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唯「澪ちゃんと結婚しました…でも」#前編 【ホラー】


http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1252848065/

唯「澪ちゃんと結婚しました」

唯「澪ちゃんと結婚しました…でも」#前編
唯「澪ちゃんと結婚しました…でも」#後編


管理人:グロ、エロあります。閲覧にご注意下さい。




1 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします:2009/09/13(日) 22:21:05.41 ID:7pxmrKI0

■前スレ 唯「澪ちゃんと結婚しました」
http://yutori7.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1252715739/l50

…の100レス目辺りからです。
派生の為、のらりくらりと書いていきます。
短期間になるか長期間になるかわかりませんが、よろしくお願いします。



2 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします:2009/09/13(日) 22:27:08.20 ID:7pxmrKIo

ボクは平沢 唯。

現在、大学時代に知り合った女性「秋山 澪(現:平沢 澪)」と結婚し一緒に住んでいる。

ある日、僕と妻と妻の幼馴染である「田井中 律(りっちゃん)」の3人で飲むことになった。
場所は大学時代からお世話になっている焼き鳥屋、りっちゃんが居る時の飲み会の会場は大抵ここになる。

律「うー…ギボチワルイ…」

いつものことだが、りっちゃんは顔色を通常→赤→青→白と変化させ、許容量以上にお酒を飲んでしまう…。

僕は心配している澪ちゃんに、りっちゃんを家まで運ぶようお願いされた。
もちろん、愛しい妻のお願いを断るわけにはいかないので、僕はりっちゃんを担ぎ家まで運ぶことにした。

下心なんてない、僕には澪ちゃんがいるし…何より学生時代からの大切な友達だからだ。

男と女の友情は無い と皆は言うが、それは嘘だと思う。
現にこうやって3人で飲んだのがそれを証明している。



4 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします:2009/09/13(日) 23:10:52.10 ID:7pxmrKIo

僕は先にシャワーを浴び、りっちゃんと交代した。

唯「あーあ… 冷静になってみると、やりすぎちゃったなぁ…」

りっちゃんの家に到着する間、りっちゃんにミネラルウオーターをかけられたので、
僕はコーラで応戦するということをして遊んでいたのだ。

そんなこともあり、僕の上着はコーラと水でびっしょりになってしまった…
よって、りっちゃんを運んだと共に、そのまま泊まることになった。

唯「くすっ… あははっ」
きっと、澪ちゃんがあの光景を見たら、呆れているんだろうな…その姿がイメージできる。

着替えは、明日澪ちゃんが持ってきてくれる。
良妻賢母とは、澪ちゃんみたいな奥さんを言うんだろうな…。

パッ…カン!

僕は就寝用にビールを開封し、一気に飲み干した。
キンと冷えていたビールは後頭部を刺激する…これがとても心地よい。



5 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします:2009/09/13(日) 23:38:52.73 ID:7pxmrKIo


風呂場から雨に似た音が聞こえる、りっちゃんもシャワーを浴びはじめたのだろう。
ここは風呂場を覗くのがセオリーなのだろうが、生憎ながら僕には澪ちゃんがいる。
しかもその親友の風呂を覗くなんてことできるはずがない。

ないんだけどー…

僕の足は言うことを聞いてくれないようだ、そう…仕方が無い…仕方が無いんだ。
くっ…足が疼く、頼む…言うことを聞いてくれぇぇぇぇ…と言ってみる。
そんなわけで、おじゃましま~す というような流れになるよう風呂場に
向かおうとしたそのとき……

バタン

律「おーい、唯!バスタオル忘れたから持ってきてくれー!
  あと、覗いたら…澪に言いつけてやる!」

どうやら、行動は見抜かれていたようだ…
僕は肩を落としバスタオルを片手に、とぼとぼと風呂場へ向かった。



6 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします:2009/09/13(日) 23:39:49.44 ID:7pxmrKIo

唯「りっちゃん!?」

バサッ

僕は衝撃的な光景を前にア然とし、バスタオルを落とした。

律「…」

僕から目をそらし、頬を赤らめ全裸で立っている女性の姿が在った。
生まれたての子供のようにぷっくりと綺麗な丘に茂みはない、いわばパイパンというやつだ。
普通は剃り跡が残るものだが、全く残っていない…つるつるで玉のよう。
胸は澪ちゃんのように乳房とよべるほど大きくはなく、
控えめにぷっくりとした胸の膨らみ…そう、まさに「おっぱい」という単語が似合う。
膨らみの先端には桃色のトッピング、ぺろりと舐めると甘味を楽しめそうだ。

僕は澪ちゃんとまた違う美を、りっちゃんから感じ取った。

ゴクン…

固唾を飲み、頭の中で葛藤が始まる。
本能が勝つか、理性が勝つかというところだ。
据え膳食わぬは男の恥とよく言ったものだが、ここで本能を勝たせてしまってはいけない。
とにかく目の前の状況に耐えることにした。

律「以前、一緒に寝てみないか? って誘ったこと…あれ、本気だったんだぞ。
  今こうしているのも、覚悟があってのことだ。
  澪には黙っているから、今日だけは私を見て欲しい…そして、私の全てを知って…」

りっちゃんは両手を広げ、じりじりと僕に寄ってくる。
その手は卑怯だよ…



7 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします:2009/09/13(日) 23:49:45.28 ID:7pxmrKIo

慌ててタオルを拾って、りっちゃんに被せようとしたが葛藤している時間が長かったようだ。
タオルをかけることはできず、僕は頭を掴まれ彼女の胸に引き込まれた。
シャワーを浴び終えたこともあり、彼女の肌はほんのりと紅色を帯びている。
その為、少々高まった体温はシャンプーの香り引き立たせ、僕の鼻腔をくすぐる。
それはまた澪ちゃんとは違った香り…。

律「…」

唯「…」

僕はどうしていいか解らず、ただただりっちゃんに頭を固定されるしかなかった。
りっちゃんの鼓動がトクン…トクン…と聞こえるのが解る、その音は徐々にギアを上げていき加速していく。

そういえば…学生時代から今まで、澪ちゃんのことでずっと頼ってばかりだった。
代価として色々お礼を持ちかけたが、全て断られてしまった。

どうやら…りっちゃんは、澪ちゃんの彼氏としての"平沢 唯"と接したくなかったらしい。
踏み入れてしまうと3人バラバラになってしまうだろうと予測し、
りっちゃんは僕からの贈り物を受け取らなかった…そして、彼女と二人きりで飲むことも無かった。

3人の関係はバラバラになる…りっちゃんはそれを覚悟で、僕にお願いをしている。
今まで一方的にお願いして助けてもらった代価を、ここで全て返すことにした。

そう、僕は今宵だけ、りっちゃんのマリオネットになることを選んだのだ…。

りっちゃんの細い肩に両手を置き、りっちゃんと距離をとり視線を交わした…。

風呂上りのせいか、酔いの残りのせいか、りっちゃんは頬を薄紅色に染めており色っぽい。
緊張しているのか、彼女の潤んだ瞳からは、いつものガサツさを感じ取ることはできない。

唯「ごめん…僕、不器用だから何て言っていいかわからない。
  1夜だけ、僕を自由にしてもいいよ…どんな願いも聞くし、どんな物でもあげる。
  澪ちゃんと僕がこう上手くやっていけているのもりっちゃんのおかげだから…
  今までのお礼として、僕を好きにしていい。」

その言葉を聞いて緊張が解けたのか、りっちゃんは顔を歪め喜んだ。
いわゆる、嬉し泣きというやつだ。

律「唯… グスッ… ありがとう…」

りっちゃんは僕の顔を見つめ、唇を僕にあずけるような形にし目を閉じた。
彼女のファーストオーダーは…キス。



10 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします:2009/09/14(月) 23:43:18.64 ID:vB/mlR6o

シャワーを終えたばかりのりっちゃんの唇は潤っており、ぷるっとしている。

ちゅ…ぷっ!
僕は、彼女の水分と酸素を全て奪うかのように、強く吸い付いた。

律「んふっ… ぷふぁ…」

どうやら、りっちゃんは子供同士がするような軽いキスを想像していたらしい。
突然の強いキスに驚いたのか、抵抗の色が見えている。
やがて"大人のキス"であることを知ったりっちゃんは抵抗を辞め、瞳をとろんとさせ、
湯で火照った頬を一層赤く染めた。

唯「!?」

くちゅ… ぷちゅぷちゅっ…

早くもキスの仕方を覚えたのか、りっちゃんは僕の口の中を貪るように舌で掻き混ぜた。
舌を尖らせ、僕の唇の裏に付着している唾液を汲み取る。

律「ふ… ぁっ…  はぁ… ふぅ…」

りっちゃんの息は長く続かず、時折吐息交じりの悩ましげな声をあげる。
彼女は僕にアクションするよう望んでいる。
それに応えるよう、僕はりっちゃんの舌を探し出し絡め始めた。

にゅる…っ  にゅみゅ… ぅ…っ
りっちゃんも僕の舌を探し出していたのだろう、強く僕の舌をこね始めた。
口内を通して耳に伝う粘液の音は、とてもいやらしいく淫猥だ。

そして舌の触感を堪能した後、口内の構造を知るべく頬の裏、歯の1つ1つに舌を這わせる。
りっちゃんの歯の窪み、ざらつき、ツヤ…をじっくりと調べ取った。

律「ぷっは… ぁ…」

彼女は満足したのだろうか、僕から口を離し互いの唾液でできたカクテルをテイスティングする。
ゴクリとわざとらしい音を立てそれを飲み干し、口の周りに付着したカクテルの残り汁を
桃色の舌でペロリと舐め取った。

ちゅっぷ… ぷっちゃっ…
りっちゃんはそれでも足らなかったのか、僕の唇に付着した分までキレイに拭ってくれた。
キスで彼女の唇はより潤いを持ち、つやつやと淡い光を帯びている。

律「なぁ…唯…  もっと、柔らかいところで…その… したい。」

りっちゃんは涙目で僕のインナーシャツを強く掴み、次の注文をした。
次は、僕の体温…



11 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします:2009/09/16(水) 21:36:37.16 ID:Z8ZeDlko

唯「…寝室に行こうか?」

コクリと頷くりっちゃんの肩をそっと抱き、寝室へエスコートした。
彼女は俯き僕のシャツの裾をしっかり握っている。
その姿からは、これからすることに不安を抱いていることが読み取れ、
さらに寝室に近づくにつれ、りっちゃんの肩の震えは強くなってきている。

唯「りっちゃん、大丈夫だよ…」

律「…」

ぎゅっ

気丈な彼女に似合わない、細く折れそうな肢体を強く抱いた。
キシキシと音が立ちそうなほど、彼女の体は柔らかくしなる。

ちゅっ…

律「んっ…」

僕はりっちゃんのおデコに軽くキスをすると、彼女はキュッと目を瞑り両肩をピクッと跳ねさせた。
いつもは狼とか猟犬とか、勇ましい雰囲気を出しているが、このときばかりはウサギや猫などの
小さくてかわいい。そして、放っておくと死んでしまいそうな小動物を彷彿させる。

キスを終えると、安心したのか体の震えはピタリと止んだ。
僕は未だに目を瞑っている彼女に軽くデコピンをし、目を開かせた。
すると、りっちゃんは夢の中から現実へ戻ってくるかのように、ゆっくりとまぶたを上げた。

律「ゆ…唯… ズルいぞ」

唯「ふふっ、りっちゃんだってズルいじゃないか…」

律「ぷっ…ははははっ、そうだなっ」

唯「あははっ、そうだよー」

彼女からは先ほどのような不安は既に感じ取れない。
どうやら、いつものガサツで勢いのあるりっちゃんに戻ったようだ…
こうじゃないと、りっちゃんじゃない気がする。



13 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします:2009/09/18(金) 07:13:53.96 ID:CV05ydQo



唯「んっ… 朝…いや、昼近いな…?」

僕はりっちゃんを寝室へエスコート、いや…もといエスコートされた後、
僕は温もりを与え、りっちゃんからは温もりを貰い愛し合った。

律「唯… もっと… もっと私を強く抱いて…」

彼女の要望に応え、澪ちゃんを抱く時とは異なり強く激しく抱いた。
澪ちゃんは繊細で強く抱いてしまうと壊れそうなので、あまり強く抱くことはできない。
また、強く抱くことを澪ちゃんも望んでない。
ベッドの上での"日課"がそれを証明している。

律「ゆ… 唯? 気持ちいいか?」

りっちゃんを強く抱いた後、彼女は疲弊した僕の体にキスをした。
これが夢でなく、現実であることを確認するかのように、じっくりと体全身をキスし舐る。
そして僕も彼女の体に傷跡の様にキスのアザを作った。

そんなこともあり、りっちゃんと僕の全身は多くのキスマークで埋められている。
今でも残っているそれは、昨晩の出来事が夢ではなく事実であったことを強く示している。
もっと多く昨日の出来事を思い出してみたいところだが、余韻に浸っている余裕はない。

澪ちゃんにバレる前に着衣して、様々な形跡を消しておかないと…どうなるか解らない。
僕は枕元に手をやり、衣類を探しシャツを掴もうとするがなかなか掴めず、もどかしさを覚えた。
おかしい…くしゃくしゃにして放り投げておいたはずなのに…掴めない。

仕方ないので上半身を起こし衣類を探すと、枕元にはキレイにたたまれた新しい着替えがあった。



14 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします:2009/09/19(土) 11:09:09.11 ID:lBzpsxso

澪ちゃんが来た…
きっと、りっちゃんは"鍵開けておくから、朝起こして~"みたいな感じで連絡したのだろう。
後先考えずに行動するところが、なんとも彼女らしい。

律「すーっ…すーっ…」

唯「りっちゃんは、やっぱりりっちゃんなんだね…はぁ…」

少し呆れた溜息をすると、それに反応したのか、りっちゃんが起き出した。

律「ふぁ…?唯… おはよ」

初めて見る寝起きの顔。
3人で雑魚寝していた時とは異なり、りっちゃんは僕に無邪気な笑みを見せてくれた。
それはとても初々しく新鮮だ。
そう思いながら、じっとりっちゃんの柔肌を見つめていると、
彼女は急に頬を赤らめタオルケットでキスマークを纏った体を隠した。

律「は… 恥ずかしいっ!」

唯「あはは、"恥ずかしい"ってセリフは澪ちゃんの専売特許だよ」

律「それもそうだな、あははは」

そうだ…思い出した。
3人で飲まなくなったのは、僕と澪ちゃんが初めて交わったあの日からだ…



15 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします:2009/09/19(土) 17:52:56.41 ID:lBzpsxso


唯「さて…どうやって謝れば、澪ちゃんは許してくれるだろう」

りっちゃんの家を出た僕は、ずっとそればかり考えている。
昨晩の出来事は、りっちゃんの意見でお互い無かったことにしたものの、
澪ちゃんに現場を見られてしまったのでは誤魔化すことはできない。

ヴヴヴヴ… ヴヴヴヴ…

離縁のメールか、死刑執行のメールがやってきた。
僕は腹をくくりメールの文章を確認すると目を疑った。

澪『ごめん…さよなら』

右か左かは解らないが手首に"くぱぁ"とクレバスを作り出し、
こんこんと赤い水を湧き出している写真がメールに添付されている。

唯「澪…ちゃん?」

僕はよく鈍感と言われるけれども、誰でもこの写真を見れば
澪ちゃんに何が起こっているのかは一目瞭然だ。
謝る事ばかり考えていた頭は、たちまち彼女を助けることで一杯になった。

"澪ちゃんだけの僕にならなかった"
昨晩の出来事をひたすら悔やみ澪ちゃんの下へ走った。

ガチャッ!バタン!

勢いよく玄関のドアを開け、家をひっくり返す様に澪ちゃんを探した。
浴室、寝室、茶の間、台所…すべての部屋を探したが見つからない。

その時、僕の背中に冷たいものが走った。
以前受けたことのあるメスの様に鋭く冷たい視線…僕の後ろに誰かいる。
安心半分、恐怖半分というような複雑な気持ちを胸に振り返ると、
つややかな黒髪の女性が立っていた。

彼女の白く美しい肌からは血色が感じられず、青白い。
右手首を見ると白いニットのバングルをつけている…切ったのは事実のようだ。

澪「…おかえり」



16 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします:2009/09/20(日) 16:52:51.96 ID:9vhH7Eoo

彼女はかすれた声でぽつりと呟いた。
唇にいつものような潤いはなく、青みを帯びパサパサしている。
絶望の境地にいるような瞳は痛々しく充血しており、
抜けた血液がそこに集まっているように見えた。

唯「澪ちゃん…ごめんね」

澪「なんで…なんで唯はそうやってすぐに非を認めて謝るの!?
  もっと隠してもいいじゃない、律を抱いたことを否定してもいいじゃない!?
  なんでそんなに…そんなに素直なの…?」

唯「だって、結婚したとき澪ちゃん1本って決めていたのに…
  それを破って、りっちゃんと寝たことが悪いと思ったから…」

澪「唯のバカっ!だったら謝らないで律にしたようなことしてよ!
  律にしたことよりも強く、壊れるくらいに…やさしくしないで、
  乱暴に抱いてよ!!」

いつも見ている澪ちゃんとは思えない積極的で大胆な言葉に驚いた。
興奮しているのか、彼女は瞳に新たな涙を溜め始めている。

そして訪れる沈黙…たった数秒が何時間にも感じられた。

澪「…よしっ、気を取り直して…昼御飯作るぞ!
  唯のお腹の虫は正直だからなっ」

さきほどのやりとりの最中に聞こえたのだろう。
涙を止めて、エプロンを纏い昼食の支度にかかった。

そして、トントントンとリズミカルに材料を刻む音がキッチンに響き始めた。
その音はいつもより軽く、力強さを感じ取ることができる。
今朝のこともあってのことだろうか、珍しく調理中に話しかけてきた。

澪「唯は律のこと好きなのか?」

唯「もちろんだよ!でも…あくまで友達としてだけどね。
  澪ちゃんは、りっちゃんのこと嫌いなの?」

澪「ううん…好きだよ。
  これからも律とずっと一緒に居ような、唯…」



18 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします:2009/09/21(月) 20:05:55.49 ID:fGiUz8so

キッチンから材料を刻む音は鳴り止み、コトコトと何かを煮込む音が聞こえ始めた。
僕は煮物特有の甘辛い香りにつられ、ふらふらと澪ちゃんに近づいた。
まな板には材料を切った形跡があり、まないたには肉の血と油脂がこびりついている。
どうやら上等な肉を使ったようだ。
ゴクリと唾液を飲み込み、澪ちゃんに問いかけた。

唯「澪ちゃん、お昼ごはんな~に?」

澪「ああ、すまん…お昼ご飯はインスタントラーメンだ…
  お昼ごはんは簡単に済ませて、今晩は豪勢にいこうと思ってな。
  今からじっくり時間をかけて準備しているんだ」

唯「そっかぁ…期待していたのに、残念」

落胆し肩を落としている僕の姿を横目に、
澪ちゃんは生殺しに近い言葉を僕にかけてくれた。

澪「これから晩御飯までずっと煮込み続けるから、とろっとろに仕上がるぞ」

唯「うー…澪ちゃん、空腹の人間にそのセリフはキツいよぉ…」

澪「ふふふ、昨晩の仕返しだ♪」

珍しく澪ちゃんは早く立ち直ったようで上機嫌だ。
微笑みかけてくる彼女の表情は、いたずらっこのように無邪気に見える。

唯「澪ちゃん、それは簡便してよぉー」

あははうふふと笑い声で溢れる空間、僕はこういう生活を望んでいたんだ…。
僕は後ろから澪ちゃんをギュッと抱きしめた。
抱き締めた位置のせいだろうか、腕にもたれかかる乳房はとても温かく柔らかい。

澪「うぉっ…?」

不意打ちのように抱かれた澪ちゃんは声を上げ、
髪からコロンの香りを放ち僕を堕とそうとする。

澪「そ…それは、今晩…な?」

僕の唇に人差し指を当てたその時…
自分の言葉で彼女の体温は急上昇し、僕のソデを掴んで俯いた。
恥ずかしいセリフを言って自爆したようだ。



19 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします:2009/09/21(月) 20:51:15.41 ID:fGiUz8so


唯「おぉー、今日の晩御飯…澪ちゃん、がんばったね」

今日の献立は、豚の角煮、にこごりのゼリー、豚ガラのスープ、サラダと非常に豪華だ。
豚の角煮はサクサクしている筋肉の部分と、舌に乗せるとふんわりととろける部分で
うまく調和が取れている。
香草もうまく効いており、肉特有の臭みは無く味もしっかり浸透している。
また、にこごりのゼリーも塩味がなんとも繊細で風味が残っており絶妙な味わい。
そして、付け合せからメインディッシュへと昇格してもおかしくはない
豚ガラのスープ。それはとても濃厚ではあるが、微妙にあっさりした感じがあり
脂っこさはあまりない。

これだけの上質な材料を揃えるなんて、澪ちゃんが僕の奥さんでよかったと改めて思う。

唯「今日の料理、とてもおいしいよ!
  今度…お詫びの意味合いも込めて、りっちゃんにも振舞って欲しい…と、ゴメン」

澪「なんで謝るんだ?」

澪ちゃんはキョトンとした顔で僕の様子を伺った。
今日の出来事だというのに、りっちゃんのことを口に出してしまった。
危険を予測した僕はよそよそしく澪ちゃんの表情を伺う。

澪「ふぅ…そうだな、今度は律も誘おうな」

すると、澪ちゃんはにこやかな表情で返答してくれた。
やっぱり幼馴染だからだろうか、彼女を咎めるつもりは全くないようだ。

澪「まったく…唯は今日の出来事を考えすぎだぞ?」

唯「あはは、そうだね…ちょっと澪ちゃんに気を遣いすぎちゃったみたいだね」

今度りっちゃんが会社に来たら、誘っておこう。
また3人で楽しく食事をしたい…僕はそう願った。

澪「ところで唯、あの… その…だな…」

澪ちゃんはどもりながら、じれったく話しかけてきた。
言葉に詰まりながらではあったが、彼女は腹をくくり胸に閉じ込めている思いを全て解き放った。

澪「唯と私の子供が欲しいっ!」



21 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします:2009/09/21(月) 22:26:03.12 ID:fGiUz8so

澪ちゃんは頬をピンクに染め、目をぎゅっと閉じている。
そして、少し潤んでいるのか数滴の涙が頬を伝っているのがわかる。

どうやら、澪ちゃんの"恥ずかしパーセンテージ"が限界を超えたみたいだ。
僕の回答に不安を抱いているのか、澪ちゃんの体は徐々に震えを増してきている。
こうやって恥ずかしがって、ビクビクしているところが澪ちゃんらしい。

唯「…澪ちゃん、大丈夫だよ…僕はもうどこにも行かないから。
  ずっと一緒にいるよ…だから、僕と澪ちゃんの子供をつくろうっ!」

僕は一体何を言っているんだろう…澪ちゃん以上に恥ずかしいことを言っている気がする。
そう考えただけで、顔面から火を吹きそうになり、嫌な汗が体中から噴出した。
もしこの言葉をりっちゃんが聞いたら、きっと大爆笑するんだろうな…いや、間違いなく笑う。

初めて澪ちゃんに告白したあの時と同じ微妙な空気の中、僕と澪ちゃんは食事を終えた。

澪「それじゃぁ…先にお風呂入ってくるからな」

唯「うん、僕は先に食器を洗うことにするよ」

ザブザブと食器を洗っていると、先ほどのやりとりをふと思い出した…。
恥ずかしい記憶って、なかなか無くならないものなんだよね…
むしろ記憶に焼きついて、後から思い出しては恥ずかしくなるというように繰り返す始末。
自分の言ったことが脳内で再生され、再度悶える程の恥ずかしさに襲われた。
もう両手で頭を掻き毟り、「あぁぁぁぁぁっ!」って叫びながら転げまわりたい。

澪・唯「はぁ…」

澪・唯(さすがに、あのセリフは恥ずかしかったなぁ…)



24 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします:2009/09/23(水) 18:13:18.62 ID:..98oxgo


唯「ふぁ… ああっ…」

澪「ふふっ、大きなあくびだな」

澪ちゃんは僕の頬をツンと突付いた。
日は既に真南にある…どうやら正午に近い時間まで僕たちは寝ていたらしい。

昨晩、初めて澪ちゃんを強く抱いた。
繊細な彼女の体は満身創痍とも言えるような状態になっている。
吸いすぎで真っ赤に充血している乳首、強く握って爪の跡が残っている乳房、
何回も絶頂を迎え精液と愛液でカペカペになったアンダーヘア、
そしてキスマークまみれの肢体…

これらは、昨晩の出来事は事実であったことの証明でもある。

全身をキスしようとしたが、1ヶ所だけキスを拒まれたところがあった。
澪ちゃんが切った右手首…。
傷口を見せたくないらしく、すっぱりと拒否されてしまった。

澪「なっ…なんだよっ、私の体をジロジロ見て…唯の…えっち…」

澪ちゃんは恥ずかしさのあまり、ふくれっ面になり白いタオルケットで全身を覆った。
タオルケットでふっくらとしたその姿はウサギを連想させる。
よく「寂しさ」のせいで死ぬと言われているが、澪ちゃんも同じようなものかもしれない。
今後、うかつに一人にすることはできない。

唯「どんな赤ちゃんが生まれるのかなぁ…」

僕がポツリとこぼした言葉に反応したのか、隣の白ウサギは目でなく頬を赤らめた。

澪「その…唯みたいに、優しい子が生まれて欲しい…」

これから母親になることを想ったのだろうか、腹部を上下になでる。
そして、父親になる僕も澪ちゃんの手の上から彼女の腹部をなでた。



25 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします:2009/09/23(水) 19:32:49.69 ID:..98oxgo

…あの日から2・3日が経とうとした頃、澪ちゃんはパッチワークを始めるようになった。
とても細い糸を使っているらしく、小型の"はたおり機"を使い10cm四方の布を幾つも
幾つも編んでいる。
ここまできたら、もはや職人芸と言えるだろう。
最終的にはその布を縫い合わせ、ランチョンマットに仕上げるらしい。

唯「それじゃ、行ってきまーす」

澪「今日もがんばって! …この子の為にも」

唯「あはは、行ってきます」

僕は澪ちゃんのお腹をさすり、胎内の子供に声をかけ家を出た。
今後の生活は忙しくなりそうだけど、とても楽しみだ。


梓「平沢先輩、お客様ですー」

今日は納品日、そしてこの時間に尋ねてくるお客さんといえば…りっちゃんだ。
先日の出来事からあまり日は経っていないから、正直顔をあわせ辛い。
…と言っても、りっちゃんはきっといつも通りに笑い飛ばしてくれるんだろうな。
僕は複雑な気持ちで、お客さんの下へ向かった。

「初めまして」

りっちゃんじゃない…誰だろう?

唯「初めまして、えっと…りっちゃん…じゃなかった、
  田井中さんの会社の方でしょうか?」

「ええ、本日から田井中さんの代わりに担当となりました」

急な配置換えがあったようだ…
それにしても…いつでも会えるからだろうか、挨拶に来ないのがりっちゃんらしい。
初めてのお客さんに、りっちゃんの都合を聞くのは無粋だと思い挨拶をした。

唯「平沢 唯と申します、今後よろしくお願いします」



28 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします:2009/09/24(木) 22:26:58.60 ID:MLukVZUo

梓「平沢先輩…担当変わってしまって残念ですね。
  でもこの時期に配置換えって、田井中さんのところの会社…
  よほどの事情があったんでしょうね」

唯「う~ん…少し寂しくなるね…」

梓「そうですね、思えば台風みたいな人でした…
  そうだ、今度送別会みたいな感じで飲み会やりましょうよ!」

唯「あずにゃん冴えてるね、それじゃぁ…うちの妻も呼ぼうかな」

梓「平沢先輩の奥さんですか?楽しみにしてますっ!」

唯「うちの妻はあげないぞ~ はははっ!」

僕自身の寂しさを紛らわすように、あずにゃんと話していると、
彼女はくりくりとした目で窓の外を見ていることに気がついた。
どうやら、誰かがこちらを見ているようだ。
ブラインドで外側からは見えないはずなのだが…ただただこちらを見ている。
その人は、僕をじっ…と見つめているようだ。

梓「そういえば…あの人、昨日か一昨日あたりから見かけますね。
  産業スパイってやつなんでしょうか??」

唯「ん~…意外と、あずにゃんのストーカーかもしれないよ」

梓「や…やめてくださいよ、このご時世シャレにならないんですから」

冗談で言ったつもりだったのだが、彼女は本気にしてしまったらしく、
ゴキブリが体中を這いずり回った後のように、全身を震わせた。
そして、しばらく向かい合い続ける僕達と、ゆらりと陽炎の様な風貌をしている人物。
心霊番組の再現VTRよりも生々しく、白昼夢を見ているようだ。

太陽光を反射するビルの窓、通過するクルマ、会社の外の通行人、部屋の中を漂う埃…
気持ち悪いほどに偶然が重なり、環境は僕がその人物の正体を確認しようとすることを阻む。
すると、ほんの一瞬間ができた。
1秒もあれば十分、僕は一瞬でその人物の正体を掴んだ。

白のブーツ、白のコート、白のワンピース、白の帽子、白い肌、白い包帯、黒い髪…
間違いない…澪ちゃんだ。
なんでこんな時間に僕の会社の前に居るんだろう?



32 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします:2009/09/25(金) 22:15:01.54 ID:iNmswzso

お互い見つめあっているうちに、昼休みになってしまった。
ぼーっとして午前中が終わってしまったというのに、上司からお咎めがないのが珍しい。
客先の急な担当換えがあったことを気遣ってくれたのだろう。
僕は上司にペコリとお礼をし、改めて窓の外を見るが誰も居ない…
本当に澪ちゃんだったのだろうか?

そんな懸念をよそに、僕は澪ちゃんのお手製弁当を開けた。
メインディッシュはポークハンバーグ、スパイスが聞いていてピリリと辛い。
しかし、こんな上等な肉をこんな昼間に食べることができるなんて、
素晴らしい妻を持ったもんだ…うん!

梓「平沢先輩のお弁当、おいしそうですね…よかったら私のオカズと交換しませんか?」

唯「うん、いいよ…でも、虜になったりしないでね♪」

梓「平沢先輩が作ったわけでもないのに、なんでそんな自慢気なんですか…」

澪ちゃんのお手製ハンバーグと引き換えに、あずにゃんの木炭の様な玉子焼きを貰った。
…そういえば、憂とあずにゃんて同い年なんだよな、なんでここまで差がつくものか。

溜息混じりに交換を終えると、あずにゃんはパクリと頬張り、もぎゅむぎゅと食べる。
幼さが若干残るその頬はとても可愛らしい。
お子様ランチを食べる子供って、きっとこうなんだろうな。

そんな微笑ましい光景を見ながら、僕はジャリジャリとあずにゃんの玉子焼きを噛み砕いた。
正直に言うと、苦い…。涙が出そうだ。
それに引き換え、あずにゃんは幸せそうに涙を流している。

この差は一体なんなんだろう、素材の違いなのかな?
ニコニコとあずにゃんを眺めていると、突然彼女は舌を出した。

梓「あの、おいしく食べさせてもらったところで言うのもなんですけど…
  このハンバーグ、軟骨が混じってました」

あずにゃんがペロリと出すピンクの舌は、思わず吸い取ってしまいそうなほど小さく可愛い。
確かに、このハンバーグはコリコリしているが、そこまで本格的だとは思わなかった。
旨みの正体は、どうやらそれらしい。

唯「あずにゃん、大丈夫だからよく噛んで食べてね」

梓「はい」

軟骨をコリコリと食べる姿はリスのよう、恥ずかしがっている澪ちゃんとはまた違う小動物を
イメージさせる。



35 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします:2009/09/26(土) 00:33:14.60 ID:Z9H93Lko

そうこうしているうちに昼休みが終わり、僕は上の空のまま1日を終えた。
今日1日何をしていたのか全く覚えていない、むしろ何もしていなかったのかもしれない。
とにかく僕はボーッ…として1日を過ごしたのは間違いない。
こちらを見ている上司の寂しげな眼が全てを物語っている。
怒りを通り越して、哀れみをかけてくれているようだ。

僕は通路の壁にぶつかりながら、会社を出ると昼間の白い陽炎の正体がそこに居た。
無邪気な顔をしながら、僕に向かって手を振ってくれる。
時折吹く風でつややかな黒髪は舞い、白と黒のコントラストで1枚の画を作り上げている。

澪「おかえり、唯」

唯「みお…ちゃん?」

澪「どうしたんだ?そんな寝起きのような顔をして…」

唯「あはは…最近、澪ちゃんがパッチワークにハマっているみたいだったから、
  てっきり今日もやっているかと思ってね。
  僕が話しかけても、なかなか反応しないほど夢中になっているくらいだし…」

昼間見た姿と同じ、あれは澪ちゃんだ。
なんで、どうしてあんな時間に会社の前にいたんだろう…

澪「パッチワーク、今日縫い合わせまで終わったんだ。
  そうそう、今日の晩御飯はシンプルにカレーにしてみたんだ…
  ずっと煮込んでいたから、とろっとろでサックサクに仕上がっているぞ」

唯「もう…澪ちゃんたらお腹空いているのに、そういう話は勘弁してよぉ」

澪「ふふふっ、唯…よだれ出てるぞ」

唯「!?」

澪「あはは、うそだよ♪」

はたから見たら、僕と澪ちゃんはバカップルと言えるやりとり。
しかし、りっちゃんと澪ちゃんに出会ったばかりの頃、二人はこのような感じの
やり取りをしていたのを思い出した。
りっちゃんは澪ちゃんをからかい、澪ちゃんは恥ずかしがって赤くなり縮こまる。
このようなことが日常茶飯事だった。
会社に来る度、りっちゃんは僕に対してもそのようなことをしていた。
今後そのようなやりとりが無いと思うと、どこか寂しい。

唯「そうそう、りっちゃんが異動になったみたいだから、今度送別会やろうよ?」

澪「…」

予想通りの反応。
ツリ上がった目尻を持つ瞳は濁り始め、鋭く冷たい視線で僕を睨みつける。
僕は"自爆ボタンを押してしまったか?"と思うと同時に、
背中に冷たいものが伝っていくのを感じた。



38 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします:2009/09/26(土) 21:13:05.92 ID:Z9H93Lko

澪「…そうだな、前に約束したもんな…律を誘ってウチで食事しようって」

一呼吸置いた後のこと、澪ちゃんは僕の意見を受け入れてくれた。
なぜだろう…彼女の声は若干震えている。
あの日のことを思い出させてしまったのだろうか、りっちゃんとの別れが辛いのかは
今の様子から読み取ることができない。

しかし、普段の澪ちゃんと違う様子であることは解る。
パッツリと切りそろえた前髪は、湧き出た汗でぺっとりとおでこに貼りついており、
よくよく瞳を見ると焦点が合っていない。
くるくると中空ばかり見て、僕を直視していない…何か隠し事しているのだろうか?

唯「澪ちゃん、どうしたの…?大丈夫…?」

血路を開き、澪ちゃんの異変の正体を暴こうとしたが…失敗に終わった。

澪「そ…そうだ!今夜にでも律にメールしておいてくれよ。
  日時は唯と律で決めてくれれば、それに合わせて準備しておくよ。
  前のこともあったから、私がメールするのは気まずいから…な」

唯「そうだね… うん」

杞憂だったのか、澪ちゃんの言葉を聞いて安心した。
それよりも気まずいのは、血路を開いてしまった僕と澪ちゃんの空気。
歯切れの悪い返事をしたせいか、送別会の話が終わってから会話が無い。

そんな空気に耐え切れなくなったのだろう、急に澪ちゃんが僕の右腕にしがみついてきた。
むぎゅっ!と二つの膨らみに沈み込む右腕、彼女の体温と鼓動が伝わってくる。

唯「!?」

澪「た…たまにはこういうのもいいだろ…?」

あの日から、少しだけ澪ちゃんが積極的になったと思う。
母親になるというプレッシャーがあるからなのかな?
この調子でいくと、長年付き合ってきた"恥ずかしがり屋さん"とも別れることになるだろう。
彼女に取っては嬉しいことなのだろうが、僕としては少し残念…。
いつの日か子供は親の元を離れる。その時まで"恥ずかしがり屋さん"との再会はお預けかな。



41 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします:2009/09/27(日) 12:14:21.65 ID:JLYWjWQo

帰宅するとテーブルのセッティングは完了していた。
晩御飯に合わせてのことだろう、僕の席には澪ちゃんが丹精込めて作ってくれた
サドルブラウンのランチョンマットが敷いてあり、アジアンテイストとも言える仕上がりだ。
ランチョンマットにしては、少し小さめの仕上がりだけど…
なんだろう、どこかで見たことがあるようなツヤを帯びており、手触りも覚えがある。

澪「おっ、よく煮えているぞ…うん!スパイスも良く効いている!」

唯「澪ちゃん、先に味見て感想述べるなんてヒドいよぉ…」

澪「あまりにも良い出来だったんだ、感想言うのも仕方ないだろ?」

コトリとランチョンマットの上に乗せられる純白の皿、
炊きたてでしっとりとした光沢のあるご飯からは、ほくほくと湯気が舞っている。

唯「おー、豆ごはんだ!あ~るふぁるふぁ~♪」

澪「付け合せにスープもどうぞ」

ウェイター気取りの口調で澪ちゃんは、スープカップをテーブルに置いた。
ランチョンマットに置きたかったのだが、カレー皿だけで一杯になってしまった。
スープカップ、カレー皿、スプーンを並べ、お店のメニューに載っている写真のような
配置をしてみたかったのだが残念だ。

カレーから漂う香草系の香りがとても強く、
鼻腔を伝って肺を満たすと共に唾液腺を刺激する。

澪「どうした?食べていいんだぞ??」

本能を逆撫でされたかのように、僕は抑えていた食欲を放出し食事にありついた。
澪ちゃんはガツガツと下品に食べる姿を見て、にこにこ微笑んでいる。
香辛料が効いているのだろうか、とても辛く全身から汗が噴き出る。

澪「いくら美味いからって、がっつき過ぎだぞ?」

唯「こんな辛くて美味しいカレーなんて、生まれて初めてだよ!」

澪「ふふっ、その言葉が聞けただけで私は幸せだ」

彼女はハンカチを取り出し、僕の額に出来た水滴を拭う。
それでも水滴は止まず、澪ちゃんはその度に拭ってくれた。



42 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします:2009/09/27(日) 13:20:33.30 ID:JLYWjWQo


唯「さて…洗い物も終わったし、澪ちゃんもお風呂入ったから、
  そろそろりっちゃんに連絡しておこうかな?」

僕は携帯電話を取り出し、澪ちゃんとりっちゃんにメールを送った。
ヴヴヴヴと震える澪ちゃんの携帯電話、どうやらりっちゃんにもメールは届いたようだ。

2~30分経過しただろうか、りっちゃんからの返信は未だ無い。
いつもならメールしたら数秒という速さで返信がくるのだが、
分単位でメールの返信が来ないのは珍しい。
(返信といっても、1~2文字程度が送られてくるくらいだけど。)

今日の配置換えの知らせといい、りっちゃんに何かあったのだろうか?
突如不安に包まれた僕は、りっちゃんに電話をした。
僕が発信すると同時に振動する澪ちゃんの携帯電話。

唯「なんで…?」

僕は電話番号を確認し、再度発信を試みる…再び振動する澪ちゃんの携帯電話。

ワカラナイ…

状況を把握することができない。
りっちゃんにかけているのに、澪ちゃんの携帯電話が着信しているなんておかしい。
訳が解らない、今度は逆に澪ちゃんの電話番号に発信してみた… …鳴らない。
受話器から聞こえるのは無機質な音声アナウンスだけだった。

澪「唯、お風呂あがったぞ?」

携帯電話を閉じると同時に澪ちゃんから声をかけられた。
それは、タイミングを見計らっていたのでは?と疑ってもおかしくないくらいだ。



45 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします:2009/09/28(月) 00:41:30.35 ID:Rns.23co

白いバスタオル1枚だけを纏った澪ちゃんの姿はとても艶っぽい。
湯あたりでもしたのだろうか、頬は薄紅色に染まっており瞳はとろんと目尻が落ちている。
男なら誰でもすぐに飛びついてしまう姿だが、今は理性が僕を抑えてくれている。

唯「ねぇ…澪ちゃん、携帯電話のことなんだけど…」

澪「う…ん?」

スラリと折れそうなほど細い足は湿っており、ひたひたと近づいてくる。
ぴたりと密着したバスタオルごしから彼女のボディラインははっきりと解り、
芸術品に近いスタイルで僕を魅了する。

僕と彼女の距離を縮める間、傷モノにならぬよう梱包材のような役割をしていたバスタオルは、
ぱさりと床に落ち広がった。
それと同時に、あらわになる2つの果実はまるで白桃のよう。
湯上りで紅潮していることもあり、食べごろとも言える甘さを持っていそう。
そして、アンダーヘアは火照った体から出る湯気を纏い、
雫を生み出し朝露を浴びたかのように湿っている。

僕はその光景に負けじと澪ちゃんを問い詰めようとしたその時、
彼女の細い両腕が僕の頭に絡みついた。

唯「んっ…むぐっ…  ふっ」

澪「…んふぁ、ぷふぅ…」

くちゅっ…くっちゅちゅぷっ…

澪ちゃんの舌は僕の唇を押しのけ、執拗に僕の舌へと絡みつく。
下品でいやらしい粘液の音が頭の中に響いてくる。

むちゅ…ぷ …ちゅむっ…

澪「んぅっ… ふぅっ…」

やがて僕は抵抗することを諦め、
ヘビに食べられる獲物のように食べ尽くされることを待つことにした…。
キスで生み出される澪ちゃんの唾液はガムシロップよりも甘く、生クリームのように喉へ絡みつく。

それはいつもよりも濃厚で甘いキスであったが、
毒が混じっていることに気づいたのは翌日のことであった。



47 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします:2009/09/28(月) 21:49:24.47 ID:Rns.23co


「17時のニュースをお伝えいたします…今日も冷え込んだ1日でしたね」

テレビの音で目が覚めた。
毎朝耳にするアナウンサーの声では無く、全く別人のアナウンサーの声が聞こえる。
ニュースの内容も今日数時間前に起きた出来事ばかりを放送している。

どうやら、昨晩から陽が沈む今にかけてまで、ずっと眠っていたらしい。
既に澪ちゃんは起きており、仰向けになっている僕の下半身に乗っていた。
お互い生まれたままの姿だが、互いの局部は混じりあった体液でドロドロに汚れている。
僕のペニスは疲れ果ててくたっとしており、
澪ちゃんの秘部は充血して真っ赤な薔薇の花びらを模していた。

そして彼女の肢体は、僕の精液、カウパー液、唾液、
汗でいつものしっとりと透き通るような肌ではなく、ぺとぺとで曇りガラスの様に汚れている。
また、僕は澪ちゃんの愛液、唾液、汗を帯びており、まるで全身が粘膜で包まれているような感じだ。
途中澪ちゃんは出血したのだろうか、僕の体のところどころに血液が付着している。

唯「…ふ…?」

澪「やっと起きたか?
  昨晩から何度も何度も射精したから疲れたのか?
  なかなか目が覚めないからビックリしたぞ?
  
  …うん?ご飯食べたいって??
  まったく、唯は食いしん坊だな…そうそう、昨日のカレーがいい具合にコクが出ているぞ。
  唯のほっぺたが落ちるほどに美味しくなっているから、楽しみにしていろよ♪」

唯「…?」

澪ちゃんは何を言っているのだろう、僕は満腹でもないし空腹でもない。
むしろ水といった水分が欲しいくらいだ。
とにかく喉がカラカラで鉄の味がする…水分が欲しい。
僕は澪ちゃんに声をかけ、グラス1杯の氷水を頼もうとした…。




48 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします:2009/09/28(月) 21:51:08.08 ID:if9Nmrso

澪こええ



49 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします:2009/09/28(月) 23:09:49.88 ID:Mjqd.AAO

憂選手並に恐いなw





52 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします:2009/09/29(火) 21:30:47.14 ID:EC1OMnwo

唯「…コヒュッ ヒュ…!?」

胸の奥から虚しく漏れる空気の音に、僕は驚きの表情を隠せない。
そう、喉を振動させるあるものが欠けていることに気がついた。
本来声を出そうとすると、そこはピリピリ震えるものなのだが、
今の僕はそれを感じることができない。
あまりに衝撃的な出来事に、僕の血の気は一気に引いていった。

澪「どうした?顔色が悪いぞ…?
  そっか、昨日セックスしすぎて疲れたのか…
  そうだよなぁ、私特製の精力剤を沢山使って頑張ったんだもんなぁ。
  でも…あんなに積極的で野性味溢れる唯、初めてで嬉しかったぞ。
  もちろん、今晩もするよね?
  うふふ、唯ったらもうエッチなんだからなぁ…。」

僕が澪ちゃんに何をしたかなんて解らない、或いは僕自身が忘れているのかもしれない?
頭の中でコードが絡み合い、電気信号が滅茶苦茶に脳のあちこちへ伝送された。
空白の20時間の中、僕の身に何があったというのだろうか。

濃厚なキスの後に貰った白い錠剤、それがトリガだったのだろう。
そこからプッツリと記憶が途切れている。

その後も持続的に投薬されたのか、アルファベットが羅列してある透明パックや
使用済みの注射器がベッドの周りに散乱している。
キャンドルライトが置いてあるテーブルの上には、ご丁寧に注射針がキチンと並べてある。
こんな状態であるというのに"澪ちゃんらしい"と思ってしまう自分がバカみたいだ。
まったく…のんきなこと考えている場合じゃないというのに…。

唯「…」

澪「え?お風呂一緒に入らないかって?
  仕方ないなぁ、でも…晩御飯食べてからだぞ?」

彼女は淀んだ瞳で顔を赤らめ微笑み、
僕と澪ちゃんの体液で出来た乳白色のカクテルをペロリと舐め取った。



54 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします:2009/09/30(水) 00:16:54.78 ID:dFxpp4wo

すすっ… すっ…

夕飯にするらしく、布が擦れる音を立てながら澪ちゃんは僕の股から降りた。
長時間乗られていたからだろうか足に感覚が無い。
声帯を切り取られた今、もはや彼女が何をしでかすか検討がつかない。
僕はぐしゃぐしゃのシーツから上半身を起こし、足があるかどうか確認した。

結論、ある。

澪ちゃんが作ったものだろう、ところどころにポツポツとカサブタが出来ている。
感覚は無いのでわからないが、カリカリして1つずつ剥ぎたいところだ。
そして足首には澪ちゃんの白いバングルと同じ、白いアンクレットが両足に巻かれていた。
取り外して内側を見ようとしたが、運悪く…僕の体は硬く、そこまで手が届かない。
それを見かねて、澪ちゃんは僕に声をかけた。

澪「唯、どうした?
  そのアンクレットが気に入ったのか?うんうん、そうだよな!
  私のバングルとお揃いなんだもんな、みんなに自慢してもいいんだぞ?」

唯「…」

言葉によるコミュニケーション能力を失った僕は、落胆の表情を浮かべた。
それに反応し、澪ちゃんはキョトンとした表情を見せる。

澪「唯、ごめんな…そういえば空腹だったんだな。
  それじゃ、足もこんなだからここで食べよう、今支度するから待ってて」

澪ちゃんは自分の体と僕の体を軽く濡れタオルで拭くと、台所へ姿を消した。
空腹どころかショックで何も食べる気が起きない…。

ヴヴヴヴ…

ふと振動する携帯電話…、文字のコミュニケーションなら何とかなるかもしれない。
僕はそう思い携帯電話を拾い上げ、メールを確認し目を疑った。

唯『カレーの辛さ、もうちょっと甘めにしたほうがいいかな?』

僕の携帯電話には僕の携帯電話からメールが来ていた…。
どうやら寝ている間、りっちゃんの携帯電話に仕組んだことを、
僕の携帯電話にも施していたようだ。

今日のメール送受履歴を見ると、僕と澪ちゃんのやりとりだけで、びっしり埋まっている。
また、アドレス帳も「唯」だけで数百件埋められている。



57 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします:2009/10/01(木) 21:46:00.48 ID:f2SPqWIo

万策尽き現実を受け止めた今、頭の中で絡んでいたコードは全て焼け落ち、
脳内に真っ白な空間が出来上がった。
そんな僕は、ただ中空を見つめるしかなかった。

とてとてと軽いスリッパの音が近づいてくる。
晩御飯の準備ができたのだろう、昨日のカレーをより熟成した良い香りが漂ってくる。
ガチャリとドアが開くと、真っ白なワンピースと季節外れの麦わら帽子をかぶった黒髪の女性。
白いバングルを着用している方の手には、大きなバスケットをぶら下げている。
カレー皿とランチョンマット、そのほか小道具のようなものが数点入っている。
ピクニックのつもりなのだろうか?
彼女は僕と澪ちゃんが生み出した、青臭い空気が漂うこの寝室で食事の準備を始めた。
しかし、澪ちゃんは着衣しているというのに、僕がまだ全裸なのは如何なものだろう…
とりあえず身近にあったタオルケットを羽織り、体液の跡が残るくすんだ肌を隠した。

澪「今日はな、ついに律を交えての晩御飯だぞ。
  あれ?唯も楽しみにしていたのに、あまりうれしそうじゃないな?
  もしかして、前のあのことを気にしているのか??
  まったく、私はもう気にしていないから喜んでいいんだぞ♪」

りっちゃんが来た!?
でも、今の僕のこの姿を見たらりっちゃんはどんな顔をするだろうか。
いつも気丈なりっちゃんでも、キチンと女の子の一面は持っている。
彼女を抱いた夜もそうだった…赤面し、涙を流し、僕を求めた。
きっと、こんな姿を見たりっちゃんは腰を抜かし、くずおれるに違いない。

唯「…」

澪「そうそう、今日の律はおめかししているんだぞ。
  律も一緒に晩御飯食べような?
  えっ?食べるところを見ているだけでいいって…?
  そっかぁ…律は甘いカレーはあまり好きじゃなかったか。
  今度別枠で、律の為に辛いカレーを作っておくからな…律、ごめんな」

澪ちゃんは僕の隣に腰をかけベッドの上にランチョンマットを敷き、
昨晩より一回りほど大きいカレー皿を置いた。
皿の上には4・5種類のカレーが小鉢に入って並んでおり、中央にはターキーが添えられている。
そして、バスケットからはナンの香ばしい香りが僕の嗅覚をくすぐる。
みんなでワイワイ食べるのは楽しいディナーメニューだが、僕は動けず喋ることもできない。
しかし…りっちゃんが来る気配は一向に訪れない。
仕方ないので、僕と澪ちゃんは少しずつナンを頬張り始めた。

唯「…」

どこで買ってきたのだろうか…
澪ちゃんの片手には、りっちゃんと同じ型のカチューシャがしっかりと握られており、
純白のレースでできたコサージュが飾りつけてある。

澪「ん?唯…律ばっかり見てどうした?
  ほーら、唯もぎゅっってしてみろよ、きっと律も喜ぶぞ。
  ほらほら、律も私に遠慮なんてするなって…
  前のことはもう水に流したから…な?」




58 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします:2009/10/01(木) 22:17:32.84 ID:6CpZSioo

こええ



59 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします:2009/10/02(金) 01:31:08.00 ID:hW.ii52o

いかれてやがる





62 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします:2009/10/03(土) 01:13:26.80 ID:Z0atOwso

澪ちゃんは何を言っているのかさっぱりわからない。
僕はカチューシャを手に取り、指先に神経を全て集めじっくりと触った。
確かにりっちゃんの物と同じ型をしている…
若干キズだらけなところや幾本も並ぶ突起の1つが欠けているところ、
何から何までそっくりだ。

違うところといえばコサージュが飾ってあることと、コサージュに隠れていたワインレッドのひっかき傷…
きっと、深く傷ついた箇所に侵食した血液まで洗い流すことができなかったのだろう。
確実にりっちゃんの物だと知った僕は、狂気に襲われた。
僕はバガッ!と目を見開き、出もしない声を張り上げ叫んだ…
傷口が開いたのだろうか、じわじわと喉から熱い液体が込み上げてくる感覚がある。

唯「ヒューッ! …コヒュッ! …キヒュ!」

澪「…唯、どうした?
  あまり美味しくなかったか? …そんなに涙を溜めて怒るなんて…
  ごめん、本当にごめんっ!!」

澪ちゃんは突然子供のように泣き始め、けたたましい足音と共に寝室を後にした。
そして、遠のいた足音は再度寝室に近づくと、彼女は包丁を持って姿を見せた。

憂と争ったあの日と同じような光景だが、状況は異なっている。
彼女が持っているあの刃物は、自分を傷つける為のものだ。
澪ちゃんは包丁でサッと手首を撫でると、包帯は木の葉のように床に落ち、
同時にしたたり落ちる紅の雫で包帯を赤く染める。

澪「ごめん…唯…ごめん、ごめんね…ごめんね…怒らないで。
  優しくしてよ…ね? 次は失敗しないから、美味しいごはん作るから…
  ほ…ほら、唯って律のこと好きなんでしょ?だからがんばったんだよ?
  律で作った晩御飯も、律の髪の毛で作ったランチョンマットもほめてくれたじゃない。
  唯の為に律の声もちゃんと録音してあるし、調理風景だって撮ってある。
  だから、あのときみたいに、私を褒めて優しくして…おねがいだから」

彼女のうつろな瞳から湧き出る涙は血液と共にポタポタと床へ落ち、
ブツブツと念仏でも唱えるかのように懇願した。
それはとても痛々しく、拒否権を譲る気配は全く感じられない。
りっちゃんの死が事実となってしまった今、僕は澪ちゃんを助けることに専念することにした。

そういえば、りっちゃん言っていたっけ「澪を泣かせたら許さない!」って。
遺言となってしまった今、澪ちゃんをこれ以上傷つけるわけにはいかない。
彼女を死なせるなんて、もってのほかだ。
澪ちゃんを救わないと…先に逝ったりっちゃんに合わせる顔がない。



65 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします:2009/10/03(土) 19:06:10.91 ID:Z0atOwso

ずるっ…バダンッ!

ジクジクと血が滲んでいる足は、"立つ"という仕事を忘れてしまっている。
僕はベッドから滑り落ち、床を這って澪ちゃんに近づいた。
彼女からすれば僕の格好は異様なのだろう、それとも他の理由だろうか?
その場で立ちすくみ、包丁を構えたまま小刻みに体を震わせている。
澪ちゃん、そんな危ないことをしたらダメだよ…

唯「ヒューッ… ヒュ」

ずるっ…ずるっ…
僕はナメクジのように這った痕を作りながら澪ちゃんに近づいた。
床を這い、体を這い、彼女の両肩に手をかける。
そして…僕は澪ちゃんを正気に戻すべく、彼女の肢体を強く引き寄せ冷たく輝く刃物に我が身を預けた。

すっぷっ…

上手い具合に挿入したのだろう、それは抵抗なく僕の体の中に入ってくる。
挿入時ヒヤリと腹部で感じとった温度は、徐々に上昇していき熱を持ち始めてきている。
それに連れ、僕の強張った表情も徐々に緩んでいくのが解る。

それは痛くも苦しくもなく、体温がスッと落ちていく。
全身に制汗スプレーを吹き付けた時の感覚に近く爽快感すらも覚えた。

澪「!?
  ゆ…い?ゆい?唯!?
  うわっ!うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!ゆいっ!唯ぃぃぃっ!」

やはり僕自身で傷を作ることが、澪ちゃんを正気に戻すトリガだったようだ。
名前を呼ぶ声と叫び声が交互に聞こえるが、それはどんどん遠くなっていく。
まぶたも重力に逆らうのを止め、重みを増してきた。

ごめん、りっちゃん…最後の最後で澪ちゃんを泣かせちゃったね。
…約束、守れなかったよ。

…もうそろそろ…りっちゃんのところかな?
さいかいしたら、ぼくは、ずっとりっちゃんにあやまりつづけるよ。
みおちゃんをなかせちゃった…って。
ずっと…えいえんに…りっちゃんがゆるしてくれるまで…。

【おわり】
★半月ほどかかりましたが、ようやく終わらせることができました。
 どれくらいの方が読んでくださっているか存知ませんが、ありがとうございます!
 澪のメンヘラ成分が足りなかった気がしますが、書きたいことを全て書けたので満足。
 またVIPで何か書いていきます。


 以下、唯・救済END。
 お気に召すか解りませんが、ちょこっと書いてみました。




66 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします:2009/10/03(土) 21:09:20.89 ID:fxZys2Qo



おもしろかった

ただ声帯を切り取るには首を切開する必要があるからそこだけ気になった





67 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします:2009/10/03(土) 21:15:25.61 ID:Z0atOwso

>66
うぉぉ…そうだったんですか、無知でした orz




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