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唯「同じ窓から見てた海」#6 【非日常系】


http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1285425699/

唯「同じ窓から見てた海」#index




125 名前: ◆hNCx62prg6:2010/09/26(日) 09:51:02.34 ID:NyEyssDO

みんな乙

じゃあそろそろ6番手投下しますね



126 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/09/26(日) 09:52:05.95 ID:NyEyssDO

「―――ねぇ、和ちゃん」


「なに?」


「私たち、大学では離れ離れだね」


ざざーん……


「……そうね」





127 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/09/26(日) 09:52:43.97 ID:NyEyssDO

「けいおん部のみんなとは一緒だけど、和ちゃんと別の学校に行くのは寂しいなぁ……」


「仕方ないわよ、いつかは進路が別れることになるって、それが今だったってだけよ」


ざざーん……


「和ちゃん」


「海、綺麗だね」


「そうね、春に海に来るのもなかなか良いかも」



128 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/09/26(日) 09:53:17.61 ID:NyEyssDO

ざざーん……


「でも、私たちしか居ないね」


「静かでいいじゃない」


「うん、そうだね」


「………少し寒いね」


ざざーん……


「唯は相変わらず寒がりね」



129 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/09/26(日) 09:53:50.76 ID:NyEyssDO




ぎゅっ






130 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/09/26(日) 09:54:27.20 ID:NyEyssDO

「えへへ……ありがと」


「手、あったかいや……」


「ええ、あったかいわね」


ざざざーん……


「もうどれだけこうしてるのかな?」


「わからないわ、時計もケータイも持ってきてないもの」



131 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/09/26(日) 09:55:00.80 ID:NyEyssDO

「そろそろ帰る?憂も心配するんじゃない?」


ざざーん……


「ううん、まだこうしてたいよ」


「……そう」


「―――ねぇ、」


「なに?」



132 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/09/26(日) 09:55:36.27 ID:NyEyssDO

ざざざーん……


「覚えてる?昔、三人で海に行ったときのこと―――」


――
―――
―――――



133 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/09/26(日) 09:56:04.06 ID:NyEyssDO

がたんごとん

がたんごとん


和「すー………すー………」

憂「むにゃ………」

唯「…………むぅ」

唯「みんな寝ちゃって………つまんないっ………」

唯「ういなんて私のこと枕にしちゃってさっ………」

唯「…………」ツンツン




134 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/09/26(日) 09:56:45.79 ID:NyEyssDO

憂「んぅ…………」すやすや

唯「……かわういのう……」なでりなでり

唯「……もうすぐ海についちゃうよ―――」

唯「―――おぉっ………」

唯「きれい………!」



135 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/09/26(日) 09:57:18.54 ID:NyEyssDO

唯「和ちゃん起きて!ほらっ、窓から海が見えるよっ!」

和「ぅ、うん………?」

和「わぁ………」

唯「ほら憂も!」ゆさゆさ

憂「ふぁ………海……?」くしくし

憂「ひろーい……あおーい………!」



136 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/09/26(日) 09:57:54.85 ID:NyEyssDO

私達が中学三年生、憂が中学二年生の夏休み。
私達は誰にも内緒で海に来ていました。

発案者は私、平沢唯です。
和ちゃんには「受験生なんだから」と咎められてしまいましたが、
憂と二人がかりで説得して、なんとか折れてもらいました。

受験生と行っても、進路もまだ決まっていないので
本当に遊んでる暇はないんですけど……。

だからこそ、あることにけじめをつけに来たのです。



137 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/09/26(日) 09:58:33.62 ID:NyEyssDO

がたん……ごとん……

がたん……ごとん……


唯「あっ、切符!切符どこやったっけ!」

和「はい」さっ


唯「あ………そういえば和ちゃんに預かってもらってたんだ……」

憂「ありがとう和ちゃん」

和「どういたしまして」

和「さ、降りるわよ。忘れ物はないかしら?」



138 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/09/26(日) 09:59:09.04 ID:NyEyssDO

ぷしゅー


唯「とうっちゃーくっ!」

憂「なんだか遠いとこまできちゃったねー」

唯「私達ももう大人だね!親が居なくてもここまでこれちゃうんだもん!」

和「おおげさよ……」



139 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/09/26(日) 09:59:44.93 ID:NyEyssDO

この時の私達は、初めての子供だけの遠出に心を弾ませていました。
親にも内緒で来た海は、これからの楽しい一時を約束するかのような
素晴らしいコンディションでした。

磯の香り、潮っぽい風、波の音、焼けるような砂浜。

海の家もやっています。
お昼は焼きそば……かき氷も食べよう!


唯「早速着替えに行こうよ!」

和「……待って唯、憂」

和「水着はどんなの持ってきたの?」



140 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/09/26(日) 10:00:18.20 ID:NyEyssDO

唯「え?上と下で分かれた青のセパレートのだけど……」

憂「私は白のワンピース……」

和「………そう、そうよね……」


何故か和ちゃんは俯いて落ち込んでいます。
なにかまずいことでもあったのかな?



141 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/09/26(日) 10:00:50.45 ID:NyEyssDO

唯「和ちゃーん!着替え終わったー?」

和「お、終わったけど、その」

唯「早くいこーよー!」

和「うぅ………」


ガチャ


和「さ、早く行くわよ!」

唯「………」

憂「………」



142 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/09/26(日) 10:01:28.99 ID:NyEyssDO

唯「スク水………」

和「うっ」

唯「スク水だ」

和「ううっ」

和「仕方ないじゃない、急な話だったんだもの……」

憂「べ、別に変じゃないよ!むしろかわいいよ!?」

和「憂………ありがと……」



143 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/09/26(日) 10:02:02.44 ID:NyEyssDO

唯「うんうん、和ちゃんらしいって感じがするよね!」

和「それは褒めてるのかしら……?」

―――――
―――
――


「和ちゃんったらスクール水着持ってくるんだもん、フォローが大変だったよー」


「全然フォローできてなかったわよ……」



144 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/09/26(日) 10:02:38.04 ID:NyEyssDO

「でも、スクール水着、懐かしいね。中学以来………あれ?今年部室で着たっけ」


「部室でなにやってるのよ………」


「いやぁ、あの日は暑くて暑くて……」


ざざーん……



145 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/09/26(日) 10:03:12.11 ID:NyEyssDO

「そういえば、あの時も、この海だったね」


「そうね」


「海の家で食べた焼きそばがさ、砂混じってたんだよね」


「あぁ、その割に高いのよね。まぁ、そういうものなのだろうけれど―――」


――
―――
―――――



146 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/09/26(日) 10:03:45.35 ID:NyEyssDO

唯「遊んだ遊んだー!」

憂「やっぱり夏は海だね!」

ぐぅ~………

和「………えっと、お昼食べましょうか」

唯「私じゃないよ!」

憂「お姉ちゃんずるい!私でもないもん!」

和「やれやれ……」



147 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/09/26(日) 10:04:24.13 ID:NyEyssDO

唯「あ、せっかく海に来たんだから、海の家で食べようよ!」

和「いいわね」

憂「さんせーい!」




唯「みんな、焼きそばでいいよね?」

和「えぇ、いいわよ」

憂「うん」

唯「おじさん!焼きそば三丁!」



148 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/09/26(日) 10:05:02.88 ID:NyEyssDO

和「………って、800円……っ!?」

憂「た、高い………!」

唯「まぁまぁ、きっと新鮮な海の幸がふんだんに………」

おじさん「焼きそば、おまち」こと、こと、こと

唯「……………」

憂「具が………」

和「玉ねぎとキャベツにソーセージのみ………」



149 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/09/26(日) 10:05:36.73 ID:NyEyssDO

唯「………いやー!おいしそうな焼きそばだなー!いただきますっ」ずぞぞっずぞっ

唯「うん、味はおいしいよ、うんうん」もぐもぐ

ガリッ

唯「ん?ガリ?」

唯「………砂入ってた………うえー……」

和「………」

憂「………」



150 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/09/26(日) 10:06:09.10 ID:NyEyssDO

和「ま、まぁ、800円もするんだし、もったいないから……」

憂「うん、食べよっか………」


和「」ガリッ

憂「」ガリッ

和「弁当持ってくればよかった………」

憂「800円………」

唯「…………」



151 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/09/26(日) 10:06:41.27 ID:NyEyssDO

唯「こう考えようよみんな!」

唯「大人な私たちは焼きそばそのものじゃなく……
  そう!海の家で焼きそばをすするという
  風情あふれるなにがしかを買ったんだよ!800円で!」

憂「それだ!さすがお姉ちゃん!」

唯「えっへん」

和「さっきから店の人ににらまれてるわよ………」

―――――
―――
――



152 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/09/26(日) 10:07:13.91 ID:NyEyssDO

ざざーん……


「そういえば、あの海の家はどうしたんだろうね?」


「海開きまで、休業中なんじゃないかしら」


「あ、そっかぁ」



153 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/09/26(日) 10:07:39.28 ID:NyEyssDO

「不況だし、潰れちゃってるかも」


「えぇ………それは残念だなぁ……」


「………でも、この海は昔と変わらないね」


「海なんて簡単に変わるものじゃないわよ」

ざざーん……



154 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/09/26(日) 10:08:20.66 ID:NyEyssDO

「和ちゃん、私たちは変われたかな?」


「高校生活で?」


「うん、女子高生ライフで、ちょっとはレディになれたかな、って」


「唯は、あんまり変わらないわね」


「そうかなぁ?」



155 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/09/26(日) 10:08:56.47 ID:NyEyssDO

ざざざーん……


「ええ、でも、今の唯の方が好きよ」


「えへへ………私も……今の和ちゃんの方が好き……」


「………和ちゃん」


「和ちゃんと同じ学校に行って、本当によかった。
 和ちゃんと幼なじみで本当によかったよ」


「……そう、ありがとう」



156 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/09/26(日) 10:09:30.40 ID:NyEyssDO

「明後日だっけ、引っ越し」


「うん、親に無理言って、向こうに部屋借りてもらったんだけど……」


「忙しいときに、ごめんね。海に行こうだなんて」


「唯に振り回されるのには、慣れてるわ」


「えへへ………今までお世話になりました………」


「なにいってるの、これからもよろしく、でしょ」


「………そうだね、これからもよろしくね、和ちゃん」


「ええ、こちらこそ」



157 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/09/26(日) 10:10:08.43 ID:NyEyssDO

ざざざーん……


「だいぶ日も傾いてきたわね」


「そうだね」


「夕日が眩しいわ」


「でも、きれいだね」



158 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/09/26(日) 10:10:58.17 ID:NyEyssDO

ざざざざーん……


「そういえば、あの時の帰りも―――」


――
―――
―――――

がたんごとん

がたんごとん


唯「あー、楽しかったね!」

和「ちょっとはしゃぎすぎちゃったかも」



159 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/09/26(日) 10:11:34.13 ID:NyEyssDO

憂「うん………疲れた……ふわぁ……ぁあ…」

唯「ほれほれ、お姉ちゃんの膝、空いてますよ」ぽむぽむ

憂「ん………お姉ちゃん………」とさっ


憂の髪の毛からは潮の香りがしました。
更衣室のシャワーで洗い流したつもりでも、まだ匂いが残っています。



160 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/09/26(日) 10:12:05.08 ID:NyEyssDO

唯「憂ったら一番はしゃいでたもんね」

和「唯も負けてなかったわよ」

唯「そういう和ちゃんだって」

和「まぁ、最近遊んでなかったし」

唯「そういえばそうかも」

和「――で、今日はなんで急に海に行こうなんて言い出したの?」



161 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/09/26(日) 10:12:42.96 ID:NyEyssDO

………そうでした。
受験生として、あることにけじめをつけに来たのでした。
別に忘れてはいません、タイミングがなかっただけです。
そう、私は今日、和ちゃんに私の本当の気持ちを伝えに来たのです。


唯「………えっと」

唯「その………」


いざ、そういう場面に直面すると、なかなか言い出せないものです。



162 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/09/26(日) 10:15:18.12 ID:NyEyssDO

「好き」


そのたった二文字が、口からでません。

列車の中は、知らない人たちの雑談と、
がたんごとんと線路を踏み付ける音が支配しています。
膝で眠る憂の寝息もかすかに聞こえます。


息を吸って、吐いて、落ち着こうと思っても、
和ちゃんの目を真っすぐ見ることが出来ません。

何度目か和ちゃんの目を見据えようとして、目を逸らしたときのことです。



163 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/09/26(日) 10:15:56.11 ID:NyEyssDO

私が視線を逃がした先では、車窓から見える海が
夕日を眩しくキラキラと反射して、オレンジ色に染まっていました。
朝見たときとはまた違った美しさに、私たちは目を奪われました。

唯「わぁ………」

和「本当にきれいね………」


しばらく窓から見える景色に見とれていると、
なんだかタイミングを逃したようで、
とうとう言い出せなくなってしまいました。

でもそのかわり、今日一日で、一つ決めたことがあります。



164 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/09/26(日) 10:17:24.18 ID:NyEyssDO

唯「和ちゃん、あのね」

和「あぁ、話の途中だったわね」

唯「うん、志望校決めたんだ」

和「へぇ、どこにするの?」

唯「えへへ……和ちゃんと一緒のとこ!」

和「…………」



165 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/09/26(日) 10:18:11.15 ID:NyEyssDO

唯「………あれ?ダメだった?」

和「いや………嬉しいわ」

和「でも、今の唯の学力じゃ少し難しいわよ」

唯「うっ………頑張るよ………」

和「ええ、もちろん厳しくいくわ」

唯「教えてくれるの?」

和「明日から毎日みっちりね」

唯「お、お手柔らかに………」

和「絶対に、一緒に合格するわよ」

唯「……うん!」



166 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/09/26(日) 10:18:49.75 ID:NyEyssDO

唯「高校生になっても、よろしくね」

和「受かってから言いなさい………と言いたいとこだけど」

和「そうね、これからもよろしくね、唯」

――私のこの思いは、まだ伝えないことにします。
いつかまた、この海に来て伝えよう。

唯「和ちゃん、いつまでも友達でいようね!」


がたんごとん

がたんごとん

―――――
―――
――



167 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/09/26(日) 10:19:31.91 ID:NyEyssDO

ざざざざーん……


「そういえば、今日はなんで海に行こうなんて言い出したのよ?」

「んと………それは……」


ざざざざーん……


「その………」


「まぁ、特に理由がないっていうなら、それでも良いんだけど」



168 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/09/26(日) 10:20:17.29 ID:NyEyssDO

「ううん………ちゃんと理由はあるよ」


「そう」


「…………」


ざざざざーん……



169 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/09/26(日) 10:21:04.71 ID:NyEyssDO

「和ちゃん……えと……」


「その………あのねっ……」


ざざざ………

「………和ちゃん………あのっ、私、和ちゃんのことが―――」



170 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/09/26(日) 10:21:41.57 ID:NyEyssDO




ざざざざ―――

―――だいすき。

―――ざざざーん……………






171 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/09/26(日) 10:22:20.71 ID:NyEyssDO

「なに?」

ざざーん……


「―――……ううん、なんでもない。………あはっ、足、ちょっと濡れちゃった」


「……そう。………もう帰りましょう、暗くなっちゃうわ」


ざざーん……


「……うん、そうだね。お腹すいちゃった」



172 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/09/26(日) 10:22:51.08 ID:NyEyssDO

がたんごとん

がたんごとん


唯「結構遅い時間になってたね」

和「春になって、日が長くなったのね」


―――結局、私の思いは伝えられませんでした。
私のばか。いくじなし。



173 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/09/26(日) 10:23:23.17 ID:NyEyssDO

でも、もしかして、これがあるべき結果なのかも知れません。

あのとき私の声が和ちゃんに届いていたとして、
和ちゃんはどう受け取るでしょうか。

友人として?それとも恋愛対象として?
そもそも女の子同士です。
初めから、おかしくて………おかしいんです。

どちらにせよ、私達は明後日には離れ離れ。簡単には会えなくなります。
これからは「また、いつか」なんてことも簡単に言えなくなるのはわかっています。

今まで、どうにかしてこの恋心を伝えようとしてきました。

でも、私はこの気持ちを封印することにします。



174 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/09/26(日) 10:23:55.37 ID:NyEyssDO

私は、ずっと和ちゃんが好きでした。

何度も思いを伝えようとしてきたけれど、
今日、終ぞ思いを伝えることは出来ませんでした。

きっとそれは、私の恋が叶わぬものだから、
波の音で神様が邪魔をしてくれたのでしょう。


ふと窓の外を見ようと目を向けると、
太陽はすっかり沈んでしまって真っ暗でした。

いつか同じ窓から見てた海の代わりに、
鏡映しの私の顔がうっすらと見えます。



175 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/09/26(日) 10:24:28.73 ID:NyEyssDO

なぜか窓に映る私の顔はぐしゃぐしゃに歪んでいて、
その時初めて自分が泣いてることに気づきました。


唯「うっ………ぐすっ………うええ………」

和「ゆ、ゆい、どうしたの?」


和ちゃんが心配しています。
泣くつもりなんてなかったのに。

みっともないなぁ、私。



176 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/09/26(日) 10:25:01.02 ID:NyEyssDO

唯「なんでもない………なんでもないよ……えぐっ………」

和「………なんでもないわけないじゃない。ほら、ハンカチ」

唯「うぅ………ありがどう……」


和ちゃんの差し出してくれたハンカチは柔らかくて、良い匂いがしました。
私の涙で汚すのがなんだか忍びなく感じて、手が止まります。
しかしいつまでも泣いているわけにもいかないので、さっと涙を拭きました。



177 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/09/26(日) 10:25:31.86 ID:NyEyssDO

和「……そのハンカチ、しばらく貸すわ」

唯「え?………ちゃんと明日にでも返すよ」

和「いいえ、すぐに返さなくてもいいわ」

唯「………どういうこと?」


和ちゃんの言っていることの意味がわかりません。



178 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/09/26(日) 10:26:04.90 ID:NyEyssDO

和「そうね、そのハンカチは私と唯の縁、よ」

唯「えん………?」

和「私が唯にそのハンカチを貸し続けてる限り、
  唯はいつか私にハンカチを返しにこなくちゃいけないでしょう?」

和「だから、そのハンカチは、私達の縁。借りパクは許さないんだから」

唯「……そうかぁ………縁かぁ………うふふ」

和「まぁ、そんなハンカチなくたって、私達はずっと親友だけどね」

唯「……えへ………そうだね」

和「ふふ、何度目かになるけど、改めて。これからもよろしく」

唯「うん、和ちゃん、いつまでも親友でいようね!」



179 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/09/26(日) 10:26:35.82 ID:NyEyssDO

がたんごとん

がたんごとん


ごめんなさい。神様。
私はまだ、この恋をあきらめられそうにありません。


もう一度窓の外の海に目を凝らしてみると、
暗い波に揺れる水面には、きれいな月が浮かんでいました。


おしまい。



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唯「同じ窓から見てた海」#6
[ 2010/09/26 11:55 ] 非日常系 | 唯和 | CM(0)

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