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梓「学校中がゾンビだらけに……いったいどうすれば……」#5 【ホラー】


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梓「学校中がゾンビだらけに……いったいどうすれば……」#1
梓「学校中がゾンビだらけに……いったいどうすれば……」#2
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梓「学校中がゾンビだらけに……いったいどうすれば……」#7




636 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/25(月) 02:06:07.44 ID:4RR6YD2J0

唯「……憂」

さわ子「ごめんなさい! 私が、私が軽率なことをしなければ!」

唯「……さわちゃん先生は悪くないよ。……悪いのは、私だから」

梓「そんな! 唯先輩は悪く無いです!」

唯「ううん。……こうなるってわかってたはずなのに。わかってたはずなのに!」

唯「どうして止めることができなかったんだろう!
  ずっと、ずっと側にいてあげるって言ったのに!」

梓「……唯先輩」

澪「あれから3年。……やっと復旧したっていうのに」

律「またあの時代で、同じことが起こるのか……」

梓「きっと、私たちの前の人も、その前の人も……同じことを……」

唯「終わらせないと。私で終わらせないと! じゃないと……じゃないと」

唯「なんとかならないの? もう元には戻らないの?」

さわ子「今、ムギちゃんが一生懸命頑張ってくれてるけど……」

唯「憂……」



637 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/25(月) 02:11:10.58 ID:4RR6YD2J0



唯「……ほぇ」

憂「どうしたの、お姉ちゃん」

唯「なんだろう。なんだか、夢を見ていた気がする」

憂「夢?」

唯「うん。……でも何か本物っぽい夢だったよ」

憂「……もしかして、予知夢なのかな……」

唯「そうだったとしたら。……私。がんばらなきゃ」

憂「何を?」

唯「憂を守ってあげるのを!」

憂「お姉ちゃん……。ありがとう」

唯「うん。……それにしても、ここはどこなんだろうね」

憂「周りを見渡しても何も無い場所だね」

唯「少なくとも、あの時見た海じゃないよね」

憂「うん。ちがうと思う」



638 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/25(月) 02:19:14.43 ID:4RR6YD2J0

唯「う~ん」

憂「あ、あれ見てお姉ちゃん。あそこに何かあるよ!」

唯「本当だ……!」

憂「行ってみようよ」

唯「うん!」



唯「なんだろうこれ。ピラミッドみたいだね」

憂「本当だ。……これ何に使うんだろう?」


憂『あれ、そっちの方が先に来ちゃったんだ』


唯「! 憂!」

憂「憂、さん」

憂『ふーん。仲直りできたんだ。……それにしても、どうやってここまで来たの?』

唯「よくわからないけど、演奏したらここに来たんだよ!」

憂「間違ってないけど。……それだけじゃよくわからないと思うよ、お姉ちゃん」



639 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/25(月) 02:26:03.73 ID:4RR6YD2J0

唯「と、とにかく。同じ憂なのにどうしてこんなことをするの!」

憂『その話は前に憂ちゃんにした気がするんだけど』

唯「そうなの?」

憂「……うん。その人は、さわ子先生のタイムマシンで過去に行ったんだよ」

憂「……でも、そのタイムマシンが何故か故障しちゃって、
  それでずっと元の時代に戻れなくなってしまった」

唯「過去に行ったってことは……もしかして」

憂『うん。ずっとお姉ちゃん達を見続けてきたよ。お姉ちゃん達の成長過程も、ね』

唯「えへへ、なんだか照れるな~」

憂「お、お姉ちゃん。照れてる場合じゃないよ」

唯「そう? でも私の色々なところみられちゃったから、ちょっと恥ずかしいなぁ」

憂「もう、お姉ちゃんたら」


憂『……』

憂『本当に、イライラするなぁ』

憂『私はもうお姉ちゃんに甘えることができないっていうのに、私の前でイチャイチャして……』

憂『イライラする。……イライラするよ……!』



640 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/25(月) 02:33:20.77 ID:4RR6YD2J0

唯「う、うい……?」

憂『憂ちゃんにも言ったけど。私ね、もうこの世のすべてが嫌いになったんだ』

憂『律さんも澪さんも紬さんも梓ちゃんも純ちゃんも
  さわ子先生も和さんも憂ちゃんもお父さんもお母さんもお姉ちゃんも!』


憂『誰も私を助けてくれなかった! 誰も私をみてくれなかった!』

唯「憂……」

憂「憂、さん……」

憂『特に、今私の目の前で見せつけてくれるあなた達は一番嫌いだよ』

唯「う……うい」

憂「だから、なるべく苦しんで死んで欲しいんだ。……それでね」

憂『一体どんなのが、お姉ちゃん達にとって一番苦しい死に方なのか、私一生懸命考えたんだよ』

憂『一番最初に考えついたのが、憂ちゃんに殺される。またはお姉ちゃんに殺されるって言う展開』

憂『でも、二人はそんな私の策を破ってきちゃったから、これは無し』

憂『それじゃあ、その次に苦しい死に方って? なんだか分かる?』

唯「……」

憂「……」



642 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/25(月) 02:43:03.42 ID:4RR6YD2J0

憂『……やっぱり、同じけいおん部の人に殺されることかな。ってね?』


紬「……」


唯「ム、ムギちゃん!」

憂「紬さん!? い、一体何を!?」

憂『お姉ちゃんなら経験があるでしょう? 梓ちゃんや律さんがおかしくなった時のこと』

唯「う、うん。急に私たちを倒そうとしてきて……」

憂『あれね、私の血を二人の中に注入したからなの。
  ……ゾンビの統率者がそれぞれのゾンビを統率できるように』

憂『私も、私の血が流れてる人間を操ることができるんだ。
  ……だから、梓ちゃんや律さんがお姉ちゃんを殺そうとしたんだよ』

憂『そして、今度は紬さん。……それに、今度は持ってる武器が機関銃だよ』

憂『さぁ、紬さん。お姉ちゃん達を蜂の巣にしてあげてね』

憂『私のことは気にしなくていいから。ちゃんと殺してあげて、ね?』



紬「了解、射殺します……」



643 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/25(月) 02:51:49.15 ID:4RR6YD2J0



澪「しかし、なんなんだここは」

和「あの光ってたところから出たらすぐ外だと思ったけれど」

さわ子「なんか螺旋階段になってるわねえ」

律「それはいいんだが、降りていくってのがどうにもな」

梓「少し怖い気がします」

澪「そうだな。……お、底がみえてきたぞ」

律「はあ、やっとか。長かったなぁ」

和「そうね。でもこれからが本番よ。気を引き締めていかないと」

梓「ムギ先輩、無事でしょうか」

さわ子「なぁに。ムギちゃんのことだから心配はいらないと思うわよ」

澪「……そうだな。なんたってこんな時までお茶とお菓子を持ってくるくらいだからな」

律「おーし。それじゃあ早い所助けにいこうぜ」


和(……唯。貴方は今どこにいるの?)

さわ子「……きっと、大丈夫よ、ね」



644 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/25(月) 03:00:44.70 ID:4RR6YD2J0

澪「ふぅ、ついた。……な、なんだここ!?」

律「どこを見ても同じ景色ばっかりだな~」

梓「それに、なんだか空が変です」

和「……しっ! ……どこからか銃声が聞こえるわ」

澪「なんだって!? む、ムギが危ない!」

律「どの方向から聞こえてくるんだ?」

和「……あっちの方向からね」

さわ子「あっち? ……その方向に、変なものが見えるわよ」

律「決まりだな! その方向に向かって行こう」

澪「……ムギ、無事だといいな」

さわ子「きっと大丈夫よ」


和「……感じるわ」

梓「何をですか?」

和「その方向に憂ちゃんがいる。……多分、唯もいるわ」

澪「本当か!?」



660 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/25(月) 12:29:59.20 ID:4RR6YD2J0

梓「あれ、何か変なものが見えてきましたよ」

澪「本当だ。……なんだあれ」

律「ピラミッドみたいだな。……まさか、あれはミイラの墓!」

澪「や、やめろよ。ミイラなんている訳ないだろ!」

和「……」

さわ子「和ちゃんが何か言いたそうに澪ちゃんを見ている……」

和「いや、別に何でも無いけど……」

澪「……あ」

律「どうし……この音は!」

梓「和さんの言ったとおりです! これは銃声ですね」

さわ子「……それにこれはムギちゃんのマシンガンの音ね。
    ……そうすると堕辰憂と戦ってるのかしら」

和「でも、堕辰憂の姿が見えません。……私たちには見えないだけなの?」

澪「ここからじゃまだよく分からない……もっと近づいてみないと」

律「そうだな。皆、急ぐぞ!」



661 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/25(月) 12:35:48.78 ID:4RR6YD2J0

澪「……な、何か様子がおかしくないか?」

律「確かに……やっぱりあのでっかいタツノオトシゴっぽいやつの姿は見えないしな」

さわ子「あら、あそこにいるの唯ちゃん達じゃない?」

梓「ほ、本当だ! よかった、無事だったんですね」

和「いや……待って、何か変よ」

澪「だから様子がおかしいって私が言ったじゃないか」

和「そう。おかしいのよ。……どうして」


和「どうしてムギが唯達に向けて発砲しているの?」


律「な……!」

梓「ま、まさか」

さわ子「暫く足止めしていたのはこういう理由があったのね。……皆、今すぐ加勢しに行くわよ」

澪「加勢って……何をすれば」

さわ子「とりあえず憂ちゃんをとっちめればなんとかなるでしょ!」

和「安易な……と言いたいところだけど、それが一番良さそうね……!」



663 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/25(月) 12:43:34.78 ID:4RR6YD2J0



唯「うわぁ!」

憂「お姉ちゃん!」

唯「憂、手をはなさないでね!」

憂「う、うん!」


ダダダダダダダ


唯「と、とりあえずこのピラミッドの反対側に回らないと」

憂「う、うん。……でも、これからどうするの?」

唯「ど、どうするって言っても。
  ……そうだ、あずにゃん達を元に戻したのはたしか石太のおかげだったよ!」

憂「じゃ、じゃあそれを紬さんにあてれば……!」

憂「……! お姉ちゃん、そっちに行って!」

唯「え?」


ダダダダダ



673 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/25(月) 19:34:43.53 ID:4RR6YD2J0



唯「あ、危なかった~……憂が教えてくれなかったら……」

憂「……やっぱり、私なら紬さんが何処にいるか大体分かるみたい」

唯「そ、そうなの?」

憂「うん。……とりあえず、暫くはそうやって何とかかわしていけると思うけど……」

唯「その間に、何かいい方法を考えなくちゃいけないんだね……」

憂「うん。……今のところは、やっぱりその……えぇと」

唯「石太!」

憂「……を使うことが重要だと思うけれど」

唯「そうだね。……それじゃあ、タイミングが大事だね……」

憂「うん。何とかして……。お姉ちゃん! 右から来てる!」

唯「わ、わかった!」タタタタ


紬「……」


唯「ム、ムギちゃんが怖い……」



674 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/25(月) 19:46:17.39 ID:4RR6YD2J0

澪「あれは!」

律「ム、ムギ!」

和「……どうやら、憂に操られてるみたいね」

さわ子「このままじゃお茶とお菓子が食べられないわ」

梓「そんなこと言ってる場合じゃ……」


憂『あ、やっときたんだ。……もう、待ちくたびれちゃったよ』


和「そう。それは悪かったわ。お詫びに一思いで終わらせてあげる」

さわ子「そして早くムギちゃんを元に戻してもらうわよ」

和「……そうね。ムギが今狙ってるのはあいては……大方予想がつくけど」

憂『はい、お姉ちゃんと憂ちゃんを殺すようにいいました』

梓「なっ!」

律「やっぱり、ムギも私たちと同じようなことしたんだな」

澪「同じようなこと……?」

憂『……まぁ、積もる話もあるでしょうけど。そんなに話してる時間もないでしょう?』



675 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/25(月) 19:51:19.46 ID:4RR6YD2J0

和「当たり前じゃない。……さっさとそこをどきなさい」

憂『いいですよ。私はどいてあげます。……私はね』


梓「あれ、どいちゃいましたけど……」

和「……そうね」

さわ子「あの変なでかいのを出してくるんでしょう? まったく意地が悪いと言うか」

律「と、とにかく。さっさと倒してムギを元に戻して」

澪「後は唯達を助けるだけだな」

憂『そうですね。それでは頑張って下さい』



『ゥゥゥゥゥゥゥゥウウウウウウウウウウウウウ!』


『ィィィィィィィィイイイイイイイイイイイイイ!』



憂『堕辰憂と蚕子相手に、ね』



676 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/25(月) 19:57:44.22 ID:4RR6YD2J0

律「にぃっ……!?」

澪「二匹いいい!?」


和「……っ」

さわ子「こ、これは……!」

憂『感謝します、さわ子先生。貴方が居なければ蚕子は存在しなかった』

梓「ど、どういう事なんですか!?」

さわ子「……」

和「大体わかる気がするわ」

澪「え?」

和「堕辰憂を最初見たとき。なんとなく憂に似てると思ったのよ」

律「全然似てねぇよ!」

和「外見の話じゃなくて。……雰囲気とか、そういったものよ」

澪「そういうもんか……」

和「そして、あの蚕子からは、先生の雰囲気がする。……つまり」

さわ子「……」



678 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/25(月) 20:08:17.72 ID:4RR6YD2J0

憂『和さんの探偵っぷりには驚かされます。雰囲気、で答えちゃううあたりが特に』

憂『そうですよね、さわ子先生?』

さわ子「……そうね」

澪「え? え? い、一体どういう事なんだ?」

和「つまり」

さわ子「いいわ、そこからは私が説明するから」

和「……別にいいですけど、早くして下さいね。こっちは時間が無いんだから」

さわ子「相変わらず、厳しいわね」


さわ子「和ちゃんの言うとおり、あそこにいるゾンビは、私と憂ちゃんに関係があるわ」

さわ子「あれはね、私と憂ちゃんの血液を注入して作ったゾンビなのよ」

澪「作った!? ゾンビを!?」

さわ子「ええ。……と言っても、一から作ったわけじゃなくて、
    素体に私と憂ちゃんの血を注入して、それにウイルスを加えた、って感じね」

梓「ウイルス? ……やっぱり、このゾンビ騒ぎの原因はウイルスなんですか?」

さわ子「ええ。そう。……私たちは偶然にも……いえ、必然的にそのウイルスを作り出してしまったの」



681 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/25(月) 20:22:30.88 ID:4RR6YD2J0

和(長くなりそうね……)

さわ子「そもそも、このウイルスは憂ちゃんの血液に色々混ぜた結果できたものなのよ」

梓「色々って、何を入れたらできたんですか?」

さわ子「……適当に」

律「適当に入れてできるもんなのか!?」

さわ子「一応、タイムマシンを作る過程で学んだことは生かしてあるけど。
    それでも適当に色々入れたらできたのよね」

澪「そ、そんな適当に入れたのに、よくそんなものが出来ましたね……」

さわ子「入れる過程は問題じゃなkったのよ。重要なのはこのウイルスができるという結果よ」

澪「?」

さわ子「私たちはね。この騒動を過去に一度経験してあるの。
    ……私は未来から来たことは皆知ってるわよね?」


律「いや、初耳だったんだけど」

梓「わ、私も初めて聞きました」

澪「そ、そういえば。私たちが知ってる先生より若干老けてる……いや、歳を取ってる気が」


さわ子「澪ちゃん、後で私の着せ替えショーにたっぷりと付き合ってもらうわねえ」



683 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/25(月) 20:31:51.81 ID:4RR6YD2J0

和(長いわ……)

さわ子「私とそこの憂ちゃんは未来から来たの!
     で、どうやって未来から来たかというとタイムマシンで来たの!
     タイムマシンを作ったのは私です! はい、これで文句ないでしょう!?」

梓「な、何で急に怒りだしたんですか」

澪「わ、私に聞くな」

律「そ、それで。ウイルスができたこととさわちゃんが未来から来たこととどう関係があるんだよ」


さわ子「つまり。私はこの大災害を一度経験してしまっている。そして、何故こんなことが起きたのかも」

さわ子「ウイルスができた理由が憂ちゃんの血液を弄ってできたと言うことも知った。
    後は適当に入れればいいということも」

さわ子「つまり、未来の私たちが事件が起こる前の過去に行き、ウイルスを作ろうとすれば。
    それは何があろうと作れてしまうと言うことよ。わかった?」


梓「……?」

律「……?」

澪「……?」


さわ子「その顔はわかってないって顔よね……」



684 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/25(月) 20:41:32.53 ID:4RR6YD2J0

和(……今のうちに唯を……無理ね、ガードが硬すぎる)

憂『つまり、この大災害は必ず起きることなんです』

憂『そして、私たちがそれを起こそうとしたならば、
  それはどんなことがあろうとも起きてしまう、といことです』

澪「……ええと、結局ウイルスが作られてそれが頒布されることが確定してるのだから」

律「途中にどんな変な液体を入れたとしても、ウイルスはできてしまう、って事か?」

梓「イマイチ良くわかりませんけど、できてしまう、ってことは分かりました」

さわ子「悪かったわね。説明するのは苦手なのよ」


憂『そして、作ったウイルスを私の血液と一緒にタツノオトシゴに注入し、できだのが堕辰憂』

さわ子「そして、作ったウイルスを私の血液と一緒に蛆に注入し、できたのが蚕子というわけよ」


澪「……憂ちゃんのは、まだなんとなくわかる気がする。でも」

律「なんでさわちゃんは蛆に注入したんだ?」


さわ子「……」

憂『一時の情って奴ですよね。……ふふ、面白かったです。あの時は』



685 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/25(月) 20:47:10.62 ID:4RR6YD2J0

和「……あの時?」

憂『あれ? 隙を見て助けに行かなくていいんですか?』

和「白々しいわね」

憂「」



686 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/25(月) 20:54:31.19 ID:4RR6YD2J0

和「……え、そんなに固まる話だった?」

憂『いえ、すみません』

さわ子「私の昔話を言うのが嫌で固まっちゃったとか?」

憂『まさか、私は言いたくて言いたくてうずうずしてるんですから』

さわ子「悪趣味ね……」


澪「昔話?」

さわ子「昔って言うほど昔でもないわ。……せいぜい3年後の5年前くらいね」

律「……?」

梓「未来から来た人が過去に行くと時系列がぐちゃぐちゃになりますよね」

和「どうでもいいから。話すならさっさと話しなさい。私はさっさと唯を助けに行きたいのよ」

憂『そうですね。……私が話ましょうか?』

さわ子「いえ、私から話すわ。……あれは、私がウイルスづくりの研究をしていた時よ」

さわ子「そもそも、何で私がそんなことをしていたのか。……理由は簡単」

さわ子「憂ちゃんにね、私の大切な人を人質にとられていたのよ」



687 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/25(月) 21:06:11.93 ID:4RR6YD2J0

和「大体予想はついていたけどね……」

さわ子「まぁ、そのせいで私は憂ちゃんの実験に付き合わされたってわけ」

憂『せめて、復讐って言って欲しいんですが』

さわ子「あいてが居ないのを復讐とは呼ばないわ。
    ……まぁ、今は安全なところにあの人がいるからこうして応戦できるんだけどね」

さわ子「……それで、そのウイルスを作ってるときに、私たちの研究室に、一匹の蛆がわいたのよ」

梓「うう、と、鳥肌が」

澪「……」ギュゥ

律「澪、耳を塞いでちゃ何も聞こえないぞ」

さわ子「それを見た憂ちゃんが大激怒してね」

さわ子「『私の偉大なる場所に入ってくるな~』ってね。
    それはもう見てるこっちが恐怖で泣いちゃうくらい怒っていたわ」

さわ子「その足でなんどもなんども踏みつぶすのを見てるうちにね、
    なんとなく。可哀相だなって思ったのよ」

律「蛆を!?」

和「蛆を?」

さわ子「……そういうふうに言わないでよ。その時の私は本気でそう思ったんだから」



688 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/25(月) 21:14:32.44 ID:4RR6YD2J0

さわ子「逃げたくても逃げられない場所にいた私と、
    たまたまそこにいた蛆が……私と重なっちゃったのかな」

律「蛆と!?」

澪「自分が!?」

さわ子「ああもう! 別にいいじゃない! もう!」


憂『あの時の先生は、今思い出しても笑いがこみ上げてきます』

憂『茶色く変色した蛆を両手で包んで「やめて!」……って泣き叫ぶんですから』

さわ子「……」

憂『その結果がこの蚕子です。……どうですか? 自分が助けた蛆さんの成長した姿は』

さわ子「……そうね。……正直、不快だわ」


律「自分が助けたのに!?」

和「身勝手ねぇ」

さわ子「そうね。……でも、それ以上に」


さわ子「私が助けた子が、あなたにいいように使われているのがたまらなく不愉快なのよ」



689 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/25(月) 21:24:45.78 ID:4RR6YD2J0

『ィィィィィィィィィイイイイイイ!』

『ゥゥゥゥゥゥゥゥウウウウウウウウウウウ!』


さわ子「来るわよ!」

和「はぁ、やっとですか。先生が語ってる最中何度気絶させようかと」

さわ子「わ、悪かったわね!」

梓「でも、先生。いいんですか?」

さわ子「何が?」

澪「何がって……身を挺して守ったのを……」

律「私たちが倒しちゃってもいいのかよ……」

さわ子「構わないわ。……いずれにしろ、倒さなきゃ私たちがやられるんだから」

律「そういうなら、別にいいけど」

和「そうね。……それじゃ、本気で行くわよ」


憂『……そうして、私はまた高みの見物、なんてね』



691 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/25(月) 21:35:53.22 ID:4RR6YD2J0

唯「……はぁ、はぁ」

憂「お、お姉ちゃん、大丈夫?」

唯「ちょ、ちょっと休憩……」

憂「でも、私たちの対角線上に紬先輩がいるから、休んでいたら追いつかれちゃうよ」

唯「えぇ~? で、でもほら。ムギちゃんもそろそろ疲れてくる頃だろうし」

憂「……ううん。そんな気配はしない。
  多分、憂さんがそういう風にならないようにしたんだと思う」

唯「って、ことは、今のムギちゃんは疲れないの!?」

憂「多分……」

唯「え~、それずるいよぉ!」

憂「そ、そんなこと言われたって。……お、お姉ちゃん!」

唯「うわ~ん、ムギちゃんそろそろ休んでよ~!」


ダダダダダ



693 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/25(月) 22:03:00.28 ID:4RR6YD2J0

唯「あ~もう、逃げまわるのは無し!」

憂「え、何かいい策でも思い浮かんだの?」

唯「ない!」

憂「お、お姉ちゃん……」

唯「でも、このままだと、疲れて動けなくなっちゃうよ」

憂「そ、それは確かにそうだけど。……でも、じゃあどうしよう」

唯「……う~ん、ムギちゃんの後ろ側に回り込んで撃つ、っていうのがいいと思うけど」

憂「それをしようと思ったら逆に撃ち抜かれそうになってたよね」

唯「うう……」

憂「……あ、もしかしたら」

唯「憂?」

憂「純ちゃんの時と同じ様に、紬さんの心に話しかけることができるかも」

唯「おお~。それじゃ、私がムギちゃんの後ろに忍び寄るから」

憂「純ちゃんの時と同じく、動きを止めればいいんだね」

唯「うん!」



695 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/25(月) 22:18:18.30 ID:4RR6YD2J0

唯(そーっと、そーっと忍び寄って)

唯(いた、ムギちゃんだ! キョロキョロしてるってことは、わたしをさがしてるみたい)

唯(あらかじめ憂から居場所を聞いていたから、先手を取ることが出来たよ!
  ……と言っても、ピラミッドの周りを回ってるだけなんだけどね)

唯(よーし、憂、オッケーだよ~)ヒラヒラ


憂(あ、お姉ちゃんからの合図だ)

憂(よーし。紬さんの反応を探って。……これ、かな)

憂(なんだろう。いつもみたいに綺麗に見られない……でも、なんとかなるよね)

憂(紬さん! 聞こえて)


憂〈は~い、こんにちは、憂ちゃん〉


憂(な……何で、紬さんの中にあなたが……!)

憂〈ふふ、お姉ちゃん達ならきっとこの手を使ってくるだろうと思ったからね〉

憂〈憂ちゃんが紬さんの心を覗いたときには、私からのメッセージを送れるようにしておいたの〉

憂(あ……)

憂〈早速だけど憂ちゃん。お姉ちゃんが嫌いなんでしょう?〉



696 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/25(月) 22:29:38.45 ID:4RR6YD2J0

憂(な、何を言って!)

憂〈だって、だからお姉ちゃんを殺そうと特異点で二人っきりになったんじゃない〉

憂(そ、それはあなたが!)

憂〈素直になりなさい。嫌いなんでしょう?〉

憂(い、いい加減に!)

憂〈だって毎日こき使われて、自分が居ないとなんにもできない癖に
  でもけいおん部なんて作ってそこに入り浸った〉

憂(や、やめて! そんなんじゃない! お姉ちゃんは!)

憂〈自分が今までしてあげたことに対する感謝の気持ちも持たないでノウノウと暮らしていて。
  ……これで嫌いにならないなんておかしいよね〉

憂〈嫌いになって当然。……だから遠慮なんかしなくていいんだよ。嫌いなら嫌いって言って〉

憂(違う! お姉ちゃんは優しくて、あったかくて! それで……)


憂〈自分の役目なんか放棄して、紬さんに殺されるところをちゃんとみましょう?〉


憂(え……? あ……)

憂「お姉ちゃん!」


ダダダダダダダ



698 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/25(月) 22:41:53.26 ID:4RR6YD2J0

唯(よーし、後は憂が動きを止めてくれれば!)

唯「ムギちゃん、今助けるからね」

紬「……」

唯(や、やっぱり振り向くのが早い! で、でも憂が動きを……)

唯「動きを……あれ?」

唯(気のせいかな、ムギちゃんいつもどおりキビキビ動いてる気がするんだけど)

唯「と、ともかく石太を……あれ、憂?」

唯「憂! どうしたの!? 体が震えてるけどだいじょう」

紬「……」

唯「……あ、れ」


ダダダダダダダ


唯「……あ、」

憂「お姉ちゃん!」

唯(憂……。何か、バカだな私。
  色々なことに気をとられて肝心のチャンスを逃しちゃった……のかな。
  ……多分そうなんだろうな)



701 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/25(月) 22:55:18.30 ID:4RR6YD2J0

唯「……う」

憂「ごめんねおねえちゃん! 私が、私が上手くできなかったから!」

唯「ういの、せいじゃないよ。……私が……ぼーっと……」

憂「お姉ちゃん? お姉ちゃん!」


紬「……」


憂「あ……紬、さん」

唯「……憂……」スッ

憂「これは……」

唯「憂、頑張って、ね?」

憂「お姉ちゃん? お姉ちゃん!」

唯「だいじょうぶ。……ういは、しんぱいしょう、だなぁ」

唯「ちょっと、おひるねするだけだから……ね」

憂「お姉ちゃん……」

唯「お休み。……うい……」



706 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/25(月) 23:07:15.65 ID:4RR6YD2J0

憂「……」

紬「……」

憂「私は。お姉ちゃんがすき。それだけは。これからずっと変わらないと思うから」

憂「だから。……お姉ちゃんが好きな紬さんを、私が助けます。……お姉ちゃんから貰ったこれで」


憂「アンムギ。……お姉ちゃんが、ずっと大事そうに持っていたこれで」


紬「……」

憂「……大丈夫。これのおかげで致命傷じゃないみたいだから」

憂「だから、そんなに悲しそうな顔をしないで下さい、紬さん」

紬「……」

憂「……お姉ちゃん。私に力を貸して。お姉ちゃん!」


『アンムギにはね、悪い部分を完全に倒す力があるんだよ』


憂「今の声……お姉ちゃん?」

『憂。自分を信じて。絶対できるって。私なんかより憂の方が凄いんだから。
 ……その力で、ムギちゃんを救ってあげてね』



708 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/25(月) 23:22:05.04 ID:4RR6YD2J0

憂「……お姉ちゃん」

紬「……」

憂「大丈夫、わかってます。
  ……私が目の前にいるのに撃ってこないってことは、対象はお姉ちゃんだけだったんですね」

憂「でも、お姉ちゃんを撃つには、私が邪魔。……ですよね」

紬「……」

憂「どうぞ。撃ってきて下さい。……全部防ぎますからっ」



ダダダダダダ

キキキキキキキ


紬「……」

憂「びっくりしましたか? ……何処を撃ってくるのかがわかれば、私でも防ぎようがあります」

『びっくりしたぁ……』

憂(ご、ごめんねお姉ちゃん。びっくりさせちゃって)

『こんなところで死なないってのはわかってるけど。それでも心臓に悪いよ~』

憂(……? よくわからないけど、ごめんね)



709 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/25(月) 23:32:34.40 ID:4RR6YD2J0

紬「……」カチャ

憂「大丈夫です。リロードしてる間に襲おうとか考えてませんから」ザッ

紬「……」ザッ


ダダダダダダダ

キキキキキキキ

紬「……」

憂「……」ザッ

紬「……」ザッ


ダダダダダダダ

キキキキキキキキ


憂「当たりませんよ」ザッ

紬「……」ザッ

『……でも、このままじゃ、膠着状態だよ。……どうするの、憂?』



711 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/25(月) 23:40:23.14 ID:4RR6YD2J0

憂「……」ザッ

紬「……」ザッ

憂「そうそう、先程、リロードしてる間に襲おうと考えてない、と。私はいいましたよね」

紬「……」


ダダダダダダ

キキキキキキ


憂「あれを訂正する気はないです。……私は、そんなことしませんから」ザッ

紬「……」ザッ


ダダダダダダ

キキキキキキ

憂「私は……ですが」

紬「……」カチャ


憂「今だよ! お姉ちゃん!」



712 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/25(月) 23:51:55.46 ID:4RR6YD2J0

唯「……えぃ!」カチッ


シュウウウウウウオオオオオオ!


紬「……!」


憂「これが! 私とお姉ちゃんの! 絆の深さだよ!」

唯「憂が石太の射程距離内までムギちゃんをおびき寄せる。あとは私が石太を発動させれば」

『ムギちゃんを、もとに戻すことができる!』


紬「……う、うう……!」

シュウウウウウウウオオオオオオオオ……


紬「……」フラッ

憂「紬さん!」ガシッ


唯「ム、ムギちゃん。……いてて」

憂「お姉ちゃんも無理しないで。怪我してないとはいえ、それでも銃弾をまともに受けたんだから」



713 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/26(火) 00:02:30.20 ID:4RR6YD2J0

憂「と、とりあえず。二人とも……ここに寄りかかって」

唯「う~、いてて」

憂「ごめんね。……私が、ちゃんと動きを止めなかったから」

唯「憂のせいじゃないよ~。……私がちゃんとしっかりしていれば」

憂「そんな。お姉ちゃんは悪くないよ!」

唯「違くないもん。悪いのは私だから!」


紬「……」


唯「うわ! ムギちゃんが鼻から血を流してる!」

憂「も、もしかしてさっきの炎のせいで!? ど、どうしよう」

紬「う……う~ん」

唯「起きた!」

憂「だ、大丈夫ですか!? 紬さん」

紬「……ふ、二人とも。……わ、私! なんてことを……!」



715 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/26(火) 00:09:46.33 ID:iSwG+gcR0

唯「だ、大丈夫だよ! ムギちゃんのせいじゃないから!」

憂「そうです。悪いのは。……悪いのは」

唯「憂……」

紬「……私ね、途中から、憂ちゃんの声が聞こえるようになったわ」

紬「暗い中で、ずっと一人で居たときにね、憂ちゃんの声が聞こえたの」

紬「それがね、スゴク嬉しくて。……私」

憂「紬さん……」

唯「ムギちゃん……」


『鼻血吹いた方がいいと思うよ』


紬「え? ……あわ、あわわ」

唯「えっと、はい、ティッシュ」

紬「あ、ありがとう唯ちゃん」



716 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/26(火) 00:18:36.80 ID:iSwG+gcR0



澪「こ、このぉ!」タァンタァン

『ィィィィィィィイイイイイ』

澪「うわぁ!」


律「だ、大丈夫か澪!」

澪「なんとな。……だけど、あいつ、体がばらばらになったぞ!?」

さわ子「……そこまでできるようになったのね」

和「わが子を見つめるような目でみないで下さい。……それにしても、本当に厄介ね」

梓「空中にいるから、私の爆弾も効かないし……」

和「私も斬ろうと思ったのだけれどね……」


さわ子「蚕子はともかく、堕辰憂の方は私たちじゃ姿が見えないから攻撃しようがないわ」

和「ですね。……そうなら」

律「先に、蚕子だけを集中的に狙う。……っていう話しだろ」

和「ええ。その方が効率もいいしね」



719 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/26(火) 00:29:19.57 ID:iSwG+gcR0

さわ子「それじゃあ、いくわよ」

和「ええ。……今ここで変な情を出さないで下さいね」

さわ子「流石にださないわ。……それに、今はあの娘を倒すことが救うことだもの」

澪「あの娘……」

律「女なのか」

さわ子「いや、知らないけれど。女だった方がいいじゃない」


紬「それについては同感です」


ダダダダダダダ


『ィィィィィィィイイイイイイイイ!!』


澪「ム……」

律「ムギ! 正気に戻ったのか!」

紬「ええ。……お騒がせして、ごめんなさい」



720 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/26(火) 00:38:37.65 ID:iSwG+gcR0

和「ムギが戻ったってことは……唯達は!?」

紬「いま、憂ちゃんと対峙しているわ」

律「あ、あいつら二人だけで大丈夫かよ」

澪「それよりも、私たちの心配した方がいいかもしれない……」

和「……そうね。私たちはさっさとこいつを倒して、唯達に加勢しましょう」

さわ子「ええ。ムギちゃんがくれば百人力! 行くわよ!」

紬「どんとこいです!」


『ィィィィィィィィイイイイイイ!』


和「うるさいわ、少し黙っていなさい!」シュバッ

『ィィィィィイイイイ!』ザザザザ

和「……! この、私が斬る前にばらばらになるなるんじゃないわよ!」

『ィィィィィイイイイイ!』


紬「でも、元に戻った瞬間には隙が出る……!」

梓「そこで、私の爆弾の出番です!」



721 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/26(火) 00:47:30.18 ID:iSwG+gcR0

さわ子「最初から狙っていたのはこの瞬間」

澪「この瞬間が唯一無二の隙!」

律「唯?」

澪「えぇい、ここで変なこと言ってる場合じゃないだろう!」


梓「ええええい!」

ヒュウウウゥゥゥゥウ

カチッッ


梓「やった、私の爆弾がつきました!」

和「これで、きっと大ダメージを与えられるわね……」


『ィィィィィィィイイイイイイ!』


澪「へ? うわぁ!」ガンッ!

律「澪!?」

澪「っ……いた……!」



723 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/26(火) 00:55:21.88 ID:iSwG+gcR0

律「澪、大丈夫か!?」

澪「な、何とか。……ちょっと引っかかれただけだから」

律「ぞ、ゾンビに引っかかれたって!?」

澪「あ、安心しろ。大丈夫だから」


梓「ね、ねぇ紬先輩。……爆発しないんですけど」

紬「……も、もしかしたら」

さわ子「な、何? 嫌な予感しかしないんだけど」


紬「梓ちゃんに渡した爆弾は、誰かが近づくと爆発する仕掛けになっているのよ。……でも」

和「本来罠にかけるやつに爆弾を設置したから、
  爆弾はあいつを認識せず、爆発しない。……そういうことね」

紬「……多分、そうだと思う」

梓「そんな……! じゃ、じゃあ私がしたことって意味がないってことですか!?」

澪「せ、せっかく逆転への糸口が見えたっていうのに……」

律「くそ……どうすりゃいいんだ!」


さわ子「……」



726 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/26(火) 01:05:17.40 ID:iSwG+gcR0

律「そ、そうだ! 銃であの爆弾を撃てば爆発するんじゃないか!?」

澪「な、なるほど。律にしちゃまともな意見だな」

律「おい」


『ィィィッィィッィイイイイイイイイ!!』

ギュルグウルウウウウ


梓「……な、なななななな」

和「じ、自分の体を強引に捻って……」

紬「爆弾があった部分を、自分の体の中にしまっちゃった……」

澪「ありかよ……そんなの」

梓「ム、ムギ先輩。ああいう場合どういうふうにすればいいんですか!?」

紬「中がどういう状況だかわからないけど……
  少なくとも、今の状態だと爆発する見込みは……殆どないわ」

梓「そんな……!」


さわ子「なら、あの爆弾をまた外に出せばいいわけね」



727 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/26(火) 01:13:09.46 ID:iSwG+gcR0

和「……何を考えているの」

さわ子「多分、和ちゃんが考えてることと同じことよ」

和「……」


さわ子「皆、お願いがあるの」

紬「お願い、ですか?」

さわ子「ええ、私が蚕子に近づくから、皆は蚕子に向けて集中砲火して欲しいの」

律「別に構わないけど。……そうするとどうなるんだ?」

梓「今までのパターンから、集中放火すると……」

澪「自らバラバラになって攻撃してきたよな。……え?」

さわ子「ええ、そう。つまり、皆にはあいつをバラバラ攻撃するようにして欲しいの」

紬「そうすると。……そうすると、確かに爆弾は外に出ることになります! で、でも」

さわ子「ええ、それだけじゃ爆発しない。……だから私が行くんじゃない」

律「どういう事だ?」

梓「……あの爆弾は、誰かを感知して爆発するタイプ。だから」

和「爆弾が外に出た瞬間にさわ子先生が近づけば。それを感知して爆弾は爆発する……」



729 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/26(火) 01:22:07.90 ID:iSwG+gcR0

澪「で、でも。そんなことしたらさわ子先生が!」

さわ子「いいのよ。……もともと蚕子がああなったのは私のせい。……決着は私の手でつけないと」

紬「……先生」


和「……援護するわ」

律「和! 本当にいいのかよそれで!」

和「よくないかもしれないわね」

澪「だったら!」


和「でもね、私は他人の意思という物を尊重する。
  それが固ければ固いほど、私は尊敬を持ってそれを手伝うわ」


律「和……」

澪「なんだかんだ言ってたけど、和にとっても先生なんだもんな」

和「で、どうするの。あなた達が協力しないと先生の努力が無駄になるんだけど?」


紬「……協力、します。先生」

梓「私も……!」



730 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/26(火) 01:27:59.45 ID:iSwG+gcR0

和「あなた達は……?」

澪「……するよ。協力する」

律「さわちゃんがやるっていうなら、
  それを手伝ってやるのがけいおん部としての勤めだからな!」

さわ子「みんな……ありがとう」

和「お礼を言うのはまだ早いわ。……あとは、目論見通り行くかどうか」

梓「きっと上手くいきます!」

紬「ええ、私たちも全力でサポートするもの!」


さわ子「皆、頼んだわよ!」


『おう!』


『ィィィィィイイイイイイイ!』



和「あら、向こうもこっちの変化に気がついたようよ」

澪「さっきまでとは覚悟が違うんだ。当然だろ」

律「澪、お前は怪我したんだから、あまり無茶するなよ」



731 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/26(火) 01:38:08.42 ID:iSwG+gcR0

『ィィィィィィイイイ!』


紬「行くわよ!」ダダダダダ

澪「ああ」タァンタァン!

律「おら!」ダァン!

梓「えい!」タンッ!


『ィィィィィィィィィイイイ!』


さわ子「待っててね、今行くから」タタタタ

紬「援護するわよ!」

澪「……っ」

律「だ、大丈夫か、澪!?」

澪「だ、大丈夫だ! それよりも、先生を……」

梓「大丈夫です。そっちは私とムギ先輩とでなんとかしますから」

律「ああ、澪。こっちで休むぞ」



734 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/26(火) 02:03:55.29 ID:iSwG+gcR0

紬「……」ダダダダ

梓「ムギ先輩?」タァンタァン

紬「やっぱり、複雑な心境ね……」

梓「……さわ子先生のことですか」

紬「ええ。……やっぱり、ね」

梓「ですが。……先生が決めたことです」

紬「そうね。……私たちはただ、やるべき事をやるだけね」


さわ子「待っててね、今終わらせるから」

和「先生、危ない!」


『ィィィィィィイイイイイ!』ヒュオン!


さわ子「きゃあ!」

和「私たちはただあいつがばらばらになった瞬間に突っ込む。それだけです。
  ……それ以外の時に近づいても意味はないでしょう」

さわ子「わかってるわ。……援護ありがとう」

和「……感謝と謝罪の言葉は、全部終わってから聞きます」



735 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/26(火) 02:07:25.03 ID:iSwG+gcR0

さわ子「……」

和「……何を考えているの?」

さわ子「別に……ただ、ちょっと、ね」

和「……そう」


ダダダダダ


『ィィィィィィイイイイイ!』

ガバララララ


紬「! 体がばらばらになったわ!」

梓「先生、今です!」


さわ子「皆、ありがとう。皆が作ってくれたこのチャンス、無駄にはしないわ!」

和「……行ってきなさい」


さわ子「蚕子! 私と一緒に、散りなさい!」

『ィィィィィイイイイイ!』



736 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/26(火) 02:12:33.93 ID:iSwG+gcR0

さわ子「ちょ、ちょっと暴れないでよ!」

『ィィィィィイイイイイ!』

和「……はぁ、本当に。最初から最後まで世話が焼ける人ね」

ザシュッ

『ィィィィイイイイイ!』


紬「動きが鈍った!」

梓「……バラバラの状態から上手く戻れてないみたいです」


さわ子「……ありがとう、和ちゃん」

和「……」

さわ子「さよなら……皆」



『ィィィィィイイイイイイイイイ!』

さわ子「さよなら!」

カチッ
ドオオオオオオオオォォォォォォォォォォォン!



737 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/26(火) 02:22:35.09 ID:iSwG+gcR0



和「……」


律「……澪、見えるか? ……さわちゃんがやったみたいだ」

澪「見てるよ。……そうか。やったんだな」

紬「二人とも、大丈夫?」

律「ああ、澪も容態が安定したし、もう平気そうだな」

梓「……先生」

紬「梓ちゃん。……」

澪「先生。……良い人だったな」

律「そうだな。ちょっと変わってたところがあったけどな」

紬「私は、結構意見があったけどね」

梓「私は。……色々なことされましたけど」

澪「……って、こんなこと言ってる場合じゃないんだよな。まだ終わっていないから」

律「そうだな。堕辰憂に憂ちゃん。……まだ残ってる」

梓「ええ。早く唯先輩たちに加勢しに行きましょう」



738 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/26(火) 02:33:10.45 ID:iSwG+gcR0

和「……はぁ」

和「……感謝と謝罪の言葉は最後にまとめて聞く、っていったじゃない」

和「でも、私まだ聞いてないのよね。……どうしてくれようかしら?」

和「ねぇ? ……今回のMVPに対して何か言ってくれてもいいと思うのだけど?」


さわ子「わ、わかったわよ。……ありがとう」


和「ございます」

さわ子「ありがとうございます!」

和「謝罪は?」

さわ子「ああもう。わたくし山中さわ子は皆さんを地下に落としたりとひどいことを致しました!」

さわ子「よってここに謝罪いたします! 申し訳ありませんでした!」

和「うん。さ、唯達の加勢に行きましょう」

さわ子「な、何か納得行かないわ。……まぁでも、助けてくれたことには感謝しなくちゃね」

さわ子「まさか、あの爆発する瞬間に私を思いっきり地面に叩きつけるなんて……
    おかげで大きなタンコブが出来ちゃったわよ」

和「早く行くわよ」   さわ子「はいはい、わかりましたよ!」



739 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/26(火) 02:48:40.46 ID:iSwG+gcR0

憂『……』

唯「……」

憂「……」

憂『……流石に、ここまで手こずるだなんて思ってもみませんでした』

唯「えっへん」フンス

憂「……でも、あなたは一度私と同じことを体験しているのでしょう? だったら」

憂『私ね、長いこと何もしていなかったから、記憶が混濁しているの』

唯「そうなんだ……」

憂『だからね。……私も。そろそろ本気で、お姉ちゃん達を殺すことにしたから』


憂『堕辰憂!』

『ゥゥゥゥゥゥウウウウウウウ!』


唯「う、うわあ」

憂「お、大きい……!」

憂『……ふふふ』



740 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/26(火) 02:59:01.22 ID:iSwG+gcR0

憂『堕辰憂!』


『ゥゥゥゥゥゥ            』


唯「き、消えた!?」

憂「ち、違う。私たちには見えなくなっただけだよ!」

憂『そのとおり。……さ、あなた達には見えない堕辰憂。……果たして倒せるかな?』

唯「……がんばる。負けないよ! 憂!」

憂「うん。私のアンムギと」

唯「私の石太で倒して見せる!」

憂『……そう。じゃあ、がんばってね? お姉ちゃん』


『            !』



756 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/26(火) 14:46:37.35 ID:iSwG+gcR0

梓「唯先輩!」

澪「さっきちらっと見えたのは……」

律「堕辰憂だな。……今はもう見えなくなったが」

紬「ということは、結局私たちが戦っていたのは蚕子だけだったのね」

澪「憂ちゃんが二人相手に。っていうから、すっかりそうだと思ってた」

律「というか、途中まではそうだったんだろうな。ムギが来たから、多分一体だけにしたんだろう」

梓「ということは、ムギ先輩のおかげですね」

紬「でも、私のせいで唯ちゃん達に迷惑かけちゃったから」

澪「気にするな。……第一、迷惑という点では律なんかいっつもだろ」

律「ちょ、ちょっと待て! どういう意味だそれは!」

澪「言ったとおりの意味だ!」

梓「ふ、二人とも、今は喧嘩してる場合じゃないです!」

紬「そうよ。早く唯ちゃん達に加勢に行かないと」

律「そうだな。……待ってろ! 唯」


憂『あ、それはダメです。私はお姉ちゃんと憂ちゃんだけをここに居させたいんですから』



757 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/26(火) 14:54:22.35 ID:iSwG+gcR0

澪「憂ちゃん!」

憂『蚕子を倒したのには驚きましたけど。……でも、あなた達の出番はここで終わりなんです』

律「なにぃ!」

憂『というわけで。あなた達は元の世界に戻って下さい。
  ……後は、お姉ちゃん達の帰還を祈ってればいいんじゃないですか』

澪「どうい……」


梓「せ、先輩! 体が消えていってますよ!?」

律「そ、そういう梓こそ!」

澪「わ、私たちの体が消えていく……!?」

紬「こ、これは……!?」


唯「み、皆!」

憂「え、な、何が起こってるんですか!?」


憂『残念だけど、お姉ちゃん達以外の人には退場して貰ってるんだ。
  ……この舞台は私たちだけの物だから』


梓「そ、それならせめて……!」



758 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/26(火) 15:01:04.10 ID:iSwG+gcR0

和「な、……これは」

さわ子「和ちゃん! あなた消えてるわよ!」

和「そういう先生こそ……。あいつの仕業なのね」

さわ子「今何が起きてるかわからないけれど……これは由々しき事態ね」

和「なら、完全に消えてしまうその前に!」


和「唯! これを受け取って!」

梓「憂! これを受け取って!」



唯「う、うわわわ! 何処かからか刀が落ちてきたよ!」

憂「あ、梓ちゃん! 危ないから爆弾を投げないで!」



和「……あれは私のために作られた刀だけど。……きっと唯にも使えるはず」

梓「ご、ごめん! でも、……最後の一つだから。有効に使ってね、憂」


『二人とも、がんばって!』
シュウウウウウゥゥゥゥゥゥ



759 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/26(火) 15:06:57.14 ID:iSwG+gcR0



唯「み、皆消えちゃった」

憂「でも、残してくれたものもあるよ」

憂『無駄なあがきだと思うけどね』


唯「そんなことないよ! これは、多分和ちゃんが残してくれた刀だから」

憂「これは、梓ちゃんが残してくれた爆弾」

唯「その人の思いが詰まった、大切なものだから」

憂「無駄なあがきなんかにはさせない!」


憂『本当に、仲がいい姉妹。……イライラする』

憂『堕辰憂! もう容赦なんかしなくていい! こいつら殺しちゃって!』


唯「行くよ、和ちゃん、澪ちゃん、りっちゃん、ムギちゃん」

憂「行こう、梓ちゃん、さわ子先生、純ちゃん」

唯「行くよ! 憂!」

憂「うん! お姉ちゃん!」



789 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/26(火) 23:23:22.23 ID:iSwG+gcR0

澪「……こ、ここはどこ……」

律「って、ここ洞窟じゃないか!」

梓「どうやら、結局戻ってきちゃったみたいですね」

澪「ゾンビたちは!?」

律「いない、みたいだな。おかしいな、私たちがいた時は確か……」

紬「私が見た限りだと、倒れてはいたけど存在していたはず……」


和「あら、そっちの方が後に来たのね」


澪「和! 無事だったか」

和「まぁ、怪我もしてないし息災ね。……死んでるけど」

律「うん。もうあんまりそれに対してはどうでもよくなってきた」

紬「でも、和ちゃんはあの爆発に巻き込まれてなかったのね。……よかった」

梓「意外と大きな爆発でしたからね、
  和さんは先生の補佐役というポジションでしたから、巻き込まれたのかと心配してました」

和「で、生死を確かめる前に唯達のところにいった、と」

律「い、いや。あの場所に和がいたら、
  私を探すよりも唯達の加勢に行きなさい! とか言いそうだったからな」



791 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/26(火) 23:28:44.44 ID:iSwG+gcR0

和「まぁそのとおりだけど。少し釈然としないわね」

律「な、なんだよ! 何か文句あんのか!」

澪「逆ギレすんな」ペシ

律「いたっ。後ろから叩くなよ」

澪「悪かったな」


梓「……何か、いつもの雰囲気になりましたね」

紬「そうね。……辛気臭いよりもそっちの方がいいと思うわ、私も」

梓「ですね。……その方が、きっと先生も喜ぶと思います」

紬「先生、私たちは立派に成長しました。……見ていますか?」


さわ子「見てるけど……」


律「うおおおお!? ぼ、亡霊か幽霊か!?」

澪「ひいいいぃぃぃぃい、おばけええ!」

さわ子「失礼なこと言わないでよ! ちゃんと足あるでしょうが!」

梓「ほ、本当だ。ちゃんと足がある……」



12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/26(火) 23:50:28.24 ID:iSwG+gcR0

澪「お、お化けじゃないんだな?」

さわ子「正真正銘本物の人間で華麗で美しい山中さわ子先生よ!」

和「正真正銘本物の人間で加齢で美しい山中さわ子先生であってるわ」

さわ子「和ちゃん。ちょっと後で職員室に来なさい」


紬「で、でもあの時の爆発で……!」

律「そうだ。その証拠に頭に大きなタンコブができてるじゃないか!」

さわ子「いや、タンコブは別なのが原因なんだけど……」


和「あの時、爆発する瞬間に私が先生を思いっきり地面に殴りつけたのよ」

梓「そうすると……どうなるんですか?」

和「地面に思いっきり叩きつけられた先生は、そのまま地面に埋まる感じになったわけ」

律「なるほど、それで爆発を上手く……防げるのか?」

澪「私に聞くな。……ただ、先生が今ここにいるってことは、そういうことなんだろう」

紬「そういえば、和ちゃんも若干火傷の跡みたいなのがあるわね」

和「わざわざそんなことをしたから、私まで爆発に巻き込まれたのよ。……まったく」



14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/26(火) 23:54:28.73 ID:iSwG+gcR0

律「とかいって、実はさわちゃんを助けるくらいなんだから……」

紬「えぇ!? もしかしてそういう関係なの!?」

和「どういう関係よ……」

さわ子「ひどい! あの夜の日の約束は嘘だったのね!?」

和「捏造しないで」ガンッ

さわ子「い、いたい……」


梓「で、でも。皆が無事でよかったです! 私、先生が死んじゃうの、いやですから」

律「まーな。先生に限らず、唯や憂ちゃんだっていなくなってほしい、なんて思ってないし」

和「当たり前よ! ……それで、先生。何か方法はないんですか?」

さわ子「え、何の?」

和「今唯達は私たちの手の届かないところで戦っている。
  ……私たちは、それを指を加えて待つことしかできない」

和「私はそんなの嫌です。
  ……ですから、何かしら向こうの世界に行くための方法。それを知りたい」

澪「そ、そうだな。……何か、方法はないんですか?」


さわ子「ないわよ?」



16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/27(水) 00:03:37.45 ID:w2BkvRYy0

和「辞世の句は何がいいかしら」

さわ子「ちょっとちょっとちょっと~!
    銃を構えるのやめて! っていうか和ちゃん銃も持ってたのね!」

和「焔真鍋を持ってからは使うことはありませんでしたが、ずっと懐に閉まってました」

さわ子「サイボーグか何かなのあなたは……」

澪「それよりも、ないって……」

さわ子「そもそもね、私や憂ちゃんが何で消えたり消したりできると思うの?」

律「それは……、実は超能力者だった、とか?」

さわ子「……まぁ間違いではないけど」

梓「本当に超能力者なんですか!?」

さわ子「い、いや。そうじゃなくてね。……これを見て」

キラン

律「これは……バッヂ?」

さわ子「ええ。これが、タイムマシンよ」


澪「こ、これがタイムマシン!? 想像してたのとぜんぜん違う……」

梓「私、タイムマシンって絨毯だったり変な機械だったり洗濯機だったりするのかと思いました」



17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/27(水) 00:10:22.80 ID:w2BkvRYy0

さわ子「まぁ、これを胸にはめて、適当な年代をやれば時間を飛び越えるのよ」

澪「こ、こんな小さいバッヂ一つでそんなことができるなんて……」

さわ子「まぁ、嘘なんだけどね」


パァン


さわ子「ほ、ホッペタから血が!?」

和「次変なこといったら関節に一発ずつ順々に撃ってきますよ」

さわ子「鬼か悪魔なの!?」

梓「いや、今のは嘘をいった先生が悪いかと……」

澪「確かに。……信じちゃったじゃないですか」

さわ子「い、いや! ちゃんと聞いてよ。嘘だけど嘘じゃないのよ!」

和「最初は。……右の肘」

さわ子「待って! 最初から説明するから!」



18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/27(水) 00:19:29.76 ID:w2BkvRYy0

さわ子「梓ちゃんがいった通り、私が作ったタイムマシンは大型の機械よ」

梓「や、やっぱりそうなんですか」

さわ子「ええ。このバッヂは、その機械でなくても時空移動の力を使えるようにするためのものよ」

律「じゃあ結局。このバッヂがタイムマシンであってるじゃんか」

さわ子「それが、そうもいかないのよ。
    ……このバッヂを使えるのは、今のところ、私と憂ちゃん達だけなのよね~」

澪「ってことは、私がそれを使おうとしても」

さわ子「ええ、使えないわ。……わかった、和ちゃん?」

和「ええ、なんとなくは。それで、先生たちが消えたり消したりするのとどう関係が?」

さわ子「消えたり、っていうのはわかるでしょう?
    目の前で時空移動すれば消えるわけだから。……消したり、というのはね」

さわ子「っと、そうだ。ひとつ前もっていっておくけど、
    私は消えることができても消すことはできないわよ」

梓「そうなんですか?」

さわ子「ええ。だから、和ちゃんが考えてるようなことはできないわ」

和「……そうですか。なんとなくわかっていましたけど」

律「和が考えてたことって?」

澪「多分、先生に唯達のところまで飛ばしてもらうことだと思う」



19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/27(水) 00:26:05.41 ID:w2BkvRYy0

さわ子「ウイルスを作る過程で憂ちゃんの血液を入れたのは話したわよね?」

紬「えぇ、その話は以前に……」

さわ子「実はね、私の中にも憂ちゃんの血が流れているのよ」

和「……え?」

澪「ま、まさか先生は……」

律「憂ちゃんの、……隠し子」

さわ子「そんなわけないでしょう! もっと普通に考えなさい!」

和「……まぁ、憂ちゃんの血を自らの体内に注入したんでしょうけど」

澪「でも、どうしてそんなことを……?」

さわ子「そうしないと、このバッヂを扱えないのよ」

和「ということは」

さわ子「ええ、このバッヂはね、憂ちゃんの血に反応して発動するのよ」

紬「そ、そのメカニズムはどうなってるんですか?」

さわ子「知らない」

紬「……」ポカーン



20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/27(水) 00:36:54.30 ID:w2BkvRYy0

さわ子「それも結局、結果あればよし、って感じだったから」

紬「な、なんだか納得がいかない……」

和「まぁ、それがわかったところでどうするの、って話だけれど。
  ……それで、何で憂ちゃんは人を消すことができるの?」

さわ子「単純に言ってしまえば、憂ちゃんが母体だからね」

澪「母体?」

さわ子「ええ。皆もみてきたでしょう?
    人型ではないゾンビたちを。あれは、ウイルスの副作用のせいなんだけど」

梓「副作用でああなるんですか……」

さわ子「まぁ、憂ちゃんの力を表すとするならば、一番いい例が、私と和ちゃんで倒したあのゾンビね」

和「ああ、さわ子先生に見向きもしなかった」

さわ子「う、うるさいわね! ……オホン。そのゾンビって近づくと辺りが暗くなったでしょう?」

和「ええ、そのせいで接近戦が大変でした」

律「近づくと暗くなる。……むむむ、なぞなぞか?」

和「いえ、そのままの意味よ」

律「?」

和「……まぁ、あなた達は会わなかったのだから無理して考える必要はないわね」



23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/27(水) 00:43:30.08 ID:w2BkvRYy0

さわ子「その能力の方向が変わったものが憂ちゃんの力、ってことよ」

澪「な、何か急にバトル物みたいな展開に」

さわ子「そんな格好いいものでもないわよ。単純に自分の近くの人も時空を飛ばさせるだけだから」

律「さらっといってるけど結構内容は濃いよな……」

澪「ってことは! 憂ちゃんからこのバッチをとればいいってことですか?」

紬「そうね、そうすれば。少なくとも時空を移動したりさせたりって力はなくなるわね」

和「まぁ、それを私たちが知ったところで伝える方法がないんだけど」

さわ子「ああ、そのことなんだけど。……憂ちゃん、このバッジ自分の体の中に縫っちゃってるから」

澪「ぬっ!?」

さわ子「憂ちゃんもこれがないとそういったことができないって知ってるから、絶対手放さないようにって」

和「……恐ろしい執念ね」


さわ子「そうね。あら、もうこんな時間。ということは……そろそろね」

澪「え、な、何が」


ギュルルルルルルルルル



26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/27(水) 00:50:12.87 ID:w2BkvRYy0

和「な、何の音!?」

梓「う、上から聞こえてます!」

ギュルルルルルル

さわ子「危ないから、その辺から避けてた方がいいわよ」

律「え?」

ギュルルルルルルル……ゴオオォォォン!


澪「あ……穴が」

律「地上への穴が開いた!?」


斉藤「ご無事ですか、皆さん!」

紬「斉藤!?」

斉藤「お嬢様! 今まで、よくご無事で……!」

さわ子「ご苦労様。……それじゃ、引き上げてくれる?」

斉藤「は、直ちに!」



27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/27(水) 00:59:45.98 ID:w2BkvRYy0



澪「まさか、ヘリコプターに乗るなんて……」

律「初めての経験だな。……それにしても、久しぶりの太陽だなぁ」

梓「ずっと地下でしたもんね。でも、このヘリコプター広いですね」

紬「私の家で一番大きなものなの、これ」

和「相変わらずムギの家は凄いのね……。しかし、いつの間に呼んでいたの?」

さわ子「こっちに戻ってきてすぐよ。皆がここにいるから来てね~って」

和「そういえば、最初どこかに電話していたわね。……行動が早い人」

さわ子「当たり前よ。……そして、これだけ広いヘリを頼んだのにも理由があるの」

紬「理由?」

さわ子「ええ。……皆、知りたくない? 何故こんな事件が起きてしまったか」

梓「それは、憂が」

さわ子「その通り。……でも、ここまで発展した軌跡という物を知らないでしょう?
    ムギちゃんの家につくまで、その話をしようと思うわ」

さわ子「そして、……ムギちゃんのお父様の話も」

紬「!?」



29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/27(水) 01:08:31.95 ID:w2BkvRYy0

紬「わ、私のお父様を知っているんですか!?」

さわ子「私は聞いた話程度だけど。会ったのは憂ちゃんみたいね」

紬「う、憂ちゃんが!?」

さわ子「ええ。……気になるでしょう? あの日。ムギちゃんのお父さんは何をしていたのか」

さわ子「何を見て……そして、何をされたのか」


澪「……話がよく見えないんだが、ムギのお父さんに何があったんだ?」

紬「……私のお父様は、今から五年前、ある山奥で遭難に遭ったんです」

律「そうなんですか」

梓「すいません、少し黙っててもらっていいですか」

律「あ、梓にまで怒られた……」

澪「当然だろ」

和「……それで、その遭難した場所っていうのはどこなの?」

紬「……その場所は、今だ人柱……つまり、人間を生贄に捧ぐという風習が残った村だったの」

澪「ひぃぃぃいい!」

和「……それで、ムギのお父さんはそこへ何をしに?」



30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/27(水) 01:18:05.07 ID:w2BkvRYy0

紬「それが……私にも教えてくれなくて」

紬「その日の朝に『今からお母さんのお墓参りに行く』
  と言い残したっきり、暫く帰ってきませんでした」

澪「……どういうことなんだろう」

紬「さぁ、わかりません。……でも、あの村には近づいてはいけないと、
  その後帰ってきたお父様に口を酸っぱくして言われました」

紬「羽生蛇村。……呪われた廃村に……」





唯「羽生蛇村?」

憂『ええ、そこで私は紬さんのお父さんに会いました。
  ……そして、この場所の事もそこで知りました』

憂「そ、それは一体何処にあるんですか?」

憂『大丈夫。今は知らなくても、後でちゃんと辿りつけるから』

憂「……?」

唯「それで、ムギちゃんのお父さんと会って何をしたの?」

憂『……ふふ、話して欲しいの?』

唯「うん!」



32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/27(水) 01:24:13.45 ID:w2BkvRYy0

憂『教えて欲しいんだ。……じゃあ教えてあげないね』

唯「え?」

憂『ごめんねお姉ちゃん。私今、お姉ちゃんを苛めたくてうずうずしてるから』

憂『教えて欲しいのなら! 堕辰憂を倒してから教えてあげる!』


『            !』


唯「うわぁ!」

憂「……何とか話しを伸ばして、その間に対策を立てようと思ったけどだめだったね」

唯「やっぱり、頑張るしかないよ!」

憂「うん。……でも、見えない相手にどうやって!?」

唯「それは……えぇと」

『             !』

唯「うぁ……!」

憂「お姉ちゃん!! この、お姉ちゃんを離せ!」ゴスッ

『ゥゥゥゥゥゥゥゥウウウウウウウウウ!』



34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/27(水) 01:35:32.48 ID:w2BkvRYy0

唯「……ぷはぁ! い、息苦しかった!」

憂「大丈夫? お姉ちゃん」

唯「うん。……いやぁ、アレのしっぽで顔がすっぽり嵌ったときはどうしようかと思ったけど」

憂「怪我はない?」

唯「……うん。大丈夫みたい」

憂「そうなんだ。……よかったぁ」


唯「それよりも、あれを倒す方法を考えないと」

憂「……えぇと、あれ?」

唯「どうしたの、憂」

憂「これがお姉ちゃん。……これが憂さん。……じゃあ、これは誰?」

唯「憂?」

憂「……?」

『             ウウ!』

唯「危ない! 憂!」

憂「え? きゃあ!」



36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/27(水) 01:46:51.39 ID:w2BkvRYy0

唯「えい!」ザッ

『ゥゥゥゥゥゥウウウウウウウ!』シュウウゥゥゥ

憂「……うぅ」

唯「大丈夫? 憂」

憂「うん。……今度は逆に助けて貰っちゃったね」

唯「だって、私たちは守って守られる関係だから!」

憂「お姉ちゃん……」


憂「そうだ、お姉ちゃん。あのピラミッドの所まで走って!」

唯「え? 何で?」

憂「いいから!」

唯「う、うん!」

ダダダダ


憂『……何をする気なのかなぁ? まぁいいや。堕辰憂! 逃がさないで!』


『ゥゥゥ        !』




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