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憂梓「日常的非日常」#前編 【非日常系】


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憂梓「日常的非日常」#前編
憂梓「日常的非日常」#後編




1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/03(土) 11:26:03.11 ID:SY6dAa8vO

憂「お姉ちゃん!遅刻しちゃうよ?」

唯「わかってるよぉ~」ドタバタ

 「よし、憂、ギー太行くよ!」ガチャッ

唯憂「行ってきま~す!」スタスタ

慌ただしい朝の光景。
姉妹の普通のやり取り。
私は、こんな日がずっと続けばいいと思ってた。
勿論、いずれはそれぞれの道を歩んでいかないといけない。
でも、道を別つまで、この日常を壊したくなかった。
…まさか、あんな形で壊されるなんて。





4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/03(土) 11:30:08.49 ID:SY6dAa8vO

教室

憂「梓ちゃんおはよう!」フリフリ

梓「あ、憂。おはよう」フリフリ

この子は中野梓ちゃん。
去年の春、桜ヶ丘高校に入学した私の同級生。
長い髪をツインテールにしている、ちょっぴり小さな可愛い女の子。
去年の軽音部の新歓ライブの後、軽音部に入部した。
ジャズ研に入ろうか迷ってたらしいけど、何か軽音部に惹かれるものがあったらしい。
お姉ちゃんが軽音部にいる私としては嬉しい限りだ。



6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/03(土) 11:35:01.34 ID:SY6dAa8vO

梓「ところでさぁ」

憂「なぁに?」

梓「唯先輩がいきなり抱きついてくるの、どうにかなんないの?」

憂「ん~、難しいね」フフッ

 「でも、お姉ちゃん柔らかくて温かいし、私は抱きつかれてもいいな」

梓「それはそうだけど…」

 「もう少し場所をわきまえ…」

「あーずにゃん!」ギュッ

梓「うわっ!」

 「唯先ぱ…」クルッ



7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/03(土) 11:41:21.03 ID:SY6dAa8vO

梓「…純」

純「おはよう、梓に憂」フリフリ

鈴木純ちゃん。
私達3人組のムードメーカー的存在。
癖毛が特徴で、元気な女の子。
ジャズ研でベースをやっている。

純「おぉー、唯先輩はこんな感じで梓に抱きついてるのかー」モフモフ

梓「…もうそろそろ離れようね。暑い」

純「あはっ ゴメンゴメン」パッ

こんなどこにでもいるような普通の女子高生の会話。
今のところ、私達は高校生活を満喫している。



9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/03(土) 11:45:37.15 ID:SY6dAa8vO

私は中野梓。
放課後ティータイムのリズムギター担当。
去年の新歓ライブで先輩達の演奏に感銘を受けて、軽音部に入部した。
入部したての頃は、先輩達のあまりもの怠け具合に愛想を尽かして退部を考えた。
でも、その時先輩達が私のために演奏してくれた。
新歓ライブの時の気持ちを思い出させてくれて、私は軽音部に留まる事を決意した。
今では私もティータイムを楽しんでいる。
…うまい具合に手懐けられちゃったのかな。
ちなみに、今は今年の新歓ライブが終わった後。
音楽室で皆揃ってティータイムを楽しんでいる。



10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/03(土) 11:52:12.35 ID:SY6dAa8vO

梓「…」ポケー

唯「あずにゃん?」

梓「…」ポケー

唯「おーい、あずにゃーん!」ブンブン

梓「…」ポケー

律「おい、唯!」コソコソ

唯「合点です!りっちゃん隊員!」コソコソ

唯律「せーのっ!」ガバッ

  「こちょこちょこちょ~」サワサワ

梓「きゃっ!」ビクッ

 「何ですか一体!」

唯「どうしたのかはこっちが聞きたいよ~」

紬「お菓子が美味しくなかった?」

梓「いえ、美味しいです」ニッコリ

澪「それにしてもどうしたんだ?梓らしくないな」



11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/03(土) 11:55:02.01 ID:SY6dAa8vO

梓「…私が入部した時の事思い出してて」

律「あの時は大変だったな~」

 「梓がいきなり泣き…」ゴチン

澪「余計なこと言うな!」

梓「本当の事だからいいんです。」

 「でも、もしあの時先輩達が演奏してくれなかったら…」

 「先輩達に迷惑をかけた上に…」

 「私はここにいなかったのかと思うと…」

 「何だか…凄く寂しくなっちゃって…」ウルッ



12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/03(土) 12:00:00.68 ID:SY6dAa8vO

澪「梓…」

律「…軽音部の事、大事に思ってくれてるんだな」

梓「…当然です!」グスン

紬「梓ちゃんの気持ち、十分伝わったわ」

唯「あずにゃん…」

 「ぎゅーっ」ギュッ

梓「!」

唯「あずにゃんがどれだけ軽音部の事が大好きなのか分かったよ」
 「私もね、軽音部の事大好き」

 「そしてね、それと同じぐらいあずにゃんが大好き。皆あずにゃんの事が大好きだよ」

 「…それに、やっぱり泣いてるあずにゃんはあんまり見たくないや」ナデナデ

 「これからは皆笑っていこう?約束だよ?」ニコッ



15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/03(土) 12:31:57.22 ID:SY6dAa8vO

温かい…
今なら憂の言った事が分かる。
優しさに包まれていく。
とっても落ち着いた気持ちになれる。
いいな、憂は…
こんなお姉ちゃんがいて。

律「落ち着いたか?」

梓「…はい、大丈夫です。迷惑かけてすみません」

紬「いいのよ、迷惑なんかじゃないわ」ニッコリ

唯「あずにゃ~ん」スリスリ

心地よい…
そう思うと同時に、さっき落ち着いたはずの胸が高鳴る。
何でだろう?
唯先輩が温かいからかな?
…きっとそうだよね。



16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/03(土) 12:35:08.15 ID:SY6dAa8vO

梓「もう、離れてください!」グイグイ

唯「あぅ~」

澪「…よし!今日は部活はなしだ。皆でアイスを食べに行こう!」

律「あんれぇ~?澪ちゃん珍しい事をおっしゃる」

 「…これは嵐が来るな」

唯「え!?どうしようりっちゃん?」アタフタ

律「大丈夫だ!私達が協力すればなんとかなる!」

紬「そうね!皆で明日を切り開きましょう!」

唯律紬「おーっ!」ガシッ

澪「…私も空気ぐらい読めるんだよ」シクシク

梓「澪先輩…」



19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/03(土) 12:39:59.00 ID:SY6dAa8vO

数日後

唯「愛を込めてスラスーラとね♪さあ書ーきー出ーそーぉー♪」

最近、お姉ちゃんはいつにもまして元気になった。
何でも軽音部の仲が一層深まったって。
良かったね、お姉ちゃん。

唯憂「行ってきま~す!」

トコトコトコトコ

憂「暑いね~」トコトコ

唯「そうだね~。でもアイスの美味しさが際立つからそこまで悪くはないかな~」トコトコ

憂「ふふっ」ニコッ

唯「あっ!あずにゃんだ!」タタタタッ

 「あ~ずにゃん!」ギュッ

梓「わっ!」

 「おはようございます、唯先輩。そして離れてください暑いです」

唯「確かに暑いや…」ヘナー



20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/03(土) 12:45:04.86 ID:SY6dAa8vO

憂「おはよう梓ちゃん」フリフリ

梓「おはよう憂」フリフリ

律「よっ!みんな」

澪「おはよう」

紬「おはようみんな」

唯「あーっ!3人共おはよう!」フリフリ

梓憂「おはようございます」ペコリ

律「ふっふ~ん♪くるしゅうない」

澪「調子に乗るな!」

律「あいて!」ゴチン

憂「ふふっ」

 「梓ちゃん、教室行こっか♪」

梓「そうだね」



21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/03(土) 12:51:21.66 ID:SY6dAa8vO

教室

純「おはようお二人さん」トコトコ

憂「おはよう」フリフリ

梓「相変わらず来るの遅いね…」

純「私は時間かかるんだよ~。主に髪の毛!」

 「それはそうと梓~」

梓「何?」

純「最近何か調子いいよね」

 「好きな人でもできた?」ニヤッ

憂「そうなの梓ちゃん!?おめでとう!」

梓「違うよ!」

 「ていうか憂は知ってるじゃん…」



22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/03(土) 12:55:10.58 ID:SY6dAa8vO

憂「えへへ。ちょっと意地悪したくなっちゃった」

梓「もう!」プクーッ

純「えいっ!」プニッ

梓「…」プシュー

純「でも梓って唯先輩に憧れてるんだよね?」

梓「憧れと好きは別物じゃん…」

純「もしかしたら好きに変わっちゃうかもよ?」ニヤニヤ

梓「そんな事‥ないもん!」

あれ?少し間が空いた。
純ちゃんは…気付いてないみたい。
これってもしかしたら…
ふふっ

梓「…憂、どうしたの?」

憂「ううん、何でもない」ニッコリ



23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/03(土) 13:00:03.26 ID:SY6dAa8vO

放課後

紬「どうしたの、憂ちゃん?」

憂「あの…最近の梓ちゃんのこと何ですけど」

紬「梓ちゃん?特に変わりはないと思うけど…」

憂「…お姉ちゃんと一緒にいてもですか?」

紬「ん~、そうね。唯ちゃんのスキンシップをあまり拒まなくなった…かな?」

憂「…そうですか」

 「それだけ分かれば十分です」

 「ありがとうございました」ペコリ

紬「お役にたてたみたいで良かったわ」ニコッ

 「じゃあね」フリフリ



25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/03(土) 13:06:58.97 ID:SY6dAa8vO

わかった。
梓ちゃんが言葉を少し詰まらせた理由。
少しずつだけど、梓ちゃんはお姉ちゃんに惹かれていってる。
憧れが好きに変わっていってる。
梓ちゃんも少しは自覚しているのだろう。
それ故に言葉が詰まった。
梓ちゃん…
大丈夫かな?
女の子同士、凄く厳しいと思うけど…



27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/03(土) 13:11:59.66 ID:SY6dAa8vO

放課後

唯「あ~ずにゃん!」ギュッ

梓「にゃっ!」

 「もう、唯先輩…」

唯「んふふ~♪」スリスリ

私は以前より唯先輩を拒まなくなった。
慣れもあるのかもしれないけど、何だか離れたくない。
…色々考えてわかった。
私は唯先輩が好きなんだろう。
…いや、好きだ。
この温もりを感じていたい。
満面の笑みの唯先輩を見て思う。

唯「どうしたの、あずにゃん?」

梓「いえ、何でもないです」ニコッ

唯「そっか~」ニッコリ

 「あ、あずにゃん、飴あげるよ!これ甘くておいしいんだよ~」スッ

梓「ありがとうございます」



28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/03(土) 13:16:25.94 ID:SY6dAa8vO

でも、私達は女同士。
この思いを唯先輩に告げたら何と言うだろう。
気持ち悪いと罵られるかもしれない。
二度と近づかないで、何て言われるかもしれない。
…唯先輩がこんなことを言うはずがないのは分かってる。
きっと、
私もあずにゃんのこと大好きだよ~
何て言って抱きついてくるに違いない。
…でも怖い。
私の気持ちが受け止められないで流される、ということが。
…私は臆病者だ。
唯先輩の笑顔を見て、
たまに訪れる温もりだけで満足する。
告白…か…
私にも勇気があれば出来るのかな?
…唯先輩から貰った飴は、とても甘くて、優しい味だった。



30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/03(土) 13:21:30.86 ID:SY6dAa8vO

数日後

梓「はぁ…」

純「梓どうしたの?最近浮かないじゃん」

憂「梓ちゃん悩み事?」

梓「…ううん、何でもない」

 「ごめんね、心配かけて…」

憂「何もないならいいけど…」

純「何かあったらすぐに私達に言いなよ?」ナデナデ

梓「うん、ありがとう」

この二人は優しいな…
いい友達…ううん、親友を持った。
二人に唯先輩の事を話そうかとも思ったけどやめた。
第一、憂は唯先輩の実の妹だ。
あまりいい気持ちはしないだろう。しかも相手は私。女の子だ。
…やっぱり、相談するにはあの人かな。



31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/03(土) 13:26:25.04 ID:SY6dAa8vO

梓「ムギ先輩、少しいいですか?」

紬「なぁに、梓ちゃん?」

梓「ムギ先輩って今好きな人いますか?」

紬「…今はいないわね」

 「やっぱり女子高だと出会いもないし」

梓「…そうですか」

紬「どうしたの?気になる人がいるとか?」

梓「実は…そうなんですけど…」

紬「あらあら」フフッ

 「それで私に相談したいってこと?」

梓「はい…」

紬「どんな相談?」



32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/03(土) 13:31:50.10 ID:SY6dAa8vO

梓「…好きな人って女の子なんです」

紬「…うん」

梓「告白はしたいけど…失敗したら今の関係が壊れちゃうんじゃないかって…」

紬「…ありきたりな事を言うかもしれないけど、愛に性別は関係ないって私は思うわ」

 「梓ちゃんのその愛が男性に向いていたとしても、同じ気持ちでしょ?」

梓「それはそうですけど…」

紬「ほら、愛は男女誰に向いてても同じ気持ちなの。同性に向いてても、それは素晴らしい気持ち」
 
 「今回は愛の対象がたまたま女の子なだけ。気にする事はないわ」

梓「…そうですかね」



33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/03(土) 13:37:18.46 ID:SY6dAa8vO

紬「でもね、これは梓ちゃんが告白をしないでいる時の話」

 「これからは厳しい事を言うかもしれないけど…」

梓「大丈夫です!」キッ

紬(真っ直ぐな目…)

 (よっぽど好きなのね)フフッ

梓「どうしました?」

紬「ううん、何でもないわ。続けるわね」

 「日本では、同性愛はあまり好ましく思われてないわ」

 「付き合ってるなんて分かったら、奇異の目で見られるでしょうね」

 「それ以前に梓ちゃんが女の子を好きって誰かに知られた時点で危ないかもしれない」



34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/03(土) 13:42:15.83 ID:SY6dAa8vO

梓「…そうですよね」

 「でもそれは覚悟できてます。じゃないと告白なんて考えません」

紬「そうね。じゃあ一つ聞くわ」
 「梓ちゃんは大丈夫でも、恋人はどうなるの?」

梓「あっ…」

 「それは…」

紬「もし恋人がそれに耐えきれなくなっちゃったらどうするの?」

梓「…」

紬「…ゆっくり考えなさい」ガタッ

梓「…ありがとうございました」



35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/03(土) 13:46:43.39 ID:SY6dAa8vO

考えなさい…か…。
唯先輩の気持ちは私にはどうすることもできない。
耐えられないなんて言われたら引き止めようもない。
告白告白って、唯先輩の事も考えないで…
…最低だ、私は。

翌日

唯「あずにゃん元気ないね~」

梓「色々ありまして…」

律「もしかして夏バテか~?」

 「暑くてダラダラしちゃうよな~」グデッ

澪「…お前はいつもダラダラしてるだろ」



36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/03(土) 13:51:32.27 ID:SY6dAa8vO

梓「夏バテじゃないんですけど…まあ私的なことなので。ていうか今の時期は五月病じゃ…」

紬(…昨日の質問意地悪すぎたかしら)

律「この様子じゃ今日は練習しても駄目だな、帰ろーぜ」

澪「お前は練習したくないだけだろ」

律「えへっ♪ばれた?」

澪「バレバレだ…」

 「でもまあ、今日は休みでもいいか。最近はちゃんとしてたし」

 「たまには休みも必要だろ」

唯「わぉ!澪ちゃん太っ腹~♪」

律「太っ腹~ん♪」ブニブニ

澪「…っ!///」ゴチン

律「凄く…痛いです…」ジンジン



38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/03(土) 13:58:29.53 ID:SY6dAa8vO

帰り道

梓「それではお疲れさまでした」ペコリ

唯「皆バイバ~イ」フリフリ

律「おう、じゃあな」

澪「また明日」

紬「バイバ~イ♪」フリフリ

スタスタ

唯「今日も疲れたねー」トコトコ

梓「…そうですね」テクテク

唯「…ねぇあずにゃん」ピタリ

梓「何ですか?」ピタッ

唯「今日言ってた悩み事って何?」

梓「…唯先輩には関係ないことです」テクテク



39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/03(土) 14:04:40.03 ID:SY6dAa8vO

唯「関係なくないもん!」

梓「…え?」ピタッ

唯「あずにゃんは私の後輩だもん!あずにゃんだもん!だから関係なくないよ!」

梓「あずにゃんだもんって何ですか…」

唯「言葉そのままだよ!悩んでるのがあずにゃんだから!」

 「あずにゃんには笑顔でいてほしいから!」

梓「…」

 「…あるところに一組のカップルがいたんです」

 「当人同士は幸せでした。でも、そのカップルは良く思われてないんです」

唯「え?何で?」

梓「まあ色々と…」



40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/03(土) 14:12:34.61 ID:SY6dAa8vO

梓「それで、受け入れた方が耐えきれなくなって別れてしまう」

 「でも、もう片方は別れたくない」

 「さて、どうすればいいでしょう?っていう国語の宿題がわからなくて」

唯「ん~、難しい…」

梓「大丈夫です、自分で考えますから」ニコッ

唯「ねぇあずにゃん。その人達は最初から良い目で見られないって分かってたの?」

梓「…そうですね」

唯「そっか~。なら簡単だよ」

梓「えっ!?」

唯「正解は、二人は別れません!」フンス



42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/03(土) 14:20:13.85 ID:SY6dAa8vO

梓「…どうしてですか?」

唯「だって告白した方も告白された方もその覚悟はあったんでしょ?」

 「それなのに受け入れた方がいきなり別れましょうなんて酷いと思うんだ」

 「それに、そんな運命って分かってるなら二人共お互いを信じてるから付き合うんだよね?」

 「告白された人は、この人なら大丈夫。私を愛してくれる」

 「告白した人は…受け入れられた時に」

 「運命を知ってて受け入れてくれるなら、この人はきっと耐えてくれるって!」



44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/03(土) 14:26:08.48 ID:SY6dAa8vO

梓「…信じる」

 「そうですね!信じないと!」パァッ

唯「あずにゃん元気になった~♪よっぽど難しかったんだね~」ナデナデ

梓「はい、とっても。まさか唯先輩に教えてもらうなんて」クスクス

唯「むっ!私だってやる時はやるんだよ」フンス

梓「知ってますよ」ニコッ

 「今まで唯先輩だけを見てきたんですから当然です」ボソッ

唯「何か言った?」キョト

梓「今日の晩ご飯は何かなって言ったんです」フフッ

 「あ、私こっちなのでこれで」ペコリ

唯「うん!バイバイ!」フリフリ

私は何でこんなことにきづかなかったのだろうか。
…信じる。
今まで悩んでたのが馬鹿みたいだ。



45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/03(土) 14:29:48.85 ID:SY6dAa8vO

平沢家

ガチャッ

唯「憂~ただいま~」パタパタ

憂「お帰り、お姉ちゃん。今ちょうどお風呂沸いたよ」ヒョコッ

唯「ふむ。では早速行って参る」トコトコ

憂「いってらっしゃい」ニコニコ

―――

唯「いいお湯でござった」ホカホカ

憂「それはそれは。お褒めの言葉痛み入る」ペコリ

 「それでは本日の晩ご飯をば…」コトン

唯「あっ!ピーマンの肉詰めだ!」パァッ

憂「お姉ちゃん、口調戻ってるよ」フフッ

唯「しまったでござる!」

 「ん~、戻したままでいいや。難しいもん」

憂「ふふっ」ニコニコ



46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/03(土) 14:33:00.22 ID:SY6dAa8vO

唯「憂、食べよっか?」

憂「そうだね」

唯憂「いただきま~す♪」

唯「ん~、おいひぃ~」モグモグ

憂「そう?良かったぁ♪」

唯「そう言えば憂~。私あずにゃんの国語の宿題解いてあげたんだよ」フンス

国語の宿題?
そんなもの今日は無かったはず。
…一応聞いてみよう。

憂「私忘れてたかも。どんな問題だった?」

唯「何かね、世間的に認められてないカップルの話で」

 「別れそうになっちゃうけど、どうすれば引き止められるかみたいな感じだった」

梓ちゃん言ったんだ…
でも何で直接お姉ちゃんに言ったんだろう…



47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/03(土) 14:37:15.73 ID:SY6dAa8vO

憂「お姉ちゃんは何て答えたの?」

唯「そうなるって分かって付き合うなら、別れることにはならないんじゃないかなって」

憂「ありがとうお姉ちゃん。参考になったよ」ニコッ

唯「えへへ~♪」クネクネ

なるほど…
うまくいった時のお姉ちゃんの事も考えてるんだ。
梓ちゃんなら大丈夫かな…
でもその前に…

翌日

梓「呼び出してすみません、ムギ先輩」

紬「ううん、私は大丈夫」ニコッ

梓「…早速ですけど、昨日の質問の答えです」

 「私は唯先輩を信じます」



48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/03(土) 14:40:56.56 ID:SY6dAa8vO

梓「受け入れてくれるってことは、私と苦楽を共にするのを選んでくれたってこと」

 「それが例え険しい道でも私を選んでくれる」

 「そこまで決意してて耐えられないなんて言うはずありません!」

紬「やっぱり唯ちゃんなのね」フフッ

梓「あっ…///」カアッ

紬「それは置いといて、結構早く答えが出たのね」

梓「実は、唯先輩がこんなことを言って…」

紬「唯ちゃんが?」

 「いい事聞いたわね」フフッ

梓「そうですね」クスクス

紬「…告白するんでしょ?」

梓「…気持ちが整ったら」

紬「…うまく行くといいわね」ナデナデ

梓「はい!」ニコッ



49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/03(土) 14:43:36.79 ID:SY6dAa8vO

数日後

…憂に校舎裏に呼ばれた。
教室でできない話って何だろう?
まさか唯先輩の事がばれたって事はないよね。
ムギ先輩にしか相談してないし…

憂「…」スタスタ

梓「憂…」

憂「ごめんね、梓ちゃん。こんなところに呼び出しちゃって」

梓「ううん、平気。それで話って?」

憂「…率直に聞くね。梓ちゃんはお姉ちゃんのこと好き?」

梓「それは…いい先輩だし好きだよ」

憂「私が聞きたいのはその好きじゃない。恋愛感情がある?ってこと」

梓「!」ビクッ



50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/03(土) 14:47:31.08 ID:SY6dAa8vO

何で…?
ムギ先輩は他言するような人じゃない。
私の態度?
いや、それもない…と思う。極力変わらないようにしてきたつもりだ。
とりあえず知らないふりを…

憂「…梓ちゃん。私はここで嘘を吐く人にお姉ちゃんを任せるつもりはないよ?」

…駄目だ。
完全に見透かされてる。
憂の目は確信に満ちている。
…本当の事を言わなきゃ。



51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/03(土) 14:52:04.69 ID:SY6dAa8vO

梓「…好き」ボソッ

憂「…聞こえない」

梓「…好き」

憂「聞こえない!」

梓「っ!」ビクッ

憂「そんなものなの?お姉ちゃんに対する気持ちは!」

 「それじゃあ、梓ちゃんならお姉ちゃんを任せれるって思った私が馬鹿みたいじゃん!」

 「…お姉ちゃんも梓ちゃんの事が好き。生まれてからずっと一緒だからそんな事分かる…」

 「…私はお姉ちゃんが大好きだった。でも、私は姉妹だから何も出来なかった」



52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/03(土) 14:55:59.72 ID:SY6dAa8vO

憂「でも梓ちゃんは違う!お姉ちゃんに告白するんでしょ!?」

 「お姉ちゃんが望んでるのは私じゃない…梓ちゃんなの!お姉ちゃんの幸せは私の幸せ…」

 「だから私は梓ちゃんを応援しようと思った!なのに何でそんな半端な気持ちなの!?」

 「私を安心させてよ!梓ちゃんなら大丈夫って思わせてよ!」

梓「…」

憂「何か…言っでよぉ…」グスッ

梓「…大好きっ!」

憂「…え?」グスッ



54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/03(土) 15:02:26.66 ID:SY6dAa8vO

梓「私は!唯先輩…平沢唯を誰よりも愛してる!」

憂「…」ポロポロ

梓「その相手が例え憂でも!」

 「何かあったら私が絶対に守る!」

 「不幸になんかさせない!私が絶対に幸せにする!」

 「だから憂…泣き止んで…?」

憂「うん…大丈夫…」グシッ

 「お姉ちゃんを…よろしくね?」ニコッ

梓「うん!」ニコッ

ガタッ

憂「!」

梓「だ…誰?」

唯「…」トコトコ



61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/03(土) 15:34:51.72 ID:SY6dAa8vO

憂「お姉ちゃん!?何でここに?」

唯「何か…凄い真面目な顔した憂が校舎裏に行ったから気になっちゃって…」

憂「そっか…ごめんね、梓ちゃん…」

梓「ううん、大丈夫…」

 「…それより聞こえてました?」

唯「…」ジーッ

梓「あの…」

唯「あずにゃん…」

梓「…はい」

唯「…これからよろしくね」ギュッ

梓「…っ!?///」カアッ

憂「…」ポロッ

こうなることは分かってた。
分かってたはずなのに、涙が溢れてくる…
覚悟していたとはいえ、目の前でされたら少しキツいかな…



62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/03(土) 15:38:07.28 ID:SY6dAa8vO

…私は弱い人間だ。
覚悟が足りないのは私の方だったのかもしれない。

唯「憂…」クルッ

憂「どうしたの…?」グスッ

唯「…ありがとう」ギュッ

憂「…っ!」ブワッ

私は、このありがとうがいつもと違うものだと直ぐに理解した。

この日から、お姉ちゃんと梓ちゃんは付き合うことになった。



64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/03(土) 15:40:33.83 ID:SY6dAa8vO

梓ちゃんと付き合ってからのお姉ちゃんと言えば、朝は自分で起きれるようになったし、
自分のことは自分でするようになった。
何でも、梓ちゃんに釣り合う人間になるためらしい。
…もう、お姉ちゃんの傍にいるのは私じゃないんだな。
時々こんな事を思って寂しくなる。

唯「よし、憂行こう!」ガチャッ

憂「うん!」

唯憂「行ってきま~す!」

今ではこれが私の日常。
もうあの慌ただしい朝の光景はない。
私の望んだ日常は無くなった。
でも、私はとても幸せ…
だって、お姉ちゃんの幸せは私の幸せだから…



66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/03(土) 15:44:17.98 ID:SY6dAa8vO

数日後

ブーッブーッ

…メールだ。唯先輩から!
私ははやる気持ちを抑え、メールを見る。
内容は、今度の土曜日に遊園地に行かない?との事。
私は了解の旨を送り、明後日の土曜日の事を考えた。

翌日

唯「おはよう、あずにゃん!」

梓「おはようございます、唯先輩」ペコリ

この人は、今の私の恋人。
今のじゃない。永遠に、かな。
私達が付き合い始めてから唯先輩は何だか大人っぽくなった。
憂から聞いた話によると、私に釣り合うように変わろうとしてくれてるらしい。
なかなか嬉しい事をしてくれる。



67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/03(土) 15:48:58.71 ID:SY6dAa8vO

でも、釣り合うようにならないといけないのは私の方。
私も唯先輩みたいに温かい人になりたいな…

憂「おはよう、梓ちゃん」フリフリ

梓「憂、おはよう」フリフリ

…憂とはあの日色々あったけど、今でも大事な親友だ。
何かと私と唯先輩の手助けをしてくれるのも憂だ。
憂には本当に感謝しないといけない。

憂「あっ、もう着いちゃった」

梓「行こっか憂。唯先輩、また放課後」フリフリ

唯「うん!二人共また後でね!」



68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/03(土) 15:52:38.61 ID:SY6dAa8vO

放課後

唯「今日のおやつは何だろな~♪」トコトコ

梓「唯せんぱーい!」タタタッ

唯「あ、あずにゃん!」

梓「一緒に行きましょう?」ギュッ

唯「うん♪」ギュッ

音楽室に行くまでの廊下は、幸いにも人があまり通らない。
だから、たまに会った時は手を繋いで音楽室に向かう。
手を繋ぐだけでも幸せな気分になれる。
これは唯先輩も同じだと思う。

ガチャッ

唯「やっほー!」

梓「皆さんこんにちは」ペコリ

律「あらぁーん、手なんか繋いでどうしたんですかぁ?」ニヤニヤ

澪「茶化すな!」ゴチン

律「…しーましぇん」プクー



70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/03(土) 15:55:59.60 ID:SY6dAa8vO

紬「はい、お茶とお菓子」コトン

唯「おぉー!今日はチーズケーキ!ありがとうムギちゃん♪」

梓「本当、毎日ありがとうございます」ペコリ

紬「いえいえ~♪」

私達は、この関係を軽音部の皆に話した。
あずにゃんは少し悩んでたみたいだけど、
私が軽音部の皆なら大丈夫!って言ったら許してくれた。
あずにゃんが軽音部の皆を信頼してる証拠だろう。
皆からは盛大な祝福を受けた。
何だかくすぐったい気持ちになりながらも、その喜びを噛み締めた。
…軽音部に入って良かった、心の底からそう思う。

梓「どうかしたんですか、唯先輩?」

唯「!」ビクッ

 「ううん、何でもない!」



71 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/03(土) 16:00:29.34 ID:SY6dAa8vO

ちなみに私とあずにゃんの席は隣同士になった。
軽音部の皆が配慮してくれてのことだった。

律「全く~、梓は唯にばっかりベタベタしやがってぇ~!」

 「私も構えー!」ジタバタ

梓「嫌です」

澪(即答!)

律「ひ…ひどいっ…!」シクシク

 「ムギぃ~梓が虐めるぅ~」グスン

紬「あらあら」ナデナデ

澪(私のとこには来ないのか…)ショボン

唯「りっちゃん!澪ちゃんが落ち込んでるよ!」ニヤッ

紬「りっちゃんが私の所に来ちゃったから…」フフッ

律「そうか~、ごめんな澪。寂しい思いさせて」ニヤニヤ

澪「ちっ、違う!///」カアッ

 「全く…練習するぞ!」



77 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/03(土) 16:09:25.34 ID:SY6dAa8vO

帰り道

唯「今日も疲れたね、あずにゃん」トコトコ

梓「そうですね、何せ一週間の終わりの日ですし」テクテク

唯「それもそっか。一週間よく頑張ったね、私!」フンス

梓「当然のことですよ」クスクス

唯「あずにゃんも一週間よく頑張ったね~」ナデナデ

梓「それは…唯先輩にも会えますし…無理してでも来ますよ…///」

唯「嬉しい事言ってくれるね~♪」ギュッ

梓「…唯先輩だから言うんです///」

思わず顔がにやけてしまう。
まさかこんなことを言われるなんて思ってもみなかった。
付き合ってから分かりだしたこと、あずにゃんは意外に甘えん坊だ。
あずにゃんは私を守るって言ってくれたけど、これは私が守んないといけなくなるかも。
そんな事を考えていると、自然に笑みが零れた。



79 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/03(土) 16:15:07.69 ID:SY6dAa8vO

梓「どうしたんですか?」キョト

唯「ううん、何でも♪」

 「あ、もうすぐあずにゃん家だね…」

梓「本当ですね…ではこれで」フリフリ

唯「うん、じゃーね」フリフリ

梓「あっ…」クルッ

 「明日の遊園地、楽しみにしてますね!」

唯「うん!いっぱい遊ぼーね!」



81 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/03(土) 16:18:34.56 ID:SY6dAa8vO

土曜日

今日は初めての遊園地デート。
家族では来たことあるけど、恋人と二人っきりなんて初めてだ。
私は今日のために少しだけメイクを勉強した。
お気に入りの服を着て準備完了。
唯先輩はかわいいって褒めてくれるかな…

駅前

梓「ごめんなさい!遅れちゃいました!」パタパタ

唯「ううん、遅れてないよ。まだ10分前だもん」

まさか唯先輩より遅れちゃうなんて…
唯先輩の変わりようは凄い…
…今度の合宿は集合30分前に来よう。
いや、でも律先輩がいるから…

唯「あずにゃん、すっごく可愛いね!」

 「お洋服も可愛いし、そのメイク凄くかわいい!」



82 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/03(土) 16:22:03.89 ID:SY6dAa8vO

不意討ちだ…
考え事してる時に…
でも嬉しいものは嬉しい。
自然に顔が綻んだ。

梓「あっ…ありがとうございます///」

 「きょ、今日は唯先輩もメイクしてるんですねっ!」

 「凄く似合ってます!」

唯「ありがとう、あずにゃん!」パァッ

 「実はこんな時のためにちょっと勉強してたんだ♪」

梓「ふふっ、考える事が同じですね」ニコッ

唯「私とあずにゃんは繋がってるんだよ!」フンス

梓「…///」

 「そんな事言ってないで早く行きましょう!」テクテク

唯「あぅ~…素っ気ない…」シュン



83 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/03(土) 16:23:47.21 ID:SY6dAa8vO

遊園地

唯「うわー!あの観覧車おっきいね!」キラキラ

梓「そうですね、最後に乗りましょうか」

唯「約束だよ!?」

梓「はいはい」ニコッ

本当、子供みたい。
この人が私より年上だなんて驚きだ。
…私と身長が替わったらそれ相応になるかな。
なんて下らない事を考える。

唯「あずにゃん!あれ乗ろうよ!」グイグイ

梓「そうですね、行きましょう!」ギュッ

唯「…ふふっ♪」ギュッ

今日は目一杯楽しもう。



91 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/03(土) 18:07:12.03 ID:SY6dAa8vO

お昼

唯「ふぅ…ちょっと疲れちゃった」

梓「そうですね…時間も時間ですしお昼にしますか?」

唯「そうだね。何か買いに行こっか」

梓「あの…実は私作ってきたんです」

唯「ほんと!?」

梓「ええ。預かって貰ってるので取ってきますね」テクテク

数分後

ん?唯先輩の周りにいるのは…

男1「ねぇ、いいじゃん」グイグイ

男2「遊び行くだけじゃん」

唯「やめてよ!私はあずにゃんと来てるんだから!離して!」ジタバタ



92 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/03(土) 18:10:19.19 ID:SY6dAa8vO

梓(…やばい!)タタタッ

 「…何してるんですか?」ジッ

唯「あずにゃん!」ホッ

男1「へぇ~、これがあずにゃんか。怖い怖い」ニヤニヤ

男2「可愛くね?一緒に連れてこーぜ」ニヤッ

梓「唯先輩から手を離して下さい」

男1「あ?」

梓「唯先輩からその汚い手を離せって言ったの!」ギロッ

男2「…少し黙らせるか」ポキッ



94 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/03(土) 18:15:16.33 ID:SY6dAa8vO

客1「うわっ…何だよあれ。ヤバくない?」

客2「ナンパ失敗したら殴って連れて行くんだって。だっさ…」クスクス

客3「うわー、気持ち悪い…顔面も気持ち悪い…」

客4「警備員さん、こっちです!あの二人組!」

警備員1「お前らちょっと来い!」

ガシッ

男1「ちょっ、待てよ!ちょっ!」

男2「おい!お前ら全員顔覚えたからな!」

警備員2「うるさい!それとお前臭い!」ドガッ

男2「痛っ!お前も顔覚えたからな!」

警備員2「喋るな臭い!」ドガッ

ギャーギャー



96 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/03(土) 18:22:11.30 ID:SY6dAa8vO

梓「…ごめんなさい唯先輩」

 「私が一緒にいながらこんなことになっちゃうなんて…」シュン

唯「ううん、大丈夫。それに、あずにゃんは私を守ってくれたよ」ニコッ

 「絶対に守ってくれるって本当だね!ありがとう、あずにゃん。かっこ良かった!」ギューッ

梓「…はい」ギュッ

唯先輩は優しい。
この優しさに何度救われただろうか。
泣きそうになるのをぐっと堪える。
だって、私達の約束だから…

梓「…お弁当にしましょうか!」

唯「待ってました!」キラキラ



97 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/03(土) 18:26:42.40 ID:SY6dAa8vO

夕方

梓「すっかり暗くなってきましたね」

唯「あずにゃんあずにゃん!」キラキラ

梓「覚えてますよ」ニコッ

観覧車

唯「うわーっ!凄いね、あずにゃん!」

梓「本当…凄くきれい…」

 「あの…隣に行ってもいいですか?」

唯「うん、おいで」ポンポン

唯先輩が近い…
それもそうだ、今隣に座ったんだし。
色んな事があったけど、今日は楽しかった。
唯先輩も楽しかったかな?

唯「今日は凄く楽しかったや!」

 「それにあずにゃん私を守ってくれたし!」ニコッ



98 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/03(土) 18:29:59.94 ID:SY6dAa8vO

私が丁度思ってた事を…
ふと、唯先輩の言葉を思い出す。

――私とあずにゃんは繋がってるんだよ!

…本当、そうだったりして。

梓「もうすぐ頂上ですね…」

唯「…そうだね」

梓「…」ジッ

唯「…」ジッ

梓「…唯先輩」

唯「なぁに?」

梓「愛してます…///」ギュッ

唯「っ///」カアッ

照れ隠しに抱きついてしまった。
自分の鼓動と唯先輩の鼓動が高鳴るのがわかる。
でも、やっと二人きりの時に言えた。



99 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/03(土) 18:35:07.67 ID:SY6dAa8vO

唯「…私もあずにゃんの事愛してるよ///」ギュッ

梓「っ!///」

…初めて愛してるだなんて言われた。
それも、最愛の人に。
嬉しくて涙が出そうだった。
二人の体温が上がっていくのが分かる。
…私達が繋がってるなら、唯先輩は私の考えてる事わかるのかな

梓「…唯先輩」ジッ

唯「ん…」パチ

唯梓「…」チュッ

…初めてのキスは甘酸っぱいなんて言うけど、味はしなかった。
でも、唯先輩の体温が唇越しに伝わった。
その柔らかい唇から、唯先輩の優しさが伝わってくるような感じがした。
とても優しくて甘いキスだった。
…このキスで、私達は繋がってるんだと確信した。



100 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/03(土) 18:40:00.68 ID:SY6dAa8vO

帰り道

唯「今日は楽しかった~♪」トコトコ

梓「そうですね。またどこか行きましょうか」テクテク

唯「今度は水族館なんてどうかな?」

梓「いいですね!行きましょう、絶対!」キラキラ

唯「うん、行こう!約束するよ」ニコッ

梓「あっ…もう家だ…」

唯「早かったね。楽しい時間は何とやら」

梓「…唯先輩、ギュッてしてくれませんか?」

唯「しょうがないなぁ、あずにゃんは」ギューッ

梓「…少し、このままでいさせてください」ギュッ

…本当はキスが良かった。
唯先輩に近付ける気がするから。
でも、私はキスを大切にしていきたい。
何度もキスをすると、キスのありがたみがなくなるから。
今日の私達の気持ちを踏み躙ってしまいそうで…



102 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/03(土) 18:45:04.19 ID:SY6dAa8vO

唯「あずにゃん♪」

梓「はい?」スッ

唯「…」チュッ

梓「な、何するんですか!///」カアッ

唯「ほっぺたのキスは外国じゃ挨拶だよ~」

梓「ここは外国じゃないです!」

唯「私は将来世界を股にかけるから今のうちに勉強しとかないといけないのです!」フンス

梓「…無理ですよ」クスクス

唯「むぅ~、言ったなあずにゃん!」

 「ってもうこんな時間だ!憂が心配しちゃうよ!私帰るね!」パタパタ

梓「気を付けてくださいね~!」フリフリ

唯「うん!バイバイ!」フリフリ

唯先輩が見えなくなるまで私は外にいた。
そっと、ほっぺたをさする。
…唯先輩はズルい。
きっと、私の考えを見透かしての事だったんだろうな。



103 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/03(土) 18:50:03.48 ID:SY6dAa8vO

人間は環境の変化に適応しやすい動物だって聞いた事がある。
本当かどうかはわからないけど、私は今それを体験している。
お姉ちゃんが自分の事を自分でし始めてどれくらい経っただろう。
私は案外すぐに今の生活に適応できた。
適応と言っても、暇な時間が増えただけなんだけど。
新しい日常を、私はある程度は満喫していたとは思う。
まさか、また壊れるなんて思わなかったけど。
…思いたくなかった。



104 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/03(土) 18:55:12.65 ID:SY6dAa8vO



憂「お姉ちゃん、もうそろそろ行こっか」

唯「そうだね」ガチャッ

唯憂「行ってきま~す!」スタスタ

憂「涼しくなってきたね~」テクテク

唯「ほんと、過ごしやすいから最高だよ~♪」テクテク

 「あ、あずにゃん!」タタタッ

黒猫「…」ペロペロ

憂「お姉ちゃん、それ黒猫じゃん」

唯「え~、でも似てるよ?」

 「決めた!名前はあずにゃん3号!」

憂「確かに可愛いけど…」



106 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/03(土) 19:00:22.75 ID:SY6dAa8vO

唯「おいでおいで~♪」パチパチ

黒猫「フーッ!」ガバッ

憂「わっ!びっくりしたぁ~」ドキドキ

唯「怒らせちゃった…ごめんねあずにゃん3号…」シュン

憂「あずにゃん3号もびっくりしただけだよ」

 「あ!時間が!早く行こうお姉ちゃん!」

唯「じゃあね、あずにゃん3号!」フリフリ

黒猫「…」ジッ…

タタタッ

教室

梓「おはよう憂。遅刻ギリギリなんて珍しいね」

純「ほんとだよ。休みかと思っちゃった」



107 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/03(土) 19:07:15.85 ID:SY6dAa8vO

憂「おはよう二人共。実はお姉ちゃんが猫の相手しちゃって…」

純「憂の家って猫飼ってたっけ?」

憂「ううん、登校中にいた黒猫をね」

 「この猫あずにゃんに似てるね~、何て言っちゃって」

 「お姉ちゃんその子にあずにゃん3号なんて名前付けてたよ」フフッ

梓「ハァ…唯先輩…」

純「あぁ、うちの猫があずにゃん2号だっけ。命名梓!」

梓「ちょっと純うるさい!///」

純「でも黒猫って不吉って言うよね。…何もなければいいね」ニヤリ

憂「純ちゃん…そんな怖い事…」ビクッ

梓「…じゃあ純は毎日不吉な事が起こるね」

純「梓厳しい~…」ショボン




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憂梓「日常的非日常」#前編
[ 2011/10/21 22:32 ] 非日常系 | | CM(0)

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