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紬「いつかみた、あの大好きな、空の下で」#9月21日 【クロス】


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紬「いつかみた、あの大好きな、空の下で」#index




822 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/09(金) 22:18:56.35 ID:fwc/JhO5o



9月21日

チュンチュン

紬「・・・?」

唯「」スヤスヤ

和「」スヤスヤ

憂「」スヤスヤ

紬「・・・」ボケー

カチッ

紬「・・・」ボケー

コト

紬「・・・」モゾモゾ

紬「」ウトウト

紬「」スヤスヤ



823 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/09(金) 22:20:00.90 ID:fwc/JhO5o


――・・・

ピンポーン

憂「!」ガバッ

紬「」スヤスヤ

唯「」スヤスヤ

和「」スヤスヤ

憂「え・・・?今・・・何時・・・・・・寝過ごしちゃったぁ・・・」

ピンポーン

憂「和ちゃん」ユッサユッサ

和「・・・ん?」

憂「お姉ちゃんたち起こしてください・・・。あと時間が」

和「時間・・・目覚まし鳴った・・・?」

憂「鳴ってないよ。お姉ちゃんが止めちゃったのかも」

ピンポーン

憂「あっ!」ガタッ

和「待ってうい・・・。髪が・・・」ヒョイヒョイ

憂「ぁ・・・」

和「大丈夫よ」

憂「えへへ、ありがと」

テッテッテ



824 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/09(金) 22:21:00.20 ID:fwc/JhO5o


和「さて・・・二人を・・・」

紬「・・・」ジー

唯「」スヤスヤ

和「・・・」

紬「・・・」ポッ

和「その反応はなによ・・・」

紬「・・・」ユッサユッサ

唯「ぅん・・・んー?」ボケー

和「・・・」

紬「・・・」ヒョイヒョイ

唯「ありがとー」ボケー

紬「・・・」ポッ

和「それは私に対する当てつけなのね?」

紬「・・・」コクリ

和「頷いたわね・・・」

唯「何の話ー?おはよー」

和「・・・いいわ。一度うちに帰って着替えてくるわね」

唯「ごはんはー?」

和「時計見て、食べてる時間なんてないわ」

紬「・・・!」

唯「どうしてこんな時間なの!?」

憂「紬さん、斉藤さんが制服届けてくれました」

紬「・・・」コクリ



825 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/09(金) 22:22:00.30 ID:fwc/JhO5o



――・・・


紬「・・・」スッ

和「そうね、そのベンチに座って食べましょ」

唯「おにぎり一つくらい食べる時間はあるよね」

紬「・・・」コクリ

憂「・・・教室では食べられませんよね」

和「私たちは食べられるけど、憂は1人で食べられないでしょ?」

憂「・・・うん」

紬「・・・」モグモグ

唯「ここでなら見られても平気だもんね」モグモグ

和「・・・」モグモグ

憂「・・・」モグモグ

「あれ、平沢さん?」

憂「あ・・・」

「こんなとこで何してんのー?」

憂「朝ごはんを食べてるの」

「おはようございます」

唯「おはよ~」モグモグ

和「確か、同じクラスの」

「はい、憂ちゃんと同じクラスの者です」

紬「・・・」モグモグ

「いいなー、外で朝ごはんなんて・・・」

「ほら、邪魔してるから。先に行ってるね平沢さん」

憂「後でね」

「ごゆっくり~」

「ゆっくりしたら遅刻しちゃうでしょ」

憂「クスクス」

紬「・・・」

和「確かに・・・外で食べる朝ごはんも、偶にはいいわね」

唯「うんうん、のんびりしてられないけど。いいよね」

憂「でも、どうして目覚まし鳴らなかったんだろう」

和「・・・唯でしょ?」

唯「ん?なに?」モグモグ

憂「鳴った途端に止めちゃった?」

唯「そうなのかな・・・?覚えてないや」エヘヘ



826 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/09(金) 22:23:08.31 ID:fwc/JhO5o


紬「・・・」

夏「あれ?」

紬「・・・」ニコ

夏「おは・・・ようございます?」

紬「・・・」ペコリ

夏「何を見ていたんですか?」

紬「・・・」ニコ

夏「飛行機か鳥でも飛んでいたとか・・・」

紬「・・・」

夏「・・・」

唯「夏ちゃ・・・ん・・・?」

和「二人とも・・・なに・・・を・・・?」

憂「・・・?」



律「どうする・・・?」

澪「どうするって・・・。周りの注目を集めてるから・・・」

律「5人とも空みてんのな・・・。まずいなあれは」

澪「・・・」

パァン!

紬夏唯和憂「「「「「 ! 」」」」」

澪「ほら、学校に行くぞ」

律「打ち上げに成功したロケット開発技術者か?」

紬「・・・」テレテレ

夏「違います・・・」

唯「みてよ、うろこ雲・・・。今日の晩御飯は秋刀魚だよ」ジュル

和「太陽の光が強すぎて見えないけど、今も星は輝いているのよね」

憂「空気が綺麗だなぁ・・・」

律「そうか・・・。どうコメントすればいいのかな?」

澪「さぁ・・・とりあず向かおうか」

唯「はいよー!」

和「目が乾いたわね」

憂「私も・・・」

スタスタ

夏「・・・ふぅ」

紬「・・・?」

夏「一緒に見ていた空を思い出したんです・・・」

紬「・・・」

夏「・・・この空は・・・『北海道に繋がっているね』・・・って」

紬「・・・!」



828 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/09(金) 22:30:15.36 ID:fwc/JhO5o


夏「・・・約束を果たさなきゃいけないのに・・・・・・」

紬「・・・」

ギュ

夏「?」

紬「・・・」スラスラ

夏「お昼ですか?」

紬「・・・」コクリ

夏「は、はい・・・」



829 名前:ありがとうございます ビックリしました:2011/09/09(金) 22:33:23.35 ID:fwc/JhO5o


唯「おはよーあずにゃん!」

梓「おはようございます。むぎせんぱいは?」

律「あれー、スルーされたかなー?」

澪「・・・夏とくるんじゃないかな」

梓「夏と・・・?」

憂「純ちゃんは?」

梓「さ、さぁ・・・」

憂「なにかあったの?」

梓「ぴぃ~ぷぅ~」

唯「ぷぅ~ぴぃ~」

律「おはよーアキヨ!」

アキヨ「・・・おはよ」

スタスタ

「みんな入らないの?」

澪「むぎを待っているんだ」

「私も待ってよっと」

和「私は先に教室に入ってるから」

スタスタ

純「・・・マイペースです」

憂「おはよ~」

純「おはよう」

梓「・・・」ギクシャク

律(ケンカにでもなったか・・・)

澪「来たか」

梓「!」

夏「一匹狼というより一匹虎ですよね~、ネコ科だし」

紬「・・・」ニコニコ

夏「今日から合同で作業するじゃないですか?だからみんなビックリしますよきっと」

紬「・・・」ニコニコ

夏「私も最初ビックリしましたけど、でも慣れたら面白いですよね」プクク

紬「・・・」ニコニコ

夏「いっつもすました顔してるから・・・あ」

梓「おはようございます。むぎせんぱい・・・」

紬「・・・」ニコニコ



830 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/09(金) 22:33:51.62 ID:fwc/JhO5o


夏「おはよ~梓」

梓「・・・」フンッ

スタスタ

夏「えぇー・・・」

憂「・・・」

純「・・・」

紬「・・・」フリフリ

「おはよう紬さん」

律「それじゃ今日もガンバロー」

澪「・・・おー」

「いつも紬さんの周りは賑やかだねー」

紬「・・・」ニコニコ

「・・・楽しそう」

唯「圭子ちゃんも騒がしくすればいいんだよ」

律「意味分かんねえー」

圭子「・・・」

夏「梓の今のリアクションってなに・・・?」

憂純「「 さぁ・・・? 」」



831 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/09(金) 22:35:25.40 ID:fwc/JhO5o



―――――お昼

姫子「中庭に行かないの?」

和「えぇ、行かないわよ。そっちは?」

姫子「行かないよ。・・・楽しそうだけど」

圭子「楽しいの?」

和「さぁ・・・。騒がしいのは確実だけど」モグモグ

圭子「・・・うーん・・・興味ある」

風子「行ってきたらいいよ」

圭子「誰か一緒に行かない?」

英子「それじゃ、お昼ご飯食べ終わったら行きましょうか」

圭子「ありがとー」

姫子「・・・和」

和「どうしたの?」

姫子「むぎの・・・出発の日って決まってるの?」

和「えぇ・・・。決まっているわよ」

風子「そうなの!?」

姫子「いつ?」

和「学園祭の次の―――」



832 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/09(金) 22:36:31.12 ID:fwc/JhO5o


―――――中庭


唯「28日」

澪「来週・・・か・・・」

律「一ヶ月って早いな・・・」

梓「・・・」

律「一週間はもっと早い・・・」

澪「一日はもっと短いぞ」

唯「・・・そだね」

梓「・・・」

澪「・・・」

圭子「本当だ、楽しそう」

英子「みんなどうしてここにいるの?」

唯「ちょっと考え事を~」

律「よし、行くかー」

澪「律、タッグ組もうよ」

律「いいぜー、むぎ夏ペアに勝てるのは私たちしかいない!」

唯「ふふ、次は私とあずにゃんチームで挑むんだよりっちゃん」

梓「・・・私はパスです」

唯「なんと」

圭子「はい、じゃ私が!」

唯「いいでしょう」フフン

律「じゃ、私らが対決して勝った方が挑むってのはどうだ?」

唯「分かったよ」

圭子「バトミントンなんて久しぶりだなぁ・・・。ダブルスなんてやったのいつ以来だろ」

紬「・・・」ポン

シュー

多恵「・・・」ポン

シュー

夏「・・・そーれ」ポン

シュー

未知子「・・・」ポン

澪「和やかだ・・・」

梓「英子先輩・・・ふぅ先輩は来ないんですか?」

英子「うん。・・・後で部室に行きたいって、いいかな?」

梓「・・・はい」

律「なんでだ?」

梓「昨日の話の続きを・・・」



833 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/09(金) 22:40:24.24 ID:fwc/JhO5o



―――――廊下


夏香「しないの?」

風子「・・・どう話をしたらいいか、纏まらなくて」

夏香「難しい所だね」

いちご「・・・どうしたの?」

風子「いちごちゃんに聞きたいんだけど・・・」

夏香「待って」

いちご「?」

風子「一緒にキャンプに行ったから大丈夫だよ?」

夏香「知ってるけど、これは風子が考えなくちゃいけないと思う」

風子「私なりに結論は見えてるよ。話すか、話さないか、ウソをついて誤魔化すか」

夏香「・・・」

風子「私は意見を聞きたい」

夏香「・・・うん・・・。でもね、それは多数で結論を見つけ出す事にならない?」

風子「・・・」

夏香「人に聞けば正しい答えに辿りつけると思うけど、
   それは彼女が抱えているものを軽く扱ってしまいかねないよ?」

風子「・・・それは」

いちご「・・・」

夏香「ごめんね、いちごさん・・・。変な話しちゃって・・・」

いちご「・・・彼女って・・・?」

姫子「・・・英子の隣に居る子だよね」

和「・・・梓?」

風子「・・・・・・うん」

姫子「ふふっ、楽しそうにバトミントンなんかしちゃって」

いちご「・・・姫子は知ってるの?」

姫子「知ってるような、知らないような・・・。未知子って運動神経いいんだね」

和「・・・えぇ」

いちご「・・・どっちなの?」

姫子「え?」

いちご「知ってるの、知らないの?」

姫子「・・・・・・昨日、冬とケンカした事だよね、風子?」

風子「う、うん・・・」

姫子「じゃ、知ってる・・・。あ、負けちゃった」

夏香「・・・」

和「・・・面白い対戦になってるわね」

姫子「やっぱり唯を応援する?」

和「勝つほうを応援するわ」

姫子「それはずるいよ。澪と律のコンビに勝てるかどうか」



834 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/09(金) 22:41:59.08 ID:fwc/JhO5o


いちご「・・・私に聞くことって無いよね?」

風子「ご、ごめんね・・・」

いちご「・・・いい。けど、知る事で視野が広がる事だってあると思う」

姫子「それは私に言ってるのかな」

夏香「違うよ。私に言った―」

いちご「そう聞こえたんだ」

姫子「・・・」

いちご「心当たりある?」

姫子「まぁね・・・。私は知る事で動けなくなる事が怖いんだけど」

いちご「・・・」

風子「・・・」

姫子「判断が難しい・・・」

いちご「・・・人の意見を尊重したら?」

姫子「・・・時と場合によるでしょ」

いちご「知らないことで動けなくなったら本末転倒」

姫子「・・・」

いちご「自分を計り損ねているだけ」

姫子「・・・」

いちご「それを人に押し付けるのはどうかな」

姫子「どうしたの、やけに突っ掛るね」

いちご「・・・」

姫子「風子、私は夏香の意見に賛成だから。人に聞くことじゃないよ」

風子「う、うん・・・」

いちご「人と一緒に考えることの選択を遮るんだ」

姫子「時と場合によるって言ったよね・・・」

いちご「悪いけど、触りだけでいいから教えてくれる?」

風子「・・・」

夏香「・・・」

姫子「梓と波長の合わない人がいて、
   その人の過去を梓は知らないからそれでいいのかって話」

いちご「・・・その過去って」

姫子「うん・・・。ご両親と相棒さんの事」

いちご「・・・」

姫子「ごめん、話しちゃった」

風子「・・・うん」

夏香「・・・」

いちご「・・・聞かなかったことにする」

姫子「フェアだねぇ・・・」



835 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/09(金) 22:43:14.42 ID:fwc/JhO5o


いちご「・・・それでも、他の人の意見は聞くべき」

姫子「・・・逆なんだよ」

いちご「逆・・・?」

姫子「難しい話だから一歩下がって見守りましょうって話じゃないよ
   梓が遠回りしてでも、自分で辿り着かなきゃいけないことだと思う」

いちご「・・・遠回させてるだけ」

姫子「私はそれも必要だと思う」

いちご「時間が無い」

姫子「急いては事を仕損じるって言葉があるでしょ」

いちご「これは仕事や義務なんかじゃない。苦労する必要も無い」

姫子「山の頂上をみて登山するの?足元の花はどうでもいいの?」

いちご「論点がズレてる」

姫子「ズレてないよ。近道することで足元の花を見過ごす事の方が多いんだから」

いちご「どうして登山の話になってるの?」

姫子「ケーブルカーで行くより自分の足で登ったほうが心に残る
   梓にはそっちを選んで欲しいから・・・。例えが下手なのは流して」

いちご「それは梓が決める事。押し付けていい選択ではない」

姫子「そうじゃないと夏と冬の距離が縮まらない」

いちご「・・・それが本音?」

姫子「・・・どうだろ。・・・よくわからない」

いちご「・・・無責任」

姫子「簡単に答えを見つけていい問題ではないと思ってる」

夏香「・・・」

風子「・・・」

いちご「・・・そう、じゃ」

スタスタ

和「唯と圭子ペアが負けたわよ」

姫子「・・・予想を裏切らないね」

風子「ちゃんと話してくる・・・」

夏香「風子」

風子「分かってる・・・。私自身で考えて梓ちゃんに話してみるよ」

スタスタ

姫子「律と澪が相手か・・・。どっちを応援する?」

和「勝つほうね」

姫子「ずるいって」



836 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/09(金) 22:44:11.03 ID:fwc/JhO5o


和「珍しいわね、感情を高ぶらせるなんて」

姫子「どうしたんだろうね、いちごは」

和「姫子も少しムキになってたわ」

姫子「そんな事ないよ」

和「自分を客観的に見られないのね」

姫子「和に言われたくない・・・」ハァ

和「?」

夏香「・・・」

和「しっかり風子に意見を伝えてしまったわよ」

姫子「・・・うん。梓は冬が入院して危険な状態になったことを知らない。
   だから夏と対等に言い合える それと似たような事なんだけど・・・難しいね・・・」

夏香「・・・いちごさんの意見も聞いて考えると思うよ」

姫子「それなら・・・いいのかな・・・」

和「どうかしらね」

姫子「・・・」

和「それで、本音は?」

夏香「聞くんだ・・・」

姫子「・・・知らないままでいたほうが冬と夏を引っ張ってくれるような気がする。・・・他力本願だよね」



837 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/09(金) 22:46:54.61 ID:fwc/JhO5o



―――――教室


風子「相馬さんの過去を知ると、梓ちゃんは夏ちゃんと冬ちゃんを置いて先に進んでしまうって事かな」

いちご「・・・どうして?」

風子「知ると知らないでは、その人の見方って結構変わるよね」

いちご「・・・」

風子「私もさっきの姫ちゃんとのやりとりで、いちごちゃんが優しいって」

いちご「話がズレてる」

風子「・・・はい」

いちご「・・・」

風子「よくない先入観を持っているけど、そのおかげで少しずつ学んでいけてると思う」

いちご「・・・」

風子「遠回りだけど、辛い道だけど・・・。この道のほうが確実だと思う」

いちご「・・・それじゃ、どうして迷ってるの?」

風子「・・・うん」

いちご「話を聞く限りでは・・・」

風子「・・・うん。人を知らないで嫌いになるのは寂しいよ」

いちご「・・・」

風子「・・・」

いちご「・・・もう会わない人なのに?」

風子「卒業した後に、いちごちゃんに嫌われるのって私は悲しい」

いちご「・・・」

風子「・・・」

いちご「そ、それで?」

風子「意見を貰おうと思って」

いちご「止められたよね」

風子「・・・姫ちゃんの意見も聞いたから、いちごちゃんの意見も聞いて、私が決めれば問題ないと思う
   それに、反対にある意見だから多数で結論を見つけ出すことにはならないよ」

いちご「・・・」

風子「どうぞ」メモメモ

いちご「・・・ふざけるなら」

風子「・・・」サッ

いちご「・・・取り返しのつかないことになるのが嫌なだけ。近道でも答えを必ず見つけたい」

風子「・・・」

いちご「・・・」

風子「そっか・・・。ありがと・・・・・・」

いちご「・・・」

風子「・・・どうして突っ掛ったの?」

いちご「・・・・・・・・・姫子のやり方が納得できない」



838 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/09(金) 22:47:42.43 ID:fwc/JhO5o



―――――放課後

ジャンッジャンッジャンッ

律「・・・」

澪「・・・」

唯「・・・」

梓「・・・」

紬「・・・」

シーン

律「わ、私たち・・・」

澪「あぁ・・・」

唯「プロだよ・・・」ゴクリ

梓「そんな訳ないじゃないですか」

紬「・・・」ニコニコ

律「んだよー。インスピレーションは大事なんだぞー」

澪「・・・むぎ」

紬「・・・」コクリ

コンコン

ガチャ

夏「せんぱーい、お迎えにあがりましたー」

唯「わざわざご苦労様。さ、お茶をお出ししますわ」

夏「お心遣い感謝します。しかし、急がねばなりませんので」

律「あら、大変ですのね」

澪「・・・」ガサゴソ

紬「・・・」ガサゴソ

澪「よいしょ・・・。今日はこれで、解散・・・?」

律「んー・・・。特に予定もないんだよな」

唯「そだね~」

梓「私はもう少し練習して帰ります」

紬「・・・」コクリ

澪「分かった・・・。じゃあな」

紬「・・・」フリフリ

夏「・・・お、お疲れ様でしたー」

唯「ばいばーい」

バタン



839 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/09(金) 22:48:22.93 ID:fwc/JhO5o


澪「みんな集ってるの?」

夏「はい。他の先輩方も待ってますよ」

紬「・・・」

澪「少し遅れたか」

夏「・・・」

スタスタ

夏「・・・」

紬「・・・?」

澪「どうした、夏?」

夏「い、いえ・・・。行きましょう」

澪「夏は毎回会議に参加しているの?」

夏「はい!皆勤ですよ!」

紬「・・・」ニコニコ

夏(なんだろ・・・部室から出るときに感じた違和感・・・)



840 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/09(金) 22:49:04.71 ID:fwc/JhO5o



―――――2年生のクラス

ガチャ

澪「遅れました」

紬「・・・」ペコリ

夏「・・・」サッ

テッテッテ

夏「・・・」ストッ

さわ子「ご苦労様、夏ちゃん」

夏「いえいえ、これくらい」

純「そうだ、どうってことないはずだ」

夏「・・・」

澪「・・・」スト

紬「・・・」ガサゴソ

「?」

夏「紬先輩は鍵盤の音を声にするんだよ」

紬「・・・」プッププー

「あ・・・そうだったね・・・」

和「では、学園祭の話を進めたいと思います」



841 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/09(金) 22:49:39.88 ID:fwc/JhO5o



――・・・

和「では、これで今日の会議は終わりです」

さわ子「野点班と屋台班はそれぞれ作業を進めておいてね。
    お互いをフォローできるようにしてあるけど 要所要所では班長の判断に任せるから」

純「はい」

紬「・・・」コクリ

「・・・」

和「学園祭にむけて頑張りましょう」

夏「はい!」

純「楽しみになってきましたね」

澪「そうだな」

美冬「・・・それじゃ、帰ろうか」

「そうだね」

「お先に・・・」

スタスタ

澪「うん、明日ね」

紬「・・・」フリフリ

純「これから部室へ行くんですか?」

澪「んー・・・、寄ってみる?」

紬「・・・」コクリ

澪「寄ってから帰るよ」

純「そうですかー、それではまた明日」

紬「・・・」フリフリ

和「じゃあね」

夏「おつかれさまでーす」

バタン

「・・・」

さわ子「・・・あなたたち帰らないの?」

「ここ私たちの教室ですから・・・」

さわ子「・・・それもそうね。結局メイド喫茶は無しなのよねぇ」

スタスタ

バタン

純「えーっと・・・」ガサゴソ

夏「なに探してんの?」

純「給食の時に残しておいたパンを」

夏「どうして残したの?」

純「近所に捨てられた猫がいてね・・・。おこづかいでは足りないから」

夏「・・・」プクク

純「名前はね小次郎っていうんだ・・・」



842 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/09(金) 22:51:51.48 ID:fwc/JhO5o


夏「調子に乗ったでしょ?・・・名前はいらなかったなー」

純「むむ・・・」

夏「給食とかは面白かった。どうしてそんな事やってんの?」

純「律先輩がいきなりフッてくるから、そういう思考に・・・あった・・・。パン」

夏「・・・」

純「お昼食べられなかったから。今食べよーっと」パサ

夏「・・・」ジー

純「なにさ」

夏「・・・純って、こんなアホみたいなキャラだったんだなーって」

純「アホは余計だって!」

夏「あははっ、ごめんごめん」

「・・・あのさぁ」

純夏「「 ん? 」」

「合同企画なのはいいけど、今の流れって完全に3年生の主導じゃない?」

「ちょっと由記!」

純「と、いいますと?」モグモグ

由記「野点茶店も、露店の駄菓子も3年生が決定した事でしょ?」

夏「・・・」

純「・・・」モグモグ

由記「私たちってそれに合わせてるだけじゃない」

「由記!」

純「いいよ、来美・・・。そういう事も聞きたいから。
  ・・・というか、先輩たち何度も確認していたよね『案は無い?』って」

由記「・・・」

純「黙っていたなら案が無いって事で話が進むのは当然。露店だって私たちが決めるはずだったのに」

来美「・・・」

由記「・・・でもさ、カステラや水あめなんかはいいけど、沖縄の料理ってなに?どういう流れなのよ?」

純「それは私にも分からない。
  食べてないし、どんな風に仕上がるのかも分からない。けど悪くないって話だよ?」

夏「・・・」

「やってみたい料理があるなら提案すればいいじゃん。・・・純の言う通りだよ」

由記「・・・」

純「オーケー?」モグモグ

「私からも一言」

夏「だから、先輩たちがいる時に話せって!」

由記「!」

来美「!」ビクッ

純「怒るなよ、夏。・・・なに、千雨」

千雨「・・・純が班長なのは・・・。まだ分かる」

純「まだ・・・って・・・」

千雨「・・・どうして琴吹先輩なの?」



843 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/09(金) 22:52:52.49 ID:fwc/JhO5o


夏「どういう意味・・・」

由記「・・・千雨っ」

千雨「・・・要所要所で伝わらない事の方が多い・・・でしょ」

夏「千雨ッ!」

純「落ち着けって、夏・・・」

夏「純、あんたこんな事言わせて平気なの!?」

純「平気なわけないじゃん・・・。
  『喋れないから伝わらない』、それが理由で班長の役疑われてんだから」

千雨「そこまでは・・・」

純「そういう事でしょ。野点茶店の班長は紬先輩が適任なんだよ、それは3年生が決めた事」

来美「・・・フォローできるの・・・?」

純「やる。やってみせる・・・って梓が言ってる。・・・実際に聞いたわけじゃないけど」

夏「・・・なにそれ・・・・・・」

由記「・・・」

千雨「・・・」

純「もしかして、私たちのクラスってそんな乗り気じゃなかった・・・?」

来美「ううん、みんなって訳じゃないけど、楽しみにしてる子多いよ」

夏「・・・不満を持ってる子もいると」

来美「・・・うん」

夏「なんで今頃っ」ムスッ

純「今でよかったって事・・・かな。前日にそんな言われたら嫌だなぁ」モグモグ

千雨「・・・」ジー

由記「・・・」ジー

来美「・・・」ジー

純「な、なに・・・?」

夏「・・・別に」



844 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/09(金) 22:53:30.82 ID:fwc/JhO5o


―――――廊下

「今日姫子さんいなかったよ?」

美冬「バイトじゃないのかな」

「・・・」

和「私は生徒会に行って来るから。また明日ね」

澪「うん、じゃあね」

紬「・・・」フリフリ

澪「私たちも部室行って来るから」

紬「・・・」

美冬「うん、じゃあね」

「・・・バイバイ」

「また、明日」



845 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/09(金) 22:54:47.24 ID:fwc/JhO5o



―――――玄関


「あ、やっと来たぁ」

「会議おつかれさま」

「・・・待っててくれてありがと」

「それじゃ行こっか」

美冬「これから遊びに行くの?」

「そう。ボウリングへ!」シュッ

「・・・ここでフォームの確認するのやめたほうがいいよ」

美冬「ふーん・・・」

「一緒に行く?」

「行こう?」

美冬「何人か誘っていい?」

「いいよ。たくさん呼んじゃって」

美冬「・・・うん」ピッピッポ

trrrrrrr

「こうでしょ」バシュッ

「それ、ゴルフ」

「ふふっ」

「久しぶりだね、ボウリング行くの」

『はーい。美冬ちゃん今終わったのー?』

美冬「うん・・・。ちか、今どこ?」

『駅前ー。エリちゃん達と駄菓子屋行った帰り』

美冬「・・・最近・・・・・・置いていかれてるような・・・気が・・・する・・・」

『そっ、そんな事ないよー!?海へ行ったのはたまたまだし・・・鍋パーティもちゃんと!』

美冬「・・・いいんだけどね・・・」

『そっ、それで、なにかなー!?』

美冬「・・・ボウリング」

『ボウリング?・・・またやるんだ!行くよ!』

美冬「あ、今回は・・・。愛さん、つかささん、俊美さん、ますみさんの4人だよ」

つかさ「前回は姫子さんもいたんだよね」

愛「楽しそうな話だったよね」

ますみ「・・・うん」

俊美「こうっ」シュッ

ますみ「それはフリスビー」

愛「ふふっ」

プツッ

美冬「ちかと、エリさん達も一緒に駅前で待ってるって」



846 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/09(金) 22:56:15.01 ID:fwc/JhO5o


ますみ「オッケ。それじゃ、行こっか」

俊美「うん」

スタスタ

愛「あのね、一つ気になっているんだけど」

つかさ「どうしたの?」

美冬「?」

愛「2年生の事なんだけど・・・」

つかさ「あ・・・」

美冬「やっぱり気付いた?」

愛つかさ「「 うん・・・ 」」

俊美「?」

ますみ「どうしたの・・・?」

美冬「ちょっとした摩擦っていうのかな・・・」

愛「2年生は楽しくないのかな・・・」

つかさ「・・・」

美冬「・・・明日姫子さんに相談してみるよ」

俊美「どうして姫子さん?和さんとか律さん澪さんじゃないの?」

美冬「・・・繋がりを持ってるから・・・ね」

つかさ「総合班長だよ」

ますみ「・・・それは初めて知った」

俊美「・・・うん」

美冬「・・・今日もいい点出すよっ」グッ



847 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/09(金) 22:57:20.09 ID:fwc/JhO5o


―――――廊下


夏「行こうよ」

純「行きたいけど、私はジャズ研に行くから夏だけで行きなさい」

夏「そんなの次でいいでしょ、あたし1人じゃ色々気まずいからさぁ」

純「子供かあんたは・・・。今日は抜け出せないから無理だっての。次ってなんですか」

夏「小さいところも拾ってくれるのか純は」

純「・・・夏?」

夏「ん?」

純「いや・・・なんでもない・・・。というか、じゃあ!」

タッタッタ

夏「純ッ!」

純「受け入れてくれるってー安心しなさーい!」

夏「・・・考えてみたら純に頼るのもアレだな」ウンウン



848 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/09(金) 22:58:31.64 ID:fwc/JhO5o



コンコン

ガチャ

夏「失礼しまー・・・す・・・」

澪「夏・・・?」

紬「・・・?」

夏「・・・えぇと」モジモジ

澪「なにか用事?」

紬「・・・」

タッタッタ

夏「そういう訳では」

ギュ

夏「?」

紬「・・・」グイグイ

夏「・・・っ」

紬「・・・」ポンポン

夏「えーと、座っていいんですか?」

澪「うん」

夏「それでは・・・」ストッ

コポコポ

紬「・・・」スッ

夏「ありがとうございます」

澪「どうした?」

夏「・・・話がしたいなぁと思いまして・・・」

澪「・・・そうか」

紬「・・・」ニコニコ

夏「唯先輩たちは・・・?」

澪「帰ったよ。紅茶と置手紙があったから」

夏「お、置手紙?」

澪「ほら」

ペラッ

『探さないでください』

夏「ブフッ」



849 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/09(金) 22:59:13.07 ID:fwc/JhO5o


澪「最初はリアクションを見ようと隠れているんだと思ったけど、居ないみたいだ」

紬「・・・」プッププー

夏「?」

澪「その紅茶、律が淹れたんだって」

夏「律先輩が・・・」ゴクリ

澪「味はそこそこだから大丈夫」

紬「・・・」プップププー

澪「・・・おいしいから大丈夫」

夏(言い直したって事は・・・そう言ったのかな・・・なんかいいなぁ)ズズーッ

紬「・・・」ニコニコ

澪「・・・」

夏「・・・おいしい」

澪「2年生は学園祭楽しめそうかな?」

夏「はい!楽しませてやります!」ドン

紬「・・・」キリ

澪「そうか・・・。なら安心だな」

夏(気付いていたのかな・・・)

紬「・・・」スッ

夏「いただきまーす」モグモグ

澪「・・・」

紬「・・・」

夏「おいしいですね~。梓は毎日こんなおいしいおやつを食べているんだ、ずるい」

澪「ふふっ」

紬「・・・」ニコニコ

夏「・・・」

澪「・・・」

紬「・・・」

夏「・・・?」

澪「紅茶が温かいから隠れていると思ったんだけどな」

紬「・・・」ププップップー

澪「そう、楽器と鞄もないから帰ったんだ・・・」

夏「・・・」

澪「・・・」

紬「・・・」

夏(話すの待っててくれているのかな・・・)



850 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/09(金) 23:00:25.13 ID:fwc/JhO5o


紬「・・・」プップップー

澪「昨日いちごが作ったヤツ?」

紬「・・・」コクリ

夏「沖縄の料理でしたよね?」

澪「うん。おいしかったよ、むぎ」

紬「・・・」コクリ

澪「これから練習で何度も作るから、その時食べればいいよ」

紬「・・・」ニコニコ

夏「沖縄・・・・・・」

澪「行った事ある?」

夏「ないです。遠方なら北海道に親戚はいますけど」

紬「・・・」コクコク

澪「北海道か・・・。駄菓子として料理できる一品とかないかな?」

夏「そうですねぇ・・・。じゃがいもを使ったお菓子とか乳製品を主とした品が多いような」

紬「・・・」ププッププップー

澪「ポテチ・・・は、うーん・・・駄菓子として認められるのかどうか判断に困るな・・・」

夏「素材を活かした料理が多いような気がします。現地で作るからおいしいっていうか」

澪「そうか・・・。それだとここで手に入る材料では難しいな」

紬「・・・」

夏「すいません・・・。独特な料理を知っていればよかったんですけど」

澪「ううん。駄菓子とは言っても、おやつ感覚だからな。料理としてみると難しくなる」

紬「・・・」コクリ

夏「・・・」

澪「・・・」

紬「・・・」プップップー

澪「・・・『約束』?」

夏「!」

紬「・・・」ププップップー

澪「誰との約束?ってさ」

夏「・・・」

紬「・・・」フンスフンス!

澪「落ち着けむぎ・・・」

夏「小学校に上がる前、私たち二人・・・
  私と冬ねぇは北海道の親戚に預かってもらった事があるんです」

澪(冬ねぇ・・・。そう呼ぶの初めて聞いたな・・・)

紬「・・・」コクリ



851 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/09(金) 23:03:13.11 ID:fwc/JhO5o


夏「うちの両親は商社関連の仕事をしていて、家を空けていることが多かったんです
  ある事が起きてからは、母さんは仕事を辞めましたけど」

紬「・・・」

澪(ある事・・・か・・・)

夏「それで長期間両親が留守になるから、と北海道へ預けられたんですね」

紬「・・・」コクリ

夏「何日か過ぎて私が駄々をこねたんです。『お母さんとお父さんに会いたい』って泣きじゃくって」

澪「・・・」

夏「そしたら冬ねぇが『夕陽を見に行こう』って、手を引っ張ってくれて」

紬「・・・」ニコニコ

夏「・・・その夕陽がとっても綺麗で・・・。寂しい気持ちなんて飛んでいったんです
  握ってくれる手の暖かさと、夕陽の暖かさが私を満たしてくれて」

澪「・・・」

夏「冬ねぇがその時言ったんです。『また、見に来ようね』って」

紬「・・・」

澪「それが『約束』・・・」

夏「はい。・・・でも、私たち間が抜けてて・・・。その『約束の場所』を覚えていないんです」

紬「・・・」

夏「冬の体力の事もあって、・・・探しに行く事すらできませんけど」

澪(戻った・・・。無意識なのか・・・)

紬「・・・」
  
夏「あの日の約束を・・・私は・・・」

紬「・・・」プップッププー

夏「?」

澪「諦めたら見つけられない。・・・ってさ」

夏「!」

澪「・・・そうだな。探さないと見つからないよな」

紬「・・・」コクリ

夏「ふふっ」

澪紬「「 ? 」」

夏「あ、ご、ごめんなさい・・・。冬ねぇと同じ事言ったんでつい・・・」

澪「そうか・・・」

紬「・・・」ニコニコ



852 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/09(金) 23:04:29.60 ID:fwc/JhO5o


夏「私が食べたアイスの当たり棒を失くしてしまったんですよ。
  明日交換しに行こうと思って置いておいたそれを」

紬「・・・」ニコニコ

夏「秋の終わりごろだったんで、私は適当に探していたんですけど、
  冬ねぇが『諦めたら、見つからないよ』って・・・的外れな励ましをくれたんですよ」

澪「ふふっ」

夏「結局見つからなくて・・・。次の日・・・わざわざ買ってきてくれたんです
  『見つけられなくてごめんね』って・・・」

紬「・・・」

夏「実はその時、少し悔しかったんです」

澪「?」

夏「当たりが出たとき『冬ねぇにあげよう』って思っていたのに・・・。
  失くして、『まぁ、いっか』って思った自分に」

澪「・・・」

夏「いっつも私の先にいる冬ねぇに・・・」

紬「・・・」ププッププッー

澪「暖かな記憶・・・」

夏「・・・・・・はい」

紬「・・・」ニコニコ



853 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/09(金) 23:06:01.48 ID:fwc/JhO5o


―――――玄関


夏「不思議な人ですねー。私の想い出話を楽しそうに聞いてくれて」

澪「・・・そうだな」

夏「ついつい喋ってしまうんですよねー」

澪「うん」

夏「梓が懐くわけですよ」

澪「・・・」

夏「お昼にも一緒に遊んで」

澪「なにかあった?」

夏「ないですよ」

澪「・・・そっか」

夏「・・・」

澪「やけに、むぎの事を喋るから」

夏「・・・」

澪「なんでもない。気にしないでくれ」

夏「・・・・・・少し・・・嫌な事があって」

澪「そうか・・・」

夏「・・・」

タッタッタ

紬「・・・」プップププー

澪「歩きながら吹くと危ないぞ」

紬「・・・」ププップー

夏「・・・」

紬「・・・」ガサゴソ

澪「夏・・・」

夏「はい」

澪「一緒に居ないと知らない事、見えないことが増えるんだ。
  失って気付く事もあるけど、な・・・」

夏(分かったんだ・・・)

紬「?」

澪「なんでもない。行こう」

夏「・・・」



854 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/09(金) 23:06:57.47 ID:fwc/JhO5o



―――――河川敷・橋の上


澪「水切りしてるのか」

夏「・・・」

紬「・・・」

澪「・・・」

夏「梓に気付かれた・・・。どうして分かったんだろ」

紬「・・・」フリフリ

澪「私たちも降りよう」

紬「・・・」コクリ

夏「私はここで失礼します。・・・では、明日」

澪「・・・」

紬「・・・」

夏(・・・部室で先輩たちは別れの挨拶してなかったから、違和感を感じたんだ)

スタスタ



855 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/09(金) 23:08:34.44 ID:fwc/JhO5o



冬「えいっ」シュッ

チョン チョン ポチャ

冬「・・・」

律「まだまだ修行が足りんようじゃのう」

風子「どうぞ」

律「うむ・・・。って、これでやんの?」

風子「はい」

律「ごつごつしてて・・・不向きかなぁって・・・」

風子「修行は伊達じゃなかったと、私どもにお見せ下さい」

律「う、うむ」

冬「・・・」

律「おりゃっ!」シュッ

ポチャン

風子「見て見て、これ綺麗な石だよ」

冬「は、はい」

律「水切れるわけないだろー!」

風子「耳に当てると潮騒が・・・」

律「聞こえるわけないだろ!」

風子「しずかに・・・」ウットリ

冬「え・・・?」

律「そ、そんなわけないだろ・・・」

風子「耳に当ててみて」

律「ま、マジかよ・・・」ゴクリ

シーン

律「・・・・・・聞こえないぞ・・・?」

風子「そこの石の裏にカニいそうだよね」

冬「ふ、風子先輩・・・」

律「悪かったからさぁ・・・冬をいじめたの謝るからさぁ・・・」シクシク

紬「・・・」シュッ

チョン チョン チョン チョン チョン チョン コロコロ

律「向こう岸まで渡りやがった・・・」

紬「・・・」フンス

風子冬「「 すごい・・・ 」」



856 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/09(金) 23:10:17.52 ID:fwc/JhO5o



唯「おぉ」

憂いちご「「 すごい 」」

澪「な、なんだ今の・・・」

英子「・・・奇蹟とか」

唯「川を渡った小石さん」

憂「澪さんと紬さんはどうしてここへ・・・?」

澪「むぎと夕陽を見に・・・ね。みんなは?」

憂「のんびりしてました」

英子「部室で少しお話して、ここへ来たの」

澪「・・・そっか」

唯「帰るのもったいなくて」エヘヘ

いちご「・・・」

律「何気に風子ひでえな・・・」

澪「どうせ冬をからかっていたんだろ」

律「そうですとも。・・・って梓は?」

澪「夏を追いかけて行った」

律「・・・それ、何かの歌詞みたいだな」

いちご「・・・」



857 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/09(金) 23:12:01.90 ID:fwc/JhO5o



夏「ん?梓か・・・」

梓「・・・」

夏「どうした?」

梓「それが『夏』なの?」

夏「・・・ん?」

梓「遊園地で話を聞いてから、・・・夏がハッキリ見えてきたような気がする」

夏「言ってる事が分からないんだけど???」

梓「『夏』の中に『冬』を見ているような時があって」

夏「・・・」

梓「・・・」

夏「な、なにそれ・・・」

梓「自分でもよく分かってないから、説明・・・しづらい・・・」

夏「へ、変な事言うなよな・・・。びっくりするだろ・・・」

梓「その口調とか・・・」

夏「・・・」

梓「・・・・・・」

夏「姫子先輩から聞いたの?」

梓「?」

夏「・・・この髪の毛の話・・・とか」

梓「???」

夏「知らないのか・・・。・・・梓って変なヤツだよね」

梓「・・・初めて言われた・・・。どうして?」

夏「見抜かれた感じがしたからさ・・・。私たちの事って何も聞いてないの?」

梓「・・・うん」

夏(入院の事聞いていたとしたら、夏香先輩のお姉さんくらい・・・かな)

梓「夏と冬の事・・・でしょ?」

夏「あのさ・・・実は・・・わた・・・俺・・・」

梓「俺!?」

夏「・・・うん。俺この顔だろ?だから、よく女に間違えられてさ」

梓「!!!」

夏「実は・・・」

梓「・・・っ!」

夏「ブフッ」

梓「・・・」

夏「くだらない話は置いといて、・・・入院していた頃の話も聞いていないんだ?」

梓「・・・からかっておいて、話続けないでくれる?」

夏「顔真っ赤にしてたから、やめたんだけど?」

梓「人をおちょくっておいて偉そうにしないで」

夏「あっはっは!梓おもしろーい!」



858 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/09(金) 23:13:17.28 ID:fwc/JhO5o


梓「・・・で?」

夏「怒るなよ~」

梓「聞いてあげるから話続けていいよ」

夏「えっらそう!」

梓「夏に言われたくないけど」

夏「・・・そうだよね」

梓「また、そうやってからかう」

夏「ううん、あたし・・・。人にモノを言う資格なんてないんだ」

梓「・・・」

夏「冬がマネージャーとして入部してから、髪を切った。元は今の冬と同じ長さ」

梓「・・・」

夏「どうして切ったのか。それは、『冬』がここにいるから」

梓「?」

夏「あたし達さぁ、よく間違えられるんだよね。親父でさえ、あたしの事冬と呼ぶ時がある」

梓「・・・」

夏「呼ぶことがあった・・・。でも、こうすれば判別つくでしょ」サラサラ

梓「・・・うん」

夏「どうして切らなかったのか。それは、『冬』がそこにいなかったから」

梓「・・・」

夏「あたしが『冬』としてそこに居れば・・・。誰かの・・・っ・・・こころ・・・っに・・・いて・・・くれる・・・」

梓「・・・」

夏「『冬』を・・・っ・・・見てくれる・・・っ・・・て・・・そう・・・思った」

梓「・・・」



859 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/09(金) 23:16:09.94 ID:fwc/JhO5o


夏「バカ・・・だよ・・・な・・・っ・・・。・・・こんな事してさっ・・・」

梓「うん。バカだね」

夏「っ!」

梓「それは冬の居場所じゃないよ。・・・人の居場所は他人が作れるモノじゃない・・・」

夏「でもっ・・・そうしてでも・・・誰かに・・・冬を・・・見て・・・欲しかった・・・」

梓「夏の居場所がなくなるでしょ」

夏「そんなの・・・いらない」

梓「冬はそう思ってないよ」

夏「そんな事はどうでもいいよ。あたしの・・・意思なんだから」

梓「本人の意思を無視して言い訳がない。それは自分勝手な行い」

夏「梓はさ・・・。紬先輩がいるから・・・先輩たちがいるからそう言えるんだよ」

梓「・・・」

夏「普通に過ごして来た梓と、冬とあたしの価値観は違うよ」

梓「価値観・・・」

夏「病室には気の合う人。優しい人。暖かい人。たくさんいたよ。
  けど、冬とケンカできる人なんていなかったよ・・・。価値観を押し付けられて怒る冬じゃない
  価値観を押し付けてくる人も居ない。みんないい人・・・。楽しい人・・・」

梓「・・・」

夏「それは間違いを正せる機会が少ないって事・・・」

梓「・・・」

夏「あたしは学校で同じ歳の子達とたくさんバカできた」

梓「・・・」

夏「冬は・・・違う歳の子達と接してきた。たまに妹になったり、姉になったり、孫になったりってね」

梓「・・・」

夏「それもいつまでも続かない。・・・あたしは」

梓「そんな事はどうでもいいよ」

夏「なっ!」

梓「旅の途中で大事なのは前を見ること」

夏「・・・?」

梓「過ぎ去った場所での楽しかった思い出に耽って、到着した場所で時間を潰す?
  私は嫌だ。その場所でしか楽しめないことがたくさんある。そう、むぎせんぱいは教えてくれた」

夏「・・・」

梓「それを思い出させてくれたのは冬だよ」

夏「!」

梓「今までの冬を・・・っ!」

夏「・・・」

梓(私にそれを言う資格は・・・ない・・・。・・・苦い言葉・・・・・・)

夏「・・・」

梓「何時まで、過去の冬を見てるの?」

夏「・・・っ!」

梓(・・・私が言っていい言葉では・・・ない・・・よね・・・)



860 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/09(金) 23:18:20.17 ID:fwc/JhO5o


夏「あたしは・・・今の・・・冬を・・・見られない・・・」

梓「?」

夏「・・・・・・奪ってしまう・・・とこ・・・だ・・・ッ・・・た」

梓「夏っ!」

夏「今の・・・っ・・・ふゆ・・・のっ・・・いば・・・しょを・・・」

梓「いいからっ!」

夏「・・・・・・それ・・・がっ・・・とても・・・こわ・・・い・・・っ」

梓「・・・」

夏「・・・た・・・ま・・・・・・らな・・・く・・・怖いッ!」

梓「いるから」

夏「・・・っ・・・!」

梓「ちゃんといるから、大丈夫だよ」

夏「・・・っ・・・」

梓「『冬』は私たちと一緒に・・・いるから」

夏「・・・っ・・・うん」

梓「ずっと私のこころの中にいるから」

夏「ほん・・・と・・・?」

梓「うん。私は、この季節を一生忘れない」

夏「き・・・せつ・・・」

梓「夏から冬へかけて」

夏「・・・」

梓「絶対に忘れない」

夏「・・・うん」

梓「だから、絶対にいなくならない」

夏「・・・うん」グスッ

梓「・・・」

夏「・・・ありがと、梓・・・っ」グスッ

梓「・・・別に・・・気にしなくていいよ」

夏「・・・っ・・・・・・ありがとぉ」ボロボロ

梓「な、夏が泣くなっ・・・調子・・・狂うっ」グスッ

夏「ふゆと・・・あず・・・さが出会えて・・・よか・・・っ・・・たぁ」ボロボロ

梓「っ!」



861 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/09(金) 23:20:49.82 ID:fwc/JhO5o



――・・・

夏「目真っ赤」

梓「そっちもね」

夏「プールから出た後みたいになってるよ」

梓「だから、そっちもね」

夏「・・・」

梓「・・・」

夏「・・・・・・」

梓「・・・・・・・・・」

夏「ここは同時に笑うとこじゃないの?」

梓「は?」

夏「ほら、漫画とかであるでしょ。笑いあって爽やかな風が吹いて」

梓「くだらない・・・。行くよ」

夏「『おまえやるな』・・・『おまえもな』・・・」

梓「・・・」

スタスタ

夏「『いや、俺の方がやるな』・・・『はぁ?』・・・二人はまた殴りあう」

梓「・・・っ」

スタスタ

夏梓「「 ブフッ 」」

梓「うわ・・・。自分で言って笑ってる・・・」

夏「想像したらさ、すっごいくだらないじゃん?・・・空気に負けたってヤツ」

梓「あっそ・・・」

夏「『俺らの事夕陽が祝福してくれてんぜ』・・・『ははっ』・・・」

梓「夏バカの対処法は確か」

夏「なにその夏バテみたいな括り・・・」

梓「バカ夏」

夏「常夏みたいに言わないでくれるかな」



862 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/09(金) 23:23:08.23 ID:fwc/JhO5o



紬「・・・」

唯「『そんな事ありません!』」

律「『いや、君は最高に素敵さ』」

冬「・・・」

唯「『知らないんだから!』」

律「『そんな事言わずにこっち向いてくれよ』」

風子「どっちが梓ちゃん?」

唯「私だよ~」

英子「律さんが、夏ちゃん・・・」

澪(勝手にアフレコするなよ・・・。恥ずかしくないのか・・・)

唯「『い、今の台詞・・・もう一度聞かせて下さい・・・』」

律「『何度でも言うさ、君の笑顔が見られるなら・・・何度でも言ってやるさ!』」

憂(二回言いました・・・)

いちご「・・・」

唯「『りっちゃん・・・』」

律「『あず』・・・え?」

梓「なにをしているんですか・・・」ジト

唯律「「 なんでもないよ 」」

夏「?」

澪「帰るか、陽も沈み始めたし」

風子「そうだね。よいしょっと」

憂「よいしょ」

冬「・・・」

憂「ほら、捕まって。冬ちゃん」

冬「う、うん・・・」

ギュ

憂「よいしょっ!」グイッ

冬「っとっと」

憂「ご、ごめんね」

冬「ううん。ビックリしたけど、大丈夫」

紬「・・・」ニコニコ

梓「お二人はどうしてここへ・・・?」

紬「・・・」スッ

梓「夕陽?」

澪「そう、夕陽を見に・・・な」

律「見ろ!あの燃え上がる炎を!」ビシッ

唯「りっちゃん・・・!私・・・なんだか燃えてきたよ!」メラッ

風子「・・・うん!」メラメラ

澪「どうしてだ・・・」



863 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/09(金) 23:24:24.86 ID:fwc/JhO5o


紬「・・・」クイックィッ

梓「今からですか?」

紬「・・・!」ダッ

タッタッタ

梓「待ってください!」ダッ

律「おぉー!むぎと梓が夕陽に向かって走ったー!」

唯「さすがむぎちゃんだよ!」

風子「・・・私もっ!」ダッ

律「負けない!」ダッ

唯「熱血だよ!青春だよっ!」ダッ

夏「熱いな・・・。・・・私もっ」ダッ

タッタッタ

澪「私たちは歩いて行こうか」

英子「・・・うん」

冬「夏・・・」

憂「いちごさん?」

いちご「・・・」

憂「どうしたんですか?」

いちご「・・・ううん。・・・なんでも」

憂「どうぞ、掴まってください」

いちご「・・・うん」

ギュ

憂「よいしょ」グイッ

いちご「・・・ありがと」

憂「あ・・・」

いちご「?」

憂「いえ、私たちも行きましょう」

いちご「・・・うん」

憂(お姫様、お手をどうぞ・・・。なんちゃって)ポッ



864 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/09(金) 23:26:24.57 ID:fwc/JhO5o



―――――たいやき屋台


律「・・・」カァァ

風子「・・・」カァア

夏「ぅ・・・」カァア

唯「もぐもぐ・・・おいしいね~」

憂「うん」モグモグ

冬「おいしぃ~」パァア

英子「今度みんなと来よう・・・」モグモグ

梓「ここのたい焼き食べに行こうって、覚えていてくれたんですね」

紬「・・・」コクリ

澪「・・・夕陽に向かって走っていった4人はどう思っているのかな」

律風子夏「「「 っ! 」」」ボフッ

唯「勘違いだったよ~。でも、青春を感じたよねりっちゃん!」

律「い、言うな!」

風子「あぁ・・・恥ずかしい」プシュー

夏「・・・っ」カァア

梓「・・・フッ」

夏「鼻で笑った!?」

梓「夕陽に向かって・・・ぷふっ」

夏「くぅ・・・」プシュー

紬「・・・」モグモグ

冬「う、憂・・・」

憂「どうしたの?」

冬「あ、梓と夏が・・・」ヒソヒソ

憂「どうしたんだろうね」ニコニコ

冬「?」

いちご「・・・」



865 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/09(金) 23:27:45.10 ID:fwc/JhO5o


律「走る意味あったのかよー」

梓「この時間限定のたい焼きなんですよ」

律「へー・・・」

梓「む・・・」

唯「こしあんとつぶあんで言い争っている人がいるよね」

憂「どうしたの、突然・・・」

唯「悲しくなるんだよ。どっちもおいしいのに」

澪「・・・優しいな」

律「適当にコメントするなよ」

澪「青春を感じた人はどうコメントするんだ?」

律「うぐっ」ボフッ

唯「こしあん、つぶあん共にいい味だよね!」メラッ

憂「自分にコメントしてるよ、お姉ちゃん」

冬「ふふっ」

いちご「・・・姫子」

冬「姫子先輩!」

タッタッタ

姫子「冬・・・どうしてここに・・・1人?」

冬「紬先輩たちと来てます!」

姫子「むぎがいるって事は・・・う・・・」

冬「う?」

姫子「しまったなぁ・・・」

律「へっへっへー」

風子「その制服はここの近くにあるコンビニだよね~」

夏「どうしたんですか~?」

唯「どこへ行くのかな~?」

澪「矛先を見つけた!」

英子「・・・」モグモグ

梓「ひどいですね」モグモグ

紬「・・・」モグモグ

姫子「隣町のコンビニだから。そっちの店じゃないから」

律「あーそぉ~なんだ~」

風子「わざわざこの街に来ないといけない用事ってなにかな~?」

夏「姫子先輩らしくありませんねぇ~」

唯「どこへ行くの?」

姫子「い、今から戻る所・・・隣町へ」

律「へ~」

風子「ふ~ん」

夏「ほほぉ」

唯「働いている所見られたくないんだね」



866 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/09(金) 23:29:54.00 ID:fwc/JhO5o


姫子「・・・」

英子「それはそうだよね」

憂「お姉ちゃんってば」

姫子「・・・」ジー

夏「?」

姫子「・・・」チラッ

澪(梓が・・・)チラッ

梓「あんことカスタードのめぐり会いが素敵なハーモニーを生み出したんですね」

紬「・・・」コクコク

いちご「・・・」

姫子「・・・ふーん」

夏「な、なんですか?・・・顔になにか着いてます?」

姫子「あんこがね」

夏「うそっ!」

姫子「嘘だよっ」ビシッ

夏「あたっ!」

タッタッタ

唯「逃げたよ」

風子「隣町って言ったのに・・・」

英子「まっすぐあのコンビニへ向かったね」

夏「いつつ・・・」

律「うっしっし」

澪「りつ・・・」ゴゴゴ

律「な、なんだよ」

澪「今行ったら、明日の朝・・・黒板に夕陽を書くからな!」

律「・・・はい。行きません」

唯「仕事の邪魔したらダメだよ」メッ

冬「そうですよ!」メッ

律「・・・なんだとぉ」スッ

冬「わわ・・・」

風子「・・・」ゴゴゴ

律「くぅ・・・」

英子「律さん、大人しくしていようね」

律「・・・はい」

夏「あっはっは!」

梓「餅が入っているたい焼きもあったりするんですよ」

紬「・・・!」

憂「・・・いちごさん?」

いちご「・・・なんでも・・・ない」パク



867 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/09(金) 23:31:16.04 ID:fwc/JhO5o



――・・・


紬「・・・」クイックイッ

梓「・・・大丈夫です。歩いて帰りますから」

律唯澪「「「 えっ!? 」」」

梓「なんですか?」

律澪「「 いや・・・ 」」

唯「なんでも・・・ないよ・・・」

斉藤「では、失礼します」ペコリ

紬「・・・」

梓「?」

律「どしたー?」

澪「?」

唯「むぎちゃん?忘れ物?」

紬「・・・」ニコ

梓「!」

紬「・・・」フリフリ

梓「お休みなさいです」

夏「おやすみなさーい」

冬「おやすみなさい」

澪「明日な」

律「明日なー!」

唯「むぎちゃん!また明日!」

憂「おやすみなさい」

風子「おやすみ~」

英子「おやすみ」

いちご「・・・」

紬「・・・」

ギュ

いちご「?」

紬「・・・」スラスラ

いちご「・・・うん。おやすみ。明日ね」

紬「・・・」コクリ

バタン

ブォォオオオ

いちご「・・・」

憂「・・・」



868 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/09(金) 23:32:53.24 ID:fwc/JhO5o


律「帰るか~!」

唯「お二人はお姉さんが送っていくからね!」ドン

冬「そ、そうですか・・・。はい」

澪「風子たちも気をつけてな」

風子「うん」

夏「明日な、梓」

梓「あ、待って!」

夏「?」

冬「どう・・・したの・・・?」

梓「そっちは西じゃない・・・ぷふっ!」

風子「梓ちゃん・・・プフッ」

律「夏・・・そっちだ」

夏「はい・・・」ジリジリ

梓「また明日ですっ!」ダッ

タッタッタ

律夏「「 逃げられたか・・・ 」」

冬「・・・」

いちご「・・・」

唯「西?」

憂「太陽が沈む方角・・・」

夏「明日どうやって仕返ししましょうか」

律「そーだな・・・。昼休み違う場所で食べるか」ウシシ

夏「梓だけ待ちぼうけですね」ウッシッシ

澪「・・・まったく」

英子「また、明日」フリフリ



869 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/09(金) 23:35:24.25 ID:fwc/JhO5o



――・・・


いちご「・・・」

梓「あの・・・」

いちご「・・・?」

梓「ど、どうしたんでしょうか・・・?」

いちご「・・・なんでもないよ」

梓「・・・」

風子(キミの事で悩ませているんだよ、梓ちゃん)

英子「・・・」

春子「あ・・・」

純「お・・・」

信代「ん?」

潮「ここで会ったが100分目!」

シーン

梓「・・・」

純(そんな顔すんなよ・・・。私でも傷つくっての・・・)

信代「自動修復できるから放っておいていいよ」

春子「今日はどこへ?」

英子「たい焼き食べてきたよ」

潮「ふふ、拙者の見間違いでござったでござるよ」

信代「動揺してるな・・・。傷は大きかった」

風子「ごめんね、仇討ちかと思っちゃった」テヘ

潮「間違ってないよ!」

純「どこ行ったのさ」

梓「河川敷へ」

純「ふーん・・・。夏も?」

梓「うん。どうして分かったの?」

純「夏が部室へ行きたがってたからさー。部室へ行って、その流れで行きそうだなーって」

梓「ふーん・・・」

いちご「・・・」

春子「どうした?」

いちご「・・・そんなに暗い顔してる?」

春子「?」

いちご「・・・みんな気にかけてくれる・・・。それがちょっと・・・」

春子「嫌?」

いちご「・・・ちょっと」

春子「おっけ」

風子「・・・」



870 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/09(金) 23:38:08.23 ID:fwc/JhO5o


梓「どうしてこんな時間に?」

信代「調理室借りて、ベッコウ飴を作ってきたよ。食べてみる?」

梓「いただきます」

潮「どうぞ、英子も食べて」

英子「あ、ありがとう」

梓「・・・」コロコロ

英子「懐かしい味・・・」コロコロ

梓「苦・・・」

純「焦がしたんだって」

信代「明日はもうちょっと上手く作ってみせる」

潮「焦がしたの私だけどね」

梓「・・・でも、おいしいですね」

英子「うん」

信代「よかった」

潮「やった!」

純「・・・嬉しいんですね」



871 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/09(金) 23:39:04.43 ID:fwc/JhO5o


春子「メール来た?」

いちご「・・・うん」

春子「珍しい面子でボウリングだって」

いちご「・・・うん」

春子「楽しかったみたいだよ」

いちご「・・・そう」

春子「・・・・・・珍しい」

いちご「・・・なに?」

春子「・・・別に」

いちご「・・・」

風子「いちごちゃん・・・。私が話をしなかったのは順序を変えたからだよ」

いちご「・・・」

風子「あの人には悪いけど、そうした方が―」

いちご「分かってる。あの二人を見たら・・・それが一番だって分かる」

風子「・・・うん」

春子(あの二人・・・。梓と・・・純ではないか・・・あの双子かな・・・)

いちご「・・・結果論じゃないってのも分かってる。姫の言いたい事も分かった」

春子(梓とどっちか、か・・・)

風子「・・・うん」

いちご「・・・何に対して考えているのかも分からなくなってきた」

風子「・・・・・・うん」

いちご「もう・・・」

春子「重要なのはそこで捨てない事・・・じゃない?」

いちご「!」

春子「捨てるのはいつでもできる。それはまだ早い選択だよな~」

いちご「・・・」

風子「・・・知ってるの?」

春子「いや、全然」

風子「・・・そう」

信代(どんどん広がっていく・・・何かが・・・。だけど、嬉しいことなんだと思う)


潮「そうだ、駄菓子屋の提案なんだけどさ、千歳あめはどうよ?」

梓「どうよ、って・・・七五三じゃないんですよ?」

潮「じゃあ、ほら・・・あれ、マトシュールカ」

純英子信代「「「 ??? 」」」

梓「もしかして、マトリョーシカと言いたくて、金太郎飴と間違えたんじゃ」

潮「本気で間違えたのに・・・。なんで分かったの?」

信代「マジかよ・・・」

英子「分からなかった・・・」

純「この才能・・・なんだろう・・・」



872 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/09(金) 23:41:54.81 ID:fwc/JhO5o


―――――夜・澪の部屋


ジャカジャカ

澪「律はこんなのがいいのか・・・。姫子と純も気に入ったバンド・・・」

things we've gone through the years

澪「ここ何年かのうちに起こった出来事は」

took us place we can't go back

澪「僕たちから あの頃いた場所を奪い去ってしまった」

can't you see? time to say goodbye

澪「分からないかい、お別れの時間さ・・・」

every time time time・・・

澪「・・・一週間か」

pipipipipi

プツッ

澪「はい。どうした?」

『明後日休みじゃん?』

澪「あぁ、秋分の日な」

『明日お泊りしようぜ!パジャマパーティー』

澪「ははっ・・・」

『乾燥した笑い声だな・・・』

澪「律の口からそんな・・・もう一度言って?」

『パジャ・・・パジャマパ・・・』

澪「どこの古代都市だよ」

『言わせるなよ』

澪「どこで?」

『そっちで!」

澪「・・・悪い。急な話だから難しいな。期待を持たせる事はできない」

『そっかー。ま、気にすんな』

澪「・・・」

『・・・』

澪「一週間切ったな」

『あぁ・・・』

「『時間が惜しい』」

『ハモったな』

律「夏と冬に負けてないぞ」

『はいはい。律のとこは?』

律「んー・・・。弟がいるから邪魔・・・ごほん。迷惑かけそうでさぁー」

『そっか・・・』

律「ぺ、ペンションでも借りて・・・」

『そんなお金ないだろ・・・。予約も必要だぞ』



873 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/09(金) 23:44:04.47 ID:fwc/JhO5o


律「だよなー・・・」

『・・・』

律「梓と夏って何があったんだ?」

『さぁ・・・』

律「なにか知ってる声だぞ今の」

『全てに決着がついてからだな』

律「ふーん・・・。でも、遠い話じゃなさそうだな」

『うん』

律「明後日コンサートに行くってマジか?」

『うん。嫌なら』

律「いやいや、全ての道はローマがどうのこうの」

『ローマに通ず。目的は?』

律「学園祭の大成功だ」

『なるほど・・・』

律「いい案はないのかねぇー」

『みんなにメールうってみたら?いい案もらえるかも』

律「なるほど、そいつぁ名案でぃ」

『じゃあ、明日な。おやすみ』

プツッ

律「・・・」パタン

ピッ

ジャッ ジャッ ジャッ

律「リアクションくれてもいいだろー」ブー

things we've gone through the years

律「・・・」

took us place we can't go back

律「ふむ・・・」

can't you see? time to say goodbye

律「・・・」

every time time time time I think about you

律「僕が君の事を思い出すとき」

everything about you in my mind

律「記憶の中の君の全てが」

makes me want to forget

律「忘れてしまいたくさせる」

everything about you and everything about me ALL THOSE TIMES

律「あの時の君のこと全てを あの時の僕のこと全てを・・・」

『1人でかっこつけないでください』

律「梓のやつぅ・・・」バタバタ




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