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唯「国家社会主義!」#中編 【歴史】


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唯「国家社会主義!」#前編
唯「国家社会主義!」#中編
唯「国家社会主義!」#後編






235 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/05(金) 19:59:56.56 ID:CCRwLSWN0

そして時間は進み、その日の夕食時の平沢家。

唯「おひしいよ、ういぃ~♪」

憂「ありがと!おかわりもあるからね♪」

唯「うん♪」

今日の献立は、ハンバーグシチュー、シーフードサラダ、野菜のお浸し、
里芋の煮っ転がし、茄子の浅漬け、味噌汁、ご飯。

アドルフ『うん。確かに美味しそうだ…』

アドルフは素直に感心する。



242 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/05(金) 20:10:09.86 ID:CCRwLSWN0

唯「うん♪憂は自慢の妹だよ!」

憂「お、おねーちゃんってば////」

憂に向けられた言葉ではない。

アドルフと同時代の人間は、平沢姉妹よりも、もっと年若いころから
様々な労働に従事している人間が多々いた。
しかし、それを勘案してすら、憂の家事スキルには目を見張るものがある。



243 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/05(金) 20:16:44.64 ID:CCRwLSWN0

アドルフ『そして…』

アドルフ『家族の仲が良い、ということは大変に重要なことだよ。』

唯は、部室で、練習の後に、さわ子から聞いた話を思い出す。

さわ子『総統は兄のアロイスと、その息子ウィリアム・パトリックとは
    相当仲が悪かったらしいわ。』

さわ子『まあ、マスコミに要らぬネタを提供されたり、
    生活費を要求されたりしたら、そりゃねえ…』



245 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/05(金) 20:32:36.52 ID:CCRwLSWN0

さわ子『晩年には、一説ではだけど、姉のアンゲラとも仲違いしたそうよ。』

アドルフは、自身の家族のことについて、
その後も唯に話してはいない。

唯「わたしは、すっごく幸せなんだな…」

憂「も、もうおねーちゃん////」

憂は照れ隠しにテレビのリモコンを手に取る。

テレビ『早いうちに政府の考え方をまとめていくことは大事だ。
    その中で当然、沖縄、米国の皆さんに…』

鳩山来留夫にそっくりな男が報道陣に囲まれている。



248 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/05(金) 20:41:23.02 ID:CCRwLSWN0

アドルフ『この冴えない男性は誰だい??』

アドルフはテレビの中の鳩山来留夫似の男を指差す。

唯「あ、はとぽっぽしゅしょう??」

憂「駄目だよおねーちゃん、鳩山総理大臣のことそんな風に言っちゃ。」

アドルフ『そうか、この男が今の日本の首相なのか…』



250 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/05(金) 20:47:51.37 ID:CCRwLSWN0

アドルフ『本当に冴えないね…』

唯「でも、東大でてるんだっけ??」

アドルフ『東大??東京帝国大学のことかな?』

唯「わかんない、でも日本で一番頭の良い大学。」

アドルフ『おそらくは、東京帝国大学のことか。』

憂「??」

憂には当然、唯がアドルフに発した言葉は、独り言だと捕らえられる。



251 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/05(金) 20:54:09.87 ID:CCRwLSWN0

憂「弟さんも東大出てて大臣だったし、お祖父さんの鳩山一郎さんも総理大臣だからね。
  すっごいエリートさんなんだよ?」

アドルフ『ふむ…鳩山一郎…聞いたことが無いような有るような…』

唯「ほおぉぉ…そいつはすごいねえ…」

実際、唯にはかなりどうでも良い話だ。

アドルフ『アメリカとの同盟絡みの話題か…』



253 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/05(金) 21:04:49.30 ID:CCRwLSWN0

アドルフ『敗者に対しては十分気前の良い処遇だ。』

アドルフ『カルタゴのように、破壊され塩撒かれなかっただけマシ、
     というものだ。』

アドルフ『しかし、ベルリン、いやドイツ中が、灰塵寸前までに至った…』

アドルフ『日本も我がドイツも、経済的には、
     再起以上のことをやってのけたそうだが…』

天井の照明に視線を移し、沈痛な表情を浮かべるアドルフ。



254 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/05(金) 21:16:03.99 ID:CCRwLSWN0

唯「…」

唯「あ、うい、ごちそうさま。」

憂「おねーちゃん、もういいの?」

唯「うん!」

そう憂に答えると、唯は自分の部屋へ戻る。

唯(アドルフのこと、元気付けてあげないと!)



257 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/05(金) 21:23:59.57 ID:CCRwLSWN0

唯の部屋。

唯「さ、アドルフ!」

唯「借りてきた本を読もう♪」

アドルフ『すまない、ゆい。』

申し訳なさそうな表情を浮かべるアドルフ。

唯「いいからいいから~♪」



259 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/05(金) 21:34:10.37 ID:CCRwLSWN0

唯「どれから読む?」

アドルフ『ふむ…』

アドルフ『これにしよう。』

アドルフが指差したのは『世界経済入門』という名前の新書。

アドルフ『短時間で現在の世界経済のあらましが掴めそうだ。』

唯「おっけー♪」

唯はその新書を手に取る。



260 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/05(金) 21:39:33.55 ID:CCRwLSWN0

すぐに序文を読み終えるアドルフ。

唯「読むの早いね…」

アドルフ『そうかな?』

唯「じゃあ、次のページに…」

アドルフ『すまない、ゆい。中を飛ばして、"おわりに"の部分を開いてもらえないだろうか?』

唯「え?いいけど…」



262 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/05(金) 21:44:44.34 ID:CCRwLSWN0

アドルフは"おわりに"の部分も読み終える。

アドルフ『では、第一章を開いてほしい。』

唯「うん。」

それから再び、アドルフは読書に没入する。

唯「…」



265 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/05(金) 21:53:04.31 ID:CCRwLSWN0

唯「…」

アドルフの読書法は、簡潔に言えば、
必要な情報と不必要な情報を特に峻別するもの。
多かれ少なかれ誰しもがやっていることだが、
これをアドルフは徹底して行う。
そして、早い。

唯(うわ、もう読み終わりそうだよ…)

30分もしないうちに、"おわりに"の部分に近づいてしまう。



268 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/05(金) 22:09:43.60 ID:CCRwLSWN0

そして二冊目、三冊目と進み…
唯の入浴時間をはさんで、日が変わるころには最後の五冊目に入る。

唯「ふう。最後の本だね。」

唯は疲れている様子。

アドルフ『すまない、ゆい。負担をかけてしまっているようだ…』

唯「ううん、いいのいいの!私も勉強になってるし!」

大嘘である。唯はもう、一冊目の本の名前すら忘れてしまっている。



269 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/05(金) 22:16:13.73 ID:CCRwLSWN0

アドルフ『いや、正直、読み過ぎたよ。久しぶりだったからね…』

唯「あ、そっか…」

唯はアドルフが死人だったことを思い出す。

アドルフ『しかし、本当に…』

アドルフ『本当に世界は変わってしまった。』



271 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/05(金) 22:23:25.57 ID:CCRwLSWN0

アドルフ『核分裂兵器のもとの均衡、ヨーロッパ連合、新興国の台頭、ソビエト連邦の崩壊。』

アドルフ『大衆文化の極致化、そして…諸技術のさらなる発展、産業革命期の比ではなく…』

アドルフ『電算機など特に…』

アドルフ『…』

アドルフ『そして一層、混迷した時代だ。』

唯「…」



273 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/05(金) 22:30:53.32 ID:CCRwLSWN0

アドルフ『ドイツからは精神的支柱がすっかり取り払われてしまったようだ。』

アドルフ『美徳も誇りも…大切なものがことごとく…』

アドルフ『…』

アドルフ『これではまるで…』

アドルフ『これではまるで豚小屋ではないかっっ!!!』

唯「ビクッ…」

突然大声を張り上げたアドルフ。
唯は驚いて、ぎょっ、とした顔になる。



274 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/05(金) 22:39:54.40 ID:CCRwLSWN0

アドルフ『す、すまない…ゆい…』

唯「ううん、大丈夫だよ!」

アドルフ『すまない…』

申し訳なさそうなアドルフの表情。
唯の心に、アドルフへの、庇護心のような物が芽生え始める。

アドルフ『ぐじぐじ、と悩むのはもう止めよう。
     それは…男のすることではない。』

アドルフはそう、独りごつ。

アドルフ『大切なのは、進むこと。前線の只中で勇敢に闘うこと。』




275 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/05(金) 22:41:04.73 ID:yZDj7Hyu0

これはおもしろい支援
ヒトラーが青年って表現されてるのは、何歳ぐらいをイメージしてるの?





277 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/05(金) 22:46:06.77 ID:CCRwLSWN0

>>275
失礼。
第一次大戦開戦時ぐらいのころのヒトラーをイメージしてる
だから25歳くらい



281 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/05(金) 22:50:27.38 ID:CCRwLSWN0

アドルフはそう言うと、天井を、虚空をその青い瞳で見つめる。
決心に至ったときのような目。

アドルフ『さて…』

アドルフ『もう良い時間だろう、ゆい。』

アドルフ『夢見の時間だよ。』

優しく、幼児を嗜めるかのように、微笑を浮かべつつ、
唯にそう促す。



283 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/05(金) 22:56:26.71 ID:CCRwLSWN0

唯「あ、うん…」

アドルフ『?』

アドルフ『どうしたんだい??』

アドルフは、唯が何かを抑えていることに気付く。

唯「アドルフに聞きたいことがあってね…」

アドルフ『言ってみなさい。』

唯「アドルフのね、家族のこと。」

アドルフ『…』



286 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/05(金) 23:04:04.67 ID:CCRwLSWN0

唯「今日、さわちゃん先生が言っていたこと。」

唯「アドルフは、今の世界のことを知りたがっているけど、」

唯「じゃあ、アドルフの家族が、アドルフが死んだ後に、
  どうなったかについては知りたくないの?」

アドルフ『!』

目を見開くアドルフ。
そしてほんの少し、哀しそうな顔をしたあと、
アドルフは答える。

アドルフ『大いに気になるよ。しかし、少なくとも…』

アドルフ『私の姉と妹、甥のレオは、生きてはいないだろう。』



291 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/05(金) 23:13:05.99 ID:CCRwLSWN0

アドルフ『…』

そういい終えると、口を結ぶアドルフ。

唯「さわちゃん先生が調べれたんだからさ、どっかの本にきっと載ってるよ!」

唯「学校の図書室か、学校の図書室になかったら、市の図書館に行って、調べよう?」

アドルフ『…』

唯「ね?」

アドルフ『ああ。』

アドルフ『しらべ、よう…』

唯の"思い"は、アドルフの心を強く打つ。



292 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/05(金) 23:19:21.46 ID:CCRwLSWN0

唯「それとね、アドルフ。」

アドルフ『なんだい?』

唯「アドルフの家族のこと、おしえてもらっても、いい、かな?」

唯「イヤじゃなかったら、だけど…」

アドルフ『…』

アドルフは目を閉じ、数十秒、何事かに思いを向ける。

アドルフ『うん、いいよ。』

アドルフ『寝物語に、話してあげよう。』

アドルフ『私の両親ときょうだいたちのことを…』



295 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/05(金) 23:34:18.90 ID:CCRwLSWN0

アドルフ『私の父、アロイスはね、私生児だったんだ。』

唯「しせいじって??」

アドルフ『正当な婚姻のもとに生まれた子供ではないということだよ。
     一言で言えば、父親がだれかわからない、ということ。』

唯「そうなんだ…」

アドルフ『父は13歳のころに、家を出た。』

アドルフ『そして、その強い向上心のもと、
     オーストリア二重帝国の正税関士にまでなった。』

アドルフ『父は満足に学校へ通ってすらいなかった。
     そのような経歴の人間が正税関士となるというのは異例中の異例、大出世だ。』



296 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/05(金) 23:42:47.84 ID:CCRwLSWN0

唯(なんだろう…)

唯(そんなすごいお父さんの話してるのに…)

唯(アドルフ、すごくそっけない。)

アドルフ『父の性格は簡潔にまとめれば、傲慢、非強調的、偏執的なほどに頑固。
     それに加えて大酒飲み。』

アドルフ『父を世に押し上げたはずの精神的徳性は、逆に、
     人間としての魅力という観点からすれば、即失格、ということになる。』

アドルフ『わたしも母も兄も、父からひどく殴られたものだ。』

唯「あ…」



298 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/05(金) 23:54:52.38 ID:CCRwLSWN0

アドルフ『そんな父も行きつけ飲み屋で、ぽっくりと逝ってしまったよ。
     胸膜からの出血が死因だったらしい。』

アドルフ『酒好きの彼からすれば、最高の幕引きかもしれないが…』

アドルフは、まるで、知らない他人のことを話すかのように、
父親について語る。

アドルフ『そして、私の母クララ。』

アドルフ『私の母は、父の姪だった。』

唯「え゛…」

アドルフ「もちろん"義理"のだよ。しかし、血縁関係はあってね、
     父の従兄妹ぐらいに相当するだろうか。」

唯「それはまた…」



299 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/05(金) 23:59:18.67 ID:CCRwLSWN0

アドルフ『母は献身的な性格で、心やさしい女性だった。
     そして、熱心なカトリックだった。ゆいにはキリスト教徒、といったほうがいいかな?』

唯「ほうほう…」

アドルフ『けれど言い換えれば、卑屈、とも言える。』

アドルフ『母は、暴君のごとき父の、まったくの言いなりだった。』

アドルフ『けれどね、女性の身は弱いものだから…』

アドルフは寂しそうな顔をしている。



300 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/06(土) 00:06:32.80 ID:Bo6NrwuS0

アドルフ『そんな母も、父が死んで数年後、癌で逝ってしまった。』

唯「!!」

アドルフの表情は、ひどく痛々しいものになる。

アドルフ『クリスマス間近のある日のことだ。』

アドルフ『癌の痛みに苦しむ母、そして、ついに逝ってしまった母。
     かたや、きらびやかクリスマスの装飾と楽しげな歌…』

アドルフ『私はクリスマス・ソングを聞くと、
     死んでしまいたくなるほどに、気が滅入ってしまう。』

唯「アドルフは…お母さんのことが、大好き…だったんだね…?」

唯は涙を浮かべている。

アドルフ『…』

アドルフは何も言わずに、瞳を閉じる。




301 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/06(土) 00:06:53.30 ID:GZ/bkJkl0

その経験からか、アドルフは女性や子供に優しくて大いに好かれたそうだね
党員の子供相手には自ら四つんばいになってお馬さんごっこしてあげたってエピソードがあるらしい



302 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/06(土) 00:09:46.67 ID:CR5R5tx8O

僕も毎年クリスマスソングを聞くと死にたくなります



303 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/06(土) 00:17:09.70 ID:u82SIynwO

>>301
※ただしゲルマンに限る





304 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/06(土) 00:21:38.06 ID:Bo6NrwuS0

アドルフ『そして、わたしの兄弟たち。』

アドルフは目を再び開けると、話を続ける。

アドルフ『あの音楽教師が言っていたように、私には腹違いの姉と兄、
     早くに死んでしまった同母の兄と姉、そして弟と妹がいた。』

アドルフ『兄の名はアロイス、彼も父と同じ名前だった。
     兄は粗暴な性格でね。父からの暴力のうっぷんを、
     常に私にぶつけていたよ。』

唯「…」

アドルフ『しかし、兄も父からの暴力と私の母、
     つまり兄からすれば義母との不仲のために14歳のころに家を出た。』



308 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/06(土) 00:32:24.26 ID:Bo6NrwuS0

アドルフ『そのあとは、職を転々とし、イギリスに渡り、そこでイギリス人女性と結婚した。』

アドルフ『さらに兄は、ドイツに舞い戻って、
     義姉と離婚しないうちに、別の女性と結婚さえした。』

唯「ひどいね!それって…」

アドルフ『ああ。重婚というやつだ。我が兄ながら、まったくなさけない…』

アドルフ『とにかく、兄について語ることは特にあるまい。
     私と兄は互いに嫌いあっていたということ。
     それだけだ。』



310 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/06(土) 00:41:55.75 ID:Bo6NrwuS0

アドルフ『姉の名はアンゲラ。』

アドルフ『彼女は兄と違って、私の母の言うことを良く聞いた。』

アドルフ『とても家庭的な女性だったよ。私のことも、とても愛してくれた。』

アドルフ『だが、少々意固地というか気の強い所があってね…』

アドルフ『彼女の再婚問題で、たしかに一時疎遠になった。結局は仲直りしたけれど。』

唯「よかった…!」

アドルフ『けれど、私からすれば、大切な姉だよ。』

唯「うんうん、仲が良いのが一番だよ!」

アドルフ『はは!まったくその通りだね。』



312 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/06(土) 00:54:34.59 ID:Bo6NrwuS0

アドルフ『弟の名はエドムント。』

アドルフ『彼は、私が10歳のころ、5歳という幼さで死んでしまった。』

唯「そう、なん…だ…」

アドルフ『はしか、だった。』

アドルフ『可愛い盛りだったのに。弟を失った悲しみで、
     私はひどく打ちのめされたよ。』

唯「…」



313 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/06(土) 01:04:28.07 ID:Bo6NrwuS0

アドルフ『そして、妹の名はパウラ。』

アドルフ『彼女はおとなしい、控えめな女性だった。』

アドルフ『私の運動のために、彼女は度々とばっちりを受けてね。
     アンシュルッスの前までは、オーストリア政府から監視されていたはずだ。』

アンシュルッスとは、ナチス時代のドイツとオーストリアの合邦化(統一のようなもの)のことである。

アドルフ『そして、私が死んだときには、結婚もせずに、もちろん子供もいなかった。
     まったくすまないことをしたものだ…』



314 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/06(土) 01:08:38.99 ID:Bo6NrwuS0

アドルフ『それに、口にこそださなかったが、
     私が政治家を続けることに対して良い印象を持っていなかったようだ。』

唯「どうして??」

アドルフ『私の身を心配したのだろうね。
     パウラは本当に心の細やかな子だ。』
    
アドルフ『政治家は命を危険にさらさねばならぬこともあるし、激務でもある。
     身体に良いはずがない。』

唯「優しい妹さんだね…」

アドルフ『きみの自慢の妹、憂君のようにね。』

唯「えへへ////」



315 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/06(土) 01:13:08.95 ID:Bo6NrwuS0

アドルフ『そして、きょうだいの子供たち、私の甥と姪…』

アドルフ『いや、これは今度にしよう。』

唯「えー…」

アドルフ『もう一時間以上も話し込んでしまった。
     もうかなり遅い時間だ。』

アドルフ『さあ、ゆい。眠りにつきなさい。』

唯「うん、わかったよ…」

そして、その日もまた過ぎていく。



350 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/06(土) 12:04:10.88 ID:Bo6NrwuS0

こうして、アドルフが唯に"憑い"てから数週間が経過した。
そして、それに伴って、アドルフの"教育"も巧妙、唯にあわせたかたちをとって進んでいった。
これは、教養や知識といったもののみではなく、芸術に対する志向の、
アドルフ流の陶冶、という側面も持っていた。

唯は、あれで飲み込みが早く、応用も利く。
ようは、良き教師がいればよい。


しかし…





351 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/06(土) 12:09:59.09 ID:Bo6NrwuS0

桜高は二年生の、梓と憂の教室。
時は放課後。

和「ちょっと、失礼するわね。」

生徒A「!!」

生徒A「せ、生徒会長さん!?」

和「ごきげんよう。平沢憂さんはいるかしら?」

生徒A「あ、はい、窓際奥で、梓ちゃんや純ちゃんと話してますけど…」

和「ありがとう。」

そういうと和は、憂たちのところへ近づく。



352 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/06(土) 12:16:06.33 ID:Bo6NrwuS0

梓「あ、憂!和先輩がいらしたよ!」

憂「和さん、すいません…」

和「相談があるって、あんたから聞いて…」

和「やっぱり、というか確実に唯のことよね?」

憂「はい…」

和「場所変える?」

憂「できれば…あと、梓ちゃんもいっしょに…、いいかな?」

梓「うん、もちろんだよ!」



353 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/06(土) 12:21:37.88 ID:Bo6NrwuS0

生徒室となりの、空き教室。

和「で、唯がどうかしたの?」

憂「…」

和「憂?」

梓「…」

純「…」

梓(なんか純まで、さりげなく混ざってるし…)



354 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/06(土) 12:26:11.22 ID:Bo6NrwuS0

憂「おねーちゃんが…」

憂「おねーちゃんがおかしくなっちゃったみたいなんです…」

和「唯がおかしくなった??」

和「まあ、あの子が変なのは小さいころから、何時ものことだけど…」

和「具体的には、どんな風に??」



357 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/06(土) 12:32:14.16 ID:Bo6NrwuS0

憂「誰もいないはず空間とおしゃべりをするようになっちゃったんです。
  それも長い時間…」

和「独り言じゃないの?」

憂「最初に気付いたときは、私もそう思いました。
  夜遅くまで誰かと喋ってるようだったらから…」

憂「で、のぞき穴からそっと覗いたんです。」

梓「の、のぞきあなって…なに?」

和「あずさ、人間には知らなくていいこともあるのよ…」

梓「は、はい…」



361 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/06(土) 12:39:40.09 ID:Bo6NrwuS0

憂「でも、お姉ちゃん、ケータイも子機も持っていませんでした。」

憂「気付いた日から、それが延々と、毎日続いているんです…」

憂「だから…」

憂「おねーちゃん、やっぱり頭がおかしくなっちゃ…て…」ヒック

和「それはちょっと…どころじゃなくて、かなり心配だわ。」



362 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/06(土) 12:46:00.49 ID:Bo6NrwuS0

和「とるべき最善の措置は…」

和「担任のさわ子や養護教諭の先生と協力して、
  うちの学校のかかり付け医の先生ともね。
  小父さんと小母さんにも帰国してもらわないと…」

純「…」

純「それ、多分、憑かれてますよ?」

憂「!!」

梓「やっぱりそうなのかなぁ…私や澪先輩が練習を急かすから、
  唯先輩疲れちゃって…」

純「梓、字が違うから。疲労の"疲れ"じゃなくて、霊にとり憑かれるの、"憑かれ"。」



366 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/06(土) 12:54:28.69 ID:Bo6NrwuS0

梓「…」

和「…」

梓「和先輩、すいません。この娘、すぐに追い払いますんで…」

憂「そういえば、純ちゃんのお祖母ちゃんって…」

純「北津軽は川倉のイタコよ。」

和「…」

梓「…」



368 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/06(土) 13:00:29.78 ID:Bo6NrwuS0

憂「その変な髪形も、たしかイタコの伝統なんだよね?」

純「これはファッションなの!可愛いでしょっ!!」

梓(それはちょっと…)

和(ないわね。)

純「憂、前に言ったわよね?」

憂「?」

純「憂の家の隣にある社。」

憂「!!」



370 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/06(土) 13:07:24.67 ID:Bo6NrwuS0

純「あの社。"名も無い神明"を祭っているみたいだけど…」

和「あの社が??はじめて聞いたわ。
  というか、"名も無い神明"って?」

純「日本は八百万の神の国で、しかも仏教も一緒、だから、たくさんのホトケサマもいます。」

純「でも、アマテラスオオミノカミや阿弥陀如来のような大格の方々は、ほんの一部。」

純「その他ほとんどの方々は、名前すら知られていないか、
  忘れさられてしまったんです。」

純「あの社にもそのような"名も無い神明"が祭られています。」

和「そうなの…」

梓(憂の家に遊びにいくのが怖くなりそう…)



371 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/06(土) 13:14:34.88 ID:Bo6NrwuS0

純「ほとんど"勢力"らしい"勢力"もない神明なんですが…
  ただ。」

和「ただ??」

純「たとえなんですけど、高圧電線の下にいる家庭には
  癌系の病気が起きやすいっていいますよね?」

和「ええ。」

純「その高圧電線を、平沢家隣の社、と読み替えてください。」



372 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/06(土) 13:22:52.50 ID:Bo6NrwuS0

和「つまり、あの社からよくわからないエネルギーのようなものがでて、
  唯によくわからない影響を与えた、ってこと?」

純「はい、その通りです。あの社の神明からは、"他化自在天"や"アメノウズメ"、
  と同じ匂いがします。」

純「これらの神明に共通する勢力は"魅入る"。
  つまり、人外の存在を惹きつけるということです。
  その勢力が唯先輩に、多分ですけど、宿ってしまった。」

純「だから、中学のころに憂に忠告して、
  "勢力払い"のコツをいくつか教えたはずなんですが…」

憂「ごめんね純ちゃん、その時、話半分以下で聞いてた…」

純「…」



373 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/06(土) 13:31:35.95 ID:Bo6NrwuS0

和「鈴木さん、ごめんなさい。正直に言えば、その話信じられないわ。」

純「仕方ないですよ、慣れてますし。」

和「まあ、とにかく…」

和「梓、これから部活行くんでしょう?私もついていくわ。」

梓「はい。憂も行こう?」

憂「うん…」

純「私もついてくよ。」

梓「はいはい…」



374 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/06(土) 13:39:32.36 ID:Bo6NrwuS0

一方、軽音部部室。

律「梓がまだ来てないなんてめずらしいな。」

澪「そのうち来るよ。お前たちとは違うし。」

律「なぬー!?」

紬「はい、唯ちゃん。頼まれていたCDよ。」

唯「ありがとムギちゃん♪」

アドルフ『ふむ…』

CDに視線を送るアドルフ。



376 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/06(土) 13:58:19.63 ID:Bo6NrwuS0

律「なに?そのCD。」

唯「ムギちゃんから借りるんだ♪」

澪「『ブルックナー選集』?クラシックか。」

律「クラシックぅ!?あ、それも憂ちゃんに頼まれたんだろ?」

唯「わたし用だよ♪」

律「…」



380 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/06(土) 14:08:57.19 ID:Bo6NrwuS0

唯にブルックナーを勧めたのはもちろんアドルフだ。

唯「あ、今から聞いてみようか?」

澪「たまにはクラシックもいいかもな。」

紬「じゃ、プレーヤーにセットするわね?」

アドルフ『♪』



386 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/06(土) 14:33:09.94 ID:Bo6NrwuS0

アドルフ『とりあえず、交響曲第4番を聞いてみようか?』

唯「ムギちゃん!"こーきょーきょくよんばん"選曲おねがーい!」

紬「わかったわー♪」

律「唯がクラシックの曲名を覚えているだと…」

ワグナーに入る前に、
まずはブルックナーの明るい軽快な曲で、
唯の興味を引こうとするアドルフ。



YouTube:ブルックナー 交響曲第4番 《ロマンティック》 第3楽章



388 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/06(土) 14:37:38.29 ID:Bo6NrwuS0

紬「ポチッと♪」

澪「ふむ…」

唯「おお…」

― 三分後 ―

唯「ぐぅ…ぐぅ…zz」

律「スピースピーzzzz」

澪「こいつら…」

アドルフ『なんと呆れた…』

右手で額を覆い、首を軽く左右に振るアドルフ。



392 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/06(土) 14:46:21.66 ID:Bo6NrwuS0

アドルフ『まあいい。あせらずとも。』

アドルフ『聞けば琴吹君は大量に音源をもっているとか?』

アドルフ『ゆいに頼んで借りてもらおう。』

アドルフ『さすがは部室に音楽室を使っているだけあって良い音だ。
     このコンパクトディスク、というのも。』

アドルフ『だができればホールで生を聞きたいものだ。』

アドルフはブルックナーに聞き入りつつ、ぶつぶつ何かを言っている。
両手を後ろにくんで、時計回りにゆっくりと部室の中を歩き回りながら。



394 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/06(土) 14:51:52.93 ID:Bo6NrwuS0

アドルフ『やはり音楽が無ければ、人生は色あせたものになってしまう。』

アドルフ『ただし良い趣味を追求すれば、の話だが。』

アドルフ『ゆいのことも、あの五月蝿いだけの屑音楽から卒業させてやらねばな…』

ガラッ

部室のドアが開く。

澪「あ、和?」

和「お邪魔するわね。」



398 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/06(土) 15:02:01.19 ID:Bo6NrwuS0

梓「お早うございます…」

憂「失礼します。」

澪「梓も一緒だったのか。憂ちゃんもいらっしゃい。」

憂「お邪魔します。」

純「あの、私も入っていい?憂が通せんぼしてるんだけど…」



399 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/06(土) 15:08:22.35 ID:Bo6NrwuS0

憂「あ、ごめんね純ちゃん。」

純「しつれ…」

アドルフ『共産中国はうまく使えそうだ。ロシアは、もう駄目だな。
     主権民主主義など馬鹿なスラブ人には不相応…』

純「!!!」








純「いた。若い外人が一人。」

和「!」

憂梓「「!!」」




400 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/06(土) 15:10:14.16 ID:UCKfPUaD0

寺生まれってスゴイ



402 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/06(土) 15:13:56.73 ID:9bU54v8VO

純ちゃんwww



404 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/06(土) 15:20:04.28 ID:TPXlxHoB0

純ちゃん大活躍
私の時代(ry



405 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/06(土) 15:20:19.28 ID:Nkk/5JuQ0

純ちゃん「破ぁ!」





403 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/06(土) 15:15:07.57 ID:Bo6NrwuS0

純「こっちには気付いてないようです。」

純「私も知らん振りを装いながら観察するので、
  生徒会長さんたちも自然に。」

和「わかったわ。」

憂「うん。」

梓(純、胡散臭いよ、純…)

澪「あ、たしか…鈴木さん??
  いったいどうしたんだ?」

和「な、なんでもないわよっ。」



406 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/06(土) 15:22:10.95 ID:Bo6NrwuS0

梓「あ、クラシック聞いてたんですか?」

澪「そうなんだけど、こいつらは寝ちゃったよ…」

唯「zzz…」

律「スーフー…zzz」

梓「…」



407 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/06(土) 15:27:02.95 ID:Bo6NrwuS0

紬「今、お茶入れるわね。」

和「ありがとう、紬。」

純「…」

アドルフ『しかし、一番の問題はいかにドイツを…
     ゆいと切り離された場合、もしかしたら私の意識も…』

純("烏賊にどどいつを"…"ゆい"…"イサキも"…??
  ジャミングがひどくて、上手く聞き取れない…)




409 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/06(土) 15:29:38.21 ID:YYXM0ekh0

総統!い、イサキは釣れたの?



413 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/06(土) 15:32:10.70 ID:2yrz0mb9P

純「はっ!はぁぁぁあんっ!イ、イサキは?イサキは、と、取れたの??」

アドルフ「ああ。でかいイサキが取れたよ。今年一番の大漁だ」

純「大漁っ!!イサキぃぃ!!総統かっこいいいいぃぃぃい ぃくううううう!」





414 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/06(土) 15:33:10.43 ID:Bo6NrwuS0

純「…」

梓「ムギ先輩のCDですか?」

紬「ええ。唯ちゃんに頼まれの。」

梓「唯先輩がクラシックですか…?」

澪「良いインスピレーションにはなるとは思うんだが。
  まあ、起きて聞いていればだけどな…」

梓「この二人のことですしね。」



415 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/06(土) 15:39:57.62 ID:Bo6NrwuS0

アドルフ『とにかくしばらくは、このまま、ゆいの教育に…』

アドルフは和たちが入ってきても、まったく気にする素振りをみせない。
他人が自分を見ることができない、という状況にすっかり慣れきっているのだ。

純「…」

純(この人の顔どっかで見たことあるような…)

純(でも、問題はそこじゃない。
  この外人の霊から、とてつもないほどのプレッシャーを感じる…)



417 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/06(土) 15:45:21.47 ID:Bo6NrwuS0

純(それに…)

そして、再び生徒会室。
和と憂、そして純。

純「背は170ちょっと、かなり痩せてて、20代ぐらい、面長の、
  目はすごく綺麗なブルーです。」

和「白人?」

純「はい。」

純「髪は七三わけのツーブロックで、
  よれよれの疲れたスーツを着てました。」



418 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/06(土) 15:56:17.88 ID:Bo6NrwuS0

和「そこまでわかるの??」

純「はい。けど、音声はうまく聞き取れませんでした…」

和「音声って…」

和「それに白人の…男性でいいのよね?」

純「はい。」

和「なんでそんなのが…」

和「…」

和「ごめんなさい、鈴木さん。やっぱり、あなたの話は…
  はっきりいえばね、私は、そういうの全く信じない性質なの。」



421 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/06(土) 16:04:35.85 ID:Bo6NrwuS0

純「…」

純「憂、唯先輩とあの外人の霊はどんな話をしてた?」

和(スルーされたかしら…)

憂「たぶん、芸術とか、歴史とか、政治とかの話。
  おねーちゃんが普段絶対しないような…」

純「他には?」

憂「『アドルフ』って単語、多分人の名前だよね、それをよく口にしてた…」

和「!!!」



422 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/06(土) 16:11:54.69 ID:Bo6NrwuS0

和「ちょ、ちょっと、ちょっと待ってよ…」

和「その名前…それと、唯が何週間か前に自慢してた鼈甲製の…」

憂「あっ!!」

和の額から、汗が少しにじり出てくる。

和「教科書、いえ、図書室のほうが…」

和「ちょっと出るけど、五分ぐらいで戻ってくるわ!」



426 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/06(土) 16:22:45.74 ID:Bo6NrwuS0

そして五分もかからないうちに、再び戻ってくる和。
大きく息を切らせている。
手には一冊のカラー表紙の本、というかムック。

和「ハァ…ハァ…生徒会長なのに、廊下を…ダッシュしちゃったわ…」

和「えっと…えと…あ、ここ!」

和はその本を開き、あるページを純と梓に示す。



428 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/06(土) 16:31:36.39 ID:Bo6NrwuS0

何人かの若い白人兵士が並んで写っている白黒写真。
そのうちの一人を指差す和。

和「もしかして、この男!?」

純「えと、うーん…この人のような…
  私、トム・ハンクスと、カツラつけたブルースウィリスも見分けられないんです…」

和「た、たしかに他の人種の顔を区別するのは難しいけど…」

憂「和さん、この人って…」



430 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/06(土) 16:41:10.32 ID:Bo6NrwuS0

和「そうよ…!」

和は本を閉じると、その表紙を二人に見せる。
40代の白人男性の白黒写真が表紙を飾っていた。
びちっと綺麗に固めた髪は1:9ぐらいの左分け。
鼻のすぐ下にある、いわゆる"チョビ髭"
表情は硬い、というよりは断固としたもの。

和「ドイツ国総統、アドルフ・ヒトラー。」

憂「え…」

純「生徒会長、この人のほかの写真は!?もっと見れば表情とかで…」

和「本の中にたくさんあるわよ…」



431 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/06(土) 16:47:18.37 ID:Bo6NrwuS0

純「あ、この写真のこの表情…」

和「ヒトラーが何かに思いを馳せている際の写真ね…」

純「年かさは一回り以上違いますけど…
  この何かに酔ったみたいな顔…」

純「あの外人の霊とそっくりです!」

和「…」



433 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/06(土) 16:55:06.83 ID:Bo6NrwuS0

和「信じたくはないけれど…」

憂「あのピックが原因で!?」

純「ピックって?」

憂「えっとね…」

憂は純に事情を話す。

純「ヒトラーの親戚の遺品…」



452 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/06(土) 19:34:04.20 ID:Bo6NrwuS0

和「とにかく、もし本当にヒトラーが唯に憑いてるのなら、
  唯と彼の会話の内容を確かめて、情報を集めないと…」

和(それに結局のところ、唯の精神疾患の可能性も高いし…)

憂「じゃあ、私の部屋の覗き穴からお姉ちゃんを…」

純(そんなもの作ってたの、憂…)

和「いえ、もっと確実な方法よ。
  軽音部員たちにも協力してもらわないね、特に紬。」



454 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/06(土) 19:40:21.50 ID:Bo6NrwuS0

そして、その三日後の夜。
その日は金曜日で、当然休日の直前。

唯「ごちそうさま!」

憂「おそまつでした♪」

何時もどおりの平沢家のダイニング。
平沢姉妹と霊が一体。

アドルフ『さて、ゆい。今日も読書をしよう。』

唯「よーし!」



455 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/06(土) 19:46:02.21 ID:Bo6NrwuS0

憂「おねーちゃんは部屋に戻るの?」

唯「うん♪」

唯はここのところ、食事が終わるとすぐに自室に戻ってしまう。

憂「じゃあ、お風呂ができたら呼ぶね?」

唯「ほーい!」

憂「…」

憂(よし、行ったね…)



456 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/06(土) 19:50:13.65 ID:Bo6NrwuS0

憂「…」

携帯電話を取り出す憂。

憂「梓ちゃん、入ってきていいよ。」

そう短く伝えると携帯電話を切る憂。

ガチャ…

平沢家の玄関が開く音がする。



457 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/06(土) 19:55:10.97 ID:Bo6NrwuS0

律「お邪魔しまーすと…」

和「静かにね。」

律「はいはい。」

澪梓純「「「お邪魔します。」」」

紬「お邪魔します。憂ちゃん、とりあえず、
  憂ちゃんのお部屋にいけばいいのよね?」

憂「はい。」



461 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/06(土) 20:08:23.30 ID:Bo6NrwuS0

憂の部屋。
女の子の部屋に似つかわしくない機材が、所狭しと並べられている。

紬「今日の日中に斉藤が指揮を執って、
  すべてセッティングしてくれたわ。」

律「で、なんで唯の部屋を監視カメラで覗くんだ??」

紬「あの憂ちゃんがどうしてもって言うから私も協力したんだけれど…」

和「それは、今から見てみればわかるわ。」

和(一昨日のうちに憂の部屋の覗き穴から唯のこと観察してたけど…)

和(本を読んだり、クラシックを聞きながら、
  確かに、誰かと話しているようだった。)

和(唯の口から、唯が一生使わないだろう単語が、
  ぽんぽん出てくるんですもの。)



464 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/06(土) 20:14:47.52 ID:Bo6NrwuS0

紬「じゃあ、スイッチ入れるわね。」

紬「ポチッと。」

6台のモニターに、それぞれ別方向から、唯の部屋が映し出されている。

律「ベッドに座って、音楽聞いてるな。」

紬「唯ちゃんに今日貸してあげたベートーヴェンのCDだわ。」

澪「どっかで聞いたことがあるな…」

紬「交響曲第3番、『英雄』よ。」



YouTube:ベートーヴェン交響曲第3番「英雄」第1楽章



466 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/06(土) 20:18:58.86 ID:Bo6NrwuS0

和「紬、赤外線カメラをお願い。」

紬「わかったわ。」

律「はぁ!?なんで赤外線??」

和「とりあえずは見ていて頂戴。」

紬「ポチッと。」

紬が赤外線カメラのスイッチを入れる。
モニターの一つが、赤外線カメラ特有の暗さを帯びた映像に切り替わる。



468 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/06(土) 20:24:33.29 ID:Bo6NrwuS0

和「特に移ってないようね…」

純「多分無理ですよ。そう言う番組で、テレビ局が雰囲気を出すために
  赤外線カメラやサーモグラフィーを小道具として使っただけですから。」

純「実際には、そのどちらにも反応しないはずです。」

和「一応、念のためだったんだけどね…」

梓「あ、先輩が喋り始めました!」

律「え?」

澪「?」



469 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/06(土) 20:29:28.11 ID:Bo6NrwuS0

アドルフ『どうだい、さっきの曲は?』

唯「すごく勇ましい、じゃなくて何かな…
  鷹とか鷲をイメージしちゃう。」

アドルフ『良い例えだね、ゆい。』

アドルフ『さっきの曲は、ベートーヴェンが"コルシカの鷲"
     ナポレオン・ボナパルトのために書いたものだ。』

唯「ナポレオンってあの、チンはこっかなり、の?」

アドルフ『それはルイ14世だよ。
     下級貴族からフランス大革命を経て皇帝にまでなった男だ。』

アドルフは唯のボケも綺麗に受け流す。



472 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/06(土) 20:39:51.64 ID:Bo6NrwuS0

唯「"成り上がり"ってやつ??」

アドルフ『そうだね。彼は非常に才能に恵まれていた。』

アドルフ『ただ…結局は、』

アドルフ『彼はその才能をうまく生かすことができなかった。』

唯「どうして?」

アドルフ『彼の夢、フランスの繁栄、これを追い求めることは正しかった。
     彼の戦略もほぼ正しかった。』

アドルフ『だがね、彼は人材、人間を用いる際に手ひどい失策をしたんだ。』



473 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/06(土) 20:46:40.41 ID:Bo6NrwuS0

アドルフ『彼は、部下として使ってはいけない人間をつかったし、
     何より身内びいきだった。

アドルフ『無能な兄弟を諸王にしてしまった。他人が信用できなかったんだろうね。
     さらに、すぐ下の弟は有能な男だったが、これを使いこなすこともできなかった。』

アドルフ『さらには、革命で追い出したはずの旧貴族と和解して、
     自分たちの部下に、自分の宮廷のなかで、貴族の猿真似までさせた。』

アドルフ『フランスの旧貴族など、精神的に堕落しているし、
     なにより皆、外国から金をもらっている売国奴だった。』

アドルフ『目標と手段、これはね、どちらも妥協してはいけないんだ。』

唯「ほう…」



479 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/06(土) 20:57:01.91 ID:Bo6NrwuS0

アドルフ『私は身内びいきをしなかった。』

アドルフ『そのために甥のハンスを、戦場で失ってしまった。
     彼は勇気と知能に恵まれた、真にドイツ人らしい男だった。』
     
アドルフ『彼の父や兄とはまったくの別物だよ。
     彼は私の誇りだ。』

そういうとアドルフは窓から外に顔を向け、空をじっと見つめた。
甥のことを思い出しているのだろうか。

唯『アドルフ、元気をだして。』

アドルフ『おお、ありがとう!心優しい、ゆい。』



※(ハンス・ヒトラーはソ連の収容所で傷病死している。
  ヒトラーは、捕虜交換でなんとしても甥を取り返そうとしたが、かなわなかった。)



487 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/06(土) 21:15:08.32 ID:poV8hkQcO

憂の部屋

律「お、おい、唯は誰と話してるんだよ…」

澪「…」

和「いい、よく聞いて頂戴。」

和「単刀直入に言うわね。」

和「唯がレンタルしてもらっているピックには
  とんでもないものが宿ってたの。」

澪「ま、まさ、まさ、まささささか…」



488 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/06(土) 21:20:03.56 ID:poV8hkQcO

和「さっき、『アドルフ』って単語を唯は口にしたわよね?」

律「…」

和「それが今、唯の隣にいる人物の名前よ。」

律「と、となりって、唯しかいないじゃん…」

和「鈴木さんが"見える人"でね、教えてくれたのよ。」

律「…」



489 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/06(土) 21:28:45.54 ID:poV8hkQcO

和「唯はね、なぜだか知らないけれど、白人の男性、」

和「おそらく、アドルフ・ヒトラーと思われる人物に
  とり憑かれているの。」

律「ま、また、和よ、いいかげんに…」

和「私が下らない、いい加減なことのために、紬に機材をお願いして、
  あんたらをこんなことに巻き込むと思う?」

律「…」

紬「鈴木さん、本当なの?」

純「あの人物が誰かはまだ完全にはわかりませんけど、」

純「とにかく、唯先輩は若い白人の霊体に憑かれています。」



491 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/06(土) 21:36:47.85 ID:poV8hkQcO

澪「…」

澪「ヒッ」

澪「ヒッ…ヒヒヒヒ…ヒッ…ヒヒヒヒ…」

梓「い、いけない!澪先輩が過呼吸に…!」

和「しまったわ。澪がこの手のことに弱いの忘れてた!」

憂「い、いまビニール袋もってきます…!」

律「…」

律「鈴木さん。」

純「はい。」

律「どうすりゃいいんだ…?」



493 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/06(土) 21:47:46.43 ID:poV8hkQcO

純「一通り、お母さんの道具を無断で借りてきました。」

純は、幸福実現党総裁が肩からよくかけているような肩掛け、
数珠、何冊かの経文を取り出す。

律「これでお祓いを?」

純「おはらいというか、お祖母ちゃんが霊を降ろして
  お母さんがそれを手伝ってるところしか見たことないもので…」

憂「純ちゃんのお祖母ちゃんは青森のイタコなんです。」

律「見てただけ?」

純「はい。」

律「駄目じゃん!!」

純「お祖母ちゃんの遺伝子は四分の一持ってますから!」

梓(というかイタコってお祓いもするの?
  お祓いって神社の仕事じゃないの?)



494 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/06(土) 21:55:27.31 ID:poV8hkQcO

和「鈴木さん、まあ抑えて。」

和「今日は特にアクションを起こさないわ。」

和「関係者が集まって事実を認識して、
  傾向と対策を考えるためのものだから。」

純「わ、わかりました…」

澪「う、うう…」

梓「少し澪先輩も落ち着いたみたいです。」



496 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/06(土) 22:11:24.99 ID:poV8hkQcO

一方、唯の部屋。

アドルフ『妻のエーファ、姪のゲリ(アンゲラ)、姉のアンゲラ、…』

アドルフ『私の周りには心優しい女性がいて、いつも私を支えてくれた。』

唯「うん。」

唯はヒトラーの家族や親しい人間のことを、
このごろは自分から聞こうとしなくなっていた。
そういう話をすると、度々、アドルフが悲痛な顔を見せるからだ。

ヒトラー『そして、女性こそ家庭の要だ。』



497 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/06(土) 22:21:47.93 ID:poV8hkQcO

アドルフ『そして家庭は人間を育てる大もとの場所だ。』

アドルフ『また、個人が集まり国家ないし民族となる。』

アドルフ『国家と民族は同義だ。切り離すことはできない。』

アドルフ『そして、個人よりも、まったく、
     国家ないし民族が優先されねばならない。』

アドルフ『個人は民族ないし国家のために生きねばならない。』

唯「なんかそれだと、わたしたちの自由がないような…」

アドルフ『はは。多くの人間は、とくに大衆は、そう考えるだろう。
     しかし、そのまま留まっていては駄目だ。』



502 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/06(土) 22:29:21.63 ID:poV8hkQcO

アドルフ『例え話をしよう。』

アドルフ『ゆい、君は言葉を、日本語を話すね?』

唯「当たり前だよぉ…」

アドルフ『そうだ、当たり前のことだ。』

アドルフ『しかしだ、日本語の文法をある個人や集団が勝手に大きく改変して、
     出鱈目な言葉を話したらどうなるだろう?』

唯「新しいことばもたくさん生まれてくるよ?」

アドルフ『いや、単語個々の問題ではなく…うむ…』

アドルフ『日本語とドイツ語を足して2で割った言葉を話したとしたら?』

唯「そんなのだいこんらんだよ。
  それにきっと、誰からも相手にされなくなっちゃう。」



503 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/06(土) 22:38:09.14 ID:poV8hkQcO

アドルフ『だろう?』

アドルフ『言葉、とくにある民族に固有の言葉というのは非常に大切なものなのだ。』

アドルフ『我々は日頃言葉を用いるため、その恩恵に与っている。』

アドルフ『ところがこれが国家ないし民族のことになると…』

アドルフ『確かに、人間は国家と離れて、
     短時間なら個人や小集団で生きることができるかもしれない。』



506 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/06(土) 22:46:06.66 ID:poV8hkQcO

アドルフ『しかし、人間は一人では生きていけない。』

アドルフ『小集団は、それより強い集団の前に脆くも崩れさるだろう。』

アドルフ『だからこそ、血と言語を同じくする個人は助けあい、
     共同体を形成しなければならない。』

アドルフ『おそらく、民族総体としての共同体から
     個人や小集団が距離を置くとき、』

アドルフ『その個人や小集団は多分に利己的な行動をする。』

アドルフ『そしてそれが、人間精神にとってかけがえのないもの、
     真に価値あるものを毀損するようになる。』

アドルフ『これは、アブラハム以降、ユダヤ人のお家芸だった。』



509 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/06(土) 22:54:21.62 ID:poV8hkQcO

ヒトラー『彼らは自己流の価値を創作する。』

ヒトラー『ただ、貪欲を満たさんがためだけにだ。』

ヒトラー『そのためには、屁理屈や姑息な論理をためらわず使う。』

唯「なんかよくわからない…」

アドルフ『そうだね、ゆいは知らなくていいことだ。』



511 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/06(土) 23:02:19.02 ID:poV8hkQcO

アドルフ『そういえば、私は日本人も二種類に分けられると聞いているね。』

アドルフ『一方は集団と美徳のために進んで己を捨てるサムライ。』

アドルフ『それに対して、退廃していて利己的で貪欲なものたち。』

アドルフ『先帝のお側と資本家の多くには、
     そのような碌でもない輩が満ちていた、と聞いたよ。』

唯「初耳。でも、"サムライ"の数はどんどん減ってるかな。」

アドルフ『今のドイツでも同じことだろう。まったく!耐え難いことだ!!』



523 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/06(土) 23:21:26.33 ID:poV8hkQcO

アドルフ『ただ、希望はあるかもしれない。』

唯「どういうこと?」

アドルフ『現世に蘇ってまだ日は浅いが、
     様々に有益な情報を手に入れることができた。』

アドルフ『我が国家社会主義ドイツ労働者党の
     有意あるものたちが、南米に多く逃れただろう?』

唯「あー、そんなこと書いてあったね。」

アドルフ『彼らおよび彼らの意志を継ぐ者たちが、
     サークルのような物を作っているかもしれない。』

これは虫の良すぎる話だろう。
唯は気が付かなかったけれど。

アドルフ『今のドイツにいる、私の名ないし思想を振りかざして、
     無意味な行動に走る、あの馬鹿者どもとは違う…』

アドルフ『そういった、真に心ある者たちと連絡が取れればよいのだが、
     如何せん、この身体ではね…』



526 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/06(土) 23:27:38.80 ID:poV8hkQcO

唯「なら、アドルフ、私が協力してあげるよ!」

アドルフ『ゆい、本当かい!?』

唯「うん!って言っても、どうすればいいかわからないや。
  南アメリカでしょ…」

アドルフ『ゆい、焦らずに。堅実に考えいこう。』

唯「うん!」




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[ 2011/09/23 00:02 ] 歴史 | アドルフ・ヒットラー | CM(0)

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