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紬「いつかみた、あの大好きな、空の下で」#9月22日 後編 【クロス】


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紬「いつかみた、あの大好きな、空の下で」#index




921 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/10(土) 01:31:32.79 ID:LfYoVJIxo



―――――台所


ジャー

澪「・・・」ゴシゴシ

純「道場で鍋って凄い違和感ですよね」

英子「そうだね。でも、春子さんたちは毎度の事みたいだよ」

純「人が集まる場所ですもんね・・・」

風子「・・・」ゴシゴシ

純「・・・風子先輩どうしたんですか?」ヒソヒソ

英子「・・・ちょっとね」ヒソヒソ

純「無言で材料のしたごしらえ・・・ちょっと・・・違和感ですよ」ヒソヒソ

英子「ふふ・・・そうだね」

純「?」

夏香(泣き疲れちゃっただけなんだけど・・・ね)ジャブジャブ

澪「・・・」ジャブジャブ

律「・・・ひっく」シクシク

澪「怒られたか」

律「・・・うん。体がふわって飛んで・・・次の瞬間天井見上げてた」シクシク

澪「・・・そうか」ジャブジャブ

律「未体験だったのでビックリです」シクシク

澪「体痛めたところとかある?」

律「無いです」シクシク

澪「ど素人の律に怪我させないように・・・。強いんだな」

律「はい・・・。情報に無かったので更にビックリしました・・・」シクシク

澪「これ運ぼうか」

律「はい」



922 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/10(土) 01:32:27.54 ID:LfYoVJIxo


―――――味付け班


唯「こんどは味を統一させるんだね」

憂「うん。予定していた人数を超えちゃったから、なるべく早く作れるように」

唯「そうだよね~」

いちご「・・・」

未知子「いちごさん・・・?ぼんやりしてるけど・・・大丈夫?」

いちご「・・・うん」

グツグツ

憂「もうそろそろいいのでは・・・?」

いちご「・・・うん」

カチッ

唯「うんうん、いい香りだよ~」クンクン

憂「今回は姫子さんのリクエストで味噌野菜鍋です」

姫子「ありがと」



923 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/10(土) 01:33:37.21 ID:LfYoVJIxo



――・・・


さわ子「あなたたち・・・これで何度目の鍋なのよ」

紬「・・・」サンッ

梓「一週間に三回も食べていますね」

さわ子「・・・」

律「あれ・・・、鳥は?」

澪「?」

梓「そこにありますよ律先輩」

律「あったあった・・・。野菜オンリーかと思ってビックリしたぁ」

澪「やさいおんりー」

冬「ブフッ」

律「・・・」

多恵「・・・?」

冬「?」

律「困ってるのはこっちだ・・・。笑う要素あったのか?」

冬「・・・澪先輩がそこを突いたから・・・意味があるんですよね?」

澪「いや・・・ないけど・・・」

冬「あれ?」

律「脈絡ないんだから深読みすんなよ」

姫子「テンション上がってるの?」

夏「はい。楽しいんですよ」

姫子「そっか・・・」

信代「よいしょっと」コト

潮「りつー、準備できたよー」

律「オッケー・・・。ってなんで私なんだよ、さわちゃんが仕切れよ」

さわ子「今さらー?」

律「・・・いいけど。みんなそれぞれに必要なもの揃ってるなー?」

「「 はーい 」」

律「後から『先生!愛ちゃんのお椀が足りません!』とか言っても遅いぞー」

澪「先生かおまえは・・・」

冬「ブフッ」

愛「どうして私なの・・・?」

ますみ「本当に足りてないから」

愛「本当だ」

律「見えてるんだよ」

憂「はい、どうぞ」

愛「ありがとう憂ちゃん」

春子「この妹完璧であった」



924 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/10(土) 01:35:05.30 ID:LfYoVJIxo


夏「・・・ど、どうぞ」

信代「・・・私は足りてるから・・・張り合わなくていいよ」

姫子「・・・」ニヤリ

夏「な、なんですか」

姫子「妹だもんねぇ」

夏「・・・」

唯「りっちゃん!」

律「はいよー。梓」

梓「なんですか?」

さわ子「恒例のヤツよろしく」

梓「・・・せっかくだから趣向を凝らして」

律「凝らさなくていいって」

梓「ぐっ・・・」

紬「・・・」コクリ

梓「普通の事しか言えませんよぉ・・・」スッ

純(それでもやるんだよね・・・)

エリ「いよっ、梓ちゃん!」

唯「いよっ、ご両人!」

梓「誰と誰ですか、宴会じゃないんですよ」

三花「じゃないの?」

アカネ「・・・」

「っぽいよね」

「・・・?」

圭子「そ、そうなんじゃないのかな?」

冬「ある程度まとまった人数が食事・・・飲食を行い
  コミュニケーションを深める行為をいいますから適当だと思います。
  名目がハッキリしていれば問題ないかと」

夏「・・・」

「「 ? 」」

唯「春菜ちゃんとしずかちゃんは初めましてだね~。夏ちゃんと双子の冬ちゃんです」

冬「あ、よ、よろしくお願します」

しずか「よろしくね」

春菜「夏ちゃんのお姉ちゃんなんだよね?」

夏「はい」

風子「・・・っ」

英子「・・・」

夏香(あらら、また・・・)

律「学園祭の前祭りって事で」

純「4日後・・・だから・・・前々々々夜祭」



925 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/10(土) 01:37:21.35 ID:LfYoVJIxo


梓「コホン・・・。学園祭に向けて頑張っておられると思いますが」

さわ子「うちの進捗状況・・・かなり危ないんだけどね」

「「 うっ・・・ 」」グサッ

紬「・・・」グサッ

夏「あ、あのっ!」スッ

律「どした?」

唯「?」

夏「今日は、本当にすいませんでした」ペコリ

冬「・・・」

律「気にすんなよー、私らの団結力みせてやるよー」

和「・・・」コソコソ

姫子「どうしたの?」

和「学校から戻ってきたのよ」

姫子「そっか・・・」

律「な!総合班長!」

姫子「え?あ、うん」

さわ子「いい返事ね」

つかさ「おぉ・・・」

姫子「・・・?」

和(状況理解してないわね・・・)

夏「さ、梓続きを・・・」

梓「学園祭を大成功させましょうっ!乾杯ですっ!」

「「 か、かんぱーい! 」」

紬「・・・」ニコニコ



926 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/10(土) 01:42:23.18 ID:LfYoVJIxo


梓「さ、どうぞ」

紬「・・・」アセアセ

梓「遠慮しないでください」

紬「・・・」アセアセ

梓「大丈夫です。恥ずかしいことなんてありませんから・・・。はい、どうぞ」

律「見てるこっちが恥ずかしくなるんだよ」

さわ子(よく言ったわよりっちゃん!)

梓「私は仕方なくやっているんです」

律「そうかもしれないけどさ、さすがにこれだけの人の前で食べさせてもらうのは・・・」

紬「・・・」コクコク

夏「そう思って、じゃん!スプーンとフォークをお持ちしました」

梓「スプーンで食べるって?ここは欧州じゃないんだから・・・」フッ

夏「紬先輩の立場を考えてよ、
  後輩に食べさせてもらうなんて耐えられないよ。文化なんて二の次だって」

梓「む・・・」

夏「これは握られますか?」

紬「・・・」コクリ

律「スプーンで鍋ってのも・・・ちょっと風情が無いな」

梓「ですよね!」

冬「後輩じゃなかったらいい・・・のですか?」チラッ

澪「ゑッ!?」

姫子「とんでもないフリだね」


和「おいしいわね。・・・誰が主催なの?」

憂「律さんだよ」

和「春子のうちが道場やっているなんて知らなかったわ」

春子「言ってないからね」モグモグ

純「紬先輩のところがなにやら賑わって」

和「純、触らぬ神に祟り無し・・・よ」

純「は、はい」

未知子(我関せずが正しいよ)モグモグ


唯「はい、むぎちゃん。あーん」

梓「ちょっ!」

紬「・・・」モグモグ

唯「どうかな、おいしい?」

紬「・・・」カァア

唯「ん?」

律「恥ずかしがっているぞー・・・」



927 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/10(土) 01:44:01.66 ID:LfYoVJIxo


風子「・・・」モグモグ

美冬「・・・」モグモグ

ちか「楽しそうだね」モグモグ

エリ「あ、そうだ・・・。春菜ちゃんたち布団もってきた?」

春菜しずか「「 布団!? 」」

アカネ「持参するものじゃないよ」モグモグ

春子「広い寝茣蓙があるけど、上からかけるものは限られててさ」モグモグ

圭子「朝方は冷えるから油断したら風邪ひいちゃいそう」

信代「やけに慣れてるけど、よくやってるの?」

春子「うん、合宿とかね。名ばかりで遊んでばっかだけど」モグモグ

潮「ほぉ」

春菜「みんな泊まるの?」

エリ「んー・・・。みんなではないんじゃないかな?」

アキヨ「・・・」モグモグ

千雨「・・・」

信代「2年生食が進んでないねー。萎縮しちゃってるのかな?」

来美「それもあるんですけど・・・」

由記「あの二人がその・・・」

憂「見た事の無い素顔っていうのかな、新鮮だよね」

千雨「・・・うん・・・特に梓」


紬「・・・」シュルルルル

澪「耐え切れず解いたか・・・」

梓「あ・・・」

夏「梓が積極的すぎるから・・・」フゥ

紬「・・・」ニギニギ

律「大丈夫なのか・・・?」

紬「・・・」ヒョイヒョイ

さわ子「お箸くらいは問題ないみたいね」

紬「・・・」モグモグ

唯「どう?」

紬「・・・」パァア

冬「おいしいですよね~」

姫子「過保護だったかな」

梓「・・・」



928 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/10(土) 01:45:35.52 ID:LfYoVJIxo


風子「・・・」モグモグ

冬「ここ座ってもいいですか?」

風子「うん・・・。どうぞ」

冬「あ、あの・・・」

風子「なにかな?」

冬「よそいます!」

風子「あ、うん・・・」

英子「・・・」モグモグ

冬「えと・・・嫌いなものとかありますか?」

風子「この鍋の中にあるもの全部食べられるよ」

冬「わ、分かりました」ヒョイヒョイ

夏香「嫌いなものってあったっけ?」

風子「・・・レーズンくらいかな」

冬「私も嫌いでしたよ。はい、どうぞ」

風子「ありがと・・・。過去形だね」

冬「はい。食感が苦手で、どうしてわざわざぶどうを干すのか・・・って」

夏香「・・・なるほど」

風子「うんうん」

冬「でも、私が入院している時に夏が持ってきたんです。
  『身体にいいよ、Fe成分が豊富なんだよ』って」クスクス

風子「・・・っ」

冬「でもその時はFeが鉄分だなんて知らなかったんです夏は」

夏香(姉さんから聞いたことある・・・)

冬「先生に身体にいい食べ物はなにか聞いていたそうで・・・。
  それを看護師さん、夏香先輩のお姉さんから聞いて食べるようになりました」

風子「・・・そっか」

冬「ありがとうございます」

風子「?」

冬「いつも遊んでくれて、一緒に居てくれて」

風子「っ!」

冬「風子先輩もいてくれたから、縁が遠い先輩方とも一緒にいられるんです」

風子「そ、そんなことっ」

英子(限界かなぁ・・・)



929 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/10(土) 01:48:20.31 ID:LfYoVJIxo


律「すまん、こっちの鍋をつつかせてくれ」

冬「どうしてですか?」

律「唯がまた変なの入れたんだよ・・・。はい、お願い冬ちゃん」ウフ

冬「は、はい」

律「鶏肉と白菜と長ネギと豆腐ともやしを黄金比で頼む」

冬「え、えぇと、鶏肉と・・・豆腐と・・・もやしと・・・白菜・・・」ヒョイヒョイ

風子「律さん、苦手なのってある?」ヒソヒソ

律「まいたけだな」

冬「長ネギ・・・まいたけ・・・っと。よし」

律「なんで!?」

冬「すいません・・・黄金比は難しかったです」

律「ちげえ!まいたけ苦手って言っただろ!」

冬「そうなんですか・・・?」

風子「よそったものはもう戻せないよね」

律「そ、そうだけどさ・・・」

英子「ふぅの声が小さかったから、冬ちゃんには聞こえなかったみたい」

夏香「相変わらずいじわるだね・・・」

ガラガラッ

姉「こんにちはー!」

夏香「なんで!?」

夏冬「「 あっ! 」」

紬「・・・」ニコニコ

テッテッテ

春子「え、と・・・?」

姉「私、夏香の姉やってます。荷物を持ってきました」

春子「はぁ・・・。夏香ー」

テッテッテ

夏香「・・・どうして、ここへ?」

姉「それはねぇ」

春子「ここで立ち話もなんですから、よければご一緒してください」

姉「お言葉に甘えまして~」

テッテッテ

夏香「・・・」

風子「なっちゃん、お姉ちゃんが来て顔が青くなった」

英子「・・・びっくりしてるだけだよ」



930 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/10(土) 01:49:29.49 ID:LfYoVJIxo


律「まいたけうめえ」モグモグ

姉「ここ失礼するねぇ」

アキヨ「どうぞ」

姉「いい香り~」

冬「どっ、どうしたんですか!?」

姉「紬さんに誘われててね~」

憂「どうぞ~」

冬「紬先輩が?」

紬「・・・」コクリ

姉「ありがとうー。憂ちゃんだよね?」

憂「はい」ニコニコ

姉「仕事終えて・・・この癒し空間は満たされるなぁ・・・」ウットリ

さわ子「分かるわぁ」

姉「あ、先ほどはどうも」

さわ子「こちらこそ、ありがとうございました」

姉「いえいえ。紬さん、手は?」

紬「・・・」ブイッ

姉「・・・よさそうね」

純「馴染むのはやいな~」

姫子「・・・うん」

いちご「・・・職業柄なのかな」

夏「看護師さん、よそいますよ!」

姉「ここでそれは止めてほしいな」

夏「では、なんとお呼びしましょう?」

姉「お姉ちゃんでいいよ」

夏香「・・・」ハァ

ちか「すごいね、この場の空気をもっていっちゃった・・・」

潮「私たちは端っこで、もそもそと食べていようか」

由記「え・・・」

信代「変なこと教えないでね」

夏冬「「 お、お姉ちゃん・・・ 」」

姉「・・・」バタン

多恵「?」

夏香「放っておいていいから」

風子「雰囲気が似てるね」

姫子「・・・うん」

未知子「誰と似てるの?」

姫子「・・・ちょっとね」



931 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/10(土) 01:50:55.32 ID:LfYoVJIxo


姉「冬ちゃんが入院していた時、姫子さんの話よく聞いてたよ」

姫子「?」

夏「さて、と・・・」スッ

冬「夏ってば・・・」

姫子「なんですか?」

姉「遊園地行ったときは話せなかったけど、もういいよね」

英子「はい」

夏香「うん」

和「・・・」

姫子「?」

姉「送球をミスったりとか」

姫子「夏はどこへ行ったの?」

冬「お、お手洗いです」

姫子「・・・」ゴゴゴ

澪「興味あるな」

唯「うんうん、他にはなにがあるのかな?」

姉「それはねぇ」

冬「あーはやくたべないとこげちゃいますよー」

律「焦げねえよ、なんだよその棒読みは」モグモグ

風子「知らないんだ・・・鍋って焦げるものなのに・・・」

律「どうせ長時間火に通していたらー、とかだろ?ひっかかりませーん」

風子「・・・ふふっ」

律「ちょっとまて、鍋料理なんだから水分でこげたりしないだろ」

風子「誰も鍋料理なんて言ってないよ。雑炊を焦がしちゃう事もあるって話だよ」

律「そ、そうか・・・」

風子「この後楽しみだね~」

冬「は、はい・・・」

律「た、卵だな。卵雑炊にしようぜ!」

風子「雑炊なんてしないよ?ラーメンにするんだけど」

律「もうやだ」シクシク

スタスタ

夏「・・・?」

冬「なつ・・・野菜を取ってぇ」

夏「うん、持って行くよ」

冬「ありがとー」

姉「・・・」ナデナデ

冬「あ、あの?」



932 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/10(土) 01:52:18.30 ID:LfYoVJIxo


姉「よく頑張ったね」ナデナデ

冬「・・・・・・はい」

律「うむ・・・」ナデナデ

冬「あ・・・の・・・」

夏「どうぞ」

姉「ありがと~」

姫子「・・・何をお話したって?」

夏「さて・・・席に戻ろうかな」スッ

姫子「・・・」クイッ

夏「違うんです・・・」

つかさ「・・・」モグモグ



933 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/10(土) 01:54:08.56 ID:LfYoVJIxo


グツグツ

紬「・・・」ガサゴソ

唯「・・・甘いね」

梓「どうしてマシュマロ入れたんですか」

唯「それは・・・その・・・」タラタラ

さわ子「・・・まだ具が残ってるわよ」

澪「はい・・・。律・・・上手く逃げたな」

紬「・・・」ジャン!

梓「カレーのルウ・・・いつの間に買っていたんですか・・・?」

紬「・・・」トントントトン

梓「手・・・痛くないですか・・・?」

紬「・・・」キリ

梓「・・・」ホッ

澪「買出しに行ったとき・・・?」

唯「その時に買ったの?」

紬「・・・」コクリ

さわ子「そういえば、他の学生服の子たちもいたわねぇ」

梓「そういえばそうですね・・・、その人たちがどうしたんですか?」

紬「・・・」トントトントトン

梓「闇鍋を・・・しようとしていたんですか・・・」

澪「冒険心あるな」

紬「・・・」トントントントトン

澪「『最終的に鍋にカレーさえ入れちゃえば大概のものは結構なんとかなるから、ね?』」

梓「ずいぶんとこなれた風の助言ですね・・・」

紬「・・・」コクリ

さわ子「でも、闇鍋するわけじゃなかったのにどうして買ったのよ」

紬「・・・」チラッ

唯「・・・へい、すいやせん」

梓「なるほどです。この鍋はこれからカレー鍋でいいでしょうか」

澪「うん。異議なし」

さわ子「えぇ、いいわよ」

唯「おぉ、いいね!」

紬「・・・」ポキッ ヒョイ

グツグツ



934 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/10(土) 01:56:41.58 ID:LfYoVJIxo


・・・・・・


俊美「あれ、カレーの匂いがするよ?」

ますみ「・・・あっち」

美冬「カレー鍋に変更したんだね、紬さんたちのところ」

ちか「・・・」

愛「どうしたの、ちかさん?」

ちか「あ、うん・・・。学園祭過ぎちゃったらどうなるのかなぁって・・・」

愛「28日は振り替えで休みだから・・・、ちょうど来週からですよね・・・」

いちご「普通に戻れるのかなって・・・?」

ちか「う、うん・・・」

愛「普通・・・」

和「もう夏前の日常には戻れないわね」

ちか「!」

未知子「・・・」

和「私たちクラスの席が一つ空くのよ」

美冬(そんなはっきりと言わなくても・・・)

ちか「・・・」

いちご「もう、みんな乗り越えているの?」

和「なにを?」

いちご「・・・むぎと、卒業できないという事実を」

和「・・・どうかしら、ね」

いちご「曖昧に答えるんだ・・・。どうして、そんな『席が空く』なんて表現したの?」

ちか「い、いちごさん・・・?」



935 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/10(土) 01:58:17.79 ID:LfYoVJIxo


未知子「寂しい表現だったよ、紬さんと一緒にいられなくなるって事実を突きつけられた」

和「その事実を受け止めているのよ」

いちご「・・・」

和「そして、乗り越えるのはこれから・・・」

未知子「まるで見てきたかのようだね」

和「えぇ、見てきたわ。唯とむぎと、あの夏の中でね」

いちご「・・・」

和「いちごはどうかしら」

いちご「私は、その旅に参加していない」

和「姫子を通して見えたモノは無い?」

いちご「・・・」

和「姫子は冬と夏の間にある、切れそうな糸を繋げようともがいていたわ」

未知子「・・・そう・・・なの?」

和「・・・はっきりと出さないから、なんとなくだけど」

いちご「・・・」

ちか「繋げたのは姫子・・・さん・・・?」

いちご「・・・ちがう」

未知子「・・・」

いちご「きっかけをいつも作っていたのが、姫」

和「・・・」

ちか「それじゃあ・・・?」

美冬「ひょっとして・・・あの中に居ることで繋がった・・・?」

愛「あの中・・・?」



936 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/10(土) 02:00:50.54 ID:LfYoVJIxo


・・・・・・



姉「姫子さんがフクロウのストラップを大事に持っている、とか」

夏「なんで知っているんですか!?」

姫子「こっちの台詞なんだけど、夏がどうして知ってるの?」

夏「し、知りません!」

姫子「意味が分からないよ・・・?」

姉「あはは、ごめんねー。実はさっき病院でストラップを拝見したのよ」

姫子「あぁ・・・。あの時」

姉「そう。律ちゃんはヤタガラス」

律「ん?・・・あぁ、これな」フリフリ

姉「澪ちゃんはそれ」

澪「はい。玄武です」

純「和先輩と狛犬を交代したんですか?」

澪「うん。私は北だ・・・」

姉「唯ちゃんが南の朱雀」

唯「もぐもぐ」コクリ

冬「なるほど・・・。守護神繋がりですね」

姉「正解。さっすが冬ちゃん」

夏香夏「「 うん・・・? 」」

冬「アイヌ民族の信仰でフクロウは村を守る神様とされているの」

夏香夏「「 なるほど 」」

律「いつの間に買ったんだよ?」

姫子「一ヶ月前くらいかなぁ・・・」

夏「嘘です!先月までは持っていませんでしたから!」

姫子「う・・・」

風子「私もね、買ったんだよ。ほら」フリフリ

澪「風神・・・」

純「雷神様は居られるのでしょうか・・・?」

英子「・・・」

風子「どうして見せないの?」

英子「・・・ちょっと・・・派手だから・・・その・・・」

風子「は、外したんだ・・・」ガーン

英子「着けてはいるけど・・・」

律「で、いつ買ったんだよ?」

姫子「4日に・・・」

律「嘘つく必要あんのかよ・・・」

澪(紙鍵盤を渡した日・・・かな・・・)



937 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/10(土) 02:02:49.35 ID:LfYoVJIxo


冬「みなさんとおそろいですね」

夏「ブフッ」

姫子「っ!」ビシッ ビシッ

冬夏「「 いたっ! 」」

律「冬に手をあげたら後が怖いぞ姫子」

風子「姫ちゃんはいいの」

律「そうか、私はダメなんだ」

姉「ふふ。・・・あれ、風神雷神って悪神じゃなかったかな?」

風子「仏教では千手観音の守り神とされているよ。立派な善神だよお姉ちゃん」

澪(お姉ちゃん・・・?)

英子「・・・」

姉「ふーん。・・・神様を守る神様かぁ」

純「千の手があるんだから自分で守れますよね~」プクク

律「・・・」

シーン

純「あれ、空気が止まった?」

律「そのうち天罰が下るであろう」

冬「千の手で受け止めるんです。純ちゃんの青龍も守ってくれるから大丈夫」

律「なにを受け止めるんだよ・・・」

冬「悪い事すべて・・・です・・・」

純「あ、ありがと・・・楽になった・・・」

律「ははっ・・・」

風子「あ、ヤタガラスが飛んでいった」

律「見捨てないでくださいっ!」



938 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/10(土) 02:04:24.69 ID:LfYoVJIxo


・・・・・・



和「そういうこと・・・ね」

ちか「姫子さんがきっかけを与えたのなら、
   それが冬ちゃんと夏ちゃんを繋げたことになるんじゃ・・・?」

いちご「・・・ちがう。姫自身はそう思っていない」

未知子「・・・結果的に繋がったから・・・それで・・・良し。じゃない・・・の?」

いちご「姫は繋げたがっていた。けど、それができなくて・・・らしくなかった」

和「いちごはどこまで見ているの?」

ちか「どこまでって?」

いちご「・・・その奥」

ますみ「カレー鍋を囲んでいる・・・」

俊美「紬さんたち・・・?」

いちご「梓・・・と、むぎ」

和「なるほど」

未知子「・・・」

ちか「・・・どういうこと?」

いちご「・・・」

和「私が学んだことを教えるわね、いちご」

いちご「・・・」

和「言葉に出す事」

いちご「!」

和「そうする事で、自分の思っている事を自分と相手で確認できる。
  旅で出会った人たちはそうしていたわ」

いちご「・・・っ」

和「そうする事で、たくさんの景色をみることができたのよ」

いちご「・・・っ!」

未知子「私たちでは役不足かな・・・」

いちご「ち、ちがう・・・そうじゃ・・・ない・・・」

和「本人を呼ぶわよ?」

いちご「・・・・・・・・・うん」



939 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/10(土) 02:05:33.12 ID:LfYoVJIxo




冬「姫子先輩、呼んでますよ」

姫子「?」

律「ほら、襖の隙間から・・・『おいで、おいで』と白い手が手招きを」

澪「っ!」ゴスッ

律「いたぁ!」

唯「ふすまなんて無いよ」

夏「和先輩が・・・」

姫子「うん、分かった」スッ

スタスタ

唯「私も和ちゃんたちと鍋を囲んでこよー」スッ

テッテッテ

姉「あっち側、少し空気が違うけど・・・大丈夫なのかな」

律「いつつ・・・唯が行ったから大丈夫じゃないかな」

澪「・・・・・・うん」



940 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/10(土) 02:07:36.41 ID:LfYoVJIxo



和「どうして唯まで来るのよ」

唯「ひどいよっ」ガーン

和「真面目な話なのよ?」

唯「尚更ひどいよっ!」ガガーン

姫子「真面目な話って・・・?」

いちご「・・・」

未知子「姫子さん・・・。冬ちゃんと夏ちゃんを―」

和「待って、未知子・・・。今まで代弁してくれていたんでしょうけど、ここからはちゃんと、ね」

未知子「う、うん」

美冬(未知子さんがやけに突っかかると思ったら・・・いちごさんの代弁していたんだ・・・)

いちご「・・・」

姫子「・・・どうしたの・・・?」

いちご「冬と夏を・・・繋いだのは・・・梓・・・」

姫子「!」

いちご「梓の隣にいたのは・・・むぎ・・・。姫子は・・・近くにいて遠い場所に居た。・・・これが・・・事実」

未知子「そ、そんな言い方って・・・!」

唯「・・・」

姫子「・・・うん。事実・・・だね・・・」

いちご「これで・・・よかったの・・・?」

姫子「もちろん」

いちご「っ!」

姫子「もう・・・。鍋を囲んでする話じゃないでしょ」

唯「そうだよ」

和「・・・確かに、そうね」

未知子「唯ちゃんと和ちゃんまでそんな・・・」

美冬「・・・」

ちか「・・・軽く流していいの?」

いちご「・・・」

ちか「いちごさんと姫子さんの間にあるものが何か分からないけど・・・。そんなんでいいの・・・?」

美冬(ちか・・・)

姫子「火まで消しちゃって・・・」カチッ

シュボッ

ますみ「・・・姫子さん・・・本気で流すつもり?」

俊美「ま、ますみちゃん・・・!」

いちご「・・・」

姫子「流せないよ。言ったよね、河川敷で『これでいいや』って。
   ・・・投げやりの意味で言ったわけじゃないんだよ?」

いちご「・・・うん。知ってる」



941 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/10(土) 02:11:02.19 ID:LfYoVJIxo


姫子「冬と夏が繋がった事実。私はこれだけで充分なんだよ」

いちご「・・・・・・この先、あの二人の心に残るのは・・・梓なんだよ?」

姫子「そうだね、夏を引っ張って、冬を引き寄せたんだからね」

いちご「・・・私が忘れそうだった友達と、忘れていった友達のような・・・曖昧な存在になる」

姫子「そう。私はそんな感じだね・・・」

未知子「そんな・・・」

いちご「梓の隣にいた・・・むぎからも何か伝わっていると・・・思う・・・」

姫子「・・・うん、たくさんね」

いちご「・・・それでいいの?」

姫子「・・・うん」

いちご「姫子がどんなに冬と夏を想っても、あの二人は・・・きっと・・・いつか・・・」

唯「・・・」

姫子「まるで経験してきたかのようだね」

ちか(その言葉・・・)

いちご「してきた。・・・昔、小さい頃に私におせっかいをかける子がいて・・・
    文字通りおせっかいだったから、うっとおしくて怒ってしまったことがある」

姫子「・・・」

いちご「『邪魔だから』って怒鳴りつけて・・・。今思えば、私を想ってしてくれた事だと
    そう感じることがいくつかある。・・・なのに私は『それ』を最近まで忘れていた」

和「・・・」

いちご「人の想いを蹴飛ばしてしまった。
    それから人に本気で怒れなくなっていたと、『今』気付いた」

姫子「・・・」

いちご「・・・最近、それは寂しいことなんだと知った。感情は心をその場所に残すものだから
    負の感情だけど、それが・・・誰かと一緒に居た証となるから」

姫子「・・・私にはその証が残せないんだね」

いちご「・・・うん。きっと・・・冬と夏の・・・中から・・・。姫子がどんなに二人を想っていても」

姫子「・・・でもね。私の中には残ってくれるよ」

いちご「・・・」

姫子「この一ヶ月は永遠に残ってくれる。今、そう確信した」

いちご「どうして・・・?」

姫子「ありがとう、私の事を考えてくれて」ナデナデ

いちご「ッ!」

姫子「あはは、そうだよね、ビックリするよね」

唯「私もビックリだよ~」

未知子「わ、わたしも・・・」

和「・・・あの人ね」

姫子「そう。玉恵さんにされたことを今したんだよ、いちご」



942 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/10(土) 02:12:38.39 ID:LfYoVJIxo


いちご「・・・手をどけて」

姫子「ごめんごめん。・・・本当の事いうと、悔しかった」

いちご「・・・」

姫子「キャンプで旅の話を聞いて、
   けいおん部と和、憂、純、さわちゃん先生の間にあるものが眩しくて、羨ましくて」

和「・・・」

唯「・・・」

姫子「大きくなっているみんなに憧れて。私も・・・少しは近づけるかなって」

未知子「・・・」

姫子「冬が入部してきて、夏の雰囲気が変化していたのに・・・その事に触れようともしなかった」

いちご「・・・」

姫子「二人をつなげることが出来れば・・・私が成長した証になれる・・・とか思っていたんだよね
   それは都合がよすぎた。私の為に二人はいるんじゃないのにね」

いちご「・・・そんな風にはみえなかった」

姫子「・・・心のどこかで、そう思っていたんだよ」

いちご「・・・」

姫子「だけど、そうじゃないって、いちごが教えてくれた。『身の丈にあったことを』・・・って」

いちご「・・・言ってない」

姫子「そう受け取った」

いちご「・・・」

姫子「だから、私は冬と夏が繋がった事実があって・・・
   いちごが私の為に考えてくれた事が嬉しいから『今』を一生忘れないよ」

いちご「っ!」

姫子「ありがと」スッ

スタスタ

唯「・・・言うだけ言って行ってしまったよ」

和(さすがに照れたのね)

未知子「・・・」

多恵「・・・」

ちか「・・・」

美冬「・・・」

ますみ「・・・」

俊美「・・・」

愛「・・・」

つかさ「・・・」

いちご「・・・」



943 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/10(土) 02:14:00.11 ID:LfYoVJIxo


グツグツ

唯「味噌煮込みになっちゃうよ、食べようよ」

和「名古屋で澪が食べていたわね」

唯「そうそう。って、違うよあれはうどんだよ」

多恵「名古屋の名物だよね、味噌煮込みうどん」

唯「うん、澪ちゃんおいしそうに食べてたよ~」ヒョイヒョイ

未知子「唯ちゃんは何を食べたの?」

唯「天むすだす!」フンス!

ちか「そういえば、私はまだ聞いてなかったな、旅行の話」

唯「楽しかったよ~。昼食終えた後にね、二つの班に別れたの」

和「動植物園班と遊園地班にね」

ますみ「・・・へぇ」

美冬「あれ、和さんも居たんだ?」

和「えぇ、名古屋では憂、私、山中先生、純も合流したわ」

愛「だからさっき名前が出たきたんですね」

唯「そういう事だよ」モグモグ

いちご「・・・」スィー

未知子「あ・・・」

和「面と向かってあんなこと言われたら、落ち着かないでしょうね。そっとしておきましょ」

未知子「・・・」



944 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/10(土) 02:14:50.12 ID:LfYoVJIxo



潮「・・・」モグモグ

信代(騒ぐと思っていたのに・・・)モグモグ

春子「パウンドケーキかぁ・・・」

千雨「・・・はい。私作れますからお手軽かと」

由記「カステラと被ってない・・・?」

千雨「あ・・・そっか」

春子「お茶だけじゃなく、紅茶もあるから悪くはないけど、他の品がいいな」

千雨「そうですね」

来美「せんべいはどうですか?」

信代「あ、いいね。・・・どうして出てこなかったんだろ」

春子「決定」

来美「言っておいてなんですけど、私作り方知らない・・・ですっ!」

春子「大丈夫大丈夫なんとかなるって」

エリ「安請け合いっぽいよ~」

春子「作り方調べてきてね」

エリ「ラジャッ!」ビシッ

アカネ「・・・」

いちご「・・・横座るね」スッ

憂「どうぞ」

いちご「・・・ふぅ」

春子「顔赤いけど、どうしたの?」ニヤリ

いちご「・・・なんでもない」

三花「なにがあったの?」

いちご「なんでもないよ」

潮「・・・」モグモグ

慶子(畳み掛けると思ったんだけどな・・・)モグモグ

圭子「おいしいね~」

春菜「うん。憂ちゃんといちごさんが作ったんだよね?」

憂「はい。未知子さんも一緒に」

しずか「料理上手だよね。屋台班としても頑張っているから頼りになるよ」

憂「そ、そんな」テレテレ

いちご「・・・」モグモグ

潮「あれ、いちご・・・どうしてここに?」

いちご「・・・」

信代(確かに・・・どうしてここにきたんだろう・・・)



945 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/10(土) 02:17:05.61 ID:LfYoVJIxo


――・・・


紬「・・・」フゥ

梓「お腹いっぱいです」フゥ

さわ子「いい味だったわ。満足ね」フゥ

唯「カレーラーメンだ!」ヒャッホゥ

律「どれどれ・・・。お、あと4人くらいは食べられるな」

澪「あ、律・・・」

律「ん?」

澪「あれ、見て」

唯「キミにときめき恋かもねアワアワ~。はい、冬ちゃん」

冬「いただきまーす。はい夏」

夏「よっ・・・と」ヒョイ

姫子「夏、次貸して」

夏「どうぞ。おぉーいい匂い」ウキウキ

姫子「カレー好きなの?」

夏「好きですよ~。いつか札幌のスープカレーを食べたいと思ってて」

澪「札幌か・・・」

律「・・・これはどういう事かな」

梓「綺麗になくなったことですし、片付けましょうか」

紬「・・・」コクリ

さわ子「・・・そういえば、あなたたちお風呂に入ったの?」

紬「・・・」コクリ

梓「入りましたよ。銭湯に行きました」

さわ子「・・・・・・いつよ」

夏冬「「 さわ子先生が来る前にです 」」モグモグ

さわ子「・・・くっ」

冬「おいし~」パァア

律「・・・くっ・・・食べたかったのに・・・!」

夏「あ・・・その・・・律先輩どうぞ」スッ

律「いい子じゃないか。・・・あーん」

夏「・・・食べさせろって事ですか?」

姫子「私に聞くの?・・・そうなんじゃないかな」モグモグ

唯「恥ずかしいねりっちゃん」

律「それをあなたたちはやっていたんだよっ」



946 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/10(土) 02:17:47.14 ID:LfYoVJIxo


冬「ど、どうぞ・・・」フルフル

律「いや、震えてんだろ・・・」

紬「・・・」パクッ

梓「あ・・・」

紬「・・・」ニコニコ

唯「おぉ」

紬「・・・」パァア

律「なんか、おいしそうだな・・・」

姫子「ごちそうさま」

唯「私も食べちゃったよ」

律「残るは・・・」

夏「・・・ど、どうぞ」フルフル

律「なんで震えてんだよ」

澪「・・・」パクッ

夏「み、澪先輩が・・・!?」

律「・・・」

澪「本当だ、美味しく感じる」モグモグ

さわ子(今、自分が何をしたのか分かっているのかしら)

夏「・・・すいません・・・もう無いです・・・」

律「いいって、気にするな」キラキラ

唯純「「 さわやか! 」」



947 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/10(土) 02:20:09.75 ID:LfYoVJIxo



――・・・


唯「よいしょっとーっ!」ピョン

モフッ

唯「おぉーお日様の匂いがするよ~」モフモフ

梓「もう寝るんですか?」

唯「だって、散歩で疲れたんだもん」ゴロゴロ

春子「唯、まだちゃんと敷いていないんだから」

唯「でっへっへ」

澪「敷布団干していたんだ?」

春子「提供できる分だけ・・・だけどね」

律「数は限られているのか・・・」

純「恒例のジャンケンターイム!」

冬「恒例?」

純「布団争奪戦」

冬「よ、よし」グッ

夏「負けた人は?」

春子「・・・さわ子先生が持ってきてくれたシュラフと・・・寝茣蓙」

風子「・・・」メラッ

英子「・・・」

夏香「私泊まるつもりじゃなかったのに・・・」

姉「思い出は積極的に作らなきゃいけないのよ」

冬「そうですよね!」

姉「与えられる道なんて必要ないの」

夏「おぉ・・・かっこいい」

梓「道・・・。それは決まっているんじゃないんですか?」

姉「!」キラン

夏香「・・・」ハァ

姉「道だと?私たちが行く所に、道は必要ない」キリ

夏冬「「 !!! 」」

梓「道は・・・ないんだ・・・・・・」

姫子「どうしたの?」

梓「いえ・・・。ここに私たちがいることって・・・決められていたのかなって思うときがあって」

律「運命ってやつか?」

澪「・・・」

梓「そうです。・・・むぎせんぱいの後ろについていって見る事ができた景色。出会えた人たち」

純「・・・」

梓「それって、まるで・・・」

唯「私たちがそう望んだからだよ~」



948 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/10(土) 02:21:31.60 ID:LfYoVJIxo


梓「・・・」

唯「一緒に居たいと想って、一緒に見て行きたいと望んだから道が後ろにできたんだよ」

梓「・・・」

澪「そうだな、作られていた道なんかじゃないよな」

風子「・・・」

律「梓が言うのは・・・ひょっとして・・・」

澪「りつ」

律「あ、うん」

梓(私は知らないままで、むぎせんぱいを見送るところだった・・・)

唯「あれ、むぎちゃんは~?」

春子「いちごたちと歯を磨いているよ。もう少ししたら来るんじゃないかな」

梓(むぎせんぱいが作った道の上を歩いていただけ・・・だったんだ・・・)

ボフッ

春子「敷いたからいいんだけどさ、ジャンケンはしないの?」

唯「今はそっとしておいてあげて!」

梓(これからは私が―)

律「うりゃっ!」バッ

唯「ふぉっ」

梓「ふにゃっ」

律「自業自得だ。真っ暗な世界で恐怖を味わうがいい」フハハ

澪「寝転がっただけだろ・・・。掛け布団被せただけでなにかの大王気取か」

純「人数多いですからジャンケンだと時間かかりますよね」

律「そだなー・・・って、なんだこの二人」

冬夏「「 ・・・ 」」キラキラ

夏香「映画のラストシーンの台詞を引用しただけだよ~。目を覚まして~」

姉「Take me away i don't mind♪」

夏「いい事言っていましたよ!」

冬「は、はい!」

姉「そ、そうでしょ」

夏香「というか、姉さんも帰らないの?」

姉「お家帰っても寝るだけだからつまらないんだもん」

夏香「だもんって・・・歳を考えろっ」シュッ

姉「ぼふっ」

律「お、開戦だな」



949 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/10(土) 02:23:17.57 ID:LfYoVJIxo


澪「むぎがまだ・・・あぶないっ」サッ

シュッ

冬「ふぶっ」

風子「澪さん・・・」

澪「ち、違うんだ・・・枕が飛んできたら避けるしか・・・」オロオロ

夏「投げたのは・・・紬先輩でしたか・・・」

紬「・・・」コクリ

いちご「なにかが始まってる・・・」

春子「恒例っちゃ恒例だけど・・・私は不参加で隅っこにいるよ・・・」

英子「うん。そうしよう」

未知子「・・・うん」

律「これで決めるかー。当たったらそこで退場な。
  最後まで残った人から選べるってことで・・・あぶなっ」サッ

純「・・・おしい」

律「説明の最中だろ・・・卑怯だぞ、純」ジリジリ

純「ここは戦場ですよ?」

律「ふふ、逞しくなったもんだな」

純「おかげさまで・・・」

律「おりゃっ」シュッ

純「・・・っ」サッ

シュー

英子「和さん危ない!」

和「・・・」バシッ

律純「「 弾いたっ!? 」」

和「顔に当たったら痛いじゃない・・・。こっちはメガネなのよ」

風子「バリア張ろう。ほら、アキヨちゃんも」

アキヨ「・・・帰るから別に・・・後ろ」

シュッ

風子「おっと、バリアー」

ボフッ

和「後ろから来てるのに前にバリア張ってどうするのよ」

風子「・・・」

律「風子退場ー♪」

純「なにやら嬉しそうですね」

律「いつもやられっぱなしだからなー♪」

紬「・・・」シュッ

多恵「ちょっふにゅ」ボフッ



950 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/10(土) 02:24:43.17 ID:LfYoVJIxo


姉「なつ・・・口調が戻ったね・・・」

夏香「姉さんが恥をかかせるからだよ・・・。さっさと帰れ」

夏「な、夏香先輩がアウトローに」ガクガク

冬「・・・」ブルブル

姉「昔は私に対してこんなんだったんだよ。
  いつからか・・・周りに合わせるようになっちゃって!」シュッ

夏香「・・・」サッ

エリ「ぶふっ」

夏香「あ・・・ごめんね、エリちゃん」

アカネ「なにこれ・・・」

三花「飛び交う枕・・・分かった。枕投げだ」

ちか「見て分かるでしょ~。参戦~」

潮「戦々恐々という言葉をみんなに知らしめて」ボフッ

信代「アホめ」ニヤリ

慶子「容赦ないね」

潮「復活はありですか!」

澪「無しです!」

夏「梓はどこ・・・?」キョロキョロ

冬「あっち」

夏「紬先輩のボディーガードのつもりかね・・・」フッ

冬「どうするの?」

夏「一度決着をつけなきゃいけないと思ってたんだ~」

冬「・・・」

夏「冬ねぇは座っててよ」

冬「ううん。大丈夫」

夏「無理だけは・・・」

冬「しないよ。だいじょうぶだから」

夏「分かった」



951 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/10(土) 02:25:51.49 ID:LfYoVJIxo



梓「あっちです!」

紬「・・・!」サッ

シュッ

律「ずりいぞ!」

梓「なにを言っているんですか、共同戦線です」

純「まずは梓から崩しましょう」

律「敵の敵は味方だと言うのか?」

純「まずは減らしてから、堂々と戦いましょう」

律「面白い、いいだろう」

純「それでこそ律先輩、屈んでください!」

律「っ!」サッ

シュッ

澪「・・・おしい」

ちか「もうちょっとだったのに」

律「澪とちか・・・か。なにやら読まれているな」

純「少し退きましょう」

律「あぁ・・・」

ススッ

夏「梓、勝負ッ」シュッ

梓「・・・!」

紬「・・・」バシッ

冬「おぉー」

梓「た、助かりました」

紬「・・・」キリ

夏「さすが・・・」

冬「・・・」

夏「一対一で勝負しようじゃない」

梓「・・・フッ」

夏「鼻で笑った!?」

梓「むぎせんぱいの今の動きで怖気づいたんでしょ?」

冬?「・・・紬先輩にお話があるんです」シンナリ

紬「・・・?」

梓(冬とダブってみえた・・・)



952 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/10(土) 02:26:57.27 ID:LfYoVJIxo


冬?「後で・・・聞いてくれますか?」

紬「・・・」コクリ

冬?「よかった・・・」チラッ

梓「・・・」イラッ

冬「な、夏・・・?」

夏「冬ねぇはちょっと離れてて」

冬「う、うん」

梓「むぎせんぱい、共同戦線を今だけ解除です。倒しておくべき相手を見つけました」

紬「・・・」コクリ

夏「梓とは一度白黒つけたかったんだよねー」ジリジリ

梓「あっそ・・・」ジリジリ

冬「・・・」オロオロ

紬「・・・」

律「しめしめ、あっちの二人隙だらけだぜ」

純「うっしっし、今のうちに叩いておきましょうぜ」

律「・・・なんか小物っぽいな」

純「・・・ですね」

律「弱点となってる今、攻撃あるのみ!」

純「そうです!」

律「おりゃっ!」シュッ

冬紬「「 ! 」」

風子「・・・」バシッ

律「ちょっと待て、風子は退場者だろ」

風子「私バリアーだよ?」

律「なんだその理屈・・・」

純「バリアーならしょうがないですね・・・」ゴクリ

律「納得しなきゃいけないのか・・・!?」

風子「はい、冬ちゃん。反撃して」

紬「・・・」フンス!

冬「はい。・・・えいっ」

ヒュー

律「・・・」バシッ

冬「・・・力不足です」

律「・・・」ニヤリ

純「・・・」ニヤリ



953 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/10(土) 02:28:05.36 ID:LfYoVJIxo


律「そんじゃ、反撃させてもらう・・・って、枕がない!?」

純「うわ・・・囲まれてる・・・」

澪「風子が私たちに枕を配っていたんだ」

ちか「・・・お縄に付くときが来たね、りっちゃん」

和「観念なさい」

律「裁かれるのか、私・・・?」

風子「・・・ふふっ」

姫子「ふぁ・・・まだやってたの・・・?」

アキヨ「・・・決着つくと思うよ」

姫子「早く寝たいなぁ・・・」ボケー

律「一矢報いるっ」シュッ

唯「おっとぉ!」バシッ

律「なぬっ」

唯「姫ちゃんの眠気を払っちゃあいけねぇよぉ!」デデン

姫子「この間払ったじゃん・・・」ボケー

律「ぐ・・・」

シュー

律「っ!」ボフッ

冬「あ・・・」

風子「冬ちゃん、ナイスコントロール」グッ

紬「・・・」グッ



954 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/10(土) 02:29:54.61 ID:LfYoVJIxo


姉「・・・」グッタリ

夏香「・・・まったく、仕事終わってからすることじゃないでしょ」

姉「・・・ふふっ」

夏香「あの映画のエンディング曲を口ずさむのは・・・いい事があった時のくせ・・・」

姉「うん」

夏香「あの二人の事・・・?」

姉「うん。それと・・・」

夏香「・・・」

姉「・・・こういう事」スッ

夏香「・・・」

姉「気付いてたでしょ」

夏香「毎日見ているんだから、変化ぐらい気付くよ。その薬指。
   ちゃんと姉さんから報告聞きたかったから」

姉「そうだね・・・。ありがと、最後に付き合ってもらっちゃって」

夏香「・・・今更、そんな改まって言われると困るんだけど」

姉「ありがとね・・・。久しぶりになつとはしゃげて・・・楽しかった」

夏香「私たちが帰ってから・・・?」

姉「うん・・・。あの二人が気がかりだったから」

夏香「そんなに・・・背負う事なの・・・?」

姉「あの二人がきっかけだったからね」

夏香「・・・そっか」

姉「・・・私が、あの家を出て行っても・・・なつは・・・私の妹だから」

夏香「・・・うん」

姉「たった一人の大切な・・・」

夏香「・・・うん。おめでとう、お姉ちゃん」

姉「ありがとう、なつ」



955 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/10(土) 02:30:50.27 ID:LfYoVJIxo


英子(おめでとう、お姉さん)

澪「そろそろ寝ようか・・・」

紬「・・・」コクリ

律「あの二人を止めないと横になれないな・・・」

純「いつまで遊んでいるんだか・・・」


夏「なんでいっつも私の意見を取り入れないの!?」シュッ

梓「なにをっ」サッ

夏「ジュースもあった方がいいでしょっ」シュッ

梓「お茶と紅茶で充分だって!」シュッ

バフッ

唯「おぉ、ぶつかり合ったよ」

憂「二人は同じ極なんだよ」

唯「戻ってきたんだね」

憂「うん、タオルケット数枚あれば大丈夫だよね」

いちご「・・・同じ極って?」

憂「S極とS極は弾いちゃうって事です」

信代「あぁ、なるほど」

慶子「似てるもんね」

梓「そっちこそっ、私の意見聞かないでしょ!?」シュッ

夏「あれは意見じゃなくて、ワガママだって」サッ

梓「なっ!」

夏「別にいいじゃん、沖縄の料理でも!」シュッ

梓「っ!」サッ

夏「いやだいやだと駄々こねてるみたいだっての」

梓「みんなが口にした事のある料理がいいって事だって!」シュッ

夏「・・・」バシッ

梓「・・・!」

夏「本当に?」

梓「うん。一般論であって、他に理由は無い」

夏「それは、いちご先輩と憂が試作品として作ったことに対してあまりにも小さくない?」

梓「小さくないよ。食べたことが無いからかもしれないけど・・・、文化が違うから」

夏「知ろうとしないだけでしょ。なにその取ってつけたような理由」

梓「!」

夏「作ってもらえばいいでしょ。憂に頼めば」

梓「スクガラスって料理が口に合わなかったから・・・」

夏「確か・・・小魚の塩の漬物・・・だっけ。食べたことあるんだ?」

梓「・・・うん。とても変わったものだったから・・・沖縄の料理って聞いて」

夏「ただのトラウマか・・・くだらない」

梓「う・・・」



956 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/10(土) 02:31:59.07 ID:LfYoVJIxo


憂「梓ちゃん、サーターアンダギー持って来たよ」

夏(反対していたの聞いていたっけ)

梓「明日の朝食べる・・・」

憂「うーん・・・お姉ちゃんが食べちゃうかも」

梓「・・・」

夏「今食べろっ!」シュッ

梓「・・・っ・・・歯を磨いた後でしょ」シュッ

夏「っ・・・また磨けよっ」シュッ

梓「っ!」サッ

姫子「ふぁ~・・・」

シュッ

ボフッ

姫子「ふむッ!」

夏梓「「 ・・・あ 」」

「「 ・・・ 」」シーン

冬「狙っていたわけじゃないんですよ。流れ弾ですよ」オロオロ

姫子「よいしょ・・・動かないでね、夏」

夏「止めておいたほうがいいですよ・・・」

姫子「ッ!」ブンッ

ガラガラッ

さわ子「ふぁ~・・・」

「「 あ! 」」

シュッ

さわ子「ほぶっ!」

律「・・・」バタリ

澪「・・・」バタリ

多恵「倒れた・・・?」

未知子「見てなかったフリしているんだよ」バタリ

エリ「ずるいよー・・・」バタリ

潮「やばっ」バタリ

春子「起きていた人が犯人じゃん」バタリ

アキヨ「・・・」バタリ

姉(このまま寝ちゃおう)バタリ

夏「・・・」バタリ

紬「・・・」バタリ

「「 ・・・ 」」シーン



957 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/10(土) 02:33:43.29 ID:LfYoVJIxo


さわ子「どうしてみんな寝ているのよ・・・」ゴゴゴ

律「くかー」

冬「・・・」ビクビク

さわ子「修学旅行じゃあるまいし・・・。消灯時間なんてないのよぉ?」ゴゴゴ

信代(おっかない・・・)

アカネ(怖い・・・)

梓(姫子先輩も寝てるって事・・・?)チラッ

夏「・・・」コクリ

さわ子「枕投げたの誰よぉ」ゴゴゴ

風子「ノーコンの姫ちゃんです」ヒソヒソ

律「ブフッ」

さわ子「りっちゃんなのね?」

律「違う違う!」アセアセ

姫子(さすがに濡れ衣を着せるのは・・・)

ガシッ

姫子(純・・・?)

純「どう乗り越えるのか拝見しましょー」ヒソヒソ

姫子「いや、つられて寝ちゃったけどさ」

純「律先輩は面白い事してくれるはずです」ヒソヒソ

律(聞こえてるっつの)

さわ子「じゃあ誰なのよぉ・・・白状なさい?」

律「えぇと・・・通りすがりの吉田さんが」

冬「ブフッ」

さわ子「ッ!」ブンッ

律「ほぶっ」

さわ子「スッキリしたわ・・・。みんな起きていいわよ」

信代「やれやれ・・・」

姫子「すいません。投げたの私です・・・」

エリ「ちゃんと白状したね」

さわ子「あら、そうなの。まぁ、いいわ・・・」

律「・・・」

姉「」スヤスヤ

夏香「・・・まったく」ファサ

冬「寝ちゃいましたね」

夏「なんだか嬉しそう」



958 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/10(土) 02:34:19.81 ID:LfYoVJIxo


姉「」スヤスヤ

夏香「左手みて」

冬夏「「 あ・・・ 」」

夏香「・・・そういう事」

冬「わぁ・・・」キラキラ

夏「・・・嬉しい」

夏香「・・・うん。ありがとう」

美冬「・・・なるほど」

春子「みんな寝る準備してー」

唯「はいよー」ガサゴソ

澪「寝茣蓙でいいのか唯は?」

唯「大丈夫だよ」キラン

梓「むぎせんぱいはどっちで寝ますか?」

紬「・・・」スッ

梓「シュラフですか・・・了解です」

さわ子「よいしょ」モゾモゾ

律「枕投げ参加していないのに布団とるなよ」

さわ子「仕事で疲れているのよ、労わりなさい」

三花「強引だー」



959 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/10(土) 02:35:24.66 ID:LfYoVJIxo


和「・・・」モゾモゾ

憂「・・・」

夏「・・・あれ?」

冬「どうしたの?」

夏「電気点いたままだけど・・・このまま寝るんですか?」

澪「・・・さわ子先生・・・懐中電灯もってきていませんか?」

さわ子「」スヤスヤ

潮「もう寝とる!」

信代「誰か消してー」

ちか「言いだしっぺの人がいいと思いまーす」

春子「・・・あっちの壁にスイッチあるから」スッ

唯「ちょっと距離あるね」

律「頼んだぞー」

エリ「・・・」

シーン

律「おい、こら。他人任せかよ」

姫子「律もね」

純「じゃあジャンケンしましょー」

夏「また・・・?」

冬「それじゃ、片手を天井に突き出してくださいねー。
  両手を出して『一つ多い』なんて事にならないようにしましょう」

夏香澪夏「「「 ! 」」」ビクッ

潮「面白いねそれ。私がちゃんと数えるから」ウキウキ

慶子「・・・それじゃあ」



960 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/10(土) 02:35:58.44 ID:LfYoVJIxo


「「 ジャーンケン 」」

バッ

紬「・・・」グー

唯「・・・」チョキ

澪「・・・」パー

律「・・・」グー

梓「・・・」パー

憂「・・・」チョキ

和「・・・」チョキ

さわ子「」スヤスヤ

純「・・・」ピストル

姫子「・・・」チョキ

いちご「・・・」グー

春子「・・・」グー

信代「・・・」パー

潮「・・・」ピストル

慶子「・・・」キツネ

風子「・・・」チョウチョ

英子「・・・」パー

夏香「・・・」チョキ

姉「」スヤスヤ

エリ「・・・」グー

アカネ「・・・」パー

三花「・・・」チョキ

ちか「・・・」グー

美冬「・・・」パー

冬「・・・」パー

夏「・・・」パー

未知子「・・・」グー

多恵「・・・」チョキ

アキヨ「」スヤスヤ

「「 ・・・ 」」シーン

律「どうだ、潮ー」

潮「29人中26人の手が挙がっていたよ」

律「うむ。決着がつくわけが無いな」



961 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/10(土) 02:37:09.59 ID:LfYoVJIxo


和「・・・影絵をしていたのは誰?」

慶子風子「「 ・・・はい 」」

和「天井を指差していたのは誰?」

純潮「「 はい。ちなみに銃です 」」

和「4人で決めてね」

慶子風子純潮「「「「 はい 」」」」

和「おやすみ」モゾモゾ

律「・・・なるほど」

夏「冬ねぇ、眠くないの?」

冬「眠りたいけど・・・まだ、眠りたくない」

姫子「頑張るんだ・・・。片付けの後に散歩したから疲れたんじゃない?」

冬「だいじょうぶ・・・ですよ・・・」

夏(・・・どうしたんだろ)

風子「消すよー」

梓「ふぅ先輩が負けたんですね」

英子「ううん。勝ったのに自ら進んで消しにいったんだよ」

春子「ジャンケンの意味ないね・・・」

夏香「遊びたかっただけだから、ふぅは・・・」

冬「ふふっ」

風子「返事してー。消すよー」

潮「いいよー」

カチッ

律「おわっ、真っ暗だな」

春子「風子大丈夫ー?」

風子「ダメー。誰か携帯で私を誘導してー」

冬「それでは」パッ

風子「はいはい」

澪「灯りに集る虫みたいだな」

風子「そうですよ~、太陽の位置を確認しないと飛べないんですよ~」

唯「なにを言っているんだい?」

冬「昼間の虫は太陽の位置を確認しながら飛んでいるそうです
  太陽は広大な面積を照らしてくれますから、ちゃんとまっすぐに飛べるんですね」

律「風子はまっすぐ飛べないのか?」

梓「人間ですよ」

律「間違えた。夜の虫が街灯に集るのはまっすぐ飛べないって事か?」

冬「はい。暗闇の中で一つの灯りを確認しながら飛ぶと
  どうしても引き寄せられてしまうみたいです」

風子「到着~」



962 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/10(土) 02:38:35.90 ID:LfYoVJIxo


姫子「月の中では飛べないんだ・・・」

夏「太陽と比べるとちょっと分が悪いですね~」

いちご「人は月を見て想える事がある」

夏「・・・詩情的です」ウンウン

姫子「・・・」

紬「・・・」

冬「あ・・・の・・・戻らないんですか・・・?」

風子「少しお話しようよ」

唯「和ちゃーん・・・」

憂「寝ちゃったよー・・・」

澪「向こう側しずかだな」

純「ほとんどの人寝ちゃってますね」

姫子「いい時間だからねー・・・」

冬「は、話・・・ですか・・・」

風子「うんうん」

英子(楽しそう・・・)

紬「・・・」ツンツン

梓「あ、姫子先輩に聞きたいことがあるんです」

姫子「うん・・・?」

梓「キャッチボールの相手って夏限定なんですか?」

姫子「・・・」

夏「あはは、この季節だけ投げられます。みたいな感じだ」

梓「夏黙ってて」

夏「ぐっ・・・」

冬(最初のキャッチボールからずっと・・・ですよね)

姫子「まぁ・・・うん・・・そうだね・・・」

いちご「どうして?」

春子(濁らせようとしてたのに・・・)プクク

姫子「・・・起きてる人ってここだけかな?」

澪「起きてたら手を上げてー」

冬「・・・」パカッ

風子「明かりがないと見えないもんね。気の利く子ですね」

純「・・・風子先輩が私を見ているような気がする」モゾモゾ

潮「・・・」スッ

信代「あげるなよっ」ヒソヒソ

潮「え・・・?」

慶子「聞けるかもしれないでしょ」ヒソヒソ

潮「なるほど」ヒソヒソ

「「 ・・・ 」」シーン



963 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/10(土) 02:39:45.97 ID:LfYoVJIxo


律「いないみたいだぜ」

唯「みんな寝るの早いよー」

澪「寝てるみたいだ」

姫子「・・・」

夏「習慣みたいなもんでしたよね」

姫子「・・・うん」

いちご「・・・」

冬「夏は・・・。部長さんに無理やり入れられたと言っていましたよ」

夏「ちょっ、冬ねぇ!」

梓「しずかにして、先輩方寝ているんだから」

夏「あずさぁ・・・」ワナワナ

姫子「そうだったんだ?」

夏「・・・はい」

冬「最初にキャッチボールをしたのが姫子先輩で、ボールがちゃんと飛んでこないって」

姫子「・・・」

律「ノーコンだもんな」

冬「最初嫌がらせかと思ったって」

風子「あらら」

冬「でも、真剣に投げてくれるから・・・。捕ってみたくなったと・・・ね?」

夏「・・・うん」

姫子「・・・」

律「へぇ・・・。夏って我慢強いのな」

夏「・・・どうですかね」

いちご「・・・真剣だったの?」

姫子「・・・うん。夏が私のボールを追いかけていって・・・。
   それでも私に投げ返してくれるからちゃんと投げたくて・・・。
   ちゃんとキャッチボールしたくて・・・ね」

夏「・・・!」

唯「いいですな」

律「そうですな」

和「そうね」

姫子「寝てたんじゃ・・・」

和「寝ようとしていたのよ」

唯「返事してよっ」

梓「だそうですよ」

紬「・・・」コクリ

澪(むぎが聞きたかったことなのか・・・)



964 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/10(土) 02:41:01.37 ID:LfYoVJIxo


夏「だから、姫子先輩がいないから・・・キャッチボールが物足りないんですよねー・・・」

姫子「そう・・・。退屈しのぎだったみたいに言わないでね・・・」モゾモゾ

夏「そんなんじゃないですってば」

風子「ふふっ」

冬「・・・」


信代(あの姫子がねぇ・・・)

潮「なんか、意外だね」

慶子「・・・うん。優しい一面っていうか・・・」


紬「・・・」ツンツン

夏「どうしたんですか?」

紬「・・・」

夏「?」

紬「・・・」チョンチョン

夏「枕・・・?・・・あぁ、さっきの枕投げの時の」

紬「・・・」コクリ

夏「あ、あれは・・・えぇと・・・」

梓「話があるんでしょ?聞いてくれるそうだから頑張って話してよ」

夏「う・・・」

風子「梓ちゃん意地悪だねぇ」

梓「なっ!?」

夏香(言われたくない人に言われたね・・・)

姉「・・・ぅ・・・ん」

夏「冬ねぇ、タッチ」チョン

冬「話ならなんでもいいんですか?」

紬「・・・」コクリ

風子「オッケイだよ」

冬「私、旅をする事に憧れているんです。自由になれる旅に」

姫子(自由・・・)

唯「ほほぅ」

梓「・・・」



965 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/10(土) 02:43:20.16 ID:LfYoVJIxo


冬「入院した時は・・・。見舞いに来てくれるの夏くらいで・・・。
  両親は仕事で忙しいのであまりこられなくて仲良くなった人はすぐ退院していって・・・
  世界中で自分ひとり取り残されたような気になっちゃって
  ずいぶん鬱々していたんですよ」

姫子「・・・」

冬「私、旅行することが好きだったんですよ、
  でも小さい頃からあまり丈夫なほうじゃなかったんですね
  だからいつも旅行雑誌とかばっかりみてて」

夏「・・・」

冬「ふふ、バカですよね、いくら想像しても、本当の旅じゃないっていうの分かっているのに」

紬「・・・!」

梓「・・・」

冬「それを・・・。ある人にそのままメールで愚痴ってしまったんです」

純「それって・・・」

冬「うん。・・・相馬轍さん」

梓「・・・」

風子「・・・」

冬「返ってきたメールにはこう書かれていました」


『人の心には翼があるんだよ。
 例え、旅をしても、そこで何も感じることがなければ、そんなの本当の旅じゃない』


唯「おぉ・・・」

梓「それを・・・どう受け取ったの?」

冬「私自身も旅をしているって伝えてくれた。顔も見えない私を励ましてくれた」

律「・・・」

冬「相馬さんが見た景色を私も感じたい。と、強く願えたんですよ」

澪「・・・」

冬「それを・・・前回の鍋の時に思い出しました。梓と・・・その、ケンカをしたとき・・・」

姫子「・・・」

夏「そうだったんだ」

冬「うん。・・・来年、行こうよ」

夏「うん。・・・来年に、行こうか」

冬夏「「 『約束の場所』へ・・・ 」」

梓(約束・・・か・・・)

姉「・・・っ」グスッ

夏香「起きてたの?」

姉「嬉しくてつい・・・もう寝るから・・・」グスッ

夏香「・・・」



966 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/10(土) 02:44:00.10 ID:LfYoVJIxo


澪「その場所は見当がついているの?」

夏「展望台だったような・・・」

冬「岬じゃなかったかな・・・」

姫子「・・・どこなの?」

夏「北海道の釧路辺りかなぁ」

冬「親戚の家が釧路なので」

澪「なるほど・・・」

律「んー?話が見えないけど、澪は知ってんのか?」

澪「むぎもな・・・」

唯「詳しく聞かせてもらおうか」キラン

梓「寝ないんですか?・・・みなさん寝ちゃってますよ?」

姫子「それじゃ、寝ようか・・・」

いちご「・・・うん」

唯「えー・・・」

冬「釧路と言えば・・・。相馬さんもフェリーで降り立ったのが釧路港なんですよね」

夏「ふーん・・・」

唯「そう言ってたね」

姫子「・・・ふぁ・・・ねむ」

紬「・・・」

梓「むぎせんぱい、起きてますか?」

紬「・・・」トントン

梓「そうですか・・・。って話を聞いていたんですから当然ですよね」

風子「・・・私も起きてるよ」

梓「そ、そうですか・・・」

律「玉恵ちゃんも釧路からスタートしたって言ってたな」

冬「滝沢玉恵さんですね」

姫子「知ってるの!?」

冬「え!?」

澪「ひ、姫子・・・声が大きいっ」ヒソッ

姫子「どうして知ってるの!?」

冬「え、えぇと・・・観光名所で会っていたと記事にあって・・・」

夏「冬ねぇ怯えてますよ」



967 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/10(土) 02:45:37.96 ID:LfYoVJIxo


エリ「姫ちゃんうるさーい」

ちか「姫ちゃんうるさいよー」

未知子「姫ちゃんうるさいよー」

多恵「ひ、姫ちゃん・・・」

律「なんで姫ちゃんって言ってんだよ」

春子「さわ子先生が起きたから・・・」

憂「起きちゃいましたか」

さわ子「ほら、言いなさい」

美冬「姫ちゃんうるさーい」ボソッ

アキヨ「」スヤスヤ

姫子「もしかして、玉恵さんの記事が載っている雑誌を知ってるの冬!?」

いちご「・・・おちついて」ビシッ

姫子「いたっ」

律澪唯「「「 えっ!? 」」」

紬「・・・!」

純(チョップした!)

冬「し、知ってますよ・・・」ガクガク

夏「持ってますよ。あたしは読んだ事ないけど」

姫子「・・・」

紬「・・・」

梓(聞く側にまわってしまう・・・)

澪「釧路を中心に周っていたの?」

冬「い、いえ・・・。道北から道東にかけてです・・・」

律「うわ・・・。すげえ範囲だな・・・」

姫子「多和平について触れてる記事ってあった?」

冬「玉恵さんの記事でですよね?」

姫子「うん」

律(なんだこの食いつきは・・・)

紬「・・・」

梓(明かりが無いから手元を見る事が出来ない・・・。
  それは私たちに伝える手段がないってこと・・・)

冬「ありませんでした」

澪「多和平って?」

姫子「大地の緑と空の青のツートンカラーの世界、どこをみても地平線、
   どっちを向いても空と大地。視界のほとんどが空。・・・という場所」

唯「」ウトウト

冬「どうしてですか?」

姫子「今の多和平の紹介はそのまま引用しただけなんだよ」

冬「あ・・・。相馬さんの記事・・・」



968 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/10(土) 02:48:41.82 ID:LfYoVJIxo


紬「」ウトウト

梓(声でしかキャッチボールができない今のこの場所で・・・むぎせんぱいは心細くならないのかな・・・)

澪「相馬さんの北海道の記事って姫子は持っているの?」

姫子「父さんのだけどね。大体読んだよ」

冬「ファンになりますよね!」

夏「続きは明日にして、みんな寝ているから」

冬「あ、うん・・・」

風子「」スヤスヤ

律「はは、ここで寝ちゃってるよ」

冬「風邪ひくといけませんから・・・」ファサ

夏「冬ねぇがひいちゃうでしょ」ファサ

風子「」スヤスヤ

律「三の字で寄り添って寝ろよ」

澪「枕の位置変えないといけなくなるだろ」

紬「」スヤスヤ

梓(私だったらどう思うんだろう・・・)

律「姫子が免許取る決意が生まれたのって、やっぱ玉恵ちゃんの影響?」

姫子「影響は受けたけど、背中を押してくれたのは相馬さんだよ」

律「マジで・・・?どうしてだよ」

姫子「昔の記事・・・といっても、まだ新人扱いの隅っこの欄に載ってたんだけど」

冬「そ、それは・・・!?」ゴクリ

夏「動かないでよー」

姫子「それはね―」


『むき出しの身体で、バイクと一緒になって、風を切り裂くように走ったり、のんびり穏やかに流れてみたり、

 全身使って動かして、身体中で世界を感じながら走る。そんな気分になった

 車よりも不便だけど、自転車よりも早くて。鉄道よりは疲れるけど、思いついた瞬間に曲がって止まれるバイク

 旅する相棒としては最高だなって、真剣にそう思うぜ』


姫子「―ってさ。私も自分で走ってみたいって思った。誰かの後ろじゃなくて」

冬「わぁ・・・」キラキラ

夏(表情見えないけど嬉しそうな顔してるのは分かるな・・・)

律「『思うぜ』って・・・若いなソーマ・・・」

姫子「高校卒業してすぐ書いたみたいだから・・・。実質私らと変わらないよ」

いちご「・・・」

紬「」スヤスヤ

梓(果たせる約束を私たちは結ぶ事ができるのかな・・・)



969 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/10(土) 02:49:44.11 ID:LfYoVJIxo


澪「『緑』と『風』・・・」

律(最近・・・見ている方向が・・・違う気がする・・・・・・。気のせいかな・・・)ウトウト

冬「起きてて・・・よかっ・・・たぁ・・・」ウトウト

夏「限界だね、おやすみ」

冬「」スヤスヤ

澪「おやすみ」

姫子「おやすみ」

律「」スヤスヤ

梓(気軽に約束を交わせなくなったのかな・・・それはそうだ。月曜日には・・・)モゾモゾ

純「聞いてた?」

梓「え?」

純「・・・なんでもない」

梓「?」

夏「・・・」モゾモゾ

梓「・・・夏に聞きたいことが」

夏「ん?」

梓「その・・・あの発作・・・っていうのかな」

夏「・・・うん」

姫子「・・・」

梓「発作が起きるのに・・・どうして冬の近くに・・・いたの?」

夏「・・・それは」

純「・・・」

夏「嬉しいじゃん。冬ねぇの側に誰かが居てくれんの・・・。忘れるくらい見ていたかったから」

梓「・・・」

夏「逃げて楽になるより、ちゃんと噛み締めていたい時間だったから」

梓「・・・そう」

姫子「・・・っ」

夏「・・・・・・ありがと」ボソッ

純「・・・」

梓「・・・え?」

夏「おやすみぃー」

梓「うん・・・。おやすみ」



970 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/10(土) 02:51:15.35 ID:LfYoVJIxo


姫子「目が覚めちゃった・・・」

いちご「みんな寝てるのにね」

純「まだ起きているのって、私たち4人だけですか・・・?」

梓「・・・」

シーン

梓「・・・なんだか心細いです」モゾモゾ

純「母親が先に寝ちゃって不安になる子供みたい」

梓「・・・まだ、子供だよ」

姫子「どうしてむぎは・・・自分を表現することにためらいがないのかな・・・?」

いちご「・・・」

梓「きっと、あるがままの心を持っているんです。
  人をまっすぐみて、人のこころに触れてしまえるから周りの人を安心させて・・・。
  それがどんどん広がって・・・だから、むぎせんぱいも楽しいのではないでしょうか
  そんなこと聞いたこと無いですから分からないですけど」

紬「」スヤスヤ

いちご「あるがままの心を持てないのは弱さ・・・なのかな」

梓「弱さだとしたら・・・それはきっかけになると思います」

純「自分が強くなる為の?」

梓「うん」

いちご「いつの間にか築いた、自分らしさの檻の中で・・・もがいて・・・」

姫子「それは私?」

いちご「違う・・・。私・・・」

姫子「・・・」

いちご「自分ができなかった事を、姫に押し付けてた・・・。ごめんね」

姫子「いいって・・・」

梓「・・・」

純「・・・」



971 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/10(土) 02:52:35.36 ID:LfYoVJIxo


いちご「・・・梓」

梓「なんですか?」

いちご「旅って・・・なに・・・?」

純(核心をつく問いだと・・・思う・・・)

姫子「・・・私も聞きたい」

梓「夏の旅で・・・むぎせんぱいと出会った人がいて・・・
  その人と一緒に『旅に出た意味』を探していたんです」

姫子「『旅に出た意味』・・・」

梓「出会いがあって別れがあるのが旅・・・。
  唯先輩とあの子が別れた後、とても寂しそうだったんです」

唯「」スヤスヤ

いちご「・・・唯が?」

梓「はい。でも、すぐいつもの唯先輩に戻りましたけど・・・」

姫子「・・・」

梓「唯先輩が感じた寂しい事、出会ったその人が見つけた楽しい事。
  時間が過ぎればそれは忘却の彼方です」

純「・・・」

梓「それはとても切なくて、苦しくて、大切だから取り戻したくて・・・」

いちご「・・・」

梓「だから人は、新しい時間を見つける為に・・・、旅をするんです」

姫子「それは、時間の上書きになるんじゃない?」

いちご「・・・代わりの時間を見つけるだけなら、埋もれていった時間がいつかは消える」

梓「・・・」

純(紬先輩と見てきた旅を問いただされた・・・)

姫子「時間の流れはそんなに優しいものじゃないよね」

梓「・・・そうですね。この先に避けきれない別れがありますから」チラッ

紬「」スヤスヤ

いちご「別れの時に学ぶことがあるから、人は出会うの?」

梓「・・・そうなんだと思います。誰かとずっと一緒にいられることは絶対ではありませんから」ジー

紬「」スヤスヤ

純「・・・」

姫子「・・・」

いちご「・・・」



972 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/10(土) 02:55:01.68 ID:LfYoVJIxo


梓「時間が流れれば、その場所は風化していくんでしょうね。あるいは風景を変えてしまって
  元々あった、残っていて欲しいと思う場所ではなくなるんです。時間はそういうものです」

紬「」スヤスヤ

梓「それでも、人のこころにはずっと残るものだと信じています」

姫子「どうして?」

梓「あるがままの心を持っている人がいるからです」

紬「」スヤスヤ

いちご「!」

梓「だから、私は・・・今までむぎせんぱいと、先輩方と過ごした旅を疑わないです」

純「・・・」

梓「ずっと・・・残して・・・いきたい・・・です・・・」

姫子「そっか・・・。ありがとう」

いちご「おやすみ」

梓「おやすみ・・・なさい・・・です」ウトウト

純「・・・」

いちご「・・・」

梓「」スヤスヤ

唯「」スヤスヤ

姫子「私も寝る」

いちご「・・・うん」

純「おやすみなさーい」

律「」スヤスヤ

夏(難しかったけど、なんとなく分かる気がした・・・。怖い別れってある・・・)

冬「」スヤスヤ

夏(ごめん・・・逃げてばっかりで・・・)グスッ

姫子「・・・」ナデナデ

夏「・・・っ!」

紬「」スヤスヤ

澪「・・・」




876 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/10(土) 00:00:43.36 ID:RlfG0Eijo

最初から見てるぞ!
これ完結したら

けいおん×みちのく秘湯
けいおん×北へ
風雨来記×お嬢様特急
で書いてほしい





973 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/10(土) 02:58:23.12 ID:LfYoVJIxo

>>876
無理無理無理無理カタツムリよ!
一応構想はあるんですが・・・
まずはこの物語を完結させます。もうちょっとです

次スレまで行くとは・・・orz
読んでくださっている方、本当に励みになります

物語りも終盤に入ります
おやすみなさいませ




974 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/10(土) 13:13:52.51 ID:BwIPY9cDO


やたらと長くて難しい話だから、途中でリタイアしたり読むのを後回しする人が多くて、リアルタイムでの書き込みが少ないんでしょ

それにシリアスが苦手な人多そうだから……



975 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/10(土) 19:26:13.45 ID:kqDCLZ6Io

ほのぼの回かと思いきやその後には必ずシリアスが待ち構えているのがきついっす



976 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福井県):2011/09/10(土) 23:25:24.86 ID:GPrkNW6Ko

乙~
話の半分も理解してないと思うけど何か読み耽ってしまう
頑張って



977 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/11(日) 10:24:34.34 ID:/keCCZ3IO

やっと追いついた。
ほのぼのの後に必ずシリアスが来るけど、逆に考えればシリアスのあとには必ずほのぼのが来るんだ。
状況のわかりにくいとこが多すぎる気がするけど脳内保管楽しい






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