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唯「バタフライ・エフェクト」#後編 【クロス】


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唯「バタフライ・エフェクト」#前編
唯「バタフライ・エフェクト」#後編






120 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/23(日) 22:37:06.04 ID:VEUNcMSn0

夏が終わりを迎えても
律の事が頭から離れることはなかった。

結局唯は警察には連絡しなかった。
酷く罪悪感に悩まされることになったが
友達を警察に突き出すことなど出来ないのだと、
してはいけないのだと
都合のいい理由を取り繕った。

紬はどうしているのだろう
律のことを考えると
紬のことも心配になってくる。

皆変わってしまったのだろうか
急に切ない思いが込み上げてきた。

唯は自室のクローゼットからダンボール箱を引き出し
中にある、卒業アルバムを取り出した。
昔の思い出に浸りたくなったのだ。

唯は一度アルバムをダンボール箱に戻して
それを抱えてリビングへ運んだ。
澪と一緒に思い出を語りたいと考えたからだった。

澪「唯、なにそれ?」

リビングでテレビを見ていた澪が
唯の持つダンボール箱に目を止めて言った。



122 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/23(日) 22:39:23.67 ID:VEUNcMSn0

唯「うん、思い出」

ダンボール箱の中には
卒業アルバムの他
合宿の写真
バンドスコア
歌詞のコピー
デモテープ
学際ライブのDVD
そして、唯が付けていた日記が入っている。

澪「懐かしいなぁ、ちゃんと持ってたんだ」

澪は目を輝かせて言った。

唯「ねぇ見て見て。これ」

唯は合宿の写真の中から
澪の寝ている姿を写した写真を取り出した。

澪「な、何で唯が持ってるんだよ」

唯「え?皆持ってるはずだよ」

澪「ほ、本当かっ!律のやつ、誰にも渡すなって言っておいたのに」

唯「澪ちゃん、これ」

唯はまた別の写真を澪に見せる。



124 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/23(日) 22:43:18.01 ID:VEUNcMSn0

澪「あぁ、梓か・・・」

悲しげな表情ではなかった
懐かしそうな、暖かい表情だった。

唯「かわいいね」

澪「本当だな」

それからは澪と二人で思い出話に花を咲かせた。
ライブ映像も繰り返し見た。
懐かしい、あの頃を思い返しながら。

ずいぶんお喋りに夢中になっていたのか
時刻は夜の11時を過ぎていた。

澪「私、お風呂入ってくるよ」

澪はそう言って立ち上がり
リビングを出て行った。

唯はダンボール箱の中を覗く。
日記が目に留まり、取り出してみた。
日記は全部で4冊あった。
普通の大学ノート、30枚60ページ
そのノートに1ページにつき4,5日分の日記を書いていた。
毎日書いてはいても内容はそれほど多くは無いのだろう
3年弱の記録がたったの4冊に収まってしまうのだ。



126 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/23(日) 22:46:01.48 ID:VEUNcMSn0

唯は一番新しいノートを手にする。
何となく、最後のページを開いた。

──今日は卒業式。

初めにそう書いてあった。
そう言えば、この日記を書き始めた理由。
唯は自分が記憶の途切れる症状を持っていたことを思い出した。
この日記の最後に書かれている、卒業式の日を境に症状は無くなったのだ。

日記にもその日の症状が書かれていた。

<部室を眺めていたら、りっちゃんが声をかけてきた。
みんなで写真を撮ろうと言ってくれて、とてもうれしかった。
私が、「うん」と言って頷くと、またあの症状がでた。>

そう、そこで記憶は一度途切れたのだ。

日記を見つめているとあの時の光景がありありと浮かんでくる。
声が聞こえた。

>>87

──唯、唯っ。どうかしたのか?

目の前に律の顔があった。

>>89



129 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/23(日) 22:49:00.30 ID:VEUNcMSn0

はっとして辺りを見回す。
壁、テーブル、テレビ、さっきと変わらない
アパートの一室、リビングに唯は居る。

では今の光景はなんだったのだろうか。
夢?
夢ならそれでもいい。
昔の律に会いたいと思う気持ちが唯の心の中で膨らむ。
もう一度、さっきの──あの時の律の笑顔を見れるのなら。

唯は日記に視線を落とす。
目を凝らすと文字が蠢いている。
次第に周囲の風景が歪み始め
日記に吸い込まれるような感覚がした。

一瞬、眩い光が唯を包み込んだ。



130 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/23(日) 22:51:06.14 ID:VEUNcMSn0

>>87
唯の目の前に広がる光景は
忘れもしない、あの卒業式の日。
カメラを携えた律が──あの時の律が目の前に居た。

律「唯?どうしたんだ?」

律の笑顔を、律の声を聞いて
唯の心の中には様々な思いが去来した。

──何か言わなきゃ。

──何か伝えたいことがあったはずだ。

──そうだっ!

唯「りっちゃん」

律「ん?なんだよ、唯」

唯「卒業しても、一緒にやろうよっ。バンドっ!」

律は笑って大きく頷く。

律「ああっ。やってやるさっ!」

──ありがとう。

声に出したつもりだったが、届かなかったようだ。
唯は再度光に呑まれた。



132 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/23(日) 22:53:25.74 ID:VEUNcMSn0

唯は日記から顔を上げる。
一時の幸せな夢だったのだろうか。
日記を仕舞い、先ほどの律の笑顔を頭に思い描く。
自然に笑みが零れた。

暫くして玄関の扉が開く音が聞こえた。
唯は不思議に思って玄関へ向かう。
澪は先ほど浴室へ行ったはずだ。
ここへ訪ねてくるのは、あとは憂ぐらいしかいない。

唯が廊下の角から玄関を覗くと
澪が居た。

唯「あれ?澪ちゃんさっきお風呂って・・・」

澪「ん?なんのことだ?私は今帰ってきたところだけど」

澪「それよりさ。ライブのチケット完売したってさ」

突如、唯の頭の中を鈍い痛みが奔った。
それは一瞬の事だったが
次の瞬間には唯の知らない光景が頭を駆け巡る。
──これは・・・記憶?
唯は理解した。
一瞬のうちに頭の中に詰め込まれた記憶。
その記憶は唯があの日律に掛けた言葉によって生まれた記憶だ。
変わったのだ。あの日からの未来が、そして現在が、世界が。



134 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/23(日) 23:00:56.68 ID:VEUNcMSn0

夢ではなかった。
事実、唯は過去に遡っていたのだった。
卒業式の日に律に掛けた言葉。
一緒にバンドをしよう、その言葉が未来への道筋を変えた。

卒業してからは頻繁に律と連絡を取り合った。
澪は音楽スタジオを借りてのバンド練習を提案した。
律は友達の知り合いが経営するライブハウスでバイトをしてスタジオ代を稼ぎ
唯と澪もそれぞれ空いた時間をバイトに費やした。

ある日、律は店長に無理を言って
一度だけ只でライブハウスの舞台を貸してくれるように頼んだ。
しつこく懇願する律に折れた店長は、
特別、定休日に演奏することを許可した。

本来定休日ということもあり人は疎らだったが
3人は最高の演奏を披露した。
これが切っ掛けとなり何人かのファンが付き
その後のライブのチケットの売り上げも好調で
思わぬ収益にも繋がった。

3人はそのお金を貯めて
いつか自作のCDを作ろうなどと夢を抱いていた。

澪「唯、鼻血・・・」

澪は青ざめた表情で唯を見ていた。
唯は自分の鼻の下に手をやり指先で触れる。
触れた指を見ると赤い血が付着していた。



135 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/23(日) 23:03:47.79 ID:VEUNcMSn0

唯「ご、ごめんごめん。大丈夫だから」

唯は急いでリビングへと向かうとティッシュで鼻を拭いた。
洗面所へ行って鏡で顔を確認してリビングへ戻ると
澪は座ってテレビを見ていた。

唯「何とも無いから。安心して」

澪「そうか、なんかあったのかと思ってびっくりしたぞ」

唯「それで、さっきの話」

澪「ああ、ライブのチケットな。
  律が友達やバイト先の客に頼んでさ、完売したってさっき連絡があったんだ」

唯「りっちゃん、やるねぇ」

澪「ホント、律のお陰だよな」

唯は記憶の中にある律の顔を思い浮かべる。
ライブハウスでバイトしていた律。
そこの舞台で勢いよくドラムを叩く律の顔を。

澪「唯は和と憂ちゃんにチケット渡したのか?」

唯「うん。二人とも来れるってさ」

紬は、何をしているのだろうか。
唯は記憶の中を探るが
紬に関する記憶は浮かんでこなかった。



137 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/23(日) 23:08:21.03 ID:VEUNcMSn0

唯「ねぇ澪ちゃん。むぎちゃん、今何してるのかな?」

澪「さあな、連絡も取れないしな」

唯「やっぱり駄目なのかな」

高校の頃の軽音部のメンバーが揃うことはもう叶わないのだろうか
唯はダンボール箱を抱えて自室へ入って行った。

唯は、ベッドの上に腰掛けて日記の項を捲る。
変えられたんだ。
そう、未来を、現在を変えられるんだ。
唯はもう一度あの頃に戻って
今度は紬を今のバンドへ誘おうと考えていた。

──今日はむぎちゃんと一緒に

その文が目に飛び込んできた。
この時ならと、唯は日記を見つめる。

暫く見つめていたが、先ほどのような感覚は得られなかった。
さっきのは夢ではなかったはずだ。
唯はもう一度意識を集中させて文字を見る。
しかし、幾ら見つめていても何も起こらなかった。

唯は諦めた様に日記を閉じると
ダンボール箱の中に仕舞った。



140 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/23(日) 23:12:40.46 ID:VEUNcMSn0

翌週末、律のバイトするライブハウスに3人は集まった。

律「いよっ」

紛れも無い律の顔。
変わらない元気で明るい笑顔。

唯「りっちゃ~ん」

唯は思わず律に抱きついた。

律「おいおい、どうしたんだよ」

記憶の中にはあっても、いざ本人を前にすると
感動は抑え切れなかった。
唯は懐かしさと律の暖かさに触れ今にも泣き出しそうになっていた。

律「なんだよ。澪が相手してくれなくて寂しかったのか?」

澪「ばかっ。私はちゃんと唯の面倒をみてるんだぞ」

律「ほほう、面倒なのか・・・可哀想になぁ唯~」

澪「ち、違うっ。ああもうっ馬鹿律っ!」

澪は怒って外方を向いた。



142 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/23(日) 23:15:03.94 ID:VEUNcMSn0

律「そう言えば、和と憂ちゃんはまだ来てないのか?」

唯「さっき連絡があって、もうすぐ来るって」

律「そうか。二人は私達の演奏聞くの初めてだっけ?」

唯「うん。二人とも楽しみにしてるって」

律「憂ちゃんは唯しか見ないだろうけどな」

唯「そうかな?」

律「そうだよ。見せてやれよ、唯のギターをさ」

唯「うん」

唯は目を輝かせて頷いた。

3人は一通り、リハーサルを終えると
到着した和と憂を出迎えた。

和「お待たせ」

憂「みなさん、こんばんは」

唯「和ちゃん、久しぶりっ」

和「何言ってんのよ。この前あったばかりじゃない」

唯「そうだっけ?」



144 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/23(日) 23:18:12.03 ID:VEUNcMSn0

唯の記憶の中では先週の初めに和と会って
ライブのチケットを手渡したのだった。

和「そうよ。それにしても、随分立派になったものね。
  まさか本格的にバンド活動するなんて思っても見なかったもの」

澪「まあ、それも律のお陰ではあるんだけどな」

澪は照れくさそうに言った。

律「なんか煮え切らない言い方だな。
  ホントのところ私は唯のお陰だと思ってるぞ」

澪「唯が何か言ったのか?」

律「唯、覚えてるだろ?卒業式の日。
  私に言ってくれたよな。一緒にバンドしようって」

唯は頷く。

和「へぇ、唯がねぇ」

律「それでさ、私も決意できたんだよ。やってやろうってさ」

唯「じゃあ夢は武道館っ?」

律「夢は大きく、だな」

澪「それも悪くないな」



145 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/23(日) 23:20:28.07 ID:VEUNcMSn0

澪は時計を見る。

澪「そろそろ本番だな」

律「緊張してんのか?」

澪「もう、慣れた」

律「なんだよ、詰まらないな。
  さっきの唯みたいに私に抱きついてきてもいいんだぞぉ」

憂「お姉ちゃん、そんなことを・・・?」

和「相変わらず甘えてるのね」

唯「だってぇ~」

唯が照れ笑いを浮かべると
皆の表情も和やかになる。

律「いくか」

唯と澪が頷く。

憂「お姉ちゃん、がんばって」

和「みんな、がんばってね」

3人は振り返って和と憂に
力強い眼差しを向けて大きく頷いた。



148 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/23(日) 23:24:38.16 ID:VEUNcMSn0

その日のライブは大いに盛り上がった。
チケットが完売したこともあり客の入りは申し分なく
ライブハウスの店長も満足気な表情だった。

ライブ終了後は5人で祝杯を挙げようと云う事になった。
ライブの成功と、武道館への夢を願って。

唯は居酒屋と云う場所に初めて足を踏み入れて戸惑っていたが
和は慣れた様子で酒と肴を注文していた。
話しによれば大学の付き合いでよく立ち寄るそうなのだ。

唯「女の子同士で?」

和「大学の教授がね、学生達と飲みたがるのよ」

和も大変なのだと唯は思った。

澪はビールを一杯飲んだだけだったが
酔いが回って律に猫なで声で甘えていた。

澪「りぃつぅ~だっこぉ~」

律「誰だよ澪にこんなに酒飲ましたのは」

憂「ビール一杯しか飲んでませんでしたよ」

律「うはぁ。こいつこんなに酒癖悪かったのか?」

唯「澪ちゃん、今までお酒なんて飲まなかったよ」



149 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/23(日) 23:28:10.55 ID:VEUNcMSn0

律「マジかよ。誰かお冷もらってきて」

憂「私がもらってきます」

憂はそう言って立ち上がると座敷を出て行った。

澪「りぃ~つぅ~」

律「ああっもう、気色悪いぞ澪っ」

途端に澪は泣き出してしまった。

律「あぁ悪かった悪かったよ。だっこな」

律は仕方なさそうに澪を抱くと
澪は安心したのかそのまま眠ってしまった。

律「ちょ・・・重い・・・」

和は座布団を二枚重ねると
律から澪を引き離してそこに頭を乗せて寝かした。

律「和、慣れてるんだな」

和「まぁね」

和はそう言って溜息を吐いた。



152 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/23(日) 23:31:21.44 ID:VEUNcMSn0

そこに憂がお冷をもらって帰ってきたが
澪の様子を見て必要ないのだと思ったのだろう、
コップをテーブルの上に置くと
唯の隣に座った。

憂「お姉ちゃんはお酒大丈夫なの?」

唯「私もそんなに飲んだこと無いけど、今日くらいはね」

唯はそう言って日本酒をあおった。

律「唯、お前は酒強いんだな」

唯「りっちゃんも飲みなよぉ」

唯は律のコップに日本酒を注いでいく。

律「まぁ、今日くらいはな」

律も日本酒の注がれたコップを傾ける。

律「和は何飲んでるんだ?」

和は茶色い液体の注がれたグラスを手にして言った。

和「ウィスキー」

律は氷の入ったそのグラスの中身をみて水割りか何かだろうと思っていたが
和は、ロックよ──と言った。



154 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/23(日) 23:34:35.91 ID:VEUNcMSn0

唯「和ちゃん、大人だねっ」

和「唯はまだまだ子供よね」

唯「そんなこと無いよ。私だって」

唯は店員を呼ぶと和と同じものを注文した。

憂「お姉ちゃん、無理しないで」

唯はこの時ばかりは憂の言葉に耳を傾けることはなかった。
憂も口では言っているものの
先ほどの澪の姿を唯に重ねて
もう少し酔って欲しいと密かに願っていた。

唯は運ばれてきたウィスキーをちびちびと飲みながら
昔の思い出話に耳を傾けていた。

和「そう云えば、学祭ライブ。あの時は凄かったわよね」

律「あぁ、みんな大泣きしてたな」

憂「私も感動しました」

和「でも、よく軽音部再開する気になったわよね。
  あの頃はすっかり元通りだと思ってたけど、
  多分、もう演奏は聴けないんじゃないかなって」

律「まぁ、梓のこともあったしな」



155 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/23(日) 23:38:03.70 ID:VEUNcMSn0

思い出すのも辛い過去だったはずだが
今ではすっかり懐かしい思い出となって梓はみんなの心の中に居る。
暗い顔をするどころか、皆笑顔で梓のことを口にしていた。

律「確かあの時──そうだ、唯が私達に何か言ったんじゃなかったか?」

律は唯の顔を見る。
唯は、あの記憶の途切れた日のことを思い出した。
律が軽音部に皆を集めて今後のことを話し合おうと言ったのだ。
そこで──そうだ、私の記憶の無い間に・・・。

唯「私なんて言ったんだっけ?」

律「私に聞くなよ。唯が言ったんだろ?」

律が言うからにはそうなのだろう
しかし、唯には記憶が無い。
そのことをここで口にするのは駄目な気がして適当に誤魔化した。

唯「わすれちゃったなぁ」

律「唯らしいよホント」

和「そうね。そう、あれ以来かしら。みんな吹っ切れたみたいだった」

律「かもな、私もあれから梓の事に正面から向き合えるようになった気がする」

和「いいことね。あの子もきっとそんな貴女達に惹かれたんだと思うわ」



157 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/23(日) 23:41:49.83 ID:VEUNcMSn0

和「今日の演奏も聴いてくれてたわよ」

和「だって・・・天国に届くぐらい・・・いい演奏だったもの・・・」

唯「和ちゃん?」

和はテーブルに顔を伏せて寝息を立てていた。
顔色をまったく変えずにいたためわからなかったが
相当酔っていたらしい。

律「そろそろ帰るか」

最初に酔いつぶれて寝てしまった澪を律が
和を唯と憂で送ることにした。

唯「りっちゃん、これ鍵」

唯は律にアパートの鍵を渡そうとしたが
律は首を振った。

律「私のアパートに連れてくよ、近いしな」

唯は親指を立てて、がんばってねと合図する。

律「ばかっ酔いつぶれてる奴になにもしねぇ・・・って私は別にそんなんじゃ」

どぎまぎする律に唯は、冗談だよ──と笑って言った。



159 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/23(日) 23:46:30.11 ID:VEUNcMSn0

律の住むアパートは歩いても時間は掛からない距離だったが
澪を抱えて行くわけにもいかず、結局タクシーを呼んだ。

律はタクシーの後部座席に澪を押し込むと
またな、と手を振ってドアを閉めた。

律と澪の乗るタクシーを見送ってから
唯達もタクシーを呼んで和を自宅まで送り届けると
憂とはその場で別れ、
唯は同じタクシーで帰路に着いた。



161 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/23(日) 23:50:53.77 ID:VEUNcMSn0

翌朝、唯はベッドから体を起こすと
今日は休日だと云うことを思い出しもう一度眠りに着いた。

夢なのか昨日の記憶を思い返しているだけなのか
律の言葉が唯の頭の中を巡っていた。

──唯が私達に何か言ったんじゃなかったか?

──そうだ、

──確かあの時

あの時?
そう、記憶の途切れたあの時だ。
唯の頭の中で何かが形作ろうとしていた。
──日記。
──記憶の途切れる症状。
そうだ、卒業式の日。
過去に戻れたあの時も記憶が途切れた時だった。



164 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/23(日) 23:53:06.40 ID:VEUNcMSn0

唯は勢いよくベッドから跳ね起きると
ダンボール箱から日記を取り出した。

項を捲って日付を追う。

唯「あった」

──軽音部復活!

大きな文字で書き記してあった。
その題名の下には軽音部復活の喜びと
記憶の途切れた症状が書いてある。

唯は大きく息を吸ってから日記を凝視する。

文字が蠢き風景が歪む
日記に吸い込まれる感覚の後
眩い光に呑み込まれる。



166 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/23(日) 23:55:12.14 ID:VEUNcMSn0

>>69
軽音部の部室、律、澪、紬の3人が唯に注目していた。
唯の言葉を待っているのだろう。

唯は紬に顔を向ける。

唯「むぎちゃん、理由を聞かせて欲しいの」

紬は顔を伏せて言った。

紬「だって・・・辛いの・・・ここに来ると・・・」

紬「さっきね、紅茶を淹れようとして・・・そしたら・・・」

紬「気づいたら、5人分淹れてたの」

梓の分なのだろう。

紬「居ないってわかってる。でも、もし梓ちゃんが居たらとも考えるの」

紬「でも、やっぱり居ないのよっ。居ないの・・・居て欲しいのに・・・居ないの・・・」

唯はこの時初めて紬の苦しみに気がついた。
多分、同年代の中では紬が一番幼いのだ。
お嬢様育ちで、無垢な心のまま生きてきたのだろう。
それは、周りの大人たちが紬に悪い影響を与えるものを
徹底的に排除してきた結果でもあったのだ。
紬の怖がるもの、不安にさせるもの、苦しみを与えるもの
時として人の成長に欠かせないものさえ奪ってきたに違いない。



170 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/24(月) 00:00:08.34 ID:PXHZmhRD0

紬もそれを理解していたのだろう。
高校に入ってからは積極的に新しいことに挑戦していた。
辛いことがあるかも知れないと思いながらも、寧ろそれを望んでいたのだ。
今まで触れる事の無かった、傷つき挫折する経験を心のどこかで欲していた。
アルバイトを始めたのも同じ理由だったのかもしれない。
成長を望んでいてのことだったのだ。

しかし、梓の死は紬の心を抉りとるほどの衝撃だった。
幼い頃に経験する身近な者の死とはまったく異なったものだ。
死とは何かを理解する以前なら、
悲しみよりも何故居なくなったのかと疑問を抱くことだろう。
紬は違った。
死の概念を持ちつつ心が未熟なまま人の死に触れ
凄惨な事故現場を目撃したのだ。

梓の死を理解しながらも心がそれを拒絶する。
唯も、律も、澪も同じ気持ちではあった。
けれど、紬には背負いきれない現実だった。
気を抜けば壊れてしまうほどの脆い心だったのだ。

澪「唯・・・もう、いいだろ・・・」

澪は紬の様子を見て自身も胸を痛めているのだろう
悲しみを湛えた瞳を唯に向ける。
しかし、唯は首を横に振った。

律「唯っ!」

唯「聞いてッ!」



171 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/24(月) 00:02:28.39 ID:PXHZmhRD0

唯「私ね。今まで自分の為にバンド演奏したいと思ってた」

唯「今はその気持ちが無いなんて言わないよ。だから──」

唯「みんな自身の為に演奏して欲しいの」

律「どういうことだよ」

唯「みんなはこのまま軽音部が無くなっていいと思ってるの?」

唯「何か遣り残したことがあると思ってここに集まったんじゃないの?」

唯は涙を浮かべる紬に向けて静かに語った。

唯「むぎちゃん。むぎちゃんはこのままでいいの?」

唯「このまま軽音部が無くなって、それであずにゃんの事忘れちゃっていいの?」

唯「乗り越えなきゃいけないことじゃないのかな。
  受け入れて、大切な思い出としてしまっておくために
  何かしなきゃいけないんじゃないのかな」

紬「梓ちゃんの為に・・・?でも、何をすればいいの?」

唯「あずにゃんが、軽音部に入部を決めた理由覚えてる?
  先輩達の演奏に惹かれて──そう言ったんだよ」

紬「私達の・・・演奏・・・」



173 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/24(月) 00:05:05.80 ID:PXHZmhRD0

唯「そうだよ、聞かせてあげようよ。私達の演奏を」

紬「それで、梓ちゃんのこと・・・忘れるの・・・?」

唯は首を横に振って答えた。

唯「違うよ。思い出にするの。あずにゃんが確かに、ここに──軽音部に居たことを。
  そのために、あずにゃんの為に最後に最高の演奏をするの」

唯「あずにゃんの事を思って。あずにゃんの笑顔を願って」

そう、唯は最後の学祭ライブまで梓の顔を思い浮かべることが出来なかった。
思い浮かべようとすると、あの事故の、血に塗れた梓の顔がちらついた。
唯は梓の笑顔を取り戻すために、梓の為にギターを弾き鳴らしたのだ。

唯「約束するよ。最後の学園祭でのライブが終わったら──」

唯「きっと、私達の中に居るあずにゃんは笑ってくれるから。
  最高の笑顔を見せてくれるよ。絶対!」

紬は涙を浮かべながらも、笑顔で──確かに頷いた。

紬「はい」

律が嬉しそうな表情で机に手を付いて身を乗り出した。
>>71



176 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/24(月) 00:07:35.86 ID:PXHZmhRD0

唯は光に包まれ現在へと引き戻された。

結局、何も変わらなかった。
ただ紬が自分達と連絡を絶った理由がなんとなく判った気がした。
軽音部のことも梓のことも楽しい思い出として仕舞ったのだ。
紬には元よりバンドへの執着はそれほど無かったはずだ。
寧ろ、唯の方が軽音部への執着が強かったため
何時までも紬のことを思っていたのだった。

紬は、最後の学際ライブから新しい大きな一歩を踏み出し
自立と成長を遂げた。
自らが進むべき道を見つけ歩んでいるのだろう
もしかしたら、何時までも過去に固執する唯を思って
連絡を絶ったのかもしれない。
そう思うと納得ができた。

それでも唯には未だに軽音部の皆で演奏したいと願う思いがあった。
こんなわがままは紬も聞いてはくれないだろうと諦めもしていたが
日記を捲りながら、もしかしたらと云う気持ちが膨らんでいった。

──最高の演奏!?

そうだ、あの時も記憶が途切れていた。
記憶の無い間の唯の演奏を、皆は凄いと言っていた。

もう一度だけ、これで最後にしようと
唯は日記を見つめた。



179 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/24(月) 00:10:16.52 ID:PXHZmhRD0

>>48
唯の左手はギターの弦を押さえ
右手にはピックを持ち
今まさに振り下ろさんとしている瞬間だった。

「ふわふわ時間」

忘れもしないあの曲だ。
体に染み付いて一生落ちることはないだろう。

唯の指が、手が、腕が、体が躍る。

自由に──今までより、もっと自由に
唯はギターを弾き鳴らす。

聞こえる。
澪のベースの音
律のドラムの音
紬のキーボードの音

懐かしい、梓のギターの音が。



185 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/24(月) 00:13:11.23 ID:PXHZmhRD0

唯は横目で梓を見る。
梓も唯に視線を送ったような気がした。

楽しそうだった。
嬉しそうにギターを弾く梓の笑顔が眩しかった。

守りたい──取り戻したい。

唯は決意した。
梓の笑顔を守る決意を
梓に、本当に本当の、本物の笑顔を取り戻してあげたいと。

──助けてあげるからね。あずにゃん。

唯は梓を救う決意を胸に最後まで演奏を続けた。
最初で最後、最高の演奏を──。
>>49



186 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/24(月) 00:15:44.59 ID:PXHZmhRD0

現在に引き戻された唯はすぐにその項を開く。

──あずにゃん

そう題した日記の項は涙に濡れて縮れていた。
酷く読みにくい文字で所々擦れている。
梓が事故にあった時の日記だ。

唯はあの時の記憶を思い起こす。
自分はどこに居たのか、梓はどこに居たのか
クラクションが鳴ったとき、視界に車は無かった。
間に合うだろうか──間に合わせてみせる。

唯は全身に力を込めて日記を見つめた。

眩い光に包まれた瞬間、既に唯は足を上げていた。

>>51
鳴り響くクラクションの中
梓は未だに笑みを浮かべて手を振っていた。

唯は走った。
梓に向かって。

唯は視界の隅に迫り来るトラックを捉えた。

──間に合えっ!



189 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/24(月) 00:18:18.57 ID:PXHZmhRD0

梓との間にまだ距離がある。
唯は必死に脚を動かし梓の許へと駆けていく。

梓はきょとんとした表情で唯を見た後
目前に迫るトラックに目を移し恐怖に顔を引き攣らせた。

──今、助けるよっ!

唯は梓に飛び掛る様に跳躍し
手を伸ばして、梓を歩道へと突き飛ばした。

──やった。

次の瞬間に衝撃を感じ、唯の体は宙を舞った。
一瞬の事だったが随分長い時間に思えた。
唯は地面に叩き付けられると
自らの左腕が黒い塊に轢き潰される瞬間を目撃した。

肉が潰れ皮膚が裂ける。
裂け目からは血と赤い小さな肉片が飛び散り
骨の砕ける音が体を伝わって聞こえた。

黒い塊が過ぎ去り束の間、
同じ黒い塊が、
唯の、潰され轢き千切られた左腕を巻き込んで行った。

甲高いブレーキ音と
ガラスの割れる音、
鉄板が叩き付けられた様な鈍い音を聞いた。



191 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/24(月) 00:20:13.27 ID:PXHZmhRD0

唯は眼球だけを動かして音の聞こえた方向へ視線を移す。
アスファルトには黒いブレーキ痕と赤い血の跡
それを辿ると黒い大きなタイヤが
そのタイヤとトラックと思しき車体の隙間に
赤く染まった細い人間の腕がぶら下がっていた。

唯は光に包まれた。

柔らかな感触を背中に感じる。
唯はベッドの上で寝ているらしいことが判った。

鈍い頭痛が唯を襲う。
一瞬にして新しい記憶が唯の脳に詰め込まれて行く。

変わったのだ。あの時からの未来が、現在が。
いや、捻じ曲げてしまったのかもしれない
より残酷な未来へと。

和「唯、起きたの?って鼻血っ・・・」

和はティッシュを手に取り唯の鼻から滴る血を拭った。

唯「ここは・・・」

唯は記憶を探る。
唯は事故により左腕切断、下半身不随の重症を負った。
唯の左腕は二の腕の辺りから下が無かった。



193 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/24(月) 00:22:30.27 ID:PXHZmhRD0

事故後、長い間入院生活を送っていたが、
期末試験などは病室で受けることができ
進級には問題が無かった。
大学への進学も多少の不安はあったものの
和の助けを借りて、和と同じ大学に入学、
同じアパートの一室で共同生活を送っていた。

唯は残された右腕を見つめる。
自分の体重を支えるために
トレーニングに励んだ結果の隆起した筋肉。
視線を足先に向ける。
薄い掛け布団に浮かぶ細い脚
何ともアンバランスな体だ。

唯は梓の記憶を探った。
記憶の中の梓は生きている。
昨年卒業した梓は唯や和と同じ大学に進学して
同じアパートの隣へと越してきたのだった。

理由は判っていた。
唯の介助をするためだ。
毎日隣からこの部屋へ通って
唯の為に色々と世話をしてくれていた。
唯は一人でも起き上がることが出来るし
トイレも、シャワーを浴びることも出来る。
電動車椅子を使って大学へ行き、買い物だって出来るのだ。
唯は梓に心配は要らないと言っていたが
梓は事故の原因が自分にあるのだと思い込み、
唯の体が不自由になってしまったことに
罪悪感を覚え自責の念を感じていた。



197 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/24(月) 00:24:43.43 ID:PXHZmhRD0

唯「そっか・・・」

和「唯、どうかしたの?」

唯「なんでもない、なんでも」

和「そう?ならいいけど。
  実は今日、憂ちゃんが来てくれてるのよ」

唯「本当?今何してるの?」

和「唯の為に夕食作ってくれてる」

唯「あずにゃんも?」

和「ええ、梓ちゃんも一緒よ」

唯は上体を起こすと掛け布団を取り払い
右手を使って右脚と左脚をそれぞれベッドから下ろすと
ベッドの脇に置いてある車椅子に手を掛け体を持ち上げる。
右腕で体を支えると、器用に車椅子に腰を移した。

唯「いこっか」

和は頷くと唯の乗った車椅子を押して部屋を出た。



201 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/24(月) 00:26:15.56 ID:PXHZmhRD0

リビングの扉を開けると、丁度夕食の支度が調ったところだった
テーブルの上には白い蒸気を漂わせた料理が並んでいる。
憂と梓は椅子に腰掛け、唯が来るのを待っていたらしかった。

二人は唯の顔を見ると笑顔を向けてきた。

憂「お姉ちゃん、見て。梓ちゃんと一緒に作ったんだよ」

梓「唯先輩の為にがんばっちゃいました」

唯も笑顔で返す。

唯「おいしそう。ありがとう憂、あずにゃん」

唯は梓の隣に車椅子のままテーブルに着くと
和も唯の向かい側の椅子に腰を下ろした。

いただきます──揃って言うと
食卓の料理に箸を運んだ。

梓は唯の為に小皿に料理を盛り付け
スプーンで掬うと、それを唯へ向けた。

梓「唯先輩、あ~んしてください」

唯「自分で食べれるってばぁ」

梓「わがまま言わないで下さい。はい、あ~ん」

唯「わがままって・・・」



204 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/24(月) 00:28:03.35 ID:PXHZmhRD0

唯は渋々、あ~んと言って口を開けて
梓に食べさせてもらった。

梓「美味しいですか?唯先輩」

唯「うん、凄く美味しいよ」

梓は嬉しそうな笑顔を浮かべた。

憂「それ、梓ちゃんが一人で作ったんだよ」

唯「ホント?凄いねあずにゃん」

梓「私だってやれば出来るんですよ」

和「どれ?私も頂こうかしら」

その日の食卓は何時にも益して賑やかだった。

唯は食後の紅茶をすすりながら梓に聞いた。

唯「あずにゃん、今でもギター弾いてるの?」

梓は少し間を置いてから答えた。

梓「いえ、もうやってませんけど」

唯「え?どうしてやめちゃったの?」

梓「それは、その・・・元から親の影響で始めただけですし・・・」



207 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/24(月) 00:30:24.79 ID:PXHZmhRD0

梓「それに、私には才能ないかなって思って」

唯「そんなこと無いよ。あずにゃんのギター、私好きだよ」

梓「でも良いんです。特に思い入れがあるわけでも無いですから」

唯にはそうは見えなかった。
──もしかして、私の所為?
口を吐いて出そうになった言葉を飲み込んだ。

唯「私に、聞かせて欲しいな」

そう言って梓の目を見つめると
梓は視線を逸らした。

梓「その内、機会があれば・・・ね」

多分、もう二度と梓はギターを弾くことは無いのだろうと唯は確信した
──私がいる限り。
ならばと、唯はもう一度やり直そうと考えた。
あの事故の日に戻って、今度は梓と自分自身を助けようと──。

唯「和ちゃん、私の日記どこに仕舞ったっけ?」

和「あんた、日記なんて付けてたの?」

憂「多分、お姉ちゃんが引越しするときにダンボール箱に入れて持って行った気もするけど」

唯「憂、悪いけど探してきてくれないかな?」



209 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/24(月) 00:32:11.02 ID:PXHZmhRD0

和「私が探してくるわ。確か開けてないダンボール箱が一つあったの見たと思う」

唯「ごめんね、和ちゃん」

和「いいわよ、唯はゆっくりしてて」

数分後、和が一冊のノートを手にして戻ってきた。

唯「和ちゃん、それだけ・・・?」

和「うん、日記らしいのはこれ一冊しか無かったわ。もちろん、中は見てないから安心して」

唯は愕然とした。
そうだった、事故の後から一度も日記を付けた記憶が無い。
あの事故の記憶を記したものが無ければ過去に戻ることが出来ない。
唯は和に手渡されたノートを捲る。
日記は事故の当日に軽音部の部室で書いた記述を最後に
それ以降は白紙だった。

唯は自分の頭の中にある記憶を必死で探った。
記憶が途切れた時の事を
その状況で事故を回避できるか否かを
日記に記された状況を頼りにして。

──無かった。あの事故を回避できる状況はこの日記には記されていない。

唯は絶望に胸を穿たれた。

──もう、・・・しか無いじゃない。



211 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/24(月) 00:34:37.90 ID:PXHZmhRD0

唯はお風呂に入ってくると言って浴室へ向かう。
梓は手伝いますと言って付いて来ようとしたが
あずにゃんのエッチ──などと言うと
顔を赤らめて、勝手にしてください──と怒ったように言い
リビングへ引き返して行った。

──これでいい。

唯は浴室まで車椅子で入り浴槽に溜まったお湯を見つめる。
車椅子から浴槽の淵に体を移すと
右手で右足を持ち上げ湯船に浸け
次に左足を浸すと
手摺りに掴まって体をゆっくりと沈めていく。
水面から顔だけを出して暫く思いを巡らせた。

──きっとこの方が良いに決まっている。

唯は自身の体を醜いと感じることは無かったが
梓がギターを弾かなくなった原因が自分にあることを酷く悔やんだ。
梓はきっと、ギターを弾けなくなった体の唯を傷つけまいと
自身もギターを辞めたのだろう。

──私の所為で

憂も和も唯の助けとなってくれてはいたが
負担になっているのではないかと唯は思っていた。

──みんなに迷惑を・・・。



212 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/24(月) 00:36:13.40 ID:PXHZmhRD0

最後の希望も絶たれた。
もう、変える事は出来ない。
自分の我侭が、あるべき未来を捻じ曲げ
行き着いた先には不幸が待ち受けていた。

──ごめんね。みんな・・・。

唯は体を支えていた右手を手摺りから離した。

──さようなら。

顔が湯船に沈み頭が浴槽の底に付いた。
水面を見つめる。
浴室の照明が水面の波に反射してきらきらと輝いていた。

何か黒い影が光を遮った。

水面から腕が差し込まれ唯の方へ伸びてくる。
小さな手が唯の体を確りと掴み
細い腕で唯を湯船から引き上げた。

梓「唯先輩っ!大丈夫ですかっ!?」

梓は涙を流して叫んでいた。
多分、唯が何をしようとしていたのか判ったのだろう。

梓の声を聞きつけて憂と和も浴室へと駆けつけた。
二人とも一目見て状況を飲み込んだ。



215 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/24(月) 00:38:15.77 ID:PXHZmhRD0

3人は唯を抱きしめ声を上げて泣いた。

ごめんなさい──と誰かが言う。
馬鹿ね──と誰かが呟く。
死んじゃだめ──と誰かが叱ってくれた。

唯は3人に抱きしめられて漸く理解した。
唯のしようとしていた行為が何を齎すのか。
誰も喜ばない
誰も救えない、救わない、救われない
誰かを、みんなを傷つけるだけなのだと。

唯は大粒の涙を流し
ごめんね、ごめんね、と泣きながら謝った。


唯は自室に戻ると暫く一人で考えていた。
死ぬことではなく、元に戻すことを
今の状況から皆を救い出す方法を

ふと唯の中にある考えが浮かんだ。

──もし、私が軽音部に居なかったら

──もし、軽音部そのものが無かったとしたら

梓は入部せずに事故に遭う事も無いだろう。
では、他の皆はどうなるのだろうか?



218 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/24(月) 00:40:09.46 ID:PXHZmhRD0

澪は音楽への道を諦め切れないと思う。
軽音部のバンド活動が与えた影響は大きい
それは、律にも紬にも言えることだった。
しかし、長い時間を掛ければ決して取り戻せないものではない。

律は、どんな状況でも上手く立ち回る事ができるだろう。
別の世界でクスリに手を出したのも
もとより、唯が澪との時間を奪ったのが要因だった。

紬は、高校入学時から本人に自立と成長を望む意思があった。
軽音部とは別の環境でも一歩ずつ前進していくはずだ。
平凡な、詰まらない毎日からでも紬にとっては新しい発見があるだろう。

唯は自分自身に目を向ける。
軽音部が無かったら、自分はどうなってしまうのだろうか
ただ流されるような毎日を送るのだろうか
別のことに心を惹かれてそれに打ち込む日々を送るのだろうか

唯は、自分を信じることしかできなかった。
──どんな結果になろうとも私は、私だ。
それを恥じたり悔やむことはしないと心に誓った。

唯は日記を開いた。



220 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/24(月) 00:41:44.56 ID:PXHZmhRD0

あれは、唯が高校一年の冬

見慣れた、懐かしい場所だった。
唯は炬燵に当っている。
咄嗟に立ち上がるとキッチンへと足を向けた。
──何をすればいいのだろうか?
──そうだ、軽音部を辞めるんだ。
──でも、どうやって?
唯の手はシンクに置かれた包丁を掴んでいた。
──壊すんだ──何を?
──ギターだ。

──ギー太を・・・壊すんだ。

>>13



222 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/24(月) 00:44:00.46 ID:PXHZmhRD0

決意は固まった。
唯は扉の向こう側にいるであろう和に声を掛けた。

唯「和ちゃん、いるんでしょ?」

唯のことが心配だったのだろう
和は扉のすぐ前で聞き耳を立てていた。

和「ばれてた?」

唯「和ちゃんは優しいから」

和「ありがとう。それで、私に何か頼みごと?」

唯「うん。1年の時の学園祭ライブの映像を見せて欲しいの」

和「ごめん、唯。唯が辛い思いをするだけだからって、
  憂ちゃんと梓ちゃんに止められてるの」

唯「どうしても?」

和「二人との約束よ。そう簡単に破るわけにはいかないわ」

和「ただ、何で急にそんなこと言い出すのか
  納得できる理由を聞かせてくれたら見せてあげてもいいわよ」

唯「わかった。全部話すよ」



224 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/24(月) 00:46:21.77 ID:PXHZmhRD0

唯は語った。
高校の時から表れだした記憶の途切れる症状を
その時から付け始めた日記のことを
その日記の記述を見ると記憶の途切れていた間の過去へ戻れることを
その過去から未来を変えられることを

事故で死ぬはずだった梓を救うために自分が犠牲になったことも話した。

和は信じられないと云った表情をしていた。
当たり前だろうと唯も思う。

唯は日記の一番最初のページを捲ると和に言った。

唯「和ちゃん、私の掌見てて」

唯はそう言って和に掌を向ける。
和が頷いたのを確認すると
唯は日記の記述を見つめる。

一番最初、日記に書いた美術の授業での出来事。

唯がきょろきょろと周りを見回していると
教師が絵を描くようにと唯を注意した。
唯は、素早く適当に絵を描き上げて
それを提出するために立ち上がる。
唯は教卓に置いてある彫刻刀に目を留めた。



225 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/24(月) 00:48:05.29 ID:PXHZmhRD0

唯は教卓の上に絵を伏せて置くと
教師の目を盗んで彫刻刀を掴み上げ
右手の掌に深く突き刺した。

光に包まれると和の声が聞こえた。

和「唯・・・手・・・」

驚いた表情で唯の手を見つめていた。
唯の手にはくっきりと彫刻刀で刺した傷跡が残っていた。
和にとっては突然傷跡が浮かび上がったようにしか見えなかっただろう。
それを見て唯の言葉を信じたのか
学園祭ライブのDVDを持ってくると言って部屋を出て行った。

一人静かな部屋。
唯は遣り残したことは全て済ませようと思い
日記の項を捲る。

──あずにゃんとデート



228 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/24(月) 00:49:12.18 ID:PXHZmhRD0

>>39
唯は梓と手を繋ぎ静かな通りを歩いていた。
唯が足を止めると梓も立ち止まって唯に顔を向けてきた。

唯「あずにゃん、今までありがとう」

梓「なんですか?お別れみたいなこと言って」

唯「うん。お別れを言いに来たの」

梓は冗談だとでも思ったのだろう
驚きと困惑の表情を浮かべた。

梓「なに、言ってるんですか?」

唯「あずにゃんは、憂から私の病気の事聞いてる?」

梓「少しですけど。憂は唯先輩の記憶が時々無くなるって・・・」

唯「そう、その間はね未来から来た私が体を乗っ取るの」

唯はわざと冗談めかせて言った。
梓も信じる事は無く笑いながら言った。

梓「そんな話信じませんよ」

唯「うん、信じてくれなくていいの」

唯「今日は、今のあずにゃんにお別れを言いに来ただけだから」



231 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/24(月) 00:53:33.64 ID:PXHZmhRD0

唯「多分、もう少ししたら今の私の記憶は無くなって
  あずにゃんに不思議そうな顔を向けると思うけど
  心配しないで良いよって言ってあげて」

梓が唯の言葉を信じたかどうかは判らなかった。
ただ、唯を真剣な顔で見つめて唯の言葉に耳を傾けていた。

唯「それでね、あずにゃん。
  どうしても今のあずにゃんに伝えたいことがあるの」

唯「私の時代──未来のあずにゃんにこんなこと言うと悲しむと思うから
  今のあずにゃんに言うんだけど」

唯「私ね、あずにゃんの弾くギターが大好きだよ。
  だから、ギター弾き続けてね」

唯「あずにゃんは可愛くて、優しくて、偶に厳しいけど
  何時も私を助けてくれた」

唯「すっごく感謝してる。ありがとう。ごめんね。それから──」

唯「あずにゃんのこと大好きだよっ」



233 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/24(月) 00:55:14.95 ID:PXHZmhRD0

梓の瞳には涙が溜まっていた。

梓「嘘・・・ですよね。そんなこと言ってお別れだなんて・・・卑怯ですよ・・・」

唯「あずにゃん。さようなら──」

梓「嫌ですっ!嫌ですよ。私はまだ何も言ってませんっ!」

梓「唯先輩ばっかりずるいですっ。自分の思いだけ伝えて・・・。私も、私だって──」

梓の頬に一筋の涙が伝う。
梓は唯の肩に腕を回すと背伸びをして
唯の唇にキスをした。

──唯先輩が大好きです

梓の思いは確かに唯へと伝わった。
>>40



235 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/24(月) 00:57:17.07 ID:PXHZmhRD0

唯は右手でそっと唇に触れた。
梓の柔らかな唇の感触が残っている。

──初めてのキスは涙の味がした

唯は自分が涙を流していることに気づいた。
幸せな感情が液体となって頬を濡らす。

最後にみんなの顔を見よう。
唯は日記の最後の項を開いた。



237 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/24(月) 00:59:03.47 ID:PXHZmhRD0

>>41
軽音部の部室にはみんなが居た。
今まで取り戻したいと願っていた、あの頃のみんなが

──でも、ごめんね。私は戻れない。

唯はこれから壊そうとしているのだ。
今ここにある風景を
今まで築き上げた関係を
唯の愛した軽音部を
好きで仕方ないものを、ずっと好きで居たいから
一番守りたいものを、守るために、壊すのだ。

──澪ちゃん、覚えてる?二人での路上演奏、楽しかったよ。

──りっちゃん、澪ちゃんを支えてあげてね。澪ちゃん寂しがり屋さんだからね。

──むぎちゃん、私がどんな道を選んでも生き方を変えなかったね。一番真っ直ぐに生きてたよ。

──あずにゃん、大好きだよ。

──みんな、本当にありがとう。
>>43



238 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/24(月) 01:00:13.13 ID:PXHZmhRD0

目の前に和が居た。

和「唯、泣いてるの?」

唯「うん」

和「私に出来ることある?」

唯「だっこ。して欲しいな」

和「ホント甘えん坊さんなんだから」

和は唯をそっと抱きしめた。

唯「和ちゃん」

和「なに?」

唯「私達、ずっと友達だよね」

和「当たり前でしょ。死ぬまでずっと友達よ」

もう、何も怖くなかった。



241 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/24(月) 01:03:18.96 ID:PXHZmhRD0

和は持ってきたDVDをプレイヤーにセットしてリモコンを唯に渡した。
唯は暫く一人にして欲しいといって和には部屋から出て行ってもらった。

唯は再生ボタンを押す。

初めての学園祭ライブ。
そして、初めてあの症状が表れた時でもあった。
確信はあった。
記憶の無くなった記憶と、記録さえあれば過去へと遡ることが出来るのだと。

演奏が終盤に差し掛かるとテレビの画面が歪み始めた。
映像は演奏の終了と同時に止まり、唯は画面へと吸い込まれる。

歓声が唯の鼓膜を震わせた。
講堂の舞台の上、あの懐かしく、達成感を伴った感情が唯の胸の裡を揺さぶった。
この清々しい気分を何時までも味わって居たくなる。

──今しかないんだ。これが最後のチャンスなんだ。

とっくに決意は固まっていた。
躊躇う必要は無い。
不安も恐怖も今は感じない。

唯はストラップを肩から外すと
ネックを両手で握り締め
ギターを大きく振り上げる。

──ごめんね、ギー太。ありがとう、そして──さようなら。

勢い良く壇上に叩き付けた。



243 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/24(月) 01:05:59.82 ID:PXHZmhRD0

エピローグ

澪は、矢張り音楽への道を選んだ。
音大へ進学し律と共に、新しいメンバーを加えバンド活動をしているらしい。

律は、以外にも澪と同じ大学へ進学して
一緒にアパートを借りて共同生活、いや同棲しているのだった。

紬は、生き方を変えなかった。
本当に芯の強い女の子なのだと唯は改めて感心した。

唯は──唯は和と同じ大学へ進学した。
あれ以来、ギターには触れていない。
にもかかわらず、「ふわふわ時間」だけは体に染み付いたままで
きっと、今ギターを渡されても完璧に弾きこなせるだろう。

和「唯、本当にこれも燃やしちゃっていいの?」

和はギターケースの中、襤褸襤褸になったギターを見ながら言った。

唯「うん、アルバムも全部」

和「そう。唯、なんか吹っ切れたみたいな顔してるわね」

和は優しく暖かな眼差しを向けてきた。

唯「和ちゃん、前にも同じようなこと言ってなかった?」



245 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/24(月) 01:08:22.66 ID:PXHZmhRD0

和「そう?気のせいじゃないかしら」

梓の近況は憂から伝え聞いた。
梓は卒業後、大学へ進学した。
毎週末には一人、路上で弾き語りをしているらしい。
その演奏は路行く人々の心を打ちTV等でも紹介されたと聞く。
梓は精力的に路上ライブを続け自作のCDを手売りして
自らの思いを込めた音楽を大勢の人に届けていた。

唯「ねぇ、思うんだけどさ」

和「なによ?」

唯「空き地でこんなもの燃やしちゃっていいのかな?」

和「細かいことは・・・って私の台詞じゃないわね」

和「兎に角さ、唯が元気になるなら私は地球が壊れたって気にしないのよ」

唯「和ちゃん、それはちょっと言い過ぎだよ」

唯が笑うと、和も唯の笑顔に釣られて笑う。
二人は声を上げて笑いあった。



246 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/24(月) 01:09:47.95 ID:PXHZmhRD0

灰色の煙が緩やかに空に向かって立ち昇る。
小さな空気の流れが、煙の形を大きく変える。

人もまた小さな要因で大きく人生を変えてしまう。
律のように、唯のたった一言でまったく違う人生を歩む運命もある。
紬のように、確固たる意思を持って自らの道を歩み続ける人間もいる。

唯は、様々な人生に──運命に翻弄されていただけなのかもしれない。

唯はその夜夢を見た。
行った事の無い異国の地
巨大観覧車の大きなゴンドラの中で
律と、澪と、紬と、梓と一緒にバンド演奏をしている。

観客は憂と和の二人だけ。

そんなささやかな、あの日、あの時、あの場所で、梓と語った夢を見た。
──幸せな夢を。

おしまい。



260 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/24(月) 01:18:07.59 ID:PXHZmhRD0

あとがき

思っていたよりも早めに終わりました。
支援してくださった方、読んでくださった方、叱ってくださった方、不快に思われた方
ありがとうございます。そして、ごめんなさい。

思えば、ただけいおんキャラにお酒を飲ませたかっただけだったのかもしれません。

映画をもう一度見ようかなと書きながら思いました。
映画を貶してしまったようでしたら、改めて謝罪いたします。申し訳ありませんでした。
ただ、昔観た「バタフライ・エフェクト」が今でも鮮明に心に留まっていること
好きで仕方ないということをご理解いただければと思います。

こんな文章で、お暇を潰すことが出来たでしょうか。
改めて、感謝の言葉を捧げたいと思います。
ありがとうございました。




249 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/24(月) 01:10:28.80 ID:NI2/T31E0

うあああああぁぁぁ……乙



251 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/24(月) 01:12:37.84 ID:3nwzaq7gO

>>246
乙!
なんでそんなに上手いの?

元ネタあるとかそういうのじゃなくて、上手く説明出来ないけと何が違うっていうか……

とにかくすげぇよ!!アンタすげぇよ!!



253 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/24(月) 01:12:45.21 ID:mIgXCW54O

乙!!



254 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/24(月) 01:13:01.84 ID:Z8OTeZAiO

お疲れさまでした
素晴らしい読み物をありがとうございました



256 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/24(月) 01:15:44.03 ID:diEKihWNO

>>1乙!

思ってたより欝じゃなかったけど……この切なさは何だろう……



257 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/24(月) 01:15:49.44 ID:Mo78GYs2O

お疲れ様
面白かったよ



259 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/24(月) 01:17:56.15 ID:mdkiv5FZO

アイス屋にいくのやめるじゃいけなかったのか…?
元ネタわかんないけど面白かった。乙



261 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/24(月) 01:19:52.74 ID:H5Z7GD8gO


やっと寝れる



262 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/24(月) 01:20:01.22 ID:/4rc5ZijO





263 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/24(月) 01:22:32.62 ID:K9nb9bgt0

乙でした



264 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/24(月) 01:25:10.54 ID:jxMz3Op90

乙!!



268 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/24(月) 01:29:16.64 ID:OsjBVVMZ0





270 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/24(月) 01:33:33.82 ID:Cr2DypG8O

>>1
最近途中で投げ出すヘタレのSSに失望しっぱなしだったから、これは嬉しかった
読者に親切な仕掛けが用意されてるのも素晴らしい

元ネタの映画見たいなぁ…



279 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/24(月) 02:05:55.35 ID:AYQ3RHm1O

バカな俺にはよくわからない。
結局唯の腕はないまま?



280 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/24(月) 02:12:00.60 ID:ybd3FnrD0

唯がギター壊したのは事故よりも前だよ



281 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/24(月) 02:26:27.67 ID:4Mw1ECd/0

>>279
事故より更に前の時系列で、ギター壊す行動を取る事で根本的に事故に合う事自体を防いだってこと。

日記を読むことで、数分間記憶が飛んだ瞬間に意識だけタイムスリップ出来るって能力だから
そもそも帰りに寄るのを止めるみたいな事は無理って説明で解るだろうか



284 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/24(月) 02:44:45.53 ID:FGkqR0Ec0

元ネタの映画知らないけど面白かったよかった
文章も読みやすかったしまたそのうち何か書いてくれー



286 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/24(月) 02:50:54.09 ID:+HMnBVlcO

これは凄いわ…



287 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/24(月) 03:20:00.17 ID:lOMHhC5x0

乙 面白かった。



289 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/24(月) 03:24:51.05 ID:B/ujaa/9O

けいおんSSのおかげで映画嫌いの俺がSAW見たり、アイアムレジェンド見たりで忙しいんだぜ
バタフライエフェクトも見なきゃいけないな…





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