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梓「学校中がゾンビだらけに……いったいどうすれば……」#4 【ホラー】


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梓「学校中がゾンビだらけに……いったいどうすれば……」#1
梓「学校中がゾンビだらけに……いったいどうすれば……」#2
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梓「学校中がゾンビだらけに……いったいどうすれば……」#4
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梓「学校中がゾンビだらけに……いったいどうすれば……」#7




477 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/24(日) 02:03:03.61 ID:IsA0bCdS0

特異点

唯「う、ううん……あれ? ここどこだろう」

唯「たしか、あの洞窟で体が透けて……そして」

唯「そうだ、憂!?」

唯「うーいー!」


憂「……聞こえてるよ」

唯「おお、よかった。無事だったんだね」

憂「ねぇ、お姉ちゃん。私、お姉ちゃんのこと嫌いだよ」

唯「……」

憂「だから憂さんは気をきかせてここに呼んでくれたんだよ」

唯「……憂」

憂「お膳立てしてくれたんだ。お姉ちゃん。ここでちゃあんと殺してあげるね」

唯「……そんなことさせないよ。憂は、いつまでも憂でいて欲しいから!」

憂「いいよ、かかっておいで、お姉ちゃん!」



478 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/24(日) 02:09:58.25 ID:IsA0bCdS0

唯「かかっておいでと言われましても~……武器がひとつも無いんだけど」

唯「こ、これはもしや。川原で殴り合って友情を確かめるかんじで」

憂「そうそう、いい忘れてた。実はここ二人っきりじゃないんだよね」

唯「友情が……え?」

憂「紹介するね、私のお友達なんだ」

憂「おいで、純ちゃん」


『ホオオオオオオオオ!!』


唯「ひっ、な何誰?!」

憂「だから、私の友達の純ちゃんだよ。すごいでしょう、体が人魚みたいで」

唯「い、いくら体が人魚だからって、顔が人間だったら不気味だよ!」

『ホオオオオオオオオ!』

憂「あーあ、お姉ちゃんがそんなこと言うから。純ちゃん怒っちゃったじゃない」

憂「私は上のほうで見物してるから。お姉ちゃんは暫く純ちゃんと遊んでてね」

唯「あ、憂!」



479 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/24(日) 02:21:13.46 ID:IsA0bCdS0

唯「純ちゃん、っていうんだ……随分、その、個性的なお友達ですね」

『ホオオオオオオオオ!』

唯「ひぃ! お、怒ってるのかな、ま、待って! 謝るから、きゃあ!」

『ホオオオオオオオ!』グオン!


唯「い、痛い……体当たりなんて……」

唯「何か、武器になるものはないの……?」


憂「大丈夫? お姉ちゃん。まだ死んでないよね?」

唯「う、憂……どうやってそこに登ったの?」

憂「頑張って登ったんだよ。それよりも。
  純ちゃんにいたぶられるのはいいけど、死んじゃだめだよ。止めは私が刺すんだから」

唯「う、うい!」

憂「ほら、よそ見していていいの?」

『ホオオオオ!』

唯「きゃあ!」



480 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/24(日) 02:32:36.49 ID:IsA0bCdS0

唯「はぁ、はぁ……」

憂「お姉ちゃんさっきから逃げ回ってるだけじゃない。少しは立ち向かわないと」

唯「そ、そんなこと言ったって……」

『ホオオオオ!』

唯「わっ」ヒョイ

唯「はぁ、はぁ。どうしよう……何か、何か無いの?」

憂「ポケットの中探ったところで、何か見つかるわけも無いと思うけどな」

唯「うう、包帯を解いたら何かが……あった!?」

憂「?」


唯「えっと、ムギちゃんからのメモだ。……何々」

『唯ちゃんへ、もしもの時のためにこれを渡しておきます』

唯「なんだろう……こ、これは!」

憂「何? 何があったの?」



483 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/24(日) 02:40:46.55 ID:IsA0bCdS0

唯「これは! ムギちゃんが私たちけいおん部のためだけに作ってくれたおいしいお菓子」

唯「その名も『アンムギ』!」

唯「細長い形状をしてるし、中にアンコがたっぷり詰まってるから美味しく食べられるんだよね~」

唯「……って」

唯「これじゃただ私のお腹が膨らむだけだよ~!」

『ホオオオオオオオオ!』

唯「きゃあ!」


憂「何か見つけてご機嫌みたいだけど」

憂「結局何も変わってないみたいだね……」

唯「うう、どうすれば……。あれ?」

唯「石太! あれ、今までポケット探しても見つからなかったのに」

唯「それよりも、石太が光ってる……。アンムギもだ……」

唯「これは、もしかして……!」

『ホオオオオ!』

唯「こうなったら、やれるところまでとことんやっちゃうよ!」



484 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/24(日) 02:45:53.37 ID:IsA0bCdS0

『ホオオオオオ!』

唯「くらえ、必殺アンムギ投げ!」


ポニャン!


憂「そんなお菓子投げたくらいじゃ純ちゃんには掠り傷ひとつも……」

唯「そして、石太の援護射撃!」ポチ


シュゴオオオオオ!


『ホオオオオオアアアア!』

憂「!? な、効いてる!」

『ホオオオオ……!』

憂「でも、致命傷には至らなかったみたい。……でもあの石は危険みたい」

憂「純ちゃん。その石を警戒しつつ攻撃してね」

『ホオオオオオ!』

唯「そう、石太の攻撃は強い。でも今回の目的はそれじゃない!」



485 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/24(日) 02:50:16.22 ID:IsA0bCdS0

唯「石太が光ってた原因は分からないけど。でもアンムギも一緒に光ってたってことは!」

シュゴオオオ……

唯「きっと、何かが起こるはず!」



……カシイイィィン!



憂「な……あの変なのが、もっと変なのに……いえ」

唯「あ、アンムギが、武器になった……。それに何か強そうだ!」

憂「……よく分からない。よくわからないけど。純ちゃん!」

『ホオオオオ!』

唯「ムギちゃんと石太が力を貸してくれたんだ。憂の友達みたいだけど、私は負けないよ!」


唯「えぇーい!」


ザシュッ!


『ホオオオオオオオオ!!』



486 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/24(日) 02:59:06.86 ID:IsA0bCdS0

唯「効いてる! すごいやアンムギ!」

憂「純ちゃん……!」


『ホオオオ!』


唯「て、天井に逃げた!?」

憂「違う……天井だと思っていたけど、これ。海だ」

唯「な、何で上に海が!?」

憂「しかも赤い……。ここがどういう場所かわからないけど。
  でも純ちゃんが姿を隠したことに変わりはない」

唯「……ど、どこから来るんだろう。とりあえず落ち着いて周りを見渡さなきゃ」


『ホオオオオオオ!』


唯「来た!」

憂「! お姉ちゃんの前から現れた! それじゃあかっこうの的じゃない!」

『ホオオオオ!』

唯「よーし、今度こそ!」



487 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/24(日) 03:06:40.21 ID:IsA0bCdS0

『ホオオオオオ!』ニュチニュチ

唯「え、ええ!?」

憂「じゅ、純ちゃんが、純ちゃんを吐き出した……?」

唯「あ、あれが人間の頃の憂のお友達、なのかな?」

純「……」ノロノロ

唯「こっちに来た! 遅い、けど……。これ、倒しちゃっていいのかな?」

『ホオオオオオ!』

唯「気持ち悪い方も一緒に襲ってきた!? ど、どっちを狙えばいいの!?」


憂「なるほど、二人で同時に攻撃するんだね。流石純ちゃん!」

唯「え、えーと、えーと」

憂「優柔不断なお姉ちゃんはまごまごするはず。さぁ、どうするの、お姉ちゃん」

純「……」

『ホオオオオオ!』

唯「えっと、えっと」

唯「と、とりあえずこっちで!」ザシュッ



488 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/24(日) 03:14:08.19 ID:IsA0bCdS0

『ホオオオオ!』

純「……」クラッ

唯「き、気持ち悪い方を攻撃したけど。当たったのかな……」

『ホオオオオアアアアア……』


ドサッ……


唯「倒した、のかな……」

憂「そうみたいだね」

唯「憂!」

憂「痛めつけてと入ったけど。自らが倒されて、とは言ってないよ。純ちゃん」

唯「憂……」

憂「やっぱり、これは姉妹の間で決着を付けるべきなんだね」

唯「そう……だね。この事だけは、やっぱり私たちが決着をつけないと」

憂「うん。……じゃあ、今度こそ本当にやろうか」

唯「来て、憂。お姉ちゃんが助けてあげるから」



489 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/24(日) 03:21:52.85 ID:IsA0bCdS0

憂「見て、お姉ちゃん、これ……」

唯「それは、アンムギ! ……でも、私のとちょっと形が違うみたいだね」

憂「そうだね。……でもきっとそれでいいんだよ」

唯「憂?」

憂「似てるようで違う。でも全く違うわけじゃない。そういうのがいいんだよ、私たちには」

唯「……」

憂「私、ちゃんばらごっこなんてした事ないや」

唯「わ、私もだよ! だから、気にせずに……!」

憂「ねぇ、お姉ちゃん。私ね……」


憂「私ほんとは、お姉ちゃんのこと、大」


『ホオアアアアアアアアアアアアアア!!!』


『!?』

憂「純ちゃん!?」

唯「まだ生きてるの!?」



491 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/24(日) 03:27:55.89 ID:IsA0bCdS0

『ホアアアアアア!』ドンッ

憂「きゃあ!」

唯「憂! このぉ、いくら憂のお友達でも許さないからね!」


ザシュッ!


唯「これで……!」

『ホアアアアア!!』

唯「うわ、うわわ! 暴れないで!」

憂「お、お姉ちゃん……!」

唯「いた、いたいって! やめてよ!」

憂「お姉ちゃん……純ちゃん!」


ザシュッ!


唯「憂!?」

憂「お姉ちゃん、私も協力するよ! 純ちゃんを、正気に戻してあげなきゃ!」



492 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/24(日) 03:34:24.27 ID:IsA0bCdS0

『ホオオオオオオ!』ヒュゥン!

唯「うわあ!」

憂「きゃあ!」


ドンッ……!


唯「振り払われちゃった……」

憂「でも、アンムギはちゃんと持ってる」

唯「憂、大丈夫? お友達なんだよね?」

憂「友達だから、助けてあげたいの。あんな姿のままだったら、純ちゃんが可哀相だから」

唯「そうなんだ。えへへ~」

憂「お、お姉ちゃん? どうしたの?」

唯「ううん。やっぱり、憂は優しいな。って」

憂「……きっとそれは、隣にお姉ちゃんがいてくれてるからだよ」

唯「そうかな?」

憂「そうだよ」



494 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/24(日) 03:40:16.06 ID:IsA0bCdS0

『ホオオオオ!』

憂「お喋りもここまでにしておかないとね」

唯「そうだね……。よし、頑張ろう!」

憂「うん!」



憂「お姉ちゃん、私、純ちゃんの動きを少しの間だけにぶらせることができるみたい」

唯「そうなの?」

憂「うん。純ちゃんの心に話しかければ、多分多少の隙ができると思うから」

唯「わかった! それじゃあ私はお友達をおびき寄せればいいんだね!」

憂「……お、お姉ちゃん?」

唯「ど、どうしたの憂、そんなに驚いて……」

憂「だ、だって。お姉ちゃんが私の言いたいことを先に言ってくれたから。驚いちゃって」

唯「む~。私だってやればできるんだよ! 柿の種だって食べられたもん!」

憂「……そうだね。うん!」

唯「さぁ、お友達を助けてあげよう!」



495 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/24(日) 03:45:40.41 ID:IsA0bCdS0

唯「え~いこの~。早くでてこーい!」

唯「……どうしよう。出てくる気配が無いや。う~ん。どうやったら出てきてくれるんだろう」

唯「そうだ!」


唯「早く出てこないとアイスがなくなっちゃうよ~!」


唯「……あれ? でてこない」

唯「おかしいなぁ。私だったらこんなこと言われたら出てくるのに……」


憂「きゃあ!」


唯「憂! 狙いは憂だったんだ!」

憂「……っ、だ、大丈夫! かすった程度だから」

唯「で、でも」

憂「お姉ちゃんはおびき寄せることに集中して!
  私は純ちゃんの動きを止めることに集中するから」

唯「……わかった!」



497 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/24(日) 03:50:16.81 ID:IsA0bCdS0

唯「もう、本気で頑張らないと……」

唯「でも、お友達は憂を狙ってるみたいだし。私は見向きもされない……」

唯「憂を、狙っている? ……もしかしたら!」



憂「……」

『ホアアアアアア!』

憂「……!」

『ホオオオオアアアア!』グォン!

憂「かかったね! 今だよ! 憂!」


憂「お、お姉ちゃん!? わ、わかった!」

憂(純ちゃん! お願い、私の声を聞いて!)


『ホオオ、オオ、オオ……!』


憂「純ちゃん!」

憂「動きが止まったね! 今だあ!」



499 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/24(日) 03:54:27.65 ID:IsA0bCdS0

憂「くらえ! アンムギ刺し!」


ザシュッ


『ホオオアオアアオアアアア!』


憂「憂!」

憂「う、うん! ごめんね純ちゃん! えい!」


ザシュッ!


『ホオオオオアアアアアア……』


シュウウウウウウ……


憂「お友達が……消えていく」

憂「純ちゃん……」



500 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/24(日) 04:00:53.51 ID:IsA0bCdS0

純「……あ」

憂「純ちゃん!」

純「う、憂? ……ああよかった。ちゃんと私喋れてるのね」

憂「ごめんね、ごめんね純ちゃん……」

純「何を謝る必要があるのよ。あんな風になったのはあなたのせいじゃないでしょう?」

憂「で、でも」

純「それとも、私を倒したことに対する謝罪なの? ……それなら謝るのはこっちの方」

憂「純、ちゃん……」

純「……そろそろ、本当に、体が消えてってる……みたいね」

純「そっちの方の憂は……お姉さん、ですよね」

憂「は、はい。平沢唯と申します」シュルリ

唯「いつも憂がお世話になってるみたいで……えぇと」

純「ふふ……面白い人だね」

憂「純ちゃん……」

純「憂、最後に私から一言、言っていい?」



501 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/24(日) 04:06:03.43 ID:IsA0bCdS0

憂「うん……」

純「ありがとう。それじゃ遠慮なく」


純「……」

憂「……」

純「……」

憂「……?」

純「何言おうか忘れちゃった」

憂「ちょ、ちょっと純ちゃん!」

純「あはは。まぁ、言うことは全部言ったのかもね」

憂「……」

純「それじゃあ憂、とお姉さん。これから頑張ってくださいね」

唯「うん」

憂「純ちゃん、もね」

純「ありがと。……それじゃあ、また、ね」

シュウウウウゥゥゥゥ……



503 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/24(日) 04:12:55.96 ID:IsA0bCdS0

憂「純ちゃんはね。……私の大切な友達だったんだ」

唯「うん」

憂「一緒にお弁当食べたり、部活を見学しに行ったんだ」

唯「うん」

憂「だから……だけど。こんなことになるなん、て。考えて見たこと、なくて」

唯「うん」

憂「だって、おかしい、よ! 何で、何でこんなことになっちゃったの! どうして!」

唯「……」

憂「いつも通り学校にいって、
  いつも通り授業を終えて、いつも通り帰宅して。……なのに」

憂「どうして今日はいつもどおりじゃなかったの! どうして! どうして……」

憂「お姉ちゃん。……どうして……」

唯「……わからないよ。何でこうなったのかは、私にはわからないよ」

唯「でもね、どんなことがあっても、私は憂の隣にいてあげるから。いつだっていてあげる」

唯「苦しい時も、悲しい時も、お腹が空いた時も、風邪を引いた時も、
  何かに襲われた時も、何を恨めばいいかわからなくなった時も」

唯「ずっと、そばにいてあげるよ」



504 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/24(日) 04:16:58.19 ID:IsA0bCdS0

憂「おねえ、ちゃん」

唯「あ、でも。私ってのんびり屋だし、あんまりしっかりしてる方じゃないから」

唯「逆に憂に助けられることが多いかもね……。えへへ」

憂「……それでいいよ、お姉ちゃん。私がお姉ちゃんを助けて、助けられて」

憂「そういう関係が、一番いいんだよ」

唯「そうかな?」

憂「そうだよ。……お姉ちゃん」



憂「大好き」



唯「私もだよ」



506 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/24(日) 04:23:21.50 ID:IsA0bCdS0



唯「帰ろう。皆のところに」

憂「うん!」

唯「きっと皆今ごろ心配しすぎてあたふたしてるかも」

憂「あ、梓ちゃんとか泣いちゃってるかもしれないね」

唯「あ~そうかも。あずにゃんって、意外と涙もろいところがあるからね~」

憂「そうなんだ~」

唯「うん。澪ちゃんは怖がって震えてるかも」

憂「それを律先輩が宥めてるんだろうね」

唯「ムギちゃんは皆をまとめて、和ちゃんは……和ちゃんが一番慌ててるかも」

憂「あはは、その光景が眼に浮かぶね」

唯「ねぇ、憂」

憂「なぁに、お姉ちゃん」


唯「どうやって戻るんだろう……」

憂「……さぁ……」



532 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/24(日) 15:22:55.76 ID:IsA0bCdS0

唯達が消えてからすぐ

澪「梓、現在の状況を説明してくれ」

梓「そ、そんなもの見ればすぐわかるじゃないですか」

律「いや、梓の説明が大事なんだ」

梓「な、なんでですか?」

紬「梓ちゃんにしかできないことなのよ」

梓「え、えぇ~。そ、それじゃあ」


和「唯と憂ちゃんは消えてどこかにいってしまい、
  私たちは周りをゾンビに囲まれて四面楚歌。こんなところかしら」


律「おい和。お前ちゃんと空気読もうぜ」

和「別にいいけど。空気読んで死ぬのと読まずに生きるの。どっちがいい?」

律「生きる方で」

和「じゃあいいじゃない」

澪「ついでにいうと、弾数も心許ないな……」

梓「お手製の爆弾も……残り三つです」    紬「いや、あの。……お手製じゃないんだけど」



533 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/24(日) 15:30:15.72 ID:IsA0bCdS0

和「……周りにいるゾンビたちは……」

紬「私たちが一番最初にあった奴も何匹かいるわね」

澪「よ、四つん這い……!」

律「その四つん這いなんだが、バリエーション増えてないか?
  ほら、あっちは腹が下にあるけどこっちはブリッジみたいな体制で」

澪「見たくない聞きたくない見えない聞こえない」

律「目を閉じて耳塞いでしゃがむな!」

梓「それと、先程の場所であった顔が大きい……気持ち悪いやつ、と」

律「私を殺そうとした首長だな」

和「今までの勢揃いって感じね。感慨深いわ」

梓「全然そんな気持ち湧きません……」

紬「そして……憂ちゃんね」

律「ああ。大人びてる憂ちゃんだな。……唯もあんな風になるんだろうか」

和「大きくなった唯……。大きくなった……」

梓「あ、あの。どこが大きくなったのを想像してるんですか?」

和「どこって……そりゃあ、ね?」    紬「ふふふ」



535 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/24(日) 15:38:00.44 ID:IsA0bCdS0

憂『人生最後の話しは終わりましたか?』


和「言っておくけど、私とっくに人生終わってるから」

梓「自分で言っちゃうんですか!?」

和「え、どうして?」

梓「い、いえ……」

紬「それよりも。私たちをかってに殺さないでほしいわ」

律「その通りだ! こんなところで私たちは死んでられないんだよ!
  何たって夢は武道館なんだからな!」

和「そういうわけよ。……まぁ、貴方は高みの見物でもしていなさい。
  すぐにその顔引きつらせてあげるから」

憂『えぇ、えぇ。わかりました。それではお言葉に甘えて……』



『ウウウウオオオオオ!』『キイイィィィィイイィ!』
『キュウアアアアキュアキュアアア!』『ゴオオオオオオ!』
『フウウウアアアアア!』



和「さて、始めるとしましょうか」チャキッ



536 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/24(日) 15:46:01.25 ID:IsA0bCdS0

和「はぁっ!」ザシュッ

『フウウウハアアアウウ……』

和「この刀が弱点なのは変わらないのね。安心したわ」

紬「一番弱いのは任せて!」ダダダダダダ

『アアアアアオオオオオオオオ……』
『ウウウアアア……』

紬「数が多いだけで撃たれれば倒れる。ならマシンガンが適任ね」

澪「いくぞ、律!」タァンタァン

律「ほい来た澪!」ダンッダンッ

『キイイイィィィイイィィ……』
『キュアアアキュアキュアキュウアア……』

澪「見たか四つん這い!」

律「おお、恐怖克服したかついに!」

澪「もももm、もちろんだろ」

律「まだ、みたいだな……」



537 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/24(日) 15:54:13.46 ID:IsA0bCdS0

梓「り、律先輩から借りた銃で……」パァン!

『キュウアアアアア……』

梓「い、一匹倒せた……。あれ? あそこにあるのは」


『キイイイキアアアアア!』


和「梓、危ない!」

梓「え?」

紬「この!」ダダダダダ

『キイイアアアアア……』


紬「ぎ、ギリギリだったわ……」

和「梓! 危ないからよそ見なんてしてる場合じゃないでしょう!」

梓「す、すみません! で、でもあれを見てください!」

和「あれ……? って、あれは唯の銃じゃない!」

紬「まさか、唯ちゃんは手ぶらで何処かへ消えていったって言うの!?」

律「だとしたら、どこかで唯と憂ちゃんは……」



539 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/24(日) 16:01:38.69 ID:IsA0bCdS0

律「今頃川原で殴り合い……!」

澪「そんなわけないだろ!」ポカッ

律「いたい。こんな時にまで叩くなよ……」

澪「変なこと言うからだ!」


和「……唯は今武器を持っていない。
  でも、憂ちゃん側は唯を倒すための何かを打ってあるんでしょう?」

憂『さぁ、どうでしょう』

和「ほんと、頭に来るわね。貴方のその態度。
  ……まぁいいわ。すでに半分以上は倒しているから」

憂『みたいですね。凄いです』

和「いつまでその余裕ぶった態度でいられるかしら?」

憂『ふふふ、いつまででしょうね』

和「減らず口を……」


澪「ところで、私は何かを忘れているような気がするんだが……」

律「澪もか。私も何か忘れてるような気がするんだよな~。なんだっけ」



540 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/24(日) 16:07:04.77 ID:IsA0bCdS0

律「なんか、結構重要なことだったような……」

澪「でも言われてみれば基本的なことだったような……」

『うーん……』


紬「ふ、ふたりとも。腕組んで考えてる場合じゃないでしょう?」ダダダダ

律「っと、悪い!」ダンッダンッ

澪「そうだな。先にこいつらを倒さないと」

梓「でも……一体何について考えてたんですか?」

律「それなんだよな~。何か身を持って体験したような」

澪「というより、見たことあるような……」

『うーん』


紬「だ、だからふたりとも!」



和「おかしいわ……」



541 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/24(日) 16:15:17.11 ID:IsA0bCdS0

紬「……そうね。さっきから薄々思っていたけれど」

律「何がだ?」

和「私たち、半分くらいは倒したわよね」

澪「そうだな。この調子で行けばなんとかなるんじゃないのか?」

紬「私もそう思っていたんだけど……」

梓「で、でも変じゃないですか? それだけ倒してるのになんか数が減ってないような」

和「えぇ。そうなのよ。……何かいっぱい食わされた気がするわ」


憂『ふふ……』

和「やっぱり。……一体これは何なの?」

憂『なんなのと言われても。……普通に考えればわかることじゃないですか?』

和「普通に……ですって」

律「普通に考えると、こいつはゾンビだから」

澪「まぁ、復活するよな。普通に考えれば」



『……』



542 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/24(日) 16:22:53.40 ID:IsA0bCdS0

律「そうだよ! こいつら復活するんだった! 身を持って体験してたじゃんわたし!」

澪「そうだった! 復活するって律から聞いたんだった!」



和「そ、それを先に言いなさいよ!」

梓「どうりで、数が減らないと思ったら……」


紬「でも、そうなるとこちらが不利ね……」

和「ええ、長期戦になればなるほど、弾数が減っていく」

紬「そうなると対処方法は銃で殴るしかなくなるわね」

澪「って、ことは、あれに近づかなくちゃいけないのか!? い、嫌だぞ私は!」

和「私は武器のせいで近づかなくちゃいけないけどね……」

梓「じゃ、じゃあどうするんですか!?」


憂『やっと事の重大さに気がついたみたいですね』

和「ええ、貴方の余裕な態度はこれが根拠となっていたのね」

憂『はい。……あれ。どうしました? 先程までの余裕の表情が崩れましたよ?』



544 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/24(日) 16:33:38.35 ID:IsA0bCdS0

和「ほんと。……いい性格してるわね」

憂『褒め言葉ですか? うれしいです。和さんが私を褒めてくださるなんて』

和「この……!」


紬「い、今はそんなことしてる場合じゃないでしょう!? 何か対策を考えないと」

梓「そうですよ! ……どうにかしないと」

律「一番有効なのは、逃げるってところか」

澪「囲まれてるとはいえ、一箇所だけを集中砲火すれば逃げ道くらいは、なんとか……」

和「い、嫌よ! 唯がアイツのせいで何処かに行ったって事は、
  あいつを何とかしないと唯は戻ってこれないってことじゃない!」

紬「和ちゃん……」

律「だけどよ、このままじゃ私たちがやられちゃうだろ」

和「じゃ、じゃあ。私一人が残るから!」

梓「で、でも。和先輩が持ってるその刀が無いと厳しい敵も居ますし」

和「ならこの刀を」


律「いい加減にしろ和! 駄々をこねて皆を困らせるな!」



545 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/24(日) 16:42:37.06 ID:IsA0bCdS0

和「あ……」ビクッ


梓(律先輩が……)

澪「珍しく部長らしいことを……」

律「澪、そういうことは心の中にとどめておいてくれ」

澪「え? 私もしかして話してた?」

律「バッチリ聞こえた」


和「……で、でも」

紬「和ちゃん。唯ちゃんを心配する気持ちはわかるわ。でもね」

紬「和ちゃんと同じくらい、唯ちゃんも心配してるのよ。ね?」

和「ムギ……」

律「よし、それじゃあ一箇所集中砲火だ! 皆逃げるぞ~!」


憂『まぁ、そう来るであろうことはわかってましたけどね……』


『ゴオオオオオオ!』



546 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/24(日) 16:51:56.22 ID:IsA0bCdS0

律「あれは!」

澪「首長!」

紬「あれにも銃が効かなかったのよね……。
  今まで動かなかったから考えないようにしていたけど」

和「……でも、この刀なら……」


『ゴオオオオオ!』


澪「こ、今度は、律を死なせない!」

律「澪……。あたりまえだろ? この田井中律様は無敵なんだからな!」

梓「……私も、この爆弾を上手く使って……」


『ゴオオオオオオ!』
『ゴオオオアアアアア!』
『ゴアアアアアアア!』


梓「なっ!」

律「おいおい。首長だけで何匹いるんだよ……」



548 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/24(日) 16:59:09.87 ID:IsA0bCdS0

梓「わ、私の爆弾なら一匹くらいは……」

和「私の刀でも一匹が限界ね……」

澪「そ、それだけじゃあんまり減ってないじゃないか!」

律「……こりゃ、覚悟決めた方がいいかもな」


憂『あ、やっと覚悟ができましたか?
  よかったです。覚悟も無いまま死んじゃったらかわいそうですからね』


和「……っ」

澪「と、とにかく。覚悟も決まった。やることも決まった」

律「後は。成功を祈るばかり、だな」

梓「頑張りましょう!」

紬「ええ。生きて。唯ちゃん達にも合わないと」

和「行くわよ!」

『おおー!』




『ゴオオオオオオ……』



549 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/24(日) 17:05:19.80 ID:IsA0bCdS0

『ゴアアアア……』
『ッゴオオアアアアア……』


和「な、何!?」

紬「急に皆倒れ始めたわ……」

梓「それだけじゃありません! 他のゾンビたちも……」

澪「四つん這いも、普通の奴も。顔がでっかいヤツも……」

律「皆倒れちゃったぞ……」


憂『っ! 誰!?』


和「? 何を言ってるの」

紬「もしかして、唯ちゃん達が何かしてくれたとか!?」

梓「そ、そうだとしたら、きっとすぐそこまで……!」



『う~ん、残念。唯ちゃん達じゃないのよね~』



550 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/24(日) 17:15:13.99 ID:IsA0bCdS0

和「な……! なんでここに!」

澪「そ、そんな」

紬「……」

梓「姿をみないと思ったら」

律「……お」


さわ子「はーい、皆久しぶりね。元気してた~?」


和「っ、よくのこのこと私たちの前に出られたわね!」

さわ子「ちょっとちょっと。
    ピンチなのを助けてあげた恩人にその態度はないんじゃないの~?」

澪「助けた? ……って、ゾンビが一斉に倒れたのは先生の仕業なんですか?」

さわ子「仕業って。……せめて『おかげ』と言って頂戴よ」

梓「え、で、でも。一体どうやって?」

さわ子「和ちゃんならわかるんじゃないかしら?」

和「え……?」



552 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/24(日) 17:28:22.20 ID:IsA0bCdS0

さわ子「以前和ちゃんは同じことをしてるんだけどね~」

和「……?」

紬「……もしかして、統率者、ですか?」

さわ子「おー。ムギちゃんの口から答えが出るなんて!」

澪「統率者?」

紬「以前、トンネルで、ゾンビの動きが洗練されているのがあったじゃない」

梓「私がさらわれた時ですか?」

紬「その前よ。……視線を感じたときのこと」

和「あ、あの時の。……でも、それが何なの?」

さわ子「統率者って居うのはね。
    ゾンビたちの中でも一つ分抜きん出てるもののことを言うのよ」

さわ子「まぁ、頭脳(ブレイン)っていったりするらしいけど。読み方はどうでもいいわね」

さわ子「そいつは全員に指令を出すゾンビなんだけど。
    実はそいつが倒されると、そいつの指令を受けてるゾンビも一緒に倒れちゃうのよ」

梓「つまり、先生はそいつを倒したから、いまここに居るゾンビは皆倒れてる、ってことですか?」

さわ子「せいかーい!」



554 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/24(日) 17:37:28.61 ID:IsA0bCdS0

憂『こんにちは先生。頼んでも無いのにはるばるとご苦労様です』

さわ子「いいのいいの~。私が来たくてきたんだから」

憂『先生の出番はもう無いはずなんですけどね』

さわ子「あらあら。寂しいこと言わないで。独身のみには厳しいぐはぁっ!」


梓「吐血した~!?」


さわ子「……自分自身で地雷ふんじゃったわ」

澪「な、なんかいつもの先生と言うか、なんというか」

和「でも、私たちが倒すべきは……」

紬「いいえ、それは違うわ和ちゃん」

和「ムギ?」

紬「さわ子先生は。……なんて言うか、気持ちだけは私たちの味方よ」

澪「気持ちだけって……」

律「ま~。私をたすけてくれたくらいだしな」

澪「って何ぃ!? 初耳だぞそれ!」



555 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/24(日) 17:48:04.60 ID:IsA0bCdS0

律「あ、あれ? 言ってなかったっけ?」

澪「聞いてないぞ! そういえば律いつの間に人間になってたんだ!?」

梓「気づくの遅くないですかそれ!?」

さわ子「はいはい、話はそこまで~。とりあえず今は憂ちゃんをどうにかするのが先でしょう?」

和「信じていいんですね?」

さわ子信用してもいいけど信頼しちゃ駄目ね」

和「……わかりました」

さわ子「あ、あとその刀はどんな感じ? 使い易い?」

和「え? これですか。……はい、凄く手になじみますけど」

さわ子「でしょうね。だって貴方のための刀ですもの」

和「え?」

さわ子「その刀の名前は焔眞鍋。ま、名前なんてどうでもいいのよ。貴方が使っていればそれで」

和「焔真鍋……」


律「変な名前だな」

和「!?」



558 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/24(日) 18:05:18.40 ID:IsA0bCdS0

さわ子「さってっと。憂ちゃん。これからどうするの?」

憂『それは私のセリフだと思います。……彼氏さんがどうなってもいいんですか?』

和「……?」

さわ子「う~ん。っていうかさ。我慢できずにさっき会って来ちゃったんだよね」

さわ子「そして、まぁ相談にのって貰ったんだけどさ。そうしたらさ」

『よくわかんないけど。お前がしたいことをすればいいんじゃないか? 俺のことなんて構わずに』

さわ子「だ~って。自分がどうなるかとかわかってないのにね。……本当に」


律「何の話だ?」

澪「さぁ。でも彼氏……って言ってたけど」

和「大体予想はつくわね」

紬「でももしそういうことなら。私たちが何とかするべきかしら……」

さわ子「いやいや、気にしなくていいわよ。そっちの方はなんとかして貰ったし、ね」

憂『……最初から最後まで、あなたは紬さんを頼りっぱなしなんですね。いい大人が情けないです』

さわ子「悪い!?」

梓「逆ギレ……!?」



559 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/24(日) 18:13:57.96 ID:IsA0bCdS0

憂『ふぅ。……それじゃ、こちらも次の手を出させてもらうとしましょう』


ゴロゴロゴロゴロゴロ


澪「こ、この音は!」

律「また岩か!」

和「近づいてきてるわね……」


ゴロゴロゴロゴロ……ドガアアアアアァァアン!


和「扉を突き破ってきたわ!」

澪「いわ……緑色……ひっ、ななななななな!?」


律「岩に、人の顔が張り付いてるううう!?」

梓「……」

紬「梓ちゃん! たったまま気絶しないで!」

和「な、なによこれ。これもゾンビなの!?」



561 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/24(日) 18:22:46.90 ID:IsA0bCdS0

憂『はい。これもゾンビの一種です。
  ……まぁ、統率者よりもうひとつ上の段階、と行った感じでしょうか』

和「冗談じゃないわよ。インフレの前触れよ、そういうの」

澪「……」ブツブツブツブツ

律「澪! 気をしっかりもて!」

梓「ち、ちっちゃくですけど手みたいなの生えてませんか、あれ」

さわ子「よく見ると脚みたいなのもはえてるわね。うわ~、気持ち悪い」

紬「あ、梓ちゃん、正気に戻ったのね」

梓「正直、もう一度気を失いたい感じです……」


憂『さ、これを相手に生きていられますか?』


和「覚悟はさっきからずっと決めたままよ。皆、さっさとこいつを倒して唯達に会うわよ」

紬「ええ。……先生のおかげで銃弾もたくさん手に入ったし」

さわ子「感謝しなさいよ~」

梓「行きます!」



562 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/24(日) 18:34:38.57 ID:IsA0bCdS0

特異点

唯「ういーあいすー」

憂「もう、お姉ちゃんったら~」

唯「……」

憂「……」


唯「結局ここから出られてないよぅ~」

憂「そもそも、ここに来た原因が憂さんが原因だったから」

唯「じゃあ憂も頑張ればできるんじゃないの?」

憂「さっきからそうしようと思ってるんだけど。……無理みたい」

唯「い、今頃みんな、もしかしたら大ピンチかもしれないのに」

憂「とはいっても。……そもそもここがどこなのか分からないし……」


『う~ん……』



563 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/24(日) 18:44:29.94 ID:IsA0bCdS0

唯「……あれ?」

憂「どうしたの、お姉ちゃん」

唯「いや、今人影がちらっと見えた気がするんだけど……」

憂「え、でもここに人なんて……」

唯「こっちだよ!」

憂「あ、ちょっと待ってお姉ちゃん!」



唯「はぁ、はぁ。……あれ?」

憂「お、お姉ちゃん。その、人影って、どこ?」

唯「う~んと。ここにいたはずなんだけどなぁ」

憂「やっぱり見間違いだったんじゃない?」

唯「かなぁ……」

憂「そうだよ。……あれ?」

唯「どうしたの、憂。天井を向いて……あれ?」



565 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/24(日) 18:54:00.75 ID:IsA0bCdS0

唯「う、上に人がいる!」

憂「でも、ここの天井って赤い海だよね。……そこに人がいるなんて」

唯「……あれ? あの人何か持ってるよ」

憂「本当だ。……あれって、ギター?」

唯「おお、あの人も持ってるギターも暗くてよく見えないけど、ギー太みたい!」

憂「それ、全部のギターに言えることじゃないの?」

唯「違うよぉ。私はちゃんとギー太の区別つくもん」フンス

憂「でも、じゃあ何でお姉ちゃん以外の人がギー太を持ってるの?」

唯「だよねぇ。……あれ?」

憂「お、お姉ちゃん! 前見て!」

唯「ギ、ギー太! どうしてここにあるの!? さっきまでここになかったはずなのに」

憂「あの人が届けてくれたのかな……お姉ちゃん、もう一度あの人見て!」

唯「え? ……なんだろう。ギー太を指でこんこん叩いてる」

憂「もしかして、一緒に演奏しようって言ってるのかも」

唯「おお。いいね~。よーし、そういうことなら張り切っちゃうよ~」



566 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/24(日) 19:08:22.80 ID:IsA0bCdS0

『……』コンッコンッ

唯「……」コンッコンッ


ギュイイイイィィィィン!


憂「す、凄い。お姉ちゃんと上の人が綺麗に重なって……!」


唯(……なんだろう、この人。私と、とっても合う)

唯(私がこうしよう、って思ったら、それに重ねるように弾いてくれて……)

唯(澪ちゃんやりっちゃんやムギちゃんやあずにゃんと弾いてる時とはまた違う)

唯(でも、すっごく楽しい!)


憂「お姉ちゃん。凄くたのしそうに弾いてるなぁ……」

憂「あれ?」


唯「……」ジャーンジャーン!

憂「お、お姉ちゃん! 上をみって!」

唯「ほえ?」ジャジャーン



568 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/24(日) 19:18:45.57 ID:IsA0bCdS0

唯「あ、穴が開いてる!」

憂「で、でしょう! おもわずびっくりして噛んじゃったけど」

唯「でもどうやってあそこに……おぉ!」

憂「か、階段が降りてきた……」

唯「ふんだりけったりだね!」

憂「至れり尽くせりだよ……」

唯「あ、上にいた人、いなくなっちゃった……」

憂「本当だ。……もしかしたら、私たちを助けてくれるために来たのかも」

唯「そうかも。……ほら、早く行こう! 憂!」

憂「うん!」


カン、カン、カン、カン、カン


唯「鉄製の階段ですね」

憂「違うと思うけど。……あ、ほら、そろそろ抜けるよ」

唯「おお、ここを抜けた後には一体どんな世界が!」



570 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/24(日) 19:30:00.92 ID:IsA0bCdS0

洞窟内

澪「ああ、コガネジムを思い出す……」

律「転がるがつよかったよな~」

梓「現実逃避しないでください!」

紬「あ、梓ちゃんもあまり人の事言えない気が……」

和「来るわよ!」


ゴロゴロゴロゴロ



澪「いやだぁぁあ、もう気持ち悪い!」

律「私だって気持ち悪いのを必死にこらえて何とかしてるんだぞ!」

紬「当然だけど、銃も全く効かないわね」ダダダダ

和「……そこっ!」ザシュッ


『オオオオオオ』ゴロゴロゴロゴロ


和「焔真鍋でも全く効かない……!」



571 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/24(日) 19:37:43.09 ID:IsA0bCdS0

律「気に入ってるのか、その名前」

和「……うるさいわね」

澪「なんとかして倒す方法はないのか……?」

紬「……今まで、私たちはあれを岩だと思ってたけれど。本当にそうなのかしら」

和「いいえ、斬った感触から察するに人間の顔だとおもうわ」

律「斬ったことあるのか!?」

和「さっきからゾンビどもの顔斬ってたじゃない」

律「あ、そ、そうか」

澪「でも、それがわかったからって、どうすればいいんだよ」

紬「そうね……」

さわ子「一応。その他にも武器は持ってきたけど」

和「本当? 何があるの?」

さわ子「えぇと。カスタネットと」

律「なんでカスタネットを持ち歩いてるんだよ!?」



573 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/24(日) 19:45:23.85 ID:IsA0bCdS0

さわ子「あとは、おやつに持ってきたクッキーと。お茶と……」

紬「お茶とクッキーなら私が持ってきましたのに……」

澪「ピクニックに行くんじゃないんだぞ!」

さわ子「一応暖をとろうと思ってヒーターと重油も持ってきたわね」

律「ここに何しに来たんだよ……」

さわ子「あとは洞窟にいるって聞いたから持ってきた懐中電灯と水銀灯ね」

梓「どこにそんなに入ってたんですか……」

さわ子「あずさちゃんにはなくて私にはあるもの、とか」

梓「え? きゃあぁ!」

さわ子「ほらほら、もっと他の人からもんでもらわないと大きくならないわよ~」モミュモミュ

梓「そ、そんなことしてる場合じゃあああ……」

紬「……」

澪「ムギ!? どうした? 攻撃されたのか!?」

和「発作症状よ、放っておきなさい」



576 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/24(日) 20:17:37.96 ID:IsA0bCdS0

和「……いや、でも先生が持ってきたこれら。使えるかも」

澪「ま、まさか。ゾンビとお茶を飲んで戯れるとか!?」

和「何でそういう発想になるのよ。いい、これとこれを……」


ゴロゴロゴロゴロ


紬「皆、来てるわよ!」

梓「!」


ゴロゴロゴロゴロ

ズズーン……


和「やっぱり、思ったとおりね」

律「何が?」

和「あれの攻撃方法は転がることしかできないのよ。つまりそれを上手く使えば」

さわ子「よくわからないけど。私は何をすればいいのよ」

澪「つまりこれらを使うわけだから……役割分担としては……」



577 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/24(日) 20:25:20.69 ID:IsA0bCdS0

憂『作戦会議ですか? 頑張ってくださいね』


和「今度こそ、その余裕を吹き飛ばしてあげるわ」

律「おっしゃー。それじゃあ配置につけ~!」


タタタタタ


梓「準備出来ました!」

さわ子「おお、私のいる高い位置からだと皆の場所がよくわかるわね~」

澪「うう、怖い……」

律「私と澪の役は指示だろ? 指示役が怖がってどうする!」

和「私も準備はいいわ」

律「和は重要なポジションだからな、気をつけろよ!」

和「言われなくてもわかっているわ!」


憂『ふーん。その陣形があれを倒すために作られた物ですか?』


律「あたぼうよ! 見てな。今すぐこいつを倒してみせるから」



578 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/24(日) 20:31:20.37 ID:IsA0bCdS0

ゴロゴロゴロゴロ……


和「さ、こっちに来なさい。斬ってあげるから」


『ウウウウウウウアアアアアアア』

和「って、あなた喋れたの!?」

ゴロゴロゴロゴロ

和「しまった!?」チッ


和「あ、危なかった。掠っただけで済んだわ……」

律「和~、大丈夫か!?」

和「ええ。ごめんなさい。少し油断しちゃったわ」

律「そうか。気をつけろよ!」


和「……というわけよ。今度こそあなたを斬るから」

『ウウウウウウアアアアウウアウアウア!』

ゴロゴロゴロゴロ



580 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/24(日) 20:37:39.11 ID:IsA0bCdS0

和「せー……の!」ザシュッ


『ウウウウアアアアア!』


ゴロゴロゴロゴロ


和「よし、上手くそっちに向けさせたわ」

律「よーし、さわちゃん先生そっちにいったぞ~!」

さわ子「はいは~い。それじゃあ衝撃に備えなきゃね~」


ゴロゴロゴロゴロ


ズズウウゥゥゥン!


さわ子「おっとっと。あ、危ないわね。落ちるかと思ったじゃない」

さわ子「それじゃあ行かせていただきます、っと」


ドボドボドボドボドボ



582 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/24(日) 20:49:34.31 ID:IsA0bCdS0

憂『な、何を……!?』

さわ子「正解は~。重油でした~」

憂『重油って……何でそんなものを持ってきているんですか!』

さわ子「ストーブで暖をとりたかったのよ!」

律「正直私も、灯油でいいじゃん。とか思ったけど」

澪「結果オーライだな。……梓!」

梓「はい! ……あ、澪先輩、手伝ってもらえますか?」

澪「勿論だ、そのために私は梓と一緒にいるんだから」

梓「先輩……。ありがとうございます」

ハァ

梓「……これで、よし」

澪「すまんな和。もう一度頼む」

和「ええ。二人は離れていなさい!」

さわ子「私は~?」

律「役目が終わったら離れてた方がいいぞ~」



584 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/24(日) 20:59:55.48 ID:IsA0bCdS0

『ウウウオウオウオウウウウオオオオオ!』

憂『重油をかけられた……。ってことはつまり』

憂『しまった! そういうことね……』

憂『ならそうはさせないために……命令します! その場からうご……!?』ガシッ


紬「はい、ごめんなさいね。それ以上喋られちゃまずいの」

憂『……!(紬さん!?)』

紬「皆があれに気をとられてる隙に憂ちゃんを捕まえる。それが私の役割だったのよ」

紬「恐らく憂ちゃんがアレらに指示を出してるであろうことは前々からわかっていたから」

紬「今ここで、とまれ~。とか言われたら私たちの作戦が失敗しちゃうから。ね?」

憂『……っ(確かに、紬さんがいることに気がつかなかった。……あっちに夢中で)』

憂(でもね、私は口に出さなくても命令を出すことができる。
  ……抑えたところで何も変わりは……!?)

憂『ん~! ん~!』

紬「それにしても、さっきの梓ちゃんと澪ちゃんの会話は個人的に良かったわ~」

紬「ああいうのを見ると、私もいつかああいった関係を持ちたいな~、
  なんて思っちゃうわ~」ポタ……ポタ……

憂『ん~! んんん~!!(鼻血が~! 私の髪の毛にいいい!!)』



585 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/24(日) 21:07:55.02 ID:IsA0bCdS0

律「……ま、まぁ。ともあれ。ムギは立派に勤めを果たしてくれているな」

さわ子「う~ん。わたしもムギちゃんの気持ちがよくわかるわ~」

澪「私はわかんない……」

梓「同じくです……」


和「ま、私は自分の使命が果たせればそれでいいわ」

和「……来なさい!」


『ウウウオウオウオオオオオオオオ!』


ゴロゴロゴロ!


和「あら、さっきよりも気合充分ね。でも……」

和「はぁっ!」


ザシュッ



586 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/24(日) 21:15:51.21 ID:IsA0bCdS0

『ウウウアオウオウオオア!』


和「軌道修正完了、ね」

梓「後はそのまま真っすぐ行けば!」

澪「私たちの仕掛けた!」

『爆弾に引っかかる!』


カチッ

ドオオオオオォォォォォン!


『ウウオオオオウオウオオオアアアアアアア!』


律「そいでもって。ついでに置いといた水銀灯も一緒に爆発するわけで」

さわ子「あとは重油だらけの体に発火して」


紬「火だるま……と言うわけ。これが私たちの作戦よ」

憂『……(……まさか、鼻血にしてやられるなんて)』



596 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/24(日) 22:59:49.61 ID:IsA0bCdS0

『ウウウウウアアアアアアア……』


梓「……あれも、元は人間だったんでしょうか」

律「だろうな。……そもそも作られたゾンビってどんなのだよ」

和「知らないけど。まぁでも。これで一段落ついた。って感じかしら」

梓「はい。後は憂を」



紬「きゃああ!」



澪「ムギ!?」


憂『……まさか、あれがやられるとは思いませんでした』

紬「うう……油断、しちゃった」

梓「む、ムギ先輩の後ろにいるのは!?」

さわ子「そう。……ついに出してきたのね」

憂『ええ。……どうやら。もう出し惜しみしてる暇はなさそうですし』



600 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/24(日) 23:07:14.32 ID:IsA0bCdS0

澪「な、なんなんだあれは!」

梓「は、蠅? いや、でも……」

律「見方によっちゃ何か……あれに似てるな。あれに」

和「タツノオトシゴ?」

律「そ、それだ!」


さわ子「あれの名前は『堕辰憂』……すべてのゾンビの頂点に立つ存在よ」


律「堕辰憂……」

澪「……なんて読むんだ?」

梓「さぁ……」

和「そこ、変な話してない。ムギが危ないでしょう」

澪「そ、そうだ! ムギ」


憂『動かないで!』







601 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/24(日) 23:14:10.25 ID:IsA0bCdS0

憂『動いたら、紬さんの首を切りますよ』


澪「なっ……!」

和「……まったく、使えるものは全部使うのね」

憂『あたりまえじゃないですか。そういうものでしょう?』

和「……」

さわ子「それで、私たちは動けなくなったわけだけど。これから何をするの?」

憂『逃げますよ』

梓「にっ!?」

憂『ここじゃ堕辰憂が暴れるには少々狭いんです。
  ……ほら、あそこから光が降り注いでるのがわかりますか?』

和「……あそこね」

澪「あれ、今まであったかあんなところ」

憂『私が開きました。……私は一足先にあそこに行きますので。
  きちんと準備をしてから追ってきてくださいね』

さわ子「あら、私たちも追いかけていいの?」

憂『はい。……ただし、これらを倒すことができたら、ね』



603 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/24(日) 23:25:19.48 ID:IsA0bCdS0

『おおお、こおおおんんなああああにいいい』
『ひいいいさしぶりりいいいのおおおおお』



澪「……」フラッ

梓「……」

律「澪! 気絶して倒れるな! 梓! たったまま気絶するな!」

和「……あいつら、言葉をしゃべっている……?」

さわ子「もともとゾンビは人間だったもの。言葉くらいしゃべっても不思議じゃないわ」


憂『それでは、頑張ってくださいね』


和「あっ! 待ちなさい!」

さわ子「和ちゃん。今はあっちに構ってる暇はないわ!」

澪「……」

梓「……」

律「お前らもいい加減起きろおおお!」



604 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/24(日) 23:32:18.79 ID:IsA0bCdS0

和「……それにしても。一応人の形してるじゃない」

澪「腹に顔がある人間を私は人とは認めない!」

梓「足が異様に太い人間を私は!」

律「お、復活した」

さわ子「……あとついでに。面倒なのおいて行ったわね」

和「え?」

さわ子「ほら、あそこにいるの見えるかしら?」

律「う~んと、お、あの天井からぶら下がってる奴か」

和「あの顔がねじ巻きになってるやつね」

澪「……」パタリ

梓「……」

律「もう突っ込むのつかれた」

さわ子「あれもブレイン……統率者の一種よ」

和「……と言うことはあれを倒せばすべて……」

さわ子「いいえ、あいつとここに居るそいつらは系統が違うから、それは無理ね」



605 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/24(日) 23:39:17.24 ID:IsA0bCdS0

澪「もうやだ……。なんで会うゾンビ会うゾンビこんな気持ち悪い奴ばっかなんだよ」

梓「私ももう死にたい……」

律「えぇい、弱音吐いてないで、さっさと戦うぞ!」

澪「そ、そうだ。ここは二手に分かれるパターンだよな!」

律「……まぁ、あそこにぶら下がってる奴はちょっと遠めの場所にいるからな」

澪「それじゃあ私があいつを倒してくる!」

梓「あ、私も行きます!」

律「お前ら……」

さわ子「りっちゃんもついていってあげなさい。こっちは私と和ちゃんで何とかするから」

和「私一人で充分だと思うけど」

さわ子「無理しないの。いくらゾンビとは言え、体が壊れちゃったら動けないんだからね」

和「……分かりました」


澪「それじゃ、行くぞ梓!」

梓「はいです!」

律「早いなお前ら! そうまでしてこっちのヤツらに近づきたくないのか!」



609 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/24(日) 23:52:28.28 ID:IsA0bCdS0

澪「……不思議だ。あそこで見たときはそんなの遠く感じなかったのに」

梓「意外と距離がありますね……。あ、なんか吹き抜けに出ました」

律「お、お前ら足早すぎ!」

澪「律が遅いんだよ」

梓「それより、ここ面白い構造になってますよ、ほら」

律「お、本当だ。上と下が吹き抜けになってるな。……ここ、本当に洞窟だろうな」

澪「わからん……あ、あそこにいるの」

律「さっき見えた変なゾンビだな。統率者、だっけ?」

梓「さっさと倒して戻りましょう。律先輩、おねがいします」

澪「頼んだぞ、律」

律「……肝心の倒す作業は私がやるのかよ。はぁ、仕方ないなぁ」


タァン


『キイイイゥウウウウウィイイイ』グラグラ


澪「ひいい、動きが気持ち悪い!」



610 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/24(日) 23:58:17.32 ID:IsA0bCdS0

律「……効いてるんだよな」

澪「た、多分」

律「そ、そうか。ならまだまだいくぞ」タァン

『キイイイキイキイ!』


律「……何か、私も気持ち悪くなってきた」

澪「頑張れ律! 律ならきっと出来る」

律「いや、そう思うんなら、お前もやれよ」



梓「……あれ?」

梓(何でこんなところに麩があるんだろう……)

梓(開けてみよう)

ススススス


『キャイイイアアアアアアアアアアア!』


パタム



613 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/25(月) 00:05:02.36 ID:4RR6YD2J0

律「よーし。こっちはやっと倒し終わったか」

澪「何か落ちていったけど。……大丈夫かな」

律「大丈夫だろ。さ、梓。帰るぞ」


梓「わかりましたにゃん」


律「……」

澪「……え? 何か、あったのか?」

梓「何もなかったですにゃん」

律「……あれ、何か梓の後ろに麩が」

梓「ないですにゃん」

律「いや、確かに岩だらけの洞窟内に麩があるのはおかしいけど」

梓「ないですにゃん」

律「……」

梓「ないですにゃん」

梓「ないです……にゃん」ポロ、ポロ



614 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/25(月) 00:09:10.61 ID:4RR6YD2J0

『泣いてる!?』

律「何があった梓! この襖の中に何があるんだ梓!」

梓「なにもないーなにもないー。私は何もみなかったー」

律「あずさああああ!」


澪「……と、とりあえず開けてみるか。一体中には何が……」

ススススス


『キャイイイイアアアアアアア!』


パタム


澪「行こうか、律」

律「お前まで! 一体何を見たんだよ!」

澪「何もみなかった。うん」

梓「帰りましょうにゃん」

律「まてええええ!」



617 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/25(月) 00:15:36.44 ID:4RR6YD2J0

律「この襖なんだな! この中に何かがあるんだな!」

澪「開けるな! あけちゃ駄目だ!」

梓「早く帰って皆とマタタビで遊ぶんですにゃん!」

律「開けるぞお!」

ガララララ!


『キャイイイイイイアアアアアアアア!』

律「うるせええええええええ!」

タァンタァンタァン!

『キャアアイイイイイイイイ……』


律「はぁ……はぁ……はぁ……」

澪「り、律。お前すごいな」

梓「まさか、あれを見て驚かないなんて……」

律「なんだよ。襖の中にでっかい顔がクモの巣みたいなの作ってるだけじゃないか」

澪「いや、それが気持ち悪かったんだが」



618 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/25(月) 00:21:15.54 ID:4RR6YD2J0

律「お前ら驚きすぎなんだよ……」

澪「だ、だって。襖開けて中にあんなのがいたら誰だってびっくりするだろうが」

律「だからってあそこまで驚いたりはしないだろう」

梓「いや、あそこまで驚きますって」

律「少し驚いたくらいで語尾ににゃん付けで喋ったり襖の漢字を間違えたりはしないだろ」

澪「何を言ってるんだ」

律「何を言ってるんだろうな……」


梓「さ、早い所戻りましょう。和先輩たちは勿論、ムギ先輩も危ないですし!」

澪「そうだな。早く行くぞ、律!」

律「なんか、ここに来てからお前ら随分調子いいな」



621 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/25(月) 00:31:12.01 ID:4RR6YD2J0

和「……このっ!」

ヒュン!


和「……ああもう。なんなのよあいつら!」

さわ子「さっきから和ちゃんの様子が変だけど、どうしたの?」

和「どうしたの……って……」

さわ子「前から斬りかかろうとするたび斬る目標を見失ってる気がするんだけど……」

和「……なるほど、あれは近づいてみないとわからないのね」

さわ子「何が?」

和「百聞は一見にしかず、ですよ。さわ子先生!」ドンッ

さわ子「ちょ、私を突き飛ばさないでよ!」


さわ子「いたた、うわ、あいつらが近いじゃない! もう……」

ゥゥゥゥゥゥウウウウウ

さわ子「な、なによこれ。急にあたりが暗くなった!?」


『こおおおおこおおおおかあああああああ!』



622 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/25(月) 00:35:38.47 ID:4RR6YD2J0

さわ子「いやあああ!」ダッ



さわ子「はぁ、はぁ。し、死ぬかと思った」

和「わかりましたか? あいつらに近づくと突然あたりが暗くなるんですよ」

さわ子「口で言いなさいよそういうことは!」

和「言っても信じないと思いましたので」

さわ子「信じるわよちゃんと! 第一今ので私が死んじゃったらどうするの!」

和「別に、どうもしませんけど」

さわ子「は、薄情者! 私は悲しいわ……」

和「第一、一番最初に犯人を名乗り出たのはあなたでしょう。じゃあ別にいいじゃないですか」

さわ子「うう、生徒からの信用は薄いわ……」

和「……まぁ、とりあえず今はそんなことしてる場合じゃないみたいですし。
  そのことについては後程」

さわ子「……また後で責められるのね、私」

和「それにしても……厄介ですね。あれ」

さわ子「暗くなること?……確かにやっかいよねえ」



624 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/25(月) 00:45:07.20 ID:4RR6YD2J0

さわ子「まぁ、私は銃があるから平気だけど」ダダダダダ


カキキキキ


さわ子「うええ、あいつらにも銃が効かないの?」

和「とすると、この刀が頼りになるんですが……」

さわ子「銃も多分、顔でっかと同じく後ろからなら効くと思うんだけどね」

和「はさみうちにしますか?」

さわ子「う~ん。どうしましょうか」

和「……とりあえず、私はがむしゃらに斬りかかります」

さわ子「いや、ちょっと待ちなさい。……いいこと考えついたわ」

和「……なんですか?」

さわ子「要は、はさみうちにすればいいんでしょう?」

和「さっきからいってるじゃないですか。
  ……でも、あいつら二人いるから……私と先生を別々に見てるんですよ」

さわ子「つまり、いっぺんにどちらかに注目させればいいんでしょう?」



625 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/25(月) 00:52:19.14 ID:4RR6YD2J0

さわ子「……ふっふっふ。こんなこともあろうかと。持ってきたこれが役に立ったわね」

和「な……っ! なんてものを持って来てるんですか、あなたは!」

さわ子「気にしないの!
    ……いい? 結局のところ、あいつらももともとは人間なのよ。そこをつくわ」

和「あなたの考えが大体わかってきましたよ……」

さわ子「それは光栄ね……。ふふ、楽しくなってきたわ」

和「……はぁ」



さわ子「さぁ! 私たちを見なさい! ゾンビども!」

『おおおおおおおおお!』
『こおおおおれええええはああああ!』


さわ子「メガネをかけたレースクイーン! ウサミミつけたお姉さん、山中さわ子!」

和「……」

さわ子「ちょっと、和ちゃん。ちゃんと自己紹介しなきゃ駄目じゃない!」

和「こちらもおなじく、めがねをかけたけいかんすたいる。
  みぎてにもったけいぼうで、あなたをたいほしちゃうぞ……」

キャルン!



626 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/25(月) 01:01:30.57 ID:4RR6YD2J0

『おおおおおおお!』



和「なんでこんなことに……」

さわ子「だって、あいつらもともと男なんだもん。
    こんなに可愛い美少女が二人いたらじろじろ見てくるでしょう?」

和「美“少女”?」

さわ子「はーい、そこ突っ込んだら負けよ~。……後はこのまま、左右に分かれて行くわよ」

和「はぁ……分かりました」

さわ子「そう、こうやって徐々にお互い距離を取ることで、
    あいつらは釘付けの視線をそちらへと向けて行く」

さわ子「つまり、お互い、どちらか好きな方をじっと見続けるわけだから、
    私たちが動いたらあいつらの目線も動く」

さわ子「やがてお互いが反対側に回ったとき! 両方共どちらかを見ているということになる!」

さわ子「はっ! でもこの作戦には弱点があったわ! もしもあいつらが両方別々の方が好みだった場合」

さわ子「結局別々の方を見てしまう……! こ、この穴には気がつかなかったわ!」

さわ子「まずいわ、和ちゃんこの作戦には弱点が……」


『いいいいいいいいい!』
『ぽおおおりいいいいいいいすうううううううう!』



629 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/25(月) 01:08:00.30 ID:4RR6YD2J0

和「な、何で二匹ともこっちを見てるのよ……。先生の方を見なさいよ」

『いいいいいいいいい』
『めええがああああああねえええええ!』

和「メガネならあっちもしてるでしょう! ……これじゃあ私が斬れないじゃない」

さわ子「……」

さわ子「……そ」


さわ子「そんなに若い方がいいのかああああああ!」


ダダダダダダダダダダダダダダダダダダ


『うううあああああああ!』
『おおおおおおおおお!』

さわ子「まだ終わりじゃ無いわよ!」

ダダダダダダダダダダダダダ

さわ子「もういっちょお!」

ダダダダダダダダダダダダダ



630 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/25(月) 01:15:49.72 ID:4RR6YD2J0

和「……あの、もうどっちも死んでますけど」

さわ子「うわあああん」

ダダダダダダダ

和「それ以上は弾がもったいないから」

さわ子「若い頃は、若い頃はもっともてたのよおおお」

ダダダダダダ

和「……聞いてない。……はぁ」

和「少し落ち着いてください!」ガンッ

さわ子「痛い!」

和「もう終わってます。これ以上は弾の無駄なんですからね」

さわ子「うう……」

和「……あの、私はさわ子先生も綺麗だと思いますよ」

さわ子「どうせこころの中では「年増~」とか思ってるんでしょう?」

和「いや、そんなことは」

さわ子「どうせ私はあなた達の知ってる山中さわ子より三才年取ってるわよお……」



631 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/25(月) 01:23:51.61 ID:4RR6YD2J0

澪「ああ、私今日の夜は眠れない気がする」

梓「私もです……」

律「あ、おーい。二人とも無事だった……」

澪「……」

梓「……」

律「……何、やってるんだ? 二人して」


和「ち、違うわよ!? 私は別に着たくて着たんじゃ」

さわ子「和ちゃんの魅力であいつらをメロメロにしてたのよ」

和「せ、先生! 嘘……と言うわけでもないけど、
  誤解させるようなこと言わないでください!」

律「そ、そうか。……やっぱり、ゾンビは好きな相手とか……ゾンビなのか」

和「な、ち、違うわよ! 何を言ってるのあなたは!」

澪「い、いくらゾンビとはいえ、求婚する相手くらい選んだ方が」

和「ああもう! 哀れみの入った目でみないで頂戴!」

梓「……」

和「唯一の良心であるあなたにそんな目をされたら、私はどうしたらいいのよ……」



632 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/25(月) 01:33:40.87 ID:4RR6YD2J0



和「着替終わったし。あとはムギを助けに行くだけね」

さわ子「え~、そのままでよかったのに」

和「あんな恥ずかしいかっこうして行きたくないわよ」

澪「しかし、裸の和をこんなところでみるとは……」

和「……色が悪くなってたでしょう?」

律「いや、一部のマニアには受けるんじゃないか」

和「受けたくないわよ……」

梓「それよりも……!」

さわ子「ええ、早くムギちゃんを追いかけに行きましょう!」

『おー!』



憂『ふーん。やっとくるんだ。……楽しみだなぁ』




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梓「学校中がゾンビだらけに……いったいどうすれば……」#4
[ 2011/09/07 20:31 ] ホラー | SIREN | CM(0)

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