SS保存場所(けいおん!) TOP  >  戦争 >  唯「ひめゆり」#後編

お知らせ

SS保存場所は移転しました。
現在けいおん!関連の更新はしていません。
今後更新するかは未定です。
SS保存場所






唯「ひめゆり」#後編 【戦争】


SS速報VIP(SS・ノベル・やる夫等々)@VIPServiseより

http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1313362053/

唯「ひめゆり」#前編
唯「ひめゆり」#後編





73 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/08/17(水) 20:02:27.50 ID:c+5+k8k3o


―――六月二十一日


敵の正面から山城の丘を越えるのは難しいと考えた私たちは、南端の荒崎海岸に向かいました。

そこには、住民も兵士も混じって、ものすごい人が集まっていたのです。

するとその中に、生き残りの女学生や先生方の集団がありました。


 「ああ!お姉ちゃん!?」


不意に、解散命令以来聞いていなかった、懐かしい声がします。

憂が私に走り寄り、抱きついてきます。


 「憂!?あずにゃんも!よかったぁ~……」 

 「唯先輩!澪先輩!ご無事だったんですね!」


その背後に、あずにゃんの姿もありました。

私たちをしげしげと眺めていたあずにゃんの表情が、次第にこわばります。


 「あの……ムギ先輩や、律先輩は……」

 「ムギと律は、もういない。いないんだ」


澪ちゃんが、きっぱりと言い切り、口を固く結びました。握った拳がブルブル震えています。


 「……そう、ですか」


あずにゃんは、納得したというよりは、あきらめたような口調で応えました。

憂は、二人の最期を聞いて、私に抱きつく腕の力を強めます。私まで失いたくないのでしょう。


 「澪ちゃん。二人にも、ちゃんと話しておこうよ。

  誰かがムギちゃんとりっちゃんのこと、伝えてくれないと…」

 「……うん。そう……だな」


私と澪ちゃんは、途中、何度も言葉に詰まりながらも、内容を補いあって、

ムギちゃんとりっちゃんのことを、そして、さわ子先生や他の人のことも、出来るだけ語りました。


学徒隊の働きを後世に伝える、なんて立派な理由から話したのではありません。

このまま、みんな永久に忘れ去られてしまうなんて、あまりに寂しいからです。



74 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/08/17(水) 20:06:56.60 ID:c+5+k8k3o


そして、私たちは海岸沿いに移動を始めたのです。


海岸には、腐ってドラム缶みたいにふくれあがった死体が散乱していました。

その中を、たくさんの避難民や兵隊が右往左往しています。


私たちは、潮が満ちれば、カニか磯虫のように岩にへばりつき、

潮が引けば、見つからないよう海に入り、溺れないよう手をつないで逃げました。




その夜。




照明弾が真昼のように照らす中を、潜ったり顔だけ出したりしながら摩文仁に向かっていました。

ブシュブシュと、米軍の機関銃の弾が水切りのように海面を連続してうがち、あちこちで悲鳴が上がります。

ときおり、迫撃砲が大きな水柱を立てて兵隊と避難民、そして水死体をはね飛ばします。



75 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/08/17(水) 20:10:25.45 ID:c+5+k8k3o





突然。




 「うあ゛あ゛ぁっっ!」




澪ちゃんが悲痛な叫び声をあげ、つないでいた手が弾かれるように離れます。

おそらく、肩か腕を打ち抜かれたのでしょう。


 「澪ちゃん!?」


驚いた私が声を上げ、澪ちゃんに振り返ります。

そのときすでに、澪ちゃんの顔はかろうじて海面に出ている程度でした。




その瞬間、私は見たのです。


澪ちゃんの、海水のためか涙のためか、真っ赤に腫らした目。


その顔に浮かぶ、悔しさとも、悲しさとも、苦しさとも、寂しさともつかない表情。


 「ゆ……っ……」


私の名を呼ぼうとした澪ちゃんの顔が、ゴボリと波間に沈みます。


そして長い黒髪が、海面からわずかに伸びた左手にからみながら、

照明弾の白い光に照らされ、波間に数瞬ゆらめきました。

するとまた大きな波が来て、それを私が何とかしのいだ後には、

澪ちゃんは完全に見えなくなっていたのです。



……あっという間の出来事でした。



76 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/08/17(水) 20:18:33.54 ID:c+5+k8k3o



漆黒の海中で、ふと脳裏に、総天然色の夢幻が湧き出た。


 (……この美しい島、そして美しい海)


丘には、紺碧の青空と対比を為す深い緑が茂り、色とりどりの花が咲き誇る。

蝶が悠々と舞い、鳥が翔んで競うように歌を奏でる。

コバルト色に澄みきった海が、日差しの下でさわやかな白波を立てて、

珊瑚でできた乳白色の浜に打ち寄せる。

竜宮城から舞い出たような極彩色の魚たちが、磯に群れて遊ぶ。


 (でも、それは失われた)

 (今は、死の島、死の海だ)

 (こうして、私の流す血も涙も、そして私自身も)

 (この死の海に飲み込まれていく)


陸には草むす屍、海には水漬く屍。

それが、幾十、幾百、幾千、幾万、幾十万、累々と折り重なる。

私もその一部となろうとしている。


 (そうだ、ここは地獄の果てだ)

 (死の島と死の海に挟まれたこの海岸は、地獄の果てだ)


そのとき、無音となった海の中、

照明弾の明かりが水面からほのかに海底ににじんだのか、ぼんやり明るくなった。


 (たった三か月前まで、学校にいたのに)

 (なんで、こんなことになったんだっけ……)

 (なんで……)


こぽこぽ、こぽこぽ……



123 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/08/18(木) 07:07:04.86 ID:P39igYKZo












―――………ごぼごぼ、ごぼごぼ


夜の海の中は真っ暗だ。

南海の激流が私の体をもてあそぶ。

もう、上下左右の感覚もない。


 (ああ、苦しい、苦しい)

 (律も苦しかっただろうなあ。ごめんな、律)

 (カチューシャも、ちゃんと、返さないと……)


ぼしゅぅぅぅ……ん

迫撃砲弾だろうか。体全体に染みるような重い振動が響く。


 (そういえば、今年は毎年恒例のひな祭りもできなかったな)

 (卒業式もちゃんと挙げてないし、卒業証書ももらってないし)

 (みんなにちゃんとお別れしたかった……)


今の迫撃砲弾で、鼓膜が破れたのだろうか。

急に、海の中が静寂に包まれた。



77 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/08/17(水) 20:21:10.61 ID:c+5+k8k3o



 「澪ちゃ……ゴホッ!……澪ちゃぁぁぁん!」

 「……ゲホッ!澪先輩っ!」



私とあずにゃんは澪ちゃんの居たあたりに向かおうとしますが、

どんどん潮が満ちてきて、強い引き波に足を取られそうになり、進めません。


 「お姉ちゃ……危ないよっ!」


ようやく死体だらけの海岸にたどり着いた私たちは、放心状態になって、岩陰に倒れ込みました。



78 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/08/17(水) 20:24:23.65 ID:c+5+k8k3o


―――六月二十二日、深夜


その日も、砲火に追われ、敵兵の目から隠れながら、海岸をあてどもなく逃げ回った。


岩陰に隠れて眠っていると、夜中にふと目が覚める。岩に当たる背中やおしりが痛む。

私のすぐそばには、唯先輩と憂が、姉妹仲良く寝息を立てていた。


 「そうか、私たち以外、みんな、死んじゃったんだ……」


外から差し込む月の光に、痩せこけた二人の顔が映る。


 「唯先輩、憂、ごめんなさい。……今まで、ありがとうございます」


泥のように眠りこけている二人を尻目に、

唯先輩のかばんから、手榴弾を抜き取る。


 「私、きっと足手まといになっちゃいますよね。体、小さいし……」


憂のかばんからも抜き取ろうと思ったけれど……

気付かれそうだし、“いざというとき”のために二人で一つは残してあげようと思った。

代わりに、残していた乾パンと粉味噌を置いておいた。



どうせ死ぬのなら、先輩方や友達の命を奪った米兵を、一人でも道連れにしてやる。

石灰岩の岩肌に爪を立てて、私は海岸から丘の上にはい上がった。


 「殺ってやる……殺ってやるです……」



79 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/08/17(水) 20:26:15.74 ID:c+5+k8k3o


山城の丘にさしかかろうとする辺りで、兵隊たち十数名の集団が、斬り込みをかけると息巻いている。

私には、ためらいはなかった。


 「……私も、加わっていいですか?」




照明弾がしきりに落ちてきて、あちこちに散らばる腐乱死体が青白く不気味に照らされる。

ほんの数百メートルの距離を、数時間もかけて匍匐前進した。


しかし、そこは米軍陣地のまっただ中。

たちまち米軍の攻撃に遭って数人が吹き飛ばされ、集団は散り散りになる。

私がアダンの茂みに身を潜めると、数名の米兵があちこちを歩きながら警戒している。



ガサッ。


 (しまった!)


不用意に物音を立ててしまい、冷や汗をかく。

不審に思ったのか、一人の米兵が私の居る茂みに近付いて、じろじろと眺めている。


 「に……にゃ~~……」


こんな所でネコの鳴きまねが役に立つとは思わなかったけど、米兵はきびすを返して来た道を戻っていく。


 (今だ!)


私は素早く手榴弾の栓を抜くと、その米兵に投げつけた。

爆発音。


 (やった!?)


しかし、そう思うのもつかの間。

小銃弾の乱射、続いて機関銃までもが火を噴き、私は地面に突っ伏す。


 「!!  うぁ……っ……」



80 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/08/17(水) 20:29:13.58 ID:c+5+k8k3o


……気が付くと、赤鬼のような憤怒の形相をした一人の米兵が、小銃を私の額に突きつけている。

米兵はいきり立ちながらも、相手が年端もいかない女だったことに少し驚いているようだった。

だがこのままでは、私は鬼畜米英の毒牙にかかり純潔を汚され、慰み者にされてしまうのだ。



私は荒れた呼吸をようやく整えると、叫んだ。


 「……私は皇国女性だッ!早く殺さないか!殺せッ!殺すですッッ!!」


しかし米兵は、言葉が分からないのか、動かない。


 (このまま、辱められるくらいなら……!!)


私が、ふところに忍ばせていた小刀で斬りかかろうと、右手を伸ばした、その瞬間。









ぱん。



81 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/08/17(水) 20:32:14.09 ID:c+5+k8k3o


―――六月二十三日、早朝


私は、遠くから聞こえた銃声で目が覚めました。

空が白み始め、あちこちから聞こえる小銃の音が激しくなります。


 「……あれ、あずにゃんは? 水でも探しに行ったの?」


寝ぼけまなこで辺りを見回しますが、あずにゃんの姿が見えません。


 「え!? 私も知らないよ? 梓ちゃん? 梓ちゃーん!?」


呼び起こされた憂が、驚いてあずにゃんの名を呼びます。

しかし、返事が返ってくることは、ありませんでした。



あまり声を張り上げると、米兵に見つかってしまいます。

この岩壁も危ないので、仕方なく、逃げるために荷物をまとめていると、


 「あ、私の手榴弾が無い!」


はっと気付いた私は、憂と顔を見合わせました。

近くに、あずにゃんが残したらしい食料も、少し置いてありました。


 「きっと、梓ちゃんが……」

 「あずにゃん、なんで、一人だけ……」



82 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/08/17(水) 20:37:30.42 ID:c+5+k8k3o


空しくなって、視界が涙でにじみました。


今さら、私たち一人一人の生き死にが戦争の勝ち負けに何の関係があるのでしょう。

いっそ、こんな苦しくつらい思いをするなら、あずにゃんのように潔く死にたい。


 (生きるのはつらい……でも、死ぬのは怖い)


しかし、生きて、生き残って、お父さん、お母さんに一目でも会いたい。

でも米軍に捕まれば、辱められ、八つ裂きにされたり、戦車でひき殺されるとさえ言われていました。


 (死にたい……でも、死にたくない……)


生への執着と生へのあきらめ、死へのあこがれと死への恐怖が、

眼下に広がる海の荒波のように、ぐるぐると渦巻き、激しく寄せては返します。

思わず、その荒波に、吸い込まれそうになりましたが、


 「……お姉ちゃん!」


憂の声で、私はようやく我に返って気を取り直したのです。


 「ぁ、憂……ごめん……」


憂がいてくれる限りは、私もまた、生き続けなければなりません。



83 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/08/17(水) 20:40:51.85 ID:c+5+k8k3o



その後、死体につまづきながら、ひたすら海岸をさまよい続けました。


もう、どちらへ行けばよいのか、見当もつきません。

岩穴や岩陰は、どこも追いつめられた人たちでいっぱいです。


相変わらず、丘の上から戦車砲、迫撃砲の砲声が響き、小銃が海岸を動くものを狙い撃ちます。

小さな魚雷艇みたいな船が、しきりに海岸に近寄ってきて、“コウサンセヨ”と呼びかけます。




そして、ついに。




 「あぐうぅぅっっ!」

 「お姉ちゃん!!!?」


脚に流れ弾が当たったのです。

倒れた私を憂が抱き起こし肩を貸してくれて、片脚を引きずりながら岩陰のくぼみに隠れました。


 「いま、診てあげるからね!」


憂が、私の左脚のモンペのすそを切り裂きました

ふくらはぎが熟れたザクロのようにはじけ、砕けた骨が露出しています。


 「ぁぁ……」


憂の顔からは、絶望の色がありありと見て取れました。



84 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/08/17(水) 20:44:25.73 ID:c+5+k8k3o


 「……ありがとぉ、憂。もういいよ、私は置いていきなよ」


私は、憂の表情を見ていたたまれなくなり、言ったのです。

すると、青い顔をしていた憂が、顔を真っ赤にして反駁します。


 「!? お姉ちゃん、何言ってるの!?」

 「憂まで死んじゃったら、お父さんとお母さんに私の最期を知らせてくれる人がいなくなっちゃうよ!?」

 「……でも……っ……私は……」


私が両親のことを口にしてもなお、憂は逃げようとしてくれませんでした。


 「私のことだけじゃないよ!

    りっちゃん、澪ちゃん、ムギちゃん、あずにゃん、和ちゃんも、純ちゃんだって……

    みんなのことを覚えててくれる人が、誰もいなくなっちゃうんだよ!?そんなのイヤだよぉっ!」


米兵が近くに居るともしれないのに、私は妹を引きはがすようにその肩をつかんで、声を張り上げました。


 「……それでも、私には、お姉ちゃんを置いてなんて行けないよ!私もここで死ぬ!」


しかし、憂もまた、私に負けぬ勢いで声を張り上げるのでした。


 「憂ぃ……お願い……お願いだから、逃げてよぉ……」

 「ごめん……、それだけは、絶対に嫌なの。わがままな妹で、ごめんね………」


私は涙ながらに、憂を何とか説き伏せようとしましたが、憂もまた、ぽろぽろと涙をこぼして拒むのです。



85 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/08/17(水) 20:46:56.11 ID:c+5+k8k3o



 “デテコーイ、デテコーイ!”


押し問答を続けていた私たちの耳に、米兵の声が、かすかに聞こえてきます。


 「べ、米兵!?」


憂が私をかばうように抱きついてきますが、その顔色は岩陰の薄明かりでもわかるほど蒼白でした。


 「ぁぁ、鬼畜米英だよ!おしまいだよぉ!」


絶望を強めながら、しばし声を殺していると、すぐ近くの岩陰から、小銃が乱射される音、悲鳴。


 “アカネっ!”

 “エリっ!”

 “……えーい!”


続いて、手榴弾の爆発音が聞こえました。

おそらく女学生の一団が追いつめられ自決したのでしょう。

憂が震える声で、切々と問いかけます。


 「もう、逃げられないよ。 お姉ちゃん、一緒に……」

 「……“いきてりょしゅーのはずかしめをうけず”だもんね」


こうして、私たちは、覚悟を決めたのです。



86 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/08/17(水) 20:49:15.62 ID:c+5+k8k3o


 「…ん、っしょ……っと……」


私は、自分のヘアピンを外して、岩陰に文字を掘りました。


 “ユイ”

 “ウイ”


私たちが死んだ後も、いつか、誰かが、その最期の証を見つけてくれればと願って。


 「……これを、あげよう」


そして、私はそのヘアピンを、憂の髪にさしました。


 「じゃあ、交換だね……」


憂もまた、リボンを外して、私の髪をくくってくれました。


憂の顔をこの目に焼き付けておこうと思いましたが、あとからあとから涙が溢れて見えません。

涙をぬぐうと、憂も私と同じように、泥と垢と血と涙で顔をくしゃくしゃにしていました。


 「えへへ、これでいつまでも一緒だよ……」

 「うん……」


私は、憂をしっかりと抱き寄せます。憂も私を固く抱きしめ返してくれます。



87 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/08/17(水) 20:55:12.56 ID:c+5+k8k3o


とはいえ、もう、時間は残っていません。


 「憂、もう、いいかな……」

 「……うん!」


憂が、かばんから取り出した手榴弾を手渡します。


 「……よし……っっ!」



敵の手にかかるくらいなら!

私は手榴弾の栓を口で引き抜き、信管を岩に叩き付けると、抱き合う私たちの胸元に押し込みました。


 「憂…憂ぃ……」

 「お姉…ちゃ……お姉ちゃぁん……」


私たちは震えながら、ひたすら抱きしめ合いました。




しかし、十数秒ほど経ったでしょうか。


 「あ、あれ? 爆発しない……」


波をかぶって火薬がしけてしまったのでしょう。戸惑った私は、手榴弾を右手に握って眺めました。


 「お姉ちゃん、石で叩いてみようよ!」


そう言って、憂が足もとにあった石ころに手を伸ばしたそのときです。










………ボン。












―――同日、日本軍沖縄守備軍 第三十二軍司令官・牛島満中将が摩文仁において自決。

これにより組織的戦闘は終わったものの、以下の軍司令官命令が発せられ、停戦交渉も行われなかった。

「爾後各部隊ハ各局地ニオケル生存者ノ上級者コレヲ指揮シ最後マデ敢闘シ悠久ノ大義ニ生クベシ」

このため、各地で散発的な抵抗と米軍の執拗な掃討作戦が長く続いたのである。

最終的に、日本軍沖縄守備軍が降伏調印したのは、

ポツダム宣言受諾の八月十五日、戦艦「ミズーリ」艦上における降伏調印の九月二日よりも遅く、

実に、九月七日のことであった―――



88 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/08/17(水) 21:07:49.96 ID:c+5+k8k3o


―――どのくらい時間が経ったのでしょうか。


私は全身の傷口にハエがたかり、ウジが体中をついばむ感覚で、ぼんやり意識を取り戻しました。


 「……ぅ……ぃ」


憂の名を叫ぼうとしても、激痛とともに血がのどにゴボゴボと絡まるだけ。

手榴弾の破片にやられたのでしょう。目も見えず、言葉も発することができません。


感覚のなくなった右手を、左手で触ると、手首から先がなくなっていました。


 (……憂……どこ……?)


しばし、岩陰を転がってまさぐりましたが、憂らしきものには触れられませんでした。


 (ああ、きっと、米兵にさらわれちゃったんだ……)


私は負傷がひどく気絶して仮死状態で、死体と間違えられたのでしょう。


 (こんな、こんなことって……)


妹と最期を共にすることさえできないなんて。

光を失った私の両眼から流れる、血の涙。


 (憂、ごめんね……最期まで情けないお姉ちゃんで、ごめんね……)


きっと、憂も米兵の獣欲の毒牙にかかった挙げ句、殺されるのでしょう。

もはや私には、助けに行くこともできません。


 (……だったら、せめて、せめてこんな暗い穴蔵じゃなくて、太陽の下で、死にたい……)



そして私は、片ひじと片ひざで、波の音を頼りに、ズルズルと、外にはい出したのです。





ざざあ……




ざざあ…………




―――――――――

――――――

―――



89 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/08/17(水) 21:09:23.57 ID:c+5+k8k3o




―――「ひめゆり学徒隊」に動員された生徒二百二十二名、教師十八名。


うち戦死者、生徒百二十三名、教師十三名。学徒隊以外の戦死者、生徒八十七名、教師三名。





そして、男子学徒隊の各校「鉄血勤皇隊」や、他校の女子学徒隊である、



「白梅学徒隊」「瑞泉学徒隊」「梯梧学徒隊」「積徳学徒隊」「なごらん学徒隊」など、



沖縄全県下の学徒・教師のうち二千六名が戦場で亡くなっている―――





90 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/08/17(水) 21:12:09.99 ID:c+5+k8k3o


―――


――――――


―――――――――



  ……?…イ? 大丈夫? 唯!?」


誰かが、すぐ近くで叫んでいます。


 「……う……」


まぶたをこじ開けると、そこは薄暗い深緑のテントの中。

寝台の上に寝かされているようです。私の顔や体のあちこちに包帯が巻かれています。


私は、まだ目の焦点も定まらず、うわごとのように問いました。


 「ここは……?」


しきりに叫んでいたのは、少し大人びた女学生っぽい人でした。

その人が、少し表情を和らげて私に話し掛けます。


 「ここは、宜野座の米軍の収容所にある病院。私も、至近弾を浴びて気絶している間に捕まって、ね」


意識がもうろうとしている私には、そう言われても状況が飲み込めません。


 「べいぐんの、しゅうようじょ…?」


米軍、と聞いて、これから酷い目に遭うのか、とも思いましたが、

捕まった以上は心配してもどうにもなりません。




 「そう、収容所。でもよかった。唯が、目を覚ましそうだと聞いて、病院まで来たんだけど……」




91 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/08/17(水) 21:14:28.63 ID:c+5+k8k3o






 「ぁ、私、唯じゃなくて、妹の、憂です……」






私は、覚めかけの頭を回転させて、その女学生さんの勘違いを正しました。


 「……ごめん。私、唯の同級生の知花姫子。

   あなたが唯そっくりだから、付けてたヘアピンを見て、てっきり唯だと思って」


そう言って姫子さんは、はにかみながら、私が付けていたお姉ちゃんのヘアピンを見せてくれました。


 「そのヘアピンは、海岸で手榴弾自決しようとしたときに、お姉ちゃんがくれたんです……」

 「……えっ?」


私がそう言いかけると、姫子さんの表情が険しく曇りました。


 「「じゃあ……」」


その言わんとするところを察した私は、姫子さんと同時に問いを発したのです。







 「唯は!?」「お姉ちゃんは!?」




93 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/08/17(水) 21:47:17.83 ID:c+5+k8k3o


ttp://www.youtube.com/watch?v=LSD9sOMkfOo


YouTube:終戦の詔勅 (玉音放送)



 “……然レトモ朕ハ 時運ノ趨ク所 堪ヘ難キヲ堪ヘ 忍ヒ難キヲ忍ヒ

  以テ萬世ノ為ニ 大平ヲ開カムト欲ス……”
                         (上記音声資料においては、3:21前後)



―――八月一五日


まだ昼だというのに、米兵たちがさかんに酒を飲み、花火や銃を空に撃ったりして騒いでいます。


米兵が銃を乱射する音を聞いて、「友軍が総攻撃をかけて助けに来た」と叫ぶ人もいましたが、

噂では、日本は戦争に負けたらしいです。



収容所に入ってからというもの、米兵の強姦事件が幾度もあったり、

食糧事情や衛生事情も悪く、せっかく助かっても命を落とす人が多くいました。


私は、ケガもだいぶ癒えたのですが、収容所内の病院の手伝いにかり出される以外は、

抜け殻のように、無気力にぼんやりとしていたのです。





私は、バラックの寝台の上に座り、汗で額に張り付いた前髪を払います。

すると、髪に留めたお姉ちゃんのヘアピンが指に触れました。


 「……“生きて虜囚の辱めを受けず”、か」


そのヘアピンを指先でいじりながら、ふと、独り言を漏らしました。


 「……“死して罪禍の汚名を残すことなかれ”」


私のつぶやきに応じて、背後から声がしました。私はわずかに振り向いて声の主を確かめます。



94 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/08/17(水) 21:50:16.14 ID:c+5+k8k3o



 「『戦陣訓』も私たちみたいな“艦砲の喰い残し”には、もう何の意味もないわね」

 「姫子さん……」


私たちのいるバラックの前を疾走してゆくジープの上で、

酒と日焼けで赤ら顔になった米兵たちが歓声を上げていました。



姫子さんが寝台に腰を下ろし、外の景色を見遣りながらつぶやきます。


 「やはり、日本は負けたんですって。米兵のバカ騒ぎは、その祝勝会」


私は、その姫子さんの言葉を聞いて、ヘアピンをいじる指を止めました。


 「……そう、ですか」











視界の中では、昨日と同じように、

収容所のバラックとテントの群れが、炎暑の下でかげろうに揺れています。






95 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/08/17(水) 21:51:50.82 ID:c+5+k8k3o



長い、長い、沈黙がありました。






そして、


 「生き残りの女学生は、小学校の臨時教師をやるように、って言われてるけど、よかったら、どう?」


姫子さんはそう言って、ガリ版刷りの教科書をかたわらに置いてくれました。

収容所でもすでに、青空教室が産声を上げていたのです。


 「………」


私は返事をしないまま、ほこりっぽい赤茶けた外の景色を眺めつづけていました。


 「……オルガン、弾けるんでしょ?」


そう言い残し、姫子さんは静かに立ち去ったのです。


私は、やはり返事をしませんでした。


 「………」





やがて、日が西に傾きます。



96 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/08/17(水) 21:56:42.58 ID:c+5+k8k3o


そして私は、ふと、手元に置かれた教科書に目を向けました。



 「………」


その小学一年生向けの教科書を初めて手にとって、何気なく表紙をめくります。

すると、その1ページ目には、こう書いてありました。






 『 アヲイ ソラ   ヒロイ ウミ 』






 「あ………」


私は、思わず声を漏らしました。



ポタ、ポタ、と、我知らず、教科書のページに雫が落ちます。私の涙でした。


「国破れて山河なし」と言われるほどに緑を焼き尽くし、山野の形すらも変え、

のちに「鉄の暴風」とまで形容された砲火が吹き荒れたこの島に残されたのは、

『青い空 広い海』、それだけでした。



親しい友人たちも、優しい先輩たちも、そして、最愛の姉も、もはや居ないのです。



 (……いないんだ。もう、みんな、いないんだ)



ふと、そんな感覚が、猛烈な実感を持って押し寄せてきます。

私は思わず、髪に留めていたお姉ちゃんのヘアピンを手に取ると、

手のひらに突き刺さるほど、強く、強く握りしめました。


そして、私は、慟哭したのです。 




 「…う……うぅ、っ、お、おねぇぢゃぁぁぁ……ぁん……っ」









―――ひめゆり学園と言われた、この沖縄師範学校女子部・沖縄第一高等女学校は、

他の多くの師範学校が、戦後の学制改革によって新制大学の教育学部として再出発する中で、

学び舎は灰燼に帰し、教師も生徒も多くが死亡し、米軍軍政下で再建もままならず、廃校となった。

かつて県営鉄道の鉄道橋であり、現在は国道330号線の一部である

「姫百合橋」に、その名を留めるのみである―――



97 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/08/17(水) 22:02:32.59 ID:c+5+k8k3o



―――その後、多くの歳月が流れました。



あの荒崎海岸にも何度か行きましたが、姉のなきがらは見つかりませんでした。


ドイツに行った両親も、ソ連によってシベリアに抑留されたまま、還ってきませんでした。

そして、生きるために多くの苦労をし、人一倍働き、無我夢中で生きてきました。

一方で、私ひとりが生き残ったことに、罪の意識すら持ちつづけたのです。



しかし、やはりそれでも私は、あきらめ切れませんでした。


日々の暮らしを続ける中でも、次の瞬間、この柱の影から。その路地の裏から。あの丘の向こうから。





 『あ、憂~! ひさしぶり~!』





にわかに姉の声が聞こえ、ひょっこりと姿を現すのではないか。

そんな想いが、私の頭をよぎり続けました。


私の戦後は、何年、何十年経っても、生涯、終わることはなかったのです。


私の戦後は、いつまでも、いつまでも、戦後でした――――――



―――――――――――――――

――――――――――――

―――――――――

――――――

―――


















―――摩文仁の丘の沖縄平和祈念公園にある「平和の礎」には、



沖縄県民十五万を始め、沖縄戦等で死亡した国内外の人々の名が刻まれている。



その数、二十四万一千百三十二名―――



98 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/08/17(水) 22:09:48.56 ID:c+5+k8k3o


―――


――――――


―――――――――


――――――――――――


―――――――――――――――










――――――平成四十某年(203×年)夏、関東地方某所










         「今日から修学旅行です!  …お姉ちゃんの」
















99 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/08/17(水) 22:17:54.47 ID:c+5+k8k3o


ttp://www.youtube.com/watch?v=XsFji1i69Rk

YouTube:けいおん!! 桜が丘女子高等学校校歌



こんにちは、平沢唯です! 桜が丘女子高等学校3年生です!




今日から待ちに待った修学旅行!行き先は例年京都だったのですが、今年はひと味違います!


 「すっげぇー!海青すぎだろ!CGみたいだな!」


すぐそばでりっちゃんが大はしゃぎしています。


 「おい律!もうすぐ着陸するぞ!座ってベルトしろ!」


澪ちゃんがカチカチに緊張してベルトを締め直しています。

私も飛行機は初めてなので、面白いけどハートDOKI☆DOKIです!

でも、澪ちゃんの場合、飛行機よりもっと怖い体験が現地で待っているわけですが……

ところでムギちゃん、機内食出なかったね?


 「ふふ、国内線は出ないわよ?」


そうなんだ。ガッカリ……


でも、着いてからいっぱいおいしいモノ食べて、たくさん楽しいコトすればいいよね♪



100 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/08/17(水) 22:20:56.14 ID:c+5+k8k3o



     ┏━┓
     ┃桜┃
     ┃が┃
     ┃丘┃
     ┃女┃
     ┃子┃
     ┃高┃
     ┃等┃
     ┃学┃
     ┃校┃
     ┗━┛


―――その数ヶ月前、軽音部室


 紬「ねぇねぇ、今年の修学旅行は沖縄なんですって!初めてだから楽しみ~!」キラキラ

 律「だから今日のお菓子はちんすこうなのか」モシャモシャ

 唯「このお茶、泡が立ってるけど何なの?ほら、ヒゲ!」ブクブク

 紬「ぶくぶく茶よ~」

 澪「唯、食べ物で遊ぶな!ところで、みんな沖縄は初めてだろうけど、ムギも初めてなんて意外だな」

 梓「毎年京都みたいでしたけど変わったんですね。先輩方も楽しんできてください!」

 律「おぅ!言われなくても南国でバケーションを満喫してくるぜぃ!」

 唯「青い空!広い海!天国だよ! あずにゃん、おみやげ何がいい?ハブ?」

 梓「とりあえずハブはちょっと遠慮します……」ゲンナリ

 唯「えぇ~? 『ハブ対あずにゃん』見てみたかったのにぃ」ショボーン

 梓「何考えてるんですか!やめてください!殺す気ですか!」プンスカ

 紬「唯ちゃん、生きてるハブ持ち帰る気だったの?他にもいろいろあるじゃない。泡盛とか」

 律「いやムギ、それもおかしいだろ。未成年だし」



101 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/08/17(水) 22:23:01.77 ID:c+5+k8k3o


 澪「私も、沖縄楽しみだな。良い詞が書けそうだ。でも修学旅行だから戦跡とかも巡るのか……」ハァ…

 律「あら澪ちゅわ~ん。戦跡怖いのかしらん?」ニヤニヤ

 澪「べっ、別にそういうわけじゃなくて!」ムッ

 紬「じゃあ、澪ちゃんも戦跡に行って勉強しないと~」ウフフ

 澪「いや、それは、まあ、わざわざ行かなくても本とか読めばいいんじゃないか!?」アセアセ

 梓(澪先輩、やっぱり相当怖がってるなー)

 律「そんなムキになるなって!でも戦跡巡り面倒くさいよなー。せっかく南の島のパラダイスなのにさ」

 唯「でも旅行から帰ったあとレポートあるし、少しは勉強っぽいことしないとねぇ」

 律「ま、そのへんは澪とムギのレポート写せば大丈夫っしょ!」

 澪「こらっ!自分でやれ!」

 紬「フフ……みんなで班行動の計画立てなくっちゃね!」



102 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/08/17(水) 22:26:25.03 ID:c+5+k8k3o


―――再び修学旅行当日。初日、那覇空港(旧海軍小禄飛行場)


ワイワイ…キャッキャ…


 律「ひゃっほー!沖縄だー!」

 唯「あ、ポケモンジェット!見たの初めてだよ!」

 澪「プロペラの小さめな飛行機もたくさんあるな」

 紬「離島航路の小型機じゃない?」

 和「それもあるけど、自衛隊機もあるのよ。基地が隣接してるから。ほら、日の丸付いてるでしょ?」

 律「お、ホントだ。さすが和は物知りだな~」

 唯「じゃあ帰ったら和ちゃんのレポート写せばいいね!」

 和「ダメよ。そもそも班が違うからムリね」


 さわ子「ちょっと!みんな早くモノレールに乗るわよ!」




―――ゆいレール車内、県庁前駅付近


 澪「飛行機で疲れたし、ホテルに荷物置いたら夕食まで一息つきたいなぁ……」

 律「何言ってんだよ!せっかく沖縄なんだから外に出て遊ぼうぜ!」

 唯「国際通りってところにいろいろあるみたいだよ!」

 紬「遊びたいでーす♪」

 澪(やっぱりこうなるか……) 

 


―――国際通り


 紬「あっ、ブルーシールアイスよ!食べましょう!」

 唯「おぉ~!変わった味のがいろいろあるね! おいひぃ~!」

 律「うぉぉ…頭痛てぇ……」

 澪「アイス食べ過ぎだろ………あ、この琉球ガラスの置物カワイイな」

 律「ところでさぁ、ハブ対マングースってどこで見れんの?」

 紬「唯ちゃん、この三線(サンシン)試し弾きできるんですって!やってみない?」

 唯「了解です! …“♪キミを見てるとォ~ いつもハ~トDOKI☆DOKIィ~~”」ベンベン

 律「お、すげぇ! なんか沖縄っぽい!」

 唯「よし!キミはサンシン太と名付けよう!」

 澪「ふふ、唯、ギー太がいるのに浮気しちゃっていいのか?」

 唯「えへへ……南国のちょっとした“あばんちゅ~る”ってことで」



103 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/08/17(水) 22:32:16.02 ID:c+5+k8k3o


―――第一牧志公設市場


 唯「あぁ~、目がぐるぐるする~」フラフラ

 澪「そりゃ海ブドウが回ってる水槽ずっと見てるからだろ……」

 律「あ、生のハリセンボン初めて見た!すっげー!お、この青い魚は何?食べれる?」

 紬「それ、イラブチャーって言うのよ。淡泊で美味しいわ」

 唯「わぁ~、ブタのお面だよ澪ちゃん!見て見て!」

 澪「や、やめろよ!見たくない!」







―――ゆいレール奥武山公園駅付近


 律「澪!澪!この写真、ちょっと見てみ」

 澪「ん、何撮ったんだ?……ま……っ!!///」


ゴチン!


 律「痛だぁぁぁ!」

 澪「お前は小学生かバカ律!!」


ttp://s.cyrill.lilect.net/uploader/files/201108172229300000.jpg


 律「いやー、聡に頼まれててさぁ。ネタ的に面白いかなー、と……」

 紬「漫湖は湿地帯でラムサール条約で保護されてるんですって。でも最近は水質が悪化してるらしいわ」

 唯「へー、漫湖ってすごいんだね!でも汚い漫湖って臭そうだよ」

 紬「そうね。キレイな漫湖を後世に伝えないとね」

 澪「二人ともわざと言ってないか……///」


アハハ… ウフフ…



104 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/08/17(水) 22:38:30.61 ID:c+5+k8k3o


―――二日目。道の駅かでな、嘉手納基地付近


ワイワイ…ガヤガヤ…


 澪「ホントは美ら海水族館に行きたかったなぁ」

 紬「さすがに遠いから難しいわ」

 唯「りっちゃん、この双眼鏡面白いよ!すごくよく見える!」

 律「おぉやべえ。米軍マジ米軍。勝てる気がしねぇ」

 唯「ホントに基地の中に街がある感じだね~」

 紬「私、米兵にケンカ売るのが夢だったの~♪ F**K YOU!」

 澪「おいムギ!それはまずいだろ!しかも無駄に発音良いし!」

 紬「どんとこいです!」

 律「おぉ、ムギもなかなかロックだな!負けてられん!」ビッ!

 澪「中指立てるなぁ!」

 律「ハイハイ。どーせわかりゃしないって」





―――那覇市首里

 唯「おぉ~、首里城だよりっちゃん!かわいいね!」

 律「唯は何でも“かわいい”だなあ。でも確かにカラフルでかわいいかも」


ttp://s.cyrill.lilect.net/uploader/files/201108172234020000.jpg
(石垣)


 唯「ねーねー、このへんだけ石垣がすごく古いよ。なんでボロボロなんだろう?」

 律「さあなぁ。なんでだろ。どーせなら全部新しくすればよかったのに」





 澪「ムギ、これ何だろう?鉄格子がはまってるけど、なんだか首里城には似合わないな」

ttp://s.cyrill.lilect.net/uploader/files/201108172234020001.jpg
(首里城トーチカ)

 紬「そうね…ちょっと違和感があるかも。琉球王朝時代のものではなさそうだけど」






ttp://s.cyrill.lilect.net/uploader/files/201108172234020002.jpg
(板)

 紬「待って澪ちゃん!板きれに何か書いてある……『旧第三十二軍合同無線通信所跡』って」

 澪「ひぃっ!戦跡怖い!見えない聞こえない見えない聞こえない……」



105 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/08/17(水) 22:46:37.21 ID:c+5+k8k3o


―――三日目、島尻郡南風原町、南風原陸軍病院壕跡



 澪「うぅ、いよいよ本格的に戦跡……」

 紬「ガイドさんもいるから大丈夫!」

 ガイド「どうも。ガイドの琉大生です」



 ガイド「これがこのあたりで掘り出された砲弾の破片なんですよ。持ってみます?」

 唯「あ、すっごい重い……」ズシッ

 紬「こんな鉄アレイみたいなの当たったらひとたまりもないわね……」


 ガイド「じゃあ壕に入ってみましょう」

 律「澪!危ないからあんまひっつくなよ!ただでさえ足もと滑るのに!」

 澪「だって……暗いし怖いし……」ガクガクブルブル



 ガイド「この十字路が手術場でした」

 唯「手術場って、ここただの通路だよ……」

 ガイド「医薬品不足の中でも麻酔の不足は特に深刻で、麻酔無しの手術も……」

 澪「ひぃっ!聞きたくない聞きたくない!」

 ガイド「南部への撤退時には、多くの重症患者が青酸カリで……」

 澪「うわぁぁぁぁぁ!」

 紬「澪ちゃん、ちゃんと解説聞かないと失礼よ!ほら、修学旅行のレポートもあるし……」

 澪「そんなの書かなくていいっ!!怖いよぉ!もう出たいぃ!」

 律「それじゃ私も困るんだよ!レポート写せないじゃん!」

 澪「もうやだ!やだぁ!」ビエーン

 律「……スミマセン、コイツこうなると聞かないので……」

 ガイド「じゃあちょうど中間地点あたりなので反対側まで出ちゃいましょうか……」



106 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/08/17(水) 22:48:54.12 ID:c+5+k8k3o


―――南城市(旧島尻郡玉城村)、陸軍病院糸数分室跡(アブチラガマ)


 律「……受付でいきなりヘルメットと懐中電灯渡されたんだけど」

 紬「これは予想外ね……予約してないからガイドさんもいないし……」

 澪「もう壕には絶っっっっっっ対に入らないからな!」

 唯「えぇ~ 澪ちゃんのいけずぅ~」

 澪「何とでも言えっ!私ここで待ってるから!」





 律(壕に入ったけど…澪は連れてこないで正解だ…マジ怖えぇ……)ドキドキ

 紬(本当に、真っ暗……大丈夫かしら……)ビクビク

 唯(懐中電灯だけじゃ全然見えないよぉ……あ、何かある。順路の看板?)オドオド


ボヤー……

  ┏━━━━━┓  ┏━━━━┓
  ┃破傷風患者┃  ┃脳症患者┃ 
  ┗━━━━━┛  ┗━━━━┛


 唯「うわぁああああ!!!!!」

 律「っっギャァアアアアアア!!何だよこの看板怖すぎ!!」

 紬「早く出ましょう…でも足もとが危ないから気を付けて……」 




―――同じく南城市、おきなわワールド、玉泉洞


 澪「鍾乳洞キレイだなぁ……」

 紬「そ、そうね(洞窟はどうもさっきの壕を思い出しちゃうな……)」

 律「ハブも早く見に行こうぜ!ハブ!(万一にも明かりが消えたらイヤだし……)」

 澪「どうしたんだよ、みんな微妙に口数少ないし早足だし」

 唯「そ、そっかなあ?(だってちょっと怖いんだもん)」



107 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/08/17(水) 22:56:49.70 ID:c+5+k8k3o


―――四日目、糸満市字伊原


 唯「ここが有名な『ひめゆりの塔』だね」

 律「近くにおみやげ屋さんとかいっぱいあるし、ふつーに観光地っぽいんだな」

 紬(さっき一瞬『コミック百合姫』を連想しちゃった……)

 澪「あ、あそこにいるの和の班じゃないか?」



 和「あら?あなたたちの班も来たのね。てっきり遊び倒してるのかと思ったけど」

 唯「ヒドいよ和ちゃん!」






ttp://s.cyrill.lilect.net/uploader/files/201108172253080000.jpg


 唯「むぅ~……」

 澪「どうしたんだ唯? 難しい顔して」

 唯「私、何だか前にもここに来たことあるような気がする……」

 紬「実は私も、ここというか沖縄に来たことあるような、そんな気がして……」

 律「ないない!みんなで“沖縄初めてだから楽しみ!”って言ってたじゃん。おかしーし!」

 澪「デジャヴだな。二人とも初の沖縄だからってはしゃぎすぎて疲れてるんじゃないか?」

 唯「そっか、そうだよね!私なんか飛行機も初めてなのに。えへへ」

 紬「そうね……私もあちこち行ってるから記憶違いかも」

 律(……っつーことは、自分で言いながら私も結構疲れてるのか……少しはしゃぎすぎたなー)

 澪(とは言ったけど、私も何か違和感が……沖縄とムギの別荘の海の記憶とかと混ざってるのかなぁ)



109 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/08/17(水) 23:02:38.82 ID:c+5+k8k3o


―――資料館館内、展示室


 唯「時代は違うけど、私たちと同じようなフツーの女の子たちだったんだね……」

 律「なんだかホントに私たちみたいだな。うわ……でも解説がキツい……」


ttp://s.cyrill.lilect.net/uploader/files/201108172258330001.jpg
 <1944(昭和一九)年撮影の集合写真。担任の山城さわ子先生をはじめ21名が沖縄戦で死亡した。>


ttp://s.cyrill.lilect.net/uploader/files/201108172258330000.jpg
 <放課後に談笑する仲良し5人組。のち、沖縄戦で3名が死亡し、2名が消息不明となった。>


 紬「戦争中とは言っても、当時は当時なりに、ささやかな喜びのある日常があったのよね……」

 澪「そう考えると、怖いっていうより悲しいな……」







 唯「うわぁ……説明書きが……」


 “……米軍上陸後、運び込まれる重症患者は日に日に増加し、夜を徹しての手術が行われました。

    手足をもぎ取られた人、銃弾が貫通して血まみれになった人、

    火炎放射器の炎を浴び皮膚がただれている人など、

    見るも無惨な患者が壕外にあふれ、「早く診てくれ」と叫んでいました。

    重傷を負った手足は切断するしかありませんでした。

    鋸で切り落とされた手足はずっしりと重く不気味でした……”



 澪「…うっ……私、トイレ……っ」ダッ

 律「あ、おい!ゴメン、澪の様子見てくるから!」

 紬「私も、この描写は、つらいわ……」



110 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/08/17(水) 23:09:31.74 ID:c+5+k8k3o


―――第四展示室


 唯「写真がいっぱい……これ、みんな亡くなった人なの……?」

 律「そう、みたいだな…100人、いや、200人はいるか……」

 澪「写真すらない人もいるなんて、ひどい…」

 紬「一家全滅……。何て言ったらいいのか…」



<仲村渠律 沖縄師範学校女子部本科二年(当時十八歳) 宜野湾村出身
 昭和二十年六月二十日 山城丘陵で消息不明


 学徒隊への動員後も、配属された第三外科で、

 気落ちしがちな友人らを持ち前の明るさで場を盛り上げていた。

 解散命令後、山城丘陵を越える際に砲弾片で重傷を負い、サトウキビ畑の茂みに隠れた。

 水を探しに行った級友らが戻ったときには、すでに茂みは焼き払われていたという。

 両親及び鉄血勤皇隊に動員された弟も死亡したため、一家全滅である。>



<当山澪 沖縄師範学校女子部本科二年(当時十八歳) 宜野湾村出身
 昭和二十年六月二十一日 荒崎海岸で死亡


 澄んだ伸びやかな歌声と長い黒髪が評判の美人で、学園ではあこがれの的であった。

 ただ、本人はたいそう恥ずかしがり屋で、歌の詞を書くのが趣味であった。

 解散命令後、荒崎海岸付近を友人らと逃避行している最中、大波に飲まれ溺死。

 展示室にあるカチューシャは彼女の遺体がかけていた鞄に入っていた、友人の仲村渠律のもの。>



<古波蔵紬 沖縄師範学校女子部本科二年(当時十八歳) 西原村出身
 昭和二十年六月十九日 伊原第三外科壕で死亡


 実家はフィリピンでプランテーションを営む富豪。父は沖縄出身の移民、母は米国系であったが、

 日本式の教育を受けさせたい親の希望で、幼い頃から沖縄の遠縁の斎藤氏に預けられていた。

 富豪を鼻に掛けず気だてが優しく、寄宿舎ではよくお茶やお菓子を友人にふるまっていたという。

 第三外科壕でガス弾攻撃を受け多くの学友、教師らとともに死亡。
 
 両親もフィリピン戦線で死亡し、一家全滅。>



111 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/08/17(水) 23:14:12.03 ID:c+5+k8k3o


 澪「……ウッ…グスッ……ウグッ……」

 紬「澪ちゃん……本当に、大丈夫? さっきのこともあるし無理しない方が……」

 澪「ごめん……、ただ、本当に怖かったり、悲しすぎて……わけ、分かんなく、なっちゃいそうで……」

 律「少し、あっちで休もうか……。唯は?」

 唯「んー……、ゴメン。もう少し見てる……」

 律「わかった……あんま、ムリするなよ」

 唯「うん…」


<下地純 沖縄師範学校女子部本科一年(当時十七歳) 那覇市出身 
 昭和二十年五月十一日 南風原陸軍病院で死亡


 にぎやかで朗らかな性格で、学校でも動員後も冗談を言って周囲を笑わせていた。

 陸軍病院動員後は髪が手入れできず、くせ毛がぼさぼさするのを気にしていたという。  

 飯上げ作業中、艦砲弾の破片を受け、その後死亡。

 第三外科の最初の犠牲者となった彼女は、友人の制服を着せられて丁重に葬られた。>
 


 唯「……」


<仲間梓 沖縄師範学校女子部本科一年(当時十七歳) 嘉手納村出身
 昭和二十年六月二十二日 山城丘陵で死亡


 小柄ながらも頑張り屋で、学業も、陸軍病院動員後の看護活動にも率先して取り組んでいた。

 五月、第三外科から糸数分室に配置換えになり、その後、南部に撤退。

 解散命令後は、先輩らと行動を共にしていたが、別れて斬り込みに加わる。

 斬り込みが失敗した後「私は皇国女性だ!殺せ!」と叫び抵抗したため、米兵により射殺。>



 唯「………」


<山城さわ子 沖縄県立第一高等女学校教諭兼師範女子部嘱託 首里市出身 音楽担当
 昭和二十年六月十九日 伊原第三外科壕で死亡


 一高女から東京女子高等師範学校(現御茶の水女子大学)に進学、母校の教師となった。

 歌が好きで、時には生徒の要望に応え、暗い壕の中でも歌って生徒たちを励ましていた。 

 南部撤退の時には、負傷した生徒を介護しながら、伊原まで移動した。

 解散命令直後、第三外科壕でガス弾攻撃を受け、多くの生徒、教師らとともに死亡。>



 唯「…………」


<真壁和 沖縄師範学校女子部本科二年(当時十八歳) 那覇市出身
 昭和二十年六月十七日 山城第一外科壕で死亡


 学園では生徒会長として人望厚かったが、とぼけたところにも好感があった。

 陸軍病院への動員後も、南部撤退から解散命令直前まで、よく学友らの世話を見ていた。 

 伝令からの帰途、山城第一外科壕の入口付近で直撃弾を浴び、即死。

 展示室にある、山城第一外科壕で収集されたメガネのつるの片割れは、彼女のものである。>



112 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/08/17(水) 23:19:10.48 ID:c+5+k8k3o



 唯「生き残った人たちは……どうなったんだろ……」



 和「……以前は、学徒隊の生き残り方が証言員をしていらっしゃったそうよ。

   でも、もうご健在の方もわずかで、しかも百歳前後になってしまわれて、ね」

 唯「あ、和ちゃん。そっか…、そうだよね。すごく昔のことだもんね。

     でも、おばあちゃんたちに、ちゃんとお話を聞きたかったなぁ、って」


 和「そうね……。殉国美談だの、反戦プロパガンダだの、人によっていろいろな言い方もするけど、

     まず自分で知ろうとすることが大切なんじゃないかしら?」

 唯「えーと、プ、プロパンガス?何それ?」

 和「ふふ、唯なりに少しずつ考えていけばいいじゃない。

     じゃあ、私たちの班はこれから摩文仁の平和祈念公園に行くね……」

 唯「うん……」




 唯「…」


<高嶺風子 沖縄師範学校女子部本科二年(当時一八歳) 北谷村出身
 昭和二十年六月二十日 糸満市米須で死亡


 長い黒髪が印象的で、大人しいが芯があり、怒ると意外に怖く、頑固な面もあった。

 本部壕で生徒会長の真壁和らと行動を共にしていたが、

 解散命令後は級友とはぐれ、米須付近を逃げていたところ、砲弾片に当たり死亡。>


 唯「……」


<比嘉エリ 沖縄師範学校女子部本科二年(当時一八歳) 今帰仁村出身
 昭和二十年九月二日 米軍病院で死亡


 学園ではバレーボール部に所属しており、明るくさばさばとしていた。

 六月下旬、荒崎海岸で級友らとともに手榴弾自決を図って重傷を負い、捕虜となる。

 病院に収容後、米兵がくれたコーラを気に入っていたが、治療の甲斐無く傷が悪化し衰弱死。>



113 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/08/17(水) 23:24:32.61 ID:c+5+k8k3o




 唯「………この人、本当に私みたいだなぁ……」





<平山唯 沖縄師範学校女子部本科二年(当時一八歳) 那覇市出身
 昭和二十年六月下旬以降 荒崎海岸で消息不明


 柔らかく暖かい人柄と歌声で、彼女自身もその周りにも笑いが絶えなかった。

 持ち前の屈託のない雰囲気で、学園でも動員先でも多くの友人らをなごませていた。 

 解散命令後、荒崎海岸付近を逃避行中、妹の憂とともに手榴弾自決を図る。

 その後、負傷した妹は米軍の捕虜とされたが、彼女の遺体は戦後も発見されず。>






 唯「……目に親し 相思樹並木……」


ふと、展示室に流れている歌を小さく口ずさみます。


 唯(私、なんでこの歌知ってるんだろう…?)

 唯(私には難しいことはよくわかんないけど…)


私はその写真に吸い込まれるように、つう、と指を触れました。


 唯(もし、私たちがあの時代に生まれてたらどうなってたのかな………?)


そんなことを想いながら、目をつぶってみると、

不意に、まぶたの裏に“もう一つの私たち”の姿が、流れ込むように浮かんでくるのでした―――



 “……う~ん……”

 “…何うなってるのよ、唯”

 “あ、和ちゃん。学徒隊に入ろうかまだ迷ってて……………







                                    ┼ヽ  -|r‐、. レ |
                                     d⌒) ./| _ノ  __ノ


ttp://www.youtube.com/watch?v=Wsn6KmgAP0w
「別れの曲」
作詞:太田博
作曲:東風平恵位


YouTube:ひめゆり 別れの曲



115 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/08/17(水) 23:45:09.56 ID:c+5+k8k3o


主要参考資料等

1,「ひめゆり平和祈念資料館 ガイドブック」(ひめゆり平和祈念資料館発行)

2,「墓碑銘」(ひめゆり平和祈念資料館発行)

3,長編ドキュメンタリー映画「ひめゆり」パンフレット(資料集)及び同映画(プロダクション・エイシア)

4,「ひめゆりの塔をめぐる人々の手記」(角川文庫)

5,「死者たちの戦後誌 沖縄戦跡をめぐる人々の記憶」(御茶の水書房)

6,「沖縄県の百年」(山川出版社)

7,「21世紀のひめゆり」(毎日新聞社)

8,「ひめゆりの塔 学徒隊長の手記」(雄山閣出版)

9,「ドキュメント沖縄 1945」(藤原書店)

10,「沖縄の島守―内務官僚かく戦えり」(中公文庫)

11,「母と子でみるひめゆりの乙女たち」(朝日新聞出版社)

12,「ひめゆりの沖縄戦―少女は嵐のなかを生きた」(岩波ジュニア新書)

13,歴史群像シリーズ「沖縄決戦」(学研)

14,けいおん!各巻(芳文社)及びけいおん!・けいおん!!DVD各巻(ポニーキャニオン)



118 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/08/17(水) 23:55:03.50 ID:c+5+k8k3o


途中レス下さった方ありがとうございます。なんとか完走できました。

ひめゆり学徒隊というと、非常に有名ではありますが、その一端でも知ろうとするきっかけになればと思います。
和ちゃんに言わしめたように「殉国美談」「反戦プロパガンダ」といろいろ評されることもありますが、
現地に行ったり、参考文献等を読む動機付けになれば幸いです。

特に、生き残りの証言員の方々は、あと5~10年もすると活動困難になるでしょうから、
資料館を訪問する機会があればお話を伺っておくと良いかと・・・
(実際、そのような危機感が「ひめゆりアニメ・プロジェクト」の製作の契機になっているわけでもあるし)




116 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海):2011/08/17(水) 23:46:03.27 ID:UT1Ku98AO

>>1
>>106昔ここ行ったことあるけどほんとに真っ暗なんだよな…



114 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東):2011/08/17(水) 23:43:14.26 ID:miZkZuXAO

超乙です
支援絵でも描きたいぐらいだよ

修学旅行の沖縄でひめゆり資料館行った時のこと思い出した
日本人はもっと過去に目を向けるべきだよな……



119 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋):2011/08/18(木) 00:00:19.71 ID:RobIQ2leo


婆ちゃんと沖縄に行ったとき、
ぽつりと『私は空襲だけで良かった』と言ったのが今でも記憶に残ってるわ



120 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/08/18(木) 04:02:54.64 ID:fK9x5e0SO

すごく乙でした



121 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/08/18(木) 05:34:01.67 ID:CPdYLP8DO

乙!!

とても読み応えがあったよ


…実際にこんな感じのストーリーで映像化したら
戦争の悲惨さを伝えるのに最適なんだろうな



125 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東):2011/08/18(木) 07:52:21.76 ID:wk4zXxzAO

これは…
乙でした



126 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/08/18(木) 08:25:05.73 ID:tRpc1EXIO

面白かった




127 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(京都府):2011/08/18(木) 09:51:25.47 ID:XeqzId2u0

乙でした
俺は右翼だが、右とか左に関係なく、あの戦争がこういう悲惨な結果を産んだこと(それに関わった日本が善か悪かどうかではなく)は伝えていかなければいかんよなあ。



128 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/08/18(木) 17:39:26.61 ID:pAqXpY3do

おつおつ!
全部読み終えたけど
これはログ保存しとこう



129 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区):2011/08/18(木) 18:47:54.31 ID:De4+bqzA0

とてもよかったよ





130 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/08/18(木) 22:43:02.51 ID:P39igYKZo



【参考資料をめぐる>>1の雑記】

結局のところ、遺憾ながらSSは創作であり脚色なので、まだ夏休みもあるでしょうし、参考文献も是非どうぞ。


1,「ひめゆり平和祈念資料館 ガイドブック」(ひめゆり平和祈念資料館発行)
  女師・一高女及びひめゆり学徒隊の概略を知ることが出来る。他校学徒隊に関する記述もあり。
  証言が充実しているが、実体験は極めて凄惨である(このSSでは到底比較にならない)。
  市販されていないが、資料館に直接問い合わせると、有償頒布してくれる。

2,「墓碑銘」(ひめゆり平和祈念資料館発行)
  沖縄戦で亡くなった女師・一高女の教師・生徒の一人ひとりの足跡、そしてその最期を紹介したもの。
  「「テンプルちゃん」の愛称で親しまれ」「ブルーマーのよく似合うスポーツマンで」などという表現を見ると
  本当にごく普通の女子校生が戦場にかり出されたのだと痛感させられ、非常に沈鬱な気分になる。
  1,同様、市販されていないが、資料館に直接問い合わせると、有償頒布してくれる。

3,長編ドキュメンタリー映画「ひめゆり」パンフレット(資料集)及び同映画(プロダクション・エイシア)
  元学徒隊員の証言を記録したドキュメンタリー。DVD化はされておらず、自主上映のみであるが全国各地で上映されている。
  観られる機会は少ないので、近場で自主上映していたら、観にいくとよい。
  なお、パンフレット(有償頒布)は映画の内容を文字に起こしたものが掲載されており、単体で読んでも勉強になる。

4,「ひめゆりの塔をめぐる人々の手記」(角川文庫)
  ひめゆり学園の元教諭の仲宗根政善氏の編著による。ひめゆり学徒隊関連の書籍としては最も入手しやすいと思われる。
  書名のとおり、著者及び元学徒隊員たちの、沖縄戦における手記を編集したもの。
  なお、初版は「沖縄の悲劇」という題名であったが、改題した。そのあたりの事情・心情の考察は5,にも詳しい。

5,「死者たちの戦後誌 沖縄戦跡をめぐる人々の記憶」(御茶の水書房)
  沖縄戦の記録そのものというよりも、戦後において“その戦死者を悼む”ということが、
  どのような社会的・文化的・政治的文脈の中に置かれ、どのように生き残った人々が行動したか、を研究したもの。
  元は著者の博士論文を増補したものらしいので、非常に重厚であるが、極めて示唆に富む。
  当初SSでは沖縄戦そのものについても紙幅を割いて扱う予定であったが、これを読んだために、到底無理と悟り、
  ひめゆり学徒隊のあらましを中心にすることにした(けいおん!との関連性をも考えると、それでよかったと思う)。

6,「沖縄県の百年」(山川出版社)
  県民100年史シリーズのひとつ。琉球王朝末期から現代までの近現代沖縄史をまとめたもの。
  教科書然としているがコンパクトにまとまっていて、沖縄及び沖縄戦にまつわる前提知識を得る上では適書。

7,「21世紀のひめゆり」(毎日新聞社)
  元学徒隊員の戦後の活動記録を中心にまとめられた本。様々な苦労が戦後も続いたことが察せられる。
  無論、基地問題等、政治活動に関する記述も多く、読者によっては、政治的な立場の違いから若干げんなりするかもしれないが、
  このような悲惨な戦場体験を経た以上は、平和運動に邁進することは当然の帰結であろう。  

8,「ひめゆりの塔 学徒隊長の手記」(雄山閣出版)
  ひめゆり学徒隊引率者西平英夫氏の手記。構成は4,に似ているが、基本的には西平氏本人による記録が中心。
  この手記は戦後まとめられたものであるが、戦中において記録された「状況報告書」が戦没学徒隊の援護事業に活かされた。

9,「ドキュメント沖縄 1945」(藤原書店)
  見開き2ページで1日分の推移を雑記した、日めくり形式のドキュメント。
  あえて雑然とした構成をしているが、往時の新聞を日々追っているような気分でサクッと読める。

10,「沖縄の島守―内務官僚かく戦えり」(中公文庫)
  戦前最後の沖縄県知事、島田知事と、警察部荒井部長の姿を追ったもの。
  沖縄戦下においても最後まで戦場行政を担った人々の記録。

11,「母と子でみるひめゆりの乙女たち」(朝日新聞出版社)
  1980年の全国巡回写真・資料展をまとめたダイジェスト。

12,「ひめゆりの沖縄戦―少女は嵐のなかを生きた」(岩波ジュニア新書)
  ある学徒隊員の沖縄戦時の回想録。ジュニア新書なので読みやすい。

13,歴史群像シリーズ「沖縄決戦」(学研)
  沖縄戦の戦況の推移に関しては主にこれを参考とし、ウィキペディアも参考とした。

14,けいおん!各巻(芳文社)及びけいおん!・けいおん!!DVD各巻(ポニーキャニオン)
  不要かと思うが、一応言及すると、軽音部員の女子校生のまったりした日常の徒然草。
  そもそも、去年沖縄に行って戦跡を巡ったあと、帰宅して深夜に『けいおん』を観ていたところ、
  ふと、「『ひめゆり』も同じ平仮名四文字の女子校生の記録だというのに、時代と場所が違うだけでこうも違うものか…
  きっと、りっちゃんとかも“夢はでっかく武道館!”とは言っても、そこに程近い靖国や千鳥ヶ淵なんか“何それ?”だろうな…」
  と、やるせなくなり、そして「そう言ってもこうして安閑としている自分も似たようなもんだ…」と非常に憂鬱になったのを覚えている。
  今回、このSSを編んだのも、それが遠因かと思う。
  


以上>>1の駄文でした。そろそろhtml化依頼してきます。

朝も最後と言って蛇足とは思いますが、読んでくれた方、レスしてくれた方、重ねてありがとうございました。



131 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/08/18(木) 23:07:50.95 ID:P39igYKZo

なお、最後の修学旅行の場面ですが、散華した学友たちが再び集い、
お伽話の中とはいえ、“散じて忘れぬ学窓と 誓いし友垣が集う校庭”が再現され、
平和な時代に時と場所を移して邂逅し、改めて青春を謳歌することができれば、と願った次第です。
もしかしたら、ただの他人のそら似なのかもしれませんが……。

そのあたりの解釈は読み人の個々人にお任せします。




132 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/08/19(金) 01:10:43.44 ID:e/rIcw8IO

今ある平和の日々は、かつてあった凄惨な悲劇の上に成り立っているんだな…
けいおんキャラとの対比で、すげえこころに響いた



133 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県):2011/08/19(金) 19:59:34.49 ID:034hAJQbo

>>127
勝てない相手に喧嘩売るもんじゃないってのが正直なとこかと>あの戦争の教訓
地政学上、日本みたいな国は外交駆使して戦わずして勝たないとキツイわ



134 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州・沖縄):2011/08/21(日) 01:21:24.51 ID:kCfHb54AO

沖縄県民としてお礼を言いたい。本当にありがとうございます。PCとか、色々ブログとか見てみるけど「一部の」本土の人が沖縄戦の事を集団自決の事を隠そうとしているのが本当に悲しい。何年か前には教科書問題とかあったしね。出来れば、もう一度沖縄に訪れてみて欲しい。おじぃやおばぁに話を聞いて欲しい。出来るなら案内したい。一度ガマにも入ってみて欲しい。でも一番はどうか沖縄戦のことを亡きものにしないで欲しい。よろしくお願いします。



135 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県):2011/08/21(日) 07:47:54.47 ID:WXlhr+Heo

>>134
「生きて虜囚の辱めを受けず」っていう戦中の皇国教育が引き起こした悲劇だね>集団自決
ただ、当時の感覚では武器渡した方、貰った方どっちも悪意がなかったor米兵の無法もかなりあったってのを理解してないと不毛な議論になりがち。





136 名前:1:2011/08/21(日) 23:56:43.30 ID:qvAhKkcpo


まだ落ちてなかったのか…せっかくなのでまた蛇足

沖縄戦と音楽というと、以下の歌も有名ですね

さとうきび畑
http://www.youtube.com/watch?v=tyB9z2C98tM
島唄
http://www.youtube.com/watch?v=DKB41krUnVU


YouTube:さとうきび畑
YouTube:島唄



何事も、是非を論じ、善悪を案じるにしても、人ごとに立場の違いがあるのは致し方ありませんが、
そもそも、歴史を知らないことには考えようもないですし、忘れてしまうというのは、とても寂しいことです。


何も四六時中、眉間にシワ寄せて考えることはないとは思いますが、
時には、歴史の来し方行く末を考える機会があっても良いのではないでしょうか。
過去があって現在があり、現在があって未来があるわけですし・・・

すでにあっちこっちで正体割れているみたいなので白状しますが、去年「ジョニーが凱旋するとき」を題材にしたときは、
正直そこまで深くは考えていませんでしたけれども、あれも歌と小説と別個に史実に題材がありますし。
(戦史ではありませんが野麦峠も歴史という文脈では同じ位置付けといえましょう)

ところで、しばしば「けいおんでやる意味なくね?」と言われるのには反論の余地もないのですが、
"日常系アニメ”のもう一つの姿、ということでご容赦ください。
(さすがに軽音部員らを不要に傷めつけているというのは心外だけど)

しかし、いわゆる"日常系アニメ”なる文脈で、「日常≒ゆるゆるまったり」という図式が成り立つのも、
現代の天下泰平の世の中だからこそで、少し時代が違えば日常なんて決してゆるゆるまったりしてなかった、と。
現代の「日常」を我々も享受してるのを忘れちゃいけないなー、とか思うわけです。




関連記事

ランダム記事(試用版)




唯「ひめゆり」#後編
[ 2011/09/02 00:06 ] 戦争 | | CM(5)

コメント(アンカー機能)
●>>1と半角で書き込むと>>1と記事へのアンカーが生成される。
●*1と半角で書き込むと1とコメントへのアンカーが生成される。
上記の2つのアンカーが有効なのは該当記事のみ。

タイトル:
NO:3739 [ 2011/09/02 01:16 ] [ 編集 ]

この世で一番恐ろしいものはやはり戦争だな
このSS読んですごく切なくなった

タイトル:ひめゆり部隊だけではありません
NO:4066 [ 2011/10/13 21:32 ] [ 編集 ]

とても良く出来ています。
小学生の頃に読んだ、ほるぷ平和漫画シリーズの『水筒:ひめゆり学徒隊戦記』を思い出しました。

太平洋戦争中の日本の女子学生の悲劇といえば、ひめゆり部隊が有名ですが、この他にも、樺太(現・サハリン)の電話交換手の悲劇や横浜の大倉山高等女学校の悲劇など多数あります。
そして、あまり知られてはいませんが、兵庫県宝塚市の「少女歌劇団・雪組」のケースもかなり悲惨でした。

戦況が悪化した昭和19年3月、軍が作戦に使用するという理由で宝塚の劇場が閉鎖され、少女歌劇団・雪組の女子生徒たちは「従軍看護婦見習い」として、西日本各地の陸軍病院や海軍病院に派遣されましたが、終戦後、誰一人生きて帰ってきませんでした。
少女歌劇団・雪組の女子生徒たちの内の大半は、「昭和20年6月19日の福岡大空襲」や「同年7月2日の下関大空襲」を始めとするB29爆撃機による西日本各都市への無差別空襲で死亡。
鳥取県の鳥取市や米子市および島根県松江市の病院に派遣された女子生徒たちは米英艦隊の艦砲射撃によって死亡。
広島市や長崎市の病院に派遣された女子生徒たちは原爆で死亡。
この他にも、米軍の航空機もしくは潜水艦の攻撃によって病院船ごと撃沈されて死亡した女子生徒たちもいました。

ただ厳密には、一人だけ奇跡的に生還した女子生徒がいたのですが、戦争が終わってから数日後、その女子生徒は自殺してしまったのです。
少女歌劇団・雪組で唯一の生還者だった女子生徒は沖縄で銃弾を浴びて両目を失明した上、神戸市の家族は空襲で殺され、友人たちは全員失い、更に、彼女の婚約者だった男性が終戦前日の“昭和20年8月14日”に神風特攻隊として出撃して戦死した事によって、女子生徒は生きる希望を完全に失って、舌を噛み切って自殺したのです。
後日、爆撃で破壊された劇場跡の近くで女子生徒の死体が発見され、見えなくなった両目を巻いていた包帯が大量の涙と血で真っ赤に染まっていたという話でした。

とある歴史漫画の太平洋戦争編に「今日も南の島で多くの男たちが死んでいっている」という台詞が載っていますが、南の島で死んでいったのは男性だけではありません。
戦時中、従軍看護婦として戦地に派遣された数多くの女性たちが命を落とし、その中には、ひめゆり部隊や少女歌劇団・雪組のような10代の女子学生もかなり多くいたのです。

結局の所、戦争をして一番得をするのは武器を売って大儲けする財閥連中(いわゆる武器商人)で、逆に、戦争で一番悲惨な目にあうのは武器を持たない一般人であるという事を決して忘れてはならないのです。

タイトル:
NO:4203 [ 2011/10/28 01:07 ] [ 編集 ]

沖縄は旅行で良く行くけど、中学の修学旅行で行って以来ひめゆりの塔には毎回行くようになったよ
しかし良く書けてるssでおどろいた けいおんssの中でもひめゆりを題材にした映画やドラマの中でも群を抜いてる出来だと思う
読めて良かった 乙

タイトル:
NO:4208 [ 2011/10/28 14:59 ] [ 編集 ]

俺も中学の修学旅行で見に行ったけど文章でどんだけ悲惨だったのかわかったよ。...わかりたくもなかったが。
ガマの中とかにも実際入ってみたけど地面は泥でぬるぬるべたべたしててなんとも言えない光景だったな...
ガマの奥とかに行ってみて懐中電灯を一斉に皆消したら瞼を閉じたみたいにすっげぇ暗いんだ...
皆が生き延びるためにこんなとこにいるんだなと思ったら、
なんで戦争なんてものがあるんだ??なんで戦争なんてものをしなきゃならないんだ??って何回も思った。
中学では1、2、3年とも沖縄戦のことを調べたけど、あまりにも悲惨で胸が痛んで調べることに対してのめんどくささがなかったな。
このSSを読もうか読まないか迷ったけど、とてもよく書かれていて読んで正解だった。

タイトル:承認待ちコメント
NO:6792 [ 2014/01/15 01:57 ] [ 編集 ]

このコメントは管理者の承認待ちです

コメントの投稿












管理者にだけ表示を許可する

サイト関連
メール ツイッター 最新記事一覧(30件)
ユーザータグ 検索

U:
P:
色々変更
好みのカラーコードをどうぞ

記事の背景色変更


本体の背景色変更


名前の色変更
IE8:重
火狐4.01:軽
chrome:軽


広告4
広告5
広告6