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唯「私の妹がこんなに可愛いわけがない」#14 【非日常系】


唯「私の妹がこんなに可愛いわけがない」 より
http://yuzuru.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1287330010/




616 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/23(土) 16:24:07.29 ID:71A7JgumO

いつからだろう
妹が依存しなくなったのは---

ゆい「今度合宿行くんだぁ~」
うい「うわぁ~いいなぁ」
ゆい「えへへ~」

きっと他に打ち込めるものがあるからだろう
高校に入ってから私はギターを始めた
きらめく青春がしたかった訳ではない
私はどうする事も出来ない何かから逃げたかったのだ
子供なりの逃避と言うやつだ
ごまかす何かが欲しかっただけに過ぎない
それでも何時しか私はギターの虜になっていった
別のなにかを愛するように
なにかを誤魔化すように





618 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/23(土) 16:32:17.31 ID:71A7JgumO

小学生の頃、私達姉妹は双子のように意思疎通だった
私の一部みたいなものだった
ご飯を食べるのも、音楽を聞くのも、
見る風景や感じる空気さえも同じように感じているのだと思っていた

中学に入って何かが変わっていった
最初は気付きもしなかった
何が起きているのか、何がズレていっているのか
私の世界はあまりにも狭すぎたのだ
全てが妹を中心に廻っていた世界が私の思考を蝕んでいたのだ

私達は意思疎通などしていなかった

それどころか私達は余りにも違い過ぎたのだ



619 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/23(土) 16:41:01.97 ID:71A7JgumO

妹は勉強もスポーツもほどなくこなした

それなのに彼女は努力を惜しまない人間だった
面倒見も良く、料理や家事も出来たし、控えめで慎ましい子だった
きっと同級生達も同じような印象を持っているに違いない

それなのに私は彼女とは正反対の人間で、
頭も良くなく、運動音痴で、努力が嫌いな人間だった
めんどくさがり屋で、家ではゴロゴロするのが好きな人間で
彼女とは意思疎通どころか、同じ姉妹なのか自分で疑いたくなるほどだった



620 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/23(土) 16:51:30.14 ID:71A7JgumO

そんな妹を親は良く出来た子だと誉め、
ういに家と私を任せて2人で良く家を空けるようになったのは、私が中学3年生の頃だった
私達姉妹を知っている中学の先生も、凸凹姉妹だとネタにしたのももう懐かしい記憶だ

私は妹が好きだった
いや、まだ好きなのかもしれない
私の心の奥底に押し込めているだけで…

小学生の時は朝起きる時から寝る時までひとつの部屋でずっと一緒だった
寝る前は二段ベッドで良く話したものだ
今思うに、私が中学に上がってから別々の部屋になった時から少しづつ変化が現れたのだろう
私が中学生になった時、私は早くういに会いたくて部活をしなかった
学校を終えた私達は良くふたりで遊んだ
ういが中学に上がるまでは---



621 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/23(土) 17:02:30.19 ID:71A7JgumO

ういが中学に上がって3ヶ月もした頃だろうか
新入生が学校に慣れ、私達2、3年生が新入生の真新しい制服を見慣れた頃
私達姉妹は凸凹姉妹と言われる様になった
小学生の頃は良く、近所のおばあちゃんなんかに
双子のような姉妹だと言われていた私にとって、それは衝撃的なものだった

私達が凸凹?こんなにも似ているのに?

最初はそう思っていた

何を言っているんだろう?そう思っていた

でも、梅雨が明け、夏休みに心踊らせ始めた学生のごとく

季節もそれに答えるかの様に時期、私は気が付いてしまった

私達姉妹のあからさまな違いに

どうして今まで気が付かなかったか不思議なくらいに

そしてそれは、私の心を引き裂く様な、

私の小さい世界を作り替えてしまうような残酷な現実だったのです



623 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/23(土) 17:19:20.63 ID:71A7JgumO

それは私が中学2年生の夏休みの時だった
ういが友達とお祭りに行くと言ったのだ

私はてっきり今年も2人で行くものだと思っていた

「お姉ちゃんも友達と行っておいでよ」

夏休みをういと過ごす為に開けておいた私に、ういは悪びれる様子ももなく、そう告げた
私は何かが壊れていってしまうような気持ちをこらえて

「うん、そうするよ~」

思考を鈍らせたまま、自分を誤魔化すように答えた
私は自分の部屋に籠もって、状況を理解しようと努めた
しかし、私の思考を支配するものは変わって行く妹の姿と理由だった

考えるだけ考えて疲れた私は、いつしか眠りに着き、
目覚めた頃には少しだけ私の思考は回復していた

その頭で出た答えは、ういと過ごす為に明けておいた予定のない夏休みと、
私には友達が少ないと言う事だ



625 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/23(土) 17:31:35.41 ID:71A7JgumO

中学3年生の時には、休日によく友人と遊びに出掛けるようになったのが当たり前になっていた
その時には諦めか、慣れなのか、私もその現実を受け止め、
幼なじみと今まで以上に無駄に時間を過ごすようになっていた

ういは家事の出来ない私の為か、親に任された責任からか、
夜遅くなる事もなく家に帰って来て、私にご飯を作ってくれた
そういう事だけは変わらなかった

中学3年生の冬、私は自分の気持ちに気が付いてしまった

それはういが男子生徒とふたりで話しているのを、偶然見てしまった時だ

私は体が痺れて、血液が逆流するような、お腹が熱くなるような感覚を覚えた
体を動かす事を忘れて、自分がそこに居ないような、
テレビを見ているかのごとく人事の様に思えた
現実だと理解出来なかった



626 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/23(土) 17:42:38.25 ID:71A7JgumO

その日の夜、私は勇気を出して、それとなく聞いてみた
結果は私の勘違いだったのだが、
ういは私と同じような笑顔を他の人に見せる事があるのだと、この時知った

いや、知りたくなかっただけなのかもしれない
それは当たり前の事だったし、
思えば私は2年生の時からういの教室に行く事もなくなっていた
私は自分が妹を取られたくないと、独り占めしたいと思った
私の意思とは関係なく体を汚される様な感覚になった

ういは私はのものだ

一番理解してあるし、理解出来る存在なのだ

ういは私の一部なのだから

きっと、双子に産まれきたはずなのだ

それほど瓜二つなのだ、私達は

私はういであって、ういは私なのだ



627 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/23(土) 17:50:47.22 ID:71A7JgumO

私達姉妹には他の誰にも分からない繋がりがあるのだ
切っても切れない
血の繋がりと細胞の繋がりだ

私達は同じ粘土から作られた同じ人形なのだ

そう、私は妹として、意中の相手として好きなどでは足りないのだ

他の人間には到底理解など出来ない、言葉に出来ない
愛なのだ

私と妹はひとつになるべきなのだ

体と意思が別々になってしまった生き物なのだ

同じ個体が別々の人生を生きて行くなんておかしいに決まっている

私達はひとつであるべきなのに、世間が世界が私達を汚していく
私達を引き裂いて行くのだ



630 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/23(土) 17:59:44.95 ID:71A7JgumO

しかし、15才の私には到底世界に抗う術もなく汚されて行くしかない
私にはどうする事も出来なかった

わかりきっていた

世間、親、友人、私の願いが許される訳がなかった

そして、妹も許してくれる訳がなかった

だから私は、この気持ちを胸の奥に秘める事にした

いつか、私達が体も意思も別々の個体になってしまう時まで---

私はういを置いて一足先に高校に上がった
全てを新しくする為に
私の世界を作り変える為に
別の個体になる為に



632 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/23(土) 18:12:25.27 ID:71A7JgumO

高校に入って何かを始めようと思った

何かする事で、気を紛らわせたかった
新しい世界を見つける事で新しい、知らない自分を見つけたかった
いや、忘れたかった
ういと2人だけの世界に生きて来た私は、初めは何をすればいいのかわからなかった
けど、目まぐるしいほどの部活の勧誘を受けた私はこれだと思った
単純な私は部活の事でいっぱいになった

なんの部活かを決めるだけだったけど…

でも障害だらけだった

私は苦手なものが多過ぎたし、2人の世界に引き籠もっていた私は経験がなかった

何をやっても上手くいく気がしなかった

気が付いたら2週間が経っていた



633 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/23(土) 18:26:25.03 ID:71A7JgumO

私は軽音部に入部した

何か、心に響いたからだ
乾いた地面に水が吸い込んで行くように、私の心を潤した

そして、軽音部の人達が良くしてくれたからだ
暖かかった
心が落ち着いた

私はギターをする事になった
でも、5万はいるらしかった

意味なく数ある貯金箱の中身は悲惨だった
私はういに軽音部に入部した事を告げた
ういは喜んでくれた
そして、お小遣いの前借りの説得に協力してくれた

私は何か居心地が悪かった---

ギターを格安で手に入れた
赤いレスポールだ
ういが協力してくれたお金で手に入れた
軽音部のみんなもとっても協力してくれた
ほとんど紬ちゃんのおかげだけど

大好きな人達の愛がこもったギターが愛おしく感じた
そして、何かこのギターはういを連想させた
私は来る日も来る日も家でギターを弾いていた



635 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/23(土) 18:40:38.90 ID:71A7JgumO

私はギターに名前を付けた
ギー太だ
学校も部活も登校も下校も寝る時もご飯の時も私はギー太と一緒にいた
まるで、私の恋人だった
ういの変わりだった。私がギー太に触れるとギー太は綺麗な音で答えてくれた
それは、かつて2人の世界に置いてけぼりにされた私に元気をくれた---

ギターを弾くのも楽しかったし、何より部活の仲間といるのが楽しかった
こんなに日々は素晴らしいものなんだと思った
私はういの変わりと新しい日常、いつも待ってくれている仲間達に私の世界は塗り替えられていった
私達は別々の個体になり初めていた---
夏が来た

高校初めての夏休みだ

私は降り注ぐ太陽に反射してキラキラ光る木々や街並み、空の様に、ウキウキしていた
今年の夏は予定で埋まっていた



636 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/23(土) 18:51:37.00 ID:71A7JgumO

それはいつだったか、澪ちゃんが言い出した

合宿に行くと

なんでも、まだ一度もみんなで合わせた事がない事に不満と不安があるらしかった
私は少し、ドキドキした
みんなが奏でる音がひとつになる事が
それに夏休みが終わってすぐに文化祭があるらしい
楽しみだ。ライブが出来るなんて
私は音楽が楽しくて仕方なかった---
日々が楽しくて仕方なかった

ゆい「今度合宿行くんだぁ~」
うい「うわぁ~いいなぁ」
ゆい「えへへ~」

私は家を空ける事を伝えた

そして、私はういと離れてももう寂しいと感じる事はなかった



637 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/23(土) 19:04:16.08 ID:71A7JgumO

いつだったか、お姉ちゃんは私に依存しなくなりました
飛び立つ我が子を見守る様な、親の気持ちです
少し複雑です…

それは高校に入って部活を始めた頃からでしょうか
昔はあんなに私にべったりだったお姉ちゃん
最近は家に帰って来るのは夜の7時くらいでしょうか
でも、めんどくさがり屋さんな所とか、今も変わっていない所もあります

昔から私はお姉ちゃんをもう1人の自分だと思っていました
でも、少し違うかもしれません
影のようにくっ付いていて当たり前のような、そんな感じです
そう、ひとつになどなれない存在なのです-----



639 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/23(土) 19:18:29.26 ID:71A7JgumO

小学生の時はいつも2人でいました

惹かれ合う磁石のように私達はどんな時も一緒にいたのです

ある日、小学生の私は姉に対する気持ちに気が付きました
姉という存在がまったく違う意思をもった生き物だと気が付いたという事
小さい時、私は姉の存在になんの疑問も持ちませんでした
私がいて、同じ姿形をした愛しい生き物がいつも側にいるといった認識程度でした
しかし、成長するにつれある疑問が浮かび上がりました
なぜ、この人は私であって、私でないのだろうと
私なのに、私の思い通りに動く事もない、その生き物を疑問に思ったのです
何か引っかかりがあり、歯痒い思いをしたのです
不思議な気分でした
何かを思い出せそうで、そうでない気持ち悪さに似た感情でした
しかし、小さな時から共にいる存在にその答えを見つける事など、
到底無理であったのですが、ふっとした時に思うのです

一瞬ですが、この人は誰だろうと----



640 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/23(土) 19:24:33.01 ID:71A7JgumO

そして、その感情をはっきり認識する事がありました

姉が私以外の人間と仲良く、楽しそうに笑っていた事です

なぜ、私は笑っているのだろうと思いました
私であって私のはずの人間が、私は楽しくもないのに笑っている

不思議な気持ちが湧いて来た後すぐに、不快な気持ちが湧いてきました

そして、私は自分以外の人間に自分が汚されるのが堪らなく我慢出来なかったのです
だから私は姉を一瞬たりとも離しませんでした

それは2人の世界の構築の時でした



642 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/23(土) 19:52:58.37 ID:71A7JgumO

しかし、中学に入り、私の目的は変わりました
誰とでも気軽に話す姉

誰とでも簡単に打ち解ける姉

私にはない才能

気にいりませんでした

私の一部が誰とでも簡単に打ち解ける事が、私を汚しているようで
一部である姉を汚しているようで

だからは私は姉をあの世界に閉じ込めたかったのです

それは私が中学の初めての夏休みの事でした
私は姉に今年は友達とお祭りに行くと伝えたのです



644 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/23(土) 20:15:05.77 ID:71A7JgumO

うい「あのね、お姉ちゃん」
ゆい「なに~?ういー」
うい「私、今年は友達とお祭り行くんだ」
ゆい「え…?」
うい「お姉ちゃんも友達と行っておいでよ」
ゆい「うん、そうするよ~」

姉の顔は引きつっていました
笑い声は乾いていました
今、どんな気持ちだろう?
毎年、2人で行っていたお祭り、今年は違う人と行く
死刑宣告を受け渡すような、その発言に姉の心はどう形を壊すのか?
私は楽しみで仕方なかった
その、お腹が熱くなるような快感は、自分の大切なもの壊す快感は、
私の存在を確認させるのに十分なものでした

私は姉をペットのように飼いたかった

姉は良く1人でいた

目は死んでいた

高校に入って、姉は蘇生し始めた

私は考えた
そろそろ私達は別々の個体だと認めなければいけないのではないか?
姉の幸せを願うべきなのではないか?
その決断は私の罪を軽くしてくれた気がした
意外だったのは、私に我が子を見守る様な、親の気持ちがあった事です。
少し複雑です。



645 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/23(土) 20:23:31.39 ID:71A7JgumO

合宿から帰って来た姉は何か、違う人間に思えました
何か姉を変える出来事があったのでしょうか?

姉は日を増す事に私に依存しなくなりました
いつしか私が姉の帰りを待つようになり、姉を出迎えるのが日常になりました
私の心にはぽっかり穴が開いてしまったようです

私は姉と一緒な学校に行く事にしました
本当はもっといい高校に行ける学力があるのですが、姉と一緒にいたかったのです
姉の心から私が消えてしまう事が怖かったのです



647 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/23(土) 20:35:45.41 ID:71A7JgumO

ういが私と同じ学校に入学して来た

結果発表の時はついバカみたいに喜んでしまった

彼女はもっとレベルの高い学校に行くのかと思っていたけど、
初めて澪ちゃんや紬ちゃんを家に呼んだ時にそう言ってくれた時、
内心嬉しかったけれど戸惑いもあった

ういと同じ時間を過ごす度に、気持ちが蘇りそうな気がしてならなかった
無理やり蓋をした気持ちは、意図も簡単に溢れ出すからだ
私はまた、ういに溺れてしまうのだろうか?
こんな異常な愛など、どうする事も出来ないのに
好きだと伝えられないのに



649 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/23(土) 20:54:56.27 ID:71A7JgumO

ういが軽音部に新入生を入部してくれるように努力してくれている

近いうち新入生歓迎会でライブをする

私は音楽をしている時が一番楽しい
それに私達のライブを見て、新入生が入部してくれると嬉しい

ライブは楽しかった

そして、入部希望者も来た
黒髪でツインテールの可愛らしい子だ
私は可愛いものが好きだ
ギターも凄く上手い
ギターの話しを出来る人が出来て嬉しい
私はもっと軽音部が楽しくなった

日が経つにつれ、私は梓と仲良くなった
普通の妹はこういう感覚なのだろう
愛らしいと感じる
良く抱きついたりして、怒られたりするがそのやり取りも楽しい
きっと姉妹とはこういうものなんだろう
私のういに対する想いが浮き彫りになった気がする



650 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/23(土) 21:17:38.50 ID:71A7JgumO

私が恐れていたほど、ういに対する気持ちは湧き上がらなかった
それは音楽のおかげなのか、軽音部の仲間達のおかげなのか、
梓ちゃんみたいな妹が出来たからなのか
それでも、ういを見る度に時々胸が苦しくなる

それは、世界が終わってしまったような、世界の色がなくなってしまったような
それも何かで紛らわせる事で、なんとか誤魔化す事が出来た

ういと一緒に登下校出来る。
ういが作ってくれたご飯を食べる事が出来る
ういと一緒に生きていける
それで満足しなければいけないのだ

それだけで幸せだと思わなければならないのだ
ういが生きている
ういが息をしている
その心臓が鼓動を打っている
胸が酸素を供給する度に上下する

うい、生きていてくれてありがとう
愛おしいよ。うい



651 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/23(土) 21:30:06.39 ID:71A7JgumO

私は高校に入学しました
今日からお姉ちゃんと一緒な高校生です
やっと追いついた感じがします
焦りから来る落ち着かないような気持ちからも、やっと解放されました

姉が軽音部に新入生が入部してこないと愚痴っていました
私は仲良くなったクラスメートに軽音部をそれとなく勧めてみたのですが、うまくいきません
ある日、軽音部にお邪魔させてもらう時があったのですが、
私はなんだか寂しくもあり、焦りにも似た感情に支配されていました

なぜなら、軽音部の皆さんといる姉は私が見たこともないくらい楽しそうだったからです
少し変わった人達だったけど、姉は笑顔を絶やす事なく幸せそうでした
姉が幸せならそれでいいはずなのですが、
私は姉がもう自分のものだけではないと思うとたまらなく悔しかったのです



652 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/23(土) 21:42:50.41 ID:71A7JgumO

新入生歓迎会がある日、クラスメートを誘ってお姉ちゃんのライブを見に行きました
その子はギターをしていて、ジャズ部に入るか悩んでいると言う話しを小耳に挟んだからです
音楽をしているなら、もしかするともしかする可能性もあります

なぜ私が、こんなにも自分に関係ない事に必要以上に首を突っ込むのかと聞かれたら、
姉の喜んだ顔を見たいと言う理由もあるのだけど、一番は姉との繋がりが欲しかったのです
私自身が軽音部に入ってしまえばいいのだろうけど、あの空間には私の居場所などないのです
そして、姉が作り上げたあの空間は私を拒んでいるような気がしてならないのです

姉の演奏はとても素晴らしく、とても愛らしいものでした
姉が輝いて見え、私が知っている姉とは違う人に見えました
それが嬉しくもあり、反面悲しくもありました
そして、とても遠くに感じました
一年という期間はこうも人を変えるのだなと、帰る道すがら私を思いました



653 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/23(土) 21:57:10.01 ID:71A7JgumO

私が誘ったクラスメートは軽音部に入部する事にしたそうです
姉が嬉しそうに話しているのを見て、私も嬉しくなりました

月日は経ち、私が学校の間取りを完全に把握し始めて、
それも当たり前になった夏、姉は今年も合宿に行くと言いました

私は1人がこんなにも寂しいものだと、この時初めて気が付きました
姉は中学の時、一体どれほどの寂しさを感じていたのでしょう
私は自分が許せない気持ちと、姉の残留意識に触れたような気がして
愛おしい気持ちが後から後から湧いて来て、
その2つの感情が混ざった感情は私の気持ちを気付かせるのに充分でした

私は死ぬほど姉に会いたかった

きっとこれが因果応報というものなのだろう



655 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/23(土) 22:13:44.51 ID:71A7JgumO

姉が帰って来る日、私は腕によりをかけて料理を沢山作りました
姉が喜ぶ顔を見て、姉がいなかった時の寂しさなど吹き飛びました

不思議なものです
つい昨日まで、寂しさで死んでしまうんじゃないかというほど、
衰弱していた私の心は姉の笑顔ですぐ元気を取り戻したのです

次の日、姉と同じ部活であり、同じクラスメートだという事で
仲良くなった梓ちゃんとファーストフード店に行きました
梓ちゃんの口から出て来る、私の知らない姉に私は気が狂いおかしくなりそうでした

姉はどうも、梓ちゃんにベッタリなようです
確かに姉は良く私に抱きついたりしましたが、
同い年のクラスメートに同じ様に抱きついたりするのは、私には耐え難いものがありました。



657 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/23(土) 22:45:53.15 ID:71A7JgumO

季節は秋になった
もうすぐ文化祭だ
三回目のライブだ
澪ちゃんとりっちゃんが喧嘩したりしたけど、なんとか仲直りしたようだ
みんなでライブ成功させたいから良かった

私は嬉しくて、さわちゃんが作った着物を家でも来ていたら風邪を引いた
ういが可愛いと言ってくれたからつい調子に乗ってしまった
私は風邪を引いた事がなかった
元気だけが取り柄の私は風邪の辛さを知らない
風邪がこんなにも辛いものだなんて
意識が朦朧とする

ああ、ライブが近いのに
みんなでライブをしたいのに
練習しないといけないのに
風邪を引いた事がない私をういが必要以上に心配している
ういの手がおでこに触れる
冷たくて気持ちいい
柔らかくて気持ちいい
ういの手はぷにぷにだね



660 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/23(土) 23:00:51.26 ID:71A7JgumO

私はハッキリさない意識の中で目覚めたり、意識を失うように眠るを繰り返していた
目が覚めればういの心配そうな顔が何度も浮かんだ
私の髪を撫でたり、おでこに触れたり

酷く苦しい中で私の熱い顔は、更に熱くなり、
目元は風邪でなのか、嬉しさなのか、懐かしさなのか、別の生き物のように熱を持っていた

どうしてそんなに泣きそうな顔をしているのか、私には解らなかった
今にも私が死んでしまいそうな顔をしているように見えた
ただの風邪なのに
私はういの頬に手を添えて、笑顔で大丈夫だよと伝えた
だって、目が覚めれば好きな人がいるだもん
大丈夫に決まってるよ

それは突然だった---
なにか、優しく柔らかいものが、私に触れた
私はびっくりして、瞬きを繰り返してピントを合わせようとした
ハッキリしない視覚がまどろっこしかった
ピントがあった時、私の視覚に映るのは大好きな人の心配そうな顔だけだった



661 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/23(土) 23:16:10.48 ID:71A7JgumO

私は一瞬で状況が理解出来なくて、ういに「なに?」と言葉を吐いていた
ういは、心配とも、切なそうとも、愛おしそうとも、言えるような表情で私に大好きだよと言った
私は涙が気が付かない内に流れていた事を、ういが涙を拭ってくれてから気が付いた
私は嬉しくて笑った気がする
私の思考はういでいっぱいだったし、視覚はういの顔でいっぱいだった
自分の五感に鈍くなっていた
私はういになった気がした

「うい~うい~大好きだよ~うい~」

私はそれに気が付いて、それから一気に思考は爆発した
感情の波が壁を押し流して溢れ出た
私はういの名前を何度も呼んだ
離れたくなかった
ういに溶けてしまいたかった
思考も細胞もういに飲み込まれてしまいたかった
ういの血管の中を溶けて流れたかった
だから、私はういに強く抱きついた
ういの中に入って行きたくて
体を強くういにくっつけた
ういは私が名前を呼ぶ度に「お姉ちゃん」と答えてくれた
強い抱擁と共に



663 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/23(土) 23:37:33.30 ID:71A7JgumO

お姉ちゃんが風邪を引きました

家でずっとライブ用の浴衣でいたからでしょう
姉は風邪を引いた事がない
きっと辛いだろう
私は姉の看病に付きっきりだった
熱が思ったより高くなったから
今まで溜まりたまったものが一気に来たようだった
人生でこんな高熱を出す事は数回しかないだろう
私は姉がひどく心配だった
風邪とはいえ、死んでしまう事だってあるのだから
世界でたった1人、私の分身
私と同じ肉と血で出来た人
唯一無二の存在が消失してしまう事ほど今の私にとって恐ろしいものはなかった

しかし、嬉しい事もあった

姉が私の手の中にいる事だ
最近、フラフラどこかに飛んでいってしまう蝶々のような姉が、私の側にいる
だから、私は一時も離れず姉の側にいた



665 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/23(土) 23:52:39.08 ID:71A7JgumO

熱を計る為におでこに触れた
久しぶりに姉の顔に触れた気がした
その感触はぴったりと引っ付くように、私の手に馴染んだ
やっぱり私達は同じ肉体なんだと改めて認識した
嬉しくて笑ってしまった
そう言えば、姉の寝顔も久しぶりに見る
おでこの上で指の先を遊ばせていると、だんだん欲が湧いて来て、私は姉の頬にも触れた
何度も何度も愛おしいくて、顔の輪郭をなぞった
髪に指を通すとそれはまるで私だった
私は姉の髪一本、どこかに行くのが嫌だった
どじ込めてしまいたかった
例えば、手のひらに姉を凝縮して私の胸に強く押し付けて、取り込んでしまいたいと何度も思考した

そうやって姉の顔を見ていると時間が過ぎるのが、恐らく早かった
私は自分の食事も忘れて、姉の看病と思考を続けた



666 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/24(日) 00:08:31.16 ID:sOMH6aitO

家を出なくいいように、バカみたいに買い置きしたゼリーをたまに姉の口に運んだ
食べ物を運ぶ動きをする唇はとても妖艶に見えた
私はなぜか、舐めてみたくなった
味を確かめたくなった
私は五感の全てで姉を認識した事がある気でいたが、良く考えてみれば味覚で認識した事はなかった
きっと、だからだろう
気が付いてからは、その衝動を抑える葛藤になった
しかし、そんな無駄な抵抗も虚しく、私の理性は簡単に崩れさった

姉の顔の隣に手をつき唇を見つめた

私と良く似た唇だった

姉の顔を見て逡巡したあとに、私は唇をペロリと舐めてみた
味はしなかった
なにか生き物の匂いがした

姉の生々しい匂いだった

私はなにか、内臓の奥から突き上げるようなものが込み上げてきて、体が熱くなった
そしてすぐに体がぞくぞくした

もっと確認したい---
もっと認識したい---



669 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/24(日) 00:37:22.72 ID:sOMH6aitO

私が姉の唇に酔いしれていると、姉は苦しいそうな声を出した
私は姉の頬に手を当てて、姉の様子を見守った
姉は薄く瞼を開き、私の顔を眺めているようだった

しばらく眺めるとにっこりと微笑んだ
私はたまらなくなり、姉にキスをした
衝動的な行動だった
すぐに身を引き剥がし、姉の様子を探ると姉は
朦朧とした目つきで私を見たあと何度も瞬きを繰り返した

きっと、視覚もぼやけてしまっているのだろう
姉はピントが合ってきたのだろうか、私を見て、
少し驚いたような声で「なに?」と言った

私はめまぐるしく変わる姉の表情に胸が張り裂けそうなほど締め付けられて、
思わず「大好きだよ」と呟いてしまった
きっと、締め付けられ過ぎて押し出されてしまったのだろう

姉は私の名前を呼んだ
そして姉も好きだと言ってくれた
強く抱きついてきた
私も強く抱きしめ返した
私も何度も「お姉ちゃん」と呼び返した



670 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/24(日) 00:50:02.11 ID:sOMH6aitO

もう正直どうしていいかわかんない。一応収集ついてるはず
終わる
何も考えずそっこうで書いて設定もオチも考えずに書いたけど、かなり話しがズレてたりしてるな
字間違えまくりだし、書き込み速度を重視に書いたこんなオナニーに付き合ってくれてありがとう
もうこんなうんこみたいなのひねり出すのは無理だ
あったかく見守ってくれてありがとう




673 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/24(日) 01:09:12.86 ID:xNCurYNA0

おつ



674 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/24(日) 02:16:44.39 ID:6hiIpWrG0

おつ






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[ 2010/10/24 01:33 ] 非日常系 | 唯憂 | CM(0)

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