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律「リツは呪われてしまった!」 【非日常系】


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3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/07(日) 21:43:19.96 ID:7wsmf82N0

私と唯は付き合っている。

半年前、私は唯に告白された。

人に告白されたのは初めてだった。

まさか女の子に 告白される事になるとは思わなかったけど。

言っておくが私はノーマルだ。

だけど顔を真っ赤にして告白してきた唯を見て、

不思議と嫌な気はしなかったし、むしろ嬉しかったし、

唯の事を、可愛いなって思っちゃったんだ。





4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/07(日) 21:45:09.15 ID:7wsmf82N0

それから私と唯はたくさんのデートをした。

映画を見に行ったり、花火大会に行ったり、この間のクリスマスも2人で過ごした。

そうやってデートを重ねるうちに、今まで知らなかった唯の事をたくさん知った気がする。

そしてその度に、私は唯のことを好きになっていった。

私はノーマル・・・のはずだったんだけどなぁ。

そんな私の恋人は、明日、転校する。



5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/07(日) 21:47:20.57 ID:7wsmf82N0

今日は部室で唯のお別れ会をした。

ムギはかなり豪華なケーキを持ってきてくれた。

唯はそのケーキをとても美味しそうに食べていたけど、みんなが唯にケーキを分け与えるものだから、

こんなに食べられないよと困りながら笑っていた。

澪は唯の為に詩を書いてきた。

澪の書く詩はやっぱりメルヘンチックで恥ずかしいものだったけど、

唯はすごい良かったと嬉しそうに笑っていた。

梓はなぜか猫ミミを装備して、今日は好きなだけ抱きついていいですと顔を赤くしながら言った。

唯は梓に抱きつきながら、あずにゃんかわいいと楽しそうに笑っていた。



7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/07(日) 21:49:38.54 ID:7wsmf82N0

他にも和に鈴木さんにさわちゃんに、

来てくれたクラスの子たちに、唯は笑いながらありがとうと言っていた。

みんなが耐えきれずに泣き出してしまっても、唯は最後まで涙は見せなかった。

そして今、この部室にいるのは私と唯の2人だけ。

お別れ会が終わった後、どちらが言うでもなく部室に残った。

他のみんなは察してくれだのだろう。残っている私たちをおいて先に帰っていった。

さっきまでの喧騒が嘘だったかのように、部室は静寂に包まれている。



8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/07(日) 21:51:30.55 ID:7wsmf82N0

長い沈黙の後、先に口を開いたのは唯だった。

唯「今日はありがとうね、りっちゃん。すごい楽しかった」

律「私は何もしてないよ。みんなのおかげだ」

唯「もちろんみんなにも言ったよ。
  でも、りっちゃんが何もしてないなんて事ない。だから、ありがとうだよ」

律「ん、そか」

会話が途切れる。

今日は唯の転校前の最後の日で、話したい事がたくさんあるはずなのに、

何を話せばいいのか全然わからない。



9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/07(日) 21:53:45.29 ID:7wsmf82N0

唯がまた口を開く。

唯「この学校で過ごした2年間は本当に楽しかったな~。練習したりお茶したりライブをしたり。

  こんなに生きてるって実感出来たの初めてだった。みんなと軽音部で過ごせて良かったよ。それに」

唯は私の方に向き直って言った。

唯「りっちゃんにも出会えたしね」

律「唯・・・」

それはこっちのセリフだよ。

軽音部で過ごした2年間は、今までで一番充実してた。

それは、きっと唯のおかげだから。



10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/07(日) 21:56:03.86 ID:7wsmf82N0

唯「ねえ、りっちゃん」

律「なんだ、唯?」

唯「私たち、大丈夫だよね・・・?」

律「え?」

唯「別れるなんて、言わないよね?」

涙声になりながらしゃべる唯。お別れ会の時は必死に我慢していたものが、あふれそうになっている。

律「何言ってるんだよ、そんなの当たり前だろ」

唯を悲しませたくない、不安にさせたくない。だから私は努めて明るい声で答える。



14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/07(日) 21:58:11.24 ID:7wsmf82N0

律「毎日メールするし、電話だってする。休みの日には会いに行くよ。

  だからちょっとくらい離れたって、私たちは大丈夫だよ」

そう、だから泣く必要なんてない。私たちは大丈夫。

律「な。だから泣くなって」

唯「り、りっちゃんだって・・・」

律「え?」

唯「りっちゃんだって、泣いてる」

言われて初めて、私は自分の頬を涙が伝っていることに気がついた。



18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/07(日) 21:59:42.03 ID:7wsmf82N0

律「あ、あれ?なんでだ?泣くつもりなんてないのに」

流れる涙を手の甲で拭う。だけどいくら拭っても、全然涙は止まってくれない。

律「泣く必要なんてないのに・・・。私たちは大丈夫だから・・・なのに・・・」

もう限界だった。止まらない涙と一緒に、唯への想いもどんどん溢れてくる。

律「・・・嫌だよ」

律「唯がいなくなるなんて、絶対嫌だよ・・・。頼むから・・・転校なんてすんなよ・・・」



20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/07(日) 22:01:12.53 ID:7wsmf82N0

こんな事言ったってどうしようもないのには分かってる。

だから私は今まで言わなかった。

唯を困らせたくなかったから。転校くらいなんでもないんだって、思っていたかったから。

唯「私だって・・・転校なんかしたくない・・・。りっちゃんと・・・離れたくないよ・・・」

それからしばらくの間、部室には2人の泣き声だけが響いていた。



23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/07(日) 22:04:02.57 ID:7wsmf82N0

ひとしきり泣いた私たちは、今は手を繋いで肩を寄せあっていた。

律「・・・向こうに行っても元気でな、唯」

唯「うん、りっちゃんも」

律「浮気なんかしたら許さないからな」

唯「もー、ひどいよりっちゃん。そんなことしないよ」

律「ハハハ、ごめんごめん。でも心配だなー。次の学校は共学だろ?

  唯は可愛いから、男にいいよられたりするかもな」

唯「そんなのあり得ないよー。りっちゃんこそ他の子に手出しちゃ駄目だよ。澪ちゃんとか」

律「なんで澪に手を出すんだよ。つーか私はそっちの人じゃないってーの」



25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/07(日) 22:06:11.72 ID:7wsmf82N0

そう言った後に、私はあわててフォローをいれる。

律「あ、いや今のはそういう事じゃなくて、もちろん唯の事は好きだぞ。

  でもそれは唯が女だから好きなんじゃなくて、唯が唯だから好きなんだって事で、だからその・・・」

唯「・・・・・・ププ」

律「・・・え?」

唯「アハハハ、りっちゃんったら焦っちゃってかわいー。ちゃんと分かってるから大丈夫だよ」

律「わ、笑うなー///唯のくせにー」

そうやって私たちは笑いあう。今だけでも寂しさを忘れていられるように。

本当はずっとこうしていたかったけど、無情にも最終下校時刻を知らせる鐘が鳴る。



30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/07(日) 22:08:08.91 ID:7wsmf82N0

唯「・・・それじゃあ帰ろっか」

律「・・・そうだな」

そう言って私たちは立ち上がる。

外はもうすっかり暗くなっていた。

唯「りっちゃん」

律「ん?」

唯に名前を呼ばれ振り返った私。

そしてその私の唇に、なにか柔らかい感触が触れた。



32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/07(日) 22:10:08.01 ID:7wsmf82N0

律「な!?」

あまりの驚きに私は声をなくしてしまった。

顔が熱くなっていくのがわかる。

そんな私の様子を見て、唯はまた笑っていた。

唯「今ねー、りっちゃんに呪いをかけました」

律「の、呪い?」

唯「そ。私の事だけをずーっと好きでいる呪い。これでもう浮気の心配はないよね」

律「だ、だからしないっつーの。ていうか呪いってなんだよ」

唯「エヘヘ、実は私今ドラクエにハマっててさー」



33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/07(日) 22:12:05.33 ID:7wsmf82N0

唯がなにか言っている気がするが、正直あまり耳に入っていない。

唇に残る唯の感触の事で頭がいっぱいだった。

顔の熱もいっこうに引いてくれず、きっと今私の顔は真っ赤になっているだろう。

唯「ねぇりっちゃん聞いてる?」

律「え!?聞いてる!聞いてるぞ!」



35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/07(日) 22:13:43.26 ID:7wsmf82N0

唯「ホントかなー。まあいいや。じゃありっちゃん、はい」

そう言って左手を差し出してくる唯。

唯「行こ」

律「・・・おう」

私はその手を取って歩き出す。

不思議なことに不安な気持ちは消えていた。

唯がかけてくれた呪いがあるからきっと私たちは大丈夫だって、そう思えたんだ。



38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/07(日) 22:15:23.00 ID:7wsmf82N0

そして次の日、唯は行ってしまった。

私は見送りに行くと言ったのだけど、学校があるんだからいいと断られた。

唯の為だったら学校くらい休むのに。

でもそのせいで唯に気をつかわせるのは嫌なので仕方なく学校に行った。

唯のいない教室。それはとても異常な事なのに、それでも学校は通常通りに過ぎていく。

朝のうちはチラホラ聞こえていた唯の話も、午後になる頃には全く聞こえなくなっていた。

昨日はあんなに泣いていたクセに。

でも、いつか私も、唯のいないこの風景を通常に感じるようになるのだろうか・・・。



40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/07(日) 22:17:26.59 ID:7wsmf82N0

律「・・・なんてな」

悲劇のヒロインの様な考えにふけっていた自分に苦笑する。

まるで唯が死んだかのような独白だ。

唯は生きてるし、私の日常からいなくなったりなんてしていない。その証拠に

律『授業退屈だー。唯はもうそっち着いたのか?』

そう書いてメールを送るとほら、すぐに

唯『まだ車の中だよ~。ちょっと酔っ払いそう・・・』

なんてメールが帰ってきた。

私はにやけそうになるのを我慢しながら、退屈な授業を唯とメールして過ごした。



42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/07(日) 22:19:08.93 ID:7wsmf82N0

放課後、私たち軽音部はいつものように部室でお茶をしていた。

唯のいない部室は、なんだかいつもより広いような気がする。

梓「・・・騒がしい人でしたけど、やっぱりいないと寂しいものですね」

澪「・・・そうだな」

紬「りっちゃん、その・・・大丈夫?」

ムギが心配そうな表情で私に聞いてきた。

律「ありがと、ムギ。全然平気だよ」

全然ではないけど。それでも唯がかけてくれた呪いがあるから。



44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/07(日) 22:21:08.53 ID:7wsmf82N0

律「それに別にもう会えないわけじゃないんだからさ。

  さっきの授業中だって唯とメールしてたんだぜ」

梓「もう、授業中になにしてるんですか」

梓は呆れたような、でもすこしホッとしたような口調で言った。

澪「フフ、相変わらず2人はラブラブだな。まあ律と唯の関係が転校くらいで壊れる訳ないよな」

梓「部活中もいつもイチャイチャしてて、こっちの身にもなってほしかったですよね」

紬「まあまあ、いいじゃない。私は仲のいい2人を見てて楽しかったわよ」

律「う、うるせー///」

みんなして私をからかう。恥ずかしかったけど、唯との事を言われるのはまんざらでもない。



45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/07(日) 22:23:08.14 ID:7wsmf82N0

律「と、とにかく私が言いたいのは、唯が転校したとしても
  私たちが5人で放課後ティータイムだって事は変わらないって事だ」

梓「あ、なんかいい事言ってまとめようとしてる」

澪「でも、律の言うとおりだ。転校しちゃったからって私たちの絆がなくなったりしない。

  だからいつまでも落ち込んでるわけにもいかないよな」

紬「ええ、そうね」

梓「それじゃ、次に唯先輩に会ったときに恥ずかしくないようにちゃんと練習しなきゃですね」

律「えー、今日はもういいよー」

梓「ちょっと律先輩!ここは練習する流れじゃないんですか!?」

そんなこんなで今日の部活の時間も過ぎていく。

唯はいなくなっちゃったけど、軽音部が私たちの大切な場所だって事は変わらないから。

それが壊れるような事にならなくて、私はすごく嬉しかった。



48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/07(日) 22:24:57.28 ID:7wsmf82N0

部活も終わって、私は今自分の部屋でくつろいでいた。

宿題が出てた気がするけど、今はそんなことよりも

律「唯に電話しようかなー」

唯は今なにしてるんだろ。

さすがにもう着いたと思うけど、荷物だっていっぱいあるだろうし忙しかったりするかな?

電話したら迷惑だって思われたりして。

そんなことを考えながら迷っていると、私の携帯が鳴った。

画面には唯の名前が表示されていて、私は急いで電話にでる。



50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/07(日) 22:27:04.87 ID:7wsmf82N0

律「は、はいもしもし!」

唯「ヤッホーりっちゃん。りっちゃんの声が聞きたくて電話しちゃった。今大丈夫?」

律「おう、全然大丈夫だぞ。ていうか私も唯に電話かけようとしてたとこ」

唯「ホント?エヘヘー、以心伝心だね私たち」

律「だな。もうそっちに着いたんだよな?どんな感じ?」

唯「なんかね、すごい都会!って感じ。周りに高い建物がいっぱいあってびっくりしちゃったよ」

律「アハハ、あんまキョドってると田舎者だって周りにばれちゃうぞ」

唯「失礼な。別にキョドってないもん」



51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/07(日) 22:29:08.94 ID:7wsmf82N0

その後も私たちは他愛もない話をして過ごした。

話題が尽きる事は無く、いつまででも話していたかったけど、唯の家はもうご飯の時間らしい。

唯「ごめんりっちゃん、憂が呼んでるや。今日はもう切るね」

律「そか、じゃあまたな」

唯「うん、また電話するから」

律「私も電話するよ」

唯「待ってる。あ、そうだりっちゃん」

律「ん?」

唯「へへ、大好きだよ」

律「///私もだよ」

そして私は電話を切った。

唯と話すのに夢中になっていて気がつかなかったが、2時間近い時間が経っていたようだ。

そろそろ眠くなってきていた私はそのままベッドにもぐりこむ。

あ、宿題・・・ま、いっか。



52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/07(日) 22:31:15.83 ID:7wsmf82N0

私たちはそれからも頻繁にメールや電話をしあった。

そして、今は春休み前。唯が転校してから2ヶ月が経過した。

唯「もうすぐ春休みだね」

律「そうだなー。それが終わったら3年生。つまり受験生だよ」

唯「もうりっちゃんったら。考えないようにしてたのに」

律「ごめんごめん。でも、私は大学楽しみだぞ。そのためだったら勉強も頑張れるかなーなんて思ったり」

唯「えー、そんなのりっちゃんのキャラじゃないよー。でも、そんなに大学楽しみなの?」



54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/07(日) 22:33:06.44 ID:7wsmf82N0

律「そりゃあな。だってまた唯と一緒にいられるし」

唯「え?」

律「あのさ唯。大学、一緒のとこ行こうな」

唯「・・・うん、そうだね。じゃあ私も頑張るよ!」

律「唯だけ不合格とかやめてくれよな~」

唯「りっちゃんには言われたくないよ。

  あ、そだ。話は変わるんだけどさ、りっちゃん春休みこっちに遊びにおいでよ。

  せっかくの長期休みなんだし、久しぶりにりっちゃんに会いたいな」

律「あー・・・。行きたいのはやまやまなんだけどさ」

唯「・・・もしかして予定とかあった?」



56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/07(日) 22:35:18.53 ID:7wsmf82N0

律「そうじゃないんだけど・・・。実はさ、先月の携帯代が高すぎるってお母さんに怒られちゃってさ。

  そんで今月はお小遣い少ししかもらえなくて、お金が・・・」

唯「あー、私も怒られた。憂にだけど」

律「うん。だからさ、お金なくて春休みは行けそうにない。ホントゴメン!」

唯「・・・ううん。それじゃしょうがないよ。

  電話代の事は私にも責任あるし・・・。こっちもゴメンね。」

律「唯は悪くないよ。私が電話したくてしてるんだから。

  でさ、私考えたんだけど、春休みバイトしようと思ってるんだ」

唯「アルバイト?」

律「そう、春休みだけの短期のやつ。

  それでお金貯めてさ、ゴールデンウイークになったら唯に会いに行くよ。どうかな?」



59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/07(日) 22:37:19.01 ID:7wsmf82N0

唯「・・・わかった。じゃありっちゃんに会うのはそれまでのお楽しみだね。」

律「おう、楽しみにしとけよ」

唯「でも、そしたら春休み忙しそうだね。大丈夫?」

律「だいじょぶだいじょぶ。このりっちゃんに不可能はないぜ」

唯「ホントに?あれだったら交通費半分出すよ?」

律「いいってば。唯は心配すんなって」

唯「・・・わかった。でも無理しちゃ嫌だよ?」

律「はいはい。それじゃ、またな唯」



61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/07(日) 22:39:07.41 ID:7wsmf82N0

唯「あ、待って!」

律「ん?どうした?」

唯「あ、あのねりっちゃん。実はね、私今日学校で・・・」

そこまで言って唯は口ごもる。

言うべきか言わないべきかを迷っているかのように。

唯「・・・ううん、やっぱなんでもない」

律「おいおい、そこまで言ってそれはないんじゃない?気になるじゃん」

唯「ホントなんでもないの。ゴメンね」

律「・・・そうか?ならいいけど」



63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/07(日) 22:41:26.10 ID:7wsmf82N0

唯が話したくないと思ったことを無理に聞くような事はしたくない。

だから私はあまりしつこく聞くことはしなかった。

唯「うん、じゃあまたねりっちゃん。大好きだよ」

律「私もだよ、唯」

そう返事をして私は携帯の電源ボタンを押した。

それにしても唯は最後になんて言おうとしてたんだろうか。

その内容が少し気になった。けど

律「ま、唯がなんでもないって言ってるんだからたいしたことじゃないんだろ」

そう思って、すぐに私はその事を忘れた。



64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/07(日) 22:43:45.38 ID:7wsmf82N0

そして春休みに入り、私の短期アルバイトが始まった。

バイトは私が想像していた以上に大変だった。

1日目のバイトが終わった日の夜、私は帰ってきてすぐにベッドに倒れ込む。

律「疲れたー。無理。もう寝よ」

よっぽど疲れていたのだろう。私は自分でも驚くくらいすぐに眠りに落ちた。

どれくらいの時間がたっただろうか、私は自分の携帯の着信音で目を覚ました。

眠い目をこすりながら携帯に手を伸ばして確認すると、唯からのメールが来ていた。



65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/07(日) 22:45:33.00 ID:7wsmf82N0

唯『おいっす。アルバイト頑張ってる?』

私は返信しようとしたけれど、やっぱり眠気には勝てず携帯を置く。

律「明日返信すればいっか・・・」

そして私は再び眠った。

次の日の朝、私は唯にメールを送る。

律『昨日は返信出来なくてごめん。バイトで疲れて眠っちゃってた』

唯『ううん、ゴメンね疲れてるときにメール送っちゃって。バイト頑張って』

返ってきた唯のメールを見て、私は今日も頑張ろうと思った。

唯に会うためならこれくらい頑張れる。早く会いたいな。



68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/07(日) 22:47:28.05 ID:7wsmf82N0

春休みはあっという間に過ぎていった。

大変だったアルバイトも今日で終わり、私は久しぶりに唯に電話をかけてみる。

春休み中は忙しくてあんまりメールも電話も出来なかったから、

久しぶりに唯の声が聞けると思うとちょっと緊張した。

電話帳から唯の名前を選んで通話ボタンを押す。するとプー、プーという電子音が聞こえてきた。

律「あれ、話し中だ」

私はすこし拍子抜けをしながら電話を切った。

唯と話せなかったのは残念だけど、まあそういう日もあるだろう。また明日かけてみよう。



69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/07(日) 22:49:16.58 ID:7wsmf82N0

次の日、春休み最後の日。

今日も唯に電話をかけてみる。

呼び出しのコール音がなり、とりあえず私はホッとした。

でも、今度はなかなか唯が電話にでない。いつもだったらすぐにでるのに。

諦めて電話を切ろうかと思った時、コール音が止まった。

唯「・・・もしもし」

律「お、唯?久しぶりー。元気してた?」

唯「うん、元気だよ。今日はどうしたの?」

律「どうしたのって・・・。ほら、春休み中あんまり連絡とれなかったからさ。

  久しぶりに唯の声聞きたいなーって」



72 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/07(日) 22:51:16.53 ID:7wsmf82N0

唯「あ、うん。そうだよね。私もりっちゃんの声聞きたかった」

律「・・・なんか唯今日元気なくない?なんかあった?」

唯「え!?全然そんな事ないよ。そ、それよりりっちゃんアルバイトはどうだった?」

律「え、ああ、バイト?もうかなり大変だった。交通量調査のバイトは楽だったんだけどなー」

唯「アハハ、まああれは座ってるだけだからね~」

律「まあでも唯に会いに行くためだって思って頑張ったよ」

唯「・・・うん。ありがとう」



73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/07(日) 22:53:27.97 ID:7wsmf82N0

律「そういえば唯、昨日誰かと電話してた?昨日も電話したんだけど話し中だった」

唯「あ、うん。その・・・クラスの友達と話してたんだ。ゴメンね」

律「いや、別に謝らなくてもいいけど。まあでもそっちでもうまくやってるようで安心したよ」

唯「うん、心配してくれてありがとね」

それから私たちは久しぶりのおしゃべりを楽しんだ。

唯はもういつも通りの調子に戻っていて、

唯の元気がないように感じたのは私の気のせいだと思っていた。

胸にモヤモヤとした違和感を残したまま。



76 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/07(日) 22:55:28.58 ID:7wsmf82N0

律「それじゃな、唯」

唯「うん。・・・あ、りっちゃん」

律「ん?なんだ?」

唯「りっちゃんさ・・・私のこと好き?」

律「な、なんだよいきなり」

唯「お願い、教えて」



79 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/07(日) 22:57:11.91 ID:7wsmf82N0

律「す、好きだよ。当たり前だろ?」

唯「・・・うん、そうだよね」グス

律「唯?」

唯「わ、私も・・・りっちゃんのこと・・・好きだよ・・・」

律「おい唯!どうした!?泣いてんのか?」

唯「ゴメンねりっちゃん・・・ゴメン・・・」

唯はしばらくの間、泣きながら私に謝っていた。

私は唯がなんで泣いてるのか、何を謝っているのか分からず、

電話越しにあたふたしながら適当な言葉で落ち着かせる事しかできなかった。



81 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/07(日) 22:59:17.84 ID:7wsmf82N0

紬「ところでりっちゃん。りっちゃんと唯ちゃんってどこまで進んでるの?」

律「ブッ!!」

春休みが終わり、私たちが3年生になって3週間ほど過ぎた日の放課後。

私たちがいつものように部室でお茶をしている時、ムギがいきなりそんな事を聞いてきた。

驚いた私は飲んでいた紅茶をつい吹き出してしまう。

梓「ちょ!?律先輩汚いですよ!」

澪「ていうかムギ!いきなりなんて事聞いてるんだ!」

紬「えー、いいじゃない。私こういうガールズトークをするのが夢だったの」



84 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/07(日) 23:01:12.08 ID:7wsmf82N0

律「ちょっと待って!無理無理、恥ずかしいから!」

紬「私たちしかいないから大丈夫よりっちゃん!澪ちゃんと梓ちゃんも聞きたいでしょ?」

澪「い、いや、私は別に///」

梓「あ、私は興味あるかもです」

紬「ほら、2人もこう言ってる事だし」

律「えー・・・」

いやいや、澪は別にって言ってるぞ。



85 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/07(日) 23:03:19.07 ID:7wsmf82N0

紬「ねえねえ、もうキスはしたんでしょ?」

ムギが目をキラキラさせながら聞いてくる。

梓も、なんだかんだで澪も結局聞きたそうな顔をしていた。

とても断れるような雰囲気ではなかった。

律「ま、まあ」

紬「じゃあじゃあ、やっぱりその先も!?」

律「その先?」



86 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/07(日) 23:05:14.58 ID:7wsmf82N0

澪「ム、ムギ。そういう事はもっと大人になってからする事で///」

紬「そんな事ないわよ!愛し合う者同士なら当然の事よ!ねえ梓ちゃん」

梓「え!?そ、そうですね。

  やっぱり好きな人同士だったら、そういうこともするんじゃないでしょうか///」

紬「で、どうなのりっちゃん?」

律「なあ、お前たちなんの事言ってるんだ?その先って何?」

紬「もうりっちゃんったらとぼけて。もちろんエッチのことに決まってるじゃない」



89 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/07(日) 23:07:24.95 ID:7wsmf82N0

律「エッチ!?エッチってセックスのことか!?そんな事するわけないだろ!」

紬「恥ずかしがることじゃないのよりっちゃん。恋人なら当然のことなの」

律「いやいや待て待て。そもそもそういうのは男と女がするものだろ」

紬「そんなことないわよ。女の子同士だって出来るのよ?」

律「・・・マジで?」

紬「・・・ホントに知らなかったの?」

律「いや、だって・・・。いくら私が男っぽいからってさすがにあれはついてないぞ?」

紬「当たり前じゃない。おぞましいこと言わないで」

ムギがすごい顔で睨んできた。マジで怖い。



91 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/07(日) 23:09:30.27 ID:7wsmf82N0

律「でもセックスなんて・・・。キスだってまだ1回しかしてないのに」

梓「先輩達って付き合って結構長いですよね?なのに1回しかキスしてないんですか?」

律「う、うるさいな。いいだろ別に」

紬「ねぇりっちゃん。ちょっと真面目な話するね」

ムギがちょっと真剣な顔をして言った。



92 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/07(日) 23:11:25.26 ID:7wsmf82N0

紬 「きっとりっちゃんは、精神的な繋がりを大事にしてるのよね?それはとてもいい事だと思うわ。

  でもね、肉体的な繋がりっていうのも同じくらい大切なものだと思うの。

  相手のことをどんなに大事に想っていても、その想いを行動で伝えなきゃ伝わらないことだってあるし。

  特に今りっちゃん達は距離が離れちゃってるのに、

  そういう繋がりがほとんどないっていうのはやっぱり不安よ」

律「・・・そうなのか?」

紬「私はそういう経験したことないからわからないけど」

いい話が台無しだよ



94 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/07(日) 23:13:41.19 ID:7wsmf82N0

律「あっ、でも・・・」

そういえば、私には今少し気になることがあった。

律「最近、唯からの連絡が少なくなった・・・気がする」

ちょっと前まではお互いに結構頻繁にメールや電話をしていた。

でも最近は私から連絡するばかりで、唯からくることが減ってきている。

紬「そうなの?」

律「いや、まあ新学期も始まったしきっと唯もいろいろ忙しいからなんだと思うけど・・・」



95 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/07(日) 23:15:51.87 ID:7wsmf82N0

紬「・・・ねえりっちゃん。やっぱり私、このままだといけないと思う。

  このまま何もしなかったから、

  いつか取り返しのつかないことになっちゃうかもしれないわよ?」

律「そ、そんな大げさな・・・」

紬「うん、もしかしたら大げさかもしれない。

  りっちゃんの言う通り、唯ちゃんも忙しいだけなのかもしれないけど。

  でも、私は万が一にも2人に何かあってほしくないの」

律「・・・ありがとう。じゃあ・・・ムギはどうすればいいて思うんだ?」

紬「確かりっちゃんゴールデンウイークに唯ちゃんに会いに行くのよね?

  だったら、やっぱりその時にちゃんと愛を確かめ合ってきた方がいいと思う」

律「愛を確かめ合うって・・・もしかして?」

紬「そう。名付けて、唯ちゃんの心も体もがっちり掴まえよう大作戦。

  これで2人の絆はさらに深まること間違いなしよ!」



96 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/07(日) 23:16:53.27 ID:7wsmf82N0

律「でも、私その・・・。女同士でのやり方なんてわかんないんだけど」

紬「大丈夫!私の持ってるビデオを明日持ってくるわ!」

律「いや!やっぱいいです!」

なんでそんなの持ってるんだよ!とは怖くて突っ込めなかった。



98 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/07(日) 23:18:28.65 ID:7wsmf82N0

その日の夜、私は家族がみんな寝静まったのを見計らって、パソコンで調べものをすることにした。

律「えっと、「女同士 セックス」っと」

私は慣れない手つきで文字を入力していく。

律「160万件!?もしかして女同士のセックスって普通のことなのか?」

私は適当に上の方にあるものから順に見ていく。

やり方みたいなのが書いてあるサイトもあったけど、文字だけだとイマイチよくわからなかった。

律「私本読むのとか苦手だからなー」



100 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/07(日) 23:20:39.69 ID:7wsmf82N0

それからしばらくして、私は動画サイトのような場所に行きついた。

律「おー、エロサイトだ」

弟の部屋でエロ本を見つけた事はあるけれど、

そういう動画をほとんど見たことのない私は少しドキドキしていた。

とりあえず適当な動画を選んでクリックしてみる。

律「わぁ・・・。すげー・・・。えー!そんなの入んないだろ・・・」

私は目的を忘れて、しばらく食い入るように動画を見ていた。

一つの動画が終わった後、私はようやく思い出す。



101 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/07(日) 23:22:41.22 ID:7wsmf82N0

律「ふぅ・・・。って違う違う!なんで私は普通のエロ動画を見てるんだ」

あの時は笑ったりしてごめんな聡。お姉ちゃんやっと男子の気持ちが分かった気がするよ。

私は気を取り直して次は女同士の動画を選択した。

律「おお・・・。えー///。そんな事すんの・・・?」

女同士のそれは男女のものとはまた違うエロさがあり、私はまたも見入ってしまう。

そして、同時に考えるのは唯のこと。本当に私と唯がこんなことをするのか?

律「や、やっぱ無理無理!こんなん恥ずかしすぎるって」



102 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/07(日) 23:24:44.63 ID:7wsmf82N0

だけど、それなのに私の頭は想像してしまう。

唯の裸の姿を。私たちが肌を重ね合わせている姿を。

律「でも・・・」

唯もこんなエロい顔になるのかな?もしかして私も?

律「恋人だったら・・・こういう事するものなんだよな・・・」

唯の体を見たい。触りたい。そんな想いがどんどん強くなっていく。

律「唯・・・んっ・・・」

唯が好き。

唯にかけられた呪いが、こんなにも心地良く私の心を縛っている。

唯も私を想ってこんな気持ちになってくれるのだろうか。

うん、きっとそう。

だって私たちは、恋人同士なんだから。



105 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/07(日) 23:27:22.11 ID:7wsmf82N0

律「うーん、どれがいいかなー」

私は今、姿見の前で服を選んでいる。

明日からはついにゴールデンウイーク。

久しぶりに唯に会えるんだから、やっぱりすこしでもいい格好をしていきたい。

律「これは・・・やっぱり私には可愛すぎないか?」

今日の学校の帰りにみんなと一緒に服を買いに行った時、

ムギが選んでくれた可愛いスカートを見ながら私はつぶやく。

紬「りっちゃん!明日は可愛い格好で唯ちゃんをメロメロにするのよ!」



106 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/07(日) 23:29:09.46 ID:7wsmf82N0

ムギはそんな事を言っていたけど。

私は試しにそのスカートを履いて、さらに前髪も下ろして姿見の前に立ってみる。

律「うわ、私がなんか女の子っぽい」

いつもとは違う私の姿に、違和感を覚えながらもすこしドキドキする。

唯に可愛いって思ってもらえるなら、たまにはこういう格好もありかな。

律「後はやっぱ下着も・・・だよな」

私はタンスのにある自分の下着を物色する。

律「どうしよ。そんな可愛い下着なんか持ってねーし。やっぱそれもムギに選んでもらった方がよかったな」

いや、でもムギに下着を選んでなんて言ったらすごい際どい下着選びそうだしな。それはそれで危険かも。



109 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/07(日) 23:31:15.99 ID:7wsmf82N0

そんな時、私の携帯の着信音が鳴る。ディスプレイを確認して、私は笑顔で電話に出た。

律「もしもし、唯」

唯「うん、りっちゃん」

律「唯からの電話ってなんか久しぶりな気がするな」

唯「うん・・・ごめんねりっちゃん。最近連絡出来なくて」

律「ううん、いーんだよ。きっと唯もいろいろ忙しいんだろうし」

唯「うん・・・ありがとう」



110 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/07(日) 23:33:14.34 ID:7wsmf82N0

律「それよりさ、明日楽しみだな。

  久しぶりに唯に会えると思ったらもう今からワクワクでさ、ヤバい今日眠れないかも」

唯「ねぇ、りっちゃん。その事なんだけど・・・」

律「ん、なに?」

唯「ごめん・・・やっぱり明日は会えない・・・」

律「・・・え?」

突然言われた言葉に私は声をなくす。会えない?会えないって・・・何?

律「えっと・・・。え?なんで?」



112 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/07(日) 23:35:08.92 ID:7wsmf82N0

唯「ごめんね・・・」

律「ねぇなんで?何かどうしても断れない用事でも入っちゃった?」

唯「ごめん・・・」

律「ごめんじゃわからないってば!私はなんでって聞いてるんだよ!」

私はつい語気を荒げてしまう。

でも唯は、私の質問には答えずに話を続ける。

唯「今日は・・・りっちゃんに大事な話があって電話したの・・・」

律「話?他にもなんかあんのかよ」

唯「うん・・・あのね、りっちゃん・・・」



唯「私と、別れてほしいの・・・」



115 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/07(日) 23:37:11.53 ID:7wsmf82N0

瞬間、私の時間が止まる。

手が、口が、頭が、心臓が、まるで自分のものではないかのように、うまく働いてくれない。

唯が何を言っているのかわからない。

律「・・・冗談だよな?」

長い沈黙の後、ようやく動いた口からかすかな言葉がもれる。

律「嘘なんだろ・・・?私をびっくりさせようとしてるんだよな?」

唯「冗談じゃないよ・・・」

律「な・・・ん、で・・・」

唯「りっちゃん、私ね・・・今付き合ってる男の人がいるの」



118 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/07(日) 23:39:18.07 ID:7wsmf82N0

頭を鈍器で殴られたかのような衝撃だった。意味がわからない。彼氏がいるって・・・。

唯の恋人は私じゃないの?

律「・・・どういう事だよ」

頭の中はグチャグチャだった。

自分が怒っているのか、悲しんでいるのかも分からない。

自分の事なのにどこか他人事のような、そんな感覚。

唯「こっちの学校で・・・クラスメートの男子に告白されて・・・。もちろん最初は断ったよ」

いつもなら私に元気をくれる唯の声が、言葉が、ゆっくりと私の首を絞めていく。



119 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/07(日) 23:41:12.90 ID:7wsmf82N0

唯 「私、りっちゃんに会えなくて寂しかった・・・。

  すごい寂しくて、本当は春休みにりっちゃんに会いたかったけど、会えなくて・・・。

  でもそんな時に彼はいてくれたの。私に面白い話をしてくれたり、遊びに連れて行ったり。

  ちょっと強引だったけど、彼といる時は寂しい気持ちを忘れていられた・・・」

律「なんだよそれ・・・私のせいだって言いたいの?

  私が春休みに唯に会いに行かなかったから?あんまり連絡できなかったから?」

唯「違うの!そうじゃない、そうじゃないけど・・・」

唯は泣いていた。泣きながら、それでも強い意志をもって、私に言った。

唯「でも、ごめん・・・。私、彼が好きなの・・・。大好きなの・・・。だから、私と別れて・・・」



121 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/07(日) 23:43:10.46 ID:7wsmf82N0

律「・・・ふざけんなよ」

思えば唯はいつもそうだった

律「ふざけんなよ!なんだよそれ!自分勝手すぎるだろ!」

マイペースで

律「お前のせいで、私はこんな風になったのに!それなのにその私の気持ちを踏みにじって!」

いつも周りを振り回して



126 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/07(日) 23:45:12.18 ID:7wsmf82N0

律「お前から告白してきたくせに!」

そして私は唯のことを好きになった。

律「私のことが好きだって何回も言ってたくせに!」

そして私を唯のことをもっと好きになった。

律「私にキスしたくせに!」

そして私は呪われた。唯のことしか見えなくなった。

律「なのに・・・それなのに!」



129 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/07(日) 23:47:27.40 ID:7wsmf82N0

律「こんなことならお前なんか軽音部に入れるんじゃなかった!」

唯と一緒に部活が出来て楽しかった。

律「こんなことならお前なんかに出会わなきゃよかった!」

唯に出会えて良かった。

律「こんなことなら!」

唯を

律「お前なんか・・・好きになるんじゃなかった・・・」

唯を好きになれて幸せだった



133 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/07(日) 23:49:40.63 ID:7wsmf82N0

律「もう二度と唯の声なんか聞きたくない!」

今更ながら改めて思う。私はこんなにも

律「唯のことなんか、大嫌いだ!」

私はこんなにもどうしようもなく、唯のことが好きなんだ。

私はかなりの勢いで電話を切って、壁に思い切り投げつけた。

そして、子供みたいに大声をあげて泣いた。

あんなに心地よかったはずの唯の呪いが、私の心を押しつぶしていた。



137 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/07(日) 23:51:06.81 ID:7wsmf82N0

澪「久しぶりだな、律」

律「よっ!久しぶり、澪」

とある居酒屋で、私たちは久しぶりに再開した。

お互い仕事が忙しくなって、なかなか会う機会もなかった。

律「どう、仕事は?」

澪「最近ようやく一段落ついたところだよ。まあまたすぐ忙しくなっちゃうんだろうけど」

律「大変だな澪んとこは。って私もあんま変わんないんだけどな」



140 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/07(日) 23:53:19.41 ID:7wsmf82N0

私たちはお酒を飲みながら、いろんな話に花を咲かせた。

律「ムギも来られれば良かったんだけどな」

澪「まあムギも大変なんだろうな。子育てとかもあるし」

律「大学卒業してすぐにどっかの金持ちのとこに嫁いでいったからな。幸せにやってるといいけど」

澪「そうだな。そういえば梓は?」

律「梓もやっぱ無理だって。

  まあなんて言ったって今やあの大人気バンドグループのギタリスト様だもんな」



143 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/07(日) 23:55:17.77 ID:7wsmf82N0

澪「あ、私この間のMスタ見た」

律「私も。なんかいまだに変な感じだよ。知り合いがテレビに出てるなんて」

澪「ボーカルとの熱愛も噂されてるし、今が一番いい時期かもな」

律「熱愛って言えば、澪はその後どうなんだよ?うまくやってんの?」

澪「まあね。順調だよ。もうそろそろ結婚しようかって話も出てる」

律「やー、羨ましいねー、妬けちゃうねー」

澪「・・・律はどうなんだ?」

律「私?私は全然。忙しくて彼氏作ってる暇もないよ」

澪「・・・そっか」



149 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/07(日) 23:57:34.35 ID:7wsmf82N0

澪「なあ、律」

律「ん?」

澪「唯、結婚するんだって」

律「・・・知ってるよ。私にも招待状届いてたし」

澪「行くんだよな?」

律「・・・行かないよ」

澪「律!律の気持ちもわかるけどさ、もう許してあげてもいいんじゃない?

  唯だって律と仲直りしたいから、今までだって何度も手紙を送ってきてたのに」



154 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/07(日) 23:59:36.00 ID:7wsmf82N0

律「別に怒ってないよ。結局あんなのは、思春期にありがちなただの気の迷いだったんだから」

澪「だったらなんで!」

律「その日は仕事休めないし」

澪「大事な仲間の結婚式なんだぞ!梓もムギも都合つけて絶対出席するって言ってるのに。なあ律!」

律「ごめん、そろそろ帰ろうぜ。終電なくなっちゃう」

澪「律・・・」

律「久しぶりに会えて楽しかったよ。また時間があったら飲もうぜ」



156 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/08(月) 00:01:45.22 ID:TzBljLI+0

そして私たちは店の前で別れて、私は1人駅に向かう。道にもほとんど人の姿はない。

律「どんな顔して会えっていうんだよ・・・」

きっと唯に会ったら、私はとんでもないことを言ってしまう。

自分を抑えていられる自信がない。

だって私は、まだ・・・。

今まで何人かの人と付き合うことがあった。

だけどその度に唯の事を思い出して、結局誰とも長続きする事はなかった。



158 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/08(月) 00:03:50.67 ID:TzBljLI+0

私は呪われている。

きっとこの呪いは、一生解呪することはかなわないのだろう。

だけど、私はそれでもかまわない。

この気持ちが報われる事は絶対にないけれど、この気持ちを忘れて生きていくよりはずっといい。

そう思うから。だから私は、誰に届く事もない言葉をひとり呟いた。

律「好きだよ、唯。幸せになれよ」



159 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/08(月) 00:04:20.50 ID:TzBljLI+0

おしまいです。

読んでくれたくれた方はありがとうございます

言われてる通りキャラが違いすぎてもうけいおんSSじゃないですねこれ

ごめんなさい




160 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/08(月) 00:05:22.32 ID:qvceu2i/0


モヤモヤが消えないな



162 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/08(月) 00:06:19.61 ID:1vD3QYUz0

あっさりだな



164 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/08(月) 00:08:20.12 ID:HZJfVdEdO





166 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/08(月) 00:09:45.31 ID:Gp5bimNA0

乙乙



167 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/08(月) 00:10:57.45 ID:4orBC1QJ0





168 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/08(月) 00:13:18.96 ID:Klwl4TPuO





170 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/08(月) 00:13:54.25 ID:fo5PmdE2O


おもしろかったよ
りっちゃん・・・



171 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/08(月) 00:19:28.37 ID:fxhEUtnz0

文下手だとかは思わんけどBADENDはやっぱ辛いな・・・






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