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唯「ある晴れた昼下がり、市場へ続く道」 【非日常系】


http://hibari.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1316351227/l50




1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/18(日) 22:07:07.69 ID:ZTFJnGG90


唯「荷馬車がー、ゴトゴト、澪ちゃんをのせーてゆくー……」

澪「……」

唯「かーわーいーい澪ちゃん、売られてゆーくーよぉー」

唯「かなーしそうな瞳で見ーてーいーるーよー」

澪「……」ウルウル

唯「ドナドナドーナードーナー、澪ちゃんをのーせーてー」

唯「ドナドナドーナードーナー、荷馬車がゆーれーるー♪」


ゴトゴト……


唯「バイバイ澪ちゃん! バイバイ元気でね!! おいしいお肉になるんだよ!!」

澪「……うぅ」ブワッ





5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/18(日) 22:11:27.36 ID:ZTFJnGG90


唯「……行っちゃったぁ」

憂「お姉ちゃん、泣かないで」

唯「泣いてなんかないよ。これもお金のため、生きるためだから」

憂「うん、いい牛だったね」

唯「澪ちゃんありがとう……このお金で私たちは今日もご飯をたべられます」




市場

和「ついたわ」

澪「……」

和「降りなさい。いまからあなたの買い手を探すから」

澪「……」シクシク

和「泣いてもだめよ。あなたは売られたんだから」



7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/18(日) 22:17:15.26 ID:ZTFJnGG90


澪「……」

和「さぁ、しゃんとしなさい。競りにかけるわよ」

澪「……」

和「暗い顔しないで。商品価値が落ちちゃうじゃない」

澪「ううう……」

和「あなたほどの牛ならさぞや高く売れるでしょうね」

和「平沢牧場から安く買い叩いて正解だったわ」

澪「帰りたい……」

和「だめよ。私も生活がかかってるもの」


和「さぁよってらっしゃい見てらっしゃい。今日私がもってきたのは平沢牧場産の肉牛よ!」

和「この健康的なつややかな肌、実りに実った肉、今年度イチオシの最高の一頭!」

客「なんだなんだぁ?」

客2「ほぅ、なかなかいい牛だな」



9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/18(日) 22:22:42.37 ID:ZTFJnGG90


和「とくにおいしい部分はここよ!」ポイン

澪「あうっ」

ぷるん……

客「おおっ!」

和「味も鮮度も抜群。買わなきゃ損よ」

和「それじゃ15万から!」

客「15万5千!」

客2「15万8千!」

客3「16万!2千!」

澪「うう……」

和(思ったより上がらないわね……)



13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/18(日) 22:29:01.44 ID:ZTFJnGG90


和「16万2千でいいのかしら?」

客3「へへ、これだけ良い平沢牧場の肉が手に入ったら、念願のステーキハウスが開けるぜ」

澪「ひっ……」ガクガクブルブル

和「それじゃああなたに決定で」

??「20万だ」

和「!」

客3「!?」

和「20万ですって……?」

客3「お、オメーは!」

客1「ふわふわ通りのタイナカ……」

客2「何ッ! あのえげつねぇ商売で有名な……」

律「……落札だ」

和「20万でました! さぁほかにはいない!?」

澪「……」ブルブル



16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/18(日) 22:35:20.42 ID:ZTFJnGG90


客2「馬鹿な、たかが肉牛に20万ムギ$だと?」

客3「頭とんでやがる……肉屋でもないくせに……」

客1「バカめ。破産しやがれ! てめぇ前から邪魔だったんだよ!」

律「……」

和「いいのかしら?」

律「あぁ、一括払いだ。ほらよ」

和「18、19、20……た、確かに」ペラペラ

律「もらってくぜ?」

和「えぇ……いいわよ」

律「よし行くぞー」グイグイ

澪「ひぅ……」

和「ちょ、ちょっといいかしら!?」

律「あん?」

和「お買い上げありがとう。だけどなんでこんな馬鹿げた値段で……」

律「……ピンときたから……かな?」



21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/18(日) 22:41:56.31 ID:ZTFJnGG90


和「そう……またよろしく」

律「あぁ、こいつ以上にいいのがいたらな」

和(ふふ、大儲けしちゃった)

澪「嫌だー行きたくないー」

律「抵抗するなよ。お前は私のものになったんだ」

澪「ああああー嫌だー牧場に帰りたいよー」

律「やれやれ、先が思いやられそうだ」



タイナカ商店


律「どーん! 到着」

澪「ここで私は……」ゾクゾクブルブル

律「さてと、さっそく準備するか」

澪「うわあああん、解体されたくないー!」



23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/18(日) 22:47:38.47 ID:ZTFJnGG90


律「これでやっとしみったれた仕事やめれるぜ」

澪「うううう……」

律「首輪みせて」

澪「……」

律「澪っていうのか。いい名前をもらったな」

澪「……帰りたい」

律「牧場暮らしってのはいいもんか?
  牛がどんな気分で日々を過ごしてるのか想像もつかないけど」

澪「うん、いいところ……
  毎日おいしいご飯がもらえて、お昼寝して、外を自由に歩けて……唯も優しいし」

律「あぁ。私も牛に生まれて牧場で暮らせたらきっとおおらかに育ったろうな」

律「ここは……ちんけな街だぜ全く。澪も売られちまって買われちまって気の毒にな」

澪「ごめんなさい……食べないで……おいしくないです」

律「澪の味を決めるのはお客さんだぜ」

澪「うわあああん」



29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/18(日) 22:53:13.03 ID:ZTFJnGG90


律「の前に私も味見するけどな」

澪「やだぁ、やだよぉ……痛いのやだ……血怖い」

律「心配するな、無駄に高い金払ったんだ。とりあえすまでバラしはしねぇって」

澪「えっ?」

律「パッと見でも素晴らしい乳だ」

澪「……みるなぁ」

律「平沢牧場……噂には聞いてたがこれほどまでに良い仕事をするとはな」

もみゅ

澪「ひゃうんっ!」

律「おーおー、手に吸いつきなさる」

澪「や、やめ……」

律「やっぱり乳処女か。そうだよなぁ、肉牛だもんなぁ澪は」

澪「……あ、あの?」

律「まぁこれで糞まずかったら、バラし売りもありだけど」

もみゅもみゅ



34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/18(日) 22:59:25.78 ID:ZTFJnGG90


澪「や、やめっ。うぅぁぁあ……」

律「んっと、どうするんだっけ? つまむんだっけ」

ギュウウ

澪「ああああっん」

ピュルルルルルウ……

律「お、出たでた。ってあちゃー、こぼれちゃってるよ。ビンどこ置いたっけな」

律「まぁ最初だし直飲みでいっか」

ちゅむ

澪「んっ……ぁぁぁ……」

律「……」チュウチュウ

澪「ひゃっ……あぁあう……あああっ」

律「……んぐ、ふぐ……」チュウチュウ

澪「やん……やめっ、ぁ……」

律「……く…………おあああああああ!!!」

澪「な、なになになに!?」



37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/18(日) 23:05:31.27 ID:ZTFJnGG90


律「……くくっ、ククク……くははははっ」

澪「……怖い」

律「澪……お前……ックク」

澪「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい……」

律「まじで……ファンタスティックだぜ……美味すぎて思わず叫んじまった」

澪「……え?」

律「これなら1瓶で1,000ムギ$、いや、1,500ムギ$でもおかしかねぇな」

澪「……えっと」

律「よっしゃあ! 明日からタイナカ乳業として創業だ!!」

澪「はぁ……あの……私バラバラにされないですむ?」

律「おう」

澪「よ、よかったぁ……」ホッ

律「死にたくなければがんばっていっぱい乳をだせ!」

澪「うぇえええええん!! やっぱり帰りたいいいい!!!」

律「逃さないからなー♪ 私の牛だし」



39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/18(日) 23:11:13.69 ID:ZTFJnGG90



その夜


律「さぁー澪ちゃん、たくさん食べるんだぞー」ニコニコニコ

澪「怖い……」

律「遠慮するなー?」

澪「……」

律「食え!」

澪「……うー」モグモグ

律「よしよし。好き嫌いするなよ。ちゃんと栄養面を考えてるんだからな」

澪「……」モグモグ

律「うまいか?」

澪「う、うん! おいしい……」

律「たくさん食って、いい乳だせよー」

澪「……」

律「不安そうな顔するなって。悪いようにはしねーからさぁ」



42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/18(日) 23:16:45.56 ID:ZTFJnGG90


律「な?」

澪「……」

律「まぁ牛のお前からしたら人間なんて信用できないかもしれないけどさ」

澪「……あなたは」

律「律でいいよ」

澪「……律は、悪い人?」

律「かもな。ただのがめつい商売人さ」

澪「ほんとに?」

律「おう、それもこの辺じゃ札付きのな」

澪「私の乳を売って……うまくいくの?」

律「やってみなきゃわかんねーって。博打だ博打。あ、博打ってわかるかな」

澪「わからない」

律「……まぁぼちぼちいろいろ教えてやるよ」

澪「うん……」

律「とりあえずはここが家だと思ってゆっくりしろ」ナデナデ



47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/18(日) 23:23:58.56 ID:ZTFJnGG90


澪「あの……なぁ律」

律「うん?」

澪「体綺麗にしてほしい……いつもは唯っていう牧場の」

律「あー! そうだよな。うんうん」

律「よし、じゃあ風呂入るか」

澪「ふろ?」

律「おう。気持ちいいんだぞ。わかしてくるからちょっと待ってな」

澪「うん……」


澪(唯……変なとこにきちゃったけど、私は元気だよ……)

澪(変なやつだけど、新しい飼い主も見つかったよ……)

澪(はぁ、牧場に帰れる日が早く来るといいなぁ……)

澪(人間の街の空気はあまりおいしくないから……)

澪「……」モグモグ

澪「このケーキってやつおいしいな」



52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/18(日) 23:28:48.37 ID:ZTFJnGG90



律「おい入るぞー、こっちこい」

澪「うん」ヒョコヒョコ

律「長旅ごくろうさんだったな」

澪「……」グスッ

律「泣くなよ。なんか私が悪いことしたみたいじゃん」

澪「……」シクシク

律「ほら、これが風呂。つかってみろよ。暖かいぞ」

澪「……?」

律「えっと、こんな風にさ」

トプン ジャボン

律「ふー……生き返るー」

澪「生き返るのか? これに浸かったら死んでも生き返る?」

律「……いーから来いって」

澪「……」オソルオソル



54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/18(日) 23:33:41.16 ID:ZTFJnGG90


律「きなさい!」グイッ

澪「わあっ」

ドボン

律「……な?」

澪「はぁ……あったかい……」

律「あはは。お湯こぼれてる」

澪「でも狭い……」

律「しゃーねーじゃん。金ないから狭いんだよー」

律「ほれほれー飼い主様が洗ってやるぞー」

さわさわさわ

澪「ふぁっ、やめっ」ジタバタ

律「こぉーら暴れるなって。お湯どんどんこぼれるじゃんかー」

澪「だって……びっくりした」

律「ははは、こんだけくっついてると洗いやすいわ」



56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/18(日) 23:38:36.25 ID:ZTFJnGG90


澪「手でされるとくすぐったい……」

律「んー?」

さわさわ

澪「あぅ……はぁう」

律「胸はこれから商売道具になるから念入りに洗っとこうなー」

もみゅもみゅ

澪「ふぁああああ!!」ビュービュー ピュルルル

律「うおっと! 出ちゃったな。ミルク風呂だ!」

澪「ぁぁぁ……」

律「んー、いい匂いだ。ちょっと飲も」

ちゅむ チューチュー

澪「ひいいいい!!!ああああ!!」

律「アハハハ、すんげぇ温くてうめぇし!」

澪「やだぁ、もうやだぁ帰りたい」

律「帰る帰る言うなよー、傷つくじゃん♪」



60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/18(日) 23:45:31.95 ID:ZTFJnGG90


澪「もっと優しくして……」

律「んー? そうだなぁ、練習しなきゃなぁ」

澪「……」

律「なにその顔」

澪「……ふんっ」

律「今日はこれくらいにしといてやるよ。けど明日は朝からしぼるからな」

澪「……へんたい」

律「あ?」

澪「知ってるんだぞ! おっぱいが好きな人間はへんたいっていうんだ!」

律「……んー、まぁ」

澪「へんたいだ!」

律「そのおっぱい丸出しで言われましても」

澪「牛にそれをいうのか!」

律「うっせーなーもみ倒すぞ」モミュモミュ

澪「ああああっやめてくれえええ!!」ビュービュー



68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/18(日) 23:53:16.46 ID:ZTFJnGG90



……


律「んじゃ、明日も早いし寝ようぜ」

澪「まって……まだ毛が乾いてない……」

律「毛なんてこう適当にわしゃわしゃーってふいとけ」

澪「……なにか着るものがほしい」

律「街は寒いか? 澪のいた平沢牧場は南のほうだっけ?」

澪「うん……ぽかぽかしてた」

律「風邪ひかれたら商売あがったりだぜ。とりあえず私のお古でいいか。着とけ」バサッ

澪「……」モゾモゾ

律「うわっ、胸んとこぱっつんぱっつんだな。さすが牛」

澪「……」

律「ヘソ出し。可愛いぞ!」

澪「……変な感じ」

律「さぁ寝よう。こっちへこい澪」



73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/18(日) 23:58:07.20 ID:ZTFJnGG90


澪「ここで寝るの?」

律「おう、また狭いとこだけど勘弁な」

澪「これ、唯たちが寝てたのとおんなじだ」

律「ベッドって言うんだ。ふかふかできもちいぞ?」

澪「干し草より?」

律「おう干し草より。たぶんな。干し草で寝たことねーからわかんね」

澪「……一緒にねるの?」

律「そうだけど?」

澪「どうして?」

律「どうしてもこうしても、ほかにお前が寝るとこねーんだよ」

律「住居スペースのほとんどを店に改造しちまったからな」

澪「……」

律「嫌なら床で寝ろ。あ、でも風邪ひくからだめだ。こうなりゃ私が床でねる!」

澪「……ううん、一緒に寝る……」

律「! ……よろしい♪」



74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/19(月) 00:02:38.06 ID:3nYtQAgD0


律「ここ横になれ」

澪「うん……」ノソリ

律「いい子だ……さて、もう逃さないぞー」

ギュッ

澪「うぐ……だまされた」

律「ふっ、早く寝ろよな。明日は忙しい一日になる」

澪「……よろしくお願いします」

律「……おう、こっちこそよろしく」

律「そんじゃ、おやすみ澪……」

澪「おやすみ……」


澪「……苦しい……でもあったかい……」

律「……ぐがー」

澪「もう寝てる……唯もよくお仕事の途中に牛舎で寝てたな」

澪(…………唯)



78 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/19(月) 00:08:48.73 ID:3nYtQAgD0


澪(街からはあんまり星が見えないな……)

澪(私が大好きな星すらも見えない……)

澪(不安だ……私はどうなるんだろう……)

澪(この人は私をどうするんだろう……)

律「んごぁ……金じゃ……ウヒヒ金じゃあ……」zzz

澪(言ってたように悪い人なのかな……) 

澪(考えると怖くて眠れない)

澪(うう駄目だ。泣きそう……)

澪(そうして私は考えるのをやめるのであった)


澪「……」zzz

律「……ヒヒッ」zzz



84 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/19(月) 00:13:44.80 ID:3nYtQAgD0


翌朝


律「……」

澪「……ぐうぐう」

律「おーいおきろー」

澪「……ぐうぐう」

律「みーおちゃん」

澪「……すぅすぅ」

律「みーお! ……おい牛」

澪「……すやすや」

律「おきろぉぉおおお!!」もみゅっ

澪「ふぁあ!!」ガバッ

律「よく眠れた?」

澪「……うん」

律「そりゃよかった……さてと」



86 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/19(月) 00:18:43.08 ID:3nYtQAgD0


律「朝の一番搾り♪」

澪「……」

律「っていまの一揉みでちょっと漏れてるな」

澪「あ……」

律「服染みてる。もったいねー、飲めばよかった」

澪「……ほんとにするの?」

律「するけど? とりあえず服ぬごうな」

澪「……優しくするんだぞ」

律「わかってるって。そのほうが絶対うまいの出るし」

澪「……ならいいけど」

律「とりあえずいっくよーん、はいおっぱいだしてー」

澪「……はい」


ぷるんっ

律「おお、朝からいいもん拝めたぜ」



89 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/19(月) 00:23:21.57 ID:3nYtQAgD0


律「そんじゃま、このデカ乳に商売繁盛を祈って……」

澪「……早く終わらせて」

律「おりゃっ!」

ギュウウ

澪「んっ……ひゃああっ」

ビュービュー

律「あはは、朝から威勢がいい乳だこと」

ギュウウ

ピュルルルビュービュー

澪「うあっ、あああっ、だめだぁ……もっとやさしくぅ」

律「これ以上力抜いたら出ねーだろ。慣れろ慣れろ」

澪「うううう。あぁああああっん」

ビュービュー

律「いい匂いだなー。最高だぜ」



93 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/19(月) 00:30:44.02 ID:3nYtQAgD0


澪「やだぁ……おっぱいでてる……私のおっぱい」

律「んっと、結構でたな。これでビン4本か。ちょっと少ないか?」

澪「……」

律「昼からまたしぼるからな。たくさん朝ごはん食べような」

澪「……うん」

律「とりあえずこれを売らなきゃはじまらねぇ」

澪「もし……売れなかったら……?」

律「……てへっ☆」ジャキン

澪「嫌だああああああ!! ばらばらにしないでー」

律「絶対売ってみせるから安心しろって。こんだけうまいんだから」

澪「絶対絶対だぞ! お願いします!」

律(ただなぁ……問題があるんだよなぁ)

律(一つ。鮮度が保てないからその日のうちに売り切らないといけない)

律(二つ。生産量が圧倒的に足りない。これはもうどうしようもない)

律(三つ。味にムラがあるかもしれない……これは私がなんとかするしかない)



95 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/19(月) 00:35:43.41 ID:3nYtQAgD0


……


律「さぁいらっしゃいいらっしゃい♪」

律「今朝しぼりたてのおいしい牛乳だよん」

律「なんとあの平沢牧場でのんびり育った特上の牛だ!」

律「ぜひ一本! お試しあれ!」


律「……」

澪「……」

律「あっ、そこのお姉さん!
  とれたておいしい牛n、え、あ、すいませんお急ぎでしたか」



律「……」

澪「……」

律「……あれ……こんなはずでは」

澪「……」



98 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/19(月) 00:41:52.19 ID:3nYtQAgD0


澪「……どうするんだよぉ」

律「おっかしいなー……高いのかなー」

澪「……売れないとバラバラ売れないとバラバラ売れないとバラバラ」

律「まぁ落ち着けって。まだ始めたばっかだろ。こういうの気長にな」

律「いらっしゃいいらっしゃい」

律「どうどう? お仕事の前においしい牛乳いっぱいどう?」

客「うーん……高いなぁ」

律「そう?おいしいよ? ならいまなら特別価格で一本1,000ムギ$!」

客「高いって……」

律「絶対おいしいから!」

客「急いでますんで……」

律「あ、えー……いっちゃった……」

澪「……」

律「はぁ……今夜は豪勢に焼肉と洒落込むか!」

澪「やだあああああ!!!」



100 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/19(月) 00:47:11.00 ID:3nYtQAgD0



それから二時間後


律「……さっぱり売れん!」

澪「……きっと律が悪い顔してるからだ」

律「んなことねぇって!」

澪「……だって悪い商売人なんだろ?」

律「あぁ、商売人連中には嫌われてるけどな。
  ふつーのお客さんは私のことなんて知らないって」

澪「じゃあどうして……」

律「んー……」

梓「こんにちは律先輩!」

律「お、梓か」

澪「……?」

律「商人仲間。後輩の梓だ」

梓「律先輩牛買ったんですか?」

律「おうよ。平沢牧場産だぜぇー、いいだろ」



103 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/19(月) 00:54:19.82 ID:3nYtQAgD0


梓「へぇ……」

律「やんねーぞ?」

梓「いえいえ。それで売ってるのが牛乳?」

律「おう」

梓「プッ。律先輩。これ肉牛ですよ?」

澪「……はい」

律「いーんだよ。乳もうめーから」

梓「それにいくらなんでも高すぎますって。私ならこんなの半額でも買いません」

律「なにぃ。てかなにしに来た」

梓「視察ですよ。昨日律先輩が大金はたいて牛をせり落したって聞いたもんで」

律「なっ、もう噂ひろがってんのか!?」

梓「ドケチで有名な守銭奴律先輩がこんな大きな買い物をするなんて珍しいですから」

律「……」

梓「たしかに良い牛ですけど、どうしてまた。しかも肉牛を乳牛って」

律「……いいだろうが別にぃ……」



106 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/19(月) 01:00:25.24 ID:3nYtQAgD0


澪「……」

梓「……」じー

澪「……なに?」

梓「……まぁ。可愛い牛ですよね」

律「だろ?」

澪「……」

梓「でも20万の価値はないでしょ」

澪「む……」

律「まぁ見てろって。20万なんてあっという間にとりかえしてやるから」

梓「そんなに博打うち好きでしたっけ? いつもちまちま小銭を稼いでるイメージでしたけど」

律「だぁああもううるせぇなぁ。いいからこれ飲め。買え」

梓「えー、私牛乳苦手です」

律「だからお前はいつまでもちっこいんだよ。ほら買え買え」

梓「すすめるなら景気よくおごってくださいよぉ」

律「だめー☆」



107 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/19(月) 01:05:05.21 ID:3nYtQAgD0


梓「じゃあ一本だけですよ?」

律「まいど♪」

梓「……まったく、肉牛の乳がおいしいわけ……んぐんぐ」

梓「!!!」

律「……ど?」

梓「いやいや……そんなはず……んぐんぐ」

梓「はっ!!!」

律「な!?!? うまいだろ!?」

梓「……不思議な味です」

律「うまいって言えよ」

梓「だけどやっぱり一本1,000ムギ$出すには高いかと」

律「そっかー……でもなぁ、一日の生産量が……」

梓「……加工したらどうですか?」

律「加工?」

梓「チーズとかヨーグルトとか……」



109 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/19(月) 01:10:45.53 ID:3nYtQAgD0


律「なるほどなぁ。他になんかある?」

梓「っと。商売敵に丁寧にアドバイスなんてしてられません」

律「チッ……加工かぁ……」

律(でもなぁ……機械導入する金もねーし)

律(まじで失敗したかなぁ……)チラッ

澪「……ひっ」

律「だーいじょうぶ。まだ一日目だ余裕余裕」ニコッ

梓「それじゃあがんばってくださいね」

律「梓はいまなんの商売してんの?」

梓「いま新しい商材を探してます」

梓「とりあえず試しに平沢牧場にいってみようかなって」

律「うまかったんだろ!?」

梓「いーえ。いま平沢牧場は肉牛がかなーりきてるらしいですから」

梓「私は肉を売りさばいて大儲けしてやるです」

律「……乳もうめーって……」



111 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/19(月) 01:18:56.64 ID:3nYtQAgD0


梓「律先輩。後悔しても遅いですよ」

梓「その牛も活きが良いうちにバラして売らないと、たいした値になりません」

梓「街は牛にとってはいい環境とはいいがたいですしね。肉どんどん固く育ちますよ」

律「……たしかにな」

澪「えっ……やだよ?律?」

律「……」

澪「やだ……」

梓「おさらばです律先輩。次あうときまで野垂れ死んでないことを祈ってます」

梓「これは律先輩が教えてくれたことですが」

梓「商人にとって、失敗=死……です」

梓「目利きは得意なんですよね?」

律「……あぁ、見てろよ……絶対度肝ぬかせてやるから」

梓「いい知らせまってます~」

律「……」



114 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/19(月) 01:25:53.00 ID:3nYtQAgD0


律「……行ったか」

澪「……小さい人間だった」

律「あいつは私の弟子みたいなもんでな。
  野垂れ死にそうなところを拾って商売のノウハウをいろいろ教えてやったんだ」

律「……はぁ」

澪「どうしてため息ついた?」

律「いんや、弟子に説教まがいのことされるなんて」

澪「お説教だったのか」

律「しかも見栄張っちまった」

澪「カッコ悪いな」

律「うるせぇぞ牛。とりあえず昼飯にするか。朝の売上は梓の飲んだ一本だけだ」

澪「……」

律「ま、きにすんなって。商売なんて水物だ。これでだめなら他の売り方を試そう」

律「加工って手も残ってる。余裕さ、ははは」

澪「うん……私は牛だからよくわからないけど……」

律「澪の乳はうまいんだから! それをわかってもらえたら爆売れ間違いなしだぜ!」



116 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/19(月) 01:31:49.53 ID:3nYtQAgD0



数日後…


律「いらっしゃいいらっしゃい!」

律「さぁ飲んでって! 今日もしぼりたて鮮度抜群だよ!」

客「いらないって……しつこいなぁ……」

律「そーんなこといわずに! 気怠い朝にシャキっと一本!」

客「しってるよ。その牛、肉牛なんだろ?」

律「……え、なんで」

客「タイナカさんとこの牛は肉牛だから、売ってる牛乳はまずいってとっくに噂になってるよ」

律「……は?」

客「悪いけどこれで……」

律「お、おい! 噂の出所しらないか!?」

客「しらねーよ……肉にするなら今晩の飯にするから買ってやるけど」

律「……ッ、それは無理」

客「はぁ……残念だなぁ」



118 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/19(月) 01:37:43.28 ID:3nYtQAgD0


律「……こんなにうめぇのに……もはや味をしってもらうこともできないなんて」

澪「……」

律「私のミスだ……噂が広がる前に無理してでも安く大量に売るべきだったんだ」

澪「律……」

律「うわぁぁぁぁあん澪おおお! どうしよどうしよ!」もみゅもみゅ

澪「ひゃぅん! なんだよぉ泣くのか絞るのかどっちかにしろぉ」

律「だってぇ……いきなり万事休すなんだもん、澪のおっぱい絞る時間なんだもん」

澪「私牛だから。わからないから自分で考えろ……ひゃっ、あああん」

律「ちくしょー、完全に後手にまわったぜ」

律「売れない牛乳屋ってレッテルを貼られたら完全に終わりだ……」

澪「そうなの?」

律「あったりめーだろ。このままじゃ飢え死コースだ」

律「商売にとって、失敗=死……ちくしょー死んでたまるかよっ!」

澪「私も死にたくない……」

律「澪おおおおお!!」もみゅもみゅもみゅもみゅ



121 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/19(月) 01:44:50.56 ID:3nYtQAgD0




澪「元気出せ……」ポンッ

律「……」

澪「たくさん手はあるんだろ?そう言ったじゃないか」

律「……いや、ない」

澪「えっ」

律「なにかしようにも、金がないんだ……貸してくれる物好きもいねぇ」

澪「そんな……」

律「売れるとおもった。簡単だと。最悪さ、肉にして売れば元はとれるって甘い認識だった」

澪「ひっ、肉はヤダ」

律「でも甘かった……私、生ものを扱ったことなかったんだ……言い訳じゃないけど、馬鹿だ私!」

澪「律……」

律「考えても打開策なんてみえてこない。
  こんなにうまい牛乳なのに、売れ残ったら捨てるしかないなんて」

律「いや限界まで飲むけど……」ゴクゴク

律「悲しいよ……澪のおっぱいは世界一なのに」



124 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/19(月) 01:52:02.21 ID:3nYtQAgD0


澪「……嬉しいな、そんなにおいしいって言ってくれるなんて」

律「本当さ。いままで飲んだどの牛乳よりも、いやどんな飲み物よりもうまい」

澪「私自分のおっぱいなんてどれくらいおいしいかわからないし、
  牛だから人間がどんなの飲むのかしらないけど」

澪「律に認めてもらえただけで、生まれてきて良かったよ」

律「澪……」

澪「ただのんびり毎日牧場で歌をうたうだけの日々も楽しかったけど」

澪「人の住む街にきていろんなものを見て知ることができたのも良かった……かも」

律「かもかよ」

澪「牛だから役にたたないけどね」

澪「それに律は毎日やさしく乳搾りしてくれるし」

律「売り物だからな」

澪「おいしいご飯くれるし」

律「売り物だからな」

澪「寝る時もぎゅってしてくれるし……」

律「売り物……だからな……澪が風邪ひいたらこまる……それだけだってば」



128 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/19(月) 01:59:16.84 ID:3nYtQAgD0


澪「……嘘つき」

律「……」

澪「知ってるんだからな。律が一生懸命なこと」

律「それが商人魂ってやつさ。商材は命の次に大事なんだ、いや、場合によっては命よりも」

澪「決めたよ…………私、お肉になる」

律「あ?」

澪「お肉になって、律の命をつなぐよ。それが牛の運命なんだ」

澪「そしたら律はまだまだ商売ができる。餓死なんて悲しいことにならなくてすむ」

律「いやいやなに言ってるんだ」

澪「唯も言ってた。『いつか澪ちゃんも誰かのために頑張る時がくるんだよ』って」

律「でもなぁ」

澪「きっと今がそうなんだ。痛いのは嫌だし怖いし泣きそうだけど、私は律の牛」

律「……」

澪「……うぅっ、うっ」

律「澪……ありがとう。その決心だけで嬉しいよ」



132 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/19(月) 02:05:08.39 ID:3nYtQAgD0


澪「うぇえええん律ぅううう!! 嫌だ!死にたくない!死にたくないよおお!」

律「殺さないよ……殺させたくないから、お前を買ったんだ」

澪「りつぅう……どうして……私なんかを」

律「言ったじゃん。ピンときたからって」

澪「それだけ……?」

律「一目惚れ? なんか他のやつには渡したくないなーって思っただけ」

律「それに、やっぱり売れるような気もしたから。私の商人としての勘がそう告げてた」

澪「ごめんな……ダメな牛でごめんなさい……」ポロポロ

律「澪のせいじゃないよ。全部私が悪いから」

律「だから泣くな。乳がまずくなる」

澪「ごめん……ごめん……」



134 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/19(月) 02:09:08.20 ID:3nYtQAgD0


律「そうだ! 明日さぁ、店をやすんで牧場へ行こう」

澪「えっ」

律「お前の生まれ育った牧場だ」

澪「律……」

律「唯って人に会ってみて、いろいろアドバイスしてもらおうかなって」

澪「……牧場のみんなに、会えるの?」

律「おう。ちょっと遠出になるからお弁当つくっていこうな」

澪「お金は……? 遠いよ?」

律「路銀はなんとかあるから。気にするな」

律「旅の途中でなにか見えてくるものもあるかもしれないしな」

澪「うん!」

律「うれしそうだな」

澪「牧場にもどれる! 嬉しい!」

律「……まぁまた戻ることになるけどな。あくまで商売はこっちだし」

澪「そっか……」シュン



137 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/19(月) 02:14:11.65 ID:3nYtQAgD0



……


ゴトゴト ゴトゴト


律「……ふぁー、呆れるくらい良い陽気だ」

澪「眠くなるよな!」

律「このペースで牧場まで一日ってとこかな」

澪「それくらいかかった気がする」

律「牧場ってなんかうまいもんある?」

澪「いっぱいあるぞ! 憂ちゃんのつくる料理とか!」

律「ってそれ私が食うやつなのか?」

澪「わからない! 私牛だから!」

律「ほんとうれしそうにしちゃってまぁ。街戻るとき泣くなよな」

澪「はー、みんな元気かなぁ」

律「ほんと、いいところだったんだな……」



139 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/19(月) 02:19:14.93 ID:3nYtQAgD0



ゴトゴト ゴトゴト


澪「律ぅーおっぱいしぼってぇ」

律「お、そんな時間か。あらほんと気づけばすごく日が高い」

澪「うん!」

ぽよよん!

律「またえらく張っちゃって。どれ、楽にしてやるからなー」

澪「ビン持ってきてるんだな」

律「そりゃあね。商人ですから、売れる希望が残ってる限り、一滴たりとも無駄にはできないよ」

澪「その割には昨日の夜はお風呂で撒き散らして」

律「あ、あれはだなー、そう、ミルク風呂ってやつだ。健康とかお肌にいいんだっ!」アセアセ

澪「……へんたい?」

律「ちゃうわい! ちょっと襲いたくなっただけじゃい!」

もみゅっ!!

澪「ひゃうぅううっ!」



141 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/19(月) 02:26:38.45 ID:3nYtQAgD0

律「青空のしたでやらしい声だしちゃって」

澪「んんっ、あぁああんっ」

律「ほれほれー、飼い主様におっぱい絞られてどんな気分だー」

澪「うううっ、もぉおおお! 真面目にやってくれ!」

律「へへっ、もうビン2本分でちまったぜ」

澪「うう……」

律「さて、絞り終わったし、ここらで弁当くってまたのんびり行きますか」

澪「わぁ!お弁当だ!」

律「澪の大好きなやつも入れてるからなーたっぷりたべて旅に備えよ!」

澪「うん!」


ゴトゴトゴトゴト

律「おう?」

紬「あらあら、楽しそうね、うふふ」

律「ん? どちらさま?」

紬「とおりすがりの旅の者よ。一緒におひるにしない?」



143 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/19(月) 02:33:42.23 ID:3nYtQAgD0


律「あぁ、いいよ」

澪「わぁ、綺麗な人だな」

律(あらま、旅が似つかわしくない人だこと……どっかの貴族かなんか?)

紬「よっこらしょっ……と、うふふ。ずっと馬車に揺られておしりが痛いわ」

菫「お嬢様、よろしいのですか? あまりお時間がございませんが」

紬「いいのよ。こんなにいい天気なんだもん。せっかくだから馬車の外で食べたいわ」

菫「わかりました。でも少しだけですよ。どうぞお弁当です」

律「……なんだそのデカいの」

澪「……ごうかだ」

紬「あ、ごめんなさい。いただきましょう? たくさんあるから食べるの手伝ってくれる?」

律「お、おう! まかせろ!」

澪「私もたべる! おいしそう!」

紬「あら、元気な動物さん。あなたの?」

律「んーモグモグ、そうだよ。飼い牛」

紬「へぇー……すごぉい、これが牛……!」



144 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/19(月) 02:37:12.66 ID:3nYtQAgD0


律「はじめてみるの?」

紬「うん! そうなの!」

律「へぇ。触ってもいいよ」

澪「えっ」

律「いいだろ少しくらい」

紬「いいの?」

律「どうぞ。大丈夫、噛んだり暴れたりしないから」

紬「じゃあ……失礼して」

チョンチョン

澪「ひっ」

菫「……」じぃー

律「そっちの君もどうぞ」

菫「いいんですか!? わぁ」

チョンチョンチョンチョン

澪「うひっ」



147 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/19(月) 02:42:14.12 ID:3nYtQAgD0


菫「すごいですねお嬢様!」

紬「うん! こんな牛にこの後たくさん会えるなんて!」

律「ん? ってことはそちらも牧場へ?」

菫「あなたたちも平沢牧場へお行きなのですか」

律「おう、この牛、澪っていうんだけどちょっとした里帰りでな」

紬「牛って里帰りするの!?」

律「たまには」

菫「しりませんでしたねお嬢様! やっぱり外は勉強になりますね!」

紬「そうね!これはさっそく書き記さないと!」

菫「そうですね!!羊皮紙をとってきましょう!!」

律「あ、あの……?」

澪「変な人たちだな。牛より頭が悪いかもしれない」

律「お前は黙ってろ」

澪「はい」



148 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/19(月) 02:48:31.51 ID:3nYtQAgD0


紬「ほかにも色々教えて!?」

律「あーいいよ。ていうか一緒にいく?」

菫「行きます!」

紬「こらっ、あなたが決めちゃだめよ私の旅だもの! 行きます!」

律「お、おう……じゃあとりあえず自己紹介といくか」

律「私タイナカ乳業を営んでる律っていうんだ」

紬「私は琴ぶk」

菫「お嬢様!!」

紬「あ! え、えっと……つ、ツムーギーっていうの」

菫「私はお嬢様の付き人をしている菫です」

澪「牛の澪」

律「ってことで短い間かもしれないけどよろしくな」

紬「よろしくね!」

菫「よろしくお願いします」ペコリ

律「……弁当くっちまうか」




149 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/19(月) 02:51:20.84 ID:pR4ZEqFV0

>澪「牛の澪」

ワロタww



150 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/19(月) 02:52:47.08 ID:4f+fZtOD0

ワロタwww





151 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/19(月) 02:56:05.33 ID:3nYtQAgD0


紬「りっちゃんは牛乳を売ってくらしてるの?」

菫「お嬢様なれなれしすぎです」

律「ん? いやいいよ。まぁ暮らすってほど儲かってないけどな」

紬「お仕事は大変?」

律「んー、そうだな。ちょっと行き詰まってさ。それで気分転換にこいつの里帰りってわけ」

澪「そういうことだ。わかったか人間?」

律「こらっ。なんてことを言うんだ。街から出た途端いきがりやがって」

澪「ごめん……ちょっと舞い上がってて」

紬「うふふ。仲いいのね」

律「そうだ。弁当に合うかわわからないけど。飲まない?」

紬「え?」

律「とれたての牛乳! うめーぞ!」

紬「いいの~!?」

律「おう」

澪「飲むといい」



155 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/19(月) 03:01:16.36 ID:3nYtQAgD0


紬「私とれたてって初めて……」

菫「よかったですねお嬢様!」

紬「……わぁ、みて、輝いてるみたい」

菫「よかったですねお嬢様!」

紬「いい匂い……すんすん。なんだか不思議な懐かしさ……」

菫「よかったですねお嬢様!」

律「菫ちゃんもよければ」

菫「わぁ……ありがとうございます!」

紬「一緒に飲みましょ?」

菫「はい!」


ごくごく

紬「……おいしいい!! すっっごく甘くて濃厚な味!!」

菫「おいしいです!! いままで飲んだどんな牛乳よりも!!」

律「おう! だろ!?」



157 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/19(月) 03:06:35.27 ID:3nYtQAgD0


澪「えへへ……阿呆な人間にも味はわかるんだなぁ」

律「こらっ」ゴチン

澪「いだいっ!」

律「そんなに口が悪い牛に育てたおぼえはないぞ」

澪「私を育てたのは唯だ!」

律「あぁそっか出会ったらぶん殴ろう」

紬「ねぇ、もう一本売ってくれない?」

律「え?」

紬「馬車の中でのみたいの!」

律「んー……なら言ってくれればその時しぼりたてを用意するけど。どうせ同行するんだし」

紬「わぁ、ありがとうりっちゃん!」

律「いーえいえ。しっかり金はとるけどなー」ニカリ

紬「ちなみにおいくらかしら?」

律「一本……1,000ムギ$」

紬「えぇ~~!? やすぅ~~い!」



159 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/19(月) 03:12:36.58 ID:3nYtQAgD0


律「やすいかこれ」

紬「……」

紬「……ねぇ、安いの?」ツンツン

菫「知りませんよぉ……1,000お嬢様$紙幣一枚で買えますけど」ボソボソ

紬「いまいちわからないもの……」

菫「私は阿呆のメイドですからもっとわかりません」

紬「とりあえず三本買ってみるわ!いちかばちか!」

菫「ですね! たぶん安いですよ。
  旦那様からお小遣いで1,000,000お嬢様$いただいてますし」

紬「そうよね♪」

律「……で、なんの相談?」

紬「ううん、なんでもないの!」

律「高かったら少しまけるよ。
  こっちもその日のうちにさばける分にはすんごいありがたいから」

紬「えー、いいの? 私値切るのが夢だったの~」

澪「あほの匂いがするぞ」

律「……だな」



163 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/19(月) 03:20:54.26 ID:3nYtQAgD0



ゴトゴト ゴトゴト…


律「ツムーギーはさー、なにしに牧場いくの?」

紬「ちょっと遊びにいくだけよ」

菫「お嬢様は過酷な日程の間をぬって、息抜きに牧場へ行くのです」

律「へぇ。やっぱりお嬢様ってことは貴族か何かなんだ?」

紬「え、えっと……」

律「もしかしてタメ口でしゃべってる私の首とぶ?」

紬「ううん誓ってそんなことないわ! りっちゃんはもうお友達だもん!!」

律「へへ、ありがと」

紬「お友達……ふふ」

菫「お嬢様!私は!?」

紬「メイド」

菫「そんなぁ……」

澪「私は牛」



166 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/19(月) 03:28:04.01 ID:3nYtQAgD0


紬「楽しみね牧場」

澪「うんうん!」

紬「牛さんは牧場に帰ったらまず何がしたいの?」

澪「育ててくれた唯に会いたい! 憂ちゃんに会いたい!」

紬「そう」

澪「唯はな、アホだけど優しいんだ。憂ちゃんはな、アホじゃなくて優しいんだ」

紬「澪ちゃんのいた牧場はアホなのね……うふふふ」

菫「お嬢様! 負けてられませんね!」グッ

律「うわー仲間だとおもわれたくねーなー」

澪「それで唯たちに律のことをたくさん話すんだ!」

紬「へぇ……」

澪「律はな、だめで悪いやつでへんたいだけど実は」

律「うわああっちょちょっ、澪ちゃんそういうのはナシで」

澪「え? あぁごめん……ぺらぺらしゃべりすぎた」



168 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/19(月) 03:34:27.31 ID:3nYtQAgD0


菫「律さんは悪い変態なんですか……」

律「そこだけ抽出するなぁ!!」

紬「変態って?」

菫「きっと牛相手に興奮するんですよ!」

紬「まぁまぁまぁまぁ!」

律「いやいや……それは誓って無い」

澪「一緒にお風呂に入りたがるんだぞ!」

律「やめてくれよ……太陽も笑ってるぜ」

紬「うふふふふ、もっと聞きたいなりっちゃんと澪ちゃんのこと」

菫「こうして直接お話しを聞いて市井のことを知るのは良いことですねお嬢様!」

律「なんなんだよあんたら……」

紬「つくまでたっぷり聞かせてください!」

菫「ください!」

律「わかったわかった……どうせ暇だしな。よし、じゃあ澪を買ったとこから話すか」

澪「なんだか照れくさいな」



169 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/19(月) 03:42:04.71 ID:3nYtQAgD0



――――――

ゴトゴト


律「はー、すっかり暗くなっちまったなぁ」

菫「みてください! 向こうに明かりが!」

律「お!!」

澪「あ……あ……!!」

紬「ふぁ……着いたの?」

律「あれが平沢牧場か!!よし!とばすぞ!」

澪「わああああああ!! 牧場だあああ!!」

律「もうすぐだぞ澪!」

澪「うん! 唯ー!! 里帰りにきたぞー!!」

律「うん、もうすぐだ! もうすぐ……」


律(お別れだよ、澪……)



174 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/19(月) 03:46:19.00 ID:3nYtQAgD0



……


唯「やー、今日も一日お疲れ様でしたー」

憂「ふぅー……肩こっちゃった」

梓「いやぁ、牧場の仕事ってのも大変ですねぇ」コキコキ

唯「ようし、牛さんたちのご飯もおっけーだし、閉めよっか」

憂「あれ? 向こうから何か来るよ?」

唯「んえ?」


ゴトゴト ゴトゴト


梓「荷馬車が二台……」

唯「こんな時間にお客さんかなぁ」

憂「ご飯の用意おおめにしたほうが良さそうだね」

唯「私出迎えてくるから憂とあずにゃんは後よろしくね」

憂「うん!」



176 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/19(月) 03:51:37.65 ID:3nYtQAgD0



唯「やぁやぁ。遠路はるばるようこそ平沢牧場へ」

唯「なにもないところですが一晩のお宿をお探しならぜひお立ち寄りください」


ガタッ

澪「唯!!」

唯「うわっ! 澪ちゃん!!」

澪「唯ー!」パタパタ

唯「澪ちゃんどうしてー!」

律「ども、こんばんは」

唯「どうもーいらっしゃーい」

紬「こんばんはぁ」

菫「こんばんは。お嬢様!牧場ですよ!暗くてほとんど何も見えませんけど」

紬「牛さんいないね……」キョロキョロ

唯「この時間はみんな牛舎で御飯食べて寝てるんだぁ」

唯「それより澪ちゃん……」



178 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/19(月) 03:57:34.26 ID:3nYtQAgD0


澪「唯ー……会いたかった……」

唯「どうして……」

律「連れてきたんだ」

唯「あなたが、澪ちゃんのオーナーさん?」

律「あぁ」

唯「澪ちゃん……もう会えない覚悟だったのに……ごめんね」

澪「ううん。時期がきたら順番に旅立っていくのは仕方ないんだ……牛の運命だ」

唯「ごめんね……」

澪「謝らなくていいんだ。唯はあの日たくさん泣いてくれた」

唯「それで……」

澪「ちょっと街の暮らしの息抜きにきたんだ! ここの空気はやっぱりおいしいな!」

澪「早く憂ちゃんのご飯がたべたい!」

唯「うんうん、ゆっくりしてお行きー」

澪「うん!」

唯「夢みたいだよ。澪ちゃんがこうしてもどってくるなんて」



180 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/19(月) 04:03:04.21 ID:3nYtQAgD0


律「へへ。私が買わなかったらいまごろ澪は肉の塊だったけどな」

澪「や、やめろぉ……」

唯「ありがとうね澪ちゃんのオーナーさん。お肉にしなかったんだね」

律「あぁ、肉にするにはちと惜しいとおもってな」

唯「そっか。変わった人もいるんだね……」

律「いんや。にしてもあんたも大変だよな。仕事とはいえ、こんな思いばっかり」

唯「ううん……慣れたとは言いたくないけど、たくさん楽しいこともあるから……」

律「そっか……」

澪「ねぇねぇ、どう!? ここが私の家!」

紬「いいところね。空気がおいしいわ」

菫「のどかですねー」

澪「ふふふっ。いっぱい遊んで帰ろう」



182 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/19(月) 04:09:26.17 ID:3nYtQAgD0


唯「まぁとりあえず中へお入り。ご飯も用意するよ」

律「お邪魔します」

紬「ご飯だって!」

菫「お腹ペコペコですねお嬢様!」

唯「こんなに良い身なりの人がくるのははじめてだなぁ」

律「そうだ、後で少し話があるんだけど」

唯「? いいよー、ご飯たべてからね!」

律「おう」


ガチャリ


梓「いらっしゃ……あー! 律先輩!」

律「あ! 梓なんでこんなところに! てかなんだその格好!」

梓「え、えっと……」

唯「あずにゃん知り合いなんだー」

梓「……」



185 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/19(月) 04:18:44.93 ID:3nYtQAgD0


律「え? 何? 雇われてんの?」

梓「……」

唯「近くの道で行き倒れてたんだよー」

梓「わわっ、言わないでください」

律「……」

唯「あずにゃんはよく働いてくれてるよ」

梓「そうです! おみやげとかも作ってるんですよ!!」

律「ほぉ……」

唯「全然売れてないけどね!」

梓「……」

律「なんだ? じゃあ梓はしばらくここで働くの?」

梓「えぇ……正直いうと行商人するより性に合ってるみたいで」

律「そっか……やっと安住の地をみつけたんだな」

梓「律先輩みたいに自分のお店をもつのが夢でしたが……こういうのも悪く無いかなって」

唯「あずにゃんがいてくれて助かってるよー」



190 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/19(月) 04:27:38.81 ID:3nYtQAgD0


梓「律先輩はそれから売上どうですか?」

律「……」

梓「?」

澪「えっと、実は」

梓「え? え? なんですかこの空気」

律「いまいちっつうか、てんで売れてねーよ」

梓「うそ……もう結構たちますよ? こんなとこまできて何やってるんですか!」

律「……んー」

梓「商魂みせてくださいよ! ぶらぶらしてる場合じゃないでしょ!」

澪「……耳が痛い」

律「わかってるって……でもな、いいアイデアが浮かばないんだよ」

紬「??」

菫「お嬢様のためにかいつまんで説明しますと、
  どうやら庶民相手にはいささか売れ行きがよろしくないようです」

紬「なるほど……あんなにおいしいのに難しい世界なのね」

唯「まぁまぁ、暗い顔せずに! ご飯たべよう!」



191 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/19(月) 04:33:59.39 ID:3nYtQAgD0


憂「どうぞ、牧場のとれたてミルクでつくったシチューです。栄養たっぷりでおいしいですよ」

律「どうも……いただきます」

澪「憂ちゃん! ただいま!」

憂「えっ!? え?」

唯「澪ちゃんが帰ってきたんだよー」

憂「そうなんだ……こんなこともあるんだね」

澪「憂ちゃん! 私のごはんは? いつもたべてたのがいい!」

憂「うん! すぐに!!」

菫「お嬢様! このシチュー! とっても濃厚ですね!」

紬「むぅ……うちのシェフが作るのよりおいしいかも……」

菫「首にしましょう! そして彼女を雇用しましょう!」

紬「馬鹿ね。これはきっと彼女の腕だけでなく、
  材料そのものが素晴らしいからよ。言ってたでしょとれたてミルクって」

菫「なるほど! さすがですねお嬢様」

律「たしかにうまい……うますぎる」

唯「でしょー?」



195 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/19(月) 04:40:13.83 ID:3nYtQAgD0

梓「この味から離れられなくて……」

律「たしかに、牛乳をつかったレシピってのはアリだよな」

梓「でも私たちは料理人ではありませんからね」

律「うん。そうなんだよな」

唯「お仕事の話?」

律「あぁ、うん」

唯「牛乳の一番おいしいいただきかたはねー」

律「いや……それはもういいんだ」

唯「えっ」

律「ふたりとも、ちょっと席外してくれる?」

唯「うん、先言ってたお話だね?」

梓「はい……」


澪「?」

憂「いっぱい食べてね」

澪「わぁ♪」



196 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/19(月) 04:45:05.59 ID:3nYtQAgD0



……


梓「ふー夜風がきもちいいです」

律「ここは星がよく見えるんだな。澪も言ってたよ」

唯「それで、話って澪ちゃんのこと……?」

律「あぁ……」

梓「あ、さてはおいしくお肉にする方法を」

律「違う!」

梓「すいません……ちょっとした冗談です……」

唯「……もしかして、ここへ来たのって」

律「……」

律「……澪を返しにきた」

梓「えっ、高いお金払って買ったのにどうしてですか」

律「……」

唯「……そっかぁ。ごめんね」



198 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/19(月) 04:53:00.12 ID:3nYtQAgD0


律「なんで謝るんだ。謝るのはこっちだ。あんなにおいしいミルクなのにうまくさばけなくてごめん」

律「平沢牧場の名に傷をつけてしまったかもしれない」

唯「ううん、こっちこそ。お役に立てなくて申し訳ない」

唯「澪ちゃん、せっかく買ってくれたのに」

律「いや、すべては私のささいな失敗が招いた結果さ」

梓「でも……元手とりかえしてないんでしょ!?」

律「あぁ」

唯「……澪ちゃんをお肉にすれば。そこそこのお金にはなると思うよ」

梓「唯先輩……」

唯「私は牧場主だもの。牛一頭一頭丹精こめて育てるけど、その後はオーナーさんに全てを委ねてる」

唯「それが私の商売、私たちのやり方…………あなたは?」

律「……私は……私の商売は……」


律「……はは、できっこねぇよ。そんなこと」

唯「……そっか」



200 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/19(月) 05:05:22.94 ID:3nYtQAgD0


梓「律先輩はきわどいことまでなんでもする商売人じゃないんですか!?」

梓「泥水をすすることすらいとわないあなたが……」

律「買ってから気づいた。私やっぱ……なまものは苦手なんだ……はは」

唯「少しなら、払い戻しもできるよ。澪ちゃんをここまで連れてきてくれたお礼もかねて」

律「……結構。プライドってのもあってね」

律「これは私が勝手にやってることだから」

唯「……」

梓「でも……それじゃ律先輩……」

律「あぁ、晴れて文無しさ」

律「0からやり直しだな。お前のいうとおり、泥水りっちゃんになるよ」

梓「……」

律「生きてるだけで儲けもんってね。澪をみてるとつくづくそう思うよ」

唯「感謝してる。澪ちゃんをありがとう」

律「あぁ。でも約束だ。もうあいつを売らないでやってくれ」

唯「……うん。あの子はこれからは売り物扱いじゃないから」



202 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/19(月) 05:13:06.64 ID:3nYtQAgD0


律「それを聞いて安心」

唯「感謝してもしきれない。すこし、私の心が救われたような気がするの」

律「立派なもんさ唯は。私なら一ヶ月で逃げ出すね」

唯「りっちゃんは強いよ……私街で商売なんて絶対無理だもん」

梓「律先輩……街へもどるんですか?」

律「戻るよ」

梓「あの……ここで一緒にとか……」

律「いんや。今言ったろ、なまものは苦手だって」

梓「元手なしで街へ戻るなんて無謀です!!」

律「……覚悟はしてるよ」

梓「……」

律「お前には何度も言ってきた。わかってるだろ?」

梓「商人にとって、失敗=死……」

律「それは事実だけでなく、心意気のことも指してんだ」

律「それくらいの覚悟をもってやれってな……」



204 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/19(月) 05:20:58.40 ID:3nYtQAgD0



菫「なにやらとんでもないことになってるようです」

紬「ふむふむ……市井の暮らしはそこまで困窮しているのね」

菫「改革と支援が必要でしょうか」

紬「だめよ。一個人にそこまで入れ込むことはできないわ」

菫「さすがお嬢様! 平等主義!」

紬「でも……お友達のことを見過ごすこともできない……」

菫「さすがお嬢様! 博愛主義!」

紬「どうしたらいいのかしら……」

紬「なにより私は、りっちゃんと澪ちゃんが離れ離れになることが悲しいわ」

菫「そうですね……不況にが原因で引き裂かれる運命だなんて、国家の恥ですよね!」

紬「そこまでは言ってないわ」

菫「すいません……勉学の足りない阿呆なもので……」

澪「お、どうした、盗み聞きか? 私も混ぜて」ヒョコッ

紬「わわっ、澪ちゃん……!」



205 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/19(月) 05:27:01.84 ID:3nYtQAgD0


菫「いけません!」

紬「だめっ」

澪「?」


 「じゃあな、澪のこと、よろしく頼んだ。あいつ寒いの苦手だから」


澪「え……?」


 「って。もと飼い主になにいってんだ。私より澪のことずっとよくわかってるのにな」


澪「律……?」

澪「なぁ、何を話してるんだ? 頼んだって……?」

紬「……」

菫「……あ、今行ったら」

澪「もしかして……律ぅ!!!」ヒョコヒョコ

律「……ッ! 澪!」



207 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/19(月) 05:34:25.09 ID:3nYtQAgD0


唯「澪ちゃん……」

澪「何の話をしてたんだ!!」

律「……」

澪「置いていくつもりだったんだな! 冗談じゃないぞ!!」

律「……」

澪「冗談じゃない……」

律「……本気だ」

澪「律……嫌だ……」

律「澪、牧場に帰ってこれて嬉しくないのか?
  ここは安全だ、空気も飯もうまい。お前の大好きなふるさとだよ」

澪「でもヤダ!! 私は律の牛だ!!」

律「うるせぇ!! だまってここに残れ!! それがお前の幸せだ!!」

澪「やだ!!!」

律「言うことを聞け! お前は、ここで平和に暮らすんだ……元の飼い主がいる、梓もいる」

澪「でも律はいない!!!!」

律「!!」



211 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/19(月) 05:41:58.78 ID:3nYtQAgD0


澪「何度でもいうぞ、私はいまや律の牛だ!!」

律「じゃあ私のいうことを聞いてくれよ。これ以上私の、商売人のプライドを傷つけるな!!」

澪「お前だって……牛のプライドを傷つけるな!!」

律「!!」

澪「私は、お前のためなら……肉にでもなる覚悟だったのに!!」

律「ッ!!!」

唯「澪ちゃん……」

澪「あんまり……牛をなめるな!!!!」

律「!! ぅ……う……澪ぉ……!」

澪「律……帰ろう。私と律の家に……」

律「うぅ……グス……なんで……なんでお前は牛なんだよぉ……うぅ、うう……」

澪「そんなもの月にでも聞け!!牛にわかるか!!」

律「クソッ! くそぉぉぉ……!!」

澪「……」ナデナデ



216 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/19(月) 05:52:02.99 ID:3nYtQAgD0


梓「……律先輩の負けですよ」

律「負けてねーし……グス」

澪「泣くな……まずくなるぞ」

律「うぅ、うっ……澪のばか……」

唯「澪ちゃん。本気なんだね?」

澪「ごめん唯……私お肉になる、こんどこそお別れだ」

憂「好きなんだね。オーナーさんのこと」

澪「優しいんだ……」

律「牛のくせにぃ……わかったふうな口ききやがってぇ……」

澪「律のおかげで、律にであって、ようやく自分の運命をうけいれることができた」

澪「あぁ……これはなんて神充。まるで夜空に輝く星になった気分だ!」

澪「牛に生まれて……よかった……!!」

律「澪ぉぉおおお!!!」ぎゅっ

澪「さぁ帰り支度をしような。
  私は優柔不断だから、決心が鈍る前に……そう、明日の朝にはここをたとう」

律「……」ギュウウウ



217 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/19(月) 06:00:15.15 ID:3nYtQAgD0


その日、私は澪を抱いて眠りについた。

月明かりが差し込む、澪が大好きな干し草のベッドの上で。

変な臭いがするしおもったより柔らかくないし、寝心地は最悪だったけど、

なんだかとってもあったかかった。



律「澪……私の澪……」

澪「……すぅすぅ」zzz

律「ふふ……やっぱり可愛い」

律「出会えてよかった」

律「ほんとに……ほんと」

澪「すぅすぅ」zzz



222 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/19(月) 06:10:19.84 ID:3nYtQAgD0



……
……



純「はぁ、えぇ……まぁ、てかどちらさん?」

純「えっ、えええ!? お姫様でいらっしゃいましたか!?」

純「ははあこれは大変申し訳……え、かしこまらなくていい?」

純「お話ですか……一体わたしのような下賎な者にどういった……」

純「はい、はい……確かに当DonutShop『JUN』は常に最高の食材を探しておりますが」

純「タイナカミルク? はて、聞いたこと有りませんね……」

純「いえいえ飲んでみますとも! ごくごく」

純「なっ!! なんじゃこりゃー!!!」

純「美味すぎる……本当に牛乳なのでしょうか!?」

純「こ、これがあれば……私の求める最高のドーナツが……うふふふふあははははは!」

純「……はい! はい! その暁には是非王家に献上させていただきます!!」

純「身に余る光栄!! 感謝の極みでございます!!」



223 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/19(月) 06:18:07.36 ID:3nYtQAgD0



……
……


和「唯、また注文とってきたわよ。今度は王家おすみつきの最高級レストランから直々によ」

唯「わぁ。ありがたいことだね」

梓「うひひひひひ。タイナカミルクの人気の煽りをうけて、当牧場も大儲けです」

梓「特に! 私の開発したミルクたい焼きがおみやげとして」

唯「もおーあずにゃん調子のりすぎ。それ聞くの何回目かな」

憂「ちょっとー忙しいんだから梓ちゃんしっかり働いてよね」

梓「ご、ごめん……いまいくよ」

憂「あれから律さんたち来ないね」

梓「忙しいんだろうね。儲かってる証拠だよ」

憂「仲良くやってるといいなぁ」

唯「大丈夫! あの二人ならきっと!」

梓「ですね!」



224 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/19(月) 06:27:52.36 ID:3nYtQAgD0



……
……


菫「お嬢様! たべすぎですよ!!」

紬「だってぇ……おいしいんだもん」

菫「それにしてもお嬢様、よく思いつきましたね!」

紬「なに?」

菫「タイナカミルクの使い道ですよ!」

紬「あらあら、私はりっちゃんに売ってもらったミルクをドーナツ屋さんにもっていっただけよ?」

菫「一日に取れる量がすくなくても、
  ドーナツやその他お菓子としてならたくさんの人に行き渡ります!」

紬「そうね。なるべくたくさんの人にこの味をしってもらいたかったもの」

菫「さすがですお嬢様! 有史以来稀に見る天才王女!」

紬「え~? 褒めすぎよ~?」

菫「そんなお嬢様につかえる私は有史以来最高のメイド……」

紬「『阿呆』が抜けてるわ」



226 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/19(月) 06:34:53.38 ID:3nYtQAgD0


……
……


律「いやー、にしても不思議なこともあるもんだなぁ」

もみもみ

澪「んー? んっ、ふぁ……ああんっ」ビュービュー

律「澪を食べるか一緒に野垂れ死ぬ気持ちでもどってきたら、いきなり買い手がつくなんて」

律「それもここらじゃ有名なドーナツ屋だぜ? できすぎだ」

澪「世の中には……やっ、ああっん、んあああっ、変なっ、あああん…人もいるもんだ」

律「ほんとなんのために牧場もどったのかわかんねぇなぁ?」

澪「んっ、あっ……いいだろぉ、律と私の……っ、あっん、愛を確認できたんだからっ」

律「飼い牛とロマンスする人生って……」

もみゅもみゅ

澪「ひゃあああああんっ」ビュービュービュービュー

律「お前最近乳の出がいいなぁ……」

澪「律のもみかた……上手になってるから……///」



228 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/19(月) 06:42:03.87 ID:3nYtQAgD0


律「でもなぁ、私はまだ納得してねぇんだ」

澪「何が?」

律「澪の乳の一番美味しい飲み方ってさぁ……」

澪「うん」

律「やっぱり何かに混ぜてつかったりするんじゃなくて。いやもちろんそれでもうまいけどさ」

澪「……うん? お、おい、まさか……やめろ……」

律「……ちゅむっ♪」

澪「んあああああっ!!」

律「ひひっ、ちゅうちゅう、やっぱ直飲みだよなぁ!」

律「鮮度が一番! 特濃タイナカミルク!」

澪「ひゃああっ、やめてぇえええ、売るんじゃないのかあああっ!!」

律「いーのいーの。りっちゃんさんしばらく左団扇だから」

澪「おいこら商魂はどうした!!」

律「あははははっ。金のなる乳だぞー!! 私の乳だぞー!」

澪「やっぱりお前ダメ商人だ!! へんたいばーか! ばーか!」



231 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/19(月) 06:50:05.93 ID:3nYtQAgD0


律「うるせー肉にするぞー」

澪「やってみろー! 私がいないと困るくせに!」

律「いいもーん! 澪の肉売って次の商材さがすから!」

澪「う……うう……どうしてそんな意地悪いうんだ……」

律「……へへ、そりゃあもちろん」

律「好きだから」

澪「!! ……さ、さいてーだ……牛以下だ」

律「ほんとだよ?」

澪「……///」

律「ちゅう……あ、ちょっと甘くなった♪」

澪「そ、そうか……なら……私にも、味見させろ……///」

律「はいはい♪」

ちゅ



終わり




232 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/19(月) 06:51:13.72 ID:bHXDLuvTO

>>1
まじ面白かった



233 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/19(月) 06:52:19.35 ID:Z0R9j+RXO


よかったよ



235 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/19(月) 06:53:39.62 ID:UhoKE+Kh0

すごい面白かった
乙!



236 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/19(月) 06:53:56.27 ID:qD73mXFo0

乙乙!!
惜しみない賛辞を贈る



238 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/19(月) 06:58:05.91 ID:+6ZACJfg0

おっつおつ



239 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/19(月) 07:06:06.80 ID:lYeFOdcG0

乙←澪のポニテ



240 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/19(月) 07:10:46.51 ID:EZ2gVYwy0

最初のブラックさが嘘のようだ




242 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/19(月) 07:32:01.68 ID:cDS+Zf1N0

SSを一気読みしたのは初めてだ
つまりそれほど面白かったわけだ



なんでこんなスレタイのSSに心惹かれたんだろ俺



243 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/19(月) 07:38:13.01 ID:paKc/0jmO

乙!
良かったよ



245 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/19(月) 07:59:42.73 ID:yuJ9LrJrO





246 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/19(月) 08:25:19.91 ID:02mK4K6N0

良かったよー
乙!






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[ 2011/09/19 14:27 ] 非日常系 | | CM(3)

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タイトル:
NO:3875 [ 2011/09/19 15:35 ] [ 編集 ]

最高ですね

タイトル:
NO:3877 [ 2011/09/19 18:19 ] [ 編集 ]

この澪ちゃんは過去最高クラスの可愛さだわ・・・
この二人?の前には種族の壁なんて些細な事なんだな

タイトル:
NO:3885 [ 2011/09/19 23:16 ] [ 編集 ]

澪がかわいい

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