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唯「合宿!」 【非日常系】


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1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/02(水) 19:32:56.74 ID:RNhrZgpa0

誰かが、私のお腹を切り裂いていた。

誰かが、私の血と肉をすすっていた。

誰かが、私の腕を折っていた。

痛みも何も感じなかった。

なんでかわからないけど、凄く悲しかった。



唯「――って言う夢を見たの!」

澪「きっつい夢だな」

紬「あせだくよ。シャワー浴びてきたら?」

律「あ、私も行くー」





3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/02(水) 19:35:12.27 ID:RNhrZgpa0

ここは、沖縄県から南へ100kmほど行ったところにある無人島。

ムギちゃんのお金で、軽音部の合宿に行くことになりました。

無人島だしほとんど何も無いけど、海は広くてきれい。

とても素敵なところだと、素直に思った。

――シャワールーム


唯「ねぇりっちゃん、どうしてシャワールームはあるの?」

紬「私が急きょ建ててもらったのよ」

唯「わぁムギちゃん! 驚かさないでよ」

紬「ごめんね。ええとね、合宿ってことで、キャンプじゃないじゃない?
  だから、宿泊施設も一緒に」



4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/02(水) 19:36:49.63 ID:RNhrZgpa0

律「よく考えたら、私達がさっき泊まってたのもおかしかったよな。
  無人島なのにって」

唯「ん~、お布団柔らかかったから別にいいかなぁ~」

澪「唯……」

紬「唯ちゃんだもの」

律「唯、澪、むぎ、午後は海いかないか?無人島ったらやっぱ海だろ!」

唯「いいね!」

澪「私は別にいいけど……」

紬「いいんじゃない?」



5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/02(水) 19:37:55.42 ID:RNhrZgpa0



 午後


律「ひゃほーい!」

唯「りっちゃん待ってよぉー、きゃっ」

澪「ほらー、気をつけろって言ったのに」

紬「貝の破片を踏んだの?大丈夫?」

唯「ん……いたたた、えへ……」

紬「治療しなきゃ、部屋に戻りましょ」

唯「ありがと……ふふ、むぎちゃん優しいね」

紬「いいのよ、さ」

律「この貝か……このやろ、このやろ!」

澪「律……」



6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/02(水) 19:40:11.74 ID:RNhrZgpa0


 部屋


唯「つっ!」

紬「ご、ごめんなさい……大丈夫?」

澪「わ、私がやろうか? 手当て」

紬「大丈……ん、やっぱりお願いするわ」

澪「うん、はい唯」

紬(やっぱり女の子同士っていいわね)

梓「紬先輩、、何かピンク色のオーラが」

紬「ん、ううん、何でもないの」

律「そうか……?」



7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/02(水) 19:41:10.29 ID:RNhrZgpa0

 夜


澪「唯、まだ痛むか?」

唯「んー、そろそろ痛くなくなってきた。大丈夫だよ」

澪「そっか……」

梓「無理しないでくださいね」

唯「えへへ、ありがと」

律「何か雲行きが怪しいなあ。明日は雨が降るかも」

紬「残念だけど、ここにもたくさん遊ぶものはあるから!」

澪「そうだな。みんなで楽しもうか」

律「あれ~?澪、練習したいんじゃなかったっけ~?」

澪「な、何だよ! 私は別に……」



8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/02(水) 19:42:33.66 ID:RNhrZgpa0

律っちゃんが澪ちゃんをからかったのをきっかけに、
皆がそれぞれ好きな話を始めていく。

部屋を照らす蛍光灯はいつも冷たいけれど、
こんな時だけは何だかあたたかく感じられたんだ。



9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/02(水) 19:44:49.99 ID:RNhrZgpa0

 翌朝

紬「んー、やっぱり雨になっちゃったわね」

唯「そうだね、ちょっと残念」

律「でもさ! ここに遊ぶところあるんだろ? いいじゃん!」

澪「そういえば、足は大丈夫なのか?」

澪ちゃんの言葉を受けて右足を見れば、傷口はかさぶたに包まれていた。
どうやら、もう大丈夫みたい。



10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/02(水) 19:51:07.37 ID:RNhrZgpa0

唯「平気平気! 遊べるよ? だから、心配しないで。あそぼ?」

紬「ふふ。元気でいいわね。
  それじゃあそれぞれ準備したら、私の部屋に来て頂戴。案内するから」

梓「はい」

律「おー」

律っちゃんが床に寝転がりながら言った。

澪「律、行儀悪い」

律「うー。澪もやろうぜぃ」

澪「ちょ、やめ、引っ張るな!」

澪ちゃんが怒鳴る。

律っちゃんはそれを聞いて、しゅんと縮こまってしまった。

ムギちゃんがそれに苦笑しながら、準備のために部屋を出ていく。

あずにゃんも私たちに会釈をしてから、着替えをしに行った。



12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/02(水) 19:54:33.11 ID:RNhrZgpa0

 20分後

着替えが、終わった。

みずたまのパジャマは私にしては珍しくたたみ、部屋のすみっこに置いてある。

今着てるのは、黄色を基調とした可愛らしいワンピース

鏡の前に立って自分を見れば、可愛いとはいかないまでもそれほど悪くない。

髪を櫛で整えて、準備完了。



14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/02(水) 19:58:24.47 ID:RNhrZgpa0

部屋の扉を開ければ、ちょうどとなりから澪ちゃんが出てきた。

澪「唯、終わったか」

唯「うん。澪ちゃん、そのスカート似合ってるね」

澪「お……ありがとう、お気に入りなんだ」

唯「可愛いよ」

ウインクをして言ってあげれば、真っ赤な澪ちゃんの出来上がりだ。
これだから、澪からかいはやめられない。

唯「さ、行こ?」

澪「う、うん」



15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/02(水) 20:01:32.76 ID:RNhrZgpa0

澪ちゃんの手を引いて、ムギちゃんの部屋へ向かう。

途中で律っちゃんとも会ったので、律っちゃんも一緒に。

律「ムギ、終わったかな?」

澪「さあ…… でも、結構時間かけそうだよな」

そんな会話を交わしながらも、距離はどんどん縮まっていく。

ムギちゃんの部屋が見える廊下へ出ると、ムギちゃんの部屋の前であずにゃんが佇んでいた。

声をかけようとしたけど、妙な違和感。

あずにゃんの様子が、変なのだ。



18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/02(水) 20:05:26.36 ID:RNhrZgpa0

私たちが近付いたって気付かないし、顔は真冬の屋外で裸かのように蒼白だ。

目はまばたきもせず見開かれている。

小さくて可愛らしい手は汗を握っていて、その視線は部屋の中を見つめるばかり。

恐る恐る、声をかけてみる。

唯「えっと……あずにゃん?」

澪「どうしたんだ……?」

律っちゃんは声を出さず、軽い動作で部屋の中をのぞいた。



20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/02(水) 20:07:30.84 ID:RNhrZgpa0

その瞬間。

律「……え?」

律っちゃんが、阿呆のような声を出した。

私たちが声をかけたあずにゃんは、今にも泣き出しそうな顔で澪ちゃんに抱きついていた。

唯「律っちゃん……、どうしたの? その……」

律「あ……ぅあ……」



21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/02(水) 20:10:27.73 ID:RNhrZgpa0

律っちゃんの声は、さっきみたいに間の抜けた声ではなかった。

信じたくないような。目の前のものが理解できないような。それでいて、確実に恐怖している目。

律「あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!」

私は、もうその部屋に何があるのかわかっていた。

皆の反応を見ていたら、誰だってわかるだろう。

それでも、その最悪の予想を打ち消したくて……、部屋の中をのぞいてみた。



22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/02(水) 20:14:08.72 ID:RNhrZgpa0

そこには、私の予想通りの光景。

部屋中に飛び散る鮮血。

鼻をつつく鉄の匂い。

ムギちゃんは、天井を見上げていた。

ベッドに寝転がったまま。

ただし、その目に生気は無い。



そこにあったのは、琴吹紬の死体だった。



23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/02(水) 20:17:02.28 ID:RNhrZgpa0

唯「ああ……」

澪が、私の後ろから部屋をのぞく。

止める気力も、時間も無かった。

澪「うっ!」

澪が床に這いつくばって、きれいな絨毯に嘔吐した。

澪「お、おえぇっ! うあっ!」

澪の腕から放たれた梓はもう落ち付きを取り戻して、

未だ血色の良くない顔で私たちを見ていた。



24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/02(水) 20:21:33.46 ID:RNhrZgpa0

梓「とりあえず、警察に電話しましょう。それと、早く本土に帰らないと……」

律「ダメだ。ここ、無人島だろ? 電波が入るわけない」

梓「あ……」

律「……部屋に戻ろう。みんな同じ部屋に。……澪、大丈夫か?」

澪を見れば、腹の中のものを全て吐き出し終わった後。

口から胃液をこぼしながら、独特の釣り目で律を見つめていた。



25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/02(水) 20:25:10.29 ID:RNhrZgpa0

律「澪、部屋に帰ろう。ムギだって自分の死体なんてジロジロ見られたかないだろ」

唯「そうだよ。澪ちゃん、行こう?」

澪「……うん」

澪が口を拭って、立ちあがる。

お似合いの黒いシャツは、台無しだった。



26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/02(水) 20:30:26.57 ID:RNhrZgpa0

 律の部屋

律「……迎えは、いつくるんだ?」

梓「3日後。電話もないし無線もないので、前後はできません」

唯「3日か……」

澪は押し黙っている。

律「食糧はどこにあるんだ?」

梓「さあ……紬先輩が運んできてくれていましたので」

唯「私も知らないなあ。でも、この建物にしまえるような場所はなかったよ?」

澪「……」

律「澪は知ってるか?」

澪「……」

律「澪」



27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/02(水) 20:32:51.28 ID:RNhrZgpa0

律「澪?」

澪「……ない」

律「え?」

澪「知るわけない」

律「……そっか」

律は驚きに目を見開いたが、すぐに落ち付きを取り戻す。
だけど、その返事には明らかな悲しさがこもっていた。

梓「澪先輩」

澪「……?」

梓「今のはヒドいと思います」



29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/02(水) 20:38:02.51 ID:RNhrZgpa0

――驚いた。

梓にそんな度胸があったとは……

私が驚きをあらわにしている間にも、梓は澪に攻め込んでいった。

梓「今は緊急事態です。
  澪先輩が落ち込むのもわかりますが、3日後まで耐えなければいけないんです。
  そんな状況だから、私たちは助け合わなくちゃならないんじゃないですか?
  聞いてる?聞いてるんですか?なんとか言ってくださいよ澪先輩!」

……これは、凄い。

女の先輩相手、しかもこんな状況下でこんなセリフが吐けるとは。。

本気なのか冗談なのか、いや、こんな状況で冗談を言うとは思えないから、

おそらくは本気なのだろう。

将来は名役者になるかもしれない。



30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/02(水) 20:42:49.60 ID:RNhrZgpa0

澪「……悪かったよ」

澪はそういったが、口調はちっとも悪ぶっていない。

反省は、していないのだろう。

梓もそれ以上の押しは無意味だと察したのか、黙ってベッドに腰かけた。

とたんに、部屋を沈黙がつつむ。



33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/02(水) 20:48:53.33 ID:RNhrZgpa0

律「……とりあえず、食糧探そう。な?」

唯「そうだね。うん、そうだよ」

梓「はい」

澪はいまだに暗い顔だが、私たちが出ていくのを見てついてきた。


 廊下

律「……で、私は2階、唯は……」

律が部長として、捜索場所の割り当てをしている。

いつもはおちゃらけていても、こんな時だけは頼りになる。

つまるところ、根っこのモトからリーダー体質なのだ、律は。

全員の分担を割り振ると、「解散」と言って去っていった。

私も、自分に割り振られた所に足を進めた。



37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/02(水) 20:52:49.43 ID:RNhrZgpa0

 ――1階。

ここが私の場所で、私が責任を持って探さなきゃいけないところ。

この建物に倉庫はついてないし、無人島だったから他の建物もない。

昨日出た食事の材料から考えて、野ざらしにできるものではないとも思う。

だから、ここか2階の可能性が高い。

とりあえずは、何だか怪しい部屋から見ていくべきだろう。



38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/02(水) 20:58:13.61 ID:RNhrZgpa0

私たちと同じタイプの部屋よりは、

つきあたりの大きい部屋や、ドアが古臭い部屋の方が見つかりやすい気がする。

ムギちゃんの性格から考えて、モノはそこに見合うところに置くからだ。

人なら客室、荷物なら倉庫。食糧なら、食糧庫。

だからこそ、食糧庫が無いのが不自然で仕方無いのだけど――……

私的「怪しい部屋」にカテゴライズされた最後の部屋に入る。

誰も入ってないはずだけど、ほこりっぽさは感じない。

新築だと言うのは本当だったらしい。

ほとんど何も置いてない木床の部屋だったので、何もないというのはすぐにわかった。

後は普通の部屋かと考えていたら、律の大声が聞こえた。

律「唯!? あずさー!! どこだ!? 大変だ、澪が居なくなった!!」



39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/02(水) 21:02:24.25 ID:RNhrZgpa0

反射的に、溜息をついた。

本当に、あの子は――……!!

唯「律っちゃん! ここだよ!」

私が廊下に出て叫ぶと、律がちょうど階段を降りてきた。

続けて梓も降りてくる。

律「唯!大変なんだ、澪が――……」

唯「いなくなったって? 澪ちゃん、担当はどこだったの?」

律「外!」

……外は大雨。

これだけ叫んでも出てこないんだから、おそらくは外に逃げたのだろう。

さっきの叫びから結構経ったし、トイレの可能性もないと思う。



4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/03(木) 20:33:22.71 ID:+TBOckFF0

律「大変だ、大変だ……どうしよう、私のせいで」

唯「律ちゃんのせいじゃないよ。律ちゃんは何も悪くない」

梓「……私のせいです。私が、生意気なこと言ったから……」

唯「あずにゃんのせいでもないよ。誰のせいでも、ないんだ」

梓「先輩……、ありがとう、ございます……」

律「……うん! ウジウジしてても仕方ない、探しに行こう! 唯、ありがとな」

唯「ううん。律ちゃんが落ち込んでたらみんな落ち込んじゃうよ!」



6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/03(木) 20:36:23.60 ID:+TBOckFF0

そこで、律ちゃんがようやく笑いを浮かべることができた。

本来なら笑うべきところではないのだが、律ちゃんも必死なのだろう。

澪ちゃんを探すため、皆を元気づけるため。

澪ちゃんの親友という一番辛い立場なはずなのに、自分と周りのために笑顔をつくる。

それを理解しているからこそ、あずにゃんも律ちゃんを責めないのだ。

律「それじゃあ、私は外を探しに行く。……その……」

言いたいことは、わかっている。

唯「うん、一緒に行くよ」

梓「もちろんです! 律先輩を一人で行かせたりしませんから!」



7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/03(木) 20:39:49.61 ID:+TBOckFF0

律「ありがとう……」

唯「さ、行こう」

梓「はい」


 外

ドアを開ければ、ひどい大雨。

空は重苦しいネズミ色だし、南国色を発していた木は風を見せる柱になっている。

雨と言うより、嵐だ。



8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/03(木) 20:41:02.57 ID:+TBOckFF0

律「ひどいな……、二人とも、やっぱり私ひとりで」

唯「だーめ。行かせられるわけないよ」

梓「そうですよ」

唯「律ちゃん、もう遠慮なんてすること無いんだよ? 私たち、そんな薄い仲だっけ?」

律「わ、わかったよ。行こう。……て、傘ある?」

梓「……ムギ先輩が持ってました」

律「はあ…… 私たち、ほんとにムギに頼りっぱなしだったんだな」



9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/03(木) 20:43:34.79 ID:+TBOckFF0

あずにゃんが苦笑したのが見えた。

律ちゃんは溜息をついて、ドアのそばだけについている屋根を出た。

唯「律ちゃん、寒くない?」

律「平気」

白いシャツは透けているけど、意外と言う通り平気そうなので私も出ることにする。

冷たい粒が降ってきた。

続いて梓も出てくる。

律「さ、行こ」



11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/03(木) 20:47:34.31 ID:+TBOckFF0

唯「うん」

梓「それ、さっきは逆でしたよね、キャストが」

一瞬、意味はわからなかった。

けど、思い出して見ればすぐわかる。

さっきは私が「行こう」と言ったのに、今度それを発したのは律ちゃんだということだろう。

何と言う下らなさ、だけどその下らなさがたまらなく心地いい。

なんだか不思議な一体感。

すぐに、澪ちゃんもすぐに見つかるような気がしたんだ。

律「じゃあ、とりあえずあっちの林みたいなところから」



12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/03(木) 20:54:14.74 ID:+TBOckFF0

 林の中

外から見るほど、林は小さくなかった。

適当に進んでいくものの澪ちゃんは見つからないし、だんだんと外が見えなくなってきた。

律「ここ、どこだ」

梓「迷いましたね」

でも広いと言っても、所詮は無人島。

同じ方向に進んでいけば出られないなんてことはないし、危機感は無かった。

律「きゃっ」

突然律ちゃんが転んだ。



14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/03(木) 20:56:03.09 ID:+TBOckFF0

ずぶぬれだったから服は問題ないけど、膝をすりむいてしまったようだった。

こんなに濡れていてもすりむけるのだから、律ちゃんの肌は性格ほど丈夫ではないらしい。

唯「大丈夫? はい」

と言って、手をさし出す。

梓「あ、私バンソーコー持ってます」

あずにゃんがポケットから取り出したのは、黒ネコの描かれた絆創膏。

もうそれは湿気にまみれているから使う意味もないのだけれど、

わずかな粘着力を使ってなんとか律ちゃんの膝に貼ることができた。



15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/03(木) 20:58:23.65 ID:+TBOckFF0

そう、その行為に意味がある。

月並な言い方をすれば、「気持ちが大事」と言うことだ。

律「へへ」

梓「ふふ」

そして次の瞬間、微笑ましい光景は消え去った。

林の中に、一瞬長い髪が見えたからだ。

皆「!!」

律「澪っ!?」

律ちゃんが立ちあがって、走り出す。

私もあずにゃんもそれに続いた。



16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/03(木) 21:03:21.73 ID:+TBOckFF0

唯「澪ちゃん! 澪ちゃん!」

梓「澪先輩!!」

息も切れようかと言う頃、律ちゃんの足が止まる。

律「……」

察するに、見失ってしまったらしい。

律「ごめん」

唯「いいよ」

これ以上続けるのは、あまり特策ではない。

慎重に言葉を選んで、提案する。



17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/03(木) 21:05:27.62 ID:+TBOckFF0

唯「あのさ、その、今日はもう休まない? みんなずぶぬれだし、風邪ひいちゃうよ」

律ちゃんは暗い顔をしたが、すぐにうなずいてくれた。

律「……わかった、そうしよう」

唯「さ、あずにゃんも」

梓「……え、あ、はい」

あずにゃんは、澪ちゃんが消えていった方向を見つめていた。

何があったのかわからないけど、今は聞かなくていいことだ。

今度は私が先頭に立って、暖かい部屋への帰還を進めたのだった。



18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/03(木) 21:07:57.90 ID:+TBOckFF0

――と、その時。

目の前に、影が現れる。

澪「……み、んな……?」

律「澪おおおっっっ!!!」

影の正体が澪ちゃんとわかったとたん、律ちゃんが目の前に向かって走り出す。

おそらく全力だと思われる力で、思いっきり平手打ちをかました。

小気味良い音が鳴り響く。

律「はっ……、はっ……、はぁっ」

澪「……」



19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/03(木) 21:10:17.07 ID:+TBOckFF0

澪ちゃんは無言。

何かに耐えている、我慢しているかのように。

律「どこ、行ってたんだよ……っ!」

澪「……」

梓「澪先輩……、私、謝りますから帰ってきてください……」

その時、澪の頬を一筋の雫が伝った。

雨なのか涙なのかはわからないけど、澪は静かに口を開く。

澪「……ごめん、でも、私戻れない」



20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/03(木) 21:18:58.36 ID:+TBOckFF0

その声は震えていて、さっきの雫が人が出すものだと教えてくれた。

律「なんで!? なんで!!」

澪「だって……、みんな、わかってるでしょ?もう」

律「え……?」

澪「もうわかってるんでしょ!? ムギを」

唯「澪ちゃんだめっっっ!!!!!」

間に合わなかった。

澪「ムギを殺したヤツは、私たちの中の誰かなんだろっっ!!?」



22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/03(木) 21:23:09.21 ID:+TBOckFF0

律「……」

梓「……」

……ああ、ついに言ってしまったか。

ここは無人島で、無人島であるが故に人は居ない。

つまり、ムギちゃんは私たちが殺したことになるのだ。

律ちゃんもあずにゃんも気づいてなかったから、気づかせたくなかったのに……!

案の定、律ちゃんもあずにゃんも固まっている。

これで、この島は疑心暗鬼の塊だ。

殺人犯が居る島で、安心して眠れるはずもない。



23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/03(木) 21:25:36.23 ID:+TBOckFF0

澪「こんなところで、帰れるはずないだろ。じゃあな」

その後に聞こえた嗚咽は、とても小さくて、他の二人には聞こえなかったろう。

澪ちゃんだって、凄く辛いんだ――……

唯「……帰ろうか」

返事は、無かった。



25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/03(木) 21:31:16.79 ID:+TBOckFF0

 唯の部屋

部屋に居るのは、私一人。

他のふたりはそれぞれ自分の部屋に戻った。

これから、どうしよう。

澪ちゃんの発言で、全てが台無しになった。

全員が全員に怯えてしまっているし、私だってその中に入っている。

実際私もひとりきりで落ち付いてしまっている。

自分の性格に呆れていると、ドアがノックされた。



26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/03(木) 21:35:01.94 ID:+TBOckFF0

「唯先輩……」「唯、居るよな?」

あずにゃんと律ちゃんの声。

寄ってカギをあける。

カギなんてかけた覚えなかった。

無意識に施錠している自分の疑心暗鬼さに、再び苦笑してしまうのだった。

唯「あけたよ」

遠慮がちにドアが開けられる。

梓「入ってもいいですか?」

唯「うん」



28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/03(木) 21:42:15.05 ID:+TBOckFF0

律「唯、あのさ」

梓「私が言います、私が言いだしたことですから」

大方の見当はついている。

梓「私たち、もう一緒に居ない方がいいと思うんです」

――ああ、やっぱりそうか。

唯「……そっか」

律「唯……」

律ちゃんが辛そうな顔をする。

信じたいけど仕方無い、そんな表情だった。



30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/03(木) 21:44:59.43 ID:+TBOckFF0

梓「……ごめんなさい、私、明日の朝ここを出ていきます」

唯「あずにゃんの好きなとおりにするといいよ、律ちゃんも」

律「唯、本当にごめん……」

唯「はは、謝らなくていいよ。仕方ない、仕方ないから……」

表情には笑みを浮かべても、私は泣きそうだった。

唯「はは……」



32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/03(木) 21:51:10.47 ID:+TBOckFF0

 朝

翌日は、嫌みなほどの晴天だった。

着替えてあずにゃんの部屋に行けば、中には誰もいなかった。

あずにゃんはずいぶん早起きだから、もう出てしまったのだろう。

後ろを振り向くと、律ちゃんが居た。

律「唯、私さ」

唯「何?」

律「やっぱり、皆離れない方がいいと思うんだ。その方が疑わなくて済む」



33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/03(木) 21:52:59.92 ID:+TBOckFF0

支援ありがとうございます




唯「でも、あずにゃんは? もう出ちゃったよね。あずにゃんは私たち二人が一緒に居たらどう思う?」

律「……」

唯「律ちゃん、辛いだろうけど辛抱して。あと2日、2日耐えれば迎えが来るんだから。
  そうしたら本土に帰れる。警察に任せて、犯人がわかったら安心するでしょ?」

律「……うん」

か細い声だったけど、それだけは絞り出してくれた。

唯「それじゃあね、律ちゃん。また会おうね」

私が玄関に向けて歩を進めると、後ろから大声が聞こえてきた。

律「唯! 私は、私はこんなことになるために……」

続きは、聞かないことにした。



34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/03(木) 21:56:59.21 ID:+TBOckFF0


 外・晴天・昼

とりあえず、澪ちゃんと出会った林で腰を下ろした。

あの時とは違って木も地面も乾いてるし、座りごこちも良い。

陰が葉の形に切り取られて降ってくるのを見れば、何だかとても安らぐことができる。

でも、そんな安らぎ私には要らない。

ふと、腹が鳴いた。

よくよく考えれば、ムギちゃんが亡くなってから何も食べていないのだ。

今まで何故空腹感を感じなかったのか不思議である。

どこかに木の実か何かないか、探しに立ちあがるのだった。



35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/03(木) 22:00:28.99 ID:+TBOckFF0

 ・・・

2、3時間歩きまわって、戦利品無し。

自分の運の悪さに呆れてしまう。

いや、もしかしてこの島に食糧なんてないのだろうか。

それならこの理不尽も納得できるような気がする。

――と、そこで私の耳が異変を察知した。

がさり。なんだか妙な音だ。

足音とは少し違う、そう、誰かが倒れるような……



36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/03(木) 22:03:58.71 ID:+TBOckFF0

「倒れるような」!?

全力で音の方向にダッシュ。

ここは危ない、状況を把握しなければ。

草をかき分けて進む。

急に開けた広場のような林の中で、異様な光景が見えた。

そこにあったのは、二つのカラダ。

一つは長い黒髪、スレンダーな体。

もう一つは短い茶髪で、すぐ近くにカチューシャが落ちていた。



37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/03(木) 22:05:01.66 ID:+TBOckFF0

唯「澪ちゃあん!! 律ちゃん!!!!」

そして、二人の体から染み出す赤い液体。

全滅まで、あと2人。



38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/03(木) 22:07:10.23 ID:+TBOckFF0

 ・・・

さっきの場所に帰ってきた。

先ほど見たのは、夢だったんじゃないか、現実じゃないんじゃないかと思って頬をつねる。

それでも現実は残酷に、私の頬に痛みを与えた。

唯「はは」

乾いた笑い。

そこで、気づく。



40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/03(木) 22:10:48.31 ID:+TBOckFF0

待て待て待て待て どういうことだ?今この島に居るのは私と中野梓だけ 
そして私はあの二人を殺していないそれは私が一番わかっている
なら誰が殺した 誰が殺した 誰があの二人を殺したというんだ
何故わからない 脳が働かない いや もうわかってる
わかってるのに私が認めないだけだ なぜ なぜ
この中に殺人犯が居ることくらいわかっていたじゃないか
なぜいざとなって信じられないというんだ なぜ な ぜ
わかった わかった よくわかった
私は辛抱して現実を見てるフリをして所詮現実なんか見ちゃいなかったんだ
よくわかったよ ああわかったさ わかれというんだろう お前は
お前って誰だ 私って誰だ ああ もうわからない 考えたくない
わかった わからない わかった わからない わかった……
ああああああああああああああ
ああああああああああああああああ
ああああああああああああああああああああ
あ あ あああああああああああああああああああああああああああああああ



43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/03(木) 22:12:48.42 ID:+TBOckFF0






――私の目標が、決まった。







中野梓を、抹殺する。



48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/03(木) 22:15:01.12 ID:+TBOckFF0

唯「ふふ」

勝手に笑いが出てきた。

それもさっきまでの笑いではない、
目標があるもののみが出すことのできる潤いのある笑い方だ。

唯「あ は は」

あずにゃんはムギちゃんに律ちゃん、それに澪ちゃんも殺したんだ。

悪い子なんだ。

悪い子だから、私が殺さなきゃならないんだ。



49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/03(木) 22:18:44.09 ID:+TBOckFF0

澪ちゃんたちの死体があった場所へ向かう。

ひょっとしたら、何かあるかもしれない。



50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/03(木) 22:19:37.65 ID:+TBOckFF0

 ・・・

澪ちゃんのポケットからバタフライナイフが見つかった。

さすが澪ちゃん、合宿なんだからこれくらいは準備してなきゃね?

キャンプやレジャー用の頼りないものだけど、無いよりは数百万倍マシだ。

さて、中野梓はどこに居るんだろう。

殺さなきゃ、殺さなきゃ……



51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/03(木) 22:22:34.18 ID:+TBOckFF0

 ・・・

夜になった。

梓は見つからないまま。

こんな夜に歩いても体力を消耗するだけだから、

普段は使わないアタマを使ってみることにする。

あずにゃんが出て行ったのは早朝。

移動時間はたっぷりあったはず。

性格から考えてここの近く、つまり澪と会った場所には来ないだろう。

つまり、ここから遠くて、さらに家からも遠い場所。

頭の中に地図を浮かべて、だいたいの該当場所を考えてみる。



53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/03(木) 22:24:42.91 ID:+TBOckFF0

この島全部歩き回ったわけじゃないけど、ここにきてすぐのときに地図は少し見せてもらった。

うん、たぶんだけど、海沿いが怪しい。

この島は縦長で、林などのまわりがよく見えない場所はここしかない。

海沿いを回っていけばたぶん会えるはずだ。

そうしたら、このナイフで……

梓を殺す妄想をしながら、森に包まれて眠りに入った。



57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/03(木) 22:27:38.58 ID:+TBOckFF0

 朝・林の中・晴天

今日も晴天だった。

顔を洗うものは無いけれど、適当に手でぬぐって準備は完了。

普段の生活がどれだけ恵まれているかわかるというものだ。

立ちあがって、昨夜考えた梓の居場所をめぐるのだった。


 ・・・

梓は、すぐに見つかった。

砂浜に立って、水平線を見つめている。

こちらには気づいていないようだ。

唯「あーずーにゃーん♪」

声をかける。



58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/03(木) 22:29:41.69 ID:+TBOckFF0

あとで声はかけない方が良かったかと反省したのだが、もう手遅れ。

仕方無いので、平静を装って近づくことにする。

唯「あずにゃん、私ね」

距離はもう1mも無い。

後ろでに持ったナイフを、さあ……

梓「唯先輩」

下からナイフを切り上げたが、感触は妙だった。



60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/03(木) 22:31:44.43 ID:+TBOckFF0

金属音が鳴り響く。

梓が、私と同じバタフライナイフを持っていた。

梓「やっぱり、あなただったんですね……」

唯「何言ってるの? あずにゃんこそ……」

右手を後方に下げ、遠心力を利用して横凪にする。

唯「あの二人を殺したんでしょうっ!?」



62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/03(木) 22:35:26.41 ID:+TBOckFF0

そう大声を出すが、梓も負けない。

梓「何言ってるんですか!」

身を引いてよけられ、今度はナイフを突きだしてきた。

梓「殺したのは先輩でしょ!!!」

唯「私なはずがっ!!」

切っ先を刀身で受け止め、払う。

相手に休む暇を与えずに、今度は私から突いてやった。

唯「ないでしょおおおおおおおおおおおっ!!!」

梓も刀身で受けるも、力に負けて後ろに突き飛ばされる。

このままとどめを刺してもよかったが、それは何だか卑怯な気がする。



63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/03(木) 22:37:48.43 ID:+TBOckFF0

譲歩のつもりで、何歩か後ろに下がる。

唯「あずにゃん、立って。次で決着をつけよう」

梓「……いいですよ、私もあなたを許せません」

梓が立ちあがった。

唯「あずにゃん、私、あなたのこと大好きだった」

梓「私だって大好きでした。凄く優しくて、嬉しかった……」

唯「でもね、私あなたと同じくらい軽音部の皆が好きだったの」

梓「ええ、私もです。軽音部の皆さん、好きでした」

唯梓「だから」



唯梓「あなたが許せないっっっ!!!」



64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/03(木) 22:38:55.73 ID:+TBOckFF0

合図をしたわけでもないのに、二人同時に走り出す。


何だか、全てがスローモーションに見えた。


私も、あずにゃんも、ぜんぶぜんぶ。


それでも、現実はやってくるl。


刀身がふれあい、火花が散り――……



65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/03(木) 22:40:41.29 ID:+TBOckFF0

突然。


私は何もしていないのに、梓が倒れた。


直前に聞こえたのは、銃声。


理解が追い付かない。

どういうこと な の


梓の体には、風穴があいている。


え?


後ろを振り向く。


そこに居たのは――……


すべてを理解する前に、私の視界は黒に沈んだ。



69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/03(木) 22:44:48.15 ID:+TBOckFF0

 本土・唯の部屋

唯「ふぁ……」

憂「おはよう、お姉ちゃん」

唯「うい……? あれ、私……」

憂「どうしたの? て言うか早く学校行かないと遅れちゃう! 着替えてきてよ!」

唯「え!? あ、うん!」

着替えながら、私は考えた。

そうか、そうか、全部夢だったんだ!

夢だったんだ、皆の死も、あずにゃんが殺人犯って言うのも!!

涙が出た。

うれし涙。

嬉しくてうれしくて、涙が止まらない。



71 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/03(木) 22:46:17.47 ID:+TBOckFF0

よかった。

もうあの島に、戻ることはない。

だって、ここが私の居場所だから。

学校に行けば、みんなに会える。

律ちゃんはみんなのリーダーだし、

澪ちゃんは可愛くてしかたない。

あずにゃんは部活の妹だし、

ムギちゃんも軽音部のお母さんだ。

そうだ、そうだ、ここは私の場所――



72 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/03(木) 22:49:06.90 ID:+TBOckFF0

 病室

唯「……は、私のばしょ……」

刑事「唯さん!? 看護婦さん、反応が!」

看護婦「唯さん!? 意識があるんですか!?」


 病院・廊下

刑事B「何なんですか? この部屋の平沢さんって方」
刑事C「ああ、無人島で惨殺事件が起きたんだけどな? その事件の唯一の生存者だ」
刑事B「唯だけに唯一っすか」
刑事C「不謹慎だぞ」
刑事B「すんません」



77 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/03(木) 22:53:38.23 ID:+TBOckFF0

 無人島惨殺事件・報告書

20XX年8月X日、沖縄県南部の名づけられていない島で惨殺事件発生。

最終的な生存者は平沢唯のみ。

島から見つかったのは、

銃によった傷を受けた平沢唯、中野梓・秋山澪・田井中律(3人とも死亡)、

生きたまま腹部を切開され死に至った森山シズカの5人の遺体。

被害者の周辺から入手した情報によると、

琴吹財閥の令嬢、琴吹紬氏も無人島には行っていたらしいが、発見できず。

現在重要参考人として捜索中。



79 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/03(木) 22:55:49.01 ID:+TBOckFF0

平沢唯は事件の強いショックにより、精神障害。

現在東京の某病院にて治療を受けているが、

回復の目途は立たず、証言もできない状態。



80 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/03(木) 22:57:27.77 ID:+TBOckFF0

事件発生から1年、

平沢唯は精神障害を克服、

正常な精神を取り戻す。

が、強い怯えのようなものが見てとれ、

警察の捜査には非協力的な姿勢。






今日も彼女は、黙して語ろうとしない――――






81 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/03(木) 23:00:28.67 ID:+TBOckFF0

とりあえず完結です

支援して下さった方ありがとうございました

あと二日にわたってスミマセン

また見かけたらよろしくお願いします




82 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/03(木) 23:03:05.27 ID:Twa1izq30





83 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/03(木) 23:03:50.27 ID:iheJZS7KO

>>81
すいません森山シズカさんってのは…?

電話でちょこっとググってもすぐわかりませんでした



84 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/03(木) 23:04:40.28 ID:8RlXI1mDO

>>1
犯人はムギでいいのか?





85 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/03(木) 23:05:25.46 ID:+TBOckFF0

>>83
申し訳ないですが僕の創作です
オチが「ムギが自分の死体を用意して陰から皆殺し」ってことなので
序盤ででてきたムギの死体をやってくれた人です




86 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/03(木) 23:06:09.26 ID:iheJZS7KO

>>85
把握。乙



87 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/03(木) 23:07:59.95 ID:YbeJHi6r0

1乙



88 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/03(木) 23:09:22.70 ID:cRJ8SdZQ0


動機とかは?





89 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/03(木) 23:10:12.50 ID:+TBOckFF0

そうですね、わかりづらかったかもしれません。
はじめは出題編とムギ視点でつづる「解」を書くつもりだったんですけどね、
途中でゴチャゴチャになってしまいましたから。
寒いかもしれませんがオチを説明すると、
ムギ偽死体用意
 ↓
唯たちに見つかる
(澪と勘違いされたあの髪の長い女の子はムギです。だから澪は反対側から来たんですね)
 ↓
律&澪殺害
 ↓
梓と唯が戦ってる最中に梓→唯で殺害
 ↓
逃亡

こんな感じでした




90 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/03(木) 23:16:24.77 ID:Eafpt3LUO

いちおつ!
解決編もぜひ書いてくれ
ムギの動機とか含めて





91 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/03(木) 23:19:03.42 ID:QChzlE2UO

携帯から1です。
動機は考えてなかったなあ・・・
あんまり携帯から書きたくないのでこれで失礼します
落として下さって結構です




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唯「合宿!」
[ 2011/07/21 20:22 ] 非日常系 | | CM(0)

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