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聡「姉ちゃんが可愛すぎて生きるのが辛い」 【非日常系】


http://yutori7.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1276608361/




1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: 2010/06/15(火) 22:26:01.71 ID:mi4OGkdv0

思えば姉ちゃんがカチューシャをつけるようになった理由は俺だった。
小さい頃、似てるわねと親戚の人に言われてから、姉は女顔を気にする俺に


幼律「じゃあこうすればにてないよ!」

と言い放ち、眩いばかりのおでこをさらけ出し、同じくらい眩い笑顔を見せたのだった。


そう、あの頃から姉ちゃんは明るくて可愛くて誰からも好かれる、いわゆるいい女だった。
小学校に入って澪姉と出会って、さらに元気になった。
それから、姉が遊んだりするのはいつも澪姉と一緒。
そこは今まで俺のポジションだった。





2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: 2010/06/15(火) 22:27:39.86 ID:mi4OGkdv0

ちょっとジェラシーを感じたりしつつも、俺は姉を見守ることにした。
同年代のガキ共は、
「姉ちゃんとか兄ちゃんってうざい」
「妹弟がいたらこき使えたのに」
とか馬鹿なことを言っている。

ふざけるな。弟ってのは、姉の幸せを願い全力で見届けるためにいるんだよ。
ちなみに兄だったら知らん。勝手に育って勝手に終われ。
ああ、姉ちゃんでよかった。

妹ってのも悪くないけど、生憎年下には興味ない。
ああ、やっぱり姉ちゃんでよかった。



4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: 2010/06/15(火) 22:28:34.87 ID:mi4OGkdv0

律「おーい、ご飯できたってー」


ほら、こんな風に弟の俺をわざわざ呼びに来てくれる。
ホント姉ちゃんは優しいな!
優しいし可愛いしいい姉だし、最高だ。


俺がにこにこしながら微動だにせず座ったままでいると、姉ちゃんは

律「お前、キモいぞ?大丈夫か?とにかく呼んだからなー」


と言って階段を降りていった。
弟をけなす姉ちゃんもいいね。
やっぱ姉っていうのは偉そうで上から目線で、多少理不尽なくらいが丁度いい


頭ではそう思いつつも、照れ隠しのために
うるせー!と叫んでから俺も姉ちゃんの後を追って階段を降りた。



6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: 2010/06/15(火) 22:29:49.87 ID:mi4OGkdv0

律「風呂先に入るからなー」


我が家では姉ちゃんが最初に風呂に入る。
当たり前だ、弟が姉より先に入って浴室を汚すなんてあってはならない。
だからといってすぐ後に入るのは色即是空に反するため、俺はいつもラストだ。

これから、姉ちゃん母ちゃん父ちゃんと続く。
俺の番になるまでだいぶ時間があるため、この時間を使って俺はいつも今日の作業を進める。


聡「カタカタ」



7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: 2010/06/15(火) 22:30:42.12 ID:mi4OGkdv0

起動して砂時計が消えてすぐ、滞ることなく軽快にキーボードを叩く。
打ち込んでいるのは日記。ネット風に言うと、ブログだ。

予め頭の中で出来ていた文章をすらすらと入力。
内容は主に、今日一日の出来事のようなものだ。

そして締めはいつもこうである。


『今日も姉ちゃんは可愛かったです(*´∀`)ノ』


そしてブログを更新。
自己満足だ。友達にも教えてないし、反響も期待してない。



8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: 2010/06/15(火) 22:32:09.32 ID:mi4OGkdv0

だが、こういうのは紙の日記で書くよりも見つかりづらいだろうから利用している。

うん。こんなところか。
パソコンでの作業を終える。
このまま終了しようか迷ったが、せっかく起動したのだからしばし波に乗ることにした。

色々な姉ちゃんブログを読み漁る。
なになに、中には一緒に寝ている奴もいるようだ。
実にけしからん。弟が姉と同じ寝床で一夜を共にするなど。
弟は廊下で不審者から姉を守るのが毎夜の仕事だというのに。

ふむふむ、『お姉ちゃんの喜ぶ顔が私の幸せ』

うん、この点には同意だ。こいつはよく分かってる。



10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: 2010/06/15(火) 22:34:02.03 ID:mi4OGkdv0

俺が賛同したり否定したりしてると、インターホンがピンポンと鳴った。
すみませーんと声が響く。澪姉だ。


聡「どうしたんですか、こんな夜に」

澪「こんばんは聡くん。律にちょっと部活のことで用事があるんだけど」


部活。軽音楽のことか。
そういえば軽音部に入ってから姉ちゃんさらに楽しそうだな。



14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: 2010/06/15(火) 22:36:37.49 ID:mi4OGkdv0

食卓ではいつも部員の話ばかりしている。
澪姉は相変わらずだとか唯さんって人が天然だとか、
ムギって人がぽわぽわだとか、梓って人がやわらかいとか。
それより俺は姉ちゃんの話を聞きたいところなんだけどね。

でも、姉ちゃんの顔を毎日明るく彩ってくれているのだと思うと悪い気はしない。
皆せいぜいこれからも頑張って俺の姉ちゃんを楽しませてやってくれ。


澪「おーい。もしかして律は風呂か?」

聡「あー?あーあーそうですよ。たぶんもうすぐ出てくるんであがっててください」

澪「そうか、悪いな。じゃあ部屋に行ってるよ」



16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: 2010/06/15(火) 22:40:33.79 ID:mi4OGkdv0

我が家の階段を澪姉が上がって行く。
かつて姉ちゃんは、澪姉の足音は聞いただけで分かるって言ってた。
ちょっと引いた。たかが友達の足音だよ?弟の足音を聞き分けられるならわかるけど。

まぁいいや。
とにかく澪姉が来たことを姉ちゃんに知らせる。
脱衣所の前の廊下から、澪姉が来た旨を言うと、シャワーの音がやんで、
「何か言った?」と姉ちゃんが聞き返してきた。

だから俺はもう一度言う。


聡「澪姉が来たってー」

律「え?ごめん聞こえない。中入って言ってよ」



19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: 2010/06/15(火) 22:43:47.13 ID:mi4OGkdv0

なんという。俺に、脱衣所に入れというのか。

もちろん、脱衣所とは脱衣をする場のことである。
風呂場とは扉で隔たれている。
だから、大雑把な姉ちゃんは別に見られるわけでもないしいいだろ……ということなのだろう。

だが、考えても見ろ。チェス盤をひっくり返すと、たった一枚の扉で隔たれているだけなのだ。
しかもその扉はうっすらと中の様子を映し出す。
中の人の様子を、曇りガラスがいい具合に焦らし、後は頭で湯けむりの向こうを保管するのみ……

ああ駄目だ駄目だ全然駄目だぜ!

弟という身でそんな不謹慎な!
ここは弟らしく何も言わずに引き下がる。
姉よ、もう少しそういう点に気を使ってくれたまえ……



20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: 2010/06/15(火) 22:45:42.72 ID:mi4OGkdv0

律「?何だったんだろ。まぁいいか。どうせくだらないことだろー」シャコシャコ


姉ちゃんが何か言ってたけど気にしない。
それよりも今日はいささか出しゃばりすぎた。
大人しく部屋に帰ることにする。


律「母さーん、風呂あいたよー」


姉ちゃんが風呂から出たらしい。階段を上がってくる。
もちろん、俺だって足音だけで姉ちゃんか否か分かる。
こうして正座をしていると、姉ちゃんの発する音以外は
真空の彼方へ飛び去ったかのように皆無。
今日もいい集中具合、グッドだ田井中聡。



22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: 2010/06/15(火) 22:46:26.21 ID:mi4OGkdv0

澪「律、お邪魔してるよ」

律「澪いたのか?知らなかった。今何か飲み物持ってくるよ」

澪「あれ?聡くんから聞いてなかったのか?まぁいいや、すぐ帰るし気をつかわなくていいよ」

律「聡最近変なんだよな。まぁいいや。そんで、どうしたんだ?」


俺の部屋は姉ちゃんの隣だ。
だからどうしたって話だが。
別に何か聞いてるわけでもないし、故意に耳を澄ませているわけでもない。



23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: 2010/06/15(火) 22:47:40.05 ID:mi4OGkdv0

けれども、姉ちゃんは少々声量が大きいこともあり、会話の大半は筒抜けだ。
姉の会話を盗み聞くなんて弟道に反すると思い、テレビをつけたりハミングを口ずさんだりするのだが、
やはり意識が向いてしまう。

言い訳ではないが、俺の耳は姉ちゃんの声をよく聞き取ることができるように出来ている。
だから小さい頃からデパートで迷っても姉ちゃんの一声で合流できたし、
例えば姉ちゃんが一階のどこかで俺を呼んだとしてもすぐさま対応できる。

だからこれも不可抗力だ。
世間を賑わせている球蹴りなんかよりも、姉ちゃんの話し声の方が聞くに値する。


澪『ここの歌詞なんだけど……これでいいと思う?』

律『甘っ!かゆっ!まぁでもいいんじゃない?澪らしいと思うよ』

俺には姉ちゃんの声のほうが甘いです。



26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: 2010/06/15(火) 22:48:58.05 ID:mi4OGkdv0

澪『じゃあここはここは?虫歯!ってするか銀歯!ってするか迷ってるんだけど』

律『虫歯のほうがいいんじゃないか?よくわからんけど銀歯って年寄りくさいし』

俺は姉ちゃんの声を聞いてると虫歯のようにぴりりと胸が切なくなります。

澪『ありがとう。じゃあ次の曲はこれだな。』

律『お疲れー。別に明日の学校でもよかったんだぞ?こんな夜にわざわざ来なくても』

澪『え、それはその……律に最初に見せたかったから……(っていうか会いたかったから///)』

律『ふーん?何か澪顔赤いけど大丈夫か?』

澪『えっ!あ、いや大丈夫!ちょっ、顔近いよ律ぅ……///』ハァハァ



28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: 2010/06/15(火) 22:49:48.74 ID:mi4OGkdv0

フンッ!


ドーーーン!

律『うおあっ!』

澪『なななな何だ!?』


抜け駆けはさせないぞ秋山。
なんだかいやらしい雰囲気になったであろうことが容易に想像できたので、
俺は思わず近くにあったジーニアスを壁に投げつけた。


聡「ごめん姉ちゃん!辞書でヘディングしてたら間違って壁にぶつけちまった」

律『気をつけろよー!』



32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: 2010/06/15(火) 22:51:46.49 ID:mi4OGkdv0

ああ姉ちゃんはこんなに不審な言い訳でも俺を信じてくれる。
それどころか心配までしてくれる。
弟冥利に尽きるってものだ。

俺の努力の甲斐あってか、澪姉はすごすごと帰っていった。

それから、いろいろな人が姉ちゃんの部屋に来たが、
いやらしい雰囲気を感じ取ったら妨害工作は欠かさない。



こんな感じで俺が努力し続けて早幾年……
その努力も実を結ばず、とうとうこの日がやってきてしまった。



33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: 2010/06/15(火) 22:52:16.54 ID:mi4OGkdv0

リーンゴーン

ゴーン ゴーン



「おめでとう!」

「とっても綺麗よ!」

「2人とも、素敵です!」

新郎「ありがとう、みんな」

新婦「なんだか照れるなぁ」


新郎と新婦は、2人の友達とか言う女人に祝福されている。



35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: 2010/06/15(火) 22:53:07.99 ID:mi4OGkdv0

俺はこれでもかと米粒をぶつけまくる。
俺をおいていってしまう姉と、姉を連れて行ってしまう人に。


澪「ふふ、悪いな聡。今までご苦労様」

聡「澪姉……全部知ってたんですか」

澪「ああ。お前の努力のおかげで、
  律は今日まで元気に明るく純潔でやってこれた。本当に感謝してるよ」

聡「勝ち誇ったような笑みを……ッ」ギリッ


澪姉は髪を一まとめにして、爽やかな笑顔で俺に笑いかける。
勝者の笑みだ。
一点の曇りもない純白のタキシードがよく似合っている。
俺もスーツを着ているが、俺よりもスーツってもんが似合っていて悔しい。



37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: 2010/06/15(火) 22:54:48.54 ID:mi4OGkdv0

律「聡!お前も早く幸せになれよ」

そう言って澪姉に手を絡ませる姉ちゃんはとても綺麗だった。
今まで見たどの姉ちゃんよりも綺麗かもしれない。
その白いドレスも、華やかなブーケも、姉ちゃんを引き立てる道具でしかない。
何より綺麗だったのは、なんの未練もないかのように幸せそうな笑顔だった。


聡「姉ちゃん……」

律「お前もせいせいするだろー。今まで乱暴な姉で悪かったな!」


そんなことない。
どんなにパシられても、理不尽な扱いを受けても、弟でいられれば俺はそれで幸せだったのに……



39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: 2010/06/15(火) 22:56:29.47 ID:mi4OGkdv0

澪「確かに苗字は私が奪うけどさ、血のつながりは変わらないだろ?」

律「そうだぞー、これからもこき使ってやるからな!なんて冗談だけど」


そうか……そうだよな。
澪姉に言われて気づくのもちょっと癪だが……
うん。もともと弟は姉の幸せを全力で見届けるためにいるんだって、自分で言ったんじゃないか。


聡「姉ちゃん、お幸せn」

澪「律……」

律「澪……」



40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: 2010/06/15(火) 22:58:21.25 ID:mi4OGkdv0

チュー


空気を読まずに二人は俺の目の前で熱いキスをしている。

だがもう揺らがない。
姉ちゃんが幸せそうならそれでいい。


聡「お幸せに!」

「幸せになってね!」

「2人の新婚生活、のぞかせて頂戴ね!」

「私も早くやってやるです!」



43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: 2010/06/15(火) 23:01:30.94 ID:mi4OGkdv0

「お姉ちゃん……」


友人と、両親と、その他みんなに祝福されて澪姉も姉ちゃんも幸せそうだ。
照れながらじゃれ合ったり、今までの感謝を述べたりしている。

これでいいのだろう。
じんわりと滲む視界は気にしないことにする。




聡「2人とも、お幸せに!」




おわり




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[ 2011/09/29 09:49 ] 非日常系 | | CM(0)

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