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唯「岡崎さん…私……」#中編 【非日常系】


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唯「岡崎さん…私……」#前編
唯「岡崎さん…私……」#中編
唯「岡崎さん…私……」#後編






120 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/04(金) 12:21:54.67 ID:N1CCc7S8O

5時間目────

岡崎「………」

春原「まだ気にしてんの?律のこと。仕方ないって……
   色々いざこざがあって解散したバンドのメンバーがいるってんじゃ気まずい気持ちもわかるよ」

岡崎「あぁ、だからってどちらか切ってたんじゃ意味がない。
   あれからせっかく唯と琴吹、中野が澪を説得してくれた意味がなくなるからな」

ならどうすればいい……後一人は張り紙をあてにするか……
いや、そんな人を集めることも人任せじゃこの先やっていけないか……だったら。

岡崎「……よし。先生~ちょっと腹痛いんで保健室行っていいッスか?」

先生「岡崎か。お前と春原に限り授業中保健室は本当に倒れた時以外認めていない。
   わかったらその真っ白なノートにちょっとでも黒板を写してなさい」

岡崎「ちっ……駄目か」



122 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/04(金) 12:31:10.64 ID:N1CCc7S8O

岡崎「となると次の作戦か……。」

梓「さっきから何企んでるんです?」

岡崎「中野、一生の頼みがある」

梓「はあ……。」

…………

春原「そこまでやるかねぇ……バレたらさすがにまずいよ?」

岡崎「軽音部の発足の影には!」

春原「僕と岡崎、ブラックホールが待ってるぜ!」

岡崎「ブラックホール待ってちゃ駄目だろ。まあ手筈通り頼む。
   俺はさっきので目をつけられてるからな。お前の迫真の演技に期待してる」

春原「任せとけって……すぅ……はぁ……」

春原「中野っ!?おい大丈夫か中野!?」

先生「どうした春原?」

春原「前の席の中野が具合悪そうにしてて!脈拍は!……早い…これは一大事だ」

梓「(やりすぎです…)////」

岡崎「(脈拍まで計るバカがいるか…いや現にいたなここに)」



123 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/04(金) 12:38:55.40 ID:N1CCc7S8O

先生「中野、大丈夫か?」

梓「…朝からちょっと熱っぽくて…これぐらいなら大丈夫かなって来たんですけど…」

先生「そうか……具合が悪いなら早退するか?」

梓「いえ、少し保健室で横になれば大丈夫だと思います…。
  6限目は頑張って受けます…。だって先生の社会わかりやすいから…」

5.6限目はこの先生の社会なのだ

先生「そ、そうか。わかった、一人で保健室まで行けるか?」

梓「はい……っと…あっ…」ガタンッ

春原「危ない!ふ~間一髪。先生!保険委員を要請します!彼女は一人で歩ける状態じゃない!」

岡崎「(露骨過ぎだバカ…)」

先生「大丈夫だ春原。先生が連れて行く。君らは黒板を写してくれたまえ。じゃあ行くか中野」

岡崎「(予想外だ…中野の魔力が強すぎたか!)」



125 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/04(金) 12:43:27.46 ID:N1CCc7S8O

梓「私の為にこの大事な時期の授業をちょっとでも中断したくありません…。」

岡崎「(上手い!)」

先生「そうか……なら保険委員」

岡崎「はい、俺です」

先生「おぉ岡崎か。それなら勉強に差し支えることもないな」

岡崎「えぇ、まあ……(ここは我慢だ…中野の気持ちを無駄にするな岡崎朋也)」

先生「なら中野を保健室まで連れて行ってやってくれ」

岡崎「わかりました。中野、立てるか?」

梓「はい……」

岡崎「(作戦成功…でちまえばこっちのもんだぜ)」

春原「(グッドラック岡崎)」グッ

岡崎「(あぁ)」



126 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/04(金) 12:51:33.08 ID:N1CCc7S8O

保健室─────

岡崎「悪いな中野」

梓「軽音部の為ですから。ライブ、必ずしましょうね、岡崎君」

岡崎「あぁ、必ず」

梓「……あの…澪ちゃんの事は澪って呼び捨てなのに私は中野って…
  何か嫌われてる気がして嫌です。それとも岡崎君は私のこと嫌い…なんですか?」

岡崎「いや、そんなことはないが。ほら、澪とは二年からの付き合いだからさ。
   中野は三年になって初めてクラス一緒になったろ?だからかな」

梓「でも…唯ちゃんや律さんのことは呼び捨てです」

岡崎「でも琴吹のことは琴吹だろ?何かニュアンスってあるだろ?あれかな」

梓「そう……ですか」

岡崎「そうそう」



127 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/04(金) 12:56:45.63 ID:N1CCc7S8O

岡崎「もう行くな、当初の目的を果たさないと
   中野に頑張ってもらった意味がなくなる。あぁ、後春原もか」

梓「頑張ってください、と、朋也君。」

岡崎「ん?あぁ」

さて、行く場所はもう決まっている。
あの感じじゃ5限目に出たりしてないだろう律の所に、図書室にだ

ガラララ

梓「……朋也君…か。えへへ//嫌いじゃないって言われちゃった」

軽音部に入った動機は不純かもしれないけど…
ちょっとぐらい私も夢見てもいいよね、朋也君



128 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/04(金) 13:06:23.83 ID:N1CCc7S8O

図書室─────

岡崎「やっぱりいたか。この不良っ子め」

律「あんたが言える立場かよ?岡崎」

岡崎「まーな。」

律「…………何か用?サボってまで会いに来たんだろ?
  まあどうせ軽音部のことだろ?残念だけどは入らないよ」

岡崎「そうか」

律「そうかって…いいの?私が入らなきゃ部が出来ないかもしれないんだろ?」

岡崎「まあそうだけどな。でもその為に無理強いは出来ないさ。
   俺達のわがままを押しつける様な真似はしない。
   自分から来てくれないと意味がないからな」

律「ふ~ん。それで勧誘じゃなく説得しに来たってわけか」

岡崎「ま、そんなところだ。お前がどうして音楽が嫌いになったのか…
   とか色々聞きたくてさ。それも聞かずに軽音部に入れ、何て厚かましいからな。」

律「それでサボったのか?」

岡崎「あぁ」



129 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/04(金) 13:15:29.78 ID:N1CCc7S8O

律「フフフ…あんたって本当にバカだな」

岡崎「噂通りか?」

律「いや、噂以上だ。でもね、私が好きなタイプのバカだ」

岡崎「それはどうも。」

律「んじゃ昼食会の後はお話会といきますか。
  私の話の前に岡崎の話が聞きたいな。何で肩痛めたとか、さ」

岡崎「聞いても面白くないと思うぞ?」

律「面白いとかじゃないよ。私が知りたいんだ。岡崎のこと」

岡崎「…まあお前だけに話させるのも確かにな。そうだな…どっから話したらいいか」

俺は嫌な思い出しかない高校一年の出来事を話始めた。
でもそれは自然と嫌じゃなくなって来ていた。いや、もう受け入れてたのかもしれない
それら全て合わせて、今の自分が岡崎朋也なんだと



130 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/04(金) 13:22:05.31 ID:N1CCc7S8O

岡崎「で、今に至るってわけだ」

律「…………」

岡崎「どうした律?」

律「私……岡崎と春原のこと正直バカにしてたよ。まさかそんな事があったなんてな……。ごめん」

岡崎「今は俺も春原も悪くないって思ってるさ。こうして今はやりたいこともやってるしな」

律「軽音部が出来たら、岡崎も演奏するのか?」

岡崎「いや、俺と春原は裏方に徹するよ。機材を運んだりは女の子にはしんどいだろうからな。」

律「そっか……。」

岡崎「律、お前の話も聞かせてくれないか?」

律「……それは軽音部の為に?それともあたしの為に?」

岡崎「両方だよ」

律「…………澪とは実は幼なじみでさ…」

そうして彼女も話始める。俺と同じで、決していいとは言えない…長い、長い、思い出話を



139 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/04(金) 15:35:20.25 ID:N1CCc7S8O

澪とは幼なじみだった。幼稚園の頃から、小学校、中学校、いつも私達は一緒だった。
中学1年の頃、私と澪はおじさん(澪のお父さん)からもらったライブチケットで人生初めてのライブへ行った。
バンド名は忘れたけどロックチューンなのにがむしゃらな愛を唄ったアンバランスな曲が印象的だった。

そのライブが終わった後、私と澪は…猛烈にバンドがしたくなっていた。
きっかけは単純かもしれないけど、私もあんな風に舞台に立ってみたかった。

澪も、同じ気持ちだったろう。
だからこそ私達は、あんなにも音楽にのめり込んだのだ。



140 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/04(金) 15:45:59.13 ID:N1CCc7S8O

高校一年になった頃、私達は外でバンドを組むことになった。

メンバーは私、澪、そして街にある唯一の練習ホールでよく見かけていて、
私達(澪は恥ずかしがったけど)から話しかけたのがきっかけで仲良くなった二人組。
名前は…今じゃどうでもいいか。私達はその四人でロックバンド、ガール&ガールとして活動始めた。

色々なお店にかけあってライブ交渉をしたりした。
未成年だからとよく断られてたのでみんなで大人っぽくして年齢を偽ってライブしたこともあった。
始めは全く人気がなかったけど…
10人が20人。20人が40人、40人が100人と段々集まってくれるお客さんを見るのが嬉しかった。

でも、ある日、私達は解散した



141 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/04(金) 15:53:06.37 ID:N1CCc7S8O

原因は私のドラムにあった。
私達が誘った二人は、私のドラムが走り過ぎだといつも言っていた。
けど、私はこの叩き方が好きで、
お客さんの中にも私のドラムが好きだから毎回見に来てくれてると言うお客さんもいた。

私はその走り気味なドラムを長所と受け取っていたけど、
その二人には短所を直さない傲慢な人と思ってたのだろう。
それからは早かった。二人は新しくドラムを探そうと澪に持ち掛けたらしい。
私は聞いてしまった、確かに律のドラムは走りすぎだと……
澪がそう言ってあの二人と意見が一致するのを。

私はその前に怖くなってバンドをやめた。
後からそのまま澪も責任を感じたのかバンドを辞め、
ガール&ガールは僅か一年も立たずにその活動を終えた。

その時知ったことだけど…あの私達が見に行ったグループも解散していたらしい。
世の中所詮そんなもんなのだろう……と、私は思った。



143 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/04(金) 16:01:49.92 ID:N1CCc7S8O

律「それからかな……私の生き方が適当になったのは」

岡崎「そうか……お前も色々あったんだな」

律「まあ…ね。」

岡崎「でも澪は本当にお前のドラムが嫌いだったのか?」

律「じゃなきゃその二人に反論するだろ。」

岡崎「いや、澪の性格ならその走り過ぎなドラムをわかっていて、
   それを認めて尚お前と組んでたんだと思うぜ。」

律「何が証拠にそんなこと……」

岡崎「証拠ならあるだろ?中学からずっと、お前のドラムを聴いてた人間なんだから。
   わからないわけないんだ。わかっててもそれをお前と同じで
   短所じゃなく長所と受け取ってたからこそ澪はその二人に説明しようとしたんじゃないか?」

律「…………」

岡崎「まあこんな偉そうに言える立場でも関係でもない…
   けど澪はそんなことぐらいで友達を捨てる様な奴じゃない。
   それは律、お前が一番知ってるだろ」

律「…………」



144 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/04(金) 16:09:15.98 ID:N1CCc7S8O

岡崎「もうこんな時間か。そろそろ行かないとさすがにまずいな」

律「どした?」

岡崎「今回はちょっと変則的なサボり方したからな。
   さすがに授業が終わった後だとまずいんだ。だからそろそろ行くよ」

律「そっか…残念」

岡崎「お互いちょっと前よりだいぶわかり合えたと思う。
   それで俺が言えることは……律は軽音部に来た方がいいってことぐらいかな」

律「なんだ、結局それかよ?」

岡崎「今は俺や他の奴らの為だけじゃない、律の為でもあるんだから」

律「私の……」

岡崎「お前は大好きな音楽、まだやり直せるだろ?俺と違ってさ。
   だから、諦めるなよ。澪と、みんなと、また……やろうぜ!音楽」

律「岡崎……」



145 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/04(金) 16:17:56.73 ID:N1CCc7S8O

律「走り気味だってみんなに言われても……庇ってくれる?」

岡崎「勿論」

律「私ってさ、不器用だから言いたいこと素直に言えない時があるんだ……
  だからそれで喧嘩したりしても…」

岡崎「あぁ、仲直りさせるのは得意だ。任せとけ」

律「……そっか」

岡崎「じゃあ行くな」

律「うん…」

岡崎「放課後、気が向いたら音楽室に来てくれ。それと、あんまサボり過ぎるなよ。ダブるぞ」

律「あんたが言うことか。それにこう見えても頭はいいんだ。授業もある程度は免除されてるよ」

岡崎「なっ…嘘だろ!?」

律「岡崎には嘘つかないよ。」
岡崎「キャラじゃねぇ……」
律「うっさい!さっさと行けよ!」
岡崎「あ、あぁ」

ガラララ

律「岡崎、お前のこと……好きになってもいいか?って言うのだけは……言えなかったや」



147 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/04(金) 16:26:02.26 ID:N1CCc7S8O

ガラララ

岡崎「ちぃ~ッス」

先生「岡崎、私は保健室に連れて行って来いと言ったんだぞ?
   まさか病院まで連れていったのか?じゃないとこんなに時間はかからないよな?」

岡崎「すいません先生。なか……いや梓の奴がちょっと側にいて欲しいって言うもんで」

生徒9「ヒュ~ヒュ~やるな岡崎!」

生徒10「この女泣かし!」

先生「おっほん!いいから席につけ。ったく……最近の若いやつらは……ブツブツ」

岡崎「へ~いっと」

春原「先公の奴お気に入りの中野取られて頭に来てるよあれは。
   ざま~みろだよ!しかしあんた本当に羨ましいっスね!」

岡崎「お前まであてられてどうする。演技だよ。やることはやった…後は放課後を待つだけだ」

軽音部が出来るか否か…今日で決まる



148 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/04(金) 16:31:41.65 ID:N1CCc7S8O

放課後─────

岡崎「よし、行くぞ…春原」

春原「あぁ、僕達何もしないけどな」

岡崎「何言ってんだ。影の功労者は間違いなく俺達だぜ!」

春原「その影のって言い方がカッコいいよね!敢えて表舞台に立たないって感じてさ!」

岡崎「お前はそのまま永久に影だがな!」

春原「そうそう!僕は永久に影……って、え?」

岡崎「気にするな。さあ行くぞ。残りの面子も集まってる筈だ」

春原「待てよ岡崎!永久に影って僕やだよ!岡崎ィ!」



150 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/04(金) 16:39:05.17 ID:N1CCc7S8O

旧校舎 音楽室───

ガラララ

岡崎「あれ?唯と琴吹だけか?」

唯「うんそだよ~」

紬「梓ちゃんと澪ちゃんは一回家に楽器を取りに帰るそうです」

岡崎「おぉ随分本格的だな。
   新校舎の音楽室から楽器を借りてこようと思ってたんだが手間が省けた。」

紬「ですがドラムは借りて来ないとありませんよ」

岡崎「……そうだな。さすがにドラムセットは
   持って来れるものじゃないし学校のを使わせてもらうか」

春原「この学校にドラムセットなんてあんの?」

紬「昔ロックバンド研究会と言う部活があって
  その方達が卒業の際にドラムとかギターを学校側に譲り渡したそうです。」

春原「へ~変わった人達がいるもんだね~」

岡崎「よ~し、じゃあさっさと運ぶか!」

唯「お~!!!」



151 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/04(金) 16:47:31.86 ID:N1CCc7S8O

午後5時30分、約束の時間が来ていた。
音楽室には俺、春原、唯、紬、梓、澪……の6人だった。
やはり一日限りの張り紙に効果はないようで人は集まらなかった。
みんなで持って来たドラムセットが虚しくただそこにあった。

さわ子「増えたのは二人……だけね。ギターとベースが自前なのを見るとかなりやってそうね」

春原「僕のギターも自ま(ry」

岡崎「いいから黙ってろ春原」

さわ子「でも私は四人って言ったわよね?この条件がクリアされない限り部としては認められないわ。
    それとも昨日一日で途端に上手くなったのかしら?」

岡崎「……先生、勘違いしてますよ。残る一人は唯です」

唯「!?」

さわ子「あのね…岡崎君。カスタネットは軽音学じゃ…」

岡崎「唯は……ボーカルです」

さわ子「!!?」

唯「ぼーカル?」



152 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/04(金) 16:56:52.34 ID:N1CCc7S8O

さわ子「なるほどね……確かにボーカルは必要だわ。
    でもそこに置いてあるドラムセット、あれは誰が叩くのかしら?
    置いてあるってことは誰かがやるってことよね」

岡崎「……はい。」

さわ子「あなたがやるの?それとも春原君?」

岡崎「いえ、違います。俺達軽音部のドラムは……一人だけです。
   走り気味だけどそれがいいドラマー…」

澪「朋也……。」

「あの~チラシみたんですけど~」

岡崎「遅いぞ、律」

律「自前のスティック取りに帰ってたんだ。許せよ。てかそんな気になるなら迎えに来いよ」

岡崎「その必要はないさ。絶対来るって思ってたからな」

律「へっ……食えないやつ。さあてと。」

ドラムセットの椅子に座り込み大きく深呼吸する律。

律「いっちょやったるか!みんな!」



153 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/04(金) 17:04:43.32 ID:N1CCc7S8O

梓「はいです」

紬「うん♪」

唯「おっけー!」

澪「律……」

律「あの時の答えは演奏で聞かせてもらうよ、澪」

澪「……わかった」

さわ子「人数は……揃ったみたいね。でもちゃんとした演奏が出来るしら?」

岡崎「みんな楽譜見てくれたか?見ながらでもいいから何とか合わせてやってくれ」

律「大丈夫、澪となら今まで何回も合わせて来たから曲が変わったぐらいじゃどうってことないよ」

澪「うん!私も大丈夫」

梓「澪ちゃんに合わせるので大丈夫です」

紬「私はちょっと不安……」

岡崎「大丈夫だ琴吹。お前のキーボードは音を邪魔する音じゃない……
   何て言うかこう包む音楽だと思う。まあ素人の俺が言うことなんてあてにはならないが」

紬「包む……音楽。そうですね…私はキーボードで…みんなを包みたい」

岡崎「その粋だ!そして唯!お前はただ精一杯歌え!」



155 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/04(金) 17:12:24.44 ID:N1CCc7S8O

唯「うん……!私とむぎちゃんで作った曲だから大丈夫だよ、朋也君」

岡崎「そうか……。見てるから、頑張ってな」

唯「うんっ!
  (不思議……朋也君がいるとあぁならない…ずっとリラックス出来る…ありがとう、朋也君。)」

唯「じゃあみんな…行くよ!?」

この歌が、軽音部の初めての歌であり、演奏になった。

唯「時を刻む唄」

律「1.2.3.4.123!」



158 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/04(金) 17:25:32.82 ID:N1CCc7S8O

帰り道─────

律「んじゃ私達はこっちだから。行こうぜ澪むぎあずっち!」

澪「うん。じゃあな唯、朋也」

唯「ばいば~い!」

岡崎「おぉ。また明日部室でな」

梓「気をつけて」

紬「また明日~」

唯「ふふふ……えへへ……」

岡崎「何にやついてんだ唯?」

唯「だって…こんなに友達増えて嬉しいんだもん♪」

岡崎「軽音部も部として認められたし?」

唯「そうそう!今日は人生最高の日だよぉ」
岡崎「おいおい、今日は始まりに過ぎないんだからさ。これからだろ、お前の本当の楽しい日々は」

唯「うん♪ 本当にありがとう、朋也君。」
岡崎「俺も軽音部が出来て良かったと思ってるよ。毎日が充実してた…唯のおかげだ」
唯「朋也君…//」

でも、それも今日で終わっちまったんだな



159 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/04(金) 17:33:28.35 ID:N1CCc7S8O

帰り道、俺はそんなことを考えていた。
唯にはこの日が始まりだが、俺にはこの日が終わりなんだ。
演奏するメンバーは足りてるし、俺は正直演奏するのには興味がなかった。
どっちかと言えば聴いてたい方だ。

そんな俺に、もう軽音部での居場所はないだろう。そう感じていた。

唯「でね!お父さんったら私の為に楽器作る~とか言ってさ!
  早苗の七色に光るギターをプレゼントしてやる!って言うんだよぉ」

岡崎「なぁ…唯」

唯「ん?なぁに朋也君?」

岡崎「これからも…その、頑張ってけよな」

唯「ん?うん…頑張る…よ?」

岡崎「お前にはもういっぱい友達がいてさ、
   やりたいことも見つかって、これから本当に学校を好きになれるんだ」

これは、ただの俺のわがままだ

岡崎「だから、何があってもライブ…必ず…しろよな?」

夢が終わってしまった俺が、ただ嫌がらせにもがき叫んでるだけだ



160 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/04(金) 17:40:47.34 ID:N1CCc7S8O

唯「ともや君…? どうかしたの?」

優しい声で俺の名前を呼ぶ唯に、俺は甘えたかった。でも、それじゃ駄目だろ…俺。

岡崎「何でもないよ。さ、さっさと帰ろうぜ~」

唯「あっ、待ってよ~朋也く~ん」

わかっていた、俺に出来ることはここまでなんだと。
でも、だからってその気持ちを擦り付けるのは間違っている。

何が変わったわけでもない、けれど、何も変わってないわけじゃないのだから

俺は俺のやり方で、彼女達を見守って行こうと思った



161 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/04(金) 17:49:36.38 ID:N1CCc7S8O

案の定俺と春原のやることはなく、
初めの一週間はちょくちょく演奏を聴きに行ったり、
琴吹の持って来たお茶菓子を食べるなどしていたが……
やっぱり居たたまれなくなり、行く頻度を減らしていっていた。
春原に至ってはもうほとんどと言っていいぐらい来ていない
あいつは飽き性だからと言うのと軽音部のガードの固さに諦めたのか……。

そんな頃だった、部が発足してから1ヶ月経った少し暑い日の6月の放課後、
俺は久しぶりに律の呼び出しを受け軽音部に足を運んでいた。

岡崎「ち~ッす。やってるか?」

律「お前はどこの飲みに来たサラリーマンだよ」

岡崎「で?何の用だ?」

梓「用がなくても部活には来て欲しいです…」

岡崎「つっても俺は人数合わせの入部だからな。今は人数も揃ってるし必要ないだろ」



162 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/04(金) 17:56:39.76 ID:N1CCc7S8O

唯「そんなことないよっ!」

紬「そんなことありません!」

律「そんなことないだろ!」

梓「そんなことないです!」

澪「そんなことないと思うけど…」

岡崎「そ、そうか?」

唯「朋也君はズルいです。
  軽音部を作るだけ作っておいていざ出来たら来なくなるなんて……」

梓「そうです!立て逃げもいいとこです!」

紬「最近のけいおんSSの現状を表してるわね」

律「またみんなを守りたい!」

澪「もうゲロ吐きたくない……」

岡崎「?」

唯「ともかく朋也君は明日から毎日来るべきだよっ!わかった?!」

岡崎「あ、あぁ……」

まさかこんなこと言われるなんて思っても見なかったな。




163 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/04(金) 18:01:06.54 ID:PO+9hdT00

ゲロwwwww



165 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/04(金) 18:09:46.57 ID:loERDQyz0

>>162
おいw





164 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/04(金) 18:05:46.20 ID:N1CCc7S8O

岡崎「で、今日呼び出したのはその事か?」

律「勿論別件もあるさ!むぎ!」

紬「はい、実は今唯ちゃんがギターを梓ちゃんから習ってるんだけど
  学校のギターはちょっと手に合わないらしいの」

梓「男物のですからね、ネックもかなり太いし女の子の手では持ちにくいですね」

澪「私はぴったりだったんだけどな……」

律「澪ちゅわんはお手て大きいですものねぇ」

澪「ガーン……」

紬「と言うわけで今日二人で見に行ってください。私達はそれぞれ用事かあるので」

岡崎「まあ…いいけど。てかこいつの家楽器(ry」

唯「さあ善は急げだよ朋也君!行こう行こう!」

岡崎「まあいいけどさ……」



166 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/04(金) 18:16:10.02 ID:N1CCc7S8O

楽器屋 KOTOBUKI──

岡崎「てか何でお前ん家楽器屋なのに楽器買いに来てんだ?」

唯「朋也君は知らないかもしれないけど
  楽器を作るのって凄く時間もかかるしお金もかかるんだよ。」

岡崎「そうなのか?」

唯「うん。だから家にはなるべく迷惑かけたくないんだぁ。
  だからお父さん達にはボーカルやってるから楽器はいりませんって言ってるの」

岡崎「ほ~偉いな」

唯「でしょ!?」

岡崎「で、お前の貯金で買えそうなものあったか?」

唯「お小遣い前借りして頑張って5万円で買えるのは……あぁ…あ~…あ~っ!」

岡崎「急に奇声を出すなよ。どうかしたか?」

唯「これ可愛いっ!私これにするよ朋也君!」

岡崎「え~っと、値段は……」

\250000

岡崎「2万5千円か、買えるな」

唯「朋也君!桁桁!」



168 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/04(金) 18:25:52.27 ID:N1CCc7S8O

岡崎「25万か……遠いな。俺には遠すぎる金額だ」

唯「高いねぇ……」

岡崎「他じゃ駄目なのか?」

唯「もうこの子に首ったけだよぉ……ギー太ぁ~」

岡崎「もう名前までつけてるし…。仕方ない、やるだけやってみよう!」

唯「おー!」

…………

店員「いらっしゃいませー」

唯「あ、あの…」モジモジ
店員「どうかしましたか?」

唯「あのギター…まけてくれませんか?」モジモジ

店員「そうですね。一緒に他の用品も買ってくださるなら少しは勉強しますよ」
唯「ほんと?5万円くらいで大丈夫ですか?」モジモジ
店員「帰ってください」

…………

岡崎「モジモジ作戦失敗か……」
唯「あれ効果あるのぉ?」
岡崎「その筋の人にはな。よし、次だ」



169 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/04(金) 18:29:26.57 ID:N1CCc7S8O

唯「このギター、売りなさい!」

店員「25万円になります」

唯「高いわ!まけなさい!」

店員「嫌です」

唯「この私が言ってるのよ?ま・け・な・さ・い」

店員「嫌です」

唯「キー腹立つ店員ねっ!もういいわ!」

…………

岡崎「ハ○ヒ作戦も失敗か……」

唯「誰なのそれ…」

岡崎「まだまだ!次だ!」



171 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/04(金) 18:35:40.41 ID:N1CCc7S8O

唯「このギター、売ってくれ」

店員「またあなたですか。25万円になります」

唯「高いな……まけてくれないか?」

店員「5万は無理ですよ?」

唯「む?心外だな。私がそんなに法外な値段までまけさせると思うのか?
  そんなことをすれば店員さんが困るのはわかっている」
店員「なら25万円になります。」

唯「手強いな、君は。これだけ言っても駄目かい?」
店員「駄目です」

…………

岡崎「素直クール作戦も失敗か……奴の弱点属性は何なんだ!」

唯「朋也君……ちょっと変だよ?」

岡崎「無属性……いや、ありえない!ならば最後はこの作戦しかない!行け!唯!」

唯「もぅ……」

…………

店員「今度は何ですか?」
唯「お兄ちゃん♪ これ5万円で売って♪」
店員「帰ってください」



172 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/04(金) 18:43:47.95 ID:N1CCc7S8O

帰り道─────

岡崎「なぁ唯~……あれじゃなきゃ駄目か?」

唯「うん……ギー太がいい」

岡崎「お前の家にもギー太いっぱいいるだろ。一人学校に連れてくるだけでいいんだ」

唯「駄目だよ、怒られちゃうよ」

岡崎「はあ……25万か……仕方ない。久しぶりに俺の出番か」

唯「危ないことしちゃやだよぉ?」

岡崎「大丈夫だ。合法で稼ぐ」

唯「何か悪いよぉ」

岡崎「でもギターは欲しいんだよな?」

唯「うん…」

岡崎「お前って本当頑固だよな~意外と」

唯「ごめんなさい↓↓」

岡崎「い~よ別に。」
唯の頭をくしゃりと撫でてやった。
さて、久しぶりにあいつにも動いてもらうか



173 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/04(金) 18:50:07.55 ID:N1CCc7S8O

次の日─────

岡崎「起きろ~春原!」

春原「んぁ………どうしたの岡崎?」

岡崎「喜べ!久しぶりに俺達の出番だ!」

春原「へ~……じゃあ頑張って……」

岡崎「お前も来るんだよ」

春原「僕はもういいよ……このままずっと影のままで」

岡崎「どうしたんだよ?らしくねぇぞ?」

春原「……実は…その、みんなに…さ」

岡崎「みんなに?」

春原「告白したら振られちゃって…顔を合わせずらいんだ」

岡崎「…………」

春原「そんな冷たい目で見ないでくださいよ!あんたはいいッスよねモテモテで!」

岡崎「で?何て言って振られたんだ?」

春原「えっと…」……



174 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/04(金) 18:56:43.40 ID:N1CCc7S8O

…………

春原「僕と付き合ってください!」

唯「ご、ごめんなさいっ…。気持ちは嬉しいけど…今は音楽に集中したいから」

…………

春原「僕と付き合ってください!」

澪「えぇっ、春原と?やだよ!」

春原「ですよね」

…………

春原「僕と付き合ってください!」

律「ごめんなぁ!私お前みたいなやつ大嫌いなんだ!
  目立てばいいと思って頭金髪にしてるやつとか吐き気がするよ!」
春原「酷いッスね!」

…………

春原「僕と付き合ってください!」

梓「……ごめんなさい。他に好きな人がいますから」

春原「も、もしかして……お、岡……」
梓「///」ポッ
春原「人生なんて大っ嫌いだー!!!」



175 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/04(金) 19:06:50.72 ID:N1CCc7S8O

岡崎「それはお前が悪いな」

春原「何でだよっ!」

岡崎「そんないきなり告られてOKするわけないだろう」

春原「………」

岡崎「ん?てか紬には告白しなかったのか?」

春原「うん……もう無駄かなって」

岡崎「バッカヤロウ!」

ガスッ

春原「うぐっ……何すんだよ岡崎!」

岡崎「お前それでも春原陽平か!?お前はいつからそんなネガティブな奴になったんだよ!?」

春原「……でも…」

岡崎「春原……琴吹は……お前のこと、待ってるぜ」

春原「そう……かなぁ…」
岡崎「あぁ!俺も協力するからさ!学校行こうぜ!」
春原「……うん!僕、行くよ!学校に!」

扱い易い奴で本当に助かるな春原は



180 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/04(金) 19:23:22.46 ID:N1CCc7S8O

放課後 体育館───

岡崎「春原、手筈通りにしたか?」

春原「抜かりないよ岡崎…いつもこの体育館を使う運動部は
   今日は大会の練習試合に出払っているからね。生徒会に嗅ぎ付けられる前に終わらそう」

律「な~にコソコソやってんだ!お前らさてはゲイだな!?」

澪「律、そんなストレートに…」

紬「不潔ね…」

唯「ゲイってなぁに?」

梓「男の子同士で…その……とても仲がいいことらしいです」

唯「仲良いと駄目なの??」

梓「いえ…あの…」

岡崎「律!勘違いするようなことを言うな!ただ俺は春原と打ち合わせをしていただけだ」

春原「そ、そうだよ紬ちゃん!不潔だなんて言わないでよ…」

紬「冗談ですよ♪」

春原「だ、だよねぇ~」



182 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/04(金) 19:32:20.92 ID:N1CCc7S8O

岡崎「今日は軽音部のライブにより多く来てもらう為に握手会をやろうと思う!」

澪「握手会?」

律「へ~岡崎にしては気が利いたことするな」

岡崎「まあな。そろそろ来るはずだが……」

生徒G「おっ、ここだここだ。お~い岡崎~春原~チラシ見たぜ~。」

生徒H「うぉっ…マジ可愛い」

生徒I「チラシには嘘偽りなかったでござるな」

春原「は~いじゃあこっちに並んで~順番にね~」

唯「な、何か凄いいっぱい人が来たね!」

紬「あらあら」

梓「男の人ばっかりですけど」

岡崎「いいからいいから!お前らは壇上に一列に並んで来た奴に握手していくだけでいいからさ」

5人は良くわからないながらも満更ではないと言った感じだ。

岡崎「春原、集金はあっちでやれよ!」

春原「了解っ」



183 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/04(金) 19:40:41.43 ID:N1CCc7S8O

唯「軽音部のライブ来てくださいね♪」

生徒G「行く行く!マジ応援するよ!」

澪「文化祭にライブするから来てね」

生徒H「まさかこんな可愛い子達が集まってる部活があるとは…」

律「ライブ来いよてめぇ!」

生徒I「も、もっと罵ってくだされ!律殿ぉぉぉ!」

そんな感じで握手会は続いていった。

岡崎「は~いお帰りはあちらになりま~す。もう一回手を握りたい人は並んでね~」

春原「一回500円で美少女5人と握手会だよ~安いよ~」

そう、俺達はそう書いた張り付けていたのだ。
前に集まった時撮った写真も張り付けていたので効果はテキメンだった。

岡崎「一人500円として……ここの学校の男子が300人か。
   全員とまではいかないがリピーターも含めれば10万はいくな…!」

これもギターの為だ、頑張れ軽音部



184 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/04(金) 19:48:34.12 ID:N1CCc7S8O

その頃──────

『放課後体育にて美少女5人と握手会!一人500円で可愛い子達と握手出来ます!体育館に急げ!』

和「何これ…」


……………………

春原「岡崎ぃ!そろそろ撤退した方が良くない?生徒会の奴ら嗅ぎ付けて来そうだよ!」

岡崎「まだ100人以上いるんだ!もうちょいで目標金額に達成する!
   それにこれで軽音部の知名度は学園でうなぎ登りだ!一石二鳥だ!」

春原「わかったよ!」

岡崎「そろそろあっちの様子も見に行かないとな」


岡崎「お~いどうだ~?」

唯「手が疲れたぁ…」

澪「私も……」

律「さっきから同じ奴が何回も来て罵ってください!罵ってください!
  って言ってくるんだ…さすがの私でもこれは病むよ」

梓「素直に応援してくれる方もいるんですけど……
  何かいやらしい手つきで握って来る人もいるのでちょっと困るです」

紬「もういいのじゃないんですか?」



185 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/04(金) 19:54:56.49 ID:N1CCc7S8O

岡崎「そうだな、確かにそろそろ潮時か。
   春原の奴にもう終わりって言って列止めてもらってくるわ。だから残り、頑張れよ!」

唯「わかったぁ…」
澪「うん……」
律「岡崎がそう言うなら……ってまた来た!」
梓「ライブいっぱい来てくれたらいいなぁ」
紬「終わったら美味しいお茶にしましょう」

…………

岡崎「さすがに酷使させすぎたか…お~い春原。もう終わ…」

和「ちょっと!これはどうゆうことなの!?
  体育館の無断使用!金銭の押収!こんなことしてただで済むと思ってるの!?」

春原「え~と、その……あっ岡崎!ヘルプミー!」

岡崎「あちゃぁ…タイミングが悪いな」



186 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/04(金) 20:05:27.68 ID:N1CCc7S8O

和「あなたがこの馬鹿げたことを起こした張本人!?
  今すぐお金を返してこの騒ぎを静めなさい!その後生徒会室に来てもらうわ!いいわね?」

岡崎「あぁ、わかったよ。」

春原「それでいいのか岡崎!?」

岡崎「あぁ」

バレてしまった以上泥は俺が被らないとな。軽音部の問題にまでなったら困る。

和「生徒会室で待ってるわ。必ず来なさい、いいわね?」

岡崎「わかった」

春原「せっかくこんなに稼いだのに…」

岡崎「まあ知名度を上げれたんだ、目標は果たしたさ」

…………

岡崎「俺はこれからちょっと生徒会室に行かなきゃならない。」
唯「何で?」

岡崎「体育館の無断使用と…後ちょっとな。まあ部室で待っていてくれ。すぐ行く」
律「岡崎……」
澪「私達の為に……」
梓「岡崎君っ…」
紬「岡崎さん…お気をつけて」

岡崎「(ぐっ……心苦しいな…)」



187 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/04(金) 20:12:52.71 ID:N1CCc7S8O

生徒会室─────

後のことは春原に任せ俺は生徒会室に来ていた。

岡崎「失礼します」

和「約束通り来たわね、岡崎朋也」

岡崎「二年のくせにタメ口かよ?」

和「たかが一年先に生まれたぐらいで偉そうにしないで。
  今はそんなことより言うことがあるでしょう?」

岡崎「くっ……体育館を無断に使ってすみませんでした」

和「あら?素直ね。噂じゃかなりの悪だって聞いてたんだけれど」

岡崎「期待に沿えなくて残念だな」

和「で?あんなことした理由は?」

岡崎「体育館でダンスパーティーをしようと思ってな」

和「まあ素敵ね。じゃあこれは何かしら」

手に持っているのは俺達の書いた張り紙だった。



188 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/04(金) 20:19:46.53 ID:N1CCc7S8O

春原のやつ回収しそこねやがって…!

岡崎「……あぁ、確かにこれは俺が書いたよ」

和「軽音部がどうとか言ってたけど…あなたもそうなの?」

岡崎「…………」

和「急に黙ってどうしたの?」

岡崎「黙秘権ってやつだ。人には聞かれても黙秘する権利があるからな」

和「そ、黙秘するならそれでもいいわ。その代わり軽音部はなくなるけどね。
  この事が先生達に広まれば間違いなく部の存続は無理ね。」

岡崎「なっ…待てよ!悪いのは俺だけだ!あいつらは関係ない!
   それにそのチラシには軽音部なんて書いてないだろ?」

和「……意外と抜け目ないわね」



189 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/04(金) 20:29:15.61 ID:N1CCc7S8O

岡崎「誘導尋問とは…さすが生徒会はやることが汚い」

和「汚くて結構。で?どうなの?あなたは軽音部員なの?そうじゃないの?」

ここで認めればあいつらまで咎められる…それは駄目だ。
いくら唯のギターを買うためとは言っても…正当化はされない。

岡崎「俺は、軽音部の部員じゃない。だから軽音部は関係ない」

和「そう……ならいいわ。あなた一人でやってもらいましょうか」

岡崎「何をだ?」

和「そうね、体育館裏に生い茂っている草抜きでもしてもらおうかしら」

岡崎「……そんなことでいいのか?」

和「そのセリフは見てから言いなさい。待ってるから、終わったら言いに来て」

岡崎「あぁ!」

和「……生徒会長を目指すなら生徒には寛大でないとね…」




190 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/04(金) 20:37:18.66 ID:1vyj2Dt0O

草むしりとかことみルートを思い出すな





191 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/04(金) 20:40:52.52 ID:N1CCc7S8O

軽音部 部室────

岡崎「ただいま。」

唯「お帰り!どう…だった?怒られたの?」

岡崎「まあな。で、ちょっとやらなきゃならないことが出来た。みんな先帰っててくれるか?」

律「何だよやらなきゃいけないことってさ」

岡崎「大したことじゃないさ。」

澪「私達も手伝おうか?」

梓「元後言えば私達のせいですし…ね」

紬「岡崎さんはただ私達のライブにいっぱい人が来て欲しいからってやってくれたことなのに…
  それで岡崎さんだけ罰を受けるなんて…」

岡崎「(……さすがにこのまま騙すのは気分が悪いな…)」

岡崎「実はな、あれ…金取ってたんだ」

唯律澪梓紬「!!?」

春原「あ~あ…言っちゃった」

岡崎「だから…さ。お前達が利用してた俺のこと手伝う必要なんてないんだ」



192 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/04(金) 20:47:58.90 ID:N1CCc7S8O

唯「何で……」

岡崎「ごめんな……」

春原「……」

律「こんな最低な奴だとは思わなかったよ。私達をダシに金取ってたなんて……」
澪「信じられない!最低だ朋也!」

梓「見損ないました」
紬「…………」

岡崎「安心してくれ。俺はもう軽音部の部員でもない。もうお前達に迷惑かけることもないから」

律「ふん!当然だよ!行こうぜみんな!」

そう言って部室を出ていく4人
唯「朋也君…本当…なの?」

岡崎「…金を取ったのは事実だ。」
春原「これが証拠。彼女達の活動資金に当ててくれって受け取らなかった奴の金がいくらかある」

唯「……」

それを見た唯は黙って部室を出ていった

春原「これでいいの?岡崎」
岡崎「あぁ……事実だからな。じゃあ草むしり行って来るわ」
春原「岡崎……」



194 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/04(金) 20:55:41.07 ID:N1CCc7S8O

体育館裏─────

往々に生い茂る草を見て、確信した

岡崎「今日は徹夜だな…」

文句を言っても仕方ないので軍手をつけ、
ただただバケツに引き抜いた草を入れる作業を繰り返した。
今の時点で午後6時、恐らく帰るのは夜の11時を回った頃だろう。
しかしそんな時間まであの生徒会の奴はいるのだろうか。

まあいい、あいつが朝来た時には
ここは丸坊主になってるだろうからわざわざ言いに行く必要はないか

岡崎「草……減らねぇな」

「お前って本当に不器用でバカだよな、岡崎」

岡崎「春原……」

春原「道具借りて来たから。これでちょっとは早くなるだろ?」

岡崎「わりぃな」

春原「気にするなよ。僕も手伝うからさっさと終わらそうぜ」

岡崎「あぁ!」



195 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/04(金) 21:02:14.21 ID:N1CCc7S8O

春原「なぁー岡崎ー」

岡崎「何だ?」

春原「何で唯ちゃんにギターの為の資金だって言わないんだ?
   あんな言い方したら唯ちゃんだって自分のギターの為にやったなんて気づかないだろ」

岡崎「それでいいんだよ。
   これは俺が勝手にやって見つかって、それで勝手に罰を受けてる。それでいいんだ」

春原「なんでそこまでするのさ?岡崎が唯ちゃんのこと気に入ってるのはわかるけどさー……
   さすがに限度ってあるじゃん。僕ならこんなことまでしないけどねー」

岡崎「何だろうな……ただあいつの笑った顔が見たかっただけなのかも知れないな」

春原「へっ……そりゃモテるわけだ。こんなにカッコいいんじゃ」

岡崎「何言ってんだよ。今日で見事に終わったろ」

春原「さて……それはどうかな?」

「朋也くーん……」

岡崎「唯の声…?」



197 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/04(金) 21:09:56.61 ID:N1CCc7S8O

岡崎「唯!?それにみんなまで……」

そこには体操服姿の5人がいた。手には鍬やシャベル等を持っている。

春原「お前らさ、まずは岡崎に謝ることがあるんじゃない?」

律「……」

岡崎「春原、いいんだ。自分の為ってのは間違いないんだから」

春原「まあ処遇は任せるよ。僕はあっちで草を狩るだけの機械になってるから」

岡崎「すまないな」

律「あの…さ、ごめんな…岡崎。まさか唯のギターの為に金集めてたなんて…」

岡崎「謝る必要はないさ。やってたことの事実は変わらない」

澪「変わるよ!だって…朋也は何も悪くない」

岡崎「いや、やった俺が悪いんだ。やるにしてもお前らに話しておくんだった」



201 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/04(金) 21:19:26.10 ID:N1CCc7S8O

梓「私……岡崎君に酷いこと言いました…。」

岡崎「中野が悪いんじゃないさ」

梓「でも、謝らせてください。ごめんなさい…」

紬「やっぱり…岡崎さんは不器用な方ですね」

岡崎「琴吹はわかってたんじゃないのか?あの時何も言わなかったし」

紬「確信はなかったけれど…あの後春原さんが追いかけて来て言ったんです。」

春原『今まで岡崎がやって来たことを思い出して見ろよ』

紬「って。それで皆さんやっぱり変だって思って生
  徒会室に行ったら岡崎さんがここにいるって聞いたので…」

岡崎「そうか……。黙ってて悪かったな。」

紬「私はいいんです。それより……」

唯「うっ……ヒッ…ク……」

岡崎「……泣くなよ、唯」



202 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/04(金) 21:23:34.28 ID:N1CCc7S8O

書いてて思ったけどさ
クラナドってそこで一番いいシーンが本当に使われてるよな

文化祭のシーンとか親父出す以外の選択肢が見つからねぇ

そんなことよりさっさと書け太郎と




203 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/04(金) 21:31:44.16 ID:1vyj2Dt0O

>>202
黙って書け太郎!!!!!!!!!!!!!!!!





204 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/04(金) 21:32:54.25 ID:N1CCc7S8O

唯「だっ……てぇ…………と゛も゛や゛く゛ん゛は私の゛為にしてぐれ゛たことな゛のに…」

岡崎「すげぇ鼻水出てんぞ。琴吹」

紬「はいティッシュ♪」

岡崎「ほ~ら勢いよくかめ」

唯「じゅるるるる」

律「……、行こうぜ澪」

澪「そだな、梓も」

梓「……はい」

紬「ふふ♪」

岡崎「ったく……」

唯「ごめんなさい……」

岡崎「いいんだよ。お前は謝らなくて。俺が勝手にやったことだから」

唯「違うの…私は……朋也君をちょっとでも疑っちゃったから…。
  昨日の話忘れて…朋也君は私達を騙したって…
  ちょっとでもそう思った自分が…許せなくて…」
岡崎「そうか……」

唯「だから…いっぱい……ごめんなさい言わないと……朋也君に嫌われちゃう…からぁ…」
岡崎「大丈夫だ…。そんなことで嫌いに何かならないさ。俺の方こそ黙っててごめんな…唯」



205 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/04(金) 21:40:03.50 ID:N1CCc7S8O

唯「もう絶対…何があっても…朋也君を疑ったりしないから」

岡崎「それはそれでどうかと思うけどな」

唯「朋也君……ごめんね……」ギュッ

岡崎「お、おい…。ったく……」ギュッ

その一部始終を見ていた人物が一人

和「軽音部……良い部活じゃない。これにて一件落着かしらね。
  体育館無断使用は大目に見てあげるわ、岡崎朋也君」



209 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/04(金) 21:47:53.00 ID:N1CCc7S8O

それからの話だが…。ギターのことをみんなに話すと、
実はあの楽器屋、KOTOBUKIは琴吹の系列会社であり琴吹本人が出向いた瞬間
モジモジキャラもツンデレキャラもクールキャラも妹キャラもせず、
労せず5万円までまけてくれたのだった。

ちなみに握手会で集まったお金は部費なり、
これから色々な物を買う為に役立ってもらう予定だ。
握手会に来てくれた人には感謝だな。

そんなこんなでギター騒動は幕を閉じ、
軽音部は9月にある文化祭のライブを目指して練習する毎日を贈っていた。

そんなある日のこと



210 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/04(金) 21:49:37.41 ID:N1CCc7S8O

ちなみにナレーターは、キョンじゃないぞぉ



211 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/04(金) 21:56:55.54 ID:N1CCc7S8O

季節は7月
もう夏休みにさしかかろうとしていた時だった。
俺は形式上軽音部か軽音部じゃないかわからない微妙な位置にいた。
それと言うのもあの生徒会の真鍋和が俺の処遇はどちらでもいい、何て言うからだ。

岡崎「まあどっちでもいいか…。
   楽器は弾けないしギターの騒動以来無茶やるのは禁止にされたしな…」

ガタガタ、ガタガタ

岡崎「ん?なんだ?」

調理室でやけに物音がする。

岡崎「昼休みでここで飯食ってる寂しい奴か…
   それとも家から持って来た食材をここで調理して作っているか…。
   どっちにしろ見過ごせないな。後者ならちょっとわけてもらおう」

ガラララ

岡崎「……ん?」

憂「……ん?」



212 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/04(金) 22:02:50.83 ID:N1CCc7S8O

憂「あのぉ……どちら様ですか?」

岡崎「えっと、三年D組の岡崎朋也だけど。あんたは?」

憂「1年A組の平沢憂です」

岡崎「平沢?もしかしてお前の姉ちゃんって…」

憂「もしかしてかはわからないですけど…平沢唯って言います」

岡崎「やっぱりか…。でも前に家に行った時は居なかったよな?」

憂「家に来たことあるんですか?お姉ちゃんと仲良しなんですね。
  これからもお姉ちゃんと仲良くしてあげてください」

岡崎「あ、あぁ」

憂「それじゃあ」タッタッタッ

岡崎「ちょっと待て」

憂「ひぃあん離してくださいっ。私は色々忙しいんですよぉ」



213 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/04(金) 22:07:12.66 ID:N1CCc7S8O

岡崎「こんな所で何やってんだ?」

憂「お姉ちゃんの好きなアイスクリーム作ってました」

岡崎「……(姉とは違う感じの天然だな…)で、それを唯に持ってくのか?」

憂「唯…だなんて……お姉ちゃんのボーイフレンドさんですか?」

岡崎「違う。友達だ」

憂「友達さんなんですか。
  これからも、お姉ちゃんと仲良くしてあげてください。それじゃあ」タッタッタッ

岡崎「待てって」

憂「ひぁっん!離してください!」

岡崎「疑似エンドレスエイト起こすつもりかお前は」



215 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/04(金) 22:14:49.04 ID:N1CCc7S8O

調理室───────

岡崎「で?何でこんな所にいたか説明してくれないか?
   ここは授業中以外に入って見つかったら怖いお姉ちゃんが来て草引きさせられちゃうんだぜ?」

憂「……お姉ちゃんに、お母さんに教わったミートパイを作って持って行ってあげたくて」

岡崎「さっきはアイスクリームって言ってたが……まあいいか。
   へ~姉想いなんだな。でも家でやればいいだろそんなの」

憂「…ビックリさせたくって」

岡崎「ふ~ん。手伝ってやりたいがもう昼休みが終わりそうだからな。
   放課後にここ使っていい許可もらって来るからさ。それで一緒に作って姉ちゃんに持ってくか!」

憂「いいんですか?!」

岡崎「あぁ。今放課後で俺がやることは演奏聴きながら菓子食うことぐらいだからな。
   たまには人の役に立つことをしたい」



217 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/04(金) 22:18:18.88 ID:N1CCc7S8O

憂「ありがとうございます。じゃあ放課後ここで待ち合わせと言うことで」

岡崎「あぁ。材料はあるんだよな?」

憂「……実は足りないものがあって…。」

岡崎「そうか。なら放課後終わったら買いに行ってここで調理するか」

憂「はい♪ さすがお姉ちゃんのボーイフレンドさんは優しいなぁ♪」

岡崎「違うって」

憂「うふふ。じゃあ約束ですからね」

岡崎「あぁ。わかった」



218 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/04(金) 22:24:35.85 ID:N1CCc7S8O

放課後 家庭科調理室───

岡崎「意外とあっさりOKくれるもんだな…」

あの和と言う生徒会の奴に調理室を使わしてくれと言うと、
少し睨み付けられた後、「いいわよ」と返事が返ってきたのだ。

岡崎「まあ調理室なんか放課後に誰も使わないか」

ガラララ

岡崎「平沢妹~いるか~。……あれ?いない……」

憂「ここにいますよ岡崎さん」

岡崎「ん?あぁ、悪い。小さいから見えなかった」

憂「お姉ちゃんとそんなに身長変わりませんよ私!
  それに平沢妹~なんて変な名前で呼ばれるのは心外です!ちゃんと憂って呼んでください!」

岡崎「……わかったよ、憂ちゃん」

憂「……まあ姉と一線を置く為にちゃんをつけることを許しましょう。では買い物に行きましょう」



219 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/04(金) 22:32:03.73 ID:N1CCc7S8O

街中───────

岡崎「しかし俺ミートパイなんて作り方全く知らないからな。
   買った材料を持つぐらいのことしか出来ないな。役に立たなくてすまん憂ちゃん」

憂「それで十分ですよ。後は私がやりますから」

岡崎「しっかしあいつにこんな良くできた妹がいるなんてな。唯
   なんてカップラーメンでも失敗しそうだもんな」

憂「カップ焼きそばの湯切りをし過ぎて流しにざば~なんて何回もありますよ~。
  でもまたそこが可愛いんですよねぇ///」ポッ

岡崎「そうかぁ?俺にはわからない思考だな」

憂「アハ~……」

岡崎「あの?憂ちゃん?」

憂「フフフ~……」

岡崎「どこか遠い世界に行ってしまわれたみたいだな…」

目指せ憂マスター!



221 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/04(金) 22:37:44.33 ID:N1CCc7S8O

岡崎「さて、どうしたものか」

とりあえず街中だからな。ベンチに座らせてと……。

岡崎「ネギでも握らしてみるか」

うむ、似合いそうだ。

岡崎「あのすいません。やっす~いボロボロのただ同然のネギあります?」

八百屋「あぁ、あるよ。兄ちゃん学生かい?」

岡崎「はい!」

八百屋「そうか、頑張れよ。こんなボロっちい八百屋に来てくれてありがとな。
    こいつはただにしとくよ。だからまた来てくれよ兄ちゃん。友達ぎょ~さん連れてな」

岡崎「わかりました!」

岡崎「よし、このネギを持たせてっと。起きろー」

憂「アハハ……」

岡崎「駄目か…。待てよ?確か唯の話してたらこうなったんだよな。じゃあ……唯が来たぞ~」

憂「………!」



222 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/04(金) 22:44:24.80 ID:N1CCc7S8O

憂「お姉ちゃん!?どこ!?何処!?
  あっ、私いつの間にかネギを!しかもボロボロ……けど……嫌いじゃないなこのネギ」

岡崎「(い、いかん……なんか病み付きになってしまいそうだな)


岡崎は憂の使い手(初級)になった!

憂「はっ!そんなことより岡崎さん!早く材料を」

岡崎「ああそうだったな」

…………

秋生「ん?ありゃ小僧じゃねぇか。ネギ持ってニヤニヤしてやがる……。お~い小僧!何やって」

その隣に、一瞬女の子の姿が見えた

秋生「憂……?何で…いや、なわけねぇか…。俺も疲れてんのかね……憂」



223 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/04(金) 22:52:31.07 ID:N1CCc7S8O

調理室──────

岡崎「さ~て材料も買ったことだし早速調理に取りかかってくれ。
   俺も微塵切りぐらいなら手伝えると思うから」

憂「じゃあその玉ねぎを剥いて微塵切りにしてください」

岡崎「はいよ」

黙々と作業をする二人

岡崎「なあ憂ちゃん。何でそんなに姉ちゃんのことが好きなんだ?」

憂「何でって言われると……たくさんありすぎて困るんですが……やっぱり一番は…可愛いとこかなぁ///」

岡崎「へぇ~どんなところが?」

憂「休みの日なんてずっとごろごろごろごろしてて……それが凄く可愛くて……ウフフフ///」

岡崎「憂ちゃ~ん」

憂「アハハハ……」

岡崎「よし、行ったか。ここで実験。本当に鼻に玉葱を突っ込んでいると目から涙が出ないのか!
   まずはこの微塵切りしかけの玉葱の乗ったまな板を憂ちゃんの前に置きます」



224 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/04(金) 23:01:27.67 ID:N1CCc7S8O

岡崎「次に、この細い玉葱を手に持たせ、鼻に突っ込んでもらいます。この状態でしばらく観察しましょう」

憂「ウ"フフ……」

鼻が片方塞がってるに無理矢理喋っているので苦しそうだ。

岡崎「反応なし、目に涙も溜まってないか……と言うことはあの裏技は本物か。
   そろそろ解放するか。お姉ちゃんが来たぞ~」

憂「……お姉ちゃん!どこ!?目がぁ、目がぁ……染みるよぉ……前が見えない……」

岡崎「憂、鼻に玉葱刺さってるぞ」

──岡崎は憂の使い手(中級者)になった──



225 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/04(金) 23:12:21.39 ID:N1CCc7S8O

憂「出来ました!」

岡崎「おぉ、出来たか。玉葱微塵切りする以外にやれることがなくてごめんな憂ちゃん」

憂「いいんです。これから岡崎さんには、一番大事なことをしてもらいますから」

岡崎「一番大事なこと…?」

憂「はい。このミートパイをお姉ちゃんに届けてください。お願いします」

岡崎「 ? 一緒に来るんだろ?なら憂ちゃんが渡してやりなよ。その方が唯も喜ぶ」

憂「一緒には行きます。ただ渡すとき………岡崎さん、お願いします。」

岡崎「……まあ一緒に来るんなら一緒か。わかった」

アツアツのミートパイに蓋をして持って行く。場所は勿論軽音部の部室だ。

岡崎「冷めない内に持っていかないとな」

旧校舎の三階、軽音部の部室はまだ明かりが灯っている。

コンコン

岡崎「開けてくれ~俺だ~」




226 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/04(金) 23:15:49.33 ID:Ja9bT0rEO

憂…





227 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/04(金) 23:19:16.54 ID:N1CCc7S8O

ガチャリ

唯「あっ、朋也君。いらっしゃい。あれ?その箱なぁに?」

岡崎「まあまあ…見てからのお楽しみだ」

部屋に入り真ん中のテーブルに箱を置く

律「ん?良い匂い…」

奥で演奏を合わせていた4人も匂いにつられて部屋の真ん中の机の椅子に腰を下ろす。

澪「朋也が作ったのか?」

岡崎「……ん?そうだっけ、まあいいや。みんなで食おうぜ」

紬「私お茶淹れて来ますね」

梓「手伝います」

律「しっかし岡崎にこんな特技があるなんてな~結婚した奴お得だな!」

岡崎「………俺が…作ったんだよな?」

澪「他に誰が作るんだよ?」

岡崎「………だよな」

唯「………ねぇ…朋也君。このミートパイ…誰に教わったの?」



230 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/04(金) 23:28:28.39 ID:N1CCc7S8O

岡崎「えっ」

唯「このミートパイはね…お母さんが私と…憂に…教えてくれたものなの。
  ほら…ここにまあるい穴があるでしょう?これはね…私がカスタネットが好きだからって…
  憂が…お母さんに言って……カスタネットをあしらって作ったものなの……」

律「どした…?唯」

澪「なら妹さんと一緒に朋也が作ったってこと?」

唯「うぅん…あり得ないよ…だって…だって憂は……!」

岡崎「………」

唯「去年交通事故で死んじゃったんだから…!」

俺は何故忘れていたのだろう。唯から憂ちゃんの名前を聞くまで…何故か思い出せなかった。
憂ちゃんは死んでいた、じゃあこのミートパイは……一体どこから来たのだろうか

俺はみんなの静止の呼びかけも無視して、調理室へ走った

彼女はさっきまで間違いなく俺の隣にいたのだ。湯気が舞うミートパイが、それを教えてくれていた



232 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/04(金) 23:37:46.31 ID:N1CCc7S8O

調理室─────

はあ…はあ…はあ…

岡崎「憂ちゃん!」

いない……やっぱり…幻だったのか?
いや、違う……
俺が一人であんな凄いミートパイを作れるわけがない!ってことはいたんだ!必ず!憂ちゃんは!

岡崎「ういぃぃぃいいい!」

……………そんな

憂「そんな大声で名前呼ばれたら……恥ずかしいです」

岡崎「憂……ちゃん」

憂「岡崎さんは私のこと死んだって知らなかったから……見えたんでしょうね。
  他のみんなは私が死んでるって知ってるから……見えなかったみたい。」

岡崎「憂ちゃん……」

憂「ありがとうございます、岡崎さん。
  あの時に渡せなかったミートパイ…渡すことが出来ました。美味しかったですか?」



233 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/04(金) 23:45:31.59 ID:N1CCc7S8O

岡崎「ごめんな…急いでここに来たから食べてないんだ」

憂「もぅ……岡崎さんったら」

岡崎「だからさ、一緒に食べようぜ。憂ちゃん」

憂「………無理ですよ」

岡崎「そんなことねぇよ!お前の姉ちゃんだって待ってるんだ!だから…だからさ…」

憂「岡崎って……本当に優しいですね。お姉ちゃんが好きになる気持ちもわかります…。」

憂が、どんどん霞んで行く

岡崎「憂ちゃん……どこ行くんだよ」

憂「岡崎さんも…私が死んだって知ってしまったから…私が見えなくなってるんですね。
  でも、大丈夫です。私はいつもお姉ちゃんや岡崎さんの側にいて、見守ってますから」

岡崎「待てよ…まだ話すこともいっぱいあるだろ?
   唯と…俺と……軽音部のみんなで……ミートパイ食べようぜ…なあ……憂…ちゃん…」

白くなって行く彼女との記憶、それでも俺は…彼女を忘れたくなかった。平沢唯の妹、平沢憂を……



234 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/04(金) 23:54:27.87 ID:N1CCc7S8O

……也君……朋也君……

岡崎!おい岡崎!起きろよ!

岡崎「ん…なんだ?」

律「なんだ?じゃねーよ全く。
  凄い顔して部室出ていったからみんな心配して探したんだぞ?でも何で調理室なんかに?」

岡崎「さあ…な。わからない」

律「まあいいや、澪達にも連絡してさっさと上に上がってミートパイ食べようぜ。
  冷めちゃ持ったいないからな」

岡崎「ミートパイ…」

唯「朋也君…もしかして……憂に…」

岡崎「唯……。憂ちゃんはな…死んだんだ」

唯「だよ…ね」

俺は何か手に持っていた。それはあの八百屋でもらったボロボロのネギだった。

岡崎「でもな、きっとどこかで見守ってくれてるさ」

そうだろ?憂ちゃん。

部室に戻ってみんなで食べたミートパイは、時間が経ったにも関わらず暖かかった。
まるで、憂ちゃんが温めてくれていたかのように──────




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唯「岡崎さん…私……」#中編
[ 2011/07/22 01:48 ] 非日常系 | CLANNAD | CM(1)

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