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唯「やや!」#後編 【非日常系】


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唯「やや!」#前編
唯「やや!」#後編






564 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/07(月) 17:55:15.27 ID:8cAFafUt0

私達が食事やお喋りを楽しんでいると、りっちゃんが急に真面目な顔になった。

律「…なぁ、梓のやついくらなんでも遅くないか?」

澪「確かに…、一体どこで何してるんだろうな?」

憂「心配です…」

みんなが心配するのは最もだろう。だってこんな大事な日にあずにゃんがなかなか来ないんだから。
でも、私はあずにゃんが何故遅れてくるのかを知っていた。

和「ねぇ唯、あんた何か知ってるんでしょ?」

唯「ん~、そろそろ来るはずなんだけど…」

それにしても少し遅いなぁ。ちょっと心配になってきた。
そう考えていると勢いよく入口のドアが開かれる。

ばたん!

梓「先輩!遅くなりました!」

唯「ほら来た!」



567 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/07(月) 18:06:43.65 ID:8cAFafUt0

律「梓!?お前ずいぶん遅かったなぁ」

澪「今まで何してたんだ?」

梓「まぁちょっと…それより先輩!早く準備しなきゃ!」

唯「そうだね!」

紬「それじゃ行きましょうか」

和「三人ともどこ行くの?」

憂「それに準備って?」

唯「すぐにわかるよ!呼んだら中庭に来てね!」



569 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/07(月) 18:21:35.19 ID:8cAFafUt0





梓「ムギ先輩、本当にいいんですか?」

紬「いいのよ、もし何かあったら斎藤が何とかしてくれるから」

斎藤「お任せ下さい。消火の準備は万全です」

唯「頼もしいなぁ~」

紬「それにしても…みんなの驚く顔が目に浮かぶわね♪」

梓「喜んでくれるといいんですけど…」

唯「大丈夫だよ!みんな喜んでくれるって!」

そうだよ、喜ぶに決まってる。
私の成長をみんなに見せてあげるんだ!



571 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/07(月) 18:33:35.86 ID:8cAFafUt0




梓「…よし、先輩!準備できましたよ!」

紬「こっちもできたわよ」

唯「こっちも大丈夫だよ!」

紬「それじゃ、みんなを呼んでくるから少し待っててね」

ムギちゃんが小走りで家の方へと走っていった。
みんながくるまでの間、私とあずにゃんの二人っきりか~

唯「…えへへ」

梓「…なに笑ってるんですか?」

唯「なんか、あずにゃんと二人っきりになるの久しぶりだね」

梓「確かにそうですね。あれから唯先輩はムギ先輩につきっきりでしたからね」

唯「もしかして寂しかった?…な~んてね♪」

梓「……」

唯「…あずにゃん?」



574 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/07(月) 18:46:35.49 ID:8cAFafUt0

梓「…先輩。先輩達は大学に入ってもお付き合いを続けるんですか?」

唯「もちろんだよ!」

梓「…そうですか」

唯「あずにゃん…どうしたの?」

あずにゃんはあの日の様にまた悲しい顔をしていた。
その顔は、いつかの私を思い出させるようで…私はあずにゃんから顔を背けた。
もうあんな苦しい思いはしたくないから。

梓「先輩…聞いてください」

唯「何…?」

あずにゃんがこちらにゆっくりと近づいてくる。
今にも泣いてしまいそうな顔で…

梓「…実は私は…先輩のことが…」



577 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/07(月) 18:55:49.34 ID:8cAFafUt0

周りがシーン…と静まり返る。
まるでここだけ時間が止まってしまったみたいに。

唯「私のことが…?」

梓「先輩のことが…」

次に続く言葉が何となくだけどわかる。
でも、それをあずにゃんの口から聞いてしまえば、私は全てが崩れてしまうような気がして…
もう元には戻れないような気がした。

梓「先輩のことが…!」

「すげー!!!なんじゃこりゃー!!!」

唯「…!」

梓「…!」

突如中庭に誰かの声が響く。
それと同時に私とあずにゃんの時間は再び動き出した。



585 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/07(月) 19:45:27.99 ID:8cAFafUt0

律「なんだよこのステージ!?ライヴでも始まるのか!?」

澪「誰のだよ…」

唯「わ、私達のだよ!ね、あずにゃん!」

梓「……」

唯「あ…」

あずにゃんは黙って俯いたままだった。
どうしよう…私の予想が本当なら…私は今まであずにゃんに酷いことを…

唯「……」

梓「…そうです!私と唯先輩のライヴステージへようこそ♪」

唯「あずにゃん…」



588 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/07(月) 19:51:29.11 ID:8cAFafUt0

梓「ごめんなさい唯先輩、さっきの話は忘れてください」

唯「でも…」

梓「いいですから。ほら、みんなに唯先輩の成長した姿を見せるんですよね?」

あずにゃんがにこりと笑ってこちらに手を差し出してきた。
その顔からはさっきの様子はうかがえなくて、あれは私の勘違いだったのかと思わせるほどだった。

唯「…そうだね!その為にムギちゃんにお願いしてステージを立ててもらったんだから!」

私はあずにゃんの手をぎゅっと握り返した。
その手は暖かくて、あの日二人で手を繋いで歩いたことを思いだした。

あの時のあずにゃんの手は、今日より冷たくなかった。



594 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/07(月) 20:24:49.64 ID:8cAFafUt0




梓『えっ!?今日の卒業パーティでライヴをやりたい!?』

唯『うん、びっくりサプライズだよ!花火をババーンと打ち上げてさ!』

梓『花火って…ムギ先輩の許可はもらったんですか?』

紬『うちはいいわよ♪びっくりサプライズなんて楽しそうですもの♪』

唯『だよねぇ♪ムギちゃん大好きー♪』ギュッ

紬『あらあら♪私も大好きよ♪』

梓『……どうしてこの事を私だけに話したんですか?』

唯『ん~?どうしてって…あずにゃんになら話しても先にいいかな?って思ったんだ』

梓『…どうしてですか?』



595 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/07(月) 20:41:20.69 ID:8cAFafUt0

唯『あずにゃんに隠し事はできないからね…
  ってただ私が誰かに話したくてしょうがなかっただけなんだけどさ』

梓『…そうですか、まぁ何とも唯先輩らしいですね』

唯『えへへ…照れるなぁ』

梓『ほめてないですよ…あと今日のライヴなんですけど、私も一緒にステージに立っていいですか?』

唯『あずにゃんも?別にいいけど…』

紬『…唯ちゃんはね、今日のライヴで成長した自分をみんなに見せたいんですって。だからここは…』

梓『私は唯先輩に聞いてるんです!お願いです先輩…私も一緒に演奏させてください!』

唯『…わかったよ。一緒にがんばろうあずにゃん!』

梓『! はい!』



598 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/07(月) 20:52:26.60 ID:8cAFafUt0




唯「みなさん!卒業おめでとうございます!
  今日のライブは私とムギちゃんとあずにゃんの三人で企画した、サプライズライヴです!」

律「へぇ…唯のやつ憎いことするじゃん」

澪「どうやらサプライズを用意したのは私達だけじゃなかったみたいだな」

律「だな…仲間を想う気持ちはみんな一緒か」

唯「えーそれじゃ、聞いてください!」

唯「翼をください!」

ジャーン!

あずにゃんと二人だけでギターを弾くなんてあの日以来だ。
あの日はあずにゃんの気持ちがわからなかったけど、今は何となくわかるよ。

…でも、ギターを通じてじゃないのが少し悔しい。



599 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/07(月) 21:03:38.20 ID:8cAFafUt0

ジャーン!

私達がギターを弾き終えると、後ろから大きな花火が打ちあがる。
みんなそれに驚いて目を丸くしていた。

律「すげー…」

澪「あぁ…最初の夏の合宿を思い出すな…」

紬「すごいわ…綺麗…」

和「唯ってこんなにギター上手だったっけ…?」

憂「お姉ちゃんも梓ちゃんも素敵…」

どうやら私のサプライズは大成功の様だ。
本当にやってよかった…。あずにゃんもそう思ってくれてるのかな?

唯「やったねあずにゃん!」

梓「……」

でも、あずにゃんはまた悲しい顔をしていた。



605 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/07(月) 21:22:35.38 ID:8cAFafUt0

ねぇ、お願いだよあずにゃん…そんな悲しい顔しないでよ…
そんな顔されたら…私は…

唯「あずにゃ…」

私があずにゃんに声をかけようとすると、
あずにゃんはステージから下りてそのままムギちゃんの元へ駆け寄った。

梓「……」ゴニョゴニョ

紬「……」

どうやらあずにゃんはムギちゃんに何かを伝えているらしい。
でも私にはその内容がわかる訳がなく…
私が黙って二人を見ていると、あずにゃんは私の視線に気が付いたようで
ちらっとこっちをみた後、ムギちゃんの手を引いて家の中へと戻ってしまった。



607 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/07(月) 21:27:06.23 ID:8cAFafUt0

憂「どうしたんだろう梓ちゃん?」

律「きっとトイレじゃねー?ムギの家広すぎるから場所がわかんなかったんだろー」

澪「だといいけど…」

和「なんだか思い詰めた顔をしてたような…」

唯「……」

律「おーい唯、いつまでもステージに立ってないで下りてこいよ」

唯「…え?あ、あぁ!今下りるよ!」

本当にりっちゃんの言う通りトイレならいいんだけど…

嫌な予感がおさまらない…



610 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/07(月) 21:40:49.31 ID:8cAFafUt0

律「それじゃそろそろ私達も…」

澪「え?ムギと梓はいいのか?」

律「いいって!後でちゃんと渡すからさ!」

和「あなた達も何かあるの?」

律「あぁ!私達のサプライズは…これだ!」

りっちゃんが手にぶら下げた紙袋から、人数分の本を取り出した。
それを次々と配っていく。私にも本が手渡され表紙を見てみると、そこには

和「なにこれ…?」

唯「…桜高軽音部卒業アルバム?」

りっちゃんの少し雑な字で、その本のタイトルが書いてあった。



614 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/07(月) 21:54:30.32 ID:8cAFafUt0

律「へへ…澪と私の二人で作ったんだ!」

澪「私は写真を撮るのが好きだからさ…今まで撮った思い出を何かにまとめられたらなぁ…って」

唯「へぇ~、ありがとう二人とも♪」

和「でも私までもらっちゃっていいのかしら?」

憂「私も…」

律「まぁもらってくれよ。二人の写真は一枚しかないけどさ!」

和「どれどれ…」パラパラ…

憂「…本当だ、卒業式の写真しかないや」

さわ子「…あれ?私の分は?」



618 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/07(月) 22:13:31.64 ID:8cAFafUt0

唯「ありがとう!一生大事にするね♪」

律「おう!あぁ、後唯は家に帰ってからそのアルバム見ろよ?」

唯「? どうして?」

澪「まぁいいから。さて、後はムギと梓だけだな」

律「二人はこれのこと知ってるから後で普通に渡せばいいだろ~?」

唯「え?どうしてあの二人は知ってるの?」

澪「…!この馬鹿律!まだ内緒だって言ったろ!」

律「ははっ!大丈夫だって!ちゃんとノリづけしたから、しばらく何のことかわからないよ」

澪「はぁ!?そんなことしたら見れないだろ!?」

律「ふふふ…それこそが私のサプライズ!忘れた頃に見つけたら感動もんだろ?」

澪「…もう呆れて言葉も出ない…」



621 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/07(月) 22:24:08.58 ID:8cAFafUt0

二人は何を隠してるのかな?
でも、今はそんなことよりあの二人の方が…

唯「そうだ!そのアルバム、私があずにゃんとムギちゃんに渡してくるよ!」

澪「え?そのうち戻ってくるだろ」

唯「いいから!渡してきてあげるって!」

澪「そ、そうか?ならお願いするよ」

唯「うん!まかせて!」

私は澪ちゃんからアルバムを半強制的に奪い取り、ムギちゃんの家へ走った。
二人は何をしているか、何を話しているか気になったから。

あの嫌な予感はまだおさまってくれない。



625 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/07(月) 22:34:19.21 ID:8cAFafUt0

ばたん!

唯「はぁ…はぁ…!」

私が勢いよく玄関のドアを開けると、中にドアを開く音が響く。
それ以外に全く音がしない。

「…、……」

…いや、微かに何か聞こえる。
これは…人の声?多分あの二人のどちらかの声だろう。

唯「……」

私は息を殺して声のする方へ進んだ。
何故殺す必要があるのだろう。私はあの二人の話を盗み聞きしようとでも思っているのだろうか?

徐々に徐々に進んでいくと、その声は泣き声に変わる。

唯「この泣き声は…あずにゃん?」

私は少しだけ足を速めた。
徐々にその泣き声は大きくなっていく。
そして…

唯「…ここから聞こえる」

私は声のもとまで辿り着いた。



637 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/07(月) 23:04:21.65 ID:8cAFafUt0

「…は…ギ先輩に…」

やっぱりここに二人はいる…でも、よく聞こえない。
私はドアにそっと耳を押しあてた。
仲間の内緒話に聞き耳を立てるなんて、私はなんて最低なんだろう。

それでも…今は好奇心の方が勝っていた。

梓「…私は最初、大好きな唯先輩が笑っていられるならそれでいいって思えていたんです」グスッ

紬「……」

梓「唯先輩のことだって諦めたつもりでいました…でも…」

梓「…やっぱり諦めきれませんでした」

紬「……」



644 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/07(月) 23:22:37.37 ID:8cAFafUt0

梓「最初は唯先輩の恋がうまくいくように応援してたんです…」

梓「私だけじゃないです…みんなでです…」

梓「…だから、唯先輩とムギ先輩が付き合った時、すごく嬉しかった…」

紬「……」

梓「…でも、それと同時に悲しかったんです」

梓「私は…心のどこかで唯先輩の恋なんて実らなきゃいいのに…って思ってたんですよ…」

梓「あはは…最低ですよね…唯先輩の恋を手伝ったのだって、
  もし振られたら優しくしてくれた私になびくかもって…」

梓「…そう思ってたんですよ」

紬「梓ちゃん…」



647 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/07(月) 23:32:40.66 ID:8cAFafUt0

梓「だから…私は二人が付き合ってからも応援した「ふり」をしてたんです」

梓「もし別れたら私にもチャンスが…なんて思ってたから…」

紬「…残念だけど、私は唯ちゃんと別れるつもりはないわ」

梓「…さっき唯先輩も同じことを言っていましたよ」

紬「唯ちゃんも…?なんだか嬉しいわ」

梓「やっぱり二人はお似合いですね…実は今日のライヴだって、
  唯先輩に最後のアピールをしようと思ったからなんです」

紬「アピール…?」

梓「はい…楽器にはその人の気持ちが宿ります。
  だから私はギターに唯先輩を好きだって気持ちをいっぱい詰めたんですよ」

紬「それで唯ちゃんは…?」

梓「…多分私の気持ちに気がついたと思います。
  それでも唯先輩はムギ先輩が好きなんですよ。だから…」

梓「…私は今日で本当に唯先輩のことを諦めることにします」



653 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/07(月) 23:42:32.07 ID:8cAFafUt0

唯「……」

あずにゃんはこんなにも私を想っていてくれたんだ…
それなのに私は…こんなにもあずにゃんを苦しめた…

もうこれ以上は聞いてはいけない。私はそう思ってそっとその場を去ろうとした。

…でも、聞いてしまう。一番聞きたくなかった言葉を。

紬「そう…ねぇ一つ教えて」

梓「はい、なんですか?」

紬「いつから唯ちゃんのことが…?」

梓「…初めて部室で抱きつかれた時からです」


唯「…え?」



657 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/07(月) 23:54:10.02 ID:8cAFafUt0

私の頭に今までの記憶が甦る。
今まで私はあずにゃんに何の躊躇いもなく抱きついたりしていた。
それは、私なりのスキンシップであって…何の考えもなく行っていたこと。

…でも、それのせいであずにゃんは私のことが好きになって、結果私はあずにゃんを苦しめた?
私の軽はずみな考えと行動のせいで…あずにゃんはこんなにも苦しんだのに…
なのに私はあずにゃんよりムギちゃんをとった。

あんなにあずにゃんからのアプローチがあったにも関わらず、
私は責任も取らずに自分のやりたいことだけをやって…
それをあずにゃんはずっと悲しい目をして見ていたんだ…どうして気が付かなかった…

…私は、最低だ。
こんな自分勝手な私にみんなを仲間だなんていう資格はない…

気が付けば私はムギちゃんの家を飛び出し、自分の部屋のベッドにもぐり泣いていた。



665 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/08(火) 00:04:09.57 ID:bc/6y8010

―数日後

プルルルルルr

「もしもし唯ちゃん、どうしたの?」

唯「あ…ごめんねムギちゃん、急に電話しちゃって…」

「いいわよ♪それでどうしたの?」

唯「…あのね、私達、もう別れよう」

「え…」

唯「…ごめんね突然」

「…どうして?」

唯「なんかもうね…疲れちゃった…」



669 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/08(火) 00:12:36.07 ID:bc/6y8010

「そんな…私の何がいけなかったの!?教えてよ…!ねぇ…!」

唯「ムギちゃんは悪くないよ…悪いのは自分勝手な私…」

「違う!唯ちゃんは自分勝手なんかじゃないから…!だからお願い…!考え直して…!」

唯「もう無理だよ…このままだとムギちゃんまで傷つけちゃう…」

「傷つける…?もしかして…私と梓ちゃんの話を…!」

唯「…そういうことだから、それじゃ…」

「あ…唯ちゃん待って!まだ話たいことが」

ブツッ 

唯「…ごめんねムギちゃん」

みんなであんなに努力して実らせた私達の恋。
それは、あまりにも呆気ない幕切れだった。



678 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/08(火) 00:26:41.16 ID:bc/6y8010

―それからさらに数日後


私は大学が始まるまでの間、誰とも会うことなく自宅に引きこもっていた。
その間もよくムギちゃんから電話が来ていたけど、私はそれを無視し続けていた。

それからムギちゃんだけではなく、みんなからもよく電話がかかってくるようになった。
私はみんなからの電話も無視し続け、気が付けば着信履歴は一日で50件を超える程だ。
もう放っておいてほしい…それがその時の私の本音だった。


そして、それからさらに数日後

唯「…はぁ」

私は部屋で一人ため息をついていた。
しばらく続くこの憂鬱感も、当分続くんだろう…

コンコン…

「…お姉ちゃん、起きてる?」

ドアの向こうで憂の声が聞こえる。
私は鬱陶しそうに返事をした。

唯「…起きてるよ」

「おいなんだよその声は!」



679 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/08(火) 00:36:21.69 ID:bc/6y8010

唯「えっ!?」

私は驚いてドアの方に注目した。
だって…この声は…

唯「…りっちゃん?」

「だけじゃないですよ、私もいます」

「私もだよ」

「まったく…こんな真昼間から部屋に引きこもってるなんて…」

次々と聞きなれた声が聞こえてくる。
もしかしてみんな、私が電話に出ないからってわざわざ会いに来たの?

唯「…みんな、何しに来たの?」

律「何しにって…唯に会いに来たんだよ」

梓「そうですよ、早くドアを開けてください」

がちゃがちゃ…とドアノブを捻る音が聞こえる。
普段私は部屋に鍵をかけることなんてないのだが、あの日以来部屋に鍵をかけるようにしている。
だれにも部屋に入ってきてほしくないから…憂にも…

唯「…帰ってよ」



688 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/08(火) 00:48:20.44 ID:bc/6y8010

澪「えっ?」

唯「お願いだから帰ってよ!」

私はドアに向かって叫んだ。
感極まって涙まで出てきてしまったが、ドアが開かない限りこの涙を隠すことはないだろう。

ドアの向こう側が静まり返り、部屋には私のすすり泣く声が響く。
今みんなはどんな表情でいるのだろう。きっと私に呆れているんだろうな。

律「…唯、泣いているのか?」

澪「なぁ唯、ここを開けてくれよ」

唯「…無理だよ…開けられないよぉ…ひっぐ…」ポロポロ

梓「みんな唯先輩のことを心配してますよ?」

唯「うぅ…」ポロポロ

それはわかっている。わかっているからこそこのドアは開けられない。
みんなの優しさが、今の私には辛すぎるから…



692 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/08(火) 00:55:59.75 ID:bc/6y8010

律「…無理に開けなくてもいい、だから聞いてくれ」

律「唯、お前ムギと別れたんだってな」

澪「お、おい!今ここで言うことじゃ…!」

和「いいから…ここは律にかけてみましょう」

律「唯、お前は本当に大馬鹿野郎だな」

唯「…!」

律「せっかく頑張って手に入れた幸せを自分から手放すなんて勿体ねぇ真似しやがって」

唯「……」

…返す言葉もない。
でもこれは仕方がないことだったんだよ…

律「おまけにそのショックで部屋に引きこもるなんて…自分で別れるって決めたんだろ?」

唯「……」



698 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/08(火) 01:08:45.20 ID:bc/6y8010

梓「り、律先輩!そのことに関しては私が悪かったんです!だから…」

律「梓は黙ってろよ。確かに間接的に梓は関わってるかもしれないけど、今悪いのは唯だよ」

梓「で、でも…!」

律「いいから、私は唯と話をしてるんだ」

律「…ムギから聞いたよ。梓が唯のことを好きだってこと聞いたんだってな」

唯「…聞いたよ」

律「だからムギと別れるって?馬鹿かお前」

唯「…!」

律「ムギの気持ちはどうすんだよ。
  お前は梓の気持ちに対する罪滅ぼしをしたつもりなのかも知れねえけど、ムギはどうすんだ?」

唯「……」

律「どうするか考えてなかったんだろ?自分のことで精一杯だったからさ」

唯「…うるさい」

知った様な口をきかないでよ…
こうするしか方法はなかったんだから…他にどんな方法があったって言うの?



703 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/08(火) 01:19:43.15 ID:bc/6y8010

律「なんだ?怒ったのか?お前みたいな馬鹿でも怒ることなんてあるんだな!」

唯「うるさい…!」

馬鹿にするのもいい加減にしろ…
ならりっちゃんにはどんな解決方法があったって言うの!?
なにもないくせに…偉そうなこと言わないでよ!

律「なんだ、聞こえねえぞ!もっと大きな声で喋ってみろよ!」

唯「うるさいっ!!!」

律「なんだよ、悔しいのか!?悔しかったらかかってこいよ!」

…ダメだ、ここでドアを開けてしまう訳にはいかない。
悔しいけど我慢だ…

唯「……」

律「…かかってこいよ!!!」



708 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/08(火) 01:29:03.35 ID:bc/6y8010

澪「律!少し落ち着け!」

律「澪は黙ってろよ!」

澪「ここに来た目的を忘れたのか!?唯に追い打ち掛けてどうすんだよ!?」

律「だってこいつは…!」

澪「いいから…落ち着いて話せよ。唯が心配なのは知ってるからさ…」

律「……わかった」

和「…ねぇ唯、あんたを一番心配してたのは律なのよ?だから許してあげて…」

唯「…うん、ごめん」

律「私もごめん…なぁ唯、やっぱりお前は馬鹿だよ」

律「お前は…この三年間何を見てきたんだよ」



711 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/08(火) 01:39:12.18 ID:bc/6y8010

唯「……」

その話は前に聞いた。
でもこればかりはみんなを信じてどうにかなることじゃない。
どうにもならないことだったんだよ…これが私なりのケジメの付け方なんだから…

律「…わからないならいい。後でもアルバムを見てくれ」

唯「アルバム…?」

律「あぁ、それを見ればみんなの気持ちがわかるさ」

唯「…わかった」

律「それじゃ私達、そろそろ帰るわ…
  あ、そうだ。ムギから伝言なんだけど、別れても私達は素敵な友達でいよう…だって」

唯「……」

律「…あと、怒鳴って悪かったな…それじゃ…」



717 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/08(火) 01:48:18.04 ID:bc/6y8010

りっちゃん達が帰った後、私はアルバムをぱらぱらとめくった。
そのアルバムの中の私達は、常に笑顔でとても楽しそうにしている。

唯「……」

それを見て初めて気が付いた。もうこの頃には戻れないと…
寂しくたって私にはみんなに会う資格なんかないんだと…

結果、このアルバムはりっちゃんの言葉の意味を教えてはくれなかった。
残ったのは酷い喪失感だけ。







唯「あ…あ…」ポロポロ

でも今は違う…りっちゃんの言っていた言葉の意味がようやく分かった。
この意味を知って、私の涙はとめどなく溢れ続けていた。

だって…最後のページのそこには



732 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/08(火) 02:09:34.76 ID:bc/6y8010

  唯への寄せ書き


このページは我が軽音部のエース、平沢唯の為に特別に設けたページである!

みんな、唯に対する日頃の思いをここに書き記せー!



色々あったけど、なんだかんだで楽しかったよ。

唯が入部してくれてなかったらこの部は廃部だったんだもんな。

ありがとう、唯。            秋山澪


初めて見たときからずっと好きでした。

でもこの恋は決して成就することなどないって思っていました。

だから今、私は唯ちゃんと付き合えてすごく幸せです!

大学に行っても仲良くしましょうね♪   琴吹紬


先輩と一緒に部活を続けられて、本当に楽しかったです。

また一緒に演奏しましょう!その日を楽しみにしています!    中野梓


もっとお菓子が食べたいので卒業しないで下さい         山中さわ子


高校生活もあっという間だったな。本当に楽しかったよ。

でもお前があの日入部しなかったら、私達はきっとここまで楽しむことはできなかったと思う。

だからこの場をかりて言わせてくれ。

唯、軽音部に入部してくれて本当にありがとう!         田井中律



何があっても私達は仲間だ!私達が一番輝いていた「この時代」を忘れないように!       軽音部一同



742 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/08(火) 02:22:32.74 ID:bc/6y8010

そうだ…私達は何があっても仲間なのに…
あの日りっちゃんはこの事を言いたかったんだ…
なのに私は…あの時すでにあの頃のことを忘れていたんだ…

唯「ごめんなさいみんな…ごめんなさい…!」ポロポロ

溢れる涙が止まらない…私はなんて取り返しのつかないことを…!

唯「また戻りたいよぉ…!あの時代に戻りたい…!」ポロポロ

私は震えるその手で携帯電話を掴む。
まだみんなの番号は残っていた。みんなとは二度と会うつもりなんて無かったのに…
私は消せないでいたんだ…

私はまずりっちゃんに電話をかけてみた。
携帯を持つ手に力が入る。

唯「…お願い…出て!」ポロポロ

がちゃ

「この番号は現在使われていないか…」

唯「え…?」

頭の中が真っ白になる。
それだけ大事なもの手放してしまったんだ。



754 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/08(火) 02:34:11.08 ID:bc/6y8010

「この番号は使われていないか…」

唯「そん…な…」

私は全員に電話をかけてみた。でも、結果は全員同じだった。
携帯を握る手に力がなくなり、それはするりと指の間を滑り落ちる。

唯「なん…で…どうして…?」

なんで?これは当然の報いだ。今まで仲間達を避け続けてきたんだから。
今更仲間面したってもう何もかもが遅すぎる。

唯「もうみんなには…会えないんだね…」

深い絶望が私の体を包む。
もうあの頃に二度と戻れないなら…

…生きてたってしょうがないよね。



768 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/08(火) 02:43:07.27 ID:bc/6y8010

私は台所に立ててある包丁を手に持った。

唯「…これで、私はあの頃に帰ることができるのかな?」

誰に聞いているんだろう。それに死んだってあの頃に戻れる訳じゃない。
…それでも、今よりはずっとましだよね。

唯「…さようならみんな…ばいばい、今の私…」

今までの記憶が一気に甦る。
楽しかったこと、悲しかったこと、がんばったこと…
そのどれもがあの時代のことばかり。

私は今からこの素敵な思い出の中に戻ることができるんだ。
楽しみだな…じゃぁ、今から行くね



もし私が生まれ変わっても、次は決してあの時代を忘れない。




773 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/08(火) 02:44:53.70 ID:KOQPuc7mO

いやあああああああああああああ



774 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/08(火) 02:45:24.95 ID:OUE59B2v0

うひょ大オオ大オオ大オオ大尾おお



776 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/08(火) 02:45:59.04 ID:GMpizJ1z0

うわあああああああ



777 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/08(火) 02:46:16.25 ID:j1PPD20uO

誰かああああああ





781 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/08(火) 02:47:39.38 ID:bc/6y8010

ジリリリリリリリ!

唯「…え?」

私が包丁を腹に突き刺そうとしたその時、勢いよく目覚ましー太が鳴った。
なぜ?どうしてこの時間に?

唯「…まぁ、今から死ぬ私には関係ないか」

ジリリリリリリリリリリ!

唯「……」

ジリリリリリリリリリリ!

唯「……」

ジリリリリリリリリリリ!

唯「あーもううるさいなぁ!」カチッ

プルルルルル  プルルルルルル

唯「…今度は電話?」




783 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/08(火) 02:48:59.12 ID:OUE59B2v0

でかした目覚ましー太ぁぁ嗚呼アアあああっ!!!!



784 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/08(火) 02:49:15.56 ID:h4a9ebUKO

うおおおおおおおおおおお



785 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/08(火) 02:50:21.14 ID:GMpizJ1z0

よくやった、目覚まし-太



786 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/08(火) 02:50:33.73 ID:1sBo8kHoO

GJだ



787 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/08(火) 02:51:19.80 ID:iFeF1ZO/0

まさかの目覚ましー太だった



788 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/08(火) 02:51:43.14 ID:NbcbT1rtO

目覚ましー太
やるじゃん





791 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/08(火) 02:54:53.26 ID:bc/6y8010

一体誰だろう?
これから私は死のうと思ってるのに…

唯「はいもしもし平沢です!」

「あ、お姉ちゃん!」

唯「…憂?どうしたの?」

「お姉ちゃん次いつ休み?」

唯「土日だけど…どうして?」

「そう!なら土日は必ず帰ってきてね!」

唯「え?どうして?」

「いいから!それじゃみんなで待ってるからね!」

がちゃっ

唯「あ…ちょっと憂!…切れちゃった」

なんだろう、随分急だなぁ…それにみんなって…
…みんな?

唯「みんなって…まさか!」

今の私になら憂の言う「みんな」が誰なのか分かる様な気がした。



799 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/08(火) 03:00:38.96 ID:bc/6y8010

―土曜日


唯「う…ん…」

唯「ふわあああ、まだつかないのかな」

ガタンゴトン…ガタンゴトン…

私は外の風景に目をやった。
昔懐かしい景色、ここらはあの頃から何も変わってないなぁ
まるであの頃に戻ってきたみたい。えへへ…変なの、いつも来る時はこんなこと考えないのに。

ガタンゴトン…ガタンゴトン…

唯「……」

ガタンゴトン…ガタンゴトン…

唯「………」

ガタンゴトン…ガタンゴトン…

唯「……zzz」



803 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/08(火) 03:14:04.01 ID:bc/6y8010

唯「よーし、ついた」

私は荷物を持って電車から降りる。
すると下りた途端、懐かしい風が私の髪を優しくなでた。

私の心は今までと違う、まるで積荷を下ろしたみたいに軽い。
その軽くなった心を風がすりぬけていく。
こんな感じは久しぶりだ。

唯「…なんだかあの頃に戻ったみたい」

何も考えてなくて、心がいつも穏やかだったあの頃に。
…でも、そう思うだけで戻れた訳じゃないんだ。
もうあの頃には戻れない、だから私はせめて…

「唯ー!!!」

「お姉ちゃんこっちー!!!」

「せんぱーい!!!」

「唯ちゃん♪」

唯「あ、みんなー!!!」


もう二度と、あの時代を忘れない。


唯「やや!」      ~おしまい~




804 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/08(火) 03:14:45.93 ID:16C8qPDDP


やっと寝れる



805 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/08(火) 03:15:10.50 ID:1sBo8kHoO

乙!



806 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/08(火) 03:15:27.18 ID:GMpizJ1z0

乙!



807 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/08(火) 03:15:43.21 ID:iFeF1ZO/0





808 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/08(火) 03:15:52.11 ID:J6hfuG/nO

おt…ちょっと待て、澪か律のどっちかいなくないかw



810 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/08(火) 03:16:41.69 ID:j1PPD20uO

>>1乙。これで心置きなく眠れるぜ



811 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/08(火) 03:16:55.88 ID:OG0zkF4VO


お疲れ



812 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/08(火) 03:16:57.19 ID:4Jq+Mab7O

乙でした



813 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/08(火) 03:17:48.19 ID:KOQPuc7mO

乙だった!

和とは何だったのか



814 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/08(火) 03:18:11.92 ID:71se2kKD0


最後はなんかジーンときた



815 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/08(火) 03:18:45.79 ID:uzZSFd5K0

長かったが綺麗に終わったな




816 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/08(火) 03:20:10.60 ID:uzZSFd5K0

最後にスレタイの意味がわかった



817 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/08(火) 03:20:18.85 ID:sTWf/kTZ0

おっおっ乙乙



818 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/08(火) 03:20:33.47 ID:NWMY1YDS0

やや?



819 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/08(火) 03:20:44.81 ID:5GzzCmjz0

ややって何?



820 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/08(火) 03:20:55.30 ID:NbcbT1rtO

>>1
超絶に乙うううう



823 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/08(火) 03:21:40.29 ID:WwjTTbSr0

サザンの曲だな




825 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/08(火) 03:22:07.69 ID:HUcRMGky0

やっとねれる





826 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/08(火) 03:22:48.82 ID:bc/6y8010

―エピローグ

唯「みんな久しぶりだね~!」

律「だな!お前携帯の番号変えたのなんで教えないんだよ!」

唯「え?そうだったっけ?」

梓「そうですよ!だから私達も番号が変わったの教えられなかったじゃないですか!」

唯「あはは…ごめん」

本当はみんなと連絡を取りたくなくてこっそり変えたんだけど…
まさかそのことが裏目に出るなんて…自分でも教えてないこと忘れてたし…

紬「まったく…唯ちゃんは変わらないわね…」

唯「あはは…みんなも相変らずだね!」

本当にみんな変わらないや…
ちょっと小じわが見えたりもするけれど、まぁそれはお互い様だよね。
本当にあの日からみんな変わらないなぁ…。…あれ?みんな…?

唯「…誰か足りなくない?」

律「あぁ、和と澪なら少し遅れるってさ」

そうだあの二人だ!なんで忘れてたんだ私の馬鹿!



837 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/08(火) 03:28:05.85 ID:bc/6y8010

憂「それじゃみなさん、家に移動しましょう」

律「そうだな!それじゃみんな、私のマイカーに乗り込め!」

りっちゃんがカギを指の先でくるくると回す。
…え?もしかしてりっちゃんが運転するの?

律「なんだよ唯、その顔は?」

唯「…もしかして、運転手って…」

律「私だよん☆」

唯「うわぁ…」

すごく…不安です。



843 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/08(火) 03:36:54.97 ID:bc/6y8010

―そして平沢家

律「とうちゃーく!」

唯「おえぇ…吐きそう…」

梓「律先輩の運転は…粗すぎます…」

律「はははっ!あぁそうだ、
  私達このまま買い出し行ってくるから唯と憂ちゃんの二人は準備頼むよ!」

憂「分かりました」

梓「えぇ…私達も行くんですか…?」

律「おう!それじゃしゅっぱーつ!」

梓「ぎゃあああああああ!!!」

ブロロロロロロロ…

唯「…いっちゃったね」

憂「うん、私達も準備しよっか」



845 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/08(火) 03:45:04.75 ID:bc/6y8010

がちゃっ

唯「ただいまぁー」

玄関のドアを開けると、とても懐かしいにおいがした。
なんでだろう。毎年帰ってきてるのに何年も帰ってなかったみたい。

唯「…この家も変わらないね」

憂「…そうだね。でも、お姉ちゃんはなんだか変わっちゃったね」

唯「そう…だね…」

憂「前に帰ってきた時はすごくつまらなそうな顔してたけど、今日はなんだか違う」

憂「お姉ちゃんはいい意味でまた変わったよ」ニコッ

唯「憂…ありがとう」

いつまでも変わらないものがそこにある。
それはとてもいいことなんだなぁ…って思った。



848 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/08(火) 03:54:53.36 ID:bc/6y8010

唯「ねぇ憂、どうして急にみんな集まったの?」

憂「急にじゃないよ。お姉ちゃんが知らないだけでみなさんよく家に来てたんだ」

唯「えっ?なんで?」

憂「みんな寂しかったんだよ、集まる場所がほしかったんだと思う」

唯「そうなんだ…」

私がいない間にこの家は集会所と化してたのか…
私がいないところでみんなが集まってるのを想像すると…

唯「…少しさびしいなぁ」

憂「それはみなさんも一緒だよ、
  やっぱりお姉ちゃんがいないから、いつもみんなどことなく寂しそうだったもん」

唯「…そうなの?」

憂「うん、特に律さんなんてお酒が入ると唯はどこだー!唯ー!なんて大声でよく言うし」

唯「なんだかその姿が目に浮かぶよ…」



851 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/08(火) 04:00:48.42 ID:bc/6y8010

唯「それじゃ…そろそろ準備しようか」

憂「あ、お姉ちゃんは座ってて」

唯「でも、私も何か手伝いたいな」

憂「大丈夫だよ、食器を出すだけだから私一人で十分」

唯「え?だってりっちゃんは二人で準備しろって言ってたから、結構やることがあるのかと」

憂「ないよ、きっと律さんは気を使ってくれたんだよ。私達二人が久しぶりにゆっくり話せるように」

唯「りっちゃん…」

りっちゃんも変わらないなぁ…
そういうさり気ない気使いができるところは、あの頃のままだ。



853 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/08(火) 04:06:18.67 ID:bc/6y8010

―そして夜

がちゃっ

律「たっだいまー!」

紬「今帰りましたー♪」

梓「はぁ…はぁ…吐きそう…」

憂「お帰りなさーい、お買いものご苦労様です」

唯「そういえば今晩の御馳走は?」

律「ふふーん!唯の為に奮発したんだぞー!じゃーん!」

唯「おぉ…!これは…!」

紬「唯ちゃんの好きなマシュマロ鍋よ♪」

唯「…おいしそう」ジュルリ



858 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/08(火) 04:12:54.36 ID:bc/6y8010





律「澪と和のやつまだこれないってさ、先に始めようぜ」

憂「そうですね、それじゃ今お酒持ってきますね」

律「いよーまってましたー!じゃんじゃん持ってきてねー!」

梓「まったく律先輩は…いつもそれですね…」

紬「そういえば唯ちゃんはお酒飲むの?」

唯「うーん、まぁたしなむ程度にかなぁ?あずにゃんとムギちゃんは?」

梓「まぁ私もたしなむ程度ですね…」

紬「私はお酒、結構自信あるわよ」

唯「えぇ!?なんか以外…」



859 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/08(火) 04:16:45.82 ID:bc/6y8010

憂「みなさんお待たせしましたー」

律「よし!酒も来たことだしそろそろ…」

律「かんぱーい!!!」

一同「かんぱーい!!!」

律「ゴクゴク…ぷはぁ!この一杯の為に生きてるんだよなぁ!」

唯「あはは♪りっちゃんオヤジ臭ーい!」

こんなどうでもいいことが今はこんなにも楽しいなんて
やっぱり仲間は素晴らしいな。あっちではこんな気持ち、絶対味わえないもん。



861 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/08(火) 04:23:37.48 ID:bc/6y8010

…でも、酔っ払いはどこでも同じだってことはわかる。

律「おーいゆいー!のんでるかぁー!?ひっく!」

唯「の、飲んでるよ。りっちゃんもう酔っぱらっちゃったの?」

梓「律先輩はいつもこうですよ…」

紬「ペースが速すぎるのよね…もっと考えて飲まなくちゃ…」

律「なんらぁー?なんのはなししってんらよぉー?」

梓「なんでもないですよ!お酒臭いので近寄らないで下さい!」

律「なんらよまったく…ひっく!」

律「……」

唯「…りっちゃん?どうしたの…?」

律「ゆいー!ゆいはどこだー!?ゆいー!!!」

梓「始まった…」



866 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/08(火) 04:32:11.35 ID:bc/6y8010

唯「これがさっき憂がいってた…」

憂「うん…ちょっとうるさいよね…」

梓「これはもう騒音レベルだよ…」

律「ゆいー!!!どこいったんだよー!!!」

…確かに、これは騒音レベルだ。
大体私は目の前にいるじゃん…

律「ゆい…うぅ…」グスッ

唯「え…?今度は何…?」

梓「見ててください…泣きますから」

律「うわあああん!!!ゆいどこにいっちゃったんだよぅ…!さびしいよぉ…!」ポロポロ

唯「りっちゃん…」

梓「…唯先輩がいなくなって一番寂しいのは律先輩なんですよ。
  私達の中で一番意地っ張りのくせに一番寂しがり屋ですからね…」

紬「普段は唯ちゃんがいなくなって寂しいなんて一言も言わないの…」



870 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/08(火) 04:43:46.70 ID:bc/6y8010

唯「りっちゃん…私はここにいるよ…」

私はりっちゃんの正面に座りこんだ。
りっちゃんはあの日から時間が止まったままなんだ。
…なら、私が何とかしてあげなくちゃ!

律「ゆいー!!!どなってごめんよぉ!!!
  だからかえってきてよー!!!うわあああああん!!!」ポロポロ

唯「…!」

…そうか、あの日のことをまだ気にしてるんだ。
普通は大切な仲間に怒鳴ったりなんかしたくないよね…
それなのに…りっちゃんは私の為だけを想ってあの日叱ってくれたんだ。

唯「ごめんねりっちゃん…ごめん…!」

私はりっちゃんを優しく包み込むように抱きしめた。
酒臭くたってかまわない。私はあの日のりっちゃんの言葉の意味がようやく分かったんだよ。

律「ゆいー!!!どこにもいかないでー!!!」ポロポロ

唯「どこにも行かないよ…だって、私達はいつだって仲間なんだから…」



874 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/08(火) 04:49:51.37 ID:bc/6y8010

律「…!」

りっちゃんの体がぴたりと止まった。
そして虚ろな眼で私をじっと見つめる。

律「…そう、か。あの日の言葉の意味が…ようやく分かったんだな…」

唯「うん、少し時間がかかっちゃったけどね…」

律「へへ…いいんだよ…私はその一言を…ずっと待ってたんだから…」

律「…お帰り、唯」

唯「…!」

心の中に何か熱いものが込み上げてくる。
そしてそれは私の眼から溢れ出た。

唯「…うん、ただいま…りっちゃん…!」ポロポロ



878 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/08(火) 04:57:38.73 ID:bc/6y8010

律「えへへ…唯は相変らず泣き虫だなぁ…」

唯「りっちゃんだってさっきまでずっと泣いてたじゃん…」グスッ

律「そうだっけ…?」

唯「えへへ…そうだよ」

私達は抱き合ったままお互いの顔を見つめた。
その顔は涙でボロボロで、でも二人ともあの頃に戻った様な笑顔をしていた。

律「…うっ!」

でも、突然りっちゃんの顔が青ざめた。
これは…もしかすると…

梓「あぶないせんぱーい!逃げてー!」

憂「おねえちゃーん!」

あぁ、間違いない、これは…

律「おええええええええええ!!!」びちゃびちゃ

唯「……」

紬「…遅かった」




879 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/08(火) 04:58:46.63 ID:c0s5BtF20

感動がwww



880 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/08(火) 05:00:25.79 ID:KOQPuc7mO

台無しww





882 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/08(火) 05:05:03.82 ID:bc/6y8010




唯「ふぅ…極楽極楽…」

りっちゃんの汚物まみれになった私は、お風呂に入って汚れを落としていた。
お酒をあまり飲んでいなくて正解だったと思う。

唯「…あー、生き返るなぁ」

梓「先輩、湯加減どうですか?」

突如脱衣所からあずにゃんの声が聞こえた。
…ちょっとからかってやろうかな?

唯「ちょうどいいよぉー、あずにゃんも一緒に入る?」

梓「そうですね、では失礼します」

がらっ

唯「…え?えぇ!?」

梓「? 何をそんなに驚いているんですか?」

唯「い、いやだってまさか本当に一緒に入るなんて…!」



885 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/08(火) 05:11:14.84 ID:bc/6y8010

梓「何言ってるんですか。ほら、私も湯船につかるので詰めてください」

唯「は…はい…」

梓「…ふぅ、生き返りますね…」

唯「……」

梓「……」

…気まずい。あずにゃんと二人っきりだと、どうしてもあの日のことを意識してしまう。

唯「……」

梓「…先輩、あの日のこと、謝らせてください」

唯「え…?」

あの日って…
どうやらあずにゃんも同じことを考えていたみたい。



887 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/08(火) 05:23:38.39 ID:bc/6y8010

梓「元々の原因は全て私です…私があの日、唯先輩にアピールなんかしたりするから…」

唯「……」

梓「私が余計な事をしたから…二人は別れてしまったんですよね…」

梓「…本当に、ごめんなさい!」

唯「…違うよ、あずにゃんは悪くないよ。本当に悪いのは私の方」

梓「え…?」

唯「…私はね、別れた理由を他人のせいにしたかっただけなんだ。
  これがあずにゃんに対する罪滅ぼしだって…」

梓「……」

唯「でもそんなのただのいい訳。私はあの日逃げたんだよ、自分の気持ちと仲間の気持ちから」

今になって分かったことだけどね…
それを気づかせてくれたのは仲間たちだ。



890 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/08(火) 05:31:48.54 ID:bc/6y8010

唯「だから気にしないで、ね?あずにゃんは何も悪くないんだから」

梓「で、でも…」

唯「それと、私は代わりにあずにゃんにお礼を言いたいな」

梓「お礼…ですか?」

唯「そう、私達は結果的に別れちゃったけど、
  それでも付き合うきっかけを作ってくれたのはあずにゃんだもん。だから…」

唯「ありがとう、あずにゃん」

前に写真にしか言えなかった事を本人に直接伝えることができた。
いつかまた…なんて遠い日のことの様に言っていたけど、伝えようと思えばいつでも伝えられるんだ。



894 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/08(火) 05:39:20.37 ID:bc/6y8010

唯「ふぅ~、さっぱりした~!」

梓「憂、お風呂ありがとう」

憂「いいよ♪それにしても二人とも随分長かったね」

唯「まぁね♪積もる話もあったしさ…ねぇあずにゃん」

梓「はい!」

憂「? なんだか梓ちゃんまで元気になったね」

「まったくだな、唯は落ち込んでるって聞いたんだが…」

「…なんだかいつも通りね」

唯「あ、澪ちゃん!和ちゃん!久しぶり~♪」

澪「あぁ、久しぶり。元気だったか?」

和「ごめんね、少し遅れちゃった」



899 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/08(火) 05:48:27.37 ID:bc/6y8010

二人とも全然変わってないや。
それに澪ちゃん、すごく綺麗だなぁ。大人の女性って感じ。

澪「? なんだよそんなにじろじろ見て、そんなに私が珍しいか?」

唯「いやー、澪ちゃんは綺麗だなぁって思ってさ♪」

澪「なっ!?あんまりからかうなよ!///」

唯「顔真っ赤にしちゃって、可愛いなぁ~♪」

澪「う、うるさい!///」

澪ちゃんは中身まで変わってないや。
きっと怖い話も未だに苦手なんだろうなぁ。

和「まったく…唯は本当に変わらないね」

唯「和ちゃんだって!」

和ちゃんも本当に変わってない。
変わったところがあるとすれば、それは眼鏡のフレームが赤から黒に変わったくらいだ。



902 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/08(火) 05:58:23.95 ID:bc/6y8010

澪「まぁゆっくり話したいところなんだけど、その前に…」チラッ

律「ぐおー…ぐおー…zzzz」

澪「こいつをどうにかしなきゃな。憂ちゃん、いつもの部屋借りていいか?」

憂「どうぞ、布団はもう敷いてありますので」

澪「そうか、いつもすまないな。それじゃ和、運ぶの手伝ってくれ」

和「はぁ…わかったわ」

澪ちゃんはりっちゃんの腕、和ちゃんは足を持ち上げて、
まるで荷物を扱う様にりっちゃんを運んで行った。

どかん!

途中りっちゃんを壁にぶつける。それでもりっちゃんが起きる様子はなかった。
…あの二人は本当にりっちゃんを人だと思っているのかな?

憂「それじゃ私はお片付けしてくるね、お姉ちゃんとムギさんはゆっくりしててね」

唯「あ、わかったよ」

紬「ありがとう憂ちゃん」

…しまった!また二人っきりだ!これはあずにゃんの時よりも気まずい…




903 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/08(火) 06:00:52.76 ID:sTWf/kTZ0

このメンツで唯がいないとき「唯はどうしてるんだろうな」とか話しながら飲んでるの想像して感慨深くなった



906 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/08(火) 06:09:05.76 ID:lGKWh+UR0

あずにゃんは憂といっしょに片づけをしてるってことで良いかね?





907 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/08(火) 06:12:36.20 ID:bc/6y8010

>>906
そうです。そう書くの忘れました
てかあずにゃんを忘れてました



904 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/08(火) 06:05:09.34 ID:bc/6y8010

唯「……」

紬「……」

思った通り、私達二人の間に沈黙が流れる。
あぁ…気まずい…!…でも、ここは私から話しかけなくちゃ…
だって、あの日のことをまだ謝ってないんだから。ケジメくらいはちゃんとつけなくちゃ。

唯「…ねぇムギちゃん、その…ごめんなさい!」

紬「え…?なにが?」

唯「私が一方的に別れようっていったことだよ…」

紬「あぁ…いいのよ。全然気にしてないから」

唯「…本当に?」

紬「嘘よ♪すごい気にしてるわ」



907 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/08(火) 06:12:36.20 ID:bc/6y8010


唯「ガーン!やっぱり…」

紬「最初は…私の話も聞かないで、
  一方的に別れを切り出してきて一体何様のつもり!?…なんて思っていたわ♪」

紬「こんなにも私は愛してるのに!唯ちゃんは自分のことばかり考えて…
  次に会ったら必ず復讐してやる!…なんてことも考えたわねぇ♪」

唯「あはは…それは流石に嘘だよねぇ?」

紬「うふふ♪当たり前じゃない♪」

唯「だよねぇ!あはは…」

…嘘だ、眼が笑ってない。



911 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/08(火) 06:25:24.70 ID:bc/6y8010

紬「…まぁ冗談はさておき、私は本当に悲しかったのよ?
  せっかく両想いになれたのに、まさかこんな形で別れることになるなんて…てね」

唯「……」

紬「そして二人だけの思い出を良く思い出しては…泣いてばかりいたわ。
  あの頃の私は本当に純粋だったのね」

唯「…本当にごめんなさい」

こんな言葉じゃ足りないくらい、私はムギちゃんを傷つけた。
でも、これ以外の言葉が今は見付からない。

紬「いいのよ、昔の話だもの…気にしないで」

唯「でも…」

ムギちゃんはそういうけど…やっぱり私は気にするよ。
この罪を忘れて生きていくことなんて、今の私にはできない。

唯「……」

紬「…ふぅ、なら一つ条件があるわ。これで私に勝てたら許してあげる」

ムギちゃんがすっと指をさす。
その指の先には…

唯「…え?お酒?」

紬「そう♪私と飲み比べしましょう♪」



917 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/08(火) 06:35:40.74 ID:bc/6y8010

唯「で、でも私はお酒強くないし…!」

紬「あら?ならこの勝負から唯ちゃんは逃げるの?言っておくけど…」

ムギちゃんの顔が私に迫ってくる。
そして耳元でボソッと…

紬「唯ちゃんが勝つまで、私は唯ちゃんを許さない…」

唯「…!」

ゾクゾクッと背筋に悪寒が走る。
このムギちゃんはムギちゃんじゃない…!
私の第六感がそう告げていた。

紬「クスクス…唯ちゃんはやっぱり可愛いわねぇ♪食べちゃいたいわ…♪」

唯「……」

私は心底驚いていた。
これが私の愛したあの「ムギちゃん」なのかと…
もしこの人が本当にそうなら…時の流れはなんて残酷なんだろう。



923 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/08(火) 06:49:25.04 ID:bc/6y8010

紬「…どうするの?私と勝負するの?しないの?」

唯「…は!?」

私はムギちゃんの声でハッと我に返った。
それでムギちゃんに対する私の罪が滅ぼせるなら…私は…

唯「…その勝負、受けて立ちます!」

紬「そうこなくっちゃ♪」

こうして勝負の賽は投げられた。


唯「実は私、さっきはたしなむ程度にしかお酒を飲まないなんて言ったけど
  本当はかなりお酒に自信があるんだ」

紬「へぇ…なら唯ちゃんはどこまで私を楽しませてくれるのかしら?」

唯「さぁ?でもきっと今までに無いくらいに楽しいのは明らかだよ!」

紬「あははっ!言うわねぇ…なら私すごく楽しみにしてるわ♪」

唯「さぁ…最高の戦いをしよう…」

紬「えぇ…この聖なる戦いを祝して…」

「乾杯!」



927 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/08(火) 07:02:23.22 ID:bc/6y8010

―30分後


唯「…らめら~!もうのめない…」

紬「全然ダメじゃない…お酒は強いんじゃなかったの?」

唯「ごめんらさい…うそです…」

勢いであんなこと言わなきゃよかった…
頭がぐるぐる回る~。それになんだかすごく眠い…

紬「あらあら…大丈夫?」

唯「だいじょうぶらよ…ねぇむぎちゃん…」

紬「なぁに?」

唯「…ほんとうにごめんなさい…ごめんなさい!」ポロポロ

…あれ?なんで私泣いてるんだろう?
私もりっちゃんと同じで酒癖が悪いのかなぁ?

紬「だから…許してほしかったら私に勝つこと。
  私はいつでもここにいるから…また勝負しに帰ってきてね?」

唯「むぎちゃん…ありが…」

そこで私の意識は途切れた。



930 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/08(火) 07:17:34.20 ID:bc/6y8010

「お姉ちゃん起きて!朝だよ」

唯「う…ん…もう少し寝かせて…」

「ダメだよ!帰りの電車に間に合わなくなるよ!?」

唯「う~ん…電車…?」

がばっ!
私は勢いよく体を起こした。
ここは…茶の間?そういえば昨日ムギちゃんと飲み比べして、それから…

唯「いた…!」

頭が痛い…完全に二日酔いだ…

憂「大丈夫お姉ちゃん?」

唯「…うん、なんとか…」

憂「まったく…そんな調子で今日帰れるの?」

そうか…私は今日帰るんだっけ?
なんだかたった一日だけのことが、すごく長く感じられた。



933 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/08(火) 07:25:18.87 ID:bc/6y8010

唯「みんなは…?」

憂「もう起きてるよ、お姉ちゃんの部屋に皆さんあつまってるよ」

唯「そうなんだ…」

みんなともまたしばらく会えなくなるんだよね…
なんだか寂しいな…

がちゃっ

唯「おはよー…」

律「お、やっと起きたか」

澪「まったくいつまで寝てるんだ?」

和「帰りの電車には間に合うの?」

紬「二日酔いは大丈夫?」

梓「まったく…お酒弱いのに無理するから…」

唯「みんな…」



935 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/08(火) 07:35:38.23 ID:bc/6y8010

私の部屋に集まるみんなを見ていると、私は本当にあの頃に戻ったみたいだと思う。

…だからこそ、ここから離れるのは…辛い…

唯「みんなぁ…」ポロポロ

律「お、おいおい!なんで私達を見て泣くんだよ?」

唯「私…帰りたくないよぉ…!みんなともっと…ずっと一緒にいたい…!」ポロポロ

梓「……」

唯「一緒に…いたいよぉ…!」ポロポロ

やっぱり私は昔から変わらない。今まで変わったふりをしていただけなんだ。

和「……」

唯「また離れ離れなんて嫌だよぉ…!」ポロポロ

…だって、こんなにも子供みたいに泣くんだもん。

紬「唯ちゃん…」

一番変わってないのは…どうやら私だったみたい。



938 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/08(火) 07:42:52.55 ID:bc/6y8010

律「馬鹿!泣くなよ!お前に泣かれたら…私だって…!」グスッ

梓「そうです…ずっと我慢してたのに…!」グスッ

和「また帰ってくればいいじゃない。みんなまってるから…ね?」

紬「そうよ…だから泣かないで?今日は笑顔でお別れしましょう?」

唯「でも…そんなこと言ったって…悲しいよぉ…!」ポロポロ

澪「…そうだ!」

澪「みんな!一列に並べ!」

唯「え…?」グスッ

澪「今から写真を撮るぞ」



941 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/08(火) 07:59:55.34 ID:bc/6y8010




澪「ほらほら!みんなもっと笑えって!」

唯「そんなこと言われたって…ねぇ…?」

梓「はい…なんだか変に意識してしまいます…」

律「なんだか逆に笑えないよな…」

澪「…なぁみんな、私達はもうあの頃には戻れないかもしれない」

律「なんだよ急に…?」

澪「でもさ…写真にはその時の記憶も一緒に写るんだよ」

梓「……」

澪「だからさ…唯が向こうに行っても寂しくなんかならないように、
  あの時代に負けない最高の笑顔で写ろうじゃないか!」

紬「…えぇ、そうね♪」

唯「澪ちゃん…みんな…ありがとう!」

澪「まぁそんな訳だからさ…そろそろ撮るぞ!それじゃ笑ってー!」

カシャッ!



943 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/08(火) 08:03:44.79 ID:bc/6y8010




ジリリリリリリリリリリ!

唯「……っは!?」

ジリリリリリリリリリリ!

唯「はいはい起きてますよっと…」ピッ

唯「ふわああああ…今日も仕事かぁ」

唯「…そろそろ準備するかな?」



946 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/08(火) 08:16:49.40 ID:bc/6y8010




唯「…よし、準備もできたし行くか」

唯「…あ、そうだ。大事なことを忘れてた」

私は本棚の中でも一番古い本を手に取った。
それをぱらぱらとめくり、中を見る。
どの写真も少し色あせているが、一番最後のページにはその中でも一番新しい写真があった。

その中の写真の人達は、あの頃からは少し老けて見えるけど…
それでも、あの頃に負けないようなとても素敵な笑顔をしていた。

唯「みんな、行ってきます」

この写真の中の人達に、いつも挨拶をするのが私の今の日課だ。

それは、私は決して一人じゃないということを確認する為。

そして、私達が生きたあの時代を忘れない為。





唯「やや!~あの時代を忘れない~」   ~本当におしまい~



956 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/08(火) 08:20:56.28 ID:bc/6y8010

てな訳でやっと終わりました
元ネタはサザンのYaYa~あの時代を忘れない~です
まぁ大分歌詞の内容とはかけ離れてしまいましたけど

約五日間もこんな糞SSを見てくださった方、保守してくださった方、本当にありがとうございました。
次からは書きダメますがんばって

ではノシ




947 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/08(火) 08:17:09.14 ID:sTWf/kTZ0

おっおっ乙乙
おもしろかったけど次からは書き試してきてね!



949 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/08(火) 08:19:04.84 ID:1sBo8kHoO

今度こそ乙!
…さわちゃん…



953 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/08(火) 08:20:41.49 ID:/BxL+URFP

乙です!



954 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/08(火) 08:20:47.40 ID:GMpizJ1z0

最大限の乙!!
>>1は頑張った



955 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/08(火) 08:20:49.99 ID:9yLpsDzUO

おつつつ!



957 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/08(火) 08:22:19.22 ID:c0s5BtF20

乙カレ 面白かった



958 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/08(火) 08:22:22.34 ID:FnIItujaO

おつ



961 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/08(火) 08:23:16.85 ID:KOQPuc7mO

いちおつ!
よかったよ!



967 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/08(火) 08:27:58.88 ID:ZuK9HqHqO





972 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/08(火) 08:46:26.46 ID:Ud1Y+e6NO





973 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/08(火) 08:49:13.65 ID:NdVuqQneO

乙!!
ずっと張り付いてて良かったよ
綺麗に終わったし面白かった



974 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/08(火) 08:51:25.40 ID:a6668J850

乙、おもしろかった



976 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/08(火) 08:54:39.52 ID:oJbxszGbO

乙でした!



978 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/08(火) 09:01:01.65 ID:qHKixZ7g0

乙!



979 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/08(火) 09:05:03.46 ID:Re1esA+3O





980 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/08(火) 09:15:42.85 ID:jUTRPViDO

面白かった

おつかれ>>1



983 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/08(火) 09:31:29.06 ID:mQwmKCy70

よかったよ>>1乙!
また楽しみにしてる!



984 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/08(火) 09:40:13.85 ID:y2fxAxJMO





986 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/08(火) 09:49:38.88 ID:XQ7J7uya0

おつ!



987 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/08(火) 10:03:30.28 ID:PC9DulII0

乙乙



989 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/08(火) 10:21:21.80 ID:awlXjkxxO

乙!



991 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/08(火) 10:22:40.68 ID:yOQpgHwa0

素晴らしかった!
乙!



992 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/08(火) 10:23:22.77 ID:0yt9t3T90

>>1乙!!
面白かったよ



995 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/08(火) 10:30:38.50 ID:5U1k3H5x0

1おつ



996 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/08(火) 10:37:24.69 ID:ZSM6mL7D0

>>1
すごいよかったよ!!





1001 :1001:Over 1000 Threa




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