SS保存場所(けいおん!) TOP  >  アクション >  憂「プリズンブレイク!」#後編

お知らせ

SS保存場所は移転しました。
現在けいおん!関連の更新はしていません。
今後更新するかは未定です。
SS保存場所






憂「プリズンブレイク!」#後編 【アクション】


http://yuzuru.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1280580822/
http://yuzuru.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1280670739/

憂「プリズンブレイク!」#前編
憂「プリズンブレイク!」#後編




93 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 17:18:18.34 ID:nskQtxIFO

憂「じゃあ私達は行くから」

唯「ばいばい純ちゃん…」

純「う~…」

二人は屋根裏に登ると、二人揃って顔を出し。

唯&憂「じゃあね…純ちゃん」

純「ああもうわかったよ! 行けばいいんでしょ行けば!」

唯「さすが純ちゃん!」

憂「暗いから気を付けてねお姉ちゃん」

ボフッ

純「あっ、ごめん誰かのお尻に…」

唯「純ちゃんのえっち!」

純「うっすらとしか見えないんだから仕方な…」

ボフッ

憂「きゃっ」
純「なるほど、こっちが憂でさっきのが唯さんね。覚え(ry」
憂「なくていいよっ!」



94 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 17:25:52.98 ID:nskQtxIFO

純「で、脱出プランは?」ヨチヨチ

憂「このまま診察室の近くまで行ってそこから降りて診察室の窓を破って外に出るの」ヨチヨチ

純「このまま診察に行けばいいんじゃないの?」ヨチヨチ

憂「あの辺りはもう全部新しくされてるから屋根裏は繋がってないの。
  だから降りて行かないと」ヨチヨチ

唯「純ちゃんさっきからお尻触りすぎだよぉ…」

純「えっ、私触ってないですよ?」

唯「じゃあ誰が…」

姫子「唯のお尻ってほんと安産型よね~いいわぁ」

唯「ひ、姫ちゃん!? いつの間に!?」

姫子「置いてくなんて酷いじゃない唯」



95 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 17:31:52.31 ID:nskQtxIFO

姫子「私とあなたの仲でしょ?」

唯「えぇと…うん…」

純「っ……」

姫子「まああなたが良くても妹さんが嫌がってたのなら仕方ないわね…、
   ねぇ憂ちゃん。さっきはベッド譲ってあげたのに酷いじゃない」

憂「…どうしてわかったんですか?」

姫子「簡単よ。私と唯はベッドを賭けてトランプなんてしてないもの」

憂「……」

姫子「そんな怖い顔しないでよ~見えないけど♪ 」

姫子「ここまで来たらみんな運命共同体よ! 脱獄目指して頑張りましょう?」

唯「憂…姫ちゃん悪い人じゃないから…ちょっとえっちさんだけで…」

憂「(それが駄目なのっ!)」



96 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 17:42:37.35 ID:nskQtxIFO

姫子「そんなこと言って~ほんとは触って欲しい癖にっ」

唯「あっ…やめてよぉ姫ちゃ…ん…」

憂「わかりました。けど条件があります」

姫子「何々?」

憂「今後一切姉には触らないでください。それが約束出来るならいいですよ」

姫子「あれ? 嫌われちゃったかしら? 」

唯「憂…」

姫子「まあいいわ。けど唯から触って~って言った場合はノーカウントね!」

唯「言わないよぉ」

姫子「あら寂しい」

憂「」ギリッ

純「……」

四人になった脱獄犯達は診察室に向かうのだった……。



98 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 17:53:08.48 ID:nskQtxIFO

姫子「結構入り組んでるわね…道は大丈夫なの?」

憂「話しかけないでください、気が散ります」

姫子「あらあら…」

憂「もうすぐつきます…普段この辺りに看守はいませんが
  巡回してる場合もあります。気をつけてください」

───

憂「つきました。ここです…」

純「誰から降りる?」

憂「私から降りるね。合図したらみんなも降りてきて」

一同は暗闇の中こくりと頷くと憂は排気口を開け、
ゆっくりと通路を確認し、誰も居ないことを確認してから降り立った。
この時点で見つかれば終わり…一生この檻の中で過ごす事になる



99 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 18:01:34.48 ID:nskQtxIFO

憂「…」キョロキョロ

コンコン

憂の合図を聞きみんな通路に降りる。

姫子「あれ…ここって…診察室じゃないじゃない」

憂「屋根裏ルートじゃ進めるのはここまでです。みんなついて来て、こっち」

憂が身を屈めながら進むのをみんな真似しながらついていく。

先に進んで行くと前に錠前がついた格子の扉が見えてくる。

姫子「って鍵閉まってんじゃない! しかもこんな丈夫そうなやつが!」

憂「静かにしてください。看守にバレたらどうするんですか」

純「憂…どうするの?」

憂「純ちゃん、錠前なんてね、ある道具があればお豆腐より柔らかいもなんだから♪」



100 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 18:08:00.32 ID:nskQtxIFO

唯「どういうこと~憂?」

憂「まあ見ててよお姉ちゃん♪」

憂はスプレーを取り出すとそれを逆さにし、錠前にスプレーをかけ始めた。

するとみるみる錠前が凍っていく。

憂「じゃあ純ちゃん、軽く蹴ってみてくれない?」

純「えっ…いいけど」

純「せ~の…てやっ!」

ガシャンッ

純「わ~ぉ」

唯「純ちゃん凄いね!」

姫子「殺人キックだわ…」

純「えっへん! じゃなくて! どんな魔法使ったのさ憂!?」

憂「う~ん…簡単に言うとこういうスプレーって冷たいでしょ?
  で、より冷たいのは下にたまってるの。
  だから逆さまで吹き掛けることによってすご~い冷たいのがぶしゅ~って!」

純「憂もあんまりわかんないんだね!」
憂「そうなんだぁ」テヘヘ



107 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 19:57:18.08 ID:nskQtxIFO

一同は扉を抜け、診察室の前と辿り着いた。

ガチャガチャ

姫子「閉まってるわね、鍵あるの?」

憂「なくても大丈夫です」

純「また憂のとんでもマジックショー?」

憂「これは私だけじゃない…みんなの想いが導いてくれた道…」

憂「行きます…」

憂はドアノブを回しながらゆっくりと斜めに力を入れ、押し開ける。

純「あらら、意外とあっさり開いたね。ほんとに鍵かかってたんですか姫子さん?」

姫子「私が間違うわけないでしょ? 純のくせに私に意見しないでよ」

純「はいはいすみませんでした~…」



108 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 20:04:48.93 ID:nskQtxIFO

憂「今回は簡単ですよ。ただこの溝にガムを詰めて閉まりを甘くしただけだから」

純「あっ! もしかしてあの検診の時噛んでたガム!?」

憂「ご名答~」

唯「私なんてただ美味しい~って噛んでただけなのにっ! 憂凄いねっ!」

憂「そんなことないよお姉ちゃん♪」

姫子「……」

純「……」

憂「早く行こっ。ゴールはすぐそこだよ!」

診察室に入り扉を閉める。

憂「ここの窓は唯一格子がついてないの。
  だからどうしてもここに行く必要があったんだけど…ここまでは上手くいってるね」



109 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 20:12:12.14 ID:nskQtxIFO

姫子「特に何もない普通の窓ね。これを開けて外に出てからどうするの?」

憂「作業をしてた小屋に行きます。そこから脱出します…! みんなもいい?」

姫子「ブレインであるあなたに指図するつもりないわ」

純「ここまで来たら憂と心中しちゃうもん私」

唯「ずっと一緒だよ、憂」

4人は手を重ね、ただ成功を祈った。

憂「ここからは無駄なお喋りはできないからね…!」

唯純姫「」コクリ

憂「ここの窓には振動センサーがあって切ってからじゃないと絶対鳴っちゃうの。
  けどセンサーを切りに行くリスクはこのまま逃げるより高い…。
  だからみんな、鳴っても驚かないでね」

唯純姫「うん…」



110 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 20:20:06.37 ID:nskQtxIFO

憂「1.2.3で行くから…!」

四人に緊張が走り、汗が額の上を走るのがわかる。

憂「1.2の…」


憂 「さんっ!」

ジリリリリリリリリ

四人の本当の大脱走が始まった。

─────

律「来たっ! 合図だ!」

澪「いよいよか…」

律「さ~て警察さんは何分で到着するかな~」

ガガッ

梓『こちら警察署前の梓です! 今装備を整えた警察官達が出ていきます!
  そっちには5分ぐらいでつくんじゃないかと思います! オーバー!』

澪「了解、オーバー。」

澪「ムギ、聞いたか? 今からそっちに警察が行くから」



112 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 20:26:38.20 ID:nskQtxIFO

紬『了解よ澪ちゃん♪』

澪「時間稼ぎよろしくな」

紬『任せて!』

律「優秀だね~日本警察。時間稼ぎ込みで7.8分か…それまでが勝負」

澪「律、そろそろ配置についとけよ。指示は私が出すから」

律「はいは~い。澪ちゃんったらすっかりやる気になっちゃって!」

澪「もう唯に罪はない。誤認逮捕って認めさせるまで監獄暮らしなんてさせられないだろ」

律「まあな…でも憂ちゃんは…」

澪「…憂ちゃんだって無実さ。唯を助けるために仕方なくやったんだ…。
  これが無実じゃなかったら世の中嘘だよ」



114 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 20:33:26.87 ID:nskQtxIFO

律「だ、な。じゃあちょっくら行ってくるよ。さわちゃん、囮よろしくね」

さわ子「仕方ないわね…あの子達を助けるためだもの」

律「必ず二人で出てこいよ…唯、憂ちゃん…!」

─────

警察官「桜ヶ丘刑務所にて脱獄事件発生の模様。
    パトロール中の車両も速やかに桜ヶ丘刑務所に急…」

警察官「なんだぁ!?」

警察官の目に映ったのはデカい立て札。
通行禁止

警察官「おい! 工事をしてるなんて情報入ってないぞ!」

紬「ほんとでっか? それはえらいすいませんどすえ」



115 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 20:37:53.31 ID:nskQtxIFO

警察官「あんたが責任者か? 時間がないんだ! 今すぐここを通してくれ!」

紬「なごと言われでも今水道管の修理中でして道具退けるのにも時間がかかるんどすえ」

警察官「何分ぐらいかかる!?」

紬「えぇ~と……斎藤さ~ん斎藤さん」

斎藤「どうしたと~?」

紬「警察さんがものどけろて~」

斎藤「そりゃ難儀なこって」

紬「で何分ぐらいかかるんと?」

斎藤「はぃ~?」

紬「何分ぐらいかかるんと?」

斎藤「……はぃ?」

警察官「」イライラ



116 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 20:41:16.41 ID:nskQtxIFO

斎藤「ああ道具のけろって~?」

紬「そうそう~」

警察官「」イライラ

斎藤「え~ど…あ~! 高橋さん~道具のけるのに何分ぐらいかかりますかねぇ?」

警察官「もういい! 各車両迂回して桜ヶ丘刑務所に向かえ!」


ファンファンファン……

紬「こちら紬、作戦は成功、思ったより時間稼げたみたい」

澪『上出来だよムギ。じゃあまた合流ポイントで会おう』

紬「澪ちゃんに誉められちゃった」

斎藤「良かったですねお嬢様。しかし何故あんな喋り方を?」

紬「そっちの方が面白いじゃない♪」

斎藤「はあ…左様で」



118 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 20:50:23.58 ID:nskQtxIFO

5分経過───

澪「遅いな…予定なら3分にはここに来てるはずなのに」

さわ子「中で何かあったのかしら…」

澪「……」

さわ子「澪ちゃん、そろそろ私達も危ないわ、そろそろここを離れないと…」

澪「わかってます…でも私達がここを離れたら唯達は…」

その時だった

カンッ…カンカン…

あっち側から投げ困れた小石がさわ子の車にぶつかって弾けた。

澪「唯達だ! 律! 頼む!」

律『待ってました!』

─────

律「派手に行くぜ~!」

律はゴム手袋し、ニッパーを取り出すと、
配電盤の様なものから線を引っ張って、それを切った

ブツンッ……



3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: 2010/08/01(日) 22:53:46.02 ID:6nu9+FnrO

さっきまで闇を照らしていたサーチライトは黙り込み、辺りは闇に支配される。
人間の怒号しか聞こえない闇の中で、澪は黙々と作業を進める。

手頃な石に縄をくくりつけあちら側へ渡すのだが…このままでは届かない。
普通の石を投げれば軽く越えられるだろうが縄つき、
しかも人一人吊り上げられるともなればそうはいかないだろう。

だが対策は既に出来ていた。
わざわざこの為にさわ子は車体の高い車をレンタルしてきて、
澪はその上に乗って投げる。するとギリギリあちら側へ縄を投げ込めた。
縄の数は2つ、キッチリ唯と憂の分だ。

鉄線は後数分はただの針金。
縄にテープを巻いて切れないように強化もしているが
あまり刺々しい鉄線ではないため摩擦で切れることはないだろう。
そのロープをさわ子の車にくくりつけ、準備完了。



4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: 2010/08/01(日) 22:55:22.12 ID:6nu9+FnrO

ロープの張りを確認し、さわ子の車がゆっくりロープを引き上げて行く。

澪「そろそろかな…」

澪はロープの先を眺めると、5mの壁の頂きに、二つの影があった。

澪「唯、憂ちゃん…!」

込み上げる気持ちを押さえつつ、次の作業に移る澪。
さわ子の車からロープを外し、遠くの木にしっかりと結びつけた。
これによりロープと地面との斜形が緩やかになり、スロープ状にして降りられるのだ。

澪「いいぞーっ! 二人とも降りてきてー!」

声が聞こえたのか二人はロープを鉄線にしっかり結びつけ、
囚人服か何かの上着をロープに絡ませパラグライダーの滑降の様に降りてくる。



5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: 2010/08/01(日) 22:56:26.29 ID:6nu9+FnrO

シュルシュルと音を立てながらゆっくり下ってくる二人。

ブゥゥン

律「二人は来たのか!?」

サイドカー付きのバイクに股がった律がフルフェイスヘルメットの黒いバーを上げながら澪に問う。

澪「あぁ! ちょうど降りてきてる! もうすぐ警察が来るから二人を連れて早く逃げてくれ!」

律「わかった!」

少し離れた木の根元にいるだろう二人の顔を見ることなく澪は急いでさわ子の車に乗り込んだ。

澪「気をつけてな、律」ニコッ

律「お前こそ。」ニコッ

それだけ言い合って別れた。警察のサイレンはもう間近に迫っていた。



6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: 2010/08/01(日) 22:57:41.69 ID:6nu9+FnrO

ブゥゥン───

律「唯! 憂! 早く乗れ!」

ちゃんをつける時間も惜しいぐらい状況は切羽詰まっていた。

唯「りっちゃん…バイク乗れたんだ」

律「そんな話はいいから!」

唯達も自体の深刻さをわかっていたのか手早く乗り込む。
後ろには唯が律に捕まる形で、そしてサイドカーには…。

律「よ~し憂も乗った…えっ…」

そこには誰よりも唯に優しく、
誰よりも唯を思い、
誰よりも唯を大好きだった彼女…ではなく。

純「うぇ…なん…で…よぉ! ういいっ!」

ただ泣きじゃくる少女が座っていた。



7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: 2010/08/01(日) 22:59:42.65 ID:6nu9+FnrO

律「唯…憂ちゃんは…?」

唯「……行って、りっちゃん」

律「でも憂ちゃんが!」

唯「行ってよぉ!!! 憂の覚悟を無駄にしないで……!」

涙と鼻水を同時に出しながらもはっきりとした声で律に訴えかける唯。
そんな唯を見たのは初めてだった。

そうだ、あの唯が憂ちゃんを簡単においてくるわけがない。
何かものすごい理由があったのだろう。
私なんかが間に入れるわけがないのだ。
誰よりも深い絆を持ったこの姉妹の…。

私は言われるままに夢中でアクセルを握り込み、バイクの速度をあげて行った。
パトカーのサイレンが、まるで他人事の様に遠ざかって行った─────



9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: 2010/08/01(日) 23:10:33.78 ID:6nu9+FnrO

────

唯「…ただいま」

誰もいない家にただいまを言ってみた。
でも当然「おかえり」と云う返しはなく、玄関にただ虚しく響いた。

私は真っ先に冷蔵庫の前に立つと、上の冷凍庫を開け、
中から冷たい物体を掴み出してはゴミ箱に入れる。

唯「こんなものが憂を……! 憂を!!!」

私がこんなものを好きにならなければ憂はあんな思いをせずにすんだ!

私は夢中になって昔と大好きだったものを捨てていく。

パサリ…

唯「何…?」

メモ用紙の様なものが床に落ちる。
唯はそれを拾いあげ、眺めると…すぐに大声で泣き始めた。

唯「うあっ…あああっ…ああああううっ…」

喉を鳴らしながら、息をするのも忘れるぐらい嗚咽する。

『帰ったら一緒に食べようね、お姉ちゃん』

ファイルブレイク─────



13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: 2010/08/01(日) 23:21:12.78 ID:6nu9+FnrO

─────

四人は夢中で走った。警報が鳴った瞬間サーチライトが闇夜に踊る。
どこかの大怪盗さながらにライトを掻い潜りながら小屋を目指す。
幸いまだ看守などは対応出来ていなく外には出ていない。
まずは誰が脱獄したのかをチェックするため独房の点呼だろうか。
そんなことを考えてる間に四人は無事小屋についた。

素早く中に入ると鍵を閉め、5秒だけ息を整えた。

姫子「ぜぇ…ぜぇ…久しぶりに全力疾走したわ…」

純「私も…はあ…はあ…」

憂「休んでる場合じゃないよ! 早くつるはし持って!」

憂はみんなに倉庫にあるつるはしを渡すと歩数を数え、ピタッと止まった下を夢中に叩き始めた。



14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: 2010/08/01(日) 23:29:29.23 ID:6nu9+FnrO

唯「憂…間に合うの…これ?」

憂「大丈夫、お姉ちゃん。タイルを剥がしたら後は…」

タイルを剥がし、何回か土を叩き掘り返すと。

姫子「わあぉ」

そこに空洞が現れた。

憂「ここの下は防空壕を兼ねた非常出口になってるんです。
  ここが建てられた当初もまだ戦時間もなかったから完璧に埋め立てなかったんです」

純「憂あんたマジ天才!」

その穴を広げ、人が一人入れる大きさになるとつるはしを置き、皆一様に穴を見た後周りを見た。

純「誰から行く…?」

憂「危ないから私から…」

姫子「待って」



15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: 2010/08/01(日) 23:36:36.81 ID:6nu9+FnrO

唯「どうしたの姫ちゃん?」

姫子「悪いけど私が一番最初」

純「姫子さん何を…ひっ!」

姫子「うるさいのよ…純」

姫子は手にキラリと光るものを持っている、メスだ。

憂「どういうつもりですか…姫子さん?」

姫子「ふふ、簡単よ。このまま普通に四人で逃げたらここを発見されて追っ手が来るでしょ?
   だからあなた達には出来るだけ囮になってこの小屋から注意を反らしてもらいたいの」

純「あんたって人は…!」

唯「姫ちゃん酷いよ…! 友達じゃなかったの!?」

姫子「友達よ~私の欲望を満たすだけの都合のいい友達」

姫子「動かないで!」

憂「くっ…」



17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: 2010/08/01(日) 23:44:19.34 ID:6nu9+FnrO

姫子「私は本気だから、今から10数える間にこの小屋から出なさい。じゃないと殺すわよ」

純「やっぱりあの噂は本当だったんだ…。姫子さんは本当の殺人で捕まってるって…!」

姫子「9ー」

純「うっ…」

唯「憂…どうしよう」

憂「……わかりました。私はここから脱獄しません。
  他の場所を今から探します。それでいいですよね?」

姫子「あははっ! わかってるじゃない。じゃあお先に逃げさせてもらうわね。
   もし振り返ってあなた達を見つけたらすぐさま殺すから」

純「佐々木さんもやっぱり…」ギリッ

姫子「ごめんね~純。人間誰しも自分が可愛いのよ」

メスを手に握りしめたまま非常出口へと降りていく姫子。

姫子「じゃあね~みんな」
そのまま姫子は凄い勢いでその場を離れていった。



18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: 2010/08/01(日) 23:50:26.99 ID:6nu9+FnrO

純「憂…どうしよう? ゆっくり後をつけてく?」

憂「…ううん。その必要はないよ」

純「でも他に脱出ルートなんて…」

憂「ふふ、実はね、こっちは一か八かだったの。
  本命は別にあるの。人数が多かったからこっちに賭けてたけど今なら…!」

純「な~んだ良かった! 姫子のやつそのまま生き埋めになっちゃえばいいのに!」

唯「姫ちゃん…」

仮にも同じ部屋で少し過ごし、友達と呼べる人の裏切りに唯は心を痛めていた。

憂「みんな行こう。ここも時期調べられちゃう、その前に…。」

唯「うん…」

憂「(安心して…お姉ちゃんだけは何があっても助けるから!)」



19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: 2010/08/01(日) 23:57:45.81 ID:6nu9+FnrO

小屋を出て、壁沿いに走り出す。

さすがに看守も出てきており、中庭などを獰猛なチワワを連れて走り回っている。

幸い目的地は北東側の壁沿いなのでその上手く辿り着けた。

憂「え~…と…」

純「憂何してるの?」

憂「これぐらいならいいかな。純ちゃん! これをあっち側に投げられる?」

親指サイズの石ころを純に渡す。

純「ジャンプ筋トレで鍛えた私の二等筋なら余裕よ! そりゃえぃっ!」

純は振りかぶると石ころを勢いよく上空に投げた。石ころは見事に5mの壁を越えてあちら側へ。

純「見たかぁ!」
憂「凄い純ちゃん!」
唯「……」



21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: 2010/08/02(月) 00:03:33.50 ID:JNbETqz4O

憂「お姉ちゃんどうしたの…? まだ姫子さんのこと…」

唯「違うの…姫ちゃんのことはもういいの。
  憂…もしかして、もしかしてだけどね? ここに残る気なの…?」

純「えぇっ!? 何いってんの!? そんなことないよね憂!?」

憂「…お姉ちゃんには敵わないや(こういう時は本当に鋭いんだよね…お姉ちゃん)」

純「えっなんでよ! 憂が残る理由なんてないじゃん! みんなで一緒に…」

憂「駄目なの…。
  本当は私とお姉ちゃんだけが脱獄する為に用意してきたから…二人分しかロープは来ない…」

純「そんな…でもっ!」



22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: 2010/08/02(月) 00:09:44.31 ID:JNbETqz4O

唯「私が残るよ…。元々私が起こしたことだもん、憂にこれ以上迷惑かけれないよ…」

純「何いってるんですか! 残るべきなのは私ですよ!
  二人は逃げて! 元々私は来る予定の人間じゃなかったんだから…」

憂「二人とも聞いて。今は言い争ってる場合じゃないの。
  お姉ちゃん、私はお姉ちゃんの為にここまでしたんだよ?
  ここでお姉ちゃんが残ったら…私は何のためにここにいるの?」

唯「でも…っ!」

憂「純ちゃん。純ちゃんを誘ったのは私だよ?
  あの時から私は残るって決めてたの、いや…あの時よりもっと前…
  お姉ちゃんを助け出すってアイス強奪をした時から! こうしようって決めてたの」

唯「そんなの勝手過ぎるよ! 私の気持ちは…どうしたらいいの? 憂…!」



24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: 2010/08/02(月) 00:14:58.77 ID:JNbETqz4O

ロープが投げ下ろされる。
時間がない───

憂「お姉ちゃん。私はお姉ちゃんのこと大好きで大好きで、
  お姉ちゃんがこんな場所にいるってだけで死んじゃいたいぐらい胸が締め付けられるの」

唯「そんなの私だって…」

憂「ううん、違うの。お姉ちゃんには軽音部のみんながいる。
  私がいない分の寂しさだって埋めてくれる」

唯「そんなことないよっ! 私の心の憂の場所は…憂じゃないと埋まらないんだからぁっ!」

憂「泣かないで、お姉ちゃん。きっとまた会えるよ」ニコッ

唯「やだよ…やだよ憂っ!」

憂「純ちゃん。少ししかお話出来なかったけど、私純ちゃんの友達になれたかな?」

純「友達どころか大親友だよ…憂っ」だきっ

憂「ありがとう…純ちゃん」

憂の瞳から涙が零れ落ちる。



25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: 2010/08/02(月) 00:20:54.31 ID:JNbETqz4O

憂「二人とも早く行って。じゃないと私のやって来たこと、意味がなくなっちゃうから」

唯「ういいいい…」

純「唯さん…行きましょう! 憂の気持ちを無駄にしちゃ駄目です…!」

純はロープを強く、しっかりと持つ。

憂「お姉ちゃん、帰ったら大好きなアイスいっぱい食べてね」

唯「アイスなんかより憂がいいよぉっ!」

憂「唯、お姉ちゃんでしょう!
  私の大好きなお姉ちゃんは…! 怠けてもいつまでも駄々はこねないよ!」

唯「憂…」

憂は唯にロープを渡す。

憂「またね、お姉ちゃん」ニコッ

唯「う…」

その瞬間、力強くロープが引き上げられた────。



26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: 2010/08/02(月) 00:26:27.30 ID:JNbETqz4O

憂「行っちゃった…。」

さてと、私は最後の仕事をしないと。

いくらサーチライトが消えて暗くなってると言っても
壁の上に立って色々してたらバレちゃうかもだしね。
小屋に戻れるかわからないけど確か灯油があったはず…あれで火をつけて注意を惹こう。
逃亡のお手伝いにもなる筈だ。

見つかれば私は二度とここを出られないだろう…それでもよかった。

お姉ちゃんが無事ならそれで…。



30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: 2010/08/02(月) 00:30:27.03 ID:JNbETqz4O

─────

看守「────!」

看守「──!」



憂「駄目か…」

もう小屋にまで手が回っている。さて、どうやって気を惹こう。

こうなったらどこかで武器になるものでも拾って暴れようか。

しかし武器になるようなもの…

姫子『────』

憂「あっ…あれがあった」



31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: 2010/08/02(月) 00:39:57.52 ID:JNbETqz4O

草影に隠れながら出てきた場所、診察室に戻って来た。
広い中庭をカバーするためにほとんどが出払っているのだろう。
まさか中に戻るとは思ってないのか診察室の窓は開けっ放し、辺りは伽藍洞だ。

サーチライトが未だ復旧しておらず、
警察も来てないことから先輩達の計画が上手くいっていることがわかる。

診察室を一通り見た後、中に入り、武器になりそうなものを物色する。

和「あなた……」

憂「しまっ…」

ちょうど死角なっていたベッドのカーテンの中に人がいた。
しかもここでは一番会いたくなかった人が…。

和「……」

憂「看守の人を呼ぶんですか…?」

和「そうね、そうしなきゃいけないわ」



32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: 2010/08/02(月) 00:45:30.27 ID:JNbETqz4O

和「まさか本当に脱獄するなんて思わなかったわ。
  おとなしそうな顔してやることはやるのねあなた」

憂「……期待を裏切ったみたいですみません」

和「全くよ。私が逃がしたんじゃないかって疑われたわ。
  ただガムの詰めた後を見て疑いは晴れたけどね」

憂「ご迷惑をおかけしました…」

和「……。お姉ちゃんの方は逃げたの?」

憂「…はい。」

和「他に逃げたのは?」

憂「…言えません」

和「…そ。」

和は赤渕眼鏡を外し、憂の肩に手を置いた。

和「あなたは何もかも背負いすぎよ。
  こんな小さい肩に…そんな重たいものばかり背負ってちゃ壊れてしまうわ」

憂「…これでいいんです。私が選んだ道だから」



33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: 2010/08/02(月) 00:50:58.92 ID:JNbETqz4O

和「でもこのままじゃあなたは一生お姉ちゃんと会えることもなく
  一生を終えることになるわよ? こんな冷たくて寒い、獄中で」

憂「お姉ちゃんが無事なら…」

和「お姉ちゃんが無事でもね、そのお姉ちゃんはずっとずっとあなたのことで悩むわ。
  私のせいで…って。二人の人生はもう…壊れてるのよ」

憂「そんな…ことないっ!」

和「賭けてもいいわ。彼女はあなたと同じことをして助けようとする…か、
  またここに来てあなたと共に暮らす。次はもっともっと重い罪を犯してね」

憂「そんな…じゃあどうしたらよかったんですか!? 私は…私は…」

和「自分を捨てちゃ駄目。その時自分自身はなくなるわ…」



35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: 2010/08/02(月) 00:57:42.54 ID:JNbETqz4O

憂「自分を…?」

和「そう、あなたはまだ生きてる。
  そしてお姉ちゃんも。片方が欠けたら死ぬというなら…
  二人とも生きなさい! そして償いなさい、
  自分の犯した罪を。長い人生を賭けて…」

憂「それって…」

和「あなたは何も関係ない、熱が酷かったからここに連れてこられて寝ていた。いいわね?」

憂「えっ…」

和「あなた達みたいな姉妹みたことないわ。私はね、きっとあなた達が好きなの。
  一人が一人を、何よりも尊重し合うあなた達が…人間のあるべき姿だと思ったから。
  助けなきゃ、私が人を助けてきた意味がなくなるわ」

憂「いいん…ですか?」
憂「また…お姉ちゃんと会って…」ポロポロ

和「えぇ。あなた達はずっと一緒にいなさい。ずっと……」



37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: 2010/08/02(月) 01:03:14.56 ID:JNbETqz4O

─────

姫子「ったくどこまで続いてんだよこの穴!」

もう結構歩いたのにまだ出口につかない。

姫子「つーか暗いくて見えないっての。
   はあ~まあ脱獄出来たらまたオシャレして玉の輿でも狙おうかな。
   さすがにもうあそこは飽きたや」

ドンッ

姫子「あいたっ。何よも~…行き止まり? 嘘でしょ~…?」

道を見落としたのか、姫子はため息をつきながら引き返す。

姫子「……明かり」

遠くに明かりが見える、それは段々近づいてくる。

多数の足音と共に───

姫子「唯達かな…。さっきはあんなこといって追い払っちゃったけど
   ……やっぱり心配して来てくれたのかな」



38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: 2010/08/02(月) 01:08:37.08 ID:JNbETqz4O

「────!」

「───!!」



姫子「違う…唯達じゃない…」

看守にバレたの?
まさか…嘘でしょ…?

姫子「ふふ…憂って子に嵌められたかしら」

でもここで捕まったら終わりだ。何もかも終わり。

私は懐からメスを取り出し構える。隠れる場所はない。
先手必勝、私は明かりに向かって駆けた。

こんな狭い道に何人も来てるわけない…!
更に同士討ちを怖がって銃は使い難いはず。
内側に入り込んでメスで…!

看守「お、おい!」
看守「うわっ!」

姫子「やああああああああっ」



39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: 2010/08/02(月) 01:13:56.99 ID:JNbETqz4O

パァンッ────

姫子「えっ…」

看守「」ガクガク

メスを持って突撃してきた姫子を恐れ、発砲。
それは見事に姫子の左胸を射貫き、暗闇の洞窟に鮮血を散らした。

ドサッ…

姫子「ごふっ」

思わず沸き出るモノを吐き出すと口いっぱいに血の味が溢れた。

姫子「あ…う…」

上手く喋れない、呼吸が出来ない。きっと肺を撃たれたのだろう。

姫子「(こんなあっさり終わっちゃうなんてね…私の人生)」
姫子「(人を使う為だけに近寄って…本当の友達なんて…私にいたのかな)」
姫子「(唯…暖かかったな……ごめんね…唯。ごめんね…ゆ…い…)」

────────




40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: 2010/08/02(月) 01:17:21.76 ID:QZqEQ+VNP

ざまぁと言いたいけどちょっと切ない死に方だ





41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: 2010/08/02(月) 01:19:16.38 ID:JNbETqz4O

─────

私は憂の書いた字を眺めながら何時間もこうしていた。
アイスはすっかり溶け、辺りは霜が溶けて水浸しになっている。

あの事件の詳細は詳しく知らない。澪ちゃんが話してくれたけどまともに聞けなかった。

唯「憂……ういっ!」

紙を抱くようにして、ただひたすら泣いた。
神様、お願いします。私はどうなっても構いません…!
アイスも二度と食べません!
だから憂を…憂を…

唯「憂を返してください…!」



「お姉ちゃん…」



───憂の、声がした。



42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: 2010/08/02(月) 01:22:12.64 ID:JNbETqz4O

幻聴だろうか。
私は辺りを見渡すと……そこに憂を見つけた。

憂「こんなに部屋汚して…。全くお姉ちゃんは」

唯「憂……?」

憂「…憂だよ」

唯「本当に…?」

憂「本当に」

唯「消えない…?」

憂「消えないよ」ニコッ

唯「憂……、憂っ!!!!!!!!」

私は無我夢中で憂に抱きついた。



43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: 2010/08/02(月) 01:25:42.53 ID:JNbETqz4O

唯「ほんとに憂だよね! りっちゃんとかの変装じゃないよね!?」

憂「むっ! お姉ちゃんは律さんと私を間違えるの?」

唯「……」ジーッ

憂「///」←見られて照れてる

唯「憂だっ! 間違いないよぉ!!! 憂いいいいいいいい」

憂「お姉ちゃん苦しいよぉ」

二人とも涙を流しながら抱き合う。
お互いの名前を何度も何度も呼び合い、そしてまた抱きしめる。
まるで自分の片身を体に戻すかのように抱き合った。



44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: 2010/08/02(月) 01:30:20.40 ID:JNbETqz4O

─────

憂「和さんに…助けてもらったの。
  あの後私は熱で寝ていたってことになって…普通に独房に戻ったの」

唯「そうだったんだ…でもそれじゃあ…」

憂「うん…刑は執行されたよ。だからもう…アイスは二度と食べられないの…」

唯「憂……」

憂「大丈夫、私にはもっと大好きなお姉ちゃんがいるもん」

唯「憂…。あっ! そうだ! ちょっと待っててね憂!」

憂「?」


──────



45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: 2010/08/02(月) 01:35:45.55 ID:JNbETqz4O

────

律「もう二度とあんなことしちゃダメだぞ?」

女の子「ごめんなさ~い…」ポロポロ

律「わかってくれたらいいんだ。ほら行きな、お母さんが心配してるよ」

女の子「うん…」

トットットッ

律「結局真相はこんな呆気ないもんだったんだな…」

澪「ああ…。唯はアイスを当たり棒で交換しようとしてコンビニのレジに棒を置いた。
  それをあの子が落ちてると勘違いして持ってっいってしまった…。」

律「あぁ。こんな些細なことで…世界はこんなにも揺れるんだな」

澪「けどあの子を責めたって戻って来ないし罪は消えない。
  あの二人は一生をかけて罪を償っていくんだろうな…」



46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: 2010/08/02(月) 01:37:59.35 ID:JNbETqz4O

律「唯達なら大丈夫さ、あの二人なら…」

澪「そうだな。なんたって世界一の姉妹だもんな」

律「だな。これからどうする? アイスでも食べるか?」ニヤニヤ

澪「もうアイスはこりごりだよ~」

───────



48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: 2010/08/02(月) 01:40:25.62 ID:JNbETqz4O

紬「ばってん今日のお菓子のできばえはよかとよ?」

斎藤「どんこええできやなぁ! うまっちょうまっちょ」

紬父「なにやってるんだお前達…」

斎藤「はっ! あ、あの…」

紬父「わっちも混ぜんかいな!」

斎藤「なんとっ!?」

紬「おっとんも一緒にお菓子食べんよ食べんよ~♪」

───────



51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: 2010/08/02(月) 01:45:02.36 ID:JNbETqz4O

────

梓「えっ…二階のトイレはよしと」

掃除係「もう仕事には慣れたかい?」

梓「はいっ! おかげさまで!」

掃除係「でも驚いたわぁ。短期の契約だったのにまさか続けてくれるなんて。
    ここ人がなかなか入らないから助かるわぁ」

梓「確かに怖いこともあるけど…ここにいるみんなも色々な理由があるんだなって。
  人の見方が変わった気がします、ここに来て」

掃除係「そうかぇ。あっ、診察室の電球代えといてくれんかねぇ」

梓「はいですっ! 行ってきます!」

掃除係「ほんとよう働く子やねぇ」



52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: 2010/08/02(月) 01:48:17.79 ID:JNbETqz4O

コンコン

和「はい、どうぞ」

梓「電球代えに来ました!」

和「助かるわ。ありがとう」

梓「はい! じゃあ早速!」

梓「よいしょっ! よいしょっ!」キュッキュッ

梓「おしまいと!」

梓「じゃあ次の仕事があるので!」

和「えぇ、ご苦労様。あっ、もうガムなんて詰めないでね?」

梓「にゃっ!(バレてた…?)」

和「あの姉妹に会ったらよろしく言っといてね」

梓「はい…です」



53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: 2010/08/02(月) 01:53:21.86 ID:JNbETqz4O

────

男の子A「はははっ! やっぱジャンプ面白っ」
男の子B「ばっかマガジンのが面白いだろJK」


純「こらああああー!」

男の子A「やべっ! 逃げろ!」
男の子B「うわ~!」

純「立ち読みはダメなんだからねーッ!」

純「全く…現行犯でしか捕まらないと思って…!」

純「あ~本ぐしゃぐしゃにして~もう~…」

純「さてと…お客さんもいなくなったし」

純はレジの椅子に座ると分厚い本を読み始めた。

純「後4990冊か~…先は長いや」



54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: 2010/08/02(月) 02:00:30.34 ID:JNbETqz4O

─────

唯「ほら出来たよっ!」

憂「えっと……これ…かき氷?」

唯「そう! かき氷! これならアイスじゃないから食べられるでしょ!?」

憂「…うんっ! ありがとうお姉ちゃん♪」

唯「えへへ~///」

唯「どれだけ好きな食べ物でも、やっぱり一人じゃ美味しくないよね。
  逆に隣に好きな人がいればなんだって美味しくなるんだって気づいたよ!」

私達忘れない、忘れられない、あの獄中での出来事。
罪は確かにこの胸に刻まれているのだから

でも────

憂「そうだね。お姉ちゃんと一緒なら、なんだって幸せだよ」

唯「ずっと一緒だよ、憂」

憂「うんっ!」

二人なら、きっと大丈夫

おしまい




55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: 2010/08/02(月) 02:03:01.76 ID:lQjDUsia0

面白かった、乙。



56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: 2010/08/02(月) 02:05:05.50 ID:gbpaiAD90

面白かった、乙



58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: 2010/08/02(月) 02:06:24.42 ID:QZqEQ+VNP

乙、ほんと面白かった、プリズンブレイク見てみるよ



60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: 2010/08/02(月) 03:11:52.93 ID:bZ8/q8BFQ


唯憂最高



61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: 2010/08/02(月) 04:49:47.16 ID:Ey9Bw1Bn0





62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: 2010/08/02(月) 04:52:50.14 ID:3g4LMsqs0





63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: 2010/08/02(月) 08:55:00.50 ID:oWDOFLyv0

面白かった






関連記事

ランダム記事(試用版)




憂「プリズンブレイク!」#後編

コメント(アンカー機能)
●>>1と半角で書き込むと>>1と記事へのアンカーが生成される。
●*1と半角で書き込むと1とコメントへのアンカーが生成される。
上記の2つのアンカーが有効なのは該当記事のみ。

タイトル:
NO:4354 [ 2011/11/16 20:22 ] [ 編集 ]

全体的にはシリアスなんだろうけど、立ち読みとかチワワとか所々漂うほのぼの臭がいい
どうせなら、佐々木さんは鼻血、姫子はエアーガン被弾程度のソフトな末路にしてくれてもよかったんじゃないかと思う

タイトル:
NO:5689 [ 2012/02/26 03:55 ] [ 編集 ]

面白かった・・ただ憂が唯の携帯番号知らないのは・・・

コメントの投稿












管理者にだけ表示を許可する

サイト関連
メール ツイッター 最新記事一覧(30件)
ユーザータグ 検索

U:
P:
色々変更
好みのカラーコードをどうぞ

記事の背景色変更


本体の背景色変更


名前の色変更
IE8:重
火狐4.01:軽
chrome:軽


広告4
広告5
広告6