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梓「学校中がゾンビだらけに……いったいどうすれば……」#2 【ホラー】


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梓「学校中がゾンビだらけに……いったいどうすれば……」#1
梓「学校中がゾンビだらけに……いったいどうすれば……」#2
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梓「学校中がゾンビだらけに……いったいどうすれば……」#7




193 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/21(木) 21:50:17.70 ID:LwMiH2WK0

唯「えっと、あずにゃんが落ちた場所は……」

和「憂、あなたならわかるんじゃない?」

憂「う~ん、司令塔の場所はわかるんですが、梓ちゃんの場所となると……」

唯「だよね……あずにゃーん。こっちの方に落ちたと思うんだけどなあ」

和「それにしても、不気味な森ね……。
  あのトンネルの近くはちょっとした心霊スポットにでもなってるのかしら」

憂「そういえば、純ちゃんがここら辺で肝試ししよう。っていってました」

和「本当にそういう場所だったのね、ここ」

唯「あずにゃああん!」

アズニャーンアズニャーンズニャー……

唯「うう、反応がない」

和「……! 今のでどうやら気づかれちゃったみたいね」

唯「え?」

ブウゥゥゥゥゥゥウン……

唯「この音は」

憂「……さっきの飛んでいたの、ですね」



194 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/21(木) 21:56:15.92 ID:LwMiH2WK0

和「屈んで……」

ササッ

唯「う~ん、私も羽根があれば飛べるのかなぁ」

憂「そ、それってお姉ちゃんがあれになるってこと!?」

和「いや、単純に羽根のことを考えてるだけだと思うけど」

ブウゥゥゥゥゥゥウン……

和「……なかなか離れないわね。やっぱり司令塔がそういう指示を出しているのかしら」

唯「ねぇねぇ、和ちゃんならあれを倒せるんじゃない?」

和「倒すことは簡単だけど。そうすると場所がバレ……あ、そうか」

憂「どうしたんですか?」

和「なんとかなるかもしれない。やってみる価値はありそうね」ゴロン

唯「おお、仰向けの和ちゃん格好良い」

和「茶化さないで、唯。今真剣なんだんから」

唯「はーい」

憂「……」ゴクリ



195 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/21(木) 22:01:22.79 ID:LwMiH2WK0

和(赤外線は出せない……バレてしまうかもしれないから)

和(もしかしたらそれに気がつかない可能性もあるけど。……まあ念には念をね)

和「……」

唯「……」

憂「……」

ブウゥゥゥゥゥゥウン……

唯「……ふぁ」

ブウゥゥゥゥゥゥウン……

和(そのまま、左に少しずつ動いてくれれば、当たる!)

唯「……ふあ」

和(今!)

唯「ふあっくしょん!」

和「え?」

パァン!



196 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/21(木) 22:08:38.13 ID:LwMiH2WK0

憂「お、お姉ちゃん!」

唯「あ、ご、ごめんなさい!」

和「い、いや。……そ、それよりもちゃんと当たったかしら!?」

『シュウウシシュウアアアアシュァァ……』

唯「……落ちてったね」

和「……ふぅ。まったく、唯のおかげでひやひやしちゃったじゃない」

唯「ご、ごめんね和ちゃん」

和「いえ。それよりも、梓を探さなくちゃでしょう」

憂「うん。梓ちゃんを早く探し出して、それで……!」

唯「憂?」

憂「お姉ちゃん、こっち! 早くしないと! 梓ちゃんが!」

和「場所がわかったのね。急ぐわよ、唯!」

唯「う、うん!」



197 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/21(木) 22:15:24.06 ID:LwMiH2WK0

トンネル内

紬「本当にキリがない……」ダダダダ

澪「でも、大分目が慣れてきた感じがする」タァンタァン

律「まぁ、流石にこれだけ暗いなかにいればな」ダンッ!

澪「それに、あいつらを一歩も近づけてないから、危険も無いしな」

律「いつだって危険はすぐそばにあるものだけどな」

紬「でも、このままの状態だったら大丈夫そうね。ふたりとも、残り弾に注意して……」


ガアアアァァァァン! ガラガラ……


律「ななな、何だ!?」

澪「奥の方のトンネルが崩壊してるぞ!」

紬「み、みんな見て! あれ!」


『ゴオオオオオオォォォオォォ!』


澪「ヒイイィィ!」



198 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/21(木) 22:26:00.63 ID:LwMiH2WK0

律「何だよ……あれ」

紬「ゾンビも見たし変な生き物も見た。犬みたいなのも見た。でも」

澪「く、く、く、首がなんかぐるぐるで!」

『首が長い……!』


『ゴオオォォオォオォオォ!』


律「うおお!?」

紬「あぶないりっちゃん!」ダダダダ!

ガコォォン……

澪「な、ななななな」

紬「崩れたトンネルのコンクリートを投げつけてきた、みたいね」

律「すっげぇ力持ちだな」

澪「感心してる場合か! と、とにかく撃たないと!」

律「そ、そうだな。よし」タァンタァン!

紬「あの首……みたいなところは硬そうだから、そこ以外を狙った方がいいかも」ダダダダ



199 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/21(木) 22:34:30.74 ID:LwMiH2WK0

『ゴオオオォォオオォォォ!』

律「いや~……参ったね」

澪「ぜ、全然効いてないぞ!」

紬「私も同じく効いてない……。狙い目は顔……いいえ」

『ゴオオオオオオオ!』

律「また何か投げてくるぞ!」

澪「うわっ」ガッ

紬「早く離れて……澪ちゃん!」

律「ええい、こんな大事なときに転ぶな!」

澪「ご、ごめん、腰が抜けちゃって」

『ゴオォォオォォオォォ!』グォン!

律「く、くそ!ピンポイントで狙ってきてんな!」

紬「りっちゃん! 澪ちゃん!」ズダダダダダ!   紬「だめ、大きすぎて壊れない!」

澪「り、律! 私のことは放っておいて律だけでも避けてくれ!」

律「変なこというな……! くそ! 幸いムギだけは離れた位置にいる、から!」



200 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/21(木) 22:44:51.44 ID:LwMiH2WK0

律「ドラマーナメんなよおおお!」

澪「ちょ、ちょっと律、私を持ち上げて何する気だ!」

律「ムギいいい!」ブンッ!

紬「え? え?え? きゃっ!」ドス、ドサ

澪「いたっ……い、いくらなんでも私を投げるなんて無茶しすぎだ律!
  それより、律も早く逃げないと!」

紬「りっちゃん!」

律「ムギ、澪を受け止めてくれてありがとうな」

紬「そ、そんなことよりも早く避けて!」

律「いやー、さっき澪を投げたら体力使い果たしたみたいで、体が動かないんだよね~、なんて」

澪「り、律!」グラッ

律「無理すんなって。ま、喋るくらいの猶予があったから私としては満足、かな。」

澪「律!」

律「そんじゃ、後は任せたぞ、ムギ、澪。絶対この騒動の犯人を……」


ガシャアアアアン!



201 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/21(木) 22:59:08.00 ID:LwMiH2WK0

澪「律うううう!!」

紬「りっちゃん!」


……


澪「じょ、冗談だよな? いつもの質の悪い冗談なんだろ?
  実は穴をほってたとか、そういうのなんだろう!?」

……

澪「返事しろ! 律!」

紬「りっちゃん……。! 澪ちゃん! またあいつが物を投げてくるわ!
  私が背負うから、早く捕まって!」

澪「い、いやだ! だってまだあそこには律がいるんだぞ!」

紬「でも!」

澪「嫌といったら嫌なんだ! 律がいようがいまいが、私は此処に残って、律と一緒に!」

『ゴオオォォオオォォ!』

紬「もう! 本当にもう! 私だってここにいたい気持ちでいっぱいなのに!
  せっかくのりっちゃんがすくってくれた命なんだから!
  引っ張ってでも連れて行くから!」

澪「は、離せムギ! 私はここに残るんだ!」ズザザザザザ!

紬「四の五のいってる場合じゃないの!」    澪「ならせめて手に持ってくれ! 引きずられると痛い痛い!」



202 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/21(木) 23:08:17.14 ID:LwMiH2WK0

森の中

憂「はぁっはぁっ!」

唯「憂、大丈夫? 苦しそうだよ?」

憂「だいじょう、ぶ、だから」

和「急いでるということは、梓が危ないのね?」

憂「はい!」

唯「じゃあ急がなくちゃ! 全力疾走ー!」

憂「お姉ちゃんそっちじゃない!」

唯「あれ?」

和「仕方が無いわね」ヒョィ

憂「うわわ」

和「担いであげるから、場所だけ提示してくれるかしら?」

憂「はい!」

唯「わぁ、憂バブルス君みたいだね!」

和「唯、意外と古いゲーム知ってるのね……」



204 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/21(木) 23:15:36.71 ID:LwMiH2WK0

憂「ここらへんに、いるはずですけど」

和「ねぇ、ここ森の中よね」

唯「そうだね」

和「森の中に一軒家って怪しいと思わない?」

唯「そうだね~」

和「憂ちゃん、この中にいるの?」

憂「……」

和「憂ちゃん?」

憂「え? あ、多分そうだと思います」

和「そう。それなら入るわよ、唯」

唯「うん。十分に注意しなくちゃね」

和「そうね、よくわかってるじゃない」カチャ

唯「よし、それじゃこそっといかないとね」カチャ

憂「……」

唯「憂?」



205 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/21(木) 23:25:32.28 ID:LwMiH2WK0

憂(律さん……そんな……)

唯「うーいー?」

憂「あ、な、何? お姉ちゃん」

唯「いや~、なんだかボーっとしてたから大丈夫かなぁって」

憂「う、うん。大丈夫だよ」

唯「そう、ならいいんだけどね」

和「! ふたりとも、少し静かにして、壁に耳を当ててみて?」

唯「お~スパイみたい」

憂「……?」


『……ち……なです……』


唯「この声は!」

和「梓の声ね。急ぐわよ」

憂「あ、ちょっと待ってください!」

和「どうしたの?」



206 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/21(木) 23:31:50.26 ID:LwMiH2WK0

憂「この家の奥、向こう側に、司令塔がいます」

和「……そう。ならここでも二手に分かれましょう」

唯「私はあずにゃんを助けに行くよ」

和「えぇ、わかったわ。それじゃ私は司令塔を叩きに行くから」

憂「私は……お姉ちゃんについていきます」

和「ええ。それじゃあ唯。無事を祈ってるわ」

唯「和ちゃんこそ! 生きて帰ってきてね」

和「もう死んでるからその心配はいらないかな……」


唯「さぁ、あずにゃんを助けに行こう!」

憂「う、うん。まずは扉を開けて……」

ギギギギギ……

唯「さぁ、あずにゃん! たすけにき……」

憂「梓……ちゃん?」



梓「唯、先輩?」



208 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/21(木) 23:45:59.01 ID:LwMiH2WK0

和「……なんとなくだけどここら辺にいそうね」

和「同族レーダー、みたいなものかしら。さて、と」

和「初めまして。あなたが私たちに喧嘩売ってた人かしら?」

『……』

和「みたいね。……気持ち悪いわ、私がいうのもなんだけど」

和「頭から蛸の足みたいなのがはえてるのって不気味な光景よね」

和「さて、私は今からあなたを倒すわけだけど。なにかいうことは?」

『……』

和「無い、みたいね。それじゃあ遠慮なく」

『キュラアアアアアアアア!』

和「言う事はなくても反撃する気はあるみたいね。いいわ、かかってきなさい」

『キュラララアアアア!』

和「その手に持った鉄は何? それで私を倒すつもり? 面白いじょうだんね」

和「いっておくけれど、私今怒っているのよね、
  大切は友人を危険な目に合わせたあなたに対して」

和「覚悟は、いいかしら?」



209 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/21(木) 23:53:34.89 ID:LwMiH2WK0

『キュラアアララアアア!』

和「踏み込みが甘い! なんて」タンタン!

『アアアキュラアアア!』

和「この程度で悲鳴を上げるの? この程度で逃げ出そうとするの?」

和「冗談じゃないわ。この程度なんかじゃ足りない。
  私の友達を危険な目にあわせた罪はあなたの右腕だけじゃ足りないわ」

『キュラアアアア!』

和「まずは四肢ね」タンタンタンタン!

『アグラアアゥッヤアア』

和「動けない? 動けなくなった? それはよかったわ。
  私としても逃げられるのは嫌だもの。探すのとか面倒じゃない」

和「その触手みたいなの。抜いたら痛いのかしらね」ブチッ!

『キュウウウアアアアア!』

和「一本ずつ抜いていこうかしら。それともまとめて抜いた方が痛い? どうしてほしいの?」

『キュアアアララアアアア!』

和「叫ぶだけじゃわからないわよ」タンッ

『アガアアアア!』



211 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/22(金) 00:06:34.02 ID:QagTAmAN0

和「さ、て」

和「動かなくなったわね。死んだのかしら?」

和「いや、元から死んでるわけだから……二度死んだ?」

和「さて、一応もうしないようにと釘刺しとくべきね」

和「文字通り」

ドスッ! カーーン!

和「これでよし、と」

和「あとは唯達と合流するだけだけど。無事かしら」

和「なんとなく嫌な予感がするのよね……。急がないと」

『キュラア……』



213 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/22(金) 00:16:03.81 ID:QagTAmAN0

少し前、トンネル内

梓「はぁ、みんな頑張ってるなか、私だけ見てるのもなぁ」

梓「確かに設置型だから使いどころを上手くやれば強いんだろうけど」

梓「……あれ?」

梓「今、トンネルの入口の方に人影が……誰だろう」

梓「唯先輩、ちょっと人影みたいなのが」

唯「戦場の絆!」

憂「お姉ちゃん、今はそこに反応するところじゃなくて」

梓「聞いてないですね……。まぁ、行って戻ってくるだけだから大丈夫、かな」

梓「少し様子を見てくるだけ……」


梓「ふぅ。久しぶりの太陽の光を浴びたよう」

梓「……あれ? 人影が見当たらない。やっぱり気のせいだったのかな」

『梓ちゃん』

梓「にゃ?」

ドスッ



214 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/22(金) 00:22:17.61 ID:QagTAmAN0

梓「だ、誰……。私に何を……?」

『……』

『シュイイイアアアア!』

梓「ひっ」

『それじゃ、あとは任せたから』

『シュアアアアア!』

梓「きゃあああああ!」


『あずにゃん!?』
『あずさちゃん!?』
『あずさ!?』



『当たった!?』

『シュアアアアア……』



216 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/22(金) 00:28:39.19 ID:QagTAmAN0

梓「ん……ここは?」

梓「周りが一面木、ということはトンネルの外に」

梓「そうだ、思い出した。空を飛んだゾンビみたいなのに連れさらわれて……」

梓「いたっ……。なんなんですか、もう」

梓「? 首筋のところに何か穴が開いてる。……なんだろう。蚊に刺されたのかな」

梓「とにかく、唯先輩たちと合流しないと……」

ガサガサッ

梓「誰!?」

『……』

梓「ひっ……! こっちくるなです~!」タッタッタッタッタ



梓「はぁ、はぁ。それにしても、さっきの変な髪型のゾンビは一体……」

梓「それに、逃げてる最中に見つけた家におじゃましちゃったけど、ここは一体誰の家何ですか」

梓「……? なんだろう。こっちに何かある気がする」

梓「書斎?」



217 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/22(金) 00:39:46.64 ID:QagTAmAN0

梓「机の上に一冊だけ放置してあるのは……日記?」

梓「……誰もいないし。せっかくだから読んじゃってもいいよね」

梓「ええと、日付が書いてない?」


『信じられないことが起きた。どうやら私は本当に完成させることができたらしい
 この嬉しい知らせを誰に伝えよう!』

『この日記に日付を入れようかと思ったがやめた。日付など意味がない』

『今日やっと望みがかなった。
 彼は私のことを見てくれた。今の私に魅力を感じたんだそうだ。うれしい』

『感動を分かち合おうとあの娘を呼んだ。
 どうやら子供の頃の●に会いに行きたいらしい。本当に●●●だと思う』

『……大変なことが起きてしまった。あの娘が過去に行ったのを最後に動かなくなってしまった
 このままでは彼に会えない。それだけは駄目だ。なんとかしなくては』

『原因が判明した。やはりというべきか。彼女が●●●●だったのが原因だったようださっそく』


梓「何の事を言ってるんだろう……。
  それに、ここからはずっと白紙……あ、こんなところに最後の日記が」


『これを読んでいる人へ。なんとかしなくてはならない。
 お願いです。あの娘をどうにかして止めてください
 誰かが隣にいてあげれば優しい子になるはずだから』


梓「……日記はここで終わってる」



218 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/22(金) 00:47:57.97 ID:QagTAmAN0

梓「いったい何のことを言ってたんだろう。それに誰かを助けを求める感じだったし」

梓「う~ん。考えてもよく分からないや。ひとまず、ここを離れて……」

バタン!

梓「だ、誰かきた?」

梓「唯先輩……じゃないよね。開け方が乱暴だったから」

梓「こっそりと扉の隙間から……やっぱり、ゾンビだ」

梓「ここは近づかないように離れ……!?」

梓「なん……だろ……急に、目眩が……」

梓「……」


『オオオ?』

梓「……」

『アアオオオオオ!』

梓「……」

ドシュ!



219 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/22(金) 00:54:17.62 ID:QagTAmAN0

唯「あずにゃん! だいじょう、ぶ?」

憂「あ、あずさ、ちゃん?」

梓「……」

梓「……ゆ、唯先輩?」

唯「あずにゃん、体真っ赤だけど、大丈夫なの?」

梓「え? き、きゃああ、何なんですかこれ!?」

憂「じ、自分でも分からないの?」

梓「う、うん。ってうわあ、足元にゾンビが倒れてる!」

唯「あずにゃんが倒したんじゃないの?」

梓「え、っと。……だ、ダメですよく思い出せません」

唯「そうなんだ。とりあえず、みんなのところに戻ろう」

梓「はい!」

憂(なんだろう、梓ちゃんから嫌な気配がする。……でも、私はこれを知ってる、のかな?)

唯「うーいー?」

憂「あ、今いくよ、お姉ちゃん」



220 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/22(金) 01:01:10.36 ID:QagTAmAN0

和「あら、唯。ちゃんと梓を救出できたみたいね」

唯「う、うん。なんか私あまり活躍しなかったけど」

梓「そんなこと無いです! 唯先輩が助けに来てくれただけで嬉しいです!」

憂「とにかく、戻りましょう。……あまり、もどりたくないですけど」

和「どうしたの?」

憂「いえ! 何でも無いです!」

唯「さぁ戻ろう。きっとりっちゃん隊員ご立腹だろうなぁ。あずにゃんが単独行動したから」

梓「ええ!? 私のせいですか!? だいいち私はちゃんと唯先輩に……!」

和「はいはい、いいから戻るわよ~。帰り道にゾンビがいるかもしれないから一応気をつけてね」

憂(律……さん)



221 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/22(金) 01:09:56.36 ID:QagTAmAN0

唯「ただいま~。あずにゃんを取り戻して……あれ?」

澪「グスッ……律……」

和「……何があったの?」

紬「りっちゃんがね……りっちゃんが……グスッ」

唯「りっちゃんが、どうしたの? ねぇ!」

澪「私が……私が足を引っ張ったから……」

唯「どうな……たの?」

スッ

唯「や、やだなぁ。澪ちゃん。指さした方向にはガラガラに崩れたトンネルしか無いよ?」

澪「その、中に」

和「……そう、なの」

唯「……りっちゃん?」

澪「私の所為なんだ! 私があそこで動けていたらこんなことにはならなかったんだ!」

和「澪……」

紬「私が……あいつを倒せていたら、あれを銃で壊せていたら……」



223 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/22(金) 01:18:52.06 ID:QagTAmAN0

和「っ……。みんな色々思いつめる理由もわかるわ。
  自分が悪いと思うことは簡単だもの。でもね
  いつまでもうじうじしていたら、友達を助けて散った律の気持ちはどうなるのよ」

唯「和ちゃん……」

和「私は前に進むわ。あの時残っていればよかった、なんて考えるのは簡単だけどね」

紬「和さん……」

憂「私も和さんに賛成です。ここで立ち止まっているよりも、先に進まなくちゃ」

梓「私も。私も先に進みます!」

紬「……そうね、いつまでもうじうじしていたら、りっちゃんに怒られちゃうものね」

唯「そうだよ。りっちゃんに私たちが見せるべき姿は、かっこいい私たちだよ!」

和「さぁ、私たちは立ち上がることを決意したわ。
  澪、あなたはどうするの? いつまでもそこでウジウジと泣きはらすの?」

澪「……」

唯「澪ちゃん!」

澪「わかってるさ。ここで止まっていても意味がないって。……わかってる」

憂「澪さん」

澪「……律。全部終わったら、またここに来るから。それまで、少しだけ待っていてくれ」

紬「行きましょう!」



224 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/22(金) 01:26:33.52 ID:QagTAmAN0

梓「……」

憂「そういえば梓ちゃん。怪我はないの? 高いところから落ちたみたいだけど」

梓「……」

憂「梓ちゃん?」

梓「え? あ、大丈夫です。ちょうど葉っぱがクッションになってくれたみたいで」

憂「そう、なんだ」

唯「あずにゃあん! 痛かったらちゃんと言ってね?」

梓「わ、分かりました。分かりましたから抱きつかないでください!」

和「ふぅ。どこに敵がいるかわからない状況なのにゆるゆるね」

紬「ふふ、そこが唯ちゃんのいいところでしょう?」

和「まぁね」

澪「……」ギュッ

紬「澪ちゃん、その武器は……」

澪「ああ、律の、片方の銃だな。ひとつだけ落ちてたから拾ってきた」

紬「そう……」



226 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/22(金) 01:47:22.34 ID:QagTAmAN0

和「こっちの方であってるの?」

憂「は、はい」

紬「あの、なんで和ちゃんは憂ちゃんをだっこしてるの?」

唯「憂はバブルス君だから!」

紬「……?」

梓「あれ?」

澪「梓?」

梓「……なにか来る?」

憂「うん。なんだろう。何か来ます!」

『!』


紬「あれは……」

澪「四つん這い!」

和「まぁ今更という感じがするのだけれど……? 憂ちゃん?」

憂「ま、まだくるみたい、です」



227 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/22(金) 01:56:46.84 ID:QagTAmAN0

紬「……!」

和「これは、ちょっと冗談にしては質が悪いわね」

澪「ぜ、全部でどれくらいいるんだ?」

唯「50以上、かな」

梓「……!」

憂「ひどい……」

『アオオオオオオオ!』

『キイイィィィイィィ!』

『シュウアアアアシャアアアシュ!』

『ゴオオアアアアオアア!』

和「……あれが一斉にこっちに来てるってわけね」

唯「どうしよう」

澪「やるしか無いだろう。律……」

和「……ここは、私が囮になるわ。その間にみんなは逃げて」

唯「和ちゃん!」



228 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/22(金) 02:03:24.33 ID:QagTAmAN0

澪「そんなことできる訳ないだろう!」

和「大丈夫。私は死んでるから。……だから心配しないで」

唯「そういう問題じゃないでしょ!」

和「唯……」

唯「もう……誰かがいなくなるのは嫌だよ……」

紬「……そうね。ここはみんなで協力して突破しましょう」

梓「そうするです!」

憂「うん」

唯「よーし、そうと決まったら」


『そう、こんな時まで友情ごっこなのね……』


梓「……こ、この声は」

和「あなたなの? この騒動の原因は」

澪「そんな、まさか……」

唯「さ、さわちゃん先生……!」



230 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/22(金) 02:15:06.38 ID:QagTAmAN0

さわ子「う~ん。やっぱり皆元気そうね。まぁ元気だけがとりえみたいなところがあるしね」

唯「さわちゃん先生!」

澪「これは一体どういう事なんですか!」

さわ子「単純に言ってしまえばあなた達が必死になって探してた犯人が私だったってことかしら?」

和「なるほど。単純にして明快な話ですね」

さわ子「でしょう? あまり面倒な話にすると本当に面倒だからね」

梓「リアルですね……。って、それはともかく。どうしてこんなことをしたんですか!」

紬「そうです、納得の行く説明を」

さわ子「ストップ! それ以上の質問は認めないわよ。……憂ちゃんなら今の状況がわかるでしょう?」

唯「憂? どうなってるの?」

憂「お姉ちゃぁん。……私たち、囲まれてるよ……」

和「何ですって?」

澪「お、おいおい。私たちの前に50以上の奴がいるっていうのに
  これが私たちの右にも左にも後ろにもいるっていうのか!?」

憂「……」コクリ

和「なんてこと……」



232 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/22(金) 02:22:06.71 ID:QagTAmAN0

さわ子「わかった? あなた達の今おかれてる状況が」

和「最悪なことにね……」

さわ子「……そういえば、りっちゃんはどうしたの?」

澪「!」

さわ子「……ふーん。その反応だと、死んじゃったんだ、あの娘」

澪「……っ!」カチャ

梓「澪先輩、落ち着いてください!」ガシッ

澪「離せ梓! あいつは……!」

紬「気持ちはわかるけれど落ち着いて! 冷静さを失わないで」

和「……それで、私たちにどうしろというんですか」

さわ子「そうね。まぁ大体予想はつくでしょう?」

和「えぇ。そしてそれがあなたの口から出てきたら全力で抵抗することもわかってるのでしょう?」

さわ子「勿論。……まぁ何、難しいことじゃないわ。唯ちゃん一人でもできることよ」

唯「な、何々?」

さわ子「ちょっと死んでくれないかしら?」



234 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/22(金) 02:28:52.21 ID:QagTAmAN0

和「!」

梓「和先輩!?」

和「その前にあんたを殺せば全部終わりになるんでしょう!?」

さわ子「そうさせないのが私の仕事なんじゃない。あ、ポチッとな」ポチ

ゴゴゴゴゴゴゴ

唯「なななななな何? 地面がすごい揺れてるよ!?」

和「くっ、照準があわない……!」

紬「何の音……亀裂?」

澪「へ、? う、うわああ!」

唯「澪ちゃん!」

梓「み、澪先輩が地面に突然開いた穴に落ちていった!」

さわ子「はい、丁寧な状況説明お疲れ様。それじゃああとは皆頑張ってね」

唯「う、うわあああ」

憂「おねえちゃああん!」

紬「きゃあああ!」



235 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/22(金) 02:34:28.49 ID:QagTAmAN0

憂「お姉ちゃんまで落ちちゃった!」

梓「ムギ先輩と澪先輩もです!」

和「この……!」

憂「和さん!?」

和「唯が落ちたのはあそこら辺ね。待ってて、今私も……」

パァン!

和「な、どこから、撃たれて……!」

憂「和さん!」

和「ごめん、唯……」

梓「そんな……」

憂「大丈夫、和さんは死んでるから、撃たれたり落ちたりで死ぬことはないと思う」

梓「一体、この森の下に何が……」

憂「分からない、けど。梓ちゃんこっちに来て。固まってた方がいいから」

梓「う、うん」

さわ子「さて、そろそろ完全に崩壊するわね~」



236 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/22(金) 02:39:16.75 ID:QagTAmAN0

梓「きゃああ!」

憂「梓ちゃん! て、手を伸ばして!」

梓「憂!」



憂「……手、届かな、かった」

さわ子「さて、これで残るは憂ちゃんだけね~」

憂「さわ子先生。一体どうしてこんなことを……」

さわ子「……そのセリフ。そっくりそのままお返しするわね」

憂「え?」

さわ子「いい加減何とかしなさい。……私から言えるのはそれだけよ」

憂「さわ」

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……


さわ子「そして、誰もいなくなった」

さわ子「お願いよ。お願いだから」

さわ子「早く、私を自由にして……憂ちゃん……」



246 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/22(金) 12:16:22.98 ID:QagTAmAN0

ピチョン

唯「う、う~ん……」

唯「憂~アイス~……」

唯「……はっ!」ガバッ

唯「あ、あれ? ここどこだろう。……たしか私、地震で開いた穴に落ちちゃって、それから……」

唯「そう、落ちちゃったんだ! あ、でも生きてる。……怪我も無いみたい」

唯「こ、これは不思議な力が働いた証拠!? あ、それともギー太が守ってくれたり?」

唯「う~ん、わからないけど。……そうだ、憂を探さなきゃ。今朝まで熱出してうなされてたから」

唯「きっと今頃私を探してくれてるんだろうなぁ。……う~い~!」

ウーイーウーイーイー……

唯「……誰も気づいてくれないみたい」

唯「一応ムギちゃんから貰ったジュー太があるし! きっとなんとかなるよね」

唯「まずは皆を探しに行こう。おー」

ズルリ

唯「あわ!」ドスン



247 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/22(金) 12:24:18.35 ID:QagTAmAN0

唯「いたたた……もう、こんなところにバナナの皮をおいたのは誰~?」プンスカ

唯「ってあれ? これバナナじゃないや。……本? かな」

唯「う~ん、殆ど字が潰れててよく分からないよ~。……あ、このページなら読めそう。なになに?」

唯『……の成果が出た……っと。……女を開放して……』

唯『父……がつみと……。……れに名前……』

唯「さっぱりわからない!」

唯『そうだ……前をつけるとしたら。……の名前をつけて……ったあの……』

唯「名前? 誰だろう。……これ以上は泥まみれでとても読めない」

唯「あ、最後のページに大きく書いてある。え~と」

唯「う……い……え……ん……? ういえん?」

唯「なんの名前だろう。誰かの名前かな」ポロッ

唯「あれ、本の中から地図が出てきた。これってここの地図かな」

唯「なんか矢印が描いてある……この通りに行けばいいのかな。きっとそうだよね」

唯「ようし、頑張って皆を探して脱出するぞー、おー!」



248 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/22(金) 12:31:35.10 ID:QagTAmAN0

和「……だめよ唯、そこは違う穴だよぉ」

和「……はっ!」

和「私としたことが……まさかあんな夢をみるなんて」

和「死体も夢をみるのね……、ってそんなことよりも」

和「唯は大丈夫かしら。あの娘ああ見えて、いえ見たまんまのんびりしてるから……」

和「あとは、ここがどこなのか。それと」

和「……肩に受けた傷はもう大丈夫そうね。恐るべしゾンビボディ」

和「武器もちゃんとある。残り弾数は……充分そうね」

和「さて、ここがどこなのか、という話だけれども」

和「……暗さはあのトンネルより若干明るいくらい、かしら。幅はあのトンネルと同じくらいね」

和「所々に照明がついてるところから見ると。この洞窟……炭鉱だったのかしら?」

和「まぁいいわ。今のところ道は一本道だし。さっさと唯を連れてこんなところ脱出しましょう」

和「そしたら……ちゃんとあいつを倒しておかないと」



249 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/22(金) 12:37:32.97 ID:QagTAmAN0

澪「……」

澪「ん……。ここは」

澪「洞窟? みたいだ。暗いし狭いし……うぅ」

澪「あれ? 私は上からここに落ちてきたんだよな。……上に穴が見あたらないんだけど」

澪「そんなことより、他の皆は!?」

澪「……音がしない。ここらへんには私しかいないみたいだ」

澪「怖いよ……律……」

澪「……いや、ここで震えてるだけじゃダメなんだ。私自身が強くならないと」

澪「戦うものはちゃんとあるし。怪我も無い、みたい」

澪「よし、皆を探しにいこう。……まっててくれ律。
  もう少しだから。もう少ししたら、全部終わるから」



252 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/22(金) 12:44:43.26 ID:QagTAmAN0

紬「……もーひとこえー……」

紬「もー……ひとこえっ!」

紬「あら、ここは。そういえば、私落ちたんだった。ということは」

紬「ここは森の地下に当たるわけね……。? 落ちた割にはなにか変な気がするけど」

紬「それより、早い所皆を見つけないと」

紬「……うん。行く準備はバッチリみたい。さ、頑張りましょう」


紬「……? 視線を感じる。誰かが私のことをみている?」

紬「……みんな、じゃないよね。皆だったら近づいてくるから」

紬「でもこれは近づくわけでもなく、離れるわけでもなく、じっと私を見ている」

紬「そうすると、大体誰だか予想はつきます」

紬「ね?」

『えぇ。きっとあなたならその考えに至ると思っていたわ』

紬「それは嬉しいです。……それで、私に何のようなんですか」

紬「……先生」



265 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/22(金) 19:48:48.83 ID:QagTAmAN0

梓「……」

梓「……」

梓「……なん、で……」

梓「私……何で、何で……」

梓「……なきゃ」

梓「早く探さなきゃ。早くさがなきゃ。はやくさがさなきゃ」

梓「憂」






憂「……ここ、どこだろう」

憂「何があったか思い出せない……ううん。それ以上に……」

憂「私は……誰……?」



266 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/22(金) 19:55:55.54 ID:QagTAmAN0

和「おかしいわね」

和「いえ、静かになるよりはマシ、といったところかしら?」

『キイィィイィ!』

和「ふぅ。あなたで何匹目なのよ、もう」タァン!

『キイィィイ……』

『チアアアチアア!』

和「まだくるっていうの!? もう、数が多すぎるわよ!

和「それに、何か新種も増えてるみたい。本当にこいつらはなんなのよ」タァンタァン!

『チイイアアアアア・・』

『アアオオオ!』

和「……流石に、これは逃げた方が良さそうね……。こんな数相手にしてらんないわよ」


和「これだけの数がここに居るってことは、他のところにはあまり行ってない……といいわね」

和「私が落ちた場所がこいつらの巣の近くだったのか……それとも」

和「どちらでもいいわ。私はただ殺すだけだもの」

和「巣……か。言い得て妙ね」



267 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/22(金) 20:03:00.27 ID:QagTAmAN0

澪「……ここまで歩いてきたけど、結局誰にも合わなかったな……」

澪「皆、無事だろうか」

澪「何でこんなことになっちゃったんだろうな。いつもなら今頃……」

澪「やめよう。こんなこと考えていても無駄だな」

カツン、カツン

澪「! だ、誰だろう。と、とりあえず隠れてよう……」

カツン、カツン

ペタペテペタ

『アオ……』

『キイィィ……』

澪「あいつらだ! ……ここはじっとしていよう。さっさといなくなってくれ」

『……』

『……』

澪「動く様子が無い……誰かを待っている? そうかもしれない。キョロキョロと周りを見ているし」

澪「もしかして、穴に落ちた私たちを探しているのか? ……だとしたら、どうしよう」



268 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/22(金) 20:10:08.70 ID:QagTAmAN0

澪「ここで私が倒しておくべきか……?」

澪「……依然離れる様子はないみたいだ」

澪「それに今あいつらがいるのは広い場所。見つからずに通りぬけようにも難しそう。だったら!」

『……』

『……』

パァン!

『アオオオオ!?』

『キイィィキィ、キャア……』

澪「一匹倒した! この調子であいつも……!」

『アオオオオォォ!』

澪「に、逃げた!? ……と、とりあえず追いかけよう! 他の誰かが危なくなるかもしれない!」

澪「待て!」



269 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/22(金) 20:18:56.84 ID:QagTAmAN0

『アオオ!』

澪「はぁっはぁっ。足が早いわけじゃないのにこの複雑な洞窟を器用に逃げるから……」

澪「はぁっ、追いつけない……! この!」

『……!』

澪「この先は、行き止まりだったみたいだな……! くらえ!」タァン!

『アアアオオオオオオオ……』

澪「はぁっはぁっ。……や、やっと倒したか」

澪「そ、それにしても随分遠くまで来ちゃったな。
  ここがどこだかわからないけど。とにかく、目的は変わってないから急ごう」


『……みお……』


澪「……え?」

『みお……』

澪「こ、この声は。ま、まさか、律なのか!?」

『みお……』

澪「律! どこにいるんだ!? 私はここに居るぞ!」



271 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/22(金) 20:28:06.26 ID:QagTAmAN0

『ミオ……』

澪「律! 間違いない、あの影は律だ!」

澪「よかった、本当によか……」

律「ミオ、オオ、オオオ、オ、オ」

澪「ヒッ! ……り、律? 冗談だよな? 私を怖がらせるためにそんな手のこんだことして」

澪「もう充分びっくりしたから。だからもういいだろ。ねぇ? なぁ!」

律「ミオ……。ミオオオオオ!」

澪「うそだよ……何で、どうして……律うううう!」

バァン!

律「ミ……」ガクッ

澪「はぁ……はぁ……あ、足に当たった?」

澪「くそ……何で……私は……!」

律「ミオオオ……」

澪「……本当は、こんなことしたくないのに……! 本当は、本当は!」

律「ミオ……」



272 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/22(金) 20:38:48.63 ID:QagTAmAN0

澪「ごめんな律! ごめんな。……こんな、こんなことする私は……」

律「ミオ……ダイジョウブ、だから」

澪「律!? しょ、正気に戻ったのか!?」

律「いや……死ぬ間際の……かな……でも、気を抜くと……だめ……かな」

澪「そ、そうだ。和が正気を戻した時みたいに、私も!」

律「そ、れはちが、う。あれ、は、う、いちゃんが……
  くぅ、くそ。いいたいことも、いえない……なんてな」

澪「律!」

律「いい、か。よく聞け、澪。こうなってから……わかったことが、ある」

律「この、体にな……るとな。すごい、世界が、綺麗なんだ……」

澪「律?」

律「た、ぶん。わたし、と。のどか……は違う、存在、なんだと……思う」

律「あ、い、つは……ゾン、ビかもし……れないけど……わたし、は」

澪「律! 大丈夫か? しっかりしろ。
  よくわからないけど、憂ちゃんの所に連れて行けばいいんだな?」

律「いや……多分、今はもう、時間がない……だから、聞け」

澪「時間がないって……そんな……」



274 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/22(金) 20:47:59.94 ID:QagTAmAN0

律「私、や。そこの奴はす、倒れて……もふっかつ、する」

澪「え?」

律「いっかいで、きけよ……しゃべ、ってるこ、っちも……つらいんだ、ぞ」

澪「い、いや聞いてる。でも復活するって……」

律「そのま、まだ。だから……、ここで、わたしを、ちゃ……んとた、おしていけ」

澪「律! いや、私は」

律「いいから!」

澪「り、……つ」

律「はぁ……まったく、おま、えはほん、とうに。せわが……やける、な」

澪「う、うるさい。満足にしゃべれない癖に偉そうにするな……ばか律」

律「……そう、だな。みお。わたしを、倒したら、すぐに、げろよ」

澪「……」

律「わかったか」

澪「……ああ」

律「そう、か。それなら……いい」



280 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/22(金) 20:57:33.92 ID:QagTAmAN0

澪「律……ありがとう」

律「どう、いたしまし、て」

澪「さよなら」

律「……おう」


タァン……


澪「……」

澪「……っ」

澪「……こんなの、ないだろ」

澪「行かなきゃ。行かなくちゃ……」

澪「律……私、もう行くから、な」

澪「それじゃあ」タッタッタ



285 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/22(金) 21:05:15.16 ID:QagTAmAN0

紬「それで……私に何のようですか」

紬「……先生」


さわ子「う~ん、まぁそれなりに長い話になるだろうから」

さわ子「お茶しながらしゃべらない? いつもみたいに」

紬「どうやら、ご自分の立場が分からないようですね」カチャ

さわ子「う~ん。ムギちゃんなら私の話しを聞いてくれると思ったんだけどなぁ」

紬「……」

さわ子「……ダメ?」

紬「……はぁ。よくわかりませんけど、話すだけなら大丈夫です」

さわ子「流石ね。それじゃあお茶を……」

紬「ないです」

さわ子「え~。お茶無いなら帰ろうっかなぁ」

紬「何しに来たんですか」

さわ子「冗談よ、冗談」

紬「……」



290 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/22(金) 21:15:14.13 ID:QagTAmAN0

紬「ふぅ。それで、話って何ですか」

さわ子「そうね。……例えば、こんな経験ないかしら」

さわ子「ずっと昔好きだった人がいて。その時に告白したらフラれて」

さわ子「でも、今もう一度あの時代のあの時のあの人に告白できたら、
    その時は違う未来が待っている」

さわ子「そう、考えたことない?」

紬(それって……)

さわ子「私はね、ずっとそう考えてたんだ」

さわ子「あの人に会いたくて。あの人の声が聞きたくて。あの時に戻りたくて」

さわ子「あの人以外に付き合おうかと考えたけれど。無理だった。
    やっぱり、あの人じゃないとだめなのね」

紬「……」

さわ子「そう思ってたら、ふと思い立ったのよ。そうだ、あの時に戻ろうってね」

紬「戻るって、どうやって?」

さわ子「簡単よ。タイムマシンを作るの!」

紬「え……?」



310 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/22(金) 21:57:26.42 ID:QagTAmAN0

さわ子「ドラえもんとかキテレツ大百科とかで見たことあるでしょう?」

紬「ドラえもん……?」

さわ子「いや、何でも無いわ。そ、それよりも」

さわ子「つまり私はタイムマシンをつくろうとしたわけよ」

紬「で、でも。時間を跳躍するなんてそんな事できるわけが」

さわ子「そうね。でも私は諦めなかった。とにかく勉強に勉強を重ねて時間を忘れて没頭したわ」

さわ子「あの時に顧問をやめちゃったんだけど。ごめんね」

紬「え?」

さわ子「気にしない気にしない。それで、ついに私はタイムマシンを作る事に成功するわけよ」

紬「せ、成功したんですか!?」

さわ子「ええ。理論はわかっていたからあとはお金さえあればできた、ってわけ」

紬「お金……」

さわ子「そう。そしてその援助金はどこから出たか大体の予想はつくわね?」

紬「私の、家から、ですね」

さわ子「そのとおり。さすが成績優秀なムギちゃんね~」



311 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/22(金) 22:06:37.94 ID:QagTAmAN0

紬「で、でも。お父様がそのようなことをなさるはずが」

さわ子「何言ってるの。投資してくれたのはムギちゃんでしょう?」

紬「え? 私……? でもそんなこと」

さわ子「ムギちゃんは頭がいいからね~。そろそろ気がつくかな」

紬「私……。違う、私じゃない。……そうか、そういうことだったんですね」

さわ子「そういうこと。やっぱり成績優秀なだけあるわね」

紬「あなたは、未来から来たさわ子先生ですね?」

さわ子「せいかーい。正解者に拍手~よくできました~」

紬「でも、未来のさわ子先生が一体どうしてこんなことを……」

さわ子「……それを、今から、話したいんだけどね……」

紬「?」

さわ子「頭のいいムギちゃんなら後々にわかるはずだわ」

紬「え、何がですか」

さわ子「梓ちゃんも鍵よ。そして一番の鍵はあの娘」

さわ子「きっと隣に唯ちゃんがいれば優しいままでいられることができるあの娘よ」



314 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/22(金) 22:18:20.17 ID:QagTAmAN0

紬「それって!」

さわ子「お喋りはここまでみたいね。それじゃ私は行くわ。みんなにによろしく……それと」

さわ子「りっちゃんは私に任せて頂戴と、澪ちゃんに言っておいてね」

紬「え、それってどういう」

さわ子「ごめんねえ。これ以上話すとバレちゃうから。それじゃあ」


シュゥン!


紬「き、消えた!? 一体どうやって……」

紬「ううん。考えてる場合、でもあるけど。その前に皆を助けに行かなきゃ」

紬「梓ちゃんや、それに先生が言っていた娘のことも……!」

紬「でも、さわ子先生。あなたは私たちの敵なんですか? それとも……」



316 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/22(金) 22:25:33.46 ID:QagTAmAN0

唯「う~ん。この地図のとおりに来たんだけど」

唯「ここどこだろう。……そもそも、この地図って現在地が無いからわからないよ」

唯「街にある地図なら迷わないんだけどな。憂もそう言ってるし」

唯「う~ん。なにか目印になりそうなものは……あれ?」

唯「亀?」

唯「どうしてこんなところに亀がいるの?」

唯「あ、この地図に亀が描いてある!」

唯「ようし、これを目印にして探しに行こう! おー!」


唯「……あれ?」

唯「また亀がいる。……でもこの地図には亀はひとつしか無いよ~?」

唯「ということは……」

唯「また、同じ道に戻ってきちゃったんだ……」

唯「うう、憂~。助け……いや、駄目だ。お姉ちゃんとして憂を頼らずに一人で何とかしないと」

唯「ようし、もういっかいがんばるぞ~!」



317 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/22(金) 22:32:33.25 ID:QagTAmAN0

唯「……あれ」

唯「う~もう五回目だよ~。どうしてこんなに複雑な場所なの~?」

唯「はぁ、ここで一旦休んでから行こう」



唯「よし、体力全快! これでもうしばらくは動けるぞ~」

唯「出発進行~おー!」


梓「唯先輩」

唯「とと、あずにゃんの声がした気がするよ?」

梓「唯先輩」

唯「お~、やっぱりあずにゃんだ~! あずにゃあん、どこにいるの?」

梓「ここですよ、唯先輩」

唯「おお、あずにゃん。やっと会えたよ~」ギュッ

梓「も~、唯先輩は本当に甘えんぼさんですね」

唯「うんうん。だからもうしばらくギュッとしてるね~」

梓「はい。大丈夫ですよ。だって……その方が、簡単ですから」



318 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/22(金) 22:40:56.11 ID:QagTAmAN0

唯「え?」


ガンッ!


唯「い、痛いよ、あずにゃん……!」

梓「あれ? 打ちどころが悪かった、いや良かったのかな? 気絶もしないんですか」

唯「あ、あずにゃん……?」

梓「あ~、もう。仕留め損なうなんて……。
  やっぱりあいつらとは体の作りがちがうんですね。当然ですけど」

唯「あ、あずにゃんだよね?」

梓「そうですよ。あなたの後輩の可愛いあずにゃんです、よ!」ブン!

唯「ひぇ!」

梓「ああ、もう。逃げないでくださいよ」

唯「しょ、消化器で殴りかかろうとしたらだれだって逃げるよ!」

梓「それが可愛い後輩でも?」

唯「あずにゃん、どうしちゃったの!?
  も、もしかして、和ちゃんみたいにゾンビになっちゃったの?」

梓「ぷっ……アハハハハハハ! 面白いですね唯先輩は!」



319 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/22(金) 22:48:37.03 ID:QagTAmAN0

唯「あず、にゃん」

梓「そう見えますか? 私がゾンビに見えますか? 見えないでしょう?」

唯「こ、怖いよあずにゃん……」

梓「大丈夫です。怖くなんて無いですよ」

唯「おかしいよ、あずにゃん! 何で急に」

梓「あぁ、もう。面倒だなぁ。しょうがないですね……」

梓「唯先輩! 私、けいおん部に入って知ることの無いことを沢山知ることができました! だから」


梓「安心して死んでいいですよ」


唯「ひぃ!」タタタタ

梓「あれ、逃げるんですか? こんなくらい洞窟内で? ダメです、逃がしませんよ」

唯「こ、こないであずにゃん!」

梓「アハハハ! 後輩に向かってその言葉はひどいですよ!」



320 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/22(金) 22:57:12.55 ID:QagTAmAN0

唯「と、とにかくどこかに隠れよう! あとはあずにゃんが落ち着くのを待って」

梓「唯せんぱーい! どうしたんですか? いつもみたいに抱きしめていいですよー!」

唯「ど、どうしてこんなことに……! あ、あそこに隠れられそうな岩が!」ダッ

梓「曲がったってダメです! すぐに……あれ? いなくなっちゃった」

唯(あずにゃん……)

梓「ふーん。かくれんぼですか。いいですよ~、私が鬼ですね」

唯(うう……何で、どうしてこうなったの?)

梓「ふんふんふーん。……ここかな?」

唯(……!)

梓「違いましたか~……それじゃあここかな? 違いますね~ここ? ふふ」

唯(ば、ばれてるよう……あずにゃん、私が怯えてるのを楽しんでるみたい……)

梓「ここでもないってことは~。もうそこしか無いですよねぇ?」

唯(ひっ……!)

梓「観念してくださいね、唯先輩ぃ!」

ガラッ!



322 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/22(金) 23:04:53.83 ID:QagTAmAN0

梓「……ふーん。ここじゃなかったんだ」

梓「しょうがないなぁ。別の所を探しに行くとしますか」

梓「唯センパーイ?」



唯(あ、危なかった)

唯(地図に岩のことが書いてなかったら……)

唯「それにしても、この岩の向こうが道になっていたなんて」

唯「あずにゃん……」

唯「ううん。とにかく今はこの地図のとおりに行こう。そうすれば、きっと何かが見つかるはずだから」



唯「う~ん、と。地図だとここら辺にあるはず何だけど」

唯「あれ?扉がある。洞窟なのに……」

唯「入ってみよう」

ギギギギィ……



325 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/22(金) 23:13:31.17 ID:QagTAmAN0

唯「わ、なんだろうここ。すごい広い……」

唯「う~ん。真ん中にが盛り上がって、変な形したところだなぁ」

唯「階段がある。……登ってみようっと」テコテコ

唯「一番上についたぁ。……えっと、なんだろう。ボタン?」

唯「……押しちゃおうっかな……。押しちゃえ!」ポチ


ウイイイイイィィィン


唯「わ、えっと。なんだか地面が下がっていってるような……」


ガシャァン


唯「あっという間に部屋の中が平坦になっちゃった。……あれ?」

唯「平坦になったら柱が三本出てきた! 不思議な場所だなぁ」



326 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/22(金) 23:19:55.60 ID:QagTAmAN0

唯「あれ、あの柱の所になにか光ものが!」

唯「なんだろう……」



唯「なにこれ。石?」

唯「それにしても変な形した石だなぁ。……でも、どことなく誰かに似てるような……」

唯「うーん誰に似てるんだろう。思い出せそうで思い出せない。喉まで出かかってるんだけどなぁ」

唯「あれ、後ろの方にスイッチみたいなのがある。押してみようかな」

唯「……あれ、押せない。堅くなってるのかなぁ」

唯「ぎゅ~っ……。駄目だ、びくともしないや」

唯「とにかく、早くここから出て」



梓「いた~!」



327 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/22(金) 23:26:40.38 ID:QagTAmAN0

唯「あ、あずにゃん!」

梓「探しましたよ~、唯先輩。もう、逃げるなんてひどいじゃないですか」

唯「あ、あずにゃん、その手に持ってるのは……」

梓「あ、これですか? 銃です。見ればわかりますよね」

唯「そ、そうじゃなくて、その銃って……」

梓「そこまでわかるんですか~。流石ですね。はい、律先輩の銃ですよ」

唯「ど、どうして……」

梓「う~ん、どうしてと言われても……
  唯先輩を探していたら律先輩にあって~、といった感じです」

唯「りっちゃんは生きてたの!?」

梓「いえ、死んでますよ。今はゾンビになってうろうろしてますが」

唯「そ、そんな……」

梓「律先輩ね、う~う~言いながら私に銃を向けてきたんですよ。笑っちゃいますよね」

梓「頭に来たから消化器で何回も殴りましたよ。最後に『あずさ』って私の名前呼んでましたけど」

梓「やめて欲しかったんですかね? まぁやめませんでしたけど」

唯「あ……あずにゃん……なんてことを……」



328 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/22(金) 23:35:54.92 ID:QagTAmAN0

梓「さ、話合いはもういいですか? それじゃ、唯先輩もさようならです」

パンッ

唯「うわあ!」

カン!

梓「もう、何なんですかこの柱は。邪魔ですね」

梓「柱は三つあるから……今度は」タッタッタ

唯「あ、あずにゃんが移動してる。えっと、どこに行ったのかな」

梓「今度はこっちから撃ちますよ!」パァン!

唯「う、うわぁ!」ヒュッ

梓「ああ、今度は外しちゃいましたか。まったくもう、唯先輩ったら」

唯「あずにゃん!」

梓「……こうなったら一気に近づいた方が手っ取り早いですね」

唯「あ、あずにゃん!」

梓「さぁ、唯先輩。今殺してあげますから待っててくださいね」



330 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/22(金) 23:42:32.74 ID:QagTAmAN0

唯「あ、あずにゃんがこっちに来る!」

梓「ゆーいせーんぱーい」

唯「あずにゃん!」

梓「あぁもう。さっきからうるさいですね。あずにゃんしか言えないんですか?」

唯「あずにゃん! お願いだからもとのあずにゃんに戻ってよお!」

梓「うるさい、頭がズキズキする……ウウ」

唯「あ、あずにゃん?」

梓「……っああ。はぁ、はぁ」

唯「大丈夫、あずにゃん!」

梓「ゆ、唯先輩……。私」

唯「も、元のあずにゃんに戻ったんだね?」

梓「私、あれを打たれたんです。きっと。そのせいで! だから!」

唯「あずにゃん?」

梓「お願いです、唯先輩……私を、殺してください…・!」



332 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/22(金) 23:47:58.79 ID:QagTAmAN0

唯「そ、そんなことできないよ!」

梓「だって、このままじゃ……唯先輩を!」

唯「きっと何か、何か有るはずだよ!」

梓「……ウウ」

唯「あずにゃん?」

梓「……ふぅ。まったく。面倒な事になるところだったじゃないですか」

唯「あずにゃん!」

梓「さ、そろそろ本当に終わりです。わざわざ姿を晒してくれてありがとうございます」

唯「うぅ……」

梓「それじゃあさようなら、唯先輩」



唯(……あれ)

唯(持ってる石が、光ってる?)

唯(何で、だろう)

梓「そ、それは……!」



333 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/22(金) 23:54:48.38 ID:QagTAmAN0

唯「え?」

梓「な、何でそれをお姉ちゃんが持ってるの!?」

唯「え、今なんて」

梓「くっ! もう躊躇ってなんかいられない、死んでください唯先輩!」

唯「よ、よくわからないけど、これをどうにかすればいいんだね!」

唯「ボタン……さっきは押せなかったけど、今なら押せそうな気がする!」

梓「させないです!」

唯「おねがい石太! あずにゃんを助けて!」

カチッ


シュゴオオオオオオオオオウウウウウゥゥゥゥゥウ!


梓「きゃあああああああ!」

唯「ひ、火が出た!? でも青いよ! それにあずにゃんに、当たっちゃった!」

梓「アアアアアアアァァァァァァ……」ドサ

唯「あずにゃん!」ダッ



336 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/23(土) 00:01:38.46 ID:1hngJKEG0

唯「あずにゃん、しっかりして!」

梓「……」

唯「やだよぅ……あずにゃん。死んじゃやだよぅ……ヒック」

梓「……ん、ゆい、先輩?」

唯「あ、あずにゃん!?」

梓「あ……私……」

唯「よかった……よかったよぉ。あずにゃあん……グスッ」

梓「先輩、泣かないでください。私は大丈夫ですから」

唯「グスッ」

梓「唯先輩は、本当に泣き虫ですね。……しょうがないな」ギュウ

唯「あずにゃん……」

梓「しばらくこうしていていいですか?」

唯「うん……」

梓「ありがとうございます……」



337 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/23(土) 00:08:40.18 ID:1hngJKEG0

数分後

唯「落ち着いた? あずにゃん」

梓「それはこっちのセリフです……」

唯「あ、えへへへ」

梓「ふふ。……それで、私の身に起こったこと、全部話しますね」

唯「うん」

梓「事の始まりは……トンネルで私がさらわれた時からです」

唯「あの時から?」

梓「はい。……あの時誰かが私の首に、多分注射をしたんです」

唯「ちゅ、注射!? 痛くなかったの!?」

梓「注射自体は大丈夫です。でも問題はその中にあったもの、です」

唯「何があったの?」

梓「そこまでは……でも。その時から、私は何回か意識を失うことがあったんです」

唯「そうなの?」



338 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/23(土) 00:16:39.96 ID:1hngJKEG0

梓「はい。……でも、ふっと意識が戻ると、毎回必ず頭の中で声が聞こえたんです」

唯「どんな声?」

梓「それは……すみません、覚えてないです。でも、どこかで聞いたことが上がるような声でした」

唯「そうなんだ」

梓「はい。……でも、今はもう声は聞こえませんし、頭の中にあったもやもやも消えました」

唯「そうなの!? 良かった!」

梓「はい、唯先輩のおかげです」

唯「私の?」

梓「はい。唯先輩の持ってるその石のおかげです」

唯「これ?」ヒョイ

梓「はい。これを浴びた瞬間から、私の中の何かが消えて行くのを感じました」

唯「へぇ……何なんだろう、これ」

梓「わかりませんけど、もしかして、これを使えば、和さんや、律先輩を元に戻せるのでは?」

唯「! そうかもしれない。やってみる価値はあるね!」

梓「はい、それじゃ早速行きましょう!」  唯「おー!」



339 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/23(土) 00:25:54.84 ID:1hngJKEG0

律「……ウウ……ミ」

さわ子「あら、こんなところにいたのね。……なんか顔が傷だらけだけど、大丈夫?」

律「ウ……ア?」

さわ子「あーあ。せっかくのかわいい顔が台無しじゃない。
    りっちゃんも女の子なんだから、身だしなみくらいきちんとしないと」

律「ウウウウアアアア!」

さわ子「まず少し落ち着きなさい」ガンッ!

律「ウア……」

さわ子「さて、後は縄で縛って……と」

さわ子「うん。これでいいわね」

律「ウウウウウ……」

さわ子「大丈夫。少しちくっとするけど我慢してね」

プスッ…

律「ウア、ウアアアアア!?」

さわ子「さて、後は体に馴染むのを待つだけ。
    馴染んだその後は。……きっと唯ちゃんがなんとかしてくれるわね」

律「ウウ……」



341 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/23(土) 00:34:43.43 ID:1hngJKEG0

さわ子「……これはひとりごとよ、りっちゃん」

さわ子「仮にあなた聞こえていたとしても、聞いてるのは今のあなただから問題ないわね」

律「……」

さわ子「私がタイムマシンで過去に行って……そして戻ってきたのはムギちゃんに教えたわ」

さわ子「その後ね、ある子を過去に連れて行ったの。子供の頃のお姉ちゃんが見たいっていうから」

さわ子「そしたらね、タイムマシンが起動しなくなっちゃったの」

さわ子「勿論、私は何とかしようとしたわ。でも、どうにもならなかった」

さわ子「それから、あの子はずっと過去の時代を生きてきた。
    何十年とお姉ちゃんに会えることなく、ね」

さわ子「いえ、会えたとしても、それは子供の頃の姉。歯がゆい思いをしたと思うわ」

さわ子「ずっとそんな状態だったからね、ある日あの子は発狂しちゃったの。
    そうしたらもう誰も止められなくなっちゃった」

さわ子「私も色々と頑張ったわ。だけどね、ダメだった」

さわ子「……もっと詳しい話しが聞きたければ、その子を探して、そして、助けてあげて」

さわ子「あなた達なら、きっとそれが出来ると思うから」

さわ子「それじゃ、もう行くわね。後は頑張って、りっちゃん」

律「……サ」



343 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/23(土) 00:46:43.37 ID:1hngJKEG0

澪「……。律」

澪「駄目だな私は。気を抜くとずっと律のことばかり考えてる」

澪「結局、成長できてないのかな。私」


ダダダダ


澪「? この音は、銃声!?」

澪「誰だ!?」

紬「あ、澪ちゃん!」

澪「ムギか!?」

紬「ええ、申し訳ないけど加勢してくれる?」

澪「任せろ!」

ダダダダダダ
タァンタァン!


紬「ふぅ……これで全部片付いたみたい」

澪「ムギ、怪我はないか?」



345 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/23(土) 00:55:04.67 ID:1hngJKEG0

紬「ええ。……でも、弾薬が心許なくなってきちゃったから」

澪「私はまだまだあるけど」

紬「私のと澪ちゃんのじゃ弾の大きさが違うから」

澪「……そうか。……」

紬「何か、あったの?」

澪「……律が、立って動いて喋っていた」

紬「りっちゃん生きて……! そう、そういうこと、なのね」

澪「ああ。……それを、私が」

紬「それ以上は、言わなくていいわ」ギュウ

澪「ムギ……」

紬「ツラかったでしょう? りっちゃんがそうなったのも。りっちゃんをそうしたのも」

澪「辛かった……それに、怖かった……!
  私は、あんなにも律が好きだったのに! それなのに!」

澪「律を、恐ろしいヤツだと思ってしまったんだ!」

紬「大丈夫。……大丈夫だから」

澪「私は……グス、私は……!」



346 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/23(土) 01:00:12.96 ID:1hngJKEG0

紬「今は周りに誰もいないわ」

澪「ムギ……」

紬「私も、耳をふさぐべきかしら」

澪「いや、そのまま。……ぎゅっと抱きしめていて欲しい」

紬「わかったわ。このまま抱きしめていてあげる。だから」

澪「ありがとう、ムギ」




澪「――――――っ!」




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