SS保存場所(けいおん!) TOP  >  日常系 >  純「ジャズけん!!」##21

お知らせ

SS保存場所は移転しました。
現在けいおん!関連の更新はしていません。
今後更新するかは未定です。
SS保存場所






純「ジャズけん!!」##21 【日常系】


SS速報VIP(SS・ノベル・やる夫等々)@VIPServiseより

http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1288880446/

純「ジャズけん!!」##index




911 名前: ◆eXN6fvAgkw:2011/10/10(月) 00:57:59.08 ID:YxUUl4aAO

##21

顧問「兼部?」

純「はい」

顧問「ジャズ研と軽音部を?」

純「一応そのつもりなんですけど…」

顧問「ふぅ~ん……兼部ねぇ」

純「……」

顧問「受験はどうすんの?」

純「え?」

顧問「部活二つやるのはいいけどさ、春からは三年生なんだよ。勉強と両立できるの?」



912 名前: ◆eXN6fvAgkw:2011/10/10(月) 00:59:52.89 ID:YxUUl4aAO

純「勉強は……その……」

顧問「……」

純「なんとかなります!」

顧問「ダメ。ちゃんと考えてこい」

純「えぇ~……」

顧問「お前は知らないかもしれないけど、三年生ってのは色々大変なんだよ」

顧問「講習とか講習とか……あと講習とか」

純「口臭は良い匂いしますよ? 私」

顧問「ニンニクくさいよ」

純「えぇっ!?」

顧問「とにかく、どうするかはもう一度ちゃんと考えてくること。分かった?」

純「はぁ~い……」

純「なんか先生に初めて先生っぽいこと言われた気がします」

顧問「今まであたしのこと何だと思ってたんだい」



913 名前: ◆eXN6fvAgkw:2011/10/10(月) 01:01:20.92 ID:YxUUl4aAO

――2年1組

憂「あれ、純ちゃんは?」

梓「職員室に行くって。なんか部活の先生に話があるとかで」

憂「そうなんだ」

梓「私もちょっと行ってくるね」

憂「梓ちゃんも職員室?」

梓「ううん、軽音部。先輩達に呼ばれて」

憂「そういえばお姉ちゃん達来てるんだっけ」

梓「三年生は今日授業ないのにね」

憂「よっぽど部活が好きなんだ」

梓「たぶんお茶飲んでるだけだと思うけど……」

梓「そうだ、憂も一緒に行く?」

憂「いいの? じゃあ、行こっかな」



914 名前: ◆eXN6fvAgkw:2011/10/10(月) 01:02:17.62 ID:YxUUl4aAO

――軽音部 部室

律「おっ、来た来た」

梓「どうしたんですか、急に呼び出して」

憂「こんにちは~」

唯「あっ、憂も来てくれたんだ!」

律「まぁとりあえず座りなって」

紬「二人とも、お茶飲む?」

梓「さすがに時間がありませんよ」

澪「梓を呼ぼうって言い出したのは律だろ?」

律「そうそう、大事な話があってさ」

梓「大事な話? なんですか?」

律「えーと、忘れた」

梓「もう少し思い出す努力をしてくださいよ…」



915 名前: ◆eXN6fvAgkw:2011/10/10(月) 01:03:34.38 ID:YxUUl4aAO

律「なんだっけ。結構重要な話なんだけどなぁ……」

唯「まぁまぁりっちゃんりっちゃん、
  いいじゃないですかそんなことは。とりあえずゆっくりしましょうよ」

律「そうですわね」

梓「もう教室戻りますよ私」

唯「えーまだいようよ~!」

梓「授業に遅れちゃいます」

梓「放課後になったらまた来ますから、お茶はその時でいいじゃないですか」

唯「あっ、放課後は私たち部室にいないよ」

梓「え?」

唯「実は今新曲の練……」

紬「わ、わー!!」

律「あっ、あんなところに空飛ぶカップ焼きそば!!」

唯「えっ、どこどこ!?」

澪「なんでカップ焼きそばなんだ…」

律「いや、UFOつながりで」



916 名前: ◆eXN6fvAgkw:2011/10/10(月) 01:05:15.20 ID:YxUUl4aAO

梓「みなさん……どうしたんですか?」

澪「いや! な、なんでもないんだあはは!」

梓「?」

律「と、とにかく放課後は私はいないってことで、よろしく!」

梓「は、はぁ…」

憂「梓ちゃん、そろそろ」

梓「あっ、うん。じゃあ私たちは戻ります。
  律先輩、大事な話を思い出したらちゃんと連絡くださいね」

律「はーい」

梓「それじゃあ」

憂「失礼します」

ガチャッ、バタン

律「……ふぅ」

澪「唯、気をつけてくれ。梓には内緒なんだから」

唯「反省します!」



917 名前: ◆eXN6fvAgkw:2011/10/10(月) 01:06:30.79 ID:YxUUl4aAO

・・・・・

梓「はぁ…まったく、何だったんだろう」

憂「お姉ちゃんたち、楽しそうだったね」

梓「楽しそうというか、いつもと変わらないというか……」

憂「そんな軽音部だから、良いんじゃないかな」

梓「…結局、私が一年の時から何にも変わってない気がするなぁ」

憂「そういえば、大事な話ってどんな話だったんだろうね」

梓「律先輩のことだから、どうせ大した話じゃないと思うよ」

梓「それより今日は先輩たちいないから部室で練習しよっか」

憂「うん、分かった」

梓「純にも言っておかないと」



919 名前: ◆eXN6fvAgkw:2011/10/10(月) 01:08:20.51 ID:YxUUl4aAO

放課後
――生徒会室

生徒会長「それでは、部長会を始めたいと思うんですが……軽音部の部長は?」

「たぶん連絡が行き届いてないんだと思います」

生徒会長「…仕方ないので、軽音部抜きで始めたいと思います」

生徒会長「去年から音楽系の部活の人たちから要望があった、講堂での練習の許可についてですが」

生徒会長「学校側から許可をもらえたので、今年度の春から使用してもいいそうです」

生徒会長「なお使用にあたっては部の実働実績などを考慮して、各部活ごとに優先順位をつけたいと思います」

生徒会長「具体的には吹奏楽部、合唱部、ジャズ研という形で…」


部長「……」 



920 名前: ◆eXN6fvAgkw:2011/10/10(月) 01:10:44.80 ID:YxUUl4aAO

――2年1組

純「はぁ~」

純(そんなにニンニクくさいかなぁ…確かにお昼はガーリックトースト食べたけど)

梓「純」

純「ぎゃっ!?」

梓「……どうしたの口おさえて」

純「別に…そういえば、なんか変なにおいしない?」

梓「え? しないけど」

純「そう、私も全然そんなにおいしないけど」

梓「?」

純「ところで、どうしたの?」

梓「今日の放課後は部室が空いたから練習を…」




後輩C「……」ジーッ



921 名前: ◆eXN6fvAgkw:2011/10/10(月) 01:11:59.33 ID:YxUUl4aAO

梓「……」

純「梓?」

梓「純……あの子、ジャズ研の子だよね?」

純「え?」






後輩C「……」ジーッ



922 名前: ◆eXN6fvAgkw:2011/10/10(月) 01:14:13.28 ID:YxUUl4aAO

純「ほんとだ、あんなところで何やってるんだろ」

純「おーい」



後輩c「!!」

後輩c「……」アタフタ

後輩c「……」ササッ


純「あれ…行っちゃった」

梓(隠れるのおそ……)

梓「なんか…最近あの子のことよく見かけるんだよね」

梓「気づいたら後ろにいるっていうか…」

純「ふーん……なんでだろ?」

梓「……」

梓(そういえば…)

後輩c『純先輩を私から奪わないでください!!』

梓「……」

梓(結局あれは一体どういう意味だったんだろう)



923 名前: ◆eXN6fvAgkw:2011/10/10(月) 01:15:15.66 ID:YxUUl4aAO

梓「う~ん…」

梓(私から純先輩を…私から…純先輩を私から……)

梓(私から…私の…私の純先輩……私の?)

梓(私の純先輩!?)

梓(えっ、いやいやいやまさかまさかまさか)

梓(そんな危なげな関係!?)

純「なに?」

梓「ぜ、全然なにも! 変なこと考えてないよ!?」

純「?」

梓(まさかね…純のことだしそんなわけないか)



924 名前: ◆eXN6fvAgkw:2011/10/10(月) 01:16:43.77 ID:YxUUl4aAO

・・・・・

後輩C「はぁ……」

後輩C(どうしよう…なんて言い出せば……)

部長「こんにちは」

後輩C「ひっ!?」

部長「あっ…ごめんなさい。驚かしちゃった?」

後輩C「ぶ、部長…」

部長「こんな所でどうしたの? ここ、二年生の教室よ」

後輩C「いえ…す、すいません。もう戻ります……」

部長「?」



925 名前: ◆eXN6fvAgkw:2011/10/10(月) 01:18:05.70 ID:YxUUl4aAO

・・・・・

純「そういえば梓、なにか話があるんじゃないの?」

梓「あっ、そうだ。あのさ純、今から…」


部長「こんにちは、中野さんはいますか?」


梓「え?」

部長「あっ、いたいた。よかった、帰ったんじゃないのね」

純「あれ、どうしたの?」

部長「ちょっと中野さんに用事があって」

梓「あの…えっと……?」

純「あぁ、まだ紹介してなかったっけ。この子はジャズ研の部長」

部長「よろしくね、中野さん」



926 名前: ◆eXN6fvAgkw:2011/10/10(月) 01:20:14.20 ID:YxUUl4aAO

梓「ど、どうも…」

純「それで、梓に用事って?」

部長「中野さん、今日部長会議があったの知ってた?」

梓「えっ!? ぶ、部長会議?」

部長「やっぱり知らなかったんだ」

梓「で、でも部長は律先輩で私はまだ…」

部長「軽音部の先輩達はまだ引退してないの?
   普通この時期なら三年生とっくに引退して二年生が部長をやってるはずなんだけど」

梓「それは…」

梓(ていうか、律先輩の大事な話ってまさかこれ…?)

純「まぁまぁ、軽音部は特殊なんだって」

部長「じゃあ中野さんはまだ部長じゃないってこと?」

梓「ご、ごめんなさい」



927 名前: ◆eXN6fvAgkw:2011/10/10(月) 01:21:57.43 ID:YxUUl4aAO

部長「別に謝らなくても。そういうことなら全然構わないし」

部長「それと、部長会の資料は渡しておくね。
   どのみち春からは世代交代するんだし、中野さんも目を通しておいてね」

梓「うん。ありがとう」

部長「そういえば…軽音部って春から中野さん一人になっちゃうんだっけ」

梓「そう…だけど」

部長「大変そう…。もし私でも力になれることがあれば、遠慮なく相談してね」

梓「あ、ありがとう」

部長「それじゃあ、私はこれで」

純「ばいば~い」



928 名前: ◆eXN6fvAgkw:2011/10/10(月) 01:22:58.82 ID:YxUUl4aAO

梓「……なんか、すごいしっかりした人だね」

純「まぁね。信用もあるし実力もあるし優秀な部長だよ」

梓「部長、かぁ…」

純「心配しなくても、梓はあんなしっかりした部長にはなれないから安心して!」

梓「じゅーんー、それはどういう意味?」

純「お、怒らない怒らない。部長にだって色んな種類がいるでしょって話」

純「例えば律先輩と去年のジャズ研の部長だって全然違うタイプだったし。その前の年の部長だって…」

純「とにかく色んな部長がいるんだから、梓は梓らしくドジしたりちょっとぬけた部長になればいいの」

梓「バカにしてる?」

純「なっ…私の適切なアドバイスをそんな風に捉える!?」



929 名前: ◆eXN6fvAgkw:2011/10/10(月) 01:25:27.57 ID:YxUUl4aAO

梓「……別に自信がないわけじゃないよ」

梓「頭でだって分かってる。春からは私が部長なんだって、私が部活を引っ張るんだって…分かってるもん」

純「そのわりには明るさが足りないじゃん」

純「これから新しい学校生活が始まるんだから、前向きにパァーッと考えないと!」

梓「純は私のことバカにしてるのか励ましてるのか」

純「梓のことバカにするわけないでしょ。私は、いつだって梓の味方だよ」

梓「えっ…」

純「あっ、そうだ。私これから用事があるんだった」

純「というわけで先に帰るね。ばいばい」

梓「う、うん。ばいばい」

梓「……」

梓(練習のこと言い忘れたけど……まぁいっか)



930 名前: ◆eXN6fvAgkw:2011/10/10(月) 01:26:53.21 ID:YxUUl4aAO

・・・・・

カチカチ

純「よし、メール送信っ」

カチッ

純「さてと……」

同級生「じゅーん」

純「あっ」

同級生「どこ行くの? 帰んの?」

純「あれ……待ってたの?」

同級生「純の教室行ったけどなんか良い雰囲気だったから入れなくて…」

純「?」

同級生「ねえ、帰るんだったら今日は一緒に帰ろうよ」

純「帰るっていうか…」

同級生「違うの?」

純「これからセンパイのところに行こうと思ってるの」



931 名前: ◆eXN6fvAgkw:2011/10/10(月) 01:27:59.91 ID:YxUUl4aAO

・・・・・


後輩c「……はぁ」

後輩c(なにやってるんだろう私……中野先輩になんて言えば)

後輩c(とにかく謝らなきゃ…この前変なこと言っちゃったし)

後輩c(純先輩のことだって私の勘違いだろうし……)

後輩c「……」

後輩c(でも怒ってるかな…中野先輩)

後輩c(なんて言い出せばいいんだろう…なんて…)

後輩c(こういう時、純先輩だったら……)

後輩c「……」



932 名前: ◆eXN6fvAgkw:2011/10/10(月) 01:29:30.16 ID:YxUUl4aAO

――軽音部 部室

憂「純ちゃんは?」

梓「用事があるんだって。だから今日は私と憂だけ」

憂「そっかぁ…」ソワソワ

梓「どうしたの?」

憂「へ? べ、別に?」

梓「?」

憂(兼部のこと、純ちゃん大丈夫かなぁ)

憂(無理してなければいいけど……)

梓「それにしても…私と憂だけだと部室もなんだか広く感じるね」

梓「いつもは先輩達がいて騒がしいけど、今日は平和だなぁ」

憂「でも、ほんとは寂しいんじゃない?」

梓「べ…別にそういうわけじゃ……」

梓「あっ、そうだ! トンちゃんにエサあげないと」

憂「トンちゃんもいれたら、私三人になるね」

梓「トンちゃんは人間じゃないけど…まぁいっか」

梓「はいトンちゃん、ご飯だよ」

トンちゃん「……」プカプカ



933 名前: ◆eXN6fvAgkw:2011/10/10(月) 01:32:26.32 ID:YxUUl4aAO

憂「可愛いね~。そういえばなんで学校でトンちゃんを飼うことになったの?」

梓「なんだっけ、確か……」

梓「先生のギターを売ったお金で何か買おうってことになって、唯先輩がトンちゃんを選んだの」

梓「私の後輩だ、とか言って」

憂「あはは、お姉ちゃんらしい」

梓「まったく、唯先輩ってば…」

憂「でもお姉ちゃんなりに梓ちゃんのことを気にかけてたんじゃないかな」

梓「うん…わかってる」

憂「…やっぱり、新入部員は入って欲しかった?」

梓「……どうだろ。去年も軽音部は楽しかったし」

梓「だけど……もし後輩が入部してたら、どうなっていたんだろうって何回か考えたことはある」

梓「私はちゃんとした先輩になれるのかなぁ……とか」

憂「梓ちゃんならなれるよ。お姉ちゃんも梓ちゃんは教え方が上手いって言ってたし」

梓「……正直、純のことがちょっと羨ましい」

憂「純ちゃんが?」

梓「後輩や同学年の子と楽しそうにしているところを見ると…ついそう思っちゃう」

梓「だから…先輩達には卒業してほしくないなんて考えて……」

憂「……」

梓「でも、そんなの無理に決まってるのにね。ごめんね変な話して」

憂「梓ちゃん、大丈夫だよ」

梓「え?」

憂「軽音部は絶対になくなったりしないから」

梓「憂……うん、ありがとう」

梓「さてと、そろそろ練習始めよっか」

憂「うんっ!」



934 名前: ◆eXN6fvAgkw:2011/10/10(月) 01:34:08.68 ID:YxUUl4aAO

梓「それじゃあとりあえず音合わせを……」

梓「!!」ピクッ

憂「梓ちゃん?」

梓(この視線は…!)



後輩c「……」ジーッ



梓(やっぱりいた!?)



後輩c「!!」

後輩c「……」アタフタ

後輩c「……」ササッ



梓(そして隠れるのが相変わらず遅い…)



935 名前: ◆eXN6fvAgkw:2011/10/10(月) 01:35:34.69 ID:YxUUl4aAO

憂「あの子は…?」

梓「ジャズ研の子なんだけど…最近、気づいたらなぜか私のあとを追ってきて」

憂「梓ちゃんのファンだったりして」

梓「それは…ないと思うけど」

梓(なんで私の後についてくるんだろう……なにが目的?)

梓(なんか私悪いことしたかなぁ……)

梓「…――って憂? あれ!?」




憂「こんにちは!」

後輩c「あっ……」




梓(いつの間に!?)



936 名前: ◆eXN6fvAgkw:2011/10/10(月) 01:37:30.83 ID:YxUUl4aAO

憂「梓ちゃんに、何か用があるの?」

後輩c「え…えぇっと……あの……」

後輩c「ご、ごめんなさい……私……」

憂「とりあえず中に入らない? せっかくなんだしちょっとだけお話ししよ?」

後輩c「ぁっ…ぇっ…」

梓「……」ジーッ

後輩c(ひっ!?)

後輩c(に、睨まれてる……怒ってる……)

後輩c(怒られる…絶対)ブルブル

梓(純の後輩…なんか色々と勘違いしてるみたいだし、ちゃんと話をしておかないと)



937 名前: ◆eXN6fvAgkw:2011/10/10(月) 01:38:50.58 ID:YxUUl4aAO

憂「はい、ここに座って」

後輩c「……」オドオド

梓「……」

憂「お茶は……あっ、あった!」

憂「お姉ちゃんたちが午前中に使ってたやつまだあったよ。これ飲もっか」

梓「う、うん」

梓(なぜかお茶会になってしまった…)

後輩c「……」

梓「あ、あの~」

後輩c「!!」ビクッ

梓「そ、そんな怖がらないで。何もしないから…」



938 名前: ◆eXN6fvAgkw:2011/10/10(月) 01:40:04.26 ID:YxUUl4aAO

後輩c「すっ、すすすいません」

梓「えっと……」

後輩c「……」

梓「……」

後輩c「……」

梓「……」

梓(なんかもう……なんて言えばいいんだろう)

憂「はい、お茶できたよ。お菓子もあるからみんなで食べよっか」

梓「あっ…憂」

梓(練習は……しょうがないか)



939 名前: ◆eXN6fvAgkw:2011/10/10(月) 01:41:51.70 ID:YxUUl4aAO

憂「はいどうぞ」コトッ

後輩c「ぇ? あっ、ありがとう…ございます…」

梓「あはは、おかしいよねこんな所にティーセットがあるなんて」

梓「なんていうか…先輩達が勝手に置いてて」

後輩c「……」

梓「まぁその……あんまり気にしないでね」

後輩c「は…はい」

憂「私は憂。軽音部じゃないけど今日は梓ちゃんのお手伝いで来てるの」

後輩c「は、はぁ」

憂「純ちゃんの後輩なんだよね? ベース弾いてるの?」

後輩c「はい…」

憂「あっ、紅茶飲める? このお菓子好き?」

後輩c「はい…」

梓「……」



940 名前: ◆eXN6fvAgkw:2011/10/10(月) 01:43:25.54 ID:YxUUl4aAO

後輩c「……」

憂「おかわりが欲しかったら、遠慮なく言ってね」

後輩c「あ、ありがとうございます…」

梓「……」

後輩c「……」

梓(なんか緊張してるみたいだし…少し落ち着いてから話を切り出した方がいいかも)

梓(こういう時、先輩達なら…)

梓「そ、そういえばきみ可愛いよね」

梓「よかったらコレ着けてみない?」

後輩c「え…?」

梓「じゃーん、ネコミミ」

後輩c「……」

梓「ほら、こうやって頭に着けて」

梓「にゃーん! なんちゃって…」

後輩c「……」

梓「にゃー…」

後輩c「……」

梓「……」

後輩c「……」

梓(これは…逆に取り返しのつかない空気に……)



941 名前: ◆eXN6fvAgkw:2011/10/10(月) 01:44:29.52 ID:YxUUl4aAO

憂「あ…梓ちゃんかわいいー!」

梓「あ、ありがとう。でもやっぱり、初対面でネコミミは驚いちゃう…よね。あはは」

後輩c「い、いえ……」

梓「……」

梓(なにやってるんだろう私…)

梓(というか、この子は何しにここに……)

後輩c「ぁの……私……」

後輩c「中野先輩に…謝りたくって……」

梓「え?」

憂「謝るって…?」

後輩c「この前…中野先輩に失礼なことを……」

梓「この前って」

後輩c『純先輩を私から奪わないでください!!』

梓(あれか…)

憂「なにがあったの?」

梓「う、ううん……そんな大したことじゃないんだけど」



942 名前: ◆eXN6fvAgkw:2011/10/10(月) 01:45:53.63 ID:YxUUl4aAO

後輩c「私…思い込みが激しくて。あの時は、中野先輩のこともよく知らないのに……ついカッとなって……」

梓「えっと…その…?」

梓「……」

後輩c「……」

梓「憂、ごめん。ちょっとだけ席外してもらえる?」

憂「え?」

梓「この子と二人だけで話したいの」

後輩c「……」

憂「うん…分かった。じゃあ私は出てるね」

梓「ごめんね」

憂「ううん、話が終わったら呼んでね」

ガチャッ、バタン

梓「さてと…」

後輩c「……」



943 名前: ◆eXN6fvAgkw:2011/10/10(月) 01:47:13.29 ID:YxUUl4aAO

梓「こうやって二人で話すのって初めてだよね」

後輩c「は、はい…」

梓「……謝りたいって言ってたけど」

後輩c「ご、ごめんなさい。本当にごめんなさい」

梓「そ、そこまで謝らなくてもいいから」

梓「それよりなんでこの前あんなことを言ったのかが…気になるんだけど」

後輩c「あれは……その……」

後輩c「純先輩と一緒に練習できる…中野先輩が羨ましくて……」

梓「え?」

後輩c「私なんて…部活以外で純先輩と一緒に練習なんて、あんまりできないのに…」

後輩c「でも中野先輩は…軽音部なのにたくさん練習できて……」

後輩c「それが羨ましかったんです……」

梓「……」

後輩c「そのうち…だんだんと中野先輩に嫉妬しちゃって」

後輩c「このまま、純先輩が中野先輩に取られちゃうんじゃないかと思って…」

後輩c「それで……純先輩、ジャズ研辞めて軽音部に入るんじゃないかって不安になり始めて…」



944 名前: ◆eXN6fvAgkw:2011/10/10(月) 01:48:44.64 ID:YxUUl4aAO

梓「そ、そんな話は聞いてないけど? 私はただ、練習の手伝いをお願いしただけで……」

後輩c「知ってました…純先輩も頼まれただけって言ってましたし」

後輩c「けど…考え出すと悪い方ばっかりに考えて…」

後輩c「どうしても嫌だったんです…純先輩がいないのが。だから…それで……」

梓「……」

後輩c「本当に…ごめんなさい」

梓「そ…そうだったんだ」

梓(この子、そんなに純のこと……)

後輩c「……」

梓「し、心配しないで。純がジャズ研やめることなんてないから」

梓「むしろ三年になったらレギュラーになれる、とか言ってやる気出してたし」

後輩c「ほ、本当ですか…?」

梓「うん。だって、二年間も部活やってたら辞めたいなんて思わないでしょ?」

梓「私だって、三年生になっても軽音部のままでいたいし……」

梓「…純もジャズ研にいたいと思ってるよ」



945 名前: ◆eXN6fvAgkw:2011/10/10(月) 01:50:05.99 ID:YxUUl4aAO

後輩c「純先輩も……」

梓「それにしても、純にすごい憧れてるんだね…」

後輩c「は、はいっ」

梓(まさか純にこんな後輩がいたとは…)

後輩c「私…今まで部活とかやったことなくて…」

後輩c「友達も…少なかったし」

後輩c「けど、高校に入って純先輩と会って…私、変われたんです」

後輩c「毎日毎日がすごく楽しくて…ベースも、大好きになって」

梓「……」

後輩c「だから…純先輩のこと……」

梓「私も、その気持ちはなんとなく分かるかな」

後輩c「え?」

梓「私自身、変われたかどうかは分からないけど…先輩達のおかげで今の私がいるのは確かだし」

梓「本当は…このまま卒業してほしくない」

後輩c「……」

梓「そんなことは無理だって分かってるんだけどね。分かってるんだけど……でもどうしても納得できなくて」

梓「先輩達に安心してほしいのに、私一人でも軽音部は大丈夫って言いたいのに」

梓「先輩達がいなくなるって考えただけで…不安になって」

梓「……本当はこのままじゃダメなのにね」



946 名前: ◆eXN6fvAgkw:2011/10/10(月) 01:51:27.94 ID:YxUUl4aAO

後輩c「……」

梓「あっ…なんか変な話になっちゃったね」

後輩c「いえ…そんなことないです」

後輩c「むしろ共感できたっていうか…」

後輩c「私、ここに来たら怒られると思っていたから…中野先輩のそういうお話が聞けてよかったです」

梓「そんな…怒ったりなんかしないよ」

後輩c「でも、軽音部って変な人たちの集まりのイメージがあって…」

後輩c「ライブ中にパンツを見せつけたり、学校に持ち込んじゃいけないものをたくさん持ってきたりとか噂が…」

梓「……」

梓(否定はできない…ていうか今ティーセット使ってるし)

後輩c「あ…だ、だけど中野先輩は違ってました。優しいんですね、中野先輩って」

梓「!!」

梓「そ…そうかなっ」

後輩c「はいっ」

梓(なんか照れちゃう…)

梓「と、とりあえず誤解は解けたみたいだし、もう大丈夫かな?」

後輩c「あ…は、はい。すみませんでした」



947 名前: ◆eXN6fvAgkw:2011/10/10(月) 01:53:31.17 ID:YxUUl4aAO

梓「ううん、大丈夫。ちょっとした誤解だもん」

梓「私ももう気にしてないから」

後輩c「あ、ありがとうございます」

梓「それにしても純ったら、もう少しちゃんと説明していればこんな事は起きなかったのに」

後輩c「純先輩は悪くないんです…私のせいで」

梓「でも純って適当なところがあるでしょ? そういうとこで結構苦労したりしない?」

後輩c「そ、そんなことはありません! 純先輩はしっかりしていて真面目な人です」

梓「えっ…うそ」

後輩c「練習はちゃんとやってますし、ベースも上手いですし、たまに面白い話もしてくれますし」

後輩c「とっても尊敬できる先輩です」

梓「……それ、本当に純のこと?」

後輩c「はいっ」

梓「本当に?」

後輩c「そうです!」

梓(一体ジャズ研ではなにが……)



948 名前: ◆eXN6fvAgkw:2011/10/10(月) 01:54:39.05 ID:YxUUl4aAO

梓「純のこと…そんなに尊敬してるんだ」

後輩c「はい、純先輩は最高ですっ!」

梓(純の話になったらとたんに嬉しそうに……なんというか、珍しい子)

後輩c「今日は…ここに来てよかったです」

後輩c「軽音部のことや、中野先輩のこともよく分かりましたし……ちょっと納得しました」

梓「え…?」

後輩c「純先輩が中野先輩の手助けをする気持ち…なんとなく分かるようになったんです」

後輩c「もし私も中野先輩と同じ立場だったら…純先輩がいてくれると、嬉しいですし」

梓「……」

後輩c「だから…純先輩のこと、よろしくお願いします」

梓「え? あ、は、はい!」



949 名前: ◆eXN6fvAgkw:2011/10/10(月) 01:55:43.99 ID:YxUUl4aAO

後輩c「じゃあ私…もう帰ります。お騒がせしてすいませんでした」

梓「う、うん…」

梓「……」

梓「あっ…やっぱりちょっと待って」

後輩c「へ?」

梓「もしよかったら、私たちの演奏聴いていかない?」

後輩c「え、演奏ですか…?」

梓「うん、感想とか聞いてみたいし…いい?」

後輩c「あ…は、はいっ」

梓「よかった。じゃあちょっと待ってて、今準備するから」

梓(なんていうか…この子には親近感がわくなぁ)

梓(もうちょっと話してみたいかも)

梓(それにしても純にこんな慕ってくれる後輩がいるなんて……奇跡だ)

梓「よし、それじゃあ今から演奏を…」

ガチャッ

憂「梓ちゃん、まだー?」

梓「あっ…忘れてた!!」



950 名前: ◆eXN6fvAgkw:2011/10/10(月) 01:56:54.12 ID:YxUUl4aAO

・・・・・

同級生「ねー純」

純「なに?」

同級生「ほんとに兼部するの?」

純「うん」

同級生「…急すぎ」

純「やっぱり?」

同級生「やっぱりじゃないよ。なんなの突然」

純「だってそれしか思い付かなかったし…」

同級生「ほんまでっか」

純「ほんまです」

同級生「……」

同級生「ねーひとつ聞きたいんだけど」

純「なに?」

同級生「もし新入生が二人入ったら、軽音部は存続できるんでしょ?
     そしたら純は必要なくなるんじゃないの」



951 名前: ◆eXN6fvAgkw:2011/10/10(月) 01:57:53.86 ID:YxUUl4aAO

純「……」

同級生「人数足りたら純がいなくても大丈夫じゃん。そうなったら純は兼部やめる?」

純「……うーん」

純「ていうかさ、逆に人数がそろわなくて廃部になるって可能性もあるよね」

同級生「やっぱり兼部なんてやめた方がいいんじゃない?」

純「…私が兼部するのいや?」

同級生「いや」

純「いや?」

同級生「いや」

純「……どうして?」

同級生「ジャズ研の方に集中してほしいから」

純「……そっか」

同級生「……」

純「嫌よ嫌よも好きのうちって?」

同級生「いや」

純「さいですか…」



952 名前: ◆eXN6fvAgkw:2011/10/10(月) 01:58:46.62 ID:YxUUl4aAO

同級生「……」

純「……」

純「……どーしてもいや?」

同級生「いーやーだ!」

同級生「なんで純じゃなきゃいけないの?
    人数の埋め合わせだったら部活やってない適当な人にでも頼めばいいじゃん」

純「そういうんじゃなくて…」

~♪

純「あっ…センパイからメール来た」

純「……あちゃ、今日は用事があって会えないんだって」

同級生「何しに会いに行くつもりだったの」

純「兼部のこと相談しようかなーって」

同級生「センパイだって絶対反対するよ」

純「……そう?」



953 名前: ◆eXN6fvAgkw:2011/10/10(月) 01:59:44.55 ID:YxUUl4aAO

同級生「そうだよ」

純「……う~ん」

同級生「ね、兼部やめよ? 部活二つもやってたら自分の時間なくなっちゃうよ?」

純「むむむ……あっ」

同級生「どうしたの?」

純「お腹すいちゃった」

同級生「こんな時になに……」

グゥ~

同級生「……」

純「……」

同級生「…ミートゥー」



954 名前: ◆eXN6fvAgkw:2011/10/10(月) 02:00:49.83 ID:YxUUl4aAO

――MAXバーガー

純「ねぇ、さっきの話なんだけど」

同級生「却下」

純「まだなんにも言ってないし」

同級生「どうせ兼部のことでしょ? なに言ったって私は認めないから」

純「そんなブーたれないでよ。ポテトあげるから」

同級生「ポテトごときじゃ私は動かないのだ。でも一応もらっておきます」

純「はい、あーん」

同級生「あー」モグモグ

純「で、どうしたら納得してくれる?」

同級生「聞こえませーん」

純「私のポテト食べたくせに…」

同級生「一本だけじゃん」

純「二本あげたら納得してくれるの?」

同級生「二本だけじゃ私は動かないけど一応もらっておきます」



955 名前: ◆eXN6fvAgkw:2011/10/10(月) 02:02:04.62 ID:YxUUl4aAO

純「……はぁ」

同級生「……」モグモグ

純「どうすればいいんだろ、私」

同級生「兼部しなきゃいいじゃん」

純「そういうわけにもなぁ…約束しちゃったし」

同級生「…そんなに行きたいの? 軽音部」

純「え?」

同級生「別に私が認めないからって兼部できないわけじゃないんだから、
    やりたかったら勝手にやればいいじゃん」

同級生「どうせ純は身勝手なんだからさ」

純「むっ…なによその言い方」

同級生「……」

純「…ねえ、なんでそこまで否定的なわけ?」

同級生「……本当は私だってジャズ研やめないんだったら兼部したっていいと思う」

同級生「でも…話が急すぎてなんか納得できないよ」



956 名前: ◆eXN6fvAgkw:2011/10/10(月) 02:03:48.41 ID:YxUUl4aAO

純「そっか…」

同級生「……」モグモグ

純「やっぱ急すぎかぁ…」

同級生「……」モグモグ

純「……」

同級生「……」モグモグ

純「…食べすぎ、ポテト」

同級生「これはね、復讐なんだよ純」

純「は?」

同級生「この前――…」

純『なにそれ、ショートケーキ?美味しそう』

同級生『いいでしょー。有名店行って並んで買ったの』

純『へー美味しそう。なんかすごい美味しそう』

純『食べたらすごい幸せになれそう』

同級生『……一口食べる?』

純『あっ、いいの? じゃあお言葉に甘えて……』

バクッ!!

同級生『!?』

純『う~ん…うまうま』モグモグ

同級生『ひ、一口どころか半分以上……!?』

同級生『純!!!』

純『お、落ち着いて。これあげるから』

同級生『なにこれ……飴?』

純『さっき私が食べた分のケーキを砂糖に変換すると、だいたいあめ玉5個ぐらいでしょ?』

純『ほら、その飴を食べればケーキを食べた分と同じ糖分を摂取したことになって、
  結果的にケーキを食べた満足感と同じに…』

同級生「ならないよ…」

純「……」

同級生「微塵たりとも、ならないよ!!」



957 名前: ◆eXN6fvAgkw:2011/10/10(月) 02:04:59.25 ID:YxUUl4aAO

純「……ところで兼部のことなんだけど」

同級生「あっ、話そらした」

純「そらしたのそっちじゃん。今ケーキ関係ないし」

同級生「関係なくても私の心には大きな傷痕が残ってるんだから!」

同級生「だいたい純はいつも勝手すぎ!今回だってそうじゃん!」

純「…すいません、反省します。じゃあポテト全部食べてよし」

同級生「当然っ」モグモグ

純「もう機嫌なおった?」

同級生「まあまあかな」

純「もう怒らない?」

同級生「しょうがないなぁ、まったく」

純「じゃあ兼部もオーケー?」

同級生「オッケー!」

同級生「ってなんでやねん」

純「ちぇ」



958 名前: ◆eXN6fvAgkw:2011/10/10(月) 02:06:21.41 ID:YxUUl4aAO

同級生「……」

純「……」

同級生「危うく騙されるところだった」

純「あんたほんと単純よね」

同級生「単純でいいもん。単純な方が世の中楽しく生きていけるってセンパイに言われたから」

同級生「けど単純でもバカでも、自分が納得できないことは受け入れたくない」

純「…どうしたら納得してる?」

同級生「……」

純「……さっき言われた通り、別にあんたに許可もらえなくたって兼部はできるよ」

同級生「っ…」

純「でも…私はもう三年生になるし、ちゃんとしなきゃいけない立場だって分かってる」

純「だからこそ、ジャズ研のみんなには納得してもらってから兼部したい」

純「当然…あんたにも」

同級生「……もう兼部することは決めたの?」

純「…うん」

純「多少は忙しくなるかもしれないけど、高校生最後の年だしね。やりたいことはやっぱりやっておきたいし」



959 名前: ◆eXN6fvAgkw:2011/10/10(月) 02:07:40.51 ID:YxUUl4aAO

純「……」

同級生「ねえ、本当に純じゃなきゃだめなの? 兼部するなら他の人でもいいんじゃない?」

純「……」

同級生「……」

純「……別に私じゃなくてもいいと思う」

同級生「だったら…!」

純「でも自分でよく考えてみたんだけどさ」

純「私が必要されるされないってことが重要なんじゃなくて…ただ、私が軽音部に入りたいだけ」

純「梓たちと一緒に、部活やりたいの」

同級生「…ジャズ研に入ってるのに?」

純「ジャズ研はジャズ研で大切な場所だもん」

純「練習は真面目にやるし絶対にやめたりはしない」

純「だけど軽音部にも入ってみたい。それだけ!」

同級生「……やっぱり純は勝手だなぁ」



960 名前: ◆eXN6fvAgkw:2011/10/10(月) 02:09:06.39 ID:YxUUl4aAO

純「だってそれしか思い付かないんだもん…」

純「ジャズ軽と軽音部、どっちが大事っていうか…どっちも大事なものだし比べようないじゃん」

同級生「……」

純「……」

同級生「…もう好きにすればいいよ。どうせ私がなに言ったって純には届かないんだ」

純「そんなことないない。ほら、ハンバーガー少しあげるから機嫌直し…」

同級生「はむっ」パクッ

純「食い付きはやっ!?」

同級生「……」モグモグ

純「そんながっついたら喉つまるよ?」

同級生「……」モグモグ

純「……」

同級生「……」

同級生「…もしレギュラー落ちたりしたら兼部やめてもらうから」

純「…うん、分かった」

同級生「部活にかまけて大学落ちたりしたら笑ってやるもんね」

純「進学の心配はどっちかというとあんたがした方がいいでしょ……この前のテストだってひどかったじゃん」

同級生「さ、三年になってからは本気出すもん!」

純「じゃあ私ももっと本気出そ」

純「ジャズ研も軽音部も余裕で両立できるくらいね」



961 名前: ◆eXN6fvAgkw:2011/10/10(月) 02:11:14.81 ID:YxUUl4aAO

同級生「でも本当に続くかなぁ…兼部」

純「なに言ってんの、私は一旦やると決めたら最後まで信念を貫き通す女なんだから」

同級生「あっ!!!」

純「な、なに?」

同級生「ねー純、軽音部ってさぁ…お菓子とかいっぱい持ってるんでしょ?」

純「え? うーん…どうなんだろう」

同級生「だったらさ、私にもちょっとおすそ分けとかあっても…」

純「…ははーん、そういうことね」

純「まったくしょうがないなぁ、余裕があったら持っていってあげる」

同級生「でへへ、そんじゃよろしく」

純「…さっきまであんな強く否定してたくせに、食べ物が絡んだだけでこうなる?」

同級生「だ、だってお菓子は食べたいし!」

同級生「それに…本当は前から軽音部に行きたがってたのは分かってたし」

純「え…?」

同級生「なんとなく、分かってた」

同級生(中野さんと楽しそうにしてるの見てると…)

同級生「だから、少しムカっときた」

純「?」



962 名前: ◆eXN6fvAgkw:2011/10/10(月) 02:12:39.37 ID:YxUUl4aAO

同級生「けどもういいや、純はしょうがないやつだし」

純「しょうがないやつってなによ」

同級生「…私も純の友達だから、純のこと応援してあげる」

純「…ありがとっ」

同級生「でもさ、ジャズ研のみんなを納得させるってどうするの? 一人一人に話すの?」

純「とりあえず、明日部長に話してみる。なんて言われるか分からないけど」

同級生「怒られるんじゃない?」

純「怒りはしないでしょ…たぶん」

純「でももし怒られたら私のこと庇ってね?」

同級生「怖いから知らんぷりする」

純「ひどっ!?」



963 名前: ◆eXN6fvAgkw:2011/10/10(月) 02:13:53.04 ID:YxUUl4aAO

翌日

純「というわけでやっぱり兼部することにしました!」

顧問「……」

純「兼部することにしました」

顧問「二回も言わないでいい」

純「一応念押しで」

顧問「それで受験の方は大丈夫なの?」

純「なんとかします!」

顧問「はぁ……もうすぐ三年生になるって分かってる?」

純「分かってます。だからこそ最後の最後でいいから軽音やりたいんです」

顧問「最後の最後ねぇ…」

純「……」

顧問「聞こえはいいかもしれないけど、楽じゃないよ?」

純「無理はしない程度にがんばります!」

顧問「ん…無理したら続かないからね」

純「じゃあ…!」

顧問「山中先生には私から言っておくから、後はあんたがなんとかしな」

顧問「それと、無理はしないからっていって適当なことはするんじゃないよ?」



964 名前: ◆eXN6fvAgkw:2011/10/10(月) 02:15:29.32 ID:YxUUl4aAO

・・・・・

同級生「ねえ、純が軽音部に兼部するって知ってる?」

後輩c「えっ…?」

同級生「あれ、聞いてない?知ってると思ってたんだけど」

後輩c「……いえ」

同級生「突然でびっくりするよね。まったく純ったら」

同級生「会ったらバカヤロー、って文句言っちゃってもいいよ」

後輩c「……」

同級生「あ……別にジャズ研の方はないがしろにするってわけじゃなくて、
    あくまで軽音部のお手伝いって感じで」

後輩c「……そうですか」

同級生「…あんまり責めたりしないであげてね。純も勝手なこと言ってるってことは分かってるし」

後輩c「……」



965 名前: ◆eXN6fvAgkw:2011/10/10(月) 02:17:21.80 ID:YxUUl4aAO

・・・・・

梓「純、ちょっといい?」

純「なに?」

梓「実は昨日部室にジャズ研の子が来て…」

純「?」

梓「…まぁ色々あったんだけど、それはともかく」

梓「ジャズ研の方は大丈夫?」

純「はい? なにそれ」

梓「いや…もしジャズ研の方が忙しかったら、こっちの練習は無理しなくてもいいから」

純「うん、わかった」

梓「……本当に大丈夫?」

純「別にジャズ研は今忙しくないけど」

梓「だったらいいけど…」

純「どうしたのよそんなこと聞くなんて。梓が心配することじゃないでしょ」

梓「ジャズ研の後輩の子に…純が軽音部に入るんじゃないかって誤解されちゃったみたいで」

純「へ?」

梓「だからその子にそんなことはないって言ってその場はおさまったんだけど、一応純からも説明しておいてね」

純「ど、どういうこと? なんでそんな話が…」

梓「純が最近軽音部に入り浸りだったから心配してたみたい。ダメだよきちんと話しておかなきゃ」



966 名前: ◆eXN6fvAgkw:2011/10/10(月) 02:19:22.63 ID:YxUUl4aAO

純「そ、そうなんだ…」

純(軽音部に入るのは本当だけど…今話すとややこしくなりそう)

純(ていうか、私が梓に気を使わせるとは……)

梓「それにしても、純にあんなにできた後輩がいるなんて」

純「なによ、おかしい?」

梓「少し感心した。面倒見いいんだね」

純「今さら気づいたか」

梓「ちょっとだけ純がうらやましいな。あんなに慕ってくれる子がいるなんて」

純「今日は梓が私を羨ましがる日? なんだか珍しいね。いつもは私が梓を羨ましがってるのに」

梓「それぐらい良い子だったの」

純「ふーん…なんの話してたの?」

梓「部活とか楽器とか…あと純のことも」

純「私のことなんて言ってた?」

梓「大好きで尊敬してるセンパイだって」

梓「思わずそれ本当に純のこと? って聞き返しちゃった」

純「こら」



967 名前: ◆eXN6fvAgkw:2011/10/10(月) 02:20:27.24 ID:YxUUl4aAO

梓「でもよかった、悪い子じゃなくて」

純「ジャズ研に悪い子はいませんから。私みたいに良い子ばっか」

梓「……」

純「そこ、なんで黙るの」

梓「とりあえず、ちゃんと部活のことは説明しておいてね」

純「説明、ねぇ……」

純「まぁちゃんとやるけどさ。結果的に梓もびっくりするぐらいに」

梓「?」

純「まぁ、梓は気にしなくていいからさ。
  軽音部の方に集中しなよ、先輩達もあとちょっとで卒業でしょ?」

梓「う、うん…?」

純「それじゃ私、今日は早く部活に行かなきゃいけないから」



968 名前: ◆eXN6fvAgkw:2011/10/10(月) 02:21:36.77 ID:YxUUl4aAO

・・・・・

純「さてと…」

純(今日はジャズ研のみんなに話をしないと…)

純(まずは部長に事情を説明して……)

ガチャッ

純「あっ…」

部長「あら、私の方が早かったみたいね」

純「もう来てたんだ」

部長「鈴木さんが呼んでくれたんだから、遅れちゃといけない思って」

純「えぇ、なにそれ」

部長「ふふっ、別に。それで、どうしてこんな早く部室に私を呼んだの?
   なにか大切な話があるって言ってたけど」

純「ああ、そのことなんだけど…」

同級生「…」

純「で、なんであんたもいるの?」

同級生「い、一緒に来てって言われて」

部長「私たち、同じクラスだからついでにね。それとも、私と二人っきりじゃなきゃできない話?」

純「え? そうでもないけど…」

同級生「そ、そうそう! ワタシモジジョウハシッテルワケダシ」

純「? なんで棒読み?」

部長「あら、二人だけで隠し事? なんの話かしら、私も知りたいな」

同級生「ウンウン、ジュン、ハナシチャッテ」

純「えぇっと、実は…」



969 名前: ◆eXN6fvAgkw:2011/10/10(月) 02:23:08.74 ID:YxUUl4aAO

――――――――
――――――
―――

部長「なるほど、軽音部に兼部……三学期も終わりだっていうのにまた急な話ね」

純「あはは…ぶっちゃけ最近思いついたことで」

部長「ふーん、思いつきねぇ…」

純「…軽い気持ちだってねのは分かってるんだけどね。今もまだ軽い気持ちは抜けてないし」

純「でもどうしてもやりたくて、だから…」

部長「鈴木さんって、衝動的…ううん、情熱的な人ね」

純「え?」

部長「鈴木さんは前から中野さんと部活をやりたかったんじゃない?
   自覚はしてなかったとしても、そういう想いはどこかにあったはずよ」

部長「そうじゃなきゃ、急にそんなことは言い出さないはず」

純「えっと、それは……」

部長「それにしても思いきった決断で、びっくりしちゃった」

部長「鈴木さんにそこまでさせるなんて、軽音部ってよほど魅力的なのね」

部長「それとも鈴木さんが優しい人間だから、
   思わず中野さんに手をさし伸ばせずにはいられなかった…とか?」



970 名前: ◆eXN6fvAgkw:2011/10/10(月) 02:25:07.62 ID:YxUUl4aAO

純「そ、そんなたいそうな事じゃないってば。それに優しい人間って…いやぁ参っちゃうなー」

部長「でも本当のことよね?」

同級生「う、うんっ」

部長「ねぇ鈴木さん。私は賛成よ、鈴木さんが兼部すること」

純「え…?」

部長「だってそれは鈴木さんのやりたいことなんでしょ? だったら私が止める権利なんてないわ」

部長「大変なことかもしれないけど、私もできることがあればサポートするし」

純「…本当にいいの?」

部長「もちろん。私たち同じジャズ研の仲間でしょ? 鈴木さんのこと、応援する」

純「ありがとう…!」

同級生「よかったね、純」

部長「そうと決まれば、みんなにも話しておかないとね。
   とりあえず部活が始まる前にみんなで集まりましょう。
   大丈夫よ、みんなもきっと鈴木さんの考えを理解してくれるはずだから」

部長「私の方から連絡しておくね」



971 名前: ◆eXN6fvAgkw:2011/10/10(月) 02:26:39.28 ID:YxUUl4aAO

純「本当にありがとう、そこまでしてくれるなんて…」

部長「だから気にしないでって。ジャズ研も軽音も…あと受験もね」

純「まっかせて! こう見えても期待には100%応える人間だから!」

部長「ふふっ」

ガチャッ

後輩c「あ…」

部長「あら、いいところに来たのね」

純「やっほ」

後輩c「じゅ、純先輩……」

純「梓と仲良くなったんだって? 聞いたよっ」

後輩c「は、はい」

部長「今ちょうどね、鈴木さんのことについつ話していたんだけど……」

後輩c「……あのっ」

部長「どうしたの?」

後輩c「あ…いえ、部長じゃなくてその…純先輩に……」

部長「え?」

純「私に?」

後輩c「純先輩…ちょっとだけ、一緒に来てくれませんか? お願いします」

純「別にいいけど…?」

部長「……」

純「それじゃ私、ちょっと行ってくる」

後輩c「し、失礼します」

部長「えぇ、分かったわ。部活が始まるまでには戻ってきてね」

純「うん、じゃ」

ガチャッ、バタン

部長「……ふぅ」



972 名前: ◆eXN6fvAgkw:2011/10/10(月) 02:28:04.21 ID:YxUUl4aAO

同級生「……」

部長「話は決まったわね、あとはみんなを説得するだけ」

部長「ま、たかが兼部でどうこう騒ぐ人なんてほとんどいないと思うけど」

部長「ねぇ、あなたもそう思うでしょ?」

同級生「う、ウン。でも純、大変になりそう…」

部長「そんなの私の知ったことじゃないわ。自分で決めたことなんだから、自己責任でしょ?」

部長「まぁ一応手を貸せる時は貸すけどね、恩は売っても損はないし」

同級生「……」

部長「分かってるわよね、私との約束」

同級生「分かってるけどォ…あれって約束なのかなぁ…」

部長「なに?」

同級生「な、なんでもないです」

部長「ふふっ、いい子ねあなたも」

同級生「……」

――――――――
―――――
―――

……数十分前



973 名前: ◆eXN6fvAgkw:2011/10/10(月) 02:29:13.74 ID:YxUUl4aAO

合唱部員「ほ、本当に?」

部長「前の部長との縁があってね、私もバトン部やバレー部の部長と仲が良いの」

部長「私からその子達が頼んで…もし承諾してもらえたら、体育館での練習の許可がもらえるわ」

合唱部員「あ、ありがとう…!」

部長「お互いに部員数が多い部活は大変よね。それなのに吹奏楽部ばかりに講堂使われたら……」

部長「できるのなら、やっぱり広いところで練習したいわよね?」

合唱部員「うんっ! ありがとう、こんなにしてもらえるなんて…本当にありがとう」

部長「気にしないで。困った時はお互いさまでしょ? またなにかあったら私にでも相談してね」

合唱部員「私も、何かあったら必ず力になるね。それじゃまた!」

部長「またね」

部長「……ふぅ、さてと」

Prrr、Prrr

部長「?」

部長(鈴木さんからのメール…?)



974 名前: ◆eXN6fvAgkw:2011/10/10(月) 02:30:45.38 ID:YxUUl4aAO

部長「……」カチカチ

部長「……」

部長(大事な話、か……)

部長「……」キョロキョロ

部長「……」

部長「……ねえ」

同級生「え? なに?」

部長「鈴木さんからこんなメールが来たんだけど、なんだか分かる?」

同級生「どれどれ…『今日大事な話があるからいつもより少し早く部室に来て。おねがい』」

部長「この大事な話って部分なんだけど…」

同級生「ああ、これはたぶん兼部のことじゃ…」

部長「兼部?」

同級生「だから純が軽音部に兼部するって話……あっ」

部長「へぇ~…そんな話が」

同級生(……これ部長に今バラしちゃってよかったのかな)

同級生(ていうか…目付きがなんか変わってる)

部長「ふふっ……」



975 名前: ◆eXN6fvAgkw:2011/10/10(月) 02:32:38.24 ID:YxUUl4aAO

部長「なるほどね、あなたは鈴木さんと仲が良いからも何か知ってると思ってたけど」

同級生「あの…あんまり怒ったりしないであげてね」

部長「怒る? なんで」

同級生「へ?」

部長「なんで怒る必要があるの、理由がないでしょ。ジャズ研を辞めるわけでもないのに」

同級生「そ、そっか…そうだよね!」

同級生(よかった、話が分かってくれて)

部長「ふふっ、これは良い機会ね」

同級生「……?」

部長「鈴木さんが軽音部とのパイプ役になってくれれば、
   軽音部をこっち側に引きずり込むのも容易くなるし…悪いことじゃない」

同級生「こっち側???」

部長「あなたには分からないかもしれないけど…
   あるのよ、そういう派閥が。部活間や、人間関係の間に……ね?」

部長「その中に、個人的に気に入らない派閥があるの。
   だから私の派閥を大きくして、その気に入らない派閥を潰しちゃおうかなって」

部長「そのためには色んな人との縁を大事にしないとね」



976 名前: ◆eXN6fvAgkw:2011/10/10(月) 02:34:08.11 ID:YxUUl4aAO

同級生「そ、そうなんだ…」

同級生(なんだかよく分からないけど…こわい)

部長「でもそれじゃあ何だか鈴木さんを利用してるように見えちゃうかも。私ってそんなひどい人間?」

同級生「え?」

部長「ねえ、どうなのよ」

同級生「えっと……そ、そんなことないと思うけど」

部長「そう、よかった。でも私…あなたの前でうっかり本音を漏らしちゃった。
   もしこのことがみんなに知られちゃったら、私、嫌われちゃうかも……」

部長「私が今言ったこと、みんなには黙っててくれる?」

同級生「え……あの……」

部長「ね、黙っててくれるでしょ?
   もしみんなにうっかりバラしたりしたら……私、あなたにひどいことするかも」

同級生「ひっ!?」

部長「約束しましょ、絶対に黙っててくれるって……ね?」



977 名前: ◆eXN6fvAgkw:2011/10/10(月) 02:35:18.37 ID:YxUUl4aAO

同級生「は、はい……黙ってます」

部長「そうだ、いいこと思い付いた。
   もうすぐ三年生になるんだし…心機一転、私たちも新しい関係を築きましょうか」

同級生「へ?? え???」

部長「私が上に立って、あなたが私の下につく。言ってる意味分かる?」

同級生「え…あ……な、なんとなくわかります……」

部長「ふふっ、よかった。前からあなたとなら仲良くなれると思ってたの。これからもよろしくね」

部長「私の言うことは、なんでも聞くのよ?」

同級生「……」

部長「返事は?」

同級生「はい…」

部長「いい子ね。さて…鈴木さんに会いに行きましょうか」

同級生(どうしてこんなことに……)

―――
――――――
―――――――――



978 名前: ◆eXN6fvAgkw:2011/10/10(月) 02:36:41.32 ID:YxUUl4aAO

・・・・・

純「話って?」

後輩c「……」

純「……」

後輩c「……あの、純先輩は」

後輩c「純先輩は…軽音部に行くって本当ですか?」

純「うん、兼部でね。聞いてたんだ」

後輩c「はい…」

純「…ごめんね、勝手だよね」

後輩c「……はい」

純「……」

後輩c「でもいいんです…なんとなく分かってましたから。中野先輩に会ってから」

純「梓に?」

後輩c「はい。たぶん…純先輩は、中野先輩のことをほっとけないんだろうなって思って」

後輩c「純先輩はそういう人だから…優しいから」

後輩c(優しい純先輩が好きだから…)

後輩c「だからいいんです、もう。純先輩が軽音部に行くことに反対はしません」

純「……」

後輩c「私は…純先輩の後輩だし、
    純先輩のことを応援するって決めたから……純先輩への気持ちは、誰にも負けません」

後輩c「これからも私はずっと、鈴木純ファンクラブ会員会長です!」



979 名前: ◆eXN6fvAgkw:2011/10/10(月) 02:37:36.17 ID:YxUUl4aAO

純「…………え?」

後輩c「……はっ」

後輩c(わ…私ってばなんてこと……!?)

後輩c「さ…ささ先にぶぶっ、部室に戻ってます!!」タタタッ

純「……」

純「……」

純「……どゆこと?」

憂「あっ、純ちゃーん」

純「ああ…憂」

憂「部活は? まだ?」

純「うん、もうすぐだけど…」

憂「どうしたの?」

純「……ううん、なんでもなーい」



980 名前: ◆eXN6fvAgkw:2011/10/10(月) 02:38:32.64 ID:YxUUl4aAO

純「あっ、そうそう。兼部できそうかも。事情を話したら部長とかも分かってくれたし」

憂「本当!? よかったぁ、梓ちゃんきっと喜ぶよ」

純「まぁ…大変になるのはこれからだし、油断はできないかな」

憂「大丈夫だよ純ちゃん、純ちゃんが困った時は私が助けるから」

憂「だって私、純ちゃんとは中学からの友達だし」

純「憂…!」

純「ありがと、憂が友達で本当によかった」

憂「えへへ」

キーンコーンカーンコーン

純「あっ…私そろそろ部室に行かなきゃ」

憂「うんっ、がんばってね純ちゃん」

純「はーい。そんじゃ行ってきまーす!」



981 名前: ◆eXN6fvAgkw:2011/10/10(月) 02:39:42.33 ID:YxUUl4aAO

翌日

純「というわけで、正式に兼部が決まりました!」

顧問「あっそう」

純「素っ気な…もうちょっとリアクションしてくださいよ」

顧問「そんじゃ兼部届けに記入事項書いて、後日提出ね」

純「はーい」

顧問「純、泥棒はするなよ」

純「え?」

顧問「軽音部の部室にあるカップとか、売ったら金になりそうじゃない?
   だからってこっそり売ったりはするんじゃないよ」

純「しませんよ、先生じゃないんですから」

顧問「こら、私だってそんなことするか」

純「ところでこれいつまでに提出ですか?」

顧問「今週中でいいよ」



982 名前: ◆eXN6fvAgkw:2011/10/10(月) 02:41:06.74 ID:YxUUl4aAO

純「はーい、了解です」

顧問「そんじゃ、がんばってね」

純「先生」

顧問「ん?」

純「今日はニンニク臭くないですよね?」

顧問「は? なにそれ」

純「この前私の口がニンニク臭いとか言ってたじゃないですか」

顧問「あ~…冗談だよ。純からはいつも、甘い感じの……変な匂いがする」

純「変!?」

顧問「いや、変っていうか…甘くて…変」

純「やっぱり変じゃないですか」

顧問「いやだから…あっそうだ。パイナップルだ、パイナップルっぽいの匂いがする」

純「……それ私の頭見て言いました?」

顧問「いやパイナップルっていうか苺っていうか…色々混ざってるっていうか」

顧問「とにかく悪い匂いじゃないよ。なんだろう…人懐っこい匂いだね」

純「?」



983 名前: ◆eXN6fvAgkw:2011/10/10(月) 02:42:09.04 ID:YxUUl4aAO

・・・・・

純「失礼しましたー」

ガラガラ

純「ふぅ……」

純(まぁとりあえず、一段落ってところかな)

同級生「純、みーつけた」

純「あっ…どうしたの?」

同級生「今から自主練しない? どうせ暇でしょ?」

純「どうせってなによ。こう見えても超忙しいんだから」

同級生「じゃあやらないの?」

純「うーん……暇だしいいよ」

同級生「やっぱり暇なんじゃん」

純「まぁね」



984 名前: ◆eXN6fvAgkw:2011/10/10(月) 02:43:18.55 ID:YxUUl4aAO

同級生「あーぁ、それにしても三月だっていうのに全然温かくならないね」

純「地球温暖化だからじゃない?」

同級生「えっ、そうなの? 寒いのに?」

純「寒いからこその、地球温暖化じゃない」

同級生「あーそっかぁ……えっ、そうなの?」

純「そう! たぶん」

同級生「えー、じゃあ今日からゴミの分別でも始めようかな」

部長「あら、なんの話をしてるの?」

同級生「ひっ!?」

純「どうしたの?」

同級生「べ……別に」

部長「二人ともこれからどこに行くの?」

純「暇だしちょっと練習しに部室に行こうかなって話してて。一緒に行く?」

部長「私もいいの?」

同級生「う、うん、ぜひ、来て、欲しい」

部長「そこまで言われたら、行こうかな」



985 名前: ◆eXN6fvAgkw:2011/10/10(月) 02:44:40.04 ID:YxUUl4aAO

部長「鈴木さん、春休みの練習ついての話なんだけど。軽音部の予定は入ってないのよね?」

純「うん、春休みは大丈夫」

部長「そう。ジャズ研の練習も気を抜かないようにね?」

純「分かってる。ジャズ研はサバイバルでしょ?」

部長「鈴木さんはレギュラーなんだし、人より少し大変かもしれないけど期待してるわよ」

部長「もちろんあなたにも……ね?」

同級生「は、はいっ! がんばります!!」

純「えらく気合い入ってる…」

後輩c「純先輩!」

純「あっ、おっす」

後輩c「純先輩…これからお時間はありますか?」

純「どうして?」

後輩c「純先輩にベース教えてもらいたくて」

純「だったらちょうどいいや、これからみんなで練習しに行くところなの」

純「一緒に行こ」

後輩c「は、はい!」



986 名前: ◆eXN6fvAgkw:2011/10/10(月) 02:47:02.21 ID:YxUUl4aAO

純「それにしても練習熱心だね。一年でそこまでやるとは」

後輩c「い、いえ」

同級生「このまま純を追い抜いてレギュラーになったりして」

純「そういうこと言われるとちょっと危機感」

後輩c「そんなことありません。純先輩の方が全然上手いですし」

部長「それに本当は、練習がしたいんじゃなくて鈴木さんと一緒にいたいんだしね」ボソッ

後輩c「!!」

純「え? なに?」

部長「ううん、なんでもないわ。ふふっ」

後輩c「……純先輩」

純「?」

後輩c「私、純先輩ともっと一緒にいたいです。
    だから純先輩とこれからも一緒に練習して…いいですか?」

純「うん?別にいいけど」

後輩c「ありがとうございます!」

部長「……」

部長(この子、たまに突拍子もなく大胆なことを言うのよね…)

同級生「あっ、ねぇ純。中野さんたちがいるよ」

純「えっ、どこ?」



987 名前: ◆eXN6fvAgkw:2011/10/10(月) 02:48:08.88 ID:YxUUl4aAO

唯「あずにゃん、今日も寒いね~」
梓「寒いからってくっつかないでください」

紬「私も梓ちゃんにくっつく~」

梓「ムギ先輩まで!?」

梓「もぉ~、こんなことしてないで早く部室に行きますよ! 澪先輩と律先輩だって待ってるんだし」

唯・紬「はーい」





純「ほんとだ、梓たちだ」

同級生「というか、三年生まだ引退してないの…?」

部長「いい機会ね、せっかくだし挨拶しに行こうな」

純「また今度にした方がいいんじゃない」

部長「え?」

純「あの間に入る余地ないって」

純「それより、私たちも早く部室に行こ」



988 名前: ◆eXN6fvAgkw:2011/10/10(月) 02:51:35.57 ID:YxUUl4aAO

部長「ふぅん…まぁいいわ」

純「今年こそはコンテストで優勝できるように頑張らないとね」

後輩c「純先輩、頑張りすぎはだめですよ」

純「へ?」

後輩c「純はこれから忙しくなるんですから、休める時は休まないと」

純「あ、ありがとう」

同級生「なるほど、純が休んでる間にレギュラーを奪うと」

後輩c「えっ」

部長「あら、大胆」

純「ほうほう」

後輩c「ちっ、ちち違います!」

純「いいんじゃない、下克上! 望むところよ!」

純「今日から私たちは先輩後輩であり、ライバルね!」

後輩c「えぇっと……は、はい」

後輩c(どうしてこんなことに…)

純「よーし、今日から天才ベーシスト鈴木純の伝説が始まるぞー!!」

純「……あっ」

同級生「どうしたの?」

純「今日……ベース学校に持ってくるの忘れた」

同級生「えぇ……」


##21 おわり





予告した日より遅れてすいません。
次回の投下で最後になります。




関連記事

ランダム記事(試用版)




純「ジャズけん!!」##21
[ 2011/10/12 19:18 ] 日常系 | | CM(0)

コメント(アンカー機能)
●>>1と半角で書き込むと>>1と記事へのアンカーが生成される。
●*1と半角で書き込むと1とコメントへのアンカーが生成される。
上記の2つのアンカーが有効なのは該当記事のみ。

コメントの投稿












管理者にだけ表示を許可する

サイト関連
メール ツイッター 最新記事一覧(30件)
ユーザータグ 検索

U:
P:
色々変更
好みのカラーコードをどうぞ

記事の背景色変更


本体の背景色変更


名前の色変更
IE8:重
火狐4.01:軽
chrome:軽


広告4
広告5
広告6