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紬「いつかみた、あの大好きな、空の下で」#9月7日 【クロス】


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紬「いつかみた、あの大好きな、空の下で」#index




154 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/01(木) 23:40:33.85 ID:hNaTs+3Io



9月7日

夏の旅で

むぎ先輩と一緒にたくさんの人と出会って

別れて

大切な事をたくさん教えてもらって

大切な時間が存在する事を学んだ

夏前と同じように接しればいいんだよね

うん

―――大丈夫



155 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/01(木) 23:42:14.80 ID:hNaTs+3Io



和「あれ・・・来てないの?」

澪「・・・」

唯「来てないね~」

律「まだ来てないな」

和「山中先生は来るって言っていたわよね」

唯「うん」

律「・・・」

澪「・・・」

和「とりあえず、席に行きましょう」

唯「はいよ!」

テッテッテ

律「・・・どうしたんだよ」

澪「・・・」

律「・・・」

『時期が来たらみんなに教えてあげて』

澪「・・・いや、なんでも」

律(私に隠せると思ってんのかよ・・・)



156 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/01(木) 23:43:59.60 ID:hNaTs+3Io


さわちゃんと来るのかな

そうだよね

みんなにちゃんと説明しなきゃいけないもんね

ちょっと緊張しちゃうな

わたしはとってもびっくりしたけど

だけどむぎちゃんはむぎちゃんだもんね

怖い事なんてないよね

和ちゃんの背中が少し堅い気がするな

姫子ちゃんもちょっと強張ってるかな

信代ちゃんも

りっちゃんは相変わらずかな

澪ちゃんの様子が少しおかしい気がするな

あ・・・




ガチャ

さわ子「はーい席についてー」

紬「・・・」





来た

変なの

4日会わなかっただけなのに

それ以上会わない日なんて、何度もあるのに

久しぶりで、会えてとても嬉しいよ

―――むぎちゃん



157 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/01(木) 23:45:17.47 ID:hNaTs+3Io


ザワザワ

紬「・・・」

「どうしたの?」

「どうして琴吹さんと先生が一緒に入ってくるんですか?」



理由があるんだよ

みんなに伝えなきゃいけない事がな



さわ子「みんなしずかにして、大事な話だから」

紬「・・・」コクリ



みんなそれを感じ取ったみたいだな

急に静まり返った

いや、沈黙かなこれは



紬「・・・」

さわ子「琴吹さんは―――」



やべえ

現実を突きつけられるようで

怖い


さわ子「―――声を発する事ができなくなりました」

紬「・・・」コクリ

「―――え」

姫子「・・・」

信代「・・・」

いちご「・・・」

春子「・・・」

風子「・・・」

「うそ・・・」



158 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/01(木) 23:47:45.56 ID:hNaTs+3Io


時間が止まったような

自分だけが置いていかれるような感覚になるよな

一番前の席でよかった

みんなの表情をみずにすんだ

それをみたら多分、飲み込まれたかもしれない



春子「どうして・・・ですか?」

さわ子「失声症とは違うみたいだけど、今は説明省くわね。時間が無いから」



時間が無いってなんだよ

授業より大事なことじゃないのかよ

ちゃんと教えてくれよさわちゃん



紬「・・・」コクリ

さわ子「・・・どうしてもやるの?」

紬「・・・」コクコク

テッテッテ

ガチャ

バタン

「・・・え?」



そうだよな

なんで出て行ったのか分からんよな

さわちゃんを除いたこの部屋の人全ての頭の上に疑問符が浮かんでいるだろうな

ん?

なんで私をみるんだよ、さわちゃん



159 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/01(木) 23:49:38.34 ID:hNaTs+3Io


さわ子「・・・入ってきて」

ガチャ

スタスタ

紬「・・・」ペコリ

スッ

カツカツカツ



黒板に

琴・・・吹・・・紬・・・って

自己紹介してどうすんだよ

あ・・・もしかして・・・

分かったよ、乗ってやるよ

しょうがないな

ヤタガラスは太陽の化身だって言うからな

頼むぜー守護神様

教室の空気が凍ってるから、力を貸してくれ

一緒にこの空気を溶かそうぜ

―――むぎ



160 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/01(木) 23:51:45.62 ID:hNaTs+3Io


さわ子「・・・今日から登校することになった琴吹紬さんです」

紬「・・・」ペコリ

律「知ってるよ!転校生かっ」

紬「・・・」キラキラ

律「やってみたかったのか!」

紬「・・・」コクコク

姫子「あ、そういう意味ね」

信代「律のツッコミが無かったら理解できなかった」

さんきゅー

姫子、信代

紬「・・・」ギュ

律「いや・・・、転校生ごっこかなぁ・・・って思っただけだぞ」

春子「律のツッコミが夏前とは比べ物にならないくらい光っているんだけど」

和「さすがね」

唯「りっちゃん冴えてるよ」

さんきゅー

春子

律「和は知ってただろ?」

和「・・・遠いわよ。それにツッコミなんてスキル持ち合わせてないわ」

唯「りっちゃんだけだよ」

「クスクス」

姫子「ふふっ」

紬「・・・」キラキラ

律「いや・・・そんな嬉しそうにしなくてもいいんじゃないか・・・?」

いちご「・・・クスクス」

律「喜べむぎ、いちごがウケた」

紬「・・・」ニコニコ

いちご「・・・笑ってない」イジイジ

さんきゅー

いちご



161 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/01(木) 23:53:02.04 ID:hNaTs+3Io


さわ子「もういいでしょ、席に着きなさい」

紬「・・・」コクリ

スタスタ

風子「やっと揃ったね」

紬「・・・」コクリ

さんきゅー

風子

みんなが声をかけてくれたから

凍った空気が溶けた


一人だけ

教室の空気が和らいだこの時に

一人だけ俯いているけどな



162 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/01(木) 23:55:57.30 ID:hNaTs+3Io


―――バカだ私は

むぎは喋れない

むぎは声を上げて笑えない

むぎは歌えない

むぎは誰とでも話をすることができない

むぎは――言葉で――気持ちを―

―――伝えられない

偉そうに

梓を諭そうとした

悟った顔で

律に語った

自分に出来る事があると

唯と聞く側にまわる事で安心していた

私は状況を理解していなかったんだ



――――――現実が―――追いついてしまった

・・・・・・

・・・

さわ子『むぎちゃん・・・今、ドイツにいるのよ』

『えっ!?』

さわ子『あ、でも今は日本に向かっているところね』

『・・・』

さわ子『むぎちゃんの症状を研究しているチームがあるんだって』

『・・・ドイツ・・・』

さわ子『かなり特殊な症状らしくてね、最先端の治療法で研究しているらしいわ』

『そこで・・・検査を・・・?』

さわ子『いえ・・・治療を兼ねたリハビリを行うつもりだったらしいわ。琴吹家としては』

『治療って事は治るんですか!?』

さわ子『・・・保証はないって言われたらしいけどね』

『・・・それでも・・・可能性があるなら・・・』

さわ子『ドイツでなくちゃいけないの』

『え・・・』



163 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/01(木) 23:58:09.54 ID:hNaTs+3Io


さわ子『その期間は半年・・・一年・・・それ以上らしいわ』

『それじゃ・・・どうして日本へ・・・』

さわ子『高校生活を・・・桜が丘をみんなで卒業したいからよ』

『!』

さわ子『むぎちゃんとしては、みんなとの時間を過ごすことに決めたって事ね』

『なんで・・・っ』

さわ子『・・・』

『・・・』

さわ子『もう一つ』

『・・・』

さわ子『この症状は早いうちに治療に取り掛からないと、取り返しがつかなくなるらしいわ』

『え・・・、それじゃあ・・・一生喋れなくなる・・・かもしれない・・・』

さわ子『・・・そう』

『・・・』

さわ子『時期が来たらみんなに教えてあげて』

『どうして―――』

・・・

・・・・・・

どうしよう

涙が零れそう

ここを選んでくれたむぎ

声が出せなくなるむぎ

時間が大切で

大切だから嬉しい―辛い

どうしよう

俯いていても分かる

隣にむぎがいること

二年半むぎのもつ空気を感じていたんだから

分かる

今は顔をみせられないんだ

むぎの顔を見れないんだ

きっと、声を出して泣くから

楽しいわけじゃない、悲しいわけじゃない

嬉しすぎて、辛すぎて

ただ、泣きたくなるんだ だから



165 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/02(金) 00:00:17.59 ID:qmEGUPh0o


紬「・・・」ヒョイヒョイ

澪「・・・?」

信代「なにやってんの?」

風子「・・・髪をどうするの?」

唯「みつあみがお勧めだよ」

和「癖になるわよあれは」

唯「え!?」

姫子「やったことあるの?」

和「えぇ」

「「 え!? 」」

和「なによ、みんなして」

唯「いつ!?」

和「忘れたのね・・・」

紬「・・・」キラキラ

信代「・・・本当にみつあみにしたな」

風子「一本だけってバランスおかしくないかな?」

澪「・・・まっ・・・たく・・・っ・・・しょ・・・しょうがないなむぎは・・・」

さわ子「あのねぇ・・・HR始めたいんですけど」

紬「・・・」テクテク

唯「・・・」

和「・・・」

姫子「・・・」

信代「・・・」

風子「・・・」

澪「・・・」

いちご「・・・」

春子「・・・」

律「・・・」

紬「・・・」ストッ

さわ子「それではHRを始めます」



166 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/02(金) 00:04:57.15 ID:qmEGUPh0o


―――昼

紬「・・・」プップップー

唯「おなか・・・?」

紬「・・・」コクコク

和「唯と同じ鍵盤ハーモニカね」

紬「・・・」プッププー

澪「す・・・いた・・・かな?」

紬「・・・」コクコク

律「じゃあ食べろよな」

紬「・・・」プップププー

和「・・・た・・・」

姫子「・・・」

律「・・・と・・・し・・・?」

紬「・・・」フルフル

律「じゃ、もう一回」

紬「・・・」プププー

律「・・・の・・・し・・・い・・・か?」

唯「楽しいんだ!」

紬「・・・」コクコク

和「ダメね・・・反対から鍵盤を見てるから余計分からなくなるわ」

姫子「でも、『た』は合ってた」

和「出だしはね」

姫子「・・・」

紬「・・・」プップップー

澪「おなか・・・」

紬「・・・」プッププー

律「だから食べろよ!」

紬「・・・」ニコニコ

姫子「・・・うん。母音は覚えた・・・と言っても、手元みないと分からないけど」

紬「・・・」プッププップー

姫子「い、え、お・・・だけ。子音はだめだね」



167 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/02(金) 00:07:03.82 ID:qmEGUPh0o


唯「最初の子音はソの『H』だよ~」

姫子「『ひ』・・・?」

澪「次の子音はラの『M』」

姫子「『め』・・・」

和「レの『K』」

姫子「ひめこ・・・?」

紬「・・・」コクリ

姫子「あ・・・」

紬「・・・」プップップー

律「ド#」

澪「ラ、レ#」

姫子「ちょっとまって、鍵盤と照らし合わせてみるから」

唯「おけ~」

姫子「もう一回おねがい」

紬「・・・」プップップププー

姫子「あ・・・り・・・、・・・レレ、ド#は『が』で・・・・・・」

和「ド、ラ#で『と』」

姫子「ファ#・・・」

紬「・・・」プップップー

姫子「・・・うん」

紬「・・・」ニコニコ

律「早く食べないと昼休み無くなるぞ」

紬「・・・」アセアセ

姫子「・・・オヤスミ」

唯「食べてすぐ寝たら・・・なにになるんだっけ、りっちゃん」

律「牛」



168 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/02(金) 00:07:49.98 ID:qmEGUPh0o


澪「ボケろというフリだな」

紬「・・・」モグモグ

律「牛若丸だ!」

和「頑張ったわ」

唯「ごめんね、りっちゃん」

律「唯・・・いつか仕返しするからな」

姫子(二つの言葉だけで・・・嬉しくなるなんて・・・変なの・・・)

和「食べ終わったらもう一回しましょうか」

唯「そだね~」

律「彼女はまたキラキラ星を聞くのであった」

紬「・・・?」モグモグ

和「姫子がイヤホンで聞いている曲の事よ」

紬「・・・」コクコク

姫子「・・・」

唯「反応しないね・・・」

澪「姫子が寝ているから、紙鍵盤だけにしような」

姫子(聞く練習しようと思っていたけど・・・素直に起きて見ていればよかったかな・・・)

ピッ

ジャカジャカ

姫子(おやすみ・・・はどうやるんだっけ・・・ラ#、ド#、ファ#、レ#で『おあうい』
   音を拾って声に変換してる唯たちはすごい・・・)

ジャカジャカ



169 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/02(金) 00:08:59.91 ID:qmEGUPh0o


―――――放課後

紬「・・・」プップップー

律「・・・むむ」

澪「も、もう一回だ」

紬「・・・」コクリ

紬「・・・」ププップー

唯「あれ、さっきと違うよ?」

紬「・・・」ププッププー

律「で・・・た・・・」

紬「・・・」プププー

澪「・・・らめ・・・出鱈目?」

紬「・・・」コクリ

律「適当かよ~」

唯「も~」

紬「・・・」スッ

澪「『ごめんね』って!」

律「ちくしょう!許す!!」

唯「あはは」

紬「・・・」ニコニコ



170 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/02(金) 00:10:03.56 ID:qmEGUPh0o


紬「・・・~」

唯「・・・ふぁ」

律「なんだ・・・眠いのかむぎ?」

紬「・・・」コクリ

澪(飛行機に乗って疲れたのかな・・・)

律「ソファで寝るか?」

唯「お言葉に甘えて」

スタスタ

唯「よいしょっとー」ボフッ

律「掛けるものいるか?」

紬「・・・」コクリ

唯「どうしたの、今日はお母さんみたいで変だよ」

律「変だよって余計だろ」

澪「・・・」

律「じゃ取ってくる。澪・・・行くぞ」

澪「え・・・?」

律「いいから、行くぞー」

澪「う、うん・・・」

スタスタ

ガチャ

バタン

唯「むぎちゃん、そこでいいのー?」

紬「・・・」プップー

唯「そっか・・・」

紬「・・・」プー

唯「『メジャーのA』・・・あずにゃん?」

紬「・・・」プップー

唯「来ないね、どうしたのかな~」



171 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/02(金) 00:12:56.54 ID:qmEGUPh0o


純「・・・行かないの?」

梓「・・・行く・・・けど」

憂「・・・」

純「なんでさ」

梓「・・・ちょっと、怖い」

憂「紬さんが?」

梓「むぎ先輩に迷惑かけるのが・・・」

純「なんだそりゃ」

憂「・・・」

梓「・・・」

純「ウジウジしてんなって、行ってこーい!」バシッ

梓「あいたっ」

憂「それじゃ、明日ね」

梓「・・・来ないの?」

純「部室に出入り出来ないでしょ、部外者だよ私ら」

憂「うん」

梓「・・・じゃ、あした」

トボトボ

純「・・・」

憂「純ちゃん・・・?」

純「うん?」

憂「・・・いつもと雰囲気が違うから」

純「あー・・・うん」

憂「なにかあったの?」

純「昨日さー、唯先輩と律先輩に会ったんだよね、河川敷で」

憂「?」

・・・・・・

・・・

律『なにしてんだよ、相馬さん』

『それ私じゃないです!』

唯『あはは』

律『一人で川なんか眺めちゃって・・・』

唯『青春ですな』

『・・・』



172 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/02(金) 00:15:47.46 ID:qmEGUPh0o


律『なにがあったんだ、言ってみなさい』

唯『りっちゃん父さんだ』

『・・・』

律『・・・恋か』

唯『あらまぁ』

『はい・・・』

律唯『『 えっ!? 』』

『昨日・・・駅前で見かけたんです・・・』

律『お、おう・・・』

唯『う、うろたえてはダメですのよ、りっちゃん父さん』

『・・・はぁ、胸が苦しいんですよ』

律『か、母さん今日は鯛だ、めで鯛つってな』

唯『いいえ、恋だけに鯉よ』

『・・・』プクク

律『よ、よし。キューピットになってやろうではないか』ドン

唯『まぁ、素敵』キラキラ

『・・・あ、ごめんなさい』

律唯『『 え? 』』

『冗談・・・です』

律『なぬぃー!』

唯『ちぇー』

『あっはっは』

律『こんのやろー』ワシャワシャ

『あ、ご、ごめんなさいー!』

唯『あはは、こんにゃろー』ワシャワシャ

『唯先輩まで!?』

律『ったく』

唯『・・・』

『・・・えへへ』

律『で?』

唯『どうしたの?』

『?』

律『誤魔化しきれたと思ったか?』

唯『りっちゃん父さんは鋭いのです』

『あ・・・』



173 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/02(金) 00:17:16.27 ID:qmEGUPh0o


唯『言いなさい!』

律『問い詰めるな』

『・・・いいなぁ』

律唯『『 ? 』』

『・・・梓の事で』

律『・・・』

唯『・・・』

『最近の梓みてると、なんていうか、モヤモヤしてしまって』

律『・・・』

唯『・・・』

『梓の気持ちは分かるんですけど、よく分からなくて、それでモヤモヤと』

律『そっか・・・』

唯『・・・うん』

『・・・』

律『やっぱり行くか、唯!』

唯『そだね!』

『え?』

律『梓のところに行こうかと迷っていた所だ』

唯『ちょっと気がかりだから、話したいな~って』

『そうですか・・・』

律『大丈夫だ、いつものようになれるって』

唯『純ちゃんも行こうよ』

『いいです・・・ここでもう少しボンヤリしてます』

律『そっか、じゃあな』

唯『明日部室に来てね。むぎちゃんとティータイムしよう!』

・・・

・・・・・・

純「モヤモヤじゃないや・・・」

憂「え?」

純「ムカムカしてたんだ・・・」

憂「純ちゃん・・・」



174 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/02(金) 00:24:14.14 ID:qmEGUPh0o



律「むぎが笑うと顔を逸らしてるよな」

澪「・・・」

律「なんでだ?」

澪「・・・なんでもないって」

律「・・・」

澪「なん・・・でも・・・ない・・・よ・・・」

律「あるって言ってるようなもんだろ」

澪「・・・ない・・・よ・・・」

律「・・・」

澪「・・・ない・・・」

律「私は、聞きたいんだ」

澪「・・・っ!」



175 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/02(金) 00:29:10.45 ID:qmEGUPh0o


うぅ・・・

こんなに意気地が無いとは思っていなかった

部室に行けば会えるのに

会いたかったのに

あれは・・・澪先輩と律先輩・・・

い、一緒に


律「マジかよ・・・」

澪「・・・うん」

律「・・・」

澪「辛いんだ・・・」


―――どういう意味ですか


律「自分の声と引き換えに、この時間を選んだのか」

澪「うん・・・。早期治療にとりかからないと・・・希望は無くなるのに・・・」


―――なんですかそれ


律「・・・」

澪「・・・一緒にいたいという私は自分勝手かな」

律「そんなん誰も責められねえよ」

澪「・・・」

律「・・・」



176 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/02(金) 00:32:06.84 ID:qmEGUPh0o


梓「はぁ・・・はぁっ・・・」

ダダダッ

二人が話していたこと

治るかもしれないという事

それなのにここにいるということ

そのせいで声が出なくなるという事

胸が痛むけど

嬉しい

会いたい

いつもの階段が鬱陶しくさえ感じる

梓「・・・っはぁ・・・はぁ」

ガチャ

梓「こんにちは」

紬「!」ビクッ

梓「むぎ・・・せん・・・」

紬「・・・」ゴシゴシ

梓「・・・」

紬「・・・」ニコ



今、涙を拭きましたよね

泣いていたんですか

どうして

なにがあったんですか

どうしたんですか

教えてください



177 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/02(金) 01:06:23.49 ID:qmEGUPh0o


紬「・・・?」

梓「む、むぎ先輩・・・今・・・」

紬「・・・」

テッテッテ

紬「・・・」ニコニコ


どうして笑顔でいるんですか



泣いていたんじゃないんですか

なにがあったんですか



紬「・・・」

ギュ

グイグイ

梓「あ・・・」

唯「ん~」ムニャムニャ



唯先輩寝ていたんだ

そうか、今のは

あくびで出た涙だ

びっくりした

なんだ

そうか

でも

どうして

胸の動悸が激しいの



178 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/02(金) 01:07:50.88 ID:qmEGUPh0o



紬「・・・」プップップー

梓「あ・・・」

唯「・・・あ、あずにゃん・・・おはよ~」ボケー

紬「・・・」プップップ

唯「そだね、夕方だね~」ボケー

梓「っ!」



聞こえなかった

むぎ先輩の声が

聴こえなかった



紬「・・・」プー

梓「・・・」

唯「・・・あずにゃん?」

梓「・・・え・・・?」

紬「?」

唯「むぎちゃんが呼んでるよ?」



呼んでるって

どうして分かるんですか



唯「『メジャーのA』だよ今の」

紬「・・・」プー

梓「!」



聞き取れなかった

聴こえない

なんで動悸が治まらないのっ!



紬「・・・」プップププー

唯「また、むぎちゃん~」



179 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/02(金) 01:09:41.99 ID:qmEGUPh0o


唯先輩には分かるんだ

私は分からない

何を伝えようとしてるのか

何を言っているのか

分からない



さっき

何を思った

むぎ先輩の声が治るかもしれないけど

ここを選んだ事に

この時間と引き換えに治らないのに

どう思った


―――嬉しい

ズキィッ


激しい動悸は治まった

変わりに胸が重くて痛い



ガチャ

律「なんだ、梓来てたのか」

澪「・・・」

唯「あれ、掛けるものは?」

律「あ、忘れた」

紬「・・・」

梓「・・・」

澪「・・・どう・・・した?」

唯「あずにゃんが・・・」



180 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/02(金) 01:10:55.66 ID:qmEGUPh0o


紬「・・・」ギュ


あ、また掌に書いてくれるんですね

音を声にじゃなく

文字ヲ声ニ

ワタシハ聴キトレナカッタカラ


梓「っ!」バッ

紬「!」

唯「あずにゃん!?」

律「梓!?」

澪「あ、梓・・・」

梓「ぁ・・・!」


―――イマ

何をしたの、私

むぎ先輩の手を振り払ってしまった

違うんです

今のは

チガウんです

違うチガウ違うチガウチガウ!

違ウッ!!!


紬「・・・」

梓「っ・・・」


そんな顔

しないでください!

悪いのは私ですから!!

むぎ先輩が悪いわけじゃないんです!

声を聞き取れない私が!!


ワタシガワルイ


ナニヲヤッテイルノワタシハ



181 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/02(金) 01:11:22.34 ID:qmEGUPh0o


梓「っ!」

ダダダッ

律「待て梓ッ!」

バンッ

律「ちっ!」

タッタッタ

バンッ

紬「・・・」

澪「・・・」

唯「・・・」



182 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/02(金) 01:12:21.99 ID:qmEGUPh0o


律「待てって!」

ガシッ

梓「っ!」バッ

律「・・・」

梓「私・・・喜んだんですよ・・・!」

律「え・・・?」

梓「むぎ先輩が自分の声より、この場所を選んだ事に・・・!」

律「聞いていたのか」

梓「・・・一緒にいられるって・・・喜んでしまったんですよっ!」

律「・・・」

梓「そ・・・っ・・・それ・・・っ・・・なのにっ・・・!」

律「・・・」

梓「声が・・・っ・・・聞こえな・・・っ・・・くて・・・」

律「・・・」

梓「・・・っ」

ダダダダッ

律「・・・私もだよ、梓」



183 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/02(金) 01:13:55.63 ID:qmEGUPh0o



律「憂ちゃんと純は?」

「え・・・、あ、憂は帰りましたよ」

「純はジャズ研に・・・」

律「そっか・・・ありがと」


・・・・・・


律「部長さーん」

部長「田井中さん?」

律「純を貸してくれませんか?」

部長「ちょっとまってね、鈴木さーん」

純「はい・・・律先輩?」

律「ちょっと来て」

部長「今日は終わりにするから自由にしていいよ」

純「は、はい。お疲れ様でした」



184 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/02(金) 01:15:08.82 ID:qmEGUPh0o


純「どうしたんですか?」

律「むぎと梓がトラブった」

純「え・・・」

律「というより、梓が暴走してるって感じか」

純「・・・」

律「頼めるか?」

純「先輩方の出番じゃないですか」

律「・・・いや、まぁ・・・そうなんだけどな」

純「・・・」

律「頼む」

純「私も暴走するかもしれませんよ」

律「丁度いいじゃん」

純「・・・そうですね」スッ

ピッピッピ

trrrrrr

律「いい判断だ」

純「どうして分かるんですか」

『もしもし、純ちゃん?』

純「憂、今どこ?」

『いつものところ』

純「梓いる?」

『・・・』

純「今行くから」

『分かった』

ピッ

律「どうして分かるんだよ」

純「私らにも絆があったって事です」

律「そっか・・・。よろしくな」

純「はい」



185 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/02(金) 01:16:08.33 ID:qmEGUPh0o



梓「ごめん・・・」

憂「どうして謝るの?」

梓「・・・」

憂(今の、私に対しての言葉じゃないよね・・・)

梓「・・・」

スッ

憂「あ・・・」

純「立て、梓」

梓「・・・どうして?」

純「座って話したくないから」

梓「・・・なに?」

憂「ちょ、ちょっと二人とも」

純「いつまでそうしてるつもり?」

梓「いきなり・・・意味が分からない」

純「いつまでふらふらしてんのって意味だよ」

梓「・・・余計分からない」

憂「・・・」

純「今の自分がどう映っているのか分かってる?」

梓「遠まわしに言わないでいいよ」

純「先輩方にこれ以上心配かけるな」

梓「知った風な口を・・・聞かないで」

純「知ってるよ!
  律先輩が気にかけている事!
  唯先輩が引っ張っている事!
  澪先輩が支えている事! 
  紬先輩が梓を見守っている事!」

梓「!」

純「大切な人が辛い状況にあるのは分かるけどっ」

梓「・・・分かってないよ」

純「なに!?」

憂「・・・」

梓「むぎ先輩がどう思っているのか分かってないでしょ!」

純「・・・」



186 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/02(金) 01:18:51.50 ID:qmEGUPh0o


憂「・・・」

梓「どうしてズレたんだろう」

純「なにそれ」

梓「おかしいよ、こんな世界」

憂「おかしくないよ」

梓「おかしいよ、むぎ先輩が」

純「それ以上言うと引っ叩くから」

梓「!」

憂「・・・」

純「もしかして、この世界の他にも違う世界が存在するとか思ってる?」

梓「・・・」

純「違う世界の紬先輩は声を出すことが出来て、今は部室でティータイムしてるはずだと」

梓「・・・っ!」

純「梓・・・紬先輩を見ていないよね」

梓「・・・っ」

純「おかしいと思った。夏の旅であんなに紬先輩に懐いていた梓が、いまはそっぽ向いてるんだもんな」

梓「向いてない!」

純「じゃあどうして隙が生まれたの?」

梓「それを言わないでッ!」

純「夏の梓なら、そんな自分自身を受け入れていたよ」

梓「っ!」

純「年下の梓があの人に言っていい言葉ではないと、ちゃんと理解できたはずでしょ」

梓「見透かし・・・たよう・・・に言わ・・・ないで」

純「人に使っていい言葉じゃないし、・・・私たち人に使えるほどの人生歩んでないよ」

梓「・・・っ」

純「・・・」

憂「私も純ちゃんと同意見だよ」

梓「・・・」

憂「今までの紬さんを見ているのか、違う世界の紬さんを見ているのか、分からないけど
  今の紬さんをみていないのは事実だよね」

梓「っ!」

憂「なにがあっても、なにが起こっても、紬さんは紬さん・・・だよね」

梓「っ・・・ぅん・・・」

憂「・・・」



187 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/02(金) 01:20:52.84 ID:qmEGUPh0o


純「ったく・・・紬先輩だけじゃないでしょ、梓をみてくれているのは」

梓「うん・・・ごめん・・・っ・・・ご・・・めん・・・っ」グスッ

憂「梓ちゃん・・・」

純「なにに謝ってんだか」

梓「むぎ先輩の声・・・治るかもしれないって・・・」グスッ

憂純「「 え・・・ 」」

梓「でも、治すの時間がかかるから・・・『今』は『今』しか・・・ない・・・から・・・っ」

憂「・・・」

梓「今の・・・この・・・場所を選ん・・・でくれ・・・たんだって・・・」グスッ

純「・・・っ」

憂「そうだったんだ・・・」

梓「でも・・・時間が過ぎれば・・・治らなくなる・・・って」グスッ

純「うそっ・・・」

梓「・・・だけど・・・この・・・場所を・・・むぎ先輩は・・・選んでく・・・れたっ」ボロボロ

憂「・・・」

梓「そ・・・れ・・・なのに・・・それなのにっ・・・」ボロボロ

純「・・・」

梓「むぎ先輩の手を・・・振り・・・払って・・・っ・・・しまった・・・」ボロボロ

憂「!」

純「梓・・・」

梓「じ・・・ぶん・・・が・・・許せ・・・な・・・い・・・」ボロボロ

憂「梓ちゃん」ギュウ

梓「!」



188 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/02(金) 01:21:21.91 ID:qmEGUPh0o


憂「・・・そうだったんだね、偉そうな事言ってごめんね」

純「ごめん」グスッ

梓「ううん・・・あり・・・がと・・・」

憂「・・・」

梓「・・・二人の言うとおり、私・・・むぎ先輩を見ていなかった」

純「・・・」

梓「見ていないから、違うむぎ先輩を見ていたから・・・隙が生まれたんだと思う
  そして、そんな自分を見て見ぬフリしてきたんだと・・・思う」グスッ

憂「・・・」

梓「そのせいで・・・みんなに・・・むぎ先輩に・・・」グスッ

純「・・・私はいいけどさ」

憂「うん・・・」

梓「・・・」

純「顔洗ってくる・・・」トボトボ

梓「どこ・・・で?」

純「そこに水が流れているでしょ」

梓「そうだね」トボトボ

憂「水・・・」



189 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/02(金) 01:21:48.06 ID:qmEGUPh0o


純「落ち着いた?」

梓「・・・うん」

憂「・・・」

純「・・・憂はどうしてここに?」

憂「私も考え事をしていたんだよ」

純「そっか・・・」

憂「そしたら梓ちゃんが来て」

梓「・・・」

純「・・・」

憂「しばらくボンヤリしていようか」

梓「・・・うん」

純「・・・」

憂「・・・」

梓「・・・」ボー

純「憂・・・」ヒソヒソ

憂「?」

純「どうしてさっき梓を抱きしめた?」ヒソヒソ

憂「・・・えぇと」テレテレ

純「びっくりしたんだけど」ヒソヒソ

梓「・・・」ボー

憂「梓ちゃんと紬さんの間にあるものが愛おしくて」ポッ



190 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/02(金) 01:23:16.84 ID:qmEGUPh0o


梓「ちゃんと謝りたい」

純「学校戻る?」

梓「・・・うん」

憂「今日も暑かったね~」ニコニコ

純梓「「 はい? 」」

プー

梓「『メジャーのA』?」

紬「・・・」プー

梓「むぎ先輩!?」

純「おぉ!・・・おぉ?」

憂「来たね」

律「待たせたな!」ドン

澪「・・・」

唯「来たぞ~!」

さわ子「ありがたく思いなさいよね~」

和「私は見物」

梓「・・・?」

純「なんでジャージ?」

憂「お姉ちゃん、私たちの分は?」

唯「あるよ~」

律「ほら、早く着ろよ」

純「なぜ・・・?」

梓「むぎ先輩・・・さっきは」

紬「・・・」

ギュ

梓「あ・・・」

紬「・・・」スラスラ

梓「・・・謝るのは私の方ですよ・・・。すいませんでした」

紬「・・・」フルフル

梓「・・・」

紬「・・・」スラスラ

梓「っ!」バッ

紬「!」



191 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/02(金) 01:24:34.28 ID:qmEGUPh0o


梓「もういいです。私が悪いんですから」

紬「・・・」フルフル

ギュ

梓「・・・」

紬「・・・」スラスラ

梓「っ!」バッ

紬「!」

和「なにやってるのあれは?」

澪「謝りたいむぎと、謝らせたくない梓だな」

律「なんでジャージ着ないんだよ和は」

さわ子「水着でもいいのよ?」キラキラ

唯「そっちがいいよ」

純「水着でも、って?」

律「お、着たか・・・そんじゃ行くかー!」

唯「よっしゃー!」

テッテッテ

ジャブジャブ

律唯「「 冷たーい! 」」

憂「ふふっ」

純「えぇー・・・」

澪「や、やっぱり私はいいや」

さわ子「せっかく着替えたのに~」

梓「着替えたの間違いだったかな・・・」

紬「・・・」ギュ

梓「ちょっ!」

グイグイ

紬「・・・」ニコニコ

梓「ちょっ、ま、待ってください!」

純「諦めるか、いくぞー」

憂「行こう~!」

紬「・・・」キリ

梓「・・・そんな意気込まなくても」

澪「しょうがないな」

和「結局行くのね」



192 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/02(金) 01:25:31.67 ID:qmEGUPh0o


さわ子「あら、いつの間に着替えたの?」

和「ちょっと行ってきます」

テッテッテ

さわ子「意外とノリいいのね」

梓「いやいやいや、まってください」

紬「・・・」ギュ

梓「さすがに・・・」

紬「・・・」ブンブン

梓「ちょっ、った、うわっ」

唯「振り回されております」

律「すごい遠心力です。むぎしかできないでしょう」

澪「あ、ちょっと浮いた」

和「放り投げるのね、意外と攻撃的ね」

紬「・・・」フラフラ

梓「目を回してるっ!」

律「いい感じにこっちくるな」

フラフラ

ジャブジャブ

紬梓「「 ! 」」

ザブーン

梓「にゃー!」ブルブルッ

紬「・・・」ブルブルッ

梓「もー、むぎ先輩・・・」

紬「・・・」ニコ

梓「ふふっ」

紬「・・・」ニコニコ

梓「あはははっ」

律「ちぇー、やっぱむぎかよ」

唯「私たちでは役不足ですな」

梓「あっ!みてください!」

紬「?」

律「あっ!」

唯「おぉ」

澪「た、高いよ」

純「そ、そんな事ないですよ」



193 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/02(金) 01:26:02.12 ID:qmEGUPh0o


澪「・・・逝くぞ純!」

純「不吉な言葉使いませんでした?」

ピョン

澪「・・・!」

純「おぉー」

ザッブーン

律「飛んだ!」

唯「すっごい!」

紬「・・・」キラキラ

梓「ダメですよ、マネしちゃ」

和「意外と温かいのね・・・」

憂「そうだね、日中で温まったのかな」

律「浸かってんじゃねえ!」

唯「温泉だよ!」

澪「ふぅ~楽しかった」

純「楽しかったですよ」

律「唯、行くか!」

唯「だね、りっちゃん隊員!」

さわ子「もうダメよ、お巡りさんよばれたら私の立場がないじゃない」

律「なにー!」

唯「そんな!」

澪「残念だな」キラキラ

純「残念ですね~」キラキラ

和「ここ掘ったら沸かないかしら」

憂「人の目があるから無理じゃないかな」

梓「・・・変なの」

紬「・・・」コクリ

梓「・・・ありがとうです、むぎ先輩」

紬「?」

梓「ちゃんと御返しするです」

紬「・・・?」



194 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/02(金) 01:26:43.40 ID:qmEGUPh0o



姫子「・・・」

轍(川を覗いているのかなこの子・・・?)

姫子「・・・」

轍(あ・・・)



195 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/02(金) 01:28:02.90 ID:qmEGUPh0o


和「・・・」スィー

唯「背泳ぎ!」

紬「・・・」スィスィ

澪「この泳ぎ方はなんだ?」

梓「忍者みたいですね」

律「どこで習ったんだよ」

純「・・・」スィスィ

憂「・・・うん」

純「空しくなってきた・・・」

憂「犬掻きだよね・・・」

純「・・・うん」

律「ここって結構いい深さだよな」

紬「・・・」コクコク

澪「水もキレイだ」

唯「プールと違って流れてるからいいよね」

梓「子供たちが水遊びしてるのよくみかけましたよ」

純「え・・・」

澪「・・・」

律「・・・」

憂「・・・」

和「現実に戻されたわね」

律「なにやってんだ私ら」

澪「い、いうな・・・」

純「で、出ましょうか」

憂「そ、そうだね」

律「目が覚めて・・・わっ」

ザッブーン

純「転ばないでくださいよ・・・うわっ」

ザッブーン

澪「どうしたんだ?」

和「水中になにかいるわね」

澪「え!?」

憂「・・・」



196 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/02(金) 01:29:19.48 ID:qmEGUPh0o


律「ちくしょー、誰だよ足引っ張ったのはー」

純「わ、私も引っ張られました」

澪「こ、怖い事・・・ぅっ」

ザッブーン

律「・・・そこだっ!」バシャ

唯「ごぼごぼ」

律「一匹確保」

唯「ごぼごぼっ」

律「なんだって?」

唯「ごぼごぼごぼっ」

律「聞こえませーん・・・ぉわっ」

ザッブーン

唯「げほっ・・・た、助かったよ和ちゃん」

和「狩るほうに回った方がお得よね」

澪「唯か!」

唯「違うよ、澪ちゃんを転ばせたのはむぎちゃんだもん」

澪「むぎー!」

和「あっちで梓と無邪気に水をかけあってるわ」

純「憂も・・・いつの間に」

澪「よし・・・リベンジ・・・つっ」

ザッブーン

律「へっへー、一度は狩らないと・・・うっ」

ザッブーン

和「・・・二度も狩られたわね・・・甘いわよ律」

ヒョイ

和「唯もね」

ザバァ

唯「ちぇー・・・。むぎちゃんとこ行こう」

和「そうね」



197 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/02(金) 01:30:36.87 ID:qmEGUPh0o


姫子「和まで・・・」

轍「知り合い?」

姫子「・・・?」

轍「あ・・・しまった」

・・・・・・

真鶴『にぃにぃ、誰にでも声をかけるから』

暦『・・・』ジト

・・・・・・

轍「・・・」

姫子「誰・・・ですか?」

轍「えー・・・と」

さわ子「うちの生徒になにか?」

姫子「あ・・・」

轍「生徒?」

さわ子「えぇ、この子の担任ですが・・・」

轍「・・・」

姫子「・・・」

さわ子「場合によっちゃ警察に突き出しますけど」

轍「う・・・」

姫子「まって、聞かれただけですから」

さわ子「?」

轍「・・・」ホッ

姫子「私はあの子たちの同級生です」

轍「そっか・・・」

さわ子「それで?」

姫子「・・・」

轍「ちょっと、夏の旅の話を聞きたいと思いまして、探していたんです」

さわ子「旅・・・?」

姫子「唯たちが行った旅行・・・?」

轍「明暗をハッキリ分けた子がいて、少し興味を持ちました」

さわ子「あなたは?」

轍「俺は相馬轍、旅を題材にした記事を書いています」



198 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/02(金) 01:31:22.45 ID:qmEGUPh0o


さわ子「・・・」

轍「あの子たちが旅を通してみてきた景色、
  そして、住み慣れたこの土地の景色がどう変化したのか
  それを記事のヒントになればいいな、と」

さわ子「そうでしたか」

姫子「・・・」

轍「君もごめんね、いきなり声かけちゃって」

姫子「いえ・・・」

轍「この土地の者じゃないから、気軽に声をかけてしまって・・・悪い癖だ」

さわ子「・・・」

轍「名刺を渡しておきます。このまま去ったらただの不審者ですから」

さわ子「もう疑っていませんよ」

轍「・・・?」

さわ子「でも、今日は遠慮した方がよさそうですね」

轍「そうですね・・・それでは」

スタスタ

姫子「・・・」

さわ子「なんだか幽霊みたいな人ね」

姫子「どういう意味ですか?」

さわ子「実態がつかめないというか、曖昧というか・・・ね」

姫子「あぁ・・・なんとなく分かります」

さわ子(土地の者じゃないから・・・そんな空気を纏っているのかしら)

姫子「そ、それでは・・・さわ子先生」

さわ子「待ちなさい」

姫子「う・・・」

さわ子「ここでなにをしていたのかしら」

姫子「・・・通りがかっただけですよ」

さわ子「『あの子ら』を眺めていたのに?」

姫子「通りがかったら川で遊んでいる律たちをみつけて・・・なにをしているのか見ていただけです」

さわ子「長い間?」

姫子「・・・」

さわ子「いらっしゃい」

姫子「・・・」



199 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/02(金) 01:33:13.38 ID:qmEGUPh0o


姫子「嘘を言っているかもしれませんよ?」

さわ子「大丈夫よ、少なくとも面識はあるみたいだから」

姫子「近づくための工作だとしたら」

さわ子「旅の話までしたんだから、ある程度信用しているのよ」

姫子「・・・」

さわ子「実態が掴めないイコール胡散臭いではないのよ」

姫子「・・・そうですか」

さわ子「それで、姫子ちゃんはどうして眺めていたのよ?」

姫子「ひ、姫子ちゃん・・・って」

さわ子「うふふ」

姫子「・・・けいおん部の唯、澪、律が鍵盤を勉強するのは分かります」

さわ子「・・・」

姫子「和まで・・・ってのが、ちょっと意外というか」

さわ子「そうね~」

姫子「・・・」

さわ子「姫子ちゃんと一緒じゃないの?」

姫子「え?」

さわ子「どうして勉強してるのよ」

姫子「あ・・・」

さわ子「みんな同じ理由よ、それだけなのよ」

姫子「そうですね・・・」

さわ子「ジャージあるわよ!?」

姫子「いいです」キッパリ



200 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/02(金) 01:34:39.24 ID:qmEGUPh0o


唯律「「 そーれっ 」」

バシャッ

紬「・・・」キラキラ

澪「・・・」

律「まったく、澪はリアクション間違えてるな」

唯「まったくだね」

澪「お手本を頼む」

律「うむ、どんと来いです」

紬「・・・」バシャッ

律「きゃー、つめたーい」キャピ

唯梓「「 ブフッ 」」

律「中野・・・」

ギュ

梓「な、なんですか」

律「振り回して放り込んでやる」

梓「や、やめてくだ」

律「・・・っ」

グルグル ジャブジャブ

梓「・・・なんですか?」

律「重ぇ・・・」

梓「水に浸かっているからですよ!」

純「手を繋いでグルグル周っているだけですよ」

澪「素敵な光景だな。背景にお花畑が広がっていたぞ」

唯「和ちゃん!」バシャ

和「・・・っ」

ザッブーン

憂「え・・・?」

紬「・・・?」

唯「の、和ちゃん?」

律「どうして尻餅ついたんだ」

和「避けようとして足を掴まれたわ」

澪「またかっ!」

純「また、誰か水中に・・・え?」

唯「・・・ん?」



201 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/02(金) 01:36:25.31 ID:qmEGUPh0o


梓(みんないるような・・・)キョロキョロ

和「・・・」サァー

憂「日が沈むし、充分楽しみましたよね」

律「そ、そうだなー!」

紬「・・・」コクコクコクコク

純「つむぎせんぱーい、たのしかったですねー」

澪「なんだ・・・?」

唯「どうしたのみんな・・・」

梓「み、澪先輩・・・早く行きましょう」

ギュ

グイグイ

澪「・・・どうした?」

梓「聞かないでください」

唯「もうちょっと遊ぼうよ~」

和「早くこっちに来て唯」

唯「ん~?」

和「川から上がって。風邪ひくわよ」

唯「このあと銭湯に行くから平気だよ」

和「・・・いいから、来てちょうだい」

唯「そ~れっ」バシャ

和「・・・」

唯「リアクションが薄いよ和ちゃん」

和「あのね」

唯「お・・・その手には引っかかりませんよ!」

ヒョイ

唯「ふっふっふ、甘いよむぎちゃん・・・あれ?」



202 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/02(金) 01:37:00.49 ID:qmEGUPh0o


紬「・・・!」ジャブジャブ

ギュ

唯「あれ、むぎちゃんじゃないの?」

紬「・・・」ヒヤヒヤ

グイグイ

唯「そんなに引っ張ったら転ぶよ~」

紬「・・・」アセアセ

唯「どうして急いでるの?」

紬「・・・」フゥ

唯「・・・あれ?」

紬「・・・」

澪「?」

梓「・・・」

純「たのしかったたのしかったー」

律「今日が暑い日でよかったぜ」タラタラ

憂「・・・」

和「・・・」

さわ子「・・・どうしたの、みんな顔が蒼白なんだけど?」

姫子「なにかあったの?」

唯「・・・どうして・・・ここにいるの?」

和「やっと気づいたのね」

唯「姫子ちゃん?」

律純「「 そっちかいっ(ですか)!! 」」」

澪「なんの話?」

紬「・・・」フルフル

梓「澪先輩自身の為にも聞かないほうがいいです」

澪「え・・・、そう言われると聞きたくなるじゃないか」ウキウキ

律「正に、自ら墓穴を掘るだな」



203 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/02(金) 01:37:52.15 ID:qmEGUPh0o


カポーン

紬「・・・」マッタリ

梓「いい湯ですね」

澪「ちゃんと温まらないとな」

唯「さわちゃんは?」

律「買い物だ」

和「そのおかげで川で遊べたのよね」

憂「てっきりうちに寄るのかと思っていました」

純「集団であんな格好で歩けないでしょ」

梓「そうだね」

律「むぎ~」

紬「・・・?」

律「風呂から上がったら、アレやろうぜ」キラン

紬「・・・」キラキラ

澪「アレな!」

姫子「アレって?」

梓「風呂上りにコーヒー牛乳を飲むんです」

姫子「あぁ、なるほど・・・、ってなんで私まで銭湯に来てるの?」

唯「ま~よいではないか~」

律「ってか、湯船に浸かってからそれを言うのかよ」

姫子「・・・」

律唯「「 ほ~げ~ 」」

紬「・・・」ボケー

和「デジャヴね」

澪「いや、現実にもあったことだから、デジャヴではないぞ」

姫子「?」

梓「夏の旅で・・・みんなで温泉に入ったそうです」

姫子「へぇ」

梓「中野梓です」

姫子「私は立花姫子。よろしく」

梓「よろしくです」

純「鈴木純です」

憂「平沢憂です」

姫子「よ、よろしく」

純憂「「 よろしくお願します 」」



204 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/02(金) 01:38:34.37 ID:qmEGUPh0o


律「なぜ自己紹介しあってるんだキミ達は」

唯「あの時飲んだのはフルーツ牛乳だよあずにゃん」

ガラガラッ

さわ子「コラァー!」

澪「ヒィッ」

律「銭湯で叫ぶなよ~」

唯「そうだよ~。他にお客さんがいないからって」

さわ子「待ってなさいって言ったでしょ!」

梓「待っていたら風邪ひきますよ」

さわ子「置いてけぼりくらったみたいで寂しいじゃない!」

和「そんな事ないですよ」

紬「・・・」コクコク

純「寂しいって・・・」

さわ子「まったく・・・私がいなかったら川で遊ぶ事できなかったんだから」ブツブツ

姫子「・・・」

憂「・・・?」

律「びっくりしてんだよ、姫子は」

憂「そうですね、確かに校舎とは違いますよね」

澪「そうだな」

唯「さわちゃんじゃないよね」

さわ子「私を否定しないでくれる!?」

和「そろそろ出ましょうか」

純「置いてけぼりだ!」

紬「・・・」キラキラ

梓「私もやってなかったので嬉しいです!」

澪「・・・」



205 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/02(金) 01:40:04.57 ID:qmEGUPh0o


澪「梓は見つけたのか?」

梓「・・・」

澪「・・・」

梓「・・・なにを・・・ですか?」

澪「その・・・『最高の場所』ってやつを・・・」

梓「どうしてそれを・・・?」

澪「唯に聞いたんだ。むぎがその場所を知っているから、笑顔でいられるんだって」

梓「そうですか」

澪「・・・」

梓「いいえ」

澪「・・・そっか」

チョンチョン

梓「?」

紬「・・・」ズイッ

梓「あ、ありがとうございます」

律「よーし、みんなちゃんと持ったな!」

純「いえす!」

憂「はい!」

唯「おー」

さわ子「・・・むぎ茶がいいんだけどね。アルコー」

和「私たちの前でそのむぎ茶を飲まないでください」

姫子「・・・」

澪「姫子」ヒソヒソ

姫子「?」

澪「律の合図で飲まないでね」ヒソヒソ

姫子「・・・う、うん?」

梓「・・・あぁ・・・なるほど」

紬「・・・」

律「腰に手を当てて、いっただっきまーす!」

「「 イタダキマース 」」



206 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/02(金) 01:40:57.82 ID:qmEGUPh0o


律「・・・」ゴクゴク

紬「・・・」

憂「・・・」

唯「・・・」

さわ子「・・・」

姫子「・・・」

梓「・・・」

純「・・・」

和「・・・」

律「?」ゴクゴク

澪「疾走するザーサイ」

律「・・・・・・ブフーッ」

さわ子「それじゃみんな」

「「 いっただっきまーす! 」」

律「・・・想像してしまった・・・・・・ひっでえ」ポタポタ

紬「・・・」ゴクゴク

憂「・・・」ゴクゴク

唯「・・・」ゴクゴク

さわ子「・・・」ゴクゴク

姫子「・・・」ゴクゴク

梓「・・・」ゴクゴク

純「・・・」ゴクゴク

和「・・・」ゴクゴク

澪(律が被せて何か言うだろうな・・・)

律「背面とびするザーサイ」

純「グフッ」

澪「・・・」ゴクゴク



207 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/02(金) 01:41:44.35 ID:qmEGUPh0o


紬「・・・」プハー

憂「おいしい」プハー

唯「やっぱりうまい!」プハー

さわ子「牛乳でもいけるわね~」プハー

姫子「おいしい・・・」プハー

梓「おいしいです」プハー

和「いいわね、この気分」プハー

純「けほっ、けほっ!」

律「純だけかよー」

梓「来ると分かっていたら防御力は上がるんです」

和「そういうことね」

澪「おいしいな!」プハー

律「ちぇー」

憂「大丈夫?」

純「器官に・・・けほっ、けほっ」

紬「・・・」サスリサスリ

純「あ、ありがとうございます・・・けほっ」

唯「りっちゃん、背面とびはないよ」

律「むむむむ・・・結構屈辱だな・・・って、まともに飲んだ事ないぞー!」



208 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/02(金) 01:43:54.33 ID:qmEGUPh0o


さわ子「むぎちゃんは私が送るとして、あと三人乗れるわよ」

唯「はいっ!」ズバッ

さわ子「じゃあ、姫子ちゃんと純ちゃんと・・・」

紬「・・・」ペコリ

姫子「わ、私も・・・?」

純「おぉ、ラッキーだ」

唯「ハブられちゃった」ションボリ

和「憂と私が残っちゃうじゃない」

憂「そうだね」

唯「そっか」

律「面白い組み合わせだな」

さわ子「あと一人乗れるわよ~」

梓「はいっ!」ズバッ

さわ子「じゃ、澪ちゃん」

梓「なんでですか!」

澪「?」

律「まてまて、澪と同じ方向に帰る私を一人にするなよな」

唯「寂しいんだね、分かるよ」

律「分かられるのなんか嫌だな」

さわ子「しょうがないわね、後ろ4人乗れるかしら」

紬「・・・」コクリ

澪「なにを言って・・・」

純「乗りましょう!」

姫子「私が降りる・・・っ」

唯「いいからいいから~」

グイグイ

姫子「押さないで唯!」

紬「・・・」ガチャ

唯「よいしょー」

姫子「ちょっと、降りるって!」

さわ子「人の車で暴れないでよねー」

姫子「う・・・」

澪「・・・」スッ



209 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/02(金) 01:44:22.48 ID:qmEGUPh0o


律「失礼しまーす」

純「狭いっ!」

紬「・・・」グイグイ

律「いや、むぎは前だろ・・・なんで後ろに入ろうとするんだよ」

紬「・・・」

姫子「後ろ五人って・・・」

さわ子「日が暮れたんだから気をつけなさいよ~」

梓「・・・」ムス

唯「はいよ~」

憂「それでは、また明日」

和「じゃあね」

紬「・・・」フリフリ

梓「また明日です」

紬「・・・」ニコニコ

律「じゃーな」

紬「・・・」フリフリ

ブォォオオオオ

和「帰りましょ」

憂「夕飯の準備してないけど・・・」

唯「お母さんいるから大丈夫だよ」

梓「・・・」

唯「あずにゃん行くよ~」



210 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/02(金) 01:46:21.29 ID:qmEGUPh0o


さわ子「誰から送る?」

澪「見切り発車・・・」

紬「・・・」ウキウキ

純「澪先輩、狭くないですか?」ワクワク

澪「う、うん・・・」

律「こっちにも気を使え!」

純「・・・」

姫子「・・・はぁ」

さわ子「あら、疲れたの?」

姫子「・・・バタバタしていたから」

澪「まったく」

律「私をみるな」

純「楽しいですね、ドライブするみたいで」ウキウキ

澪「滅多にないからな」

律「そういやそうだな」

紬「・・・」コクコク

姫子「・・・」

さわ子「あなたたちも免許とったら?」

律「いいなそれ!」

澪「みんなと車で出かけるのもいいな」

純「そ、その時は私たちも!」

律「ごめん、定員オーバーだ」

純「もうちょっと、なんかこう・・・切捨てはやいですよー」

姫子「バイクもいいかな」

紬「・・・」

律「むぎが驚いてるぞ」

姫子「楽しそうじゃない?」

紬「・・・」

澪「姫子は似合いそうだよね」

さわ子「そうね~」

姫子「・・・考えてみようかな」

純「う、後ろには誰を乗せるんですか・・・」ゴクリ



211 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/02(金) 01:47:35.74 ID:qmEGUPh0o


律「なんで意気込んで質問してるんだよ」

純「き、気になるじゃないですか」

姫子「乗せなきゃいけないのかな・・・」

澪「誰かとツーリングしてはどうかな?」

姫子「いいね・・・でも、私らのクラスでいないよね」

紬「・・・」ガサガサ

さわ子「?」

紬「・・・」プップップー

澪「は・・・る・・・?」

律「春子?」

紬「・・・」ププー

さわ子「なるほど」

澪「確かに・・・」

純「・・・?」

律「私を男っぽくしたヤツ・・・って誰を基準にしてんだこらぁ!」

さわ子「りっちゃんもバイク似合うんじゃない?」

姫子「そうだね」

澪「・・・」プクク

律「そうだな、風になるのも悪くないな・・・」キリ

紬「・・・」プー

律「『オギューメントのA』・・・私?」

紬「・・・」プッププー

澪「う・・・しろ・・・?」

純「律先輩の後ろに乗るってことですか?」

紬「・・・」ププー

姫子「・・・」

さわ子「やめときなさい」



212 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/02(金) 01:48:39.43 ID:qmEGUPh0o


律「とめるなよ!」

紬「・・・」ニコニコ

澪(楽しそうだな・・・むぎ・・・)

pipipipipi

さわ子「あら・・・?」

律「電話が鳴る・・・彼女は車を寄せて止める」

紬「・・・」コクコク

ピッ

さわ子「はい、もしもし・・・」

律「男である」

澪「・・・」

さわ子「・・・はい、分かりました」

純「別れを告げられたのである」

律「終わらせるなよ、もっと幅を広げる事が大事だ」

純「す、すいません」

澪「電話中だぞ」

姫子「・・・」

紬「・・・」

ピッ

さわ子「むぎちゃんから送るわね」

紬「・・・?」

さわ子「斉藤さんから・・・近くの駐車場で待ってるって」

紬「・・・」

姫子「・・・」

律「なーんだ」

澪「なにを期待していたんだよ」

純「もう少しドライブできると思っていました」

紬「・・・」コクリ

さわ子「残念ね」



213 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/02(金) 01:49:06.37 ID:qmEGUPh0o



唯「あずにゃん、またあした~」

梓「わざわざ送ってくれてありがとうございます」

和「気にしないで」

憂「明日ね、梓ちゃん」

梓「うん、また明日」



214 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/02(金) 01:50:21.50 ID:qmEGUPh0o


律「明日な、むぎ」

澪「また、明日」

純「おやすみなさい」

姫子「明日ね」

紬「・・・」フリフリ

バタン

斉藤「それでは」ペコリ

さわ子「お気をつけて」

ブオオオオ

澪「・・・」

姫子「・・・」

純「・・・」

律「じゃ、私らの事頼むぜ、さわちゃん!」

さわ子「さ、乗りなさい」

純「失礼しまーす」

ガチャ

律「こら」

純「・・・すいません、勢いって大事かと思って」

律「私も前に座りたいんだよ」

澪「わ、わたしだって」

姫子「・・・」

ガチャ

律「こら」

姫子「後ろに乗ろうと・・・」

律「こういう時はノるのも大事だぞ」

姫子「・・・」

さわ子「早く決めてね」

バタン

純「公平を期するために、ジャンケンでいきましょう」

律「うむ、いいだろう」

澪「よし」

姫子「・・・」

純「ジャーンケン」



215 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/02(金) 01:51:07.90 ID:qmEGUPh0o


澪「ポイ!」

グー

チョキ

グー

ピストル

姫子「いるよね、こういう子」

純「うっ・・・」

律「澪と純は後ろ決定だな」

澪「しょうがないな」

律「よし、勝負だ」

姫子「・・・ジャンケン」

律「うりゃ!」

パー

パー

律「ふむ」

姫子「勝ちたくなってきた」

澪「・・・」

純「では二回戦」

律「ジャーンケン」

姫子「ホイ」

チョキ

チョキ

律「しぶといな」

姫子「律がね」

律「ふっ・・・」

姫子「・・・」

律姫子「「 じゃーんけん 」」

ブオオオオオオオ

澪純「「 おいてかれた! 」」



216 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/02(金) 01:52:34.98 ID:qmEGUPh0o


律「冗談キツイぜ~」

さわ子「長いのよ」

純「中々戻ってこないから私たち冷や冷やしたんですよ」

さわ子「どうでもいい事に熱くなるからよ」

律「熱くなったのは姫子だけだ」

姫子「・・・」

律「・・・」

姫子「・・・」

さわ子「無視されたわね、りっちゃん」

律「・・・」シクシク

純「その気持ち、分かります」

澪「姫子?」

姫子「・・・ん?」

さわ子「走行中に外をボンヤリ眺めるなんて・・・」

律「ロマンティックか!」

姫子「・・・」

律「・・・」シクシク

純「今のは・・・」

律「なんだよ!」

澪「どうかしたの?」

姫子「『旅』と『旅行』は違うの?」

さわ子「あら・・・」

律「なんだ、いきなり」

澪「・・・」

姫子「・・・なんでもない」

澪「梓に聞けば・・・的確な答えが聞けるかも」

律「そうだな」

姫子「どうして?」

澪「梓はむぎの傍でたくさんの景色を見てきたんだ」

純「・・・」

姫子「澪たちは?」

律「まぁ、感覚は分かるけど、言葉にはできない」

澪「説明できるほど、知っていないのかな」

純「・・・」



217 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/02(金) 01:53:58.49 ID:qmEGUPh0o


律「どうしたんだ?」

姫子「ちょっとね」

さわ子「旅を題材にした記事を書いているって人に会ったのよ」

純「?」

律「あ、ひょっとして・・・ソーマ?」

澪「そうま・・・だろ」

さわ子「そうよ」

姫子「知り合いだったんだ」

純「あぁ、ケータイの人か」

さわ子「あの人って、アバンチュールの人なのね」

律「・・・」

澪「・・・」

純「・・・」

姫子「・・・?」

さわ子「なによ、この間は」

律「アバンチュールって言ってるのさわちゃんだけだぜ?」

澪「・・・うん」

純「・・・そうですね」

姫子「???」

さわ子「最初に言い出したの唯ちゃんだからね、私が時代遅れみたいに言われてるけど」

姫子「そうなんですか・・・あ、ここでいいです」

さわ子「分かったわ」

ガチャ

姫子「ありがとうございました。さわ子先生」

純「さて・・・」ガチャ

さわ子「いいのよ、悪いわねつき合わせちゃって」

姫子「いえ・・・」

律「さり気なく前に移動するんだな、純」

姫子「・・・」ボソッ

純「・・・」

律「じゃーな、姫子」

澪「じゃあね」

純「それでは」

姫子「うん、明日ね」



218 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/02(金) 01:55:15.06 ID:qmEGUPh0o


純「聞こえました?」

さわ子「?」

律「なにをだよ」

純「姫子先輩が『楽しかった』・・・って」

澪「・・・」

律「たりめぇよ」

さわ子「なんでべらんめぇ口調になるのよ」

純「・・・うん、楽しかった」

律「そんで、澪を乗せた理由ってなんだよ?」

澪「・・・」

さわ子「梓ちゃんに知られたのかな~と思って」

澪「はい、聞かれました」

さわ子「そう・・・、意外に早かったわね」

澪「え・・・?」

さわ子「あ・・・」

律「なんだよ、早かったって」

純「?」

澪「『時期が来たら話してあげて』って」

さわ子「・・・りっちゃんには知られるだろうとは思っていたけどね」

律「・・・まぁな」

澪「・・・」

純「あぁ・・・、紬先輩の・・・」

さわ子「もう一つ伝える事があってね」

澪「・・・?」

純「・・・?」

律「なんだよ?」

さわ子「・・・学園祭の日取りよ」



219 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/02(金) 01:57:13.50 ID:qmEGUPh0o


純「ありがとうございました」

さわ子「えぇ、それじゃあね」

律「じゃーなー」

澪「明日ね」

純「お休みなさい!」

ブオオオオ

律「そういや、なんで姫子がいたんだ?」

澪「・・・そうだな、自然にいたから気にならなかったけど」

さわ子「むぎちゃんの影響かもね~」

律「どういう事だよ」

さわ子「和ちゃんが鍵盤を勉強してる事が不思議なんだって」

澪「・・・姫子自身もしていたよな?」

律「う、うん・・・昼に少しだけだけど、母音は覚えたって」

さわ子「・・・あの子、最初橋の上から見ていたのよ。あなたたちをね」

澪「・・・」

律「・・・」

さわ子「あ、そうだったのね・・・・ケータイの人が言っていた事はそういう事だったのよ」

澪「?」

律「なんだ?」

さわ子「相馬さん・・・ね、あなたたちの旅の話を聞きたいと言っていたわ」

澪「・・・」

さわ子「記事のネタになる程のモノかと不思議だったんだけどね」

律「・・・そうだよな」

さわ子「姫子ちゃんを通してみたら、興味を引き立てられるわね」

澪「?」

さわ子「外からの視点であなたたちを見たら、その変化が気になるでしょ」

律「分かりやすく頼む」

さわ子「簡単よ。夏の旅をむぎちゃんと梓ちゃんの二人だけで行ったとするでしょ」

澪「はい」

さわ子「帰ってきた二人を見て、あなた達二人はどんな感想を持つ?」

律「むぎにベッタリの梓・・・か」

澪「なにがあったのか、気になりますね」

さわ子「それが姫子ちゃんの視点って訳ね」

律「あー」



220 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/02(金) 01:57:53.53 ID:qmEGUPh0o


澪「なるほど・・・」

さわ子「さっきの姫子ちゃんの質問がそうなんじゃない?」

律「そっか」

澪「相馬さんは、どうしてですか?夏前の私たちを知りませんよね」

さわ子「・・・聞くけど、相馬さんに旅の話をした時の梓ちゃんはどうだった?」

律「あの時間を思い出して、今のむぎと比べてしまったんだろうな」

澪「・・・」

さわ子「・・・そこを察知したのかもね」

澪「・・・」

さわ子「そんな表情をするから、興味を持ったって」

澪「・・・」

律「みお?」

澪「ん?」

律「どうした?」

澪「なんでもない」

さわ子「?」

律「ここでいいぜー、さんきゅー」

澪「あ、ありがとうございます」

さわ子「どういたしまして」

ガチャ

律「さわちゃん」

澪「・・・」

さわ子「なに?」

律「いいクラスに恵まれたな~」ニヤリ

澪「・・・」

バタン

さわ子「そういう事にしておくわ・・・じゃあね~」

ブオオオオオオオオ



221 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/02(金) 01:58:30.90 ID:qmEGUPh0o


―――――夜

最低で最高の一日だった

ごめんなさい

むぎせんぱい

ありがとう

むぎせんぱい



限りある時間を大切にします



222 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/02(金) 02:02:59.86 ID:qmEGUPh0o

視点があっちこっちで解りづらいかったですね すまぬ・・・すまぬ・・・

読んでくれた方ありがとうございます
続きは夕方辺りに投稿します おやすみなさいませ




223 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/02(金) 02:15:56.56 ID:+zPPVnDco


あの旅行の後の話としては展開がキツいなぁ
楽しくて得るものの多かった旅から一転してこの不幸だから・・・
BADENDはないにしても早めに治ってほしいものだが




224 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/02(金) 02:37:12.77 ID:DHGHEue9o

視点だけじゃなく、場面や状況もいきなり変わってわかりづらいっす……



130 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/01(木) 23:12:14.22 ID:UuXEgV/jo

CDって前作のあの子のCDか





225 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/02(金) 17:30:34.80 ID:qmEGUPh0o

>>130 正解です

風雨来記の旅はかなりディープですからね
その落差がないと轍と絡めないと思いました

ご指摘ありがとうございます
さっそく書き溜め分を見直ししてきます
続きは夜の投稿となります すいません

立て直した方がよかったりしますか?
(ここまだ序盤なんすよwwww)




226 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/02(金) 18:13:50.04 ID:TM4Mx/gEo

このまま続けて問題なし






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