうしても姉と一緒に戦いたいと懇願されてな、
   君に相談しようと思ったんだが、君が忙しかったみたいで、つかまらなかっただろ。」

和は、紬と一緒に論文を作成していた時だな、と思った。

艦長「あの時、平沢妹は自分から真鍋少尉のところに相談に行く、と言っていたが、
   私はそれを許可しなかったんだ。 なんでだと思う?」

和「…職域転向は、私の一存では決定できませんから。」

艦長「それもあるけどな、私はその後戦闘が起こって奴が勝手に出ていくなんて想像も出来なかった。」

和「それは当たり前です。」



191 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/11/04(木) 20:26:55.76 ID:nQ0C.jMo

艦長「もう一つ、私は平沢妹の件を相談に行くことにかこつけて、君に会いたかっただけなんだよ。」

和「…それはどういう…」

艦長「私は、一人の女性として、君のことが好きだからな…
   君と話しをしたり…そういう時間が欲しかったんだ。」

和「…!」

艦長「軽蔑してくれていいぞ。 私はそれだけのことをしたんだ。
   今回君の代わりに平沢姉をけしかけたのは、その罪滅ぼしでもある。」

和「…」

艦長「しかしな、私は自分のしたことを棚にあげて、平沢姉の怒りをすべて敵パイロットに向けてしまった。」

艦長「それが一番、辛いんだよ。 自分は、人に恨まれることから逃げたんじゃないかって思えてきてな…。」

艦長「そして、そんな私が、人が人想う気持ちを、戦いに利用しちまった…どうにかなりそうだ…。」

和は、無言で艦長の独白を聞いていた。



192 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/11/04(木) 20:27:52.63 ID:nQ0C.jMo

艦長「…不快な思いをさせてすまなかった。 とにかく平沢姉は戦うことに前向きになった。
   あとは君があのニュータイプに打ち勝てるようにチームワークを叩き込んでくれ。」

和「…了解しました。」

和が出て行ったあと、艦長は天井を見上げながら、独り呟いた。

艦長「あーあ、絶対嫌われたな…私みたいなのが恋をすると、いつもこうなるんだよな…。」

艦長の視界は、徐々に霞んでいった。



193 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/11/04(木) 20:28:49.71 ID:nQ0C.jMo

戦闘シミュレーションが、いきなり中断された。
ハッチが強制開放され、その先には和の姿があった。

和「唯、あなた一人で訓練しろって言われたの!?」

唯「…」

和「降りなさい。」

唯は、無言でMSを降りた。

和「シミュレーターして、何か気づいたことは無い?」

唯「…オートで取る回避機動が、少し変わった。
  それと、噴射剤の消費が最大で2%位抑えられてる…。」

それを聞いて、和は少し安心した。
観察力が残っているということは、兵士としても、人間としても、大丈夫であるという目安になる。

和「なぜだか分かる?」

唯「…コンピューターが更新されているから?」



194 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/11/04(木) 20:30:30.55 ID:nQ0C.jMo

和「そう、憂の戦闘データから、優れていたところを
  この艦のジェガンにすべてにフィードバックしたのよ。
  あの子、相当センスが良かったから。」

唯「…」

和「私たちのジェガンは、少しだけど、憂がサポートしてくれる様になっているの。
  それが、危ない時、きっとあなたやみんなを守ってくれるわ。」

泣きはらした唯の目に、また涙の粒が浮かんできた。

唯「…うーい…」

和「それが分かったら、梓ちゃんを呼んできなさい。
  チームで訓練するのよ。 憂の記憶を持った、そのジェガンで。」

それを聞いて、唯は涙をぬぐいながら、MSデッキを後にした。

和「機械の…記憶…か。」

和は、そう呟きながらジェガンの装甲に触れてみた。

ひやりとしたその感触はどこまでも無機質で、それが和には悲しかった。


第六話 機械の記憶! おわり

次回は、第七話 スウィート・ウォーター!




156 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/11/03(水) 21:25:24.21 ID:rAuPOwDO

ロンドベル側にももう少し面白い機体が欲しいな。





195 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/11/04(木) 20:37:44.24 ID:nQ0C.jMo

>>156

俺もそう思ったんだけど…

よくよく調べれば調べるほど、それがキツイことを思い知らされるんだよね…。

シャアの反乱は小規模だし、なにより期間が短すぎて機体を変える暇が無い。

その上、連邦政府はロンド・ベルを警戒して、

あまり高性能機を回さないようにしていたらしいからなあ。

リゼルなんかも、SFSとして運用出来ますよ、って詭弁で配備されたようなもんらしいし…

作品との整合性を持たせるために、今回はジェガンで行きます。

後は、ネオ・ジオンサイドに機体変更があるみたいなノリで動いていますが…果たして!




196 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/11/04(木) 20:49:25.95 ID:WVHZn2DO

じゃあ、なんか気の利いた現地改修を頼む、最低でもランゲ砲への対抗手段が欲しいな



197 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/11/04(木) 21:39:31.26 ID:5D9tMMDO

ほう、経験が生きたな
スタークジェガンをおごってやろう





198 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/11/04(木) 21:41:09.64 ID:nQ0C.jMo

もう完成したものが我が手中にあるというのになんて事を言うんだ…

うわーん!!




199 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/11/04(木) 21:44:14.48 ID:5NbZKsAO

本当に憂が死んでてナイタ



200 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/11/04(木) 21:48:15.87 ID:JF/D/5Io

平沢姉妹の愛に泣いた
願わくば唯の生きる原動力であり続けてほしい



201 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/11/04(木) 21:52:23.33 ID:WVHZn2DO

気にするな、どうせスタークジェガンとジェガン重装改しか無いんだから。





202 名前::2010/11/05(金) 18:50:17.13 ID:ZHqKOgUo

今日は富野御大の誕生日!

ハッピーバースデー!!

そして勝手にこんな二次創作作ってゴメンなさい。


で、やっぱ機体は変えて欲しい?

今日仕事中上の空で考えてたんだけど、

スタークジェガン運用試験機(対艦戦がメイン)と

重装型(支援機)は格闘戦って言うか、MS戦に向いてなさそうだから、

UCに出てきたD型ベースの武装追加型スタークジェガンくらいしか候補がないよ。


時系列的にありえない事になっちゃうかもしれないけど、

それでもいいってのなら数日休んで加筆する。

このままでいいなら、このまま続けるけど、どうする?




203 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/11/05(金) 20:24:17.68 ID:iMJE7gQo

>>202

このままが良い。





204 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/11/05(金) 20:52:25.82 ID:ZHqKOgUo

とりあえず明日まで様子見て多数決で決めるね。

機体が変わったところで少し加筆して、戦闘描写を全体的に見直すだけに留まると思う。

エンディングは変わらないです。


とにかく、今日はショックなこともあったし、明日も仕事だしで、もう寝ることとします。


おやすみ。




205 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/11/05(金) 23:15:01.48 ID:t4NBsQDO

とりあえず唯が死なないならそれでいい



207 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/11/06(土) 01:06:25.71 ID:X0XhELoo

新作きてた
0079から見てるよ






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