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唯「じょうもんせいかつ!」#前編 【非日常系】


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唯「じょうもんせいかつ!」#前編
唯「じょうもんせいかつ!」#後編




1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 01:42:14.74 ID:P8En1w+F0

澪「駄目だっ!ぜんぜん駄目だ!!」

梓「…」

澪「なんだその"ただ弾いてる"だけの演奏は!?
  ぜんぜん何も伝わってこないよ!!」

律「お前も同類。」

澪「…」

さわ子「…飼いならされちゃった、からかしらね?」

唯「さわちゃん?」





2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 01:47:48.50 ID:P8En1w+F0

さわ子「ハングリー精神、とでも言うのかしら?
    そういうのが枯渇してるのよ。」

さわ子「まあ、幼稚園の学芸会レベルならそれで十分でしょ。」

さわ子「ああ、でも幼稚園児はハングリー精神の塊よね。
    あんたたちと違って。」

唯「もしかしてさー、さわちゃんに馬鹿にされてる?」

律「もしかしなくてもだっつーの!」



3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 01:57:47.16 ID:P8En1w+F0

澪「でも確かに先生の言うことも一理あるな…」

澪「私達、正直に言えば下り坂のど真ん中だよな。
  惰性も混じってきてる。」

澪「考えてみれば最初から音楽性なんてなかったし。
  いや、最初は興味からはじまっていいんだ、けどモチベーションの維持が…」

さわ子「見当違いよ澪ちゃん。」

澪「え…」

さわ子「もっと根本的な問題なの。」

さわ子「人としての、現代人に突きつけられた、ね。」



4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 02:08:01.89 ID:P8En1w+F0

さわ子「飽くこと無い衝動を音楽へぶつけれる人はいることはいるわ。
    そういう人の多くがプロになっていくんでしょうから。」

さわ子「けれど、現代人の多くが、そういうエネルギーからますます遠ざかっているの。」

さわ子「飼いならされた、もうほとんど家畜よ。
    あんたら全員家畜よ!ドメスティックアニマルよっ!!」

紬「先生言いすぎです!!」

さわ子「おだまり!この資本主義の豚NO. 1 桜ヶ丘高がぁっ!!」

紬「うっ…う…」



6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 02:14:29.54 ID:P8En1w+F0

唯「ムギちゃん…」

紬「うぅぅ…」

唯「さわちゃん非道いよっ!!」

さわ子「だったらもっと煌きをみせなさいよ、あんたらのっ…」

さわ子「生きてるっていう…音楽やってるっていう輝きをよお!!」グワッ



7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 02:19:43.71 ID:P8En1w+F0

律「輝きっつったって…」

さわ子「お膳立てのほんのハジメだけは智恵を貸してあげるわ。」

梓(ものすごく、嫌な予感がする…)

さわ子「文部科学省が進めている教育実験の一環なんだけどね…」

そして…



8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 02:27:06.77 ID:P8En1w+F0

2009年夏 日本のどこかにある琴吹家所有の山地

さわ子「一同整列!」

唯「ほーい!」

澪「…」

律「スースーする…」

紬「♪」

梓「///」

さわ子「ばっちり着替えたようね。では…」

さわ子「これから一ヶ月間の…桜高軽音部による…」

さわ子「縄文時代的生活を開始します!」



9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 02:39:53.99 ID:P8En1w+F0

梓「あ、あの先生…」

梓「この格好…どうにかできませんか…///」

さわ子「却下!」

律「ノースリーブに胸んあたりが大きく空いて…しかも短パンかよ!」

さわ子「縄文人がどんな衣服を身に着けてたのかはよくわかってないの。
    これはあくまで仮想の縄文衣よ。」
    
さわ子「実際、土偶の装飾とかを参考にするしかないしね。
    麻とは違った植物から糸を作って布を織っていたことはわかってるわ。」



10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 02:50:15.30 ID:P8En1w+F0

梓「先生と澪先輩なんて、お、おっぱいが見え…///」

澪「言うなっ…///」

さわ子「悔しかったらこのぐらい育ってみなさい!」

紬「ぐふふ…」

唯「りっちゃんよかったね、私達ぜんぜんおっぱい無くて!」

律「ケッ!」



12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 02:57:44.40 ID:P8En1w+F0

さわ子「で、この縄文生活を体験する目的をもう一度…」

さわ子「労働や愛情の対価として確保される生活ではなく、」

さわ子「自分たちで直接モノをとり、モノを加工し、この大自然の中を生きる。」

さわ子「そして、ミュージシャンとしての原動力を磨いてちょうだいっ!」

さわ子「…てわけ。」

紬「すごく楽しそう♪」

梓(生きて還れるかな…)



14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 03:03:55.17 ID:P8En1w+F0

さわ子「で、さっそく支給品よ。」

・黒光りする石×20個
・哺乳類の骨?×10個
・紐のようなもの(長さ2mほど)×3本
・縄文土器のような素焼きの焼き物(御茶碗ほどの大きさ)×5個
・クーラーボックス?



16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 03:12:42.61 ID:P8En1w+F0

唯「この黒い石ツヤツヤ光っててキレイだねえ!」

澪「黒曜石ですですよね?」

さわ子「そうよ、それで石器を作って頂戴。黒曜石は割れやすくて素人には加工が難しいから、
    大き目のを20個用意したわ。」

さわ子「その他の石器の材料は、その辺から石を拾って加工してね。」

律「その辺って…」

さわ子「次にそのひも。道具を結わえたり結びつけたりするのに使うの。
    なくなったらその辺の植物から、それか動物の腱から作れるわ。」

律「…」



17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 03:21:46.81 ID:P8En1w+F0

さわ子「次に、その骨。"ある哺乳類"の骨よ。ふふふ…」ニッ

澪「ヒィッ!」

梓「なんの…骨ですか?」

さわ子「うふふふふ…秘密♪」ニヤニヤ

梓(猛烈に嫌な予感がします…)



18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 03:28:37.46 ID:P8En1w+F0

さわ子「そして、食器として茶碗大の縄文土器を渡すわ。」

紬「せんせい、お料理の道具が無いようですけど…」

さわ子「それはね、とりあえずこのボックスの中に…」

ガチャ

律「ねんど?まさか…」

さわ子「そ、そのまさかよ。これは粘土保存用のボックス。
    なくなったら補充するから安心して。
    さすがに粘土を精製するのは時間が掛かるから。
    粘土を急速乾燥させる機械も用意したから、あまり時間をかけずに土器を作れるわ。」

律「なんかそういうとこだけズルだよなぁ。」

さわ子「いらないかしら?」

澪「馬鹿律!使いますっ!」



19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 03:34:23.16 ID:P8En1w+F0

さわ子「その他の土器は自分達でつくって頂戴。
    あと、石器や骨、木で調理器具を作ってね。」

さわ子「つまりは、最低限、煮炊きの土器を作らないと
    お料理はとことん制限されることになるわね。」

唯「すっごく楽しそう♪」

さわ子「あとは、私が必要だと判断すれば随時、いろんなアイテムを支給するわ。」



21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 03:38:54.93 ID:P8En1w+F0

さわ子「あ、忘れるとこだった!」ゴソゴソ…

さわ子「はい、りっちゃんに渡しておくわね。」

・分厚い本

律「『縄文生活マニュアル 著・ネ○チャージモン』!?
   大丈夫かよこれ!?」 

さわ子「その本には縄文人として生きていく様々な智恵がつまってるわ。
    それを活用することができれば、死なずに一ヵ月後の最終日をむかえられるでしょ。」



22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 03:46:57.11 ID:P8En1w+F0

さわ子「で、最後。さっきからみんなの視線のすぐ先にあるように、」
    この一ヶ月間を私達六人が暮らす…」

さわ子「竪穴式住居。」

梓「結構大きいですね…」

さわ子「公園のジャングルジム二つ分くらいの大きさがあるわ。
    中には炉ぐらいしか設備がないけど。」

唯「あれ?さわちゃんも一緒に『じょうもんせいかつ』するの?」

さわ子「文部科学省の教育実験だからね。監督者として私がつくわ。
    といっても、最低限のアドヴァイスをするだけよ。
    私の分のご飯はつくってもらうけど、私自身は…」

さわ子「何も手伝わないからっ!」

律「はいはい。つまりはニートin縄文時代ね。」



23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 03:52:25.12 ID:P8En1w+F0

さわ子「ということで、はい、縄文生活スタート!」

律「いきなりかよっ!」

梓「はあ…で、とりあえずは何をすれば…」

唯「おひるね!」

律「DS!」

澪「この馬鹿どもがっ!!」



25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 04:01:00.02 ID:P8En1w+F0

澪「まずは水場の確保と食料の調達、薪拾いだ!」

唯「おー!澪ちゃんくわしいねー!」

澪「水と食料は生きてくために一番大切だろ…」

律「で、誰がどの仕事をするよ?」

澪「そうだな…」

唯「じゃんけん!」

澪「それが一番か…」



26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 04:08:52.03 ID:P8En1w+F0

じゃんけんの結果

澪、紬→水場の確保
律、唯→食糧確保
梓→薪拾い
さわ子→ビール

澪「私とムギが水場探し、律と唯が食料調達、梓が薪拾いだな。」

澪「ムギの家の所有とはいえ、この周辺以外は広い原生林らしいから…
  あまり遠くに行かないように。」

さわ子「基点となる竪穴式住居の周辺は四方数百メートルの開けた野ッ原に
    なっていて、現在は午前9時といったところね。」

唯「さわちゃん?」

さわ子「独り言よ♪」



29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 04:17:18.75 ID:P8En1w+F0

澪「探索は概ね二時間でここまで戻ってこれるように…」

律「あ、あの、澪しゃん?」

澪「なんだ?」

律「部長が私なのになんでYOUが仕切って…」

澪「律、お前にできるか?」

律「…」

律「うっ、下克上、下克上だ…」

唯「りっちゃん…ヨシヨシ」



30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 04:19:38.37 ID:P8En1w+F0

縄文時代の貝塚からは当時の人々の排泄の跡も発見されてます。
貝塚は今で言うゴミ捨て場です。
つまりそういうことです。



33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 04:32:15.13 ID:P8En1w+F0

水場探索組

澪「うーん、具体的にどう行けば…音ぐらいしか手がかりないよな…」

紬(澪ちゃんと二人っきり…)

澪「このまましばらく歩いてみるか…」

紬(!)

澪「ムギ、お前の家のものなんだろ?なんか情報は…」

紬(あ、あと少しで澪ちゃんのち、ちくびが見え…)ハァハァ

澪「ムギ?」

紬「えっ!?あ、な、何かしら?」アセアセ



34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 04:39:54.29 ID:P8En1w+F0

澪「どうかした?」

紬「なんでもない!なんでもないのよ…うふふ」

澪「?」

澪「ムギはこの辺の土地には詳しくないのか?」

紬「前に一度だけきたことがあるけれど…たぶんここからかなり離れているところだから。
  でも、水場は比較的多いはずよ。山葵田や日本名水に選ばれた湧き水がある土地なの。」

澪「そうか…やっぱり足で稼ぐしかないか。」



35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 04:46:15.36 ID:P8En1w+F0

薪拾い・梓

梓「ふう…」

梓「いっぱい落ちてるな…」

梓「こんなに簡単な仕事引き受けちゃって、先輩たちに悪いことしたかも。」

梓「…」

梓「あ。」



36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 04:58:32.84 ID:P8En1w+F0

梓「キレイな花がいっぱい!」

梓の前にはシロツメクサに似た野草が花を咲かせている群生地が広がっていた。
花の色は白ではなくうすく紫がかったピンク。
アカツメクサである。

梓「ちょっとくらいならいいよね?」

梓「ふふ…」

花を摘んで、何やら作り始める。
仕事そっちのけで。



37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 05:02:22.50 ID:P8En1w+F0

食糧確保組

唯「たくさんどんぐりが落ちてるねえ♪」

律「この季節でも結構あるもんだな。」

律「…」

律「これを食うんだよな…」

唯「あっ!あれ、木にぶら下がってるやつ!見たことある!」



38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 05:09:52.99 ID:P8En1w+F0

律「アケビだな。私でもわかる。
  確か種のまわりの柔らかいとこを食べるんだよな。」

唯「あっちに梨みたいのが生(な)ってる!」

律「へぇー結構あるもんだなぁ…」

唯「あっ!カラフルなキノコ!おいしそうっ!」

律「唯、多分それは毒キノコフラグだ…」



40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 05:16:45.87 ID:P8En1w+F0

残留・さわ子

さわ子「へーこのブルゾンいいわねー」グビグビ(ビール)

さわ子「値段も手頃みたいだし」パリポリ(柿の種)

さわ子「こっちのもいいわねー」グビグビ(ビール)

さわ子「送料無料は三点以上のお買い上げ…」ポリポリ(背中を掻く)

さわ子「買っちゃうか…」グビグビ(ビール)



43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 05:24:22.84 ID:P8En1w+F0

水場探索組

二人の目前の岩から緩く弧を描くように水が湧き出ている。

澪「意外と近いところに何箇所か見つかったな。
  ついでに渓流も発見したし。」

紬「お魚も泳いでたわね♪」

澪「ああ。でも、容器がこの茶碗しかないからな。
  土器を新しく作らないと持ち運びが不便だ…」

紬(それに…水浴びはできそうだけれど、シャワーは絶対無理よね…)



45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 05:29:03.48 ID:P8En1w+F0

薪拾い・梓

梓「zzz…」スースー

梓「ん…」スースー

梓「にゅ…」スースー

梓「zzz…」スースー



47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 05:41:36.37 ID:P8En1w+F0

食料調達組

唯「りっちゃん事件です!!」

律「どうした唯っ!?」

唯「もう持てないよぉ…」

律「バックが無いって不便だよなー。ここで切り上げるか…」

唯「んー…」

唯「あ!思いついたー!」



49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 05:58:16.28 ID:P8En1w+F0

澪「帰りました。」

紬「ただいま。」

さわ子「あらお帰りー。」ヒック

澪「(酒臭っ!)昼間っから何やってるんですか!」

さわ子「いいじゃないの!やることないんだし。
    水汲んできたのね、ちょうどよかったわー!」

澪の手から水の入った土器を引っ手繰るさわ子。



50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 06:05:40.22 ID:P8En1w+F0

澪「あ…」

さわ子「グビグビグビ…」

さわ子「ぷはーーー旨い!」

澪「な、何するんですか!?せっかく汲んできたのにっ!」

さわ子「無くなったらまた汲みにいけばいいじゃないの。」

澪「沸かさずに飲めるかどうかもわからないのに…」

さわ子「この辺の湧き水は生(き)のままで飲めるわよ?」

澪「…」



52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 06:13:08.99 ID:P8En1w+F0

澪(疲れる…)

梓「ただいまです。よいしょっと…」

小さな体でよくこれほど、と思えるほどにたくさんの薪を運んできた梓。

紬「あずさちゃん、おかえりなさい。」

梓「お水汲んで来れたんですね?」

紬「ええ♪梓ちゃんもたくさん持ってきたわね。」

梓「たくさんというか…その辺りにいくらでもあるので探す必要がないです。」

唯「ただいまー!」

律「帰ったぞー」

梓「あ、おかえ…」



54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 06:42:01.07 ID:P8En1w+F0

梓「えーーーーーーー!!!!!/////」

澪「ブーーーーーーーーーッッ!!!」(唾)

紬「ブーーーーーーーーーーー!!!」(鼻血)

梓「ちょ、な、なんでそんな…////」

唯「あ、これ、袋が無いからねー」

梓「なんでお二人とも上半身裸なんですかーー!?」



61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 08:34:42.90 ID:P8En1w+F0

律「上着の空いてるとこをうまく結んで、袋代わりにしたんだよ。」

澪「でも上半身裸になる必要は無いだろっ!!」

律「さわちゃんがこの生活中はブラ禁止にしたんだからしゃーないだろ。
  女しかいないんだしさ。」

紬「ハァハァハァハァハァ」

唯「ムギちゃんどうしたの?」

さわ子「唯ちゃん、ムギちゃんは…そう、ちょっとした病気なのよ…」

澪「とにかく、はやく上着を着ろっ!!」



63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 08:52:02.44 ID:P8En1w+F0

~情報交換中~

律「近場に川もあるんか…これは釣りの道具を作らないとな!」

さわ子「狩猟の道具がないと動物性淡白が取れなくなるなるしね。
    まあ、蟹や川貝、虫もあることはあるだろうけど。」

澪「む、むしぃーー!?」

さわ子「今でも蜂の幼虫とかイナゴ食べるじゃない。
    オーストラリアの先住民は芋虫食べるしアフリカじゃカブトムシ…」

澪「やめてやめてやめてぇぇーーー!!!」



68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 09:10:13.66 ID:P8En1w+F0

そして一同は唯と律が取ってきた食料の吟味を始める

梓「いろんなものが取れましたね…」

澪「梨みたいな果物、アケビ、キノコ何種類か、
  どんぐりは、ブナの実、クヌギの実、椎の実。
  あと、柿の実、紫色のビワみたいな形した…何の実だ?」

唯「その紫色の実ね、良い匂いがしたから食べれると思うよ♪」

澪「そんなので判断していいのか…」

律「でも、今肝心なのは、サバイバル物には避けて通れぬ…」



69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 09:18:29.05 ID:P8En1w+F0

律「毒キノコの選別だっ!!」クワッ!

梓「王道ですね…」

澪「選別っていっても…」

さわ子「はじめに渡した本に、食べられる植物や菌類の見分け方が書いてあるわよ?」

律「そ、そうか、ならば…」ペラペラペラ

律「ここのページからか…」

律「何々…?『毒をもった植物を見分ける方法を伝授する前に
  君たちにアドバイスを行いたい。それは一度有毒な植物を口にしてみることだ。』」

律「『毒のある植物を口にすることで、君たちは自然の恐ろしさを知ると同時に…』」

律「大丈夫かよコレ…」

さわ子「あ、そこは、玄人というかネ○チャー人間になりたい人向けだから
    あんまり本気にしちゃ駄目よ。」

律「おいおい…」



71 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 09:29:40.32 ID:P8En1w+F0

律「ふむ…一応写真付きね。」ペラ

梓「あ、この白いシイタケみたいな奴…」

紬「『フクロツルタケ』?」

律「『フクロツルタケは神経系や内臓にものすごく効く毒キノコだ。
   一本食えば高い確率で極楽に行けるぞ!』」

澪「…」

※気になる人はグーグル先生画像検索に聞いてみてください



72 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 09:35:31.43 ID:P8En1w+F0

唯「えっと、こっちの赤茶色のキノコもやばそうだね。」

澪「それは『ベニテングタケ』だな。私でも知ってる有名な毒キノコだ。」

律「あとは…」ペラ

-五分経過-

律「結局毒キノコはこの二つだけか…」

澪「食べられるキノコは、シメジ、ヒラタケ、ナラタケ、ハツタケ…」

澪「うん、量的にも種類的にもまずまずだ。」

さわ子「はぁー…」

唯「さわちゃん?」



73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 09:39:30.45 ID:P8En1w+F0

さわ子「不正解っ!!!」ガッ!

律「な、なんだってぇーーー!?」

澪「え、ど、どれなんですか!?」

さわ子「今回だけは智恵貸したげるわ。」

さわ子「そのシメジみたいなのの…これとこれ。
    この二つ以外は本物のシメジ、食べられる奴よ。」

唯「二つも混ざってたんだ。おいしそうなのに…」

さわ子「おいしそうも何も、これ『イッポンシメジ』よ。」



74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 09:50:36.86 ID:P8En1w+F0

さわ子「死にはしないけど、シメジと似てるから中毒起こす人がけっこういるのよ。」

律「へー…」

澪「あとは無いんですね?」

さわ子「ええ、安心してちょうだい。」

唯「りっちゃんりっちゃん。あれあれ!」

律「おっアレか!ちょっとまってろ!」

そういうと近くの木陰にかけていく律。



76 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 09:55:25.98 ID:P8En1w+F0

梓「どうしたんですか?」

唯「えへへ♪」

律「おらっ!お前らよく見てみろっ!!」

澪「ん?…ん!?んんっ!!!」

梓「そ、それはまさしく…」

「「マツタケ様っ!!」」

さわ子「…」



78 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 10:00:10.51 ID:P8En1w+F0

梓「スゴイですスゴイです!」キラキラ

澪「マツタケまであるのか…さすが琴吹家所有だな!」

律「三年ぶりの…三年ぶりのマツタケ…」

紬(なんでそんなに喜ぶのかしら?)

澪「あ、でもこれもさっきのみたいに実は偽物、なんてことはないよな?」

さわ子「大丈夫よ、食べれるわ。」

律「ほら見ろ!」

さわ子(マツタケじゃなくて『マツタケモドキ』だけどね。)



80 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 10:07:28.61 ID:P8En1w+F0

-食事中-

律「この、ヤマナシだっけか、すっぱいな…」シャリシャリ

唯「この柿は渋くないよ!」

梓「紫色の実も酸味強いですけど、食べれないことはありませんね。」

さわ子「それは一応ビワの仲間よ。」シャリ

唯「でも、キノコはまだ食べれないね…」

律「洗ってから焼くなり煮るなりしないとなー」



82 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 10:14:55.19 ID:P8En1w+F0

律「さて、飯も食ったし、道具の作成に入りますか。」

唯「土器作りたい!」

律「釣り針作るか…」

澪「おまえら…まあ、いいか。石器を作らせてもらうよ。」

紬「唯ちゃんのお手伝いするわ♪」

梓「じゃ、じゃあ澪先輩の…」

さわ子「私は昼寝。」



84 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 10:31:06.33 ID:P8En1w+F0

律「『釣り針は鹿の骨・角かイノシシの牙・骨、木材などを加工して作る。』

律「『当然だが、現代の金属製の釣り針より大幅に大きくなってしまうことは
   否めない。』」

律「『黒曜石でできた厚手のナイフ状の石器と研磨用の大き目の石をしようする。
   また、この際、水に濡らして加工しやすいようにする必要がある。』」

律「あ、黒曜石の石器が必要なのか。私も澪を手伝うか…」



85 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 10:35:21.91 ID:P8En1w+F0

唯「できたー!『ドラえもん』!」

紬「上手上手!」

唯「でもムギちゃんのほうがずっと上手いよ?
  プロの人みたい。」

紬「お父さんが陶芸を趣味にしているから、時々手伝わせてもらってるの。」

唯「ふーん。」



86 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 10:40:45.68 ID:P8En1w+F0

澪「大き目の石で黒曜石の塊を砕く!」

キーン!

澪「石の工作台の上に砕いた塊を置いて、小型の石を使って成形する…」

キン…!キン…!

梓「けっこう鋭いですね…」

澪「扱うときは気をつけろよ?」

キン…!キン…!

梓「はい!」



89 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 10:48:41.13 ID:P8En1w+F0

澪「うん。形はこんなもんか。」

梓「太いかまぼこの切れ端みたいですね。」

澪「あの本によれば、包丁やナイフとして使うらしい。」

梓「へぇー」

律「おっ!良い感じにできてるじゃん!もらってくぞー」

ヒョイッ

澪「あっコラ!!」

梓「試作品第一号が…」



91 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 11:00:08.34 ID:P8En1w+F0

律「なになに…骨より角のほうが強度が強く成形しやすい…」

律「鹿の角なんてあったけか…」

ごそごそ

律「あ、一個だけあった。気付かなかったぜ。」

律「川魚用は一つの材料から小さめに作る。」

律「とりあえず2、3センチぐらいで切り出すか…」



92 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 11:13:35.91 ID:P8En1w+F0

シュコシュコ…

律「…」

シュコシュコ…

律「…」

シュコシュコ…

-10分後-

律「ストレスたまるわぁ…」



93 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 11:22:52.10 ID:P8En1w+F0

律「で、でけた…」

律「これを今度は大き目の石にこすり付けて三角形か長方形に…

中略

律「真ん中に穴を開け

中略

律「上辺を切り取り

中略

律「"かえし"の部分を作って、あとは細くなるよう、壊れないように磨く…



94 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 11:29:33.37 ID:P8En1w+F0

律「でけた!!」

律「正味3時間…長かった…長かったよ…」

唯「あーりっちゃん出来たんだー!」

律「おう!そういうお前らもたくさん…」

律「作りすぎじゃないか…?形もホンモノみたいに凝ってるし。」

紬「ちょっとこだわって見ました♪」

さわ子「国宝『火焔土器』と見まがうほどの…やるわねムギちゃん!」



96 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 11:36:47.74 ID:P8En1w+F0

澪「こっちも一通りできたぞ。」

律「ふんふん。さっきのナイフみたいなのと、やじりの先みたいなの?
  何に使うんだ?マンモスでも狩る気?」

澪「い、いつか役にたつかもしれないだろ!」

律「はいはい了解了解。」

さわ子「じゃあ、とりあえず粘土のほうを乾燥させないとね。」

バックから携帯電話を取り出すさわ子。



98 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 11:45:11.15 ID:P8En1w+F0

律「おいおい、こんな山の中で通じるのかよ…」

紬「衛星電話なのよ、それ。」

律「え?」

さわ子「あ、もしもし?『野焼き』前の乾燥をお願いしたんですけど…
    あと頼んでおいた海藻も…」

唯「野焼き??なんで海藻なの??」

梓「野焼きはようするに、火で土器を焼くってことですかね?」



99 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 11:53:44.19 ID:P8En1w+F0

斉藤「ただいま参りました。」

紬「斉藤!?」

斉藤「お嬢様、頑張っておいでで…
  (うぅ、琴吹家の令嬢ともあろうお方が古代人の格好を…)」

さわ子「そこにある土器の急速乾燥をお願いしますね。」

斉藤「かしこまりました。海藻はその原始住居の中でよろしいでしょうか?」

さわ子「はい、そちらに運んでいただければ…」



100 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 12:01:04.78 ID:P8En1w+F0

律「ワカメや昆布とその他諸々ねー。すっごい量だな。」

さわ子「この海藻があんたらの生命線になるかもよ?」

唯「さわちゃん、どういうこと?」

さわ子「まあ、明日の野焼き、土器の焼入れね、楽しみにしてて。」

さわ子「ってことで、これから大量の薪を集めてちょうだい。」

律「えー…」

さわ子「嫌ならいいのよ?これから先の生活、煮炊きの道具がないと
    食事はますます味気無くなるわねー。」

澪「そういうことだ、律。」



101 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 12:08:58.02 ID:P8En1w+F0

-そしてなんだかんだで夕暮れ時-

唯「つかへたよー…」

梓「薪の山ができましたね…」

さわ子「さて、夜も近づいてきたことだし、
    じゃあ火をおこしてちょうだいな。」

律「火をおこすって、まさか…原始人がよくやるみたいに
  木と木を擦って…」

さわ子「イエス!」

唯「わたし絶対ムリだよあんなの!!」

梓「そうですね、ここは律先輩かムギ先輩に…」

律「こら梓っ!!」



102 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 12:20:39.04 ID:P8En1w+F0

結局は火おこし担当は律と紬ということになった。

律「はっはっ…はっはっ…」

シュコシュコシュコシュコシュコ…

律「…」

シュコシュコシュコシュコシュコ…

律「あームリ!100パー無理!!」

唯「すごいよムギちゃん!もう煙が出てきたよっ!」

律「え!?」



103 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 12:26:34.81 ID:P8En1w+F0

紬「はぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

シュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュ

梓「あっ!ほんのり赤く輝いてきましたよ!」

澪「よし!木屑をくべろ!息を吹きかけて火を大きくするんだ!」

律「…」






律「わたし無駄骨じゃん。」



105 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 12:35:19.21 ID:P8En1w+F0

-竪穴式住居内-

澪「よし!良い感じに燃えてきたぞ!」

唯「なんかさ、ドキドキするような雰囲気♪」

紬「浅い穴の上にお家を建てたているのね。」

梓「だから竪穴式住居って言うんでしょうか?
  それに床も、木を並べた上に毛皮が敷いてあって、結構快適です。」

さわ子「木というか、"すのこ"に近いものよ。
    掛け布団として端っこに人数分の毛皮があるから自由に使ってちょうだいね。」



106 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 12:43:17.94 ID:P8En1w+F0

律「なぁ、はやくメシにしようや…」

唯「うんうん!さっそく取ってきたキノコを…」

律「この茶碗土器で煮る。」

唯&律「…」どよーん…

梓「大き目のキノコは木串にして焼いたほうがいいですかね?」

紬「うふふ、"おままごと"みたいで楽しいわ♪」

律「まさに命を賭けた"おままごと"だぜ…」



107 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 12:50:12.70 ID:P8En1w+F0

唯「…」ムシャムシャ

澪「…」シャリシャリ

律「…」

唯「味がない…」

律「…」

唯「しょうゆがほしいよ…塩がほしい…」

律「言うな唯…」



108 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 13:02:41.36 ID:P8En1w+F0

梓「縄文時代の人たちは、こんな味気ない、というか
  塩気無い生活をおくってたんですかね?」

澪「いや、海水を煮詰めれば塩ができるだろ?
  そうやって作ってたんじゃないか?」

さわ子「残念ながら違うわ。海水を蒸発させて塩を作る方法は、
    縄文時代の本当の末期か弥生時代ごろに考え出されたの。
    それまでは、別の方法で作られていたのよ。」

さわ子「あと、塩ではないけれど、ナンプラーに近いものを作っていた可能性もあるみたい。」

梓「そうだったんですか…」

唯「私達これからずっと塩無しなの!?」

さわ子「大丈夫よ、唯ちゃん。明日、縄文時代の塩の作り方を教えるわ。」



112 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 13:13:14.12 ID:P8En1w+F0

女子が五名+1集まれば姦しい。
食事のあと、唯たちは時間も忘れておしゃべりを楽しんだ。
そして就寝。火は消さずに規模を小さくする。獣避けのためだ。
晩夏といっても、森林の中では気温はそれほど高くなく、快適なぐらい。

シャッシャ…シャシャッ…

ホー…ホー…

ウ…ウヴ…ウ…

梓(眠れない…)

シャシャッ…シャ…

梓(さっきから…動物の鳴き声?)



113 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 13:23:21.41 ID:P8En1w+F0

真っ暗ではないけれど光源の明るさは、ぼんやりとした橙。
となりに寝ている者の顔の判別もつかないほど。

グホッ…グホッ…

ジッ…ジッ…ジッ…

梓(…)

ヴヴ…ヴヴヴ…

シャー…アッコサン…シャー

梓(怖いよぉ…)




114 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 13:24:35.38 ID:MYayyO4TO

今勝俣居なかったか?





115 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 13:31:16.03 ID:P8En1w+F0

梓(…)

ホー…ホー…ホー…

シュッ…シュッ…シュッ…

梓(おしっこしたい…)

ヴーヴー

梓(でも…一人じゃ…)

梓(!)

梓(先輩について来てもらって…)

梓は起き上がると、隣に寝ているはずの澪に近づく。

梓(あれ?いない…)



116 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 13:37:16.51 ID:P8En1w+F0

澪の寝床はもぬけの殻。

梓(えっと…)

周りを見回す梓。

梓(あ…)

一点に向けて視線を凝らす。
律に抱きつくような形で澪が寝息を立てている。
実は澪も梓のように、『原初的な恐怖』を感じて、律の寝床に潜り込んだわけ。
あの怖がりの澪を寝付かせる…親友の特権なのだろうか?

梓(起こすの気がひける…)

梓(仕方ない、頼りないけど…)



118 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 13:44:55.38 ID:P8En1w+F0

(せんぱい…)

唯(ん…)

(ゆいせんぱい…)

唯「んー?だ、れ?」

梓(すいません、唯先輩…)

小声で唯に話しかける梓。

唯「あず…にゃん?」



119 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 13:50:48.83 ID:P8En1w+F0

梓(すいません、声をもう少し小さく…)

唯(うん。)

唯(どうしたの?)

梓(…)

梓(実は…)



120 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 13:56:18.83 ID:P8En1w+F0

-野外-

唯「あはは♪あずにゃん、ひとりでおしっこ行くの怖かったんだ!」

梓「うぅ…(恥ずかしい…)」

唯「まー仕方ないよね♪」

梓「そういう唯先輩はどうなんですか!?こわくないんですか!?」

唯「そりゃーこわいけどさー、みんながいっしょだし、それに。」

唯「今はあずにゃんがとなりにいるしね♪」ニコッ

梓(!)

梓(この人は…臭いせりふを堂々と…////)



122 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 14:04:56.46 ID:P8En1w+F0

-野外-

梓「このへんなら、竪穴住居にも聞こえないかな。」

唯「聞こえないって、何が?」

梓「もう!///」

梓「おと…です、音!」

唯「音?」

梓「用足してる時の音です!」

唯「あー、なっとく!」



124 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 14:09:17.87 ID:P8En1w+F0

唯「みんな寝てるから聞こえないんじゃないの?」

梓「それでも気にするんです!!」

梓「唯先輩も両方の耳押さえて、音を聞かないようにしてください。」

唯「なんで?女の子同士なのに?」

梓「私は気にするんですっ!!」



125 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 14:14:39.57 ID:P8En1w+F0

チョロ…チョロ…

梓「先輩!聞こえてないですよね!?」

チョロ…チョロチョロチョロチョロ…

唯「うん!ぜんぜん聞こえてないよー!」

チョロチョロチョロチョロ…

梓「ほんとに聞こえてないですよね!?」

チョロチョロ…

唯「ぜーんぜん聞こえないよー!」

梓(あれ…?)



128 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 14:19:57.13 ID:P8En1w+F0

それから二人はすぐに、竪穴住居にもどった。

梓(せんぱい、ありがとうございました。)

唯(いーってことよ!)

唯(ねぇ、あずにゃん。)

梓(はい?)

唯(いつでもさ、困ったことがあったら、
  遠慮しないで言ってちょうだい。ね?)

梓(!)

梓(はい!)



129 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 14:25:35.23 ID:P8En1w+F0

梓(…)

梓(せんぱい…)

唯(なーに?)

梓(…)

唯(んー?)

梓(み、澪せんぱいみたいに…)

梓(唯先輩の寝床に入って寝ちゃ…駄目ですか?)

唯(!)

唯(もちろんOK!!)キラッ



131 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 14:33:57.17 ID:P8En1w+F0

梓(失礼します…)

唯(あずにゃんあったかーい!)ギュッ

梓(せ、せんぱい…///)

唯(えへへ、素敵な抱き枕を見つけたよ♪)

梓(…///)



133 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 14:41:04.85 ID:P8En1w+F0

唯(おやすみ、あずにゃん。)

梓(はい、おやすみなさい。)






紬(暗視機能付ビデオカメラとICレコーダー持って来るんだったわっ!!)ギリギリ

紬は一晩中寝床を涙で濡らしたのだった。

そして翌日。



134 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 14:47:41.96 ID:P8En1w+F0

竪穴住居から少し離れた、広場のような場所

斉藤「この辺りに土器を並べておけばいいんですね?」

さわ子「はいお願いします。」

さわ子「あんたたち、野焼きの準備に入るわよ。
    薪は2m×5mぐらいの長方形状に並べて重ねるようにね。
    あ、それと別に竪穴住居の炉ぐらいに薪山をつくって。」

律「了解。」



135 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 14:54:16.05 ID:P8En1w+F0

長方形の薪山、そのとなりの小山にそれぞれ火をつける。

さわ子「両方とも"おきり"を作ることが目的だから
    均等に火が通るように工夫すること!」

律(さわちゃん手伝わないとか言ってたわりには陣頭指揮執ってるよな?)

澪(まあ、熱しやすい人だからな。)



136 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 14:59:05.20 ID:P8En1w+F0

数時間後

さわ子「よし、良い感じ!」

さわ子「"おきり"の上に土器を並べるわ。」

唯「よいしょっと…」

さわ子「丁寧に扱いなさいよ!」



137 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 15:05:18.59 ID:P8En1w+F0

数十分後

さわ子「今度は土器を横にするわ。
    このときも壊さないように気をつけるのよ!」

律「はいはい。」

澪「先生、横にしてから焼き上げて完成ですか?」

さわ子「いいえ、今はいわば"仮焼き"よ。
    乾燥の仕上げと、本焼きをするときに
    土器が壊れないようにするためのプロセスなの。」

唯「へー。結構凝ってるんだね。」



139 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 15:14:53.18 ID:P8En1w+F0

さらに数十分後

さわ子「よし、こんなもんか…じゃあ本焼きに移ります!」

さわ子「横にしてある土器をもう一回立てるわ。」

さわ子「土器の間と上に均等になるように薪を並べて!」

さわ子「並べたら薪山に点火。それであとは数十分具合をみながら薪を加えていくこと。
    良い感じになったら、木の棒をつかって土器をまた倒す。
    本焼きの目安時間は合計40分!」



140 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 15:23:01.22 ID:P8En1w+F0

そして本焼き終了

さわ子「おーけい!後は一時間以上冷まして完成よ!」

唯「さわちゃん、こっちの小さいほうの"おきり"は使わないの?」

さわ子「忘れるとこだったわ!小山のほうは形を崩して平べったくして。
    その上に海藻を並べておきます。」

さわ子「海藻を灰にするのが目的だから、灰状になったら取り除いて
    新しい海藻を足していってちょうだい。」

さわ子「昆布とかワカメはほんの少量だけ、
    大部分はその杉の木の葉っぱみたいな海藻、『ホンダワラ』を使うように!」



141 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 15:33:39.31 ID:P8En1w+F0

一時間半後

さわ子「そろそろいいかしら。」

さわ子「とりあえず完成!」

唯「やっふーー!!」

紬「努力の成果です!」

澪「さっそく取り出しますよ?」

さわ子「ええ。まだ熱いかもしれないから気を付けてね!」



142 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 15:42:57.46 ID:P8En1w+F0

さわ子「ふんふん…ほとんど割れてないわね。
    はじめてにしてはかなりラッキーたわ。」

唯「あー!ドラえもんの首がもげてるー!!」

さわ子「そんな分厚い土人形じゃ、そりゃ壊れるわよ…」

唯「うっ…うう…ドラちゃん…」

さわ子「灰になった海藻は、その大きな土器に入れて持ち帰りましょう。
    ほかの土器はもう少しだけ温度が下がるのを待ってから、
    水場で洗ってきてちょうだい。」



143 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 15:46:22.18 ID:P8En1w+F0

軽音部の面々は土器の洗浄までの工程を終えると
竪穴住居にもどってきた。

さわ子「さて、私が積極的に指導するのはここまで。」

さわ子「あとはあんたらで勝手にやんなさいな。」

唯「さわちゃん、ありがとーね!」

さわ子「感謝の気持ちがあるなら、早くおいしいもの食べさせてちょうだい。」

あずさ「先生、この海藻の灰はどうするんですか?」

さわ子「ああ、それは石を使って粉状にするの。
    そうすれば『灰塩』の完成よ。」



144 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 15:53:39.23 ID:P8En1w+F0

律「灰塩ぉ?食べられんの?」

さわ子「そのホンダワラの灰を口に含んでみなさいな。」

律「あ、うん…」モグ…

律「ん?ん…」

律「しょっぱ苦い!!」

さわ子「まあ、現代の製塩されたやつを前提としちゃ駄目よ。
    その苦味もなかなか味のがあっていいじゃない。」



146 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 16:00:17.43 ID:P8En1w+F0

さて、その日の午後。唯と律は近場の渓流に釣りに出かけた。
澪と梓は食料採集、紬は灰塩作りである。

律「よし、唯はこれを使え!」

唯「何これ?槍?」

律「『ヤス』って言うらしい。
  それで魚を突いて捕まえるんだとさ。」

律「釣り針とは別に、鹿の角と木の棒で作ってみたんよ。」

唯「ふーん。」



149 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 16:08:06.88 ID:P8En1w+F0

-渓流-

律「さて、捕まえといたミミズを釣り針にぶっさして…」

律「うおっ!針が太めだからか、ちぎれちゃうな…」

唯「ミミズが真っ二つ…ウッ…」

律「よし!今度は上手くいった!」

律「さて、釣りますか…」

唯「おう!」



150 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 16:17:12.21 ID:P8En1w+F0

律「糸たらして…」

ポチャン

律「糸が2mってのも短すぎだよなぁ…
  さわちゃんいお願いして長いやつもらわないと。」

バシャバシャッ!

律「こら!魚が寄ってこないだろ!」

唯「冷たくて気持ちいーー!!」



152 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 16:26:36.87 ID:P8En1w+F0

一時間後

律「駄目だ、ぜんぜんかからねー…」

唯「魚がすばしっこくて刺さらないよ…」

律(まー素人の腕じゃ不可能だよな。)

-さらに一時間後-

律「カイン…!カイン!」

唯「…セシル!す、すまん…俺は何という事を…」

律「操られていたんだ…仕方ないさ。」

唯「しかし…意識はあったのだ。俺はローザを…」




153 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 16:28:38.72 ID:MYayyO4TO

何FF4の昼ドラやってんだwwww



154 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 16:35:25.32 ID:17ymmN8c0

懐かしすぎww





155 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 16:36:24.97 ID:P8En1w+F0

-さらに30分後-

唯「zzz…」

律「唯は遊びつかれて寝ちまったし。」

律「今日はあきらめ…」

ピクッ

律「ぬ!?」



157 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 16:43:52.78 ID:P8En1w+F0

律「かかった!!」

ピキピキ…

律「よ、よし!リールを巻いて…」

律「ってリール付いて無いじゃん!」

ピキキキ…

律「素直に引き上げればいいのか!?」

律「そいっ!」

律「てりゃぁっ!!」



159 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 16:50:08.06 ID:P8En1w+F0

律「ゲットだぜ!!」

唯「ん~?ふぁあ…」

律「唯!やった!つり上げたぞ!」

唯「あっ!すごーい!なんていう魚なの?」

律「うーん、アマゴだな、これは。」

唯「へー!よく知ってるね!」

律「父さんや聡と一緒に時々釣りに行くんだ。
  だから自然とおぼえたっつーわけ。」



160 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 16:57:46.59 ID:P8En1w+F0

唯「ただいまー!」

澪「ああ、おかえり。」

律「見ろ!3匹も釣り上げたぞ!
  アマゴが2匹、イワナが一匹だ!」

梓「すごいですね…大きさは20cmぐらい?」

律「アマゴは15cmに20cmぐらい、イワナも15cmぐらいか…
  アマゴはもっと大きくなるから、この辺にもでっかい奴がいるかもな。」



161 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 17:05:03.42 ID:P8En1w+F0

さわ子「りっちゃんやるわねぇ。
    で、一番大きい奴を食べる権利は当然私にあるわけよね?」

律「なんだよその理屈!!」

さわ子「土器を完成させることができたのは私がいたからでしょ?」

律「ぐっ…」

さわ子「それにまた釣ってくれば良いんだし。」

こうして縄文二日目も過ぎてゆく…



162 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 17:12:10.05 ID:P8En1w+F0

三日目

さわ子「はい、糸の追加よ。あと、竹もサービスでつけとくわ。
    この辺には生えてないしね。」

澪「ありがとうございます!」

さわ子「それで細工物を作るなり弓を作るなりしてちょうだい。」

四日目

律「木と蔓を使って魚用の仕掛けを作ってみた。」

澪「こっちも弓矢が完成したよ。」

唯「矢はどんぐらい飛ぶの?」

澪「威力がでるのは、10mちょっとまでってとこかな。」



165 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 17:17:02.30 ID:P8En1w+F0

五日目

律「ちょっと離れたとこに地層の断面があるんだけど、
  そこで、こんなもん見つけた。」

紬「石油臭いわ…」

唯「黒くてベトベトしてるね?」

律「ジモ○御大によると、これはタールみたいだ。
  石器と木を連結してあるトコに塗ると、
  その部分の強度をあげることができるんだって。」



166 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 17:25:48.61 ID:P8En1w+F0

六日目

唯「いっひひひひひひひひ!!!」

紬「唯ちゃんどうしちゃったの!?」

梓「笑い茸を食べたそうです。」

律「ベタベタだなおい…」

さわ子「そのうち直るだろうからほっときなさい。」



167 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 17:37:04.21 ID:P8En1w+F0

そして七日目…

澪「よいしょっと。水汲んできたぞー!」

唯「おかえりー!澪ちゃん、あーん。」

澪「あーん。」モグ

澪「すっぱ!」

唯「『ざくろ』だよー。」

澪「そうなのか?この森はほんとになんでもあるんだな…」

律「あー、みんな、ちょっといいか?」



169 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 17:44:06.34 ID:P8En1w+F0

唯「どったのー?」

律「とりあえず、家の中に入ってくれ。相談したいことがあるんだ。」

-竪穴住居内-

律「これを見てくれ。」

唯「こっこれはっ…!?」

澪「クサッ」

紬「何かしら?」

梓「…」

さわ子「どうみてもウンコでしょ。」



170 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 17:50:12.99 ID:P8En1w+F0

律「ああ、ウンコだ。」

澪「おい律…」

律「まあ、待て澪。当然これは私のウンコではない。」

澪「お前のだったら絶交モノだ!」

律「ジモ○大先生によれば、イノシシの糞らしい。」

紬「イノシシ?」



172 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 18:01:28.13 ID:P8En1w+F0

律「ああ。で、私なりに大先生の理論のもと
  このウンコを研究してみたんだが…」

律「どうやら、これが排泄されてから、
  まだ2、3時間しか経ってないらしい。」

律「大先生は糞の状態でイノシシの体長・体調の把握や行動予測まで
  可能らしいんだが、私にはここまで推測するのが限界だった。」

澪「いったいこんなものどこで…」

律「あたしらが利用してる水場あるだろ?
  そこからさらに20分ほど進んだ場所だ。」



173 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 18:08:13.53 ID:P8En1w+F0

律「で、このほかにも、別の場所2箇所でイノシシの糞が確認された。
  ここにあるやつよりも古いもので、同一の固体のものかはわからない。
  けれど、私が見つけた糞は、すべて同一の固体のものだと私は考えたい。」

梓「あの…律先輩の意図がまったくつかめません…」

律「あずさ、まあ聞いてくれ。」

律「ここで私は一つの提案をしたい。」

律「それは…」

律「この糞をしたイノシシを狩る!」

「「「「!!!!!!!」」」」

さわ子「はぁー…」



174 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 18:10:13.27 ID:P8En1w+F0

澪「律、正気…か?」

律「ああ。」

澪「日本中で年間何人の人間が、イノシシに襲われて
  怪我してるとおもってるんだ?」

澪「私らに太刀打ちできる相手じゃないだろう?」

律「あきらめたらそこで試合終了です。」

澪「私は真剣なんだぞ!!」

律「はい死んだ!澪のミュージシャン魂は今死んだ!!」

澪「ブチ」



194 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 22:18:08.42 ID:P8En1w+F0

澪「先生!このデコッパチになんか言ってやてください!」

さわ子「うーん…りっちゃん?」

律「おうよ!」

さわ子「勝手にやりなさい。」

澪「せんせい!!」



195 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 22:28:48.19 ID:P8En1w+F0

さわ子「ったく…」

さわ子(澪ちゃん、たしかにイノシシに遭遇してもあんたらじゃ
    傷一つ付けることはできないでしょうね。)

さわ子(逆に大怪我負うわ。)

さわ子(譬えるなら、dq6で本物のムドーに貧弱なレベルで挑むのと同じ。)

さわ子(ちょっと怖い目見たほうが今後のためよ。)



196 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 22:41:50.84 ID:P8En1w+F0

澪(でも怪我とか…)

さわ子(そんときはあんたが上手く誘導して、皆を逃走させなさい。)

澪(そ、そんな無責任な…)

さわ子「そういうことでがんばってねー。」

澪「おっ鬼!!」



199 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 22:49:28.97 ID:P8En1w+F0

こうして唯たちは無謀にもイノシシ狩りを行うことになった。
ここでイノシシ狩りに臨む唯たちの装備を見てみよう。

唯「ドキドキするねー!」
 ・右手→鹿角のヤス
 ・左手→なし
 ・頭→なし
 ・上半身→縄文人の服
 ・下半身→縄文人の半ズボン
 ・その他→小型の投槍
      憂のまもり(憂から渡されたお守り)
      イグサのポシェット(イグサを編んで作ったポシェット、食料入り)  



200 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 22:56:38.93 ID:P8En1w+F0

澪(果たしてどう逃げれば良いか…)
 ・右手→竹製の弓
 ・左手→なし
 ・頭→なし
 ・上半身→縄文人の服
 ・下半身→縄文人の半ズボン
 ・その他→黒曜石の矢×10
      黒曜石の石包丁
      イグサの矢筒(イグサを編んで作った矢筒)  



202 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 23:04:43.75 ID:P8En1w+F0

律(狩りで私がリーダーシップをとって澪から軽音部の主導権を…)
 ・右手→石製のハンドアックス(石の部分は20cm×4cm×2cm)
 ・左手→なし
 ・頭→なし
 ・上半身→縄文人の服
 ・下半身→縄文人の半ズボン
 ・その他→イグサのポシェット(食料・修理器具・小型石器入り)
      小型の投槍  



203 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 23:11:11.89 ID:P8En1w+F0

紬「ふんふんんふーん♪」
 ・右手→黒曜石の大型槍
 ・左手→黒曜石の大型槍
 ・頭→なし
 ・上半身→縄文人の服
 ・下半身→縄文人の半ズボン
 ・その他→ハンドアックス(律のものと同じ)×2
      大型縄文土器のバックパック(蔓をつかって背に背負えるようにしたもの
      中身には食料、総量10kg)
      たくあん眉毛  



206 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 23:24:35.32 ID:P8En1w+F0

梓(や、やってやれないです…)
 ・右手→小型の投槍
 ・左手→なし
 ・頭→なし
 ・上半身→縄文人の服
 ・下半身→縄文人の半ズボン
 ・その他→いぐさのポシェット(食料・つぶて石入り)
      竹製の水筒×2

※つぶて石…投げて対象に打撃を与える石ころ。  



208 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 23:32:56.99 ID:P8En1w+F0

さっそく原生林奥へと足を踏み入れる一行

律「あっ、いつもの湧き水についたな。
  水分補給しとくか。」

澪「水筒は二つしかないし、ここを拠点にするか、
  遠くの水場を探すか…」

律「どうにかなるだろ、まー。」

澪「な!?適当すぎるぞお前!!」

澪「はぁ…本当に…
  あ、みんな、体を動かして大量に汗をかくかもしれないし、
  灰塩を食べて水を十分にとっておけよ。」

唯「おーけい!」



209 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 23:39:59.39 ID:P8En1w+F0

こうしてさらに奥へと進む一行。

澪(帰り道をちゃんと覚えておかないと…
  でも方向感覚がぜんぜんつかめない…)

律(ぜーんぜん、出て来ねえなあ…)

梓「ムギ先輩、そんなにもって重くないんですか?」

紬「もっと持てるわよー?」 

このあと、ほぼ半日、一行は歩き回ることになる。
糞や足跡、イノシシが地面を掘り返したと見られるあとは見つかったが、
イノシシ自体に遭遇することは無かった。



210 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 23:45:43.07 ID:P8En1w+F0

一行には、間延びした倦怠感が現れ始めていた。
そのときである!

唯「あっ!あそこっ!」

律「どうした唯?」

唯「なんか、変な動物がいるよ!!」

律「なにっ!?」

律(よし、こっからは声を抑えていくぞ!)



211 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 23:50:44.57 ID:P8En1w+F0

律(鳥だよな…少し大きめだ…)

紬(あれは…雉(きじ)よ!)

律(キジか…まあシシ鍋じゃなく焼き鳥にランクダウンしとくか…)

律(よし!目標前方2時の方向のキジ!
  フォーメーショーンDだ!)

唯(ふぉーめーしょん?そんなのあったっけ??)

律(こういうのは気分なんだよ気分!それで士気が上がるんだって!!)



213 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 23:55:56.90 ID:P8En1w+F0

キジ「アホー」※こんな鳴き方はしません

梓(変な鳴声ですね…それに、狩るのはちょっと可哀想…)

律(梓、変なヒューマニズムに惑わされるな!)

律(澪、後方から援護を頼む。
  唯、私とギリギリまで近づいて投槍でしとめるぞ。)

澪(りょ、了解…)

唯(らじゃー!)

紬(ドキドキ)



214 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/11(木) 00:08:03.37 ID:Di0Bqfhw0

律(ギリギリまで近づけ…でも近づきすぎたら感づかれるから、あんまり近づくな…)

唯(え!?ど、どっちなの!?)

律(カンだカン!自分の感性を信じるんだ!)

ジリジリ…

キジ「アホーアホー」

律「いまだ唯!」

唯「応(おう)!」



216 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/11(木) 00:12:59.35 ID:Di0Bqfhw0

律「はぁぁーー!」

唯「えいっ!!」

キジから8mほどの距離から投槍を投げる!

キジ「アホー」

そして全く命中しない!

律「あ、あり??」

唯「ハズしたぁーー!!」



217 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/11(木) 00:19:45.63 ID:Di0Bqfhw0

紬(投槍は弓矢よりも狙いがつけられないのね。
  あと、飛んでいくスピードでも劣ってる…これじゃ威力も…
  鳥、というか素早い動物を狩るには不向きだわ。)

律「くっ…み、みお頼む!」

澪「ああ!」

矢をつがえ、弓を引き絞る澪。

澪(!)

ヒュン!

澪が放った矢はキジのほんの少し側面をかすめて外れる。

澪「くっ…」

キジ「アンタラバカー」

パサパサッツ…パサッ…

キジは優雅に空中へ舞い上がると、唯達の頭上を軽く旋回して
どこかへ飛んでいってしまった。



218 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/11(木) 00:26:59.70 ID:Di0Bqfhw0

律「くっそ!ああくっそー!!」

地団駄を踏んで悔しがる律。

梓(でも、殺さなくて、ほんとによかった…)

紬「あ、あのねりっちゃん…」

律「あっ!?なんだ!?」グワッ

紬「ヒッ!な、なんでもないわ…」



219 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/11(木) 00:33:25.05 ID:Di0Bqfhw0

澪「攻撃の連携がぜんぜん取れてないな。
  それに武器の選択も間違ってた。」

律「ああ!そう!そうだよな!くそっ…」

唯(りっちゃん荒れてるね…)

紬(アレがはじまっちゃったのかしら?)

それから小一時間周囲を探索したが、いかなる動物にも遭遇することは無かった。
唯たちは協議の上、途中で新しく見つけた湧水の近くまで引き返し、
そこで一晩明かすことに決めたのだった。



220 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/11(木) 00:41:20.74 ID:Di0Bqfhw0

パッ…パチッ…

闇の中、かがり火がうごめき煌く。

律「…」

律は口数少ないまま、食事をそうそうに切り上げ、
横になって目を瞑る。

唯「クッキーおいしいね♪」モグモグ

梓「はい…」

梓は曖昧に相槌を打つ。
唯は食料として持ってきたどんぐりクッキー(灰塩味)を
大そう気に入っているようだ。



222 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/11(木) 00:49:06.80 ID:Di0Bqfhw0

澪「ふぅ…」

澪は時々、律の方に視線をやりながら、弓の"つる"の調整をしている。

紬(りっちゃん、それにみんなも…疲れがたまってるのかな…)

紬は、ぼんやりと、皆の方を心配そうに見やる。

始めた頃は、非日常の中に突然入り込んだ日常感覚、が生まれた。
しかし時間が経つにつれ、この二つは溶け合い、
まったく別の、はじめて経験する感覚へと、唯達を晒す。
彼女達も身をもって、それを覚えはじめている。

こうしてまた一日、日が過ぎていった。



224 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/11(木) 01:02:34.27 ID:Di0Bqfhw0

次の日、目を覚ますと唯たちは竪穴住居へと帰路を取る。
大体一時間半ほどかかるだろうか?
澪がかろうじて方向と目印を覚えていたため、何とか帰りつけそうだ。
律は今日もほとど喋らない。
いや、他の皆も。

唯「ふぁーー…」

紬「眠いの、唯ちゃん?」

唯「んーちょっとねー。」

ドン!!!

唯「!!??」

澪「な、なんだ…!?」

それは突然に訪れる。背後で大きな音がする。
重量のある何かが、何かに衝突したかのような…



226 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/11(木) 01:08:32.29 ID:Di0Bqfhw0

背後5mほどの木陰に、唯達が追い求めていた動物がいた。

律「いの…シシ!?」

梓(よりによって…皆さんのテンションが最悪なときに…)

イノシシ「フ…フー…」

イノシシは唯達に気付くと体躯を彼女達のほうに向ける。
本来なら臆病な動物のはず。何かに気がたっているのだろうか?

梓「こっち向いて…に、にじり寄って…きます!?」



227 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/11(木) 01:17:39.94 ID:Di0Bqfhw0

澪「くっ…に、逃げ…」

律「いーや狩る!!」

澪「ば、馬鹿っ!!昨日のキジとは違うんだぞ!?」

イノシシはゆっくり、ゆっくりと、相撲取りのように寄りきり進み、
体躯を前方に屈める。

紬「来るわっ!!」



228 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/11(木) 01:26:03.17 ID:Di0Bqfhw0

律「澪!怖いなら指くわえてみてろ!!唯、投槍用意!!」

唯「うん!」

イノシシ「フーーーーー!!!」

ドッドッドッ!!!

イノシシが突進し始める。
標的は…梓!

梓「あっ…!?」

律「早いっ!!」

紬「あぶないっ!!」

紬は覆いかぶさるようにして、梓をイノシシから庇う。

ドンッ!!!

イノシシはその横を突進し、そのまま別の大木に衝突する。



229 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/11(木) 01:35:39.67 ID:Di0Bqfhw0

律「!?」

梓「あ…あ…」

梓「ハッ!ムギ先輩大丈夫ですか!?」

梓は紬のほうに顔を向ける。
紬はすでに、槍を構えて起ち上がっている。

紬「ぜんぜん!」ニコッ!

梓「よかった…!」ジワ



230 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/11(木) 01:41:46.66 ID:Di0Bqfhw0

律「動かない!?死んだか…」

澪「いや、気を抜くな!!」

律「!」

律「ああ!ゆい、あいつに目掛けて槍を投げるぞ!
  澪も頼む!」

唯「うん…!」

澪「ああ!」



231 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/11(木) 01:48:43.12 ID:Di0Bqfhw0

紬(やっぱり…投槍は弓矢に比べて有効な武器じゃないんだ…)

唯「あずにゃんを睨んでるみたい!!」

梓「ヒッ…」

紬「また来るわ!」

律「澪、距離をとってあたし等の背後から狙え!ムギ、お前の長槍一本貸せ!」

紬「うん!」

紬は律のすぐ目前へ槍を放る。
律はすぐさま片手で掴みあげる。



232 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/11(木) 01:55:32.22 ID:Di0Bqfhw0

イノシシは再び唯達に向いはじめる。
いや、おそらくは梓に向って、だ。

澪はイノシシの側面に再び矢を射掛ける。

ヒュン!

わき腹に突き刺さりはしたがイノシシは動きを止めず、再び前かがみに。



233 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/11(木) 02:05:34.30 ID:Di0Bqfhw0

澪「く、頑丈…」

律「あきらめるな!何度も射掛けろ!!」

律「ムギ!イノシシ挟んであたしの反対側にいけ!両側から仕掛ける!
  唯は梓を庇いつつ逃げて引き付けろ!」

唯「うん!」

イノシシが突進する。



234 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/11(木) 02:15:13.70 ID:Di0Bqfhw0

律「やぁぁーー!!!」

律の長槍がイノシシの首の辺りを傷つけ、反動で律は背後に倒れる。
長槍は突き刺さりこそしなかったが、イノシシの動きを止めた。

紬(今!!)

紬は一直線にイノシシに突進する。

紬「はぁぁっ!!!!」

ズっ!ググ…

紬(嫌な…感触…)

紬の長槍はイノシシの下腹深く突き刺さる。

イノシシ「フーーーーーーーーーーー!!!!」

苦しげな声をあげ、打ち倒れるイノシシ。



235 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/11(木) 02:19:51.48 ID:Di0Bqfhw0

律「や、やたっ!!」

澪「律、ムギ!怪我ないか!?」

律の背後から澪が声をかける。

律「大丈夫だ!」

紬「私も!」

澪は律に近づこうとするが、
その刹那―



237 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/11(木) 02:26:29.62 ID:Di0Bqfhw0

イノシシはゆっくりと起き上がる。
そして律のほうへ…
最後の力で、律を道連れにしようとするかのように。

律「あっ…」

律とイノシシの距離で今突撃されれば…

律「や、ばっ…」

澪「くっそーー!!!」

ヒュン!

澪はすぐさま弓を引き絞り射掛ける。
が、澪の放った矢は外れてしまった、ように見え…



238 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/11(木) 02:34:10.39 ID:Di0Bqfhw0

?「…」

ヒュン!

外れたように見えた矢は、なぜかイノシシの眉間から深々と突き立っていた。
ゆっくりと、横臥するように倒れるイノシシ。

律「あ、あぶ、あぶなか…」

澪「りつーーー!!」



239 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/11(木) 02:40:58.21 ID:Di0Bqfhw0

澪は背後から律を抱きしめる。

澪「よ、よかっだ…よかっだぁーー!!」ヒッヒック…

律「へへっ…////」

紬(心のビデオカメラ起動開始。高画質モードon)ハァハァ





少し離れた木陰

?「たく、世話をやかせてくれるわね…」



240 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/11(木) 02:50:35.63 ID:Di0Bqfhw0

そして一行は、蔓と木の棒でイノシシを縛り上げると、
梓を除いた四人がかりで背負い、竪穴住居へと帰路についたのだった。

けれど…逆さまに木に括り付けられ、
次第に体温を失っていくイノシシを、横目に見て…

梓「…」

梓(気が落ち着いてみたら、やっぱり、生き物を殺すのって…)

梓(それに、なんだかわからないけれど、
  このイノシシ、何かに取り憑かれてるようだった…)




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唯「じょうもんせいかつ!」#前編
[ 2011/09/09 21:34 ] 非日常系 | | CM(0)

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