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紬「いつかみた、あの大好きな、空の下で」#9月23日 【クロス】


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紬「いつかみた、あの大好きな、空の下で」#index




978 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/11(日) 19:01:33.91 ID:8Tvag5feo



9月23日


チュンチュン

アキヨ「・・・!?」ガバッ

さわ子「あら、おはよう」

アキヨ「ここは・・・?」キョロキョロ

さわ子「春子ちゃんとこの道場よ」

姉「よいしょっと」

アキヨ「・・・」

さわ子「それじゃ、後でね」

アキヨ「?」

さわ子「学校に来るでしょ?学園祭の準備」

アキヨ「・・・はい」コクリ

姉「行きましょうか」

さわ子「はい。アキヨちゃん、みんなによろしくね~」

姉「ばいばーい」フリフリ

ガラガラッ ピシャ

アキヨ「帰るつもりだったのに・・・」ピッ

美冬「」スヤスヤ

アキヨ(・・・6時前・・・みんなを起こすべき・・・?)

ちか「」スヤスヤ

チュンチュン

アキヨ(寝よう・・・)バタリ

多恵「」スヤスヤ

三花「」ムニャムニャ

アキヨ(枕投げを・・・している・・・所まで・・・覚えてるけど・・・)ウトウト

慶子「」スヤスヤ

潮「」スヤスヤ

アキヨ「」スヤスヤ



979 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/11(日) 19:02:23.65 ID:8Tvag5feo


夏「っくしゅん」

姫子「」スヤスヤ

いちご「」スヤスヤ

夏「ぅん・・・?・・・ここどこ・・・・・・あ」

冬「」スヤスヤ

夏(ゆめ・・・じゃ・・・なかった・・・)

風子「」スヤスヤ

夏「・・・よかった」

冬「」スヤスヤ

夏「・・・」モゾモゾ

冬「ぅ・・・」クルッ

バシッ

夏「いっ・・・た」

冬「」スヤスヤ

夏(いつつ・・・今までの・・・報い・・・かな・・・)

唯「」スヤスヤ

夏「・・・寝よ」

澪「」スヤスヤ

夏「」ウトウト

律「」スヤスヤ

夏「」スヤスヤ

紬「・・・?」ノッソリ

梓「」スヤスヤ

紬「・・・」ガサゴソ

ピッ

紬「・・・」ボケー

パタン

紬「・・・」ゴソゴソ

チュンチュン

紬「」スヤスヤ



980 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/11(日) 19:04:19.79 ID:8Tvag5feo



―――――昼・3年生のクラス


「あぁ・・・また・・・予定が合わなかったなぁ・・・」

「いいなぁ、みんなでお泊り・・・」

エリ「今度は行こうね」

「・・・」

「次って・・・あるの・・・?」

エリ「あ・・・」

三花「紬ちゃんが・・・」

「・・・うん」

アカネ「・・・」

潮「おーい、としみー!」

としみ俊美「「 はーい! 」」

潮「ふふ」

信代「人を呼んで遊ばないでくれるかな」

俊美「えぇと、どっちのとしみ?」

信代「野点班のとし美ね」

とし美「はいはい、なんでしょう」

潮「けいこが呼んでるよー」

圭子慶子「「 え? 」」

信代「いい加減にしときなさい」ビシッ

潮「いて」

とし美「潮ちゃん、遊びで呼んだだけなの?」

俊美「・・・」ジー

圭子「私たち呼んでないよね?」

慶子「・・・ねぇ?」ジー

潮「あはは、屋台班から差し入れー」

圭子「・・・これは、知らない料理だね。同じ屋台班の俊美ちゃん知ってる?」

俊美「ううん。これメニューに無い料理だよ」

信代「野点班のとし美と慶子も食べてよ」

とし美慶子「「 いただきまーす 」」

エリ「私たちの分ある?」

潮「無いんだー。まだ食べたことが無い人優先だから、悪いね」

三花「がっかり」

アカネ「えっと・・・なんだっけ。ひらーなんとか」

風子「ヒラヤーチーだよ」

エリ「そうそれ。おいしかった」



981 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/11(日) 19:05:14.46 ID:8Tvag5feo


「薄い生地だね。お好み焼きを質素にしたみたい」

信代「まきもまだ食べてないでしょ?どうぞ」

まき「いただきまーす」

潮「味はどう?」

とし美「変わった味だね・・・。おいしいけど」モグモグ

慶子「うん」モグモグ

信代「今新作作っててさ、後でもってくるよ」

エリ「新作?楽しみ!」

風子「楽しみにしてくれると作り甲斐もあるよ」

信代「そうだね」

潮「そっちの作業状況はどう?」

アカネ「2年生も来てくれてるから、概ね順調」

信代「そっか。よかった・・・って、純は?」

三花「ジャズ研へ練習に行ったよ。2時間後にまた後で来ると言ってた」

信代「そっち方面も頑張ってるんだ」

圭子「・・・」モグモグ

まき「・・・普通だね」モグモグ

潮「・・・人それぞれ個人差はあるよねー」

エリ「?」

信代「それをいちごに習って、作ったの潮」

風子「自分を励ましているんだね」

潮「」グサッ



982 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/11(日) 19:06:19.61 ID:8Tvag5feo


純「お腹すいたー」フラフラ

アカネ「もうそんな時間なんだ・・・」

三花「あっという間だね」

純「その空になったお皿にはなにが載っていたんですか?」

春子「ひらやちーだって」

風子「違うよ、ヒラヤーチーだよ」

三花「ふぅちゃん細かいね」

純「惜しい事をしたぁ」グゥウ

春子「そろそろお昼休憩にしない?」

信代「そうしようか・・・。って、なにしてんの純?」

純「お腹がすいて動けないです」フゥ

三花「そういえば、私たち朝ごはんも碌に食べて無かったね」

春子「バタバタしていたもんなぁ」

まき「どうしてバタバタ?」

風子「学校に九時集合だったでしょ?起きたの八時半だったの」

俊美「あの後どうしたの?私たちを見送る散歩の後ね」

潮「枕投げして、夜中に雑談して、眠りについたよ」

まき「そういうの・・・参加したかったぁ・・・」

圭子「遅くまで話していたとか?」

ちか「なんの話し~?」

純「それ!なんですか!?」

いちご「ポーポー。またの名をチンビン」

「「 ? 」」

風子「ブフッ」

純「食べていいですか!?」

ちか「どうぞ」

純「はむっ」

信代「こうやって巻くんだ・・・」

まき「私もいただきます」ヒョイ

三花「あ、わたしも!」ヒョイ

いちご「・・・どうして笑ったの」

風子「バカにしたわけじゃないよ!」

いちご「・・・それじゃどうして?」

風子「変な事言ってるなぁって」

春子「ヒラヤーチーを言った風子も変になるよ、それだと」モグモグ



983 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/11(日) 19:07:18.69 ID:8Tvag5feo


いちご「風子の分は・・・無い」

風子「いいよー。勝手に取るから」

純「もう一ついただきます」ヒョイ

風子「あ・・・」

ちか「残念でした」

俊美「ちゃんちゃん♪」

純「おいしい~」モグモグ

潮「ちゃんちゃん♪って効果音はなに・・・?」

とし美「・・・」ジー

俊美「・・・あ」

エリ「俊美ちゃん、こんな事いうんだ~」

ちか「ほぉ~」

ますみ「俊美は・・・言う・・・」

アカネ「意外・・・」

俊美「・・・」ソワソワ

風子「そんな事より私の・・・なんだっけ?」

いちご「・・・」

ちか「チンビンだよ」

風子「もう一つ名前があったよね?」

信代(いちごに言わせようとしてるな・・・)

いちご「教えない・・・。絶対に・・・」

風子「諦めない・・・。絶対に・・・」

いちご「無駄な決意・・・」

春子「いや、無駄な攻防だよ」

純「黒糖入っていますよね」

ちか「よく分かったね!すごいよ純ちゃん!」

慶子「私もなんとなく分かった」

三花「私も分かってた!」

潮「私も分かっていた!」

ちか「作っているところみたでしょー」

潮「はい」ニンマリ

信代「嬉しそうだね・・・」



984 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/11(日) 19:08:06.99 ID:8Tvag5feo


圭子「それで、遅くまで話をしていたの?」

慶子「う、うん・・・」

潮「姫ちゃんがねー」ニンマリ

ちか「そうそう姫ちゃんがねー」ニコニコ

とし美「姫ちゃん・・・?姫子さんだよね?」

春子「そう。姫ちゃんが夜中うるさくって~」

まき圭子ますみ俊美「「「「 え・・・ 」」」」

つかさ「・・・」ポロッ

コロコロ

風子「サイコロ落ちたよつかさちゃん」

英子「サイコロじゃないよ。ただの箱だよ」

潮「結構いい事も言っていたよね」ニンマリ

いちご「・・・」

エリ「ちょっと感動しちゃったり」

アカネ「驚いたり」

風子「怒ったり」

信代「怒ってはいない」

純「ごちそうさまでした。ちょっと濃いかもしれないですね」

いちご「黒糖使っているからしょうがないと思う。それがこの料理の持ち味」

純「なるほど。2年生の分はあるんですか?」

ちか「千雨ちゃんが・・・ほら」

純「本当だ・・・。もう一個食べてこよーっと」

風子「2個も食べたでしょ。・・・私の分」

純「あはは、そうですね」

春子「これからお昼休憩だって伝えておいて」

純「アイサー」ビシッ

テッテッテ



985 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/11(日) 19:08:43.04 ID:8Tvag5feo


まき「・・・」

とし美「どうしたの?」

まき「私たち・・・、3年生に対して物怖じしないなぁと思って」

三花「純ちゃん?」

まき「・・・うん」

エリ「私もそう思って聞いたことあるよ。
   どうして接点の無かった私たちに自然に構えることができるのって」

アカネ「その回答は?」

エリ「『一歩退いて会話していたら、伝わらない事が増えるじゃないですか』って」

ますみ「相手が嫌がる事の方が多いんじゃないかな・・・」

エリ「・・・」

俊美「踏み込んでくる人を怖がる人はいるから」

潮「一定の距離がないと他人に心を開けないもんねー」

風子「多分、天――」

いちご「天秤にかけて、どっちが重要なのか、どっちがより楽しい事なのか知ってるんじゃないかな」

まき「・・・」

とし美「失敗しても?」

信代「初対面の人には出来ないでしょ、ある程度の距離を計ってそうしてるのかも」

風子「私は、もう1人――」

いちご「もう1人そういう子を知っている」

まき「・・・?」

エリ「あぁ、梓ちゃんね・・・」

いちご「うん」

風子「・・・」

英子(天敵を作ってしまったのかな・・・)



986 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/11(日) 19:09:33.21 ID:8Tvag5feo


虎徹「」スヤスヤ

三花「それにしてもコテッチャンは大人しいねぇ~」

ますみ「・・・可愛い」

俊美「気になっていたけど、このニャンコはどこから連れて来たの?」

エリ「カステラの作り方を教えてもらった駅前の駄菓子屋さんとこの猫ちゃんだよ」

潮「ニャンコ・・・」

虎徹「」モゾモゾ

圭子「どうして?」

エリ「うん。せんべいの作り方を学びに行ったんだけど、おばぁちゃんが病院へ行く所だったの」

信代「え・・・病院・・・?」

アカネ「最近腰を痛めちゃったらしくて、今日は検診の為にね」

春子「・・・ふーん」ナデナデ

虎徹「」ゴロゴロ

エリ「虎徹ちゃんを心配そうにしていたから、思い切って預かってきちゃった」

まき「この子、賢そうだね」

アカネ「・・・う・・・ん」

潮「今歯切れの悪い答え方だったけど?」

アカネ「虎徹と波長の合わない子がいるんだよね・・・」

エリ「あぁ、梓ちゃん・・・」

まき「どういう事だろ・・・?」

慶子「学校に連れて来ちゃっていいのかな・・・」

信代「大丈夫。授業無いから」

いちご「そういう問題じゃないと思うけど」



987 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/11(日) 19:10:36.73 ID:8Tvag5feo


美冬「お客さんだよー」

風子「あれ・・・?」

エリ「夏ちゃん・・・?」

夏「こ、こんにちはー・・・」

春子「夏は部の手伝いに行っていたんじゃ・・・?」

三花「お客さんって変だよ・・・?」

夏「あ、あの・・・」

美冬「さぁさ、入って」グイグイ

夏「は、はい・・・」

風子「雰囲気が冬ちゃんみたい・・・」

英子「でも、髪の長さからみて、夏ちゃんだよね?」

風子「もしかして――」

いちご「冬?」

冬「そうです」

和「髪を切ったのね」

冬「は、はい。バッサリと」

風子「夏ちゃんと同じショートにしたんだ~」

春子「可愛いじゃん」

エリ「かわいいよ」

冬「そ、そんな」テレテレ



988 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/11(日) 19:11:07.48 ID:8Tvag5feo


和「お腹が空いたわね・・・。ご飯食べに行かないの?」

潮「もうちょっと関心持とうよ!」

美冬「そうだよ。もうちょっと冬ちゃんの話を聞きましょうよ」

和「え、えぇ・・・」

美冬「どうして髪を切ったの?」

冬「夏に合わせたんです」

潮「夏は・・・終わったんだよ・・・」

和「どういう事なの?」

信代(流した・・・)

冬「以前はずっと一緒の髪型でした。きっと、理由があって夏は髪を切ったと思うんです」

いちご「冬はその理由を断ち切ったと?」

冬「はい。多分ですけど、私に関係している理由で切ったと思うんです」

和「・・・夏が髪を切った理由は知らないのね」

冬「はい。でも、今日からそれぞれの道へ進む為の決意表明です」

風子「・・・」

冬「私たち自身の為にも・・・です・・・」

春子「いいんじゃない?」

ちか「うん。とってもいい事だと思う」

エリ「そうだね。素敵な事だよ」

和「えぇ」

冬「・・・」

風子「・・・っ」

英子「・・・」



989 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/11(日) 19:11:40.47 ID:8Tvag5feo


夏「冬ねぇ・・・?」

冬「あ、なつ・・・」

夏「髪・・・」

冬「切っちゃった」

夏「・・・」

冬「変・・・?」

夏「変って言ったら自分まで変になるじゃん・・・」

冬「ふふっ」

夏「・・・いいと思う」

冬「よかった」



990 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/11(日) 19:12:08.54 ID:8Tvag5feo


潮「二人並ぶと見分けつかないよね・・・」

和「今は制服とジャージだからいいけどね」

虎徹「・・・!」ピクッ

美冬「?」

虎徹「・・・」ピョン

ますみ「どこへ行くの?」

虎徹「みゃっ」

テッテッテ

三花「コテッチャン!」

エリ「大丈夫だよ、散歩に行っただけだから」

アカネ「ちゃんと戻ってきたよねさっきも」

夏「賢い猫ですね~」

冬「姫子先輩はまだ来ないんですか?」

いちご「・・・まだバイト終わらないみたい」

冬「そうですか・・・」

春子「用事でもあった?」

冬「えと・・・。その、決意表明を見て欲しくて・・・。心配かけさせちゃいましたから」

風子「いい子だねー」ハァ

俊美「その溜息交じりの褒め方は・・・どういう意味なの?」

風子「呆れるぐらいのいい子っぷりで困ってて・・・」

慶子(リアクションに困る・・・)

和「みんなお腹空かないの?」

潮「空いた・・・」グゥ

春子「それじゃ、中庭で食べようか」

エリ「さんせー」

ちか「さんせっー!」



2 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/11(日) 19:14:34.04 ID:8Tvag5feo



―――――中庭


虎徹「」スヤスヤ

エリ「あ、ここにいたんだ・・・」

サヤサヤ

アカネ「いい風が吹いているから、いい場所をみつけたんだね虎徹」

信代「休日の学校ってしずかでいいね」

潮「いただきまーす」

慶子「私たち以外には登校してないんだね」

和「えぇ。休みを返上してまで追い詰められているわけじゃないみたい」

「「 う・・・ 」」グサッ

潮「ごちそうさまでしたー」

ちか「おにぎり一個でいいの?」

潮「色々つまみぐいしてるから」アハハ

虎徹「」スヤスヤ

純「置いていかないでくださいよぉ」

春子「2年生たちと食べると思ってた」

純「外で食べてくるらしくて・・・憂はいないんですか?」

英子「いちごさんと来るんじゃないかな・・・」

純「なるほど・・・。お菓子期待しようっと」

風子「外で~なんて、いつもならそれは出来ない事だよね」

エリ「うん。休日登校の特権だよね」

純「よいしょ。・・・冬はいないんですね」

風子「冬ちゃんはクラスの子達と食べるって、夏ちゃんは外なのかな?」

英子「うん。誘われていたよ」

純「いただきまーす」パクッ

さわ子「よいしょ」

虎徹「」スヤスヤ

さわ子「なによ、この子は」モグモグ

エリ「あ、預かってます・・・」

さわ子「ふーん。教師に見つからないようにしなさいよ?」

エリ「はい」



3 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/11(日) 19:20:01.62 ID:8Tvag5feo


さわ子「屋台班の料理はないの?」

和「憂が持ってきてくれるかもしれませんね」モグモグ

さわ子「出来はどうなのよ?」

未知子「どうだった?」

多恵「お、おいしかったよ」

純「おいしかったそうです」

さわ子「聞こえたわよ」モグモグ

憂「みなさん、こんにちは~」

ちか「こんにちはー」

和「それ、試作品なの?」

憂「はい。お一つどうぞ」

さわ子「・・・」サッ

風子「・・・」コポコポ

純「さっきのだ・・・。確か、ポーポー」

慶子「郷土料理って感じだよね」

いちご「どうですか?」

さわ子「・・・喉が渇くわね・・・、誰か水を・・・」

風子「どうぞ」スッ

信代「気が利くね・・・。さすが野点班」

風子「・・・」ブイッ

さわ子「ジャスミン茶ね」

多恵「あ、すごい・・・」

風子「正解です!ちなみに沖縄ではさんぴん茶と呼ばれているそうです」

さわ子「へぇ・・・。どうしてこの、ポーポーと合わせて出したのよ」

風子「・・・気まぐれです」

英子「違います。ちゃんと理由があります」

憂「チンビンは黒糖を使用していて、その黒糖と合うのがさんぴん茶だと調べました」

和「なるほど・・・。確かに合っているわね。二つが合わさるとさらに美味しく感じるわ」

さわ子「いい発見じゃない。やるわね」

潮「唯と憂ちゃんが発見したんですよ」

さわ子「沖縄ねぇ・・・」モグモグ



4 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/11(日) 19:21:46.83 ID:8Tvag5feo


いちご「・・・よいしょ」

春子「おつかれ」

いちご「うん」

憂「さっき梓ちゃんが、ネコじゃらしを持って教室へ向かいましたけど・・・」

エリ「ふふっ」

アカネ「すれ違ったかな・・・?」

虎徹「」スヤスヤ

エリ「波長を感じたのかも・・・ね」プクク

純「梓は?」

憂「刺激されちゃったみたい。一度演奏してから来るって」

さわ子「刺激ねぇ・・・。あの子たちクラシックなんて分かるのかしら」

未知子「朝言ってましたね。クラシックコンサートがあるって」

風子「分かりそうなのが・・・ひぃ、ふぅ・・・・・・・・・」

信代「二人だと決め付けたな・・・」

三花「ふぅは誰?」

風子「・・・ベースかリズムのどっちか」

英子「・・・」

いちご「ドラムとメインは入ってないんだ」

さわ子「・・・風子ちゃん、お茶おかわり」モグモグ

風子「はい」

エリ「音大の無料コンサートらしいですよ。駄菓子屋へ寄ってから向かいましたから」

さわ子「そう・・・」

和「結構熱心なのね」

憂「・・・そうですね」

慶子「あ、演奏が始まった」

さわ子「校内がしずかだから聞こえるのね」

純「いつもは喧騒に包まれていますからね」

信代「一休みしたら、午後も頑張るぞー」

風子「おー!」

潮「おっー!」

ちか「おぉー!」

虎徹「」モゾモゾ



5 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/11(日) 19:22:54.94 ID:8Tvag5feo



―――――夕方・3年生のクラス


梓「結局戻ってきませんでしたね。ホームシックで帰ったんですよ」ヤレヤレ

エリ「・・・」

夏「なにをムキになってんの?」

梓「ムキになんてなってないよ」

夏「あっそぅ・・・」

風子「ネコじゃらしが無駄になっちゃったね」

梓「・・・」


紬「・・・」コンコン

未知子「もうちょっと強く打っても大丈夫だよ」

紬「・・・」コクリ

ゴンッ

未知子「わっ・・・」

紬「・・・」エヘヘ

未知子「だ、大丈夫・・・。ビックリしただけ」

紬「・・・」コクリ

コンコン

未知子(無理して叩いている気配はない・・・大丈夫みたいだね・・・)



6 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/11(日) 19:24:12.10 ID:8Tvag5feo


虎徹「みゃっ」

ちか「あ、お帰り~」ナデナデ

虎徹「みゃぁ~」

梓「・・・帰ったんじゃなかったの」

夏「誰もそう言ってないでしょ」

虎徹「みゃ~」スリスリ

紬「・・・」ナデナデ

虎徹「みゃみゃ~」ゴロゴロ

梓「・・・」

虎徹「・・・」チラッ

梓「・・・」イラッ

唯「おぉ~いい子いい子ぉ~」ナデナデナデナデ

虎徹「みゃみゃ~」ゴロゴロ

梓「・・・」

虎徹「・・・」チラッ

梓「いちいち確認するなっ」

虎徹「・・・」フンッ

梓「・・・」ムカッ

春子「え、何・・・?ケンカ?」

夏「ネコと・・・?」

アキヨ「・・・」

美冬「どうしてケンカできるの?」

唯「類は友を呼ぶんだよ!」

春菜「類って部分を間違えてるような・・・」

夏香「友でもないような・・・」

夏「ネコ科ですから」

梓「ほらほら、仲直りしよう」フリフリ

虎徹「・・・」ジー


風子「ネコじゃらしで・・・」

千雨「ちょっとずるいね」

来美「人間の最大の武器が知恵だからね」

由記「最大の武器まで出さなきゃいけないんだ・・・梓・・・」



7 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/11(日) 19:26:25.21 ID:8Tvag5feo


梓「ほらほら」フリフリ

虎徹「・・・」ウズウズ

梓「ふふ・・・勝利は目前・・・」

虎徹「・・・!」ダッ

梓「あ、あれ?」


「こんばんは」

唯「おぉ、おばぁちゃん」

エリ「小田おばぁちゃん!ここまで来て大丈夫なの!?」

小田ばぁ「息子に連れて来てもらったんだよ」

さわ子「中を案内したのよ」

アカネ「あ・・・さわ子先生」

エリ「こ、腰は痛くない?」

小田ばぁ「これくらい大丈夫だよ。ありがとねぇ」

エリ「い、いえ・・・」

小田ばぁ「ほれ、せんべいのレシピ」ペラッ

エリ「あ、ありがとう・・・」

夏「ご主人が一番か・・・」

虎徹「みゃ~」スリスリ

小田ばぁ「虎徹を預かってもらったお礼さね」

エリ「う、うん・・・」

小田ばぁ「病院でヒマだったからねぇ」ヒッヒッヒ

エリ「・・・」

紬「・・・」ツンツン

唯「ん?」

紬「・・・」トントントトントン

唯「おぉ、いいね」

エリ「?」

唯「おばぁちゃん、作り方調理室で教えてもらえないかな~」

春子「強引だねぇ」



8 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/11(日) 19:26:56.86 ID:8Tvag5feo


純「どうしたんですか?」

アカネ「・・・今からせんべいの作り方を」

小田ばぁ「いいのかね?」

さわ子「こちらは構いませんが・・・。息子さんを待たせていますよ?」

小田ばぁ「電話するさね」ピッピッピ

trrrrr

『どうした?』

小田ばぁ「少し待っとれ」

『は?』

プツッ

小田ばぁ「では行こうかね」

エリ「は、はい!」

虎徹「みゃっ」

唯「なんとっ!」

夏「一言っ」プクク

虎徹「・・・」スタス

三花「コテッチャンはこっち」ダキッ

虎徹「みゃっ!?」

小田ばぁ「よろしくねぇ」ヒッヒッヒ

エリ「こっちです」

スタスタ

さわ子「せっかくだから、行きたい人行ってきたらいいわ」

唯「むぎちゃん、行こうよ!」

紬「・・・」コクリ

アカネ「わ、私も」

テッテッテ



9 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/11(日) 19:28:23.78 ID:8Tvag5feo


風子「虎徹ちゃんに相手にされなかったから、落ち込んでいるの?」

梓「いませんよ・・・。あれ、むぎせんぱい達がいませんよ?」

純「調理室行ったよ」

虎徹「みゃ」

三花「はいはい。ここで大人しくしていようね」スッ

虎徹「・・・みゃ」

夏「言葉分かるの?」

虎徹「・・・」

夏「そうだよな・・・。会話してる風だったからビックリした」

虎徹「・・・」スタスタ

潮「あ、こら。そこの上歩いちゃダメだって」

ササッ

虎徹「みゃ~」

潮「うむ。許す」

夏「あれ・・・?」

冬「こんにちは~」

風子「いらっしゃーい」

冬「お邪魔します」

虎徹「みゃ~」

冬「ふふっ、迎えてくれるんだ。ありがと~」ナデナデ

虎徹「みゃみゃ~」ゴロゴロ

夏「無視されたんだ・・・あたし・・・」

ちか「どんまい!」



10 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/11(日) 19:29:15.49 ID:8Tvag5feo



―――――調理室



小田ばぁ「おやおや、珍しいものを作ってるねぇ」

姫子「?」

律「誰・・・だ・・・?」

澪「おい。むぎと駄菓子屋へ行ったんじゃなかったのか」

律「あぁ!」ピコン

エリ「今からせんべいの作り方学ぶからね」

姫子「え、あ、うん」

小田ばぁ「どれどれ・・・」

律「駄菓子界の重鎮だな」

澪「はいはい」

小田ばぁ「ドーナツかねぇ?」

エリ「サーターアンダギーって言う沖縄の郷土菓子です」

小田ばぁ「そうかい・・・。ちょうど材料揃ってるねぇ・・・」

唯「私たちも研修するよ!」

紬「・・・」キリ

アカネ「・・・」

律「お茶を淹れる練習にも飽きてきたから、丁度いいな」

姫子「そうだね」

梓「・・・」

唯「あれ、あずにゃん、こてっつぁんと遊んでいるんじゃ?」

梓「誰ですか・・・。こっちが重要ですから」



11 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/11(日) 19:29:55.36 ID:8Tvag5feo


――・・・

小田ばぁ「ここまでやって、一時間寝かせてから揚げるといいよ」

エリ「ふむふむ」メモメモ

憂「・・・」メモメモ

律「真剣だな」

信代「・・・うん」

夏「こ、こんばんはー」

姫子「夏・・・?どうしたの?」

夏「よ、様子を見に来ました」

律「入って来いって」

夏「失礼します・・・」

信代「どうして制服に・・・・・・あ」

夏「えへへ」

澪「なんか冬っぽいな・・・」

夏?「な、夏ですよー」

律「不自然だな・・・。なんで制服に着替えてんだよ。今日はみんなジャージだろ?」

夏?「あ・・・」

唯「あ・・・って?」

紬「・・・」ジー

夏?「え、と・・・」アセアセ

梓「冬は髪の毛長いじゃないですか」

姫子「・・・夏が冬の真似しているだけだね」

紬「・・・」コクリ

夏?「え・・・と・・・」

梓「なにしてんの?そんな事でひっかからないよ?」

律「冬が髪を切っていたらどうすんだよ」

夏?「!」

澪「あ、驚いた」



12 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/11(日) 19:30:46.19 ID:8Tvag5feo


姫子「髪を切ったの?『冬』は」

夏?「はい。切りました」

姫子「へぇ・・・」

梓「え・・・」

『あたしが『冬』としてそこに居れば・・・』

夏?「・・・」

梓「どうして『冬』が髪を切ったのか・・・『夏』は理由は知ってる?」

夏?「う、うん」

紬「?」

澪「理由・・・」

姫子「・・・」

唯「えぇと、今日はジャージ登校でいいんだよ。でも冬ちゃんの所は制服なんだよね
  という事は、ここにいるのは制服を着ている冬ちゃんでいいんだよ。
  ところが、髪を切ったという事で事態は複雑になって・・・
  でもでも、口調は冬ちゃんで・・・でもでもでも、夏ちゃんが制服を着て冬ちゃんが髪を切ったという
  嘘をついているかもしれなくて・・・。今日はまだ冬ちゃんに会っていなくてー・・・」

信代「それでは判定です。ここにいるのは、『夏』、『冬』どっちでしょう」

律澪「「 冬 」」

梓姫子「「 夏 」」

紬「・・・」トントントントン

唯「分かりません!」

信代「冬が二票、夏が三票、放棄が一票と別れました。それでは正解発表を」

冬?「こ、こんばんは・・・」

律「なぬっ!?」

唯「本当に切ってたよ!」

澪「ジャージを着た・・・。冬でいいのか・・・?」

夏「そうです。正解は『制服を着た夏』でしたー!」

信代「うわ、私が騙された」

姫子梓「「 よし 」」グッ

紬「・・・」グッ

冬「髪切っちゃいました」

律梓「「 聞いたから 」」

風子「間違えたくせに・・・」ジー

律「う・・・」

信代「誰の入れ知恵さ」

ちか「私さ」



13 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/11(日) 19:32:08.75 ID:8Tvag5feo



澪「あずさ・・・」カムカム

梓「なんですか?」

澪「髪を切った理由って?」

梓「・・・。冬が入院していた時、夏と冬は同じ髪型だったそうです。
  親に間違えられても変える事は無くて・・・。
  その理由が『冬がそこにいる』と、誰かの心に残そうとしていたんです」

澪「・・・」

梓「冬がマネージャーとして入部したら、夏は髪を切りました。
  その理由が『冬がそこに居る』からなんです。冬を見てほしいから」

澪「・・・」

梓「今日、冬が髪を切ったのは、恐らく」

姫子「夏の居場所を作る為。今まで夏は冬の居場所を作ろうとしていた。そこに冬は居ないのに」

澪「・・・」

姫子「冬が入部した後に夏が髪を切って、部長がこう言ったんだよ
   『見分けがつくから助かる』って。夏はその為に髪を切ったんだね」

梓「・・・はい」

姫子「冬は、戻る為にじゃなく、新たに進む為に髪を切ったって事かな」

澪「・・・そうか」

梓「・・・」

姫子「梓は夏から直接聞いたんだ?」

梓「は、はい」

姫子「・・・」

澪「姫子は?」

姫子「最近気付いたくらいだよ・・・。月見会で、『姉をよろしく』って言ったでしょ」

梓「・・・」

姫子「その顔は覚えてないよね。普通の紹介だったもんね」

澪「今思えば・・・。それは特別だったんだ・・・」

姫子「うん。部ではそっけない夏が、あの時は親身になってたから。私は覚えている」



14 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/11(日) 19:32:57.76 ID:8Tvag5feo



――・・・3年生のクラス


ちか「虎徹ちゃん帰ったよ~」

梓「し、知ってますよ」

美冬「どうだった、せんべいの出来は?」

エリ「うん。おいしかった」

和「うまく出来そうかしら」

いちご「うん。えびせんべいと醤油せんべいの二種類だけど・・・」

純「試作品ありますか・・・!」

憂「はい、どうぞ」

純「やった。では、さっそく」パリッ

信代「・・・」

純「うん。せんべいだ」バリバリ

信代「リアクションふっつうだね・・・」

純「・・・」

律「お、ここも片付け終わってんじゃん」

澪「帰ろうか」

さわ子「まだ残っていたのね。早めに閉める事になってるからさっさと出なさい」

唯「はいよっ」

夏「帰りましょう帰りましょう~♪」ルンルン

冬「・・・」

澪(楽しそうだな・・・)

信代「澪、コンサートどうだった?」

澪「・・・!」サッ

信代「どうして顔を逸らす・・・?」



15 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/11(日) 19:33:29.01 ID:8Tvag5feo



―――――校門


夏「夕陽沈んでしまいましたね~♪」ルンルン

冬「・・・」

姫子「どうしたの夏は」

冬「わ、分かりません・・・」

律「今日はまっすぐ帰るかー」ノビノビ

紬「・・・」ノビノビ

エリ「りっちゃんと唯ちゃん寝ちゃったでしょ?」

律「ん?」

アカネ「クラッシクコンサート。演奏中に寝ちゃった?」

律「失敬だなキミ達はー」

唯「失敬だー!」

憂「ちゃんと起きてたの?」

唯「もちろんですたい。あの旋律はすばらしかったばい」

紬「・・・」コクコク

まき「・・・」

澪「あ、いちばんぼしだー」

信代「さっきから一言もコンサートについて話さないんだけど・・・」

律「澪は寝てたからな」

純「そ、そんな・・・!」

澪「あ、ながれぼしかとおもったらゆーふぉーだった☆」

和「帰ってきなさい」

澪「眠ってしまうなんて・・・不覚だ・・・」ズドーン

紬「・・・」キョロキョロ

梓「話題を逸らす為の嘘ですよ」

紬「・・・」ガーン

ちか「い、居るわけないよねー・・・」

美冬「それじゃあ何を探していたの?」

ちか「宵の明星だよ」

風子「金星は太陽の近くにいるんだよ?」

ちか「・・・」

風子「それなのに真上を観測していたんだ」

ちか「・・・」

梓(意地悪だなぁ・・・)



16 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/11(日) 19:34:31.46 ID:8Tvag5feo


いちご「風子ってまさに金星そのものだよね」

風子「そ、そうかな」テレテレ

律「どうして照れてんだ?」

冬「宵の明星。またの名を明け方の明星と呼ぶんです。
  そのことから美と愛の女神アプロディーテーに例えられているんです」

風子「えへへ」テレテレ

ちか「・・・」

いちご「そっちじゃないよ。ルシファーだけど」

風子「え・・・」グサッ

唯「今度は引きつったよ」

冬「ルシファーは・・・天使の長だったのですが・・・」

英子「・・・堕天使の総帥となるの」

風子「別名、悪魔・・・」

ちか「あれ・・・なんだろ・・・」

紬「・・・?」

ちか「ほら、見て・・・」スッ

いちご「・・・あれは・・・本物・・・?」

律「え!?」

唯「ユーフォーだね!?」

風子「っ!?」

ちか「引っかかったね、ふぅちゃん!」ビシッ

風子「くぅ・・・」

いちご「・・・」シラー

律「迫真の演技かよ」

澪「・・・」

紬「・・・」ガッカリ

梓「・・・」

ちか「いちごちゃん、ありがと!」スッ

いちご「・・・いいって」スッ

パァン

和「やるわね」

夏「あっはっはは!」

冬「なつってば・・・。笑いすぎだよ・・・」



17 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/11(日) 19:35:46.64 ID:8Tvag5feo


姫子「・・・ふぁ」

純「・・・ふぁ~」

和「金星は姉妹惑星とも呼ばれているわね」

憂「地球と姉妹なの?」

和「えぇ。地球と似た大きさらしいわ」

唯「太陽の側にいるんだからそっちと姉妹なんじゃないの?」

潮「いや、兄弟なのかもしれないよ」

律「えっと、太陽から水金」

ちか「地火」

美冬「・・・」

律「繋ぎサンキュ・・・木土天海の順か」

姫子「・・・目がしぱしぱする」シパシパ

冬「眠たそうですね」

姫子「・・・うん。昨日寝たの2時まわってたから」

冬「そうなんですか」

慶子「テレビでも見てい・・・!」ハッ

風子「テレビでも・・・?道場にテレビあったかなぁ・・・」

慶子「・・・間違えただけだよ」

姫子「澪と話をしてたんだよ・・・今日は早く寝よう」シパシパ

紬「・・・」チラッ

澪「た、たいした話じゃないよ・・・」

紬「・・・」ジー

澪「た、旅の話をしていたんだ・・・。そ、それだけだぞ」

紬「・・・」コクリ

律「・・・」



18 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/11(日) 19:36:53.97 ID:8Tvag5feo


梓「あ・・・」

夏「執事さんだ」

斉藤「・・・」ペコリ

紬「・・・」フリフリ

梓「また明日です」

唯「おやすみ、むぎちゃん」

律「おやすみ」

澪「明日、な」

憂「おやすみなさい」

和「おやすみ」

純「おやすみなさーい」

姫子「バイバイ」

いちご「・・・」フリフリ

風子「・・・」

英子(ふぅ・・・?)

夏「おやすみなさーい」

冬「・・・」ペコリ

信代「・・・」フリフリ

潮(あと・・・いや、数えるのは・・・やめよう・・・)フリフリ

慶子「おやすみ、むぎさん」

ちか「おやすみ・・・」

美冬「・・・あした、ね」

紬「・・・」コクリ



19 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/11(日) 19:38:32.05 ID:8Tvag5feo



あと何度約束を交わせるのだろう

また、明日 と

ありふれた約束を交わせるのだろう

きっと、長い人生の中の一瞬に過ぎない時間なんだろう

だけど


梓「・・・」

澪「梓・・・」

梓「は、はい。なんですか?」

澪「私さ――」

唯「あーずにゃん!」ダキッ

梓「ちょっ!」

唯「うへへ」スリスリ

梓「脈略のない事しないでくださいっ」グググ

唯「のぉ・・・」ムググ

澪「・・・夏」

夏「はいはい、なんでしょう澪先輩」

澪「なんでそんなに楽しそうなんだ?」

律「・・・」

夏「そう見えますか」フフフ

律「言いたいなら言ってもいいんだぜー」

潮「さて、『い』をいくつ言ったでしょうか」

慶子「んー、一回」

潮「そんなわけないでしょ!」

信代「・・・」

夏「・・・」チラッ



20 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/11(日) 19:39:32.83 ID:8Tvag5feo


冬「東の空の、おそらくあの辺りにあると思います」

風子「あぁ、見えた」

冬「あ、すいません。あっちでした」

風子「・・・」

いちご「何が見えたの?」

風子「・・・」

冬「あれはオリオン座ですね」

風子「・・・うん。それ」

いちご「ふたご座を探していたのに」

風子「・・・あっちに見えるのがふたご座で間違いないんだよね?」

冬「は、はい」

英子(意地悪されたら脆くなるんだね・・・)



21 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/11(日) 19:40:31.82 ID:8Tvag5feo


夏「さっき、調理室で信代先輩があたしが冬かどうかを当てるクイズをしたじゃないですか」

澪「あ・・・、間違えてごめん」

信代「悪かった」

夏「ち、違いますよ!親父も間違えるくらいだから、間違えられるのはいいんです」

律「・・・」

夏「『区別』と言いますか、『見分ける』為に工夫をするんですよ。大抵の人は」

潮「髪に何かをつけさせるとか?」

夏「はい。髪を結えとか・・・。でも、先輩方は誰もそんな事言わなくて・・・」

信代「・・・」

夏「唯先輩なんて、『分からない』ですよ。二択で、あたしは『冬』を演じていたのに」

澪「・・・そうだったな」

夏「適当に名前を言えば良かったのに、あえてそうしなかった事が・・・なんだか新鮮で」

律「当たり前の事だろ」

夏「はい。その当たり前を過ごせるのが・・・嬉しいんですよ~」

律「・・・そっか」

澪「嬉しいんだな」

夏「えへへ。ちゃんと見てくれてるんだなーって」



22 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/11(日) 19:41:03.66 ID:8Tvag5feo


冬「てんびん座・・・」

純「・・・ないの?」

冬「・・・うん。初夏の星座だから」

和「面白いわよね。9月23日、今日から来月の23日生まれの人を
  天秤座という占星術で括られているのに。星空ではその日には見られないなんてね」

冬「そ、そうですね!」

憂「・・・」

夏「冬ねぇ~!帰るよ~!!」

冬「分かったー。それでは、ごきげんようです」ペコリ

風子「うん。明日ね」フリフリ

英子「おやすみ」

和「じゃあ、ね」

憂「おやすみ」

純「バイバイ」

いちご「・・・じゃ」

冬「・・・」ニコ

タッタッタ



23 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/11(日) 19:41:32.81 ID:8Tvag5feo


英子「風子」

風子「え?」

英子「さっき、紬さんにどうして挨拶しなかったの」

風子「!」

英子「・・・」

純(え・・・、どうしたんだろ・・・怖・・・)

唯「3人ともバイバーイ明日ねー」

夏「おやすみなさーい」フリフリ

冬「あした~です~」

姫子「・・・」フリフリ

スタスタ

梓「私たちも帰りましょう。ふぅ先輩」

風子「・・・うん」

英子「・・・」

梓(あれ・・・雰囲気が変わっている・・・?)

律「じゃ気をつけろよー」

唯「ろよー」

憂「おやすみなさい」

和「じゃあね」

信代「おやすみー」

潮「おやすみ」

澪「また、明日な」

いちご「・・・うん」

梓「はい。また明日です」

純「おやすみなさーい」



24 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/11(日) 19:42:39.34 ID:8Tvag5feo


――・・・


英子「紬さんと別れた後、ちかさんと美冬さんにはちゃんと挨拶していたのに」

風子「・・・」

英子「どうして?」

風子「数えちゃった」

英子「・・・」

風子「むぎさんに、『また明日』を言える回数」

純「!」

潮「・・・」

梓「4回ですね」

風子「・・・うん」

英子「今日入れて5回だったのに、風子は1回を無駄にしちゃったね」

風子「っ!」ビクッ

英子「その回数はみんな平等のはずだよ。風子だけじゃないよ」

風子「・・・っ」

信代「まぁまぁ。挨拶は大事だけど、そんなに責める事じゃないじゃん」

潮「そうだよ。風子だって、ちゃんと分かってるから出来なかったって事なんじゃないかな・・・」

風子「・・・」

純「・・・」

梓「・・・」

英子(・・・やっぱり)

風子「ごめん・・・。先に帰る」

スタスタ

信代「あ、風子!」

潮「・・・」

純「あの・・・行ってしまいますよ・・・」

梓「・・・」

英子「信代さん、潮さん。お願いできるかな」

潮「・・・うん」コクリ

信代「任せて」

タッタッタ

純「・・・」

梓「近くに公園ありましたよね」

英子「あるね・・・」

梓「少しお話しませんか?」

英子「うん、ありがと」



25 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/11(日) 19:43:57.09 ID:8Tvag5feo



英子「オレンジとコーラ、どっちがいい?」

梓「オレンジで」

純「オ・・・、早いもの勝ちかよぉ・・・」

英子「あ、ごめんね。オレンジ買ってくるね」

梓「純っ!」

純「炭酸ダイスキーです!」

英子「本当?」

純「はい」

英子「空気読む必要はないんだよ?」

梓「大丈夫です」

純「はい」

英子「分かった」

梓「ありがとうございます」

純「いただきます」プシッ

英子「・・・」

梓「私も数えていたんです、あの時」

英子「・・・そう」

梓「むぎせんぱいと、4回・・・『また会いましょう』って挨拶ができるんだなって」

純「・・・」ゴクゴク

梓「あと、4回だけ約束ができる・・・って・・・」

英子「・・・うん」

梓「だから、風子先輩の気持ち・・・分かります・・・」

純「・・・」

英子「例えば、その4回が・・・急に3回になって、最後の1回を失くしてしまったら・・・どうなるかな」

梓「!」

純「約束が出来ないって事ですか・・・?」

英子「そうだね。最後に『さようなら』、『また、いつか会いましょう』が言えないって事」

梓(それは・・・嫌だ・・・むぎせんぱいに・・・言えないのは・・・いや・・・だ)

英子「風子と私と夏香はそういう最後だった」

純「・・・」

英子「梓ちゃんと自転車で街を走り回った日があったでしょ?」

梓「・・・はい」

英子「あの時、昔のふぅちゃんに戻ってたって話したよね」

梓「はい」

英子「高校で再会して大人しくなっていた。小学校の頃とは別人のようになって
   それを人は成長したって言うんだろうね」

純「・・・」ゴクゴク

英子「でも、違っていたみたい。風子は『ふぅちゃん』を抑えていただけ」

梓「・・・」



26 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/11(日) 19:46:29.60 ID:8Tvag5feo


英子「人は誰でも、そんな子供な自分を抑えていくものなんだろうね
   周りに合わせるためにも、抑えずにはいられない。それが常識」

純「・・・なんとなく、ですけど・・・。抑えるのは成長じゃないような気がします」

英子「どうして?みんなやっている事だよ?最初は意識して行動を抑えるの
   次第に頭がそれを受け入れていって、大人はこんな行動をしないという風に
   そういう常識を積み重ねていくの」

梓(それを否定して欲しそうな・・・言い方・・・)

純「それは常識を積み重ねているだけで、自分を積み重ねていないです」

英子「自分・・・って・・・なにかな・・・」

純「・・・経験だとか、見てきた景色だとか、自分に関する全てです」

梓「・・・」

純「成長は・・・自分が認めるモノじゃないと思います」

英子「周りが決めるんだよね。常識を備えたら成長になるって事だよね」

純「ち、違います!・・・それじゃあ、楽しくないし何も残らないっ!」

英子「あるがままの心を持っていければいいのかな」

梓「!」

純「そ、そうですってなぜそれを!?」

英子「ふふっ、実は昨日の夜全部聞いていたの」

純「・・・」

英子「ごめんね。自分の考えを纏めたくて聞いたの」

純「・・・そうですか」

英子「昨日の夜、聞いていたの私だけじゃないと思うけど・・・」

梓「な、なんと・・・」



27 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/11(日) 19:47:38.05 ID:8Tvag5feo


英子「私たち小学校卒業するまでずっと一緒だったの。風子、夏香、私」

梓「・・・はい」

英子「私と夏香の中学校と別々だって分かったとき、とても泣きじゃくってね・・・風子は・・・」

純「・・・」

英子「だから、卒業した次の日に約束をしよう。って約束をしたの」

梓「約束をする為の約束・・・」

英子「『また会おうね』という約束をしようって。そして、指きりげんまんしようって」

純「・・・その時点で約束を交わしているんじゃ」

英子「その通りだよね。でもふぅちゃんがその約束をその日に設定したの」

純「なにか・・・意味でも・・・」

英子「ないよ。ふぅちゃんは子供が子供をしているって感じで子供だったから」

梓「・・・」

英子「それでカウントダウンが始まって、卒業して。次の日・・・
   約束が交わされることはなかった。約束も果たされなかった」

梓「・・・」

英子「私と夏香がふぅちゃんのお家へ行っても誰もいなくて・・・
   帰るわけにもいかないから、時間を潰して、
   いつもの場所で待っていたんだけど、来なかった」

純「そ、それっきり・・・?」

英子「ううん。日が暮れてお家に帰ったら電話が鳴ってね、取ったらふぅちゃんだった
   『ごめんなさい』って泣きじゃくって・・・」

梓「・・・」

英子「意地悪だけどとっても優しいふぅちゃんだから、私たちに悪いことをした
   約束を破った、って凄く傷ついていた・・・」

純「・・・」

英子「母方の実家の都合でしょうがなかったって、風子と再会してから聞いてね
   時間が経ったから『ごめんね』で済ませたようなもので・・・
   その時の電話越しのふぅちゃんはとても・・・悲しい声だったな・・・っ・・・」

梓「っ・・・」

英子「会おうと思えば会える距離だったから、大丈夫って信じていた」

純「・・・信じていた?」

英子「時間の流れって優しくて切なくて、怖いものだと感じたよ」

梓「・・・!」

英子「お互い忙しくて、夏香とも会う機会が減っていった・・・
   新しい世界っていうのかな、新鮮で楽しくて、大変だから一生懸命で」

純「・・・」

英子「3年の月日が約束を忘れさせたんだよ。
   入学式の日に風子が謝るまで私と夏香は忘れていた。
   約束をしようって約束が果たされないまま今日まできちゃった・・・」

梓「その約束は・・・もう・・・解消されているのでは・・・」

純「あ、梓・・・。再会できればいいって話ではないでしょ・・・」

梓「う、うん・・・」



28 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/11(日) 19:52:08.68 ID:8Tvag5feo


英子「解消されているはずだった・・・。ふぅちゃんと再会するまでは・・・ね」

梓「・・・!」

英子「最近のあの子、周りにやたらと意地悪な事するでしょ?」

純「・・・はい」

英子「夏ちゃんと冬ちゃんとのこともあって、あの頃の優しさを垣間見た
    私と夏香は5年半という時間を越えて『ふぅちゃん』と再会できたんだよ」

梓「!」

英子「その時の傷がふぅを・・・留まらせている・・・」

梓「むぎせんぱいですね」

英子「・・・うん。紬さんはふぅにとってかけがえの無い人になっている」

梓「・・・」

純「さっきの英子先輩は・・・風子先輩を探っていたんですか?」

英子「・・・うん。そういう事・・・」

梓「・・・」

純「・・・」

英子「あるがままの風子なんだけど・・・ね・・・」

梓「・・・英子先輩は、ふぅ先輩と風子先輩のどっちと一緒にいたいですか?」

純「・・・!」

英子「どっち・・・」

梓「恐らく、常識という知識が風子先輩を形作ってきたのなら、それも風子先輩なんです」

英子「・・・そうだね。高校に入って再会した風子を否定する事なんておかしな話だもんね」

梓「でも、私はふぅ先輩がいいです。
  むぎせんぱいと同じように、幼い表情で笑ったときのふぅ先輩が好きです」

英子「・・・」

純「・・・」

梓「・・・」

英子「1つ聞いていいかな?」

梓「は、はい」

英子「旅先で出会った人には、そういう人がいたのかな・・・?」

梓「いいえ」

英子「そうなんだ・・・」

梓「どうしてですか?」

英子「それは・・・」

純「まるで見てきたかのような言い方だったから・・・かな・・・」

英子「・・・」

梓「うん。風子先輩のような人はいなかった。けど、自分を偽っている人は1人としていなかった」

純「・・・」

梓「だから、繋がって、その人たちを好きになれて、同じ景色を見る事ができたんだと思います」

純「・・・」

英子「・・・うん。いい出会いだったんだね」



29 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/09/11(日) 19:53:14.94 ID:8Tvag5feo


英子「昔ね、私とふぅが夏香のお家に遊びに行った時の話なんだけど、
    お姉さんとたっくさん遊ぶことができたんだ」

梓「・・・」

純(うわ・・・)

英子「ふぅって、心を許した人にしか意地悪な事しないんだよ
   だから、お姉さんにたくさん仕掛けては仕返しされて、
   それでもめげずに頑張って意地悪してた」

梓「・・・」

英子「お姉さんが夏香をいじめたら、ふぅは夏香を守るの。冬ちゃんみたいに」

純(楽しそう・・・)

英子「そのくせ、人には意地悪な事して、成功したら喜んでいた
   でも、人が嫌がったり、傷つけるような事は絶対にしなかった」

梓「・・・分かります」

英子「ふふっ・・・。あ、ごめんね。長々と・・・帰ろうか」

純「はい・・・」ゴクゴク

梓「オレンジ・・・もらい物だけど、飲む?」

純「意地悪ですね・・・」

英子「ありがとう・・・二人とも。話を聞いてくれて」

梓「いえ・・・。出来れば・・・」

純「出来れば?」

梓「もっと聞かせて下さい」

英子「・・・!」

純「・・・うん、私も聞きたい!」

英子(雰囲気が・・・紬さんと・・・一緒だった・・・)

梓「どうしたんですか?」

英子「なんでもないよ」

梓「上手くふぅ先輩の意地悪に対抗できるかもしれません」ウシシ

英子(今度は律さん・・・?)

純「・・・それが狙いか」

梓「頑張れ私!」フンシュ!

英子(唯さん・・・違う・・・澪さん・・・?)




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