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部長「最近署員の間で度々耳にするけいおんとは一体何のことだ?」#中編 【クロス】


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部長「最近署員の間で度々耳にするけいおんとは一体何のことだ?」#前編
部長「最近署員の間で度々耳にするけいおんとは一体何のことだ?」#中編
部長「最近署員の間で度々耳にするけいおんとは一体何のことだ?」#後編




118 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/28(水) 22:53:28.23 ID:CPQLyo8GO

次の日

さわ子「朝から気が重い……」ドヨンド

さわ子「今度こそ本当に辞職になるかも……ハァ……」

さわ子「あんな生徒の前でフル、フル……ああああ!」

さわ子「もう、あんな事になるなんてついてないなあ」

ざわ ざわ

さわ子「ん……玄関に人だかりが……何かしら?」



119 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/28(水) 23:01:20.21 ID:CPQLyo8GO

「えー、誰よこれ?」

「なんか怖いわよね?」

「本当にこんな人がいるのかなぁ?」

さわ子「……ち、ちょっとごめんね。みんな通して?」

「あ、おはようございます」

さわ子「一体どうしたのよ。何の騒ぎ?」

「今朝学校に来たら、玄関前にこんな写真が……」

さわ子「写真?」ピラッ

さわ子「こ、これは……!」

【DEATH DEVIL】

【殺】【KILL】

さわ子(な、なななななんで私の昔の写真ががが……こんなに!)



120 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/28(水) 23:05:21.64 ID:CPQLyo8GO

【地獄からの死者 S.Y参上!】


さわ子(何で私のイニシャルなのよ……!)

「怖い話ですよね。何となく不気味で……って先生?」

バリバリ バリバリ

さわ子「こ、こんなの誰かのイタズラよ! ままま、まったくけしからないわね、ね!」

さわ子「ほら、早く教室に入った入った!」

ゾロゾロ ゾロゾロ

さわ子「……ほっ」



122 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/28(水) 23:11:19.07 ID:CPQLyo8GO

さわ子「とりあえず私だとはバレなかったみたいだけど……誰よこんな事したの!」グシャグシャ

さわ子「……考えても仕方ないか」

さわ子「ハァ……学校入ろ……」

……

さわ子「って……」

【DEAD OR ALIVE】 【FU○K】 【Yes we can.】

さわ子「なんで廊下までビッシリ貼ってあるのよぉ~!」

さわ子「ああ、もう、もう、もう!」グシャグシャ ビリビリ

ピンポンパンポン~

『さわ子先生、お電話が入っております。さわ子先生お電話が入っております、至急職員室まで……』

さわ子「なんでこんな時にぃ……」



123 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/28(水) 23:17:02.95 ID:CPQLyo8GO

ガシャン

さわ子『もしもし! 誰ですか? 今私忙しいんですけど!』

『あ、あの。もしもし? いや、もしもしは……ゴニョゴニョ』

さわ子『? 誰ですか!』

『ああ、えっと……写真』

さわ子『……! 写真がどうしたの? え?』

『あ~、誠意を見せて欲しい』

さわ子『せ、誠意?』

さわ子(さっきから何よ……言葉もチグハグだし文章になってないし……)

『東京銀行』

さわ子『銀行?』

『3367……428……』

さわ子(え、何? 銀行……口座の番号?)



125 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/28(水) 23:23:08.89 ID:CPQLyo8GO

さわ子『ま、待って……メモ、メモ』カキカキ

『……』ガシャン


さわ子『ちょ、ちょっと……?』

ツー ツー

さわ子「……」

さわ子「何なのよ! もう」

さわ子(とりあえず数字のメモはできたけど……銀行……誠意……)

さわ子(……お金? これ口座番号かしら?)

さわ子(お金振り込んだら写真を……?)

さわ子(あれ、でもこれって……よくある手口だった気が?)



127 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/28(水) 23:28:49.90 ID:CPQLyo8GO

放課後

澪「オレオレ詐欺?」

梓「学校でですか?」

さわ子「本当なのよ! お金を振り込まないと写真をまたバラまくって……うぅ……」

律「確かに、校舎に貼られてたさわちゃんに最初はビックリだったけどさ……」

唯「誰にもさわちゃんの正体は言ってないから大丈夫だよ」

さわ子「ううっ、ありがとうみんなぁ~……」

律「よしよし」ナデナデ

紬「……先生、ちょっといいですか?」キリッ

澪(ム、ムギが何だか……シャキーンとしてる?)



128 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/28(水) 23:33:46.91 ID:CPQLyo8GO

紬「その電話の人……どんな声をしてましたか?」

さわ子「えっ? そうね……男の人だったけど、
    ちょっと初老が入ったみたいな枯れた感じの声だったかな?」

紬「ボイスチェンジャーとか使っていたりしませんでしたか?」

澪「ボ、ボイスチェンジャー?」

さわ子「普通の声だったわね~」

紬「ふむ……」

律「どうしたんだよムギ。いきなり探偵ごっこかあ?」

紬「……みんなには、話しておいた方がいいみたいね」



129 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/28(水) 23:39:46.41 ID:CPQLyo8GO

……

さわ子「……あの原始人が?」

紬「ええ。私も昨日圭一様から電話で聞いたんですけれど……」

梓「過去にそんな悪どい事をしていたんですね……」

律「パトカー壊す、寮や署を爆発させたり……」

澪「すごい経歴の持ち主だな……」

紬「何より彼は……お金のためなら何でもするのよ」

さわ子「お金……! そ、それなら今回の事件も?」

律「私もそう思うな」

唯「ん~、悪いゴリラさんには見えなかったけどな~」

澪「話だけだと信じがたいよな」

梓「でも! 中川さんが言ってたんですよねムギ先輩?」



131 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/28(水) 23:45:23.49 ID:CPQLyo8GO

紬「身の回りで何か起こったら、まず間違い無い、と……」

さわ子「よ、よし。それならさっさと捕まえて……」

紬「いえ。今問い詰めても証拠がありません」

律「この口座番号じゃあダメなのか?」

紬「多分、全然関係ない人の口座でしょうね。お金を振り込ませるためだけの……ね」

律「本当に警察官かよ……あの原始人」



134 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/28(水) 23:50:59.62 ID:CPQLyo8GO

律「昨日のフルチン刑事だって原始人の仕業かよちくしょー!」
澪「律、名前が違って……」

律「あんな変態もうたくさんだ!」

唯「あははっ、憂もあれから寝込んじゃったんだよね……」シュン

律「あー。リクエスト者に見せつけるようなポーズだったからねー」

澪「トラウマどころのダメージじゃないだろうな……」



136 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/28(水) 23:54:03.12 ID:CPQLyo8GO

紬「圭一様にこの口座の事は調べてもらいます。
  念のため……先生と学校にも警備の者をつけましょう」

さわ子「あ、ありがとうムギちゃ~ん!」ギュッ

紬「みんなも十分に気をつけて。特に……唯ちゃん」

唯「なんで私~?」

紬「数日前に消火剤かけたでしょ? 多分あれよ、あれ」

唯「そ、そうなのかな?」

紬「とにかく宅急便とか、郵便とか……
  外部からの警戒は怠らないで。もしかしたら大量の……が……」

唯「い、いやだよいやだよ!」



137 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/28(水) 23:58:09.59 ID:CPQLyo8GO

紬「まあ、言ってる私も危ないんだけどね~」ニパァ

澪「あ、ちょっと戻った」

紬「何かあったらすぐに言ってね? 唯ちゃんの家にもすぐにSPを送るから」

唯「あ、ありがとうムギちゃ~ん!」

紬「あらあら、うふふ」

律「今日のムギは何だか頼りになるな」

梓「あの眉毛がいつもよりキリッとして見えました」

澪「ふふっ。三つ目がとおるみたいだよな」

律「?」

梓「?」

澪「な、何でもない……」


……

両津『そうか、眉毛か……フフフッ』



140 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/29(木) 00:04:42.12 ID:dewxfyM5O

深夜

両津「ここが眉毛の家か。贅沢な家に住みやがって」

両津「まあいい……よし、作戦開始だ」

両津「最初の目的地は……中庭か……スタートだ!」

……



141 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/29(木) 00:08:38.31 ID:dewxfyM5O

同日お昼前

両津「よう、ボルボ」

ジャーン ギュイーン

ボルボ『育ち盛りの欲張り恋心ー!!』

左近時「イェイ」

ボルボ『大好き! コトコト煮込んだカレー……』

ジャーン ジャーン

両津「……」

ボルボ「……ん、なんだ両津じゃないか。メンバー募集の張り紙を見て来たのか?」



143 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/29(木) 00:13:14.88 ID:dewxfyM5O

左近寺「とうとう両津も目覚めたか」

両津「違う、わしは音楽をしに来たんじゃない! 大体何で道場でバンドやってるんだよ!」

ボルボ「場所が無くてな。左近寺がこの道場なら使ってもいいと」

左近寺「ああ。明日からは新メンバーも入るからな。歓迎会のためにこうして練習をな」

両津「……まあいい。ボルボ、ちょっと頼みたい事があるんだ」

ボルボ「……仕事か?」キリッ

両津「そうだ」

両津(よし、ボルボの目はまだ死んでいない)



144 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/29(木) 00:21:05.55 ID:dewxfyM5O

両津(それに引きかえ……)

左近寺「ああっ、ムギュゥゥゥゥゥ!」

ボルボ「……用件を聞こう」フゥーッ

両津「これを見てくれ」ペラッ

ボルボ「屋敷の見取り図か?」

両津「時間が無かったからな。外観の分しか資料が無いが……」

ボルボ「……」

両津「ズバリ、この屋敷に……潜入したい」



145 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/29(木) 00:25:44.14 ID:dewxfyM5O

ボルボ「条件は?」

両津「夜から深夜に掛けてだが、短ければ短い方がいい」

ボルボ「任務内容は?」

両津「寝室への侵入だ」

ボルボ「しかし外観だけでは部屋の造りまでは……」

両津「中の探索はわしが一人で行う。ボルボは外……侵入ルートだけ考えてくれればいい」

ボルボ「なるほど、今回の仕事はアドバイザーか」

両津「ああ、頼む」

ボルボ「……この屋敷の立地条件は?」



146 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/29(木) 00:31:12.77 ID:dewxfyM5O

両津「まず屋敷の周りには森と平地が広がっている……
   大きさは皇居と同じくらいだ。その中心に屋敷がある」

ボルボ「なかなか広いな。
    当然、四方の壁には監視カメラや電気鉄線……警備の者がいるだろうな」

両津「上空からパラシュートを使って庭に降下する作戦はどうだ?」

ボルボ「おそらく何処かのエリアは地雷元になっているはず。庭に降りるのは危険だ」

両津「庭に闇雲に降りるのはバツ、と……」

両津「じゃあ思いきって屋根の上に降りるのはどうだ?」



147 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/29(木) 00:36:41.54 ID:dewxfyM5O

ボルボ「おそらく屋根にセンサーがついているだろう。着地した瞬間に警報が鳴るはずだ」

両津「空からは無理か……やはり地上か?」

ボルボ「軍事施設なら偽のIDを発効したり荷物に紛れる事はできるが」

両津「そういう施設じゃない。パスだ」

ボルボ「警備員に成り済ます方法はどうだ?」

両津「ダメだ。今回は準備の時間が無い」

ボルボ「それならば……ん?」

ボルボ「庭の中に……こんな大きな池があるのか?」



148 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/29(木) 00:39:45.56 ID:dewxfyM5O

ボルボ「そして近くに流れる川……」

両津「ボルボ?」

ボルボ「よし両津。潜入ルートが決まったぞ」

両津「なんだと? 一体どこから?」

ボルボ「いいか、まずはこの川の上流から……」

両津「ふむふむ……」

ボルボ「おそらくこの辺りに水路があって……」

両津「……」

ボルボ「そして、ここがスタート地点になるわけだ」



149 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/29(木) 00:42:32.77 ID:dewxfyM5O

両津「なるほど。川から池の中に潜入するわけか」

ボルボ「これだけしっかりした庭なら、
    水をちゃんと外に流すための水路はあるはずだ。そこからなら……」

両津「サンキューボルボ」

両津(へへっ、後は夜を待って忍び込むだけだ……待っててね眉毛ちゃん、と)

……

……



150 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/29(木) 00:53:16.14 ID:dewxfyM5O

屋敷内

両津「へへっ。あっさり潜入できたぜ」

タタタッ

両津「しかし……あまりに広いとは言え妙に静かだ。
   家具だって王様みたいで何だか落ち着かんな」

両津「……ん?」

キラッ

両津「こんな所に……金のフォークが……」

両津「な、なんだ……何かの罠か?」キョロキョロ

両津「でも」

キラキラ

両津「……」ゴクリ



152 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/29(木) 00:57:07.25 ID:dewxfyM5O

両津「この金のフォークとか、持って帰っちゃおっかな~」


……

「……モニターに映します」

ピッ

両津『持って帰っちゃうもんね~』スッ

両津『へへへっ。驚かせやがって……何も起こらないじゃねえか。おっ!』

両津『今度は宝石が落ちているぞ!』

両津『小判! 金塊! うひょひょひょひょ!』

斎藤「紬様の仰られた通り……なんたる不届き者……」

両津『いやあ、金持ち万歳! お金最高!』

「すっかり有頂天ですよ……」

斎藤「放っておきなさい。そろそろあの部屋の中に着くはずですから、ね」



153 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/29(木) 01:01:09.77 ID:dewxfyM5O

両津「いやあ、ここはいいお家だなあ……」キラキラ

両津「……って違う! こんな物のためにここまで来たんじゃない!」ブンッ

グッ

両津「くっ、手が宝石を離してくれない……!」

両津「くそっ! 早く眉毛の寝室を見つけな……ん?」

【札束の間】

両津「さ、札束の間だと!」

両津「……い、いや。いかん。早く寝室を探さねば……」

【札束の間】

両津「……」ゴクリ

両津「ち、ちょっとだけなら……ソーッと、ね」

ガチャリ



154 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/29(木) 01:07:28.34 ID:dewxfyM5O

両津「う……うひょぉぉぉ!」

両津「部屋一杯の……札! 札! 札!」

両津「こ、これ全部……ゆ、諭吉だ……」

両津「い、い、いやっほぁぉぁぉああ! これで一生遊んで暮らせるぞ!」


モニター室

斎藤「……」

紬「……」

両津『いやっふぉぉぉ! わしの金だぁぁぁぁぁ!』

両津『ひゅひょあー! うぇーい!!』



157 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/29(木) 01:12:54.45 ID:dewxfyM5O

斎藤「……いかがなさいますか?」

紬「そうねえ……眠ってもらって屋敷の外に追い出しましょうか~?」

両津『うっひょぉぉぉ! 眉毛ちゃん最高! ムギュゥゥゥゥゥ!!』

両津『眉毛最高ぅぅ! 沢庵和尚ありがとうぅぅぅ!』


紬「うん。やっぱり地下に落としてあげて?」

斎藤「かしこまりました」ポチッ

両津『ん、何だか腰が浮く感じがして……ん?』

ズドドドドッ

両津『ぎ……ぎょぇぇぇええ!!』

紬「……」

斎藤「終わりました」



158 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/29(木) 01:21:11.43 ID:dewxfyM5O

バラバラ バラバラ

両津「ちくしょー! 騙しやがったなあの眉毛!」

ヒュー

両津「札束ごと落とすなんて人間じゃねえぞ!」

ヒュー

両津「ったく、これだからお嬢様ってやつは……って……」

ヒュー

両津「一体どこまで落ちるんだ、わし……」

ヒュー ドボン!

両津(ぶふぁ……み、水? またどこかの地下水路か?)



160 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/29(木) 01:24:32.25 ID:dewxfyM5O

……ギラリ

両津(ん、今何か水中で光ったような……)

クロコダイル「……」ギラッ

両津「ぎ……ぎょえぼぼぼっ! ワ、ワニだワニ!」

クロコダイル「グバァ!」ギラッ

両津「……なんで獰猛なクロコダイルがこんな所にいるんだよ!!」

クロコダイル「……」ギラッ

クロコダイル「……」ギラッ


両津「ここまでやる事ないだろうがあぁ!」



161 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/29(木) 01:28:18.50 ID:dewxfyM5O

紬「地下の様子はどうだったかしら?」

斎藤「ご指示通り、ペットのワニには昨日から餌を与えておりません」

紬(うん……それならもう安心ね)

斎藤「紬様、そろそろお休みになられては……」

紬「そうね。今日はもう疲れたわ……おやすみ斎藤」

斎藤「おやすみなさいませ」スッ



162 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/29(木) 01:33:36.13 ID:dewxfyM5O

次の日 放課後

さわ子「ほ、本当に? 本当にもう写真は貼られないの?」

律「それにもう唯も狙われないって……」

澪「あ、もしかして昨日の口座であっさり犯人逮捕とか?」

紬「ううん。口座はやっぱり違ったのよ……」

ガチャリ

中川「それについては僕の方から説明します」

さわ子「な、中川さん……!」

紬「今回の事件のためにわざわざ来てもらったのよ」

中川「事件とは別に、ちょっと気になる事もあったからね」

澪「そ、それで……口座は結局誰の?」



163 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/29(木) 01:42:32.86 ID:dewxfyM5O

中川「詐欺でよく使われるのと全く同じ……他人名義の口座だよ」

律「どうやって作ったんだろうな?」

中川「違法なサイトにアクセスして一日で作ったらしいよ。先輩はそういうの得意だから……」

澪「警察のやる事じゃないな……」

中川「次に電話の正体だけれど……」

さわ子「だ、誰だったんですか? やっぱりその……」

中川「先輩じゃあありません。先輩の馴染みの、プラモ屋のご主人だったんですよ」

梓「プ、プラモですか?」

唯「え~? じゃあ共犯って事?」

紬「はたして共犯と言えるかどうか……」フゥ

中川「……話によるとね」



164 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/29(木) 01:48:09.89 ID:dewxfyM5O

数日前

両津「うおっすプラモ屋」

尾崎「な、なんだい両さんかい。朝から元気だね」

両津「そういうプラモ屋は元気無いじゃないか?」

尾崎「不景気だよ不景気。近ごろ商品がメッキリ売れやしない……
   誰かさんがキッチリ借金返してくれりゃあ、首も回るんだけどね」チラッ

両津「実はな、今日はその話をしに来たんだ」

尾崎「ハァ……もうツケは無理だよ。五百円でもいいから、借金払ってくれってんだ……」

両津「だから違う! ほれ!」スッ

尾崎「こ、これは……五万円も……」

両津「ふっふっふっ」



166 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/29(木) 01:52:35.51 ID:dewxfyM5O

尾崎「え……明日の朝に?」

両津「そうだ。この電話番号にかけて……上から順にこの単語を読むだけでいいんだ」

尾崎「なになに……先生の山中さんをお願いします……?」

尾崎「写真……銀行……なんだいこりゃ? まともなのは最初の文だけじゃないか」

両津「いいんだよそれで。山中という女教師が出たら下の単語を読み始めればいい」

尾崎「……こんなんで借金返してくれんのかい?」



168 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/29(木) 01:57:45.44 ID:dewxfyM5O

両津「その証拠にこの五万円を渡すんだ! いわばこれは誠意の金だ!」

尾崎「まあ、両さんが競馬で勝った時以外に金を払うなんて珍しい事だけどさ……んー……」

両津「どうした! 何を迷う事があるプラモ屋!」

尾崎「でもこれって、その……オレオレ詐欺みたいなもんじゃないのか?」

両津「」ドキッ

尾崎「この誠意とか銀行口座とかさ……両さん、この銀行の口座持ってたっけ?」

両津「そ、それは……」



170 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/29(木) 02:02:25.60 ID:dewxfyM5O

尾崎「悪いけど、悪事には手は貸せないんでね。説明ができないんじゃあ……」

両津「うっ、ううっ……」ポタポタ

尾崎「り、両さん? もしかして、泣いているのかい……?」

両津「す、すまん……情けない所を見せちまった……」

尾崎「いいんだよそんなの気にしないで。俺と両さんの仲だろ?」

両津「プ、プラモ屋……」グスッ

尾崎「さ、涙を拭いて。何があったか話しちゃくれねえかい?」

両津「ああっ、話すとも……話すとも!」

両津「……あれは忘れもしない去年の暮れ……」



171 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/29(木) 02:10:56.30 ID:dewxfyM5O

両津「実家に帰省していたわしは、家族三人で鍋をつついていた……今年最後の食事だったんだ」

両津「雪が降りだしそうなくらい寒かった大晦日……覚えているだろプラモ屋!」

尾崎「あの日は夜風が身にしみたねぇ……」

両津「そんな中親父が突然言い出したんだ……オデンが食べたい、と」

尾崎「気の強い親父さんだからねぇ」

両津「でもお袋は……嫌な顔一つせずに買い出しに向かう準備をし始めたんだ……」

尾崎「いいお袋さんじゃないか。十何年一緒にいると、流石に人間ができてるねえ」

両津「……」グスッ

尾崎「そ、それで?」



172 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/29(木) 02:14:58.77 ID:dewxfyM5O

両津「しかしわしらが、その日オデンを食べる事は無かったんだ……」

尾崎「年末じゃあお店もやってないだろうし……」

両津「違う! 店はやっていた! ちゃんとオデンの具だって買っていたんだ!」

尾崎「それじゃあ……ま、まさか」

両津「そうだ。帰りに車にはねられて……お袋はその日家に帰って来なかった」

尾崎「まさか、もう生きてないんじゃ……」

両津「いや、幸い一命は取りとめた。しばらくは寝たきりだったが……ううっ」グスッ

尾崎「大変だったんだな、両さんも」



173 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/29(木) 02:19:12.26 ID:dewxfyM5O

両津「お見舞いに行って愕然としたよ。
   痩せこけた頬に痛々しい包帯……わしゃ見てられんかった!」

尾崎「っ……ぅ」グスッ

両津「枕元にはボロボロになった買い物かご……
   ふと中を見てみると、大量の……大量の……うっ……」

両津「ち、ちくしょう。思い出しただけで涙が……」

尾崎「い、いいんだ両さん! もうわかったから! 言わないでも俺には全部わかったから!」

両津「わしのために泣いてくれるのか、プラモ屋!」

尾崎「ああ、ああ……もちろんだ!」

両津「プラモ屋……」

尾崎「両さん……」



174 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/29(木) 02:23:24.88 ID:dewxfyM5O

……

中川「……という話が」

律「ポカーン」

澪「……」

唯「ううっ、両さん可愛そう……」グスッ

律「せんせー、一名本気で泣いとります」

澪「……」ウルッ

律「いやお前もかよ!」


澪「だ、だってそんな過去があるなんて……」

梓「なんだかちょっとだけ……同情しちゃいますね」

紬「うふふっ。でもこれで終わったわけじゃないのよ?」

さわ子「?」

中川「ええ。この話の後にですね……」



175 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/29(木) 02:28:09.32 ID:dewxfyM5O

尾崎「……で、その話がこの紙とどんな関係が?」

両津「そこに書いてある山中という名前だ!
   そいつが……そいつがわしのお袋を車ではねた張本人なんだ」

尾崎「こ、この人がかい?」

両津「わしはあれから懸命に捜査をした。
   雨の日も風の日も……現場に通い詰めて千回現場を調べた」

両津「そして、ある一台の車がリストに挙がった! それこそがこの……」

尾崎「山中という人物の車か……」

両津「その通り!」



176 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/29(木) 02:33:29.88 ID:dewxfyM5O

尾崎「しかしそこまでわかってるなら、こんな回りくどい事しないでもいいんじゃないかい?」

両津「その山中はトンデモナイ奴でな。
   自分がひいたにも関わらず治療費は払わない、病院にも顔は見せず……」

尾崎「おいおい、本当かい?」

両津「冗談だったらどんなにいいか!
    日に日に痩せていくお袋。手術の金も無く……病院を追い出されるわで……」

尾崎「そ、そんなに……」

両津「だからこそ! その電話が必要なんだ!
   金は払ってもらわなくても伝えたいんだ。苦しんでいるお袋がいる事を……」

尾崎「り、両さん……!」

両津「これを聞いてまだわしが悪だと言うのなら、わしは去る」スッ



177 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/29(木) 02:37:27.48 ID:dewxfyM5O

両津「あばよプラモ屋」

尾崎「ま、待ってくれ。この五万円はどうするんだ!」

両津「手切れ金だ、取っておいてくれ。今までありがとうよ……」

尾崎「両さん……」

両津「じゃあな……」

尾崎「……」

尾崎「なあ両さん。明日の何時に電話すればよかったんだっけな?」

両津「……プラモ屋?」

尾崎「あーあ。実は昨日ちょっとした団体さんが来てな。金には困ってないんだよ」スッ

尾崎「この五万円は、お袋さんに何か美味いもんでも食べさせてやんなよ」

両津「プラモ屋……うっ……ううっ……」



179 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/29(木) 02:40:20.05 ID:dewxfyM5O

尾崎「泣くなよ。俺がこんな電話くらいかけてやるから、な?」

両津「う、うおおお! ありがとうプラモ屋! わしはいい友人を持ったなあ……」

尾崎「よ、よせやい。そんな事言われたら……照れるぜ」

両津「プラモ屋!」

尾崎「両さん!」

ガシッ(握手)

……



180 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/29(木) 02:44:46.96 ID:dewxfyM5O

中川「以上です」

さわ子「わ、わわ私事故なんて起こしてないわよ?」

唯「え? そうなの?」

さわ子「あったり前よ」

中川「念のため、先輩の実家に連絡してみましたが事故の事実は無いそうです。
   先輩のお母さんもピンピンしてました」

律「大嘘すぎんだろ! さわちゃん犯罪者にして母親までダシに使うなんて!」

中川「先輩だから……」

澪「その言葉だけで納得でき始めてるのが悲しいな」



181 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/29(木) 02:50:39.12 ID:dewxfyM5O

唯「プラモ屋さんもやっぱり共犯になっちゃうのかな?」

中川「先輩に騙されての犯行だからね。注意という形だけで終わると思うよ」

紬「義理人情のあるいい人よね、プラモ屋さんて」

梓「ひどいのはやっぱり両さんですね」

律「あ、でもこれだけ証言があるなら捕まえちゃえばいいんでない?
  そのプラモ屋が持ってたメモとか証拠にさ~」



182 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/29(木) 02:56:50.32 ID:dewxfyM5O

中川「メモはあったけど、逮捕はできないだろうね。言い逃れもするだろうし」

律「あ、どんな言い逃れするかみんなで考えてみようぜ?」

澪「……プラモ屋が勝手にやった事だ?」

梓「し、証拠はあるのか証拠は?」

律「そこに書いてあるのはただの単語だ!」

紬「わしが恐喝などするはずないだろ~」

さわ子「死ね、バーカバーカ」

律「発言と考え方が全部子供すぎる……」

澪「小学生以下かもね」

梓「綺麗な心がある分、小学生の方が偉いと思いますよ……」

律「ちげえねえや」

さわ子「も、もう話は終わりですか?」



185 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/29(木) 03:02:38.67 ID:dewxfyM5O

中川「僕の用事はあと……これを」カチャッ

唯「何この機械?」

澪「パッと見エフェクターに見えるが……」

中川「これは盗聴機を探知できる機械だよ。この部室に盗聴機が無いか……ね」

梓「と、盗聴!」

中川「海パン刑事が来てた時、先輩が色々やってたみたいだからさ……一応」

律「あの原始人、そんな事まで!」



186 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/29(木) 03:05:14.47 ID:dewxfyM5O

中川「もし機械があったら音が鳴るけど……さすがにそんな事は無いと信じてるよ」

律「中川さんは……信頼してるんですね?」

中川「僕は先輩を信じるよ。いくら先輩でも女子高の部室を盗聴なんて、ね」ピッ


ピーッ ピーッ ピーッ

ビーッ ビーッ ビーッ

ピピピピ ピピピピ

唯「うわ~めっちゃ鳴ってるよ~」

中川「……」

律「信頼する相手、変えたら?」

中川「……考えておくよ」



187 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/29(木) 03:12:30.27 ID:dewxfyM5O

……

中川「これで全部かな」

澪「やれやれ」

律「よくあるよあの原始人も」

さわ子「ま、また襲って来ないかな?」ブルブル

紬「その心配は無いですよ」

梓「ム、ムギ先輩?」

中川「実は昨日から先輩の姿が見えないんだ」

澪「え?」

紬「私の家に侵入しようとしたみたいなんだけど……セキュリティに引っ掛かったみたいなの」

律「ムギん家に忍び込むなんて……金か! 金なのか!」

紬「私の眉毛を全部抜き取ってお友達に売り付けるつもりだったみたいよ?」

律「そんなの買うやつがいんのかよ……」



188 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/29(木) 03:18:00.68 ID:dewxfyM5O

紬「SPに捕まって、外に追い出したんだけど……帰っていないみたい」クスッ

律「またどこかで下らない計画たててるんじゃね?」

中川「全く連絡がとれないから不安なんだ。
   以前、車のトランクの中に3週間ほど入っていた事があって……」

律「どんな状態、それ!」

紬「石膏でガチガチに体が固まって、増えるワカメに囲まれながらも生きていたそうよ」クスッ

律「いや、だからね……」



189 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/29(木) 03:22:05.30 ID:dewxfyM5O

中川「とにかく何かあったらここに連絡を」スッ

さわ子「え……あ! 名刺ゲットー!」

中川「はい、みんなにも」

梓「ど、どうも」

澪「なあなあ、なんかキラキラしているぞ?」

中川「ははっ、ただ純金が散りばめられているだけだよ」

唯「じゅんきんかあ~! キラキラ綺麗だね」

律「一枚いくらだよこれ……」

中川「じゃあ、僕は勤務に戻るから、また」

ガチャッ



190 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/29(木) 03:25:14.08 ID:dewxfyM5O

紬(……)

紬(人食いワニに囲まれて生きているわけないわよね?)

紬(うん、きっとそうよ。ちょっとやり過ぎたかもしれないけど……両津さんですもね)

紬(今ごろはお金と一緒に食べられちゃってるわよ……ね)

唯「安心したらお腹すいたぁ~。ムギちゃんお菓子~」

紬「はいはい。今お茶いれるからね」クスッ



191 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/29(木) 03:29:30.56 ID:dewxfyM5O

ガシャン ガシャン

……

ガシャンッ!

両津「ぷは! やった地上に出られた!」

クロコダイル「クゥ~ン」

クロコダイル「クゥ~ン」

両津「お前たちはここまでだ。ありがとよ」

クロコダイル「……」バシャッ バシャッ

両津「……」

両津「これで終わったと思うなよ! わしは……地獄の底から帰って来た!」

両津「絶対に……仕返ししてやるからな……!」



196 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/29(木) 04:13:21.11 ID:dewxfyM5O

数日後

ジャーン ジャーン

ボルボ「ふわっふわタ~イム!」

左近寺 本田「ふわっふわタ~イム!!」

ジャーン ジャーン

ボルボ「センキュウ!!」

左近寺「……よし、休憩だ」

本田「だいぶ形になってきましたね~」

ボルボ「うむ。あとはドラムが入ってくれれば完璧なんだかな……」



198 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/29(木) 04:17:18.57 ID:dewxfyM5O

両津「相変わらずだ元気にやってるな」

左近寺「ん?」

本田「せ、せんぱ~い?」

ボルボ「両津か、あれから連絡が取れなくて心配したぞ」

両津「……ああ、実はその事で話があるんだ」


ボルボ「また何処かに忍び込むのか?」

両津「そんな事はせん。実はわしも……音楽をやりたくなってな」

左近寺「ほ、本当か両津!」

ボルボ「歓迎するぞ」

両津「だがわしがやるのは……こんな軟弱な音楽じゃない」



200 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/29(木) 04:22:32.73 ID:dewxfyM5O

左近寺「な、軟弱だと!」

ボルボ「いくら両津でもHTTをバカにするのは許さんぞ!」

本田「そ、そうですよせんぱ~い……」

両津「わしがいってるのはそういう事じゃない。軟弱なのはお前らの事だ!」

左近寺「お、俺たちが軟弱だと?」

両津「そうだ! 楽器にも歌にも罪は無い……お前達自体が軟弱なんだ!」

ボルボ「俺たちは、これでも一生懸命やってるんだ!」

本田「そうですよ~。確かにまだバンドとしてはダメダメレベルかもしれないっすけど~……」



201 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/29(木) 04:26:40.40 ID:dewxfyM5O

両津「本田、そういう事を言ってるんじゃない……わしらは今まで何をやってきた?」

本田「え~?」

両津「ギターを弾く前だ! わしらは何を叩いていた!」

本田「わ、和太鼓ですか?」

両津「そうだ! 太鼓に赤ふん! これがわしらのスタイルだっただろ!」

ボルボ「今はこのスタイルだ」ジャーン

左近寺「俺も」ポーン

両津「……あああ、可愛そうに。紬ちゃんに嫌われちゃうな~っと。おっといけない。一人言一人言」

左近寺「な、何ッ! どういう意味だ!」



202 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/29(木) 04:30:54.93 ID:dewxfyM5O

両津「実は僕ちん紬ちゃんのお家に遊びにいったんだよね~」

左近寺「なんだと!!」

両津「その時彼女が言ってた言葉がね~……」

紬『私、男らしい太鼓を見るのがずっと夢だったの~』

……

左近寺「ほ、本当に彼女がそう言ったのか! え!」ギュッ ギュッ

両津「く、苦しい……ほ、本当だ!」

左近寺「……」スッ

両津「ゲホッゲホッ……どうだ左近寺? お前の中の男を彼女に見せたくないのか? ん?」

左近寺「お、俺は……」



203 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/29(木) 04:35:11.12 ID:dewxfyM5O

左近寺「俺は……キーボードを卒業するぞ! ムギゅぅぅぅうう!」バッ

両津(まずは一人)

ボルボ「ふん……今は和太鼓よりレスポールだ。この重量感がたまらん」

両津「レスポールと言えば……唯ちゃんがね~……」

ボルボ「な、なんだ! 何か言ってたのか?」

両津「いやあ、最初に会った時にさ、よくボルボに触ってたじゃない?」

ボルボ「あれには正直参ったが、悪い気はしなかったな」

両津「でね、みんなが帰った後にちょっとお話する機会があって……そしたら唯ちゃんがね」

ボルボ「……」ゴクッ



204 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/29(木) 04:39:22.70 ID:dewxfyM5O

唯『うんたん♪きんにく♪』


唯『きんにく♪きんにく♪』

……

両津「ありゃあ相当な筋肉マニアですぜ旦那」

ボルボ「お……お……」

両津「まあ、いくらギターが上手くても筋肉が見えないんじゃあ彼女が振り向く事なんて……」

ビリッ ビリッ

ボルボ「ふ、ふふっ……きんにく♪ きんにく♪」

両津(よし、こいつらが味方につけば……!)

両津「ふっふっふっ……まずは第一歩だ!」



205 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/29(木) 04:43:39.66 ID:dewxfyM5O

桜ヶ丘高校

唯「お茶おいし~」

澪「もうすぐ発表会があるんだから……いいかげん練習するぞ?」

唯「まだ先なんだから平気だよ~」

律「いやあ町のお偉いさんも来るからなあ……ここは真面目に練習しとこうぜ?」

梓「り、律先輩が珍しくやる気です!」

律「へへ~。コンクールで一等になったら10万円分の商品券だぜ? 気合いも入るってもんさ」



206 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/29(木) 04:49:15.21 ID:dewxfyM5O

紬「でも、音楽だけじゃなくて
  文化的な発表なら何でもオーケーだから……ハードルは高いかもね?」

唯「文化的って?」

澪「演劇とかダンスとか……そんな感じかな?」

梓「参加する人も多いみたいですね……私達が一等なんて……」

律「やる前から諦めない! ふて腐れる暇があったら練習練習!」

澪「ほ、本当にやる気だ……」
梓「ですね……よしっ! 私も頑張らないと!」

紬「あらあら」ウフフ

唯「あ~ん」パクッ



207 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/29(木) 04:55:39.95 ID:dewxfyM5O

ドンドドンドドン

左近寺「うりゃ!」

ドンドドンドドン

ボルボ「よっ!」

ドンドドンドドン

本田「なんで僕まで~!」

両津「文句を言う暇があったらもっと力を入れろ!」

本田「太鼓なんて僕には無理ですよ~!」

両津「仕方ないな、ほれ」ポイッ

本田「な、なんですか~このバチは?」



208 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/29(木) 05:00:09.66 ID:dewxfyM5O

両津「特別に作って貰ったバイクハンドル型のバチだ。ブレーキのリアルな作りが特徴だぞ」

本田「ハァ……こんなので太鼓なんか叩けるわけ……」グッ

本田「お、お、お……!」

ドンドドンドドン!

本田「テメェら!! 気合い入れて叩きやがれぇ! おら、どうしたどうしたぁ!!」

左近寺「おうっ!」

ボルボ「おうっ!」

ドンドドンドドン

両津「これだけ騒いでくれれば大混乱だな……ククッ」



209 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/29(木) 05:03:25.35 ID:dewxfyM5O

発表会当日

澪「い、いよいよだな……」

紬「コンクールの前ってやっぱり緊張するわね~」

律「ここまで来たんだ。頑張ろうぜ!」

梓「はいっ!」

憂「頑張ってね、お姉ちゃん! 私も客席から応援してるからね」

唯「ありがとう憂~」

憂「うん!」



210 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/29(木) 05:08:49.26 ID:dewxfyM5O

左近寺「い、いよいよだな」

ボルボ「発表の前は緊張するな」

本田「ほ、ほんとですね~」

ボルボ「しかし……本当に大丈夫なのか両津。演奏中に乱入なんて」

両津「HTTとは既に打ち合わせ済みだ。
   曲が盛り上がった所で更にわしらが出て盛り上げる……これぞ祭りだ!」

左近寺「しかし乱入などやはり、な」

両津「今日のためにわざわざ神輿まで借りてきたんだ!
   今さら中止になんてできるか! お前らの男を見せつけてやるんだろ!」



211 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/29(木) 05:16:08.39 ID:dewxfyM5O

左近寺「そ、そうだ。俺は今日ムギに男を見せるんだ」

ボルボ「俺も唯ちゃんに……」

本田「ぼ、僕はやっぱり澪ちゃんかな~」

両津「そうだ! 脱いで叩いて見せ付ける! これが俺たち男気薔薇時間のモットーだ!」

全員「おう!」

両津「よし。じゃあこの神輿を入り口まで運んでおいてくれ。わしはサプライズのための用意だ」

本田「サプライズですか~?」

両津「客席からバァーンと現れるアレだよ。神輿が入ってきたら登場だ」

ボルボ「なるほど」

両津「よし、行くぞ野郎共!!」



212 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/29(木) 05:21:15.59 ID:dewxfyM5O

文化ホール外

憂「ふぅ……戻らないと。あんなにおトイレ混んでるんだもんなぁ」タタタタッ

両津「ヘッヘッヘッ。ついにこの日がやって来たぜ。奴等の舞台を台無しにして……」タタタタッ

ガツン

憂「きゃっ!」

両津「うおっ……と。悪いな大丈夫か?」

憂「……は、はい。大丈夫で……あ」

両津「ん? あんたどっかで……」

憂(こ、この人……前に学校に来ていた……あ、あ……)ガタガタ

両津「……思い出した。確か海パン刑事を丸裸にした子か」

憂「な、なんて覚えかたしてるんですか?」

両津「はははっ、冗談だよ冗談」



213 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/29(木) 05:26:06.07 ID:dewxfyM5O

憂(なんだか優しい感じ……聞いていた程悪い人じゃないみたい)
両津(ゲヘヘッ。あの眉毛ちゃんの困る顔が見られると思うと今からご機嫌だぜ)

憂(そ、そうだよ。本当はきっと優しい人なんだ。
  初対面でゴキジェットさえかけられなければ、みんなともきっと仲良く……)

両津「じゃあ、またなお嬢ちゃん」

憂「あ、あの! 待って下さい」

両津「ん~? わしは急いでるんだがな」

憂「ご、ごめんなさい……でも、どうしても謝りたくてつい……」

両津「謝る? わしに?」



215 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/29(木) 05:30:17.67 ID:dewxfyM5O

憂「初日にお姉ちゃんが……大変失礼をしたみたいで、ごめんなさい」ペコッ

両津「あー、いいのいいの。もう気にしてないから」

両津(今からそのお姉ちゃんの所に行くんだから)

憂「よくありません! 話を聞いてると、お姉ちゃんしっかり謝ってないみたいですし……」

両津「いやあ謝りなんていらないんだよ、うん」

憂「ダメです! お姉ちゃん言ってました。もう一度両さんと会ってお話してみたい、って」

両津「なんだって……?」



216 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/29(木) 05:35:53.04 ID:dewxfyM5O

お見舞い

唯「……だって楽しいじゃん。あの刑事さんも面白かったし~」

憂「さ、最後の以外はまだ楽しめたけどさ……」フラフラ

唯「大丈夫~?」

憂「う、うん。まだクラクラするけど……平気だよお姉ちゃん」

澪「まあ、元気そうでよかったよ」

梓「寝込んでるって聞いてビックリしたよ」

律「まったく……今度あのゴリに会ったらガツンと言わなきゃな!」

唯「また会いたいな~。両さんだっけ?」

憂「まだ……あまりお話もしてないんでしょ?」

唯「うん。いつか一緒にお茶会したいな~。りっちゃんとも仲良いみたいだし」

憂「そうなの?」



218 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/29(木) 05:40:20.16 ID:dewxfyM5O

律「おいおいよしてくれよ。あんなのと仲良しだなんてさ」

唯「でも両さんと一番話してたの多分りっちゃんだよ?」

律「う、そ、それはだな……そう! ただのツッコミ役としてだな!」

澪「ただの割には楽しそうだったな」

紬「あの拳銃を取り出す感じとか、りっちゃんにはお見通しって雰囲気だったわね」

律「いやあ、あんなの絶対撃ってこないからさ。適当だよ適当」

澪「……よかったな、死ななくて」

律「ふぇ?」

憂「と、とにかく! 次会ったらちゃんと話し合うんだよ、お姉ちゃん?」



219 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/29(木) 05:45:01.41 ID:dewxfyM5O

唯「うん……私ちゃんと謝りたいな」

澪「私も、少し話してみたくなったよ」

紬「そうね。よく考えたら殺虫剤とワニはやり過ぎだったかも……」ショボン

律(ワ、ワニ?)

唯「りっちゃんは~?」

律「わ、私は……」

梓「先輩……」

律「……わかってるよ梓。まあ、お詫びの印にお茶の一杯でもご馳走してやるか。
  ゴリラに味がわかるかは知らないけどな」

澪「律……!」

紬「私、最高のお茶を用意しておくわね。あと、両さん専用ティーカップも!」

憂「み、みなさん……!」



221 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/29(木) 05:50:31.20 ID:dewxfyM5O

律「じゃあ今度……両さんが遊びに来たら何か一曲歌ってやるか!」

唯「よ~し。何歌う? 何歌う?」

澪「やっぱり私たちらしさを伝えられる曲がいいんじゃないか?」

梓「らしさ?」

紬「ふふっ。だったらもう二、三曲増えてもいいんじゃないかしら?」

律「それは気合い入れすぎだな~。所詮相手はゴリラだぜゴリラ」

澪「お、両さんからゴリラに格下げか?」

律「あ、あれ? 私両さんなんて呼んだっけ?」



222 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/29(木) 05:53:28.77 ID:dewxfyM5O

唯「さっき両さんって言ってたよ~?」

澪「……」ニヤニヤ

律「ま、ゴリラでも原始人でも……両さんは両さんだけどな!」

澪「あっ、開き直ったなこいつ!」


紬「まあまあ。楽しければいいじゃない」

律「そう、それだ! 楽しいゴリラなら何でもいいんだ!」

唯「それは何だか変だよ~……」

律「変な事あるかよ。大体あいつが勝手に学校に入ってきたのがだな……」

憂(……よかった。みんな元気みたい)

憂(何だかんだで笑顔をくれた両津さん……ありがとう)



223 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/29(木) 05:58:21.81 ID:dewxfyM5O

……

両津「……」

憂「だからみんな謝りたくて……
  でも両さんが全然来てくれないから、発表会で忙しくなっちゃって……」

両津「わ、わし……本当は……」

憂「り、両さん?」

両津「わしだって本当は……寂しかったんだよぉ……うっ、うっ……」

憂「……」

両津「わしだって……仲良くお茶飲んだり、ノンビリと楽器の演奏を聴きたかった、それだけなのに」

両津「あ、あんな仕打ちなんてあんまりだったんだぁ~……うっ……」

憂「両さん……」



224 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/29(木) 06:01:46.45 ID:dewxfyM5O

憂「今からでも……遅くなんてありません!」

両津「ひっ……ひっく……」

憂「行きましょう! みんなが待っています!」グッ

両津「う、憂ちゃん……!」

憂「もう時間がありません! さ、早く!」

両津「う、うぉおおおおおお!!」ダダダッ




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