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紬「いつかみた、あの大好きな、空の下で」#9月8日 【クロス】


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紬「いつかみた、あの大好きな、空の下で」#index




227 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/02(金) 21:35:21.28 ID:qmEGUPh0o


9月8日



―――――2年生クラス

梓「・・・」

純「・・・」

梓「おはよ」

純「おはよ」

梓「・・・」

純「・・・」

憂「どうしたの?」

梓純「「 別に・・・ 」」

憂「昨日の今日だから照れくさいんだね」

梓純「「 いうなっ! 」」

憂「クスクス」

梓「・・・むぎ先輩の家まで行ったの?」

純「ふふん」

梓「ぐっ・・・」

純「行ってないよ~、途中で斉藤さんが迎えにきてた」

梓「ふふん」

純「いや、意味が分からない」

憂「先生くるよ~」



228 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/02(金) 21:36:41.70 ID:qmEGUPh0o



―――――3年生クラス


プップププー

「?」

春子「なにを弾いているんだよ紬?」

姫子「『おあお』だから、『おはよー』かな」

紬「・・・」コクリ

信代「そこまで読み取れるのか姫子」

姫子「・・・なんとなくだけどね」

紬「・・・」テクテク

唯「おはよー」フリフリ

和「おはよう、むぎ」

姫子「おはよ」

紬「・・・」フリフリ


春子「あれ・・・?」

風子「どうしたの?」

春子「姫子が輪の中に入ったような・・・」


信代「男子だ」

姫子「え・・・?」

和「そんな雑誌読むなんて珍しいわね」

唯「バイクに目覚めたんだね!風になるんだね!」

姫子「なろうかな~って」

信代(急にどうしたんだろう・・・)

紬「・・・」プッププー

姫子「・・・?」

唯「昨日の・・・?」

紬「・・・」プププー

和「はな・・・い・・・、昨日の話?」

紬「・・・」コクリ

姫子「そう・・・うちの父さんがバイク持っているからさ」ペラ

紬「・・・」ププー

唯「昨日の話ってなんだい?」



229 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/02(金) 21:37:26.48 ID:qmEGUPh0o


姫子「車の免許とバイクの免許どっちがいいかって話」

紬「・・・」フルフル

信代「ちがう・・・?」

紬「・・・」プッププー

唯「うし・・・ろ・・・に?」

和「・・・」

紬「・・・」プップププー

唯「だれを・・・」

姫子「・・・」

紬「・・・」プププッププー

唯「乗せるか・・・って話!」

姫子「してないよ」ペラ

信代「・・・」

唯「私だよね!」

姫子「してないって」

和「どうして唯なのよ」

唯「私も風になりたいんだよ」

和「それじゃあ自分で・・・いえ、何も言ってないわよ私は」

姫子「責任逃れだね」

信代「唯がバイクに乗るのは想像できない・・・」

唯「え~」

紬「・・・」ニコニコ



230 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/02(金) 21:38:59.06 ID:qmEGUPh0o


律「はよ~ん」

「おはよー」

いちご「おはよ」

澪「おはよう」

いちご「あのさ・・・」

律「ん?」

いちご「・・・どうして鍵盤でやりとりするの?」

澪「・・・」

いちご「・・・ケータイやホワイトボードなら」

律「それだと伝わるものも伝わらなくなるからな」

いちご「・・・」

澪「読み取る事じゃなくて、聴き取る事が大切。そう、唯が言ってた」

いちご「・・・手間じゃない?」

春子「ちょっといちご!」

風子「いいすぎだよ」

いちご「・・・」

律「私ら義務だとか、やらなきゃいけないとかこれっぽちも思ってないぜ~」

澪「聴きたいから、それだけなんだ」

いちご「・・・そう」

春子「姫子も?」

律「ん?」

春子「なんか、あんたらの輪に入った感じだからさ」

風子「・・・そうだね」

澪「昨日・・・」フガッ

律「言うなよ」ヒソヒソ

いちご「?」

澪「なんでだよ」ヒソヒソ

律「川で遊んでいました、なんて言えるかよ」ヒソヒソ

澪「そ、そうだな」ヒソヒソ

いちご「なに?」

律「な、なんでもないぜー」

澪「そ、そうだ。なんでもない」



231 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/02(金) 21:40:38.77 ID:qmEGUPh0o


春子「だから、姫子はどうしてって聞いているんだけど」

律「知らない」

澪「・・・」

風子「・・・」

律「聞いてきたら?」

春子「・・・よし」

テッテッテ

風子「・・・」

テッテッテ

律「あれ・・・いちごまで」



春子「姫子~・・・って何読んでるの?」

姫子「バイク雑誌」

いちご「・・・」

唯「私だよ!」

風子「?」

和「姫子のバイクの後ろに乗るのは予約済みって事よ」

春子「え!?」

風子「免許取るの?」

姫子「・・・」

紬「・・・」プッププー

いちご「?」

唯「わ・・・たし・・・?」

紬「・・・」ププップー

唯「が・・・の・・・る・・・?」

和「予約殺到ね」

姫子「取る事に決まったのかな・・・」

春子「バイクか・・・」フムフム

風子「興味持ったんだね」

いちご「・・・」

紬「・・・」プップププー

いちご「・・・なんて言ったの?」

唯「・・・」



232 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/02(金) 21:41:28.62 ID:qmEGUPh0o


和「・・・唯?」

紬「・・・」ニコニコ

姫子「唯でも聴き取れなかったの?」

唯「うん~?」

紬「・・・」ニコニコ

唯「むぎちゃん・・・昨日・・・その音は適当って言ってたよね」

紬「・・・」ニコニコ

春子「どのバイク買うの?」

姫子「私より真剣じゃないの春子・・・?」

風子「・・・バイクかぁ」



・・・・・・



律「そろそろさわちゃん来るな」

澪「りつ・・・」

律「ん~?」

澪「相馬さんに旅の話するの?」

律「なんだよいきなり」

澪「・・・」

律「まぁ、機会があれば・・・かな」

澪「どうして?」

律「・・・特に理由は無いけど」

澪「・・・」

律「なんだよ」

澪「・・・別に」

律「聞かれて困るような事なんてないだろ」

澪「そうじゃないよ」

律「じゃあなんだよ」

澪「・・・後で話す」

律「・・・?」

ガチャ

さわ子「ほら、席につきなさい」

ザワザワ



233 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/02(金) 21:43:11.74 ID:qmEGUPh0o


―――――昼

澪「私は嫌・・・かな」

律「どうしてだよ」

澪「なんて言うか・・・距離感?」

律「他人だからか」

澪「他人だったら話は簡単だ」

律「・・・」

澪「梓に言葉をかけたでしょ?」

律「あぁ。『最高の場所』の事か?」

澪「うん・・・。それを教えたのに、今度は梓を揺さぶった」

律「私は梓を引き寄せたように見えたけどな」

澪「・・・どういう事?」

律「うーん・・・」

澪「とにかくだ。次は私たちの旅に興味を持ったと言った」

律「・・・」

澪「その理由は覚えてる?」

律「さわちゃんが言ってたな・・・梓の表情がどうとかって」

澪「そう・・・。だから嫌なんだ」

律「・・・」

澪「あの時・・・旅の話をしていた時の梓の心境はとても揺れていたハズだ」

律「あぁ・・・そうだな・・・」

澪「だけど、それをさらに揺さぶった」

律「うん・・・」

澪「あの時は私も、梓を探っていると思っていたんだ」

律「・・・」

澪「例え探って、それを梓自身に気づかせる為だとしても
  それを旅の記事のネタにするような考え方はどうかと思う」

律「・・・」

澪「興味を持ったきっかけが嫌なんだよ」

律「そうか・・・」



234 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/02(金) 21:44:00.69 ID:qmEGUPh0o


澪「・・・りつは・・・どう思う?」

律「正反対だ」

澪「え・・・」

律「あの時・・・バイクを倒した時・・・梓を引っ張っただろ」

澪「・・・うん」

律「亡くなった親友の・・・とても大事なバイクをだ」

澪「・・・」

律「そんな人が書く、私らの旅の記事を読んでみたくなった」

澪「朝といってる事が」

律「授業中に考えていたんだよ」

澪「・・・私が言った事は、どうなるの?」

律「正直分からないだろ」

澪「・・・」

律「私らの旅をテーマにするのか、梓の心境をテーマにするのか、なんてさ」

澪「・・・」

律「とりあえず、話をしない事には進まないな」

澪「そうだな・・・」

律「・・・どうした?」

澪「え?」

律「そんな事言うなんて珍しいよな・・・嫌だ・・・なんてさ」

澪「ちょっと・・・焦ってる、のかも」

律「・・・」



235 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/02(金) 21:45:17.61 ID:qmEGUPh0o



姫子「」スヤスヤ

律「お、今日は寝てんのか」

澪「今日もじゃないのか」

唯「どのバイクにしてもらおうかな~」ペラッ

紬「・・・」スッ

唯「いいですな」

和「勝手に選ぶのはよくないわ」

律「というか、取るのか?」

澪「昨日の話?」

紬「・・・」コクリ

唯「私たちもドライブしたいな~」

和「楽しそうね」

律「この中で誰が一番早く取るのかな」

澪「やっぱり和かな?」

紬「・・・」ズバッ

唯「ん?」

紬「・・・」キリ

澪「?」

紬「・・・」

律「?」

紬「・・・」アセアセ

和「?」

紬「・・・」フリフリ

澪(なんでもない・・・て・・・事・・・か)

律(姫子が寝ているから・・・鍵盤ハーモニカは使わないんだな・・・)

和(伝える事・・・諦めたのね・・・)

唯(むぎちゃん・・・)

紬「・・・」

澪「・・・」

和「・・・」

律「・・・」

唯「・・・」

姫子「」スヤスヤ



236 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/02(金) 21:46:21.53 ID:qmEGUPh0o



いちご「・・・伝える手段ってそれだけなの?」

紬「・・・?」

いちご「鍵盤だけ・・・なの?」

律「うーむ」

唯「body language」

和「発音いいわね」

澪「やってみよう」

紬「・・・」フンス!

いちご「・・・」

紬「・・・」ヒョイヒョイ

唯「私・・・?」

紬「・・・」ピン

律「いち・・・?」

紬「・・・」バシッ

和「・・・奪い取る・・・?」

いちご「私が一番最初に取る?」

紬「・・・」コクコク

澪「・・・」

律「ダークホースだな」

唯「ふふん、私がすでに持っているとしたら・・・みなさんどう思いますか?」

和「嘘でしょ?」

唯「嘘ですよ」

いちご「・・・もう通っている・・・とか・・・?」

紬「・・・」フルフル

律「さっきの自信はどこからきたんだよ」

いちご「ふふっ」

姫子「」スヤスヤ

澪「・・・」



237 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/02(金) 21:47:35.66 ID:qmEGUPh0o


―――――放課後

澪「練習するぞ!」

律「はは、そんなバカな」

梓「練習しましょう!」

唯「またまた、そんな~」

澪梓「「 冗談で言ってるわけじゃ・・・ 」」

紬「・・・」ポポロポポロロン

律「そうだな、ひさしぶりだし」

唯「そうだね~」

澪梓「「 ・・・ 」」

律「スタンバーイ!」

唯「よいしょっ、おっけ~」

紬「・・・」コクリ

澪「・・・」

梓「・・・」

律「なんか二人のテンション下がってるけど、ワン・ツー・スリー!」カンカンカン



238 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/02(金) 21:50:13.16 ID:qmEGUPh0o



ジャジャンジャジャンジャーン!

澪「・・・これは・・・・・・」

梓「・・・ビックリです」

律「私たち・・・」

唯「おぉ・・・」

紬「・・・」ゴクリ

律唯「「 下手になってる・・・ 」」

澪「・・・私も指が動かなかった」

梓「・・・はい」

律「やべえ・・・」

唯「なんてこったい・・・」

紬「・・・」ポン

澪「?」

梓「『メジャーのB』です」

唯「ティータイムだよ!」

律「よしよし、そうするか」

梓「そうですね」

澪「・・・」

ガチャ

さわ子「練習してるー?」

紬「・・・」

テッテッテ

さわ子「あら、丁度いい所に来たのね~」

デンデンデーン

澪「・・・」

律「みお~?」

澪「うん・・・」

梓「けいおん部でティータイムをするのは久しぶりですね」

唯「そうだね~」

紬「・・・」コクリ

さわ子「待ちに待っていたのよ」

律「顧問としてどうなんだ・・・」



239 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/02(金) 21:51:01.28 ID:qmEGUPh0o


唯「おっやつ~」

律「いただきまーす!」

紬「・・・」

コト

澪「ありがとう、むぎ」

紬「・・・」ニコニコ

唯「うまうま」ムシャムシャ

律「うめうめ」ムシャムシャ

さわ子「はぁ・・・待っていた甲斐があったというものよ」シミジミ

紬「・・・」ニコニコ

梓「・・・やっぱりおいしいです」ズズーッ

澪「・・・」ジー

梓「・・・どうしたんですか?」

澪「ううん・・・なんでもないよ」

梓「?」



240 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/02(金) 21:52:15.90 ID:qmEGUPh0o


―――――・・・


唯「おまたせ!」

紬「・・・」コクリ

澪「帰るか・・・」

スタスタ

律「ん~、今日は結構頑張ったな~」ノビノビ

紬「・・・~」ノビノビ

唯「そうだね~」

澪「夏前とはえらい違いだな」

梓「もうちょっとだらけると思っていました」

律「ほぅ」

唯「このあずにゃんめっ」ダキッ

梓「ちょっ!」

唯「うへへ~」スリスリ

梓「離してくださいっ」ジタバタ

紬「・・・」

律「むぎー、電車で帰るのかー?」

紬「・・・」フルフル

澪「斉藤さんが迎えに来るの?」

紬「・・・」コクリ

唯「あ、本当だ」スリスリ

梓「・・・」

斉藤「・・・」ペコリ

紬「・・・」フリフリ

唯「じゃあね~」スリスリ

澪「明日な」

律「じゃあなー」

梓「明日です」

ガチャ

紬「・・・」

バタン

斉藤「それでは失礼致します」ペコリ

バタン

ブオオオオオオ



241 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/02(金) 21:53:30.65 ID:qmEGUPh0o


―――――公園

キィコキィコ

和「・・・」

姫子「ブランコに乗るなんて・・・何年ぶりだろ」

和「私は中学以来ね」

姫子「唯と?」

和「そう・・・、とっても楽しそうに漕いでいたわ」

姫子「想像つくな」

和「想像したとおりよ、きっと」

姫子「クスクス」

和「・・・」

キィコキィコ

姫子「・・・」

和「・・・高くはこげないわね」

姫子「うん・・・格好とか・・・軽さ・・・とか、色々ね」

キィコキィコ

和「姫子はいつ以来?」

姫子「・・・小学校4年生以来」

和「やけに具体的ね」

姫子「・・・ちょっとトラウマがあってね」

和「そう・・・」

姫子「でも・・・そのトラウマも今では懐かしく感じて・・・くすぐったい」

和「・・・そう」

姫子「うん・・・そう・・・」

和「・・・」

キィコキィコ

姫子「聞かないの?」

和「・・・なにがあったか?」

姫子「・・・そう」

和「言っちゃなんだけど、興味ないわ」

姫子「ふふっ・・・和ってこんなに面白い事言う人だっけ?」

和「さぁ・・・。面白い事言ったつもりもないんだけどね」



242 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/02(金) 21:54:43.53 ID:qmEGUPh0o


姫子「充分面白いよ・・・。なんていうか、キャラが濃くなった」

和「薄かったの?」

姫子「唯のキャラが濃いでしょ?和は黒子って感じだから」

和「なによそれ」

姫子「・・・さぁ」

和「変なの」

姫子「変だねぇ」

キィコキィコ

和「・・・」

姫子「・・・」

和「私も変わっていたのかもね」

姫子「・・・」

和「・・・うん」

姫子「あ、勝手に納得した」

和「思い当たる節があったからよ」

姫子「・・・そう」

和「うん・・・そう・・・」

姫子「・・・」

和「・・・」

キィコキィコ

姫子「言わないの?」

和「どうして?」

姫子「言いたそうな雰囲気だから」

和「ふふっ、どうかしらね」

キィーコキィーコ

姫子「そんなに漕いでいいの?」

和「少しなら平気よ」



243 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/02(金) 21:55:47.25 ID:qmEGUPh0o


キィーコキィーコ

姫子「・・・そろそろ聞かせてくれる?」

和「私のキャラが濃くなった理由?」

姫子「ううん・・・どんな旅をしてきたのか・・・かな」

和「・・・」

姫子「あ、興味が無いわけじゃ」

和「ふふ、答えは一緒よ」

姫子「?」

和「姫子の質問の答えが私のキャラが濃くなった理由」

姫子「・・・」

和「私より、唯や澪の方が見てきた景色が多いんだから、そっちの方がいいんじゃない?」

姫子「そうなんだろうけど、中々機会がなくてね」

和「部室に行けばいいじゃない」

姫子「・・・けいおん部に?」

和「そうよ」

姫子「部外者だから、私は」

和「それを言ったら私も、憂も純も部外者ね」

姫子「そんな事ないと思うけど」

和「一緒よ。私たちも姫子も」

姫子「・・・」

和「・・・」

姫子「それじゃ・・・機会があれば・・・」

和「そう言っているうちは行かないわね」

姫子「う・・・」

和「・・・」

キィーコキィーコ

姫子「・・・トラウマと言っても・・・そんな深い傷ってわけじゃないし、恥ずかしい出来事でもないよ」

和「そう・・・それなら興味沸いたわ」

姫子「さすが唯の幼なじみだね」

和「どういう意味?」

姫子「懐が深い」

和「なによそれ、唯に失礼じゃない・・・」

姫子「ごめんごめん、そういう意味じゃなくてね」



244 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/02(金) 21:57:02.36 ID:qmEGUPh0o



ガサガサ

いちご「・・・」

唯「お・・・?」

いちご(聞き出してよ姫子・・・)

唯「?」



245 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/02(金) 22:03:03.72 ID:qmEGUPh0o


姫子「『旅』と『旅行』の違いってなに?」

和「・・・私なりの解釈で言うなら・・・旅行は目的地へ行く事ね。
  道中が目的地への想いであふれて、その事自体をそう呼ぶんじゃないかしら」

姫子「・・・」

和「よく『帰るまでが遠足です』っていうでしょ?」

姫子「うん」

和「家に辿り着いたらそこでお終い。それが旅行」

姫子「・・・」

和「旅は・・・自分自身が求める場所を探すって事かしら
  その場所に辿り着いたらそこでお終い。それが旅」

姫子「・・・」

和「自分の言葉で分からなくなったわね・・・短絡的だったかしら」

姫子「・・・うん、もうちょっと教えて欲しい」

和「そうね・・・。例えば、まだ見た事の無い自分自身を探していたとするでしょ?」

姫子「見た事の無い自分?」

和「そう・・・。澪がジェットコースターに乗ってはしゃいでいたりとか」

姫子「そんな事があったの!?」

和「・・・例えばよ。そんな澪がいたら、新しい澪って事になるわよね」

姫子「うん」

和「そんな自分に出会うことが、旅の終わりだったりするのよ」

姫子「・・・」

和「辿り着く場所を見つけること。それが旅となる・・・という事なんじゃないかしら」

姫子「『目的地へ行く』と『辿り着く場所を探す』は同じ意味みたいだけど?」

和「そうかしら、後者はそう簡単にはいかないと思うけど」

姫子「・・・どう・・・して?」

和「与えられる場所じゃないからよ」

姫子「・・・」

和「この説明で分からなかったら、私はまだ旅というものを分かっていないのよ」

姫子「私の経験・・・そのものが無いからじゃないの?」

和「どうかしらね。梓なら・・・説明ができそうだけど」

姫子「けいおん部の・・・」

和「えぇ・・・。あの子は出会ったたくさんの人を通して、むぎと一緒にいろんな景色をみてきたから」

姫子「・・・」

和「今の説明も、私たちが出会った人の、旅そのものを代弁しただけなのよ」

姫子「・・・そうなんだ」



246 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/02(金) 22:05:07.44 ID:qmEGUPh0o


ガサガサ

いちご(よく分からない・・・)

唯「・・・」ウンウン

いちご(・・・もうちょっと聞き出してくれないかな)

唯「いい事言ったよ和ちゃん」

いちご「ッ!?」ビクッ

唯「ん?」

いちご「い、いつからそこに・・・」ドキドキ

唯「さっきからだよ~」

いちご「気づかなかった・・・」ドキドキ

唯「あ・・・」

和「唯?」

姫子「・・・と、いちご?」

いちご「・・・」アセアセ

和「なにしてるのよ」

唯「聞き耳を立てていたんだよ」

姫子「・・・」

いちご「・・・そ、それじゃ」ビシッ

姫子「まって」

いちご「う・・・」

和「・・・どうしたの?」

唯「いちごちゃんが隠れていたから」

いちご「・・・」



247 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/02(金) 22:05:58.14 ID:qmEGUPh0o


姫子「・・・ちゃんと聞けばいいのに」

いちご「・・・」

和「?」

唯「なにを?」

姫子「けいおん部の雰囲気が変わった理由・・・かな」

いちご「・・・」

和「・・・」

唯「どゆこと?」

姫子「私は分かるからいいんだけどね」

いちご「・・・意地悪」

姫子「・・・」ニヤリ

和「私もよく分からないわね」

唯「説明するがいいよ!」

いちご「・・・仲良しグループから、なんていうか・・・その・・・」

姫子「芯のあるグループになったって感じかな」

和「そんな風に見えていたんだ・・・唯たちは・・・」

唯「でへへ」テレテレ

姫子(和って自分を客観的に見られないんだ・・・意外・・・)

いちご「・・・旅ってなに?」

姫子「和の話聞いてなかったの?」

いちご「・・・よく分からなかった」

唯「えぇ~、分かりやすかったよ~?」

和「それは当事者だからよ」

唯「そっか」ウッカリ



248 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/02(金) 22:07:23.25 ID:qmEGUPh0o


―――――夜・立花邸

「ふんふん♪」ガチャガチャ

姫子「・・・」

「おっと、いけねえ」ゴシゴシ

姫子「・・・」

「・・・で?」

姫子「・・・」

「どうしたんだよ、バイクのメンテナンスなんて興味あんのか?」

姫子「まぁね」

「・・・つまんねえだろ」

姫子「うん」

「なら邪魔すんなよ、俺の大事な時間なんだからな」

姫子「・・・」

「・・・」ガチャガチャ

姫子「・・・どのくらい乗ってるの?」

「今日はどうしたんだ?」

姫子「バイクに興味を持った・・・かな」

「へぇ・・・」

姫子「・・・」

「今のお前と同じ歳に出会った。・・・それだけなら邪魔」

姫子「乗ってどう変わった?」

「・・・景色が変わった」

姫子「・・・」

「怪我が増えた」

姫子「・・・」

「母さんと出会った」カァア

姫子「そういうのいいから」

「大事なとこだろ!」

姫子「年頃の娘にいう事かよ」

「じゃあ聞くなよ」

姫子「面白い?」

「やめとけやめとけ、どうせ続かねえよ」ガチャガチャ

姫子「・・・」ムッ

「俺の娘がバイクを放り出す、なんて見たくもねえ」ガチャガチャ

姫子「あっそ」



249 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/02(金) 22:09:03.23 ID:qmEGUPh0o


「そういうこった」ガチャガチャ

姫子「・・・じゃ頑張ってね」

「だが、興味を持つのは悪くないからな・・・そこの棚にある雑誌みてみろ」

姫子「?」

「いきなりバイクの本なんか読んでも面白くねえだろ」

姫子「あ、バレてた?」

「まぁな・・・」

姫子「古いなぁ・・・汚くない?」

「古いのは認めるが、汚くは無いぞ、17、18年前のものだが」

姫子「古・・・、・・・こんな雑誌持っていたんだ・・・」

「お前が興味示さなかっただけだ」

姫子「・・・どれ読めばいいの?」

「『心光展』特集ってのがあるはずだが・・・」

姫子「しんこうてん・・・ないよ?」

「こころ、ひかり、展示だ」

姫子「あ、あった・・・」

「20代前半のヤツがその写真部門でいい順位を取っててな」

姫子「バイク関係ないじゃん」

「そいつが見てきた景色が重要なんだよ・・・」

姫子「景色・・・」

「ん?」



250 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/02(金) 22:10:10.81 ID:qmEGUPh0o


姫子「その写真を撮った人も・・・バイクに乗っていたの?」

「いや・・・」

姫子「・・・」

「ただのカメラマンなんだがな・・・色々と旅をしていたみたいだ」ガチャガチャ

姫子「旅か・・・とりあえず読んでみるよ、ありがと親父」

スタスタ

親父「その写真をとったヤツのコメントを読んで
   俺もそいつと同じくらいの景色を見たいと思ったんだ」ガチャガチャ

シーン

親父「そのおかげでバイクとも出会えたわけなんだが」ガチャガチャ

シーン

親父「言わば・・・その雑誌があったから今の俺達がいるんだな」ガチャガチャ

シーン

親父「その写った人が、カメラマンの嫁さんという訳だが」ガチャガチャ

「一人で喋って・・・どうしたんですか」

親父「あれ、母さん・・・姫子は?」

母「いませんよ?」




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紬「いつかみた、あの大好きな、空の下で」#9月8日
[ 2011/10/11 22:22 ] クロス | 風雨来記 | CM(0)

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