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紬「いつかみた、あの大好きな、空の下で」#9月22日 前編 【クロス】


SS速報VIP(SS・ノベル・やる夫等々)@VIPServiseより

紬「いつかみた、あの大好きな、空の下で」#index




874 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/09(金) 23:45:06.37 ID:fwc/JhO5o



9月22日

澪「行ってきまーす」

ガチャ

律「はよーん」

バタン

澪「おはよう」

チュンチュン

律「行こうぜー」

澪「うん」

律「さすがにこの時間は人が少ないな」

澪「そうだな。いつもより」

プップププー

律「おはよーむぎ」

澪「おはよう、むぎ」

紬「・・・」ニコニコ

律「そんじゃ、散歩登校スタート!だっ!!」ブンッ

澪「おー」ブン

紬「・・・!」ブンッ



875 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/09(金) 23:45:41.14 ID:fwc/JhO5o


紬「・・・」プップププー

律「いいって、私らも少し違った日常ってやつを過ごしてみたかったからさ」

澪「うん」

紬「・・・」コクリ

律「しかし、どうして?」

紬「・・・」プッププップー

律「ふーん・・・。大して面白みのある通学路じゃないけどな」

澪「・・・面白みのある通学路ってどんなのだ」

律「山を越えないと・・・行けないとか・・・」

澪「まだ頭の回転通常じゃないみたいだな」

律「私の朝は音楽から始まるんだよっ」

澪「始まってなかったのか」

律「いや、ちゃんと聞いたけどさ・・・」

澪「いつもは寝てる時間だったな」

律「この時間はとっくに起きてるっての」

澪「そうか、悪かった」

律「・・・謝られるのも違う気がするけど。今日の運勢を見て右往左往してるくせに」

澪「だ、誰がだ」

律「あぁ、今日の運勢最悪ですワ!お母様お清めの塩を!」

澪「だ れ の 真 似 だ 」



877 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/10(土) 00:16:12.56 ID:LfYoVJIxo


冬「あれ・・・?」

紬「・・・」ニコ

冬「おは・・・ようございます?」

紬「・・・」ペコリ

冬「何を見ていたんですか?」

紬「・・・」ニコ

冬「飛行機か鳥でも飛んでいたとか・・・」

紬「・・・」

冬「・・・空ってどこにあるんでしょうね」

紬「・・・?」

冬「ここから見上げるとそこにあって、宇宙船からみたら海と陸しかなくて」

紬「・・・」

冬「飛行機に乗った事ないから、空の中にいる実感が解らないんでしょうね」

澪「北海道へはどうやって?」

冬「え・・・?」

律「行ったことあんのか?」

紬「・・・」

冬「は、はい・・・。どうして・・・」

澪「・・・夏から・・・聞いた」

紬「・・・」コクリ

冬「そう・・・です・・・か・・・」

律「あれー・・・。聞いちゃいけなかったのかなー?」

冬「・・・いえ」

紬「・・・」チョンチョン

澪「・・・?」

紬「・・・」コクリ

澪「・・・うん。・・・冬」

冬「はい・・・?」

澪「小さい頃の話も、夏から聞いたよ。『約束』の事も」

冬「!」

律「・・・」



878 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/10(土) 00:18:27.12 ID:LfYoVJIxo


紬「・・・」

ギュ

冬「?」

紬「・・・」スラスラ

冬「アイス・・・?」

澪「アイスの当たり棒の話もな」

冬「?」

紬「?」

律「首傾げあってどうすんだよ」

澪「覚えてない・・・とか?」

冬「・・・・・・えぇー・・・っと」ソワソワ

律「大事なことじゃないのかー!」

冬「わわ・・・」

澪「りつ・・・」

律「なんだ!」

澪「私の当たり棒失くした事あったよな」

紬「・・・」フンフン

冬「ぁ・・・」

律「何時の話だ!」

澪「小学5年生の頃だ」

律「そんな昔の話、とうに忘れた!」フンッ

澪「後で交換しようと置いておいたのに。ゴミだと思ったから放り投げたって、草むらにさ」

律「そんな小さい事をつつくなんて、澪さんらしくありませんなぁ」

澪「それを言ったら探してくれたよな」

紬「・・・」ツンツン

冬「は、はい・・・思い出しました」

律「なんだ、いい子じゃないか。昔の私」

澪「カマキリ捕まえて、私に持ってきて。驚かせて遊んで・・・」

律「お転婆だなぁ」ホノボノ

澪「当たり棒の事なんてすっかり忘れてさ」

律「あ、あぁー。あったあった!」

澪「冬・・・。何時頃の話?」

冬「えーと・・・。夏と一緒に初めて料理した次の日ですから・・・2年生の時です」

紬「・・・」キラキラ

澪「すごいな・・・」



879 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/10(土) 00:19:46.94 ID:LfYoVJIxo


律「いい思い出だな!」

澪「当たり棒をさ、夏と一緒に探したけど見つからなかったんだって」

律「よくある話なんだなー」ウシシ

澪「冬はわざわざ買ってきてくれたらしい。小学2年生の子が!!」

律「うっ・・・」

澪「私の当たり棒放り投げて、昆虫みつけて、私を驚かせて忘れた誰かさんとはえらい違いだな」

律「過去は美しくなるものさ」

澪「私の今の話が美しくみえたのか?」

律「・・・・・・いいえ」

澪「・・・」ジー

律「・・・」シラー

冬「・・・そんな事・・・覚えていたんだ・・・」

紬「・・・」

ギュ

冬「?」

紬「・・・」スラスラ

冬「・・・はい。そうですね」

律「あ、エリだ。おっはよーん!」

タッタッタ

澪「・・・しょうがないな、律は」

冬「・・・」

紬「・・・」

澪「・・・!」

冬「・・・」

紬「・・・」

澪(むぎ・・・。冬になにか伝えたい事があるんだな・・・)

紬「・・・」

ギュ

冬「?」

紬「・・・」スラスラ

冬「お昼ですか?」

紬「・・・」コクリ

冬「は、はい・・・」

澪「・・・」

エリ「みんなおはよー」

澪「おはよう」

紬「・・・」ニコニコ

冬「お、おはようございます」



880 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/10(土) 00:21:10.27 ID:LfYoVJIxo


律「エリたち昨日ボウリング行ったんだってさ」

澪「うん。そうらしいな」

律「なんで知ってんだ?」

澪「メール貰ったからだけど・・・?」

律「え?」

澪「ん?」

紬「?」

エリ「・・・あ」

律「あ・・・。って何?」

エリ「あはは、りっちゃんに送るの忘れてた」アハハ

冬「・・・それは・・・それは」

律「大層な事ですな!!」

エリ「澪ちゃんと一緒にいると思ったんだよ☆」

律「こら・・・今誤魔化し入れただろ・・・」

澪「いつもこの時間なんだ?」

エリ「ううん。もうちょっと遅いくらいだよ。調理室で下準備しようと思ってね」

紬「・・・?」

エリ「カステラとプリンをね」キラン

冬「プリンおいしいですよね」

エリ「おいしいよね~。昨日小田おばあちゃんの所行ってきて作り方習ってきた」ブイッ

紬「・・・」ブイッ

律「屋台メンバーも集ってんの?」

エリ「うん。・・・あ」

律「私、知らない」

エリ「・・・ごめんなさい」

律「許さない」

冬「り、律先輩!アレをみてください!」

律「んだよ」

冬「コサメビタキです!」

澪「あの鳥・・・?」

エリ「?」

冬「体の上面が灰褐色で下面が白の配色で、他の鳥の鳴き声をまねするんです!」

紬「・・・」コクコク

律「・・・それで?」

冬「あの鳥は平地から標高1000mまでの場所で生息しているんです。
  夏鳥として繁殖の為に日本に飛来したんですよ」

律「・・・うん」

冬「越冬する為にインドネシア、フィリピンまで飛ばなくてはいけませんから
  もうそろそろ旅立っていくのではないでしょうか」

律「・・・」



881 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/10(土) 00:22:01.54 ID:LfYoVJIxo


冬「サメビタキという鳥より小さい事からコサメビタキと呼ばれているそうです。捕食の」

澪「・・・冬」

冬「は、はい」

エリ「飛んでいったよコサメビタキ・・・」

紬「・・・」コクリ

冬「あ、本当ですね」

律「・・・」

澪「学校へ向かうか」

紬「・・・」コクリ

冬「はい」

澪「冬はどうしてこの時間に登校しているの?」

冬「私のクラスの出し物の準備がありまして・・・」

紬「・・・」

エリ「ごめんね」

律「いいけどさ、・・・どうしてコサメビタキの話が?」

エリ「フォローしてくれたんだね」



882 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/10(土) 00:23:59.26 ID:LfYoVJIxo



―――――調理室


律「教室に行かないのかよ?」

冬「す、少しだけ覗いていこうかな・・・と思いまして」

律「・・・」

冬「だ、駄目でしょうか・・・」

律「駄目だ!」

澪「なんでだっ」

風子「律さん呼んでないよ・・・」

律「な、なんで野点班の風子がいるんだよっ!」

風子「お茶もあった方がいいでしょ・・・」

律「朝に纏っていいオーラじゃないぞ風子・・・。呼んでないってなんだよ・・・!」

風子「メール届いてないでしょ・・・」

律「なんで知ってんだよ・・・!」

風子「・・・ふふっ」

律「ちょっとまて」

紬「・・・」グイグイ

冬「あ・・・っ・・・と・・・」

澪「律はすぐ冬をいじめようとするからな・・・風子に任せよう。って、結構集っているんだな」

姫子「あれ、冬も来ていたんだ」

冬「姫子先輩。屋台班だったんですね」

姫子「そうだよ。むぎと澪も今日ははやいね」

紬「・・・」コクリ

澪「昨日の昼に約束して、散歩していたんだ」

姫子「そっか・・・」

未知子「おはよう冬ちゃん」

信代「おはよー、冬」

潮「おっはよ、冬」

冬「お、おはようございます」ペコリ

圭子「あ、昨日バトミントンの相手の子のお姉さんかぁ・・・。似てる似てる」

つかさ「この子が・・・」

俊美「噂の・・・」

いちご「・・・おはよ」

冬「お、おはようございますっ」ペコリ

潮「律儀だのぉ」ホノボノ



883 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/10(土) 00:26:26.79 ID:LfYoVJIxo


エリ「時間無いからさっさとやろー」

律「私呼ばれてないから座ってていいよなー」ニヤニヤ

澪「あのな・・・」

風子「いいよいいよ、座っててー」

律「手伝わせてくださいっ!」

紬「・・・」フンス!

澪「むぎも手伝うのか・・・。そうだな、せっかく早く登校したんだからな」

冬「よ、よぉし私も手伝います!」

姫子「自分の教室戻らなくていいの?」

冬「あぅ」

姫子「ほら、行った行った」

冬「・・・」チラッ

姫子「憂を探しているんだろうけど、まだ来ないよ」

冬「ぅ・・・」

姫子「・・・」ジー

冬「そ、それでは・・・。お昼に!」

テッテッテ

紬「・・・」フリフリ

姫子「・・・」フゥ

風子「厄介払いみたいにしなくても・・・」

姫子「冬にはやるべきことがあるでしょ、優先順位間違えてるよ」

いちご「・・・そう言えばいい」

姫子「それもそうだね・・・」

いちご「・・・」

信代(・・・昨日の帰りの話を聞かなかったら普通の会話なんだけどなぁ)



884 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/10(土) 00:27:56.27 ID:LfYoVJIxo


エリ「はい、りっちゃん」

律「卵を割ればいいのか?お安い御用」

カッ

パカッ

俊美「意外・・・」

つかさ「・・・片手で割れるんだね、シェフみたい」

律「これくらい♪」

カッ パカッ カッ パカッ カッ パカッ カッ パカッ

信代「おぉー」

律「へへー♪」

カッ パカッ カッ パカッ カッ パカッ カッ パカッ

いちご「・・・」

澪「誰か止めたほうがいいよ」

紬「・・・」ガシッ

律「はっ」

風子「・・・試作品なのに」

未知子「ほとんど割っちゃった・・・」

姫子「お昼に私が買ってくるから、作れる分作ってみようよ」

エリ「そうだね。それじゃ取り分けて」ヒョイヒョイ

俊美「お湯できてるよ」

エリ「うん。砂糖を入れて湯煎をしながら高速回転」

ウィーン 

澪「手際いいね」

エリ「お家でもやってみたんだよ。疲れた腕でね!」

信代「ボウリングか・・・」

紬「・・・」

憂「おはようございます」

純「おはようございまーす!」

紬「・・・」フリフリ



885 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/10(土) 00:29:49.38 ID:LfYoVJIxo



―――――3年生のクラス


唯「いい匂いがするよ」クンクン

律「カステイラ作ってたんだよ」

和「上手に出来た?」

姫子「まだ味見はしてないから、どうかな」

唯「・・・」クンクン

紬「・・・」ニコニコ

澪「あのさ、姫子・・・」

姫子「ん?」

澪「夏と冬は・・・家で話をしないのかな・・・」

姫子「・・・してないと、思う」

紬「・・・」

澪「姫子が屋台班だとさっき知ったようだったからさ・・・」

姫子「・・・そうだね」

風子「・・・」

いちご「・・・」

和(・・・いちごが何を言いたいのか分かる気がするわ)

律「は な れ ろ」グググ

唯「りっちゃんいい匂い」クンクン

姫子「あはは」

和「姫子・・・。今日はお昼、中庭に行かないの?」

いちご「!」

姫子「うん。行かないよ・・・買い出しに行かなきゃね」

澪「・・・」

姫子「変な事聞くね」

いちご「・・・そうだね。変な事だね」

紬「・・・」

律「ん?」

唯「・・・?」

エリ「どうしたの」ヒソヒソ

風子「ちょっとね」ヒソヒソ

アカネ「・・・」

いちご「・・・回りくどいよ」

姫子「不器用なんだよ。そこは察してくれると・・・、助かるな」

和「どうして、一緒にお昼を過ごさないのよ」

姫子「・・・」



886 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/10(土) 00:33:18.08 ID:LfYoVJIxo


和「理由ってなにかしら」

姫子「・・・私がいなくても楽しそうだよ?」

いちご「そういうことじゃないよ」

紬「・・・」スッ

トントントントトントン

姫子「・・・」

澪「いや、買出しはむぎが行くべきじゃないよ。な、律!」

律「・・・へい」

唯「どういう事?」

風子「褒められて調子に乗った律さんがほとんどの卵を割ったので放課後の分がないの」

律「恐縮です・・・」

澪「だからむぎは冬と中庭に行ってくれ」

紬「・・・」コクリ

律「えー・・・、1人で?」チラッ

澪「・・・はぁ、分かったよ」

律「うむ。よきにはからえ」

澪「うわ・・・」

唯「くるよっ!」

ガチャ

さわ子「はーい、みんな席に着いて~」

いちご「・・・」

スタスタ

和「・・・本当に不器用ね、姫子」

姫子「・・・」

唯「だからこそ通じる事もあるんだよ」

和「・・・」

姫子「そうだといいけど」



887 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/10(土) 00:33:59.40 ID:LfYoVJIxo



―――――昼・中庭


冬「あれ・・・、れ?」キョロキョロ

風子「どうしたの?ここは学校の中庭だよ?」

梓「意味が分かりませんよ」

風子「ここはどこ、私は誰・・・?・・・状態なのかと」

梓「意味が分かりませんよ」

風子「そうだよね、私のボケはツッコミ入れづらいよね」

梓「ぅ・・・」

風子「律さんみたいにバリエーションないし、純ちゃんみたいに絡みやすいわけでもないよね」

梓「うぅ・・・」

英子「こら、ふぅ」

風子「・・・」

冬「み、みなさんは!?」

英子「あとで来るよ」

冬「紬先輩と約束を・・・」アセアセ

夏香「後で来るって・・・。そんな心配しないでよ」

冬「そ、そうですね」

梓「どこへ・・・?」

風子「朝に作ったカステラを取りにね。澪ちゃんと律さんは買出しへ行ったよ」

梓「・・・むぎせんぱいもですか?」

風子「・・・うん。朝調理室で一緒に作ったの」

梓「そっ、そんな話聞いてないですっ」

風子「一緒に作って楽しかったなぁ」

英子「こーら!」

夏香「意地悪になるのも変わってないなぁ」

梓「・・・いいです。一緒に作るチャンスはまだあります!」フンシュ!

風子「私たち野点茶店班だよ?」

梓「そうでした・・・」

夏香「出鼻くじかなくてもいいでしょ」

英子「冬ちゃんところはなにを出すの?」

冬「お化け屋敷です」

夏香「!」ビクッ

冬「あ、大丈夫ですよ。本物なんていませんから」

夏香「あ、当たり前でしょ!」

梓「本物ね・・・」



888 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/10(土) 00:35:36.23 ID:LfYoVJIxo


冬「私は見えない体質なんだけど、夏が見えるみたいで・・・」

夏香「あー、早くこないかな!」

英子「来たよ」

夏香「ッ!」ビクッ

紬「?」

風子「なにが来たと思ったの?昼間だよ?」

英子「その言い方だと知ってるよね」

唯「りっちゃんと澪ちゃんが来るまでバトミントンしていようよ!」

紬「・・・」コクコク

梓「っ!」ササッ

風子「それじゃペアを決めるじゃんけんしよっか」

冬「梓は紬先輩と組みたいのでは・・・」

風子「いいのいいの」

梓「よくないですよ!」

唯「はい、じゃーんけん」



889 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/10(土) 00:37:04.81 ID:LfYoVJIxo


――・・・

風子「むぎさんと一緒のチームじゃなくなったね、梓ちゃん」

梓「棄権します」

夏香「梓ちゃんが抜けたから6人・・・2で割れるね」

梓「あっ!」

風子「ラケット4つしかないよ?」

唯「じゃーん、6つ借りてきました!」

梓「ななっ!」

紬「・・・」シュッ

冬「それっ」シュッ

風子「勝ってカステラ食べようね!」

冬「はいっ」

紬「・・・」フンス!

英子「食べてみたいなぁ」

夏香「うん」

唯「負けないからね!」

梓「それでは・・・サーブを・・・どうぞ・・・」



890 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/10(土) 00:39:25.80 ID:LfYoVJIxo


――・・・


梓「それっ」ポン

シュー

紬「・・・」ポン

シュー

梓「えいっ」ポン

シュー

紬「・・・」ポン


律「なにやってんだ・・・あの二人」

風子「梓ちゃんがどうしてもむぎさんとラリーをしたいっていうから・・・」

英子「そういう風ではあったけど」

夏香「早かったね」

澪「さわ子先生が車出してくれたから短時間で済ませたよ」

さわ子「生徒だけで外に出せないからね」

唯「お腹すいたよ~」

冬「はい・・・」

律「おっ、朝に焼いたカステイラじゃん!」

さわ子「もぐもぐ」

律「先に食べんなよ!」



・・・・・・



いちご「・・・」

未知子「なにを見てるの?」

いちご「・・・別に」

未知子「さわ子先生も中庭でお昼なんだ・・・」

いちご「・・・買い出しに行ってくれた」

未知子「そうなんだ・・・。だから遅いお昼なんだね」

いちご「・・・」

未知子「純ちゃんと憂ちゃんがカステラ持って来てたよ、食べないの?」

いちご「・・・いい」

未知子「・・・姫子さんたちが全部食べちゃうよ?」

いちご「・・・いいよ、別に」

未知子「・・・」

いちご「私に構わなくてもいいよ」

未知子「・・・構っている訳じゃ」

いちご「1人で考えたい事があるから」

未知子「・・・うん」



891 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/10(土) 00:40:33.49 ID:LfYoVJIxo



・・・・・・



和「・・・」

姫子「いい出来だね」モグモグ

エリ「うん。あと何度か練習すれば文句なしだよね」モグモグ

潮「おいしいおいしい」モグモグ

信代「食べてみて、結構上手に出来たよ」

春子「う、うん・・・」

「私もおひとつ」

潮「どーぞ」

「もぐもぐ」

姫子「どう?」

「うん、おいしい」

信代「うん、嬉しい」

和「・・・どうだった?」

未知子「?」

春子「いちごの様子は」

姫子「・・・」モグモグ

未知子「うーん・・・孤高の花って感じかな」

和「そう・・・」

エリ「・・・」

潮「え、意味が・・・」

「?」

春子「あー、文恵、潮・・・ちょっと打ち合わせがあるから席移動しよっか」

文恵「いいけど、潮ちゃん屋台班だよ?」

エリ「いいからいいから~」

潮「お茶に詳しい慶子呼ばないと」

信代「勝手な設定つけないでね」

スタスタ

姫子「・・・気を利かしてくれたのかな?」

和「えぇ・・・。二人の雰囲気をみんな知っているからね」

姫子「・・・」

未知子「え・・・と・・・私も席外そうかな・・・?」

和「姫子と二人になるから、三者として聞いててくれないかしら」

未知子「・・・なにが始まるの・・・?」

姫子「話だよ」

和「人の目を引きつける絶壁に咲いた花ってどう思う?」

未知子「?」



892 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/10(土) 00:43:29.80 ID:LfYoVJIxo


姫子「遠い場所にあるから綺麗に見える・・・とか?」

和「そうね。でも、その花がもっと近くで見て欲しいと思っていたら、どうするかしら?」

未知子「・・・」

姫子「人が近づくしかないよね・・・。花は動けないから」

和「えぇ。私たちもそういう人に出会ったのよ。・・・呼んでくるわ」

スタスタ

姫子「・・・・・・やられた」

未知子「?」

姫子「花はいちごで、私が人になれって事でしょ・・・。3人で話をしろと・・・」

未知子「和さんと姫子さん、私の3人じゃなくて?」

姫子「・・・悪いね未知子」

未知子「・・・どうして私なの?」

姫子「私といちごの事情を知らないよね?」

未知子「・・・うん」

姫子「・・・だから」

未知子「・・・」

姫子(あの雰囲気のいちごに声かけたのも未知子だったから・・・)

未知子「そういう人に出会ったってどういう事?」

姫子「むぎと旅先での話・・・」

未知子「先月けいおん部で旅行に行ったっていう・・・」

姫子「・・・」

いちご「話って・・・?」

未知子(和さん策士だぁ・・・)

姫子「アカネの席だけど座ってよ」

いちご「・・・」スト

未知子(すでに・・・なんともいえない空気が・・・)

姫子「今日は冬だったでしょ?」

いちご「・・・うん」

未知子「・・・」

姫子「どうして一緒に食べないのかはさ、夏が冬を避けているから。冬が夏に遠慮しているから」

いちご「・・・」

姫子「双子なのに、姉妹なのに、家族なのにねぇ」

いちご「・・・間に入ればいい」

姫子「入ろうと思ったけどね」

いちご「諦めたんだ」

姫子「・・・」

未知子「そんな言い方・・・」

いちご「・・・その距離はなに?」

姫子「・・・」



893 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/10(土) 00:46:57.90 ID:LfYoVJIxo


いちご「近づいたかと思ったら離れて、よくわからない」

姫子「私では・・・」

いちご「・・・」

姫子「・・・」フゥ

未知子「・・・」

姫子「私は、二人を特別視しないって決めたから」

いちご「・・・」

姫子「二人にどんな過去があっても、どんな事が起きても私にとっては後輩で友達だから」

いちご「・・・」

姫子「だから」

いちご「時間は限られてるよ。少なくとも学園祭まで」

姫子「・・・」

いちご「それが過ぎれば自然と今ある問題は薄れていくと思う。けど、元には戻らない」

未知子「・・・」

姫子「まるで経験したかのようだね」

未知子(姫子さん・・・!)

いちご「・・・うん。挨拶もできないで離れて行った友達がいたから」

姫子「ケンカ別れ?」

いちご「・・・うん。今思えばどうでもいい事だった。けど、当時の自分はそれが許せなかった」

未知子「・・・」

姫子「・・・」

いちご「『さようなら』も言えない別れってなにも残らないよね」

姫子「うん・・・」

未知子「・・・」

いちご「あの二人はそのうちそうなる。私はそれがいや」

姫子「・・・」

いちご「どうにかできる立場にいるのに、傍観している姫はもっといや」

姫子「・・・」

いちご「むぎ達に押し付けているだけ。それがすごくいや」

姫子「・・・」

いちご「・・・」

姫子「・・・」

いちご「・・・・・・なにかいう事無いの?」

姫子「・・・・・・・・・うん」

いちご「・・・そう、・・・じゃ」ガタ

スタスタ



894 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/10(土) 00:47:38.34 ID:LfYoVJIxo


未知子「・・・あんないちごさん・・・初めて見た」

姫子「・・・私も」

未知子「・・・うまくいかないよね」

姫子「・・・・・・そうだね・・・。私ムキになってた?」

未知子「ううん、全然。・・・どっちかっていうと、冷めてた」

姫子「はは」

未知子「冷めようと必死にしてた・・・」

姫子「・・・」

和「相談に乗るわよ」

姫子「このタイミングで・・・ずるいよ?」

和「そうかしら」

未知子「・・・」

姫子「和・・・やっぱりすごいよ、あの人は」

和「どっち?」

姫子「玉恵さんね・・・」

未知子「?」

和「どうして?」

姫子「いちごにも何かを残していってるから・・・」

未知子「・・・だれ?」

和「女性ライダーよ」

姫子「・・・時間がない・・・かぁ・・・」



895 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/10(土) 00:49:12.40 ID:LfYoVJIxo



―――――放課後


ジャジャッジャジャッジャーン

紬「・・・」キリ

梓「・・・ふぅ」

澪「・・・今日はこんなものかな」

唯「そだね」

律「うし・・・。そんじゃ制作に行こーぜ!」

シーン

律「なんだよ」

澪「この中で屋台班は律だけ・・・なんだ」

紬「・・・」コクリ

梓「そうです」

唯「バイバイ、りっちゃん!」

コンコン

律「差し入れ持っていってやんねーからな」

澪「どうして卑屈になっているんだ・・・」ガサゴソ

梓「きっと寂しいんですよ」ガサゴソ

唯「そうだよね、寂しいよね」ガサゴソ

紬「・・・」

コンコン

律「おいしいやつ作って食べてやる!」

澪「・・・うん」

梓「行きましょうか、むぎせんぱい」

唯「さぁ、頑張るぞー!」

紬「・・・」

コンコン

律「もういいよ!バカー!」

タッタッタ

澪「拗ねた・・・」

ガチャッ

律冬「「 あ・・・ 」」

紬「?」

律「・・・」ニヤリ

冬「う・・・」

律「いい所に来たな、冬ちゃん」ワキワキ

唯「冬ちゃん?」



896 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/10(土) 00:50:28.10 ID:LfYoVJIxo


冬「な、なんで・・・す・・・?」

律「ふふ、私のストレ・・・!」ギクッ

風子「何してるの、律さんは調理室でしょ?1人で・・・」

律「な、なんだよ1人でって!」

風子「さ、どうぞ行ってらっしゃいませ。1人で・・・」

律「強調すんな!」

紬「・・・」ツンツン

冬「あ・・・、私は・・・えぇと・・・なんでしたっけ?」

澪「いや、聞かれても困るな・・・」

風子「行かないの?一人で・・・」

律「行くよ!一人でなっ!」

タッタッタ

梓「やぶれかぶれって言うんですかね」

唯「息巻いて行ったね」

風子「行ってしまったね・・・。屋台班は調理室集合じゃないのに」

冬「・・・それはひどいですよ。風子先輩」

風子「いい子だねー」ホノボノ

澪「二人はどうしたんだ?」

紬「・・・」コクリ

風子「野点班調理室に集合だよ」

唯「おぉ、空きが出たんだね!」

風子「うん」ニコニコ

澪「りつ・・・」

梓「それで、冬は・・・?」

冬「先日行った遊園地でのお化け屋敷の体験を取材しに来ました」

澪「ッ!」

タッタッタ

冬「見えなければどうって事ないですよね」

風子「ねー♪」

紬「・・・♪」

梓(ツッコミ役がいないから・・・まとまりがないですよ・・・律先輩・・・)



897 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/10(土) 00:53:46.69 ID:LfYoVJIxo



―――――2年生のクラス


純「律先輩到着しましたー!」

律「遅れてきたんだから大々的に言うなよっ!」

潮「おっそーい!」

信代「まぁまぁ、演奏の練習していたんだから大目に見てあげようよ」

律「それだけじゃないんだぜ?風子が罠をしかけてさぁ、一度調理室へ行ったんだよ」

英子「罠・・・」

ちか「おっそいよりっちゃん!もう準備終わっちゃったんだよ!?」

律「はい・・・。すいません」

つかさ「い、いいすぎだよ・・・」

姫子「大丈夫。大目玉を食らっているだけだから・・・。いわゆるコント」

つかさ「・・・そうですか」

俊美「日本語の難しさだよね」

澪「・・・ふぅ」

未知子「澪さんは野点班だよね?」

澪「そうだけど、今冬がいるから・・・嫌だ」

冬「そんな・・・」ポロッ

バサッ

澪「ッ!?」ビクッ

律「なんで冬がいんだよ・・・キミのせいで風子に・・・!」ギクッ

風子「・・・1人じゃなくてよかったねー」

律「さーて、ちか、これから何を作るんだ?」

ちか「屋台のセットだよ」

律「任せろ!頑張るぞー」

冬「・・・」ズドーン

澪「ちっ、違うんだっ!」アセアセ

信代「どういう状況なんだろうね・・・」

姫子「ね・・・」

風子「あのね、冬ちゃんが遊園地のお化け屋敷の体験談を取材したいらしいの」

潮「・・・なるほど、冬ちゃんとこの出し物お化け屋敷らしいからね」

風子「そう。それで、怖がる人の意見を取り入れたほうがリアリティが生まれるのではないか、
   そう思って、澪ちゃんに取材したらどうかと私が提案したの」

姫子「・・・うん」

冬「・・・」ションボリ

澪「冬が嫌なんじゃなくてだなっ、怖い話が嫌なんだっ」オロオロ

風子「調理室に着くや否や澪ちゃんが冬ちゃんの顔見たらこっちへ走って行ったの」

信代「ややこしいなぁ」



898 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/10(土) 00:54:58.39 ID:LfYoVJIxo


風子「そして、冬ちゃんが澪ちゃんを追っかけて行ったから、私もついてきたって訳だよ」

英子「それ・・・完全にイタチごっこだよ・・・ふぅ・・・」

風子「そうなの?」

姫子「そうだよ・・・」

澪「嫌いって意味じゃないんだ!」

冬「・・・よかった」

澪「嫌いになる理由がないだろ」

冬「そ、そうですか・・・」テレテレ

純「む・・・」

澪「・・・ふぅ」

冬「それじゃ取材を受けてくださるんですね?」

澪「嫌だっ!」

タッタッタ

冬「待ってください!」

タッタッタ

英子「ほら・・・」

風子「冬ちゃんが気になるから行ってくる」

タッタッタ

信代「風子遊んでいるんじゃ・・・?」

姫子「澪はお化け屋敷入ってないのにね」

純「・・・作業に戻りましょうか」



899 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/10(土) 00:57:12.57 ID:LfYoVJIxo



―――――中庭


冬「っはぁ・・・はぁっ・・・!」

澪「走るのキツイんだったら追いかけなければいいのに・・・」

冬「・・・っ・・・はぁ・・・」

風子「ほら、これ飲んで」

冬「すっ・・・いませんっ・・・」ゴクゴク

澪「・・・落ち着いた?」

冬「・・・ふぅ・・・はい。大分」

風子「・・・無理しちゃ駄目だよ」

冬「すいません・・・」

澪「・・・こんな事で身体を悪化させたら嫌だぞ」

冬「・・・・・・はい」

風子「逃げなければいいのに」

澪「追いかけてくるとは思わなかった・・・」

冬「・・・ちょっと無茶しちゃいましたね」

風子「・・・」

澪「なにかあった?」

冬「・・・はい。クラスの制作に携われる事が嬉しくて・・・。楽しくて・・・。いいモノにしたくて」

澪「・・・」

冬「心配かけさせちゃ・・・駄目ですね」

風子「そうだよ。・・・でも、ごめんね。私が蒔いた種だね」

冬「いえ・・・。そんな事はないです。いい提案だと思います。怖がる人ほどリアルに恐怖を感じているって」

澪「・・・参考にならないと思うけど・・・わ、私でいいなら」ゴクリ

冬「・・・い、いえ!他の人に聞いてきますから!」ガタッ

澪「他って・・・目星ついてる?」

冬「そ、それは・・・」

澪「夏と夏香も怖がっていたよね」

冬「!」

風子「そうなの?」

澪「うん。夏はお化け屋敷から出てきたとき、むぎの腕にしがみついてたくらい」

風子「そうなんだ・・・。見てみたかったな」

冬「・・・」

風子「なっちゃんも野点班だから・・・。一緒に行こう?」

冬「・・・」

澪「・・・無理なら」

梓「冬ッ!」

澪「梓・・・?」

冬「?」

梓「夏が病院へッ!」



900 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/10(土) 00:59:07.93 ID:LfYoVJIxo


・・・・・・

・・・

夏「代わりが無いんだからしょうがないだろっ!」

梓「しょうがないじゃないって!」

紬「・・・」オロオロ

純「また始まったー・・・。作業進まないからやめて欲しいんだけどなー」

夏「ほらっ!純がこう言ってるでしょ!だからやるしかないの!」

梓「危ないって!無理やりやって壊されたら余計時間がかかるって分からないの!?」

夏「そんなヘマしませーん」

梓「あのね夏!」

夏「心配してくれんのー?」

梓「誰が!」

純「はぁ・・・この二人毎回めんどい・・・」

スタスタ

夏「よいしょ」

ギシッ

紬「・・・!」ガシッ

夏「あ、すいません・・・。すぐ済みますからちょっとだけ支えててくれると助かります」

紬「・・・」コクリ

梓「むぎせんぱいに迷惑かけないでくれる?」ジロッ

ギシッギシッ

夏「はいはい。後でお礼しますって・・・」ヒョイヒョイ

梓「な・・・」イラッ

紬「・・・」

夏香「梓ちゃーん!」

梓「は、はい!・・・さっさと済ませててね」ギロ

テッテッテ

夏「脚立が無いと作業できないってのに・・・、
  少しボロっちいだけでうろたえすぎですよねー」ヒョイヒョイ

紬「・・・!」

ミシミシッ

夏「お礼ですけど何がいいですかね・・・。っと、こんなもんかなぁ・・・」

紬「・・・!」キョロキョロ

夏「今降りますね・・・どうしたんですか?」

紬「!」ググッ

唯「どーしたのむぎちゃん?」



901 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/10(土) 01:00:43.60 ID:LfYoVJIxo


ミシミシッ

紬「!!!」

唯「ど、どうしたの!?」

グラグラッ

夏「おっと・・・?」

バキッ

夏「――え」

紬「!」サッ

ドサドサッ

唯「夏ちゃんッ!!」

純「?」

春子「むぎッ!!」

・・・

・・・・・・

冬「・・・」

医「そのまま手を握っていてやれ」

冬「なつ・・・」

ギュウ

夏「・・・ぅ・・・ん?」

医「しかし、夏が運ばれてくるとはな・・・」

夏「あ・・・れ・・・、せんせい・・・・・・ふゆ・・・?」

冬「・・・よかった・・・ぁ」

医「目が覚めたか」

夏「ここ・・・病院?」

冬「うん・・・。夏・・・脚立から落ちたって・・・」

夏「え・・・」

医「頭から落ちたらしいぞ、お転婆も程ほどにしとけよ」

夏「頭・・・?」

冬「・・・・・・紬先輩が・・・とっさに守ってくれたって」

夏「紬先輩が?」

医「頭と背中を両腕で守ってくれたらしいぞ・・・今手当てしてるよ」

夏「・・・りょう・・・うで・・・・・・?」

冬「なつ・・・」

ギュウ

夏「な・・・に・・・また・・・私は・・・っ」

冬「・・・っ」



902 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/10(土) 01:02:50.19 ID:LfYoVJIxo


夏「・・・紬先輩の・・・声まで・・・うばった・・・の・・・?」

冬「ッ!」

ギュウ

医(まだ癒えてないのか・・・)

看「失礼します」

医「どうぞ」

シャーッ

看「夏さん目を覚ましましたか?」

医「あぁ・・・。ほら」

夏「・・・っ・・・また・・・」

冬「・・・」

看「覚ましたそうよ。入って」

梓「・・・」

姫子「夏・・・?」

夏「あ――」

紬「・・・」

夏「両手・・・!」

紬「・・・」フリフリ

冬「・・・包帯・・・・・・っ」

夏「奪う事しかできないの・・・っ」

梓「・・・包帯は私が巻いて欲しいとお願いしたの」

夏「先輩たちのライブも・・・」

姫子「な、夏・・・」

梓「学園祭のライブの為にって無理言って巻いてもらったんだよ、夏」

夏「つ、つむぎ・・・せんぱいの・・・こえも・・・っ」ボロボロ

紬「・・・!」

夏「どう・・・して・・・わたし・・・は・・・」ボロボロ

紬「・・・」シュルシュル

看「・・・」

梓「・・・夏・・・むぎせんぱいを見て」

夏「いっつも・・・いつもっ」ボロボロ

紬「・・・」シュルシュル

梓「夏・・・。まえを・・・みて」

夏「もういやだ―」ボロボロ

梓「なつッ!」

バシィッ

夏「―ッ!」

冬「!」

梓「むぎせんぱいを、前をみて!」



903 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/10(土) 01:05:18.86 ID:LfYoVJIxo


夏「え・・・」

紬「・・・」スッ

看「内出血も、骨折も無いから・・・」

紬「・・・」ニコ

夏「っ・・・」ボロボロ

冬「・・・」

ギュウ

梓「・・・」

夏「ごめん・・・梓・・・っ・・・忠告を・・・っ」ボロボロ

梓「どうして包帯を解いたか分かってないでしょ・・・」

夏「え・・・」

梓「夏が自分を責めているからっ・・・それを伝えてるの・・・『大丈夫』って!」

夏「ッ!」

梓「夏はむぎせんぱいを知らないから・・・。
  だけど、ちゃんと守ってくれた人にそこまでさせないでっ」グスッ

夏「・・・!」

梓「夏が自分を責めると・・・むぎせんぱいも・・・悲しむんだから・・・っ」グスッ

夏「・・・」グスッ

紬「・・・」

梓「すいません・・・外行ってきます」グスッ

スタスタ

冬「・・・」

夏「・・・」

医「・・・どうする?帰っても大丈夫だぞ」

夏「・・・」

看「検査をしたけど、異常はないわ」

夏「・・・」

冬「・・・」

姫子「・・・」

紬「・・・」



904 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/10(土) 01:07:02.55 ID:LfYoVJIxo


母「ありがとうございました」

医「二人とも目立った外傷は無いですけど、体調には気をつけてください」

母「はい」

梓「・・・はい」

医「今度は冬が・・・元気を分けてやれ」

冬「はい」

ギュウ

夏「・・・」

姫子「・・・」

夏香「・・・姉さん・・・二人とも・・・大丈夫なんだよね?」

看「えぇ、大丈夫よ」

夏香「・・・よかった」

ウィーン

唯「むぎちゃん達も出てきたよ!」

澪「なっ!?」

律「両手包帯って・・・!」

紬「・・・」フリフリ

梓「大丈夫ですよ。特に異常も無いとの事です。私がお願いしたんです。念のために」

唯「そっかー」ホッ

律「よかったー」ホッ

澪「不幸中の幸いだな・・・。夏も・・・怪我はないみたいだ・・・」

梓「・・・」

夏「・・・」

冬「お母さんは先に帰ってて、行く所があるから」

母「?」

姫子「二人を心配している人たちがいますので・・・」



905 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/10(土) 01:08:58.55 ID:LfYoVJIxo


夏「・・・手・・・・・・はな・・・して・・・・・・」

冬「・・・」フルフル

姫子「ちゃんと掴まえててね」

ギュ

冬「はい」

夏「・・・歩きにくい・・・から・・・」

冬「・・・」

姫子「歩調が遅いんだよ。それではむぎ達を待たせてしまうでしょ」

夏「待たなくて・・・いい・・・」

姫子「・・・」

夏「置いていってください・・・」

冬「梓が言ってくれた事、少しも理解してないんだね、夏は」

夏「!」

姫子「・・・」

唯「おーい!夕陽が沈んじゃうよー」

律「・・・」

澪「・・・」

夏香「・・・」

梓「・・・」

テッテッテ

紬「・・・」

夏「・・・?」

紬「・・・」スッ

夏「包帯・・・巻いているから・・・握れません・・・」

紬「・・・」ションボリ

姫子「代わりに私が」

ギュ

夏「!」

紬「・・・」コクリ

冬「ほらっ、行くよ」グイッ

姫子「行くよ」グイッ

夏「~っ!」



906 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/10(土) 01:09:37.94 ID:LfYoVJIxo



―――――河川敷


風子「なっちゃん、二人は・・・むぎさんの・・・手・・・!」

夏香「大丈夫って姉さんが言ってたから・・・。あれは念のためだよ」

風子「ほ、本当に・・・?」

夏香「うん。安心させる為の嘘じゃないからね」

英子「そうなんだ・・・。よかった・・・」

夏香「先にみんなに知らせておくよ、ビックリするだろうから」

英子「そうだね・・・」

風子「・・・」

夏香「ふぅは・・・風子は一緒にいてあげて」

風子「・・・うん」



907 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/10(土) 01:14:17.66 ID:LfYoVJIxo


夏「みなさんに・・・心配を・・・」

姫子「そうだね、心配かけてしまったから・・・後で謝ろうか」

冬「はい。行こう、なつ・・・」グイッ

グッ

夏「・・・」

冬「?」

夏「あたしが・・・どうして・・・冬ねぇを避けていたか・・・気付いてる・・・?」

冬「・・・ううん。知らない」

夏「・・・」

梓「・・・」

冬「ごめん・・・ね」

夏「・・・!」ズキッ

紬「・・・」

冬「気付いてあげられなくて・・・」

夏「だから・・・なんで・・・謝るの・・・っ!」

冬「え・・・?」

夏「あたしが奪ってきたじゃん!生まれる前から!
  あたしの分まで冬ねぇに負担かけてるんだよ!?」

冬「・・・」

夏「もう・・・っ・・・奪うのはいや・・・っ・・・」

冬「・・・」

夏「冬ねぇにばっかり嫌な思いを・・・冬ねぇだけ辛い思いを・・・冬ねぇ・・・に・・・あたしは・・・!」

冬「久しぶりだね・・・そう呼んでくれるの・・・」

夏「・・・!」

冬「私が入院してから呼んでくれなくなったよね・・・」

夏「・・・・・・うん」

冬「奪ってないよ。与えてくれたんだよ・・・『最高の場所』を」

梓「!」

姫子(それ・・・)

夏「『最高の場所』・・・?」

冬「うん。その場所があれば、人は強く生きていける」

夏「・・・」

冬「それを見つけたのは・・・『あの時』」

夏「ッ!」

紬「・・・!」

姫子(・・・命を繋いだ時)

夏「・・・っ・・・・・・ッ・・・!」

冬「なつ!?」

紬「!」



908 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/10(土) 01:16:26.79 ID:LfYoVJIxo


風子「夏ちゃん!?」

夏「だっ・・・だい・・・じょう・・・ぶっ!」

姫子「なにこの震え方・・・っ!」

冬「ひどい汗だよっ!?」

夏「・・・っ・・・っ!」

ギュ

梓「だいじょうぶ・・・。ちゃんといるから。
  むぎせんぱいと、姫子先輩とふぅ先輩とここにいるから」

紬「・・・」コクリ

風子「・・・うん」

姫子「うん」

夏「・・・っ・・・」

梓「ちゃんと冬の手を握ってて」

夏「う・・・っ・・・うんっ」

ギュウ

梓「ちゃんと私たちの中にいるよ・・・冬は」

冬「!」

夏「うん・・・・っ・・・」ボロボロ

冬「『あの時』ね・・・」

夏「・・・っ」ズキィッ

ギュウ

冬「真っ暗で、とても寒くて、とても寂しいんだけど、なぜか居心地のいい所にいたの」

夏「・・・ッ」ズキィッ

冬「このままそこに居てもいいと思っていたの」

夏「―ッ!」ズキィッ

冬「でもね、一箇所だけ・・・違った・・・」

夏「ぇ・・・?」

冬「ほんの小さな・・・暖かい場所があった・・・」

夏「・・・」

冬「その場所へ引き寄せられるように辿り着くとね・・・。声が聞こえるの・・・」

夏「・・・」

冬「『ふゆ』って私の名を呼ぶ声が・・・」

夏「ッ!」

冬「目を開けると・・・夏が手を握っていてくれたの」

夏「―ッ!」

冬「そこが私の『最高の場所』・・・」

夏「ぅ・・・」ボロボロ

冬「今の私がこの場所に居られるのは・・・夏が『最高の場所』をくれたからなんだよ」

夏「・・・ッ」ボロボロ

冬「だから・・・夏は私にとって大切な場所」



909 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/10(土) 01:17:07.06 ID:LfYoVJIxo


夏「・・・・・・うん」ボロボロ

冬「・・・っ」

夏「あたし・・・っ・・・冬ねぇに・・・なれたら・・・ってずっと思ってた」グスッ

冬「・・・」

夏「あたしが・・・全部持っていけばいいって・・・思ってた・・・!」グスッ

冬「・・・っ」

夏「でも・・・無理だ・・・っ・・・冬ねぇ・・・に勝てないっ」グスッ

冬「・・・」

夏「あたしは・・・妹でいい・・・っ・・・!」

冬「うん。私も姉がいい・・・」

夏「あり・・・がと・・・・・」

ギュウ

冬「ううん・・・。ありがとうは・・・私だよ・・・なつ・・・」

梓「・・・」

姫子「・・・っ」

風子「・・・ッ」グスッ

紬「・・・」



910 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/10(土) 01:18:49.08 ID:LfYoVJIxo


律「メール送っただろ?」

信代「まぁ・・・ねぇ・・・。でも心配するでしょ?」

唯「そうだよね~」

和「びっくりしたわよ・・・。でも何事も無くてよかったわ」

澪「・・・うん」

ちか「みんな心配して、作業に手がつかなかったんだよ」

憂「はい。私たちも・・・ね」

由記「・・・うん」

三花「・・・ここ、よく来るの?」

純「はい、のんびりするには最適な場所なんですよ」

未知子「確かに、川のせせらぎ・・・太陽の傾き・・・どれもいい感じだね」

風子「・・・っ」グスッ

夏香「変わらないね、ふぅは」ナデナデ

風子「嬉しいっ・・・」ボロボロ

英子「・・・うん」

風子「・・・ちゃんと・・・っ・・・繋がった」ボロボロ

夏香「・・・」ナデナデ

風子「うれしいっ」ボロボロ

英子「うん。嬉しいね」

いちご「・・・」

春子「・・・いちごが背中を押したお陰なんじゃないのかな」

いちご「・・・さぁ。それは分からないよ」

春子「本人に聞くわけにもいかないよねぇ」



911 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/10(土) 01:19:29.53 ID:LfYoVJIxo


・・・・・・

・・・

唯「姫ちゃん!夏ちゃんがっ!」

姫子「?」

唯「病院へ!」

憂「え・・・?」

文恵「なにがあったの・・・?」

唯「脚立から落ちて気を失ったんだよ!むぎちゃんも一緒に!」

姫子「!」

律「行くぞ姫子!」

唯「さわちゃんと向かうから一緒に行こうよ!」

姫子「・・・」

いちご「・・・行ってきて」

姫子「・・・」

いちご「後はやっとくから」

姫子「・・・うん」

タッタッタ

いちご「・・・」

・・・

・・・・・・

姫子「よいしょ」スト

いちご「・・・」

姫子「河川敷か・・・。いい場所だね」

いちご「・・・」

姫子「私が出来ることなんてほんの些細な事なんだけどさ・・・」

春子「・・・」

姫子「それでも、そんな些細な事ができる事に気付けた事が嬉しいよ」

いちご「・・・そう」

姫子「・・・うん」

いちご「・・・」

姫子「・・・私が出来ることなんてさ、ほんっとうに小さくて、
   それに気付く人なんているのかなってくらい」

いちご「・・・」

姫子「ちっぽけだった・・・。むぎとは正反対で」

いちご「・・・」

姫子「それでもいいやって思えた。たくさん教えてもらおうって、吸収していこうって」

いちご「・・・」

姫子「そして、少しずつかえして行こうって」

いちご「・・・そう」

姫子「そう・・・」



912 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/10(土) 01:20:27.14 ID:LfYoVJIxo


いちご「・・・」

姫子「私がさ、迷っていたらまた・・・声かけてよ」

いちご「・・・?」

姫子「いちごの意見を聞きたいから」

いちご「・・・私が間違っていたら・・・余計に迷うよ」

姫子「その時は一緒に迷ってくれると助かる・・・かな」

いちご「・・・なにそれ」

姫子「・・・そうしてくれたら・・・確実に残るから」

いちご「・・・」

姫子「先の事なんて分からないから・・・
   『さようなら』も言えないで、いちごと別れる時が来るかもしれない」

いちご「・・・!」

姫子「でも、今この時は残る。二人でこんな風に話した時が」

いちご「・・・」



913 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/10(土) 01:22:33.69 ID:LfYoVJIxo


・・・・・・
   


律「どうした?」

梓「・・・」

律「唯から聞いた・・・。その時の状況をさ」

梓「・・・私も聞いてましたから」

律「傍にいれば、防げたかもしれない・・・か?」

梓「はい・・・」

律「・・・」

梓(夏に注意もできなくて・・・周りに助けを求める事もできなくて・・・
  ただ支えている事しか・・・って、思いつめているのかな・・・むぎせんぱい)

律「・・・」

梓「声をかけられないです・・・」

律(落ち込んでるってレベルじゃないもんな・・・)

梓「・・・」



・・・・・・



紬「・・・」

夏「あ、あの・・・」

紬「・・・?」

夏「す、すいませんでした」ペコリ

紬「・・・」ニコ

冬「・・・」

夏「・・・」

紬「・・・」

冬「そうじゃないよ」

夏「あ、うん・・・」

紬「?」

冬夏「「 ありがとうございました 」」

紬「・・・」フリフリ

冬「いいえ!夏の恩人です!」

夏「ぜひお礼を!」

紬「・・・」アセアセ

冬「その手ではなにかと不自由だと思いますので、メイドなりなんなりやります!」

夏「はい!・・・ん?」

唯「おぉ、それはいいね!」

紬「・・・」アセアセ

冬「困ってる事ありませんか!?」

唯「私も手伝うよ!」



914 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/10(土) 01:23:37.26 ID:LfYoVJIxo


・・・・・・



律「困らせてんだけどなー」

梓「その手があった!」ダッ

タッタッタ

律「はは・・・」

澪「モテるなむぎは」

律「でも、あの押しの強さは救われたな」

澪「・・・うん」



・・・・・・



姫子「ミッシングリンクを作りたくないからね」

いちご「・・・?」

姫子「・・・思い出を失って、その先に居る自分は納得できるのかなって」

いちご「・・・分かりづらい」

和「失われた環・・・。連続性の中にある非連続性・・・。言いたい事は分かるけど」

姫子「う・・・」



・・・・・・



915 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/10(土) 01:24:15.78 ID:LfYoVJIxo


アキヨ「・・・それじゃ」スッ

信代「どこへ行くの?」

アキヨ「・・・帰る」

潮「ちょいまちっ!」クイッ

アキヨ「?」

信代「昨日の夜、律からメール来てさ」

ちか「これから何かするんだ!?」

信代「そういう事」

美冬「付き合おうかな」

三花「定員数決まってるのかな?」

春子「大丈夫だよ」

潮「もうちょっと増えても平気じゃない?」

春子「うん。平気平気~」

慶子「あはは、大変だね春子も」

春子「空いてたからいいんだけどね」

圭子「増えてもいいの?」

春子「呼んじゃって」

圭子「ありがとー」ピッピッピ

未知子「ところでなにを・・・?」

春子「まだ決めてないみたいよ。主催者はその場のノリで決めちゃうから」

多恵「・・・もしかして」

アカネ「多分合ってると思うよ」

エリ「なにをするか予想ついてるの?」

アカネ「・・・うん」

つかさ「姫子さんも?」

春子「うん。間違いなく行くと思うよ」

愛「なにがあるのか知らないけど・・・」

俊美「行きたい・・・!」

ますみ「・・・うん」



916 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/10(土) 01:25:40.33 ID:LfYoVJIxo


・・・・・・



紬「・・・」オロオロ

梓「私がいるからいいよ」

夏「私のせいで怪我したんだから、責任は私にあるんだよ」

冬「夏が無事なのは紬先輩のおかげなんだから、姉としてですね」ウンヌン

唯「・・・」シーン

紬「・・・」アセアセ

梓「押し付けがましいよ夏」

夏「そ、そうなのかな・・・」

冬「責任を果たすべきだと思っています。だから」ウンヌン

唯「・・・」シーン

紬「・・・」チラッ

梓「むぎせんぱいを困らせているだけだから!私だけでいいの!」

夏「梓関係ないじゃん!あたしがフォローするの!」

冬「言いだしっぺである私が夏の分まで」ウンヌン

唯「・・・りっちゃん」チラッ

律「はいはい・・・」

姫子「しょうがないな」

紬「・・・」

律「そのへんにしとけ、梓」ヒョイ

梓「にゃん」

姫子「二人もそのへんにしておいて」ヒョイ

夏冬「「 ・・・はい 」」

紬「・・・」ニコ

律「ほら、ひきつってるだろ」

梓「・・・はい」

姫子「困らせては意味無いでしょ」

冬夏「「 すいません 」」

唯「うむ」

純「ひと段落着きましたね。・・・夕陽も隠れてしまいましたから移動しましょう」

来美「・・・」

千雨「私たちもいいのかな・・・」

憂「うん。春子さんに確認したから大丈夫だよ」



917 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/10(土) 01:27:05.74 ID:LfYoVJIxo



―――――斉藤邸


さわ子「私の監督不行き届きになります。申し訳ありませんでした」

母「いえ、無事だったので・・・それで良しとしましょう」

さわ子「本当に・・・」

母「紬さんの怪我が気になりますが・・・、症状は・・・?」

さわ子「受け止め方がよかったそうで、軽い怪我だそうです」

母「包帯を巻かれていましたが・・・学園祭の演奏は大丈夫でしょうか・・・」

さわ子「病院の診察結果では心配に及ばないとの事です」

母「そうですか・・・」

夏「母さん、ありがと・・・。持って行くね」

母「えぇ、落とさないようにね」

夏「うん。さわ子先生、先に載せちゃいますね」

さわ子「これ、車の鍵」

夏「冬ねぇ、お願い」

冬「?」

夏「かぎ!」

冬「鍵?」

さわ子「私の車の鍵・・・」

冬「あ、はい!」

夏「行くよ、冬ねぇ」

スタスタ

冬「う、うん!」

テッテッテ

梓「お鍋お借りします」

母「えぇ、・・・あ、紬さん」

紬「・・・?」

母「本当に・・・ありがとうございました」ペコリ

紬「・・・!」

母「なんとお礼を言ったらいいか・・・っ」

紬「・・・」アセアセ



918 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/10(土) 01:27:48.52 ID:LfYoVJIxo


梓「・・・」

さわ子「・・・」

母「・・・っ」グスッ

紬「・・・」

梓「あの・・・、食材とか色々ありがとうございました」

母「いえ・・・これくらいの事しか・・・」

紬「・・・」ツンツン

梓「なんですか?」

紬「・・・」フンス!

梓「だ、だめですよ!」

さわ子「どうしたのよ?」

梓「多分・・・私の代わりに持つと・・・」

紬「・・・」コクリ

梓「駄目です。・・・先に行ってます」

スタスタ

紬「・・・」ペコリ

テッテッテ

母「ふふっ」

さわ子「私もこれで・・・」

母「二人の雰囲気も戻って・・・感謝しきれないです・・・」

さわ子「二人が帰ってきたらお話を聞いてあげてください・・・たくさんの景色をみていると思いますので」

母「そうですか・・・。二人から同時に聴けるのは楽しみですね」

さわ子「それでは、失礼します」



919 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/10(土) 01:29:19.50 ID:LfYoVJIxo


―――――道場


夏「よいしょっと」

信代「おつかれさま」

夏「いえいえ・・・。って、律先輩たちはなにをしているんですか?」

慶子「剣道ごっこだよ。ここ道場だからそういう気分になるんじゃないかな」

冬「新聞紙ですから痛くありませんよね」

信代「・・・問題はそっちじゃないんだけどね」


潮「双方、構えて」

律「・・・」スッ

ちか「・・・」スッ

潮「一本目、勝負ッ!」

律「・・・」ジリジリ

ちか「・・・めーんッ!」シュッ

律「・・・」サッ

ちか「!」

律「燕返し!」シュッ

ポス

ちか「いたっ」

潮「一本!それまで!」

律「ありがとうございました」

ちか「・・・ありがとうございました」

律「・・・ふぅ」

澪「・・・ご満悦だな」

潮「次の相手はいませんか!?」

春子「なにしてんの」

律潮ちか「「「 あ・・・ 」」」


信代「そうなるよね」

澪「これ持って行くね」スッ

夏「は、はい」

冬「ここ剣道の道場じゃないんですか?」

慶子「柔道の道場だよ。・・・春子のお父さん師範なんだって」

夏「おぉ・・・という事は春子先輩って強いんですね」

信代「さぁ・・・?」


春子「柔道の場で剣道ごっこするのはよしとしよう
   だけど、みんなが準備をしている横で遊んでいるのがね・・・」

ちか「ごめんなさい」

潮律「「 あはは、ごめんごめん 」」

信代「うわぁ・・・反省の色無し」



920 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/10(土) 01:30:11.22 ID:LfYoVJIxo


春子「律、さっきの燕返しじゃなくてただの小手だから」

律「適当に言っただけだからな・・・」

潮(春子怒ってる・・・?)チラッ

信代(多分・・・)コクリ

春子「柔道にも燕返しがあるんだけど・・・興味ある?」

律「実践してくれるのか!」

潮「・・・ごめんなさい」

春子「・・・よし。律こっち来て」

律「・・・?」

信代「さて、準備しよっか!」

冬「はい!」

夏「冬ねぇは調理したらダメだから!」

慶子「テーブルと座布団運ぼうか」




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