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憂「アブラゼミは平沢姉妹の夢を見るか」 【ホラー】


http://yuzuru.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1282048499/




1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/17(火) 21:34:59.59 ID:2C88lhxr0

八月一日

絵の具セットを全部ぶちまけたように不気味な曇り空はここ一週間粘着絶好継続中で

オキシライド電池で動き続けるハイテク電波時計でも見ないと今が昼かもわからない

でもそんな窓の外の風景など隣の住人の祖父の従妹の孫の初恋の人との想ひで程にどうでもよく

私はミハエル・シューマッハの如く瞬速で家事を終わらせお姉ちゃんとのおやつタイムの準備を開始した

今日のおやつはハーゲンダッツアーモンドプラリネクリーム味×24個

きっとぺろりと平らげてしまうだろう

拒食症のウツボカズラみたいに膨らんだビニール袋を手提げながら

お姉ちゃんの部屋のドア(ヘヴンズドアー)をノックする

こっ こっ

「お姉ちゃん、入るよ?」

と言って 優しく官能的にドアノブを捻った


ぎぃい きゅぃ


ドアが開く





3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/17(火) 21:37:19.20 ID:2C88lhxr0

あまりにもいつも通りなお姉ちゃんの部屋

もう何回見たかもわからない

漫画やぬいぐるみはクラスター爆弾を至近距離でぶちかましたように散乱して

その中でお姉ちゃんが子猫子犬子アザラシみたくごろごろしててああもう可愛いよう

「アイス持ってきたんだけど、食べる?」

わたしが限界ギリギリまで優しい声で質問すると

後ろを向きながらお姉ちゃんは返事をした


「クニア邀茣`イbイwア_コ浤ウア?`イbイw」

「え」



4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/17(火) 21:38:04.07 ID:2C88lhxr0

外人が日本語聞くと機械音のように聞こえるとかいう

嘘だかホントだか個人差だろソレって感じの

噂を耳にしたことはあるけど これははっきり言って人間の言葉じゃあない

呻き声や悲鳴でもない

よくわからない音だった

「どうしたのお姉ちゃん・・?」

もしも風邪とか熱とか腸チフスとかにでも掛かっていたら

この先の人生二度と笑顔を作る自信が無いくらい落ち込むことになるので少し心配になる

そんな私の問いかけに

お姉ちゃんは振り向いた



5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/17(火) 21:39:35.35 ID:2C88lhxr0

しかしその顔は

お姉ちゃんではない

お姉ちゃんの顔には二つの大きな複眼と 額に小さな三つの単眼 

細長い口吻が伸びていて 頭に短い触角が見える


それはどこからどう見ても






セミのそれだった




「、ノ、ヲ、キ、ソ、ホ。ゥ」

セミはなにか言った



7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/17(火) 21:41:56.39 ID:2C88lhxr0

――――――

Q あなたの好きな人の顔が 別の人間のものに変わってしまいました

あなたはその人を愛す事ができるでしょうか



A お姉ちゃん可愛い(あと最近梓ちゃんもちょっと可愛い)


反吐が出過ぎて胃液不足からの消化不良になりそうな心理テストは勿論作品のテーマなどではなく

目の前のお姉ちゃんなのか何なのかよくわからない存在の前ではどうでもよくなるものだ

セミの顔を持つお姉ちゃん

病気?呪い?腸チフス?

ライトノベルでも出てきそうな魔法使いが

ある日突然平凡な日常をミックスジュース掻き混ぜに来た的設定は

100円玉でコイントスして平等院鳳凰堂の柄が出るくらい有り得ないので

これは私が勝手に夢か幻覚でも見てるんじゃないんだろうか



8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/17(火) 21:46:15.19 ID:2C88lhxr0

しばらく様子を見たが

目の前でこちらを凝視しているセミお姉ちゃんは先程から人間の言葉を一度も発することはない

こちらが話しかけても特に答えることもなく 気紛れに謎の音を出すだけだ

ハーゲンダッツは猫に小判大判金銀財宝ワンピースを与えたように無視され

ただの不味そうな液体と化していた

よりによって 私の大嫌いなセミの顔


なんだか気分が悪くなってきて

部屋を出て、水を飲もうと台所へ行く

ハイスピードかつ意味不明な超展開に 脳味噌がついていかないようだ

水を飲めば 心が落ち着く

水を飲もう

水を・・



10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/17(火) 21:48:59.54 ID:2C88lhxr0

きゅぃっ

コップを持ち蛇口を捻る




水は出てこない 

おかしい、と思った矢先

ばばばばちっ ばばちっ

と 激しい音が蛇口の奥から聞こえた

ばばちっ ばばばばばちっ


まるで 虫が翅を何かにぶつけているような

音が



11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/17(火) 21:52:10.05 ID:2C88lhxr0

反射的に蛇口を閉めようと手を伸ばす

しかしその瞬間


ぼとり

びぶ び ぶいぃぃいいいいいいいい!!!!



不気味な音と同時に

小さなセミが蛇口がから落ちてきた

片方の翅は千切れていて シンクに片翅を叩きつけながらぐるぐる回っている

毛の無い猿でも見たような生理的嫌悪感が私を襲撃した

ぼとり ぼとり

びびびっ ぶいぃいいい

二匹目 三匹目

セミは後を追うようにまだまだ出てくる



12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/17(火) 21:57:03.93 ID:2C88lhxr0

一匹翅の損傷が少ないラッキーボーイがいて

部屋のあちこちにぶつかりながら飛び出して行った

気持ち悪い 破滅的に気持ち悪い

宇宙創世から今現在までの全イベントアカシックレコード検索したって

今ほどキモい出来事は無かっただろう

意味が理解できないが 蛇口を閉めなければ

きゅぃぃっ

と力を込めて閉めると 小さな抵抗を感じた

べきちっ ぎぃ

べとり

二枚の翅と千切れた半身が蛇口から垂れてくる




思考を持たない無機物でさえも気が狂うであろう状況下でも

私は水を飲めない



13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/17(火) 22:00:02.57 ID:2C88lhxr0

―――――


頭がおかしくなりそうだ

仕方なしに冷蔵庫に保存しておいた

お姉ちゃん用濃縮還元果汁100%オレンジジュースを飲み干し

もう一度 セミお姉ちゃんの様子を見に行こうとしたところ

今度は電話が鳴った

ぷるるるるるる ぷるるるるるるる

四歳児が暇つぶしに口ずさみそうな単調且つつまらない着信音は耳触りだが

しかし他の人間と話せるという安心感と共に安物の受話器を耳にあてた

「もしもし、琴吹ですけど・・唯ちゃんいますか?」

よし 人間の言葉だ

おまけに知り合いからときた(コイツ嫌いだけど)

「あ、それが・・信じられないことなんですけど・・」

私は沢庵に

今日起きた異次元並に訳のわからない出来事について綿密に細密に確実に話した



14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/17(火) 22:04:21.40 ID:2C88lhxr0

「そう・・それは大変ね」

「ホント、頭がどうかなりそうで・・」

「うふふ」

え 何笑ってんの

「憂ちゃん、セミが苦手だものね」

確かに死ぬほど嫌いだけれど

「あんまり嫌いなものだから 昔 セミの幼虫を見る度潰してたもんね」

なんで

「あれ?それが気持ち悪いから嫌いになったのかしら?どっちが先?」

そんなことを知って・・

ぶっ ぷーぷーぷー

電話が切れた


―――――――



16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/17(火) 22:09:37.33 ID:2C88lhxr0

―――――――
お姉ちゃんは相変わらずのセミ頭でウンモ星人を遥かに上回る意思疎通の難易度に

流石の私も疲労困憊満身創痍でカラータイマー点滅状態

先程からなにかおかしいと思えば この家には

音が無い

カールマイヤーの如く耳障りなセミお姉ちゃんの出す音や電話の着信音は聞こえるものの

外を走る自動車の音窓を揺らす風の音そして何よりいつも喧しいセミの鳴き声が

皆無だった

人間音が無いと寂しくて寂しくて死んでしまう兎のような軟弱生物なので

iPodのお姉ちゃんフォルダを開いて寝言シリーズ③を選択する

これで気でも紛らわせよう  と 思ったのだが

音が出ない 

音量も充電も接触も十分確実絶対完全間違い無しに無問題なのに

私の鼓膜は真空状態の如くピクリとも揺れなかった

嫌な予感がして リビングのテレビを付けるが

やはりこれも付かない



17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/17(火) 22:10:21.04 ID:2C88lhxr0

お姉ちゃんの部屋の方から音が聞こえる

「フ?讀ホ貭、マソァノユ、ュ」

わからない

いくらお姉ちゃんの口から出た音でも 理解ができない

不安が全身の毛穴に入り込んできたようで とにかく落ち着かない

私は玄関のドアをブチ開けて外へ駆け出したが案の定人っ子一人いない

ビッグバン発動以前の宇宙みたくひたすら静かで空虚でカオスな空気

まるで悪夢だ

ホントに夢なのかもしれない

今流行りの明晰夢 こんなの何処がいいんだろう



18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/17(火) 22:12:50.86 ID:2C88lhxr0

―――――

私はひたすら 無音で薄暗い町中を走り回った

体力の限界まで ゲロ吐きそうになるまで走り回った 



誰もいない

この町には

いや この世界には 

私と お姉ちゃんの身体を持ったセミしかいないのだ

じゃあさっきの沢庵からの電話は?

知った風な口を聞くあの女はこの町にいるの?

ういー あいすー  ういー あいすー

携帯の着信音が鳴った

久々に聞いた「音」だ



20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/17(火) 22:16:24.88 ID:2C88lhxr0

「もしもし、憂ちゃん?」

「紬さん・・」

「あのね、

「何か知ってるんですか?私、頭おかしくなりそうなんですけど」

「実はね、琴吹グループの作った新薬が流出して 町中に避難勧告が出てるのよ」

は?

「何故だか憂ちゃん達には伝わって無かったみたいだけど・・」

「新薬?流出?何が・・?じゃあお姉ちゃんはどう説明するんですか?」

「わからない?」

「・・・・」

「だから、人をセミにしちゃうお薬だったの。憂ちゃんは抗体でも持ってたのかもね」

意味がわからない

バイオハザード?何 ゲームの世界にいるわけ?



21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/17(火) 22:19:50.18 ID:2C88lhxr0

「蛇口のセミだって、きっと誰かの悪戯よ」

「じゃあお前がお姉ちゃんセミにしたの?あ?早く戻せよ」

「明日には戻ってるわよ」

「え」

「明日には全部戻ってるわよ。その程度のお薬だもの」

なんだ全部謎の新薬が原因の

ドッキリお騒がせ夏休み特別企画良い子は見ちゃダメホラースペシャルだったのか

あーぁくだらないくだらない

もう家に帰って寝よう

お姉ちゃん明日には元通りになっててね

私は自室の電気を消して目を閉じた



22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/17(火) 22:24:21.72 ID:2C88lhxr0

―――――――

八月一日


マクドナルドのクォーターパウンダースーパーサイズセットを一気食い後に即吐いたゲロみたいな色した曇り空は

ここ一週間継続中で なんでも鑑定団で2万円くらいの査定が付きそうな鳩時計でも見ないと今の時刻もわからない

でもそんな窓の外の風景など隣の住人の祖父の叔母の曾孫の初恋の人との想ひで程にどうでもよく

私はアイルトン・セナの如く超スピードで家事を終わらせお姉ちゃんとのおやつタイムの準備を開始した

今日のおやつはハーゲンダッツグリーンティー味×24個

きっとじゅるりと平らげてしまうだろう

自爆寸前のセル第二形態みたいに膨らんだビニール袋を手提げながら

お姉ちゃんの部屋のドア(ヘヴンズドアー)をノックする

こっ こっ

「お姉ちゃん、入るよ?」

と言って 激しく情動的にドアノブを捻った

ぎぃい きゅぃ

ドアが開く



23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/17(火) 22:27:39.10 ID:2C88lhxr0


あまりにもいつも通りなお姉ちゃんの部屋

もう何回見たかもわからない

「アイス持ってきたんだけど、食べる?」

わたしが限界ギリギリまで優しい声で質問すると

後ろを向きながらお姉ちゃんは返事をした


「$B$b$&2?2sL\$J$N$+3P$($F$J$$$h」

「え」

お姉ちゃんはセミだった


「$c%@%a$@$h」

セミは何か言った



24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/17(火) 22:29:50.58 ID:2C88lhxr0

―――――――
Q あなたの好きな人の顔が 別の人間のものに変わってしまいました

あなたはその人を愛す事ができるでしょうか



A お姉ちゃん可愛い(あと最近梓ちゃんもちょっと可愛い)


渋谷の一角でさも善人かのような態度で他人の運命(笑)を占う(笑)婆さんが出しそうな

心理テストは勿論作品のテーマなどではなく

目の前のセミなのか何なのかよくわからない存在の前ではどうでもよくなるものだ


台所へ行き 水でも飲んで落ち着こうとする

水を飲めばきっと落ち着く

水を飲めば・・・

きゅぅぃっ きゅぃ

蛇口を捻ると

ばばばばばちっ ばぶびびび

虫の羽音が聞こえた



25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/17(火) 22:31:04.69 ID:2C88lhxr0

急いで蛇口を閉めようとするが

ぶびぃ ばびびびびびびっび!!

片翅の千切れたセミがシンクの上を駆けずり回る

気持ち悪い ただただ気持ち悪い

意味が理解できないが 蛇口を閉めなければ

きゅぃぃっ

と力を込めて閉めると 小さな抵抗を感じた

べきちっ ぎぃ

べとり

二枚の翅と千切れた半身が蛇口から垂れてくる


思考を持たない植物でさえも気が狂うであろう状況下でも

私は水を飲めない



26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/17(火) 22:32:50.95 ID:2C88lhxr0

―――――

頭がおかしくなりそうだ

止むを得ず冷蔵庫に保存しておいた

お姉ちゃん用果実パルプ満載オレンジジュースを飲み干し

もう一度 セミちゃんの様子を見に行こうとしたところ

今度は電話が鳴った

ぷるるるるるる ぷるるるるるるる

「もしもし、田井中ですけど・・唯いるかな?」

よし 人間の言葉だ

おまけに知り合いからときた(コイツあんま好きじゃないだけど)

「あ、それが・・信じられないことなんですけど・・」

私はデコに綿密に細密に話した

「それは凄いな・・」

「ホント、頭がどうかなりそうで・・」



27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/17(火) 22:35:14.28 ID:2C88lhxr0

「はははっ」

え 何笑ってんの

「憂ちゃんはセミが大嫌いだもんな」

確かに好きではないけれど

「あんまり嫌いなものだから セミを見るたび翅をもいでたっけk」

なんで

「あれ?それが気持ち悪いから嫌いになったのか?どっちが先?」

そんなことを知って・・

ぶっ ぷーぷーぷー

電話が切れた



29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/17(火) 22:37:39.28 ID:2C88lhxr0

――――――――

不安が脳細胞の一つ一つに溶け込んできたようで とにかく落ち着かない

私は玄関のドアをブチ開けて外へ駆け出したが案の定人っ子一人いなかった

ビッグバン発動以前の宇宙みたくひたすら静かで空虚でカオスな空気

まるで悪夢だ

私はひたすら 無口でシャイで鬱な町中を走り回った

が 誰もいない 

この町には 

私と お姉ちゃんに似たセミしかいないのだ

ういー あいすー  ういー あいすー

携帯の着信音が鳴った

「もしもし、憂ちゃん?」

「律さん・・」

「あのね、

「何か知ってるんですか?私、頭おかしくなりそうなんですけど」



30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/17(火) 22:38:25.44 ID:2C88lhxr0

「やっぱりさ、ホントに頭おかしいんだよ憂ちゃんは」

は?

「別に馬鹿にしてるわけじゃないよ?でもさ、おかしいのは憂ちゃん自身なんだよ」

「なんですか?確かに言ってる事はわからないかもしれないけど、全部事実で・・」

「それだよ」

「・・・・」

「だから、憂ちゃんの目にだけ世界がおかしく見えてるんだよ」

意味がわからない

何?なんたら症候群?



31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/17(火) 22:39:54.96 ID:2C88lhxr0

「蛇口のセミだって、普通に水が出てたのに 幻覚を捉えちゃったんだよ」

「じゃあお姉ちゃんもホントは普通ってことですか?私はずっとおかしいってこと?」

「明日には戻ってるよ」

「え」

「明日には全部戻ってるよ。寝ればどうせ治るさ」

なんだ全部私の脳味噌が勝手に面白可笑しく捉えていただけの勘違いだったのか

あーぁくだらないくだらない

もう家に帰って寝よう

お姉ちゃん明日には元通りになっててね

私は自室の電気を消して目を閉じた



32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/17(火) 22:43:19.51 ID:2C88lhxr0

―――――――

八月一日

曇っていた

時計で確認しないと ロクに時刻もわからない

私はお姉ちゃんのおやつのハーゲンダッツハニーミルク味×24個を持って

ドアをノックした

こっ こっ

「お姉ちゃん、入るよ?」

と言って 普通にドアノブを捻った


ぎぃい きゅぃ



33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/17(火) 22:44:53.54 ID:2C88lhxr0

ドアが開く

あまりにもいつも通りなお姉ちゃんの部屋

もう何回見たかもわからない


「アイス持ってきたんだけど、食べる?」

わたしが質問すると

後ろを向きながらお姉ちゃんは返事をした


「アレアシア牾ソアツア邀ハアg」

お姉ちゃんではなくセミだった

「オ荵。ア螻ニアォアツア゙ア??・」

セミは何か言った



34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/17(火) 22:47:43.21 ID:2C88lhxr0

――――――

Q あなたの好きな人の顔が 別の人間のものに変わってしまいました

あなたはその人を愛す事ができるでしょうか



A お姉ちゃん可愛い(あと最近セミちゃんもちょっと可愛い)


ひょっとしたら 作品の根底に関わる重要なテーマなのかもしれないし

そんなことも無いのかもしれない


台所へ行き 水でも飲んで落ち着こうとする

水を飲めば・・・



35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/17(火) 22:48:23.71 ID:2C88lhxr0

きゅぅぃっ きゅぃ

蛇口を捻ると

ばばばばばちっ ばぶびびび

セミが出てきた

意味が理解できないけど 蛇口は閉めない方がいいかな

びびいいいぶ ばばっびび

べとん べこん

ぶびびびびび びび

元気なセミはどんどん出てくる




思考を持たない胎児でさえも気が狂うであろう状況下でも

私は水を飲めない



36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/17(火) 22:51:00.30 ID:2C88lhxr0

―――――

今度は電話が鳴った

ぷるるるるるる ぷるるるるるるる

「もしもし、秋山ですけど・・唯いる?」

「あ、それが・・信じられないことなんですけど・・」

私は事を話した

「それはそれは・・」

「ホント、びっくりしました」

「はははっ 憂ちゃんはまだセミが嫌いなのか?」

「・・どうでしょうね まだわかんないです・・。って あれ?」

なんで

「いつか 好きになると思うよ」

そんなことを知って・・

ぶっ ぷーぷーぷー

電話が切れた



37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/17(火) 22:55:12.48 ID:2C88lhxr0

――――――――

まるで夢の中にいるようだ

私はひたすら 穏やかな町中を走り回った

が 誰もいない 

この町には 

私と あのセミさんしかいないのだ

みーんみんみん みーんみんみん

携帯の着信音が鳴った

「もしもし、憂ちゃん?」

「澪さん・・」

「あのね、

「何か知ってるんですか?私、まだよくわからないんですけど」

「これはやっぱり 前世の記憶が蘇ったんだよ」





38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/17(火) 22:57:59.21 ID:2C88lhxr0

「憂ちゃんの前世はアブラゼミで、その時のセミの記憶や意識がフラッシュバックしてるんだ」

「そうなんですか?にわかに信じがたいですけど・・経緯もよくわからないし・・・」

「憂ちゃん、君はもう死んじゃったんだ」

「・・・・」

「だから、憂ちゃんは今魂の状態・・幽霊なんだ」

あれ?何時の間に?

「その状態は不安定だから、輪廻の渦がずれちゃう時があるんだ」

「じゃあ・・私はいつまで・・?」

「明日には戻ってるよ」

「え」

「明日には全部戻ってるよ。また来世に行くだろうし」

なんだ私死んでたんだ あーぁくだらないくだらない

もう家に帰って寝よう

セミちゃんバイバイまた明日

私は自室の電気を消して目を閉じた



39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/17(火) 22:58:42.81 ID:2C88lhxr0

―――――――

ネャキ・・

ニ゙、・

・マ。シ・イ・鵐タ・テ・ト・ッ・テ・ュ。シフ」、ャ、ェ、荀ト

・サ・゚、ャ、ェサミ、チ、网鵑タ

「」

・サ・゚、ャイソ、ォクタ、テ、ソ



41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/17(火) 23:01:28.46 ID:2C88lhxr0

―――――――

Q 「、ハ、ソ、ホケ・、ュ、ハソヘ、ホエ鬢ャ。。ハフ、ホソヘエヨ、ホ、筅ホ、ヒハム、・テ、ニ、キ、゙、、、゙、キ、ソ

、「、ハ、ソ、マ、ス、ホソヘ、魄ヲ、ケサャ、ヌ、ュ、・ヌ、キ、遉ヲ、ォ



A ・サ・゚、チ、网鷁トーヲ、、


シリク?ォ、鬣サ・゚、ャスミ、ニ、ュ、ソ

、ヨ、モ、モ、モ、モ、モ、テ

、筅テ、ネスミ、キ、ニ、「、イ、隍ヲ


ソ螟マー皃ハ、、



42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/17(火) 23:02:38.38 ID:2C88lhxr0

―――――――

ナナマテ、ャフト、テ、ソ

、ラ、・・・・・・・。、ラ、・・・・・・・


「もしもし、中野ですけど 憂?」

。ヨ、「。「、ス、・ャ、ヌ、ケ、ヘ。ラ

サ荀ママテ、キ、ソ

「そうなんだ、愉しんでる?」

。ヨウレ、キ、、、ヌ、ケ、ヘ。ラ

「憂ってまだセミ嫌いだっけ?」

。ヨコ」、ヌ、マ。。キ・スケ・、ュ、ヒ、ハ、熙゙、キ、ソ、陦ラ

、ハ、鵑ヌ

「ま、ようやくってところだね」

、ス、・髻ヲ。ヲ。ヲ

、ヨ、テ。。、ラ。シ、ラ。シ、ラ。シ

ナナマテ、ャタレ、・ソ



44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/17(火) 23:05:55.49 ID:2C88lhxr0

―――――――
チテ、ソ

サ荀ネ・サ・゚、キ、ォ、、、ハ、、

キネツモ、ャフト、・


「もしもし、憂?」

。ヨーエ、チ、网鵝ラ

「憂さ、もうセミになってるんだよ」

「自分がセミになっちゃったもんだから、いろんなものもセミに見えちゃうんだね」

「セミ好きの境地だよ、それ」

「もう寝なよ。どうせすぐ死んじゃうけど」

、ス、ヲ、ハ、鵑タ

、ク、网「・サ・゚、鬚筅テ、ネケ・、ュ、ヒ、ハ、・・ォ、・


、隍ォ、テ、ソ、筅ヲソイ、隍ヲ

フタニ・筅隍キ、ッ、ヘ・サ・゚、チ、网・

ナナオ、、鮠テ、キ、ソ



45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/17(火) 23:09:16.49 ID:2C88lhxr0

―――――――

八月二日

耳無し法一も鼓膜破って耳鼻科の待合室で念仏唱えちゃうくらい喧しい騒音の正体は

言うまでもなくセミの鳴き声で 目覚まし時計いらずで目が覚めてしまった

陸ガメが二回生涯を終える程の 長い長い夢を見ていた気がする

汗びっしょりだ

部屋を出ると お姉ちゃんが「ふんすっ」をやっていた

お姉ちゃんが私より・・早起き・・・・!?

「どうしたの?」

「だって憂 いつもセミが五月蠅いからって 退治しに行っちゃうじゃん」

「えっと・・」

「今日という今日はさせないよ!セミさんも生きてるんだよ!」

「その為に早寝早起きしたんだね・・」

そうは言ってもあの翅から足から鳴き声から 全部好きになれな・・・

あれ?



47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/17(火) 23:18:12.02 ID:2C88lhxr0

「憂ー?」

「え?うぅん!セミさんも可愛いよね!」

「ねー!」

肉親と恩人と親友と恋人の仇よりも数十倍憎くて憎くて仕方が無かったあのアブラゼミが

今では不思議とアイラブユー

大好きなお姉ちゃんの顔が アブラゼミだった時点で

私は何かに気付くべきだったのかもしれない

愛せというなら愛して見せよう 姉が愛せば愛して見せよう


因みにお姉ちゃんは昨夜 私がセミを嫌いにならない様 

沢山沢山お祈りをしたそうで

滅茶苦茶だけども     まぁ 真夏の夜の神秘ってことで・・・


セミセミ大好き超愛してる

Love Love Love You I Love You
 
でも朝はちょっと五月蠅い かな                     終わり




48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/17(火) 23:20:28.91 ID:UYvwPEx+O

梓が好きになってるあたり話は全部繋がってるのかな




49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/17(火) 23:25:33.50 ID:Ij/S7Syf0

セミちゃん可愛い

おつ!!



50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/17(火) 23:36:55.55 ID:m0ToXfsf0



すっごい地の文特徴でるな



51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/18(水) 00:11:46.00 ID:rfKmTP7LO

おつ



54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/18(水) 00:52:49.36 ID:ROF/s+KyO

相変わらずだなw

おつ






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憂「アブラゼミは平沢姉妹の夢を見るか」
[ 2011/11/30 19:23 ] ホラー | | CM(1)

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タイトル:
NO:5656 [ 2012/02/21 00:05 ] [ 編集 ]

まじ無理(>_<)
からだが受け付けないわ…

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