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律「鼻じゃなくてデコ!」 【非日常系】


http://hibari.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1315622214/l50




3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/10(土) 11:38:58.37 ID:BKWiqsjSO

今は昔、田井中律といふ活発でキュウトな女学生が居た。


部活は軽音部といふ、エレキギタアや洋太鼓、キイボウドといった


近代的な音楽器を用ゐて、創作音楽を練習し、発表する歴史の浅い部活動に所属してゐた。


この律といふ娘、春を思ふ年頃故に、自身の奇特な容姿に大層悩んでゐた。


広くてテカるデコである。




10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/10(土) 11:52:41.49 ID:2nE33aJdO

芥川か






6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/10(土) 11:46:06.86 ID:MOC/Rlbh0

そのデコに関して、誰も何も言わなかったが、律自身、人の目を大層気にして負い目に感じていた。


たとい律がデコを取り上げて、面白おかしく自身を茶化す真似ををしようとも


本心では、広いデコとテカりが気になり、気を病んでいた。


同期生で友人の平沢唯や、秋山澪のデコを自分と比べ、気落ちをしつつも、


琴吹紬という名家のお嬢さんの眉毛の沢庵のごとき太いのを見ては、


自身のデコなど他愛も無い事であると虚勢を張ったりした。


だが眉毛は太かれどテカりはしない。



9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/10(土) 11:49:36.02 ID:MOC/Rlbh0

気丈に振る舞う律の心とは裏腹に、身体でいふ所の手はいつもデコを撫でていた。


せめて人並みの広さとテカりがあれば、他に何もいらない。


ツルツルとデコを撫で、不平や不満を心に閉ざしつつ、律は夢想を繰り返した。


このデコは容姿の不安だけでなく何分不便極まりないのだ。



11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/10(土) 11:55:26.06 ID:MOC/Rlbh0

デコの余りに摩耗し、光りを反射するにつけて、座学の時間などは、


後輩の中野梓に先々5、6寸の木の板でデコを覆わせなければ、録に勉強も出来ない。


食事の時などは、光りの反射で目が眩み、


箸に摘んだ米やら惣菜やらをかたわの様にポロポロ落とす始末である。


中野梓が板でデコを覆ってくれなければ、食事も出来ない。


以前、鈴木純というジャズ研の中童子に板で覆わせた時は酷い物であった



12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/10(土) 11:59:22.22 ID:MOC/Rlbh0

鈴木純は、わざとらしいくさめをしてしょっちゅうデコに板を打ち付けては、クスクスと笑っていた。


「や、な叩きたてまつりそ。」


と注意しても聞かず、ついには板をみそ汁の椀に落とす始末である。


デコのテカりで眩しいやら零したみそ汁で熱いやら散々であった。



幸い中野梓はかのような悪戯はしない真面目な性分であるので安心である



13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/10(土) 12:05:17.21 ID:MOC/Rlbh0

何分春を思う年頃故に、そのような事柄が続けば気に病むものであり、


律は活発ながら花も恥じらう乙女である。


時にはデコにドーランを塗りたくったりもした、時には前髪を下ろして、「おかしいし…」等とのたわったりもした。


デコ禿には、やれ蜜柑が効くと聞けば、蜜柑の皮を塗りたくり、


やれあずにゃんのいばりが効くと聞けば、あずにゃんのいばりをデコに振り掛けても見た。


だが無駄な徒労であった。


デコはいつものように広々とテカり、


学内ではソーラシステムやらソーラレイやら田中要次等と陰口を叩かれるようになる始末。



14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/10(土) 12:10:52.96 ID:MOC/Rlbh0

活発だった田井中律も、三年の夏になるとすっかり落ち窪んで内向的になり、


女子高生に田中要次は酷いとふさぎ込むようになった。


級友や後輩は、田井中律を心配し、恩師である山中さわ子に助言を求めた。



田井中律はと言うと、ドラムを叩く時にもデコを触る始末で、ろくに楽器も弾けないほどに落ち込んでいた。


山中さわ子が言うには、デコを直す方法は生徒会長の和が知っていると言ったので、早速和に聴きに行った。



16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/10(土) 12:15:46.14 ID:MOC/Rlbh0

ちょうど残暑がデコに堪える時分、


部室でデコを抑えてふさぎ込む律のもとに、軽音部の一団がやって来て言った。


「りっちゃん!直す方法見つかったよ!」


白痴のように騒ぐ平沢唯とニコニコする琴吹紬に田井中律は、そんなに人のデコが面白いのかと捻くれた。


「これで律も人並みのデコになれるな。」


半信半疑の律であったが秋山澪にそう言われると嬉しい物がある。


田井中律は早速その方法を実践してみる事にした。



17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/10(土) 12:22:02.17 ID:MOC/Rlbh0

まずはデコを熱湯に浸けるというのであった。


しかし、このままデコを熱湯に浸ければ沸き立つ湯気で顔を火傷してしまうだろ。


なので澪と唯は、タオルを煮て、熱々のそれを適宜に畳んで田井中律のデコに載せた。


最初は熱いと思ったが、ムシムシと上がる熱気が、


デコを包んで、熱い所か、温泉にでも浸かっている気分であった。



「もう蒸し上がった頃だろう。」


人のデコを饅頭か何かのように言う澪に、怒りというよりも笑いが込み上げた。



18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/10(土) 12:25:16.22 ID:MOC/Rlbh0

熱いタオルを取ると、まるでデコ全体が虫に刺された様に熱を持って、むず痒い。


唯が言うには鬼みたいに真っ赤だそうだ。


「それからどうするんだ?」と律が問うと、中野梓は、今度はデコを揉むという。


饅頭の次は餅か大福扱いだ。


中野梓はそのままデコを力強く揉み始めた。



19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/10(土) 12:28:06.87 ID:MOC/Rlbh0

「律先輩、痛くないですか?」


そう何度も問う中野梓をしつこいと感じながらも、


今まで熱を持ってむず痒かったデコを力一杯揉まれる事によって痛いというより気持ち良かった。


「痛く無いよ。もっと強くして。」


律がそういうと、今度は紬までもが一緒になって力一杯揉み始めた。


どれくらい揉んだだろうか…。



20 名前: ◆g4b7GjYsgg :2011/09/10(土) 12:36:10.18 ID:MOC/Rlbh0

次第にむず痒さは消え、後は、妙な脂っぽさをデコに感じた。


「あとは浮かび上がった脂を毛抜きで抜くんだよ。」


そういうと白痴の唯がどこからともなく毛抜きをとりだした。


律は自身のデコに恐る恐る触れてみた。


前のようなツルツルした感触は消え、所々髪の毛の生え際から、眉毛の上までの範囲に


ポツポツと何かが浮き上がって来ているのを感じた。


まるで羽根を毟った丸鳥の皮の表面のようなぼつぼつだ。


「じゃあ脂を抜きますね。」


梓と唯は毛抜きで、現れたポツポツを挟み、プチプチと抜いて行った。


抜いた脂は丁度小指の爪位の長さで、木の根のようにクニクニと曲がり、先が釘の様に細くなっている。



21 名前: ◆g4b7GjYsgg :2011/09/10(土) 12:38:30.89 ID:MOC/Rlbh0

治りかけのニキビを取った時のように表面はカスタードクリームのように黄ばんでいて、


体の中に埋まっていた部分に近付くにつれて、白っぽくなっている。


それをプツプツと音を立てて抜いていく。


全て抜き終わるまで一時間はかかった。



22 名前: ◆g4b7GjYsgg :2011/09/10(土) 12:42:35.96 ID:MOC/Rlbh0

「あとはもう一度、タオルで蒸して完成です。」


ポツポツとした穴がちらほらと開くデコにタオルを被せて蒸すこと20分…。


蒸しあがったデコは、テカりは幾分か無くなったものの、まだ広々としていた。


「和ちゃんによると明日寝て起きれば効果が出るって。」


まだ少しムズムズするデコを掻きながら、唯の話に耳を傾ける律…とにかく明日だ。


律は家に帰る事にした。



23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/10(土) 12:49:52.47 ID:MOC/Rlbh0

その夜、律は床に入ると、デコが再び熱を持つのを感じた。


虫刺されの熱を持つ感覚ではなく、純粋なほてりに似た感覚である。


ジンジンと鼓動に合わせてほてるデコを撫でながら、律は眠りについた。


翌朝、寝起き一番にデコを触ると、どうだろうか…まえのようにツルツルしてはなく、


限りなく人間の、それも若い乙女のしっとりとした肌があった。


広さも、昨日の田中要次や桝添に比べると心なしか、狭くなっている。


律は慌てて鏡をみた。


すると唯くらいの広さになった普通のデコがそこにはあった。


今までは反射でろくに鏡も見れなかったが、今は普通に見られる。


律は小躍りした。



24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/10(土) 13:01:30.51 ID:MOC/Rlbh0

律は嬉々として支度をし、下に降りた。


「おっはよ~聡ぃ!」


「姉ちゃん、おは…。」


下に降りて、開口一番聡に挨拶をした。


だが聡の目は律のデコに釘付けである。


「…ンフッ…」


聡は肩を震わせた。


律は大層不思議がった。



25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/10(土) 13:08:51.88 ID:MOC/Rlbh0

登校中、律は始めてドラムを買った時のようにのびのびした気持ちで、朝の道を歩いた。


だが、学校につくやいなや、なにかが変であると悟った。


クラスの皆のみならず先生や後輩までもが律のデコをジロジロと見つめていたからである。


それは友人でも同じ事で律の如何にしてデコが縮んだかの話など耳に入らずに、


ただジロジロと律のデコを眺めるのだった。


澪や紬がそうなのだから、中童子の鈴木純などは、


律を見た途端に、デコをガン見し、ついには腹を抱えて笑う始末である。


せっかく人並みになったデコを笑われては、律も今朝の様に御機嫌ではいられない。

二三日も立つと、律は終始ムスッとした顔をするようになった。



26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/10(土) 13:13:04.26 ID:MOC/Rlbh0

今までは影で女子校特有の陰湿な嘲笑の的になっていた律であるが、


今度は本人の前で堂々と嘲笑し、デコを耶愈して笑うもの、


遠くから指を指して、かたわか白痴を見るような目で見る者が現れた。


悩みの種であったデコが普通に戻った途端、悩みの種が大きくなる始末…


これでは元も子も無いどころか、ますます律を惨めにさせた。



27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/10(土) 13:17:54.42 ID:MOC/Rlbh0

そんなある日の事であった。放課後、律は一人部室に篭り、


今まで以上に撫でるようになった普通のデコを撫でながら、ため息をついていると、


校庭から嬌声が聞こえてきた。


聞き覚えがある声に、律はそっと窓を覗くと、校庭で中野梓と鈴木純が何やら戯れているのが見えた。


デコを撫でながらしばし眺めると、どうやら純が戯れに木の棒で、梓にちょっかいを出しているようだった。


些かの憤りと虚しさを覚えつつ眺めていると、純が大声をだしながら、棒を振り回し、梓に迫った。



28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/10(土) 13:24:18.12 ID:MOC/Rlbh0

純はわざとらしい声色で、


「デコを守れ!デコだけは叩かれるなよ!」等と言いながら、梓に棒を突き付けていた。


梓は楽しげな笑い声を上げながら自身のデコを押さえて、逃げ回っている。


これをみた律は、急激に血の気が多くなるのを感じた。


怒りに怒ったという次元では無いくらいの怒りを抱えて、一目散に部室を飛び出すと、


上履きのまま校庭で戯れる純と梓に向かっていった。


そして純が持つ木の板を奪うと愕然とした。


それは梓や純が律のデコの反射を覆うために使っていた木の板だったからだ。


律は梓を蹴り倒し、純の顔やら肩やら首やらを、木の板で滅多打ちにした。


それは梓が律の足にすがって謝るまで続けられ、純はただただ泣いていた。



29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/10(土) 13:27:27.95 ID:MOC/Rlbh0

その日、律は疲れ果て、食事や風呂もそこそこに床に入った。


するとどうだろうか…床に入り、うつらうつらする律のデコが


湿気を帯びたように冷たいやら暖かいやら不思議な感覚に襲われた。


まるで適宜な温度の、蒸気をデコに当てられてるかのような感覚である。

時折むず痒さのあまりデコを掻きながら、いつの間にか、律は眠りについていた。



30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/10(土) 13:35:23.34 ID:MOC/Rlbh0

次の日、秋に入り、些か肌寒くなった朝の空気に伸びをしながら包まれ、律は癖のようにデコに触れた。


デコは前のように、広さが桝添か温水で、ツルツルと朝日を反射していた。


元に戻ったデコを撫でながら、律は落ち込むどころか、


最近感じる事の無くなった、晴れやかな気持ちに包まれた。


無理をして自身の分を越えてはいけない。


自身は自身であり、奇異な容姿も嘲笑の的ではあるが、


それを必死に自身の分を越えて直そうとする姿は更に滑稽でみっともない物だ。


天パは天パで笑われるが、急に縮毛矯正をかけてみなさい。
天パの時以上に嘲笑される事であろう。


自分の分を弁え、それと向き合う事が何よりも大切な事だ。


律は鼻歌まじりで登校しつつこう思った。



31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/10(土) 13:38:26.77 ID:MOC/Rlbh0

クラスに入ると案の定、だれも律のデコを笑うものやジロジロ眺める物はいなくなった。


律は自分の分の大切さを良く噛み締めた。




後日、律がデコを直したのを真似して、紬が眉毛を剃って来て皆に笑われたのはまた別の話である









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律「鼻じゃなくてデコ!」
[ 2011/09/10 15:06 ] 非日常系 | | CM(0)

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