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紬「いつかみた、あの大好きな、空の下で」#9月15日 【クロス】


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紬「いつかみた、あの大好きな、空の下で」#index




471 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/04(日) 20:28:58.93 ID:u8FaWllJo



9月15日


―――――河川敷

律「夏に撮った写真でさぁ」

澪「あの旅の?」

律「うん・・・。出会った人たちと一緒に集合写真撮った写真な」

澪「うん」

律「澪がむぎにカメラ貸したじゃん?」

澪「うん」

律「写真少なくないか?」

澪「・・・うん。私もそう思ったんだ」

律「むぎがカメラを持って、観光して、集合写真を撮ってもらったんだよな?」

澪「そうだよ」

律「他にも写真があるはずなんだけど、見せてもらってない・・・よな」

澪「・・・うん」

律「見たいなーって思わないか?」

澪「思うけど・・・。どうしたんだいきなり」

律「ふと、気になってだな」

澪「・・・」

律「あとで聞いてみてもいいよな・・・?」

澪「どうして慎重になる」

律「むぎが見せたくないのかもしれないじゃん?それを聞くのはアレかなーって」

澪「遠慮する間柄じゃないだろ」

律「そりゃそうだ」

澪「私も見てみたくなった」

律「あ、来た・・・」

キキーッ

梓「お待たせしました」

律「おぅ・・・。梓はマウンテンバイクか」

梓「そうです。・・・ママチャリもあったんですけど、こっちにしました」

澪「運転しやすそうでいいな」

梓「はい!」

律「折りたたみはキッツイかな~」

澪「多分な」



472 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/04(日) 20:29:32.55 ID:u8FaWllJo


梓「澪先輩はモトクロスバイクですね」

澪「うん、パパ・・・いや」

律「・・・」

梓「パパイヤ?」

澪「父さんが持っていたやつを借りたんだ」

梓「どうしてパパイヤが出てきたんですか?」

律「・・・」プクク

澪「た、食べたくなったんだ」

梓「そうなんですか」

律「沖縄では炒め物にも使うらしいぞ」

澪「えっ・・・果物なのに?」

律「あぁ・・・。スクガ・・・なんとかといい、変わった食べ物が多いよな」

梓「・・・」

チリンチリン

梓「あ・・・むぎせんぱいです」

紬「・・・」フリフリ

律「おはよー・・・って、むぎはママチャリか」

梓「選択間違えた・・・っ」

澪「お揃いがいいんだな」

紬「・・・」キリ

律「気合入ってんな」

梓「後は・・・唯先輩と・・・」

唯「みんなー!」

キキーッ

唯「またせたよっ!」

律「揃ったし行くか」

澪「そうだな」

唯「ちょっとおまちよ」

律「なんだよ」

唯「今のかっこよかったでしょ?」

紬「・・・」コクリ

梓「そうですね」

澪「それじゃ行くか」



473 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/04(日) 20:30:00.12 ID:u8FaWllJo


唯「ちょいとおまちよ」

律「んだよー」

唯「ギューンと来てキキイーッ・・・だよ?」

紬「・・・」コクリ

梓「そうですね」

澪「憂ちゃんは来なかったの?」

唯「うん、病み上がりだからね」

律「治ってよかったな」

唯「うん!」

律「じゃ行くか」

唯「もぉー」ブーブー

紬「・・・」プッププー

唯「えへへ」テレテレ

梓「・・・」

律「褒めてもらえてよかったな・・・。いい加減に出発するぞ」

澪「ちょっとまって」

紬「・・・?」

梓「どうしたんですか?」

律「あ、忘れてた」

澪「エリ・・・」

エリ「」スヤスヤ

梓「こんなところで・・・。先輩方のクラスの方ですよね?」

紬「・・・」ププップー

梓「たき・・・エリ・・・さんですか」

律「起きろ!」

エリ「・・・ぅ・・・んー?」



475 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/04(日) 20:40:51.18 ID:u8FaWllJo


チリンチリン

紬「・・・」ニコニコ

エリ「ポカポカ陽気だからつい寝ちゃった」アハハ

律「なにが『つい』だよ。しっかり横になっていただろ」

エリ「休みの前の日って夜更かししちゃうよね」

澪「最近はそうでもないけど」

エリ「高校生らしくしようよ」

律「高校生らしく忙しくしているんだぜー」

エリ「それならいいんだけどー」

澪「あ・・・、二人ともストップ」

律「お、なにか見つけたのか」

エリ「・・・?」

澪「どうした?」

唯「あずにゃんがね~」

梓「いえ・・・」

紬「・・・」

律「ここになにかあるのか?」

梓「あったんです。一本の木が」

エリ「なるほど、その木は梓ちゃんにとってとても大切な思い出があったんだね」

梓「それが、ないんですよ」

紬「?」

律「それじゃどうして止まったんだよ」

梓「そんなに大きいわけでもなくて・・・。注目されるような木ではなかったんです」

澪「うん」

梓「違いますね・・・。悪いほうで注目されていました」

紬「・・・」プッププー

梓「はい。木の実がよく落ちて、道路を汚していたんです。木の実を食べる動物もいなくて
  靴に付いてしまうから、その時期になると大人はこの木の下を避けていました」

エリ「・・・」



476 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/04(日) 20:41:56.99 ID:u8FaWllJo


梓「私の記憶はそれだけなんです。ここにあった木とはそれだけ・・・」

唯「他にもいい思い出になることはなかったの?」

梓「はい。私が物心ついたころからありましたけど・・・。特別なものはありません」

紬「・・・」プップー

梓「え・・・?」

エリ「紬さんはなんと・・・?」

唯「それが」

紬「・・・」プッププー

梓「そうですか・・・。そうだとしたら・・・ちょっと寂しいですね」

エリ「・・・?」

唯「それが特別な思い出なんだって」

エリ「えぇと・・・、どういう事?」

梓「失ったものを思い出した事が、木と私の思い出になったんです
  木がここに存在し続けていたら、この記憶は甦らなかった訳ですから・・・」

澪「そうか・・・。だから寂しいのか」

梓「はい。いつなくなったのかさえ知らないですけど、私の中では存在している木です」

紬「・・・」コクリ

梓「発見がありましたね」

律「あぁ・・・。じゃ次行こーぜ!」

唯「行こう行こう!」

澪「さ、騒ぐな」

エリ(・・・失って存在する・・・・・・)



477 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/04(日) 20:42:29.94 ID:u8FaWllJo


カランカラン

「いらっしゃいませ~」

唯「ジャンボパフェ!」

「え、えぇと・・・」タジタジ

律「ねえよ。とりあえず7人ですけど」

「後から一人いらっしゃるんですね?」

紬「・・・」コクリ

澪「大所帯だな・・・。二席に別れるか」

「7人席ありますよ」

梓「あるんですか。そこでお願します」

「こちらへどうぞ~」

スタスタ

エリ「ジャンボなパフェってどういうんだろ」

紬「・・・」プッププー

(鍵盤ハーモニカ持参!?)



478 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/04(日) 20:43:09.14 ID:u8FaWllJo


唯「木以外になかったの?」

梓「ない事もなかったんですけど」

澪「小さいことでも聞かせてくれないか?」

梓「聞いてもつまらないと思いますけど・・・」

紬「・・・」

エリ「どうしてみんな興味津々なの?」

律「少しでもヒントになれるものは無いかと探しているんだよ」

エリ「・・・そっか~」

「こちらの席です」

姫子「ありがとう」

唯「こんにちは、姫ちゃん」

律「おう・・・って、珍しい組み合わせだな」

澪「本当だ」

「そこで姫子さんと一緒になって」

紬「・・・」フリフリ

「こんにちは紬さん」

エリ「どうしたのお母さん」

母「散歩していてね、せっかくだからって顔を出しただけなんだよ」

唯「ゆっくりしていきなされ」

姫子「みんなご飯食べたの?」

梓「まだです」

母「外食ばっかりでは体によくないよ」

律「お母さんか!」

澪「だからお母さんだろ」

姫子「今は飲み物だけでいいかな。唯ボタン押してくれる?」

唯「はい、りっちゃん!」

律「またこの流れかよー!」

紬「・・・」ワクワク

エリ「なにが始まったの?」

母「?」

梓「律先輩の一人ボケツッコミ大会です」

律「勝手に規模を大きくするな!」

姫子「・・・」ソォー

紬「・・・」ガシッ

姫子「ご、ごめん・・・」

母「流れを止めようとした姫子さんを紬さんが止めた・・・」



479 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/04(日) 20:44:22.62 ID:u8FaWllJo


律(うぅーん・・・。デコピンで押しても痛いだけで見た目地味だしなぁ)

澪「・・・」

梓「・・・」

律(期待してない顔してんな・・・。確かに外してばっかりだからな)

エリ「・・・」

母「・・・」

律(ちょっと期待している顔だな・・・。嬉しいかも)

姫子「・・・」

律(部活帰りで早く飲み物頼みたいって感じか・・・。なんかごめん)

唯「・・・ふぁ」

律(ぐっ・・・)

紬「・・・」チラッ

律(ん?・・・割り箸・・・よし、やってみるよむぎ)コクリ

紬「・・・」スッ

律「さーんきゅ」

唯「さぁ、割り箸を手に入れたりっちゃんです。それを使ってどうボタンを押すのでしょうか」

澪「楽しみですね」

律「・・・」タンタンタタタン

エリ「机を叩いて・・・」

母「リズムを取っている?」

タンタンタンカンカンタンタタン

律「~♪」

梓「リズムに乗ってきましたね」

姫子「この曲は・・・」

紬「・・・」ルンルン

唯「カレーのちライスだよ」

澪「~♪」トントントン

梓「~♪」トトトントン

紬「~♪」トントトントン

唯「~♪」トトントントトン

律「~♪」タンタカンタタカンカン

エリ「演奏してる・・・」



480 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/04(日) 20:45:07.00 ID:u8FaWllJo


タンタンタタタン

澪(なんか楽しくなってきた)トントン

梓(演奏したくなってきた)トトトントトン

紬「♪」トントトントトン

唯「~♪」トトントン

律「・・・」タタタタタタタン

ポチッ

ピンポ~ン

「はーい!」

澪「」ズルッ

梓「」ズルッ

紬「・・・」コクリ

唯「そうきましたか」

律「どうだー」

「ご注文ですか?」

姫子「アイスティーと英子は?」

英子「アップルティーを」



481 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/04(日) 20:45:51.88 ID:u8FaWllJo


英子「私の地元がこっちだから」

律「そうだったのか・・・。梓とお母さん一緒だったのか」

梓「そうみたいですね」

英子「どうしてみんな集っているの?」

姫子「記憶の掘り起こしかな」

梓「ブフッ」

紬「・・・?」

姫子「どうして笑ったのか・・・気になるなぁ」

梓「な、なんでもないですよ!」アセアセ

姫子「ほんとかなぁ・・・」

梓「ほ、本当です」

姫子「ふーん・・・」

梓「・・・」アセアセ

英子「・・・」

唯「今日はあずにゃんの『最高の場所』を探す日です」

エリ「次は?」

律「土曜日は私と澪、日曜日は唯だ」

エリ「紬さんは?」

澪「もう見つけたそうだ」

紬「・・・」キリ

姫子「・・・それはどこなの?」

律(ここを指すのかな・・・)

澪(多分ここを指すはず・・・)

唯「・・・」

梓「・・・」

紬「・・・」スッ

律澪「「 外!? 」」

紬「・・・」ニコニコ

唯「うぅ~ん」

梓「・・・」



482 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/04(日) 20:46:37.78 ID:u8FaWllJo


英子「風子がね・・・。昔の風子に戻ったような気がして」

エリ「昔の風子さん・・・?」

姫子「風子と英子って幼馴染だったの?」

唯「意外だよ!」

澪「うん・・・意外だ」

英子「と、言っても中学3年間は会っていないの」

紬「・・・」

梓「・・・」

英子「高校で・・・この学校で再会して驚いた。大人しくなっていたから」

律「へ、へぇ・・・」

英子「小学校時代の風子は子供が子供をしているって感じで、子供だった」

澪「分かる、分かるよ。見本がいるからな」

律「だってさ梓」

澪「おまえだっ!」

梓「・・・」

エリ「・・・」

英子「再会してから話をしていると、面影はあったから、お互い成長していたんだと思った」

唯「・・・うん」

英子「たまに子供っぽいところ見せるでしょ?あの子」

姫子「うん」



483 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/04(日) 20:47:56.61 ID:u8FaWllJo


英子「でも、昨日の風子を見て、みんなと一緒にキャンプへ行ったふぅを見てビックリした」

梓「・・・」

英子「あの『ふぅちゃん』に戻っていたから」

紬「・・・!」

英子「だから・・・とっても懐かしい気持ちになれたんだよ。昨日の朝」

エリ「・・・」

英子「誰がそうさせたのかなぁ・・・って気になっているんだけどなぁ」

エリ「キャンプへ行った内の誰かって事だ?」

英子「うん」

澪「むぎ・・・か?」

紬「?」

律「思い当たる人がもう一人」

梓「・・・はい」

英子「だれ?だれなのかな?」

唯「それはね~」

姫子「一人じゃないよ律。二人だね」

律「え?」

英子「教えて、姫子さん」

姫子「英子には面識が無い人だよ」

英子「あ、そういえば聞いた事がない名前が二つ出てきていたっけ・・・」

姫子「そう。その人たちだよ」

英子「へぇ~」

姫子(と、梓ちゃんとむぎ・・・かなぁ)

梓「演奏したくなりましたね」

紬「・・・」コクリ



484 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/04(日) 20:49:36.59 ID:u8FaWllJo


「ありがとうございました~」

唯「ごちそうさま~」

律「よーし、続けるかー!」

澪「ご飯も食べたし、夕方までまだまだ時間あるな」

エリ「行きましょー!」

英子「私も参加するよ」

梓「私の思い出探しのようなものですよ?」

英子「私の地元でもあるからいいよね」

梓「はぁ・・・そうですか」

姫子「英子自転車持ってないでしょ」

英子「姫子さんの後ろに乗るよ」

梓「!」ピコン

澪「ん?」

梓「ひ、英子先輩使ってください!」

英子「ありが」

梓「むぎせんぱい!後ろに乗っていいですよね!?」

紬「・・・」コクリ

律「すっげえアグレッシブ」

唯「あずにゃん私のうし」

梓「乗れませんよ」

澪エリ「「 バッサリだー! 」」



485 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/04(日) 20:50:24.41 ID:u8FaWllJo


チリンチリン

梓「風景が違って見えます!」

紬「・・・」ニコニコ

キィコキィコ

梓「あ!昔あの家には太った猫が住み着いていたんですよ!」

紬「・・・」ニコニコ

キィコキィコ

梓「私たちからは絶対餌を貰わないんです!だけどずーっと太ってて!」

紬「・・・」ニコニコ

キィコキィコ

梓「それなのに動きは俊敏で!誰も撫でた事なんて無かったんです!」

紬「・・・」ニコニコ

キィコキィコ

梓「あ!あっちの大きい木がありますよね!あの木には毎夏セミが大合唱するんです!」

紬「・・・」ニコニコ

キィコキィコ

梓「今年の大合唱もすごかったですよ!」

紬「・・・」ニコニコ



486 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/04(日) 20:51:40.59 ID:u8FaWllJo


律「すっげえ楽しそう」

姫子「クスクス」

エリ「紬さんの表情見えないはずなのに・・・」

澪「聴いてくれているって安心しているんだ」

英子「いい関係だねあの二人。お互いを信頼しているんだね」

律「達観してるな!お母さんか!」

澪「だからお母さんだろ」

唯「み・・・んな・・・まってぇ・・・」ゼェゼェ

姫子「大丈夫?はい、水だよ唯」

唯「あり・・・がとぉ・・・」ゴクゴク

姫子「唯・・・」

唯「なぁに~」ゴクゴク

姫子「その場所は終着点になるの?」

唯「・・・うん」

姫子「そっか・・・」

唯「でもね・・・。私たちまだ若いから、そう簡単には見つからないと思うよ」

姫子「でも、むぎは・・・」

唯「むぎちゃんは私たちの先を歩いている人だから」

姫子「・・・」

澪「おーい!」

律「早く来ないと置いていかれるぞー!」

エリ「はやくこーい!」

英子「おいで~!」

律「お母さんか!」

姫子「みんなで追いかけている・・・と」

唯「そだよ~」

姫子「最後まで付き合うよ」

唯「えへへ、ありがと姫ちゃん」

姫子(私自身のためにも・・・ね)



487 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/04(日) 20:53:40.63 ID:u8FaWllJo


―――――夕方

律「今日はこれで 解 散 ッ!」

唯「ハッ!」ビシッ

紬「・・・」ビシッ

澪「・・・」

エリ「・・・」ビシッ

姫子「・・・」

英子「・・・」

梓「・・・」ビシッ

姫子「じゃあね、また明日」

シャー

律「姫子は、急いでんのか?」

澪「キャンプで撮った写真を受け取りに行くんだって」

紬「・・・」ワクワク

梓「私も見るの楽しみです!」

唯「楽しみだよ!」

律「写真か・・・」

エリ「それじゃ姫子さんについて行こうっと!みんな、明日ねー」フリフリ

紬「・・・」フリフリ

シャー

澪「エリ・・・河川敷の写真は無いんだけど・・・いいのかな・・・」

英子「?」

律「湖で撮った写真だからな・・・置いていかれた事を思い出さなきゃいいけど」

紬「・・・」ゴクリ

英子「・・・よく分からないけど、私もこれで・・・みんなおやすみ」

唯「また明日ね~」フリフリ

梓「私もこれで失礼します」

紬「・・・」コクリ

梓「また、明日です」

澪「あぁ、また明日な」

英子「一緒に帰ろうか」

梓「はい」

スタスタ

律「あの二人が並んで歩くなんて・・・なんていうか、凄いな」

紬「・・・」ニコニコ



488 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/04(日) 20:54:22.71 ID:u8FaWllJo


唯「私も帰るよ~、あでぃお~す」フリフリ

紬「・・・」フリフリ

シャー

澪「・・・」

律「むぎー」

紬「?」

律「夏の旅の写真さー」

紬「・・・」コクリ

律「集合写真以外にもあるだろ?」

紬「・・・」コクリ

律「見せてくんない?」

紬「・・・」コクリ

澪「やった!」

律「まてまて、私が最初だかんなー」

澪「どんな写真なんだろう」ワクワク

紬「・・・」ニコニコ

律「じゃ、明日なむぎ」

紬「・・・」フリフリ

澪「明日な!」

チリンチリン



489 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/04(日) 20:55:19.16 ID:u8FaWllJo


英子「まさか梓ちゃんまで敬礼するとは思わなかった」

梓「一応ノリですから」

英子「うん・・・合わせることも大事だよね」

梓(お、お母さんだ・・・雰囲気がそう思わせるんだ・・・)

英子「あ・・・」

梓「あ・・・」

風子「あ・・・!」

英子「これからお出かけ?」

風子「ううん・・・。帰る所だけど・・・。珍しい組み合わせだね」

梓「そうですね」

風子「もしかしてけいおん部と・・・!」

英子「その通りだよ」

風子「・・・」ゴゴゴゴ

梓「え?・・・え!?」

英子「私はたまたま会っただけだよ、ふぅ」

風子「え・・・?」

英子「久しぶりだね、この呼び方」

風子「・・・うん」

梓「??」

風子「梓・・・ちゃん・・・」ユラリ

梓「っ!」ビクッ

風子「なにかやるなら呼んでって言ったのに・・・」

梓(怖いっ!)



490 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/04(日) 20:55:52.75 ID:u8FaWllJo


英子「ふぅは今日用事あるって言っていたでしょ?」

風子「だけど・・・」

英子「だけどじゃないの、後輩を怯えさせるのはよくないよ」

風子「・・・はい」

梓「・・・」ホッ

風子「ごめんね梓ちゃん」

梓「いえ・・・。明日の夜は月見ですよふぅせんぱ・・・!」

英子「・・・」プクク

風子「うん」ニコ

梓「・・・」フゥ

英子「月見するの?」

梓「はい・・・。学校終わって河川敷近くの森林公園で・・・です」

風子「団子は用意するの?買うの?」ウキウキ

梓「えぇと・・・唯先輩と憂が用意すると言っていましたけど・・・」

英子「・・・」

風子「それじゃ飲み物だね。なにがいいかな」

梓「むぎせんぱいがお茶を用意しますから、それはいいかと」

風子「手ぶらで参加するのも・・・ね?」

英子「そうだね」

梓「あ、それなら風子せんぱ」

英子「ダーメ。さっきの呼び方がいいよ」

梓「で、でも・・・」

風子「許可するよ」ニコ

梓「そ、そうですか・・・ふぅ・・・先輩・・・」

風子「うん」ニコニコ

英子(なるほど・・・この子も数に入っていたんだね。・・・姫子さんってば)



491 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/04(日) 20:56:51.48 ID:u8FaWllJo


和「あら・・・」

唯「おかえり~」

和「ただいま。唯もおかえり」

唯「ただいま~」

和「見つかった?」

唯「えへへ」

和「ヒントは見つかったみたいね」

唯「うん!」

和「よかったわね」

唯「・・・うん」

和「・・・」

唯「・・・」

和「・・・」

唯「風のようにね」

和「?」

唯「風のように時が流れていくんだよー」

和「風のように・・・」

唯「うん。あずにゃんが坂道の場所を教えてくれたんだ」

和「・・・」

唯「坂の下から坂の上へ風が流れる場所なんだよ
  とってもゆるやかに流れるんだ・・・」

和「・・・」

唯「自転車を降りて、坂を歩いて登ってみたんだ。風が背中を押してくれるんじゃないかって」

和「・・・」

唯「そんな事はなくて・・・。私の横をするりと駆け抜けていくだけだった」

和「そう・・・」

唯「・・・・・・うん」

和「・・・」

唯「時間が・・・今が・・・・・・わたしの・・・っ・・・よこを・・・」グスッ

和「・・・」

唯「するって・・・・・・風のように・・・っ・・・なが・・・っ・・・れて・・・」グスッ

和「・・・」

唯「いって・・・しまう・・・よ・・・」グスッ

和「・・・」

唯「いや・・・だよぉ・・・」ボロボロ



492 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/04(日) 20:57:17.97 ID:u8FaWllJo


和「・・・うん」

唯「・・・はなれるるの・・・やだ・・・よぉ」ボロボロ

和「うん」

唯「・・・っ」ボロボロ

和「・・・」

唯「・・・ごめ・・・ん・・・ね」ボロボロ

和「風が背中を押してくれるように」

唯「・・・?」グスッ

和「唯の背中を押してくれるように、私が唯と一緒に歩くわ」

唯「??」グスッ

和「風を受け止める面積が広ければ・・・少しは押してくれるでしょ?」

唯「うん・・・」

和「二人じゃあまり遮れないから・・・人数を増やせばいいのよ」

唯「うん」

和「風が・・・時間が駆け抜けていかないように・・・ね」

唯「うんっ」

和「・・・何を言っているのかしら」

唯「えへへ、変な和ちゃん」

和「唯の喩えがおかしいのよ」

唯「そんなことないよっ!」

和「でも、時が風のように・・・。いい言葉ね」

唯「そでしょ・・・。って違うよ!」

和「え?」

唯「風のように時が。だよ!」

和「一緒よ」

唯「ぜんっぜんちがうよー」

和「・・・」

唯「えへへ、ありがと」

和「帰りましょ」

唯「うん!」



493 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/04(日) 20:58:13.01 ID:u8FaWllJo


―――――カメラ屋

ウィーン

姫子「受け取りに来ました」

「はい。仕上がってますよ。ちょっと待っててくださいね」

姫子「はい」

エリ「・・・」ワクワク

姫子「・・・」

アカネ「・・・」ワクワク

姫子「あの・・・その・・・」

エリ「写真楽しみだね、アカネ」

アカネ「うん」

姫子「・・・ゴメン」ボソッ

エリ「?」

アカネ「・・・ひょっとして」

「おまたせしました~。14枚の焼き増しと、一つはサービスです」

姫子「大きくプリントしてくれたんだ・・・」

エリ「おぉー・・・お?」

アカネ「・・・やっぱり」

姫子「キレイに撮れてる」

「カメラマンの腕がよかったみたいですね。いい写真です」

姫子「・・・はい」

「ありがとうございました~」

ウィーン



494 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/04(日) 20:59:02.18 ID:u8FaWllJo


エリアカネ「「 うわーん! 」」

姫子「・・・ごめんね」

エリ「河川敷じゃないー!」

アカネ「・・・キャンプ場で、私たちは当然いない」

姫子「・・・」

エリアカネ「「 うわーん! 」」

姫子「誰か・・・助けて・・・」

「うわー子供が二人喚いてるよ」

姫子「助けてよ・・・」

エリ「私たちの気持ちなんか分からないよ!」

アカネ「うん!」

「なんの話?」

姫子「話せば長くなるから・・・」

「大丈夫。話は好きだから」

エリ「私たちを置いてキャンプに行ったのは聞いたでしょ?」

「うん・・・。たしか信代も行ったという」

アカネ「そうそう。その写真の現像を受け取りに来たんだけど」

姫子(勝手に付いて来たんじゃ・・・)

「でも、キャンプに参加していないんだから、受け取りに来る意味ないよね」

エリ「河川敷で撮った一枚に私たちも写ったの!」

アカネ「うん」

「それで?」

姫子「・・・写っていなかった」

エリアカネ「「 うわーん! 」」

「奇怪な話?」ワクワク

エリ「ちゃんと話聞いてよ!」

「うぅん~?」

アカネ「集合写真は二つあって、もう一つの写真を現像に出していたって事」

姫子「これ」ペラッ

「あ・・・。いいね、みんないい表情してる」

エリ「うわーん!」

アカネ「・・・」

エリ「あれ?タイミング間違えた?」

アカネ「もういいかなって」

エリ「見捨てられたー!」

「うるさいな、今日のエリは・・・」



495 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/04(日) 20:59:36.59 ID:u8FaWllJo


姫子「帰っていいかな・・・。今日は疲れたんだけど」

「部活?」

姫子「と、探検」

アカネ「探検って・・・?」

姫子「遊んだって事かな」

エリ「楽しかったね」

姫子「・・・うん」

アカネ「うわーん」

「・・・」

姫子「あとヨロシクね、潮」

潮「なにを・・・頼まれたの?」



496 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/04(日) 21:00:20.68 ID:u8FaWllJo


―――――夜・立花邸

姫子(この大きいの貰おうかな・・・)

ガチャ

母「おかえり」

姫子「ただいま」

母「お父さんが呼んでるよ」

姫子「どうして?」

母「バイク・・・の免許取るって・・・」

姫子「うん」

母「その話」

姫子「分かった」

スタスタ

母「嫌がると思っていたのに・・・」




―――――ガレージ


姫子「今日はメンテしないの?」

親父「・・・そこ座れ」

姫子「質問は無視かよ」

ストッ

親父「なんで急に興味をもった」

姫子「・・・」

親父「憧れや興味だけで手を出すな。命に関わるものなんだぞ」

姫子「知ってる」

親父「・・・」

姫子「興味を持つことは悪いことじゃないって言ってたじゃん親父」

親父「それとこれとは話は別だ。俺を納得させろ」

姫子「できなかったら?」

親父「それだけの理由でバイクには乗せないな」

姫子「どうして?」

親父「俺の娘だからだ」

姫子「押さえつけているんじゃないの?」

親父「もがいてみろと言っている」

姫子「かっこつけやがって」

親父「最後の関門だろ。かっこつけさせろ」

姫子「・・・」

親父「・・・」



497 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/04(日) 21:01:29.92 ID:u8FaWllJo


姫子「・・・」

親父「なんだ特に理由はないのか・・・」

姫子(そんなの、あの人に出会った時で決まっている)

『・・・うぅ』

姫子「クスクス」

親父「?」

姫子「これ・・・みて」ペラッ

親父「キャンプの写真か・・・?」

姫子「うん」

親父「・・・ふむ」

姫子「なんか恥ずかしいから、もういいでしょ」

親父「それがどうした」

姫子「親父がバイクと出会う事になった写真・・・と、繋がっている人が撮った写真」

親父「!」

姫子「直接ではないけど、色々な糸が絡まって繋がっている人だった」

親父「・・・」

姫子「私はこの写真を撮った人に憧れている」

親父「・・・」

姫子「その人は―――」

・・・・・・

・・・

姫子『えっと・・・その・・・バイクに乗って・・・どう変わりましたか?』

『うぅ・・・ん・・・眠いから後でね・・・』

いちご『・・・ひどい』

姫子『・・・』ションボリ

『景色が狭まった』

姫子『狭まった?』

『集中して前だけを見ないといけないから、視界が鋭くなった』

姫子『・・・』

『そんなもんだよ』

いちご『・・・』

姫子『そうですか・・・』

『そうですか・・・じゃないよ』

姫子『?』

『そうなんだ・・・だよ』

いちご『?』



498 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/04(日) 21:02:19.34 ID:u8FaWllJo


『私は、二台目になるけど。あのバイクと共に歳を取っていく』

姫子『・・・』

『そして、旅の仲間と出会っていく・・・。これくらいかな』

姫子いちご『『 そうなんだ 』』

『そうなんだよ~』

姫子『クスクス』

いちご『クスクス』

・・・

・・・・・・

姫子「・・・」

親父「・・・」

姫子「『バイクと共に歳を取っていく』って」

親父「・・・」

姫子「たくさんの景色をみせてくれるバイクと共に・・・私も」

親父「ただの受け売りじゃねえか」

姫子「!」

親父「それはその人の経験を培ったものだ。おまえの経験ではない」

姫子「あたりまえじゃん」

親父「なに?」

姫子「私とその人が目指している場所は違うんだから」

親父「・・・」

姫子「影響を受けたのは事実だけど、
   その人と自分を置き換えてモノを言うほど私は子供じゃないつもり」

親父「・・・」

姫子「・・・」

親父「そうか。それで、おまえが目指す場所ってのは・・・?」

姫子「・・・」

親父「・・・」

姫子「分からない」

親父「・・・」

姫子「でも、バイクに乗ってたくさんの景色をみれば・・・」

親父「景色って・・・おまえはバイクに乗ったこと」

姫子「あるよ。小さい頃に」

親父「・・・」

母「覚えていたの?」

姫子「思い出した。最近バイクの後ろに乗せてもらったから」

親父「・・・」

姫子「親父じゃないの?私をバイクに乗せたの」



499 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/04(日) 21:03:07.69 ID:u8FaWllJo


母「おとうさん・・・」

親父「・・・」

姫子「?」

親父「小学校に上がる前だな。俺が運転しているバイクからおまえが落ちそうになったんだよ」

姫子「・・・」

親父「それからは、おまえをバイクに乗せるのが怖くなって一人でしか乗らなくなった」

母「・・・」

姫子「そんな事があったんだ」

親父「あぁ。一度に大切なものを二つ失う所だったからな」

母「もう・・・」

姫子「・・・」

母「姫子とバイクを天秤にかけて同じ重さっていうわけじゃないの」

姫子「?」

母「その事があってから、お父さんは1年くらいバイクに触っていなかったわ」

親父「・・・」

姫子「・・・」

母「姫子はまだ乗せてってせがんでいたんだけど・・・お父さんが頑なに拒否したのよ」

姫子「・・・」

母「だけどね、あたながこう言ったの」

姫子「私が?」

母「えぇ。『バイクに乗ってるお父さんカッコイイのに』」

親父「・・・」

姫子「・・・」

母「それからまた・・・元通り。姫子はもうバイクに乗ること自体に興味を持っていなかったけど」

姫子「・・・」

親父「話を戻す。バイクの免許を取る事に納得できないぞ、まだ」

姫子「・・・うん。私がたくさんの景色をみる手段がバイクだったってだけ」

親父「・・・」

姫子「あんまり人に言う事じゃないと思うけど」

母「?」

姫子「私・・・視野が狭いっていうか、つまらない目線でモノを見ていたんだと思う」

親父「つまらない目線ってなんだ?」

姫子「簡単に言うなら興味を持つことができないって事かな」

母「・・・」

姫子「だけど、同じクラスの子たちにたくさんの視点があるって事を教えてもらって・・・」

親父「・・・」

姫子「もっとたくさんの事に興味をもってみたいって思えた」

親父「どうしてだ」

姫子「みんな楽しそうだったから」



500 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/04(日) 21:05:02.67 ID:u8FaWllJo


親父「・・・」

姫子「・・・それだけなんだけど」

母「お父さんの負けですね」

親父「別に勝ち負けではなくてだな」

母「ちゃんとした知識をつけるのよ?」

姫子「分かってる。事故の怖さも教えてくれたから」

母「それなら私は反対しないわ」

姫子「ありがと」

親父「金はださねえからな」

姫子「最良のものを自分で手に入れろって言ってた」

親父「最良のもの・・・それがバイクか?」

姫子「うん」

親父「アテはあんのか?」

姫子「なんの為にバイトしてきたと思ってるの」

母「・・・バイクを買う為」

姫子「違うよ。いや、そうだけど・・・。この時の為だって意味だよ」

母「あら、そうなの」

親父「・・・分かった」

姫子「ありがと」

親父「・・・素直に礼を言うな・・・。なんか寂しい」ボソッ

母「姫子・・・それは?」

姫子「キャンプの写真だよ」

母「みせてみせて」

姫子「ほら」

母「まぁ~」キラキラ

姫子「この子とこの子とこの子は2年生で、他は同じクラス。この子とこの子が姉妹」

母「そっくりね~」

姫子「この子とこの子が幼なじみ」

母「このメガネの子しっかりしていそうね」

姫子「・・・そっちはあまり見た目で判断しないほうがいいみたい」

母「あらそうなの?」

親父「免許取ったら一緒にツーリングするか!」

姫子「それはない。・・・こっちのメガネの子がしっかりしている
   この子がたくさんの事を教えてくれた」

母「なんだかふわふわした子ね」

姫子「うん」

母「楽しい話ね、もっと聞かせて?リビング行きましょう」

姫子「うん・・・。メンテの仕方教えてね」

スタスタ

親父「・・・」ズドーン




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