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紬「いつかみた、あの大好きな、空の下で」#9月19日 【クロス】


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紬「いつかみた、あの大好きな、空の下で」#index




692 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/06(火) 19:30:57.87 ID:51PuW/tjo


9月19日

「ふぁ~」

夏香「おはよう、姉さん」

姉「おはよ~」

ガチャ

トクトクトク

姉「・・・」ゴクゴク

夏香「・・・」

姉「・・・ふぃ~・・・朝の牛乳は格別だね」

夏香「パンでいい?」

姉「よろしく」

夏香「・・・うん」

姉「ダイニングまで持ってきてくれると私は幸せ~」

夏香「はいはい・・・」



693 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/06(火) 19:31:47.48 ID:51PuW/tjo


夏香「・・・どうぞ」

姉「サンキュ」

夏香「・・・」

姉「・・・どうして林檎があるの・・・?」

夏香「・・・体にいいと思って」

姉「・・・サンキュ」

夏香「・・・」

姉「やった!今日の運勢一位だって!仕事運絶好調!今日休みなんだけど!」

夏香「・・・出かけないの?」

姉「・・・どうせ1人もんですよ」

夏香「あれ?別れたの?」

姉「ケンカしてんの!」

夏香「・・・」

姉「あ、嫌なニュース・・・チャンネル変えちゃえ」ピッ

夏香「あのさぁ・・・」

姉「・・・なに?今日は妙に関わってくるね」

夏香「・・・あの双子ってどうなったの?」

姉「・・・ん?」

夏香「ちょっと間があった・・・。なにかあったの?その双子」

姉「・・・。無事退院したって言ったでしょ」

夏香「中学に上がって退院したのが最後?」

姉「どうしたのよ~。患者さんのプライバシーに入り込んじゃダメなの」

夏香「月見会に参加したって言ったでしょ?」

姉「うん、それが?」

夏香「多分・・・その双子と出会った」

姉「・・・」

夏香「『私と同じ季節』で『一つ下』、『双子』・・・『姉妹』」

姉「・・・ふーん」

夏香「・・・」

姉「その双子は仲が良かった?」

夏香「・・・聞いていた話とは違っていた」

姉「じゃあ別人だよ」

夏香「そうだよね・・・」

姉「なつは本当に林檎剥くの下手だよね」

夏香「・・・」



694 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/06(火) 19:32:19.11 ID:51PuW/tjo



姉「もぐもぐ」

夏香「・・・今日もいい天気だね」

姉「今日予定あったんじゃないの?」

夏香「キャンセルした」

姉「・・・ふーん・・・・・・英子ちゃんたちの誘いを断るなんて珍しい」

夏香「・・・」

姉「風子ちゃんにも会いたいから連れておいでよ」

夏香「・・・うん・・・変わってないよ風子は」

姉「なつは変わっちゃったけどね」

夏香「・・・」

姉「よし、今日もDVD鑑賞しますか」

ウィーン ガチャ

姉「てーんてーんてーん、ててててんてんててーん♪」

夏香「またそれ?この主人公何度人生を修正させられるの・・・」

姉「何を言ってるの、輝いていた主人公の時間を閉じ込めたのがこの作品じゃないの」

夏香「・・・はいはい」

姉「それぞれの時間を体験する事で主人公は成長していくんだよ」ウンチク

夏香(・・・しまった)

姉「悪役とはいえ自分で掴み取った人生をも変えてしまう主人公を批判する意見もあってね」ウンヌン

夏香(どこかでかけようかなぁ・・・)

姉「そういう見方もあるだろうけど、悪役の罪を無かった事にしたことでそれはチャラになるんだよ」クドクド

夏香「・・・」

pipipipipi

夏香「・・・」ピッ

『澪さんが澪さんじゃない!』

夏香「今からでも間に合うかな・・・」

姉「様々な視点から推察できるこの作品の凄さを・・・聞いてる?」

夏香「聞いてたよ・・・。出かけてくるね」

姉「行ってらっしゃーい」フリフリ

夏香「・・・姉さんも遊園地に行く?ストレス解消になるよ」



695 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/06(火) 19:33:17.37 ID:51PuW/tjo


―――――遊園地・澪班


澪「さぁ、次はどれに乗ろう!」キラキラ

夏「あれはどうですか!?」

澪「いいな!行こう!!」キラキラ

夏「了解です!」ビシッ

タッタッタ

純「むむむ・・・負けないっ!」

タッタッタ

律「私たちは休むか。少し落ち着こう」

風子「・・・そうだね、あのテンションには・・・ついていけない」

英子「・・・うん」

律「合流したらさ、向こうのチームに入るといいよ。こっちはずっとあんな調子だぜ」

風子「私はついていけるよう頑張るよ」

英子「私は移るよ・・・」

律「賢明だ。まだまだ物足りないはずだからなー」




―――――遊園地・紬班


紬「・・・」ニコニコ

冬「高ーい!」

梓「高い所平気なんだ?」

冬「そうみたい。うわぁー」

紬「・・・?」

梓「ひょっとして・・・遊園地初めて来た・・・?」

冬「うん、観覧車も初めて!」

唯「おぉー海が見えるようい!」

憂「本当だ・・・こうやって見たらすぐそこなのにね」

和「電車で1時間揺られないと辿り着けないのにね」

唯「そうだ、明日は海に行こうっと」

憂「今決めたの?」

唯「うん・・・どこへ行っても変わらないと思うから」

和「・・・そう」

紬「・・・」

冬「あっ、見てください!風船が!」

梓「昇っていく・・・」

紬「・・・」スッ

憂「白い月・・・」

唯「秋空に 儚く映る 白い月」

冬「おぉー・・・深いです・・・」



696 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/06(火) 19:34:50.29 ID:51PuW/tjo


梓「そのままだよ・・・」

唯「あの風船誰の手からこぼれちゃったんだろ・・・」

和「小さい子かしらね・・・。きぬいぐるみの人が渡していたのをみたわ」

憂「・・・あ」

紬「・・・!」




唯「姫ちゃーん!」

紬「・・・」

タッタッタ

姫子「どう?楽しんでる?」

冬「はい!楽しいです!」

姫子「よかった」

和「バイトお疲れ様」

姫子「ありがと。午前中にシフト入っててよかったよ。みんなお昼ごはん食べたの?」

唯「まだだよ~」

憂「澪さん達と合流してお昼にしましょう」

和「そうね・・・。あっちの様子も気になるわ」

姫子「二手に別れてるんだ。様子も気になるって・・・?」

梓「澪先輩のテンションに何人ついていっているかです」

紬「・・・」コクリ

姫子「・・・」ゴクリ

冬「さっきの風船姫ちゃ・・・子先輩が飛ばしたんですか?」

姫子「言いにくいなら無理に言わなくていいって・・・。そうだよ、気付くかなって」

唯「あの月まで飛んで昇って行ったよ」

憂「吸い寄せられるようだったね」



697 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/06(火) 19:36:36.07 ID:51PuW/tjo



紬「・・・」


白い月をみて何を想っているんだろう・・・。私と同じ景色なんだろうか


紬「・・・?」


あ、表情を盗み見ているのに気付かれた


梓「白い月を見る事ってあまりないですよね。雲と同じ色だから気付きにくいです」

紬「・・・」ニコ



正直、苦手になってきたな

むぎせんぱいの今の様の笑顔が

誤魔化されているようで

なんでもないって言っているようで

私には伝えてくれないのかな

伝える手段が無いから?伝える事が難しいから?

伝えられる自信がないから?私には伝わらないから?



『隙が空いていたんじゃないの?』

また―――繰り返すのかワタシは



698 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/06(火) 19:37:09.85 ID:51PuW/tjo


唯「あっ、澪ちゃーん!」

澪「みんな!楽しんでるな!」キラキラ

律「あなたが一番楽しんでいます」

風子「あ、姫ちゃんやっと来たんだ!」

姫子「遅れてごめんね」

夏「姫子先輩!次のアトラクション一緒に乗りましょう!これとか面白そうです!」

澪「フリーフォールか、いいな!」キラキラ

姫子「・・・」

律「びっくりしてやんの」ウシシ

純「もちろんお供します!」

唯「私も乗る!」フンス!

憂「私も乗ります!」

紬「・・・!」フンス!

梓「・・・」

純「・・・あれ・・・梓?」

律「まてまて、お昼食べてからだ。お腹が空いては遊べないぞ」

和「そうね、ひとまず移動しましょう」

英子「みんなテンション高い~」グルグル

冬「英子先輩が目を回してます!」

夏香「しょうがないな・・・」ガシッ

風子「なっちゃん来たんだ」

夏香「あのメール見たら気になるでしょ」

風子「そうだよね~」



699 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/06(火) 19:39:04.70 ID:51PuW/tjo


唯「おーい、はやくおいで~!」

夏「お昼ご飯が逃げちゃいますよ~!」

姫子「逃げないって」

紬「・・・」フルフル

姫子「え、逃げるの?」

紬「・・・」コクリ

梓「目の前で売り切れるという前例がありますので・・・」

姫子「そっか・・・夏フェスの話だっけ・・・」

梓「そうです」

冬「夏ってば・・・」

夏香「・・・」

紬「・・・」スタス

梓「ちょっと待ってください、むぎせんぱい」

ギュ

紬「?」

梓「えっと・・・その・・・」

冬「?」

梓(しまった・・・今する事じゃなかった・・・)

夏香「・・・みんなお店に入ったよ・・・?」

紬「・・・?」

梓「あ・・・ぇ・・・と・・・」

姫子「先に入ってるからね、行こう冬」

冬「は、はい・・・」

紬「・・・」

梓(うぅ・・・先走ってしまった・・・)

夏香「どこ行ってたの姉さん」

姉「ぬいぐるみと談笑してた」

夏香「談笑って・・・風船まで貰って・・・」

姉「可愛かったからつい貰ってしまったのよ」

梓「あ、すいません。それください」

紬「?」

姉「いいよ。どうぞ」

梓「ありがとうございます」スッ

スィ~

姉「手放したよね?」

梓「はい」

紬「・・・」

夏香「・・・姉さんちょっとこっちに来て」

姉「・・・?」



700 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/06(火) 19:41:25.16 ID:51PuW/tjo



梓「見てくださいむぎせんぱい、どんどん風船が昇って行きます」

紬「・・・」コクリ

梓「その向こうに月がありますよね。白くて儚くて、
  それでもそこにいると存在を示すように白い光を放つ月です」

紬「・・・?」

梓「さっきあの月を見て、むぎせんぱいは何を想ったんですか?」

紬「・・・」

梓「どんなに時間がかかっても、伝えにくい事でも、私は聴きたいです」

紬「・・・」

梓「むぎせんぱいと同じ景色をみたいんです」

紬「・・・」ニコ



よかった

さっきとは違う いつもの笑顔だ



ギュ

紬「・・・」スラスラ

梓「・・・月がですか?」

紬「・・・」コクリ




なんだ きれい って3文字で済む事だったんだ

私はまた一人彷徨っていたんだ

でも 伝わったことが 伝えられたことが とても嬉しい



梓「そうですね『きれい』な月ですねー」ボケー

紬「・・・」ボケー



単純な事ほど伝えにくいのかもしれない

伝わったのは言葉だけ

そんな関係 私は嫌だ



701 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/06(火) 19:42:08.01 ID:51PuW/tjo


姉「・・・」

夏香「入ろうか姉さん・・・。みんなにどう紹介しようかな・・・」

姉「・・・」

夏香「姉さん・・・?」

姉「あの二人・・・姉妹じゃないよね?」

夏香「顔似てないでしょ」

姉「私たちは似てないけど姉妹でしょ」

夏香「・・・あの二人は先輩後輩の関係だよ」

姉「冬ちゃんと夏ちゃんみたい・・・」ボソッ

夏香「え・・・?」

姉「ううん、なんでもない。あの二人に会うの一年ぶりだから楽しみ」ウキウキ

夏香「やっぱり患者さんだったんだ」



702 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/06(火) 19:43:17.41 ID:51PuW/tjo



律「誰・・・?」

唯「どなた様?」

憂「?」

和「夏香のお姉さんですね」

姉「そうです、妹がお世話になっております」

夏香「・・・」

風子「気まずい顔してる」プクク

英子「こら、ふぅ」

夏冬「「 あれ・・・? 」」

姉「・・・」

冬夏「「 あっ! 」」

姫子「・・・?」

夏冬「「 看護師さんっ! 」」

姉「久しぶり~!元気だった!?」

冬「はいっ!」

夏「うん!」

純「・・・看護師?」

澪(この人が・・・)



梓「私もあの風船のように月を目指して昇っていきますからね」

紬「・・・」ニコニコ

ギュ

梓「むぎせんぱいが月ですから」キリ

紬「・・・」ニコニコ

律「なんだあの二人」

澪「いい事でもあったのかな・・・」

姫子「仲いいねぇ・・・」

風子「手なんか繋いじゃって・・・」

英子「拗ねているようだよ、ふぅ」

純「・・・」

夏香「ほら、座って姉さん。店員さん困ってるよ」

姉「うん?」

店員「・・・どうぞお座りください」

姉「あ、じゃあこっちの席に失礼するよ」

冬「どうしたんですか、ビックリしました!」

姉「なつ・・・夏香が遊園地に行こうってせがむから・・・」

姫子「・・・へぇ」ニヤリ



703 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/06(火) 19:45:59.68 ID:51PuW/tjo


夏香「連れてこなければよかったぁ・・・!」

唯「まぁまぁ、お水をどうぞ」

夏香「・・・ありがと」ゴクゴク

和「姉妹にしては似てないわね」

夏香「私と姉さんは血が繋がっていないの」

和「へぇ、そうなんだ」

唯「軽く受け止めたよ!」

夏香「母が再婚して、再婚相手に姉さんがいただけだから。重い話じゃないよ」

唯「ノットヘビィだね」

夏香「う、うん・・・?」

夏「・・・」チラッ

純「気になるならあっちの席に座ればいいじゃん」

夏「べ、別に・・・!」

憂「・・・」

梓「なにを食べますか?お勧め品がありますけど」

紬「・・・」スッ

梓「お子様ランチ・・・ですか・・・」

純(同じもの頼もうとしたんだろうなぁ・・・どうするんだろ)ウシシ

夏「・・・」チラッ



・・・・・・



冬「夏香先輩のお姉さんだったなんてビックリですよ!」

姉「ビックリしてばっかりだね、冬ちゃんは」

冬「だって、ビックリしましたから!」

姉「あはは、私も・・・ビックリしたよ」

澪(今、間があった・・・)

冬「姫子先輩!私が入院していた頃にお世話になった方です!」

姫子「え?・・・さっき聞いたけど・・・」

律「テンション高くなるとアホな子になるんだな冬は」

英子「そんな風に言わないの」

律「お母さんだ!」

澪「だからお母さんだろ」

冬「クスクス」

姉「・・・」

風子「注文しようよ、お腹空いたよ」

律「あぁ・・・忘れてたな・・・」グゥー



704 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/06(火) 19:48:08.38 ID:51PuW/tjo


冬「それで・・・お医者さんとは・・・」

姉「子供の癖に生意気なっ!」ビシッ

冬「あいたっ!」

風子「叩くの禁止!」

姉「・・・!」スッ

冬「・・・?」

姫子「どうしたんですか?」

姉「少し熱があるわね・・・。体の調子はどう?」

冬「大丈夫ですよ。熱気にあてられたせいだと思います」

姉「・・・」

澪「無理するのは無しだぞ?」

冬「は、はい・・・。大丈夫です」

風子「アトラクションにはなにに乗ったの?」

冬「え・・・と、観覧車とメリーゴーランドと・・・ティーカップですよ」

英子「そんなに激しいアトラクションじゃないんだ・・・」

律「調子悪くなったらすぐに言えよ?」

冬「は、はい・・・」

姉「・・・」

姫子「・・・」

冬「・・・」スッ

ピンポ~ン

店員「はーい!」

律「こらっ!」

冬「わ、私決めました」

律「こっちはまだ決めていないんだよ!」

澪「えぇと、なににしよう」アセアセ

風子「お子様ランチはありかな?」

英子「なしかな・・・」

店員「ご注文をお伺いします」

姫子「お子様ランチ二つと」

律「誰と誰だよ!」

姫子「冬と風子」

風子「ごめんなさい!言ってみただけです!量的になしです!」

英子「見栄え的にはありなんだよね」

冬「私はオムライスで」

律「ちゃんとリアクションしろよ!」ビシッ

冬「いたっ!」

風子「だから叩くの禁止!」

姉(はしゃぐ気持ちも分かるわね・・・)

店員「あのぉ・・・」



705 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/06(火) 19:49:12.12 ID:51PuW/tjo


店員「ありがとうございました~」

夏「ごちそうさまでしたー」

律「食べた食べた、お腹いっぱいだー」

唯「パフェ食べたかったのに~」

澪「後で食べような」

憂「また別れて行動するんですか?」

律「そうだな、秋山澪チームはスリルのあるものばかりになるから要注意だ」

冬「は、はい」

夏「じゃあ澪先輩チームで」ウキウキ

純「むっ」

澪「それじゃ、行くか!」キラキラ

和「食べてすぐ乗るの?少し落ち着いたほうがいいわね」

澪「時間は待ってくれないんだぞ和!」キラキラ

和「えぇ、もちろんそうなんだけど。それでも時間の中身を凝縮してしまうのはもったいないわ」

澪「凝縮なんてしないさ、ただ引き伸ばしているだけだ。一秒を濃くしていけばそれだけ長くいられる」キラキラ

和「澪の一秒と私の一秒は異ならないかしら」

澪「一緒にいて、同じものをみることで時間を共有できるんだ。それは同じ一秒だ」キラキラ

和「急ぎすぎじゃない?そこにはちゃんと道ができるのかしら」

澪「もちろんできているさ。楽しかったという思い出として存在し続ける。今日という宝だ」キラキラ

律「うわ、こっちが照れるっ」

姉「これは・・・ケンカ?」

夏「うーん・・・」

冬「というより・・・」

唯「ディ・・・ディスタンスだよ」

憂「ディベートだよ、お姉ちゃん」



706 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/06(火) 19:50:32.11 ID:51PuW/tjo


姫子「あのさ」

夏香「どうしたの?」

姫子「どうして冬を担当した看護師のお姉さん・・・を連れてきたの?」

夏香「・・・私もあの二人が気になってて、姉さんから聞いていた話と違うから別人だと思っていたんだけど
   話で聞いたとおりの雰囲気も垣間見せるから、どうなんだろうって事で実際に連れてきたって訳」

姫子「・・・そうなんだ・・・二人の事聞いてみようかな」

英子「姫子さん、どこまで二人の事知っているの?」

姫子「結構・・・深く・・・」

夏香「私と英子が聞いた話は中学1年生の時に退院したところまで、それからは話さなくなった
   患者さんの話をペラペラと話をしていたあの時が変だったんだと思っていたけど」

風子「・・・けど?」

夏香「そうじゃないみたい。・・・これは私の勘」

姫子「・・・そっかぁ・・・うーん」

風子「・・・もしかして、思いとどまっているの?」

姫子「まぁね・・・、中途半端に踏み込んでしまったかな・・・と」

紬「・・・」スラスラ

梓「そうですね、私もあの人と被って見えました」

姫子「?」

梓「あ、えと・・・。夏の旅で出会った人がいて、その人は
  『自分の問題を後回しにして、今を楽しもう』と言っていたんです
  確かに旅行は楽しむものですから、その考えは尤もなんです」

風子「ふむふむ」

紬「・・・」コクリ

梓「だけど、それでは『今』を本当に楽しめないんです。
  問題を解決する事で、より『今』楽しめるとむぎせんぱいがその人に伝えました・・・」

英子「姫子さんがその人に似ているの?」

紬「・・・」フルフル

梓「いいえ、夏と冬とも似ていません。ただ、状況がそう思わされた・・・といいますか」

姫子「そっか・・・。行動しないでダメになるのは莫迦らしいよね」

紬「・・・」

梓「・・・」

姫子「あれ、違ったかな・・・」

梓「いいえ、姫子先輩がそう感じたのならそれが正しいかと・・・」

紬「・・・」コクリ

姫子「そうだよね・・・答えはないよね・・・」

梓「!」

夏香「どうするの?姉さん呼ぶ?」

姫子「今は夏と冬と一緒にいてほしい・・・かな」

英子「そうだね。二人とも嬉しそう」

風子「・・・うん、初めて見たあんな二人」

紬「・・・」ニコニコ

梓(・・・答えは・・・なかったんだ・・・)



707 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/06(火) 19:52:19.34 ID:51PuW/tjo


―――――お化け屋敷・入り口


冬「行きましょう、行きましょう」グイグイ

姉「引っ張りすぎだから・・・夏ちゃんもちゃんと付いて来なさい」グイグイ

夏「やだやだっ!いやだー!」ズルズル

純「お化け屋敷怖いんだ?」

夏「怖いんじゃない、驚かせる人が嫌なの!」

純「幽霊なんていないんだから、人がやるしかないっしょ」

冬姉夏「「「 ・・・ 」」」シーン

澪「いやっ!」ブルブル

和「病院がキーワードね・・・。唯行くわよ」

唯「和ちゃんのテンションが上がった!」

憂「だ、大丈夫かな・・・。本当に人が演じているんだよね?」

律「それ怖ッ!その疑い怖いッ!!」

澪「みんなごめん、そろそろ私転校するんだ」

冬「大丈夫です、本物はいませんよ。作り物ですから」ガシッ

澪「ひっ!」

唯「よぉし、プロの腕を拝見しましょうか」フフン

姉「ほら、夏香も一緒に入るよ」ニヤリ

夏香「いやっ!」ブルブル

和律唯「「「 え・・・? 」」」

風子「お姉ちゃんがね、夜勤の病院での出来事をなっちゃんに話すもんだから
   私は見たことないけど、それ等が怖いんだって」

澪「・・・」ブルブル

夏香「・・・」ガクガク

梓「ひどい姉ですね」

純「その発言は怖くないって事でいいんだね?ここのお化け屋敷は怖いと有名なんだけど」

梓「もちろん。・・・むぎせんぱいも入りますよね?」

紬「・・・」フルフル

梓「私も入らないことに決まったから」

純「それが通用すると思うてか?」

和「・・・」

スタスタ

唯「おぉ・・・1人で入っていったよ」

風子「待って和さん!」

タッタッタ

姫子「風子は怖くないんだ・・・?」

英子「ふぅは・・・、体験するのを楽しむタイプだから・・・」



708 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/06(火) 19:53:54.38 ID:51PuW/tjo


澪夏香「「 ・・・ 」」ブルブル

律「じゃあさ、あの二人が出てきて、そのリアクションで決めればいいんじゃないか?」

夏「さ、賛成ー!」

澪「それは名案だ・・・否!さっきの話だと和と風子は楽しんで出てくるだろ!」

律「ちぇ、バレタか・・・つか、否!ってなんだよ・・・」

梓「テンションがおかしくなってきましたね」

冬「姫子先輩、私たちも入りましょう」

姉「お姉さんに任せなさい」ドン

姫子「私、入るなんて一言も言ってないんだけど・・・」

スタスタ

律「第二陣が入ったが・・・、次は?」

澪「夏香、そこのベンチで一休みしようか」

夏香「そうだね」

スタスタ

唯「行こうようい!」

憂「うん・・・」

律「憂ちゃんが怖がるなんて・・・面白そうだ」ウシシ

スタスタ

梓「・・・」チラッ

紬「・・・」コクリ

梓「では、私たちも入りましょう」

紬「!」

純「私もついて行くよ、結構面白そうなんだよね」

スタスタ

夏「あれ・・・?紬先輩入らないんですか?」

紬「・・・」アセアセ

夏「勘違いしたのか梓は・・・おーい!」

タッタッタ

紬「・・・!」

タッタッタ

英子「・・・」

シーン

英子「夏ちゃんと紬さんも入ったんだ・・・どうして・・・?」

澪「・・・ふぅ、入らずに済んだか」

夏香「怖がるだけの為に入るなんて理解できない」

英子「・・・叫ぶ事でストレス解消になる人もいるから」

夏香「それなら山で叫べばいいんだよね」

澪「そうだな」ウンウン



709 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/06(火) 19:54:49.01 ID:51PuW/tjo


――・・・

英子「あ、最初に入ったふぅと和さんだ・・・」

澪「え・・・」

和「・・・」サァー

風子「・・・」サァー

夏香「ど、どうして顔が真っ青なの?も、もしかして出た?」

和「えぇ・・・多分・・・ね・・・」

英子「店員さんでしょ?それか映像の演出なんじゃないのかな」

風子「それが・・・、店員さんが和さんを驚かしたんだけどね」

・・・・・・

・・・

店員「う~ら~め~し~や~!!」

和「・・・」

スタスタ

風子「すごーい、光の具合でリアルに見えてしまうんですね」

店員「うぅ・・・うらめしい・・・!」シクシク

風子「和さん!あっちの古井戸から出てきそう!」

和「それは捻りが無いわね」

井戸店員「」ギクッ

風子「あ、あっちから冷風が・・・」

和「さっき通ったところが温かった分、ここでギャップを演出するのね」

店員B「ぶ ん せ き す る な ~ !!」

和「あ、すいません」ペコリ

風子「ごめんなさい」ペコリ

店員B「いいけどね。偶にいるんだよ、物怖じしないどころか平然とお化けを傷つける人が」

和「そうですか・・・。出口は向こうですか?」

店員B「そうですよー。ありがとうございましたー」

風子「このお化けからやる気が感じられなくなった・・・」

店員B「まったくもぅ・・・」ブツブツ

和「一つだけ怖い演出がありました。入り口から付いてくる影はよかったと思います」

店員B「・・・?」

風子「え、どこどこ?」

和「ほら、あの物陰にいるでしょ。
  一つのグループに1人付けるなんて良いアイディアだと思うわ」

店員B「あれはうちの店員じゃないですよ?」

和「それじゃ、律ね・・・。まぁいいわ。出ましょう」

風子「どこ~?見えないよ?」



710 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/06(火) 19:56:52.36 ID:51PuW/tjo


和「ほら、あの影よ。律出てきていいわよ」

シーン

店員B「・・・」

風子「あのふすまの所でしょ?・・・誰もいないよ?」

和「あら・・・?」

風子「店員さんも見えますか?」

シーン

和「あら・・・??」

風子「ここまでが演出なんだ・・・。ちょっと背中が寒くなったね」エヘヘ

和「・・・」

店員「ちょっと君たち!立ち話しないで、雰囲気壊してるから出た出た!」

和「すいません・・・。顔が見えないくらいに髪の毛を下ろした白装束の役の人って・・・」

店員「ん?そんな古い役はいないよ?」

・・・

・・・・・・

風子「出たんだね・・・」

和「・・・出たのよね、きっと」

澪「」ピシッ

夏香「」ピシッ

英子「どうして律さんだと思ったの?」

和「そういう事しそうだからよ」

英子「・・・そうなんだ・・・あ、冬ちゃん達も出てきたね」

冬「・・・う、少し眩しいです」

姉「そうね、目が眩むわ・・・そこの暗い所みて目を慣らしなさい」

冬「はーい」

姫子「・・・律じゃないのかな」

和「後を付けて来た影というのかしら・・・姫子も見たのね」

姫子「私たちを追い越して和たちを尾行するわけないから・・・律じゃないよね」

澪「」ピキーン

夏香「」ピキーン

冬「これが石化ですね・・・」

英子「冬ちゃんは怖くなかったの?」

冬「私見えませんから」エヘヘ

姉「感心するようなリアクションばっかりで、店員さん肩を落としていたよね
  冬ちゃん夜の病院でも歩いていたから、そういうのには慣れているのかも」

和「へぇ・・・。お姉さんは病院でどういった経験を?」

澪「や、やめるんだ和!」

夏香「み、澪さん・・・あっちのベンチへ行きましょう」

冬「あ、ナースコールの話はどうですか?」

澪「聞こえない聞こえない」ブルブル



711 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/06(火) 19:58:24.13 ID:51PuW/tjo


夏香「行きましょう澪さん」グイグイ

澪「聞こえない聞こえない」ズルズル

英子「・・・確か、近い部屋から遠い部屋へ順にかかってくるという・・・」

姉「そう・・・。夜だからそれぞれのベッドにカーテンがかかっているのね」

和「・・・はい」

姉「最初の部屋に入って、鳴ったベッドのカーテンを開いても、その患者さんは寝ているのよ」

風子「・・・」ゴクリ

姉「念のため他のベッドも調べるんだけど、異常なし。
  日誌をつけに戻ると、また鳴るのよ。今度は隣の部屋から。
  それを繰り返して一番奥の部屋になるのね」

姫子(・・・夜だから、イタズラなんてするわけないだろうし・・・オチが読めない)

姉「・・・。何度も繰り返しているから怒りがこみ上げてきたのね
  私が場を離れる事で本当に助けを必要としている人にかけつけられないかもしれないって」

風子「・・・」ウンウン

姉「その部屋をチェックし終わったら・・・。私の背中を誰かがつつくの。ツンツンって」

ツンツン

和「・・・?」

姉「そこには・・・」

唯「おまえだぁ~!」

英子「!」ビクッ

和「誰よ・・・」

フゥー

和「・・・息を吹きかけないでくれるかしら」

律「・・・ちぇっ」

ピチョン

和「っ!」ビクッ

憂「はい、和さん冷たいお茶をどうぞ」

和「普通に渡してよ・・・。首につけるなんて・・・ずるいわよ」

憂「えへへ」

唯律「「 やった! 」」

姫子「三段構え・・・。そうまでしないと驚かない和もすごいよね・・・」

風子「・・・うん」

冬「ふふっ」

姉(冬ちゃんの周りには・・・)

和「それで・・・誰がいたんですか?」

姉「そこには・・・誰もいませんでした・・・」

姫子「・・・」

和「よくある話よね」



712 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/06(火) 19:59:49.58 ID:51PuW/tjo


唯「そだね~。怪談話とかでよくあるパターンだよ」

憂「・・・」

姉「太陽の下で話しているから怖くないんだよ」

夏香「変なところで負けず嫌いなんだから・・・」

澪「お、終わった・・・?」

律「怪談か?それなら終わったぜー」

冬「あれ・・・、夏と紬先輩がいませんけど・・・?」

唯「どこに行ったの?」

英子「中だよ。梓ちゃんと純ちゃんの次に入って行ったよ」

冬「・・・」

和「そろそろ出てくるわね」

姫子憂「「 あの・・・ 」」

姉「ん?」

姫子「・・・本当はいた・・・のでは?」

憂「私もそう思いました」

姉「・・・聞きたい?」

姫子憂「「 はい 」」

姉「じゃ、こっちきて」カムカム

スタスタ

夏香「?」

純「あれ、律先輩ここにいたんですか?」

律「先に入ったんだから先に出るのは当然だろ・・・?」

純「ですよね・・・。梓が律先輩が驚かせようとこっちを見てるって言うから・・・」

梓「あれ、むぎせんぱいはどこですか?」

和「話の流れなんて関係ないのね」

澪「りつ!」

律「いや、私は道なりに歩いていただけで・・・」

風子「私は見えなかったんだけど、純ちゃんもみえなかったの?」

純「はい・・・」

唯「なになに?どうしたの?」ウキウキ

和「なんでもないわ。忘れて」

唯「気になるよ!誰かいたんだね?」

英子「入ってないのに怖くなってきた・・・」ブルブル

夏香「・・・」ガクガク

澪「は、はやく出てきてくれむぎ・・・」ブルブル

梓「あ・・・」

夏「うぅ・・・」ブルブル

ギュウ

紬「・・・」ニコニコ



713 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/06(火) 20:00:30.89 ID:51PuW/tjo


純「あらら、夏のイメージからずい分離れちゃって・・・」

唯「しがみついちゃって・・・」キュルルルリン

梓「な、なな・・・夏!」

冬「夏は怖がりなんです・・・そういう所は変わらない・・・」

律「・・・そっか」

姫子「面白い光景だね」

夏「うぅ・・・」ガタガタ

梓「ちょっ、離れてっ!」

紬「・・・?」

律「なんだよむぎまで・・・私じゃないぞー」

澪「よ、よし。移動するぞ!」

憂「・・・ふぅ」

風子「どうしたの、憂ちゃん?」

憂「い、いえ・・・なんでも・・・ないです」

英子「最後まで話したんですか?」

姉「うん。悪い話でも怖い話でもないからね・・・」

冬「続きがあるんですか?」

唯「なんの話?」

姫子「唯、行こう。次のアトラクション何に乗ろうか」

唯「う、うん・・・?」

姉「冬ちゃんは聞かなくてもいい話」

冬「・・・?」

英子(少しだけ悲しいお話)



714 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/06(火) 20:03:44.49 ID:51PuW/tjo


―――――澪班

夏「たのしいー!」キラキラ

澪「だな!お化け屋敷なんてなかったんだ」キラキラ

唯「おぉ、無かった事にしたよ」

律「さーっきまでむぎにしがみついて怯えていたのは誰でしたっけ~?」

夏「そんな昔の私は私じゃありませんよ~」キラキラ

律「過去の自分を否定すんなよ・・・。フリーフォール乗っただけで・・・」

憂「楽しかったですね和さん」

和「えぇ」

風子「和さんも楽しかったんだ・・・。乗ればよかったなぁ」

律「じゃ、また乗ろうぜ!二回戦だ!!」

澪「よし。そうと決まればさっそく並ぶぞ!」キラキラ

夏「了解です!」キラキラ

唯「私も乗るよ!ふぅちゃんも乗るよ」フンス!

風子「・・・」ゴクリ

夏「―ッ!」ゾクッ

憂「ちょっと待ちますね・・・。急に混みはじめました」

和「そうね、集中したのね」

夏「・・・」ブルブル

律「どうした・・・夏?」

夏「も、もしかして・・・・・・」

pipipipipipipipi

風子「ケータイが鳴ってるね」

澪「・・・私じゃないな」キラキラ

憂「もしもし、どうしたの梓ちゃん?」

『ふ、冬が・・・』

憂「冬ちゃんがどうしたの?」

夏「!」ダッ

ダダダッ

律「どこに行くんだよ夏!」

和「冬がどうしたの?」

憂「た、倒れたって・・・」

唯「え!?」

澪「今どこにいるの?」

憂「救護室です」

律「行くぞ・・・。それにしても夏は・・・」

風子「先に向かっていると思うよ」

唯「ど、どうして分かるの?」

風子「パンフレット貰ったときチェックしていた・・・んだと思う」

律「・・・一緒に居ないと意味無いだろっ・・・ったく」



715 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/06(火) 20:05:07.58 ID:51PuW/tjo



―――――救護室


冬「す、すいません」

紬「・・・」フルフル

姫子「軽い貧血・・・ですか・・・」

姉「えぇ、今のところ体温もそんなに高くないし、ですよね看護士さん?」

看「はい。症状も軽いですから、少し休んでいけば大丈夫かと」

夏香「・・・」ホッ

冬「・・・はぁ、私は・・・いつも・・・」

純「まぁ、大事にならなくてよかったじゃん」

紬「・・・」コクリ

冬「・・・」

姉「大事をとって、休んだら今日はもう帰りましょう」

英子「そうだね。安静にしましょう」

冬「はい」

看(俺の立場が・・・)

梓「・・・憂に連絡してきました」

紬「・・・」コクリ

冬「・・・夏にまた・・・心配かけて・・・」

紬「・・・」

ギュ

紬「・・・」スラスラ

冬「・・・はい」

姫子「・・・」

冬「でも、姉妹でも・・・私はいつも夏の場所を奪ってきたんです・・・」

紬「・・・」

梓「場所を・・・?」

姉「・・・」

冬「場所だけじゃない・・・時間も一緒に・・・」

姫子「それは」

ガラッ

夏「冬ッ!」

冬「あ・・・夏・・・」

ギュッ

夏「意識はあるんだよね!?体が重いとか痛いとかない!?」

冬「うん・・・大丈夫だよ」

夏「本当に!?本当に大丈夫だって言える!?」

看「しばらく横になっていれば大丈夫だよ」



716 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/06(火) 20:06:46.67 ID:51PuW/tjo


姉「・・・ちゃんとお医者さんにも看てもらったから、安心していいみたい」

夏「・・・よか・・・っ・・・たぁ」

冬「・・・ごめ・・・んね・・・」

夏「ッ!」ズキッ

紬「・・・」

梓「・・・」

冬「いつも・・・」

夏「いつも!なんで謝るのッ!?」

冬「・・・うん・・・ごめん」

ズキィッ

夏「どう・・・してッ!!」

紬「・・・!」

冬「・・・な・・・つ・・・?」

夏「もういいっ!」

バッ

タッタッタ

ドンッ

律「おっと」

夏「・・・っ」

ダダダッ

澪「夏・・・」

唯「冬ちゃん!」

冬「あ・・・みなさん・・・」

和「・・・体の様子はどうなの?」

姫子「軽い貧血だから少し休めば大丈夫だって」

唯「もぅ~びっくりだよ~」

冬「すいません・・・」

唯「ううん、安心した」

憂「・・・うん」



717 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/06(火) 20:07:15.32 ID:51PuW/tjo


冬「心配かけてしまいましたね・・・。私は大丈夫です・・・」

風子「よかったぁ・・・」

憂「はい・・・」

紬「・・・」

冬「・・・どうして・・・いつもこうなのかな・・・私は」

梓「・・・夏と話してきます」

紬「・・・」コクリ

タッタッタ

純「・・・」

タッタッタ

律「二人に任せるか」

看「悪いけど、ここは救護室だから2、3人残して外に出てくれないかな」



718 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/06(火) 20:08:45.29 ID:51PuW/tjo


夏「いつまで付いてくるの?」

梓「話をするまで」

純「・・・」

夏「私これから帰るんだけど・・・家まで付いて来るつもり?」

梓「・・・」

純「じゃ、あっちで話しよう」

夏「したくないから、出口に向かっているんだけど」

梓「冬は置いていくの?」

夏「先輩たちに任せる」

梓「迷惑かけていいの?姉妹なのに」

夏「・・・いいんじゃないの?踏み込んでくるって言ってたし、迷惑かけても」

純「なにそれ、冬に責任押し付けて自分はそ知らぬ顔って・・・」

夏「・・・どうして冬に押し付けるって話になんのさ。体弱いのに遊園地に来た冬の責任じゃん」

梓「それじゃあどうして夏もここに来たの?」

夏「姫子先輩と遊びたいから・・・それだけなんだけど」

純「らしくないなぁ・・・どんどん矛盾してきているよ
  一言そういえば梓も私も納得するんだよね。みんなと一緒にいたいって」

夏「・・・るさいなぁ」

梓「・・・」

純「・・・」

夏「ほら、出口に着いたよ。ここを越えたらまた入場料を払わないといけない。どうすんの?」

純「それは困る。余計な出費は痛い」

梓「・・・」

夏「だったら戻りなよ。私らの問題は私らでしか解決できないんだって」

梓「・・・」

夏「・・・じゃあね」

梓「ここを越えたら、二度と姫子先輩たちのいるあの場所へは戻れないよ」

夏「!」

純「・・・」

梓「私も・・・失う所だったから・・・怖いのは分かる」



719 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/06(火) 20:10:36.06 ID:51PuW/tjo


―――――救護室


冬「嫌われて当然なんです。今まで友達と過ごすはずだった時間を、私のせいで失くしたから」

紬「・・・」

姫子「・・・」

冬「小学校の時に入院してから夏は毎日お見舞いに来てくれたんです
  放課後部活で汗を流したり、寄り道したり・・・もっと楽しい話をしたりしなきゃいけないに
  そういう時間を私は全部奪ってしまったんです」

紬「・・・」

冬「私と病室に居る事で、その大切な時を失くしてしまった・・・」

姫子「・・・」

冬「そして今日も、先輩たちとの楽しい時間も・・・」

紬「・・・!」

姫子(むぎ・・・なにか伝えたいのかな・・・私は・・・)

律「本気で言ってんのかよ」

冬「・・・分かりません。だって、夏の事・・・」

紬「・・・!」

律「知らないって言うのかよ。血が繋がっているのに・・・」

冬「っ!」

姫子「ちょっと、律・・・」

律「むぎと梓、夏香と姉さんの方がよっぽど姉妹だな」

姫子「律!」

冬「・・・」

律「心配かけて迷惑かけてもいいだろ。・・・ソーマが言ってたぜ」

紬「・・・?」

冬「相馬・・・轍・・・さん・・・?」

・・・・・・

・・・

律『今日は長い一日だったなー』

『あの二人って姉妹みたいだね』

律『誰?』

和『むぎと梓ですか?』

『うん・・・。むぎって名前なの?』

律『いや、愛称なんだが・・・どうしてそう思ったんだよ』

『兄弟・姉妹はさ、血の繋がった者同士なんだ。
 親同士は結局のところ他人になるわけだけど姉妹は違う。
 強く固い繋がりを持っているんだ』

和『・・・よく分かりませんね』

律『和が一人っ子だからじゃないか?』

『うーん、これは沖縄の信仰そのものでもあるから理解しにくいのかも』

律『・・・ふーん。・・・でも、それは分かるような気がする』



720 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/06(火) 20:11:39.17 ID:51PuW/tjo


和『そうね。あの二人は・・・そういう繋がりがあるのかもしれないわ』

『・・・ふぁ・・・ねむ・・・』

律『沖縄ねぇ・・・』

和『相馬さんも・・・そういう繋がりを見てきたんですか?』

『・・・うん。兄は妹を心配して、妹はそんな兄を尊敬すると同時に引け目を感じて』

律『真鶴ちゃんとソーマの事じゃないのか・・・』

『どうして?』

律『にぃにぃって呼んでいただろ?』

『あぁ、・・・するどいね』

和『どんな話があるのか興味あるわね』

『真鶴ちゃんとの話はスペクタルになるけどいい?』

律『じゃいいや、寝るべ』

和『そうね・・・ふぁ』

『・・・いいけどさ』

・・・

・・・・・・

律「『血の繋がった者同士、強く固い繋がりを持っている』ってな」

紬「・・・」

冬「・・・っ」

姫子「・・・」

律「そんな繋がりを疑ってどうすんだよ。姉として妹を信じろって」

冬「・・・・・・・・・はい」

律「じゃ、外で待ってるからなー。次何に乗ろうかな~」

スタスタ

冬「・・・」

姫子「律・・・」

紬「・・・」

ギュ

冬「・・・」



721 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/06(火) 20:13:33.75 ID:51PuW/tjo


―――――出口


夏「怖いのが分かるって?それは思いあがりだよ梓」

梓「・・・」

純「なっ!夏は梓がどんな思いをしてきたか知らないでしょっ!」

夏「本当に失くしてきた冬の気持ちが分かるわけないよ。
  それなのに人の心が分かるような言い方はしないでくれるかな」

純「いい加減に・・・!」

梓「待って純・・・。どういうこと?」

純「っ・・・」

夏「・・・梓は同じクラスだったから分かるよね、卒業写真に写っていない冬の事」

梓「・・・うん」

純「同じクラス・・・?」

梓「小学6年・・・同じクラスだった・・・」

夏「同じクラスだって、いつ思い出した・・・?」

梓「夏の家で鍋をした・・・時・・・。おじさんとおばさんの顔をみて・・・」

夏「・・・梓は正直だな・・・。そういうの嫌いじゃないよ。なんて偉そうだけど」

純「・・・で、それが?」

夏「卒業写真どころか、卒業アルバムに一枚も写っていないんだよ冬は」

純「っ!」

夏「それはいいよ、別に・・・。休んでいたんだから残らないのはしょうがない」

梓「・・・」

夏「梓さぁ、冬との思い出ってある?」

梓「・・・え?」

夏「やっぱそうだよね・・・覚えていないのもしょうがないよ。
  責めるつもりもないし、時間は戻らないから・・・」

梓「・・・」

夏「冬と一度だけ一緒に帰ったこと・・・あるよね」

梓「・・・!」

純「そんな一度っきりの話なら覚えていなくても・・・!」

夏「・・・うん。人の記憶なんてそんなもんだから・・・いいんだ。だけどさ・・・
  私以外の人の中に残っていないんだよ・・・冬は・・・冬と一緒に過ごした時間は」

梓「・・・」

夏「友達ができそうだって・・・梓の話をした後に風邪をひいて寝込んで・・・
  その前も、その前もその前も何度何度も寝込んで・・・機会を逃していたんだよ・・・」

純「・・・っ」

夏「今の冬を見ていたら分かると思うけど、
  冬の周りには人が集まってくるんだよね紬先輩みたいに・・・さ」

梓「似ているって・・・」



722 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/06(火) 20:14:44.04 ID:51PuW/tjo


夏「うん・・・。紬先輩はなんだかふわふわした人で・・・暖かくて、そばにいたら落ち着けて
  だから梓も懐いて、そんな人だからみんなが集っているんだと思う・・・
  安心できて心地よくて、ただ楽しくて・・・

  他の人が冬をどう思っているのかわからないけど、紬先輩と冬は周りの人たちを似た表情にさせてる」

梓「・・・」

夏「私の名前は夏なのにそんな事なくて、むしろ冬の方が夏のような雰囲気をもっていてさ
  それなのに・・・そんな冬なのに・・・人と繋がっていく時間を奪われていった」

梓「・・・」

夏「どうして冬なの?」

純「っ!」

夏「どうして私じゃないの?」

梓「っ!」

夏「どうして冬の後ろに隠れている私じゃなくて、
  太陽のような冬が大切な場所と時間を奪われていかなきゃいけないの?」

梓「・・・」

夏「おかしいよ・・・こんなの・・・」

梓「・・・」

夏「それに・・・・・・冬の今の時間を私が奪うところだった・・・」

梓「今の・・・時間・・・?」

夏「わ、私の・・・っ・・・せっ・・・せいでっ・・・冬を失うとこ・・・っ」

純「ちょっ、夏!」

梓「夏!」

夏「だ、・・・だっ・・・いじょっ・・・うぶ・・・っ・・・」

純「震えてるって!」

梓「あっちのベンチに・・・!」

夏「だいっ・・・・・・じょうぶっ・・・」



723 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/06(火) 20:15:25.19 ID:51PuW/tjo


―――――救護室

冬「・・・・・・ごめん・・・なつ」

紬「・・・」ツンツン

姫子「・・・?」

紬「・・・」トントトントン

冬「?」

姫子「・・・うばったなら・・・」

紬「・・・」トントントトトン

姫子「かえせばいい」

冬「・・・?」

紬「・・・」コクリ

姫子「えー・・・と、失った時間をこれからは作っていけばいいって事・・・かな?」

紬「・・・」キリ

姫子「・・・そっか、そうだね」

冬「えぇと・・・?」

姫子「分からないかな・・・。時間は・・・えと、取り返せないけど・・・
   これからの時間は一緒に過ごせばいいってことだと思う・・・
   ううん・・・一緒に過ごせばいいんだよ。きっと」

冬「!」

紬「・・・」ニコニコ



724 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/06(火) 20:16:03.61 ID:51PuW/tjo



―――――出口


梓「落ち・・・着いた・・・?」

夏「・・・すぅ・・・はぁ・・・・・・うん」

純「・・・」

夏「あの時を思い出すと・・・息が止まりそうになる・・・」

梓「あの時・・・?」

夏「冬を失いそうな時」

純「・・・」

夏「・・・ありがと、こんな話・・・誰かにした事なかったから・・・少し楽になった」

梓「・・・うん」

夏「じゃ、私帰るから」

純「結局帰るのかよ」

夏「今日はもう冬の顔みられない・・・。姫子先輩によろしくね」

梓「・・・うん」

夏「・・・ごめんね、じゃ」



725 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/06(火) 20:16:42.36 ID:51PuW/tjo


―――――救護室

冬「いつも夏は私の手を握っていてくれるんです」

紬「・・・」

冬「・・・それが暖かくて・・・よいしょ」

姫子「起きて大丈夫?」

冬「大丈夫です、自分の体は自分がよく分かりますから」

姫子「そう・・・」

冬「では、行きましょう」

紬「・・・」ニコニコ

姫子「行きましょうって・・・帰りましょう、でしょ」

冬「私一人では危ないですから・・・」

姫子「うん、私も帰るよ?」

冬「それはもったいないですから、待ってます」

紬「・・・」コクリ

姫子「・・・?」



726 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/06(火) 20:17:36.19 ID:51PuW/tjo


梓「『姫子先輩に任せる』そうです」

姫子「勝手な・・・夏・・・」

冬「心配をお掛けしました」ペコリ

澪「大丈夫?」

冬「はい!」

律「じゃ、移動しようぜ~」

和「帰らないの?」

唯「今帰ったら冬ちゃんが気にするよ」

冬「はい。私のせいで帰ってしまうのは嫌です」

純「嫌ですってね・・・」

風子「私と眺めていようか」

冬「いえ、でも・・・」

律「どうせ全員が一度に乗る事なんてできないんだから、順に乗ればいいだろ」

紬「・・・」コクコク

澪「ふむ・・・、じゃあ・・・行くか!」キラキラ

純「行きましょうー!」

唯「テンション戻ったよ!」

憂「・・・行こうよお姉ちゃん」

唯「そうだね、楽しもうようい!」

梓「しょうがないですね・・・」

律「・・・」

冬「・・・」オロオロ

澪「いつまでそんな顔してんだりつー!」バシッ

律「ってえ!」

冬「あ、あのっ、ごめんなさい!」

律「なんで謝ってんだよー」

冬「だ、だって・・・」

唯「りっちゃんがむすっとしてるからだよー」

澪「そうだぞ!遊園地で変な顔するなっ!」キラキラ

律「・・・へいへい」



727 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/06(火) 20:19:00.17 ID:51PuW/tjo



夏香「・・・本当に冬ちゃんは大丈夫なの?」

姉「うん。私がついているし、なにより今は精神面を育てないとね」

律「あのさ、夏はいつから冬から離れていったんだ・・・?」

姉「・・・田井中さんだっけ?」

律「いえす」

姉「それは好奇心?」

律「そうだな、最終的には自分の為になるかもしれないから・・・好奇心であっているのかも」

姉「・・・自分の為って?」

律「私も探している場所があるから・・・。あの二人を通して見えるのかもしれない」

姉「若いのに・・・あえて踏み込むんだ・・・」

律「若いからだな・・・。みおー!」

姉「こりゃ一本取られたか」

夏香「・・・」

澪「ジェットコースターは待ってくれないぞりつ!」キラキラ

律「双子の件で聞いておいたほうがいいと思ってな」

澪「そうか・・・。むぎじゃなくて私なのか?」

律「今日は私たちが決めたイベントだろ」

澪「・・・そうだな」

姉「この二人はどういう関係?」ヒソヒソ

夏香「幼なじみ」ヒソヒソ

姉「面白い関係だね・・・」プクク

澪「?」

姉「ゴホン・・・。冬ちゃんは命を繋ぐ事ができた。・・・それは知ってる?」

夏香「えっ!?」

律澪「「 はい 」」

夏香「知ってたの!?」

律「二人のお母さんから聞いたんだ」

澪「・・・うん」

姉「その後かな・・・次第にお見舞いに来る回数が減ってきたのは・・・退院の日にも来なかった」

律「どうして・・・?」

姉「そこは私には分からない・・・。ただ、冬ちゃんは嫌われたってつぶやいていた」

澪「それはないな」

律「あぁ、断言できるな」

夏香「・・・」

姉「・・・うん。あの子、夏ちゃんは目を背けているような気がする」

澪「・・・」

姉「眩しいと目が眩むから暗い所を見てなれるのを待つんだけど・・・、夏ちゃんはそんな感じ」

律「・・・」



728 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/06(火) 20:19:42.74 ID:51PuW/tjo


姉「これくらいだけど」

澪「・・・」

律「・・・冬は・・・どうして短期間で回復できたんだ・・・?」

澪「そういえば・・・そうだな」

姉「!」

夏香「・・・どういう事?」

澪「お母さんの話では高校に入ってからその事が起きているんだ」

律「姫子の話では・・・えぇと・・・今年の7月に入部してるから・・・」

澪「冬はいつ退院したんですか?」

姉「・・・去年の秋・・・ちょうど・・・一年前・・・」

夏香「確かに回復が早い・・・」

律「・・・」

澪「・・・」

姉「律ちゃん、探している場所・・・って・・・?」

律「え?・・・えぇと・・・『最高の場所』ってやつです」

姉「その場所ってどういう場所なの・・・?」

澪「支えてくれる場所だと思います。どんな出来事が起きても、自分を強くしてくれる大切な場所」

姉「・・・なるほど」

夏香「冬ちゃんも持っているって事?」

澪律「「 そうか・・・ 」」

夏香「・・・?」



730 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/06(火) 22:37:46.24 ID:51PuW/tjo


―――――夜

ガタンゴトン ガタンゴトン

唯「」スヤスヤ

冬「」スヤスヤ

律「結局聞けなかったな」

澪「・・・うん」

姫子「・・・」ハァ

純「今の溜息は結構深かったですよ」

姫子「・・・うん。ちょっとね・・・」

純「私がお役に立てるかもしれませんよ、聞かせてもらいましょうか」ドン

姫子「・・・ううん、ありがと」

純「えー、断って御礼を言われるの嫌ですよぉ」

姫子「わざとおちゃらけて、励まそうとしてくれているんでしょ?」

純「うぐっ・・・」

和「あのね・・・、それを言ったら純の厚意が無駄になるのよ?」

姫子「あ・・・ごめん」

純「・・・」

律「照れるなって」ナデナデ

純「こんな時の優しさは辛いですからっ!」

律「知っててやってんだよ」ナデナデ

純「ひどいっ!」

姫子「ふふっ」

純「えへへ」

冬「」スヤスヤ

澪「・・・あの後、夏はどうだった?」

純「正直に言っていいですか?」

律「お?」

姫子「うん、聞かせて」

純「これ以上私たちが踏み込んではダメです。私は冬と夏の間にある溝が埋まるとは思いません」

和「・・・断言するのね」

純「はい。私たちでは夏の傷を抉るだけで、その傷をどんどん大きくしてしまうだけだと思いました」

唯「」スヤスヤ

冬「」スヤスヤ

律「そっか・・・。人の傷なんて計り知れないもんな・・・」

澪「そうだな、・・・私たちはここまでだ」

和「・・・そうね。・・・そろそろ到着するから起こすわ」

姫子「・・・・・・あっさりなんだ」

純「・・・」

姫子「・・・・・・」



731 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/06(火) 22:38:14.25 ID:51PuW/tjo


律「さっきは純の厚意を汲んだのに、今は汲み取れないのかよっ」

姫子「え・・・?」

澪「純は向こうの席とこっちの席に線を引いて『私たち』と言ったんだ」

和「・・・そういう事ね」スッ

純「くすぐったい」モジモジ

スタスタ

和「むぎ、梓、憂、風子、英子・・・そろそろ到着するわよ」

紬「・・・?」

梓「ぅ・・・?」

憂「ふわぁ・・・」

風子「あと五分・・・」ムニャムニャ

英子「・・・到着して発車しちゃうよ」

姉「ほら・・・なつ」ユッサユッサ

夏香「・・・起きてるよ」グラグラ

姉「寝たフリ?」

夏香「話し相手が居ないから目を瞑っていただけ」

姉「私はー?」

夏香「本読んでいたでしょ」

スタスタ

和「・・・よいしょ」ストッ

姫子「・・・」ハァ

純「姫子先輩・・・梓だけだと思います。夏の心に触れたのは梓だけですから」

姫子「・・・そっか・・・ありがと」

純「私はなにもできませんでした・・・。なんかズレた受け取り方しか出来ませんでしたから」

律「・・・」

純「律先輩・・・こういう時は・・・」

律「知っててやらないんだけど」

純「ひどいっ!優しくしてくださいよっ」

律「わがままだな・・・みお」

澪「唯、冬起きて」

律「・・・は忙しいから和がやればいい」

和「・・・」

純「・・・」

和「偉いわ」

純「ありがとうございます!」

律「優しいのかそれ・・・」

姫子「・・・」

ガタンゴトン ガタン  ゴトン

プシュー



732 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/06(火) 22:42:02.10 ID:51PuW/tjo


和「おやすみ」

律「あぁ、おやすみー」

憂「おやすみなさい」ペコリ

澪「明日な」

唯「はいよ!駄菓子屋でね」

姫子「・・・バイバイ」

冬「」スヤスヤ

唯「はいは~い」

スタスタ

澪「帰るか」

律「あぁ、今日も大変だったなー」

冬「」スヤスヤ

姫子「私ってさ・・・心狭いかな・・・」

律「なんでだ?」

姫子「さっき、電車の中で・・・純が言った事で、みんなが二人を見放すように聞こえて
   ちょっと嫌な気分になったんだよね・・・」

澪「心が狭い人なら、冬をおんぶしてわざわざ送ったりしないよ」

姫子「・・・」

冬「」スヤスヤ

律「そうだぜー。むしろその逆で大きくて余計なもんまで抱えちゃってんだよきっと」

姫子「・・・そんな事はないよ」

澪「姫子は冬を見ていればいいんだと思う」

律「そだな、二人はさすがにきっついな」

姫子「・・・」

冬「」スヤスヤ

律「代わろうか?」

姫子「・・・」

澪「おーい」

姫子「・・・」

律「ひーめーこーちゃん!」

姫子「・・・え?」

冬「・・・ぇ?」

律「だから冬をおんぶするの代わろうかって言ってるんだけど」

姫子「大丈夫だよ」

冬「えっ!?また!」

澪「びっくりした・・・。起きちゃったんだ」

姫子「降りる?」

冬「もっ、もちろんです!」

律「その返しは間違ってるぞ」



733 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/06(火) 22:42:46.70 ID:51PuW/tjo


冬「あ、嫌って意味じゃなくて迷惑だろうからって事で」アセアセ

律「ブフッ」

澪「遊ぶなっ」バシッ

律「いたっ!」

姫子「よいしょっと」

冬「あ、ありがとうございました」

姫子「・・・ううん・・・気にしないで・・・これくらいしか出来ないから」

冬「・・・」

姫子「・・・?送っていくから行こう?」

冬「どうかしたんですか・・・?」

姫子「どうもしないけど・・・」

冬「やっぱり迷惑だったんじゃ」

律「疲れてんだよっ」ビシッ

冬「いたっ」

澪「・・・」バシッ

律「いたっ!・・・え?」

澪「風子から律が冬を叩いたら叱ってとの伝言を承っている」

律「はぁ・・・左様ですか・・・」

冬「ふふっ」

姫子「・・・さ、行こうか・・・」

律「さっさと帰って暖かいお風呂に入って布団に入って、・・・どうしよっかなー」

澪「勉強しろ」

律「嫌だ!布団に入って勉強させるなよっ」

姫子「・・・」

冬「・・・」



734 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/06(火) 22:43:14.69 ID:51PuW/tjo



冬「上がっていかないんですか?」

律「いいって、私たちも早く帰りたいからな」

澪「うん。よろしく伝えておいて」

姫子「・・・」

冬「はい・・・。せっかく明日もお誘いくださったのに・・・」

律「そんな気にしなくていいって、夏香の姉さんにも言われてんだから」

澪「そうだぞ、明日は念の為に病院へ行くべきだ」

姫子「うん」

冬「・・・はい」

律「じゃーな」

冬「今日も楽しかったです。ありがとうございました」ペコリ

律「ったりめえよ!」

澪「じゃあね、お休み」

姫子「おやすみ」



735 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/06(火) 22:44:01.32 ID:51PuW/tjo


姫子「早く帰りたいんじゃなかったの?」

律「あー、うん」

澪「翻訳すると、姫子が考えている事を聞かせてくれって」

律「心を読むなっ!」

姫子「・・・」ハァ

律「この流れで溜息吐かれると・・・」

澪「冬も心配していたよ・・・?」

姫子「え?」

澪「別れ際、冬の顔がそう言ってた」

姫子「・・・そっか・・・・・・」

律「話したら見えてくることもある。話さないといつまでもそのままだ」

姫子「・・・律って・・・たまに的を射るよね」

律「・・・そんなんじゃねえよ・・・みんなで笑っていたいだけだ」

澪「・・・」

律「だけだよーん・・・」

澪「見て姫子、流れ星」

姫子「・・・?」

澪「ごめん、飛行機だった」

律「こらっ!」

澪「照れ隠しをすると余計恥ずかしかったりするんだぞ」

律「・・・」

姫子「敵わないなぁ・・・ってさ」

澪律「「 え? 」」

姫子「今の二人のやりとり、むぎと梓、唯と和と憂と純」

澪「???」

姫子「救護室でさ、律が冬を叱ったでしょ?」

律「あ、あれは・・・冬が自分を大切にしないから・・・」

姫子「うん・・・、だけどそれを私は読み取れなかった・・・」

澪「・・・」

姫子「冬が心のうちを話してくれていた時・・・むぎは何かを伝えたがっていた
   言葉が・・・っ・・・話せなくて・・・悔しそう・・・だった・・・」

律「姫子・・・」

姫子「その後に・・・っ・・・律が・・・むぎの心を代弁した・・・ようでさっ・・・」

澪「・・・っ」

姫子「そばにい・・・たのに・・・っ・・・聞こえ・・・なか・・・った・・・」

律「・・・」

姫子「私・・・っ・・・玉恵さんから・・・貰ったもの・・・・・・二人にっ・・・渡したいのにっ」

澪「・・・」

姫子「私では・・・渡せない・・・・・・っ・・・それが・・・とても・・・悔しいな・・・っ」

律「・・・」



736 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/06(火) 22:45:38.47 ID:51PuW/tjo


澪「・・・」

姫子「ご・・・っごめん・・・こんなの私じゃないよね」

澪「・・・」

姫子「い、今のっ・・・忘れて」

律「ひーめーこっ」ダキッ

姫子「り、律!?」

律「はは、唯ならこうしたかなって思ってさぁ」

ギュウ

姫子「ちょっ!」

澪「・・・きっと、したな」グスッ

姫子「澪・・・」

律「あのさ、私の旅の話したじゃん?」

姫子「・・・うん」

律「あれは、私ら5人がいたから見られた景色なんだぜ?」

姫子「?」

澪「私たちの内一人でも欠けていたらみられなかったんだ」

姫子「・・・」

律「姫子が玉恵ちゃんから貰ったものってなんだ?」

姫子「・・・それは・・・思い出とか記憶とか・・・で説明できるけど・・・そうじゃなくて」

澪「うん・・・」

姫子「私と玉恵さんが繋がった事・・・。同じ景色を見られたこと・・・。
   ・・・大切な事を教えてもらった事の全て」

律「そうだ!」

ギュウ

澪「いい加減離れろ」グイッ

律「へへっ、すいやせん」

澪「私たちと姫子は繋がっている。そして、冬と夏は姫子と繋がっている」

律「二人がもう一度繋がる事を姫子が望んでいるんだろうけど、それは私たちの望みでもあるんだ」

姫子「!」

澪「だから、大丈夫。きっと・・・必ず・・・絶対に渡せる」

律「そうだ!」

姫子「・・・」

澪「姫子は私たちと同じ輪の中にいるんだ。欠けたら・・・景色がみられなくなるぞ」

律「そうだぜ!だから、心配すんなって」ダキッ

姫子「律!?」

律「なんでかな、二人と姫子の間にあるのが愛おしくてな」オホホ

澪「うわー・・・」



737 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/06(火) 22:46:15.16 ID:51PuW/tjo


pipipipipipi

姫子「・・・?」ピッ

『勝手に帰ってすいませんでした。また姫子先輩と行きたいです』

姫子「・・・」

pipipipipipi

姫子「・・・今度は冬?」ピッ

『今日はありがとうございました。とっても楽しかったです。
 お父さんとお母さんが今度お礼を言いたいそうなので時間がある時にでもいらしてくださいね。
 またみなさんと姫子先輩と行きたいです』

姫子「・・・」

律「へへっ、同時に送信するなんて・・・やっぱ双子なんだな」

澪「勝手に覗くなっ!」グイッ

律「げほっ」

姫子「ふふっ・・・あははっ・・・ははははっ」

澪「ひ、姫子・・・?」

律「ど、どうした・・・?」

姫子「誰かに渡そうなんて・・・いつから偉くなったんだろうね・・・私っ・・・二人からもたくさん貰ってるのに」

律「・・・!」

姫子「それに気付けた・・・それがとても嬉しい・・・」

澪「!」

姫子「あのさ、みんなが旅をして出会った人たちを紡いだのってむぎなんでしょ?」

澪「・・・そうだよ。むぎが紡いでくれたんだ」

律「・・・なんで知ってんだ?」

姫子「憂から聞いた・・・。・・・・・・・・・やっぱり敵わないな」

律「・・・」

澪「・・・」

姫子「むぎを中心として・・・引き寄せてられていく私たちの引力・・・か・・・」



738 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/06(火) 23:03:48.25 ID:51PuW/tjo

>>729 全体的に説明不足ですよね。申し訳ないです 

クラス名簿
http://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org1991583.jpg
上の画像の印象だけで話を進めているので、登場キャラを濃く出来ていない訳ですね
今作は色々と痛感させられています

続きは明日になります。おやすみなさいませ




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